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腰部脊柱管狭窄症の手術費用や入院期間について気になる方も多いのではないでしょうか。 主な手術方法や費用の目安は、以下の通りです。 手術方法 費用の目安 概要 除圧術 約25〜45万円 椎間板・黄色靱帯を切り取る、骨を削ることによって神経の圧迫を取り除く手術 除圧固定術 約60〜85万円 除圧術によって神経の圧迫を取り除いた後、骨と骨の間を金属のスクリューやロッドで固定する手術 \リペアセルクリニック坂本理事長のコメント/ 手術では、椎間板や黄色靱帯を切り取る、骨を削ることによって、脊髄神経の通り道を広げます。 しかし、神経にアプローチする治療はいまだに幹細胞のみとなります。 今まで神経の圧迫を取り除く手術による治療法が一般的でしたが、損傷した神経の改善に期待できる再生医療の幹細胞治療が注目されています。 当院(リペアセルクリニック)の公式LINEでは、先端医療である再生医療に関する情報を限定配信中です! 痛みやしびれでできなかったことが再びできるようになる可能性がある再生医療について「どのような治療を行うか」ぜひ確認しておきましょう。 ▼神経の治療に注目されている再生医療 >>公式LINE限定の再生医療ガイドブックを今すぐ受け取る 腰部脊柱管狭窄症の原因と症状 腰部脊柱管狭窄症(ようぶせきちゅうかんきょうさくしょう)はさまざまな原因で、背中にある神経の通り道が狭くなり、神経を圧迫するときに症状が出ます。 まずは腰部脊柱管狭窄症の理解を深めるためにも、原因や症状を紹介します。 腰部脊柱管狭窄症の原因 腰部脊柱管狭窄症の症状 腰部脊柱管狭窄症の原因 腰部脊柱管狭窄症は多くの場合、加齢によって脊柱が変形して、神経を圧迫するのが原因で起こるものです。 脊柱は小さな積み木のような骨が積み重なってできており、後方の脊柱管と呼ばれる空間に脳から伸びた神経(脊髄:せきずい)が通っています。 また、脊髄から枝わかれした神経は脊柱の左右の隙間を通って、手足につながり感覚や運動を司っています。 脊柱の変形のため、これらの通り道が狭くなってしまうと、神経にダメージを与えてしまい、腰部脊柱管狭窄症の症状につながるのです。 加齢による変形の他には、骨の代謝障害や生まれつきの変形によるものなどがあります。 腰部脊柱管狭窄症の症状 腰部脊柱管狭窄症は、お尻から脚全体にかけての痺れや痛み、脱力といった神経の症状が特徴です。 また、ある程度の距離を歩くと痛みや痺れなどが悪化して歩けなくなります。 しかし、数分間休憩して前屈みの姿勢を取ると、再び歩けるようになる間欠性跛行(かんけつせいはこう)の症状がみられます。 症状が悪化すると、排泄の障害や性機能が不全になるなどの膀胱直腸障害(ぼうこうちょくちょうしょうがい)が出る場合もあるでしょう。 上記の症状に思い当たる節があるときは、早めに医療機関で相談するのをおすすめいたします。 当院(リペアセルクリニック)では、足腰の痛みや違和感がある方、気になる症状がある方を対象に無料相談を実施しています。 ぜひ、お気軽にご相談ください。 ▼公式LINE限定で先端医療の情報を配信中! >>【無料でプレゼント】再生医療ガイドブックを今すぐ受け取る 腰部脊柱管狭窄症の手術費用・入院期間 腰部脊柱管狭窄症は、状態に合わせて手術の方法が異なるため、手術費用や入院期間は手術内容に応じて変わります。 以下では、手術ごとの費用や入院期間の目安を紹介します。 手術費用の目安 入院期間の目安 手術費用の目安【除圧術で25〜40万円ほど】 費用は除圧術の場合、25〜40万円程度かかります。 一方、除圧固定術は、60〜85万円程度で、除圧術に比べて費用がかかる傾向にあります。 術式や入院期間、リハビリの量などによって費用に差が出ますので、手術を検討する病院でしっかり確認しましょう。 入院期間の目安【平均1〜2週間ほど】 内視鏡を使用した手術の場合、入院期間は1〜2週間程度です。 病院や状態によっては、1週間以内で退院が可能な場合もあります。 入院期間は除圧術のほうが固定術に比べて短くなります。また、手術カ所が多いほど入院期間が長くなる場合が多いです。 また、腰部脊柱管狭窄症にヘルニアなどが合併している場合も、入院期間が長くなります。 腰部脊柱管狭窄症の治療方法 腰部脊柱管狭窄症の治療方法は、まずは手術をしない保存療法を行うのが一般的です。 以下で、保存療法と手術療法の詳細を見ていきましょう。 腰部脊柱管狭窄症の保存療法 腰部脊柱管狭窄症の手術療法 腰部脊柱管狭窄症の保存療法 腰部脊柱管狭窄症の保存療法は、次のようなものがあります。 薬物療法 神経ブロック注射 運動療法 生活指導 薬物療法では、痛み止めや神経の働きを改善する薬を服用します。 神経ブロック注射は、傷害された神経に麻酔薬を注射して、一時的に神経の働きを麻痺させる形で、痛みの軽減や神経症状の改善を図るのが目的です。 また、腰部の負担を軽くするために、運動や生活を工夫しながら、症状の改善や悪化の予防を図ります。 上記を試しても回復しなかったり、症状が悪化したりする場合は手術の適応となります。 腰部脊柱管狭窄症の手術療法 腰部脊柱管狭窄症の手術は大きく分けて「除圧術」と「除圧固定術」の2種類があります。 除圧術 神経を圧迫している背骨の一部を取り除いて、圧迫されている部分の除圧をする手術 除圧固定術 除圧術をしたあとに、その部分を別のカ所の骨を移植して固定する手術 背骨の狭窄だけでなく、ずれがあったり変形が強かったりする場合は、除圧術をすると背骨の関節が不安定になります。 そのため、除圧に加えて固定する必要があり、除圧固定術が適応されるのです。 最近では小型のカメラを使用して、わずかな傷で手術を行う内視鏡での手術が多くなっています。 手術は全身麻酔で行われ、手術カ所や状態によりますが、1〜3時間以内で終了する場合が多いです。 傷口が小さくて回復も早いため、従来の切開して行う手術に比べて入院期間が短くなっています。 腰部脊柱管狭窄症の手術からリハビリまでの流れ 腰部脊柱管狭窄症で内視鏡手術をした場合、早期からベッドを離れて体を動かせます。 以下では、手術からリハビリまでの流れを解説します。 手術の翌日からリハビリ開始 手術当日は安静にしますが、翌日からリハビリが始まります。 ベッドから起きたり、座ったりといった動きを確認したあと、経過が良好であれば、コルセットを装着して歩くのも可能です。 コルセットは術後の背骨が安定するまで約3カ月間装着する必要があり、手術の翌日から正しい装着方法を習得するのが重要です。 2日目以降は状態に応じて積極的なリハビリを実施 2日目以降は歩行練習を含めて、活動的な生活を送るためのリハビリがしっかり行われます。 歩行が安定してくると、階段の昇降や屋外での歩行も開始して、退院が可能な状態まで回復を目指します。 ただ、中腰の作業や重い荷物を持つなどの動作は、腰に負担がかかるため、しばらく行ってはいけません。 退院までに、日常生活における注意点もしっかりと理解を深めておくのが重要です。 退院後も必要に応じて外来でのリハビリを受ける場合があります。 まとめ|腰部脊柱管狭窄症の手術費用を把握して手術とリハビリに備えよう 腰部脊柱管狭窄症は症状が悪化して、手術を勧められても、手術の費用や入院期間、リハビリまでの流れを知らないと不安になるのも仕方ありません。 本記事で紹介した内容を参考に、少しでも不安を減らしていただけると幸いです。 腰部脊柱管狭窄症により神経症状が悪化すると、日常生活を送るのに支障をきたします。手術が必要になる前に、早めに整形外科を受診して症状の悪化を防ぎましょう。 当院(リペアセルクリニック)では、患者さまの幹細胞を使った再生医療による治療を行っています。 腰部脊柱管狭窄症の再生医療における事例は、以下の動画も合わせて参考にしてください。 https://www.youtube.com/watch?v=3yN5q8_ATpc&t=2s 腰部脊柱管狭窄症の手術費用に関わるQ&A 腰部脊柱管狭窄症の手術費用について、よくある質問と答えをまとめています。 Q.腰部脊柱管狭窄症の手術費用は保険適用になりますか? A.はい、基本的には保険適用になります。 ただし、手術方法によっては保険適用外の場合もあるので注意が必要です。 事前に医療機関で、手術費用が保険適用なのか詳細を確認しておきましょう。 また、当院(リペアセルクリニック)の再生医療による治療は自由診療となります。 手術や入院不要で根本的な治療を目指せるため、腰部脊柱管狭窄症の治療法としてぜひご検討してみましょう。 ▼公式LINE限定で先端医療の情報を配信中! >>【無料でプレゼント】再生医療ガイドブックを今すぐ受け取る Q.腰部脊柱管狭窄症の手術費用は高額療養費制度の対象ですか? A.はい、基本的には高額療養費制度の対象です。 高額療養費制度では、医療機関などを利用した際に、1カ月の合計支払い金額において、上限を超えた部分のお金が戻ってきます。 上限金額は、年収や所得に応じて変わるのが特徴です。 ただし、治療方法によっては、高額療養費制度の対象外になる場合もあります。 腰部脊柱管狭窄症の手術をする前に、医療機関で高額療養費制度が使えるのかを必ずご確認ください。
2022.12.12 -
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脳梗塞の後遺症を改善するリハビリの方法と期間の目安とは 脳梗塞の後遺症で次のような悩みを抱えている方はいませんか? 「脳梗塞の後遺症を改善する方法について知りたい。」 「脳梗塞のリハビリについて具体的な方法を知りたい。」 脳梗塞を発症後、適切な治療を受けても後遺症が残ることがほとんどです。脳梗塞の後遺症を改善し、元の日常生活に戻るためにも、長期間のリハビリが欠かせません。 そこで今回は、脳梗塞の後遺症や改善する方法、脳梗塞のリハビリについて具体的に説明いたしますので、ぜひ参考にしてください。 脳梗塞の後遺症を改善するために! 脳梗塞には、さまざまな後遺症や合併症があり、治療後、回復の仕方もさまざまです。 脳梗塞の改善に向けたリハビリは、自立生活に必要な身体の状態や動作などなを取り戻し、生活の質を向上させるのに役立ちます。脳梗塞の影響を受けた脳の部分に応じて、さまざまなリハビリを行わねばなりません。 脳梗塞の後遺症の改善には、多くの専門家が関わります 以下のように脳梗塞の後遺症を改善させるためにはリハビリを含めて医療機関のさまざまな職種の専門家が関与します。 医師や看護師 かかりつけの医師は、神経科医や理学療法とリハビリテーションの専門家と同様に、あなたのケアを指導し、合併症の予防に役立ちます。 理学療法士 ウォーキングやバランスの維持などの動きを再学習するのに役立ちます。 作業療法士 着替え、入浴、家事のスキルなどのより自立した活動的な生活を送るのをリハビリを通して助けます。 改善に向けてさらに感情的、社会的なリハビリに焦点を当てた専門職もあります。 ソーシャルワーカー ソーシャルワーカーは、医療、福祉、介護などにおいて、相談員として支援を行い、日常生活を送る上で、困り事や問題を抱えている方に対して援助や支援の調整を行います。 心理学者 これらの専門家は、あなたの思考スキルを評価し、あなたの精神的および感情的な精神衛生上の懸念に対処するのに役立ちます。 脳梗塞の改善結果に影響を与える要因は? 脳梗塞の改善には個人差があります。 どれほどの能力を多く改善させられるか、また期間的にどれくらい早く改善できるかを予測するのは困難です。一般的に、脳梗塞の改善に向けたリハビリの成功には次のような要素に依存します。 身体的要因 脳梗塞の重症度など 感情的要因 モチベーションや気分など 社会的要因 友人や家族のサポートなど 治療上の要因 リハビリの早期開始や有無やリハビリチームのスキルなど 改善率は一般に、脳梗塞後の数週間から数ヶ月で最も大きくなります。脳梗塞後の改善に向けたリハビリは、長期間にわたって必要であり、途中で挫折してしまうことにないよう、改善に向けたリハビリで最大の効果を得るためには長時間かかることを理解しておくべきです。 脳梗塞後のリハビリ、具体的な方法と期間の目安 脳梗塞を改善させるために行うリハビリは計画的に行わねばなりません。その方法は、脳梗塞の影響を受けた体の部位や能力の種類によって異なり、主に以下の3つの時期に分けられます。 ①急性期のリハビリ ②回復期のリハビリ ③維持期のリハビリ ①急性期のリハビリ : 脳梗塞発症後〜 48 時間以内 急性期のリハビリとしては、運動機能の改善などが含まれます。 運動機能の回復訓練 全身の筋力と協調運動を改善するのに役立ちます。これらには、バランス、歩行、さらには飲み込むために使用される筋肉が含まれます。 歩行器、杖、車椅子、足首装具などの移動補助具の使い方を学んだり、ベッドから立つ、座るなどの離床訓練も必要です。 関節の可動域訓練 特定の運動や治療は、筋肉の緊張(痙縮)を緩和し、可動域を取り戻すのに役立ちます。看護師や理学療法士が行う他動的運動と自分で動かす自動運動に分けられます。 ②回復期のリハビリ : 3〜6 ヶ月 回復期では、日常生活に戻ることを目的とし、主に以下のようなリハビリを行います。 機能的電気刺激 弱った筋肉に電気を流して収縮させることで、筋肉に運動の仕方を再学習させることができます。 ロボット訓練 ロボット装置は、障害のある手足が反復運動を行うのを支援し、手足の強さと機能を回復するのを助けます。 言語機能訓練 失語症などの後遺症が残ったら、読み書きや言葉の言語機能の訓練を行います。 作業療法 作業療法と言語療法は、記憶、処理、問題解決、社会的スキル、判断力、安全意識などの認知能力の喪失を手助けすることができます。 心理的評価と治療 脳梗塞後の後遺症として心理的なケアも大切です。カウンセリングを受けたり、支援グループに参加したりすることもできます。 ③維持期のリハビリ : 回復期以降維持期では退院後に主に日常生活を取り戻すためにストレッチなどの軽めの運動から始めます。 退院前に、患者さんとその家族は、病院のソーシャルワーカーやケアチームと協力して、最適なリハビリ環境を決定する必要があります。 ここで考慮すべき要因には、適用される保険、患者さんとその家族にとって何が最も便利かなどがあります。 病院の外来 病院または診療所の外来に通います。 専門的な介護施設 介護施設で受けられるケアの種類はさまざまです。 自宅でのリハビリ 自宅でリハビリを行うことで、柔軟性が高くなります。ただし、専門のリハビリ機器を利用できない可能性があります。また、在宅プログラムの保険適用範囲は大きく異なります。 最良の選択肢について、医師や家族としっかりと話し合うことが大切です。 脳梗塞の後遺症を改善するため、リハビリで気をつけるべきポイントとは? 脳梗塞の後遺症を改善するためにリハビリが有効ですが、気をつけるべきポイントについてみておきましょう。 残された能力も同時に鍛えながらリハビリを行うこと 失われた機能を取り戻すことに執着しがちですが、健常な機能を維持することも大切です。 例えば、片麻痺で健常な方を鍛えることで、後遺症を残した部位のサポートを行うことが可能です。バランスよくリハビリを行うことを心がけましょう。 リハビリは無理をせずじっくり行うこと リハビリはすぐに効果が出るわけではないため、焦らないことが大切です。 また、痛みが出たら、リハビリは中止しましょう。無理にリハビリを行うと逆効果になってしまいます。 脳梗塞の後遺症を改善するリハビリ、よくあるQ&A 最後に、よくある質問について Q & A でまとめましたので、参考にしてください。 Q ,脳梗塞のリハビリはいつから始めるべき? A ,一般的には、脳梗塞のリハビリを開始するのが早ければ早いほど、失われた能力やスキルを取り戻せる可能性が高くなります。 脳梗塞のリハビリは、脳梗塞発症後 24 時間から 48 時間以内の入院中に開始するのが一般的です。 Q ,脳梗塞のリハビリはどのくらい続けますか? A ,脳梗塞リハビリが必要な期間は、脳梗塞の重症度と関連する合併症によって異なります。ほとんどの場合、長期間にわたるリハビリが必要であり、数か月または数年続く可能性があります。 まとめ・脳梗塞の後遺症を改善するリハビリの方法と期間の目安が知りたい いかがでしたでしょうか。 脳梗塞の後遺症は、適切な治療とリハビリを行って改善を目指すことができます。その為には、退院後の日常生活でも継続的なケアが必要になってまいります。 今回の記事では、実際のリハビリの方法や気をつけるべき点について解説してきました。脳梗塞から早く仕事復帰するためには、入院期間中早い段階からのリハビリを適切に行うことが不可欠です。 今回の記事で、改めてリハビリについて理解を深めて頂き、活用してみてください。 ▼以下も参考にされませんか 20代、30代の若年性脳梗塞について|要注意「まだ若いから」と油断は禁物!
2022.12.09 -
- 脊椎
- 脊椎、その他疾患
側湾症の手術は、神経が通る脊髄の近くを手術操作するため、運動・感覚麻痺の後遺症を引き起こすリスクがあります。また、術後に合併症や感染症などを引き起こす可能性もゼロではありません。 側湾症の手術をするなら、これらの懸念点をしっかり理解しましょう。覚悟を決めて臨めば、後悔は少なくなるかもしれません。 本記事では、側湾症の手術後に起こりうる後悔を解説します。側湾症の手術におけるリスクを正しく理解しておきたい方は、ぜひ最後までご覧ください。 側湾症の手術後に起こりうる3つの後悔 さっそく、側湾症の手術後に起こりうる後悔について解説します。 後遺症が出る可能性がある 合併症や感染症を引き起こすリスクがある すぐには元の生活に戻れない 順番に見ていきましょう。 後遺症が出る可能性がある 脊椎という背骨の中には、脳と身体をつなぎ運動や感覚を伝える脊髄という神経の束が通っています。万が一、手術中に脊髄を損傷してしまうと、運動麻痺や知覚麻痺といった後遺症が出るリスクがあります。 手術前に動かせていた体の一部が動かせなくなったり、感覚が鈍くなったりすれば、手術したことを後悔する可能性があるでしょう。 脊髄損傷の後遺症における有効な治療法に「再生医療」があります。再生医療とは人間の自然治癒力を活用した最新の医療技術です。 近年、研究が進み幹細胞を使った再生医療により脊髄損傷の後遺症が回復した症例が数多く報告されています。具体的な治療方法が知りたい方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお問い合わせください。 合併症や感染症を引き起こすリスクがある 背骨の周囲には、さまざまな臓器が隣接しています。そのため、呼吸器や循環器、泌尿器などの合併症を引き起こす可能性もあるのです。 また、手術後の創部管理が行き届いていないと、免疫が低下して感染症を起こすことも考えられます。 合併症や感染症は、発熱や痛みが伴うケースが多くなります。そんな身体的な苦しさや不安から、手術したことを後悔する場合もあるでしょう。 すぐには元の生活に戻れない 手術後にもっとも重要な課題は、処置した箇所の骨癒合(骨がくっつくこと)を待つことです。骨癒合のために安静にすることが第一優先となり、すぐに元の生活には戻れません。 たとえば、背骨を過度に反らしたり、ねじったりする動作は制限されます。負荷がかかり、治癒を遅らせるリスクがあるためです。また、無理に身体を動かすと、脊椎を固定している金属挿入部が緩んでしまうことがあります。症状によっては、再手術が必要となる場合もあります。 このように、完治までは日常の動作や運動も思うようにはできません。不自由さを感じて、後悔する可能性もあるでしょう。 以下の記事では、手術後すぐにできないことを解説しています。手術後の過ごし方のイメージを深めたい方は、参考にしてみてください。 側湾症の手術を受けて良かったと感じる瞬間 側弯症の手術を受けると側弯の度合いが軽減され、さまざまな改善効果が感じられるようになります。以下は、側湾症の手術を受けて良かったと感じる瞬間の例です。 背骨の歪みが矯正され、身体が動かしやすくなる 見た目が変わり心理的ストレスが減る 自信を持ってスポーツや習い事に挑戦できる 姿勢が改善され疲れにくくなる これらの効果は、生活の質を大きく向上させるでしょう。 以下の記事では、側湾症の方におすすめのストレッチを紹介しています。術後のセルフケアをする際の参考にしてみてください。 側湾症の手術後に後悔しないために理解を深めることが大切 側湾症の手術で後悔しないためには、病気と治療への理解を深めることも大切なポイントです。ここでは、以下3つのトピックスで側湾症について詳しく解説していきます。 側湾症とは 側弯症の種類 側弯症の治療方法 疑問を取り除いて、安心につなげていきましょう。 側弯症とは 側弯症とは、背骨(脊柱)が曲がっている(捻れている)状態のことを言います。 側弯症の説明で必ずと言っていいほど出てくる指標がコブ角です。これは、背骨の横方向への曲がり方を表す角度になります。 角度を測る際に用いられるのが、レントゲン画像です。背骨(椎体)の上下で最も曲がりの強い椎体から線を引き、その2つの線が重なってできた角度がコブ角になります。 出典:脊椎手術.com (https://www.sekitsui.com/specialist/sp014-html/) コブ角が大きければ大きいほど側弯が強い、という判断になります。コブ角の程度により治療方法の選択が変わりますので頭に入れておきましょう。治療方法についてはこのあと詳しく解説するので、このまま読み進めてみてください。 以下の記事では、側湾症の人がやってはいけない動作や行動を解説しています。詳細が気になる方は、ぜひあわせてご覧ください。 側弯症の種類 側弯症には、原因や症状が異なる複数の種類があります。ここでは代表的な3つの種類について解説します。 機能性側弯症 特発性側弯症 原因疾患がある側弯症 順番に見ていきましょう。 機能性側弯症 機能性側弯症とは、日常の姿勢や、仕事動作の反復、腰痛を含む逃避的な姿勢など、左右非対称に偏った姿勢を高頻度にとる人に多くみられる側弯症です。 機能性側弯症の場合、コブ角も小さいことが多く、根本となる姿勢の問題を改善することで解消できます。 特発性側弯症 特発性側弯症は原因不明の側弯症です。発症する時期により、以下のように分類されます。 乳児期側弯症・・・3歳以下で発症(男児に多い) 学童期側弯症・・・4〜9歳で発症 思春期側弯症・・・10歳以上で発症(女性に多い) 日本では思春期側弯症が多く、学校検診で発見されるケースも珍しくありません。コブ角が少ない初期の段階では見逃されやすいのですが、背骨に左右差が確認された場合は専門の整形外科への受診をすすめられるケースもあります。 進行のスピードには個人差があるため、1回のみでなく、定期的な受診により変形の程度を確認しましょう。治療の内容については後で述べますが、早ければ早いほど治療効果も高まります。 原因疾患がある側弯症 もともと原因となる疾患が引き金となって側弯症が発症するケースもあります。原因疾患の例は、以下のとおりです。 先天性側弯症・・・背骨の一部である椎骨の先天的な変形によって起こる側弯症 症候性側弯症・・・筋ジストロフィーや脳性麻痺、レックリングハウゼン病、マルファン症候群、やけど、脊椎の腫瘍などに続発して起こる側弯症 しかし、原因疾患が必ずしも側弯症につながるわけではありません。側弯の程度も個人差があるため、専門の医療機関でしっかりみてもらうことが必須となります。 側弯症の治療方法 側湾症の治療法は主に2つあります。 装具療法 手術療法 以下のようにコブ角により推奨される治療方法が変わってきます。 コブ角 推奨される治療方法 〜25° 見た目にもわかりにくい状態。多くは経過観察 25°〜40° 見た目にも変形がわかるようになる。進行の防止および変形の矯正のために装具療法が用いられるケースが多い。 40°〜 高度の側弯が見られる状態。場合によっては神経症状や呼吸機能の低下がみられる。手術療法により側弯を矯正する方法が推奨される。 装具療法と手術療法の内容を詳しく見ていきましょう。 装具療法 アンダーアーム装具(出典:日本側弯症学会) 装具療法では、進行しやすい成長期の段階で装着するケースが多いです。 側弯が進行しないようにするのが一番の目的であり、装具をしたからといって側弯した背骨が戻るわけではありません。骨の成長が終了するまで装具を装着し、できるだけ側弯の進行を抑える目的で処方されます。 基本的には装着時間が長ければ長いほど効果が高いと言われており、“お風呂以外の時間は装着”や、“家にいる時間は装着”、“24時間できるだけ装着”などと医療機関により多少ばらつきがあります。 海外の権威ある研究においても「装具の装着時間が長くなるにつれて、高リスク湾曲の進行が大幅に減少する効果が増大した」とという報告もあがっているので、装着時間を守っていくのがおすすめです。(文献1) 手術療法 高度の側弯症に対しての唯一有効な治療法が手術療法です。 コブ角が50°を超えてしまうと、骨が成熟した後でも変形が進行する可能性があります。変形が進行すれば、合併症の危険性が高まるため、変形を矯正するための手術を前向きに検討する必要があります。 現在は、手術技術や機器の向上により治療成績が格段に上がっているため、手術を推奨するケースが多いです。以下は、手術前と手術後のレントゲン写真です。 側弯症の術前(左)と術後(右)(出典:日本側弯症学会) 上の写真を見れば、手術前と後での違いが一目瞭然ですよね。 脊髄損傷に対する有効な治療法に「再生医療」があります。再生医療とは人間の自然治癒力を活用した最新の医療技術です。具体的な治療方法が気になる方は再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお問い合わせください。 まとめ|側湾症の手術後に起こりうる後悔を知った上で手術の決断をしよう 側湾症の手術後は後遺症や合併症などを引き起こすリスクがあります。事前に起こりうるリスクを知っておけば覚悟を決めやすいので、後悔も少なくなるかもしれません。 手術後は傷口の回復と、骨の癒合が優先となるため、すぐには元の生活に戻るのは難しい傾向にあります。手術後の生活への見通しをもって準備するためにも、担当医に手術後のスケジュールを確認しておくと良いでしょう。 脊髄損傷の後遺症における有効な治療法に「再生医療」があります。再生医療とは人間の自然治癒力を活用した最新の医療技術です。 近年、研究が進み幹細胞を使った再生医療により脊髄損傷の後遺症が回復した症例が数多く報告されています。具体的な治療方法が知りたい方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお問い合わせください。 参考文献 文献1:出典: 国立医学図書館 Weinstein SL, Dolan LA, Wright JG, Dobbs MB. Effects of bracing in adolescents with idiopathic scoliosis. N Engl J Med. 2013 Oct 17;369(16):1512-21. doi: 10.1056/NEJMoa1307337. Epub 2013 Sep 19. PMID: 24047455; PMCID: PMC3913566. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/24047455/
2022.12.07 -
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- 頭部
「脳出血後のケアは何をすれば良いの?」「脳出血後の看護や介護はどうすればいい?」と疑問に感じていませんか。 退院後の生活やリハビリに向けたサポートは、何を優先すべきか悩む場面も多いでしょう。 脳出血の患者本人は、長期間の治療やリハビリによって精神的・社会的負担が大きくなりがちです。そのためご家族による適切なサポートが重要といえます。 この記事では、脳出血後の患者を支えるための基本的な看護・介護方法と、退院後に家族が実践できる具体的な対策を解説します。 脳出血の看護ケアで不安を感じている方は、ぜひ最後までご覧ください。 また、当院「リペアセルクリニック」では脳出血の後遺症に効果が期待できる再生医療も行っております。 気になる症状がある方は「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。 脳出血後における7つの看護ケア 脳出血後のケアは、患者の回復に直結するため、日常の観察や丁寧なサポートが欠かせません。 本章では、具体的な看護ケア方法を7つの観察項目と合わせて紹介します。 1.意識レベルの確認 2. 呼吸管理 3. 血圧と心拍数のチェック 4. 電解質バランスの変化(輸液管理) 5. 口腔ケア・体勢の管理 6. 嘔吐時の対処・吐物管理 7. 発作や薬の管理 入院中は、どの観察ポイントを重視するかを確認しておきましょう。 1. 意識レベルの確認 意識レベルの確認は、観察項目の中でも状態を把握する上で非常に重要です。 具体的には、呼びかけへの反応、目の開き具合、手足の動きなどを観察します。 Glasgow Coma Scale (GCS) やJCSといった評価方法もあり、異常があれば速やかに医師への報告が必要です。 意識レベルの低下は、病状の悪化を示すサインの可能性があるため、看護する上でも注意が必要です。 また、こちらの記事では脳出血を発症後の意識レベルによる予後や余命を詳しく解説しています。 後遺症について気になる方は、ぜひご覧ください。 2. 呼吸管理 脳出血後、脳の損傷により呼吸をコントロールする機能が低下する場合があります。 そのため、適切な呼吸管理は命を守るために不可欠です。 呼吸の回数や深さ、呼吸音などを注意深く観察し、呼吸状態の変化や異変があれば酸素投与や人工呼吸器の使用が行われます。 3. 血圧と心拍数のチェック 血圧と心拍数の変動は、脳出血後の状態に大きな影響を与えるため、こまめなチェックが重要です。 血圧の急激な上昇や低下は、再出血や他の合併症を引き起こす可能性があるためです。 具体的には、定期的な測定を行い、変動があれば医師に報告します。 また、薬による血圧コントロールも行われます。 4. 電解質バランスの変化(輸液管理) 体内の電解質バランスは、生命維持に欠かせない重要な役割を担っています。 脳出血後は、電解質バランスが崩れやすいため、輸液管理による適切な調整が必要です。 たとえば、点滴で水分や電解質を補給し、血液検査でその値をモニタリングします。 これにより、体内の状態を安定させていきます。 5. 口腔ケア・体勢の管理 口腔ケアと体勢管理は、感染症や床ずれの予防に欠かせません。 免疫力が低下すると、口腔内の細菌が感染を引き起こす可能性があります。 また、同じ体勢が続くと床ずれのリスクが高まるため注意が必要です。 歯磨きやうがい、体位変換を定期的に行い、必要に応じて専用のケア用品の活用によって、患者の健康と快適さを管理できます。 6. 嘔吐時の対処・吐物管理 脳出血後には嘔吐が起こるケースがあり、適切な対処と吐物の管理も重要です。 とくに、嘔吐物が気道に詰まる(誤嚥)リスクを防ぐのは重要だといえるでしょう。 嘔吐時には顔を横に向け、吸引器で吐物を除去するなどの対応を行います。 また、吐物の量や性状を観察し、記録するのも大切です。 これらの対応により、誤嚥性肺炎などの合併症を予防できます。 7. 発作や薬の管理 脳出血後は発作が発生する可能性もあるため、薬の時間や量を守るように管理するのも重要です。 また、発作の兆候が見られた場合はすぐに医師へ報告します。 指示に従い、薬の正しい管理が症状の安定を促します。 また、脳出血の原因については以下の記事でも解説しているので、参考にしてください。 【退院後】脳出血の看護で家族ができることは? 脳出血による退院後の生活は、ご家族によるサポートが重要です。ご家族のサポートが患者の回復を支え、日常生活の質も維持できるようになります。 脳出血の看護において家族が行えることは、以下の6つが挙げられます。 日常生活の介助や見守り 要介護認定を早めに申請する 地域の介護サービスを活用する 住宅改修で自宅の環境整備を行う 施設介護サービスも検討する 介護疲れをしないように休息を取る 本章では、家族が取り組むべき具体的なケアやサポート方法を紹介するので参考にしてください。 日常生活の介助や見守り 退院後、患者の日常生活には継続的な介助と見守りが必要です。 食事や入浴、排泄などのサポートを行い、無理なく生活できる環境を整えます。 また、転倒などのリスクを防ぐため、常に患者の動きに注意を払いましょう。 適切な介助は、患者の安心感と回復の大きな助けとなります。 また、脳出血の後遺症やリハビリについては以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。 要介護認定を早めに申請する 要介護認定を受けることで、家族の金銭的な負担が軽減できます。 しかし、認定が遅れると必要なサービスが受けられなくなる可能性があります。 そのため、入院中の段階から市区町村の窓口に相談し手続きを進めておきましょう。 地域の介護サービスを活用する 地域にはさまざまな介護サービスがあるので、積極的に活用するのがおすすめです。 訪問看護やデイサービスの利用によって、専門的なケアを受けながら患者本人の日常を支えられます。 退院後には地元の介護支援センターなどに相談し、利用可能なサービスを確認しましょう。 住宅改修で自宅の環境整備を行う 退院後の生活を安心して送るためには、住宅改修が必要になる場合があります。 手すりの設置や段差解消など、患者が安全に動ける環境作りを検討すると良いでしょう。 公的補助金を利用できる場合もあるため、必要に応じて専門家に相談するのがおすすめです。 施設介護サービスも検討する 在宅介護が難しい場合、施設介護サービスの検討も選択肢の1つです。 ショートステイや特別養護老人ホームなど、患者の状態や家族の状況に応じた施設を選びましょう。 専門スタッフのケアが受けられるため、安心感があります。 介護疲れをしないように休息を取る 家族の介護負担が大きくなると、心身に疲れがたまりやすくなります。 そのため、適度に休息を取り、家族内での役割分担を決めたり、地域の支援を活用したりするのがおすすめです。 家族の健康が患者本人の回復にもつながりますので、無理をせずサポート体制を整えてください。 脳出血の看護・介護時における4つの注意点 脳出血後の看護・介護は、患者の回復を支える上で非常に重要です。 ここでは、介護時に注意すべき4つのポイントを解説します。 転倒を予防するための工夫 食事はゆっくりと食べやすい形状で提供 排泄をサポートする際はプライバシーを配慮 精神的なケアを継続的に行う 介護する家族の負担軽減にもつながりますので、チェックしておきましょう。 転倒を予防するための工夫 脳出血後には、筋力低下やバランス感覚の喪失で転倒リスクが高まります。 そのため、家具の配置を工夫し、滑り止めマットや手すりを設置するのも良いでしょう。 また、歩行補助具の使用も効果的です。 転倒防止は患者の安全を守るだけでなく、さらなる合併症の予防にもつながります。 食事はゆっくりと食べやすい形状で提供 食事は、ゆっくりと食べやすい形状で提供するのが重要です。 これは、嚥下機能(飲み込む力)が低下している場合、誤嚥のリスクが高まるためです。 具体的には、刻み食やペースト食などに調理し、一口ずつゆっくりと食べさせてあげましょう。 さらに、食事中の姿勢や飲み込みの様子を注意深く観察し、誤嚥を防ぐ工夫も必要です。 排泄をサポートする際はプライバシーを配慮 排泄はデリケートな問題ですので、サポートする際はプライバシーへの配慮が重要です。 たとえば、専用のカーテンや扉を使用し、必要以上に介助者が近づきすぎないよう心がけましょう。 また、定期的な排泄スケジュールを組んでおくと、患者の負担を軽減しつつ快適なケアを提供できます。 精神的なケアを継続的に行う 脳出血後、患者は不安や孤独感を抱きやすくなります。 そのため、定期的な会話や声かけを行い、安心感を与えてあげると良いでしょう。 また、リハビリや介護の進捗を共有し、前向きな気持ちを引き出すことも重要です。 精神的なケアは患者の回復を支える大きな力になります。 まとめ|脳出血の看護に家族ができることは理解しておこう! この記事では、入院中の看護ケアや退院後に家族が行えるサポート、注意点について詳しく解説しました。 脳出血後の看護ケアは、患者の回復に大きな影響を与えます。 また、入院中の医療従事者によるケアに加え、退院後の家族のサポートも欠かせません。 本記事で紹介した情報を活用し、医療や介護サービスと連携しながら療養生活を支えましょう。 また、当院「リペアセルクリニック」では脳出血や脳梗塞の後遺症治療も行っております。「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてご相談ください。 \まずは当院にお問い合わせください/ 脳出血の看護に関するよくある質問 脳出血の看護で留意すべき点は何ですか? 脳出血の看護では、日々の体調管理とリスク回避が欠かせません。 意識レベルの確認や呼吸・血圧のチェックを行い、異常があれば速やかに医師へ相談します。 また、転倒や誤嚥などのリスクを防ぐため、環境整備や適切な食事提供も重要です。 患者の安全を第一に考える看護が求められます。 脳出血の急変時の対応はどうすれば良いですか? 急変時には、まず落ち着いて状況を確認し、必要に応じて医師や救急車を呼びます。 意識が低下した場合は、気道確保を優先し患者を安静に保つのが大切です。 症状や変化を正確に医療スタッフに伝えることで、迅速な対応が可能になります。 当院「リペアセルクリニック」では脳出血の治療も行っております。気になる症状がある方は「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。
2022.12.05 -
- スポーツ外傷
- その他、整形外科疾患
「事故のあと鎖骨が外見からわかるほど盛り上がっている気がする」 「転んだあと鎖骨が痛む」 上記のような症状がある方は鎖骨骨折が起きている恐れがあります。 外見でわかるほど見た目が変化した骨折を放置すると、症状が悪化するばかりか、骨折が本来とは違った形、ずれた状態で”くっついて”しまう可能性もあります。 今回は鎖骨骨折について、骨折時の見た目の特徴や症状、治療法、後遺症について詳しく解説します。 鎖骨骨折の発生が考えられる原因 鎖骨骨折が発生する主な原因は、肩に強い衝撃が加わったシーンが考えられます。 高齢者だけでなく、若年層も鎖骨骨折になる可能性は十分にあり得ます。 スポーツをしている最中に相手と直接ぶつかった 歩行や自転車走行中などに転倒した 交通事故で肩に強い衝撃を与えた など 上記のように、何かしら強い衝撃が加われば鎖骨骨折が起きる可能性もあり、外見でも判断できるほど見た目でわかる症状になるでしょう。 交通事故のような強い衝撃が加わった方は「ダッシュボード損傷」が起きている可能性もあります。 以下の記事でダッシュボード損傷の症状や治療法などを詳しくまとめているので、あわせてご覧ください。 鎖骨骨折は外見でわかる? 鎖骨骨折は見た目でわかるとは限らないため、レントゲン撮影が必須です。 鎖骨部分の皮膚が盛り上がるほどの症状であれば、外見からも判断がつきやすいでしょう。 鎖骨骨折か捻挫か、もしくはそれ以外の症状なのかを瞬時に判断し、早期治療につなげるためレントゲン撮影を検討してください。 鎖骨骨折はすべての骨折のうち約10%を占める比較的頻度の多い骨折です。 交通事故やスポーツなどで腕を後ろにそらしたり、肩を下にしたりして転ぶと、地面についた衝撃が鎖骨に伝わって骨折してしまいます。 肩の動きが制限されて私生活に影響が出る恐れもあるので、外見でわかるほど見た目の違いが出る前にレントゲン撮影しておくのをおすすめします。 鎖骨骨折の見た目でわかる症状や特徴の違い 鎖骨骨折は、直接強い衝撃が加わって骨折する場合もあります。 体の表面にあり確認しやすい骨なので、外見にもわかりやすい症状がみられる骨折です。 どのような症状があるのか、具体的に紹介します。 皮膚が盛り上がる 鎖骨はS字にカーブした長細い骨で、筋肉など厚みのある組織に覆われていないため、骨折時の見た目でわかる可能性があります。 鎖骨は、中央1/3の部分で骨折するケースが大半です。 鎖骨の外側か内側かで、以下のような影響の違いがあります。 鎖骨の外側 腕自体の重さや何か荷物を抱えた際の影響で下にズレる 鎖骨の内側 首の筋肉によって上にズレやすい 骨折により骨がずれてしまうと、鎖骨の内側部分が飛び出し、皮膚が盛り上がったような見た目になるのが特徴です。 鎖骨が浮き上がらないように支えている烏口鎖骨靭帯(うこうさこつじんたい)が損傷した場合も鎖骨をおさえる機能が低下して、鎖骨が浮き上がりやすくなります。 骨がずれて重なってしまうと、折れた方の肩幅が狭くなったように見える場合もあります。 腫れやアザができる 鎖骨の骨折に限らず、骨折による炎症症状で患部が腫れたり熱をもったりした結果、見た目でわかる症状にもなります。 骨折による出血が起きている可能性もあるため、アザがみられるケースもあります。 鎖骨骨折は多くの場合で、強い衝撃による内出血から腫れとアザが起きるので、見た目でわかる骨折の症状がみられるでしょう。 鎖骨や肩の痛み 鎖骨の骨折をすると肩を動かす場合に鎖骨に負担がかかり、痛みが生じるケースがあります。 鎖骨は胸の中央にある骨(胸骨)や肩甲骨と合わせて関節を作っています。 肩甲骨は腕を上げたりおろしたりなど運動に関わり、肩甲骨と鎖骨でできる関節(肩鎖関節:けんさかんせつ)も、腕の運動に重要な役割があります。 「捻挫だろうからそのうち治るだろう」と考えず、早めに受診するのがおすすめです。 肩の動きが制限される 鎖骨は肩の動きと関係するため、鎖骨を骨折すると腕を上げにくかったり広げにくかったりなどの制限がみられます。 肩の動きが制限されると、日常生活はもちろん、仕事やスポーツなどにも影響してしまいます。 肩の動きが制限されたり痛みを感じたりした際、肩凝りを勘違いして鎖骨骨折を悪化させる動きが伴う恐れもあるので要注意です。 以下の記事では、スポーツをしている方がよく発症する「肩関節唇損傷」について解説しています。 競技復活までのリハビリテーションもまとめたので、あわせてご覧ください。 血流障害や手の痺れがある 鎖骨骨折が起きると血の流れが悪くなる血行障害や神経損傷による手の痺れや痛みなどがみられます。 鎖骨は首の近くにある血管や神経を守る役割も担っているからです。 事故などで鎖骨に強い衝撃が加わった際、周辺にある血管や神経も一緒に損傷される場合があります。 鎖骨部分の痛み以外に、普段感じない痺れなどの症状がみられた際は、すぐに受診するのをおすすめします。 鎖骨骨折の治療法 治療は手術をしない保存療法が基本ですが、骨が大きくずれてしまっている場合は手術を選択する場合もあります。 それぞれの治療方法について解説します。 そもそもどれくらいで良くなるの? 鎖骨骨折の症状や程度にもよりますが、約8〜12週(2〜3カ月)で良くなるケースが大半です。 スポーツをしている方はとくに、肩関節の可動域にも影響します。 適切なリハビリテーションを実施し、早期回復のためにも患部の症状を早めに見極めるのがおすすめです。 レントゲン撮影がおすすめの診断方法になるので、鎖骨骨折の疑いがある方は早めに受診しましょう。 手術しない保存療法 鎖骨骨折の治療法として第一に選択されるのが、三角巾や鎖骨バンド(クラビクルバンド)と呼ばれる装具をつけて、骨折部が動かないように固定する治療です。 胸を張り、両肩を強く後ろに引いた状態で固定する治療法で、鎖骨の変形を矯正して、骨を正しい位置でくっつけます。 ただし、以下の点には注意しながら私生活を過ごしてください。 入浴時以外はバンドをつける 入浴時は骨折している方の手で体を支えない 90°以上の高さに腕を上げない 固定の期間は4〜6週間が目安ですが、年齢が若いほど骨がくっつくのが早いため、固定期間が短くなりやすくなっています。 固定により腕を上げる制限がみられた場合は、リハビリで改善を図る場合があります。 詳しくは以下の記事で鎖骨骨折時の過ごし方を紹介しているので、あわせてご覧ください。 骨のずれがひどい場合は手術療法 骨のずれが大きかったり砕けていたりするような骨折の場合は、手術が選択されます。 仕事の都合でできるだけ早く社会復帰を希望して、手術を選びたい方もいるでしょう。 手術療法だと、手術した後すぐにリハビリで腕を動かせるので、動作が改善しやすいメリットがあります。 手術は針金のようなワイヤーを鎖骨に通したり、プレートで支えたりして体の内側から鎖骨を固定します。 入院期間は手術の方法により異なり、必要に応じてリハビリを行います。 鎖骨骨折した際、手術後の過ごし方は以下の記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。 鎖骨骨折の後遺症 骨折した部分のずれがひどいと、元の位置に戻そうとしても十分な位置に戻らない可能性があります。 ずれたまま変形して骨がくっつく「変形治癒」と呼ばれる後遺症の恐れがあるため、注意が必要です。 鎖骨の外側は平らな形をしており、折れた場合にくっつきにくい特徴があります。 くっつかずにそのままにしておくと、別々の骨に分離した状態になり、まるで関節ができたようになる「偽関節」が起きてしまうでしょう。 後遺症があると、痛みが出たり、肩の動きが制限されたりします。 後遺症ができるだけ残らないように、状態に応じた適切な治療の選択が重要です。 まとめ・鎖骨骨折の痛みは強くなりやすいため適切な治療を! 鎖骨骨折は、外見の特徴もあり痛みも強くなりやすいため、症状がわかりやすい骨折です。 外傷によって起こり、症状や治療法、後遺症について理解して治療を進めましょう。後遺症を最小限に抑えるためには専門医の指導に従って適切な治療を行うのが必要なので、できるだけ早めに整形外科を受診しましょう。 治療をせず放置すると、変形治癒や偽関節などの後遺症が生じる危険性があります。 早めの受診で、適切な診断や正しい治療を受けて、後遺症を防ぐようにしましょう。
2022.12.02 -
- 脳卒中
- 頭部
- くも膜下出血
くも膜下出血発症後は後遺症があることも少なくありません、以前のような日常生活を送れるのか、退院後の生活に不安は絶えないですよね。 くも膜下出血の退院後は、リハビリを定期的に行うことが大切です。普段の食事や入浴などはリハビリの一環となるため、自発的に行いましょう。 本記事では、くも膜下出血で退院後に気を付ける点や後遺症について詳しく解説します。くも膜下出血の再発を防いで日常生活を取り戻すヒントとなれれば幸いです。 当院「リペアセルクリニック」では、再生医療による脳卒中の治療を行っております。気になる方はメール相談もしくはオンラインカウンセリングにてお気軽にご相談ください。 くも膜下出血の退院後の生活で気をつけるべきこと7選【再発予防】 くも膜下出血再発予防のため、退院後に気をつけるべきことは以下の7つです。 体調の変化があったら医師の指示に従う 処方薬は主治医・薬剤師の指示通りに服用する 定期的に血圧を測る ストレスを溜めず規則正しい生活を送る 過度な飲酒を控える・禁煙をする 塩分の取りすぎに注意してバランスの良い食事を心がける 身の回りのことはできる限り自分で行う 退院後は上記を意識しながら日常生活を送りましょう。 体調の変化があったら主治医の指示に従う 身体のしびれやろれつが回らないなど、いつもと違う体調の変化があれば、くも膜下出血の可能性があります。早めに主治医へ相談しましょう。 くも膜下出血は発症から処置までのスピードが遅れると、その後の死亡率に影響します。自己判断で受診せず様子をみることは当面控えるようにしてください。 また、主治医以外の意見を聞きたい場合は、セカンドオピニオンもひとつの手です。ただし、体調変化があれば、すぐに受診しましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、再生医療による脳卒中の治療を行っております。気になる方はメール相談もしくはオンラインカウンセリングにてお気軽にご相談ください。 くも膜下出血の再発については、以下の記事でも詳しく解説しています。 処方薬は主治医・薬剤師の指示通りに服用する 降圧薬や糖尿病薬など、処方された薬がある場合は指示通りに服用しましょう。 くも膜下出血の一因として、高血圧症や糖尿病といったほかの病気が考えられます。(文献1) 処方薬を正しく服用しないと血圧や血糖値はもちろんのこと、くも膜下出血の再発のリスクにつながります。 ただし、副作用がみられる場合は自己判断で辞めず、医師や薬剤師に相談してください。 定期的に血圧を測る 高血圧症によるくも膜下出血の再発を防ぐためには、日頃から定期的に血圧を測定し、記録しておきましょう。 血圧に急激な変化があったときに、主治医が適切な治療の判断をしやすくなります。 また、病院と自宅で血圧の数値が異なるケースもあります。(文献2)そのため、自宅でも血圧測定が大切です。 家庭用の測定器は、薬局や家電製品などで手軽に購入ができます。また、毎日の血圧は血圧手帳に記載し、定期受診の際に主治医へ見せるようにしましょう。 ストレスを溜めず規則正しい生活を送る ストレスや不規則な生活は血圧に影響する可能性があります。ストレスによりくも膜下出血の一因である高血圧のリスクが2倍に上がるという報告もあるのです。(文献2) そのため、自分なりのストレス発散方法を持っておくことが大切です。また、起床時間や就寝時間は毎日同じ時間に設定し、規則正しい生活を送りましょう。 再発リスクを減らす予防法は、以下の記事でも詳しく解説しています。 過度な飲酒を控える・禁煙をする 飲酒や喫煙も血圧を上昇させるため、くも膜下出血のリスクがあります。飲酒・喫煙も可能な限り退院後は控えましょう。 また、飲酒量が多いほど、くも膜下出血のリスクが上がるという報告もあります。(文献2) 普段から飲酒の習慣がある方は休肝日を設け、適度な飲酒量に調整するよう心がけてみてください。 喫煙は血圧上昇につながるため禁煙しましょう。自分だけで禁煙が難しい場合は、禁煙外来へ受診する方法もあります。 塩分の取りすぎに注意してバランスの良い食事を心がける 塩分の過剰摂取に注意した栄養バランスの良い食事も、くも膜下出血の再発予防につながります。 塩分の取りすぎは血圧を上げすぎてしまいます。以下のような点を意識して、減塩に取り組んでみてください。 食事量を腹八分目にとどめる 調味料を減塩タイプに切り替える また、便秘気味の人は排便の際に、血圧が上がってしまうリスクがあります。こまめな水分補給や食物繊維が豊富な食べ物の摂取にて便秘解消を心がけてみてください。 生活習慣の見直しのみで便秘が改善しない場合は我慢せず、便秘薬の服用もひとつの手です。 身の回りのことはできる限り自分で行う くも膜下出血で退院後は、日常生活に必要な運動機能を低下させないようにする必要があります。食事や入浴など日常生活の行動がリハビリになるため、無理のない範囲で積極的に自分で行いましょう。 また、軽めの運動も効果的です。歩行困難をきたしていない場合は、定期的な散歩やストレッチを日々の日課に取り入れてみてください。 デイサービスなどの施設で定期的にリハビリへ通うのも、くも膜下出血の再発予防に効果的でしょう。 くも膜下出血で退院後の生活はリハビリが重要 日常生活の行動のみならず、病院での定期的なリハビリも大切です。病院でリハビリをするよう指示のある方は、定期的な受診を欠かさないようにしましょう。 また、リハビリの内容は発症後の経過期間によって変わります。 目的 リハビリ方法 急性期リハビリ (治療後~14 日程度) 寝たきり状態の予防 座ったままできる運動 (膝伸ばし運動や肩の上げ下げ運動など) 回復期リハビリ 日常生活の基本的な動作を行える 歩行訓練や手芸、嚥下(えんげ)訓練など 維持期リハビリ(デイサービス) 回復期で得た機能を維持する 軽い運動(散歩やストレッチなど) 退院後に行うのは「回復期リハビリ」または「維持期リハビリ」です。主治医の指示に従い、自分の症状に合ったリハビリを行いましょう。 くも膜下出血のリハビリについては以下の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてください。 くも膜下出血の退院後にみられる6つの後遺症 くも膜下出血の退院後も、以下6つの後遺症がみられる可能性があります。 手足が動かしにくい 触覚が鈍くなる 食べ物が飲み込みにくくなる 視野が狭くなる うまく話せない 最近の出来事を思い出せない 出血部位や出血量、合併症の有無などによって重症度は変わります。軽度の場合は発症前と同じ生活が可能となる一方で、重度では日常生活に大きな支障をきたすリスクがあります。 くも膜下出血の詳細は以下の記事でも解説していますので、参考にしてください。 くも膜下出血の退院後も定期的な治療で再発を予防しよう くも膜下出血の退院後には、定期的なリハビリや血圧管理、生活習慣を整えることが大切です。退院後も定期受診は欠かさず、体調変化があればすぐに受診するようにしましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、元々人体にある幹細胞を利用した再生医療による治療を行っております。気になる方はメール相談もしくはオンラインカウンセリングにてお気軽にご相談ください。 \まずは当院にお問い合わせください/ 再生医療による脳卒中の治療について気になる方は、下記のぺージをご覧ください。 くも膜下出血の退院後によくあるQ&A くも膜下出血で退院後の仕事復帰はできる? 社会復帰できる確率は半分以下と言われています。 社会復帰ができても、くも膜下出血の発症から数カ月かかる可能性もあるでしょう。その後の経過は重症度によって異なるため、早期発見が大切です。 軽症のうちに治療を行うと、仕事復帰できる可能性は高まります。 くも膜下出血の生存率は? 5年生存は、およそ55%程度と報告があります。(文献3)ただし、意識不明な状態で緊急搬送された人よりも、軽度の段階で自ら受診した人の方が生存率が高い傾向があるため、早期発見が大切です。 くも膜下出血後の食事で避けた方が良い食べ物は? くも膜下出血後に避けた方が良い食べ物は、以下の成分が多く含まれた食べ物です。 多量摂取を避けた方が良い成分 食品例 リスク 塩分 たらこ ウインナー 血圧上昇 飽和脂肪酸・トランス脂肪酸 バター インスタント食品 動脈硬化 糖質(炭水化物) スナック菓子 菓子パン 動脈硬化 常に摂取しており完全に控えるのが難しい場合は、食べる頻度を減らすことからはじめましょう。 参考文献一覧 文献1 四條克倫. 脳卒中ガイドライン2021(改訂2023). 日本医誌. 2023, 82(6), p325-332 文献2 高血圧治療ガイドライン2019作成委員会, 高血圧治療ガイドライン2019, ライフサイエンス出版株式会社, 2019,p281 文献3 今井明 鈴木ひろみ 渡辺晃紀 梅山典子 塚田三夫 中村勤 松崎圭一 加藤開一郎 冨保 和宏. 脳卒中患者の生命予後と死因の 5 年間にわたる観察研究:栃木県の調査結果とアメリカの報告との比較. 脳卒中. 2010,32,p572–578.
2022.11.30 -
- 脳梗塞
- 脳卒中
- 頭部
脳梗塞は中高年から発症する確率が高くなります。しかし、10代や20代といった若い世代が発症する「若年性脳梗塞」も報告されています。 つまり、脳梗塞の要因は加齢だけではありません。脳梗塞は生活習慣の乱れも影響しているため、生活習慣の見直しが脳梗塞の予防に有効といえます。 本記事では脳梗塞になりやすい年齢を詳しく解説します。年齢以外の脳梗塞を発症する原因も紹介しているので、脳梗塞の原因を理解し予防に努めたい方はぜひ最後までご覧ください。 脳梗塞における年齢別の発症率【男女の割合】 脳梗塞の発症リスクが高まるのは、中年以降から高齢期にかけてです。 以下のグラフは、日本脳卒中データバンクの報告書に掲載されている、男女別の脳梗塞発症時年齢を示したものです。 出典:日本脳卒中データバンク|「脳卒中レジストリを用いた我が国の脳卒中診療実態の把握」報告書 2023 年(発症時年齢・脳梗塞) 男性の発症時年齢は75歳前後に集中しているのがわかります。一方で女性の発症時年齢の中央値は82歳でした。この調査結果からは女性の方が男性よりも発症時年齢が高いことが示されています。 脳梗塞を発症すると運動麻痺や感覚障害といった後遺症が出る可能性があります。早期発見・早期治療により後遺症を最小限に抑えられる場合もあるので、脳梗塞の初期症状が見られたら早めに病院を受診しましょう。 脳梗塞の初期症状は以下の記事で確認できます。チェックリストになっているので、ご自身の健康管理にお役立てください。 脳梗塞の有効な治療法の1つに「再生医療」があります。 これまで一度死んだ脳細胞は戻らないとされてきました。しかし、再生医療は脳細胞を復活させ、脳梗塞を含む脳卒中の後遺症を改善できることがわかってきたのです。 詳しい治療法や効果が知りたい方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。 脳梗塞の発症原因は年齢? 脳梗塞の発症原因は加齢だけではありません。血管に負担がかかる高血圧も脳梗塞を発症する原因の1つです。高血圧は以下のような生活習慣が原因で引き起こされます。 【脳梗塞リスクを高める生活習慣】 喫煙 大量飲酒 過剰な塩分摂取 慢性的な運動不足 日々の過剰なストレス 高血圧は動脈硬化(動脈が硬くなり柔軟性を失った状態)を引き起こします。動脈硬化もまた脳梗塞を発症させる要因であるため、生活習慣の改善が脳梗塞の予防において不可欠だといえるでしょう。 以下の記事では脳梗塞の原因や種類を解説しています。主な合併症も紹介しているので、脳梗塞への理解を深めたい方はぜひ参考にしてみてください。 女性が脳梗塞になりやすい2つの要因【高い年齢層はとくに注意】 一般的に、脳梗塞は男性に発症数が多い一方で、女性の方が少ないといわれています。ただし、女性の脳梗塞患者は男性に比べて高齢で発症するケースが多いのが特徴です。 ここでは、女性が脳梗塞になりやすい2つの要因を解説します。 女性ホルモン「エストロゲン」 不整脈 順番に見ていきましょう。 女性ホルモン「エストロゲン」 エストロゲンは、女性ホルモンの1つで、血管や骨の健康を保つ働きがあります。しかし、更年期(50歳前後)になるとエストロゲンの分泌が急激に減少し、血管を守る効果が弱まります。 その結果、血管がダメージを受けやすくなり、脳梗塞の発症リスクが大きく高まるのです。 不整脈 中年期から高齢の女性は、男性よりも不整脈を起こしやすいとされています。不整脈の一種である心房細動は、脳梗塞のリスクを5倍程度高める要因として知られています。 心房細動は、心臓から血栓(血のかたまり)が飛んで血管を詰まらせる「心原性脳塞栓症」の大きな原因です。このタイプの脳梗塞を発症する患者の約70%が、心房細動を伴っています。 心房細動の発生率は男性が女性の約3倍高いと報告されていますが、脳梗塞に発展しやすい点では、女性のほうが男性よりもリスクが高い傾向が見られます。 若年性脳梗塞は10代や20代など若い年齢で発症するケースもある くりかえしですが、脳梗塞は中高年から高齢期にかけて発症リスクが増加します。しかし「若年性脳梗塞」といって、10代や20代での若い年齢で脳梗塞を発症する場合もあります。 記事冒頭で掲載した脳梗塞の男女別における発症時年齢を示したグラフをもう1度見てみましょう。実際に10代から脳梗塞を発症しているケースがあることがわかります。 出典:日本脳卒中データバンク|「脳卒中レジストリを用いた我が国の脳卒中診療実態の把握」報告書 2023 年(発症時年齢・脳梗塞) 発症原因は中高年や高齢者と同様に、塩分の高い食事や過度な飲酒、喫煙などの生活習慣の乱れが大きな要因となります。そのため若年性脳梗塞の予防には生活習慣の改善が効果的です。 以下の記事では、若年性脳梗塞について詳しく解説しています。理解を深めたい方はぜひあわせてご覧ください。 まとめ|脳梗塞になりやすい年齢を知って予防に役立てよう 脳梗塞は高齢者に多く見られますが、不規則な生活習慣の影響で若い人にも発症する可能性があります。そのため、日頃から健康的な生活を心がけ、脳梗塞の予防に努めましょう。 女性の場合は、エストロゲン(女性ホルモン)の働きが加齢で弱まる閉経後に、脳梗塞のリスクが高まります。女性特有のホルモンバランスの変化により、更年期以降はとくに注意が必要であると覚えておきましょう。 脳梗塞の治療には「再生医療」が有効です。 再生医療は人間の自然治癒力を活用した最新の医療技術で、身体機能(後遺症)の回復や脳卒中における再発予防の効果が期待できます。 具体的な治療方法が気になる方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。 \まずは当院にお問い合わせください/
2022.11.28 -
- ひざ関節
- 膝部、その他疾患
膝の内側を押すと痛みを感じる場合「リンパの詰まり」が原因である可能性が考えられます。 リンパの詰まりは「筋肉の働きの低下」や「食生活」が影響しているため、以下の対処法を実施しましょう。 しかし、膝の内側や膝裏が痛みが長引いている場合、リンパの詰まりではなく治療しないと治らない疾患かも知れません。 とくに「変形性膝関節症」が気づかないうちに重症化してしまうと、人工関節にしなければいけない可能性があります。 「悪化して手術したくない」「人工関節を避けたい」という方は、手術しない治療法として再生医療による治療をご検討ください。 当院の公式LINE限定では、膝の内側の痛みに対する再生医療の治療法や症例をご確認いただけます。 ▼先端医療である再生医療も選択肢の一つ >>【公式LINE限定】再生医療に関する情報をみてみる 膝の裏側(内側)を押すと痛む症状はリンパの詰まりが原因の一つ 膝の裏側に痛みや腫れがある場合や膝から下がむくむ症状は、「リンパの詰まり」が原因の一つであることが考えられます。 特に、長時間の立ち仕事や座りっぱなし、飛行機やバスで足を下げたままの姿勢では、リンパの流れが悪くなることが多いです。 リンパが詰まることにより、リンパ液の流れが滞り、体内の老廃物がたまりやすくなります。 その結果、膝の裏を押すと痛みがあるほか、腫れやだるさ、重さ、冷えなどの症状が生じることがあるのです。 これらの症状はリンパの流れを改善することで軽減されるため、日常的にリンパマッサージやストレッチを取り入れることが効果的です。 適切なケアや治療を実施すれば、症状が緩和される可能性が高まります。 膝裏でリンパが詰まる原因 膝の裏には「膝窩リンパ節(しっかリンパせつ)」というリンパ節が存在します。 リンパ管は体内で老廃物や細菌を運ぶ役割を担い、リンパ節はそのリンパ管を通る異物を取り除く場所です。 しかし、リンパの流れが悪くなると、リンパ液がリンパ節でスムーズに循環できず、詰まりが起こることがあります。 特に、筋肉の働きが低下したり、偏った食生活をしていると、膝の裏でリンパが詰まりやすくなるのです。 これらの原因がリンパの流れを悪くし、むくみや不快感を引き起こします。 ここでは、それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。 筋肉の働きが低下している リンパの流れは筋肉の動きによって支えられていますが、筋肉が十分に働かないと、リンパの流れが滞りやすくなります。 特に運動不足やデスクワークなどで長時間座ったままでいると、膝の裏側の筋肉が使われず、リンパ液が溜まりやすくなるのです。 また、加齢やケガにより筋肉の柔軟性や強度が低下すると、リンパ液の循環が阻害されることもあります。 筋肉の働きが弱まると、リンパ管が圧迫されて流れが悪くなることが原因です。 そのため、筋肉を適度に動かし、柔軟性を維持することが大切です。 例えば、軽いストレッチやウォーキングなどの運動を日常生活に取り入れることで、筋肉を活性化させ、リンパの流れをスムーズにすることができます。 偏った食生活になっている 偏った食生活は、体内の水分バランスや代謝機能に悪影響を与え、リンパの流れを悪くすることがあります。 特に塩分が多い食事や脂っこい食べ物を頻繁に摂ると、体内に余計な水分が溜まり、リンパ液の流れが滞りやすくなるので注意が必要です。 また、ビタミンやミネラル、マグネシウムが不足していると、リンパの循環がスムーズに進まなくなります。だからこそ、バランスの良い食事を心がけることが大切です。 野菜や果物を多く摂り、適切な水分補給を行い、加工食品や高塩分の食事を控えることで、リンパ液の流れを正常に保つことができます。 膝の裏側(内側)にリンパが詰まっている時の対処法 膝裏のリンパが詰まっている場合は、先ほど説明したリンパの流れが悪くなる原因を考慮した対応が必要です。 その際の具体的な解消方法を3つ紹介しましょう。 適度な運動をする 筋肉を動かして血液やリンパの流れを促すことを「筋ポンプ作用」と言います。 この筋ポンプ作用を働かせるには、適度な運動が必要です。 運動不足は筋肉量や代謝の低下を引き起こしますが、適度な運動を行うことで、筋肉量や代謝が向上し、血液やリンパ液の循環も良くなります。 特におすすめなのは、膝や足首の屈伸運動です。 たとえば、つま先を上げ下げする足首の運動は「第二の心臓」と呼ばれるふくらはぎの筋肉を刺激し、血液やリンパの流れを促進する効果があります。 運動は「テレビを見ながら」や「トイレで座りながら」など、日常の合間にこまめに行うのが良いでしょう。 ただし、筋肉痛になるほどの激しい運動は疲労を蓄積させるため、無理をしないように注意が必要です。 マッサージを行う リンパの流れを良くするためのマッサージを行いましょう。 膝裏やふくらはぎを軽くさする、推すなどの程度から始めて、徐々にほぐすようにしていきましょう。 足裏からふくらはぎに向かって優しくマッサージすることで、血管やリンパ管の収縮力を高め、血液やリンパ液の排出を助けます。 押すなどして圧迫した場合に、痛みや違和感を感じる場合はリンパの流れが悪いだけではなく、他の病気が潜んでいる可能性があるので無理に行わないで中止しましょう。 専門家によるマッサージではなく、自分で行う場合は、あくまで気持ちいい程度の加減で行うことが大切です。 ▼先端医療である再生医療も選択肢の一つ >>【無料プレゼント】再生医療ガイドブックを今すぐ受け取る 生活習慣を見直す リンパの流れを妨げる肥満を防ぎ、改善するためには、バランスの取れた食事や運動を続けるなど、規則正しい生活習慣が大切です。 また、長時間椅子に座って膝を圧迫したり、足を下げたままにすると、膝の後ろにあるリンパ節に負担をかける原因になります。 時々立ち上がって歩いたり、しゃがんでみたり、足を伸ばしたりすることで体を動かしましょう。運動やマッサージも効果的です。 自宅にいるときは、足を心臓より高い位置にして休むのも良い方法です。 こうすることで、重力に逆らわずに血液やリンパ液を戻しやすくなります。 さらに、食事や水分摂取にも注意が必要です。塩分やカフェインを摂り過ぎると水分代謝が悪くなるため、控えるようにしましょう。 また、水分不足もむくみの原因になるので、適度に水分補給を心がけてください。 膝の内側を押すと痛む場合に自宅でできるリンパをほぐすマッサージのやり方 膝の内側の痛みには、以下のでリンパをほぐすマッサージを実践してみましょう。 マッサージをしても膝の内側や膝裏が痛みが長引いている方は、治療しないと治らない疾患の可能性が考えられます。 膝関節の損傷や半月板損傷だった場合、重症化してしまうと人工関節にしなければいけない可能性も。 長引く膝裏の痛みにお困りの方は、症状が悪化する前に医療機関の受診、早期に治療を開始しましょう。 当院(リペアセルクリニック)の公式LINEでは、膝の内側の痛みに対する再生医療の治療法をご確認いただけます。 ▼先端医療である再生医療も選択肢の一つ >>【公式LINE限定】再生医療に関する情報をみてみる リンパ以外の原因もある?膝裏を押すと痛い場合に注意すべき症状 膝の裏が腫れている場合に、リンパ節のむくみだけではなく、他の病気が潜んでいる可能性もあります。 以下のポイントを参考にして、気になる場合は自己判断で治療したり、放置したりせずに整形外科や循環器内科などを受診しましょう。 全身にむくみがある|内科系の疾患によるむくみの可能性 全身にむくみがある場合は、心臓や腎臓など内科系の疾患によるむくみの可能性があります。 膝裏のむくみに気づいた場合には、他の部位にもむくみがないかどうかをチェックしましょう。 膝周辺に痛みや熱がある|関節の炎症や怪我の可能性 膝裏のむくみだけでなく、痛みや熱がある場合は、膝関節の炎症や怪我などの可能性があります。 また、リンパ節に細菌が入って感染症を起こしてしまうこともあります。 このような症状の場合は、早めの医療機関で適切な治療を受けることが大切ですので注意しましょう。 だんだん浮腫がひどくなる|病気が潜んでいる可能性 時間とともにむくみが悪化する場合、何かしらの病気が原因になっている可能性があります。 その中でも特に考えられるのが「ベイカー嚢腫(のうしゅ)」です。 この病気は、膝の裏側にある袋状の部分が大きくなってしまうもので、特に50歳以上の女性に多く見られます。 また、膝の変形が進むと、膝関節に炎症が起こり、水が溜まってしまうこともあります。 このような症状が現れた場合は、放置せずに早めに医師の診断を受けることが大切です。 適切な治療を受けることで、症状の悪化を防げます。 まとめ・膝の裏側の腫れや痛み、膝下のむくみはリンパの詰まりが原因か?! 膝の裏側(内側)の痛みや腫れ、膝下のむくみはリンパの詰まりが原因の一つです。 しかし、リンパの問題だけでなく、他の健康問題が影響している場合もあります。 リンパの詰まりが疑われる場合は、まずは早めに対処法を試してみましょう。 もし症状が改善しなかったり、悪化したりするようであれば、医師の診断を受けることが大切です。 膝の痛みやむくみは日常生活に大きな支障をきたすことがあるため、軽視せず、早めの対策を心がける必要があります。 適切な運動やマッサージを行ったり、生活習慣を見直したりすることで、リンパの流れを改善し、健康な体を保てるでしょう。 ▼先端医療である再生医療も選択肢の一つ >>【無料プレゼント】再生医療ガイドブックを今すぐ受け取る ▼以下もご参考ください 膝が痛い|朝寝起きや、歩きはじめの膝に痛みや違和感を感じたときの治療法
2022.11.25 -
- 脳卒中
- 頭部
- くも膜下出血
くも膜下出血とは、脳と周囲の膜との間の空間(くも膜下腔)で出血が伴う病気です。 くも膜下出血は女性の方がなりやすい傾向にあり、発症率は男性のおよそ2倍との報告もあります。発症原因には、女性ホルモンの減少や、育児・家事と仕事の両立といったストレスが大きく関係しているとされています。 本記事では、くも膜下出血の性別による発症率の違いを詳しく解説します。女性特有の発症原因や予防法も紹介しているので、くも膜下出血と女性の関係性を知りたい方はぜひ参考にしてみてください。 女性のくも膜下出血の発症率は男性の2倍【20代・30代の若さで発症するケースも】 くも膜下出血の男女別における発症率は、男性よりも女性のほうが高い傾向にあります。比率としてはおよそ2倍であると示す報告書もあります。(文献1) 女性のくも膜下出血の発症年齢も見ていきましょう。 以下のグラフは、日本脳卒中データバンクの報告書に掲載されている、男女別のくも膜下出血の発症時年齢を示したものです。 出典:日本脳卒中データバンク|「脳卒中レジストリを用いた我が国の脳卒中診療実態の把握」報告書2023年(発症時年齢・脳梗塞) 女性がくも膜下出血を発症する年齢は、50〜70代に多く、ピークは70歳後半です。一方で男性のピークは50歳代で、女性のほうが発症年齢が高い傾向にあります。 また、男女問わずですが、くも膜下出血は20代・30代の若さで発症するケースもあります。(文献2) くも膜下出血の有効な治療法の1つに「再生医療」があります。 これまで一度死んだ脳細胞は戻らないとされてきました。しかし、再生医療は脳細胞を復活させ、くも膜下出血を含む脳卒中の後遺症を改善できることがわかってきたのです。 詳しい治療法や効果が知りたい方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。 くも膜下出血における女性特有の2つの原因 ここでは、くも膜下出血を発症する女性特有の原因を解説します。 主な原因は以下の2つです。 女性ホルモンが減少するから ストレスがかかりやすい生活環境にいるから 順番に見ていきましょう。 なお、くも膜出血は脳疾患の中でも症状が重いと言われており、早期の治療が大切です。以下の記事では、くも膜下出血の10年後の生存率や治療法について解説しているので、詳細が気になる方はぜひあわせてご覧ください。 女性ホルモンが減少するから くも膜下出血のにおける女性特有の要因は、女性ホルモン(エストロゲン)の減少です。 とくにエストロゲンという女性ホルモンは、血管を健康に保つ働きがあります。しかし、女性は年齢とともに閉経を迎え、50歳以上になるとエストロゲンの分泌量が大幅に減少します。エストロゲンが減ると、血管を保護する力が弱まり、血管が傷つきやすくなるのです。 結果として、動脈瘤と呼ばれるこぶのようなものが血管にできやすくなり、それが破裂することでくも膜下出血が起こるリスクが高まります。(文献3) ストレスがかかりやすい生活環境にいるから ストレスには、血圧を上昇させたり、血管を傷つけたりする作用があります。くも膜下出血の原因の1つは高血圧であるため、慢性的なストレスは発症率を高める可能性があります。(文献4) 現代社会において女性は、仕事と家庭の両立で多重役割によるストレスを抱えやすい立場にいるといえるでしょう。このような状況が、女性のくも膜下出血発症率の上昇につながっているとも考えられます。 なお、くも膜下出血の前兆には首の痛みがあります。以下の記事では、具体的な症状を解説しているので、早期発見の知識を深めたい方はぜひあわせてご覧ください。 男女共通のくも膜下出血の原因 くも膜下出血の原因は複数ありますが、とくに気をつけたいのが高血圧です。血圧が高い状態が続くと、血管に負担がかかり破裂しやすくなるためです。 そのほかにも、くも膜下出血の可能性を高めるリスク要因には以下のようなものがあります。 喫煙 動脈瘤の家族歴 多発性嚢胞腎の病歴 過度のアルコール飲酒歴 以前に破裂した脳動脈瘤の病歴 ワーファリンなどの血液希釈剤の使用 脳または体の他の場所にある未破裂の動脈瘤 線維筋性異形成(FMD)などの結合組織状態 くも膜下出血を予防するには、日頃から血圧管理を心がけ、定期的に健康診断を受ける意識が大切です。 【女性必見】くも膜下出血に対する5つの予防法 原因を把握したあとは、くも膜下出血の予防法について解説します。 女性に焦点を当てた内容となっていますが、男性にも該当する予防法が含まれます。 女性ホルモンのバランスを整える ストレスケアをおこなう 定期的に運動する コーヒーを含むカフェインを飲みすぎないようにする 禁煙する 順番に見ていきましょう。 女性ホルモンのバランスを整える 女性ホルモン(エストロゲン)は血管の健康維持に不可欠です。ホルモンバランスが崩れると、血管が弱くなり、くも膜下出血のリスクが高まります。 以下は、女性ホルモンのバランスを整えるために有効な方法です。 適度な運動 十分な睡眠時間の確保 栄養バランスの良い食事 食事の際は、大豆製品やイソフラボンを含む食品を積極的に食べるのが良いとされています。これらには女性ホルモンに似た成分が含まれており、ホルモンバランスの改善に役立ちます。 ストレスケアをおこなう ストレスは、血管を傷つけ、くも膜下出血のリスクを高める要因の1つです。そのため、ストレスケアがくも膜下出血の予防につながります。 以下は、ストレスケアに有効な取り組みです。 十分な睡眠 適度な運動 趣味の時間に没頭 ヨガ・ストレッチ 自分に合ったストレスケア方法を見つけ、日常的に実践していきましょう。 定期的に運動する 運動を習慣化すれば血圧の安定化が期待でき、くも膜下出血の予防にもつながります。 以下は、無理なくはじめられる運動メニューです。 ストレッチや体操 軽い筋力トレーニング 家庭菜園やガーデニングなどの日常活動 早歩きやサイクリングなどの有酸素運動 運動には血圧の安定化とストレス解消の二重効果があります。無理のない範囲で継続的に体を動かして、健康的な血圧水準を維持しましょう。 コーヒーを含むカフェインを飲みすぎないようにする カフェインの過剰摂取は血圧上昇を引き起こします。以下は、カフェインを含む飲み物なので、飲みすぎないようにしましょう。 紅茶 コーラ コーヒー エナジードリンク 適度な量であれば、大きな問題はありません。コーヒーの場合は1日4杯以上飲むと、血圧が上昇する可能性があるといわれているので、3杯を目安に抑えるのが良いでしょう。 禁煙する たばこの煙には、血管を傷つけたり、狭くしたりする有害な物質が含まれています。そのため、喫煙の習慣があると、くも膜下出血のリスクを高めてしまいます。 禁煙を考えている方は、以下のような手段でタバコを吸う機会を減らしてみてください。 禁煙外来の利用 ニコチンガムの活用 ニコチンパッチの使用 禁煙イベントの参加 タバコを吸うとくも膜下出血の発症リスクが高まるだけでなく、肺がんや心疾患といった別の病気を引き起こす原因になります。健康的な生活を送るためにも、タバコを断つ努力をするのが良いでしょう。 まとめ|くも膜下出血における女性特有の原因を知って予防に努めよう くも膜下出血は、女性の方が男性よりもなりやすい病気です。女性ホルモンの低下や育児・家事といった女性ならではのストレスなど、性別特有の要因でくも膜下出血を発症するケースもあります。 そのほかにも、くも膜下出血の原因には、カフェインの過剰摂取や運動不足、喫煙などの生活習慣が大きく関係しています。 くも膜下出血の発症リスクを軽減させるためにも、男女問わず、生活習慣の改善と定期的な健康診断を心がけましょう。とくに女性はホルモンバランスが崩れやすい更年期以降、より意識的な健康管理が必要です。 なお、くも膜下出血の治療には「再生医療」が有効です。 再生医療は人間の自然治癒力を活用した最新の医療技術で、身体機能(後遺症)の回復や脳卒中における再発予防の効果が期待できます。 具体的な治療方法が気になる方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。 \まずは当院にお問い合わせください/ 【参考文献】 文献1:https://www.jsnt.gr.jp/guideline/img/nou2009_04.pdf 文献2:https://www.jstage.jst.go.jp/article/scs/38/3/38_3_186/_pdf 文献3:出典|国立医学図書館https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16381192/ Jamous MA, Nagahiro S, Kitazato KT, Tamura T, Kuwayama K, Satoh K. Role of estrogen deficiency in the formation and progression of cerebral aneurysms. Part II: experimental study of the effects of hormone replacement therapy in rats. J Neurosurg. 2005 Dec;103(6):1052-7. doi: 10.3171/jns.2005.103.6.1052. PMID: 16381192. 文献4:https://www.jstage.jst.go.jp/article/joh1995/37/3/37_3_169/_pdf
2022.11.23 -
- 脳卒中
- 頭部
- くも膜下出血
くも膜下出血は、脳を覆う薄い組織との間の領域で起こる出血です。突然起こる激しい頭痛で気づくことの多い病気ですが、首の痛みを伴う頭痛としても知られています。 「最近首の後ろが痛いけど原因がわからない」「痛みが引かなくて不安だ」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。 そこで本記事は、くも膜下出血の前兆として引き起こす首の痛みについて紹介します。 くも膜下出血は、命に関わることもある重大な病気です。 早期発見・早期治療が非常に重要ですが、首の痛みは他の病気でも起こりうるため、注意が必要です。 この記事を参考に前兆かどうかの判断に役立てていただき、緊急性が高いと疑われる場合で近くに相談先がない場合は、当クリニックまでご相談ください。 >>公式LINE限定の再生医療ガイドブックをお届け! 【くも膜下出血の前兆】首の痛みを伴う頭痛は要注意! 頭痛を伴う首の痛みは、くも膜下出血の代表的な前兆症状のひとつです。 ただし、首の痛みが必ずしも膜下出血につながるわけではなく、髄膜炎と呼ばれる病気を発症した際も似たような症状が現れます。 くも膜下出血の主な前兆 髄膜炎の主な前兆 首裏付近の痛み及び頭痛 血圧の乱れ 視覚の異常 めまい・吐き気 首裏付近の痛み及び頭痛 発熱・発疹 肩こり 活気の低下 上記の特徴をもとに区別する必要がありますが、いずれにせよ頭痛を伴う首の痛みは要注意であることは確かです。少しでも不安な方は最寄りの医療機関にご相談ください。 髄膜炎との区別にはMRI検査が重要 前兆(症状)だけでは自己判断が難しいため、精密な検査を実施し病院で詳しく調べてもらう必要があります。 精密検査の代表格であるMRI検査では、脳内の出血を検出できます。また、血管に造影剤を注入して動脈と静脈の流れを詳細に表示 (造影MRI検査)し、血流に注力した検査も可能です。 CT検査では見抜きにくい「くも膜下出血の徴候」をいち早く見つけることができます。 くも膜下出血とは? そもそもくも膜下出血とは、くも膜下腔(くも膜と脳を取り囲む軟膜間の領域) への出血です。 主な前兆としては、急速に発症する重度の頭痛・嘔吐・意識レベルの低下・発熱時の発作が挙げられます。 くも膜下出血の症状 くも膜下出血の典型的な症状は、頭を蹴られたような激しい頭痛で、数秒から数分かけて発症します。後頭部付近に発症する特徴をもち、吐き気や嘔吐を伴う場合もあります。 首の凝りや首の痛みを伴う頭痛も代表的な前兆症状であることから、早めの行動が重要です。 首の痛みを伴う頭痛があるときの行動と対処法 首の痛みとくも膜下出血の関係性について解説したところで、この項目では発症後の行動と対策について紹介します。 くも膜下出血の悪化や早期発見につながるため、発症後は以下の事項を厳守しましょう。 誘発の恐れのある行動は避ける 首の痛みを伴う頭痛がある場合はくも膜下出血を常に疑い、出血を誘発するような行動は避けましょう。 以下の行動は、くも膜下出血を誘発する恐れがあります。 速やかに病院を受診する くも膜下出血の症状は状況によって緊急度は異なる場合もあります。 雷鳴のような頭痛があるなど、以下のような症状が発症した場合は大変危険です。すぐに最寄りの病院に行きましょう。 その他、くも膜下出血の発症から 6 時間後に現れる頸部硬直や、瞳孔の散大などの症状発症は緊急を要します。 身近にいる方は速やかに119番通報を心がけましょう。 まとめ|くも膜下出血の前兆をいち早く察知しよう くも膜下出血は非常に危険であり、突然発生した首の痛みを伴う頭痛は前兆とされているため注意が必要です。。 また、緊急を要する病気であるため、発症後の迅速な診察と治療が必要となります。前兆を含む典型的な症状、くわえて対処法を知っておくことが重要です。 首の痛みを伴う慢性的な頭痛にあっては、当クリニックにご相談いただくことも可能です。 まずは無料相談をご利用ください。 再生医療の専門スタッフが、あなたの症状やお悩みについて詳しくお伺いします。 >>公式LINE限定で再生医療の情報を配信中! 膜下出血と首の痛みに関するQ&A 最後に、首の痛みを伴う場合のくも膜下出血に関するよくある質問についてQ&Aでまとめました。首の痛みにお悩みの方や不安を抱く方は、ぜひ参考にしてみてください。 くも膜下出血で首が痛くなるのはなぜ? 頭の中に出血が発生することで、頭の中の圧力が上がり、これによって脳が圧迫されて痛みが出ます。 首の痛みがある場合はどのように他の病気と区別する? 他の原因に心当たりがなく、首の凝りと激しい頭痛を経験した場合、くも膜下出血の兆候である可能性があります。 また、病院受診時のCT検査やMRI検査により他の病気と区別します。 CT検査は、脳をめぐる周りの血管の検出と、付随する脳の異常を特定します。さらに、出血の原因を明らかにするために造影剤を用いることにより、詳しく検査が可能です。 さらにMRI検査は頭の内部の詳細な画像として出力し、出血やその他の血管の異常問題を特定します。 くも膜下出血の前兆を感じたときは何科を受診すべき? くも膜下出血を疑う際は、脳神経外科や脳神経内科を受診しましょう。 緊急度の高い病気であるため前兆の段階であっても、予約なしでもすぐに受診ができる救急外来に対応した病院を探すべきです。 また、受診先がすぐに見つからない場合は救急車を呼ぶのも手段のひとつです。
2022.11.21 -
- 脳卒中
- 頭部
- くも膜下出血
くも膜下出血は予後が悪い病気というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。 一度発症すると、その後の生活や生存率についての不安が絶えず、「10年持つのだろうか」と考えることもあるかもしれません。 結論からいえば、くも膜下出血における10年後の生存率について明確なデータはありませんが、5年生存率は55%前後といわれています。 生存率は年齢や出血量などの要因で変わりますが、早期かつ適切な治療で改善が期待できるでしょう。 本記事では、くも膜下出血の生存率についてや予後を左右する要因などについて詳しく解説しています。 くも膜下出血の治療を検討する際の参考になれれば幸いです。 くも膜下出血の10年後の生存率は「重症度・治療の早さ」によって変わる くも膜下出血の主な原因は、脳動脈瘤(脳血管が膨らんだ状態)です。(文献1) その生存率は重症度と診断および治療の早さによって変わる傾向があり、統計では、以下のデータが報告されています。(文献2)(文献3) 初回のくも膜下出血出血で約35%が死亡 その後数週間以内に15%が再破裂で死亡 6カ月以降は年間約3%の割合で再破裂のリスクあり くも膜下出血の10年生存率は不明ですが、5年生存率は55%前後といわれており、生存率は年々改善傾向です。(文献4) くも膜下出血の予後を左右する4つの要因【10年後以降にもかかわる】 くも膜下出血の予後は、以下4つの要因により左右されます。 発症時の年齢 出血の場所と量 発症から治療までの時間 合併症の有無 本章を参考に、くも膜下出血の予後の改善に役立ててください。 発症時の年齢 くも膜下出血になる年齢が高いほど、予後が悪化しやすくなります。年齢を重ねるにつれ、高血圧や糖尿病などの病気によって動脈硬化が進行するためです。 その結果、出血時に止血しても回復しにくくなり、再出血の可能性が高まります。 首の後ろの痛みを伴う激しい頭痛は、くも膜下出血の前兆の可能性があるため注意が必要です。気になる方は下記の記事も参考にしてください。 また、当院「リペアセルクリニック」では高齢の患者様にも可能なくも膜下出血の治療方法を提案しています。 もしすでに違和感があるなら、悩まず当院の「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。 出血の場所と量 出血量が多いほど脳が圧迫されるため、重症になり予後が悪くなります。 くも膜下出血が起こりやすい脳の部位は、脳血管が枝わかれする場所です。(文献5)脳血管が枝わかれする場所は、血管の壁が弱いため脳動脈瘤になりやすい傾向があります。 出血量が多く意識障害がある場合は、予後も不良になる可能性が高くなります。そのため、発症から早めの治療が重要です。 発症から治療までの時間 くも膜下出血の治療は、いかに早期発見をしてすぐに処置できるかが大切です。出血してから72時間以内に外科的治療を行うと、それ以降に治療を行ったときよりもその後の入院期間の短縮や予後が良好になるというデータがあります。(文献6) くも膜下出血でよくある初期症状は以下の3つです。(文献7) 顔が下がって動かない 腕の力が入らない ろれつが回らない これらの症状がみられたら、すぐに救急車を呼びましょう。 合併症の有無 以下のような合併症の有無も、くも膜下出血の予後に深くかかわります。(文献3) 再出血:脳出血が再発し、死亡率が高まる 脳血管れん縮:脳血管の収縮により血流が悪くなり、脳梗塞のリスクが高まる 水頭症:脳脊髄液の流れが悪くなり、歩行困難や認知症のリスクが高まる くも膜下出血の発症後は、上記のような合併症を防ぐ治療が大切です。 くも膜下出血の予後を改善するには「再出血の予防」と「適切な治療・リハビリ」が重要 くも膜下出血は、再出血を起こすと高確率で予後が悪化するため、血圧の管理や定期的な検査など、予防に努めることが重要です。 また、くも膜下出血発症後は、外科的治療とリハビリを組み合わせることで予後の改善が期待できます。主治医と相談の上、適切な治療・リハビリを続けましょう。 くも膜下出血の再発についての記事はこちら くも膜下出血のリハビリについての記事はこちら まとめ|適切な治療によりくも膜下出血の予後の改善を目指そう くも膜下出血は、依然として予後の悪い病気であり、早期の診断と治療次第では、重度の後遺症を残してしまいます。 早期の適切な治療を受けて、リハビリを行えば予後の改善が期待できます。今回の記事を参考にして、改めて予後や改善策に関して学んでおきましょう。 当院「リペアクリニック」では、人体にもともとある「幹細胞」を利用した再生医療により、くも膜下出血後の治療が可能です。「メール」や「オンラインでの無料カウンセリング」も実施しているので、気になる方はぜひ当院までご連絡ください。 くも膜下出血の予後や生存率についてよくある質問 くも膜下出血で意識不明で運ばれた場合の生存率はどのくらいですか? 意識不明で搬送された場合の生存率は低い傾向です。 生存しても日常生活に支障をきたすような重い後遺症が出る可能性もあるでしょう。そのため、早期の段階で前兆に気がつき適切な治療を受けることが重要です。 くも膜下出血で最も多い後遺症は? くも膜下出血では、以下のような後遺症がよくみられます。 手足が動かしにくい しびれや脱力感 上手く話せず、会話が困難 記憶障害 くも膜下出血の後遺症の詳細は、以下の記事を参考にしてください。 参考文献 文献1 上畑鉄之丞.脳動脈瘤の成因 とくも膜下出血発症の諸要因.日本循環器管理研究協議会雑誌.1998;33(1):25-29. 文献2 Nieuwkamp DJ, et al. (2009). Changes in case fatality of aneurysmal subarachnoid haemorrhage over time, according to age, sex, and region: a meta-analysis. Lancet Neurol, 8(7), pp.635-642. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/19501022/ 文献3 Andrei V. Alexandrov, MD, The University of Tennessee Health Science Center;Balaji Krishnaiah, MD, The University of Tennessee Health Science Center.くも膜下出血 (SAH).MSDマニュアルプロフェッショナル版.2023年 7月改訂, 2024年10月21日. 文献4 今井明,鈴木ひろみ,渡辺晃紀,梅山典子,塚田三夫,中村勤,松崎圭一,加藤開一郎,冨保和宏.脳卒中患者の生命予後と死因の5年間にわたる観察研究: 栃木県の調査結果とアメリカの報告との比較. 第35回日本脳卒中学会 シンポジウム2. 2010年, 32巻,6号, P572-578. 文献5 上畑鉄之丞.脳動脈瘤の成因とくも膜下出血発症の諸要因.日循協誌. 1998年.第33巻.第1号.P25-29. 文献6 脳卒中合同ガイドライン委員会. 第4章くも膜下出血. 脳卒中治療ガイドライン2009.2009.P182-213.pdf 文献7 日本脳卒中協会.読んで学ぶ脳卒中. 脳卒中の予防と患者・家族の支援を目指して 公益社団法人日本脳卒中協会. 2018年3月19日更新.2024年10月21日.
2022.11.18 -
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- 脳卒中
- 頭部
脳梗塞患者の家族は、どうやって看護したら良いのだろう。 脳梗塞の看護のポイントについて知りたい。 この記事を読んでいるあなたは、家族や親戚が脳梗塞になり、どのように看護すれば良いか不安を抱いているのではないでしょうか。 「どのような経過になるのかを知りたい」と思っているかもしれません。 脳梗塞は早期に治療を受けても後遺症が出る場合があり、入院中から退院後まで継続的な看護が必要です。 本記事では、脳梗塞患者を看護する際のポイントについて、詳しく説明します。記事を最後まで読めば、脳梗塞の経過と必要な看護がわかり、今後の生活に向けた準備を始められるでしょう。 脳梗塞患者の家族が看護で注意すべきポイント【看護計画】 脳梗塞の看護は、急性期、回復期、慢性期の各段階で注意すべきポイントが異なります。 多くの脳梗塞患者は入院が必要で、とくに発症直後は集中治療室(ICU)での治療やケアが必要になるケースは珍しくありません。 脳梗塞の症状は急速に変化する可能性があり、迅速な処置が必要なためです。 さらに、脳梗塞の治療は長期化するケースも多く、看護師は身体的、心理社会的の両面について患者ケアを行います。 脳梗塞の種類や合併症については、以下の記事も参考にしてください。 発症直後 脳梗塞の発症直後は全身状態が悪く、脳梗塞の拡大や再出血などの急変リスクも高い時期です。 まずは医師・看護師などがチームとなって脳に詰まった血栓を溶かす治療(t-PA療法)や血栓を取り除くカテーテル治療(血栓回収療法)などを行います。 t-PA療法は、脳浮腫や血管の圧力増加による意識障害などの合併症が起こりやすいため、意識レベル、呼吸、循環動態のチェックが欠かせません。 さらに誤嚥予防の処置や体位の調整、けいれんが起きていないかの観察など、看護計画に基づいた慎重な看護を行います。 脳梗塞の治療については、以下の記事も参考にしてください。 急性期 発症直後を含めた「急性期」の看護でチェックする主なポイントは、以下のとおりです。 意識レベル(応答性、話す能力、見当識の変化など) 呼吸と循環の管理 血圧管理 体温管理 排尿管理 皮膚の状態 出血管理 意識レベルの確認には、「目を開けるか」「意識ははっきりしているか」「痛みに反応するか」「身体を動かせるか」などをチェックする以下の指標がよく使われます。 JCS(ジャパン・コーマ・スケール):日本で使用されている意識障害の評価方法 GCS(グラスゴー・コーマ・スケール):世界で広く使用されている意識障害の評価方法 寝たきりの時期が長くなると、筋肉の退化や誤嚥性肺炎、床ずれなどのリスクが上昇します。 そのため、十分なリスク管理のもとに、寝返り、座位、セルフケア訓練など、自分で身体を動かすためのリハビリをできるだけ早くから開始します。(文献1) また、脳梗塞は麻痺や失語などの後遺症が出やすいため、症状や今後の生活に関するメンタルケアも重要です。 脳卒中の治療やリハビリについての見通しは、以下の記事も参考にしてください。 回復期 「回復期」とは、全身状態や血圧などが安定する時期です。 引き続き全身管理を行いながら、日常生活動作を取り戻すためのリハビリや看護を行います。 回復期の看護のポイントは、以下のとおりです。 感覚と知覚(痛みと温度の認識が低下しているため) 栄養機能 : 嚥下、栄養と水分補給の状態 皮膚の状態、褥瘡対策 排尿機能 運動機能(上肢および下肢の動き) 精神状態 (記憶、注意力、知覚、感情、発話/言語など) 脳梗塞で失われた脳細胞は、基本的には元に戻らないといわれています。しかし、治療やリハビリをすると脳のほかの部分が失った機能の代わりを果たすようになるため、身体が動くようになるのです。(文献2) 本章の内容をもとに、回復期の看護を理解しておきましょう。 脳梗塞後のリハビリについては、以下の記事で説明しています。 1.栄養機能管理 栄養機能管理の看護では、以下のポイントをよく観察します。 咳の状態 口の片側に食物が溜まっていないか 液体を飲み込むときの逆流がないか また、言語聴覚士による飲み込み機能の評価を受けた上で、少量の小さな食物や水分を摂取するよう促します。 口からの摂取が不十分な場合は、チューブを介した経腸栄養の準備をします。 2.排尿管理 筋肉の制御が失われている間は自分の意思で排尿を管理できないため、医師・看護師が尿道にカテーテルを挿入し、人工的に排尿させます。 また、十分な水分(1日2〜3L)を与えて、規則正しい時間(朝食後)にトイレをするよう促します。 3.皮膚の状態と褥瘡管理 皮膚の状態が悪くなっていないかは、頻繁に評価します。 清潔で乾燥した状態に保った皮膚をやさしくマッサージし、皮膚の健康を維持します。 また、自分で身体を動かせないと、褥瘡(じょくそう:体重で圧迫されている部分の血流が悪くなり、皮膚がただれたり傷ができたりすること)のリスクが高い状態です。 ひどくなると傷から細菌が入って化膿して腫れる可能性があるため、1日数回(2時間ごと)身体の位置を変更して褥瘡を予防します。 4.運動機能の改善 意識が回復したら、積極的なリハビリテーションプログラム(以下リハビリ)を開始します。脳梗塞後のリハビリは、長時間のものを1回行うのではなく、短時間のものを複数回行います。 リハビリの目的は、以下のとおりです。 関節の可動性を維持する 運動機能を回復する 麻痺した四肢の拘縮を予防する 神経筋系のさらなる悪化を予防する リハビリ中の患者サポートも、重要な看護です。 看護では、肺塞栓や過剰な心臓負荷の徴候 (息切れ、胸の痛み、チアノーゼ、脈拍数の増加など)が起きていないかも観察します。 慢性期 「慢性期」は、退院に向けての準備が本格化します。そのため、患者の全身管理や健康維持に加えて以下の点を重視した看護を行います。 退院後の日常生活の支援(家族への説明) 心理的なケア 退院後、ご家族の協力のもとに患者が自宅で達成可能な目標を計画します。 医師や看護師は、不安を和らげるためにていねいな説明や感情的なサポートを行います。不安や気になる点があれば、遠慮なく聞いてみてください。 脳梗塞の看護でご家族が果たすこと 退院後は、ご家族による食事や運動などの生活支援・リハビリのサポート・服薬管理などの看護が必要です。 脳梗塞は、脳のダメージを受けた部位によって起こる症状や後遺症が異なり、約半数の人に後遺症が出るといわれています。再発もしやすく、10年再発率は49.7%というデータもあります。(文献3) ダメージを受けた部分と、起こる後遺症の例は以下のとおりです。 前頭葉:人格や性格が変化する 頭頂葉:体が動かなくなる(麻痺) 後頭葉:視野の半分が欠ける(半盲ともいう) 側頭葉:学習、記憶障害が起こる また、脳梗塞をはじめとする脳卒中のあとは、認知症になる人も珍しくありません。医療機関や介護サービスの手を借りながら、再発や後遺症を予防・軽減していきましょう。 脳梗塞の再発をコントロールする方法は、以下の記事で説明しています。 まとめ|脳梗塞の後は適切な看護が大切 本記事では、脳梗塞後に必要な看護について詳しく解説しました。 脳梗塞では、経過ごとに必要な看護が異なります。ご家族が中心となって看護するのは退院後で、日常生活の支援やリハビリなどが主な役割です。 心理的な問題は時間の経過によって解決するケースが多いのですが、不安な点は医師や看護師に質問し、解決しておきましょう。 脳梗塞の看護のよくある質問 脳梗塞のあとなぜ血圧が上がるのですか。 脳梗塞では、血流の低下によって脳がむくみます。 生じたむくみによって脳の血管が圧迫されると、結果的に血圧が高くなるのです。 脳梗塞のときはベッド上での安静が必要ですか。 脳梗塞の発症直後は、ベッド上での安静が基本です。 頭を上げたり、立ち上がったりすると血圧が下がり全身状態が悪くなるため、基本的には安静にします。 しかし近年は、状態が落ち着き次第、早めからリハビリを開始するのが一般的です。 脳梗塞はどのくらいで退院できますか。 症状や年齢によって異なりますが、平均的には2~3カ月ほどで退院するケースが多くみられます。 どのような症状が出たら脳梗塞の再発を疑えば良いですか。 以下の症状が出た際は脳梗塞の再発を疑い、救急車を呼びましょう。 手足の麻痺やしびれ ろれつが回らない 言葉が出てこない 視野が欠ける めまいがひどい 意識を失う 脳梗塞は再発しやすいため、患者の様子をよく観察し、気になる症状が出たらすぐに受診しましょう。 脳梗塞の前兆については、以下の記事を参考にしてください。 参考文献一覧 文献1 脳卒中治療ガイドライン2021における リハビリテーション領域の動向 理学療法科学 37(1):129–141, 2022 文献2 脳の可塑性(基礎の立場から) ―サルを使った大脳運動野の破壊後の回復に関する研究,認知神経科学Vol.7No.3 2005 文献3 Ten year recurrence after first ever stroke in a Japanese community: the Hisayama study J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2005 Mar;76(3):368-72. doi: 10.1136/jnnp.2004.038166.
2022.11.16 -
- ひざ関節
- 脊柱管狭窄症
- 膝部、その他疾患
なんの前触れもなく膝から下が痛くなり、以下のような症状に不安を感じていませんか。 「何もしていないのに足が痛い」 「膝から下が重い・だるい」 「ふくらはぎがジンジン・ズキズキする」 これまで感じたことのないような痛みや違和感だと重い症状ではないかと心配にもなりますよね。膝の痛みから考えられる疾患や原因はさまざまあり、症状が続くと日常生活に影響してしまうものです。 そこで本記事では「膝から下が痛い・重い・だるい」ときに考えられる4つの疾患と原因を医師が解説します。多くの症例実績がある「リペアセルクリニック」だからこそお伝えできる、膝から下が痛いときに取るべき行動もお伝えします。 最後まで読めば、今抱えている不安が少しは軽くなり、どこに相談すべきか迷わずに正しく判断できます。 膝から下が痛いときに考えられる4つの疾患と原因 膝から下が痛いときに考えられる疾患と原因は、以下の4つが挙げられます。 閉塞性動脈硬化症 深部静脈血栓症 脊柱管狭窄症 下肢静脈瘤 普段聞きなれない言葉が並んでおり、不安になる方もいるかもしれません。これらの各疾患について、症状や原因を記しながら、できるだけ簡単に説明してまいります。 なお、膝の内側・外側のように痛む場所から考えられる疾患もあるので、ある程度「痛みの場所が特定」できている方は、以下の記事もご覧ください。 ①閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう) 閉塞性動脈硬化症とは、以下のように足の血管の動脈硬化が進んでしまい、血液が流れづらくなったり、つまったりする病気です。 足の血流が悪くなるので、歩くときに足の痛みや痺れ、冷たさを感じることがあります。進行すると、安静にしていても同様の症状が出てきますので、注意が必要です。 「動脈硬化」は全身に起こりやすいものなので、足だけでなく手にも同様の症状が出てくる可能性もあります。安静時の足の痛みや足の潰瘍、壊死はだいぶ進行している状態です。下表に閉塞性動脈硬化症の症状や原因をまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。 閉塞性動脈硬化症の症状 足の痺れや冷感(しびれ・冷える) 歩行の時の足の痛み 間欠性跛行(しばらく歩行していると、足の痛みが強くなり歩行困難となる症状) 安静時の足の痛み 足の潰瘍・壊死 閉塞性動脈硬化症の原因 肥満 高血圧 喫煙 糖尿病 このように、動脈硬化の主な原因として生活習慣の乱れによるものが大きいことがわかります。 治療には早めの対処が必要となりますので「足の痺れ」「痛み」「冷たい感覚」などの症状を感じたら医療機関を受診し、早めにご相談されることをお勧めします。 ②深部静脈血栓症(しんぶじょうみゃくけっせんしょう) 深部静脈血栓症とは、以下のように足の奥深くに通る静脈血管のなかに、血の塊(血栓)ができてしまう病気です。 この血栓が心臓や肺に流され詰まってしまうと、心筋梗塞や肺塞栓症などの命に関わる重大な疾患を引き起こす危険性があります。 特に足の整形外科の手術後や長時間のフライトなどで多くみられ、別名「エコノミークラス症候群」と呼ばれることもあります。下表に深部静脈血栓症の症状や原因をまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。 深部静脈血栓症の症状 片足が大きく腫れ上がる 赤黒く変色する ジンジンとした痛みが伴う 肺塞栓症へ移行した場合、呼吸が荒くなり、胸が痛くなる 深部静脈血栓症の原因 手術や怪我による静脈血管の損傷 長期の臥床(寝たきり)など、足を動かしていない期間が長い 喫煙 脱水 その他血流の低下が起こりうる場合 手術やケガによって「血液が固まりやすい・静脈内血液の流れが悪い・静脈が傷ついている」という3つの状態が満たされる場合に深部静脈血栓症が起こりやすくなります。 このように、不動に伴う血液循環が滞りやすい期間が長くなってしまった場合によく起こります。 放置しておくと、重篤な肺塞栓症へと進行してしまう可能性もあるため、おかしいと思ったらただちに専門の医療機関へ行きましょう。 ③脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう) 脊柱管狭窄症とは、脊髄や抹消神経が通るトンネル(脊柱管)が何らかの影響を受けて狭くなってしまい、発症する疾患です。 中高年で腰痛を伴う代表的なもので、長時間歩くことができなくなる間欠性跛行(かんけつせいはこう)がみられます。 脊柱管狭窄症で悩む中高年の患者さんは数多くいます。それゆえ、見過ごされやすいのも事実です。脊柱管狭窄症を見過ごさないためにも、下表を参考に当てはまる症状がないかチェックしてみてください。 脊柱管狭窄症の症状 お尻から足にかけて痛みや痺れがある 長く歩いたり、立ったままになるのが辛い 足に力が入りにくい 体を反らす動きがしづらい 体を前屈みにすることで症状が楽になる 尿漏れなどの排尿・排便障害がある 脊柱管狭窄症の原因 加齢による背骨の変形や、ヘルニア 先天的なもの 猫背などの偏った姿勢 反り腰 仕事などで腰に負担のかかる動作の繰り返し ひどいものでは「足に力が入らない」「オムツが必要となる排尿障害」が起こるなど、日常生活に大きく影響してくる場合もあります。 気になる症状が出たら、できるだけ早く専門医に受診しましょう。 ④下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう) 下肢静脈瘤とは、足の血管(静脈)に異常が起こる病気です。血管がコブ(瘤)のように膨れ上がり、以下のように体表からはボコボコしたように見えます。 静脈の中には、血液の逆流を防ぐための弁がついており、ふくらはぎの筋肉などの力で下から上に血液を戻してくれます。 しかし、その弁が壊れて正常に働かない場合は、血液が滞ってしまい、下の方に溜まってしまうのです。その血液が溜まった状態を下肢静脈瘤と言います。 下肢静脈瘤の症状や原因は、さまざまあります。見た目的にも分かりやすいため、自分で気づきやすい病気です。下表に下肢静脈瘤の症状や原因をまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。 下肢静脈瘤の症状 ふくらはぎのだるさ、重さ 湿疹や皮膚の変症、皮膚炎 足がむくむ 足がつる(こむら返り) 血管が目立つ(ボコボコなる) 下肢静脈瘤の原因 加齢による筋肉や血管機能の低下 立ち仕事 妊娠や出産 遺伝的な要素 激しいスポーツ このように下肢静脈瘤は加齢による血管のしなやかさがなくなったり、立ちっぱなしの仕事を続けたりなど、誰にでも起こりうる病気です。上記の症状に当てはまる場合は、医療機関に相談しましょう。 膝から下が痛いときは何科を受診すべきか【疾患別に解説】 「膝から下が痛い」と感じた時に、考えうる疾患について4例説明しました。一見、全く違う病気のようにみえますが、似ている症状も数多くあります。そのため、疾患の見分け方は専門医でなければ難しいことが多々あります。 そこで、以下に疾患ごとのおすすめ受診科目を挙げています。早めの対処が必要な疾患もありますので、気になる症状がみられましたら、下記を参考に専門医へご相談ください。 症状 受診科目 下肢静脈瘤 血管外科※ 心臓血管外科 皮膚科 形成外科 循環器内科 閉塞性動脈硬化症 血管外科※ 循環器内科 深部静脈血栓症 血管外科※ 循環器内科 整形外科 脊柱管狭窄症 整形外科 ※血管外科は、日本にあまり多くないのが実情です。 お近くに「血管外科」が無い場合は、「循環器内科」や「皮膚科」、「整形外科」などの他の診療科も視野に入れて、早めにご相談されることをおすすめします。 まとめ|膝から下が痛いと重大な疾患も考えられるので早めに受診を! 今回は、膝の病気で「膝から下が痛い・重い・だるい」という症状で、考えられる疾患についてお話しました。 本記事で挙げた疾患の中には命に関わる重大な疾患も含まれている為、気になる症状がありましたらできるだけ早めに専門医へ相談してください。 難しい言葉が並び、読むのも嫌になるかもしれませんが、これらの疾患は誰にでも起こりうるものです。例えば「深部静脈血栓症」から「肺塞栓症」へ移行してしまうと、一刻も争う状態になります。 「あの時、もっと早く相談しておけば良かった……」そんな声が1人でも少なくなるよう、本記事を読んでいただけると幸いです。 当院「リペアセルクリニック」では、膝の痛みなどに関する再生医療や幹細胞治療をおこなっています。万が一、重い症状だとしても再生医療を実施すれば、身体に負担のかかる手術をしなくてもよくなる可能性があります。 膝の痛みで少しでも気になる症状がありましたら、当院へご相談ください。 膝から下が痛いのよくある質問 Q.膝がズキズキ痛む原因はなんですか? A.膝がズキズキ痛む原因として、以下が挙げられます。 靭帯損傷 変形性膝関節症 半月板損傷 鵞足炎 膝の使いすぎ(オーバーユース) このほかにも膝がズキズキ痛む原因は考えられます。「膝が痛むときは何科を受診すべきか」でもお伝えした通り、膝の痛み一つとっても似ている症状は数多くあるため、適切な診断をするためにも専門医に相談しましょう。 膝の痛みに関するお悩みがあれば、放置せず当院にお気軽にご相談ください。 Q.膝が痛くて夜寝れない原因と対処法はありますか? A.膝が痛くて寝れない場合の原因は様々ありますが、「変形性膝関節症」の可能性が考えられます。主な原因としては、加齢や膝への負担により軟骨が摩耗するためです。 進行すると痛みで膝を伸ばせず寝ていても痛みを感じるケースも珍しくありません。少しでも痛みを軽減する対処法としては、以下が挙げられます。 腓腹筋のストレッチ ハムストリングのストレッチ 寝るときの姿勢は仰向け これらの具体的な方法については、以下の記事をご覧ください。 なお、膝が痛くて夜に寝れない場合、他の疾患の可能性も考えられるので、早めに医療機関に相談しましょう。
2022.11.14 -
- ひざ関節
- 膝に赤みや腫れ
- 変形性膝関節症
「膝の上や太ももの裏に筋肉痛のような痛みを感じる」 「特に筋肉痛になるような運動をした覚えはない」 「なぜこのように痛むのか、不安を感じる」 このような症状で悩んでいる方は多いでしょう。 今回は、膝の上に痛みが出る原因や対処法について詳しく解説します。 膝の上や太ももの裏に筋肉痛のような痛みを感じる原因とは? 膝の上や太ももの裏に筋肉痛に似た痛みを感じるなら、その原因は、以下の組織のどちらかにある可能性が高いです。 筋肉の問題 筋肉以外の組織の問題 以下で詳しく解説するので、参考にしてください。 「太もも」に問題がある場合 まず太ももに問題がある場合に関して解説します。 「太もも」には、以下のように3つの筋肉が存在します。 大腿四頭筋(だいたいしとうきん) ハムストリングス 内転筋 これらの筋肉をスポーツや日常生活で動かしすぎた場合、一般的な筋肉痛が生じます。 もしくは肉離れになると筋肉痛に近い痛みが生じます。 また、筋力の低下により疲労が蓄積したり、力が入りすぎたりして痛みを感じることもあるでしょう。 「太もも」の痛みで考えられる病気 膝の上が痛む原因は筋肉の問題に限りません。 関係する関節や組織に問題が発生している可能性もあるでしょう。 まず、膝上周辺には膝のお皿である膝蓋骨(しつがいこつ)があります。 そして太ももの骨である大腿骨(だいたいこつ)と、すねの骨である脛骨(けいこつ)が、股関節を作っています。 さらにその周りには、膝の曲げ伸ばしをスムーズにする、膝蓋前滑液包や膝蓋上のうなどの組織があります。 これらが原因で、痛みが生じているかもしれません。 この場合には次のような病気が潜んでいる可能性があります。 膝蓋上のう炎 膝蓋前滑液包炎 膝蓋大腿関節症 変形性膝関節症 膝の上が痛む場合、筋肉以外のさまざまな組織の炎症や変形が原因かもしれません。 筋肉と関連の組織どちらに問題があるか、ご自身で判断するのは非常に難しいです。 痛みがある場合は、無理せず早めに病院を受診し、各種検査を受けるのが重要です。 オンラインで相談する 「膝の上や太ももの裏」が痛む場合の対策は? 膝の上や太ももの裏の痛みは、原因に応じて対策をすることが大切です。 筋肉の痛みだと自己判断して、むやみにほぐすようなことをしては逆効果になって痛みを悪化させる可能性もあります。 以下に原因別に考えられる対策を紹介します。 1)筋肉が原因の場合の対策 筋肉痛や筋肉の損傷が起こっている場合は、無理にほぐしたりストレッチをしたりするとかえって痛みを悪化させる可能性があります。 そのため痛みがある場合は病院で医師の診察を受けましょう。 痛みがおさまったり、病院での治療が終了した後、損傷や動かさなかったことの影響で筋肉が硬くなります。 そのまま放置すると怪我の再発の原因となるので、筋肉をしっかりほぐすことが必要になります。 また、筋力低下が痛みの原因となる場合もあるので、膝周辺の筋力を日頃から鍛えておくことが大切。 ストレッチやトレーニングの具体的な方法は後ほど解説します。 2)筋肉が原因ではない場合の対策 組織の炎症による痛みが起こっている場合は、無理な運動は避けて炎症がおさまるまで安静にする必要があります。 また、内服薬や注射により炎症の軽減をはかる痛み方法も有効でしょう。 滑液包には炎症により組織から漏れでた水がたまりやすく、注射を使用して水を抜くことで痛みや動きの改善をはかります。 関節の変形がある場合は、膝の負担を軽減するために日常生活で次のような工夫が必要です。 膝の負担を軽減する方法(一例) 正座をしない 階段を避ける 体重を増やさない、減量する 痛みが軽減したら、ストレッチや筋力トレーニングを行い、再発を防ぐとともに膝への負担を軽減しましょう。 膝の上や太ももの裏のストレッチとトレーニング方法 次に、太ももの前面、後面にある大腿四頭筋とハムストリングスのストレッチを紹介します。 また、膝の変形予防に重要な大腿四頭筋のトレーニング方法も解説します。 適切なストレッチとトレーニングを継続すれば、突然の痛みに見舞われるケースは減るでしょう。 ただし運動は数日で効果が現れるものではありません。 痛みがない状態で無理なく継続することで、徐々に筋肉の柔軟性や筋力が向上します。 少しずつでも構わないので無理なく続けるようにしましょう。 オンラインで相談する 大腿四頭筋のストレッチ 大腿四頭筋のストレッチ方法の流れをご説明します。 1 バランスを崩さないように壁など支えにして立ちます。 2 片方の足の膝を曲げて足首を持って後ろに引きます。 3 太ももの前が伸びるのを感じながら15秒〜30秒キープします。 大腿四頭筋、つまり膝の上が伸びているのを、しっかりと感じるのがポイントです。 転倒しないように注意しましょう。 コツを掴めば、寝転びながらでも、大腿四頭筋を上手に伸ばせるようになります。 大腿四頭筋のトレーニング 大腿四頭筋の痛みを予防するには、ある程度トレーニングで鍛えるのが有効です。 トレーニングといってもさほど激しい運動ではありません。以下のような簡単な運動を、習慣づけてみましょう。 1 仰向けになって両膝を曲げます。 2 片足の膝をまっすぐ伸ばした状態で床から10cmほど離すように足を上げます。 3 そのまま10秒キープした後ゆっくり下ろします。 4 これを10回繰り返します。 余裕があれば、少しずつ回数を増やしてみましょう。 ただし無理をすると、トレーニング自体が負傷の原因になるので、ほどほどに行いましょう。 ハムストリングのストレッチ ハムストリングスのストレッチのやり方は以下の通りです。 1 両膝を伸ばして座ります。 2 つま先を触るように体を倒します。 3 太ももの裏が伸びるのを感じながら15秒〜30秒キープします。 いわゆる「長座体前屈」にあたるストレッチです。 慣れないうちは、イラストのように、手が足に届かないかもしれません。 届かなくても、太ももの裏が伸びる感覚があるので、きちんと効果が出ていますので安心してください。 まとめ|膝の上や太ももの裏が痛む場合の対策と考えられる病気 膝上の痛みがある場合、筋肉とは別の原因が潜んでいることもあります。 そのため、自己判断でほぐすことは症状悪化のリスクがあります。 早めに適切な医療機関を受診し、診断を受ければ、症状に合った治療を受けることができますので、我慢せずに受診しましょう。 また、日頃から膝周辺の筋肉をほぐしたり、鍛えたりすることは怪我の予防につながります。 痛みがない場合は、紹介した方法を参考にして、運動を習慣にしましょう。 また、症状の改善や予防のためのストレッチや運動は継続して取り組むことが大切です。 短期間だけでは効果を実感できません。 焦ることなく、できることから毎日取り組みましょう。 以上、ご参考になれば幸いです。 オンラインで相談する
2022.11.12 -
- 脳卒中
- 頭部
- くも膜下出血
くも膜下出血は脳疾患のなかでも症状が重いことで知られています。 発症時の一年死亡率は65%以上とも言われています。 後遺症や再発のリスクもあり、十分な警戒が必要な疾患と言えるでしょう。 本記事ではくも膜下出血の症状や合併症、治療法や再発予防法などを解説します。 くも膜下出血の概要・症状・治療法 くも膜下出血とは、脳と周囲の膜との間の空間(くも膜下腔)で出血が起こる疾患です。 くも膜下で出血があると、脳に対して十分な血液が供給されません。虚血状態になり、心身にさまざまな症状が現れます。 ほとんどの出血は、生活習慣の乱れによって形成される「脳動脈瘤」の破裂に原因があると言われます。 直接の原因である脳動脈瘤が発生する理由は正確にはわかっていません。 ただ、次の特定の危険因子が関与していると見られます。 発症の危険 喫煙 過度のアルコール摂取 頭部外傷 喫煙やアルコール摂取は動脈硬化のリスクを高め、脳動脈瘤の発生や破裂を引き起こします。 また事故などによる外傷によっても、くも膜下出血は起こりえます。 くも膜下出血を発症した場合の予後は良くありません。一度発症した場合の一年死亡率は約65%と高く、生存した場合でも後遺症や再発リスクが生じます。 くも膜下出血の前兆には突如の強い頭痛や吐き気などがあり、これで発症に気づくケースが大半です。 発症は、激しい咳や運動、性行為など身体的負担が大きい生理反応や活動があった際に起こるケースが多いです。 くも膜下出血の初期症状 くも膜下出血では、以下の初期症状が突発的に起こります。 くも膜下出血の症状例 これまで経験したことない強さの、突発的な頭痛 極度の疲労感や気分不良 吐き気、嘔吐 光に対する過敏(羞明) かすみ目、複視、眼瞼下垂 脳梗塞のような症状(ろれつが回らない、体の片側の麻痺など) 意識消失 全身の痙攣 最初に強い頭痛を感じるケースが多いでしょう。 痛みの程度は「雷に打たれたかのよう」と表現されるほど激しいものです。 しかし頭痛は時間経過により緩和する傾向にあり、「治ったので問題がない」と判断して、前兆を見逃すケースが少なくありません。 また、くも膜下出血があったあとの数か月間は、極度の疲労を感じるケースがあります。 たとえば、普段の通勤通学や買い物に対して従来よりも明らかに強い疲労感が生じます。 不眠症や睡眠不足、手足の痺れや感覚の喪失を訴えるケースも少なくありません。 しかし、これらの初期症状は数か月かけて徐々に改善するため、頭痛が発生した際と同様、「治ったので問題がない」と誤解されることがあります。 基本的な治療法 くも膜下出血が疑われる場合、病院でCT検査をおこない、脳の周囲に出血の兆候がないか確認します。 発症が認められた際には「動脈瘤クリッピング術」と「脳動脈瘤コイル塞栓」などの治療法が用いられます。 動脈瘤クリッピング術は、頭部を切開し、頭蓋骨に穴を開けて、脳動脈瘤を取り除くもの。 脳動脈瘤コイル塞栓は、すでにある脳動脈瘤の破裂を塞ぐ目的でおこなわれます。 脳動脈瘤コイル塞栓では頭部を切開しません。鼠蹊部(足の付け根)から特殊なカテーテルを挿入し、脳動脈瘤内にコイル(プラチナ製の小さな機器)を送り込みます。 コイルにより、脳動脈瘤への血液の流入を遮断し、破裂が予防されるしくみ。 その他対症療法として、降圧薬や鎮痛薬などの投与もなされます。 また近年では、再生医療による治療法も注目されています。再生医療とは、自己脂肪由来幹細胞やPRP療法などを用いた新しい医術。 くも膜下出血に対しては、失われた脳機能の回復や、脳内血管の再生などによる再発予防などの効果が期待されます。 くも膜下出血の合併症 くも膜下出血は、治療を行う際に以下のような短期的および長期的な合併症を引き起こす可能性があります。 くも膜下出血の合併症 水頭症 出血 深刻な合併症には、動脈瘤の再出血や、脳への血液供給の減少によって引き起こされる脳の損傷によるさまざまな機能低下があるため、合併症を起こさない治療が大切です。 治療後のリハビリ計画 くも膜下出血から回復するのにかかる時間は、その重症度によって異なります。 とくに出血の部位は、手足の感覚の喪失や言語理解の問題(失語症)などの後遺症にも関連します。 そこで、治療後は急性期〜回復期にかけて理学療法士の下で実施されるリハビリ計画は、影響を受けた手足の感覚と動きを回復するのに役立ちます。 くも膜下出血の後遺症にはどのようなものがある? くも膜下出血は、適切な治療を早期に受けても後遺症が出る場合があります。 一般的に多くみられる後遺症 くも膜下出血は治療後の回復も、時間がかかるものであり、次のような後遺症が発生するのが一般的です。 くも膜下出血の後遺症 1.運動麻痺 右か左の手足が動かしづらくなる 2.感覚障害 痺れや脱力感 3.嚥下障害 物が飲み込みづらい 4.視野障害 半分の空間がうまく認識できない 5.高次脳機能障害 言葉がうまく話せない、理解がうまくできないなどの失語症、注意・集中ができない 6.認知や行動の障害 物事をうまく実行できない、最近の出来事を直ぐ忘れてしまう その他にみられる後遺症 そのほかにも次のような後遺症が現れることもあります。 くも膜下出血、後遺症 歩行不安定、尿便失禁 てんかん繰り返す発作 記憶などの認知機能障害 うつ病などの気分の変化 特に、認知機能障害はくも膜下出血の一般的な後遺症であり、ほとんどの人がある程度影響を受けます。 記憶の問題に関しては、発症前の記憶は通常影響を受けませんが、新しい情報や事実を思い出すのが難しくなります。 気分や思考にみられる後遺症 また、以下のような気分や思考の問題も現れます。 1.うつ病 気分が落ち込み、希望がなく、人生を楽しむことができない 2.不安障害 何か恐ろしいことが起こるのではないかという絶え間ない不安と恐怖感 3. 心的外傷後ストレス障害 (PTSD) 人は悪夢やフラッシュバックを通じて以前の外傷的出来事を追体験することが多く、孤立感、過敏性、罪悪感を経験することがある。 このような後遺症は、長期化するケースも稀ではなく、治療後のリハビリなどが重要になります。 くも膜下出血の再発リスクを減らす予防法 くも膜下出血を発症したあとも、再発の可能性が残ります。 再発した場合にも高い死亡リスクが残るため、予防は重要です。 予防法として以下が考えられるでしょう。 喫煙や飲酒を控える 定期的な運動に取り組む 健康的な食事を心がける 喫煙や飲酒を制限する まず、喫煙や飲酒を制限するのが重要です。 喫煙はくも膜下出血の主な原因になる脳動脈瘤を発生させる要因です。 したがって再発を防止する上では禁煙するのが基本となるでしょう。 飲酒は高血圧の原因になります。血圧が上昇すると膜下出血の主な要因である脳動脈瘤の破裂が起こりやすくなるため、飲酒は大きなリスクとなるでしょう。 上記の理由から喫煙や飲酒は控える、可能なら禁煙禁酒するのが望ましいです。 定期的な運動に取り組む 定期的な運動は、以下の効果をもたらすことから必要です。 血行不良の促進 高血圧の予防 ストレスの原因 血行不良や高血圧、ストレスは、すべてくも膜下出血の再発の原因です。 一方で定期的な運動の実施により、これらの影響をある程度解消できるでしょう。 とくにランニングやウォーキングなどの有酸素運動などが効果的です。 再発防止には、これらの運動を日常に取り入れるのが重要です。 健康的な食事を心がける 以下の健康的な食事は、くも膜下出血の再発防止に有効です。 緑黄色野菜や果物 青魚(イワシ、サバなど) ナッツ類 大豆製品 オリーブオイル、菜種油(トランス脂肪酸が含まれていないため) 塩分が少ない食事 栄養バランスが偏ると、くも膜下出血の原因になる高血圧や血行不良につながります。 一方で上記の食物や食事には、血圧を下げ、血行を促進する効果があると言われています。 再発防止には、不健康なものを遠ざけ、健康的な食事を摂るのが重要になるでしょう。 くも膜下出血によくあるQ&A 最後にくも膜下出血に関するよくある質問をまとめました。 後遺症がどのくらいで治るのか、仕事復帰の目安などを解説します。 Q.くも膜下出血に特徴的な前兆はありますか? A.くも膜下出血に特徴的な前兆としては、血圧の乱高下があります。 激しく上昇、下降する場合は可能性が高いです。 また脳梗塞などと同じように頭痛や吐き気などの前兆が現れることもあります。 Q.後遺症を残さずに仕事復帰はできますか? A.くも膜下出血で後遺症なく仕事復帰できるのは、3~4割程度といわれています。 完全に後遺症を残さないためにはリハビリが大切になります。 Q.くも膜下出血の後遺症で性格が変わりますか? A.くも膜下出血が原因で高次脳機能障害を患った場合、性格が変わるかもしれません。 高次脳機能障害は、脳に対するダメージが原因で、脳機能に影響が出る障害です。 とくに「意欲や情動のコントロールが困難になる」症状があり、これが現れると行動や言動に変化が生じます。 結果として「性格が変わった」と表される状態になるかもしれません。 まとめ:くも膜下出血を予防するには早期受診が重要! いかがでしたでしょうか? くも膜下出血は、突然起こると思われがちですが、血圧の変動や頭痛など特徴的な前兆があるため、少しでも不調があれば病院を受診するのが大切です。 くも膜下出血は、突然におこる激しい頭痛が特徴的です。後遺症が出ることもあります。 そのため、適切な治療や、リハビリのプランが重要です。 喫煙や、高血圧といった危険因子を管理し、健康的な生活習慣を心がけることが再発を予防するポイントです。 また、後遺症の程度によっては、仕事復帰に時間がかかる場合もありますが、治療後のリハビリは再発リスクを低減させて、回復を早めるためにも大切ですので医療機関の指導の下、前向きお取組みされることをお勧めします。 いずれにしましても、くも膜下出血で後遺症を残さないためには早期治療、そしてリハビリが大切です。 今回の記事を参考にして症状や、後遺症などに関して少しでも参考になれば幸いです。
2022.11.10 -
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この記事を読んでいる方の中には、「自分は脳梗塞のリスクが高いのではないか」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。 実は、脳梗塞は誰にでも起こる可能性がある病気です。特に、高血圧や糖尿病がある方、喫煙習慣のある方、不整脈のある方は要注意です。 しかし、適切な予防策を取ることで、脳梗塞のリスクは下げられる可能性があります。本記事では、脳梗塞になりやすい人の特徴や、脳梗塞のリスクを下げる方法などを詳しく説明します。この記事を読むことで、適切な予防策が取れるようになり、健康に関するリスクを軽減できるでしょう。 脳梗塞になりやすい人の特徴6選 脳梗塞とは、脳の血管が詰まって血流が低下して、脳に障害が起こる病気です。 高齢者が寝たきりになる原因の多くを占め、初期段階での早期治療や発症予防が非常に重要といわれています。 脳梗塞になりやすい人の特徴は、以下のとおりです。 高血圧の人 糖尿病の人 不整脈(心房細動)がある人 脂質異常症の人 生活習慣の乱れやストレスがある人 妊婦や経口避妊薬の服用をしている人【女性】 本章の内容をもとに、自分が脳梗塞になりやすいのかを考えてみましょう。 高血圧の人 脳梗塞の原因疾患でもっとも多いものは、「高血圧」です。(文献1) 一般的には病院や健診施設などで測定した血圧が、最高血圧(収縮期血圧)140mmHg以上、あるいは最低血圧(拡張期血圧)90mmHg以上であれば、「高血圧症」と診断されます。(家庭内血圧 135/85mmHg以上) 脳梗塞を防ぐためにどの程度血圧を下げるかは、年齢や持病の状況によって異なります。 具体的な目標値は、以下のとおりです。 降圧目標 該当者 130/80mmHg未満 75歳未満 冠動脈疾患 CKD(たんぱく尿陽性) 糖尿病 抗血栓薬服用中 140/90mmHg未満 75歳以上 両側頸動脈狭窄や主幹動脈閉塞 CKD(たんぱく尿陰性) 糖尿病や重度の腎機能障害の人は脳梗塞になりやすいため、血圧の目標値がより厳しく定められています。 糖尿病の人 近年、糖尿病の増加に伴って「アテローム血栓性脳梗塞」の発症数が増えています。 血糖値が高い状態が続くと、血液中に多量に存在する糖分が血管の壁を傷つけ、動脈硬化が悪化します。 その結果、脳梗塞や心筋梗塞などの病気の発症リスクが高くなるのです。(文献2) 不整脈(心房細動)がある人 「心房細動」と呼ばれる不整脈がある場合、心房内に血栓ができるリスクが高まります。できた血栓が血流に乗って全身へ飛ぶ恐れがあり、飛んだ血栓が脳で詰まると「脳梗塞」になるためです。 この心臓由来の血栓による脳梗塞を、「心原性脳塞栓症」と呼びます。心原性脳塞栓症は、ほかの脳梗塞よりも大きな血管が詰まるため、命に関わるケースもあります。 脂質異常症の人 脂質異常症の人は、血液中のコレステロールが高い状態です。そのため、血管を詰まらせる「血栓」ができやすく、脳梗塞になるリスクも高いため注意が必要です。 脂質異常症から脳梗塞にいたる流れを、以下に紹介します。 血管中に脂質(コレステロール)が高い状態が続く 血管の壁に「プラーク」と呼ばれる塊ができ、詰まりやすくなる できたプラークが何かをきっかけに壊れる 破れた部分を修復するために「血小板」という血液を固める物質が集まり、血栓ができる 血栓が脳の血管に詰まり、脳梗塞が起こる 脂質異常症そのものには自覚症状が無いケースが多いため、治療の必要性を感じない人もいます。しかし、放置すると結果的に脳梗塞をはじめとする大きな病気につながるのです。 生活習慣の乱れやストレスがある人 以下のような生活習慣の乱れは、脳梗塞のリスクを上昇させます。(文献3) 喫煙 肥満 運動不足 食生活の乱れ お酒の飲みすぎ 塩分の取りすぎ ストレスの多い生活 複数の要因が重なると、より脳梗塞の発症リスクは高まります。 妊婦や経口避妊薬の服用をしている人【女性】 妊娠中の人や女性ホルモン剤を服用している一部の人は、血栓ができやすくなることがあります。 とくに、45歳未満で前兆のある片頭痛がある人は経口避妊薬の服用によって脳梗塞のリスクが上昇するという報告があります。(文献1) そのため、前兆のある片頭痛を持病に持つ女性は、経口避妊薬を飲むことはできません。 また、女性は、血管や骨の健康を保つ女性ホルモン「エストロゲン」が閉経により減少すると、脳梗塞になりやすくなるともいわれています。 当院「リペアセルクリニック」では、脳梗塞後の後遺症軽減や再発予防に、再生医療(幹細胞治療)をおこなっています。ご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」で受け付けています。どうぞ気軽にお問い合わせください。 また、脳梗塞の前兆については、以下の記事で詳しく説明しています。あわせてご覧いただければ幸いです。 \まずは当院にお問い合わせください/ 脳梗塞の発症を予防する3つの対策 脳梗塞の発症を予防する対策は、以下の3つです。 生活習慣病を治療して動脈硬化を防ぐ 生活習慣をととのえる 不整脈を治療する 本章の内容を参考に、脳梗塞のリスクを軽減させましょう。 1.生活習慣病を治療して動脈硬化を防ぐ 生活習慣病である「高血圧」「糖尿病」「脂質異常症」の治療は、脳梗塞の発症リスクを低下させます。取り入れやすい対策法を順番に説明します。 高血圧 高血圧を治療すれば血圧が下がり、血管への負担が軽減します。その結果、脳梗塞リスクの減少が期待できます。生活上の注意を守りながら、処方された薬を正しく服用しましょう。 高血圧の治療に使われる薬の例は、以下のとおりです。(文献1) カルシウム拮抗薬 利尿薬 アンギオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬 アンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB) また、血圧を下げるためには「規則正しい食生活」「適度な運動」などの生活習慣の改善が重要です。できることから少しずつ心がけましょう。 糖尿病 糖尿病のコントロールが悪いと脳梗塞の原因となる「動脈硬化」になりやすくなります。そのため、糖尿病の治療も、脳梗塞の予防に効果があります。。 糖尿病治療の基本は「食事療法」「運動療法」「薬物療法」の3つです。具体的な指導内容は、糖尿病の状態や残された腎臓の機能などによって異なるため、医師の指示に従いましょう。(文献4) 脂質異常症 脳梗塞のリスクを下げるには、血中のLDLコレステロール値を適正に保つことも大切です。 LDLコレステロールは、脳梗塞のなかでも「アテローム血栓性脳梗塞」のリスクに関わるといわれています。 脂質異常症の治療は、生活習慣の改善に加えて以下の薬がよく使われます。 スタチン系 エゼチミブ スタチン系の薬で十分な効果が得られない場合、エゼチミブと併用するケースもあります。(文献1) 2.生活習慣をととのえる 生活習慣の乱れは高血圧、糖尿病、脂質異常症など多くの生活習慣病の発症・悪化に関わります。 取り入れたい生活習慣は、以下のとおりです。(文献5)(文献6) 肥満を解消する 適度な運動をする 十分な睡眠をとる 脂質や塩分を控える たばこをやめる(禁煙) お酒の飲みすぎは避ける 魚を積極的に取り入れる また、脱水も脳梗塞のリスクを上げるため、運動や入浴、サウナなど、汗を多くかいた後は水分をこまめにとることも心がけたいポイントです。 できることから少しずつ始めてみましょう。 脳梗塞の予防につながる生活習慣は、以下の記事でも詳しく説明しています。 3.不整脈を治療する 不整脈のうち「心房細動」があると、毎年約5%の方に脳梗塞が発症すると指摘されています。 日常生活で動悸・息切れなどの自覚症状が出現した際は、心臓専門の医療機関で詳しく調べてもらいましょう。 \まずは当院にお問い合わせください/ 脳梗塞の再発を予防する方法 最近、脳ドックを受診する方が増えて「無症候性脳梗塞(隠れ脳梗塞)」が見つかるケースが増えています。この隠れ脳梗塞が発見されたのち、数年以内に3割の人が再び脳梗塞の発作を起こすともいわれています。 「脳梗塞は再発する危険性がある」と考えておきましょう。 脳梗塞を発症した方は、血栓ができないように再発を予防する薬を飲む必要があります。起きた脳梗塞の種類と、代表的な再発予防薬は以下のとおりです。 起きた脳梗塞の種類 代表的な再発予防薬 「ラクナ梗塞」や「アテローム血栓症」 抗血小板薬(少量のアスピリン、シロスタゾールなど) 心臓が原因で起こる「脳塞栓」 抗凝固薬(ワーファリン、リバーロキサバンなど) 再発防止で大切なのは、症状が悪化していない・調子が良いなどの場合も、自己判断で薬をやめないことです。基本的には脳梗塞の再発予防薬は、継続する必要があります。 また、再発防止薬を飲んでいる人は、出血しやすい状態です。あざが治らない、鼻血が止まらない、便に血が混じるなどの場合はすぐに受診してください。 また、薬の効果に影響するため、ワーファリンを服用している人は納豆や青汁などを食べてはいけません。 薬の継続についてや副作用に関する不安がある場合は、当院「リペアセルクリニック」でも相談を受け付けております。「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」で気軽にご連絡ください。 脳梗塞を含む脳卒中の再発予防については、以下の記事で詳しく紹介しています。ぜひご覧ください。 まとめ|脳梗塞になりやすい基礎疾患は早めに治療しよう 脳梗塞になりやすい人は、高血圧や糖尿病、脂質異常症など、動脈硬化になりやすい要素があります。脳梗塞の発症や再発を予防するために、高血圧や糖尿病を罹患している場合には疾病の治療を行い、日頃の生活習慣を見直してみましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、脳梗塞後の治療として再生医療(幹細胞)をおこなっています。再生医療は、脳梗塞によってダメージを受けた脳細胞の修復や麻痺の改善、リハビリ効果の向上などに効果が期待できます。 再生医療へのご質問・ご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」で受け付けております。気になる点がありましたら、どうぞ気軽にご相談ください。 \まずは当院にお問い合わせください/ 脳梗塞になりやすい人に関するよくあるQ&A 脳梗塞になりやすい性格は? ストレスをためやすい人は、脳梗塞のリスクを高める以下の病気が悪化しやすく、脳梗塞になりやすい可能性があります。(文献7)(文献8) 高血圧 糖尿病 また、「脳梗塞の発症には、労働時間や労働によるストレスが関与している可能性がある」という研究報告もあります。適度な運動や休息をとり、ストレスをやわらげるようにしてみてください。(文献3) ストレスは若年性脳梗塞の原因になりますか? 若年性脳梗塞とは、50歳以下の若い人に起こる脳梗塞です。通常の脳梗塞と同様に、動脈硬化がひとつのリスクといわれています。 そのため、動脈硬化を悪化させるストレスは、若年性脳梗塞のリスクを上昇させる可能性が考えられるでしょう。 当院「リペアセルクリニック」では、若年性脳梗塞後の治療にも再生医療(幹細胞治療)をおこなっています。気になる症状がある方は「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」まで気軽にご連絡ください。 若年性脳梗塞については、以下の記事で詳しく説明しています。 脳梗塞になりやすい食べ物はありますか? 以下の食品を摂りすぎると、脳梗塞になりやすくなる可能性があります。 食品 理由 動物性脂肪・トランス脂肪酸が含まれる食品 コレステロールを増やしたり血行を悪くしたりするから 加工食品 添加物や保存料、トランス脂肪酸を多く含むから 塩蔵品 塩分が多く、動脈硬化や高血圧の原因となるから アルコール 摂りすぎると動脈硬化のリスクが上がるから おつまみとして塩分や脂肪が多い食品が過剰になりやすいから 高GI炭水化物 血糖値を急激に上げたり血管内に炎症をもたらしたりするから 毎日の積み重ねが身体をつくるため、摂りすぎには注意しましょう。 脳梗塞の予防・再発防止に関係する食事については以下の記事で詳しく紹介しています。 脳梗塞の後遺症はどんな症状ですか? 脳梗塞は、約半数の人に後遺症が出るといわれています。どのような後遺症が出るかは、ダメージを受けた部位によって異なります。 ダメージを受けた脳の部位 後遺症の例 前頭葉 人格や性格が変化する 頭頂葉 体が動かなくなる(麻痺) 後頭葉 視野の半分が欠ける 側頭葉 学習、記憶障害が起こる どの後遺症の場合も、継続的なリハビリが大切となります。 脳梗塞の治療や後遺症については、以下の記事もぜひ参考にしてください。 参考文献 (文献1) 日本脳卒中学会 脳卒中ガイドライン委員会「脳卒中治療ガイドライン 2021〔改訂2023〕」 https://www.jsts.gr.jp/img/guideline2021_kaitei2023.pdf (文献2) 国立国際医療研究センター糖尿病情報センター「糖尿病の慢性合併症について知っておきましょう」 https://dmic.ncgm.go.jp/general/about-dm/060/020/02.html (文献3) 三重大学「ストレス関連疾患の発症に寄与する勤務状況の因子とその影響に関する研究」 https://www.mhlw.go.jp/content/000614929.pdf (文献4) 国立国際医療研究センター糖尿病情報センター「糖尿病の治療ってどんなものがあるの?」 https://dmic.ncgm.go.jp/general/about-dm/040/010/01.html (文献5) 文部科学省「健康啓発教材2021高校生用07」 https://www.mext.go.jp/a_menu/kenko/hoken/20210423-mxt_kouhou02-08111805_4.pdf (文献6) 国立がん研究センター「肥満度と病型別脳梗塞の発症リスクとの関連について」 https://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/8229.html (文献7) 服部朝美,宗像正徳「高血圧とストレス|Jpn J Psychosom Med(60)」 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpm/60/5/60_398/_pdf (文献8) 湧田泰徳「2 型糖尿病の運動療法―ストレスとの関係性について―|専門リハビリ(19)」 https://www.jstage.jst.go.jp/article/senmonreha/19/1/19_13/_pdf/-char/en
2022.11.07 -
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- 膝の慢性障害
- スポーツ外傷
腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)は、有酸素運動に取り組む場合によく見られる炎症です。 とくに習慣的にランニングを楽しむ方の間で頻発することから、ランナー膝とも呼ばれます。 しかし腸脛靭帯炎の症状や治療法、予防法などはあまり知られていません。しかし発症しやすい炎症であるため、事前に知識を知って対処するのが重要です。 本記事では腸脛靭帯炎の症状や治療法、効果的なストレッチやテーピングなどを解説します。 腸脛靭帯炎(ランナー膝)の基礎知識 まず、腸脛靭帯炎がどのような炎症か解説します。 そのあと、発生の原因やメカニズム、診断方法などを解説します。 事前に腸脛靭帯炎に関して理解し、発症した際、冷静に対処できるようにしておきましょう。 「腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)」とは? この病気がどのようなものか説明するには腸脛靭帯に関して知る必要があり、簡単にお伝えします。 腸脛靭帯とは、骨盤の外側に出っ張っている腸骨(ちょうこつ)から、膝下にある脛骨(けいこつ)につながっていて太ももの外側部分に長く伸びるように位置しています。 また、腸脛靭帯は大臀筋と大腿筋膜腸筋(だいたいきんまくちょうきん)という、これまた長くて難しい名前の筋肉とつながることで身体をぐらつかせることなく、さらに身体を安定して保つ大切な役目を担っています。 膝上の太もも部分の外側を押すと、硬いスジ状のものに触れることができますが、これが腸脛靭帯です。 とくに大きな動きに対して大臀筋と呼ばれる大きな筋肉と大腿筋膜張筋とにつながることで、それらの力を脚に伝える役割があります。 腸脛靭帯の働きのおかげで骨盤や膝が安定し、歩くことは勿論、スムーズなランニングを助けてくれます。 そんな腸脛靭帯が炎症を起こした状態が「腸脛靭帯炎」です。 メール相談 オンラインカウンセリング 「腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん:ランナー膝)」とは 腸脛靭帯炎は、別名「ランナー膝」と呼ばれるくらい、「ランニングの愛好家にとって多いケガ」の一つです。ここでは腸脛靭帯炎の症状、原因、診断に関して簡単に説明します。 自分に当てはまる点はないか、チェックしてみましょう。 腸脛靭帯炎の症状 腸脛靭帯炎の初期症状は、運動後に膝の外側に痛みが出ることです。痛みが出る場所は、外側上顆(がいそくじょうか)と言われる膝外側の出っ張り部分です。 痛みは安静にすれば徐々に収まります。 しかし、炎症がひどい場合や、痛みを我慢して無理を続けた場合、歩いたり、膝を曲げ伸ばしをしただけでも痛みが出ることがあります。 久しぶりにランニングやジョギング、ウォーキングを頑張った人によくみられる症状です。 「さぁ、健康のために頑張って走ろう!!」という矢先につまずいてしまうと、やる気も削がれかねません。 腸脛靭帯炎の発生メカニズム 腸脛靭帯炎は、繰り返される『摩擦』によって生じます。 摩擦が起こる場所は、大腿骨の外側上顆という場所です。 そこは骨が隆起しており、膝を曲げ伸ばしすることで腸脛靭帯が外側上顆を乗り越えてしまいます。 とくに膝を軽く曲げた状態(屈曲30°くらい)でちょうど乗り越えるため、ランニングのように、0〜30°くらいの曲げ伸ばしを繰り返すことで摩擦がかかりやすくなってしまいます。 発症の主な原因 腸脛靭帯炎の原因の大半はランニングやサイクリングなどの反復的な運動、もしくは運動に対する筋力不足です。 ただし以下の原因で発症する可能性があります。 O足 扁平足 股関節周囲の筋肉の老化 O足や扁平足などは、股関節の機能低下や骨同士の位置関係を乱します。これが原因で腸脛靭帯炎を発症するケースもあります。 また股関節周囲の老化が原因になるかもしれません。 したがってランナー以外の方でも腸脛靭帯炎が発症しうると言えます。 腸脛靭帯炎の初期対応 原因がランニングなどの運動なら、症状が落ち着くまで休養します。 場合によっては、患部にアイシングや湿布を貼付すれば症状の緩和が得られます。 とくに急性期では患部の安静と炎症を抑えることを最優先させましょう。 また症状がごく軽微な場合をのぞき、医療機関で診察を受けることをおすすめします。 その理由として、腸脛靭帯炎でなく、半月板損傷などの重篤な障害が生じている可能性があるからです。 また医療機関で診察を受ければ、症状の緩和や、周辺にある滑液包での炎症の予防に効果的な、投薬や注射が受けられるでしょう。 メール相談 オンラインカウンセリング 腸脛靭帯炎の診断 腸脛靭帯炎は、問診や触診である程度は鑑別できます。 ただ、炎症の状態や他の疾患と見分けるためにレントゲンやMRI、エコー検査が必要なことがあります。 また、腸脛靭帯炎には、特有のテストがあります。 それが「Grasping Test(グラスピングテスト)」です。 やり方は、難しくありませんので、もしかしたら腸脛靭帯炎かもしれない、と思われた方は、試してみましょう。 【Grasping Testの方法】 ①患者さんの膝を90°ほど曲げる。 ②痛みが出ている場所の少し上を親指で強く押さえる。 ③その状態で膝をゆっくり伸ばしていく。 ④その時に痛みが出るのであれば、腸脛靭帯炎が疑われる。 腸脛靭帯炎にならないためのトレーニング ここまで、股関節機能の低下や骨の位置関係の乱れにより、腸脛靭帯炎を発症しうると解説してきました。 股関節の筋力の低下や足元のぐらつきにより、ランニング時に膝が内外にぐらつくと腸脛靭帯への摩擦が増加してしまいます。 安静期間により症状が落ち着いても、同じような状態だとまた腸脛靭帯炎を繰り返してしまうでしょう。 そのため、ランニングなどのスポーツに復帰するにあたり、腸脛靭帯への負荷を減らすためのトレーニングを推奨しています。 ここでは以下の3つの方法を紹介します。 各トレーニングは、やみくもに動かすのではなく、いずれも体を安定させ、姿勢を意識して行うことがポイントです。 1,股関節の外側の筋肉:大臀筋、中臀筋 上になっているほうの足を持ち上げる→下ろす を繰り返す 2,股関節の内側の筋肉:内転筋 下になっている方の足を持ち上げる→下ろす を繰り返す 3,ふくらはぎの筋肉:下腿三頭筋(ヒラメ筋、腓腹筋) つま先立ち→かかとを降ろす を繰り返す 腸脛靭帯炎(ランナー膝)の治療や予防に役立つストレッチ・セルフケア 腸脛靭帯は、足首や他の膝の靭帯と違い、断裂など重症化するケースはほとんどありません。 そのため、基本的には普段と同じような生活を送っていただいて結構です。 ①腸脛靭帯炎に有効なストレッチ 腸脛靭帯炎による痛みが落ち着いたら、徐々にストレッチを開始します。 腸脛靭帯炎を発症する人の特徴として、身体のケア不足により筋肉の伸び縮みの動きが悪くなっていることがあります。 ここでは、腸脛靭帯と連結している大腿筋膜張筋と股関節および大腿部前面の筋肉の3つのストレッチ方法をお伝えします。 1.大腿筋膜張筋のストレッチ 各ストレッチは、無理をせず、痛くなりすぎない範囲で行いましょう。 2.股関節前面の筋肉のストレッチ 3.大腿部前面の筋肉のストレッチ ②腸脛靭帯炎(ランナー膝)に有効なマッサージとセルフケア またマッサージによっても、腸脛靭帯炎の症状を緩和できます。 たとえば以下の半月板(膝のお皿)をマッサージする方法は簡単に取り組めるのでおすすめです。 左右の親指と人差し指で、半月板を軽くつかむ 内側の方向に半月板を軽く押し込む 内側から外側に軽く押し込む 2と3を繰り返す また半月板を手のひらで包み、円を描くように回すのも効果的です。 セルフケアとして、運動後や風呂上がりにアイシングをおこなうのも良いでしょう。 熱を取り除くことで、腸脛靭帯炎を予防できます。 ③重度の場合は外科手術も検討 腸脛靭帯炎の症状が顕著な場合は、外科手術が有効です。 腸脛靭帯炎の治療では以下の手術が用いられます。 腸脛靭帯炎の切開|腸脛靭帯炎の患部周辺を解放し摩擦を減らす 滑液包の除去|腸脛靭帯炎と大腿骨の隙間にある滑液包の一部または全部を取り除く 腸炎靭帯延長手術|腸脛靭帯を伸ばすなどして、症状の改善や再発防止を図る 手術と保存療法どちらが適切か、専門家でなければ判断できません。 自身で判断せず、医療機関で受診して医師の判断を仰ぎましょう。 近年では、自己脂肪由来幹細胞などを用いた、再生医療による腸脛靭帯炎の治療の研究も進められています。 再生医療を用いれば、従来よりも効果的な治療が受けられるかもしれません。 再生医療については、以下の記事を参考にしてください。 関連記事:再生医療とは|リペアセルクリニック メール相談 オンラインカウンセリング 腸脛靭帯炎(ランナー膝)とスポーツとの関係 腸脛靭帯炎のテーピングで大事なことは、腸脛靭帯の負担を減らしてあげることです。 そのため、腸脛靭帯自体をサポートするテーピングと、膝の動きをサポートするテーピングの2種類を用いて行います。 腸脛靭帯炎(ランナー膝)のテーピング あくまでテーピングは補助的な役割にしか過ぎません。また、その人によってテーピングの効果が十分に発揮できない場合もあります。 可能な限り、専門の医療機関にご相談の上、「テーピング」を施行するようにしましょう。 このようなテーピング以外にも「サポーター等の装具」を用いて腸脛靭帯を支え、安定を図る方法もあります。 腸脛靭帯炎と靴(シューズ)選び 腸脛靱帯炎の対策のなかでは靴選びも大切です。 足が左右にぐらつくと腸脛靱帯につながる大腿筋膜張筋が頑張ってぐらつきを止めようとします。 そうすると、筋肉が過剰に働き、ピンと張った状態になります。 その状態で走り続けると、腸脛靭帯への摩擦が助長されて腸脛靭帯炎を引き起こしかねません。シューズ選びの際は以下の3つのポイントを意識してみましょう。 靴は使用に伴い消耗します。 定期的、あるいは、いま一度自身の靴をチェックして自分に合った最適な靴を選びましょう。 1.シューズの後ろ、カップの部分がしっかりしているか 2.指の付け根で曲がるのか 3.シューズが過度に捻じれやすくなっていないか まとめ・腸脛靭帯炎(ランナー膝)の治療では医師の指示を受けるのが重要 今回は、腸脛靭帯炎に関して、病態や、ストレッチ、テーピング、靴選びなどの角度から、その対策をお話しました。 腸脛靭帯炎(ランナー膝)は、ランニングやスポーツをする人に多い症状ですが、正しい対処法を知っていれば予防や治療が可能です。 まずは症状や原因を理解し、痛みが出た場合には早めの対処が重要です。 また症状が軽微な場合をのぞき、医療機関を受診し、適切な指示を得るようにしましょう。 初期の対応としては、炎症を抑えるための安静やストレッチ、適切なテーピングが有効です。 また、腸脛靭帯炎を予防するためには、股関節やふくらはぎの筋力を鍛えるトレーニングや、適切な靴選びも重要です。 日常生活での意識や対策を行い、ランニングやスポーツを安全に楽しむために、ストレッチをはじめ、適切なケアを心がけましょう。 腸脛靭帯炎は誰にでも起こりうるケガです。 これから運動を始める人も、ランニング愛好家の皆さんも運動前の準備運動、そして運動後のカラダのケアをしっかり行いながら、自分に合ったペースで頑張りましょう。 メール相談 オンラインカウンセリング
2022.11.04 -
- 動作時の痛み
- ひざ関節
- 靭帯損傷
「前十字靭帯が断裂した場合、スポーツ復帰はいつ頃なのか」 「そもそも復帰できるのかが心配」と考えている方もいるでしょう。 前十字靭帯断裂が軽度であっても、放置すると他の症状が発症するリスクがあります。 本記事では前十字靭帯断裂の再建術後、スポーツ復帰できる目安や、手術しないリスクなどを解説します。 治療法や前十字靭帯断裂が起きたままスポーツをするリスクなども解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。 【再建術後】前十字靭帯断裂のスポーツ復帰は半年〜1年が目安 前十字靭帯断裂の再建術後、スポーツ復帰できる目安は半年から1年です。 1週間程度(最短4日)の入院期間中は車いす生活で、退院後は松葉杖となり、きちんとリハビリを継続していれば1カ月で日常生活が可能です。 中には、最短3カ月で歩けるまで回復した患者様もいます。 国立医学図書館に掲載された情報によると、前十字靭帯断裂の再建術後、スポーツ復帰にかかる期間は「6カ月」と記載されています。 なお、研究結果によると再建術後、33〜92%もの方が1年でスポーツ復帰できたという結果もあるのです。 損傷の程度には個人差があるため、スポーツ復帰までの期間だけでなく「そもそも復帰できるのか」も変動すると把握しておきましょう。 前十字靭帯断裂の程度によって異なるスポーツ復帰できるまでの期間が気になる方は、以下のページから気軽にお問い合わせください。 そもそも前十字靭帯とは 靭帯とは、コラーゲンや弾性線維でできている多少伸び縮み可能なひも状のような部位です。 関節で骨同士をつないで、過剰に骨が離れるのを防いで関節の安定性を保っています。 膝の関節は太ももの大腿骨(だいたいこつ)とすねの内側にある脛骨(けいこつ)、膝のお皿とよく呼ばれる膝蓋骨(しつがいこつ)の3つから成り立っています。 大腿骨と脛骨をつないでいる靱帯は、以下の4つです。 内側側副靱帯 外側側副靱帯 前十字靭帯 後十字靭帯 内側と外側側副靱帯は、膝関節の左右にあり、膝が左右にずれすぎないようにする役目をしています。 前と後十字靭帯は、大腿骨と脛骨の間で交差していて、前十字靭帯は脛骨が前に出すぎないようにしています。 前十字靭帯断裂の損傷分類 前十字靭帯の怪我を「前十字靭帯損傷」と言います。 前十字靭帯損傷は程度によって1度から3度までに分類され、数字が大きいほど損傷の強さを表しています。 1度損傷 前十字靭帯は切れておらず、軽い痛みと腫れのみ。膝の不安定さはない。 2度損傷 前十字靭帯は部分的に断裂し、膝には不安定さが現れる。 3度損傷 前十字靭帯が完全に断裂している。内出血も起きる。膝には不安定さがある。 上記のうち「前十字靭帯断裂」は2度と3度が該当しているのです。 前十字靭帯断裂が起きる原因 前十字靭帯断裂は、強い力で脛骨だけが前に押し出されたり、膝を過剰にひねると、前十字靭帯の限界を超えるため靱帯断裂が起こります。 損傷の原因にも、大きく分けて接触型と非接触型の2種類があり、それぞれの違いは以下の通りです。 損傷の原因 概要 接触型 膝に強い衝撃が加わり、靭帯が切れて発症する 非接触型 ジャンプの着地や方向転換で、膝を捻る動作で発症する 上記以外にも、サッカーやバスケットボール、バレーボールなどのスポーツをする方も発症しやすいため注意が必要です。 前十字靭帯断裂の症状 前十字靭帯が断裂した瞬間は膝の中で紐がちぎれたような感覚になる症状があります。 膝が腫れたり熱を持ったりする 膝がぐらぐらして不安定になる 歩行時に膝がガクッと崩れる感覚になる 膝に力が入らなくなる 膝が伸びなかったり曲がらなかったりする(可動域が制限) 前十字靭帯が断裂すると、上記のような症状も見られます。 しばらく放置すると痛みと腫れは引いてきますが、靱帯は勝手に治ることは少なく、膝の不安定さが残ります。 そのまま生活していると、膝関節の中にある半月板や軟骨も傷み、変形性膝関節症も発症するので注意しましょう。 以下の記事では、前十字靭帯断裂が軽度な方に向け、受診の目安や治療法を解説しました。 「軽度でも手術が必要なの?」と気になる方は、ぜひ参考にしてください。 前十字靭帯断裂の検査方法 前十字靭帯断裂が起きているか検査したい場合、MRI検査がおすすめです。 従来では関節鏡で前十字靭帯断裂を起こしているか確認していましたが、近年はMRI検査の技術が進歩しているため、ある程度は検査可能です。 また、膝の不安定さや力が加わるとどう痛みが出るか、触って確認するなど検査も行います。 当院でも検査を受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。 前十字靭帯の治療方法 前十字靭帯が断裂すると、自然に修復されません。 将来スポーツを行う可能性がある場合には、靱帯を再建する手術療法、将来的にスポーツなどをしない方であれば運動療法を行うのが一般的です。 それぞれの治療法について、詳しく解説していきます。 1.自家腱移植 「自家腱移植」は、自分の組織を用いて再建する方法です。 膝の内側にある腱(ハムストリング腱)や、前面の腱(膝蓋骨を割った骨付きの膝蓋腱)を使います。 手術は関節鏡を用いて、小さな切開を行います。 大腿骨と脛骨をつなぐトンネルをつくり、加工した腱を通して上下を金具で固定する手術です。 最低限の切開で、早くリハビリを始められる点からスポーツ選手がよく採用しています。 2.保護的早期運動療法 将来的にスポーツなどをしない方であれば、前十字靭帯専用の装具を装着して、リハビリをする治療を選択する場合もあります。 保存的治療ではいずれは日常生活やレクリエーションレベルの動作は可能ですが、競技スポーツへの復帰は困難とされています。 また前十字靭帯損傷後に手術を行わなかった場合、約6割の患者が変形性膝関節症になる報告がされているため注意しましょう。 治療を選択する際、きちんと損傷の程度を理解し、術後の生活やスポーツへの影響を考えて決める必要があるでしょう。 まとめ・前十字靭帯断裂をしてスポーツ復帰を早めたいなら適切なリハビリを! 前十字靭帯断裂は、膝の中の靭帯が切れた状態です。 とくにスポーツをしているときに多く発生する外傷です。 受傷直後は傷みや膝の腫れがありますが、時間が経てばその症状は軽くなります。 ただし、何も治療をしないと膝が不安定なままになったり、将来「変形性膝関節症」を発症する可能性もあります。 前十字靭帯断裂の可能性がある場合は、早期に整形外科を受診するのが重要です。 以下の記事では、前十字靭帯断裂が治るまでの期間について解説しました。 ぜひ、あわせてご覧ください。 前十字靭帯断裂のスポーツ復帰に関するよくある質問 ここからは、前十字靭帯断裂で1日でも早くスポーツ復帰したいと考える方に向け、よくある質問を取り上げます。 前十字靭帯断裂の手術をしないとどうなるの? 前十字靭帯断裂したままスポーツするリスクは? 前十字靭帯断裂の手術をしないで済むリハビリ方法はあるの? それぞれ回答しながら回答していくので、ぜひ参考にしてください。 前十字靭帯断裂の手術をしないとどうなるの? 前十字靭帯断裂で手術せず放置すると、変形性膝関節症が発症するリスクがあげられます。 軽度の場合、安静にしていると痛みや腫れが軽減される症例もあるため、いつも通りの日常生活に戻ってしまう方もいるでしょう。 しかし前十字靭帯断裂は自然回復する可能性が低く、慢性的な痛みや腫れが起きてしまいます。 そもそも前十字靭帯断裂は、靭帯が切れている状態なため、スポーツ復帰後に再断裂する可能性もあります。 スポーツ復帰するためにも、適切な手術を受けるのがおすすめです。 前十字靭帯断裂したままスポーツするリスクは? 前十字靭帯断裂したままスポーツすると、半月板損傷が起きるリスクを高めてしまいます。 膝のクッションが断裂し、軟骨に傷をつけてしまうため、ギプスをつけても自然回復が難しくなってしまうのです。 慢性的な症状が発症しないよう、早期の発見と治療を検討しましょう。 前十字靭帯断裂の手術をしないで済むリハビリ方法はあるの? 前十字靭帯断裂の手術をせず放置すると、変形性膝関節症や半月板損傷のリスクがあり、手術以外でスポーツ復帰は難しいと言えます。 しかし、中には競技を控えている方がテーピングで応急処置している方もいるでしょう。 前十字靭帯が完全に断裂している場合、手術以外で再生する可能性は限りなく低いため、適切な手術とリハビリが重要です。 「手術は傷が残るから……」と気になる方は、再生医療がおすすめです。 再生医療を用いれば、注射のみになるため、入院が不要になります。 前十字靭帯断裂の手術をしようと決断された方は、再生医療も1つの選択肢にあげてみてはいかがでしょうか。
2022.11.02 -
- 脳梗塞
- 脳卒中
- 頭部
脳梗塞は多くの方が発症を恐れる疾病のひとつです。脳梗塞の前兆をいかに見逃さずに医療機関に早期受診するかが、重症化しないためのカギといえます。 そこで本記事では、脳梗塞の前兆を見逃さないためのチェックリストを提供します。ひとつでもチェックが当てはまるようであれば注意が必要なので、ぜひ最後までご覧ください。 脳梗塞の前兆を今すぐチェック【チェックリスト付き】 脳梗塞の前兆は突然現れます。 以下は、万が一に備えていただくために「脳梗塞の前兆を症状で判別いただくためのチェックリスト」です。ひとつであっても当てはまるものがあれば要注意です。 脳梗塞の前兆を確認したら早期受診を! 上記のような症状が急に現れると驚かれ多くの方は医療機関を受診されますが、中にはすぐに良くなってしまうこともあります。 その場合「気のせいか」「まあ良いか」と意図的に良い方に考えて医療機関を受診されない方が一定数いらっしゃいます。実際に2週間も症状が続いたにも関わらず、その後ようやく医療機関を受診した方もおられました。 症状が一時的であっても再度同様の症状を起こし、今度は生涯を棒にふる危険性もあります。上記のチェックリストに一つでも該当する場合は、早急に医療機関を受診しましょう。 また、当クリニックにご相談いただくことも可能です。「チェックリストの項目に当てはまって心配なんだけど…」とお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。 そもそも脳梗塞とは? 脳梗塞は脳血管障害の一種で、脳の血管が細くなると同時に固まった血液が脳の血管に詰まり、血液の流れが止まってしまう怖い病気です。 重度の脳梗塞だと呂律が回らなくなる言語障害や、言葉が出づらくなってしまう失語障害、体の片側に力が入らなくなる運動障害を前兆として引き起こします。 対して症状が軽い場合は、自然に治ったりと前兆に気が付けないケースあります。 【脳梗塞の前兆】一過性脳虚血発作とは 一過性脳虚血発作は、名前の通り一時的に脳梗塞のような症状が出現し、時間経過とともに(多くは30分程度)自然に改善する病態です。 地震にたとたとえると余震であり、本震の前兆・前触れとして認識するとわかりやすいかと存じます。 つまり、数日以内に「本格的な脳梗塞を起こす可能性」があるため、見逃すことのできない重要な疾病です。実際に、一過性脳虚血発作患者の約15%が90日以内に脳梗塞をきたすとされています。 脳梗塞が起きる原因 前述のとおり、脳梗塞は細くなった血管に血液が固まり、詰まりを引き起こす病気です。脳梗塞の要因はさまざまで、加齢や常習的な喫煙・飲酒等が主に挙げられます。 また、脳梗塞は大きく分けて次の3つに分類されます。 動脈硬化によるアテローム血栓性脳梗塞 アテローム血栓性脳梗塞は高血圧・高脂血症・糖尿病などの生活習慣病に伴い、血管壁にコレステロールが溜まる「動脈硬化」が主な原因です。 食事や運動に気を付けることや薬物治療を通して「動脈硬化の進行」を抑えることが予防につながります。 血栓による心原性脳塞栓症 心原性脳塞栓症は、不整脈の心疾患が原因で心臓内に血栓が生成され、血流に乗って脳血管に運ばれることで引き起こされます。 心疾患の早期発見・治療が最善の予防策です。 比較的細い血管が詰まるラクナ梗塞 ラクナ梗塞は「高血圧」が主因とされ、日々の血圧管理が予防につながります。 まとめ|脳梗塞の前兆を確認したら脳専門病院を受診しよう 本記事で紹介した前兆が現れたり、症状に心当たりがあった場合、脳神経内科・脳血管内科・脳外科など脳を専門としている病院を受診しましょう。診療科名は病院によって異なるため、ホームページの確認や、電話で問い合わせをすると良いでしょう。 脳梗塞の前兆発生時は一刻を争うため、ためらわず救急車を呼ぶ必要があります。
2022.10.31 -
- 脳梗塞
- 脳卒中
- 頭部
この記事を読んでいる方は、脳梗塞は本当に治る見込みがあるのか、不安に思っているのではないでしょうか。 「退院できても、重い後遺症で生活に影響が出てしまうのではないか」と心配な気持ちになることもあるかもしれません。 結論、脳梗塞は早期治療と適切なリハビリ、そして「再生医療」という新たな選択肢によって改善が期待できる病気です。 しかし治療が遅れると重篤な後遺症につながり、仕事への復帰や日常生活に影響が及ぶ可能性もあります。 そこで本記事では、脳卒中の症状改善が期待できる新たな医療として「再生医療」を提供するリペアセルクリニックが、脳梗塞について詳しく解説。 「少しでも症状を改善したい」「元の生活に近づきたい」という方は、ぜひ本記事を参考にしてください。 >>公式LINE限定の再生医療ガイドブックをお届け! 脳梗塞は早期治療によって治る見込みがあります 脳梗塞は早期治療ができれば治る見込みがあります。 ただし発症してから早い段階で適切な検査・治療をおこなわないと、後遺症のリスクが高くなるのも事実です。 近年では従来の治療法に加えて、当クリニックも専門分野として提供している「再生医療」という新たな選択肢も登場し、より多くの患者様に回復の希望をもたらしています。 本章では脳梗塞における早期治療の必要性や後遺症について解説します。 治療が遅れると後遺症が出る危険性がある 脳梗塞で重い後遺症を出さないためには、発症してから早い段階での治療が必要です。 脳梗塞とは、脳の血管が詰まることで脳細胞が壊死し、脳機能が低下してしまう病気です。 脳梗塞によって損傷した脳組織を元に戻すことは、一般的な治療では不可能といわれています。そのため、継続的なリハビリによって損傷した部分を補う必要があります。 治療が遅れると後遺症が出るリスクが高まるため、専門機関で早期に治療・リハビリを受けましょう。 脳梗塞による後遺症は、その後の生活の質を大きく低下させる可能性があります。 しかし、適切な治療とリハビリ、そして「再生医療」を組み合わせることで、後遺症の軽減や機能回復を目指すことができます。 脳梗塞に対して期待できる再生医療の効果 身体の機能(後遺症)回復 脳卒中のリハビリ効果を高める 脳卒中の再発予防 再生医療は脳梗塞発症のタイミングから早期であればあるほど効果を発揮しますが、一定時間が経っていても改善が期待できます。 リペアセルクリニックでは、再生医療による後遺症治療にも力を入れています。 もう改善が見込めないかもと諦めていた方にも、専門スタッフが親身にご相談に乗りますので、お力添えさせてください。 >>公式LINE限定で再生医療の情報を配信中! 脳梗塞の種類と原因 脳梗塞の種類は以下の3つです。 アテローム血栓性脳梗塞 : 首や脳などのより太い血管が詰まることで起こる ラクナ梗塞 : 比較的小さな血管が詰まり、緩やかに症状が現れる 心原性脳梗塞 : 心臓の血栓の一部が血流により脳に運ばれ、血栓を作る いずれも高血圧や脂質異常症、高血糖などの生活習慣病による動脈硬化が原因で発症するケースが多くあります。 発症後は、脳内の正常な血流を回復する急性期治療を実施し、リハビリによって後遺症など二次的影響への治療をおこなうのが一般的です。 脳梗塞の原因や種類については、以下の記事も参考にしていただければ幸いです。 脳梗塞の早期治療に必要な検査とは 脳梗塞に対して早期に治療介入する上で重要になるのが検査です。 脳梗塞の主な検査は以下のとおりです。 身体検査:心臓の音や血圧を測ったり、神経学的診察を行います。 血液検査:血液が凝固する速さ、血糖値、感染症の有無を調べます。 CT検査:脳内出血、虚血性脳梗塞、腫瘍などを調べます。 MRI検査:虚血性脳梗塞や脳出血によって損傷した脳組織を検出します。 頸動脈超音波検査:頸動脈の脂肪沈着物 (プラーク) の蓄積と血流が示されます。 脳血管造影検査:脳と首の動脈を詳細に調べます。 心エコー検査:心臓から脳に移動して脳梗塞を引き起こした可能性のある心臓内の血栓の原因を見つけます。 脳梗塞を診断するためだけでなく、他の考えられる原因を除外する必要があるため非常に大切です。 これらの検査をおこなうことで正しく脳梗塞を診断でき、適切な治療へと導くための大切な治療プロセスになります。 脳梗塞の後遺症と生活への影響 脳梗塞の発症後は、身体の麻痺や言語障害などの後遺症が出るケースもあります。 本章で脳梗塞によって生活にどのような影響が出るのかを理解し、受けるべき治療や退院後の生活について検討しておきましょう。 後遺症の種類 脳梗塞の後遺症に多い症状は以下のとおりです。 後遺症の種類 症状 運動麻痺 歩行が困難になる 日常生活動作が難しい 飲み込みがしにくい(嚥下障害) など 感覚麻痺 温度や触感がわかりにくい 痺れを感じる など 高次脳機能障害 物忘れがひどい(記憶障害) 注意力散漫になり混乱しやすい(注意障害) 言葉が話しにくい、言葉を理解できない(失語症) など 脳梗塞が生じた部位や重症度によって、後遺症の種類・程度も変わる場合があります。 生活への影響 脳梗塞の後遺症により、日常生活にさまざまな影響が出ることがあります。 たとえば、運動麻痺の後遺症がある場合、歩行などの日常動作が難しくなり、食事や入浴、排泄などに介助が必要になるでしょう。 また、高次脳機能障害により、失語症や認知機能の低下がみられる場合は、周囲とのコミュニケーションが難しくなることもあります。 後遺症の種類や程度に応じて、日常動作訓練や言語訓練などのリハビリをおこない、社会・職場への復帰を目指します。 脳梗塞における3つの治療(急性期) 脳梗塞は脳梗塞の急性期における治療法は、主に以下の3つです。 血栓溶解療法(t-PA治療) 血管内治療(血栓回収療法) 抗血栓療法(内服治療) 本章を参考に、脳梗塞の治療に関する理解を深めておきましょう。 血栓溶解療法(t-PA治療) 虚血性の脳梗塞の場合は、血栓を溶かして脳への血流を回復させるアルテプラーゼと呼ばれる薬を注射することで治療できます。 このアルテプラーゼは、脳卒中の発生後できるだけ早く、確実に4.5時間以内に開始すると最も効果的です。4.5 時間以上経過した場合は、薬が出血性脳梗塞による出血を悪化させる可能性があるため、利用できません。 血管内治療(血栓回収療法) 重度の虚血性脳梗塞の場合は、血栓回収療法と呼ばれる血管内のカテーテル治療によって治療できます。 局所麻酔下または全身麻酔下でカテーテルを動脈に挿入し、小さなデバイスを、カテーテルを通して脳の動脈に挿入します。このデバイスを使用して血栓を除去することで、脳への血流が回復します。 血栓溶解療法同様に、脳梗塞後できるだけ早く開始すると最も効果的です。 抗血栓療法(内服治療) 血管の閉塞を治す急性期治療に加え、再発予防として、内服による治療も同時に行います。 1.抗血小板薬(アスピリン/クロピドグレル) アスピリンは抗血小板薬であり、新しく血栓が形成される可能性を減らすことができます。また、クロピドグレルなど、他の抗血小板薬も同時に併用する場合があります。 2.抗凝固剤(ワーファリンなど) 将来、新たな血栓ができるリスクを軽減するために、抗凝固薬を投与されることがあります。ワルファリン、ダビガトランなど、長期間使用できる抗凝固薬があります。 脳梗塞のリハビリについて 急性期治療の後は、できる限り多くの機能を回復するようリハビリに努めることが大切です。それが自立した生活を取り戻すことに繋がるからです。 リハビリには主に急性期、回復期、生活期の3つの段階があり、年齢、全体的な健康状態、および脳梗塞による障害の程度に基づいて、リハビリ内容を医師が決定します。 退院後は、同じ病院はもちろんですが、利便性を考慮して自宅の近くなど、別のリハビリ施設で、リハビリを続けることもできます。 リハビリは患者の状態に応じて以下のようなチームで行われます。 医師(脳外科、脳神経内科、精神科など) 看護師 栄養士 理学療法士 作業療法士 言語聴覚士 ソーシャルワーカー 発症後48時間以内の早期にリハビリを開始することで、脳梗塞による後遺症を軽減することがわかっています。 脳梗塞の治療期間・費用 脳梗塞の発症後は、一般的に2〜3カ月間の入院が必要です。入院・治療の期間によってかかる費用も変動します。 本章を参考に、脳梗塞の治療にかかる期間や費用を具体的に把握し、事前に準備を進めておきましょう。 入院・治療期間 厚生労働省の「令和2年(2020)患者調査」によると、脳梗塞を含む脳血管疾患の平均入院期間は77.4日です。障害のある脳の部位や範囲など、脳梗塞の重症度によって、入院期間は変動します。 軽度の場合は2週間程度で退院できることもありますが、一般的には2〜3カ月の入院が必要になるでしょう。 悪性新生物(がん)による平均入院日数は19.6日であることから、脳梗塞の入院期間は一般的な病気に比べ長いといえます。 また、脳梗塞による入院期間は、年齢によっても差があります。年齢別の平均入院期間は以下のとおりです。 年齢 平均入院期間(平均在院日数) 0~14歳 31.3日 15~34歳 61.7日 35~64歳 51.8日 65歳以上 83.6日 70歳以上 86.9日 75歳以上 93.2日 ※厚生労働省|令和2年(2020)患者調査(確定数)の概況(P13)をもとに作成 高齢で脳梗塞を発症した場合、リハビリが長期化しやすい傾向があります。 脳梗塞になった本人やご家族が高齢の場合、入院が長期化する可能性があることを理解しておきましょう。 費用 厚生労働省の「令和2年度 医療給付実態調査報告」によると、脳梗塞を含む脳血管疾患の平均入院費用は約90万円となっています(健康保険3割負担の場合)。 脳梗塞の入院・治療費は、高額療養費制度を活用することである程度負担を抑えられる可能性があります。 高額療養費制度とは、医療機関などでかかった医療費が1カ月で上限額を超えた場合、超えた分の金額があとから払い戻される制度のことです。 参照:厚生労働省|高額療養費制度を利用される皆さまへ ただし、脳梗塞の医療費は入院期間や重症度などによって変動するため、具体的な金額は医療機関へ確認しておきましょう。 まとめ|脳梗塞を治すなら早めに適切な治療を受けましょう 本記事では、脳梗塞の治る見込みや後遺症、治療期間・費用などを詳しく解説しました。 脳梗塞は早期の治療開始が大切で、適切なリハビリをおこなうことで克服できる病気です。ただし、治療が遅れれば後遺症が重くなる可能性が高まり、日常生活にも大きな影響を及ぼしかねません。 早期の治療開始と適切なリハビリにより、発症前と同じような生活や仕事復帰も可能になるでしょう。 しかし、発症後の時間経過や後遺症の程度によっては、従来の治療法だけでは改善が難しい場合もあります。 そこで、ぜひ知っていただきたいのが「再生医療(幹細胞治療)」という選択肢です。 当院「リペアセルクリニック」では、国内でも数少ない、自己の幹細胞を用いた再生医療(幹細胞治療)を提供しており、より多くの患者様に回復と再発防止の抑止につなげています。 なかでも、厚生労働省に届出済の当院の幹細胞治療は、2億個もの「フレッシュ」な幹細胞を、患者様ご自身の血液を用いて培養する点が特長。 再生医療で一度壊れた脳細胞を復活させることで、リハビリ効果を高めたり脳梗塞の再発を予防したりする効果が期待できます。 脳梗塞の後遺症でお悩みの方で、「脳梗塞の症状を少しでも改善したい」「今すぐにでも改善見込みがあるのか知りたい」という方は、リペアセルクリニックの無料相談をご利用ください。 脳梗塞の治療や入院に関するよくある質問 Q.脳梗塞の治療後、仕事復帰はどのくらいでできる? A.仕事復帰までの期間は、患者それぞれによって異なりますが、基本的には3ヶ月後に退院できるケースが多いようですが、退院してすぐに復帰できるわけではありません。 多くの場合、発症から半年または1年後を目途に復帰できるケースが多いようです。 Q.脳梗塞を早く治すにはどうしたらいいですか? A.脳梗塞を早く治すには、何といっても早期治療が大切です。ただし、早期治療後にすぐに治るというわけではなく、リハビリなど日常生活に戻るには個人差があるのが実情です。 発症後 3ヶ月過ぎると、治りづらくなるため、できるだけ早くリハビリに取り組むことが、早く治すことにつながります。 ▼脳梗塞の後遺症|脳卒中の幹細胞治療は、以下をご覧下さい 再生医療は、脳梗塞の新たな治療法として注目を浴びています
2022.10.28 -
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「脳梗塞は20代や30代でも発症するの?」「若いうちから脳梗塞の予防を考えるべき?」と疑問に思っている人もいるのではないでしょうか。 結論からいえば、脳梗塞は20代や30代など若い人であっても起こりうる病気で、若年性脳梗塞と呼ばれることもあります。 20代・30代の若いうちから生活習慣を整え、脳梗塞の予防に努めることが大切です。 本記事では、20代の脳梗塞のリスクや予防方法について詳しく解説します。 本記事を参考に、20代から脳梗塞の予防に努めましょう。 また、当院「リペアセルクリニック」では、脳梗塞の後遺症改善や再発予防として再生医療を行っています。 気になる方は、当院の「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。 20代・30代で脳梗塞になる確率は1% 脳梗塞は高齢者に多い病気ではあるものの、20代や30代でも1%の確率で発症する可能性があります。 現に、30代の脳血管患者(脳梗塞含む)は約1,000人もいるとの報告もあります。(文献1) 若年層の脳梗塞の発症は珍しいことではありません。 早期に発見できず治療が遅れると、その後の後遺症や生活へ大きな悪影響を及ぼすことも考えられます。 そのため、日常から健康に気を配ることが大切です。 「まだ20代だから大丈夫」と侮らずに、今からできる脳梗塞の予防策を実践してみてください。 脳梗塞とは「脳血管の詰まり」による脳障害 脳梗塞とは、脳にある血管が詰まることで脳への血流が途絶え、脳機能に障害が起こる病気です。 2025年1月現在、日本人の多くの死因である疾患として注目されています。 脳梗塞のタイプは大きく分けて以下の3つです。 種類 特徴 ラクナ梗塞 脳血管の中でも細い血管が詰まる脳梗塞。 無症状の場合があるものの、重要なカ所の血管が詰まると重篤になることがある。 アテローム性脳梗塞 コレステロールの塊が脳血管の中に蓄積することで生じる脳梗塞。 心原性脳梗塞 足や心臓など、脳以外のカ所が原因で引き起こされる脳梗塞。 これらの脳梗塞はいずれも血管が詰まることで発症するものの、原因が異なります。 原因や脳梗塞の範囲によって、対策方法や治療方法が異なるため、医師の指示のもとで適切な治療を受けることが大切です。 【すぐに受診しよう】脳梗塞における3つの前兆 脳梗塞の初期症状は、主に以下の3つです。 顔が動かない 片腕が動かない 会話ができない 脳梗塞の後遺症は、いかに早期に発見し、迅速な治療ができるかでその後の後遺症が変わります。 本章を参考に、初期症状を事前に理解して早期に脳梗塞を疑いましょう。 1. 顔が動かない 脳梗塞の前兆として、以下のように顔面の一方に麻痺があらわれる場合があります。 顔の半分が下がる 笑顔が上手につくれない 片目が開きにくいまたは閉じにくい 顔面神経に近い血管が詰まることで、神経の働きが阻止されて顔面麻痺があらわれる可能性があります。 鏡をみると顔の動きに違和感があり、周囲の人に指摘されたりした場合は迷わず脳神経外科へ受診しましょう。 2. 片腕が動かない 片腕が動かなくなる症状も、脳梗塞の前兆の一つとして知られています。 具体的な症状は以下のとおりです。 両手を同時にあげても、片方だけ下がる 物を持つ動作がぎこちない 片腕の感覚がないまたは薄い 片腕に違和感がある場合、両腕を上げてみて片腕が垂れてこないかどうかを確認してみましょう。 3. 会話できない 以下のような言語障害も、脳梗塞の前兆です。 いつも通り言葉が出てこない ろれつが回らない 他の人の言葉が理解できない 言語障害は自分自身で気づくこともあるものの、身近な人が会話していて異常に気がつく場合もあります。 自覚症状はもちろんのこと、他の人に言語障害の症状が見られる場合は迅速に受診を促すようにしましょう 今回解説したような前兆に早めに気がつき、すぐに処置を行うことで後遺症の悪化を防げる可能性があります。 脳梗塞の前兆についてより詳しく知りたい方は、以下のコラムを参考にしていただければ幸いです。 20代で脳梗塞になる7つの原因 20代で脳梗塞が起こる原因は、主に7つあります。 脂肪分や塩分の高い食品の摂取 ストレス 運動不足やデスクワーク タバコ 遺伝 妊娠 女性ホルモン剤の副作用 原因に対して今からでも予防が可能です。 本章の内容が該当する方は、脳梗塞を予防するために対策をしましょう。 1.脂肪分や塩分の高い食品の摂取 20代で脳梗塞のリスクを高める大きな一因が「脂肪分・塩分の多い食品の過剰摂取」です。 2025年1月現在では、食生活の欧米化が進み、ファストフードやスナック菓子など不健康な食生活が常態化している方も多いかもしれません。 脂肪分や塩分が高い食品の一例として、以下があります。 脂肪分が多い食品 フライドポテト ケーキ から揚げ など 塩分が高い食品 インスタントラーメン ポテトチップス 梅干し など 豊富な栄養素を含んだ食事にすると、脳梗塞のリスク低減が期待できます。 今回紹介したような食品を日常的に食べている方は、頻度や量を控えましょう。 2.ストレス ストレスも脳梗塞のリスクを増加させる一因です。 過度なストレスは交感神経を刺激し、ストレスホルモンの分泌を促します。 その結果血圧が上昇し、脳梗塞のリスクを高めてしまいます。 とくに20代や30代は仕事や学業、人間関係などでストレスを感じやすい年代です。 日頃からストレスを感じている方は、以下のようなストレス発散方法を生活に取り入れてみてください。 新しい趣味をはじめる 好きな音楽を聞く 自然に触れる ストレスを管理することが、結果的に脳梗塞の予防につながります。 3.運動不足やデスクワーク 運動不足や長時間座り続ける生活は、血流を悪化させ血管内で血の塊が作りやすくなる一因です。 デスクワークなどで座りっぱなしの状態を続けると、脳梗塞リスクを高めてしまいます。 適度な運動の習慣を取り入れるのはもちろんのこと、座りっぱなしを防ぐために「こまめに立つ」方法も脳梗塞防止に効果的です。 日常的に座りっぱなしの状態が続いている方は、1時間に1回程度は立つようにしましょう。 4.喫煙 喫煙は血管に悪影響を与える代表的な習慣です。 タバコに含まれる有害物質には血管を収縮させ、血圧を上げる作用があります。 その結果、血管が硬くなる「動脈硬化」を悪化させ脳梗塞のリスクも大幅に高まることも否定できません。 若い世代であっても、喫煙習慣を続けると脳梗塞になるリスクを高めます。 必要に応じて禁煙外来の受診も検討し、早めに禁煙できるよう心がけましょう。 5.遺伝 遺伝は20代での脳梗塞発生リスクを高める原因の一つです。 とくに「親や兄弟など近親者で脳梗塞にかかった人がいる」場合、遺伝的な体質によりリスクが上昇するとの報告もあります。 遺伝による原因を取り除くのは困難であるため、生活習慣の改善や定期的な検査で早期発見を心がけることが大切です。 また、脳血管障害の一つ「もやもや病」も、遺伝が一因であるとされています。 もやもや病について詳しく知りたい方は、以下のコラムを参考にしていただければ幸いです。 6.妊娠 妊娠により脳梗塞のリスクが上がる場合があります。 とくに妊娠高血圧症候群は脳血管への負担を増すため、脳梗塞のリスクが上がると言われているのです。 また、妊娠中は出産に備えて血液が固まりやすくなるよう体質が変わります。 そのため、妊娠高血圧症にかかっていなくても注意が必要です。 妊娠中は血圧管理や定期的な検診で、脳梗塞の予防になるため、出産を控えている方は心がけてみてください。 妊娠高血圧症について詳しく知りたい方は、以下のコラムを参考にしていただければ幸いです。 7.女性ホルモン剤の副作用 女性ホルモン剤の使用も脳梗塞のリスクを増加させる要因です。 女性ホルモン剤の服用で稀に血栓症が副作用としてあらわれる可能性があるため、脳梗塞につながる可能性があります。 血栓症が報告されている女性ホルモン剤は、以下のような目的で使用されるケースが多いです。 PMS(月経前症候群) 月経困難症 避妊 不安な方は、薬の使用前に医師から副作用について相談してみましょう。 20代の脳梗塞を予防する4つの方法 20代からできる脳梗塞の予防として、以下の4つがあります。 バランスの取れた食事をする 定期的に運動する 禁煙する 定期的に検査を受ける 若年層から脳梗塞を予防するためには、生活習慣を見直し、脳血管に負担をかけないことが重要です。 本章を参考に、脳梗塞のリスクを減らしましょう。 1.バランスの取れた食事をする 若年性脳梗塞を予防するためには、食生活の改善にて動脈硬化を防ぐことが大切です。 食生活が乱れていると感じる方は、以下のような工夫で食事を見直してみましょう。 野菜や果物、魚を積極的に取り入れる スープやみそ汁の塩分を減らし、具材を多く入れる インスタント食品のような加工食品を食べる頻度を減らす 20代や30代は仕事や育児で忙しく、食生活が乱れがちです。 塩分や脂質の摂りすぎに注意した食生活で、脳梗塞の予防に努めてみてください。 2.定期的に運動する 運動不足は血流を悪化させ、血の塊を作りやすくして脳梗塞のリスクが上がります。 ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を定期的に行うと、脳梗塞の予防につながるでしょう。 毎日無理なく続けられる運動を取り入れることが大切です。 また、デスクワークが中心の生活を送っている場合は、1時間に1回程度こまめに立ち上がり、ストレッチを行うことで血流の改善が期待できます。 デスクワークの方は、座りっぱなしの状態を防ぐように意識してみてください。 3.禁煙 喫煙は血管を収縮させ、動脈硬化を進行させる原因になります。 そのため、喫煙している人は早めの段階で禁煙することが重要です。 自力での禁煙が難しい場合、専門機関で治療が行える「禁煙外来」の活用も選択肢のひとつです。 以下の条件すべてに当てはまる場合、禁煙外来を利用できます。(文献2) ニコチン依存症と診断されている すぐの禁煙を希望している 禁煙治療について説明を受けて文書により同意している 無理をせずに、専門医の力を借りて禁煙を心がけましょう。 4.定期的に検査を受ける 高血圧や糖尿病、高コレステロール血症は自覚症状がほとんどないことが多いため、脳梗塞の発見が遅れる可能性があります。 定期的な健康診断で脳梗塞を早期に発見・治療すると、脳梗塞の悪化の防止が期待できます。 「無症状だから大丈夫」と侮らず、早期に脳梗塞の原因となる芽を見つけて対策をしましょう。 まとめ|20代でも脳梗塞リスクはある!生活習慣の改善で予防しましょう 本記事では、若年層、20代でも起こりうる脳梗塞について解説しました。 20代は高齢者に比べて脳梗塞にかかる可能性は低いものの、ストレスや食生活の乱れにより突然発症する可能性も否定できません。 そして、後遺症を残してしまうことも考えられます。 普段の生活習慣を改めた上で、医療機関での検診を活用し、若い頃から脳梗塞にならないように気をつけていきましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、脳梗塞の後遺症改善や再発予防として再生医療を行っています。 気になる方は、当院の「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。 \まずは当院にお問い合わせください/ 20代の脳梗塞についてよくある質問 20代で脳梗塞になったあとの再発率はどのくらいですか? 20代で脳梗塞を発症した場合の再発率は極めて少ないといわれています。 ただし、全体の脳梗塞患者における10年間の再発率は約50%であるため、若い世代でも注意が必要です。(文献3) とくに高血圧や高コレステロール血症などの持病がある場合は、定期的な検査と治療を怠らないようにしましょう。 当院「リペアセルクリニック」で行っている脳梗塞の後遺症改善や再発予防について詳しく知りたい方は、以下のページをご覧ください。 20代でも脳の検査をした方が良いですか? 家族に脳梗塞の往来歴がある方や、喫煙習慣がある方は定期的な検査をおすすめします。 また、高血圧や糖尿病など生活習慣病がある場合も同様に、定期的な検査で脳梗塞の早期発見が期待できます。 若年層でも、脳梗塞のリスクは否定できません。 定期的な検査を怠らないようにしましょう。 20代で脳梗塞で死に至る可能性はどのくらいですか? 20代の脳梗塞による死亡率は約5%未満と報告されています。(文献4) 若年層での脳梗塞による死亡率は極めて低いものの、発症後の治療までの時間が予後を大きく左右します。 脳梗塞の初期症状があらわれた際には、迷わず医療機関を受診しましょう。 参考文献一覧 (文献1) 厚生労働省.脳血管疾患患者数の状況.図表1-2-4 (文献2) 谷口 千枝 中村 正和.禁煙治療ってどんなもの?. e-ヘルスネット(厚生労働省). 2024.3.6. (文献3) 鳥谷 めぐみ, 長谷川 真澄, 粟生田 友子高齢軽症脳梗塞患者の再発に関するリスク認知.日本看護科学会誌. 2020 年 40 巻 p. 14-22 (文献4) 厚生労働省."死因順位(第5位まで)別にみた年齢階級・性別死亡数・死亡率(人口10万対)".平成21年(2009)人口動態統計(確定数)の概況.
2022.10.26