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「MRI検査って結果が出るまでの時間はどのくらいなのか」 「時間がかかるなら予定を組みたいから事前に知っておきたい」 人間ドックでも使用する機会が増えてきたMRI検査ですが、人によっては所要時間以前に検査を受けることが難しい場合があります。 本記事ではMRI検査でできる内容や、注意点について解説します。MRIを用いた検査を予定している人で、本記事で記したMRI検査の注意事項に当てはまる人は、検査の前に担当の医師に申告するための準備ができるので、ぜひ参考にしてください。 MRI検査とは MRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像診断)検査とは、強力な磁場を発生させるトンネルのような装置の中で、身体の内部の断面をさまざまな方向から撮影する検査です。 MRI検査は、ベッドに横たわり検査が始まるとベッドが自動で動いてトンネルのような装置の中に入っていきます。磁場が発生するときは工事現場のような大きな音がするため、ヘッドホンや耳栓をして検査を行う場合もあります。 工事現場の音 80〜85デジベル MRI検査の音 120デシベル程度 MRI検査でわかること MRI検査は、全身の疾患について調べられますが、以下の部位における高い検査能力が特徴的です。 四肢(両手、両足) 関節軟部組織 脊椎 脳 膝 肩 子宮 卵巣 血管 など 骨や、その周辺にある軟骨の状況も精査できるほか、脳を含む頭部や骨盤内の臓器などを検査する際に使われます。 MRI検査とCT検査との違い MRI検査と同じように身体の内部を撮影する検査として「CT検査」があります。MRI検査と同様にトンネルに入って行うもので装置の見た目も似通っているのですが、大きな違いがあります。 それは「CT検査は放射線を使った検査」「MRI検査は磁場と電波を使った検査」の違いです。放射線を使わないMRI検査の方が身体への負担が少ないと考えられます。検査の原理や得意な部位の違いは以下の表でまとめました。 検査原理 得意な部位 MRI検査 磁場と電波 整形外科の主な症状 腱板損傷、腱板断裂、関節損傷、靭帯損傷、半月板損傷、頸椎症、胸椎・腰椎ヘルニア、頸椎ヘルニア、脊髄腫瘍、骨軟部腫瘍、その他 脊髄、関節、脳、骨盤腔内臓器 ※関節軟部組織の描出が得意 CT検査 放射線 骨、脳、肺、腹部 MRI検査の結果が出るまでの所要時間 MRI検査の所要時間は20~45分です。似ている検査方法のCT検査は10~15分なので、比較すると少し長い時間がかかります。身体を動かすと画質が落ちてしまうため、検査中はなるべく身体を動かさないことが重要です。 また、MRI検査の結果が出るまでの期間は、検査当日すぐに出る場合もあれば、7~10日間ほどかかる場合もあります。医療機関によって変わるため事前にご確認ください。 MRI検査当日の所要時間:20〜45分 MRI検査の結果が出るまでの期間:当日または7〜10日 MRI検査の全体的な流れ MRI検査の当日は以下の流れで検査が行われています。 受付しつつ注意事項の確認 問診完了後、検査着にお着替え 検査室に移動しMRI検査の実施 MRI検査終了後、来院時の服にお着替え お会計 MRI検査の結果は郵送でお知らせするケースが大半ですが、必ず担当医に「どのような方法で検査方法が知らされるのか」を確認しておきましょう。 MRI検査の注意点 MRI検査は、強力な磁石と電磁波を使用するので、MRIの検査室内には金属類の持ち込みを一切禁止しています。たとえば金属類が該当し、ファスナーやチャック、金属製のボタンなどが付いた服装では検査できません。 また、女性の方はホック付きのブラジャーも着用できない可能性があるため注意が必要です。その他、バッグはもちろん、携帯電話や腕時計、財布などの貴重品、身に付けているアクセサリーを含めた金属類はすべて取り外してもらうのが必須です。ヘアピンなども忘れがちですので注意してください。 医療機関では、MRI検査で検査着に着替える場合が多いため、なるべく金属が付いておらず着替えやすい服装で来院するとスムーズに検査を受けられます。 金属が付いていなくても発熱系素材の下着なども注意が必要です。 インプラントも素材によっては難しい場合があるので、入れ歯も外してもらう必要があります。 身につけてはいけないものや注意が必要なもの一覧 MRI検査当日は、以下の服装やアクセサリー類などを身につけて来院される場合は注意が必要です。 MRI検査時に注意が必要なもの一覧 身に着けてはいけないもの、注意が必要なもの ファスナー、金属ボタンのついた衣類 メイク、マニキュア(アイシャドウ、マスカラ、ネイルアートに注意) 入れ歯、(インプラントは事前相談が必要です) 腕時計、メガネ、へアピンなどのアクセサリー類 コンタクトレンズ(事前相談が必要です) コルセット系の下着、ホックが付いた下着・衣類 金属のついている服や下着 発熱保温機能付の衣料(ヒートテック等) など 体内にペースメーカーなどを埋め込んでいる人 MRI検査は、強力な磁石や電波を使うため、火傷などの事故が起こらないよう十分に気を付けなければなりません。人によっては、身体の状態や状況によってMRI検査を受けるのが難しいと判断されるケースがあります。 以下の事項に当てはまる人は、MRI検査を受けられない場合があるため注意が必要です。 体内に金属(インプラント、ペースメーカーなど)を埋め込んでいる人 手術などで体内に金属、プレートやボルトを埋め込んでいる人は、MRI検査で使用する磁石と金属が反応して検査画像の乱れや火傷の原因となる可能性があります。 金属を体内に埋め込んだ症歴がある場合は、検査を受ける前に必ず申告し「MRI検査が可能であるか」を確認しておきましょう。治療を受けた病院で、金属の種類を事前に確認を求められるケースもあります。 体内に金属類を埋め込んでいる人で注意が必要なケース一覧 心臓ペースメーカー 骨折で体内に金属が入っている 脳動脈クリップ 血管ステント挿入 人工内耳、人工中耳 脳深部刺激装置 入れ墨、アートメイク リフトアップを金糸で行った場合・ 妊娠中、または妊娠の可能性 金属片が飛び散る職場での勤務 閉所恐怖症 ※上記でもチタンを用いたら、検査を受けられる場合もあります 刺青やアートメイクをしている人 刺青やタトゥーで検査ができないケースについて不思議に思う人も少なくないでしょう。実は刺青やタトゥーの色素に鉄などの金属が含まれている場合があり、MRI検査の強力な磁石と反応すると火傷を引き起こす可能性があるからです。 アートメイクの場合も、使用される金属の量はわずかですが、ごくまれに刺青と同様に検査画像が乱れてしまいます。火傷を引き起こす可能性もあるため、同じく注意が必要となります。たとえばマグネットネイルやミラーネイルなども変色の恐れがあるので注意しましょう。 刺青やアートメイクをしている人は、MRI検査を受ける前に必ず担当医師へ申告しましょう。 閉所恐怖症/狭いところが苦手な人 MRI検査は、狭いトンネルのような空間で行われるため、狭いところが苦手な人や閉所恐怖症の人は事前に申し出るのをおすすめします。MRI検査の検査時間は、長いと40分ほど必要になるため、閉所恐怖症の人は注意が必要です。 狭いところが苦手なのを事前に伝えておけば、医療機関によってはMRI機器の明るさを調整したりできる場合があります。検査機関によっては、オープン型のMRIを使用できるので事前に確認しておきましょう。 また、我慢できない場合は検査員に知らせるためのスイッチがあるので、気持ちを楽にしてお受けください。MRI検査について不安な点があれば、たとえ些細なことであっても検査を行う前に医療機関へ相談しましょう。 メイクやコンタクトレンズを着用をしている人 MRI検査を受ける際は、通常のメイクであっても注意が必要です。メイクをしたままMRI検査を受けるのは大きなリスクが伴います。 アイシャドーやマスカラ、アイラインなどの化粧品は、種類によって金属が含まれている場合があるため、検査画像の乱れや火傷を引き起こす恐れがあります。 正しく検査を終えられるように、MRI検査が始まる前までにメイクを落としておきましょう。 コンタクトレンズ(とくにカラーコンタクトレンズ)も注意が必要です。コンタクトレンズには鉄成分が含まれている場合があるため、コンタクトレンズをつけたままMRI検査を受けると検査画像への影響や火傷の危険があります。 コンタクトレンズを使用している人はMRI検査の前に外しておくか、検査の日は眼鏡をかけて来院し、検査中は眼鏡を外すような対応を行うのが無難です。 その他食事などにおける注意事項 MRI検査で腹部や骨盤の検査をする人は「食事の制限はしておくべきか」気になる人も多いでしょう。腹部や骨盤のMRI検査では、約6時間前までに食事を済ませてもらうよう案内しています。 水の摂取に関しては、MRI検査の直前までは問題ありません。とくに骨盤のMRI検査を受ける人は、来院の1時間前までに排尿を済ませておいてもらう必要があります。仮に来院1時間を過ぎたタイミングで排尿された場合は、300ml程度の水を摂取してから検査を受けましょう。 まとめ・MRI検査と検査を受ける際の注意点を把握しておこう MRI検査の造影剤は、被ばくの危険性がないため、CT検査よりも身体に負担の少ない検査であると言われています。しかし、体内に金属を埋め込んでいる人や刺青をしている人は危険が伴うため検査が受けられない場合があることを把握しておきましょう。 メイクをしたままやコンタクトレンズを付けたままの状態でMRI検査を受けるのも大きなリスクが伴います。必ずMRI検査を受ける前に注意事項を確認しておきましょう。
2022.04.18 -
- 腱板損傷・断裂
- 肩関節
「腱板断裂の手術後の再断裂の原因って何」 「腱板が再断裂しないか不安」 このような不安を抱える方は多いでしょう。 腱板断裂は断裂の範囲や手術後の負荷などによって再断裂する可能性があります。日常生活から再断裂を予防する意識が大切です。 本記事では、腱板が再断裂する原因や再断裂する確率、再断裂後の治療法について詳しく解説します。 腱板の再断裂を予防する方法も紹介しますので、腱板断裂の手術後の方や再断裂の不安がある方は、ぜひ最後までご覧ください。 腱板が再断裂する3つの原因 腱板が再断裂する主な原因は以下の3つです。 断裂が広範囲 加齢による影響 手術後の過負荷 順番に見ていきましょう。 断裂が広範囲 腱板の断裂が広範囲に及んでいる場合、修復した腱板が再び切れてしまうリスクが高まります。一般的に、断裂範囲が5㎝以上のものを「広範囲断裂」と呼びます。 広範囲断裂では、修復難易度が上がり、手術後の再断裂率が50%に達するという報告もあります。(文献1) また、断裂部分の筋肉に「脂肪変性」という、筋肉が脂肪に置き換わってしまう状態が強く現れると、腱板全体の強度が低下し、再断裂しやすい傾向が認められます。 とくに、肩を外側に回す際に重要な役割を果たす棘下筋の脂肪変性が進行しているケースでは、再断裂のリスクがより高まるとされています。 加齢による影響 年齢を重ねることも、腱板再断裂の一因となる場合があります。 加齢に伴い、腱板組織そのものの修復能力が徐々に低下するため、手術で修復しても治癒に時間がかかったり、強度が十分に回復しなかったりするケースも少なくありません。 さらに、高齢の方は栄養状態が低下している場合があり、これも再断裂リスクを高める要因です。ある研究では、手術前の栄養状態が低いと、再断裂のリスクが約5.6倍に上昇するという報告がなされています。(文献2) 良好な栄養状態を保つことは、腱板の修復を助ける大切なポイントであると考えられます。 手術後の過負荷 腱板の手術を受けた後、肩に過度な負荷がかかることも再断裂を引き起こす原因の1つです。 手術によって腱板は修復されますが、すぐに元の健康な状態に戻るわけではありません。とくに手術後間もない時期は、修復した部分の縫合がまだ不安定な状態にあります。 この時期にリハビリテーションで無理をしたり、日常生活で肩を使いすぎたりすると、修復部分の治癒が妨げられ、再断裂につながる可能性が高まります。 腱板が再断裂する確率【なりやすい時期も紹介】 腱板の手術後、修復した腱板が再び断裂してしまうケースは、一定の確率で起こります。 手術後の再断裂率は約16%であり、断裂が広範囲だった場合、再断裂率は50%にのぼるという報告も見られます。(文献1) 再断裂が起こりやすいのは、手術を受けてから間もない期間です。修復された腱板の強度がまだ十分でない手術後6カ月間は、とくに注意が必要な期間と言えるでしょう。 リハビリテーションの期間の目安としては、日常生活への復帰であれば手術後2〜3カ月程度、スポーツや重労働といった肩へより大きな負担がかかる活動への復帰は、6カ月程度が1つの目安とされています。 もちろん、これは個々の状態や断裂の程度によって異なります。このリハビリテーション期間中は、修復した腱板に過度なストレスをかけないよう、医師や理学療法士の指導をしっかりと守り、焦らず慎重に肩をいたわる生活を心がけることが大切になります。 腱板の再断裂で見られる症状 腱板が再断裂してしまうと以下のような症状が現れます。 肩の痛みと可動域制限 肩の筋力低下 肩を動かしたときの異音 どれも初回の腱板断裂時と似たような症状です。初めて腱板断裂になったときと同様の症状を感じたら、病院受診を検討してみましょう。 肩の痛みと可動域制限 再断裂が起こると、肩の痛みが再び現れる場合があります。この痛みは以下の3種類に分けられるのが特徴です。 安静時痛:じっとしているときもズキズキと続く痛み 運動時痛:肩を動かしたときに鋭く走る痛み 夜間痛:夜間に強くなる痛み とくに夜間痛は、再断裂した側の肩を下にして寝ていると圧迫されて痛みが強くなり、睡眠を妨げることも少なくありません。 運動時の痛みは、腕を高く持ち上げようとしたり、後ろに回したりする動作で顕著になります。このような痛みによって、肩を動かせる範囲(可動域)が狭くなり、生活の中で不便を感じる場面が増える傾向が見られます。 肩の筋力低下 腱板は肩関節を安定させ、腕を動かす重要な筋肉群です。再断裂すると、肩や腕の筋力が弱まり、日常生活で力が入らないと感じるようになります。 具体的には、以下のようなケースが起こりえます。 物を持ち上げようとしても力が入らない 腕を上げた状態でキープするのが難しい 腕全体に力が入らない脱力感を覚える このような筋力低下は、腱板そのものが断裂してうまく力を伝えられなくなるだけでなく、断裂によって肩関節の安定性が損なわれることも要因の1つです。 関節が不安定になると、周囲の筋肉が正常に機能しにくくなり、結果として肩全体の力の低下につながるのです。 肩を動かしたときの異音 腱板が再断裂すると、肩を動かした際に「ゴリゴリ」「ポキポキ」あるいは「ジョリジョリ」といった異音を感じるケースがあります。これらの音は、医学的には轢音(れきおん)と呼ばれます。 この異音が発生する主な原因は、断裂してしまった腱板の断端やささくれた部分が、肩を動かすことによって関節内の骨や組織と擦れ合ったり、引っかかったりするためです。 とくに腕を上げ下げしたり、回したりするような動作の際に、肩の奥で何かが擦れるような、あるいは引っかかるような感触と共に音が聞こえます。 ただし、肩の関節は複雑な構造をしており、異音が発生する原因は腱板断裂だけではありません。 そのため、音がするからと言って必ずしも再断裂を意味するわけではないのですが、他の症状と共に異音が気になる場合は、専門医へ相談しましょう。 腱板が再断裂した際の治療方法 腱板が再断裂した際は以下の治療法が用いられます。 保存療法 手術療法 再生医療 治療方法を知ることで不安の軽減につながります。 保存療法 一般的に、外傷によって腱板断裂を認めた際には、三角巾で数週間安静を保ちます。断裂部そのものが完全に修復治癒する場合はないものの、約7割は症状が軽快すると考えられているのが一般的です。 仮に腱板断裂に加えて肩関節周囲炎を合併し、強い夜間痛を認めた場合には、炎症を抑制する副腎皮質ホルモンと鎮痛作用を有する麻酔剤を肩峰下滑液包に局所的に注射して症状推移を経過観察します。 断裂部以外の健常に残っている腱板機能を活性化させることが重要となります。このような腱板機能をリハビリ訓練する手段は有効と考えられるでしょう。 また、ストレッチ運動で腱板断裂の完全な治癒は期待できませんが、関節の可動域を良好にする、あるいは腱板周囲の筋肉群の緊張を和らげて肩の痛みを軽減させる効果が期待できます。 手術療法 保存療法で肩の痛みや動きが改善しない場合、関節鏡視下手術や直視下手術を検討します。関節鏡視下手術は身体への負担が軽く術後の痛みも少ないですが、断裂が大きい場合は直視下手術が選ばれる場合もあります。 腱板断裂は治療後に再断裂する可能性があり、縫合した糸と組織の摩擦が原因です。再断裂すると損傷が広がり修復は難しく、再手術の精神的負担も大きいため、術後の再発予防は重要になります。 手術方法に関わらず、再断裂を防ぐには術後約1カ月の患部固定が不可欠です。装具で固定するため、日常生活は大きく制限されます。長期固定で肩が固まる関節拘縮が起こりやすいため、防ぐには数カ月のリハビリ継続が大切です。 再生医療 腱板の再断裂に対して再生医療も選択肢の1つです。再生医療は、ご自身から採取した幹細胞を患部に注射する治療法であり、入院が不要です。 糸で縫い合わせる治療ではなく、注射による治療のため再断裂のリスクが少なくなります。また、長期間の固定を必要としないため日常生活への影響も最小限で済みます。 腱板断裂の治療において、再断裂のリスクを抑えたい場合は、再生医療も検討してみましょう。 こちらの動画でも詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。 https://www.youtube.com/watch?v=bKupVfsXpHM 腱板断裂(再断裂)を予防する方法 腱板が断裂するのを予防するには以下の方法があげられます。 手術前の栄養状態を改善する 日常生活で肩に負荷をかけないようにする 専門家指導のもと正しいリハビリをおこなう 難しいことではないので、1つずつ意識していきましょう。 手術前の栄養状態を改善する 手術を受ける前から、体の状態を整えておくことは、スムーズな回復と再断裂リスクの低減につながります。とくに高齢の方の場合、手術前の栄養状態が良好であるほど、手術後の再断裂リスクが低下するという報告もあります。(文献2) 私たちの体は、食べたものから作られています。腱や筋肉といった組織の修復には、タンパク質をはじめ、ビタミン、ミネラルなど、さまざまな栄養素が不可欠なものです。 手術に向けて、日頃から主食・主菜・副菜のそろった栄養バランスの整った食事を心がけ、体に十分な栄養を補給しておくことが大切です。栄養状態を良好に保つことは、手術に備え、回復力を高めるための重要な準備と言えるでしょう。 日常生活で肩に負荷をかけないようにする 腱板断裂は、肩への繰り返しの負担や、一度に大きな負荷がかかることで発生しやすい状態にあります。そのため、初回の断裂予防はもちろん、手術後の再断裂を防ぐためにも、日常生活での肩への配慮が欠かせません。 具体的には、重い物を持つ動作は、肩関節や腱板に大きな負担を強いるため、できる限り避けるべきです。また、腕を急に高く上げる、手を体の後ろに回して物を取る、といった動作も、修復した腱板に予期せぬストレスを与える可能性があります。 日常生活の中で、肩に負荷をかけすぎないよう意識し、無理のない動作を心がけることが予防の第一歩となります。 専門家指導のもと正しいリハビリをおこなう 手術後のリハビリテーションは、肩の機能回復と再断裂予防のために非常に大切になります。 しかし、焦って頑張りすぎたり、自己流で過度なトレーニングをおこなったりすると、修復途中の腱板に負担がかかり、かえって再断裂のリスクを高めてしまう場合も少なくありません。 リハビリは、手術後の時期や肩の状態に合わせて慎重に段階を踏んで進める必要があり、リハビリの内容は以下のように多岐にわたります。 可動域を広げる練習 筋力を回復させるトレーニング 肩の安定性を高める運動 医師や理学療法士といった専門家は、個々の回復状態を評価し、リハビリプログラムを計画・指導してくれます。 その指示にしっかりと従い、正しい方法でリハビリに取り組むことが、回復への着実な方法であり、再断裂を防ぐためのポイントです。 腱板の再断裂の原因を理解して予防しよう 腱板の再断裂は、約16%の確率で発生します。その原因として、広範囲の断裂、加齢による腱板組織の機能低下、手術後の過度な負荷などが挙げられ、とくに広範囲に断裂が及んでいる場合、再断裂率は約50%に達することもあるのです。 再断裂が起こると、肩の痛み、可動域の制限、筋力低下といった、腱板断裂時と同様の症状が現れます。 腱板の再断裂を防ぐためには、専門家の指導に基づいたリハビリと、日常生活で手術した側の肩に負担をかけすぎないように注意が必要です。 万が一、腱板が再断裂してしまった場合、保存療法や手術療法が主な治療法となります。しかし近年では、再生医療も選択肢の1つとして考えられるようになりました。 腱板の再断裂は予防可能なので、原因をよく理解し、再断裂を招かないよう注意深く生活しましょう。 参考文献 (文献1) 北原 博之, 矢部 嘉浩, 乗松 崇宏, 安達 信二, 瀬良 敬祐「鏡視下腱板修復術後の再断裂の検討」整形外科と災害外科 59巻 4号 pp713~716 2010年 https://www.jstage.jst.go.jp/article/nishiseisai/59/4/59_4_713/_article/-char/ja/ (最終アクセス:2025年5月14日) (文献2) 設楽仁「高齢者における肩腱板断裂手術後の再断裂:術前の栄養状態が鍵〜手術前の栄養状態が低いと、再断裂リスクがおよそ 5.6 倍〜」Journal of Bone and Joint Surgery 2024年 https://www.med.gunma-u.ac.jp/wp-content/uploads/2024/09/press_R060905.pd (最終アクセス:2025年5月14日)
2022.04.14 -
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「痛み止めにステロイド注射を使う効果は?」 「痛み止めのステロイド注射はどんな副作用があるの?」 ステロイドは、変形性膝関節症や変形性股関節症を始め、各種関節症の保存療法(薬物療法)で、痛み止めとして使われているメジャーな薬です。 ステロイドは痛み止めの薬として効果を発揮します。ただ、ステロイドの副作用が気になり、怖いと感じる方もおられるはずです。 今回は関節症の痛み止めに使われる機会が多いステロイド注射の効果、副作用などをご説明いたします。 最後まで読んでいただければ、ステロイド注射を使うメリットとデメリットを理解できるので、治療を受けるべきか迷われている方は参考にしてみてください。 \痛みを抑えるだけでなく、関節そのものにアプローチする選択肢/ ステロイド注射は痛みを和らげる治療であり、関節のすり減った軟骨や損傷した組織を修復する治療ではありません。 そのため、症状や進行度によっては、関節そのものに働きかける再生医療も検討しましょう。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 ステロイド注射を受けても、効果が一時的で痛みがすぐに再発してしまう ステロイド注射の回数が増え、副作用が心配 痛み止めだけでなく、関節の炎症や損傷そのものにアプローチした治療を受けたい >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する 再生医療は、損傷した関節組織に対して炎症の抑制や組織修復をサポートし、痛みの軽減や関節機能の改善を目指す治療法です。 https://youtu.be/NeS1bk2i5Gs 「ステロイド注射を続けるべきか悩んでいる」「できれば手術以外の方法を検討したい」という方は、一度当院(リペアセルクリニック)にご相談ください。 関節症に痛み止めのステロイド注射を使う効果は2つ 関節症に痛み止めのステロイド薬(ステロイド注射)を使う効果を2つ解説します。 ・鎮痛効果 ・抗炎症作用 鎮痛効果 ステロイド薬を使うメリットには、鎮痛効果による痛みの緩和があげられます。 各種関節症の発症初期には、保存療法(薬物療法)がおこなわれるケースが一般的です。 ステロイド注射は痛みを緩和させる目的で、以下のようなときに使います。 ・生活を送るときの不自由さを減らすため ・運動療法による治療効果を高めるため とくに運動療法を行うときに痛みがあると、痛む部位を守ろうとするあまり、ほかの筋肉や組織に力が入りがちです。結果としてほかの部位まで痛める可能性もあります。 保存療法を有効に進めるためにも、ステロイド注射で痛みを減らす必要があるのです。 抗炎症作用 ステロイド薬には、炎症(痛みの原因)を和らげる抗炎症作用があります。 痛みの原因物質の産生を抑えられると、鎮痛(痛みを抑える)効果が期待できるのです。 各種関節症の保存療法では、初期の段階ではステロイド注射で痛みを緩和しながら炎症を防ぎ、リハビリなどの運動療法における効果を上げる目的で使います。 痛み止めのステロイド注射に関する副作用 ステロイドに悪いイメージがあるのは、副作用があると聞いたからではないでしょうか。 実際に、ステロイド注射の副作用のひとつに「骨が脆くなる」点があげられます。そのため、事前の骨の検査や年齢によっては、ステロイド治療を行えない場合があるのです。 以下で、副作用における一例をまとめています。 【ステロイドの副作用】 ・ステロイド注射を長期間、あるいは短期間に多く投与された場合 →股関節の「大腿骨頭」、肩関節の「上腕骨頭」、 「膝関節」の骨への血流が阻害され、骨の組織が壊死する危険性がある ・短期的に大量に使ったり、長期的に使ったりした場合 →骨の代謝やホルモンの産生に影響を与える ・長期的に使うと骨を脆くする危険性がある →「大腿骨骨頭壊死」「上腕骨頭壊死」「膝関節骨壊死」 といった困難な症状を招く可能性もある 【骨粗鬆症のリスク】 ・ステロイド注射は短期間に多くの投与、あるいは長期間使うと、 骨やホルモンの代謝に影響を与えかねない 【感染症になりやすい】 ・ステロイド注射は免疫を抑制するため、 長期間、関節内に投与を行うと「化膿性関節炎」になる危険性がある ・関節炎になった場合、抗生物質の内服による治療や、 重症化した場合は、関節内の洗浄が必要になる しかし、ステロイド注射は、変形性膝関節症や変形性股関節症、肩の関節症などの痛みに対して鎮痛、消炎(炎症をとりさること)の改善効果が得られます。 デメリットを過大評価すると使うのをためらってしまいがちです。 先にステロイド注射を使うデメリットを知っておくと、ステロイド治療に対する判断の一助となり、医師の診断や意見を理解する上でも役立ちます。 医療機関などで医師の管理のもと、適切にステロイド治療を行えると、必要以上に怖がる必要はなくなるはずです。 【長期使用はNG】痛み止めのステロイド注射は根本治療にならない ステロイド注射は、関節症の痛みで困っている場合に高い鎮痛効果が期待できます。 ただ、副作用があるステロイド注射を長期間、継続して使うのはおすすめできません。短期間でも大量に使うのは避けましょう。 また、ステロイド治療は、骨の変形や軟骨のすり減りなど、関節の状態を修復する効果はありません。病気の進行を止めるなど、根本的な治療を目的としていないのです。 たとえば、変形性関節症は進行する病気です。変形性関節症の人がステロイド治療を行っても、最終的には手術が必要となる可能性があります。 関節症におけるステロイドでの治療方法について 関節症でのステロイド治療は、内服薬と注射があります。 症状や状態にもよりますが、内服薬で痛みに対する効果が感じにくくなった場合に、関節内にステロイド薬を直接注射する流れが一般的です。 ステロイド薬を関節に注射すると、抗炎症作用により痛みを改善します。ただ、何度も申しますが、長期的な使用や短期の大量投与は、副作用のリスクがあるので避けましょう。 また、関節症の症状が進行するとステロイドの効果が減少して、外科的治療として手術の選択を迫られるかもしれません。 しかし、近年はステロイド注射以外にも、手術や入院を避けられる再生医療の治療方法もあります。 再生医療の幹細胞治療では、膝や股関節、肩などの治療において、自身の幹細胞を培養して関節注射を行う流れです。 まとめ|関節症のステロイド注射は痛み止めに効果がある ステロイド薬は、内服や痛む関節に直接注射する方法で使います。鎮痛効果と抗炎症作用により、痛みを緩和させる効果があります。 ただし、ステロイド注射はメリットがある反面、副作用もあるので注意が必要です。短期的な大量投与や、長期的なステロイド治療は避けるべきです。 ステロイド注射は問題のある部位を修復できないので、根本的な解決はできません。 ただ、医療機関などで医師の管理下で治療するなら、必要以上に怖がる必要はないでしょう。ステロイドの特性を知った上で、治療に使っていただければと思います。 また、関節症に関わる治療のひとつとして、再生医療もあります。 ステロイド治療以外で、根本的な治療を探している方は、一度当院(リペアセルクリニック)にご相談ください。 痛み止めのステロイド注射に関するQ&A 痛み止めのステロイド注射に関して、質問と答えをまとめています。 Q.関節症における痛み止めのステロイド注射は保険適用ですか? A.はい、一般的には保険適用になります。 ただし、症状や治療方法によっても変わる可能性があるので、詳細は医療機関でご確認ください。
2022.04.01 -
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- 肘関節
- 手部
レントゲン検査やCT検査で股関節の痛みや違和感の原因が特定できない場合、MRI検査が必要となるケースがあります。 MRI検査では、レントゲンやCTでは映し出せない神経や筋肉の異常を詳しく調べられるからです。 本記事では、股関節に異常がないかを調べるMRI検査について詳しく解説します。 MRI検査で発見できる病名・疾患や、MRIの撮り方も紹介しているので、股関節の痛みや違和感に悩み詳しい検査を検討されている方は参考にしてみてください。 MRIを含む股関節を調べる画像検査3種【費用相場】 股関節の異常を調べるときに実施される画像検査は、主に以下の3種類です。 レントゲン検査 CT検査(Computed Tomography) MRI検査(Magnetic Resonance Imaging) 検査の内容や費用をそれぞれ見ていきましょう。 1)レントゲン検査 レントゲン検査は、多くの方にとってなじみのある放射線の一種であるエックス線を用いた検査方法です。短時間で簡単におこなえますし、苦痛もほとんどないため、まずはレントゲンを撮る病院が多いかと思います。 レントゲン検査は、骨の状態、部分を詳しく見るのに適しています。 たとえば骨折や、骨の変形などがその代表です。しかし、筋肉・軟骨・神経などの骨より柔らかい組織は撮影できません。 最近はデジタル化の影響で線量が格段に少なくなっているため通常の検査であれば問題はありません。ただ、放射線を用いる検査ですので、何度も繰り返して検索をおこなうなどの場合は被曝の可能性については気になるところです。 【検査費用の目安】 検査費用:600〜2,000円 ※撮影枚数2枚で3割負担の料金を想定 2)CT検査(Computed Tomography) CT検査は、レントゲンと同じエックス線を用います。 このエックス線をあらゆる方向から照射することで、体の輪切りした画像撮影が可能になります。レントゲンと違って体の内部まで輪切りにした状態で確認ができます。 輪切り画像を重ね合わせて他の断面の画像を構築したり、三次元(3D)の立体画像で確認したりできる検査です。 レントゲン検査よりもさらに詳しく骨の状態を評価できますが、レントゲンと同じく筋肉・軟骨・神経などの骨より柔らかい組織については判断しにくい特徴があります。 【検査費用の目安】 検査費用:5,000〜15,000円 ※3割負担の料金を想定 3)MRI検査(Magnetic Resonance Imaging) MRI検査とは、大きな磁石(磁場)を利用して体の内部を画像化する検査です。 レントゲン検査や、CT検査ではわからない筋肉や神経などの柔らかい組織を写し出す作業を得意としています。また、何より放射線を使用しないため被曝もなく、患者さんの人体に無害な検査という点で優れています。ただ、装置自体が大きく、とても高価なため、大学病院をはじめとした一部の施設にしか配置されていません。 また、誰でもできる訳ではありません。仕組みとして非常に強力な磁石を用いた装置なので、体内に金属があると検査できない場合があります。 MRI検査の注意点はこちら▼ 【検査費用の目安】 検査費用:5,000〜17,000円 ※3割負担の料金を想定 股関節のMRI検査でわかる主な3つの病名 ここでは、MRI検査で発見できる主な股関節の疾患を3つ紹介します。 ・変形性股関節症 ・関節リウマチ ・大腿骨頭壊死 順番に見ていきましょう。 変形性股関節症 変形性股関節症とは、股関節にある軟骨がすり減って、骨が変形する疾患です。変形性股関節症を発症し、症状が進行すると股関節に痛みが生じます。 また、股関節の可動域が制限されるようになり、立ち上がる動作や靴下をはく動作などに支障をきたすようになります。 変形性股関節症の詳細はこちら▼ なお、変形性股関節症の治療には、人間の自然治癒力を活用した「再生医療」が有効です。 幹細胞を股関節に注射すれば、すり減った軟骨が再生されます。徐々に痛みが軽減し、手術を回避できる可能性が高まります。 期待できる治療効果が知りたい方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にご相談ください。 関節リウマチ 関節リウマチとは、免疫システムの異常により、炎症を起こし痛みや腫れが生じる疾患です。股関節で発症した場合、リウマチ性股関節症と呼ばれます。 症状が進行または慢性化すると、関節が変形したり、こわばり・痛みによって日常生活に支障をきたしたりします。 また、炎症による発熱や、免疫システムのエラーによる臓器障害なども発生する可能性があるので、視野を広げた治療アプローチが必要です。 関節リウマチの詳細はこちら▼ 大腿骨頭壊死 大腿骨頭壊死は、股関節を形成する骨の一部である大腿骨頭への血流が低下して骨組織が壊死する疾患です。原因が不明な場合は「特発性大腿骨頭壊死」と呼ばれ、難病に指定されています。 症状が軽度で壊死の範囲が狭い場合は、経過観察も可能です。 しかし、壊死範囲が広く、症状が著しく進行している場合は、骨切り術や人工股関節置換術の手術が視野に入ってきます。 大腿骨頭壊死の詳細はこちら▼ 股関節を調べるときのMRIの撮り方 股関節を調べるときのMRIの撮り方を以下の表にまとめました。検査の流れを把握しておきたい方は参考にしてみてください。 流れ 検査内容 1.磁性体の装飾品を外す 磁場を発生させるMRIの故障の原因となるため、アクセサリーや時計などの金属類は事前に外しておく 2.検査着に着替える 必須ではないが安全性を考慮して推奨されている(参考1) 3.ヘッドホンや耳栓を装着する 検査中に騒音が発生するため、専用のアイテムで耳をふさぐ 4.ベッドに横たわる 指示に従って体勢を整える。撮影部位を固定する必要があるため患部によって多少体勢が変わる 5.検査開始 トンネル型の機械に入って検査を受ける。検査時間は撮影部位や撮影方法にもよるが、20〜45分 検査結果は、早くて当日中に出ます。詳細な分析を要する場合は、7〜10日ほどかかります。 MRI検査の全体像を解説した記事はこちら▼ まとめ|股関節に異常を感じたらMRI検査を検討しよう MRI検査は、レントゲン検査やCT検査ではわからない筋肉や神経などの組織の異常を詳細に映し出せます。 原因がはっきりわからない痛みや違和感が股関節に現れたら、MRI検査を受けて病名や疾患名を調べると良いでしょう。 早期に原因がわかれば、適切な治療を開始して早い回復を目指せます。 変形性股関節症を含む膝の痛みに対する根本的治療には「再生医療」を推奨します。再生医療は、人間の自然治癒力を活用した最新の医療技術で、すり減った膝軟骨の再生を図ります。 「再生医療に興味があるけど具体的なイメージがつかめなくて不安…」という方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。 股関節のMRI検査に関するよくある質問 最後に股関節のMRI検査に関するよくある質問と回答をまとめます。 MRIの画像に映る白い影は何ですか? MRI画像に映る白い影の原因は、以下のように複数考えられます。 ・小出血 ・骨髄の浮腫 ・組織や骨の損傷 ・レントゲンには映らないような微小な骨折 医師の話を聞いて、白い影の正確な原因を確認しましょう。 股関節のMRI検査で異常なしでも痛みが生じるのはなぜですか? 小さな組織の損傷は、MRIに映らない場合もあります。そのため、実際には損傷が起きていても、検査結果では「異常なし」と診断されるケースもゼロではありません。 また、股関節の靭帯が緩んで、痛みを伴う場合もあります。靭帯の緩みはMRIでは確認が難しく、検査では異常が見つからないケースもあります。 【参考文献】 参考1:http://fms.kopas.co.jp/fmdb/JJMRM/27/4/230.pdf
2022.03.30 -
- 腱板損傷・断裂
- インピンジメント症候群
- 肩関節、その他疾患
- 肩関節
「肩こりだと思っていたのに、なかなか治らない」「これって何かの病気?」 そんな肩の悩みに不安を感じていませんか? 肩の痛みは、筋肉の疲労や姿勢のくずれ、加齢などが原因となることが多い一方で、内臓の病気やがんなど、見逃してはならない病気のサインとして現れる場合があります。 とくに、痛みが数週間続く、夜間や安静時に強まる、しびれや体重減少をともなう症状があるなら注意が必要です。 本記事では、肩の痛みに関係する病気や、見逃しやすい症状の特徴、受診の目安についてわかりやすく解説します。肩の違和感に不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、肩の治療にも用いられている再生医療に関する情報の提供と簡易オンライン診断を実施しています。気になる症状があれば、ぜひご活用ください。 肩の痛みは重大な病気のサインかも 肩の痛みは、単なる筋肉の疲労や姿勢の悪さが原因と思われがちですが、重大な病気のサインかもしれません。 ここでは、左右の肩に分けて注意すべき病気について解説します。 左肩だけ痛い場合の病気 左肩だけに痛みやこりが続くときは、単なる筋肉の疲れだけでなく、内臓や心臓の病気が関係している可能性があります。 とくに、心臓の異常による痛みは左肩や左腕にも広がることがあり、狭心症や心筋梗塞では胸の痛みと一緒に痛みを感じるケースがあるのです。 また、胃や膵臓などの病気でも、背中から左肩にかけて痛みが広がる関連痛として現れることがあります。 右肩だけ痛い場合の病気 右肩だけに痛みがある場合、肩や首まわりの筋肉や関節に原因がある可能性があります。 とくに、首の骨や椎間板が変化して神経を刺激すると、肩を動かすよりも首を動かしたときに痛みが強まることがあり、変形性頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアなどが代表的な疾患です。 一方で、首や肩を動かしても痛みが変わらず、じっとしていても痛みが続くような場合は、内臓の病気が関係している可能性もあります。 たとえば、胆のう炎や胆石症などの胆のうの病気、肺炎・肺がん・気胸といった肺の病気では、右肩に関連痛として現れるケースがあるのです。 肩の痛みの原因として疑われる病気・ケガ 肩の痛みは、「単なる肩こり」として片付けられがちですが、実は深刻な病気が隠れている可能性もあります。 とくに、痛みが長引く、夜間痛がある、腕の動きに制限が出る場合は注意が必要です。 ここでは、肩の痛みの原因として疑われる病気やケガについて、原因・検査・治療の観点から詳しく解説します。 いわゆる五十肩の「肩関節周囲炎」 肩関節周囲炎は、一般に「四十肩」「五十肩」と呼ばれ、肩の関節やその周囲の組織に炎症が起こることで痛みや動きの制限が出る病気です。 とくに、40~50代以降に多く見られ、肩を動かすたびにズキッとした痛みが走ったり、腕を上げにくくなったりします。 原因 ・加齢による組織の変化 ・過度な肩の使用 ・長期間の不動 ・糖尿病などの基礎疾患 検査 ・問診・身体診察 ・X線 ・超音波検査 ・MRI検査 治療 ・消炎鎮痛剤やステロイド注射 ・ストレッチや運動療法 ・温熱療法や理学療法 肩関節周囲炎は、明確な原因を特定できないことも多いですが、加齢や肩の使いすぎ、糖尿病などが背景にあるケースが少なくありません。 治療は手術を伴わない保存療法が中心で、痛みをコントロールしつつ、可動域を回復させるリハビリが重要です。 五十肩(四十肩)の原因や治し方については、以下の記事も参考にしてみてください。 肩が上がらなくなる「肩峰下インピンジメント症候群」 肩峰下インピンジメント症候群は、肩を動かしたときに腱板(けんばん)や肩峰下滑液包(かつえきほう)が肩峰(けんぽう)とぶつかり、炎症や痛みが生じる病気です。 とくに、腕を横から持ち上げていく途中の角度で痛みが強くなりやすく、スポーツや家事・仕事など、日常生活の動作に支障をきたす恐れがあります。 原因 ・肩の使いすぎ ・筋力低下や肩関節の不安定性 ・加齢による腱板の弱化・肩峰の形状異常 検査 ・問診・視診 ・Neerテスト ・Hawkinsテスト ・X線検査 ・超音波・MRI検査 治療 ・安静と負担軽減・消炎鎮痛剤や外用薬 ・ストレッチと筋力強化のリハビリ ・ステロイド注射・関節鏡手術 治療は基本的に保存療法から始め、痛みの強さや回復状況に応じてリハビリや注射、さらには関節鏡手術が選択されるケースがあります。 適切な運動と肩のケアによって、症状の改善と再発予防を目指すことが重要です。 右肩に好発する「腱板断裂」 腱板断裂(けんばんだんれつ)は、肩関節を支えている筋肉の腱(腱板)が部分的、あるいは完全に切れてしまう病気です。 とくに中高年に多くみられ、肩の痛みや腕が上げにくくなる症状が現れます。 放置すると肩の機能が低下し、日常生活の動作に大きな支障をきたす場合もあるため注意が必要です。 原因 ・加齢による腱板の変性 ・肩の使いすぎによる摩耗 ・転倒や強い外力による損傷 ・重い物を持ち上げたときの過負荷 検査 ・ドロップアームテスト ・ペインフルアークサイン ・X線検査 ・超音波検査 ・MRI検査 治療 ・保存療法(安静と痛みの管理・リハビリなど) ・手術療法(腱板修復術・人工関節置換術など) 腱板断裂の主な原因は、加齢による腱板の劣化と、スポーツや事故による外傷です。 診断では、問診と視診に加え、断裂の有無や程度を正確に評価するための画像検査が欠かせません。 治療は断裂の状態や年齢、日常生活の負担を考慮して選択され、軽症では保存療法、重症では関節鏡手術などが検討されます。 腱板が再断裂する原因や治療方法については、以下の記事で詳しく解説しています。 40〜50歳代の女性に多い「石灰沈着性腱板炎」 石灰沈着性腱板炎(せっかいちんちゃくせいけんばんえん)は、肩の腱板にリン酸カルシウム(石灰)が沈着し、炎症を起こして強い痛みを生じる病気です。 40〜50代の女性に多くみられ、夜間に突然、肩が動かせないほどの激しい痛みが出る場合があります。 原因 ・腱板の血流低下による石灰化 ・肩の使いすぎによる負担 ・体質 ・遺伝的要因 検査 ・問診・身体診察 ・X線検査 ・超音波検査 ・MRI 治療 ・保存療法(安静・ステロイド注射など) ・手術療法(超音波ガイド下洗浄療法・関節鏡視下手術) 画像検査で石灰の存在や位置を確認してから、まずは保存療法で炎症を抑制します。 改善が見られない重症例では、洗浄療法や関節鏡による石灰の除去が必要になるケースもあります。 肩甲骨の内側縁が浮き上がる「翼状肩甲骨(翼状肩甲)」 翼状肩甲骨(よくじょうけんこうこつ)は、肩甲骨が本来の位置にうまく固定されず、背中側へ浮き上がるように突出している状態です。 後ろから見ると、肩甲骨が翼のように浮き出て見えることから名づけられています。 肩や腕が動かしにくくなったり、痛みが出たり、力が入りにくくなったりするのが特徴です。 原因 ・長胸神経、副神経、肩甲背神経の麻痺 ・筋力低下や筋萎縮 ・手術や外傷後の影響 検査 ・視診・触診 ・壁押しテスト ・筋力評価、筋電図 ・MRI、超音波検査 治療 ・保存療法(リハビリ・電気刺激療法など) ・手術療法(神経移行術・肩甲骨固定術など) 翼状肩甲骨の原因は、主に神経の麻痺による筋力の低下です。 軽症の場合はリハビリ中心の保存療法が行われますが、重症では手術が検討されます。 肩関節に脱臼癖がついた「反復性肩関節脱臼」 反復性肩関節脱臼(はんぷくせいけんかんせつだっきゅう)は、一度肩関節が脱臼したあとに、軽い衝撃や日常の何気ない動作でも、繰り返し脱臼してしまう状態を指します。 とくに、若い世代のスポーツ選手に多く、肩の「外れそうな感じ」といった不安定感や痛みを伴うのが特徴です。 原因 ・初回脱臼による関節唇の損傷 ・スポーツや転倒による外傷 ・関節弛緩性や骨の形態異常 ・肩周囲の筋力不足 検査 ・問診・不安試験 ・X線検査 ・MRI ・CT 治療 ・保存療法(筋力強化のリハビリ・装具による関節保護など) ・手術療法(バンカート修復術・ラタジェ手術など) 反復性肩関節脱臼は、最初の脱臼で関節唇や靱帯が損傷することで、肩の安定性が損なわれて再発しやすくなります。 軽症の場合は保存療法を優先しますが、脱臼を繰り返す場合には、関節の安定性を回復させる手術が必要です。 肩の痛みとがんの関係性 肩の痛みは、肩関節や筋肉・腱のトラブルが主な原因ですが、「がん」が関わっているケースもあります。 がんは周囲の組織を壊しながら進行する性質があり、その過程で痛みが生じる場合があるのです。 肩に近い骨や脊髄にがんができた場合だけでなく、肺や肝臓、すい臓など横隔膜周囲の内臓にがんが生じたときにも、関連痛として肩の痛みが出る可能性があります。 では、以下で詳しく見ていきましょう。 肩や首にできるがん 肩や首のまわりにがんができると、肩の症状として直接痛みが現れる場合があります。 とくに、注意したいのが「骨腫瘍」と「脊髄腫瘍」です。 骨腫瘍は、上腕骨・肩甲骨・鎖骨などの肩の周辺や首の骨(頚椎)にがんができ、肩の痛みを引き起こすことがあります。 骨にできるがんの多くは、内臓に発生したがんが転移したものですが、骨腫瘍は痛みの原因になるだけでなく、骨折を招いたり、腫瘍が神経を圧迫してさらに強い痛みにつながったりするのです。 脊髄腫瘍は首の脊髄にがんができる病気で、神経そのものに発生するケースと内臓のがんが転移するケースがあります。 腫瘍が大きくなると、肩の痛みに加えて手足のしびれや筋力の低下などの神経症状が現れることもあるため、早めの受診が必要です。 内臓にできるがん 内臓にできる肺がん・肝臓がん・すい臓がんなどが原因で、肩に痛みが出る場合もあります。 胸膜や横隔膜まわりの内臓が傷つくと、刺激が関連痛として肩に伝わることがあるのです。 とくに、腹痛・吐き気・下痢といった内臓症状や急激な体重減少、食欲の低下、原因不明の発熱が続くときは要注意です。 肩の痛みに加えて、全身の異常も感じられる場合には、整形外科だけでなく内科の受診も検討しましょう。 肩の痛みで病院を受診すべきタイミングは? 肩の痛みが首や背中、腕に広がる場合や、激しい外傷を受けた後は早期受診が必須です。 肩の痛みが単なる筋肉疲労や肩こりではなく、神経や内臓、骨に関わる疾患が原因の可能性があります。 とくに、しびれ・筋力低下・発熱・体重減少などを伴う場合や、安静時や夜間に悪化するケースでは注意が必要です。 決して自己判断せず、早めに医療機関で適切な診断を受けましょう。 再生医療|肩の痛みに対する治療選択肢 肩の痛みには、「再生医療」という治療法も選択肢になります。 再生医療は、手術を避けたい方や、日常生活への影響をできるだけ抑えたい方に適した治療法です。 身体への負担が少なく、入院の必要がないため、治療後すぐに普段の生活に戻れます。 再生医療には、「幹細胞治療」と「PRP療法」の2つの代表的な方法があり、どちらも注射や点滴によって、肩関節や腱の損傷部位へ直接アプローチできるのが特徴です。 肩の治療で再生医療についてもっと知りたい方は、以下のページもご覧ください。 肩の痛みを改善・予防するセルフケア方法 肩の痛みは日常的な動作や姿勢が影響している場合が多いため、普段からのセルフケアがとても重要です。 ここでは、肩の痛みの改善・予防に役立つセルフケア方法をご紹介します。 ストレッチ 肩の筋肉を柔軟に保ち、肩の痛みを予防するにはストレッチが有効です。以下のストレッチを実践してみましょう。 背筋を伸ばすストレッチ 同じ姿勢が続いたときは、背筋を伸ばして姿勢を整えるストレッチをこまめに行うことが大切です。手順は次のとおりです。 1.立った状態で、背筋をまっすぐ伸ばす 2.両手のひらを天井に向けて持ち上げ、肘は軽く曲げて力を抜く 3.胸を大きく開くイメージで、肘をゆっくり後ろに引く 4.肩の力は抜いたまま、へそのあたりに軽く力を入れる 5.その姿勢を保ちながら、何度かゆっくり深呼吸を行う 背中から胸まわりが気持ちよく伸びている感覚を意識しながら、デスクワークや立ち仕事の合間に取り入れてみましょう。 肩を上げるストレッチ 普段あまり肩を大きく動かさない人は、肩を持ち上げる動きが不足しがちです。肩まわりをしっかり伸ばすストレッチは、次の手順で行います。 1.安定した壁に向かって立ち、両手を伸ばして、手のひらを壁につける(手の幅は肩幅、肘は伸ばす) 2.頭を前に倒し、両腕のあいだに頭を入れる 3.そのまま頭をゆっくり前方へ押し込む 4.肩から首にかけて伸びている感覚を意識しながら、深く呼吸を続ける 5.肩〜首がもっとも伸びていると感じる位置で、約30秒静止する 肩から首のラインが心地よく伸びる程度を目安に、無理のない範囲で毎日続けるのがポイントです。 肩を回すストレッチ 肩を外側に開くストレッチは、肩関節まわりの柔軟性を保つのに役立ちます。左右それぞれ、次のように行います。 1.安定した壁のそばで立ち、右肘を体の側面につけたまま90度に曲げる 2.右肘を体につけた状態のまま、右手のひらを壁につける 3.右肘と右手の位置を保ったまま、上半身をゆっくり左側にねじる 4.右肩が外側に開き、肩の前側が伸びている感覚を意識する 5.右肩が最も気持ちよく伸びている位置で、約30秒静止する 6.反対側も同じ手順で行い、左肩も同様に伸ばす 肩の前側〜胸のあたりが心地よく伸びる範囲で行い、肩を無理にひねらないよう注意してください。 入浴 肩の痛みを和らげる方法として、入浴は非常に効果的です。 とくに、38〜40℃程度のぬるめのお湯にゆっくり浸かると、血行が促進され、緊張した筋肉がやわらぎやすくなります。 半身浴で肩までお湯に浸かれば、全身を温めつつ肩まわりの疲れもほぐせるでしょう。 長めに浸かることでリラックス効果も高まり、疲労回復にもつながります。 入浴後は、筋肉が柔らかくなっているタイミングを活かして、肩甲骨や腕をやさしく伸ばすストレッチを取り入れるとより効果的です。 温浴と軽い運動を組み合わせることで、肩の痛みの予防や改善が期待できます。 まとめ|肩の痛みから考えられる病気を理解して適切な治療や検査を受けよう 肩の痛みは、筋肉のこりや加齢による変化だけでなく、首・背骨・内臓の病気が隠れているケースもあり、原因によって対処法が大きく異なります。 肩の痛みに加えて、しびれ・発熱・体重減少など全身症状をともなう場合には、早めの受診が重要です。 また、手術を避けたい方や長期の通院が難しい方には、幹細胞治療やPRP療法といった再生医療という選択肢もあります。 肩の痛みの原因を正しく見極め、自分に合った方法で早期改善を目指しましょう。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療に関する情報の提供と簡易オンライン診断を実施していますので、ぜひご利用ください。
2022.03.16 -
- インピンジメント症候群
- 肩関節
「野球肩と呼ばれる症状の疑いがある」 「肩の動きが制限されているけれど手術が必要なのかが不安」など考えていませんか。 実は野球肩と呼ばれる症状は正式には「インピンジメント症候群」を発症している可能性があります。 肩を動かすと痛みや引っ掛かりを感じる方は、スポーツだけでなく、安静にしておくのがおすすめです。 本記事ではインピンジメント症候群の原因や症状、診断方法などを解説します。 おすすめの治療法も解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。 インピンジメント症候群とは インピンジメント症候群とは、肩のこすれや挟まりによって発症する疾患の1つです。 肩関節の周りを取り囲み、肩を支えている腱板がうまく動かせなくなる状態を指します。 インピンジメント症候群と深く関わっているのがスポーツです。 とくに多いのが野球で、ピッチングなどで肩を酷使すると投球障害が起こりやすくなります。 その他、肩をよく使うテニスでも発症しやすいため、スポーツ障害の1つと言えます。 つまり、インピンジメント症候群は、繰り返し肩関節を刺激すると肩に痛みが起こる疾患なのです。 野球ならボールを投げる時、テニスならサーブやスマッシュを打つ時によく発症します。 インピンジメント症候群が発症する原因 インピンジメント症候群は、一般的にスポーツ障害ですが、あながちスポーツだけが原因ではありません。 日常生活でもインピンジメント症候群になりやすい動作について説明します。 肩の使い過ぎ インピンジメント症候群は、スポーツで肩を使う動作に近い行動でも発症します。 たとえば肩を使う仕事が多い方があげられます。 荷物を高い所に上げたり高い場所から下ろしたりする動作がある方は要注意です。 荷物を高い所に上げる時は腕が肩より上になり、肩に負担が掛かかります。 高い所の物を下ろす時も同様、肩に負担が掛かり、一連の動作が多いとスポーツ選手と同様の状態になるのです。 仕事や普段の生活で頻繁に腕を上げ下げする動作があれば、インピンジメント症候群になる可能性があるため注意が必要です。 なお、以下のようなスポーツを日頃から楽しんでいる方は、インピンジメント症候群が発症しやすいスポーツなため、あわせて注意してください。 野球 テニス バドミントン ゴルフ バレーボール 肩に負担がかかるスポーツや仕事をしている方は、症状にあわせて受診するのをおすすめします。 加齢も原因の1つ インピンジメント症候群は、加齢にも関係があります。 加齢によって、肩の高くなっている部分である「肩峰」(けんぽう)の下に「骨棘」(こつきょく:尖った突起物)ができます。 加齢とともに大きくなり、腕の上げ下げで骨同士が衝突(インピンジメント)するようになるのです。 肩そのものの動きがスムーズではなくなり、肩の骨の出っ張りが摩擦・衝突しやすくなる結果、インピンジメント症候群が発症します。 「インピンジメント症候群かも」と少しでも気になる症状がある方は、お気軽にお問い合わせください。 インピンジメント症候群の症状 インピンジメント症候群が発症すると、肩の上げ下げで引っ掛かりを感じるようになります。 症状が悪化すると、肩の上げ下げだけでなく以下のような症状が発症します。 肩のこわばりがある 腕の上げ下げで痛みを感じる 腕の可動域が狭くなる 夜間痛がある インピンジメント症候群になると、肩を上げ切った際に痛みを感じるのではなく、60〜120°の角度で痛みを感じる傾向にあるので、一度試してみましょう。 腕の外側で痛みを感じる方もいるため、腕を後ろに回す動作が伴う野球や、同様の動きをする仕事をしている方は注意してください。 肩の痛みが伴う症状が気になる方は、以下の記事もぜひ参考にしてください。 インピンジメント症候群の診断方法 インピンジメント症候群かどうか診断するには、主に肩を動かす身体診察を実施します。 肩甲骨を押し下げ、もう片方の手で外転させる方法で、90°を過ぎたタイミングで痛みを感じたらインピンジメント症候群である可能性が高いでしょう。 また、局所麻酔やステロイド注射をし、痛みが改善されればインピンジメント症候群が発症していると診断する方法も実施しています。 来院前にインピンジメント症候群か判断したい方は、エプロンの紐を結ぶ動作で痛みを感じないかチェックしてみてください。 肩の後ろを洗う動作でも痛みを感じる方は、インピンジメント症候群が発症している可能性が高いため、早めの受診をおすすめします。 なお、MRI検査を実施すれば「腱板断裂」を含め、診断可能です。 肩の検査でMRI検査を実施しておきたい理由は、以下の記事で詳しく解説しています。 インピンジメント症候群の治療法 インピンジメント症候群で痛みを発症した場合は、痛みを感じる動きを行わないことが大切です。 その上で痛みには、保存療法や手術療法で治療します。 ここからはインピンジメント症候群について詳しく解説していきます。 保存療法 インピンジメント症候群の治療は、まず飲み薬(消炎鎮痛薬)の使用やステロイド注射による保存療法を行います。 多くの症例で保存療法による治療で症状が軽くなりますが、2〜4週間程度は安静にしておくのがおすすめです。 とくに野球の投球やテニスのサーブなど、肩を駆使する動きをすると、痛みが再発する可能性を高めてしまいます。 安静にせず過度な動作をしてしまうと、症状を悪化させるだけでなく、手術が必要になるケースもあるので注意しましょう。 1日でも早く症状を回復したいと考える方は、以下の記事で解説しているストレッチを実施してみてください。 手術療法 インピンジメント症候群の保存療法でも改善がみられない場合、肩関節鏡による肩峰下除圧術が行われます。 肩峰下除圧術では、こすれの原因箇所を特定し、靭帯の切離や骨の切除をします。 手術の大半で適用される手術で、腱板断裂も同時に治療する場合は腱板修復手術も併用できる治療法です。 「できれば手術はしたくない」と考える方は、以下の動画でおすすめの治療法についても紹介しています。 本記事で解説したインピンジメント症候群の原因も含めて紹介しているので、動画で振り返りたい方におすすめです。 まとめ・インピンジメント症候群とは、その原因、症状と治療法 インピンジメント症候群は、肩を酷使するスポーツ障害ですが、その他にも日常生活の動作や、仕事上での動き、また加齢でも発症します。 とくに肩を使った運動をしていなくても、仕事や日常生活の中で腕を振ったり上げたりする動作が多い方は、インピンジメント症候群になる可能性があります。 年を取ると症状が出やすく、肩の痛みや違和感、肩の動きに異変を感じたら早めに対策するようにしましょう。 スポーツの前後にストレッチを取り入れ、肩の手入れを行い、症状の発生を予防する意識も不可欠です。 インピンジメント症候群の症状かどうか、少しでも不安を感じる方は、メール相談やオンラインカウンセリングを、ぜひご利用ください。
2022.02.25 -
- 肘関節
- 関節リウマチ
- ひざ関節
- 股関節
- 肩関節
- 手部
- 足部
「人工関節の手術は痛みをなくすために必要なのはわかるけれど、合併症や後遺症が心配でなかなか踏み切れない……」そのような不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか。 肩の人工関節置換術は、つらい痛みを和らげ、生活の質を取り戻す有効な方法です。 しかし一方で、手術には特有のデメリットやリスクがあるのも事実です。 本記事では、肩人工関節の手術に伴う代表的な7つのデメリットを整理して解説します。 それぞれのリスクの特徴や発生しやすい条件、予防の工夫についても触れますので、正しくリスクを理解し、後悔のない治療選択につなげましょう。 当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。肩の痛みや人工関節について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 肩の人工関節の7つのデメリット・リスク 肩人工関節手術は、痛みを軽減し生活の質を取り戻す有効な方法ですが、肩は可動域が広く、膝や股関節とは異なるリスクを抱えやすい部位です。 そのため、手術を受ける前に想定される合併症を理解しておくことが大切です。 ここでは代表的な7つのリスクを紹介します。 感染症や血栓症といった生命に関わるものから、脱臼や可動域制限、再手術の必要性といった長期的に影響するものまで、それぞれ確認していきましょう。 なお、人工関節とは何か詳しく知りたい方には、以下の記事が参考になります。あわせてご覧ください。 感染症リスク 肩の人工関節手術で最も注意すべき合併症の一つが感染症です。 人工関節は体内に異物を入れるため、いったん細菌が侵入すると自然には治りにくく、再手術が必要になることもあります。 感染症には大きく2つのタイプがあります。手術後すぐに起こる「早期感染」と、数年後に発症する「遅発感染」です。 早期感染では発熱や患部の強い痛み、腫れなどがみられ、遅発感染では軽い痛みや動かしにくさが長く続く形で現れることがあります。 感染症リスクを高める要因としては以下が知られています。 糖尿病 関節リウマチ 免疫抑制剤を使用している 肥満 喫煙習慣 これらの条件がある方は、感染の危険性が高まるため、手術前に十分な準備や対策を行うことが重要です。 感染症にかかった場合の治療は、まず抗菌薬による点滴が行われます。症状が強い場合や感染が広がっている場合には、人工関節を入れ替える再手術が必要になることもあります。 予防策としては、手術前に虫歯や皮膚炎などの感染源を治療しておくこと、手術時には抗菌薬を予防的に投与することが有効とされています。 また、清潔な環境での手術操作と手術後の適切なリハビリ管理も重要です。(文献1) 血栓症の危険性 肩人工関節の手術では、血栓症も重要なリスクの一つです。血栓症とは、血管の中に血のかたまり(血栓)ができて血流を妨げる状態を指します。 とくに脚の深い血管にできる深部静脈血栓症(DVT)と、血栓が肺に飛んで血管を詰まらせる肺塞栓症は、命に関わることもある合併症です。 症状としては、脚の腫れや赤み、強い痛みが現れる場合があります。 肺塞栓症では、急な息切れ、胸の痛み、めまいなどが起こり、緊急対応が必要になります。 リスクを高める要因には次のようなものがあります。 高齢 肥満 がんなどの悪性疾患 血栓症の既往歴 長時間の手術や手術後の安静 手術後の体調に異変を感じた場合は、すぐに医療スタッフに伝えましょう。(文献2) 脱臼リスクと動作制限 肩は体の関節の中でも最も動きの幅が広い構造を持っています。 そのため、人工関節に置き換えると、特定の動作で脱臼が起こりやすくなる特徴があります。 注意が必要なのは、次のような動作です。 背中に手を回す(帯を結ぶ、ポケットに手を入れるなど) 腕を大きく上げる(洗濯物を干す、高い場所に物を取るなど) 手を体の内側に大きくひねる動作 これらは人工関節に強い負担をかけ、脱臼のリスクを高めるとされています。 予防のためには、手術後のリハビリで正しい動かし方を学ぶことが欠かせません。 一度脱臼すると再発しやすい傾向があるため、手術後は慎重な管理で脱臼を防ぎましょう。 生活の中では脱臼しやすい姿勢を避けたり、無理に腕を伸ばさない工夫も必要です。 理学療法士による生活指導も受けて、動作の工夫を取り入れてください。(文献3) 摩耗・ゆるみによる再置換の可能性 人工関節は一度入れれば一生使えるわけではありません。 時間の経過とともに摩耗や「ゆるみ」が起こり、再手術(再置換)が必要になる場合があります。 人工関節の摩耗は、金属やポリエチレンといった部品同士が繰り返し擦れ合うことで進行します。 その結果、関節の安定性が低下し、痛みや腫れ、動かしにくさが再び現れてきます。 また、摩耗によって生じた微細な粉が骨を刺激し、骨が少しずつ体に吸収されて弱くなることで、人工関節がゆるみやすくなります。 再置換が必要となる主な兆候は以下の通りです。 関節の痛みが再発する 肩を動かしたときに違和感や異常な音がある X線検査でインプラントの位置がずれている 再置換手術は、初回の手術よりも難易度が高く、合併症のリスクも大きくなります。 人工関節の寿命は一般的に15〜20年程度とされますが、患者様の年齢や生活スタイルによって大きく変わります。 若い方や活動量が多い方は、再置換の可能性が高まるため、長期的な視点で手術を検討しましょう。 神経損傷と機能障害のリスク 肩人工関節手術では、周囲を走行する重要な神経を傷つけてしまう可能性があります。神経は細く繊細で、一度損傷すると回復が難しい場合があるため、とても注意が必要です。 代表的な神経損傷には次のようなものがあります。 神経 働き・役割 腋窩神経(えきかしんけい) 三角筋を通っており、損傷すると腕を横に持ち上げる(外転)動作ができなくなります。 筋皮神経(きんぴしんけい) 上腕二頭筋を通り、肘を曲げる力が弱くなるほか、前腕の外側の感覚が鈍くなることがあります。 これらの神経は肩関節のすぐ近くを通っているため、人工関節の設置や手術器具の操作中に影響を受けやすい位置にあります。 神経損傷が起こると、日常生活の質に大きな影響を与えます。 このため、手術を担当する医師が肩の解剖を熟知していること、また術後の神経症状を見逃さずに早期対応する体制が整っていることがとても重要です。(文献4) 可動域制限による生活動作の困難 肩人工関節手術の後、多くの患者様が直面する課題の一つが可動域の制限です。 とくにリバース型人工関節では、肩の構造を反転させて安定性を高めるため、どうしても動かせる範囲が狭くなります。 代表的に制限されやすい動きは以下の通りです。 動作 難しくなる動き・事例 屈曲(前に腕を上げる) 洗濯物を干す、高い棚に手を伸ばすといった動作が難しくなる。 外転(横に腕を広げる) 荷物を持ち上げる、体操で両手を広げるといった動きに制限が出る。 内旋(腕を内側にひねる) 背中に手を回す動作が困難となる。 外旋(腕を外にひねる) 洗髪や髪を後ろで束ねる動作がしにくくなる。 研究報告では、リバース型人工関節は痛みの改善や安定性の向上に有効である一方、背中に手を回す動作(内旋)や頭上動作の制限が残ることが多いと示されています。(文献5) このため、術後にはどの動きが難しくなるのかを事前に理解し、理学療法士と一緒に日常生活に適した代替動作を学ぶことが重要です。 たとえば、衣服の着脱では前開きの服を選ぶ、入浴では入浴補助具を活用するなど、生活を工夫することで制限の影響を軽減できます。 再手術が必要になる可能性 肩人工関節は、痛みを和らげ生活の質を改善する有効な治療法ですが、一度の手術で一生使えるとは限りません。 感染、脱臼、摩耗・ゆるみなどの問題が生じると、再手術(再置換や再固定)が必要になる場合があります。 再手術は初回の手術に比べて難易度が高く、以下の課題があります。 骨の欠損や変形:人工関節の取り外しにより骨がさらに損なわれ、固定が難しくなる。 合併症の増加:感染や神経損傷、血栓症などのリスクが高まる。 回復期間の延長:リハビリが長引き、日常生活への復帰に時間がかかる。 とくに高齢者の場合、再手術時には体力や合併症の影響が大きくなるため、初回手術の段階で将来の再手術の可能性を念頭に置いて計画を立てることが大切です。 肩の人工関節の種類別デメリット|従来型とリバース型 肩人工関節には、大きく分けて「アナトミカル型(従来型)」と「リバース型」の2種類があります。 それぞれの構造や適応が異なるため、発生しやすいデメリットにも違いがあります。以下の通りです。 アナトミカル型(従来型) リバース型 特徴 自然に近い動きを再現しやすい 若年層や活動性の高い患者にも用いられる 腱板損傷があっても施術可能 脱臼リスクあり デメリット 腱板が損傷している場合は安定性が低い 脱臼リスクが比較的高い 可動域制限が生じやすい 負荷をかける動作で脱臼リスクがある 主な適応 腱板が保たれている場合に適応 腱板断裂性関節症、高齢者 このように、肩の人工関節はどちらを選ぶかで将来の生活に与える影響が変わります。 担当医と十分に相談し、自分の症状や生活スタイルに合った方法を選択することが重要です。(文献6)(文献7) 肩の人工関節手術の概要とポイント 肩人工関節手術は、保存療法で改善が得られない患者様に行われる治療法です。 損傷した関節を人工関節に置き換えることで、痛みを和らげ、生活の質を高めることを目的としています。 手術は全身麻酔で行われ、入院は一般的に2〜4週間程度です。術後はリハビリを通じて徐々に可動域と筋力を回復させていきます。 肩の人工関節手術の適応疾患別リスク 肩人工関節手術は、基礎疾患によって手術後のリスクや経過が異なります。主な疾患ごとの特徴を以下の表にまとめました。 疾患名 手術が適切と判断される特徴 主なリスク・注意点 変形性肩関節症 関節のすり減りによる痛み・可動域制限 高齢者では感染や血栓症リスクが高い 関節リウマチ 炎症で関節が破壊される 免疫抑制薬の影響で感染リスクが上昇 腱板断裂性関節症 腱板が損傷し肩を動かせない リバース型が多く、可動域制限や脱臼が残りやすい 上腕骨頭壊死 骨への血流障害で壊死が進行 若年者でも起こり、再手術の可能性が比較的高い 疾患ごとのリスクを理解しておくことで、手術後の生活に備えられます。 変形性肩関節症のリスクについては、以下の記事で詳細に解説しておりますので、気になる方はご確認ください。 肩の人工関節手術の入院期間と回復までの流れ 肩人工関節手術は、入院から退院後のリハビリまで一定の流れがあります。以下の表に一般的な目安をまとめました。 時期 主な内容 ポイント 手術当日〜翌日 全身麻酔で手術、安静 痛み止めや感染予防の管理が行われる 1週目 基本的なリハビリ開始 医師や理学療法士の指導で可動域訓練を少しずつ開始 2〜3週目 入院リハビリ 日常生活に必要な動作(更衣・洗面など)の練習 退院後(1〜3カ月) 外来リハビリ中心 洗濯物を干す・棚に手を伸ばすなど生活動作を徐々に回復 半年以降 社会生活復帰 家事・趣味・軽いスポーツが可能となる例もある 入院は平均で2〜3週間程度ですが、年齢や合併症によって延びることもあります。完全な回復には半年ほどかかるケースもあるため、焦らず段階的にリハビリを続けることが大切です。 肩の人工関節手術にかかる費用目安 手術費用については、自己負担3割の場合、おおむね50万〜60万円前後が一つの目安になります。 例として、ある病院では人工肩関節置換術(入院8日)で約56万円と案内されています。 医療機関や入院日数、個室利用などで上下しますが、総医療費が200万〜250万円に達するケースもあり、その場合の3割負担は約60万〜75万円もあります。 ただし、高額療養費制度を併用すれば自己負担は月ごとの上限額までに抑えられる仕組みです。 以下は、肩の人工関節手術で費用が掛かる項目についてまとめたものです。 費用項目 概要 確認ポイント 手術料・麻酔料 人工関節本体を含む外科手技と麻酔管理の費用 保険適用範囲、インプラントの種類、術式の違い 入院費 病室・投薬・処置・検査などの入院管理費 入院日数、個室か大部屋か、食事療養費の扱い リハビリ費 急性期から外来期までの理学療法費 入院中の頻度、退院後の通院回数と期間 術後外来・投薬 創部チェック、画像検査、疼痛コントロール 通院間隔、画像検査の種類と回数 装具・消耗品 スリング、保護材、創部ケア用品 自費分の有無、交換頻度 公的制度 高額療養費制度、限度額適用認定証、医療費控除 手続き方法、自己負担上限、対象外費用の確認 費用を抑えるには、公的制度の活用が鍵となります。高額療養費制度などを活用して、人工関節手術の費用を抑えましょう。 肩疾患の人工関節に再生医療は適用される? 再生医療は、すでに人工関節を入れた肩には適用されません。しかし、人工関節手術を行う前の段階であれば、症状や画像所見、生活背景などを総合して、手術前の選択肢として検討されることがあります。 再生医療は、患者様自身から採取・培養した幹細胞を患部に投与する治療法です。入院や手術を行わずに受けられます。ただし、対象疾患や期待できる経過には個人差があり、医師の評価が前提となります。 以下は、当院リペアセルクリニックで行った肩腱板断裂に対する再生医療の症例です。左肩の痛みに悩む70代の男性が再生医療により症状が改善した事例を紹介しているので、参考までにご覧ください。 患者様の状態によって、再生医療の実施可否、治療計画、想定される経過、リスクなどが異なります。 詳細については、当院リペアセルクリニックまでご相談ください。 まとめ|肩人工関節のデメリットを理解して後悔のない治療選択を 肩に人工関節を入れるかどうかの判断は、リスクの理解から始まります。 本記事では、感染症・血栓症・脱臼・摩耗やゆるみ・神経損傷・可動域制限・再手術の7点を軸に整理しました。 人工肩関節置換術後に変形性肩関節症などの合併症が起こるリスクは、患者様の年齢や基礎疾患、手術方法、術後の過ごし方によって変わります。 また、使用する人工関節が従来型かリバース型かによって、術後に残る機能制限や日常生活での注意点も異なります。 人工肩関節置換術後の入院はおおむね2〜3週間が目安で、外来リハビリを経て数カ月かけて生活を整える流れになります。 費用は複数の項目で構成されるため、高額療養費制度などの公的支援も視野に入れて、見積もりの内訳を早めに確認しましょう。 迷いが残るときは、専門医に相談して診察を受けるのが一番の解決策です。 手術を避けたいとお考えの場合は再生医療の選択肢もあるので、お悩みの方はぜひ当院「リペアセルクリニック」にご相談ください。 リペアセルクリニックでは再生医療に精通した医師が、患者様の状態に応じて個別に治療方針を提案いたします。 参考文献 (文献1) 人工関節置換術後感染に関する研究|日本人工関節学会誌 (文献2) 人工関節置換術と静脈血栓塞栓症|core.ac.uk (文献3) リバース型人工肩関節置換術後の脱臼症例報告|肩関節学会誌 (文献4) 人工肩関節置換術における腋窩神経損傷のリスク|肩関節学会誌 (文献5) 肩関節リバース型人工関節置換術後の可動域と機能評価|日本リハビリテーション医学会誌 (文献6) リバース型人工肩関節置換術の適応基準|日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会 (文献7) リバース型人工肩関節のガイドライン|日本肩関節学会
2021.12.20 -
- ひざ関節
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再生医療の分野で注目されている「PRP療法」と「APS療法」。 どちらも自身の血液を使って行う治療法ですが、目的や仕組みに違いがあります。 本記事では、PRPとAPSの特徴や違い、治療の流れをわかりやすく解説します。 膝などの慢性的な痛みに悩む方や、手術以外の選択肢を探している方は、再生医療という新たな可能性を知るきっかけにしてみてください。 PRP療法とAPS療法の違い|再生医療としての特徴 再生医療とは、怪我や病気によって低下あるいは喪失した生体機能を、細胞や組織の働きを利用して回復を目指す医療分野です。 人為的に加工や培養して作製した細胞や組織などを用いて人体に元来備わっている「自己修復力」を引き出すアプローチとして、可能性が広がりつつあります。 中でも、PRP療法やAPS療法は、患者様自身の血液成分を活用する「自己由来」の再生医療とされ、とくに関節の痛みに関する治療の選択肢のひとつです。 どちらの療法も、血液中に含まれる「血小板」が関係しています。 血小板は止血の働きだけでなく、ケガをしたときに損傷部位の修復に関与する「成長因子」を含んでいるとされます。 PRP療法やAPS療法は、この成長因子を利用した治療法です。 PRP療法は、血小板が多く含まれる血漿(多血小板血漿=Platelet Rich Plasma)を注入する方法です。 一方、APS療法(Autologous Protein Solution)は、PRPをさらに加工・濃縮したもので、炎症に関与するタンパク質や関節の状態に関わる因子に注目した治療法として研究が進められています。 PRP療法とAPS療法とは?それぞれの特徴を解説 PRP療法(Platelet Rich Plasma療法)とAPS療法(Autologous Protein Solution療法)は、どちらも患者様自身の血液を利用して行われる再生医療の一種です。 主に関節の不調や慢性疼痛のケアを目的に導入されるケースがあります。 PRP療法では、採取した自己血液を遠心分離して血小板を濃縮し、それを処置部位に注入する方法が用いられます。 血小板には「成長因子」と呼ばれる物質が含まれているとされており、この成分には組織の修復や細胞の活性化などを促す働きがある可能性が報告されています。 そのため、ケガや関節の違和感に対して使用されることがあります。 APS療法は、PRPをさらに専用の装置で処理し、抗炎症性タンパク質や成長因子などを高濃度に含むとされる成分を抽出した自己タンパク溶液を用いる方法です。 こうした成分の働きにより、関節の炎症性因子に対するアプローチが期待される場面もあります。 なお、どちらの治療も自己血液をもとにしているため、異物による免疫反応のリスクは比較的少ないとされます。 ただし、症状の改善には個人差があり、すべての人に同じような効果が得られるわけではないため、実施の際は医師による十分な説明を受けることが大切です。 PRP療法とAPS療法の比較 項目 PRP療法 APS療法 抽出方法 血小板を多く含む血漿を抽出 PRPをさらに遠心分離・処理して特定タンパク質を濃縮 主な成分 血小板由来の成長因子を含む 成長因子と抗炎症性サイトカインを含む 期待される作用 組織修復や細胞増殖に関与する 炎症を抑える働きがあるとされる成分が含まれる 主な対象 関節・腱・靭帯の損傷など 変形性膝関節症など慢性的な関節の痛み 治療の特徴 自己治癒力を高め傷ついた組織にアプローチ 痛みの緩和を目的とする治療法 抗炎症・鎮痛を重視 痛みの緩和を目的とする治療法 使用する血液量 一般に10〜20ml前後 約50〜60ml程度 手技 採血後、専用機器で処理し注射 採血後、さらに濃縮処理し注射 自己多血小板血漿、注入療法とも呼ばれるPRP療法については馴染みが薄い治療法に感じられるかもしれません。しかし、海外においては10年以上の使用実績がある方法です。 PRP療法は、ご自身の血液を採取し、遠心分離機を用いて血小板を多く含む部分(PRP)を抽出・濃縮し、損傷した部位に使用する治療法です。血小板に含まれる成分が、もともと体に備わっている修復の過程に関与するとされています。 一方、APS治療は、同じく採取した血液を特殊な専用装置で処理し、炎症に関与する物質に着目して特定のタンパク質(抗炎症性サイトカインなど)を選択的に濃縮・抽出したものを用いる治療法です。関節などの炎症に対して使用されることがあります。 APS療法で期待できる効果と治療法 APS療法は、患者自身の血液から抽出したタンパク質濃縮液(Autologous Protein Solution)を患部に注射することで、関節まわりの環境を整えることを目的とした再生医療の一つです。 ここでは、変形性膝関節症に対してAPS療法で期待できる効果や実際の治療法などについて紹介します。 ご注意頂きたいのは、APS療法は再生医療ではありますが、関節の軟骨を修復して再生させるのが目的ではありません。 自己の血液から抗炎症成分のみを濃縮して抽出したあと、関節内に注射することで、膝痛の症状緩和に焦点を当てた特化的治療です。 膝の変形性関節症では、疾患が進行することによって「半月板の損傷」や、「靭帯のゆるみ」など膝関節のバランスが崩れることで軟骨がすり減り、膝関節が変形して発症します。 また、変形性膝関節症では膝関節部における変形度の進行に伴って、軟骨がすり減り、半月板が擦り減って傷み、さらには滑膜炎など炎症が起きて膝部に水が溜まることがあります。 従来、治療としては繰り返し鎮痛剤を内服することや、ヒアルロン酸を関節内に注入するなどが代表的な治療法でした。 しかし、鎮痛剤を飲み続ける是非や、ヒアルロン酸の効果が期待できなくなった変形性膝関節症の患者様の中には、このAPS治療によって症状の改善を示すケースがあることが分かってきたのです。 一般的にAPS治療では、投与してからおよそ1週間から1か月程度で患部組織の修復が起こり始めて、だいたい治療してから約2週間から3ヶ月前後までには一定の効果が期待できると言われています。 海外のAPS治療に関する報告例では、APSを一回注射するだけで、最大約24ヶ月間にもわたって痛みに対する改善効果が継続するとの実例も紹介されていました。 ただし、これは一例で実際の治療効果や症状が改善する持続期間に関しては、患者様の疾患の程度、条件によって様々、個人差があり変化することをご理解ください。 また、このAPS治療は、PRPと同じく、患者様自身の血液を活用して生成するために、通常ではアレルギー反応や免疫学的な拒絶反応は出現しないと考えられている点も良い面でのポイントです。 ヒアルロン酸の効果が感じられない方は以下の記事も参考にしてください。 APS治療の手順 1)まず約50~60mlの血液を採取 2)厚生労働省が認めている特殊な技術で処理し、血小板成分を濃縮したPRPを抽出 3)精製されたPRP物質をさらに濃縮してAPSを抽出 こうして抽出した後、痛みを自覚されている関節部位に超音波エコー画像を見ながらAPS成分を注射して投与する まとめ|PRP療法・APS療法は血液成分を活用した治療法 PRP療法(自己多血小板血漿注入療法)は、患者様自身の血液中に含まれる血小板を活用、APS治療は患者様自身の血液中に含まれる抗炎症性物質を活用した治療法です。 これらの治療を受けた当日は、入浴や飲酒・喫煙・激しい運動やマッサージなどは出来る限り回避するように意識しましょう。 治療後の行動については、くれぐれも十分に主治医と相談してください。 費用は、それぞれの対象医療施設や治療適応となる患部箇所などによって異なりますので、この治療法をもっと知りたい方は私どもほか、専門の外来へお問い合わせされることをおすすめします。 このPRP・APS療法のほかにも再生医療として、当院「リペアセルクリニック」が推進する「幹細胞治療」という治療法も存在します。 いずれにせよ関節に問題があって、「後は手術しかないと」と言われた方は再生医療をご検討されてはいかがでしょうか。 再生医療をご検討の際は、当院「リペアセルクリニック」へお気軽にお問い合わせください。
2021.10.20 -
- ひざ関節
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「グルコサミンとコンドロイチンの違いは?」 「グルコサミンとコンドロイチンのサプリメントに副作用はある?」 グルコサミンやコンドロイチンは、体のあらゆる部分に存在しており、細胞同士をつなぎとめたり、水分を保持したりする性質をもっています。 ただ、グルコサミンとコンドロイチンのサプリメントによる摂取は、研究結果によると、残念ながら痛みが軽減したエビデンスは少ないのが実情です。 今回はグルコサミンとコンドロイチンの違いを始め、サプリメントの摂取による副作用などを解説します。 思い込みによって効果を感じるプラセボ効果についても解説するので、これからサプリメントの摂取を検討されている方は参考にしてみてください。 グルコサミンとコンドロイチンの違いとは? グルコサミンは、アミノ糖の一種で軟骨を始め、爪や皮膚などに分布しています。 一方、コンドロイチンは、ムコ多糖と呼ばれており、グルコサミンなどのアミノ糖が連なってできた多糖体です。 どちらも体内で自然に生成される成分、関節を構成する成分として有名です。 グルコサミンやコンドロイチンは、体のあらゆる部分に存在しており、細胞同士をつなぎとめたり、水分を保持したりする性質をもっています。 関節内では、コンドロイチンはプロテオグリカンと呼ばれ、軟骨の構成成分としてクッションのような役割を果たし、骨と骨が接触しないよう保護してくれています。 膝・腰・肩などの関節が痛む原因 膝や腰、肩の痛みは多くの場合、加齢によるものが原因です。残念なことに体の機能は、年齢を重ねるにつれて徐々に衰えます。 グルコサミンやコンドロイチンといった体内で生成される成分も、加齢で生産率は減少していき、関節内の柔軟性や弾力性がしだいに失われます。 関節を構成する成分が減ってしまうと脆くなり、軟骨がすり減って骨がぶつかり合い、周辺の神経に伝わって痛みが出てくるのです。 たとえば、重労働や激しい運動など、膝や腰、肩を使いすぎる行動を継続すると痛みの原因になります。 すでに症状があり、膝などの関節痛が治らない方は、根本的な治療を行うほうが良いケースもあります。 当院「リペアセルクリニック」では、膝の痛みに関する再生医療の治療実績もございますので、まずはお気軽にメールや電話にてお問い合わせください。 グルコサミンやコンドロイチンのサプリメントは関節痛に効果がない 軟骨に豊富に含まれているグルコサミンやコンドロイチンは、サプリメントから補給する方法もありますが、実は関節痛には効果がないのがわかっています。 関節の痛みに効果がない理由として、口からの摂取による影響が考えられるでしょう。 消化器官を通過すると、グルコサミンやコンドロイチンの構成成分であるアミノ酸や糖質は、胃液などにより消化および分解されてしまいます。 そのまま体に吸収されるため、軟骨まで到達するとは考えにくいのです。また、軟骨には血管がほとんどなく、栄養として成分が直接届きにくいとされています。 一般的にイメージされるサプリメントの効果は、軟骨減少の改善を始め、膝や腰、肩の痛みにおける症状改善などがあげられます。 ただ、研究結果をみると、グルコサミンやコンドロイチンのサプリメントがもたらす効能は、科学的な根拠に乏しいのが実情です。 サプリメントの効果に関する研究論文【痛みが軽減したエビデンスは少ない】 米国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)が出資した主要な研究など、一部の研究によると、グルコサミンのサプリメントが痛みを軽減させたエビデンスは、ほとんどあるいはまったくありませんでした。 一部の研究発表では、コンドロイチンやグルコサミンなどの成分をサプリメントとして服用すると、膝や腰、肩の痛みを軽減する可能性があると示唆しています。 ただし、実際のところは「可能性レベル」であって、ほとんどの研究において「劇的な改善をもたらしたといえるほどの効果はない」と報告されています。 実際に大規模な研究結果でも、グルコサミンやコンドロイチンといった成分が関節の痛みに効果があるというエビデンスを示していません。 つまり、グルコサミンやコンドロイチンなどのサプリメントが、痛みを軽減するのかは十分な証拠がない状況といえます。 関節痛にサプリメントが効くのは思い込み?プラセボ(プラシーボ)効果とは プラセボ(プラシーボ)効果とは、本来は薬としての効能がまったくない物質を摂取しているのにもかかわらず、効能が得られたと感じることです。 膝や関節に関わるグルコサミンやコンドロイチン、プロテオグリカン、ヒアルロン酸などのサプリメントも、同様に思い込みで効果を実感している可能性もあります。 実際に摂取された方のなかには「痛みが軽くなった」「痛みが半減した」などの意見が上がっている製品もあるようです。 実際に利用者が、どの製品のサプリメントに効果があると感じたのかは正確にはわかりません。 ただ、サプリメントの摂取で、膝や関節への効果を感じている理由としては、プラセボ効果が関わっているのではないかと考えられています。 グルコサミンとコンドロイチンの服用における実験結果 アメリカの臨床研究では、関節痛などの問題を抱えている大勢の方に集まってもらい、2つのグループに分けてモニタリングを行いました。 片方のグループには、グルコサミンやコンドロイチンの「本物のサプリメント」を与えて、もう片方のグループには、まったく何の効果もない「偽のサプリメント」を与えました。 実際にそれぞれのグループに一定の期間服用させたところ、グルコサミンとコンドロイチンの成分が入っているかどうかにかかわらず、以下のような改善が見られたのです。 本物のサプリメントを与えたグループ ・症状の改善が見られた層がいた 偽のサプリメントを与えたグループ ・「痛みが緩和した」「痛みが改善した」 など症状の改善が見られた層がいた 上記はプラセボ効果によるもので、一種の「思い込みによる心理的な働き」と考えられています。 「グルコサミンやコンドロイチンのサプリメントは、摂取すると膝の痛みがとれる」といった情報から、思い込みやイメージなどにより、効いたように感じてしまうのです。 しかし、思い込みだとしても、実際に症状が良くなったと感じるなら、本人にとっては「痛みを改善する目的が達成できた」といった見方もできるかもしれません。 ただ、残念ながら結果が得られなければ、この記事を思い起こしていただければと思います。 グルコサミンとコンドロイチンの副作用 厚生労働省eJIMによると、グルコサミンとコンドロイチンのどちらも、3年間継続して摂取した場合、重篤な副作用は見られない結果でした。(文献1) ただ、本人の体における状態などを始め、服用している薬との飲み合わせによっては、何かしらの副作用が出る可能性もゼロではありません。 サプリメントの摂取を行うときは、必ず医療機関で医師や薬剤師などに問題がないかを確認してみてください。 まとめ|グルコサミンとコンドロイチンのサプリメントが関節痛に効く可能性は低い グルコサミンやコンドロイチンは、体の軟骨成分に豊富に含まれている物質です。 医学的にはサプリメントで成分を補ったとしても、膝や肩などの関節に届く可能性は低く、痛みに効くとは言い切れないのが現状です。 ただ、今後の臨床研究により、なんらかの効能が見つかる可能性もあるかもしれません。 現在膝や肩などの関節痛に悩まされているなら、サプリメントに頼りすぎず、ぜひ整形外科を始めとした医療機関の受診をおすすめします。 痛みには思わぬ病気が隠れている場合もあるため、早期発見と早期治療が何よりの対処法です。 体の痛みや違和感といった症状を放置せず、しっかりとした診断に基づく治療を受けてみてください。 また、膝まわりの痛みに関しては、幹細胞を使った再生医療による治療方法もございます。 当院「リペアセルクリニック」では、再生医療による関節症などの治療実績もございますので、関節に関わる症状がある方は、ぜひメールや電話からお悩みをご相談ください。 グルコサミンとコンドロイチンの違いに関するQ&A グルコサミンとコンドロイチンの違いに関する質問と答えをまとめています。 Q.軟骨成分のプロテオグリカンは関節痛に効果があるの? A.食事やサプリメントによる効果は期待できないと考えられています。 ただ、運動によって血流が良くなると、細胞に栄養などが届きやすくなり、プロテオグリカンの増加が促進されるのがわかっています。 プロテオグリカンと関節痛に関する詳細については、以下の記事を参考にしてみてください。 Q.コラーゲンのサプリメント・ドリンクは関節の違和感などに効果があるの? A.「低分子コラーゲン」「コラーゲンペプチド」と表記があるサプリメントやドリンクは、効果が期待できるかもしれません。 低分子化したものはコラーゲンペプチドとも呼ばれており、粒子が細かく腸壁で吸収されてから血液を通り、皮膚や骨、関節などの全身に届きます。 コラーゲンのサプリメントと関節痛との関わりについては、以下の記事も参考になります。 Q.グルコサミンやコンドロイチンを含む食べ物は? A.グルコサミンやコンドロイチンは以下の食べ物に含まれています。 コンドロイチン 肉の関節部分と軟骨(鶏の手羽・豚のリブ・牛のナックル) 甲殻類の外骨格(エビ・ロブスター・カニの殻) フカヒレ など グルコサミン 同上 山芋 オクラ なめこ 納豆 うなぎ きのこ類 甲殻類の殻や動物の関節部などは摂取が難しいため、スープなどにして調理すると良いでしょう。栄養素は相互作用で働くので、偏らずにさまざまな食べ物をバランス良く摂取してみてください。 参考文献 文献1 厚生労働省eJIM|海外の情報 グルコサミンとコンドロイチン
2021.10.06 -
- 腱板損傷・断裂
- 肩関節
「肩が痛くて腕が上がらない」 「夜中にズキズキとした痛みで目が覚めてしまう……」 辛い肩の症状に、毎日悩まされている方もいるでしょう。日常生活への支障が出る症状の原因として、肩の腱が切れてしまう「腱板(けんばん)断裂」が疑われます。 この記事では、腱板断裂(損傷)における診断で有効な超音波(エコー)検査の特徴について詳しく解説します。エコー所見や腱板断裂の治療方法についても紹介するので、診察を受けるか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。 腱板断裂における超音波(エコー)検査の特徴 腱板(けんばん)断裂における超音波(エコー)検査は、患者様の負担を抑えつつ正確な診断を行うために有効な検査方法です。 腱板断裂とは、肩の内部にある「腱板」という筋肉と腱の集まりが切れた状態を指します。 整形外科では、初診時にレントゲンを撮影し、症状のある部位や周辺部位に異常がないか確認します。ただし、腱板はレントゲンでは写らない組織であるため、腱板断裂の判断ができません。 診察時に腱板断裂が疑われる場合は、追加で超音波検査やMRI検査を行います。超音波検査の特徴について解説するので、肩の痛みで受診を検討している方は参考にしてください。 プローブを使用する 超音波検査では、皮膚の表面に透明なゼリーを塗り「プローブ」と呼ばれる小さなマイクのような形をした検査器具を肩に当てて検査します。プローブから発せられた超音波は、肩の中の筋肉や腱に反射し、その反射波を受信することで鮮明な画像としてモニターに表示されます。 検査で使うプローブは検査部位に合わせて選ぶ必要があり、肩関節に使用されるのは「リニア型」や小型の「コンベックス型」と呼ばれる種類です。 腱板断裂の場合、超音波検査で筋肉や腱の厚さ、断裂の位置や範囲を正確に確認できます。プローブを動かしながら微妙な位置調整ができるため、小さな断裂や部分的な損傷を見逃さずに観察できる点はメリットです。 体に傷をつけない 超音波検査は、体に傷をつけず負担の少ない検査です。レントゲン検査による放射線被ばくの心配もなく、MRI検査のような強力な磁場も使用しません。 そのため、妊娠中の方や体内に金属がある方でも安心して検査を受けられます。検査に伴う痛みもほとんどなく、患者様への身体的な負担が少ない検査といえます。 超音波検査は、症状の経過観察や治療効果の判定を目的として容易に繰り返し実施できる検査方法です。 リアルタイムで観察が可能 超音波検査では、筋肉や腱の状態をリアルタイムで観察できるのも特徴の1つです。 肩を動かした際に起こる筋肉の伸縮や腱の動き、断裂部の変化などを即座に画像で確認できるため、静止画像ではわからない機能的な診断ができます。 これにより、動作による痛みの原因や断裂範囲を明確に把握できます。治療効果や経過を定期的に診断することで、患者様に適した治療計画を立てるのに役立ちます。 腱板断裂に対する超音波(エコー)検査の手順 腱板断裂が疑われる際に行う超音波(エコー)検査の手順は、以下のとおりです。 ①椅子やベッドに座るか仰向けになり、肩関節を軽く伸ばした状態にする ②肘を曲げる筋肉につながる腱である上腕二頭筋長頭腱(ちょうとうけん)と腱の通る溝である結節間溝(けっせつかんこう)を中心にエコーで確認する ③肩甲下筋腱(けんこうかきんけん)や腱が付いている小結節付着部を中心に確認する ④プローブを肩の上方へ移動させて腕を上げる筋肉につながる腱である棘上筋腱(きょくじょうきんけん)や、後方へずらして腱全体を確認する ⑤棘上筋腱全体の断面をエコーで調べたあと、腕を外側にひねるための筋である棘下(きょくか)筋腱と付着部を腱の長さに沿って確認する ⑥さらに、肩の後方の骨である肩甲棘(けんこうきょく)の中央で肩後方の筋肉である棘下筋の厚みを両側計測する 腱板断裂の超音波検査では、断裂しやすい部分を重点的に観察し、腱の厚みや断裂の状態などを詳しく確認します。 肩甲下筋腱を調べる際は、患者様に肩を内側や外側にひねっていただき、腱や小結節付着部を確認します。また、棘上筋腱は腱の長さに沿って見るだけでなく、断面からの確認も重要です。 検査自体は10〜15分程度で終了し、ほとんど痛みを感じません。検査後はすぐに日常生活へ戻れるため、安心して検査を受けられます。 腱板断裂(損傷)のエコー所見 超音波(エコー)検査を行うと、腱板の各部位に生じた断裂や損傷の様子が確認できます。腱板は肩甲骨と腕の骨をつなぐ複数の筋肉や腱で構成されており、損傷部位によって画像所見は異なります。 なかでも、腱板断裂(損傷)が多い部位は、棘上筋と棘下筋です。 ここでは、腱板断裂で良くみられるエコー所見を紹介するので参考にしてください。 肩甲下筋腱断裂・損傷 腕を内側にひねる動作や肩関節を安定させる肩甲下筋腱が損傷すると、エコーでは腱の連続性が途切れ、不規則な陰影が映ります。部分的な損傷であれば腱の厚みが減少し、完全断裂の場合は腱が途切れて隙間が見えるのが特徴です。 断裂部分には、炎症による液体が溜まるケースも少なくありません。肩を内外にひねる動作を加えて検査すると、腱の動きが乏しく見えるのが確認できます。 肩甲下筋腱の断裂は、他の腱板筋腱に比べて頻度は低いものの、棘上筋腱断裂や棘下筋腱断裂と合併して発生する症例が多いといわれてます。 棘上筋腱断裂 腕を横に上げる動作において肩関節を安定させる棘上筋腱は、腱板のなかでも損傷を受けやすく、エコーでは断裂部分が鮮明に確認できます。正常な棘上筋腱は連続して滑らかな画像ですが、損傷や断裂があると腱の連続性が途絶え、低エコー(黒っぽく)に映るのが特徴です。 完全断裂になると断裂部の両端に隙間が生じ、腱が骨から離れている様子も観察できます。また、断裂部分には炎症による液体が溜まり、エコー画像で鮮明に写ります。 断裂・損傷部位に限局して、検査時の圧痛を認めた場合、棘上筋腱が疼痛の主な原因になっているケースが多いのも事実です。腱板断裂のなかで、とくに頻度が高いのは棘上筋腱断裂とされています。 棘下筋断裂 腕を外側にひねる動作に関与する棘下筋腱に断裂や損傷がある場合、エコーでは腱の形状が乱れ、途切れて見えます。正常な棘下筋腱は均一で整った線状に映りますが、断裂すると腱が薄くなったり、部分的に欠損したりします。 棘下筋は薄いため、左右を比較するのが重要です。断裂・損傷がある場合、頭側に低エコーに映るのが特徴です。 また、周囲には炎症による液体が貯留しているケースも少なくありません。腕を回しながら検査すると、損傷の程度や機能的な影響をリアルタイムで判断できるため、治療計画を決定する重要な手がかりになります。 棘下筋萎縮 棘下筋が長期間にわたり損傷・断裂したまま放置されると、筋肉が萎縮して薄くなります。エコーでは筋肉のボリュームが減少し、筋線維の模様が消失して白く映るのが特徴です。 棘下筋萎縮は投球動作で発症するケースが多く、進行すると肩の運動能力が低下し、腕を回す動作が難しくなります。エコーによって筋肉の厚さを測定し、正常な反対側の肩と比較すると、萎縮の程度や回復する可能性を把握できます。棘下筋萎縮は、損傷から時間が経過した際に見られる重要なエコー所見です。 腱板断裂の治療方法 腱板断裂の治療方法は、損傷の程度や患者様の年齢・生活スタイルを考慮して決められます。 主に、保存療法・手術療法・再生医療の3つの選択肢があり、症状やライフスタイルに合わせた治療方法を医師と相談して決定します。 それぞれの治療方法について紹介するので、診察を受ける際の参考にしてください。 治療方法に関する詳細は、こちらの記事も参考にしてください。 保存療法 保存療法は、手術を行わずに症状の改善を目指す治療方法の総称です。具体的な治療内容は以下のとおりです。 三角巾を使用して数週間安静にする 内服薬・外用薬を処方する 肩関節内に注射する ストレッチや筋力トレーニング 腱板断裂の治療では、三角巾を使用して肩の安静を保ち、負担を軽減します。痛みが強い場合には、消炎鎮痛剤の内服薬や外用薬(湿布や塗り薬)が処方されるケースが多くみられます。 また、炎症を抑えるためのステロイド注射や、関節の動きを滑らかにするヒアルロン酸注射を肩関節内や滑液包内に行う場合も少なくありません。 症状が落ち着いてきたら、理学療法を併用したストレッチや筋力トレーニングなどのリハビリテーションを行います。理学療法士による肩関節の可動域訓練や周囲の筋力トレーニング、正しい肩の使い方を習得し、症状の軽減と日常生活を送れるようにするのが目的です。 手術療法 手術療法は、保存療法で十分な効果が得られない場合や、断裂が大きく活動性の高い方、確実な機能回復を望む方などに検討されます。手術療法で検討されるのは、以下4つです。 鏡視下腱板修復術 腱板移植 人工関節置換術 リバース型人工関節置換術 小さな切開でカメラ(関節鏡)を肩関節に挿入し、モニターで確認しながら行う鏡視下腱板修復術は、従来の手術に比べて体への負担が少なく、術後の回復も早いメリットがあります。 腱板断裂が大きく鏡視下で縫い合わせるのが困難な症例では、太ももの裏側や背中から腱を採取し、移植する腱板移植を選択するケースもあります。 ほかにも、人工関節を肩関節に取り付ける人工関節置換術やリバース型人工関節置換術も選択肢の1つです。 手術で腱を修復した後は、断裂の大きさや修復方法に応じた適切なリハビリテーションを行い、機能回復訓練を行うのが重要です。 再生医療 再生医療は、自己の細胞を用いて腱板の自然治癒力を活かす治療方法です。当院「リペアセルクリニック」では、主に以下の治療方法を実施しています。 幹細胞治療 PRP治療 幹細胞治療では、脂肪細胞から採取した幹細胞を培養し、肩関節内に注射して患部に幹細胞を届けます。 一方、血液から血小板を多く含む血漿(PRP)を抽出して注射するPRP治療は炎症を抑える目的で行われるため、症状に適した治療方法を選択するのが重要です。 どちらの治療方法も自己細胞を使用するため、副作用やアレルギーのリスクも低く、安全性の高い治療として注目されています。 肩の痛みに対する治療方法でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。 まとめ|腱板断裂(損傷)で行われるエコー検査への理解を深めよう 肩の痛みや腕の上がりにくさを引き起こす腱板断裂(損傷)に対する超音波(エコー)検査は、迅速かつ安全に診断できる検査方法です。 超音波検査ではプローブと呼ばれる検査器具を使用し、傷をつけずにリアルタイムで腱板の状態を確認できます。 腱板断裂(損傷)の治療方法は、注射やリハビリなどの保存療法、断裂した腱を修復する手術療法、自己細胞を活用する再生医療など多岐にわたります。治療方法を選択する際は、超音波検査を含む精密な診断に基づき、医師と十分に話し合って決定するのが大切です。 本記事を通じて、腱板断裂と超音波検査や治療法への理解を深め、ご自身の状態に適した医療を選択する参考になれば幸いです。
2021.08.18 -
- 腱板損傷・断裂
- 肩関節
「肩腱板断裂に対するCT検査はどんなことがわかる?」 「検査の流れや注意すべきことは?」 肩腱板断裂(かたけんばんだんれつ)に対するCT検査で確認できることは、主に骨の形態や変形などです。初診時に「肩に痛みがある」「腕が上がらない」などの症状がある場合は、まずはCT検査やレントゲン検査を行います。 本記事では、肩腱板断裂に対するCT検査の役割をはじめとして以下を解説します。 CT検査の流れや注意点 MRI検査について その他の検査 主な治療方法 患者様自身がCT検査の役割やその他の検査について知ることは、納得感のある治療を受けるために大切です。本記事を肩腱板断裂に対する検査の理解を深めるために役立ててください。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。肩の痛みなどの症状でお悩みの方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 肩腱板断裂に対するCT検査の役割 CT検査は「肩に痛みがある」「腕が上がらない」などで受診した際に行う検査の1つです。必要に応じて後述するMRI検査や関節造影検査、エコー検査を追加します。 肩腱板断裂に対するCT検査では、以下のようなことを確認できます。 骨の形態や位置関係を確認できる 脂肪変性の状態を確認できる それぞれの詳細を解説します。 肩幅や骨の位置を確認できる 肩腱板断裂に対するCT検査では、骨の形態や位置関係を確認します。上腕の骨と肩の骨の位置がずれている場合や、骨棘(こつきょく:トゲ状の骨)などの変形が見られる場合は肩腱板断裂を疑います。 また、人工肩関節を入れる手術を行う場合は、手術前のCT画像が役立ちます。たとえば、術前のCT画像をコンピュータ上で確認しながら、人工肩関節の設置位置や方向を検討するために活用されます。 脂肪変性の状態を確認できる CT検査では、肩腱板断裂後の脂肪変性の状態を確認できます。脂肪変性とは、筋肉が脂肪に変わることです。肩腱板断裂の部位に脂肪変性が確認できると、筋肉の萎縮も認められ、治療期間が長くなる傾向です。 手術の治療成績にも悪影響を及ぼすといわれています。脂肪変性は時間の経過とともに発生しやすくなります。「肩に痛みがある」「腕が上がらない」などの肩腱板断裂を疑う症状が現れている場合は、医療機関を受診しましょう。 肩腱板断裂におけるCT検査の流れや注意点 CT検査の流れや注意点は以下の通りです。 検査の流れ 1.案内後、検査室に入室する 2.医療スタッフにより撮影部位と金属類の確認が行われる 3.必要に応じて着替えを行う 4.準備が整ったらCT装置の上に寝て検査を始める 注意点 ・医療スタッフより検査終了の声かけがあるまでは体を動かさない ・息止めの指示があった場合は合図に合わせて息を止める ・金属類は検査の妨げになるため、当日は金属が含まれるアクセサリーや衣服は控える CT検査の時間は一般的に5〜15分です。 肩腱板断裂の診断においてはMRI検査が重要 肩腱板断裂の診断においてMRI検査は重要です。腱板の断裂の有無を鮮明に確認できるためです。他にも、筋肉が萎縮している様子などを確認できます。 初診時にCT検査やレントゲン検査を行い腱板断裂が疑われる際は、MRI検査を実施して確定診断をします。検査時間は20分ほどです。 肩腱板断裂に対するその他の検査 肩腱板断裂に対するその他の検査には、以下のようなものがあります。 関節造影検査 エコー検査 レントゲン検査 それぞれの検査の詳細を解説します。 関節造影検査 MRI検査だけでなく関節造影検査も重要な検査です。補助診断法(病気の診断を補完する検査)として用いられます。肩関節の中に造影剤を注射して、腕を動かしながらレントゲン検査を行います。 関節造影検査でわかることは、MRIでは確認できない小さな断裂や肩を動かした際の異常の有無などです。検査前は造影剤や局所麻酔薬に対するアレルギーの有無を確認しなければなりません。 エコー検査 エコー検査でも断裂の状態を確認できます。しかし、MRI検査と比較すると、不明瞭であるため確定診断にはなりません。エコー検査の利点は、リアルタイムで観察ができることです。 その他に以下のようなことが確認できます。 筋肉や腱の厚さ 断裂の位置や範囲 皮膚に当てるプローブという検査器具の位置を調整することで、小さな断裂や部分的な損傷の確認もできます。 レントゲン検査 レントゲン検査は初診時に行うことが多い検査です。CT検査と同様に肩幅や骨の位置などを確認できます。上腕の骨と肩の骨の間が狭かったり、骨棘(こつきょく)が伸びていたりすると腱板断裂を疑います。 レントゲン検査だけでは、腱板断裂を鮮明に確認できません。レントゲン検査で肩腱板断裂を疑う場合は、追加でMRI検査やエコー検査を行います。 肩腱板断裂の治療方法 肩腱板断裂の治療方法には、以下のようなものがあります。 保存療法 手術療法 再生医療 それぞれの治療方法について解説します。 保存療法 肩の腱板を断裂したからといって、必ずしも手術を検討するわけではありません。肩を動かすことができ、痛みが少なければ保存療法を検討します。 保存療法には、以下のようなものがあります。 保存療法 詳細 薬物療法 炎症を抑える薬の服用または注射によって痛みをコントロールする 運動療法 残っている腱板の機能を向上させるリハビリを行う 急性の外傷で受傷した場合は、三角巾で1〜2週間安静にします。保存療法により断裂した部分そのものは治癒しませんが、痛みや機能は70%の割合で改善するといわれています。(文献1) 手術療法 保存療法で肩関節の痛みや運動障害が改善しない場合、または80歳以下で活動性が高い方などは手術を検討します。多くの場合は、関節鏡(細い管の先にカメラとライトが取り付けられて器具)を用いて行う腱板修復術が選択されます。 関節鏡を用いた手術は患者様に負担が少ないのが特徴です。ただし、大きな断裂では、直接目で見て切開する直視下手術の検討が必要です。腱板の修復が困難で再断裂が予想されるケースでは、人工関節の挿入が必要になる場合もあります。 再生医療 肩腱板断裂に対しては再生医療も選択肢に挙げられます。再生医療とは、注射などによって自己の細胞を患部(断裂部位)に注入して、身体が持つ自然治癒力を活かす治療法です。 再生医療には、以下のような種類があります。 再生医療の種類 詳細 幹細胞治療 (かんさいぼうちりょう) 組織の修復に関わる働きを持つ「幹細胞」を患部に投与する治療方法 PRP療法 血液中の血小板に含まれる成長因子などが持つ、炎症を抑える働きや組織修復に関与する働きを利用した治療方法 肩腱板断裂に対する再生医療について詳細を知りたい方は、以下の当院での症例を参考にしてください。 まとめ|肩腱板断裂に対するCT検査の理解を深めておこう 肩腱板断裂に対するCT検査では、肩幅や骨の位置を確認できます。上腕の骨と肩の骨の位置がずれている場合は、肩腱板断裂を疑い確定診断ができるMRI検査を追加します。 CT検査の時間は一般的に5〜15分です。医療スタッフの指示に従いながら、体は動かさず、必要な時には息止めを行いましょう。検査の妨げになるため、当日は金属類が含まれるアクセサリーや衣服は控えてください。 適切な治療を選択するためにも、検査内容の理解は大切です。断裂の状態を患者様自身が理解することで、納得感のある治療の選択に役立てられるためです。検査内容で不明な点がある場合は、医師に確認しながら治療を受けましょう。 肩腱板断裂の治療法として、再生医療という選択肢もあります。再生医療が気になっている方は、当院「リペアセルクリニック」にお気軽にご相談ください。 肩腱板断裂のCT検査に関するよくある質問 CT検査で肩関節を撮影する際のポジショニングは? 肩関節に対するCT検査では、以下のようなポジショニングをとります。 患側(断裂側)を上にして横向きになる 患側の前腕は軽く曲げて腹部辺りに置く 下側の腕は頭側に上げて腕枕のようにする これらは一例です。医療スタッフの指示に従い検査を受けてください。 肩腱板断裂の造影剤の検査は痛い? 注射時や注射後24〜48時間の間は、痛みを感じる場合があります。検査中の痛みや不快感は局所麻酔薬によって抑えられますが、完全になくなるわけではありません。 参考文献 (文献1) 肩腱板断裂|日本整形外科学会
2021.08.04 -
- 腱板損傷・断裂
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腱板損傷とは 、肩の動きを安定させるための「腱板」と呼ばれる筋肉の腱が損傷した状態です。 肩の痛みや可動域制限などの症状が現れ、放置すると痛みが強くなったり、悪化して腕が上がらなくなる可能性もあるため、早期の治療が大切です。 本記事では、腱板損傷の診断に役立つテストについて解説していますので、症状が疑われる場合は、医療機関を受診して適切な治療を受けましょう。 また、なかなか治らない肩の痛みや重度の腱板損傷の場合は、手術が検討されますが、入院や術後リスクから「手術はしたくない」という方も多いです。 近年の治療では、腱板損傷などの肩の痛みを手術せずに治療できる「再生医療」が注目されています。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて損傷した組織の再生・修復を促すことで、肩の痛みの根本改善を目指す治療法です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 長引く腱板損傷による肩の痛みを早く治したい 腕が上がらなくなったりする前に根本治療を受けたい 日常生活に影響が出ないか不安を感じている >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する 当院リペアセルクリニックでは、肩の痛みに対する再生医療について無料カウンセリングを実施中のため、お気軽にご相談ください。 まずは「肩の痛み」の治療について無料相談! 腱板損傷の代表的筋力テスト4つ まずは、筋力低下の状態を確認するテストを4つ紹介します。 筋肉の可動域に制限が出たり、左右の動きに差が生じたりする場合は、腱板損傷の可能性があります。また、動作で痛みがともなう場合も腱板損傷を疑いましょう。 棘上筋(S S P)テスト 棘上筋は外転(腕を体の横から挙上する動作)で作用する筋肉です。 腱板の中で最も損傷が多いのが棘上筋 であり、棘上筋が断裂すると外転筋力が20〜30%低下するといわれています。 Full can test: 肩関節外転30°で外旋位(親指を上に向ける)にする 腕を上げてもらう力に対し、検者は抵抗を加えてチェックする Empty can test: 肩関節外転30°で内旋位(親指を下に向ける)にする 腕を上げてもらう力に対し、検者は抵抗を加えてチェックする ▼腱板損傷の根本治療に注目 >>再生医療専門の治療法について確認する 棘下筋(I P S)テスト 棘下筋は肩関節の外旋(腕を外にひねる動作)で作用する筋肉です。 External rotation lag sign: 腕を下に下ろした状態から肘を90°に曲げます 肘から先を外側に開いていき左右で差がみられれば陽性 ▼腱板損傷の根本治療に注目 >>再生医療専門の治療法について確認する 肩甲下筋(S S C)テスト 肩甲下筋は肩関節の内旋(腕を内にひねる動作)で作用する筋肉です。腱板損傷の場合、痛みにより手を背中に回す動作ができないことがありますので、そのような時は下の2つのテストを試みる。 Lift off test: 背中に手を回し、その手を背中から離して保持できるかチェックする Bear-hug test: 患側(痛みのある方)の手で、健側(痛みのない方)の肩を押し込み、その力の強さをチェックして評価する Belly-press: 患側(痛みのある方)の手で、お腹を押し込む力の強さをチェックし、評価する ▼腱板損傷の根本治療に注目 >>再生医療専門の治療法について確認する Drop arm sign(ドロップアームサイン) 検査する人が外転90°まで持ち上げ、支持している手を離す 患者さんが腕を支えられなかったり、わずかな抵抗で腕を下ろした場合は陽性 このように腱板の各筋肉を個別にスクリーニングするテスト法はありますが、 実際は損傷している筋肉と検査結果が一致しない場合があります。 例えば、棘上筋が単独で損傷している時に肩甲下筋テストで陽性となる場合や、逆に肩甲下筋が損傷している時に棘上筋テストが陽性になる場合があります。 しかし、上記のテストはあくまで参考程度に捉え、腱板損傷が疑われる場合は早期に医療機関を受診しましょう。 近年の治療では、手術せずに腱板損傷(断裂)を根本的に治療する再生医療が注目されています。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、損傷した組織の再生・修復を促す治療法です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 長引く腱板損傷による肩の痛みを早く治したい 腕が上がらなくなったりする前に根本治療を受けたい 日常生活に影響が出ないか不安を感じている >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する 当院リペアセルクリニックでは、再生医療の具体的な治療法や適応症例について無料カウンセリングを行っているため、お気軽にご相談ください。 腱板損傷の根本治療を目指せる再生医療について相談 腱板損傷の痛む場所を特定する2つのテスト 次に、痛みの部位の特定や状態を確認するテストを2つ紹介します。 動作に痛みを感じれば、腱板損傷の可能性があります。 インピンジメントサイン 1) Neer test: 検者は患側の肩甲骨を押し下げ、もう片方の手で外転させていく。 これは上腕骨を肩峰下面に押し当てるテストであり、外転90°を過ぎたあたりで疼痛がみられれば陽性 2) Hawkins test: 検者は屈曲(前方に腕を上げる動作)90°まで腕を上げ、内旋を加える。 これは上腕骨の大結節を烏口肩甲靭帯の下面に押し当てるテスト法であり、疼痛がみられれば陽性。 ペインフルアークサイン 患者さんの力により外転方向に挙上する。 棘上筋が損傷していれば60°〜120°の間で疼痛を感じ、それ以外の角度では疼痛を感じない。 紹介したテストを実施して、腱板損傷の可能性があれば病院を受診しましょう。腱板損傷を放置して、無理に肩を動かせば症状が悪化するリスクがあります。 下記の記事では、腱板損傷の人がやってはいけない動作について解説しています。病院で腱板損傷の診断を受けた方は、日常生活での過ごし方の参考にしてみてください。 ▼ 腱板損傷を再生医療で治療する 腱板損傷の3つの画像診断方法 腱板損傷の診断では上記で解説したテスト法が判断の手がかりになりますが、腱板損傷以外の疾患と鑑別し、正確に損傷部位を特定する場合には、画像による検査が必要となります。 腱板損傷ではMRIや超音波による検査が有用です。 以下では、それぞれの診断方法について詳しく解説していきます。 MRI検査 腱板損傷に対する画像診断では、MRIによる検査が最も有用です。 MRI検査とは磁気共鳴画像といい、レントゲン検査やCT検査のように放射線を使用するのではなく、電磁波を使用した画像診断です。 MRI検査では、どの腱板が損傷しているのか、どの範囲まで損傷しているのか、腱板のどの場所で損傷しているのかなどを評価することが可能です。 超音波(エコー)検査 超音波検査 では、筋肉や腱の状況を確認することができ、炎症が起きている場所の特定も可能です。超音波検査はMRIと違い診察室で手軽に行える検査のため、患者さんと一緒にモニターを見ながら肩の状態を説明することもできます。 また超音波を当てながら注射の針を進めることで、より正確な目的地(炎症部位や筋膜、神経など)まで誘導することができます。 レントゲン検査 レントゲン検査では筋肉や腱の状態は確認できないため、腱板損傷の判断をするには難しいです。ただし、 腱板が断裂すると関節の隙間(肩峰と上腕骨頭の間)が狭くなることがあります。 また腱板損傷は肩関節の肩峰が変形し、骨棘(こつきょく:トゲのように変形した骨)により腱板がすり切れて発生する場合もありますので、原因究明の手がかりにもなります。 検査して重症と診断されれば、手術になる可能性があります。「手術の傷跡が残るのが嫌だ」「仕事があるから入院やリハビリをしたくない」という方には「再生医療」がおすすめです。 再生医療とは、修復力のある幹細胞の働きを利用して、弱ったり、傷ついたりした細胞を再生する医療技術です。手術のように身体を切開しないので、入院やリハビリをする必要がありません。 再生医療なら弊社 『 リペアセルクリニック 』にご相談ください。再生医療の症例数8,000例以上の経験を活かし、患者さま一人ひとりにあった治療プランをご提案いたします。 ▼腱板損傷の根本治療に注目 >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する まとめ|腱板損傷の疑いがあればテストを受けて確かめよう! 腱板損傷を評価するためのテスト法は検査をする目的によって方法が異なります。 陽性反応がみられるテストは痛みを伴いますので、痛みの出る強さはポジション、筋力低下の加減を記録しておくと、治療経過を確認する上での指標にもなります。 しかし、自己判断で無理に動かしてしまうと症状が悪化するリスクがあるため、症状が疑われる時点で医療機関を受診した方が良いです。 また、軽度の場合は手術を伴わない保存療法で痛み止めの服用やリハビリで改善する可能性もありますが、症状によっては手術が必要な場合があります。 「根本的な治療を受けたいけど手術は避けたい」という方に、近年では手術せずに腱板損傷(断裂)を根本的に治療する再生医療が注目されています。 \肩の痛みを手術せずに治療する「再生医療」とは/ 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、損傷した組織の再生・修復を促す治療法です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 長引く腱板損傷による肩の痛みを早く治したい 腕が上がらなくなったりする前に根本治療を受けたい 日常生活に影響が出ないか不安を感じている >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する 当院リペアセルクリニックでは、再生医療の具体的な治療法や適応症例について無料カウンセリングを行っているため、お気軽にご相談ください。 まずは腱板損傷の治療について無料相談!
2021.04.01







