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乳がんの治療において、放射線治療は手術後の再発リスクを減らすために重要な役割を果たします。しかし、いざ治療を受けるとなると「副作用は大丈夫だろうか」「どんな影響が出るのか」と不安に感じる方も多いでしょう。 本記事では、乳がんに対する放射線治療で起こりうる副作用や、症状が出る時期、対処法について詳しく解説します。不安を少しでも和らげ、安心して治療に向き合えるよう、正しい知識を身につけていきましょう。 乳がん放射線治療とは?副作用が起こる仕組み 乳がんの放射線治療は、高エネルギーの放射線を乳房に照射し、がん細胞を狙って再発を防ぐ方法です。しかし、放射線は正常組織にも影響するため、副作用が生じることがあります。 ここからは、その治療の概要と副作用の仕組みを見ていきましょう。 放射線治療の基本概要 放射線治療とは、高エネルギーの放射線を利用して、がん細胞を破壊する治療法です。乳がんの場合、手術後の再発予防を目的として行われるケースが多く、とくに乳房温存手術後に実施されることが一般的です。 治療は週5回のペースで4~6週間ほど続けられ、その間、乳房全体に照射するとともに、必要に応じてリンパ節周辺なども対象となります。(文献1) 放射線が当たる領域を適切に設定すれば、再発リスクを抑える効果が期待できるでしょう。患者さんの状態によって照射範囲や回数が異なる場合もあり、副作用や負担をできるだけ軽減しながら進められるよう工夫されています。 なぜ副作用が起きるのか? 放射線治療では、がん細胞だけでなく、周囲の正常な細胞にも一定の影響が及びます。ダメージを受けた正常細胞は自己修復されますが、その回復過程で炎症や腫れなどの症状が出現し、副作用として現れる仕組みです。 体質や治療範囲、照射量などの違いによって、副作用の程度は人によって大きく異なります。副作用には、治療期間中や直後に起こる「急性」と、数カ月から数年後にあらわれる「晩期」があり、症状もそれぞれ異なる場合があります。医師や放射線技師の指導を守りながら適切にケアをすれば、リスクを最小限に抑えることが可能です。 乳がん放射線治療の主な副作用と発症時期 乳がんの放射線治療では、高エネルギーの照射でがん細胞を狙う一方、正常細胞にも影響が及ぶため、副作用が生じることがあります。症状がいつ、どのように現れるかを理解しておくことは大切です。ここからは主な副作用と発症時期について、短期と長期に分けて見ていきましょう。 短期的(急性)副作用 短期的(急性)副作用には、治療中や照射後数週間以内に起こるものが含まれます。たとえば、照射部位の皮膚炎で、赤みやかゆみ、ひりひり感、乾燥などが挙げられ、とくに2~4週間後から目立ち始めます。(文献2) 体力が大きく落ちるわけではありませんが、「なんとなくだるい」と疲労感を訴える方も少なくありません。 乳房の腫れや張り感が出現し、一時的に圧迫感を覚えることもあるため注意が必要です。これらの症状は治療が進むにつれて徐々に軽快する場合が多いですが、強い痛みや不快感が続く際は医師や看護師に相談しましょう。 正しいスキンケアや休養を心がけることで症状の悪化を防ぎ、より快適に治療を続けやすくなります。 長期的(晩期)副作用 長期的(晩期)副作用は、放射線治療後しばらく経ってから現れる症状です。たとえば、照射部位の皮膚が数カ月〜数年後に黒ずんだり硬化したりする色素沈着が起きることがあります。(文献2) 乳房に線維化が進んで硬さや凹みを生じ、しこりのように触れる場合もあります。 リンパ浮腫も晩期の合併症の一つで、腕がむくんだり重だるさを覚えたりすることもあります。これは手術によるリンパ節切除の影響も重なるためとくに注意が必要です。 リハビリや圧迫スリーブの着用など、適切なケアをすれば症状の進行を抑えられる場合もあり、定期的な経過観察が重要です。いずれの症状も日常生活に支障をきたす可能性があるため、気になる変化は早めに医師へ相談しましょう。 副作用を軽減・予防するためにできること 副作用を軽減・予防するには、日々のケアと早期の対処が大切です。症状の悪化を防ぐには、肌や体調をいたわる習慣を日々意識しながらの生活がポイントになります。小さな変化を見逃さないよう、定期的なセルフチェックはとくに大切です。 ここからは、具体的な対策や注意点を詳しく見ていきましょう。 日常生活で意識したいケア 日常生活では、まず照射部位をいたわるスキンケアが重要です。低刺激の保湿剤を使って毎日保湿するほか、肌を強くこすらないように注意しましょう。締め付ける服装も刺激の原因になりやすいため、ゆったりとした衣類を選ぶと安心です。 紫外線対策として帽子や長袖、日焼け止めを活用し、外出時の直射日光を避けることもポイントです。疲れを感じたらこまめに休息を取り、睡眠をしっかり確保すると体力の消耗を抑えられます。 無理のない範囲で軽い運動を取り入れると、血行や免疫力を維持しやすいでしょう。とくに肌の状態は日々変化するため、継続的なケアが効果を高めます。 こうした対策をこまめに行うことで、副作用のリスクを軽減しやすくなります。 医療機関に相談するタイミング 副作用への対処で迷ったときや症状が強まったときは、医療機関に相談しましょう。 皮膚に痛みや腫れ、水ぶくれが出てきた場合でも、治療が終了すれば2週間ほどで回復します。放射線が肺にあたっている場合、肺炎が起こる場合もあります。医療機関を受診する際には、放射線治療を受けたことを伝えましょう。(文献1) 多くの副作用は自然に消失しますが、症状が進行すると治療期間の延長や日常生活への影響が大きくなる可能性があります。遠慮せず相談して、専門的なケアや適切な処置を受けることが必要です。 副作用が出たときの具体的な対処法 乳がんの放射線治療中、なんらかの副作用を感じたら、まずは自己判断で対処せず専門家の助言を仰ぐことが大切です。症状を悪化させないためにも、皮膚トラブルや疲労感、リンパ浮腫など、それぞれに合ったケアや医療機関への相談を早めに行いましょう。 皮膚トラブルが起きたら 放射線治療すると、皮膚の赤みやひりひり感、水ぶくれなどの症状が出現することがあります。 処方された外用薬(ステロイド軟膏など)がある場合は、指示どおりに使用し、過度にこすらないよう注意します。肌にやさしい素材の衣類や下着を選ぶことも大切です。コットンやシルクなど、通気性や刺激の少ないものを身に着けると快適に過ごしやすくなります。 万が一、皮膚がただれてしまったり痛みが強いときは、無理をせず早めの受診を心がけ、適切なケアを受けましょう。 疲労感が強いとき 疲れが抜けずにだるさが続く、普段できていたことが億劫になるなどの疲労感が強いときは、休息時間を十分に確保し、家事や仕事のペース調整が大切です。 食事面でも、たんぱく質やビタミン、ミネラルなど栄養バランスに気を配り、適度な水分補給を心がけてください。睡眠リズムを整えるために、寝る前のスマホ使用を控えたり、リラックスできる時間を確保したりする工夫も効果的です。 リンパ浮腫の初期症状が出たら 腕にむくみや重だるさ、肌の張り感を覚えるなど、リンパ浮腫の初期症状が疑われるときは、すぐに専門スタッフ(リンパ浮腫外来など)へ相談しましょう。 症状の進行を抑えるには、圧迫療法(専用のスリーブや包帯)やリンパマッサージなど、専門的なケアを早めに始めることが重要です。無理に重いものを持ち上げる動作は腕への負担を大きくするため、日常生活でも注意が必要です。 普段から腕の状態を観察し、小さな変化でも異変を感じたら自己判断せず、医師や看護師に報告して適切なアドバイスを受けましょう。リンパ浮腫は適切に管理すれば進行を遅らせ、生活の質を守れます。 安心して治療に臨むために大切なこと 不安や疑問を抱えたまま治療を続けると、心身の負担が増します。だからこそ、医療スタッフや専門家に無理なく声をかけ、信頼できる情報を得ることが大切です。一人で悩まず、適切なサポートを受ければ、安心感を得られます。 ここからは、不安を解消しながら治療に臨むための具体的なポイントを見ていきましょう。 不安を感じたら医療チームに相談する 治療に対する不安や疑問を感じたら、まずは医療チームへ相談しましょう。看護師や医師、病院の支援センターなど、話を聞いてくれる窓口は意外に多いものです。 一人で抱え込むと、些細な悩みでも大きく感じやすくなり、心身のストレスが高まります。感情の変化や落ち込み、睡眠の質の低下など、精神面での不調も早めに伝えることが肝心です。 医療スタッフは、患者さんの気持ちを把握すると、治療方針の調整や適切なケアの提案をしやすくなります。小さな不安でも遠慮なく相談し、周囲のサポートを積極的に活用して、安心して治療を受ける体制を整えましょう。 正しい情報を得て自分を守る 情報過多の時代だからこそ、正確な知識を得ることが自分を守る近道です。 とくにインターネット上では、誤った情報や根拠のあいまいな噂が広まりやすく、混乱のもとになりがちです。信頼できる医療機関の資料や、国の公的機関が運営するサイトなど、公平性の高い情報源を積極的に活用しましょう。 国立がん研究センターが運営する「がん情報サービス」などは専門医が監修しており、正確なデータや最新の治療法をわかりやすく提供しています。必要な知識を身につけることで、治療の進め方や副作用の程度をある程度予測でき、心の準備がしやすくなるでしょう。情報を正しく整理すれば、不安を必要以上に大きくせずに済みます。 不安なことや心配事は主治医へ聞くのが一番の方法と言えます。 乳がん放射線治療の副作用を正しく知り、不安なく治療にのぞもう 乳がんの放射線治療には、副作用が現れることがあります。しかし、多くの副作用は軽度であり、適切なケアを行うことで十分にコントロールが可能です。副作用が起こる仕組みや、現れやすい症状について事前に理解しておくと、心の準備ができ、落ち着いて対処できるようになります。 副作用のサインに早く気づき、適切なタイミングでの対処が、症状の悪化を防ぐポイントです。ひとりで悩まず、少しでも気になる症状があれば、すぐに医療チームに相談しましょう。副作用への備えは、安心して治療を続けるためにとても大切です。 乳がんの手術後の痛みでお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」のメール相談やオンラインカウンセリングにてお気軽にお問い合わせください。 参考文献 文献1 国立研究開発法人国立がん研究センター「乳がん 治療」がん情報サービス https://ganjoho.jp/public/cancer/breast/treatment.html#blockskip(最終アクセス:2025年4月13日) 文献2 日本乳癌協会「Q36.乳房手術後の放射線療法の際にみられる副作用はどのようなものですか。」日本乳癌協会 ホームページ https://jbcs.xsrv.jp/guidline/p2019/guidline/g4/q36/(最終アクセス:2025年4月13日)
2025.04.30 -
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胸にしこりのようなものを感じていながら、病院に行くのをためらっていませんか。 しこりがあると「乳がんかもしれない」と不安になる方も多いでしょう。 しかし、乳がんの兆候はしこりだけではありません。実は全部で12種類のチェックポイントがあります。日頃から体の変化に目を向け、気になる症状があれば乳腺外科または婦人科などで検査を受けることが大切です。 本記事では、乳がんかもしれない12の症状についてわかりやすく解説しています。最後までご覧いただくことで病院へ行くべきかどうかの判断材料が得られ、乳がんのセルフチェックにお役立ていただけるでしょう。 乳がんかもしれない12の症状一覧 乳がんが疑われる症状は、以下の12個です。本章では、これらの症状について詳しく解説します。 乳房のしこり 乳房の形や大きさの変化 乳房のへこみやツッパリ 乳房全体のはりや痛み 乳房の皮膚のあざ 乳房全体の固さ 乳頭からの分泌物 乳頭のただれや湿疹 脇の下のしこりや腫れ オレンジの皮のような皮膚 乳頭のへこみ 乳房全体の重だるさや違和感 ご自身によるセルフチェックにぜひお役立てください。 乳房のしこり 乳房にしこりを感じた場合は、痛みの有無にかかわらず注意が必要です。入浴時や就寝前など、リラックスした状態で乳房全体をやさしく触り、異物感があれば早めに受診しましょう。 ただし、しこりだけでは乳がんと断定することはできません。しこりは乳腺炎や線維腺腫(せんいせんしゅ)など別の病気でもあらわれる場合があります。(文献1)そのため、セルフチェックだけで自己判断せず、必要に応じて受診するようにしましょう。 乳房の形や大きさの変化 左右の乳房に明らかな差が出てきた場合や、急に乳房の形が変わった場合は受診を検討しましょう。 とくに片側だけが急激に大きくなる、変形するなどの変化が見られたら、なんらかの内部変化が起きている疑いがあります。鏡の前で日常的にチェックするようにしましょう。 乳房のへこみやツッパリ 乳がんが皮膚近くにできた場合、乳房の皮膚が内側に引っ張られ、へこみやツッパリとしてあらわれることがあります。さらにいつもは違和感がなくても、皮膚を軽く引っ張ったときに症状が出る場合もあります。 表面が不自然にへこんだり、引っ張られる感じがしたりする場合は、異常のサインの可能性もあるため注意が必要です。 乳房全体のはりや痛み 乳房のはりや痛みは、女性ホルモンの変動や乳腺症など、乳がん以外が原因となる場合もあります。(文献2)とくに、生理周期による女性ホルモンの変動が原因の場合、乳房のはりや痛みが周期的にあらわれたり自然におさまったりすることもあります。 ただし、痛みが1カ月以上続く場合は、医療機関で検査を受けるようにしましょう。 乳房の皮膚のあざ 乳がんの初期症状のひとつに、乳房の皮膚に原因不明のあざができるケースがあります。これは乳がんの腫瘍が血管を圧迫し、血流が悪くなることで生じることがあります。(文献3) とくに、ぶつけた記憶がないあざがある場合は注意が必要です。色の変化が数日で消えない場合は早めの受診をおすすめします。 乳房全体の固さ 乳房が全体的に硬くなったと感じる場合は、ホルモンの影響や乳腺症などが原因であるケースも多く見られます。(文献4) ただし、乳房を触っても動かないほど硬い場合は、腫瘤が乳腺内で広がっている疑いがあります。異常な硬さの場合は、病院で一度詳しい検査を受けるようにしましょう。 乳頭からの分泌物 乳頭からの分泌物の多くは、がん以外の原因によるものです。(文献5)ただし、赤や褐色など血液が混ざったような液体である場合は、乳がんの初期症状の疑いもあるため医師の診察を受けましょう。 少量でも油断せず、ティッシュやコットンなどに分泌物をつけて色を確認してみてください。また、下着に分泌物が付着して気が付くケースもあるため、見逃さないよう注意が必要です。 乳頭のただれや湿疹 乳頭に異常なただれやかゆみ、湿疹のような皮膚症状があらわれる場合も、乳がん初期症状の可能性があります。 もともと乳頭は皮膚が敏感で、トラブルが起きやすい部位です。塗り薬の使用で改善するケースもありますが、症状が長引いたり悪化したりする場合は、専門医の診察を受けるようにしましょう。 脇の下のしこりや腫れ 脇の下はリンパ節が多く集まっているため、他の部位よりもしこりができやすい場所です。 風邪やワクチン接種後などで一時的に腫れる場合もありますが、乳がんが原因の場合はリンパ節への転移の疑いもあります。痛みの有無にかかわらず、脇の下もチェックしましょう。 オレンジの皮のような皮膚 乳房の皮膚が赤みを帯び、オレンジの皮のようにザラザラ・ブツブツとした質感になることがあります。これは炎症性乳がんに見られる症状の一つです。 いつもの肌と明らかに違う質感に気づいた場合は、その下に腫瘍があるケースも考えられるため、速やかに医療機関を受診しましょう。(文献6) 乳頭のへこみ これまでなかったのに乳頭が突然へこんで見える場合は、乳頭の奥に腫瘍ができ、皮膚が内側から引っ張られている可能性があります。 生まれつきの陥没乳頭とは異なり、急な変化が見られる場合は医師の診察を受けることをおすすめします。着替えの際や入浴前後など、定期的に乳頭の状態にも目を向けてチェックしましょう。 乳房全体の重だるさや違和感 はっきりとした痛みやしこりがなくても「なんとなく乳房が重い」「はりが続く」といった違和感がある場合は注意が必要です。 腫瘍が大きくなると周囲の組織を圧迫し、乳房全体に不快感としてあらわれることがあります。わずかな変化でも見逃さず、放置せずに対応することが大切です。 乳がんかもしれないと思ったら病院で検査をしよう 乳がんかもしれないと感じた場合は、早めに医療機関で検査を受けることが大切です。診断前の段階では、以下のような検査が必要に応じて行われます。 視診や触診 マンモグラフィー 超音波(エコー)検査 病理検査(細胞を採取して調べる検査) これらの検査により、乳がんの有無や治療の必要性が判断されます。そのため、乳がんかもしれないと感じたら、早めの受診を心がけしましょう。 また「いきなり病院に行くのは不安」「誰に相談すれば良いかわからない」と感じる方は「がん相談支援センター」の利用もおすすめです。専門の相談員が対応してくれるため、一人で悩まずにまずは相談してみましょう。 乳がんかもしれない12の症状で早期発見を心がけよう 乳がんは、早期発見により治療の選択肢が広がり、予後の改善が見込まれる病気です。そのためには、日頃から自分の乳房の変化に意識を向け、変化を見逃さないことが大切です。しこりだけではなく、皮膚や乳頭の状態など、さまざまなサインを見逃さないようにしましょう。 自分でチェックしてみて「乳がんかもしれない」と感じたときは、一人で抱え込まず、医療機関の受診や専門家への相談を検討してください。 乳がんのリスクを減らすためには、セルフチェックと定期検診に加えて、日頃から免疫力を整えることも大切です。 当院「リペアセルクリニック」では、免疫力を高めることでがんの予防・再発予防を目的とした免疫細胞療法を提供しています。メール相談またはオンラインカウンセリングにて、無料相談を実施していますので、気になる方はぜひ当院までお気軽にご連絡ください。 \まずは当院にお問い合わせください/ 乳がんかもしれない12の症状に関してよくある質問 どのような人が乳がんになりやすい? 乳がんにかかりやすい人の特徴の一例に、以下の項目があります。(文献7) 40歳以上である 未婚である 初産年齢が高い 初めての生理が早かった 閉経が遅い 親戚に乳がんの人がいる 閉経後で肥満である 良性の乳腺の病気にかかったことがある これらの要因に心当たりがある方は、定期的なセルフチェックと検診を心がけましょう。 乳がんの手遅れとはどういう状態ですか? 乳がんが「ステージ4」と診断されてがんが他の臓器に転移している状態では、完治を目指すことが難しく、治療は延命や症状の緩和が中心になることがあります。 代表的な症状には強い痛みや全身の倦怠感、原因不明の発熱などが挙げられます。がんの進行を防ぐためにも、早期に発見し、速やかに適切な治療を受けることが大切です。 参考文献 (文献1)MSDマニュアル プロフェッショナル版「乳房腫瘍(乳房のしこり)」,2022年 3月改訂https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/18-%E5%A9%A6%E4%BA%BA%E7%A7%91%E3%81%8A%E3%82%88%E3%81%B3%E7%94%A3%E7%A7%91/%E4%B9%B3%E6%88%BF%E7%96%BE%E6%82%A3/%E4%B9%B3%E6%88%BF%E8%85%AB%E7%98%A4-%E4%B9%B3%E6%88%BF%E3%81%AE%E3%81%97%E3%81%93%E3%82%8A (文献2)MSDマニュアル プロフェッショナル版「乳房痛」, 2022年3月改訂,https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/18-婦人科および産科/乳房疾患/乳房痛 (文献3)近藤優,石黒清介ほか.「乳房内出血をきたした80歳以上乳癌の2例」『日本臨床外科学会雑誌』77巻(2号), p296-p302,2016年,https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsa/77/2/77_296/_pdf (文献4)MSDマニュアル プロフェッショナル版「乳房疾患の評価」,2022年 3月改訂,https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/18-婦人科および産科/乳房疾患/乳房疾患の評価 (文献5)MSDマニュアル プロフェッショナル版「乳頭分泌物」,2022年 3月改訂,https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/18-婦人科および産科/乳房疾患/乳頭分泌物 (文献6)稲本俊.「IX.乳房とリンパ節」『日本内科学会雑誌』89巻(12号), p2469-p.2476, 2000年https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika1913/89/12/89_12_2469/_pdf (文献7)厚生労働省「乳がんの危険因子」https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000113424.pdf
2025.04.30 -
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「男性でも乳がんになるの?」 「胸にしこりがあるけど、まさか乳がん?」 こうした疑問や不安を抱く方は多いでしょう。 男性の乳がんは、女性より発症数は少ないものの発症しうるがんです。 男性が乳がんになる認識の薄さから、発見が遅れやすいリスクがあります。そのため、病気の理解を深め、早期発見できるための知識を備えることが求められます。 本記事では、男性乳がんの原因や主な症状、発症確率や生存率を解説します。セルフチェックのポイントも紹介しているので、胸や胸周辺の状態を確かめる際の参考にしてみてください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 男性乳がんについて気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 男性乳がんとは 男性乳がんとは、男性の乳腺にがん細胞が発生する病気で、がん全体の中ではまれな疾患です。 ただし、男性にも少量ながら母乳を作る乳腺組織があるため、乳がんを発症する可能性があります。(文献1) そのため、乳がんは男性にとっても決して「自分には関係のない病気」ではないのです。 男性乳がんの原因 男性乳がんの発症には、複数の要因が関与していると言われています。代表的な原因は以下の3つです。 加齢によるもの 家族歴や遺伝子によるもの ホルモンバランスの乱れによるもの それぞれの原因を詳しく解説します。 加齢によるもの 女性の乳がんは40代〜50代に多く見られますが、男性乳がんは60代後半の発症が多い傾向です。(文献2)そのため、女性よりも高齢で発症しやすいのが特徴です。(文献3) 高齢者よりも頻度は低いものの、若年層でも発症するリスクはあります。 乳房に違和感があれば、早めにセルフチェックや検査を行うようにしましょう。 家族歴や遺伝子によるもの 家族歴や遺伝子による遺伝的な要因で発症リスクが高まることがあります。 とくに、BRCA1またはBRCA2遺伝子に変異があると「遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)」と呼ばれる体質になり、乳がんのリスクが高いです。 HBOCの男性では、12人に1人が乳がんを発症するリスクがあるとされており、他の男性よりも高いリスクを抱えています。(文献4) 家族に乳がんや卵巣がんの治療歴がある方、またはHBOCの診断を受けている方は、こまめにセルフチェックや定期健診を受けましょう。 ホルモンバランスの乱れによるもの 男性の体内でも女性ホルモン(エストロゲンなど)は少量ながら分泌されています。このバランスが崩れると乳腺が刺激されやすくなります。 具体的に、以下の要因で女性ホルモンが相対的に増える傾向があります。 肝機能障害 肥満 ホルモン分泌に関わる病気 こうしたホルモンバランスの乱れが長く続くと乳腺細胞が増殖し、がんを発症するリスクが高まります。 胸部にしこりや腫れなどの異変を感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。 男性乳がんの発症確率 男性乳がんの発症確率は乳がん全体の約0.6%を占め、日本では男性の約10万人に1人が発症するとの報告もあります。(文献3) さらに海外では、40年間で男性がんの発症率が40%上昇しているとの報告があります。(文献5) このように発症頻度は少ないながらも、発見が遅れると進行してしまう恐れがあるため、男性も乳房の異変に注意を払うことが大切です。 男性乳がんの生存確率 男性乳がんの生存確率は、女性乳がんに比べて全体的に低い傾向が見られます。 統計によると、すべての病期を通じて女性の生存率の方が高いという結果が出ています。(文献6) 男性生存率 女性生存率 備考 全生存率(全期間) 45.8% 60.4% すべての病期を含む全体割合 3年後の生存率 86.4% 91.7% 診断から3年後の時点 5年後の生存率 77.6% 86.4% 診断から5年後の時点 経過年数を追っても差は縮まらず、男性の方が死亡率が高い傾向が続きます。 背景には、男性では発症に気づきにくく受診や診断が遅れることが多い点や、発見時にすでに進行した病期である割合が高いことが影響していると考えられます。 こうしたデータからは、男性でも乳がんを軽視せず、日常的なセルフチェックと早期受診の意識が大切です。 男性乳がんのステージ 男性乳がんのステージは、進行度に応じて0期からⅣ期までに分類されます。ステージが上がるほどがんは広がり、治療の難易度や再発リスクも高まります。 以下の表は、それぞれのステージの定義や特徴をまとめたものです。 ステージ 定義・特徴 0期 非浸潤がん(発生部位にとどまり、広がりや転移がない状態) Ⅰ期 がんの大きさ2cm以下+リンパ節転移なし ⅡA期 ① がん2cm以下+腋窩リンパ節に転移あり(固定されておらず動く) ② がん2〜5cm+リンパ節転移なし ⅡB期 ① がん2〜5cm+腋窩リンパ節に転移あり(固定されておらず動く) ② がん5cm以上+リンパ節転移なし ⅢA期 ① がん5cm以下+腋窩リンパ節に転移あり(固定または癒着) ② がん5cm以下+腋窩リンパ節転移なし+内胸リンパ節に転移あり ③ がん5cm以上+腋窩リンパ節または内胸リンパ節のいずれかに転移あり ⅢB期 がんが胸壁に固定されている/皮膚に食い込む・皮膚から突出している/炎症性乳がん(乳房が腫れ・発赤など炎症症状あり) ⅢC期 腋窩リンパ節と内胸リンパ節の両方に転移あり/鎖骨上または下のリンパ節に転移あり Ⅳ期 がんが骨・肝臓・肺・脳など他臓器に転移している(遠隔転移あり) ステージの進行度は治療方針や予後に直結する重要な指標です。 【予兆を察知】男性乳がんセルフチェックポイント 今すぐできる男性乳がんのチェックポイントは以下の3つです。 乳頭近くにこぶはあるか 乳頭から血液や液体の分泌はないか 乳頭の形に異変はないか 男性は女性に比べて乳腺組織が少ないため、乳頭周辺に異変があらわれやすい傾向があります。(文献1)そのため、鏡の前で定期的に確認する習慣が早期発見につながります。 本章を参考に、男性乳がんのセルフチェックを行ってみましょう。 乳頭近くにこぶはあるか 男性乳がんの初期症状のひとつが「乳頭付近のこぶ(しこり)」です。以下の方法でセルフチェックを行ってみましょう。 片手を上げる 反対の手であばら骨から乳頭に向かって優しく触れる 乳頭の上下方向に沿って手を滑らせる 「の」の字を書くように乳房全体をまんべんなく触る 乳頭の近くのこぶは痛みを伴わない場合もあるため症状がなくても油断せず、定期的なセルフチェックを行いましょう。 乳頭から血液や液体の分泌はないか 乳頭からの分泌物も、男性乳がんの初期症状の一つです。セルフチェックでは、乳頭を優しくつまみ、液体が出ないか確認しましょう。もし分泌がある場合は、以下をチェックして記録を取っておくことが重要です。 左右片方または両方 液体の色や量 しこりの有無 症状が続いている期間 とくに赤や茶色の分泌物が出る場合は血液が混ざっている可能性があるため、すぐに医療機関を受診するようにしましょう。診察をスムーズに行うために、具体的な症状をまとめておくと医師に詳しく説明しやすくなります。 乳頭の形は以前と変わっていないか 乳頭の形状変化やへこみも、男性乳がんの初期症状のひとつです。乳頭の形をチェックする方法は以下のように、鏡の前でまっすぐ立って確認してみましょう。 乳頭の形に違和感はないか 乳頭周辺の皮膚の見た目や感覚に異常はないか 両手を上に上げてみて、手を上げる前後で乳頭の高さや方向に変わりはないか 日頃から乳頭の形を意識して確認すると、微細な変化に気づきやすくなります。 また、今回解説したチェック方法は、入浴や着替えのついでに短時間で行えます。チェックする習慣をつけて早期発見できるようにしましょう。 【関連記事】 セルフチェックで乳がんはわかる?やり方やしこりの感触を医師が解説 乳がんかもしれない12の症状を医師が解説|早期発見のポイントもあわせて紹介 男性乳がんの検査方法 男性乳がんの疑いがある場合、女性と同様の検査方法を用いるのが一般的です。主な検査方法は、以下のとおりです。 検査の種類 検査方法 検査からわかること マンモグラフィー (乳房にX線を照射して撮影する画像診断) 乳房を板で挟み、あらゆる方向から圧迫して撮影 触診ではわからないしこりを発見できる 超音波検査(エコー) 専用の機械を患部に当て、音波を使用し乳腺の内部を画像化する 腫瘍の有無や増殖を確認できる このほか、必要に応じて針でがん組織を採取する「生検検査」のような、より詳しい状態がわかる検査を行う場合もあります。 どのような検査があるか事前に知りたい方は、受診する病院のホームページや電話・メール問い合わせなどで確認しましょう。 男性乳がんの治療方法 男性乳がんの治療は、女性と同様にがんの進行度によって選択されます。 がんのステージが初期段階(ステージ0期からⅢA期)の場合、切除可能なら手術による乳房切除が行われます。 また、症状に応じて医師の判断で放射線治療や術後の薬物療法が選択される場合もあるでしょう。(文献2) さらに、男性乳がんでも、女性にも使用されるようなホルモン療法も治療方法の対象です。 ただし、男性と女性ではホルモンの仕組みが異なるため、女性と同じ薬剤がそのまま使用されるとは限りません。 治療法は個人の病状により異なるため、専門医と相談しながら自分にあった方法を選びます。 乳がんの手術については、以下の記事にて詳しく解説しています。あわせて参考にしてみてください。 男性乳がんの理解を深めて早期発見につなげよう 男性乳がんは、早期に発見し適切な治療を受ければ、予後が良好になる可能性が高まります。 日頃から乳房のセルフチェックを行い、しこりや分泌物などの異変に気づいた場合は、早めの受診が大切です。 当院では、人体にもともと存在する幹細胞を用いた乳がん手術後の後遺症に対する再生医療を行っています。 再生医療について詳しく知りたい方は、メール相談やオンラインカウンセリングにて当院へお気軽にお問い合わせください。 男性乳がんに関するよくある質問 男性の乳がんの死亡率は? 男性乳がんは発症率が低いものの、診断後の死亡率は女性よりも高い傾向です。 海外の研究では、2004年〜2014年に乳がんと診断された人の死亡率は、女性が17.4%、男性は27.2%だったという報告があります。(文献5) ただし、がんが進行していないうちに早期に治療すると、予後が良好となる可能性が高まります。 女性より死亡率が高い報告もあることから、少しでも異常を感じたら早期に検査を受けることが、命を守る上で重要です。 男性の乳がんは何科を受診しますか? 男性乳がんが疑われる場合は、乳腺外科の受診が専門です。 受診に抵抗がある場合は、女性専門としていない乳腺外来を選んだり、パートナーと一緒に受診したりして、受診のハードルを下げるのも一つの手です。 早めに専門医に相談すると、違和感の有無が男性乳がんかどうかがわかるでしょう。 男性の10代で乳がんになる可能性はありますか? 男性乳がんは主に60代以降の中高年で多く見られ、10代での発症は極めて稀です。(文献2) 若年層では乳腺組織が未成熟で、がん細胞が生じる条件が整いにくいためです。しかし、男性乳がんは乳房のふくらみが目立たず、多くは乳頭の真下に発生します。 そのため、診断された時点で皮膚や乳頭にまでがんが広がっていることが少なくありません。 ほとんどの10代男性は心配する必要はありませんが、気になる症状がある場合は、年齢に関係なく医療機関で確認しましょう。 男性乳がんは痛みがありますか? 男性乳がんは初期段階では痛みを伴わないことが多く、しこりや乳頭の変化だけが現れる場合があります。 痛みがないため発見が遅れ、進行してから診断される場合も少なくありません。 そのため、痛みの有無に関わらず、しこりや異常を感じたら速やかに医療機関を受診しましょう。 参考文献 (文献1) 38年間に経験した男性乳癌6例の検討|信州医誌 (文献2) 性差医療(1)乳腺外科領域」|東女医大誌 (文献3) 乳房(がん種別統計情報)|国立がん研究センターがん情報サービス (文献4) Q36 男性の乳がん対策について教えてください。」遺伝性 乳がん卵巣がんを知ろう!|日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構(JOHBOC) (文献5) Epidemiology of male breast cancer|The Breast (文献6) Comparative Net Survival Analysis of Men and Women With Breast Cancer in Japan: A Population-Based Study|Cancer Sci
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「健康診断で大腸ポリープが見つかったけど、悪性かどうかわからず眠れない」「家族が大腸がんになった。自分も同じようになるのでは」そんな不安を抱く瞬間は、誰にでも訪れるものです。 大腸ポリープと大腸がんは、一見よく似た病変に思えますが、実は発生のしくみも、進行のスピードもまったく異なります。違いを知らずに放置してしまえば、良性だったポリープが、何年もかけてがんに変わってしまうリスクもあるのが実情です。 一方で、ポリープは早期に検査と切除を受ければ、がんの芽を摘み取ることができます。 本記事では、専門医が現場で培った知見と研究結果をもとに、ポリープとがんの違い、がん化リスクを高める因子、正しい検査の受け方、さらに今日から取り組める予防のコツまでを体系的に解説します。 読み終えたとき、あなたが「悩む前に一度検査を予約しよう」「毎日の食事と運動を少しだけ変えてみよう」と行動につながると幸いです。 大腸がんと大腸ポリープの違い 大腸ポリープとは、大腸の粘膜がいぼのように盛り上がった良性の隆起で、主に「腺腫」「鋸歯状病変(きょしじょうびょうへん)」「過形成性ポリープ」など、いくつかの組織型に分類されます。これに対し、大腸がんは粘膜細胞が悪性化し、周囲の組織に浸潤(しんじゅん)しながら無制限に増殖していく悪性腫瘍です。 ポリープの多くは自覚症状がなく、健康診断の便潜血検査などで偶然見つかることが少なくありません。とくに、1センチを超える腺腫や平坦型の鋸歯状病変は、細胞異常を蓄積しやすく、年単位で大腸がんへ進行するリスクが高くなります。 大腸がんは、ステージが進むほど治療が難しくなり、転移を伴う段階では5年生存率が大きく下がります。そのため、「ポリープの段階で発見し、切除する」ことが、もっとも確実で効果的ながん予防策です。 大腸ポリープとは 大腸の内側にできるポリープはすべて同じではなく、組織の性質によっていくつかの種類に分けられます。中には将来がんに進展する可能性を持つものもあるため、違いの正しい理解が早期発見・予防につながります。大腸ポリープは、まず大きく「腫瘍性ポリープ」と「非腫瘍性ポリープ」の2つに分類されます。 さらに腫瘍性ポリープは、「腺腫(せんしゅ)」という良性腫瘍と、すでに悪性化した「がん」に分けられます。非腫瘍性ポリープには、過形成性ポリープや炎症性ポリープがあり、これらは基本的にがん化するリスクが極めて低いと考えられています。 ただし、外見だけでは腫瘍性かどうかを正確に判断することは困難なため、内視鏡検査で疑わしい病変が見つかった場合は切除し、病理診断で組織型を確定するのが一般的です。以下の表でそれぞれのポリープの分類と特徴、がん化リスクの目安をまとめました。(文献1)(文献2) 分類 名称 性質 がん化リスク 腫瘍性 腺腫(せんしゅ) 良性腫瘍 あり(前がん病変) がん(悪性腫瘍) 悪性腫瘍 - 非腫瘍性 過形成性ポリープ 良性 基本的になし 炎症性ポリープ 良性 基本的になし 遺伝性(特殊型) 家族性大腸腺腫症(FAP) 多数の腺腫が発生 高リスク とくに「腺腫」は、いわゆる前がん病変とも呼ばれ、時間をかけて徐々に細胞の異型性(異常)が進行し、やがてがんに変わる可能性があります。そのため、腺腫と診断されたポリープは原則として切除が推奨されます。実際、小さいうちに切除すれば再発も少なく、大腸がんの予防効果も高いとされています。(文献3) また、腫瘍性か非腫瘍性かの正確な見極めは、内視鏡による目視だけでは困難なことも多く、臨床現場では疑わしい病変を切除し、病理検査で分類を確定するのが一般的です。 すべてのポリープに共通する特徴が1つあります。それは自覚症状がないまま進行する特徴です。痛みや出血がなくても、健康診断や大腸内視鏡検査を受けることで早期発見、治療につながります。とくに家族歴がある方や、40歳を過ぎた方は、検査のタイミングを逃さず、適切な診断・治療につなげましょう。 \まずは当院にお問い合わせください/ 大腸がんとは 大腸がんは、大腸(結腸および直腸)の粘膜から発生する悪性腫瘍です。日本人ではS状結腸や直腸にできやすいと言われています。また、その発生には2通りあり、前述の腺腫(良性腫瘍)ががん化して生じる場合と、正常な粘膜から直接がんが生じる場合があります。(文献4) 大腸がんの進行は比較的ゆっくりであるとされています。実際、病変が大腸粘膜内にとどまっている早期大腸がんの5年生存率は90%以上と報告されており(文献4)、早期に発見と治療が重要なポイントです。 しかし、がんが進行してリンパ節や他臓器に転移した場合には、生存率は大きく低下します。リンパ節に転移してしまった場合の5年生存率は60~80%程度にまで下がるとされています。このように、大腸がんは早期発見・治療ができるかどうかで予後が大きく変わる病気です。 ポリープから大腸がんへ?知っておきたい進行リスク 「良性のポリープが将来がんになることはあるのか?」そんな疑問を持つ方も多いでしょう。結論から言えば、大腸がんの多くは腺腫から生じると考えられていますが、すべてのポリープががん化するわけではありません。(文献3) 大腸ポリープ(とくに腺腫)が大腸がんに進行するリスクは、以下のようなさまざまな因子に左右されます。 ポリープの大きさ(サイズが大きいほどリスク増) ポリープの形態(平坦型、隆起型など) 異型度(細胞の異常性の程度) 患者の年齢 遺伝的素因 腸内細菌のバランス 生活習慣(食事・運動・喫煙など) つまり、「このポリープは絶対にがんになる」と断定するのは、現時点では非常に難しいのが現実です。一方で、家族性大腸腺腫症(FAP)のように多数のポリープができる遺伝性疾患では、放置すればいずれほとんどのポリープががん化してしまいます。 近年、大腸ポリープと大腸がんの研究から、ポリープががんになる過程のメカニズムの一端が明らかになってきました。たとえば、国立がん研究センターの研究グループは、FAP患者の腸内環境を調べることでポリープから大腸がんに至る際の腸内細菌の変動を発見しています。 この発見は、遺伝性でない一般の大腸ポリープ患者においても腸内細菌ががん化に関与する可能性を示唆するもので、将来的に腸内細菌の改善による大腸がん予防につながることが期待されています。(文献5) \まずは当院にお問い合わせください/ 【がんになる前に要チェック】大腸ポリープの検査方法 ポリープは放置しても痛まないため、検査でしか見つけられません。最も精度が高いのは大腸内視鏡検査で、腸管を直接観察しながら疑わしい隆起をその場で切除できます。 通常の内視鏡が挿入しにくい方には、カプセル内視鏡が痛みや鎮静剤不要の代替手段として用いられますが、切除など外科治療は行えないため陽性時には改めて通常内視鏡が必要です。 大腸内視鏡検査 大腸内視鏡検査では、肛門から内視鏡を挿入し、大腸全体の粘膜を直接観察します。炎症やポリープ、早期がんの診断が可能で、病変が見つかれば組織の一部を採取(生検)したり、内視鏡で切除することもできます。検査前には下剤や食事制限によって腸内を空にし、検査中は鎮静剤が使用されることもあります。 内視鏡治療には、ポリープの形状や大きさに応じてポリペクトミー、粘膜切除術(EMR)、粘膜下層剥離術(ESD)などが用いられます。とくにESDは大きな病変にも対応可能で、精密な操作が求められる手技です。治療後は医師の指示に従い、飲食や運動に注意が必要です。まれに出血などの合併症もあるため、検査後の体調変化には注意しましょう。(文献6) 大腸カプセル内視鏡 近年では、内視鏡カメラを内蔵したカプセルを飲み込んで腸内を撮影するカプセル内視鏡という検査も登場しています。大腸カプセル内視鏡は2014年から保険適用となった新しい大腸検査法です。 カプセル型の小型カメラを水と一緒に飲み込むことで、カプセルが腸管内を進みながら大腸内の写真を撮影します。撮影された画像は体表に貼り付けたセンサーを介して携帯式の受信機に送られ、後で専門医が解析します。この方法により、大腸ポリープの有無を確認できます。(文献7) カプセル内視鏡は鎮静剤(麻酔)の必要がなく、X線など放射線被曝の心配もないメリットがあります。ただし、検査前の腸管洗浄(下剤服用)など事前準備は通常の内視鏡と同様に必要です。 また、大腸カプセル内視鏡は大腸内視鏡に比べて発見されたポリープに直接処置ができない(検査のみ)ため、異常が見つかった場合は結局通常の大腸内視鏡検査で治療を行う必要がある点には注意が必要です。 \まずは当院にお問い合わせください/ 大腸がんにおける定期検診のタイミング 大腸がんは日本人の死亡原因の上位にあり、40歳代から罹患率が増加してきます。そのため、自覚症状がなくても40歳を過ぎたら年に1度は大腸がん検診を受けることが推奨されています。(文献8) 大腸がん検診では通常、まず便潜血検査が行われ、陽性(便に血液が混じっている)であれば精密検査として大腸内視鏡検査につなげます。定期的な検診を受けることで、大腸がんによる死亡率を下げられることがわかっており、自分に症状がなくても決められた間隔で検査を受けることが大切です。 大腸がんとポリープの予防法 大腸がんや大腸ポリープを予防するためには、日頃から生活習慣を見直すことが重要です。ここでは、食事・飲酒の習慣と、運動・喫煙の習慣の2つの観点から予防策を説明します。 食事・飲酒習慣の改善 食生活は大腸の健康に大きく影響します。大腸がんやポリープの予防には、腸内環境を整える食事を心がけましょう。具体的には、動物性の脂肪や赤肉(牛肉・豚肉)、ハム・ソーセージなどの加工肉の過剰摂取を控え、代わりに魚や大豆製品などから良質なたんぱく質を摂るようにします。 赤肉中心の欧米型の食生活は大腸がん罹患リスク上昇の一因とされているため、鶏肉や魚、大豆類を積極的に活用すると良いでしょう。とくに鶏肉はどれだけ食べても大腸がんのリスクを上げないという報告もあります。 また、食物繊維を十分に摂取することもポイントです。水溶性・不溶性の両方の食物繊維をバランスよく含む野菜や果物、海藻、豆類、発酵食品などを日々の食事に取り入れ、腸内の善玉菌を増やすことで腸内環境を良好に保ちましょう。 併せて、過度の飲酒を控えることも忘れてはいけません。アルコール摂取は大腸がんのリスク要因の一つであり、飲酒量が多い人ほど大腸がんになる危険性が高まることが明らかになっています。がん予防のためには飲酒しないことがベストであり、飲む場合でも量を減らすほどリスクは低下します。 日本人男性を対象とした研究では、1日あたり純アルコールで約15g(ビール中瓶1本程度)以上を常飲する人は、大腸がんのリスクが有意に上昇するとの報告があります。適量の範囲に留めるか禁酒によって、大腸がん予防につながります。 運動・禁煙の習慣化 運動不足や喫煙といった生活習慣も、大腸がんの発生リスクに影響します。とくに運動不足は大腸がんリスクを高める最も重要な要因の一つです。(文献10) 定期的に適度な運動(有酸素運動)を行っている人は、そうでない人に比べて大腸がんになるリスクが低いことがわかっています。日常生活にウォーキングやジョギングなどの運動を取り入れることで、腸の蠕動(ぜんどう)運動を促進し、大腸がんの予防効果が期待できます。 また、喫煙習慣も大腸がんのリスク要因です。タバコを吸う人は吸わない人に比べ、さまざまながんになるリスクが約1.5倍に高まるとのデータもあります。喫煙は肺がんのみならず大腸がんとも関連があることが明らかになっているため、予防のためには禁煙することが望ましいでしょう。 実際、禁煙後は経過時間に応じて大腸がんを含む多くのがんのリスクが徐々に低下する報告がされています。健康な大腸を保つため、運動習慣の改善とともに禁煙にも努めましょう。 大腸がんとポリープの違いと進行リスクを知り早期検査を心がけよう 大腸ポリープと大腸がんの違いや関係、そして進行リスクについて解説しました。 大腸がんの多くはポリープから発生することがわかっている一方で、早期発見・治療により高い確率で治癒が望める病気でもあります。 大腸ポリープ自体は良性とはいえ、その中には将来がん化するものも含まれるため油断はできません。 日頃から生活習慣を見直して大腸がん・ポリープを予防するとともに、適切なタイミングで定期検診を受けて早期発見に努めることが大切です。大腸がんとポリープの違いを正しく理解し、必要以上に不安がらず、しかし軽視もせず、バランスの取れた予防と早期対策を心がけましょう。 大腸がんとポリープの違いと進行リスクを知り早期検査を心がけよう 大腸ポリープと大腸がんの違いや関係、そして進行リスクについて解説しました。大腸がんの多くはポリープから発生することがわかっている一方で、早期発見・治療により高い確率で治癒が望める病気でもあります。 大腸ポリープ自体は良性とはいえ、その中には将来がん化するものも含まれるため油断はできません。日頃から生活習慣を見直して大腸がん・ポリープを予防するとともに、適切なタイミングで定期検診を受けて早期発見に努めることが大切です。大腸がんとポリープの違いを正しく理解し、必要以上に不安がらず、しかし軽視もせず、バランスの取れた予防と早期対策を心がけましょう。 参考文献 (文献1)西和医療センター「大腸ポリープ」西和医療センターホームページ.https://seiwa-mc.jp/patients/departments/gastroenterology/polyp/.(最終アクセス:2025年4月20日) (文献2)日本消化器病学会「患者さんとご家族のための 大腸ポリープガイド」2023年. https://www.jsge.or.jp/committees/guideline/disease/pdf/cp_2023.pdf.(最終アクセス:2025年4月20日) (文献3)国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん(結腸がん・直腸がん)」.https://ganjoho.jp/public/qa_links/brochure/pdf/103.pdf.(最終アクセス:2025年4月20日) (文献4)オリンパス株式会社「大腸がんにおける早期発見の重要性」オリンパスホームページ .https://www.olympus.co.jp/csr/social/learning-about-cancer/03/.(最終アクセス:2025年4月20日) (文献5)国立がん研究センター「ポリープの大腸がん化に腸内細菌が関係していた -家族性大腸腺腫症(FAP)から知る大腸がん発生のメカニズム-」研究トピックス, 2024年8月23日. https://www.ncc.go.jp/jp/information/researchtopics/2024/0823/index.html.(最終アクセス:2025年4月20日) (文献6)日本消化器内視鏡学会「大腸内視鏡検査と治療」胃腸の検査と治療 Q&A. https://www.jges.net/citizen/check-cure/no3-2.(最終アクセス:2025年4月20日) (文献7)飲むだけカプセル内視鏡「大腸カプセル内視鏡~大腸検査の流れやスケジュール、大腸の適用疾患について」飲むだけカプセル内視鏡 .https://nomu-capsule.jp/about/daicho-capsule-endoscope.html.(最終アクセス:2025年4月20日) (文献8)国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん検診について」.https://ganjoho.jp/public/pre_scr/screening/colon.html.(最終アクセス:2025年4月20日) (文献9)国立がん研究センター がん対策研究所「科学的根拠に基づくがんリスク評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究」. https://www.fukuoka-tenjin-naishikyo.com/knowledge/post-18004/.(最終アクセス:2025年4月20日) (文献10)国立がん研究センター がん情報サービス「科学的根拠に基づくがん予防」.https://ganjoho.jp/public/pre_scr/cause_prevention/evidence_based.html.(最終アクセス:2025年4月20日)
2025.04.30 -
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大腸がんのステージ3と告げられると、リンパ節への転移があるのではないか、どんな痛みや便通異常が起こるのか、手術でどこまで治せるのかといった不安が一気に押し寄せるかもしれません。 実際のところ、大腸がんの進行度合いは腸壁への浸潤度(T因子)、リンパ節転移(N因子)、遠隔転移(M因子)の3つを組み合わせて判断します。その中でステージ3は、腸壁の深さに関わらずリンパ節に転移が認められる段階です。ここに該当する場合は治療計画や再発リスクの面で注意が必要となり、自覚症状もさまざまな形で現れる可能性があります。 本記事では、ステージ3の大腸がんにおける代表的な症状や治療選択、再発予防のポイントをわかりやすく整理します。がんがリンパ節に到達しているとはいえ、決してあきらめる必要はありません。治療技術の進歩や新しい薬の登場により、ステージ3であっても長期生存や再発予防に大いに期待が持てることがわかっています。 この記事を通して、症状を把握し早めに行動するメリットを理解し、前向きな気持ちで治療に取り組むきっかけになれば幸いです。 大腸がんにおけるステージ3とは 大腸がんは0期から4期までの5段階にわかれ、ステージ3はリンパ節転移があるかどうかが重要なポイントです。腫瘍の大きさや腸壁への深達度が比較的浅くても、リンパ節にまでがん細胞が入り込んだ時点でステージ3と判断されます。 この段階になると手術だけでなく、術後の補助化学療法や放射線治療などを組み合わせた治療戦略が必要になるケースが多くなります。再発率を左右する重要な段階でもあるため、医師の説明や検査内容を十分に理解し、自分に合った治療を検討しましょう。(文献1) リンパ節は全身をめぐるリンパ液の通り道なので、がん細胞がここに入ると体の別の場所へ転移するリスクが高まります。 腸壁の深達度を示すT因子や、他臓器に転移しているかどうかのM因子と組み合わせて総合的にステージが決まりますが、リンパ節転移が確認された場合はステージ3として扱われ、さらに転移の個数や位置によってIIIa、IIIb、IIIcなどに細分化されます。 腸壁の浸潤が浅い場合でもリンパ節転移が明らかであれば、比較的早期の状態から積極的な治療を考えることになります。(文献2)(文献4) リンパ節転移があるからといって、すぐに悲観する必要はありません。手術や抗がん剤、放射線治療を適切に組み合わせることで、5年生存率がかなり高まることが多くのデータから示されています。 昔はリンパ節転移がある段階だと治癒が難しいイメージもありましたが、近年は治療法の進歩により、ステージ3であっても長期的に元気に過ごしている方が増えています。さらに、手術前後の治療をどのように組み合わせるかによって、再発を防ぐ道筋が見えやすくなってきました。 まずは自分がなぜステージ3と判断されたのか、リンパ節転移の範囲はどの程度なのかを把握し、それに基づいてより効果的な治療法を検討していくことが大切です。 大腸がんのステージ3を判断する基準 治療計画を立てる上で欠かせないのが N因子(リンパ節転移数)です。転移したリンパ節の数によってステージ3は三つのサブカテゴリーに細分化され、それぞれで推奨される治療の強さが変わります(文献2)(文献3)。 サブカテゴリー 病理検査で確認された転移リンパ節数 再発リスクの目安 術後補助化学療法の位置づけ Ⅲa 1〜3個 中リスク 単剤経口薬+点滴薬の標準コース。副作用による中断も比較的少ない Ⅲb 4〜6個 高リスク 二剤併用または三剤併用を基本とし、治療期間は6カ月以上を推奨 Ⅲc 7個以上、または主リンパ節転移 超高リスク 強力な併用療法に加え、臨床試験や免疫チェックポイント阻害薬の適応を検討 病院ではまず造影CTやMRIで腫れたリンパ節の数を推定し、手術で切除した組織を顕微鏡で詳細に調べて最終的な個数を確定させます。この二段階の確認によって見落としを最小限に抑えられるため、過不足のない治療強度を選びやすくなります(文献5)。 たとえばⅢaであれば、補助化学療法を行ってもしびれや白血球減少などの副作用が軽度で済むケースが多く、仕事を続けながら外来通院で治療できる方もめずらしくありません。 Ⅲcの方では強力な薬剤を用いるぶん副作用が強く出やすいため、主治医やがん専門薬剤師と相談しながら段階的に薬を調整したり、臨床試験で新しい治療オプションを探る選択肢も加わってきます。 このようにリンパ節転移数は治療の強さと再発リスクをはかる重要な物差しとなります。 ステージ3大腸がんの生存率・余命 大腸がんのステージ3と聞くと、治癒率や生存率がどれくらいなのかが気になる方が多いでしょう。一般的なデータでは、ステージ3全体の5年生存率はおよそ60〜80%程度と報告されています。(文献5)(文献6) 数字に幅があるのは、先述のリンパ節転移の数や部位によって細分化されるIIIa、IIIb、IIIcなどの病期によって再発リスクが変わるためです。 N1相当の小規模転移であればより高い生存率が見込まれ、N2やN3のように転移数が多ければ再発のリスクが上がるため、平均値としてはやや低めに見えることがあります。 手術だけでなく、補助化学療法や放射線治療を適切に組み合わせることで、この生存率をさらに押し上げられます。術後に抗がん剤を投与して再発リスクを抑える方法が一般的にとられるのは、リンパ節転移のあるステージ3で微少ながん細胞が体内に残る可能性が高いためです。 あくまで生存率の数値は統計的な平均で、個々の体質や腫瘍の性質によって大きく変動する可能性があります。 最近は免疫チェックポイント阻害薬などの新しい薬も選択肢として出てきたため、従来よりもさらに生存率が向上するケースが増えています。とくに術後5年を無事に乗り越えれば、その後10年、20年と元気に過ごす例も珍しくありません。 ステージ3大腸がんの治療方法 ステージ3の治療の中心となるのは、やはり外科的手術です。がんがリンパ節まで広がっている以上、腫瘍を切除しないかぎり根治をめざすのは難しくなります。 ただし、ステージ3は手術のほかにも補助的な抗がん剤治療や放射線治療、近年注目されている免疫療法や再生医療などを組み合わせて、トータルで対策していくことが一般的です。(文献3) 腫瘍の部位や大きさ、リンパ節転移の数によって治療プランは異なるため、主治医との相談の上で自分に合った方法を見極めてください。 手術(外科治療) ステージ3大腸がんの根治をめざす場合、まず優先されるのが手術です。結腸がんではがんの部分とその周囲のリンパ節を含めて切除し、残った腸管を縫合して機能を保ちます。 腹腔鏡やロボット支援手術などの低侵襲手術が活用されるケースも増えていますが、腫瘍が大きい場合や多数のリンパ節転移が疑われる場合は開腹手術が選択されることもあります。(文献3) 直腸がんの場合は肛門に近い場所にがんがある場合など、切除範囲によっては肛門を温存できずに人工肛門(ストーマ)の造設が必要となるケースがあります。(文献1) 人工肛門が必要になったときは日常生活がどう変化するか不安に感じる方も多いのですが、ストーマ装具の性能が進化し、専門スタッフによる指導などのサポート体制が整っているので、慣れれば仕事や外出も十分に可能になります。(文献1) 術後は切除した組織を病理検査し、リンパ節転移の詳しい数や腫瘍の性質を確認して、再発予防のための補助化学療法などを検討します。ステージ3の段階では、手術に加えて抗がん剤治療を組み合わせることで再発リスクを大幅に下げることが一般的とされるため、医師から「術後の追加治療」を勧められるケースが多いのが特徴です。(文献3) \まずは当院にお問い合わせください/ 抗がん剤治療 抗がん剤治療は、手術後の再発予防や、切除が難しいがんに対する進行抑制を主な目的として行われます。 ステージ3の大腸がんに関しては、手術後に微小ながん細胞が体内に残っている可能性が高いため、再発を防ぐ目的で抗がん剤が投与されるのが通例です。抗がん剤の種類は、患者さんごとの体力や副作用の出方を考慮して決定されますが、気になる副作用については吐き気や倦怠感、下痢やしびれなどが典型例です。 ただし、制吐剤や補助薬が進歩しているので、以前と比べてコントロールしやすくなりました。 治療を続けている間も仕事を続けられる人がいる一方で、副作用が強く出て体力的につらい方もいます。主治医や看護師、薬剤師などの医療チームと相談しながら、生活環境や費用面も含めて治療計画を調整しましょう。 抗がん剤による再発率低減の効果はエビデンスが多く、術後の再発リスクを抑えるためには欠かせない選択肢として位置付けられています。(文献3) 放射線治療 放射線治療は、大腸がんのうちとくに直腸がんの治療でよく併用されます。大きくわけて補助放射線治療と緩和的放射線治療があり、補助放射線治療では、骨盤内の再発を抑えるために手術前または手術後に行われます。 術前放射線では腫瘍を小さくして手術の成功率を上げたり、局所再発率を下げたりする効果が期待でき、術後放射線は、切除では取りきれなかった可能性のある微小ながん細胞に対処する狙いで実施されることがあります。 ただし、大腸がんは放射線感受性がさほど高くないとされ、単独で根治をめざす効果は限定的です。そのため、手術や化学療法との組み合わせが非常に重要になります。緩和的放射線治療は、切除不能で痛みや出血を緩和したい段階で行うことで症状の軽減をはかります。 照射範囲によっては放射線性腸炎や放射線性膀胱炎といった副作用が起こることもありますが、照射技術が進歩しており、正常組織へのダメージを最小限にとどめる工夫が年々進んでいるのが現状です。(文献3) 免疫療法・再生医療 免疫療法は、患者自身の免疫力を高めてがん細胞を攻撃する治療法ですが、大腸がんに効果が認められた療法は免疫チェックポイント阻害薬のみです。(文献7) 近年話題になっている再生医療は幹細胞などを用いて臓器や組織を修復・再構築する手法を指し、がん治療分野ではまだ研究段階にあるものの、今後の発展が期待されています。 大腸がん治療と直接結び付くものは現状では多くありませんが、一部の施設では細胞培養技術などを活用して免疫機能を補う取り組みを行っています。 標準治療の補助として利用できるかどうかは症例や研究段階によりますが、興味がある場合は詳しい医療機関へ相談するのも一つの方法です。免疫療法や再生医療が標準治療に完全に組み込まれるには時間がかかるかもしれませんが、新しい選択肢を探したい方にとってはチェックしておきたい領域です。再生医療に興味がある方はぜひ当院にお問い合わせください。 \まずは当院にお問い合わせください/ ステージ3大腸がんにおける術後の生活と再発予防 ステージ3大腸がんの治療を終えても、術後の生活や再発予防への取り組みは引き続き重要になります。食事や運動、定期検診をどう続ければ良いのか悩む方は多いでしょう。 大腸がんならではの便通管理や生活習慣の見直しなど、日常的に気をつけることは数多くあります。 手術によって便の通り道が変わると、排便回数の増加や下痢の傾向が続く場合もあるため、体に合わせて少しずつ慣らしていく必要があります。 ここで焦って無理を重ねると、体力がなかなか回復せず、日常生活に支障を来すこともあるので、段階的にできることを増やしましょう。 リハビリとメンタルサポート 術後のリハビリでは、まず体力や筋力を回復させることが基本となります。ウォーキングや軽い体操から始めて、徐々に体を動かす時間や内容を増やすのが効果的です。 食事面でも、腸の機能が安定するまで、消化に良いものや腸内環境を整えやすい食材を意識的に摂るようにすると、便通トラブルの緩和が期待できます。 手術前は運動習慣がなかった人でも、リハビリをきっかけに体の動かし方を学ぶことで、思った以上に筋力がつき、回復が早まることがあります。 さらに、メンタル面のサポートも欠かせません。がん治療による精神的ストレスや再発への不安などで落ち込む場合は、患者会やカウンセリングなどを活用して、同じような体験をした人の話を聞いたり、専門家から気持ちの整理に関するアドバイスをもらうことが大いに助けになります。 緩和ケアは終末期だけでなく、治療中から受けられるものです。心のケアに取り組むことで、治療のモチベーションを保つ効果も期待できるため、遠慮せず医師や看護師に相談してみると良いでしょう。(文献8) 経過観察 大腸がんの術後は、ある程度長い期間にわたって経過観察が必要になります。とくに術後3年以内は再発リスクが高い時期であり、血液検査や腫瘍マーカーの測定、CTやMRIによる画像検査を定期的に受けることが推奨されます。なぜなら、肝臓や肺などへの転移が起きやすい性質があるため、症状がなくても画像上で変化が見つかる場合があるからです。 大腸内視鏡検査も定期的に実施して、新たなポリープやがんの発生がないかを確認します。もし再発が見つかったとしても、転移が限局していれば再切除や薬物療法で対処できる可能性があります。自己判断で検査を中断せず、主治医の指示に従って定期的な観察を受けましょう。(文献3) 大腸がんステージ3と宣告されて辛いあなたへ ステージ3と宣告されると、リンパ節転移があることで「完治は難しいのではないか」「再発が怖い」と落ち込む方が少なくありません。しかし、リンパ節転移があったとしても、手術や化学療法、放射線治療、免疫療法などを上手に組み合わせることで完治や長期生存をめざす道が開けるのも事実です。 再生医療などの新しい選択肢も研究が進んでおり、特定の患者さんに有望な可能性を示す報告もあります。 治療法によっては保険適用外の場合もあるため、費用や効果の面で十分に検討は必要ですが、セカンドオピニオンを通じて情報を集める価値は大いにあります。 大腸がんは他のがんと比べて手術と薬物療法でコントロールしやすい側面もあるため、適切なタイミングで行動に移せば未来を変えられるかもしれません。不安を一人で抱えず、まずは担当医を頼ってください。 生活面のサポートや経済的な補助制度も充実しているので、社会福祉士や医療ソーシャルワーカーに相談してみると具体的なアドバイスが得られるでしょう。つらい状況が続きますが、少しでも行動を起こし、未来を見つめ直しましょう。 参考文献 (文献1)国立がん研究センター がん情報サービス. 大腸がん 治療 1.ステージと治療の選択. 2025年03月24日更新. https://ganjoho.jp/public/cancer/colon/treatment.html(最終アクセス:2025年04月20日) (文献2)ざいつ内科クリニック. 大腸がんのステージについて. 2023年.http://www.zaitsu-naika.com/%E7%99%8C/p3826.html(最終アクセス:2025年04月20日) (文献3)国立がん研究センター がん情報サービス.大腸がん(結腸がん・直腸がん)について.https://ganjoho.jp/public/cancer/colon/print.html(最終アクセス:2025年04月20日) (文献4)国立がん研究センター中央病院. 大腸がんのステージ(病期)について. https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/clinic/colorectal_surgery/160/index.html.(最終アクセス:2025年04月20日) (文献5)国立消化器内視鏡クリニック. 「大腸がん」の 5 年生存率は?早期治療のメリット&知っておきたい病気の要点. 2023‑01‑31. https://kunitachi-clinic.com/column/%E3%80%8C%E5%A4%A7%E8%85%B8%E3%81%8C%E3%82%93%E3%80%8D%E3%81%AE%EF%BC%95%E5%B9%B4%E7%94%9F%E5%AD%98%E7%8E%87%E3%81%AF%EF%BC%9F%E6%97%A9%E6%9C%9F%E6%B2%BB%E7%99%82%E3%81%AE%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%83%83/(最終アクセス:2025年04月20日) (文献6)国立がん研究センター がん情報サービス. 院内がん登録生存率集計結果閲覧システム. 2015年.https://hbcr-survival.ganjoho.jp/graph?year=2014-2015&elapsed=5&type=c02(最終アクセス:2025年04月20日) (文献7)国立がん研究センター がん情報サービス.免疫療法 もっと詳しく. 2015年.https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/immunotherapy/immu02.html#003(最終アクセス:2025年04月20日) (文献8)国立がん研究センター がん情報サービス.がんのリハビリテーション医療. 2015年.https://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/rehabilitation/index.html(最終アクセス:2025年04月20日)
2025.04.30 -
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骨粗しょう症は、骨がもろくなり骨折しやすくなる病気です。骨折は要介護状態となる原因の1つとされているため、引き起こさない予防が重要になります。 しかし、なかには骨粗しょう症がなぜ起こるのか原因がわからないと感じる方もいるのではないでしょうか。骨粗しょう症を防ぐ対策には、骨がもろくなる原因を理解しておくことが大切です。 本記事では、骨粗しょう症の主な原因を解説します。骨量を上げる予防策もまとめているので、骨粗しょう症にならないよう骨を強くしたい方は参考にしてください。 骨粗しょう症の原因は骨量の減少 骨粗しょう症の原因には、骨に含まれるミネラルの総量の減少が考えられます。骨量は年齢によって減少していくだけでなく骨の強度が低下していくため、次第に骨がもろくなり、骨粗しょう症を発症します。 また、骨粗しょう症の種類は以下の2つです。 原発性(一次性)骨粗しょう症 自然に発生 続発性(二次性)骨粗しょう症 ほかの病気や薬などが原因で発生 一般的に、骨粗しょう症は自然に発生する原発性が原因となるケースがほとんどです。続発性はきわめて稀な点についても、あわせて覚えておきましょう。 なお、リペアセルクリニックではメール相談やオンラインカウンセリングを受け付けております。骨粗しょう症に関する疑問をお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。 \まずは当院にお問い合わせください/ 【骨粗しょう症】骨がもろくなる主な原因 骨粗しょう症の原因は骨量の減少ですが、骨がもろくなる要因は複数あります。主な原因は、以下の6つです。 加齢 閉経による女性ホルモンの低下 無理なダイエットや運動不足 特定の疾患 ステロイド薬 ビタミンD不足 骨粗しょう症予防として、原因について理解を深めましょう。 加齢 骨粗しょう症は、加齢に伴い増加傾向にあります。骨量は幼少期から増加し、20歳頃にはピークに達します。 40歳頃までは横ばい状態となりますが、50歳近くになると次第に減少していくのが一般的な流れです。そのため、年齢を重ねていくごとに骨粗しょう症のリスクが高まります。 加齢に伴い、食事量や運動量が減る点も原因といえます。筋力が低下していくため、骨は徐々にスカスカな状態になり、もろくなってしまうのです。 閉経による女性ホルモンの低下 骨粗しょう症が女性に多いといわれる理由は、エストロゲンと呼ばれる女性ホルモンが減少するためです。エストロゲンには、骨を作る細胞と壊す細胞のバランスを調整する機能があります。 しかし、女性は閉経するとエストロゲンの分泌量が減少します。エストロゲンが減少すると、骨を壊す細胞が活性化し、結果として骨量の減少により骨粗しょう症を引き起こしてしまうのです。 実際に、60代の日本人女性は22.8%、80代の56.2%が骨粗しょう症といわれています。(文献1)骨折すると、要介護のリスクが高まるため注意が必要です。 無理なダイエットや運動不足 ダイエットや運動不足などの生活習慣によっては骨量が減少し、骨粗しょう症を引き起こしやすくなります。骨を作る細胞は負荷がかかるほど活性化するため、運動の習慣がなければ次第にもろくなります。 また、過度なダイエットは骨を作るのに欠かせない栄養素が不足しがちです。骨を作る栄養素の1つとなるカルシウムが不足すると、骨が弱くなってしまいます。 とくに20代は骨量がピークを迎える時期となるため、若いうちに骨を作っておくことが大切です。若いうちから無理なダイエットをしていると骨がボロボロになり、年齢を重ねるにつれて骨粗しょう症を引き起こすリスクが高くなります。 特定の疾患 骨粗しょう症は、特定の疾患により引き起こされる可能性があります。原因となる主な疾患は、以下のとおりです。 関節リウマチ 副甲状腺機能亢進症 糖尿病 動脈硬化 慢性腎臓病 慢性閉塞性肺疾患 特定の疾患を発症すると、骨代謝や骨形成に必要な細胞などが異常をきたして骨がもろくなる場合があります。また、骨質を劣化させる物質が増加し、骨が弱くなるケースも珍しくありません。 骨粗しょう症の原因を理解するためには、骨密度や骨の質が低下する疾患についても、あわせて覚えておきましょう。 ステロイド薬 骨粗しょう症には、ステロイド薬が原因となるステロイド性骨粗しょう症があります。ステロイド性骨粗しょう症とは、ステロイド薬の服用により引き起こされる骨粗しょう症です。 ステロイド薬は炎症を抑制する一方で、骨を作る細胞の働きを弱める作用があります。また、骨を吸収する細胞の働きを強めて、骨を弱くするのもステロイド薬の作用です。 使用するステロイド薬の量が多いほど骨はもろくなってしまうほか、3カ月以上継続して使う場合は骨強度の低下を引き起こします。ステロイド薬の長期的な使用は、日常生活における些細な動作でも骨折してしまうほど骨を弱める可能性があります。 ビタミンD不足 ビタミンDが極端に不足した場合、骨がもろくなってしまい骨粗しょう症を引き起こします。ビタミンDにはカルシウムやリンなどの吸収をサポートする役割があり、欠乏すると骨が弱くなってしまいます。 また、骨が弱くなるだけでなく、下肢の筋力が衰えて転倒しやすくなるケースも少なくありません。ビタミンDは骨粗しょう症の予防に欠かせない栄養素で、加齢に伴い必要量も増加します。骨を守るためには、ビタミンD不足を防ぐことが重要です。 骨粗しょう症の予防法 骨粗しょう症を防ぐためには、骨を強くする必要があります。主な予防法は、以下の5つです。 骨粗しょう症予防に適した栄養をとる 骨密度を上げる運動を取り入れる 日光を浴びる 禁煙する 骨密度検査を定期的に受ける 骨を強くする方法について理解を深め、骨粗しょう症を予防しましょう。 骨粗しょう症予防に適した栄養をとる 骨粗しょう症予防には、骨を強くする栄養を積極的に摂取するのが効果的です。骨を強くする栄養の摂取は、骨量の維持や改善が期待できます。 骨粗しょう症予防に適した栄養素は、以下のとおりです。 栄養素 役割 主な食材 カルシウム 骨を作る 牛乳 乳製品 小魚 小松菜 チンゲン菜 ビタミンD カルシウムの吸収を促進 鮭 ウナギ サンマ シイタケ キクラゲ 卵 ビタミンK カルシウムが骨に沈着するのをサポート 納豆 ほうれん草 小松菜 ブロッコリー キャベツ 予防策には骨を強くする栄養素だけでなく、バランスの良い食生活が重要です。なお、スナック菓子やインスタント食品は、カルシウムの吸収を妨げる食塩の含有量が多いため、食べ過ぎないようにしましょう。骨粗しょう症予防策として、バランス良く栄養を取り入れるのがポイントです。 骨密度を上げる運動を取り入れる 運動は、骨密度の向上に効果的です。骨を強化するためには、負荷をかけて細胞を活性化させる必要があります。 骨密度を上げるのにおすすめの運動は、以下のとおりです。 片足立ち つま先立ち スクワット ウォーキング 水泳 バレーボール 負荷がかかる運動を取り入れると骨が強くなるため、継続的に行うのが重要です。なお、足や腰に痛みがあって運動ができない場合は、仰向けになった状態で腰を持ち上げる体操など無理のない範囲で進めていきます。 運動の習慣がない場合は、軽い体操やウォーキングからスタートして、骨密度の低下を予防しましょう。 日光を浴びる 日光浴はビタミンD活性化に良い効果をもたらすため、骨粗しょう症予防に適しています。ヒトの皮膚の下に位置する皮下脂肪には、コレステロールの一種が含まれています。 コレステロールは紫外線に当たると化学反応を起こし、ビタミンDが生成されるため、日光浴は骨作りに効果的です。夏場は、長時間の日光浴を避けて15分〜30分ほどを目安にします。 また、冬場は30分〜1時間ほどを目安に日光浴をするのがおすすめです。洗濯物を干したりウォーキングしたりと、日光が出ているタイミングで外に出てビタミンD生成のサポートを行いましょう。 禁煙する たばこは骨をもろくする要素を多く含んでいるため、禁煙を推奨します。喫煙による骨のリスクは、以下のとおりです。 骨密度の低下 骨形成に必要な細胞の減少 骨を吸収する細胞の増加 骨折のリスク上昇 ビタミンDやカルシウムの吸収を阻害 ホルモンバランスの乱れ 実際に、喫煙における股関節骨折のリスクは女性31%、男性40%の割合で増加すると推定されています。(文献2)たばこは要介護の原因となる骨折リスクに影響するため、骨がもろくなるのを防ぐ方法として禁煙を検討するのがおすすめです。 骨密度検査を定期的に受ける 骨粗しょう症の予防策には、定期的に骨密度検査を受ける方法があります。骨密度検査ではどのくらい骨量が減少しているか、X線を使用して測定します。 主な骨密度検査は、以下のとおりです。 主な骨密度検査 特徴 DXA(デキサ法) 背骨や太ももの付け根、前腕などの骨密度をX線で測定 MD法 手の骨密度を測定 QUS法(定量的超音波測定法) かかとの骨に超音波を当て、骨の強さを測定 レントゲン検査 背骨のX線写真を撮影し、骨折や変形を確認 MRI検査 X線検査では見分けがつきにくい、骨折を詳しく確認 血液・尿検査 骨代謝を測定 骨密度検査は、症状がなくても50歳以上になったら定期的に受けましょう。リペアセルクリニックではメール相談やオンラインカウンセリングを受け付けております。骨粗しょう症に関する疑問や悩みをお持ちの方は、お気軽にお問い合わせください。 \まずは当院にお問い合わせください/ 骨粗しょう症の原因から骨量を上げる予防法を実施しよう 骨粗しょう症の原因は、加齢や女性ホルモンの減少、無理なダイエットなどさまざまです。骨は50歳あたりから徐々に減少するため、骨粗しょう症のリスクが高まります。 骨粗しょう症になると骨折しやすくなるので、骨量を上げる予防法の実施が重要です。骨を強くする栄養素や運動を取り入れ、骨粗しょう症を予防しましょう。 なお、骨粗しょう症の骨折は手術を伴う可能性があります。万が一、手術を伴う骨折をした場合は身体の負担が少ない再生医療を検討するのも手段の1つです。発症する原因を理解して、骨粗しょう症を予防しましょう。 参考文献 (文献1) 厚生労働省「女性向け 知ってほしい健診・検診」健康日本21アクション支援システム~健康づくりサポートネット~2024年 https://kennet.mhlw.go.jp/tools/wp/wp-content/themes/targis_mhlw/pdf/leaf-checkup-female.pdf(最終アクセス:2025年4月24日) (文献2) PubMed「A meta-analysis of the effects of cigarette smoking on bone mineral density」NationalLibraryMedicine2001年 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11683532/(最終アクセス:2025年4月24日)
2025.04.30 -
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「花咲乳がん」と診断されたものの、どのような病気なのかわからず不安になっていませんか。あるいは「自分の症状が花咲乳がんなのでは?」と感じている方もいるかもしれません。 花咲乳がんは、進行した乳がん症状の一種で、がん組織が皮膚の表面にあらわれた状態です。見た目や悪臭に困っている方も少なくありませんが、適切な薬物療法や放射線療法などで痛みや悪臭の軽減、QOLの改善が可能です。 本記事では、花咲乳がんの特徴やステージとの関係性、治療法について詳しく解説します。本記事を参考に、花咲乳がんの特徴や治療法を理解し、自分にとって納得のいく治療を検討してみてください。 花咲乳がんとは「がん組織が皮膚の表面にあらわれた状態の乳がん」 花咲乳がんとは、乳がんが進行し、がん組織が皮膚の表面にあらわれた状態です。 医学的には「がん性皮膚潰瘍」や「がん性皮膚創傷(そうしょう)」とも呼ばれ、皮膚が破れて盛り上がり、花が咲いたように見えることから名付けられました。(文献1) 見た目の症状に加えて、悪臭や出血、膿など他の症状を伴う場合もあります。放置すると状態が悪化しやすいため、早期の対応が重要です。 花咲乳がんの症状 花咲乳がんでは、皮膚の変化に加えて、乳がんに共通するさまざまな症状が見られます。代表的な症状は以下のとおりです。 乳房の痛み 出血 悪臭 膿 しこり 皮膚の赤み 花咲乳がんの見た目やにおいの変化は、日常生活や精神面にも影響を及ぼすことがあります。気になる症状があれば、早めに専門医に相談しましょう。 花咲乳がんの初期症状 花咲乳がんの初期には、一般的な乳がんと似た症状があらわれます。代表的な初期症状は以下のとおりです。 症状 説明 乳房のしこり 皮膚の見た目に異変があらわれる前に、しこりができる場合が多い 乳房を触れてみて異物感があれば早めの受診がおすすめ 乳房の皮膚の赤みや腫れ 乳がんが表皮に近づくと皮膚に異常が見られる しこりが皮膚側へ肥大する場合もある 乳房のへこみ 腫瘍が皮膚表面近くにある場合、皮膚のつっぱりやへこみが生じることがある 皮膚を引っ張るとへこみの症状があらわれる場合がある 初期症状を放置すると、花咲乳がんのように皮膚の表面にがん組織があらわれる状態に進行するケースがあります。違和感がある場合は、早めに専門医への受診が大切です。 花咲乳がんの原因 花咲乳がんは、進行したがんで見られる症状です。乳がんを治療せずに放置した場合や、治療の効果が十分に得られなかった場合にあらわれることが多くあります。 乳がんが進行すると、腫瘍が皮膚の表面に達して破れてがん組織が皮膚表面に露出し「花が咲いたような状態」になります。 乳房に異変を感じたときは、早めに受診して治療を始めることが大切です。初期に治療を行えば、がんの進行を防げる可能性が高まります。 花咲乳がんのステージと余命の関連性 花咲乳がんは、乳がんが進行した状態であらわれる症状のひとつです。ステージやがんの広がり方によって、予後や余命の目安も変わります。 本章では、花咲乳がんとステージ・余命の関係について解説します。今後の治療方針を医師と相談する際の参考になれば幸いです。 花咲乳がんのステージの目安 乳がんの進行度は以下のように、ステージ0〜Ⅳの5段階に分かれており、数字が大きいほどがんの進行度は高まります。(文献2) 皮膚に潰瘍があらわれる花咲乳がんは「局所進行乳がん」に分類され、ステージⅢB以上と判断される場合が多いです。 ステージ 症状 0期 非侵襲(ひしんしゅう)がん がんが広がっていない状態 ⅠA期 しこりが2cm以下 リンパ節への転移なし ⅠB期 しこりが2cm以下 同じ側の脇のリンパ節にわずかに転移 ⅡA期 しこりは2cmを超えるが5cm以下 リンパ節に転移は見られない しこりは2cm以下 同じ側の脇のリンパ節に転移 ⅡB期 しこりが5cmを超える リンパ節への転移なし しこりは2cmを超えるが5cm以下 同じ側の脇のリンパ節に転移 ⅢA期 しこりが5cmを超える 同じ側の脇のリンパ節、または内胸リンパ節に転移 しこりの大きさは5cm以下 同じ側の脇のリンパ節が周囲組織に固定されているまたは内胸リンパ節に転移 ⅢB期 大きさに関わらず、しこりが胸に固定されている 皮膚にむくみや潰瘍を形成している 同じ側の脇のリンパ節、または内胸リンパ節に転移 ⅢC期 しこりの大きさに関わらず、同じ側の脇のリンパ節や鎖骨、内胸リンパ節に転移 Ⅳ期 しこりの大きさやリンパ節の転移に限らず、他の臓器へ転移 ステージⅢでは、がんが乳房内だけでなく皮膚や胸壁に及んでいる状態を意味します。 さらにステージⅣと診断されると、がんが他の臓器にまで広がっているため、根治を目指す治療は困難とされています。ただし、症状の緩和や延命を目的とした治療によって、生活の質(QOL)の維持や長期的なコントロールを目指すことも可能です。 5年生存率(余命)の目安 乳がんはステージが進むほど生存率が下がる傾向があります。乳がんの実測生存率の目安は以下の通りです。(文献3) ステージ 実測生存率(%) Ⅰ期 95.2 Ⅱ期 90.9 Ⅲ期 77.3 Ⅳ期 38.6 ステージが進むほど生存率は下がってしまいます。しかし、近年は治療法の選択肢の増加や医療の進歩により、進行がんであっても長期生存や症状の緩和を目指せるようになりました。 花咲乳がんにおける3つの治療法 花咲乳がんの治療法は一般的な乳がんと同様、以下の3種類が中心です。 薬物療法 手術療法 放射線療法 治療法は、がんの進行度や個人の体調・意向に応じて選択されます。それぞれの特徴を理解し、今後の治療方針を考える際の参考にしていただければ幸いです。 薬物療法 薬物療法は、花咲乳がんのような進行乳がんで選ばれる場合が多い治療法です。以下のような目的で選択されます。(文献4) 再発のリスクを抑える 手術前に腫瘍を小さくする 症状を和らげる 使用される薬には、がんの種類や体質により異なるものがあります。乳がんの治療に使われる薬剤の種類は、主に以下の3つです。(文献5) 薬剤の種類 効果 ホルモン剤 ホルモンの分泌を抑制する ホルモンの作用を利用して増えるタイプの乳がんに使用される場合が多い 分子標的薬 がん細胞を標的にして攻撃する 乳がんで使用する場合は、他の薬剤と併用して使用する場合が多い 抗がん剤 がん細胞の増殖を抑える 正常な細胞にも影響を与えることがある また、使用する薬剤による副作用への対応も必要です。医師と相談しながら無理のない治療計画を立てましょう。 手術療法 手術療法では、がんが存在する乳房や周囲の組織の切除が目的です。 主な手術の種類は主に以下の3つです。(文献4) 乳房の一部を取り除く「乳房部分切除術」 全体を取り除く「乳房全切除術」 脇の下のリンパ節を取る「腋窩リンパ節郭清」 ただし、ステージ4のようにすでに遠くの臓器に転移している場合、手術でがんを取り除いても生存期間の延長が難しいとされています。そのため、薬物療法を中心に行うのが一般的です。(文献5) 乳がんの手術については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてください。 \まずは当院にお問い合わせください/ 放射線療法 放射線療法は、がんにX線を照射することでがん細胞を死滅させたり、腫瘍を縮小させたりする治療法です。手術後に放射線療法を行う場合、残った乳房に対して照射するケースも多くあります。(文献4) また、花咲乳がんのように骨や脳へ転移した進行がんでは、痛みの軽減や日常生活の質(QOL)を保つために放射線療法が用いられることもあります。(文献7) なお、放射線療法後には一時的に倦怠感や皮膚炎などの副反応があらわれるリスクもあるため、体調の変化には注意が必要です。(文献7) 花咲乳がんは専門医のもとで適切な治療を受けよう 花咲乳がんは、進行した乳がんであらわれる代表的な症状のひとつです。できるだけ早い段階で専門的な治療を受けることが大切です。今回解説したような兆候に心当たりがある方は、予後を良好に保つためにも、早めに受診して適切な治療を受けましょう。 また、近年では薬物療法・手術療法・放射線療法の3本柱に加え「免疫療法」が新たな乳がん治療の選択肢として注目されています。(文献8)免疫療法は、免疫力を高め、がんの予防や再発予防を目的とした治療法です。従来の治療と組み合わせることも可能です。 当院「リペアセルクリニック」では、免疫療法にも対応しております。メール相談やオンラインカウンセリングも実施していますので、気になる方はお気軽にご相談ください。 \まずは当院にお問い合わせください/ 花咲乳がんについてよくある質問 花咲乳がんはなぜ切除できないのですか? 花咲乳がんがあらわれている場合、進行したがんが他の臓器へ転移している恐れがあります。そのため、すぐに切除できるとは限りません。 まずは薬物療法でがんの進行を抑えたり、腫瘍を小さくしたりする治療が優先されます。 状態が安定し、がんが部分的にとどまっていると判断された場合には、手術による切除が検討されることもあります。(文献9) 治療方針は進行度や体の状態によって異なるため、必ず専門医と相談するようにしましょう。 花咲乳がんはどんなにおいですか? 花咲乳がんでは、皮膚の表面に露出したがん組織から出血や浸出液がにじむと、腐敗臭のような強いにおいが生じることがあります。(文献10) 花咲乳がんによる悪臭は患者本人の生活の質にも大きく影響し、ストレスとなる場合も多く見られます。においに困る場合は、以下の消臭ケアがおすすめです。 メトロニダゾール(塗り薬)を塗る(文献11) 患部を洗う 吸水シートを使用し浸出液の漏れを防ぐ 部屋をこまめに換気する 花咲乳がんによるにおいでお困りの方は、医師と相談のうえ実践してみてください。 参考文献 (文献1)渡部 一宏.「がん性皮膚潰瘍臭改善薬:メトロニダゾールゲル」『昭和薬科大学紀要』50巻,p15-p19.2016年https://www.shoyaku.ac.jp/upload/AdminNews/528/rel_doc1/watanabe-kiyou-50.pdf (文献2)一般社団法人日本乳癌学会 「Q15 乳がんのステージとステージごとの治療の流れについて教えてください」患者さんのための乳がん診療ガイドライン2023年版, 2022年12月https://jbcs.xsrv.jp/guideline/p2023/gindex/30-2/q15/ (文献3)国立がん研究センターがん情報サービス「院内がん登録2014-2015年5年生存率」2023年https://ganjoho.jp/public/qa_links/report/hosp_c/hosp_c_reg_surv/latest.html (文献4)国立がん研究センターがん情報サービス「乳がん 治療」2024年10月22日https://ganjoho.jp/public/cancer/breast/treatment.html (文献5)一般社団法人日本乳癌学会「Q16 乳がん治療に使われる薬剤にはどのようなものがありますか」患者さんのための乳がん診療ガイドライン2023年版, 2022年12月https://jbcs.xsrv.jp/guideline/p2023/gindex/30-2/q16/ (文献6)一般社団法人日本乳癌学会 「CQ4 Stage Ⅳ乳癌に対する原発巣切除は勧められるか?」乳癌診療ガイドライン2022年版, 2022年5月https://jbcs.xsrv.jp/guideline/2022/g_index/cq4/ (文献7)一般社団法人日本乳癌学会 「総説1 乳癌放射線療法の基本」乳癌診療ガイドライン2022年版, 2022年5月https://jbcs.xsrv.jp/guideline/2022/h_index/s1/ (文献8)Kathrin Dvir,et al. (2024年). Immunotherapy in Breast Cancer.Int. J. Mol. Sci2024, 25 (14)doi: 10.3390/ijms25147517. (文献9)一般社団法人日本乳癌学会 「総説 Ⅳ.局所進行乳癌(StageⅢB,ⅢC)」乳癌診療ガイドライン2022年版, 2022年5月https://jbcs.xsrv.jp/guideline/2022/s/s4/ (文献10)堀尾卓矢,津福達二ほか.「Mohsペーストとメトロニダゾールゲルを用いた乳癌癌性皮膚潰瘍の管理」『日臨外会誌名』77巻(11号), p2646-p2652,2016年https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsa/77/11/77_2646/_pdf (文献11)桑山隆志,横田成彬ほか.「がん性皮膚潰瘍部位の殺菌・臭気の軽減に対するメトロニダゾールゲル(ロゼックス®ゲル0.75%)の安全性および有効性の検討—使用成績調査—」『Palliative Care Research』18 巻(1号), p11-p18. 2023年https://www.jstage.jst.go.jp/article/jspm/18/1/18_22-00042/_html/-char/ja
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「タチの悪い乳がんって言われたけど、どういう意味なんだろう」「治るのかどうかが心配」と不安になっていませんか。 医師の一言がずっと引っかかり、ネットで調べている方も多いかもしれません。 タチの悪い乳がんは「トリプルネガティブ型」の乳がんを指していることが多いと考えられます。 ”タチの悪い”と表現されるものの、治療法がないわけではありません。この記事では、タチの悪い乳がんの治療法や再発のリスク、手術後の生活などを解説します。 病気への不安が和らぎ、今後の生活をイメージするきっかけとなれば幸いです。 タチの悪い乳がんとされる「トリプルネガティブ型」とは 「タチが悪い」と言われると、治らないのではと怖くなりますよね。 正式な医学用語では「タチが悪い」といった表現は使いませんが、実際に“治りにくいがん”として扱われるタイプの乳がんはあります。それが「トリプルネガティブ乳がん」です。 これは、他のタイプと比べて再発しやすく、生存率が低い傾向にあるため「タチが悪い」と感じる方が多いのです。ただし、だからといって治療ができないわけではありません。早期発見や治療の進歩によって、治療の道はしっかりあります。 \まずは当院にお問い合わせください/ 乳がんのサブタイプ ここでは、トリプルネガティブを含む乳がんの「サブタイプ」について説明します。 サブタイプとは乳がんの性質による分類 がんの分類といえば「ステージⅠ」や「ステージⅡ」などの言葉を聞いたことがある方も多いかもしれません。これはがんがどこまで広がっているか、他の場所への転移があるかといった進行度の話です。 一方、「サブタイプ」とはがんの性質による分類のことを指します。 乳がんは「ホルモンが関係しているのか」や「HER2というたんぱく質があるかどうか」で分けられます。サブタイプごとに効果的な治療法が変わってくるため、最初の診断でしっかり見極めることが大切です。(文献1) 乳がんのサブタイプ一覧 以下が代表的な乳がんのサブタイプです。 サブタイプ分類 ホルモン受容体 HER2 (がん細胞の増殖に関係するたんぱく質) ER (エストロゲン受容体) PgR (プロゲステロン受容体) ルミナルA型 陽性 陽性 陰性 ルミナルB型 (HER2陰性) 陽性 弱陽性・陰性 陰性 ルミナルB型 (HER2陽性) 陽性 陽性・陰性 陽性 HER2型 陰性 陰性 陽性 トリプルネガティブ 陰性 陰性 陰性 ER、PgRは女性ホルモンとの関係をあらわし、HER2は細胞の増殖に関わるタンパク質との関係をあらわします。 トリプルネガティブとは、このER、PgR、HER2がすべて「陰性」である乳がんのことです。 「ネガティブ」と聞くと「よくないこと」というイメージを持つかもしれませんが、単に「検査結果が陰性」という医学的な意味で使われています。(文献2) 【サブタイプ別】乳がんの再発率・生存率 タチの悪い乳がんと言われると、再発のしやすさや今後がんは治るのか、といったことが心配になりますよね。 ここでは、乳がんのサブタイプごとの再発しやすさや、生存率について解説します。 サブタイプ別の再発率 再発とは、治療後に見えなくなったがんが再びあらわれることです。また、治療から5年以内に再発しない人の割合を「5年無再発率」として示すこともあります。 乳がんのサブタイプによって、再発のしやすさはさまざまです。5年無再発率がもっとも高いのは97.2%のルミナルA型、反対にもっとも低いのは79.3%のトリプルネガティブという報告があります。(文献3) 同じ「乳がん」でも、性質によって経過は大きく異なるため、サブタイプに応じた治療と経過観察が大切です。 サブタイプ別の生存率 「5年生存率」とは、診断から5年後に生きている人の割合のことです。再発率と同じく、乳がんのサブタイプごとに、生存率には違いがあります。 たとえば、ルミナルA型は5年生存率が99.4%と高く、10年後でも98.0%とのデータがあります。 一方で、トリプルネガティブは、5年生存率が81.6%、10年生存率が78.3%と、他のサブタイプよりもやや低い傾向です。(文献3) この違いは、使える薬や治療法の選択肢がサブタイプごとに異なるためだと考えられています。治療法が限られるトリプルネガティブは、化学療法が中心となるため、予後が厳しいと感じることがあるかもしれません。 【タチの悪い乳がん】トリプルネガティブ乳がんの治療は「化学療法」 ここでは、トリプルネガティブ乳がんに使われる「化学療法」について解説します。 乳がんの化学療法の特徴 化学療法の副作用 化学療法の特徴を知り、治療に備えましょう。 乳がんの化学療法の特徴 化学療法とは、いわゆる「抗がん剤治療」のことを指します。 サブタイプ別の治療方法は、以下の表の通りです。 サブタイプ分類 選択される薬物療法 ルミナルA型 ホルモン療法、化学療法 ルミナルB型(HER2陰性) ホルモン療法、化学療法 ルミナルB型(HER2陽性) ホルモン療法、化学療法、抗HER2療法 HER2型 化学療法、抗HER2療法 トリプルネガティブ 化学療法 ホルモン療法やHER2療法が効かないトリプルネガティブ乳がんは、化学療法が主な治療法です。 化学療法を行う目的やタイミングは、以下のとおりです。 手術の前にがんを小さくしてから切除しやすくする 手術のあとに、体内に残ったがん細胞をなくす 手術が難しい進行がんや、再発したがんに対して行う 手術前の薬の効き方を見て、手術後の薬を同じものにするか別の薬に変えるかを決めることがあります。(文献1) 化学療法の副作用 化学療法には、次のような副作用があります。(文献4)(文献5) 心筋障害 骨髄抑制 吐き気・嘔吐 食欲不振 脱毛 倦怠感 副作用には個人差があり、薬の種類によっても違います。つらさを感じたときは、我慢せず医師や看護師に相談しましょう。 乳がんの手術と後遺症の特徴 乳がんの手術をするかもしれない、と思うと「どんな手術なのか」「後遺症はあるのか」といった心配が出てきますよね。 ここからは、以下の項目に沿って解説します。 乳がん手術の特徴 乳がん手術の後遺症 ひとつずつみていきましょう。 乳がん手術の特徴 乳がんの手術は、以下の二つに分けられます。 腫瘍と周りの乳腺を切除する部分切除 乳房全体を切除する全摘術または乳頭乳輪温存乳房切除術 乳がんは進行すると乳房の中に広がりやすいのが特徴です。そのため、がんの範囲が広いと乳房全体を切除する(全摘)選択をするケースもあります。 また、わきの下のリンパ節にがんが転移していれば、リンパ節を含めた広い部分の切除を検討します。(文献6) 乳がん手術の後遺症 乳がんの手術で起こりやすい後遺症には、次のようなものがあります。 リンパ浮腫:腕がむくんで重い、だるいような感覚 乳房切除後疼痛症候群:胸の奥にチクチクした痛みや違和感が残る状態 リンパ浮腫は、手術でリンパ節を切除したことによって起こります。予防には「肌を清潔に保つ」「きつい下着や袖を避ける」「適度に運動する」「重たい荷物を持たない」などが大切です。 もしむくみや動かしづらさを感じたら、リハビリで改善をめざしていきます。重症化すると日常生活に支障が出ることもあるため、腕に違和感があれば早めに医療機関に相談しましょう。(文献7) 乳房切除後疼痛症候群については、こちらの記事も参考にしてください。 乳がんの治療後、痛みなどの後遺症に悩まされ、なかなか改善が見られないこともあります。こうした痛みには、従来の治療では限界があるとされてきました。 その一方で、再生医療という新しい選択肢も注目されています。とくに「幹細胞治療」は、ダメージを受けた神経の修復が期待される方法で、神経障害に対して新たな可能性を広げています。 当院では、この幹細胞治療を導入し、乳がん治療後のつらい痛みでお困りの方にも対応してきました。症状や状態に応じた個別の治療提案が可能ですので、気になる方はぜひご相談ください。 タチの悪い乳がんでも治療の余地はある 「タチの悪い乳がん」と言われると不安になりますよね。 実際には、これはトリプルネガティブ乳がんのことを指している可能性が高く、他のタイプに比べて再発や進行のリスクが高い面はあります。 しかし、治療法がないわけではありません。化学療法を中心に、手術や再発予防のケアまで、できることはたくさんあります。不安をひとりで抱え込まず、信頼できる医療チームと一緒に進んでいくことが大切です。 また、当院では乳がん治療の後遺症による痛みのご相談も受け付けています。気になる方は、「メール相談」または「オンラインカウンセリング」まで、気軽にご相談ください。 \まずは当院にお問い合わせください/ タチの悪い乳がんに関するよくある質問 乳癌トリプルネガティブの余命は何年ですか? トリプルネガティブ乳がんは、治療が難しいとされるタイプですが、余命は個人によって異なります。 がんの広がり方や、再発があるかどうか、治療にどのように反応するかによって大きく異なります。統計的に生存率がやや低めとのデータはありますが、近年では治療成績も向上しています。 「このがんだから何年」と決めつけず、できる治療を前向きに続けていくことが大切です。 乳がんの治療後はすぐに仕事に復帰できますか? 治療後は、体力が落ちていたり、だるさが残ったりします。 すぐにフルタイムで働くのは難しいケースもあるため、主治医と相談しながら、在宅勤務や時短勤務など、無理のない働き方を選ぶと良いでしょう。焦らず、少しずつ日常を取り戻していけるようサポートを受けてください。 参考文献 (文献1)国立研究開発法人国立がん研究センター「乳がん 治療」がん情報サービス2024年10月22日https://ganjoho.jp/public/cancer/breast/treatment.html (文献2)一般社団法人日本乳癌学会「Q27 病理検査でどのようなことがわかりますか」患者さんのための乳がん診療ガイドライン2023年版https://jbcs.xsrv.jp/guideline/p2023/gindex/40-2/q27/ (文献3)医療法人那覇西会「2023年」那覇西クリニックホームページhttps://www.naha-nishi-clinic.or.jp/about/achievement/1705018379/ (文献4)浅野雅嘉「乳がんの薬物療法」『月刊地域医学』Vol.33 No.1,pp.44-47,2019https://www.jstage.jst.go.jp/article/chiikiigaku/33/1/33_44/_pdf/-char/ja (文献5)独立行政法人医薬品医療機器総合機構「エピルビシン塩酸塩注射液10mg/5mL「サワイ」/エピルビシン塩酸塩注射液50mg/25mL「サワイ」」2023年10月https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/300119_4235404A1067_1_04#HDR_Warnings (文献6)一般社団法人日本乳癌学会「Q21 どのような場合に腋窩リンパ節郭清が必要でしょうか」患者さんのための乳がん診療ガイドライン2023年版https://jbcs.xsrv.jp/guideline/p2023/gindex/40-2/q21/ (文献7)独立行政法人国立病院機構四国がんセンター「乳房の手術を受けられるあなたへ(乳房温存術・乳房切除術)」独立行政法人国立病院機構四国がんセンターホームページhttps://shikoku-cc.hosp.go.jp/hospital/support/clinical_path/mammary_gland/data/manma_kan_231221.pdf
2025.04.30 -
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「乳がんはセルフチェックで見つけられるのかな?」 「乳がんのセルフチェックはどこを触れば良いのか?」 このような疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。 乳がんは、早期に見つけることで治療の選択肢が広がり、身体への負担も軽くなる可能性があります。 乳房の異変に気づいたきっかけの多くは「セルフチェック」であるという報告もあり、日ごろから自分の身体に目を向けることが早期発見につながります。(文献1) ただし、セルフチェックはやりすぎることで不安を強めてしまう側面もあるため、正しい頻度と方法を知ることが大切です。 とはいえ「どうチェックすれば良いのか」「乳がんのしこりはどんな感触なのか」と、わからないことも多いでしょう。 本記事では、現役医師が正しい乳がんのセルフチェックのやり方を詳しく解説します。また、乳がんが疑われる場合の受診の目安やセルフチェックにおける注意点についても合わせて紹介します。 記事の最後には、乳がんのセルフチェックについてよくある質問をまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 乳がんについて気になる症状がある方は、ぜひ公式LINEにご登録ください。 乳がんにおけるセルフチェックのやり方 セルフチェックのやり方 詳細 鏡での視診(腕を下ろした状態・上げた状態) 鏡の前で両腕を下ろした状態および上げた状態での乳房の左右差、形や大きさの変化、皮膚のへこみ・ひきつれ・赤みの有無の確認 触診(入浴時や滑りを良くして) 石けんやボディソープを使い指の腹で円を描くように触れることによる、しこりや硬い部分、痛みの有無の確認 乳頭(乳首)のチェック(分泌物の有無) 乳頭を軽くつまんだ際の血性や透明な分泌物の有無、ただれや陥没の変化の確認 わきの下(リンパ節)の触診 わきの下に指を差し入れて触れることによる、しこりや腫れ、左右差の確認 仰向けでのチェック(乳房を平らにしてしこりを探す) 仰向けで乳房を平らにした状態での、指の腹によるしこりや硬結の有無の確認 乳房のセルフチェックは月1回、毎回同じタイミングで行うことが大切です。 鏡で形や左右差、皮膚のへこみや赤みを確認し、入浴時など滑りの良い状態で指の腹を使い乳房全体を触診します。 乳頭からの分泌物やわきの下のしこり、仰向けでの硬さの変化にも注意し、気になる所見があれば、早めに医療機関を受診しましょう。 以下の記事では、乳がんかもしれない12の症状について詳しく解説しています。 鏡での視診(腕を下ろした状態・上げた状態) 手順 チェック内容 1. 準備 全身が映る鏡の前に立ち、上半身を脱いで正面から乳房全体が見える状態に 2. 腕を下ろした状態 両腕を身体の横に自然に下ろし、乳房の大きさ・形・左右差、乳頭の向きや色、皮膚のへこみ・ひきつれ・変色・発赤の有無を確認 3. 腕を上げた状態 両腕を頭の上にゆっくり上げ、乳房の形の変化、皮膚のひきつれ・へこみ、乳房の異常な動きがないかを確認 4. 異常の確認 左右差、片方だけの変形、乳頭からの分泌物やただれの有無を観察 鏡での視診は、乳房の変化を自分の目で確認する重要なセルフチェックです。腕を下ろした状態と上げた状態の両方で観察することで、皮膚のひきつれやへこみなど動きによって現れる異常に気づきやすくなります。 左右差や片側のみの変化、乳頭からの分泌物やただれも見逃さないことが大切です。視診は触診と組み合わせて行い、少しでも気になる変化があれば、医療機関での評価が必要です。 触診(入浴時や滑りを良くして) 手順 方法 1. 準備 シャワーや石鹸で乳房を濡らし、指がスムーズに動く状態に。指の腹を使い、力を入れすぎず優しく触る 2. 身体の姿勢 仰向けに寝て、片方の肩の下にタオルやクッションを置き乳房を平らに。反対側の手で乳房全体を調べる 3. チェックの範囲と手順 外側から中心に向かって螺旋状に指を動かし、乳房全体をカバー。乳頭からわきの下まで重点的に触診し、わきの下のリンパ節も確認 4. 触感の確認ポイント しこりの有無、硬さ、境界の明瞭さ、動きやすさをチェック。異常に硬い・動かないしこりや痛みを感じる箇所に注意 5. 実施頻度 月1回を目安に習慣化 触診によるセルフチェックは、乳房内部の変化を発見するのに欠かせません。入浴時など指の滑りが良い状態で行うことで、乳房全体をムラなく確認できます。 仰向けで乳房を平らにするとしこりの有無や硬さを感じ取りやすくなります。乳房だけでなくわきの下の変化にも注意が必要です。 乳頭(乳首)のチェック(分泌物の有無) 手順 方法 1. 鏡での観察 乳頭の形や色を目視で確認。へこみ、ひきつれ、ただれ、発赤の有無をチェック 2. 分泌物の確認 清潔なティッシュやコットンで乳頭を軽くつまみ、透明・白色・黄色・血性の分泌物が出ないか観察 3. 要注意な分泌物 血が混じる分泌物や片方の乳頭だけからの分泌。痛み・発赤・しこりを伴う場合は速やかな受診が必要 4. 日常的な観察 入浴時や触診の際に乳頭の状態を意識的に観察し、異常があれば記録 乳頭からの分泌物は、セルフチェックで見逃されやすい重要なサインのひとつです。鏡での観察に加え、乳頭を軽くつまんで分泌の有無や色を確認することで異常に気づきやすくなります。 とくに血が混じる分泌物や片側だけに見られる分泌物は注意が必要です。分泌物は必ずしも乳がんによるものとは限りませんが、気になる変化があれば早めに医療機関へ相談することで早期発見につながります。 わきの下(リンパ節)の触診 手順 方法 1. 身体の姿勢 仰向けに寝て、腕を軽く頭の後ろにのせるか、逆側の手でわきの下を触りやすい姿勢に 2. 触診の手順 指の腹でわきの下全体を優しく押しながら探り、小さなしこりや硬い部分、痛みの有無を確認。動きやすさや硬さに注意 3. 注意すべきしこりの特徴 腫れて硬くなったリンパ節や動かないしこり。腫瘍性病変が関与している可能性もあるため、異常を感じた場合は受診が必要 4. 定期的なチェック 入浴時やセルフチェックの際に習慣的に触診し、左右の違いを覚えておく。新たなしこりや痛みがあれば記録 わきの下のリンパ節触診は、乳がんの転移を早期に察知するために欠かせないセルフチェックです。 リンパ節は通常触れにくいですが、腫れると硬くなったり動きにくくなったりします。 入浴時などリラックスした状態で、左右を比べながら優しく触れることが大切です。新たなしこりや痛みを感じた場合は自己判断せず、医師に相談することが大切です。 仰向けでのチェック(乳房を平らにしてしこりを探す) 手順 方法 1. 準備と姿勢 仰向けに寝て、調べる側の肩の下に枕やタオルを入れ乳房を平らに。反対側の手の指の腹で触診 2. 触診の範囲と動かし方 乳頭からわきの下にかけて螺旋状に優しく動かしながら触る。脂肪の多い上外側を重点的に丁寧にチェック 3. しこりの感触の確認 硬さ、大小、境界の明瞭さ、動きやすさを確認。硬くて動かないしこりの有無に注意 4. 注意点 4. 注意点 強い力で押しすぎず、痛みを感じない程度の圧で実施。異常を見つけたら医療機関を受診 5. 習慣化 月経後の時期に毎月同じ方法で行い、変化を記録 仰向けでのチェックは、乳房を平らにすることでしこりを発見しやすくする効果的な方法です。肩の下に枕やタオルを入れて乳房を平らにし、反対側の手の指の腹で優しく触診します。 乳頭からわきの下にかけて螺旋状に動かし、脂肪の多い上外側を重点的に調べましょう。 しこりの硬さや動きやすさに注意し、硬くて動かないしこりがないか確認します。 強く押しすぎず、痛みを感じない程度の圧で行うことが大切です。月経後の時期に毎月同じ方法で実施し、変化があれば記録して早めに医療機関を受診しましょう。 【受診すべきサイン】乳がんのしこりの感触・特徴 受診すべきサイン 詳細 硬いしこりが触れることがある ゴムのように弾力のない硬いしこり、押しても形が変わりにくいしこり、周囲の組織と比べて明らかに硬い感触 境界が不明瞭なことがある しこりの輪郭がはっきりせず周囲に溶け込むような触感、指でなぞっても境目がわかりにくい状態 しこり以外の変化が見られることがある 乳房の皮膚のへこみ・ひきつれ、赤みや腫れ、乳頭の陥没や分泌物などを伴う変化 乳がんのしこりは、触れた際に硬く、弾力が乏しいことが特徴とされます。 また、周囲との境界がわかりにくく、指でなぞっても輪郭を捉えにくい場合があります。 しこりに加えて皮膚のへこみやひきつれ、乳頭の陥没や分泌物などの変化が見られる場合があり、これらは必ずしも乳がんとは限りません。しかし、気づいた時点で早めに医療機関を受診することが大切です。 以下の記事では、進行後の乳がんについて詳しく解説しています。 【関連記事】 タチの悪い乳がんとは?トリプルネガティブの特徴と治療法を医師が解説 ステージ3の乳がんとは?症状や治療法・生存率を現役医師が解説 硬いしこりが触れることがある 項目 詳細 感触の特徴 コリコリした硬い部分、丸みが乏しくいびつな形、境界が不明瞭な広がり。押しても形が変わりにくい弾力に乏しい質感 注意が必要な硬さ 片側だけに持続して触れる硬い部分、時間をおいても硬さが変わらない、月経周期に左右されず同じ場所に残る硬さ 硬く感じる理由 線維成分が多く弾力が乏しい腫瘤、周囲組織との癒着により動きにくい硬さとして認識 気をつけたいポイント 単回の触診で判断せず日を変えて繰り返し確認。硬い部分が持続または増大している場合は医療機関での評価が必要 乳がんのしこりは弾力が少なく硬く触れることがあり、押しても形が変わりにくい点が特徴です。 丸みが乏しく、境界がわかりにくい感触として認識される場合もあります。ただし良性疾患でも硬く触れることがあるため、硬さだけで判断することはできません。 片側だけに同じ硬さが続く場合や、月経周期に関係なく変化しない場合は、自己判断せず医療機関での評価が重要です。 境界が不明瞭なことがある 項目 詳細 触れ方の特徴 丸みが少なくいびつな形、どこからどこまでがしこりか判断しにくい、広がるような硬さ。ひとつの塊ではなく境界が曖昧に続く感触 境界が不明瞭な理由 周囲組織への浸潤性があり境目がわかりにくい、線維性変化により硬さが連続的に触れる 注意が必要な場合 片側に境界不明瞭な硬い部分が持続、時間を置いても同じ部位に不明瞭な硬さが残る、月経周期に関係なく変化が続く 気をつけたいポイント 単回の触診で判断せず時間を空けて確認。境界不明瞭な硬さが持続または増大している場合は医療機関での評価が必要 医療的観点 炎症性変化や良性腫瘍でも境界不明瞭となることあり。良悪性の鑑別には超音波検査やマンモグラフィなどの画像検査が必要 乳がんのしこりは、触れた際に周囲との境界がわかりにくい硬さとして感じられることがあります。 はっきりした塊ではなく、広がるような触感や範囲を特定しにくい感覚が特徴です。ただし乳腺症などの良性疾患でも同様の触れ方をする場合があるため、触診のみでの判断は困難です。 片側だけに同じ硬さが続く場合や時間を置いても変化しない場合には、画像検査を含めた医療機関での評価が欠かせません。 しこり以外の変化が見られることがある 項目 詳細 観察されることがある変化 皮膚のくぼみやひきつれ、乳頭の陥没などの形状変化、乳頭・乳輪の発赤・ただれ・かさつき、乳頭からの分泌物 起こる理由 乳がんが皮膚や乳頭を内側から引っ張ることによるくぼみやひきつれ、乳管や周囲組織の変化による乳頭分泌や形状変化、リンパ節の関与によるわきの下の腫れ 注意が必要な場合 片側に特定の変化が持続、以前と比較して明らかな変化が続く、分泌物が自然に出続ける 気をつけたいポイント 肌荒れやホルモン変化でも類似症状が発生。単回の変化で判断せず経過観察。「片側・持続・悪化」が受診の判断基準 医療的観点 しこりが触れない病変でも皮膚や乳頭の変化を認める場合あり。最終判断には視診・触診に加え画像検査が必要 乳がんの初期変化は、しこりとして触れなくても皮膚や乳頭の変化として現れることがあります。皮膚のくぼみやひきつれ、乳頭の陥没、乳頭からの分泌物、わきの下の腫れなどが代表的です。 これらは乳がんが皮膚や乳頭を内側から引っ張ることや、リンパ節の腫大により生じます。ただし肌荒れやホルモン変化でも類似症状が起こるため、単回の変化では判断できません。 片側に持続する変化や以前と比べて明らかな変化が続く場合は、早めに医療機関を受診し、画像検査を含めた評価を受けることが大切です。 乳がんのセルフチェックを行うタイミング セルフチェックを行うタイミング 詳細 月1回の月経後のタイミングで行う 月経終了後数日以内の乳房の張りや痛みが少ない時期でのセルフチェックの実施 閉経後は毎月同じ時期に行う 日付を決めた定期的な実施による変化の把握と比較のしやすさの確保 乳がんのセルフチェックは、適切なタイミングで継続して行うことが大切です。 月経のある方は、乳房の張りや痛みが落ち着く月経終了後数日以内に月1回を目安に行うことで、変化に気づきやすくなります。 閉経後の方は毎月同じ日を決めて実施すると、前回との違いを比較しやすくなります。 月1回の月経後のタイミングで行う 月経後はホルモンが落ち着き、乳房が柔らかくなるため、しこりや変化を確認しやすい時期です。 月に1回、定期的に自分の乳房に触れる習慣をもつことで、普段との違いに気づきやすくなります。 一方、毎月特定の日付でセルフチェックを行うと、月経周期のずれによって乳房の状態が変わり、判断が難しくなる場合があります。 そのため、「月経後1週間以内」を目安に実施すると、毎回近い状態で確認することがおすすめです。 閉経後は毎月同じ時期に行う 閉経後は月経周期による乳房の張りや変化が少ないため、月に1回、同じ時期にセルフチェックを行うことが推奨されます。 実施時期を固定することで前回との比較がしやすくなり、小さな変化や持続するしこりにも気づきやすくなります。 日付や曜日を決めて入浴時や就寝前など落ち着いて確認できる時間帯に行い、新たな硬さや片側のみの変化が続く場合は早めに医療機関で評価を受けましょう。 乳がんにおけるセルフチェックの注意点 注意点 詳細 セルフチェックには限界がある 触診や視診のみでは判別が難しい病変の存在、画像検査や医師による診察の必要性 乳房は周期や体質によって状態が変化する 月経周期やホルモン変動、体質差による張りや硬さの変化の生じやすさ 過度な心配によるストレスに注意 不安の増大による心身への負担、気になる変化発見時の早期相談の重要性 乳がんのセルフチェックは日常的な変化に気づくための有効な手段ですが、視診や触診だけでは判断できない病変もあるため、定期的な検診や医師による診察が欠かせません。 また、乳房は月経周期や体質によって張りや硬さが変化しやすく、一時的な変化に過度に不安を感じる必要はありません。 気になる所見が続く場合は一人で悩まず、早めに医療機関へ相談することが心身の負担軽減にもつながります。 セルフチェックには限界がある セルフチェックは、自分の乳房の状態を日常的に把握するための補助手段であり、すべての乳がんを見つけられる方法ではありません。 触診や視診で異常を感じなくても、乳房の深部や触れにくい位置に病変が存在する場合があります。 過去の研究では、定期的な自己触診だけで乳がんによる死亡率が低下するという十分な科学的根拠は示されておらず、偽陽性による不要な検査や不安を増やす可能性も指摘されています。(文献2) そのためセルフチェックは「自分なりの正常な状態を知る」ことを目的とし、異常に気づいた際の第一歩と捉えることが大切です。気になる変化があれば躊躇せず専門医を受診し、セルフチェックだけに頼らず定期的な乳がん検診と併用する習慣を持ちましょう。(文献3) 乳房は周期や体質によって状態が変化する 乳房は女性ホルモンの影響を受け、月経周期や年齢、体質によって状態が変化します。排卵から月経前にかけてはプロゲステロンなどの作用により乳腺が発達し、乳房の張りやむくみが生じやすくなります。 この時期には「しこりのように感じる」「硬くなる」といった変化が起こりやすく、乳がんのしこりと誤認する可能性があるため、注意が必要です。 そのため月経直後などホルモンの影響が小さい時期にセルフチェックを行うことで、普段の状態をベースに変化を見つけやすくなります。 過度な心配によるストレスに注意 セルフチェックは乳房の変化に早く気づくために有用な手段です。しかし、触れた感触を「病気ではないか」と過度に心配すると、強い不安や睡眠障害などのストレスにつながることがあります。 乳房は月経周期や体質により一時的に張ったり、しこりのように感じたりすることがあり、良性疾患でも不安を招く場合があります。 また、インターネット上の過剰な情報に触れることで不安が増幅することも少なくありません。 変化があってもすぐに病気と決めつけず、経過を見ながら判断することが大切です。気になる状態が続く場合は自己判断を続けず、早めに医療機関で相談することで安心につながります。 セルフチェックは不安を高めるためではなく、変化に気づくための手段であることを理解しましょう。 乳がんのセルフチェックを実施し早期の受診を心がけよう 乳がんのセルフチェックは、自分の身体を守るための大切な習慣です。月に1回、月経後のタイミングで行い、日ごろから自分の乳房の状態を意識することで、わずかな変化にも気づきやすくなります。 しこりや皮膚のひきつれ、乳頭からの分泌物など、気になる症状を見つけた場合は、自己判断せず、早めに医療機関を受診しましょう。 一方で、セルフチェックを過度に行ったり、インターネットでの過剰な情報収集を続けたりすると、不安を強めてしまうことがあります。 適切な頻度で実施し、気になる点があれば一人で悩まず、医師に相談することを心がけましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、乳がん治療後の後遺症に対して、幹細胞治療を提供しています。乳がんについて気になる点がある方は、メール相談またはオンラインカウンセリングまで気軽にご連絡ください。 乳がんのセルフチェックについてよくある質問 乳がんのセルフチェックのやりすぎはよくありませんか? 乳がんのセルフチェックは、基本的に月1回程度が目安です。 毎日のように行うと、小さな変化に過敏になりすぎて、不安が強くなることがあります。 大切なのは、自分の乳房の通常状態を知ることです。 月経後1週間ほど経過した、乳房が柔らかくなっている時期にチェックしてみましょう。 授乳中や妊娠中でも乳がんのセルフチェックはできますか? 授乳中や妊娠中でもセルフチェックは可能です。 ただし、授乳中や妊娠中はホルモンの影響で乳腺が発達し、乳房が張ったり硬く感じやすかったりするため、通常よりもしこりがわかりづらくなる可能性があります。 いつもと違う変化があるかどうかを意識して、気になる点があれば医師に相談しましょう。 乳がんのセルフチェックにおけるひきつれとはどんな感覚ですか? 「ひきつれ」とは、乳房の皮膚や乳頭が引っぱられたようにくぼんで見える、すじ状に引っぱられている状態です。 ひきつれによって皮膚のなめらかさが失われたり、動きに左右差が出たりする場合もあります。 鏡の前で腕を上げたり動かしたりして、左右差や皮膚の変化がないか確かめましょう。少しでも違和感を覚えたら、早めに専門医の診察を受けてください。 乳がん治療は手術が中心ですか? 乳がん治療では、多くの場合、手術が中心となる治療法です。 早期乳がんでは、しこりのみを切除する乳房部分切除や乳房全摘術が行われ、必要に応じて術後に放射線療法や薬物療法が組み合わされます。(文献4) ただし、がんの進行度や病状によっては、手術に先行して薬物療法や放射線療法を行う場合もあります。 以下の記事では、乳がんの手術について詳しく解説しています。 【関連記事】 乳がんの手術後の痛みと後遺症について|乳房切除後疼痛症候群(PMPS) 乳がんの放射線治療で起こる副作用とは?時期・症状・対策を詳しく解説 参考文献 (文献1) 乳がん|がん情報サービス (文献2) Screening for Breast Cancer: Current Recommendations and Future Directions | AAFP|American Family Physician (文献3) Q1 乳がん検診について教えてください | 患者さんのための乳がん診療ガイドライン2023年版 (文献4) 乳がん 治療|がん情報サービス
2025.04.30 -
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乳がんのステージ3は、がんが進行している段階です。症状としては腫瘍が5㎝を超えて拡大することがあり、胸の一部がくぼんだり、変色したりします。 進行度と目に見える身体的症状から、ステージ3と診断され不安に感じる方も少なくありません。 しかし、医療の進歩によりステージ3の乳がんでも治療の選択肢は広がり、希望を持って治療に向き合える時代です。 本記事では、ステージ3の乳がんについて徹底解説します。乳がんステージ3の段階や症状、治療方法、生存率などを紹介するので、参考にしてみてください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 「乳がん」について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 【前提知識】乳がんのステージは4段階 乳がんのステージは、がんの進行度を表す重要な指標です。 TNM分類と呼ばれる方法で評価され、腫瘍の大きさ(T)、リンパ節転移の程度(N)、遠隔転移の有無(M)に基づいて判断されます。 ステージ 特徴 0期 がん細胞が乳管内にとどまり、周囲組織への浸潤がない(非浸潤性) Ⅰ期 腫瘍が小さく(2cm以下)、リンパ節転移がない Ⅱ期 腫瘍は2〜5cmで、転移なし。または腋窩リンパ節転移あり Ⅲ期 腫瘍が大きく(5cm超)、または多数のリンパ節転移があるが、遠隔転移はない Ⅳ期 腫瘍の大きさやリンパ節状態にかかわらず、他の臓器への遠隔転移がある (文献1) ステージは治療方針の決定や予後予測において非常に重要な要素となります。 以下の記事では、乳がんのセルフチェックを紹介しています。鏡を見て確認する方法や触って確かめる方法などを紹介しているので、参考にしてみてください。 乳がんのステージ3とは ステージ3の乳がんは、より進行した状態を表し、さらに詳細な分類として3つのサブステージに細分化されます。 それぞれの特徴は異なりますが、いずれも局所進行性であり、遠隔転移はまだ認められない段階です。 サブステージ 特徴 ⅢA期 ・腫瘍が5cm以下で、腋窩リンパ節転移の固定または内胸リンパ節転移がある ・腫瘍が5cmを超え、腋窩リンパ節または内胸リンパ節に転移がある ⅢB期 ・腫瘍が皮膚や胸壁に広がっている ・しこりのない炎症性乳がんもこの段階に含まれる ⅢC期 ・腋窩リンパ節と内胸リンパ節両方に転移がある ・鎖骨上にまで及ぶリンパ節転移がある (文献1) この段階では、手術や化学療法、放射線療法などを組み合わせた積極的な治療アプローチが必要となります。 乳がんステージ3の症状 乳がんステージ3は、胸周辺にある脇や鎖骨あたりのリンパ節への転移はあるが、臓器への遠隔転移はない状態です。 乳がんステージ3になると以下のような症状が現れます。 しこりが急に大きくなる しこりの拡大により胸の一部がくぼむ しこりが胸壁に固定されて動かしにくくなる しこりが硬く、いびつな形をしている しこりの影響で胸にしわや変色が生じる 痛みは少ないものの、しこりが周辺組織を刺激して痛みが伴う場合もある リンパ節への転移により脇の下や鎖骨周辺が腫れる しこりの大きさや形の変化、胸の外観に異常を感じたら専門機関を受診しましょう。 乳がんステージ3の生存率 乳がんの生存率はステージによって大きく異なります。 ステージ 5年相対生存率 ステージ1 95.2% ステージ2 91.0% ステージ3 77.7% ステージ4 39.2% (文献2) ステージ1〜2は予後が非常に良好で、とくに早期発見された場合は完全治癒が期待できます。 ステージ3でも適切な治療を受ければ、5年生存率は75%以上です。ステージ4では治療の焦点は延命と生活の質の向上に移行します。 乳がんステージ3の治療法 ステージ3の乳がんは局所進行性であり、治療には複合的なアプローチが必要です。 このステージでは、腫瘍が大きく、リンパ節転移が広範囲に及んでいることが多いため、手術だけでなく、化学療法、放射線療法、および薬物療法を組み合わせた集学的治療が標準となります。 早期の段階よりも積極的な治療計画が必要ですが、適切な治療により良好な治療成績が期待できます。 術前化学療法(ネオアジュバント化学療法) 術前化学療法は、手術前に行う薬物療法で、腫瘍を縮小させることを目的としています。 ステージ3の乳がんでは、腫瘍が大きく手術が困難なケースが多いため、術前化学療法によって腫瘍を小さくすることで、手術の実施可能性や乳房温存の可能性が高まるケースが多いです。 術前化学療法への反応性を評価することで、治療効果を早期に判断でき、必要に応じて治療法を調整できるメリットもあります。 とくに「病理学的完全奏効(pCR)」が得られた場合は、予後が良好とされています。 薬物療法 ステージ3の乳がんの薬物療法は、がんの生物学的特性に基づいて選択されます。 療法の種類 特徴 化学療法 アドリアマイシン系薬剤とタキサン系薬剤の併用が一般的 ホルモン療法 エストロゲン受容体(ER)またはプロゲステロン受容体(PR)陽性の場合に実施 分子標的療法 HER2強陽性の場合はトラスツズマブなどの分子標的薬を使用 これらの治療法は、肉眼では確認できない微小ながん細胞を排除し、再発を防止するために極めて重要です。 治療全体の期間は、患者さんの状態や治療に対する反応に応じて調整されます。 手術 ステージ3の乳がんの手術は、腫瘍の状態により以下のいずれかが選択されます。 手術の種類 特徴 乳房全切除術 腫瘍と共に乳房全体を摘出する方法で、進行した乳がんでは最も一般的 乳房部分切除術 腫瘍の一部を摘出する方法で、術前化学療法で腫瘍が十分縮小した場合に検討される また、リンパ節転移の評価のため、手術中のセンチネルリンパ節生検などで腋窩リンパ節にがんが転移していた場合、腋窩リンパ節郭清が行われます。 放射線治療 手術後の放射線治療は、ステージ3の乳がんではほぼ必須の治療です。標準では以下の部位に照射されます。 胸壁全体(手術した胸の範囲) 鎖骨上窩(首の付け根で鎖骨の上の部分) しこりが手術で取り切れていない可能性がある際は、しこりのあった周囲に追加照射します。症状によっては、内胸リンパ節にも照射する場合があります。 放射線治療は通常1日1回、週5回4〜6週間です。近年では、より精密な照射技術により、心臓や肺などの正常組織への影響を最小限に抑えられます。(文献3) 乳がんステージ3の再発率 乳がんステージ3の再発率は、およそ30〜50%だと言われています。乳がんは10年後に再発するケースもあるため、完治と判断されるまでに時間がかかります。 以下は、乳がんにおける再発の種類です。 局所領域再発:手術した側の乳房や周囲の皮膚、リンパ節に発生する 遠隔再発:臓器や骨など乳房から離れた別の部位に発生する 再発の種類や状態に応じて、がんの摘出手術や薬物療法を進めていきます。 当院「リペアセルクリニック」では、免疫力を高めることでがんの予防・再発予防を目的とした免疫細胞療法を提供しています。メール相談またはオンラインカウンセリングにて、無料相談を実施していますので、気になる方はお気軽にご連絡ください。 ステージ3の乳がんに対する理解を深めて適切な治療を選択しよう ステージ3の乳がんは、進行度が高い段階ではありますが、適切な治療によって治る可能性があります。 少しでも進行を遅らせるためには、早期発見と早期治療が欠かせません。 日頃から胸の状態をチェックしたり、定期検診を受けたりして胸の異変にすぐ気づける環境を作りましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、免疫力を高めることでがんの予防・再発予防を目的とした免疫細胞療法を提供しています。メール相談またはオンラインカウンセリングにて、無料相談を実施していますので、気になる方はお気軽にご連絡ください。 ステージ3の乳がんに関するよくある質問 ステージ3の乳がんは完治しますか? 適切な集学的治療(手術、化学療法、放射線治療の組み合わせ)により、ステージ3の乳がんも治癒が期待できます。 ただし、乳がんは再発しやすいがんです。ステージ3における再発率は、30%ほどと言われています。 10年後に再発するケースもあるため、完治と判断されるまでに時間がかかります。 ステージ3の乳がんの10年生存率を教えてください 国立研究開発法人国立がん研究センターが監修しているがん情報サービスのデータを参考に、乳がんステージ3の10年生存率を以下の表にまとめました。 ステージ 10年相対生存率 ステージ1 88.1% ステージ2 80.5% ステージ3 60.1% ステージ4 16.1% ステージ4の10年生存率は、他のステージと比べて大幅に低いです。早期発見・早期治療の重要性がデータからも明らかと言えます。 ステージ3の乳がんの治療期間はどのくらいかかりますか? ステージ3の乳がんの治療は複数の段階に分かれており、全体としては1年前後の期間を要することが一般的です。 個々の状況により異なりますが、主な流れと期間の目安は以下の通りです。 治療方法 期間の目安 診断確定期間 針生検から病理検査、CT・MRIなどの画像診断まで、2週間程度 術前化学療法 ステージ3では腫瘍縮小のため、通常4~6カ月 手術入院 術式により異なるが、1~2週間 放射線治療 1日1回、週5日のペースで4~6週間 術後薬物療法 ホルモン療法や分子標的療法などは、状況により5~10年継続 (文献4)(文献5) ステージ3の乳がんに治療費の補助はありますか? ステージ3の乳がんの治療には高額な医療費がかかりますが、以下のような公的支援制度があります。 高額療養費制度 ・公的医療保険に基づき、1か月の医療費(保険適用分)が一定額(自己負担限度額)を超えた場合、その超過分が払い戻される ・自己負担限度額は年齢や所得によって異なり、事前に「限度額適用認定証」を取得すると窓口での支払いが軽減される 医療費控除 ・年間で支払った医療費が一定額を超えた場合、所得税の還付や住民税の軽減を受けられる ・治療費だけでなく、通院交通費なども対象になる場合がある 傷病手当金 ・健康保険に加入している会社員や公務員が対象で、治療のために仕事を休む場合、給与の一部が補填される 自治体独自の助成制度 ・各自治体が実施する医療費助成制度や生活福祉資金貸付制度などがある がん相談支援センター ・全国のがん診療連携拠点病院に設置されており、治療費や補助制度について無料で相談できる (文献6) 制度を活用すると、乳がん治療による経済的負担を大幅に軽減できます。 具体的な手続きについては、加入している保険窓口や自治体に相談することをおすすめします。 ステージ3の乳がんは仕事を続けることはできますか? ステージ3の乳がんでも、多くの患者さんが治療と仕事を両立させています。 治療内容や個人の体調、職種によって調整は必要ですが、工夫次第で継続可能です。 職場との早期相談が重要で、時短勤務やフレックスタイム、テレワークなどの柔軟な勤務形態を活用すると良いでしょう。 通院スケジュールに合わせた勤務調整も効果的です。治療中は副作用による体調変化があるため、無理をせず体調に応じて働くことが大切です。 必要に応じて産業医や医療機関のソーシャルワーカーに相談するなど、サポートを受けながら社会とのつながりを維持していくと、精神面でも安定するでしょう。 参考文献 (文献1) 中外製薬乳がんのステージ分類って?」おしえて乳がんのコト|中外製薬 (文献2) がん登録センター 「院内がん登録 2015年5年生存率集計 」2021年|国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所 (文献3) 「乳がん 治療」がん情報サービス|国立研究開発法人国立がん研究センター (文献4) 「治療にかかる期間」|横浜市立みなと赤十字病院 ブレストセンター (文献5) 「Q32 ホルモン療法(内分泌療法)は,どのくらいの期間続けたらよいのでしょうか」患者さんのための乳がん診療ガイドライン2023年版|一般社団法人日本乳癌学会 (文献6) 「Q13 乳がん治療に際して受けられる経済面や生活面での支援制度はありますか」患者さんのための乳がん診療ガイドライン2023年版|一般社団法人日本乳癌学会
2025.04.30 -
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コロコロした便が続いていて「これって大腸がんの兆候?」と心配していませんか。 忙しい日常では病院に行く時間を確保しづらく、体調の悩みを後回しにしがちです。しかし、この症状が長引く背後には、なんらかの異常が隠れているかもしれません。 そこで本記事では、「もしかして大腸がん?」と心配を抱える方に向け、コロコロ便の原因から大腸がんの初期症状、そして検査や予防法まで網羅的に解説します。 前もって正しい知識を持つことで、必要以上に怖がらずに済むこともあれば「早めに検査しておこう」と行動を促すきっかけになるかもしれません。 ぜひ最後まで読み進めてください。 コロコロ便とは?どのような原因で起きるのか コロコロ便とは、小さな硬い塊状の便(ウサギの糞のような形状)を指します。腸内で便の水分が過剰に吸収されると硬く細切れになり、コロコロ便が生じます。 水分摂取不足や食物繊維不足、運動不足などで腸の蠕動(ぜんどう)運動が低下し便が長く留まると、必要以上に水分が吸収されて便が硬くなるため、生活習慣の乱れがコロコロ便の主な原因になります。 一方で、過度な緊張やストレスによる自律神経の乱れも腸の働きを弱め、便を硬くする要因となり得ます。(文献1)コロコロ便自体は便秘の一症状としてよくみられ、必ずしも大腸がんを意味するものではありません。 ただし、場合によっては過敏性腸症候群や大腸がんなどの疾患が背景にあることも報告されています。 大腸がんは早期にはほとんど自覚症状がありませんが、進行すると下痢や便秘を繰り返したり便が細くなる、血便が出現するなどなんらかの症状が現れることがあります。 しかし初期の大腸がんは無症状のことが多いため、コロコロ便だけで直ちに大腸がんを疑うことはできません。 他に血液が混じる、体重減少や腹痛を伴うなど明らかな異常がない限り、コロコロ便の多くは生活習慣の見直しで改善可能ですが、コロコロ便が長期間続く場合や便に血が付着する場合は念のため、医療機関で検査を受けることをおすすめします。(文献2) コロコロ便の原因と大腸がんの関係性 大腸がんに特徴的な症状として、便に血が混じる(血便)ことや便の表面に血が付着することがよく挙げられます。また腫瘍からの慢性的な出血により貧血(めまいなど)が起こることもあります。 このほか排便習慣の変化(下痢と便秘を繰り返す)、便が細くなる(鉛筆のような細い便)、残便感(出し切れていない感じ)、腹部の張りや痛みなどさまざまな症状が現れます。 がんが進行して腸管が狭くなると便が出にくくなり腹痛や嘔吐を伴うこともあります。 特に血便や便が細くなる症状は比較的頻繁にみられますが、これらは痔などの良性疾患でも起こり得るため自己判断は禁物です。少しでも気になる症状があれば早めに消化器科などを受診し、原因を調べてもらうことが大切です。(文献3) 大腸がんの症状と便の関係について 実は、大腸がんは初期段階ではほとんど症状がありません。そのため、コロコロ便だけでなく、便秘や便の形や色に違和感を感じたり、血が混じっていたりなどこうした変化が見られても、よほど意識していないと単なる食生活の乱れとして見過ごしがちです。 しかし、がんが進行して腸管が狭くなるほど、便は通りにくくなり、細くなったり詰まりやすくなったりします。(文献3) 便秘がちになったかと思えば急に下痢をするなど、排便リズムが大きく崩れる場合は要注意です。 加えて、腫瘍から出血している場合は便の表面に赤い線が入ったり、トイレの水が血で赤く染まることもありますが、切れ痔などが原因で血便が出ることもあるため、自己判断だけでは確定できません。 便が固くコロコロとしていると、肛門に負担がかかって痔を引き起こすケースもありますので、「血が出た=即がん」とは限りません。 大事なのは、普段との違いに気づいたときに早めに専門家へ相談することです。とくに、大腸がんは進行すると貧血や体重減少、腹痛、嘔吐などの症状を伴う可能性もあり、こうした変化が複数重なっている場合は放置せず検査を受けることをおすすめします。 大腸がんの検査方法・種類について まず、大腸がんが疑われる際に一般的なのは「便潜血検査」と呼ばれる検査方法です。市町村などが実施する検診で使われることが多く、便の中に血液が混じっていないかを調べるシンプルな仕組みになっています。結果が陽性でも、必ずしもがんと確定するわけではありませんが、次のステップである「精密検査」のきっかけとしては非常に重要です。 精密検査としては、「大腸カメラ(内視鏡検査)」が代表的でしょう。肛門からカメラを挿入して腸内を直接観察できるため、がんだけでなくポリープや炎症なども確認できます。 また、必要に応じて組織を採取して詳しく調べられます。ほかにはCT検査やX線検査、MRIなどで腸の状態や周辺臓器への転移をチェックすることもあります。 検診の時点で「要精密検査」となったのに、忙しさや怖さを理由に検査を先延ばしにすると、もしもがんが進行していた場合、取り返しのつかない事態になる可能性があります。 早期がんなら治療の選択肢が広いため、コロコロ便が気になる方や検診で引っかかった方は、余裕のあるうちに詳しい検査を受けてみてください。 検診の方法 自覚症状の少ない早期の大腸がんを発見するには、大腸がん検診を定期的に受けることが有効です。 日本では一般的に便潜血検査が一次検診として行われていますが、便潜血検査とは2日分の便を採取して肉眼では見えない微量の出血(ヘモグロビン)を検出する検査で、体への負担が少ない方法です。 大腸がん検診の対象年齢は40歳以上で、年に1回の検査が推奨されています。市区町村が実施する住民検診では数百~千円程度の自己負担で受けられる場合が多く、自治体によっては無料で検査できるところもあります。(文献4) 会社の健診や人間ドックに大腸がん検診が組み込まれている場合もありますので、まずはお住まいの地域の検診制度を確認し、適切な頻度で便潜血検査を受けましょう。 便潜血検査の結果陽性(血液反応あり)となった場合は、精密検査(二次検診)として大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を受けなければなりません。(文献4) 検査で陽性となっても、まだ大腸がんと確定したわけではなく実際には痔など良性の要因やポリープによる偽陽性も多く、要精密検査となった人から大腸がんが見つかる割合は1%未満とも言われます。(文献5) しかし、大腸がんは便潜血検査で陽性が一度でも出たら見逃さず精密検査を受けることが重要です。「痔による出血だろう」と自己判断して二次検査を受けないのは危険ですので、必ず医師の指示に従い精密検査を受けてください。 精密検査の方法 大腸がんが疑われる場合に行われる代表的な精密検査は、全大腸内視鏡検査(コロノスコピー)です。(文献6) 大腸内視鏡検査では、事前に下剤で腸内を空っぽにした上で内視鏡(カメラ)を肛門から挿入し、直腸から盲腸まで大腸全域の粘膜を直接観察します。 ポリープや腫瘤が見つかれば、一部または全部をその場で切除・採取して病理検査(顕微鏡による組織検査)が可能です。 早期がんで粘膜内に留まるものなら内視鏡で完全切除できるため、診断と同時に治療まで行えるケースもあります。このように大腸内視鏡検査は診断から小さな病変の治療まで対応できる第一選択の精密検査です。検査自体は通常日帰りで実施され、鎮静剤を使用すると苦痛も軽減できますのでご安心ください。 大腸内視鏡検査以外の精密検査としては、大腸X線検査(注腸造影)や大腸CT検査(CTコロノグラフィ)などがあります。大腸X線検査はバリウム液と空気を肛門から注入してレントゲン撮影する方法で、内視鏡が挿入困難な場合に併用されることがあります。 一方、大腸CT検査は腸内を炭酸ガスで膨らませてCT撮影することで、仮想内視鏡のように大腸の内部を立体的に評価する検査です。CT検査は体への負担が少なく内視鏡に抵抗がある方には有用ですが、画像で異常が見つかった場合は組織検査のため結局内視鏡が必要になる点に留意が必要です。(文献7) いずれの方法も長所短所がありますが、まずは医師と相談の上で適切な検査を受けることが大切です。 \まずは当院にお問い合わせください/ コロコロ便から卒業!大腸がんを防ぐ生活習慣改善と予防法 検査を受けるとはいえ、日常の中で腸への負担を減らしていかないと、コロコロ便が改善しにくいだけでなく、大腸がんのリスクにも対応しづらくなります。忙しい方でも無理なく取り組める生活習慣の見直しポイントを、下記の見出しで具体例とともに紹介します。少しずつ行動を変え、コロコロ便から卒業しましょう。 食事改善 コロコロ便を解消するには、食生活の見直しが重要です。便の材料となる食事の量が少なすぎると便のかさが減り排出が滞るため、朝食を含め1日3食きちんと食べるよう心がけましょう。(文献8)ダイエットなどで極端に食事量を減らすと便の量も不足し、十分な排便ができなくなりがちです。 また、食物繊維や水分を食事からしっかり摂取も欠かせません。食物繊維には大腸で便に水分を与えて柔らかくする水溶性食物繊維と、便の量を増やして腸を刺激する不溶性食物繊維があります。 一般に現代人は食物繊維が不足しがちと言われており、便秘が続く人は意識的に野菜や果物、海藻類などに多く含まれる水溶性食物繊維を摂ると良いでしょう。 不溶性食物繊維も大切ですが、摂りすぎると便が硬くなる場合があるためバランスが重要です。食物繊維のバランスは水溶性:不溶性を1:2程度の割合が理想とされています。 腸内環境を整える食品も積極的に利用しましょう。たとえばヨーグルトなどの発酵食品に含まれるビフィズス菌や乳酸菌は腸内の善玉菌を増やしお通じを改善する働きがあります。 さらにオリゴ糖は大腸で善玉菌のエサとなり腸内環境の改善に役立つため、乳酸菌飲料やオリゴ糖を含む食品もコロコロ便の解消に有効です。(文献8) 毎日の食事でこれら善玉菌やオリゴ糖を上手に取り入れ、腸内フローラのバランス改善を図りましょう。 こまめな水分摂取 硬いコロコロ便が続く人は、日々の水分補給の量を確認してください。体内の水分が不足すると便から水分が奪われてしまい、うさぎの糞のようなコロコロ便になりやすくなります。 厚生労働省の資料によれば1日に必要な飲み水の量は約1.2リットルとされています。(文献9) 喉が渇いたと感じる前に、意識してこまめに水やお茶を飲む習慣をつけることが大切です。 特に起床時にコップ一杯の水を飲むことは胃を刺激して胃・大腸反射(胃に食べ物や水分が入ると大腸の蠕動(ぜんどう)が活発になる反応)を促し、朝のスムーズな排便につながります。 そのほか入浴前後や就寝前後などは脱水になりやすいタイミングですので、水分補給を忘れないようにしましょう。 日中も少量ずつ水分を摂り、常に体内の水分バランスを保つことで便を適度に柔らかく保てるようになります。 適度な運動 適度な運動習慣を身につけることもコロコロ便の改善に有効です。運動によって体を動かすと腸が刺激され、蠕動(ぜんどう)運動が活発になって排便を促します。(文献9) 逆に運動不足だと腸の動きが鈍くなり便が硬くなりがちです。特に腹筋が弱いと排便時に十分な腹圧がかけられず、便を押し出す力が不足して便秘につながってしまいます。 ウォーキングや軽い体操など無理のない範囲で構いませんので、日常的に体を動かす時間を作りましょう。 定期的な運動は腸の働きを整えるだけでなく、自律神経のバランス改善やストレス解消にも役立つため一石二鳥です。適度な運動習慣を続けることで硬い便を解消しましょう。 ストレスケア ストレスや緊張が続くことも、実はコロコロ便の一因になります。人間は強いストレスや疲労を感じると交感神経が優位になり、大腸の動きが抑制されて便が腸内に滞留しやすくなります。(文献10) 精神的なストレスによって自律神経のバランスが乱れると腸の蠕動(ぜんどう)運動が低下し、便の水分が過剰に吸収されてしまうためです。 ストレスが原因で便秘傾向になる人も多く、男性に多い下痢型の過敏性腸症候群でもストレスで症状が悪化すると言われています。 心身のリラックスを心がけてストレスを溜め込まないことも固い便を防ぐ方法の一つです。十分な睡眠をとり規則正しい生活リズムを維持する、趣味や入浴などで意識的にリラクゼーションの時間を作るなど、副交感神経が働くリラックス状態を増やすようにしましょう。 日頃から適度にストレス発散し、自律神経のバランスを整えることがコロコロ便解消につながります。 コロコロ便と大腸がんの関係性を理解し健康を維持しよう コロコロ便は主に生活習慣の乱れから生じますが、大腸がんの初期サインとしても見逃せません。とくに便の細さや形状の変化が顕著で、下痢と便秘を繰り返す場合は注意が必要です。 まずは水分補給、食物繊維の摂取、ストレスケアなど生活改善を試みましょう。 生活習慣の改善で便通が正常化した場合、機能性の便秘や過敏性腸症候群などが原因だった可能性が高いといえます。 ただし、大腸がんの初期は症状が軽微なこともあるため、40歳以上の方は症状の有無にかかわらず定期的な検診を受けることをおすすめします。 大腸がんは早期に見つけられれば治療成功率が高いがんとも言われています。検診や精密検査の手間を感じるかもしれませんが、自分や家族の健康を守るためには投資する価値があるはずです。日々忙しく過ごしている方ほど、後回しにせずアクションを起こしてみてください。 予防や早期発見によって、心の負担もぐっと軽減し、コロコロ便の悩みから卒業できるきっかけをつかめることでしょう。 参考文献 (文献1)医療法人良耕会大阪天王寺胃と大腸消化器内視鏡クリニック「便がコロコロ硬い原因と改善方法について医師が詳しく解説」大阪天王寺胃と大腸消化器内視鏡クリニック,2024年06月01日 URL:https://www.tennoji-endoscope.com/hard-stool/ (最終アクセス:2025年04月17日) (文献2)国立がん研究センター中央病院「大腸がんの症状について」国立がん研究センター中央病院, 公開日不明 URL:https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/clnic/colorectal_surgery/150/index.html (最終アクセス:2025年04月17日) (文献3)国立研究開発法人 国立がん研究センターがん情報サービス「大腸がん(結腸がん・直腸がん)について」国立がん研究センター がん情報サービス, 2025https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/clinic/colorectal_surgery/150/index.html03月24日 URL:https://ganjoho.jp/public/cancer/colon/about.html(最終アクセス:2025年04月17日) (文献4)公益財団法人日本対がん協会「大腸がん検診について」日本対がん協会, 公開日不明 URL:https://www.jcancer.jp/about_cancer_and_checkup/%E5%90%84%E7%A8%AE%E3%81%AE%E6%A4%9C%E8%A8%BA%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/%E5%A4%A7%E8%85%B8%E3%81%8C%E3%82%93%E6%A4%9C%E8%A8%BA%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6 (最終アクセス:2025年04月17日) (文献5)公益財団法人 東京都予防医学協会「大腸がん検診」東京都予防医学協会, 公開日不明 URL:https://www.yobouigaku-tokyo.or.jp/gan/daichougan.html (最終アクセス:2025年04月17日) (文献6)国立研究開発法人 国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん検診について」国立がん研究センター がん情報サービス, 2024年09月20日 URL:https://ganjoho.jp/public/pre_scr/screening/colon.html (最終アクセス:2025年04月17日) (文献7)国立がん研究センター中央病院「大腸がん検査について」国立がん研究センター中央病院, 公開日不明 URL:https://www.ncc.go.jp/jp/ncch/clinic/colorectal_surgery/170/index.html (最終アクセス:2025年04月17日) (文献8)ロート製薬株式会社「コロコロ便が続く場合はどうする?原因と対策で気になる症状を改善しよう」ロート製薬, 公開日不明 URL:https://jp.rohto.com/learn-more/gastrointestinal/benpi/korokoroben01/(最終アクセス:2025年04月17日) (文献9)森永乳業株式会社「便が硬い.......コロコロうんちになる原因と対処法」毎朝爽快(森永乳業), 2024年06月01日 URL:https://www.morinagamilk.co.jp/products/brand/maiasa_soukai/column/hard/ (最終アクセス:2025年04月17日) (文献10)健栄製薬株式会社「コロコロ便しか出ない便秘の原因は?症状が続くリスクと解消方法を紹介」健栄製薬, 公開日不明 URL:https://www.kenei-pharm.com/ebenpi/column/column_115/ (最終アクセス:2025年04月17日)
2025.04.30 -
- 足部、その他疾患
- 手部、その他疾患
- 手部
- 足部
「最近、手足が妙にしびれる」 「手足にピリピリした違和感に不安を覚えている」 手足のしびれやピリピリとした感覚には、重大な病気のサインが隠れているかもしれません。 適切な治療を受けずに放置してしまうと神経の回復力が損なわれ、手足のしびれが残ったり、指先を使った動作が困難になったりする場合があります。 本記事では、手足のしびれとピリピリ感の関係に加え、しびれの原因や治し方について詳しく解説します。 ぜひ最後までお読みいただき、症状改善の一助となれば幸いです。 また、症状が悪化して日常生活に影響が出る前に治すためにも、手足のしびれを根本的に治療できる「再生医療」をご検討ください。 \しびれの原因である神経を治療する「再生医療」とは/ 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、しびれや痛みの原因となっている損傷した神経の再生・修復を促す治療法です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 手足のしびれが1週間以上続いている しびれが徐々に強くなっている、または範囲が広がっている 日常生活に影響が出るほど悪化する前に早く治したい しびれ以外にも「吐き気や嘔吐」などの症状が出ている >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する 当院リペアセルクリニックでは、手足のしびれに対する再生医療について無料カウンセリングを実施中のため、お気軽にご相談ください。 まずは「手足のしびれ」の治療について無料相談! 手足のしびれとピリピリ感の関係性 症状 しびれ(感覚鈍麻・感覚消失) ピリピリ感(異常感覚) 自覚される感覚 感覚が鈍い、麻痺したような感覚。触れてもわかりにくい、あるいはまったく感知しない ピリピリ・ジンジン・チクチクするような、実際には刺激がないのに感じる異常な感覚 日常例との比較 正座を長時間した後、足の感覚がなくなるような状態 正座の後、血が戻ってくるときのジンジンした感じ 発生する仕組み 神経の信号が正常に伝わらなくなり、感覚の低下や消失が起こる 神経が過敏になり、実際には存在しない刺激をあるものとして誤認する 主な原因 神経の圧迫・損傷・炎症・血行不良など、末梢神経の機能障害 しびれと同様の原因で起こる(神経の異常興奮や回復途中も含む) 症状が出現するタイミング 圧迫や障害が長引いた場合に出やすい。慢性的な場合も 圧迫の初期段階や、血流再開・回復途中で出やすい 放置によるリスク 感覚障害が進行し、神経の損傷が回復しにくくなる可能性がある 神経の異常を知らせる初期サインであることが多い (文献1) 手足のしびれやピリピリ感は、脳神経系や糖尿病の可能性があります。 しびれ(感覚鈍麻・感覚消失)とピリピリ感(異常感覚)はいずれも神経系に異常をきたしている症状ですが、放置しておくと、症状が進行したり重症化したりする恐れがあります。 また、しびれとピリピリ感は一緒に出ることも、どちらかだけ出ることもありますが、どちらも神経への異常が原因で起こり、どちらも重大な病が隠れている可能性が高いです。症状を放置すると最悪の場合、後遺症になる恐れがあるため、放置せず医療機関を受診しましょう。 以下の記事では、手足がしびれる病気について詳しく解説しています。 手足のしびれとピリピリ感の原因 手足のしびれとピリピリ感にはさまざまな原因が考えられます。その中には重大な病が隠されている可能性もあるため、早期発見が重要です。 手足のしびれとピリピリ感の原因は以下の5つです。 一時的なもの 整形外科的な症状 内科的な症状 脳神経系の症状 糖尿病の症状 しびれの原因を解説します。 以下の記事では、手足がしびれる原因について詳しく解説しています 【関連記事】 手足のしびれの原因となる病気の症状や予防法を解説!前兆も紹介 寝起きに手足のしびれが起きる原因とは?自分でできる対処法もあわせて紹介 一時的なもの 日常生活の中で、手足がしびれたりピリピリしたりする症状は誰にでも起こり得ます。一時的に神経や血管が身体の重みなどで圧迫されることで起こります。 また、血行不良のほかには、寒さや激しい運動や発汗、過労・ストレスなどが挙げられます。一時的なしびれでも症状が毎日のように出る、あるいは数時間続くような場合は、重大な病気のサインかもしれません。 症状が悪化する前に、早めに医療機関を受診しましょう。 整形外科的な症状 病名 原因となる部位 主な症状が出る部位 症状の特徴 椎間板ヘルニア(頚椎/腰椎) 首・腰の椎間板が飛び出し神経を圧迫する 頚椎:首〜腕・指 腰椎:腰〜足 しびれ、動かしにくさ、 しびれのような感覚が続く 脊柱管狭窄症(頚椎/腰椎) 背骨の神経の通り道が狭くなる 頚椎:手・腕・足 腰椎:足・腰・お尻 歩くとしびれや違和感が出て、休むと楽になる 手根管症候群 手首の神経(正中神経)圧迫 親指〜薬指の一部 手のしびれ、細かい動作がしにくくなる 肘部管症候群 肘の神経(尺骨神経)圧迫 小指・薬指 指のしびれ、手を使うと悪化することがある 足根管症候群 足首の神経(後脛骨神経)圧迫 足の裏・足指 足裏のしびれ、熱感や冷感、ピリピリした感覚 胸郭出口症候群 首〜肩の神経・血管が圧迫される 肩・腕・手 しびれ、だるさ、冷感、力が入りにくい 手足のしびれやピリピリ感の原因として、運動器(骨・関節・筋肉・靭帯)の異常が神経を圧迫、または刺激し、しびれや違和感が症状として現れることがあります。 ヘルニアなどの症状は、骨や関節、筋肉などの構造に問題があることが原因で起こるため、整形外科での検査が必要です。 また、近年の治療では、ヘルニアや脊柱管狭窄症などによって傷ついた神経を治療し、しびれを根本的に改善できる可能性がある「再生医療」が注目されています。 >>再生医療について確認する 当院リペアセルクリニックでは、手足のしびれに対する再生医療について無料カウンセリングを実施中のため、お気軽にご相談ください。 内科的な症状 病名・原因 症状の原因 主に症状が出やすい部位 症状の特徴 糖尿病性神経障害 高血糖により末梢神経が損傷される 足の裏・足指(左右対称に出やすい) しびれ、違和感、感覚が鈍くなる。気づかずケガをすることも ビタミンB12不足 神経の働きを保つ栄養素が不足 手足全体 しびれ、感覚異常。貧血や疲れも伴うことがある 甲状腺機能異常 代謝の低下やホルモンバランスの乱れが神経に影響 手足、筋肉 しびれ、冷え、筋肉痛。機能低下・亢進どちらでも起こることがある 閉塞性動脈硬化症など血管系の病気 動脈の血流が悪くなり、神経や組織に酸素が届かない 手足(とくに足) 冷え、しびれ、違和感。歩くと悪化し、休むと楽になることもある 自己免疫疾患(ギラン・バレー症候群など) 免疫が誤って神経を攻撃し、炎症・障害が起こる 手足(左右対称に進行) 急速なしびれ、筋力低下。重い場合は呼吸障害もある その他 薬の副作用、腎臓病、肝臓病、膠原病など多岐にわたる 個人差あり 慢性的なしびれや違和感が持続し、全身疾患がある 内臓の不調やホルモンの乱れでも、神経に異常が出て手足がしびれたりピリピリしたりする症状があります。たとえば、神経の働きに欠かせないビタミンB群などが不足すると、末梢神経の機能が低下し、しびれを感じることがあります。 ビタミンB群の不足や甲状腺ホルモンの異常は、末梢神経の働きが低下し、しびれを引き起こすことがあります。肝臓や腎臓の機能が低下すると体内に老廃物がたまり、神経に悪影響を及ぼすため、早期発見が重要です。 脳神経系の症状 病名・原因 原因のしくみ 主に症状が出やすい部位 症状の特徴・例 脳卒中(脳梗塞・脳出血) 脳の血管が詰まったり破れたりして脳細胞が損傷する 片側の手足、顔、視覚、言語 片側のしびれ・麻痺、ろれつが回らない、急な視力低下など。突然起こる 一過性脳虚血発作(TIA) 一時的に脳への血流が低下する 片側の手足や顔、視覚、言語 脳卒中と似た症状が一時的に出現。通常は24時間以内に回復 脳腫瘍 脳内にできた腫瘍が周囲の脳を圧迫する 手足、視覚、言語、中枢神経機能全般 徐々に進行するしびれや麻痺、頭痛、吐き気、視野異常などがみられる その他の脳神経系疾患 神経への炎症や損傷、脱髄など 手足・感覚神経・運動神経 多発性硬化症、脊髄損傷、重度の末梢神経障害などでしびれや運動障害が出ることがある (文献2) 脳や脊髄といった中枢神経に異常がでると、手足の感覚に大きく影響します。具体的には、脳卒中や脊髄の病気では、突然のしびれや力が入らないといった症状が起こることがあります。 脳神経にかかわるしびれは、命に関わることもある重大な病気のサインです。脳神経の症状は進行がゆっくりな病もあり、違和感が徐々に広がります。 年齢を重ねるにつれてリスクが高まるため、違和感を放置せず、早めに医療機関を受診しましょう。 糖尿病の症状 糖尿病に関する項目 内容 発症のメカニズム 高血糖状態が長期間続くことで、神経や血管が損傷し、とくに末梢神経が障害される(糖尿病性神経障害) 手足に症状が出やすい理由 手足は血流が届きにくいため、糖尿病の影響を受けやすい 主な自覚症状 足の裏や指先から始まる左右対称のしびれ、ピリピリ感、感覚の鈍さが現れる 症状の進行パターン 初期は軽い違和感やしびれだが、放置すると神経障害が進行し、歩行障害や日常生活の支障につながる その他にみられる影響 感覚が鈍くなることで、ケガや火傷に気づきにくくなる (文献3) 糖尿病は、血糖値が高い状態が続くことで神経が傷つきやすくなり、しびれやピリピリ感が出やすくなります。足先から始まり、徐々に広がるのが特徴です。 症状の初期段階では、軽い違和感にとどまっていても感覚が徐々に鈍くなり、ケガや感染症に気づきにくくなります。糖尿病は生活習慣病であり、発見が遅れると手足の壊死や失明を引き起こす恐れがあります。 糖尿病とすでに診断されている方は、手足のしびれに対して、とくに注意が必要です。 手足のしびれとピリピリ感の治し方(治療法) 治療法 内容 治療の対象となりやすい状態 期待される効 補足・注意点 薬物療法 薬剤(飲み薬・貼り薬など)で症状を和らげる 初期症状、違和感、血行不良など 違和感の軽減・しびれ軽減、血行促進 医師の指示に従い服用し、副作用に注意する 理学療法 運動・温熱・電気刺激などで身体の機能を改善する 神経圧迫、血行不良、筋肉・関節の問題 血行促進、緊張緩和、圧迫軽減 医師の指導のもと行い、自己判断はしないようにする 神経ブロック 神経の近くに注射し、痛みや興奮を抑える 強い違和感、原因神経が特定できる場合 強い違和感を素早く軽減する 効果は一時的なこともあるため、医師と要相談 手術療法 手術で神経圧迫の原因を取り除く 他の治療で改善しない、原因が明らかな重症の場合 神経圧迫の根本的改善 身体への負担・リスクがあるため、医師と要相談 再生医療 自身の細胞などで神経の修復・再生を促す 手術で起こりうる後遺症などを避けたい場合 損傷した神経機能の回復 再生医療を取り扱っている医療機関が限られている 手足のしびれとピリピリ感じる症状は正しい治療法で改善できます。手足のしびれを感じた際は、早期発見と正しい治療の継続が大切です。 手足のしびれとピリピリ感の治療法は以下の5つです。 薬物療法 理学療法 神経ブロック 手術療法 再生医療 治療法について解説します。 薬物療法 薬剤の種類 主な目的 特徴・処方例 神経修復薬 損傷した末梢神経の修復を促進し、神経機能を改善する 主にビタミンB群(B1、B6、B12など)が処方される。神経の栄養補給に役立つ 神経痛治療薬 過敏になった神経の興奮を抑え、違和感やピリピリ感を緩和する 抗けいれん薬(プレガバリンなど)や抗うつ薬(デュロキセチンなど)を使用する 血流改善薬 血管を広げて血流を改善し、神経への酸素・栄養供給を助ける プロスタグランジン製剤などが用いられる。とくに血行不良が原因の場合に有効 漢方薬 体全体のバランスを整え、血流や神経の働きを調整する 体質や症状に応じて処方される(例:当帰芍薬散、八味地黄丸など) 薬物療法は、しびれやピリピリ感の原因や症状に応じて、薬剤が用いられます。原因によって処方内容が異なるため、自己判断ではなく医師の指示に従いましょう。 薬剤によっては副作用が生じることもあるため、服用中は定期的な診察を行いながら処方します。 理学療法 療法分類 主な内容 期待される効果 運動療法 ストレッチ、筋力トレーニング、軽い有酸素運動など 筋肉の柔軟性向上、血行促進、筋力アップ、神経への負担軽減 物理療法 温める、電気をあてる、マッサージするなど 血行改善、違和感の緩和、筋肉の緊張緩和、筋力改善 日常生活動作(ADL)指導 正しい体の使い方・姿勢の指導、杖や装具など福祉用具の活用 神経への負担軽減、日常生活動作の改善 理学療法では、リハビリやストレッチ、電気治療などを通じて神経や筋肉の機能を回復させる治療法です。筋肉のこわばりなどが原因で神経が圧迫されている場合に有効です。 理学療法を実施する場合は、自己判断ではなく、医師の指導のもと無理のない範囲で行いましょう。 神経ブロック ブロックの種類 注射する箇所 主な対象・効果 末梢神経ブロック 手足など、原因となる神経の近く 特定の神経の圧迫によるしびれ・違和感の軽減 硬膜外ブロック 背骨の中、脊髄神経の周辺 腰のヘルニアなど、脊髄神経の圧迫によるしびれ・違和感の軽減 星状神経節ブロック 首の付け根あたり 血行不良が原因と考えられるしびれ・違和感の軽減 (文献4) 神経に局所麻酔薬などを注射し、神経の興奮を一時的に止める治療法です。強いしびれやピリピリ感が長引いている場合や、薬が効きにくいときに神経ブロック療法が選ばれます。 神経からの異常な信号の伝達を一時的に遮断し、症状を和らげるのが目的です。症状を抑えるだけでなく、血行を改善させる効果も期待できます。 注射する場所や薬の種類は、原因や症状の部位によって異なります。神経ブロック注射は注射箇所に傷や感染の症状がある場合、注射ができません。神経ブロック注射を検討する際は、該当箇所に注射が可能かどうかを医師に確認しましょう。 手術療法 手術の種類 主な目的・内容 対象となる状態 神経剥離術 神経への圧迫を取り除く 手根管症候群、肘部管症候群など、神経が締め付けられている状態 脊椎手術 脊髄(神経の束)への圧迫を取り除く 椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症など、背骨で神経が圧迫されている状態 神経修復術 損傷した神経を修復する(つなぐなど) 事故や怪我などで神経が切れたり、傷ついたりしている場合 薬剤やリハビリなどの保存療法で効果が不十分な場合や、検査で神経の圧迫がはっきりしている場合、手術が選択肢になります。 たとえば椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症では、神経を圧迫している椎間板や骨を取り除く手術が必要です。 手根管症候群では、神経の通り道を広げるために、靭帯を切開する手術が行われることがあります。手術には種類ごとのメリットやリスクがあるため、医師の説明をよく聞き、検討した上で治療方針を決めることが大切です。 再生医療 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて、しびれや痛みの原因となっている損傷した神経の再生・修復を促す治療法です。 患者さま自身の細胞を使うため、アレルギー反応や拒絶反応などの副作用リスクが少なく、体への負担が抑えられる点が特徴です。 ただし、現時点では、対応している医療機関が限られているため、再生医療での治療を検討される方は、取り扱いのある病院への受診が必要です。 以下のような症状やお悩みがある方は、ぜひ再生医療についてご検討ください。 手足のしびれが1週間以上続いている しびれが徐々に強くなっている、または範囲が広がっている 日常生活に影響が出るほど悪化する前に早く治したい しびれ以外にも「吐き気や嘔吐」などの症状が出ている >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する 当院リペアセルクリニックでは、手足のしびれに対する再生医療について無料カウンセリングを実施中のため、お気軽にご相談ください。 まずは「手足のしびれ」の治療について無料相談! 以下の記事では、当院「リペアセルクリニック」の再生医療について詳しく解説しています。 手足のしびれとピリピリ感は脳卒中の可能性あり! 脳卒中は進行すると、運動障害、感覚障害、言語障害、高次脳機能障害などの後遺症が出る恐れがあります。 脳卒中の危険性がある初期症状は以下の7つです。 片側の手足や顔にしびれ・力が入らない ろれつが回らない・言葉が出にくい 激しい頭痛を伴う めまい・ふらつき・歩行困難などが頻繁に起こる ものが二重に見える 意識障害を引き起こしている 排泄のコントロールができない 脳卒中の可能性を示す初期症状を解説します。 以下の記事では、脳卒中の前兆や見逃してはいけないサインを詳しく解説しています。 片側の手足や顔にしびれ・力が入らない 片側の手足や顔だけにしびれが出たり、力が入りにくくなったりする場合は、脳の血管に異常が起きているサインです。 突然、力の入らない症状が現れた場合、すぐに救急車を呼ぶもしくは、すぐに医療機関を受診しましょう。 脳卒中の発見が遅れるほど、後遺症のリスクが高まるため、すぐに行動に移すことが重要です。 ろれつが回らない・言葉が出にくい 話そうとしてもうまく言葉が出なかったり、ろれつが回らなくなったりするのも、脳卒中の可能性があるサインです。 本人はいつも通り話しているつもりでいるため、自身では気づきにくく、周囲が最初に異変を察知することも少なくありません。 急に会話の意味がわからなくなったり、相手とのやりとりがうまくかみ合わなくなったり変化が見られた場合は、脳や神経の異常が疑われることもあり、注意が必要です。 激しい頭痛を伴う これまでに感じたことのないような突然の激しい頭痛がある場合も、脳内の出血や血管のトラブルが疑われます。 とくにしびれやピリピリ感と同時に起こる場合は、ただの偏頭痛では済まない可能性があります。脳卒中の中でも、くも膜下出血など重大な症状のケースもあるため、違和感があれば、すぐに医療機関を受診しましょう。 めまい・ふらつき・歩行困難などが頻繁に起こる 強いめまいや、体がふらついてまっすぐ歩けない、立っていられないといった症状も、脳卒中の 可能性があります。 激しい回転性のめまいやふらつき、物が二重に見えるなどの症状が急に現れた場合は、脳卒中の可能性があります。しびれを伴うときはとくに注意が必要です。 ものが二重に見える 視界が急にぼやけたり、ものが二重に見えたりするのも、脳の機能に異常が疑われる症状です。突然、片方の眼球が思うように動かせなくなったり、左右の目の焦点が合わなくなったりすることで、物がダブって見えることがあります。 急に物が二重に見えるようになった場合は、単なる目の疲れなどと自己判断せず、医療機関を受診する必要があります。 意識障害を引き起こしている しびれやピリピリ感があるだけでなく、意識がもうろうとする、呼びかけに反応しにくいといった変化が見られる場合は、脳卒中の症状が疑われます。 呼びかけに対して反応がなかったり、傾眠(眠り込んでしまい、起こしてもすぐにまた眠ってしまう)だったりが頻繁に起こる場合は、非常に危険な状態です。 家族や周囲にいる方が異変に気づいた場合は、本人が平静を装っていても、迷わず救急車を呼ぶことが重要です。 排泄のコントロールができない 突然、尿意や便意を感じずに漏らしてしまう(失禁)、あるいは逆に尿や便が出せなくなるといった排泄のコントロールができない症状も脳卒中の可能性があります。 脳卒中の症状によって、排泄をコントロールする脳の機能が働かなくなり、引き起こされます。 しびれやピリピリ感と同時に現れる場合は、症状が進行しており、危険な状態です。すぐに医療機関を受診する必要があります。 手足のしびれ・ピリピリ感は放置せず医療機関へ相談を 手足のしびれ・ピリピリ感がある場合は、症状が軽度に感じられても重大な疾患が隠れている可能性があるため、放置せずに医療機関を受診しましょう。 症状が進行すると後遺症が残ったり、重症化して治療の選択肢が限られたりするケースがあります。 症状が悪化して日常生活に影響が出る前に治すためにも、手足のしびれを根本的に治療できる「再生医療」をご検討ください。 \しびれの原因である神経を治療する「再生医療」とは/ 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、しびれや痛みの原因となっている損傷した神経の再生・修復を促す治療法です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 手足のしびれが1週間以上続いている しびれが徐々に強くなっている、または範囲が広がっている 日常生活に影響が出るほど悪化する前に早く治したい しびれ以外にも「吐き気や嘔吐」などの症状が出ている >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する 当院リペアセルクリニックでは、手足のしびれに対する再生医療について無料カウンセリングを実施中のため、お気軽にご相談ください。 まずは「手足のしびれ」の治療について無料相談! 手足のしびれ・ピリピリ感についてよくある質問 手足のしびれ・ピリピリ感を予防のために気をつけることはありますか? 手足のしびれ・ピリピリ感を予防するには、適度な運動やバランスの良い食事、十分な睡眠、ストレスの軽減が大切です。 姿勢に気をつけ、体を冷やさないよう心がけましょう。生活習慣病の管理や禁煙・節酒も予防に役立ちます。 手足のしびれ・ピリピリ感は何科を受診すべき? 症状によって異なりますが、まずは内科や神経内科の受診をおすすめします。 何科を受診すれば良いのか悩まれている方は、当院「リペアセルクリニック」へ「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にて、お気軽にお問い合わせください。 参考資料 (文献1) Mark Freedman, et al.(2023).Numbness.MSD MANUAL Professional Version https://www.msdmanuals.com(最終アクセス:2025年4月11日) (文献2) 日本神経学会「脳神経内科の主な病気」一般社団法人 日本神経学会 https://www.neurology-jp.org/public/disease/shibire_detail.html(最終アクセス:2025年4月11日) (文献3) 一般社団法人 日本臨床内科医会「手足のしびれ・痛み」日本臨床内科医会 https://www.japha.jp/general/byoki/numbness.html(最終アクセス:2025年4月11日) (文献4) 「激しい両足痛を伴う糖尿病性神経障害に対し腰部持続硬膜外ブロックが著効した1症例」 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsdt1994/30/11/30_11_1315/_pdf(最終アクセス:2025年4月11日)
2025.04.30 -
- その他、整形外科疾患
「手足が冷えていないのに、ジンジンと冷たく感じる」 「暖かい季節なのに、手足が冷える」 原因不明の違和感は、神経障害の症状かもしれません。手足が冷えていないのに冷たく感じるなどの神経障害の疑いがあると不安は大きくなるでしょう。 本記事では、以下について詳しく解説します。 冷えてないのに冷たく感じるのは神経障害が関係している理由 冷えてないのに冷たく感じる原因 冷たく感じる症状の治療法 【自分でできる】冷たく感じる症状の対処法 ぜひ最後までお読みいただき、症状改善にお役立ていただければ幸いです。 また、「冷えていないのに冷たく感じる」「感覚異常だけでなく痛みやしびれもある」という症状には、再生医療による治療も選択肢の一つです。 \神経障害に効果が期待される「再生医療」とは/ 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、損傷した神経の再生・修復を促す治療法です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 神経障害を根本的に治したい 冷えていないのに冷たく感じるだけでなく、痛みやしびれがある 現在受けている治療で期待した効果が得られていない >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する 当院リペアセルクリニックでは、神経の再生医療について無料カウンセリングを行っているため、お気軽にご相談ください。 まずは神経治療について無料相談! 冷えてないのに冷たく感じるのは神経障害が関係している 冷たく感じる要因 メカニズム 血管の収縮 交感神経が過剰に働き、血管が収縮する、手足への血流が減って冷たく感じる 体温調節機能の異常 自律神経が乱れ、気温変化にうまく対応できず、寒くなくても冷えを感じる 感覚の異常 温度を感じる神経が過敏になり、実際よりも冷たく感じるようになる 冷えていないのに冷たく感じる症状は、神経障害が関係している可能性があります。この原因不明に思える不快な感覚は、身体の隠れた変化や不調のサインです。 皮膚の神経が誤作動を起こし、冷たさを誤って脳に伝えることで、実際には冷えていなくても冷感を覚えるのです。 神経障害が引き起こされる原因としては、ストレスや睡眠不足、不規則な生活習慣、ホルモンバランスの乱れなどが挙げられます。 また、糖尿病や自律神経性ニューロパチーなど、重大な疾患の初期症状の可能性もあります。冷える季節でないのに手足が冷たいと感じる場合は、重症化する前に医療機関を受診しましょう。 冷えてないのに冷たく感じる原因 手足が実際には冷えていないのに冷たく感じる原因には、さまざまな身体の異常が関係しています。単なる冷え性だと思い、放置すると重症化する恐れがあります。 主な原因として、以下の5つが考えられます。 自律神経の乱れ 血管の病気の可能性 末梢神経障害の可能性 糖尿病の疑いの可能性 更年期障害の影響 冷たく感じる原因を特定し、早期に異変に気づき、適切な対処が重要です。 自律神経の乱れ 要因 説明 早期発見するためのサイン ストレス 仕事や人間関係などのプレッシャーが続くと、自律神経のバランスが崩れやすくなる イライラ、不安感、集中力の低下、過呼吸、動悸 睡眠不足 十分な睡眠がとれないと、心と体を休ませる神経(副交感神経)が働きにくくなる 朝起きられない、疲れが取れない、眠りが浅い、寝つきが悪い 不規則な生活習慣 食事の時間がバラバラだったり、夜更かしや昼夜逆転の生活は、自律神経を乱す原因になる 食欲不振、便秘・下痢の繰り返し、だるさ、頭痛 ホルモンバランスの乱れ(更年期など) 年齢や体調の変化でホルモンのバランスが崩れると、自律神経にも影響を与える ホットフラッシュ(ほてり)、汗が出やすい、気分の浮き沈み、不眠 自律神経に関わる病気(糖尿病、自律神経性ニューロパチーなど) 一部の病気は、自律神経に直接影響を与えることがある 手足のしびれ、立ちくらみ、胃もたれ、便秘・下痢、発汗異常 自律神経は体温調節や血流のコントロールに関わっています。ストレスや不規則な生活でバランスが乱れると、実際の温度を正しく感じにくくなり、とくに交感神経が優位になると血管が収縮して手足が冷たく感じやすくなります。 こうした症状は、糖尿病や自律神経性ニューロパチーの初期サインの可能性も考えられるため、早めの受診が大切です。 血管の病気の可能性 病名 原因・特徴 症状 下肢閉塞性動脈硬化症(ASO) 足の動脈が動脈硬化で狭くなり、血流が悪くなる病気。中高年男性に多い 足の冷え、しびれ、歩くと足に違和感がある(間欠性跛行) レイノー症候群 寒さやストレスで手足の血管が強く収縮し、一時的に血流が止まる 指先の冷え、色が白→青→赤と変化する、しびれや違和感 混合性結合組織病(MCTD) 自己免疫の異常で、血管や関節、筋肉などに炎症が起きる 指先の冷えやしびれ、関節痛、筋肉のこわばり (文献1)(文献2)(文献3) 手足が冷たく感じる原因には、血流が悪くなる血管の病気も考えられます。動脈硬化で足の血管が狭くなる閉塞性動脈硬化症や、手足の細い血管に炎症が起こるバージャー病などがあります。 進行すると皮膚の変色や傷が治りにくくなることもあるため、歩くと足が重くなる、皮膚が青白いなどの症状があれば、早めに医療機関を受診しましょう。 末梢神経障害の可能性 末梢神経は皮膚の感覚や筋肉の動きなどを司る神経で、この神経が損傷すると、温度や痛覚などの感覚に異常が起こります。 主な原因として、外傷、感染、薬剤、糖尿病などが挙げられます。 原因(文献4) 説明 糖尿病 血糖値が高い状態が続くと、神経にダメージを与えることがある ビタミンB12欠乏症 神経の修復や維持に必要なビタミンB12が不足すると、障害が起こりやすくなる アルコール多飲 長期間の大量飲酒は、神経に悪影響を及ぼす 自己免疫疾患 体の免疫システムが誤って自分の神経を攻撃してしまうことがある 感染症 帯状疱疹やライム病など、一部の感染症が神経に影響を与えることがある 薬剤 抗がん剤や抗HIV薬など、一部の薬が副作用として神経にダメージを与えることがある 外傷 骨折や事故による神経の圧迫・切断が原因となることがある 遺伝性疾患 生まれつき神経の異常。シャルコー・マリー・トゥース病などが知られている 上記のような原因によって、末梢神経が傷つくと「実際には冷えていないのに冷たく感じる」あるいは「触ったものの温度がわかりにくくなる」 などの症状が現れます。 末梢神経障害による感覚異常を根本的に改善する治療法として、従来では難しかった神経にアプローチできる再生医療が注目されています。 >>再生医療について確認する 以下の記事では、末梢神経障害の症状について解説しております。 糖尿病の疑いの可能性 項目 内容 神経へのダメージ 高血糖が続くと神経にブドウ糖が蓄積し、機能が低下 末梢神経の障害 足の神経は長いためダメージを受けやすく、冷えやしびれが出やすくなる 自律神経の障害 血流を調整する自律神経が障害され、冷えを感じやすくなる 冷えの特徴 足先から始まり、左右対称に出やすい。しびれや違和感を伴うことも。血糖コントロールが悪いと悪化しやすい 受診の目安 冷えに加えてしびれや違和感、感覚の低下がある場合や、糖尿病が疑われる場合は医療機関へ (文献4)(文献5) 糖尿病になると、高血糖の状態が続きます。手足の冷感やしびれ、違和感が生じやすくなり、温度感覚が鈍ることもあります。糖尿病は自覚症状が少なく進行するため、冷たい感じが初期のサインである可能性も否定できません。 健康診断などで血糖値の高さを指摘されたことがある方や、口の渇き、多飲多尿などの症状がある方で、手足の冷感やしびれを感じる場合は、糖尿病の可能性も視野に入れ、早めに医療機関を受診しましょう。 以下の記事では、糖尿病の初期症状について詳しく紹介しています。 更年期障害の影響 更年期に入ると女性ホルモンのバランスが急激に変化し、自律神経の調整機能が不安定になります。血流が不規則になると、実際の体温とは異なる冷感を覚えることもあります。 更年期障害は心身に影響を与えるため冷感だけでなく、のぼせやイライラ、睡眠障害などの症状が現れることも多いです。 症状の出方には個人差があるものの、少しでも違和感を覚えた際は早めに医師に相談しましょう。 冷たく感じる症状の治療法 冷えていないのに冷たく感じる症状の治療法は、原因や進行具合によって変わります。 また、一つだけでなく、複数の治療法を組み合わせて行われるのが一般的です。 治療法 内容 薬物療法 神経の過敏さを抑える薬(抗うつ薬や抗てんかん薬など)を使い、感覚異常を和らげる 運動療法 血流をよくするために、軽いストレッチやウォーキングなどを取り入れる 精神療法 ストレスや不安が神経の働きに影響するため、必要に応じてカウンセリングや認知行動療法を行う 再生医療 損傷した神経の修復を目的とした幹細胞治療などが一部の医療機関で実施される どの治療法でも自己判断は避け、医師へ相談・指導のもと行いましょう。 薬物療法 薬物療法に関する項目 内容 目的 神経の修復、血流改善、異常な感覚(冷感・しびれ)の緩和 主な治療薬 血糖コントロール薬、免疫抑制薬、プレガバリンなど症状によって異なる 効果 神経の働きを整え、冷たく感じる症状や違和感を軽減 注意点 薬は症状や体質により調整が必要、副作用に注意する、必ず医師の指示に従う (文献6) 薬物療法は、冷たく感じる症状の原因や症状緩和のために用いられる治療法の一つです。症状や原因によって処方される薬は異なります。また、症状の種類や体質によって薬物療法の効果に差があるため、医師による適切な診断と薬の服用が必要です。 薬物療法を行う際は、自己判断で薬の量や使用頻度を変えず、副作用や異変が出た場合には医師に相談するようにしましょう。 運動療法 運動療法の効果 内容 血流の改善 筋肉を動かすことで血液の流れが促進する 筋肉量の維持・増加 運動で筋肉量が増えると基礎代謝が上がり、冷えの改善につながる 神経機能の回復支援 運動により神経への酸素供給が増え、修復が促される 具体的な方法 つま先立ち・足首ストレッチ、30分程度のウォーキングなど 冷たく感じる症状には、運動療法が効果的です。とくにふくらはぎなどの筋肉を動かすと血流が促進され、冷えや神経の不調を和らげる助けになります。身体を動かす場合は、無理のない範囲で行いつつ、違和感を感じた際は運動を中止しましょう。 運動は身体に合ったメニューで実践するのが大切で、無理をすると逆効果になることもあります。医師の指導を受け、自分の体調に合わせて取り入れましょう。 精神療法 精神療法に関する項目 内容 精神療法が必要な理由 ストレスや不安が原因で、実際の温度とは異なる「冷たい」感覚が生じることがある 精神療法の治療法 患者の不安や感覚を否定せず共感的に受け止め、誤った思い込みを修正する (文献6)(文献7)(文献8) 冷感の原因は神経や血流の異常だけでなく、ストレスや不安など心の要因によることもあります。精神療法では、心理的な影響を和らげることで、冷たく感じる症状を軽減させます。 冷感を感じている方の中には、原因不明の不安からさらに症状が強まってしまうケースもあるため、心身のケアは大切な要素です。生活リズムを整え、ストレスを受け流す習慣をつけることで、改善の糸口が見えてくることもあります。 再生医療 冷たく感じる原因が、難治性の末梢神経障害などの場合、再生医療は有効な治療法です。 再生医療は、損傷した神経の再生・修復を促す治療法であり、手術を必要としないため、術後の後遺症に悩まされるリスクが少ないのが特徴です。 再生医療に関しては、実施している医療機関が限られているうえに、症状に対して適応できるかを医師へ相談する必要があります。 以下のような症状やお悩みがある方は、ぜひ再生医療をご検討ください。 神経障害を根本的に治したい 冷えていないのに冷たく感じるだけでなく、痛みやしびれがある 現在受けている治療で期待した効果が得られていない >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する 当院リペアセルクリニックでは、神経の再生医療について無料カウンセリングを行っているため、お気軽にご相談ください。 まずは神経治療について無料相談! また、以下の記事では、当院「リペアセルクリニック」の再生医療について詳しく解説しています。 【自分でできる】冷たく感じる症状の対処法 冷えていないのに冷たく感じる症状が神経の障害によるものであれば、医療機関での診断と治療が必要ですが、同時に自分でできる対処法を取り入れることで症状の軽減が期待できます。 自分でできる対処法は以下の3つです。 軽い運動や入浴で血流を促進 食生活の見直し ストレスケア 冷たく感じる症状の対処法を解説します。 軽い運動や入浴で血流を促進 対処法 方法と効果 足踏み運動 座ったまま1分間足踏みをし、ふくらはぎの筋肉への血流を促進させる ウォーキング 1日30分程度の早歩きが目安。有酸素運動は血管の柔軟性を保ち、全身の血流や代謝を改善 ぬるめの全身浴 40℃のお湯に10〜15分浸かると、血管が広がり血流が良くなるとともに、自律神経の緊張が緩和される 半身浴 みぞおちまで湯に浸かって15分程度。心臓への負担を抑えつつ、持続的な温熱効果が期待できる 手足の冷感に対しては、血行促進が有効な場合があります。日常生活の中で簡単に取り入れられる方法として、軽い運動や入浴が有効です。 外出しての運動が難しい方は、デスクワーク中に時々足首を回したり、かかとの上げ下ろしをしたりすると良いでしょう。また、ぬるめのお湯(38~40℃程度)にゆっくり浸かる入浴も効果的です。リラックス効果により副交感神経が優位になり、血管が広がって血行が改善します。 無理な運動は症状の悪化につながる可能性があるため、負担にならない範囲で実践するようにしましょう。 食生活の見直し 対処法 内容 バランスの良い食事 主食・主菜・副菜をそろえた食事を心がけ、ビタミンB群(豚肉、玄米)や鉄分(赤身肉、ほうれん草)をしっかり摂る 身体を温める食品の摂取 ショウガ入りのスープや味噌汁など、温かい料理を意識的に取り入れる。発酵食品で腸内環境も整える 冷たいものを控える アイスや冷たい飲み物は避け、常温〜温かい飲み物(お茶、生姜湯など)を選ぶようにする 栄養バランスの乱れは、自律神経や血流に悪影響を及ぼします。ビタミンB群やE、鉄分など、神経の働きや血液循環を助ける栄養素を意識して摂ることが大切です。アイスや冷たい飲み物は避け、温かい食事を中心にすると内臓の冷えを防止できます。 極端な食事制限や偏食は神経系に負担をかけるだけでなく、ストレスを溜め込む原因になります。ストレスを溜め込まないようにしつつ、普段から規則正しい食生活を意識しましょう。 以下の記事では、身体を温める食べ物などを詳しく紹介しています。 ストレスケア ストレスケアの効果 内容 自律神経の安定 ストレスを減らすことで自律神経のバランスが整い、血管の過剰な収縮が抑えられる ホルモンバランスの改善 ホルモンの乱れが整い、体温調節機能が正常に保たれる 筋肉の緊張緩和 ストレスが軽減されることで筋肉のこわばりがほぐれ、血行が良くなる 睡眠の質向上 良質な睡眠がとれるようになり、体の冷えやすさを改善する効果が期待できる ストレスは自律神経のバランスを乱す大きな要因の一つです。とくに慢性的なストレスは交感神経を刺激し続け、血流の悪化を招きやすくなります。 ストレスケアの方法としては、読書や音楽鑑賞、入浴や負荷のかからない軽い運動などがおすすめです。また、睡眠不足もストレスの蓄積や神経の過敏化を引き起こすため、睡眠の質を高めるようにしましょう。 冷えてないのに冷たく感じる際は医療機関で診てもらおう 冷えてないのに冷たく感じる症状は神経障害の可能性があり、その背景に糖尿病や感染症が隠れていることもあります。 放置すると重症化する恐れがあるため、このような症状でお悩みの方は早めに医療機関を受診しましょう。 「冷えていないのに冷たく感じる」「感覚異常だけでなく痛みやしびれもある」という神経症状には、再生医療による治療も選択肢の一つです。 \神経障害に効果が期待される「再生医療」とは/ 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて、感覚以上やしびれなどの原因となっている損傷した神経の再生・修復を促す治療法です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 神経障害を根本的に治したい 冷えていないのに冷たく感じるだけでなく、痛みやしびれがある 現在受けている治療で期待した効果が得られていない >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する 当院リペアセルクリニックでは、神経の再生医療について無料カウンセリングを行っているため、お気軽にご相談ください。 まずは神経治療について無料相談! 冷たく感じる症状についてよくある質問 冷えてないのに冷たく感じる時、病院を受診する目安はありますか? 見た目に異常がなく、周囲の人と比べても寒くないのに冷たく感じる状態が続く場合、自己判断で放置するのは危険です。症状を放置すると慢性化や重症化する恐れがあるため、気になる症状が少しでもあれば、医療機関を受診しましょう。 冷え性との違いはありますか? 冷え性は気温の低下や血行不良によって起こる一時的な状態で、温めると改善しやすい特徴があります。一方、冷えていないのに冷たく感じる症状は、神経の異常による感覚の誤認である可能性が高いため、温めても改善しないことが多いです。 改善しない原因不明の冷感は、冷え性ではなく神経障害や病気の可能性があるため、医療機関への受診をおすすめします。 病院に行くほどではないと思っても受診すべきですか? 病院に行くほどの症状でなくとも、医療機関への受診をおすすめします。軽度だと感じていても神経系の病が徐々に進行している可能性があるため、自己判断はせず、医師の診断を受けるようにしましょう。 何科に相談すれば良いですか? まずは内科または神経内科の受診をおすすめします。医師に症状をできるだけ具体的に伝えることで、適切な診療科に案内してもらえる場合があります。 参考文献 (文献1) Kinanah Yaseen, et al.(2024).Mixed Connective Tissue Disease (MCTD).MSD MANUAL consumer Version https://www.msdmanuals.com/home/bone-joint-and-muscle-disorders/systemic-rheumatic-diseases/mixed-connective-tissue-disease-mctd?query=%E6%B7%B7%E5%90%88%E6%80%A7%E7%B5%90%E5%90%88%E7%B5%84%E7%B9%94%E7%97%85(Accessed: 2025-04-11) (文献2) Koon K. Teo, et al.(2023).Raynaud Syndrome.MSD MANUAL consumer Version https://www.msdmanuals.com/home/heart-and-blood-vessel-disorders/peripheral-arterial-disease/raynaud-syndrome(Accessed: 2025-04-11) (文献3) 日本自律神経学会総会 「冷え性と自律神経」 https://www.jstage.jst.go.jp/article/ans/60/2/60_71/_pdf/-char/ja(最終アクセス:2025年4月11日) (文献4) Erika F. Brutsaert, et al.(2023).Diabetes Mellitus (DM).MSD MANUAL Professional Version https://www.msdmanuals.com/professional/endocrine-and-metabolic-disorders/diabetes-mellitus-and-disorders-of-carbohydrate-metabolism/diabetes-mellitus-dm(Accessed: 2025-04-11) (文献5) Erika F. Brutsaert, et al.(2023).Diabetes Mellitus (DM).MSD MANUAL consumer Version https://www.msdmanuals.com/home/hormonal-and-metabolic-disorders/diabetes-mellitus-dm-and-disorders-of-blood-sugar-metabolism/diabetes-mellitus-dm(Accessed: 2025-04-11) (文献6) 橋本法修ほか「両下肢灼熱感に対し支持的精神療法が有効であった 身体症状症の 1 症例」『日本ペインクリニック学会誌』, pp.1-4, 2023年 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspc/27/4/27_20-0002/_pdf/-char/ja(最終アクセス:2025年4月11日) (文献7) 花澤 寿.「ポリヴェーガル理論からみた精神療法について」『千葉大学教育学部研究紀要』, pp.1-9, 2019年 https://opac.ll.chiba-u.jp/da/curator/106084/S13482084-67-P329.pdf(最終アクセス:2025年4月11日) (文献8) 公益社団法人 日本精神神経学会「日本精神神経学会 精神療法委員会に「精神療法について」を訊く」公益社団法人 日本精神神経学会, 2021年7月20日 https://www.jspn.or.jp/modules/forpublic/index.php?content_id=58(最終アクセス:2025年4月11日)
2025.04.30 -
- 手部、その他疾患
- 手部
「ばね指」や「ドケルバン病」などの腱鞘炎がなかなか治らず、注射による治療を検討している方も多いのではないでしょうか。 結論、腱鞘炎の痛みにはステロイド注射が有効ですが、繰り返し行うことで腱が脆くなって断裂する可能性もあるため、治療法の選択には注意が必要です。 本記事では、腱鞘炎に対する注射の効果や痛み、副作用について詳しく解説します。 副作用リスクが不安な方やすでに注射治療を2〜3回受けている方は、別の治療法を受けることも検討した方が良いでしょう。 近年の治療では、腱鞘炎による痛みに対して、自己細胞を用いて比較的体への負担が少ない再生医療が注目されています。 \腱鞘炎の痛みに有効な再生医療とは/ 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いる先端医療で、炎症を抑制することで腱鞘炎による痛みの改善が期待できる治療法です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 ステロイド注射を打っても、痛みがぶり返してしまう 注射の副作用が心配で、何度も繰り返したくない 痛み止めや湿布が手放せず、根本的に治したい 仕事や家事(育児)に支障が出ており、早く痛みから解放されたい 当院リペアセルクリニックでは、再生医療の具体的な治療法や適応症例について無料カウンセリングを行っているため、お気軽にご相談ください。 まずは腱鞘炎の治療について無料相談! 腱鞘炎とは 腱鞘炎は、指や手首にある腱(筋肉と骨をつなぐ組織)と腱鞘(腱を包む保護組織)の間で摩擦が起こり、炎症を引き起こす疾患です。繰り返しの動作や過度の使用によっての発症が多く、とくに親指や手首に痛みや腫れ、動かしにくさといった症状が現れます。 ひどくなると、指を曲げる際にひっかかる感覚や「バネ指」と呼ばれる状態になることも。適切な休息と治療を行わないと、日常生活や仕事に大きな支障をきたす可能性があります。 腱鞘炎の症状や原因など包括的な内容に関しては「【医師監修】腱鞘炎とは|症状・原因・治療法から重症度のチェック方法まで解説」をご覧ください。 ばね指(弾発指・屈筋腱腱鞘炎) ばね指は、指を曲げ伸ばしする際に特徴的な「ばね現象」と呼ばれる引っ掛かりが生じる症状です。この状態は、指を曲げるための屈筋腱と、それを包む腱鞘との間で炎症が起こることで発生します。 炎症によって腱が腫れて太くなり、腱鞘の一部である「滑車(プーリー)」と呼ばれる狭い部分を通過する際に引っかかるようになります。とくに手のひら側の親指や人差し指、中指の付け根に痛みが現れることが多く、朝起きたときに指が曲がったままになっていることも多いです。 進行すると、指を曲げる際にカクッと音がしたり、反対の手で助けないと伸ばせなくなったりする場合もあります。 ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎) ドケルバン病は、親指を伸ばしたり広げたりする際に使われる2本の腱(長母指外転筋腱と短母指伸筋腱)とその腱鞘に炎症が生じる疾患です。主に手首の親指側、手の甲に腫れや痛みが現れ、親指を動かす度に手首に鋭い痛みを感じます。 この症状は、繰り返しの動作や過度の使用が原因で発症が多く、とくにスマートフォンで長時間テキスト入力をする際の親指の動きが関連していることから、インターネット上では「テキストサム損傷」とも呼ばれています。 痛みが悪化すると、ペットボトルのキャップを開けるといった日常動作も困難になることがあり、早期の適切な処置と休息が重要です。 腱鞘炎の注射治療は「ステロイド」が一般的 腱鞘炎の症状を早期に改善するため、多くの医療機関では炎症を抑える目的でステロイド注射が行われています。主に「トリアムシノロン」や「ケナコルト」といったステロイド薬と局所麻酔薬を組み合わせて使用するケースが多いです。(文献1)(文献2) 注射は痛みのある指の付け根部分に直接行われ、腱鞘の炎症を効果的に抑制します。治療後、当日から翌日にかけて一時的に痛みが強くなることがありますが、通常は数日以内に症状が軽減します。 効果がまったく見られない場合は、腱鞘炎以外の疾患を考慮する必要があるでしょう。症状が再発した場合には、再度の注射治療や、症状が重い場合には手術も選択肢となります。 注射治療が選ばれるタイミング 腱鞘炎の治療において、注射療法が選択されるのは主に以下のようなタイミングです。 サポーターや湿布などの保存療法を継続しても改善しない 日常生活に著しい支障をきたしている 早期改善を目指したい とくにばね指やドケルバン病などの特定の腱鞘炎では、ステロイド注射が高い効果を示すことがわかっており、積極的に治療に用いられます。 しかし、ステロイド注射は、繰り返し行うことで腱が脆くなって断裂する可能性もあります。 症状の程度や生活への影響を考慮し、医師と相談しながら適切なタイミングでの治療を受けることが重要です。 また、腱鞘炎の痛みには、自己細胞を活用して早期改善を目指す再生医療が注目されています。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を向上させることで、腱鞘炎による痛みの改善が期待できる治療法です。 当院リペアセルクリニックでは、再生医療の具体的な治療法や適応症例について無料カウンセリングを行っているため、お気軽にご相談ください。 まずは腱鞘炎の治療について無料相談! 腱鞘炎の注射は痛いのか 腱鞘炎の治療として行われるステロイド注射は、多くの患者さんが不安に感じる点です。痛みの程度は個人差がありますが、適切な処置と工夫によって、不快感を最小限に抑えられます。 注射時の痛みの感じ方 腱鞘炎の注射治療では、針を腱鞘内に直接挿入するため、針が刺さる瞬間や薬剤が注入される際に痛みを感じる場合があります。とくに炎症が激しい部位では、組織が敏感になっているため、健康な組織と比べてより強い痛みを感じやすい状態です。 注射に対する心理的な恐怖や緊張が、実際の痛みを増幅させることもあります。脳は不安や恐怖があると痛みの感覚をより強く処理する傾向があるため、リラックスした状態で臨むことで体感する痛みが軽減するでしょう。 個人の感覚によっても痛みの感じ方は大きく異なり、同じ処置でも「ほとんど痛くなかった」と感じる方もいれば、「かなり痛かった」と感じる方もいます。 痛みを和らげる工夫 医療現場では、腱鞘炎の注射による痛みを軽減するためにさまざまな工夫が行われています。まず、注射前に局所麻酔をして、患部の感覚を一時的に鈍らせます。 たとえば、ばね指の治療では手根管への麻酔、ドケルバン病では橈骨神経浅枝への麻酔を先行して行うと、本注射時の痛みを大幅に軽減できるでしょう。 27ゲージなどの細い針を使用すると、皮膚や組織への侵襲を最小限に抑え、針を刺す際の痛みを軽減する効果があります。近年では、超音波ガイド下での注射が普及しており、医師は腱鞘の正確な位置に針の誘導が可能です。(文献3) 周囲の神経や血管などの重要な組織を避けながら、必要最小限の刺激で処置を完了できます。 腱鞘炎における注射の効果・持続時間 腱鞘炎の治療として行われるステロイド注射は、適切に施術された場合、多くの患者さんの症状の改善につながります。しかし、その効果の現れ方や持続期間には個人差があり、患者さんそれぞれの状態によって異なることを理解しておくことが大切です。 即効性 ステロイド注射は比較的早期に効果が現れるのが特徴です。多くの場合、注射後数日以内に痛みや腫れといった炎症症状の軽減を実感できます。ステロイド薬の抗炎症作用により、腱鞘の腫れが引き、腱の動きがスムーズになることで症状が改善します。 中には注射直後から痛みが和らぐケースもありますが、一般的には数日程度で効果が現れ始めることが多いでしょう。注射の際に併用される局所麻酔の効果と、ステロイドによる炎症抑制効果は区別して考える必要があります。局所麻酔の効果は数時間で消失しますが、その後にステロイドの効果が持続的に働きます。(文献4) 効果の持続期間 ステロイド注射による症状改善の持続期間は、一般的に数週間から数か月程度と言われています。臨床データによれば、注射を受けた患者さんの約70〜80%が、1週間後頃から症状が半減する効果を経験しています。(文献5) ただし、その持続期間には個人差があり、数か月以上効果が持続する方もいれば、数週間で効果が薄れてくる方もいるでしょう。統計的には、1回の注射効果が1年以内に減弱する割合は約50%程度と報告されています。(文献5) 効果の持続期間は、腱鞘炎の種類や重症度、患部の使用頻度、個人の体質などによって変わってきます。 効果が出にくい場合 腱鞘炎の注射治療で効果が乏しい場合、注射位置の不正確さや、ドケルバン病での腱鞘内構造、慢性化による線維化などが原因として考えられます。 ステロイド注射をしても改善がみられない場合は、腱鞘切開の日帰り手術が検討されるでしょう。手指の過度な使用を控える生活習慣の見直しや、装具による固定も効果的です。 近年の治療では、「手術を避けて治療したい」という方に、自分の細胞を使った再生医療が注目されていますので、ぜひ自分に合った治療法を検討しましょう。 >腱鞘炎を手術せずに治す再生医療について見る 腱鞘炎における注射の副作用・リスク ステロイド注射は腱鞘炎の治療に効果的ですが、他の医療処置と同様に一定の副作用やリスクが伴います。これらを理解した上で治療を受けることで、より安全で効果的な治療につながります。 副作用やリスクを防ぐ方法 腱鞘炎のステロイド注射による副作用を防ぐには、注射回数の制限が重要です。同じ部位への注射は通常2〜3回までとし、短期間での繰り返しは避けるべきでしょう。(文献4) 注射間隔を3〜6か月程度空けると、ステロイドの局所蓄積によるリスクを減らせます。効果が持続している間は次の注射を急がず、経過観察します。 副作用の出現や症状の再発を繰り返す場合は、早めに医師に相談し、手術や装具療法など他の治療法を検討しましょう。医師との適切なコミュニケーションを通じて、自分に合った治療法の選択が重要です。 関連記事:ステロイド注射による腱鞘炎への効果はいつから感じられる?効果の持続期間や再発の可能性も解説 腱鞘炎の注射をしても改善しない場合 腱鞘炎の治療としてステロイド注射をしたにもかかわらず、十分な効果が得られない場合や症状が再燃する場合があります。このような状況では、治療方針の見直しが必要となり、複数の選択肢が検討されます。 再注射 ステロイド注射で十分な効果が得られないとき、再度の注射を検討する場合があります。ただし、ステロイド注射は同じ部位への投与を3回程度までが医学的に推奨されています。頻繁な注射によって腱の変性や断裂のリスクが高まる可能性があるためです。(文献4) 再注射をする場合は、前回の効果や副作用の有無を医師に伝え、慎重な判断が大切です。 手術 ステロイド注射で十分な効果が得られない場合や、症状が繰り返し再発する場合には、手術治療が選択肢となります。 初期から症状が強く、関節が硬い、指がまったく伸びない・曲がらないといった機能障害がある場合や、注射治療を3〜5回以上繰り返しても症状の改善が見られない場合には、手術による腱鞘の切開が効果的な場合があります。患者さん自身が手術を希望される場合にも検討されるでしょう。(文献5) 手術は多くの場合、局所麻酔下で日帰りで行われ、腱の動きを妨げている腱鞘を切開します。 関連記事:腱鞘炎の痛みから解放されたい!慢性化して薬や注射が効かない場合は手術の選択も! 再生医療 近年の治療では、従来の注射治療や手術に加えて、再生医療が注目されています。 再生医療とは、患者さまの細胞や血液を用いて、炎症抑制や損傷した組織の再生・修復を促すことで痛みの根本的な改善を目指す治療法です。 患者さま自身の幹細胞を採取・培養して注射する「幹細胞治療」や、血液から血小板を分離して作製した多血小板血漿(PRP)を注射する「PRP療法」があります。 【こんな方はご相談ください】 ステロイド注射を打っても、痛みがぶり返してしまう 注射の副作用が心配で、何度も繰り返したくない 痛み止めや湿布が手放せず、根本的に治したい 仕事や家事(育児)に支障が出ており、早く痛みから解放されたい 「現在の治療で期待した効果が出ていない」「薬や注射に頼らずに痛みを治したい」という方の新たな選択肢となる治療法です。 当院リペアセルクリニックでは、再生医療の具体的な治療法や適応症例について無料カウンセリングを行っているため、お気軽にご相談ください。 まずは腱鞘炎の治療について無料相談! 腱鞘炎の注射は医師と相談してから決めましょう 腱鞘炎の治療においては、まず安静やサポーター、湿布などの保存療法を試みることが基本です。 治療を続けても症状の改善が見られない場合や、痛みが強く日常生活に支障をきたしている場合には、ステロイド注射治療も選択肢の一つとなります。 しかし、ステロイド注射は、繰り返し行うことで腱が脆くなって断裂する可能性もあるため、注意が必要です。 注射治療を受けても2〜3回と痛みを繰り返している方は、別の治療法を受けることも検討した方が良いでしょう。 腱鞘炎の痛みを今すぐ解消したい方は、再生医療による治療も選択肢の一つです。 \腱鞘炎の痛みに有効な再生医療とは/ 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を向上させることで、腱鞘炎による痛みの改善が期待できる治療法です。 【こんな方はご相談ください】 ステロイド注射を打っても、痛みがぶり返してしまう 注射の副作用が心配で、何度も繰り返したくない 痛み止めや湿布が手放せず、根本的に治したい 仕事や家事(育児)に支障が出ており、早く痛みから解放されたい 当院リペアセルクリニックでは、再生医療の具体的な治療法や適応症例について無料カウンセリングを行っているため、お気軽にご相談ください。 まずは腱鞘炎の治療について無料相談! 腱鞘炎の注射に関するよくある質問 腱鞘炎の注射の後にお風呂に入っても良いですか? 腱鞘炎の注射を受けた当日の入浴やシャワーは避けることが望ましいです。 注射部位は一時的に皮膚のバリア機能が低下しており、細菌が侵入して化膿する可能性があります。翌日以降は、注射部位を清潔に保ちながら通常通りの入浴が可能ですが、注射直後は医師からの具体的な指示に従うことが大切です。 不安がある場合は、医療機関に確認すると良いでしょう。 腱鞘炎の注射は妊娠中でも打てますか? 妊娠中の腱鞘炎に対するステロイド注射は、一般的に安全とされています。腱鞘炎の治療で使用される局所ステロイド注射は、使用量が少なく局所的に作用するため、お腹の赤ちゃんへの影響はほとんどないと考えられています。 腱鞘炎の注射は何回打てますか? 腱鞘炎のステロイド注射について、一般的には「3回まで」と説明されることが多いですが、実際には明確な決まりはありません。 重要なのは注射の回数よりも、注射と注射の間に適切な間隔を空けることです。(文献6) 参考文献 文献1 築地皮膚と手のクリニック「腱鞘炎(4)〜指の腱鞘炎の治療〜」築地皮膚と手のクリニックホームページ https://hifu-te.jp/blog/%E8%85%B1%E9%9E%98%E7%82%8E%EF%BC%884%EF%BC%89%E3%80%9C%E6%8C%87%E3%81%AE%E8%85%B1%E9%9E%98%E7%82%8E%E3%80%9C/(最終アクセス:2024年4月11日) 文献2 間庭整形外科「腱鞘炎」間庭整形外科ホームページ https://maniwa-seikei.com/%E8%85%B1%E9%9E%98%E7%82%8E(最終アクセス:2024年4月11日) 文献3 古東整形外科・リウマチ科「腱鞘炎に対する注射はこうして工夫しています!」古東整形外科・リウマチ科ホームページ https://koto-orthopaedics.com/injection-of-tendonitis/(最終アクセス:2024年4月11日) 文献4 鶴橋整形外科クリニック「2mm切開術で腱鞘炎の日帰り手術!痛みやダウンタイムを最小限に抑える最新治療」鶴橋整形外科クリニックホームページ、2025年4月4日 https://tsuruhashi-seikeigeka.com/2mm%E5%88%87%E9%96%8B%E8%A1%93%E3%81%A7%E8%85%B1%E9%9E%98%E7%82%8E%E3%81%AE%E6%97%A5%E5%B8%B0%E3%82%8A%E6%89%8B%E8%A1%93%EF%BC%81%E7%97%9B%E3%81%BF%E3%82%84%E3%83%80%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%82%BF/(最終アクセス:2024年4月11日) 文献5 千葉市立青葉病院「ばね指(弾発指・屈筋腱腱鞘炎)」千葉市立青葉病院ホームページ https://hospital.city.chiba.jp/aoba/department/section/orthopedics/hand_surgery/trigger_finger/(最終アクセス:2024年4月11日) 文献6 まえだ整形外科・手のクリニック「ばね指の注射は何回まで出来る?」まえだ整形外科・手のクリニックホームページ、2020年5月3日 https://maeda-seikei.jp/blog/%e3%81%b0%e3%81%ad%e6%8c%87%e3%81%ae%e6%b3%a8%e5%b0%84%e3%81%af%e4%bd%95%e5%9b%9e%e3%81%be%e3%81%a7%e5%87%ba%e6%9d%a5%e3%82%8b%ef%bc%9f/(最終アクセス:2024年4月11日)
2025.04.30 -
- その他、整形外科疾患
ロコモティブシンドロームとは、運動器の障害により立ったり歩いたりするための身体能力が低下した状態です。 一般的な認知度は低く、どのような状態か理解していない方も珍しくありません。 しかし、ロコモティブシンドロームが進行すると介護リスクが高まるため、早期改善が大切です。 本記事では、ロコモティブシンドロームとはどのような状態か、症状や原因をわかりやすく解説します。 理解しておくべき理由もまとめているので、ロコモティブシンドロームについて知識を深めたい方は参考にしてください。 また、ロコモティブシンドロームの原因となる変形性関節症や軟骨損傷についてお悩みの方は、「再生医療」も治療法としてご検討ください。 当院「リペアセルクリニック」では、公式LINEで情報提供と簡易オンライン診断を実施しています。 再生医療について興味がある方は、ぜひご利用ください。 ロコモティブシンドロームとは|身体能力(移動機能)が低下した状態 ロコモティブシンドロームとは、身体運動に関わる骨や関節、筋肉などの運動器の障害により、移動機能が低下した状態です。略して「ロコモ」とも呼ばれています。 2007年9月に日本整形外科学会が提唱した症候群であり、ロコモティブシンドロームになると要介護や寝たきりになるリスクが高まるため注意が必要です。 なお、ロコモティブは移動を意味する英語の「locomotion」が語源になっています。 日常生活に支障がなくても、ロコモティブシンドロームを発症していたり進行していたりする可能性があるため、知識を深めたうえで適切な治療を受けましょう。 ロコモティブシンドロームの定義 ロコモティブシンドロームとは、運動器の障害により、移動機能が低下した状態です。 厚生労働省「健康日本21アクション支援システム」によると、「片足で40cmの高さの椅子から立ち上がれない場合」はロコモティブシンドロームの可能性があるとされています。(文献1) 従来は高齢者の問題と考えられてきましたが、最近では20代・30代における運動不足や生活習慣の乱れにより、若年層のロコモティブシンドロームも注目されています。(文献2) とはいえ、若年層のロコモティブシンドロームに対する意識はまだまだ低く、認知向上が今後の課題です。 日本におけるロコモティブシンドローム罹患数の割合 日本では、ロコモティブシンドロームの主な運動器疾患である変形性膝関節症・骨粗鬆症・変形性脊椎症のいずれかを有する人が、全国で約4,700万人にのぼると推計されています。(文献3) 日本の総人口のおよそ4割に相当し、多くの人がロコモティブシンドロームのリスクを抱えているのが現状です。 また、3つの疾患すべてを合併している人も約530万人いるとされており、移動機能がさらに低下する人が増える可能性があります。 とくに65歳以上では、「手足や腰の痛み」などの自覚症状を訴える人の割合が高いのが特徴です。 今後さらなる高齢化が進む日本において、ロコモティブシンドローム対策の重要性がますます高まっているといえるでしょう。 ロコモティブシンドロームの主な原因 ロコモティブシンドロームは骨・関節・筋肉など運動器の機能が低下する状態を指しますが、原因はひとつではありません。 ここでは、代表的な3つの原因を運動器疾患・加齢・運動不足の観点から詳しく解説します。 運動器の疾患による機能低下 運動器の疾患には、骨粗鬆症・変形性関節症・変形性脊椎症などがあります。 関節軟骨のすり減り、骨のもろさ、関節の変形などを引き起こし、痛みや可動域制限が生じるのが特徴です。 症状が進むと、歩行や階段昇降、立ち上がりといった基本的な動作が難しくなります。 運動器疾患による機能低下は、移動機能の低下や転倒、要支援・要介護のリスクを高める要因です。 機能低下が感じられたら放置せず、早期診断・治療を検討しましょう。 加齢に伴う筋力や骨密度の減少 人の筋力と骨密度は20〜30代でピークに達し、その後徐々に低下していきます。 とくに、下半身の筋肉量が減ると、歩行機能や立ち上がる動作に影響が出やすくなるため注意が必要です。 また、加齢が進むにつれて持久力やバランス能力、反応速度などの身体機能も低下します。 加えて、年齢を重ねると運動器疾患の発症リスクも高まるため、体を動かす習慣や栄養バランスの取れた食生活を取り入れるなど、進行を遅らせる対策が重要です。 運動不足による身体機能の衰え 運動不足は、ロコモティブシンドロームの大きな原因のひとつです。 エレベーターや自動車の多用、歩行量の減少など運動不足が続くと、筋力低下・バランス能力の低下が進みます。 さらに、関節や骨への適度な負荷がないことから、骨粗鬆症や筋肉の萎縮を招く恐れもあるのです。 また、若年期に運動習慣がないと、ピーク時の筋肉・骨量が十分でないまま年齢を重ねることになり、少しの低下で身体機能の衰えが顕在化しやすくなります。 生活の質を維持するためにも、日常的に適度な運動や身体を使う活動を取り入れて予防につなげていきましょう。 ロコモティブシンドロームの主な症状 ロコモティブシンドロームの初期の段階では、加齢による体力の衰えやちょっとした不調と見過ごされがちですが、進行すると歩行や家事、買い物といった基本的な生活動作が難しくなります。 将来的に要介護につながる可能性もあるため、主な症状をしっかり理解しておきましょう。 片足立ちで靴下を履けなくなった バランス感覚の低下や下肢の筋力低下が進むと、片足立ちで靴下を履くことが難しくなります。 体幹や下半身の筋肉が弱ってきているサインであり、ふらつきや転倒のリスクも高まるため注意が必要です。 家の中でつまずいてしまう カーペットの段差やちょっとした床の段差でつまずくことが増えるのも、ロコモティブシンドロームの典型的な症状です。 足の筋力や関節の柔軟性が低下すると、歩行中に足をしっかり持ち上げられなくなり、転倒リスクが高くなります。 とくに、高齢者は骨折のリスクが大きいため、注意しなければなりません。 手すりがないと階段を上れない 下肢の筋力や膝関節の働きが弱まると、階段を自力で上がるのが困難になります。 手すりに頼らないと昇降ができない状態は、運動器の機能がかなり低下しているサインです。 階段の利用が難しくなると外出機会が減り、活動量の低下にもつながる点も懸念されます。 布団の上げ下ろしや掃除機などの日常の家事が大変になった 布団の上げ下ろしや掃除機がけなどの家事は、腰や膝に負担がかかる動作です。 ロコモティブシンドロームが進むと、これらの動作が億劫になり、家事が思うようにこなせなくなります。 結果として生活の質が低下し、心身の自立度も下がる可能性がある点に注意しましょう。 15分も歩き続けられなくなった 以前は問題なかった15分程度の歩行がつらく感じるようになるのも、ロコモティブシンドロームの重大な兆候です。 下半身の筋力低下や関節の可動域制限に加え、持久力の衰えも影響しています。 歩行距離の減少は外出や社会参加の減少にも直結するので、できるだけ避けたいところです。 ペットボトルなど重たい買い物を持ち帰るのが大変 ロコモティブシンドロームが進行すると、牛乳パックや複数のペットボトルなど重たいものを持ち帰るのが難しくなる場合もあります。 重たいものの持ち運びが大変になるのは、筋力の低下だけでなく握力の衰えも影響しています。 重たいものを持てなくなると買い物が億劫になり、生活の質全体に影響を及ぼしかねないため注意が必要です。 横断歩道が青信号の間に渡れない 信号が青の間に横断歩道を渡り切れなくなる状態は、歩行速度の低下を示す明確なサインです。 歩幅が小さくなり、足の回転も遅くなるため、移動に時間がかかるようになります。 安全面での不安が増すと外出を避ける原因にもなるため、注意しましょう。 ロコモティブシンドロームを放置する4つのリスク ロコモティブシンドロームを放置すると、以下のようなリスクに直面します。 要介護状態になる可能性が高まる 健康寿命が大幅に短縮される フレイルの併発リスクが増加する 医療費負担が重くなる 何の対策も取らずに放置してしまうと、将来的に深刻な健康被害や生活への影響が生じる恐れがあります。 具体的なリスクを理解し、改善や予防につなげていきましょう。 では、4つのリスクをそれぞれ詳しく解説します。 要介護状態になる可能性が高まる ロコモティブシンドロームが進行すると、移動機能が大きく低下し、自立した生活の維持が難しくなります。 とくに、歩行能力の障害は、要介護状態に直結する重大なリスク要因です。 進行の過程は以下のように段階的に起こります。 加齢・肥満・過度な運動などにより、膝や腰、関節に負担がかかる 炎症や痛み、しびれなどが生じ、運動機能が徐々に衰える 痛みを避けることで活動量が減り、筋力や関節可動域がさらに低下する 歩行・立ち上がり・階段昇降といった基本動作が困難になる 最終的に要介護認定を受け、寝たきりとなるリスクが高まる 運動器は骨・関節・筋肉・神経などが連動して働くため、いずれかひとつでも機能が低下すると、全体の動きに支障が出ます。 日常生活での自立度を保つためには、ロコモティブシンドロームの早期発見と予防的な取り組みが不可欠です。 健康寿命が大幅に短縮される ロコモティブシンドロームによって運動機能が低下すると、日常生活に支障をきたし、介護を必要とする期間が長くなる傾向があります。 結果として、健康寿命が大幅に短縮されるリスクが高まるのです。 「令和3年版高齢社会白書」によると、65歳以上で介護が必要となった主な原因のうち、運動器の障害は約2割を占めています。(文献4) 運動機能の衰えは、認知症や脳血管疾患と並ぶ主要な介護要因のひとつです。 とくに女性は、加齢に伴う筋力や骨密度の低下が顕著であり、男性よりも運動機能障害が原因で介護を受けるケースが多いと報告されています。 健康寿命を延ばすためにも、ロコモティブシンドロームを予防すべく早い段階から対策していきましょう。 フレイルの併発リスクが増加する ロコモティブシンドロームは、加齢による身体的・精神的・社会的な活力が低下した状態「フレイル」と密接な関係があります。 ロコモティブシンドロームが進行すると、フレイルが併発するリスクが高まるため注意が必要です。 ロコモティブシンドロームは、「ロコモ度」で以下のように3段階に分類されています。 段階 状態 ロコモ度1 ・移動機能の低下がはじまった状態 ・運動や食事の改善が必要 ロコモ度2 ・移動機能の低下が進行した状態 ・痛みを伴う場合は疾患の可能性もあるため医療機関を受診を推奨 ロコモ度3 ・移動機能の低下により社会参加に支障をきたしている状態 ・疾患の可能性もあるため医療機関を受診を推奨 最も進行したロコモ度3では、身体機能の全般的な低下を示すフレイルが併発している状態といえます。 移動機能の著しい低下により社会参加にも支障が生じるため、ロコモティブシンドロームの進行を防ぎ、フレイルの併発を防ぐ取り組みを行っていきましょう。 医療費負担が重くなる ロコモティブシンドロームを放置すると、健康寿命が短くなり、自立した生活を送れない期間が長くなる恐れがあるため注意が必要です。 健康寿命とは、介護や支援を必要とせず、自立して日常生活を過ごせる期間を指します。 日本における健康寿命は、2022年のデータで男性72.57歳、女性75.45歳となっており、この健康ではない期間に医療や介護が必要になる可能性が高まるわけです。(文献5) ロコモティブシンドロームが進行すると、関節や骨、筋肉の障害によって通院や治療、リハビリ、介護サービスの利用が増え、医療費・介護費の経済的負担が大きくなる傾向にあります。 運動器の機能を維持し、ロコモティブシンドロームの進行を防ぐことは医療費の抑制にもつながるため、早期からの予防意識が将来の医療費負担増を防ぐ対策となるのです。 ロコモティブシンドロームを進行させない改善策 ロコモティブシンドロームは、一度進んでしまうと回復に時間がかかります。 軽いうちに自分の状態を把握し、運動や食事などで改善策を取り入れていきましょう。 以下では、具体的な3つの改善策をご紹介します。 「ロコモチェック」で運動機能の衰えを把握する ロコモティブシンドロームの早期発見には、日常生活の動作に着目した「ロコモチェック」が有効です。 移動機能が低下しはじめているかどうかを判断する7つの項目で構成されており、いずれか1つでも該当する場合は、ロコモティブシンドロームになっている可能性があります。 1.片脚立ちで靴下が履けない 2.家の中でつまずいたり滑ったりする 3.階段を上がるのに手すりが必要である 4.家のやや重い仕事(掃除機を使う、布団の上げ下ろしなど)が困難である 5.2kg程度の買い物をして持ち帰るのが困難である(牛乳パック2本程度) 6.15分くらい続けて歩くことができない 7.横断歩道を青信号で渡りきれない 7つすべてが当てはまっているなら、骨や関節、筋肉などの運動器が衰えているサインです。 該当項目ゼロを目指して運動を習慣とするほか、必要に応じて医療機関に相談しましょう。 ロコモチェックに関しては、以下の記事でも詳しくご紹介しています。 「ロコモ体操」で運動不足を予防する 日常的な運動不足は、下肢の筋力やバランス能力を衰えさせ、ロコモティブシンドロームの進行を早める要因となります。 進行の予防に役立つのが「ロコモ体操(ロコトレ)」です。 代表的な方法には、「片脚立ち」と「スクワット」があります。 代表的なロコモ体操 やり方 片脚立ち 1.両手を軽く支えられる場所(壁や椅子の背もたれ)に置き、片脚で立つ 2.1分間左右交互に行い、1日3回を目安に続ける スクワット 1.足を肩幅に開く 2.膝がつま先より前に出ないように注意しながら腰をゆっくり下げる 3.ゆっくり腰の位置を戻す 4.5〜6回を1セットとして、1日2〜3セット行う ロコモ体操は運動不足対策として有効ですが、運動を行う際は以下の点に気をつけましょう。 痛みや違和感があるときは無理をしない 運動前には軽いストレッチで筋肉や関節を整える 無理なく習慣にすることで、運動不足を補い、ロコモティブシンドロームの進行予防に大きな効果が期待できます。 ロコモティブシンドローム同様、筋力の低下にかかわるサルコペニアの予防についての記事も参考になるので、あわせてご覧ください。 食生活でロコモ対策する 運動だけでなく、食事の内容もロコモティブシンドロームの進行予防において重要です。 とくに、以下の点に注意してください。 十分なエネルギー摂取:1日3食を基本としてしっかり食べる たんぱく質の適切な摂取:60〜70kgの体重の高齢者で体重1kgあたり約1.0〜1.25gのたんぱく質が必要(文献6) 栄養バランス:主食・主菜・副菜・牛乳・果物などを組み合わせる 骨や筋肉を維持するためには、十分な栄養の摂取が必要です。 上記の食生活の注意点を実践し、自立的で健康な生活を長く維持するように心がけていきましょう。 以下のロコモティブの予防を解説している記事では、食事法についても触れているので参考にしてみてください。 医療機関を受診する ロコモティブシンドロームのセルフチェックで1項目でもチェックがついた場合は、医療機関の受診を検討しましょう。 治療法は状態によって異なりますが、進行を改善する方法には、薬物療法や運動療法、手術などがあります。 ロコモティブシンドロームは症状回復が見込まれるため、早期に適切な治療を受けることが重要です。 症状を進行させないよう、自身で判断せず医療機関に相談しましょう。 まとめ|ロコモティブシンドロームは運動や食生活を改善して対策しよう! ロコモティブシンドロームとは移動機能が低下した状態で、介護リスクを高める要因になります。 日本における認知度は低いものの、日本人の約4割がロコモティブシンドロームを発症しています。 進行させないためには、セルフチェックや予防策の実施が重要です。 また、ロコモティブシンドロームは適切な治療により症状の回復が期待できます。 症状の回復には、医療機関を受診して適切な治療を受けることが大切です。 なお、リペアセルクリニックは、ロコモティブシンドロームの原因となる変形性関節症の再生医療を行っています。 また、公式LINEでは再生医療の情報提供や簡易オンライン診断をご利用いただけますので、ロコモティブシンドロームに関する疑問や悩みをお持ちの方はお気軽に登録してください。 ロコモティブシンドロームに関するよくある質問 ロコモティブシンドロームの看護に関連する団体はありますか? ロコモティブシンドロームに関わる看護の専門領域を扱う団体として、「日本運動器看護学会(JSMN)」があります。 同学会は、骨・関節・筋肉など体を支える「運動器」に関する看護の発展を目的に活動しており、運動機能低下を特徴とするロコモティブシンドロームとも深い関わりを持っています。(文献7) フレイルやサルコペニアとの違いは? サルコペニアやフレイルと比較すると、ロコモティブシンドロームは「運動器」に特化しています。 サルコペニア:加齢などによる「筋肉量や筋力の低下」 ロコモティブシンドローム:骨・関節・筋肉など「運動器全体の衰え」 フレイル:身体的・精神的・社会的側面を含む「心身の総合的な衰え」 フレイル、サルコペニア、ロコモの違いについては、以下の記事でも詳しく解説しています。 ロコモティブシンドロームは若い人にも関係ありますか? ロコモは高齢者だけの問題と思われがちですが、20代や30代といった若い世代にも関係があります。 運動不足や偏った食生活、長時間のデスクワークなどが重なると、筋力低下や関節の柔軟性低下が進み、将来的なロコモのリスクを高めてしまうのです。 若いうちから予防を意識し、健康寿命の延伸につなげていきましょう。 参考文献 (文献1) ロコモをご存知ですか?|厚生労働省 (文献2) 2025年度 認知度調査結果|ロコモONLINE (文献3) 医療計画におけるロコモティブシンドローム対策の重要性|厚生労働省 (文献4) 2 健康・福祉 令和3年版高齢社会白書(全体版)|内閣府 (文献5) 健康日本21アクション支援システム ~健康づくりサポートネット~ 生活習慣病などの情報|厚生労働省 (文献6) 2─3 高齢者|厚生労働省 (文献7) 日本運動器看護学会(JSMN)
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- その他、整形外科疾患
「最近、つまずきやすくなった」「階段の上り下りがつらい」と感じることはありませんか? それはロコモティブシンドローム(通称ロコモ)のサインかもしれません。 ロコモは、加齢や運動不足によって筋力や関節機能が低下し、将来的に要介護につながるリスクのある状態です。 しかし、正しい知識と日々の習慣によって、誰でも予防できます。 本記事では、自宅でできる簡単な筋トレや体操を中心に、姿勢・食事・定期健診・再生医療まで、幅広くロコモ対策をわかりやすく紹介します。 運動が苦手な方や、無理せず続けたい方にも取り入れやすい内容なので、ぜひ今日からはじめてみましょう。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、ロコモの原因疾患である変形性関節症の治療にも用いられている「再生医療」に関する情報の提供と簡易オンライン診断を実施しています。気になる症状があれば、ぜひご活用ください。 ロコモティブシンドロームに効果的な筋トレ・体操 ロコモティブシンドロームを予防・改善するためには、日常生活に無理なく取り入れられる運動習慣を無理のない範囲で続けましょう。 なかでも、ロコモティブシンドローム対策として推奨されているのが「ロコモーショントレーニング(ロコトレ)」と呼ばれる一連の運動です。 ロコモーショントレーニングは、移動機能の維持・向上を目的とした簡単な運動で、高齢者をはじめとする多くの人が自宅で安全に取り組める内容になっています。 特別な道具や広いスペースを必要とせず、日常生活の合間に取り入れやすい運動です。 ここでは、基本的かつ効果的なロコトレをご紹介します。 ※ 持病のある方や痛みがある方は、運動を始める前に医師にご相談ください。 バランス能力を鍛える「片脚立ち」 片脚立ちは、片脚を軽く持ち上げてバランスを保つことで、下半身の筋力と体幹、バランス感覚を同時に鍛えられる運動です。 とくに、太もも・ふくらはぎ・足首まわりの筋肉に働きかけ、転倒予防や移動能力の維持に役立ちます。 最初は数秒からでも構いません。無理なく継続することがポイントです。 1.壁や椅子など、つかまるものがある場所に立つ 2.片脚をゆっくりと、床に着かない程度に上げる 3.左右それぞれ1分間を目安に行う 1分間の片脚立ちが難しい場合は、10秒~30秒から始めていただいても大丈夫です。無理のない範囲で取り組みましょう。 また、床が滑りにくい場所を選び、靴下を脱いで行うと、より安全に取り組めます。 下肢筋力を鍛える「スクワット」 スクワットは、太もも・お尻・ふくらはぎなど、下半身の大きな筋肉を鍛える効果的な運動です。 歩行の安定や転倒防止にも役立つため、ロコモティブシンドローム対策として実践してみましょう。 以下のように、正しいフォームで行うことで筋力アップが期待できます。 1.足を肩幅に開いて立つ 2.お尻を後ろに引くようにしながら、2~3秒かけてゆっくり膝を曲げる 3.太ももに張りを感じたら、再び元の姿勢に戻る 4.5~6回繰り返す 1日3セットを目安に、無理のない範囲で継続して行いましょう。バランスが不安な場合は、椅子の背に手を添えて行っても構いません。 継続することで、立ち上がる・歩くといった動作の安定に役立ちます。 太もも前面を鍛える「ストレートレッグレイズ」 ストレートレッグレイズは、床に仰向けになり、片脚を伸ばしたまま持ち上げることで太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)を鍛える運動です。 膝関節を安定させ、歩行や立ち上がり動作を支える力を高める効果があります。 寝たままできるため、高齢者や筋力が落ちてきた方にも取り入れやすい運動です。 1.床に仰向けになり、両脚をまっすぐ伸ばす 2.片方の膝を軽く曲げ、もう片方の脚はまっすぐに保つ 3.まっすぐに伸ばした脚を2~3秒かけてゆっくり持ち上げる 4.ゆっくりと元の位置に戻す 5.左右それぞれ10回程度繰り返す 膝や腰に痛みがある場合は、無理をせず行いましょう。 腹筋を鍛える「クランチ」 クランチは、腹筋のなかでもとくに上腹部を集中的に鍛えられる、基本的なエクササイズです。 体幹の安定性を高めることで、姿勢の改善やバランス能力の向上にもつながります。 クランチの基本的な手順は、次のとおりです。 1.仰向けになり、膝を立てて足裏を床につける 2.両手を胸の前で組むか、頭の後ろに軽く添える 3.息を吐きながら、おへそを見るように上体を丸めて起こす 4.上体を起こした位置で一瞬キープする 5.息を吸いながら、ゆっくりと元の姿勢に戻る 最初は1セット10回を目安に、体調に合わせて無理のない範囲で続けるのがポイントです。 腹筋の強化により、日常生活での「ふんばり」が効きやすくなり、転倒しにくい身体づくりにつながります。 ふくらはぎの筋力をつける「ヒールレイズ」 ヒールレイズは、ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)を鍛える基本的なエクササイズです。 ふくらはぎの筋力がつくと、歩行時の推進力が高まり、立ち上がりや階段昇降が楽になる効果が期待できます。 ヒールレイズの基本的な手順は、次のとおりです。 1.椅子の背もたれや机などに手を添えて、まっすぐ立つ 2.両足を腰幅に開き、足裏全体を床につける 3.かかとをゆっくり持ち上げる 4.ふくらはぎがしっかり働いている感覚を意識しながらキープする 5.かかとをゆっくり下ろす 最初は無理をせず、自分のペースで行うことが大切です。慣れてきたら、壁に手を付けながら片脚だけでやってみましょう。 高齢者でも簡単な「ロコモ体操」 ロコモ体操は、ロコモティブシンドロームの予防・改善を目的に考案された簡単な運動プログラムです。(文献1) ロコトレの「片脚立ち」と「スクワット」が基本構成として組み込まれており、特別な道具を必要とせず、自宅で手軽に実践できます。 ここでは、立って行うやり方と椅子に座って行うやり方をご紹介します。 立って行うやり方 立って行うロコモ体操は、ある程度立った状態を保てる方に向いている方法です。 片脚立ちとスクワットを組み合わせて、足腰の筋力とバランス能力を効率よく鍛えます。 転倒を防ぐために、必ず机や椅子の背もたれ、壁などつかまれる場所の近くで行ってください。 立って行うロコモ体操のおおまかな手順は、次の流れです。 1.手のひらで、両腕・足・腰まわりをさすり、筋肉と関節をやさしく温める 2.机や椅子の背もたれなどにつかまり、左右それぞれ片脚立ちを一定時間ずつ行う 3.音楽や号令に合わせて、膝を少しずつ曲げる浅めの動きから、段階的に腰を落とすスクワットを行う 4.股関節をしっかり開きながら、上半身を左右に動かし、胸や肩まわりを大きく開く運動を加える 5.ウォーミングアップから股関節・スクワットまでの一連の動きを、無理のない範囲で繰り返す 6.肘の曲げ伸ばしと股関節の伸ばし、もも上げ動作を組み合わせたリズミカルな運動を行う 7.最後に背筋を伸ばし、バランスをとりながら「シェー」のようなポーズで締めくくる 最初からすべて完璧に行う必要はありません。 体調に合わせて回数を少なめにしたり、動きを小さくしたりしながら、少しずつ慣れていきましょう。 椅子に座って行うやり方 椅子に座って行うロコモ体操は、立位に不安がある方や、体力に自信がない方でも取り組みやすい方法です。 座ったままでも股関節や手足をしっかり動かせる内容になっており、下肢筋力・体幹・バランスを同時に刺激できます。 椅子のバージョンでは、次のような流れで全身を動かしましょう。 1.つま先を上げながら指を鳴らす動きと、体を左右に揺らす動きを組み合わせてウォーミングアップする 2.手足をやさしくさすり、血流を高めながら筋肉をほぐす 3.股関節を外側・内側に回すように動かし、付け根の動きを大きく出す 4.手首・足首の上げ下げや、手足を同時に伸ばす運動、肩周りを開くような動きを数種類行う 5.股関節まわりの運動と手足の運動を、無理のない範囲で繰り返す 6.肘と反対側の膝をタッチして、お腹をひねる運動を行う 7.最後に背伸びをして姿勢を伸ばし、決めのポーズで締めくくる このように、椅子に座ったままでも股関節や体幹、手足をバランスよく動かせるように工夫されています。 集団で行う場合は、隣同士で手を合わせて動かす場面もあり、コミュニケーションをとりながら楽しく続けやすい体操です。 ロコモティブシンドロームの予防には「良い姿勢」の維持も大切 ロコモティブシンドロームを防ぐためには、筋力やバランス能力の強化だけでなく、「正しい姿勢」を保つことも欠かせません。 悪い姿勢が続くと、背骨や関節に余計な負担がかかり、腰痛や関節のトラブルを引き起こす原因になります。 とくに猫背や前かがみの姿勢は、背骨のゆがみを悪化させてしまい、動きの低下につながるため注意が必要です。 良い姿勢を保つには、腹筋・背筋・体幹など、全身の筋肉をバランスよく働かせることが大切です。 たとえば、座っているときは骨盤をしっかり立てて背筋を伸ばし、スマートフォンやパソコンを使うときも、首が前に出すぎないよう意識しましょう。 姿勢を意識することは、見た目の印象だけでなく、体全体の健康を守る上でも重要です。 日頃から鏡で自分の姿勢を確認したり、壁に背中をつけて立ってチェックするなど、こまめに見直す習慣をつけましょう。 ロコモティブシンドロームを予防する食事習慣 ロコモティブシンドロームの予防には、運動だけではなく毎日の食事管理も大切です。 丈夫な骨や十分な筋肉量を保つためにも、必要な栄養素を意識的に摂取しましょう。 ここでは、ロコモティブシンドロームを予防するために知っておきたい食事について解説します。 骨を丈夫にする食事 ロコモティブシンドロームの予防では、骨を強く保つことが欠かせません。 骨の主成分であるカルシウムは、骨の密度を維持するために欠かせない栄養素です。 十分に摂取することで、骨粗しょう症や骨折のリスク軽減につながります。 日々の食事からの十分なカルシウム摂取が、ロコモの進行を防ぐ基本です。 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、30歳以上の1日あたりのカルシウム推奨量は以下のようになっています。(文献2) 年齢 男性 女性 30~49歳 750mg 650mg 50~64歳 750mg 650mg 65~74歳 750mg 650mg 75歳以上 750mg 600mg ※ただし、妊娠・授乳期や疾患の有無によって異なる場合があるので、目安としてご参照ください。 現代の日本人の平均摂取量は上記の基準を下回っているとされており、意識的な摂取が必要です。 牛乳やヨーグルトなどの乳製品や小魚、豆腐・納豆などの大豆製品、青菜類などカルシウムを多く含む食品を活用し、骨の健康を長く保っていきましょう。 筋肉をつくる食事 ロコモティブシンドロームの予防には、骨の健康だけでなく、筋肉の維持と強化も重要です。 筋力が低下すると、転倒や移動機能の衰えが進行しやすくなるため、日常的なたんぱく質の摂取が欠かせません。 厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、30歳以上のたんぱく質推奨量を以下のように定めています。(文献2) 年齢 男性 女性 30~49歳 65g 50g 50~64歳 65g 50g 65~74歳 65g 50g 75歳以上 60g 50g ※個人の体格や活動量によっても異なるため、目安としてご参照ください。 また、筋肉量や筋力の低下が懸念される高齢者の場合、体重1kgあたり1.0~1.2g程度のたんぱく質摂取を推奨されています。 ただし、腎機能が低下している方は高たんぱく食を控えなくてはいけない場合があるため、医師にご相談ください。 たとえば、体重50kgの高齢者であれば1日50~60g、体重60kgなら60~72gが目安です。 たんぱく質は、肉・魚・卵・乳製品・大豆製品など、さまざまな食品に含まれているので、バランス良く効率的に摂取しましょう。 定期健診でロコモティブシンドローム予防 ロコモティブシンドロームの進行を防ぐためには、早期発見と適切な対応が重要です。 定期健診を受けることで、移動機能の低下を早期に察知しやすく、予防につながります。 定期健診では、以下のような測定やテストを行います。 骨密度測定:骨粗しょう症のリスクを早期に把握 筋力測定:握力や下肢筋力といった筋力の低下を客観的に評価 歩行機能テスト:歩行速度やバランス能力などを確認 ロコモティブシンドロームの予防として、年に1~2回の定期健診を受けましょう。 ロコモティブシンドロームの予防には原因疾患の治療も大切 ロコモティブシンドロームを予防・改善するためには、運動や体操だけでなく、変形性関節症などの原因となっている病気をしっかり治療することも大切です。 痛みや炎症を和らげるために薬を使う場合もありますが、薬だけでは関節の変形を元に戻したり、病気の進行を止めたりできません。 また、人工関節を入れる手術は効果が期待できる反面、体への負担が大きく、入院やリハビリが必要になります。 そのような場合に選択肢となるのが、関節の修復を目指す治療のひとつ「再生医療」です。 再生医療とは、本来の機能を失った組織や細胞に対して患者様自身の幹細胞や血液を用いる治療法で、手術を避けたい方や日常生活への影響をできるだけ抑えたい方の選択肢になっています。 以下の記事では、両膝変形性関節症を再生医療で治療した症例を紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。 まとめ|運動習慣とバランスの良い食事でロコモの予防に努めよう ロコモティブシンドロームは、運動器の疾患や衰えだけではなく、運動不足や栄養の偏りといった生活習慣による影響が大きいため、健康な体づくりが予防につながります。 無理のない範囲で日頃からロコモーショントレーニングや簡単な体操を取り入れて、筋力や柔軟性を高めることが重要です。 また、筋肉量や骨量の維持には、バランスの良い食事も欠かせません。 将来的に介護が必要になるリスクを少しでも減らすためにも、適度な運動習慣とバランスの良い食事を心がけましょう。 また、ロコモの原因となる変形性関節症や軟骨損傷についてお悩みの方は、治療法として再生医療もご検討ください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療に関する情報提供と簡易オンライン診断を実施しています。 移動機能に不安があれば、登録してぜひお気軽にご利用ください。 ロコモティブシンドロームの予防に関するよくある質問 ロコモティブシンドロームの三大要因は? ロコモティブシンドロームの大きな原因となる運動器疾患は、以下の3つです。 骨粗しょう症 変形性膝関節症 脊柱管狭窄症 この三大要因によって骨や関節、神経のはたらきが低下すると、立つ・歩くといった基本動作が難しくなり、ロコモが進行しやすくなります。 さらに、次のような生活習慣や環境も、ロコモのリスクを高める要因として注意が必要です。 加齢 運動不足 エレベーターや自動車の利用増加による活動量の低下 過度なスポーツや無理な姿勢、使い過ぎによるけが 肥満、痩せすぎ 腰や膝などの痛みや不調の放置 外出機会の低下 上記のような骨や関節の病気と生活習慣の両面が重なると、ロコモは進行しやすくなります。 疾患の治療とあわせて、日常の動き方を見直してロコモティブシンドロームを予防しましょう。 高齢者のロコモティブシンドローム予防で重要な点は? 高齢者におけるロコモティブシンドロームの予防では、運動と食事の両立が極めて重要です。 日常生活に運動習慣を取り入れ、筋肉や骨を支えるたんぱく質やカルシウム、ビタミンDなどを意識した、栄養バランスの良い食事を心がけましょう。 早期から習慣づけすれば、将来の転倒や骨折、要介護のリスクを大幅に減らすことが可能となります。 ロコモティブシンドロームをチェックする7項目とは? ロコモティブシンドロームの危険性を簡単に確認できる方法として、日本整形外科学会が示している「ロコチェック」があります。(文献3) 次の7項目のうち、ひとつでも当てはまるとロコモの危険性があるとされています。 家の中でつまずいたり、滑ったりすることがある 階段を上るときに手すりが必要である 15分くらい続けて歩くことができない 横断歩道を青信号のうちに渡りきれない 片足立ちで靴下を履くことができない 2kg程度の買い物(1Lの牛乳パック2本程度)を持ち帰るのが困難である 家のやや重い仕事(掃除機がけ、布団の上げ下ろしなど)がつらく感じる ひとつでも当てはまる場合は、早めに運動習慣や生活環境を見直すほか、必要に応じて医療機関に相談しましょう。 ロコモティブシンドロームが進行するとどうなる? ロコモティブシンドロームが進行すると、筋力や骨の脆弱化が進み、日常生活での移動が徐々に困難になります。 その結果、転倒や骨折を繰り返しやすくなり、最終的には「寝たきり」の状態に至るリスクが高まるのです。 厚生労働省の「令和4年 国民生活基礎調査の概況」では、要介護となる原因のひとつに「骨折・転倒」を挙げています。(文献4) 移動能力が低下すると外出や社会参加が難しくなり、精神的な不活発や認知機能の低下にもつながりかねません。 ロコモの進行は身体だけでなく、生活の質(QOL)全体を大きく損なう可能性もあります。 早期の段階で適切な運動・栄養指導を取り入れ、進行を食い止めることが重要です。 以下の記事でも、ロコモティブシンドロームのチェック項目やロコモ度テストについて解説しています。 参考文献 (文献1) ロコモ体操とは|公益財団法人長寿科学振興財団 (文献2) 日本人の食事摂取基準(2020年版)|厚生労働省 (文献3) ロコチェック|ロコモONLINE (文献4) 令和4年 国民生活基礎調査の概況「第4章 世帯員の健康状況」|厚生労働省
2025.04.30 -
- その他、整形外科疾患
「最近つまずきやすくなった」「階段の昇り降りがつらい」など、日常生活で移動機能の低下を感じるようになったら、ロコモティブシンドロームが疑われます。ロコモティブシンドロームとは、加齢や病気によって骨や関節、筋肉といった運動器の機能が低下し、立つ・歩くなどの移動能力が衰える状態のことです。 今回は、ロコモティブシンドロームの診断に役立つチェック方法を解説します。ロコモ度テストと呼ばれる方法や判定基準をまとめているので、ぜひ参考にしてください。 ロコモティブシンドロームのセルフチェック7項目 ロコモティブシンドロームを疑う場合は、まずセルフチェックを実施しましょう。以下の7項目のうち、1つでも該当する場合はロコモティブシンドロームが疑われます。(文献1) 片脚立ちで靴下がはけない 家の中でつまずいたりすべったりする 階段を上がるのに手すりが必要である 家のやや重い仕事が困難である(掃除機の使用・布団の上げ下ろしなど) 2kg程度の買い物をして持ち帰るのが困難である 15分くらい続けて歩けない 横断歩道を青信号で渡りきれない ロコモティブシンドロームと一言でいっても、症状や程度は人それぞれで異なります。なお、ロコモティブシンドロームが疑われる場合は、医師の指導のもと予防や治療をおこなうことが一般的です。 ロコモ度テストによるチェック方法と3段階の判定基準 ロコモティブシンドロームのリスクをより詳しく評価するためには、「ロコモ度テスト」と呼ばれる以下の身体機能検査を実施します。 立ち上がりテスト 2ステップテスト ロコモ25 ロコモ度テストとは、日本整形外科学会が提唱するチェック方法で、それぞれの結果に基づき、進行度合いを3段階で評価します。(文献2) ロコモ度の判定基準 ロコモ度1 移動機能の低下が始まっている状態 ロコモ度2 移動機能の低下が進行している状態 ロコモ度3 移動機能の低下によって、日常生活に支障をきたしている状態 自覚症状がない場合でも、ロコモ度テストによってリスクの早期発見が可能です。 【ロコモ度テスト1】立ち上がりテスト 立ち上がりテストは、太ももを中心とした下肢の筋力を評価する検査です。10〜40cmまでの高さが異なる台を用意し、座った状態からの立ち上がり方法を確認します。 立ち上がりテストのチェック方法 立ち上がりテストは、両脚または片脚で実施します。まずは40cmの台に座って両脚テストを始めましょう。テスト中は無理をせず、膝に痛みを感じる場合は中止してください。 両脚テスト 立ち上がりテストは、まず40cmの台を使って両脚でおこないます。 両腕を組んで台に腰掛ける 反動をつけずに立ち上がる そのまま3秒間キープする 台に腰掛ける際は、両脚を肩幅に広げ、床に対して脛(すね)がおよそ70度(40cmの台の場合)になるようにします。なお、反動をつけると後方に転倒する恐れがある点に注意してください。 片脚テスト 40cmの台を使って両脚で問題なく立ち上がれたら、次は片脚テストを実施します。 両腕を組んで台に腰掛け、左右どちらかの脚を上げる(上げた脚は軽く曲げる) 反動をつけずに立ち上がる そのまま3秒間キープする 40cmの台を使って左右どちらの脚でも立ち上がれたら、台の高さを10cmずつ低くし、片脚テストを続けます。なお、40cmの台で片脚テストができなかった場合は、両脚テストに戻り、30cmから10cmずつ低い台に座ってどこまで立ち上がれるかチェックしましょう。 立ち上がりテストによるロコモ度の判定基準 立ち上がりテストによるロコモ度の判定基準は、下表の通りです。 立ち上がりテストによる判定基準 ロコモ度1 どちらか一方の片脚で40cmの台から立ち上がれないが、両脚で20cmの台から立ち上がれる ロコモ度2 両脚で20cmの台から立ち上がれないが、30cmの台から立ち上がれる ロコモ度3 両脚で30cmの台から立ち上がれない 40cmの台を使った片脚テストができた場合、左右とも片脚で立ち上がれた最も低い台がテスト結果です。40cmの台を使った片脚テストができなかった場合は、両脚で立ち上がれた最も低い台を基準に判定します。 各年代別の立ち上がれる台の高さは、20代が片脚20〜30cm、30~60代は片脚40cm、70台なら両脚10cmが目安になります。(文献3) 【ロコモ度テスト2】2ステップテスト 2ステップテストとは、歩幅の広さから下肢の筋力やバランス能力を測る検査です。 2ステップテストのチェック方法 2ステップテストは、以下の方法で値を算出します。 スタート位置を決め、両脚のつま先を合わせる できる限り大股で2歩踏み出し、両脚を揃える 2歩分の歩幅を測る 2回実施し、長いほうの記録を採用する 「2歩幅(cm)÷身長(cm)」の計算式で「2ステップ値」を算出する 2ステップテストは、介助者のもと、滑りにくい床で実施してください。また、無理をせず、バランスを崩さない範囲でおこないましょう。 2ステップテストによるロコモ度の判定基準 2ステップテストによるロコモ度の判定基準は、下表の通りです。 2ステップテストによる判定基準 ロコモ度1 2ステップ値が1.1以上1.3未満 ロコモ度2 2ステップ値が0.9以上1.1未満 ロコモ度3 2ステップ値が0.9未満 なお、2ステップ値は年齢別・性別の平均値が数値化されています。(文献3) 年齢別 男性 女性 20〜29歳 1.73〜1.64 1.68〜1.56 30〜39歳 1.68〜1.61 1.58〜1.51 40〜49歳 1.62〜1.54 1.57〜1.49 50〜59歳 1.61〜1.56 1.55〜1.48 60〜69歳 1.58〜1.53 1.52〜1.45 70〜79歳 1.52〜1.42 1.48〜1.36 ロコモ度に該当していなくても、年齢別の平均値から大きく外れている場合は、将来的にロコモティブシンドロームの状態になるリスクがあると考えられます。 【ロコモ度テスト3】ロコモ25 ロコモ25とは、専用の質問票で自身の身体機能や生活状況について回答し、ロコモ度を自己評価するチェック方法です。 ロコモ25のチェック方法 ロコモ25では、身体の痛みや普段の生活に関する25個の質問が用意されています。以下は主な質問内容です。 頚・肩・腕・手のどこかに痛み(しびれも含む)がありますか 背中・腰・お尻のどこかに痛みがありますか 下肢のどこかに痛み(しびれも含む)がありますか 普段の生活で身体を動かすのはどの程度つらいと感じますか ベッドや寝床から起きたり、横になったりするのはどの程度困難ですか 腰掛けから立ち上がるのはどの程度困難ですか 家の中を歩くのはどの程度困難ですか シャツを着たり脱いだりするのはどの程度困難ですか など 各質問に5段階(0〜4点)で回答し、合計点数を算出します。 全てのチェックリストを確認したい方は、ロコモonlineの「ロコモ度テスト結果記入用紙」をご覧ください。 ロコモ25によるロコモ度の判定基準 ロコモ25によるロコモ度の判定基準は、下表の通りです。 ロコモ25による判定基準 ロコモ度1 7点以上16点未満 ロコモ度2 16点以上24点未満 ロコモ度3 24点以上 「立ち上がりテスト」「2ステップテスト」「ロコモ25」の3つのテスト結果をもとに、ロコモ度を判定します。各テストの結果がどの段階に該当するかチェックし、該当するロコモ度の最も進行している段階が最終的な判定結果となります。 なお、いずれのテストでロコモ度の判定基準に該当しない場合は、現時点でロコモティブシンドロームが疑われる状態ではありません。 ロコモティブシンドロームの3大原因疾患 ロコモティブシンドロームの背景には、加齢に伴う運動器の疾患が関わっています。なかでも、以下の疾患は、ロコモティブシンドロームの3大原因疾患として知られています。(文献4) 変形性膝関節症 変形性腰椎症 骨粗しょう症 変形性膝関節症は膝関節の軟骨がすり減り、関節に炎症や変形が起こる疾患です。歩行時の痛みや階段の昇降困難など、移動機能の低下を直接的に引き起こします。 また、変形性腰椎症は、加齢や長年の負担によって腰の骨に変形やすり減りが生じ、腰痛などの症状を引き起こす疾患です。とくに中高年以降に多くみられ、運動器の老化現象の一つとされています。 骨粗しょう症を発症して骨密度が低下すると、骨折のリスクが高まります。とくに大腿骨や脊椎を骨折してしまうと、歩行困難や寝たきりの原因になりかねません。 いずれの疾患も放置すると症状が悪化し、移動機能の低下を進行させるリスクがあります。ロコモチェックの結果に限らず、普段の生活で気になる症状があれば、早めに医療機関を受診しましょう。 なお、リペアセルクリニックでは、ロコモティブシンドロームの原因疾患にあたる変形性膝関節症や変形性腰椎症に対する再生医療をおこなっています。メール相談やオンラインカウンセリングも実施しているので、ぜひ気軽にご相談ください。 \まずは当院にお問い合わせください/ ロコモティブシンドロームのチェック項目を把握し早期診断につなげよう ロコモティブシンドロームは、移動機能の低下を示す重要なサインです。日常生活において、よくつまずくようになったり、続けて家事をするのがしんどいと感じたりする場合は、ロコモティブシンドロームを疑いましょう。 自覚症状がロコモティブシンドロームに該当するかどうかは、7つのセルフチェック項目や3つのロコモ度テストを用いて判断できます。移動機能低下の進行を遅らせるためには、医師の指導のもと、予防や治療に取り組むと効果的です。 健康的な生活を続けるためにも、定期的にロコモティブシンドロームのチェック項目を確認し、必要に応じて医療機関を受診しましょう。 参考文献 (文献1) 日本整形外科学会「ロコチェック」ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト https://locomo-joa.jp/check/lococheck(最終アクセス:2025年4月17日) (文献2) 日本整形外科学会「ロコモ判定方法」ロコモティブシンドローム予防啓発公式サイト https://locomo-joa.jp/check/judge(最終アクセス:2025年4月17日) (文献3) ロコモチャレンジ!推進協議会ロコモ度テストサーキンググループ調査資料 https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2014/143031/201412014A/201412014A0002.pdf(最終アクセス:2025年4月17日) (文献4) 日本整形外科学会「もっと知ろう!ロコモティブシンドローム」 https://www.joa.or.jp/media/comment/locomo_more.html(最終アクセス:2025年4月17日)
2025.04.30 -
- 足部、その他疾患
- 手部、その他疾患
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- その他、整形外科疾患
「足のしびれや自律神経の乱れを感じる」 「足にピリピリ感があり、日常生活に影響をきたしている」 最近、原因不明の足のしびれやピリピリ感はありませんか。日常生活や仕事にも影響が出始めると不安になりますよね。 とくに忙しい毎日を送っていると、足のしびれや自律神経の乱れがストレスによるものではないかと気になることでしょう。 それらの原因不明の症状は、末梢神経障害によるものかもしれません。 本記事では、末梢神経障害の症状とともに以下の内容について解説します。 末梢神経障害を放置すると筋肉の萎縮や痛みの慢性化につながりますので、症状と原因を正しく理解し、早めに医療機関を受診しましょう。 また、つらい末梢神経障害の治療には、再生医療も選択肢の一つです。 \末梢神経障害に対する再生医療とは/ 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を向上させることで、痛みやしびれの原因となっている損傷した神経の改善を促す治療法です。 https://youtu.be/NeS1bk2i5Gs?si=Kx0lm_YjfUhh1P4e 【こんな方は再生医療をご検討ください】 長年、手足のしびれや痛みに悩まされている 既存の治療では改善が見られない 具体的な治療法については、当院リペアセルクリニックで無料カウンセリングを行っておりますので、ぜひご相談ください。 末梢神経障害とは 区分 主な症状 感覚神経の障害 しびれ・冷感・灼熱感、感覚の低下、ピリピリ・チクチクする異常感覚 運動神経の障害 筋力低下、筋萎縮、歩行困難、運動機能の低下 自律神経の障害 発汗異常、立ちくらみ・めまい、便秘・下痢、排尿障害、動悸 症状の特徴 手足の先から始まる、左右対称に出る、徐々に進行する (文献1) 末梢神経障害とは、脳や脊髄から枝分かれした神経が傷つき、感覚や運動、自律神経の働きに異常が起きる状態のことを指します。 主に糖尿病やビタミン欠乏、ストレス、生活習慣の乱れなどが原因で引き起こされます。症状を放置すると徐々に進行し、重症化する恐れがあるため、早めに医療機関を受診しましょう。 以下の内容では、末梢神経障害に対してタリージェは効果があるのかを解説しております。 末梢神経障害の症状 末梢神経障害の症状は多岐に渡ります。主な症状は以下の4つです。 症状の種類 概要 足のしびれ・冷感・灼熱感 足先にしびれや冷たさ、焼けつくような感覚が現れる 筋力低下 力が入りにくくなり、歩行時につまずきやすくなる 感覚の異常 触れた感覚が鈍くなる、逆に過敏になる 自律神経に異常をきたす 発汗や血圧、消化・排尿などの機能に影響が出ることがある 少しでも違和感を覚えた場合は、早めに医療機関を受診しましょう。 足のしびれ・冷感・灼熱感 症状 内容の概要 足のしびれ 神経の障害で足の感覚が鈍くなり、しびれが起こる 足の冷感 自律神経の障害により血流が悪化し、冷たく感じる 足の灼熱感 足が焼けるように熱く感じられる 感覚神経がダメージを受けると現れる代表的な症状です。足先や足裏にジンジン、ピリピリといったしびれを感じたり、正座の後のような感覚が続いたりします。 また、実際の温度とは関係なく、足が冷たく感じたり熱く感じたりする症状が現れることもあります。 症状の持続性には個人差がありますが、少しでも違和感を覚えた場合は、医療機関を受診しましょう。 筋力低下 症状 内容の概要 筋肉の萎縮 神経の損傷によって筋肉が細くなり、見た目にも痩せてくることがある 歩行困難 足の筋力が低下し、ふらつきや転倒が起きやすくなる 日常生活動作の困難 手の筋力が弱まり、物をつかむ・ボタンを留めるなど細かな作業がしにくくなる (文献2)(文献3) 運動神経がダメージを受けると、筋肉を動かす指令がうまく伝わらなくなり、筋力が低下します。筋力が低下すると足の場合、スリッパが脱げやすくなったり、つま先が上がらずにつまずきやすくなります。 手の筋力であれば、物を落としやすくなり、私生活に支障をきたすでしょう。進行すると、歩行が不安になったり、物を持つことが困難になったりする可能性があります。 感覚の異常 症状 概要 しびれ(感覚鈍麻) 触れた感覚が鈍くなり、とくに手足の先に出やすい 違和感 焼ける・刺す・電気が走るような違和感など、多様なタイプの症状が現れる 異常感覚(錯感覚) 触れていないのに触れたように感じる 感覚過敏 軽い刺激でも強い不快感を覚える 温度感覚の異常 冷たさ・熱さに対する感覚が鈍くなる、または過敏になる 振動感覚の異常 携帯のバイブレーションなど、小さな振動を感じにくくなる 位置感覚の異常 ふらつきや物にぶつかりやすくなることも (文献4) しびれや冷感・灼熱感以外にも、さまざまな感覚の異常が現れます。 触った感じが鈍くなる感覚鈍麻が起こると、やけどや怪我をしても気づきにくくなることがあります。逆に軽い刺激に対して過敏になるアロディニアと呼ばれる状態になることもあり、症状はさまざまです。 感覚の異常は、QOL(生活の質)を低下させる原因になるだけでなく、症状によっては後遺症が出る可能性があります。 自律神経に異常をきたす 自律神経は、血圧、体温、発汗、消化、排泄など、自分の意思とは関係なく体の機能を調整する神経のことを指します。 具体的な症状としては、起立性低血圧や発汗異常、消化器症状、排尿障害など、全体にさまざまな不調が現れるため、重症化する前に早期発見が必要です。 また、自律神経とストレスの因果関係に関して、現時点で明確なエビデンスがありません。 研究段階ではあるものの、ストレスが末梢神経障害を引き起こす原因であるといわれているため、生活習慣に気をつける必要があります。 末梢神経障害の原因 末梢神経障害の原因は、主に以下のような糖尿病や過度なアルコール摂取・喫煙など生活習慣から来るものや遺伝的なものといわれています。 ストレス性によるもの 糖尿病(糖尿病性神経障害) 過度なアルコール摂取・喫煙 ビタミンB12欠乏症 自己免疫疾患・遺伝性疾患・感染症 これから紹介する内容が当てはまる方は、末梢神経障害を発症させないためにも生活習慣の見直しが必要です。 ストレス性によるもの 要因 概要 自律神経の乱れ ストレスにより交感神経が過剰に働き、血管収縮や筋緊張が起こり、神経への血流が悪化する 炎症反応の促進 ストレスが炎症性物質の分泌を促進し、慢性的な炎症が神経を傷つける可能性がある 違和感の感受性亢進 脳の違和感を汲み取る領域が影響を受け、症状を感じやすくなる 生活習慣の乱れ ストレスが睡眠・食事・運動に影響し、神経への負担や回復力低下を招くことがある 過度な精神的ストレスが、直接的に末梢神経障害を引き起こすエビデンスはありません。 しかし、ストレスは血行不良や免疫機能の低下、睡眠不足などを招き、間接的に神経の健康に影響を与える可能性が指摘されています。 他に明らかな原因がなく、精神的な負荷を感じる時期に症状が悪化するような場合は、ストレスの関与が疑われるでしょう。 精神的な負荷が引き金になり、末梢神経障害を引き起こしている可能性を感じた場合は、ストレス環境から距離を取り、休息を取りましょう。 糖尿病(糖尿病性神経障害) 障害の種類 概要 感覚障害 足先のしびれ、ピリピリするような違和感など 運動障害 足に力が入らない、筋力の低下など 自律神経障害 立ちくらみ、便秘、発汗異常など (文献4) 糖尿病で長期間、血糖値が高い状態が続くと、細い血管がダメージを受けて血流の悪化や、糖代謝の異常によって神経細胞そのものが変性する神経障害が引き起こされます。 足先のしびれや感覚鈍麻から始まることが多く、進行すると筋力低下や自律神経症状も現れ、日常生活に大きな支障をきたします。 糖尿病を患っている方は、とくに足先のしびれや感覚鈍麻の症状に注意が必要です。 過度なアルコール摂取・喫煙 要因 概要 アルコールの毒性 神経細胞に直接ダメージを与え、長期摂取で変性や破壊を引き起こす ビタミンB群の欠乏 吸収阻害により神経の維持に必要な栄養素が不足し、障害リスクが高まる 肝機能障害 栄養代謝が妨げられ、神経細胞に必要な成分の供給が不足する 血管収縮・血流低下 ニコチンが血管を収縮させ、神経への酸素・栄養供給が不足し機能が低下する 酸化ストレス増加 神経細胞が酸化ダメージを受けやすくなり、障害のリスクが上がる 長期間にわたる過度なアルコール摂取は、神経毒性やアルコール代謝に伴う栄養障害により、末梢神経障害を引き起こします。 また、喫煙もニコチンによる血管収縮作用や血行不良を引き起こし、神経への酸素や栄養の供給を妨げるため、末梢神経障害のリスクがあります。 普段からお酒を飲む習慣がある、タバコを普段から吸う方は、末梢神経障害の症状に注意が必要です。 ビタミンB12欠乏症 原因 概要 摂取不足 動物性食品を控えた食事や偏った食生活により、ビタミンB12が不足する 吸収不良 胃や小腸の疾患により、ビタミンB12の吸収がうまくいかなくなる 薬剤の影響 一部の薬(メトホルミン、PPIなど)がビタミンB12の吸収を妨げることがある (文献4) ビタミンB12は、神経細胞の髄鞘を維持したり、神経伝達物質の合成を助けたりする役割があります。 偏った食生活でビタミンBの不足や、胃の切除手術後、特定の胃腸疾患などによってビタミンB12の吸収が妨げられると、欠乏症となり末梢神経障害を引き起こす恐れがあります。 普段から偏った食事や胃腸に疾患を持つ方は、ビタミンB12が不足しないよう工夫しましょう。 自己免疫疾患・遺伝性疾患・感染症 分類 代表疾患 特徴・メカニズム 自己免疫性 ギラン・バレー症候群 感染後に免疫が神経を攻撃すると、急に手足が動かしにくくなることがある CIDP(慢性型) 髄鞘を慢性的に攻撃し、筋力低下やしびれがゆっくり進行する 遺伝性 CMT(シャルコー・マリー・トゥース病) 遺伝子の異常で筋力や感覚に障害が出る、手足の変形を伴うこともある 感染症 帯状疱疹 ウイルスが神経にダメージを与えることで、神経痛が起こる その他(HIV、ライム病など) 神経を直接傷つけたり、免疫を介して障害を起こすことがある (文献5)(文献6)(文献7) 自己免疫疾患である、ギラン・バレー症候群やCIDPは、免疫が誤って末梢神経を攻撃し、障害を引き起こします。 遺伝子異常による家族性ニューロパチーや帯状疱疹後神経障害、ライム病、HIV感染などの感染症も原因となることがあります。 自己免疫疾患が疑われる場合は、専門の医療機関での検査が必要です。 末梢神経障害の治療法 治療法 概要 薬物療法 神経の過敏性を抑える薬(抗てんかん薬、抗うつ薬など)や、違和感の軽減を目的とした薬を使用 栄養療法 ビタミンB群や必要な栄養素を補い、神経の修復や維持をサポート 手術療法 神経の圧迫が原因の場合、圧迫部位を除去・緩和するための手術が行われる 再生医療 幹細胞や再生因子を用いて、傷ついた神経の修復や機能回復をめざす治療法 末梢神経障害の改善には、複数の治療法を組み合わせた適切な治療が必要です。以下で詳しく解説します。 薬物療法 分類 主な薬剤 概要 糖尿病性神経障害 血糖コントロール薬(メトホルミンなど) 血糖値を管理し、神経への負担を軽減 メコバラミン(ビタミンB12製剤) 神経の修復や維持に必要なビタミンB12を補う 自己免疫性神経障害 免疫グロブリン製剤、ステロイド薬 自己免疫による神経の炎症を抑える 免疫抑制薬(アザチオプリンなど) 免疫の過剰な働きを抑制し、神経への攻撃を防ぐ ビタミン欠乏性神経障害 ビタミンB1、B12、葉酸など 不足しているビタミンを補い、神経の機能回復を促す 症状に対する治療薬 プレガバリン、ガバペンチン、デュロキセチン 神経の興奮を抑え、しびれや神経障害性疼痛を緩和 抗けいれん薬(カルバマゼピンなど) 神経の過剰な信号を抑え、不快感を軽減 (文献8) 症状緩和を目的とし、しびれや不快な感覚を抑える薬が用いられます。 末梢神経障害の症状によって処方される薬剤が異なり、服用は医師の指示に従いながら服用し、自己判断で量を増減させたり中止したりしてはいけません。 薬剤の服用でも改善が見込めない場合や副作用が出た場合は、医師に相談しましょう。 栄養療法 栄養素 主な役割 多く含まれる食品例 ビタミンB群 神経の修復・機能維持 豚肉、レバー、魚、卵、緑黄色野菜 タンパク質 神経や筋肉の材料となる 肉、魚、大豆製品、卵 食物繊維 血糖コントロールや便通の改善 野菜、果物、海藻、きのこ類 抗酸化物質 神経の酸化ストレスを軽減・保護 緑黄色野菜、果物、ナッツ類 ビタミンB12 神経の構造維持・修復に関与 レバー、貝類、魚、乳製品 シスチン・テアニン 疼痛の緩和に関与するとされるアミノ酸 肉類、魚介類、玉ねぎ、緑茶(※食品によって含有量に差) (文献9) 末梢神経障害では、ビタミンB群(B1、B6、B12など)の補給が大切です。医師や管理栄養士の指導のもと、個々の状態に合わせた栄養管理を行います。 栄養療法を行う場合は、医師の指導に従い、偏った栄養補充は行わないようにしましょう。 手術療法 項目 概要 目的 神経の圧迫除去、損傷した神経の修復 代表的手術 神経剥離術、神経縫合・移植術、脊椎手術、胸郭出口症候群手術 メリット 薬やリハビリで改善しない症状の改善、根本原因の除去が可能 デメリット 手術リスクあり(感染・出血など)、術後リハビリが必要な場合もある、手術が適応外の場合もある 手術の適応例 圧迫や損傷が明確、重度の麻痺、薬剤療法などで症状が改善しない場合 症状が改善しない場合、その圧迫を取り除くための手術が選択肢に入ります。手術療法では、神経圧迫の除去や、神経の修復などが行われます。 手術が適応となるケースは限定的であり、術後もリハビリや後遺症が出る可能性もあるため、患者と医師の慎重な判断が必要です。 再生医療 損傷した神経細胞や組織の修復・再生を目指す再生医療は、末梢神経障害に対して、有効な治療法です。 再生医療では、骨髄や脂肪から採取した幹細胞を損傷した神経組織に移植し、症状の改善を目指します。 https://youtu.be/iHqwMDfKID8?si=c4QCczJw6WEp9lbf 薬剤療法で起こりうる副作用や、手術を必要としないのが魅力です。 実際に、当院では40年来の糖尿病患者である方が、内科主治医から糖尿病性末梢神経障害と診断されており、10年以上続く両足のしびれ・既存の治療では改善が見られない状態になっていました。 【治療後の変化】 両足のしびれが大幅に軽減 日常生活の質の向上 健康増進への積極的な姿勢の芽生え 「運動療法と食事療法をさらに頑張っていきたい」という前向きな発言 当院(リペアセルクリニック)では、患者様一人ひとりの症状や体調に合わせた治療を行っております。 「長年しびれが改善しない」「薬を増やしたくない」「足の感覚が鈍くなって不安」という方は、ぜひ一度ご相談ください。 再生医療については、以下の記事で解説しております。 末梢神経障害を再発しないための注意点 注意点 概要 血糖のコントロール 高血糖を防ぐことで、神経へのダメージを抑える ビタミンB群と栄養バランス 神経の修復・維持に必要な栄養素を不足なく摂取する アルコール・喫煙を控える 神経への直接的ダメージや血流悪化を防ぐ 適度な運動 血流促進・筋力維持により神経の機能を保つ ストレス管理・良質な睡眠 自律神経のバランスを整え、神経への負担を軽減する 末梢神経障害の治療後や、症状を悪化させないためには、原因への対処を継続するとともに、神経に負担をかけない生活習慣を心がけることが重要です。 末梢神経障害が再発しないための注意点を解説します。 血糖のコントロールを徹底する 方法 内容の概要 食事療法 バランスよく規則正しく食べる、食物繊維・低GI食品を積極的に摂取する 運動療法 有酸素運動(例:ウォーキング、水泳)を無理なく継続する 薬物療法 医師の指示で血糖降下薬を服用 定期検査 血糖値やHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)を定期的に測定 糖尿病性神経障害の予防・進行抑制において重要なのは、血糖値を良好な範囲に維持することです。 医師の指示に従い、食事療法、運動療法、必要であれば薬物療法を継続し、定期的に血糖値をチェックしましょう。 継続的な血糖コントロールは、末梢神経障害の再発予防だけでなく、糖尿病との合併症などへの予防にもつながります。 ビタミンB群の摂取と栄養バランスを整える ビタミン 主な働き 不足時のリスク B1(チアミン) 糖質をエネルギーに変換、神経細胞のエネルギー源を供給 神経の炎症など B6(ピリドキシン) 神経伝達物質の合成、神経の興奮を抑制 しびれの発生など B12(コバラミン) 神経細胞の修復・再生をサポート 神経の変性・破壊、重度な神経障害のリスク ビタミンB群(とくにB1、B6、B12)は神経の機能維持に重要な役割を果たします。これらのビタミンを多く含む食品(豚肉、レバー、魚介類、豆類、緑黄色野菜など)を意識的に摂取しましょう。 特定の栄養素に偏った食事ではなく、全体的な栄養バランスが取れた食事を心がけることが大切です。 アルコール摂取と喫煙を控える アルコールは神経に直接的なダメージを与える可能性があります。喫煙は血行を悪化させ神経への栄養供給を妨げます。神経の健康を維持するためには、できる限りアルコール摂取を控え(節酒)、禁煙が大切です。 末梢神経障害の予防と症状改善のためにも、神経細胞を傷つける過度のアルコール摂取や、血管を収縮させるタバコは控えましょう。 適度な運動を日常に取り入れる 運動による効果 概要 血行促進 神経に酸素と栄養を届け、機能低下を防ぐ 筋力維持 筋力低下を防ぎ、神経への負担を軽減 血糖コントロール 血糖値を安定させ、神経へのダメージを軽減 ストレス軽減・自律神経調整 ストレスを和らげ、自律神経のバランスを整える 神経再生の促進 神経成長因子(NGF)の産生を促し、神経の修復や再生を助ける ウォーキングや軽いジョギング、ストレッチなどの適度な運動は、血行を促進し、神経への酸素や栄養の供給を改善する効果が期待できます。 運動を行う場合は、怪我に注意し、無理のない範囲で行うことが大切です。運動の内容は、医師の指示に従うようにしましょう。 ストレス管理や睡眠の質を高める 項目 主な方法 ストレス管理 リラックス時間の確保(入浴・音楽など)、適度な運動、専門家への相談 睡眠の質向上 規則正しい生活リズム、寝る前のスマホ・カフェイン・アルコールを避ける 過度なストレスや睡眠不足は、自律神経の乱れを招き、血行や免疫力を低下させ、神経症状を悪化させる原因になります。 趣味や入浴、瞑想など、自分に合った方法でリラックスし、ストレスをため込まないことが大切です。 規則正しい生活と十分な睡眠で、神経の修復を促しましょう。 末梢神経障害の症状がある方は早めに医療機関を受診しよう 足のしびれや感覚の異常、力の入りにくさなど、末梢神経障害を疑う症状がある場合は、自己判断せずに早めに医療機関を受診しましょう。 末梢神経障害は放置すると症状が進行し、悪化する恐れがあります。 少しでも末梢神経障害の疑いのある方は当院「リペアセルクリニック」にご相談ください。 当院では、患者さま自身の細胞や血液を活用し、自然治癒力を高める再生医療による治療を行っています。 損傷した神経の修復を促すことで、しびれ・痛み・脱力感などの改善を目指す治療法で、従来の対症療法とは異なるアプローチが期待できます。 https://youtu.be/NeS1bk2i5Gs?si=jPlCZu6NTz1tAksh 末梢神経障害が疑われる症状でお困りの方は、一人で悩まず、ぜひ当院の無料カウンセリングをご利用ください。 参考記事 (文献1) 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「末梢神経障害」 https://www.pmda.go.jp/files/000145962.pdf(最終アクセス:2025年4月9日) (文献2) Michael C. Levin, et al.(2023)Weakness.MSD MANUAL Professional Version https://www.msdmanuals.com/professional/neurologic-disorders/symptoms-of-neurologic-disorders/weakness (Accessed: 2024-04-09) (文献3) Michael Rubin, et al. (2022).Peripheral Neuropathy.MSD MANUAL Professional Version https://www.msdmanuals.com/professional/neurologic-disorders/peripheral-nervous-system-and-motor-unit-disorders/peripheral-neuropathy (Accessed: 2024-04-09) (文献4) Larry E. Johnson, et al. (2024). Vitamin B12 Deficiency.MSD MANUAL Consumer Version https://www.msdmanuals.com/home/disorders-of-nutrition/vitamins/vitamin-b12-deficiency (Accessed: 2024-04-09) (文献5) Michael Rubin, et al. (2024). Guillain-Barré Syndrome (GBS).MSD MANUAL Consumer Version https://www.msdmanuals.com/home/brain-spinal-cord-and-nerve-disorders/peripheral-nerve-and-related-disorders/guillain-barr%C3%A9-syndrome-gbs(Accessed: 2024-04-09) (文献6) Michael Rubin,et al. (2022). Charcot-Marie-Tooth Disease.MSD MANUAL Consumer Version https://www.msdmanuals.com/home/brain-spinal-cord-and-nerve-disorders/peripheral-nerve-and-related-disorders/charcot-marie-tooth-disease(Accessed: 2024-04-09) (文献7) Kenneth M. Kaye, et al. (2023). Shingles.MSD MANUAL Consumer Version https://www.msdmanuals.com/home/infections/herpesvirus-infections/shingles(Accessed: 2024-04-09) (文献8) ガン科学療法を受ける患者さんへ末梢神経障害『東邦大学医療センター薬学部』, pp.1-2, 2020年 https://www.sakura.med.toho-u.ac.jp/sinryoka/yakuzai/ue7s91000000a3px-att/massyousinnkeisyougai.pdf(最終アクセス:2025年4月9日) (文献9) 木田 耕太「神経疾患における栄養療法,その基礎知識」, pp.1-5, 2020年 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnt/39/1/39_8/_pdf(最終アクセス:2025年4月9日)
2025.04.30 -
- その他、整形外科疾患
「神経障害性疼痛の薬はどのようなものがある?」 「神経痛に有効な市販薬はある?」 つらい神経障害性疼痛の症状をコントロールするための薬について、上記のような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。 本記事では、神経障害性疼痛の治療で用いられる薬の種類、効果、役割について詳しく解説します。 しかし、神経障害性疼痛の原因となっている損傷した神経は薬の服用では根治できません。 従来の治療では、薬物療法で症状軽減が見込めない場合、手術療法による治療が一般的でしたが、近年の治療では先端医療である再生医療が注目されています。 再生医療は、従来の治療でも難しかった損傷した神経に直接アプローチして、神経障害性疼痛の改善を目指します。 \リペアセルクリニック坂本理事長のコメント/ 手術では、椎間板や黄色靱帯を切り取る、骨を削ることによって、脊髄神経の通り道を広げます。 しかし、神経にアプローチする治療はいまだに幹細胞(再生医療)のみとなります。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、従来の治療では難しかった損傷した神経の改善が期待できます。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 神経損傷による神経障害性疼痛を早く治したい 薬に頼らず、神経障害性疼痛を根本的に治治したい 現在の治療では効果を実感できない 根本的に治療したいが手術はしたくない 当院リペアセルクリニックでは、再生医療の具体的な治療法や適応症例について無料カウンセリングを行っているため、お気軽にご相談ください。 まずは神経障害性疼痛の治療について無料相談! 神経障害性疼痛とは 項目 内容 症状(違和感の特徴) 焼けるような感覚、刺すような感覚、電気が走るような感覚、触れただけで激しい感覚(アロディニア)など 原因 脊髄損傷や脳卒中などの中枢神経の障害、糖尿病や帯状疱疹による末梢神経の損傷、手術や外傷による神経損傷など 種類 脳や脊髄などの中枢神経の障害、末梢神経の障害など (文献1) 神経障害性疼痛は、神経系の損傷や機能異常によって生じる慢性的な違和感を指します。神経障害性疼痛の原因はさまざまで糖尿病、帯状疱疹、椎間板ヘルニア、多発性硬化症などが挙げられます。 症状も多岐に渡り、灼熱感、刺すような違和感、しびれ、知覚過敏などが現れるため、市販の薬では効果が薄く、治療には専門的な薬の処方が必要です。 神経障害性疼痛の症状は多岐に渡る上に、脳卒中などの重大な病気のサインである可能性も高いため、少しでも違和感を覚えたら、早めに医療機関を受診しましょう。 神経障害性疼痛は市販の薬や漢方薬では治らない 神経障害性疼痛は、神経系の損傷や機能異常が原因であるため、市販の鎮痛薬や漢方薬では根本的な治療になりません。 市販の鎮痛薬(NSAIDsなど)は神経障害性疼痛に対して一時的な症状緩和に役立つ場合もありますが、効果が限定的なので神経系の損傷には直接作用しません。 厚生労働省の慢性疼痛治療ガイドラインでは、慢性疼痛には薬物療法だけでなく、心理的アプローチやリハビリテーションなどの治療法を組み合わせることの重要性が述べられています。(文献2) 治療薬に頼らず神経障害性疼痛を治すには、再生医療も選択肢の一つです。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を向上させることで、痛みやしびれの原因となっている損傷した神経の改善を促す治療法です。 当院リペアセルクリニックでは、再生医療の具体的な治療法や適応症例について無料カウンセリングを行っているため、お気軽にご相談ください。 薬に頼らず「根本的に治療したい」方は無料相談! 以下の記事では痛み止めについて紹介しています。市販の鎮痛薬の効果は一時的なものであることを念頭に入れた上でお読みいただければ幸いです。 神経障害性疼痛の治療で使用される薬剤一覧 神経障害性疼痛の治療で使用される主な薬剤は以下の5つです。 以下はすべて医療機関で処方される薬剤です。薬剤は医師の指示に従い、服用するようにしましょう。 プレガバリン(リリカ) デュロキセチン(サインバルタ) 三環系抗うつ薬(アミトリプチリンなど) カルバマゼピン(テグレトール) トラマドール(トラマール、トラムセット) 各薬剤の特徴・効果・副作用について解説します。 プレガバリン(リリカ) 項目 内容 薬剤の特徴 神経の過剰な興奮を抑制 効果 持続する神経痛の軽減、睡眠の質の改善 副作用 眠気、めまい、ふらつき、体重増加など 服用時の注意点 医師の指示に従って適切に服用し、自己判断による中止や用量変更は行わない (文献2)(文献3) プレガバリンは、神経の興奮を抑え、違和感を緩和する薬剤です。神経障害性疼痛の症状に有効な薬剤として使用されます。(文献4) 主に糖尿病性神経障害や帯状疱疹後神経痛の治療に使用されます。 副作用としては眠気やめまい、ふらつきが起こる可能性があるため、医師の指示に従い適切に服用しましょう。 デュロキセチン(サインバルタ) 項目 内容 薬剤の特徴 セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)に分類される抗うつ薬。神経障害性疼痛にも有効。 効果 違和感の伝達を抑制する下行性疼痛抑制系を活性化、神経の過敏状態を緩和、慢性的な違和感を軽減 副作用 吐き気、口の渇き、眠気、めまい、便秘、食欲低下など。服用初期に副作用が現れやすいため注意が必要 服用時の注意点 抗うつ薬としての作用もあるため、急な中止は避ける。医師の指示に従って、用量を段階的に調整する (文献5) デュロキセチンは、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)と呼ばれる抗うつ薬の一種であり、脳内および脊髄におけるセロトニンとノルアドレナリンの再取り込みを阻害します。気分の調整だけでなく、神経障害性疼痛の違和感に対しても有効です。 服用初期に副作用(吐き気や口の渇き、眠気など)が現れる可能性があるため、医師の指示に従い用量を段階的に調整しながら服用しましょう。 三環系抗うつ薬(アミトリプチリンなど) 項目 内容 薬剤の特徴 セロトニンおよびノルアドレナリンの再取り込みを阻害する、神経障害性疼痛の緩和にも使用される 効果 下行性疼痛抑制系を活性化し、違和感の伝達を抑制 副作用 眠気、口渇、便秘、排尿困難、起立性低血圧、体重増加など 服用時の注意点 眠気などの副作用が出やすいため、少量から使用し、医師の指導のもとで用量調整を行うこと 三環系抗うつ薬は、神経障害性疼痛の治療に使用されている薬剤です。主にうつ病の治療薬として用いられますが、神経障害性疼痛の緩和にも効果があります。 三環系抗うつ薬は神経伝達物質の働きを調整し、神経障害性疼痛の症状を和らげます。 眠気などの副作用がでやすいため、医師の指導のもと少量から使用し、自己判断での用量調整は行わないようにしましょう。 カルバマゼピン(テグレトール) 項目 内容 薬剤の特徴 主に三叉神経痛などの発作性神経痛に効果あり 効果 発作性の激しい神経痛(とくに三叉神経痛)の抑制、異常な神経の興奮の沈静化による違和感を軽減 副作用 眠気、めまい、ふらつき、吐き気、肝機能障害、低ナトリウム血症、皮疹など 服用時の注意点 服用時の注意点 効果と副作用のバランスに注意。とくに高用量時や併用薬がある場合は、医師の指導のもと慎重な管理が求められる (文献3)(文献6)(文献7) カルバマゼピンは、抗てんかん薬の一種ですが、三叉神経痛などの神経障害性疼痛にも使用されます。 カルバマゼピンは、神経細胞のナトリウムチャネル(細胞膜に存在する膜タンパク質)を遮断し、神経の過剰な興奮を抑制します。 三叉神経痛のような発作性の激しい違和感に効果を発揮するのは、ナトリウムチャネル遮断作用が、異常な神経の興奮を鎮めるためです。(文献6) カルバマゼピンの服用には、医師の指導のもと慎重な管理が求められます。 トラマドール(トラマール、トラムセット) 項目 内容 薬剤の特徴 オピオイド系鎮痛薬の一種であり、中枢神経に作用し、比較的弱いながらも多機能な鎮痛効果を発揮する 効果 μオピオイド受容体への結合による鎮痛作用、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害による違和感の抑制 副作用 吐き気、便秘、眠気、めまい、発汗、依存性のリスクなど。高用量や長期使用では注意が必要 服用時の注意点 オピオイドとしての特性を持つため、依存や副作用への十分な注意が必要 (文献3)(文献6) トラマドール(トラマール、トラムセット)は、オピオイド系の鎮痛薬です。トラマドールは神経障害性疼痛の治療に用いられることがあります。 神経障害性疼痛の症状は、神経の損傷や機能異常によって生じる違和感が特徴です。 トラマドールは、オピオイド受容体への作用とセロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害作用の2つの異なるメカニズムを介して神経障害性疼痛の不快感を緩和する効果が期待できます。 吐き気や依存性のリスクがあるため、医師の診断のもと服薬するのが基本です。 神経障害性疼痛薬を処方する際の注意点 神経障害性疼痛薬の処方には、いくつかの注意点があります。 神経障害性疼痛薬には副作用があるため、これから紹介する注意点を守りながら服用しましょう。 診察時に症状について正確に伝える 服薬管理と副作用を理解しておく 身体に異常が出た場合は薬の使用を中止する 神経障害性疼痛薬だけに頼らない 神経障害性疼痛薬の処方で注意すべき点を解説します。 診察時に症状について正確に伝える 伝えるべき情報 医師が得られる情報 治療への影響 違和感の種類 違和感の特徴を把握し、原因となる神経の損傷部位を特定 より適切な診断と、原因に応じた治療計画の策定 違和感の部位 違和感の原因となる神経の損傷部位を特定 原因に応じた適切な薬剤の選択 違和感の程度 治療効果の評価、投与量の調整 治療効果の最大化、副作用の最小化 症状の頻度 治療計画の策定、投与量の調整 患者の生活リズムに合わせた治療計画の策定 症状の変化 治療効果の評価、投与量の調整、生活指導 より効果的な治療の継続、症状の改善 違和感に伴う症状 症状の原因となる神経の損傷部位や程度を特定 原因に応じた適切な治療計画の策定 飲んでいる薬、アレルギー、既往歴 薬剤の選択、副作用のリスク評価 薬剤の選択、副作用のリスク評価 治療への希望や不安 患者の意向を考慮した治療計画の策定、精神的なサポート 患者が納得できる治療の提供 神経障害性疼痛の症状を正確に伝えることで、適切な治療を受けやすくなります。 医師は患者の情報をもとに、原因となる神経の損傷部位を特定し、症状にあった薬剤を処方するため、少しでも気になったことは隠さずに伝えましょう。 また薬剤の服用後は、副作用の有無や変化を伝えることで、より効果的な改善が望みやすくなります。適切な治療を受けるためにも、症状を詳しく伝えることを意識しましょう。 服薬管理と副作用を理解しておく 気を付けるべき項目 内容 服薬管理の徹底 薬は医師の指示どおりに正しく服用、飲み忘れ防止の工夫、服薬の記録をつけておく 副作用への対応 副作用(眠気、めまい、ふらつきなど)を事前に確認、体調の変化があればすぐ医師に相談、副作用を記録しておく 医師との情報共有 症状の変化や副作用を正確に伝える、生活習慣も治療に影響するため共有しておく 治療への姿勢 治療目標を医師と共有し前向きに取り組む、セルフケア(ストレッチ、リラックスなど)も積極的に実践 (文献8) 神経障害性疼痛薬の服用は服薬管理と副作用の理解を深めることが大切です。薬は医師の指示通りに正しく服用し、飲み忘れを防ぐ工夫や服薬の記録をつけましょう。 神経障害性疼痛薬は副作用が出る可能性もあるので、体調の変化に注意し、少しでも気になる症状があればすぐに医師へ相談しましょう。 症状の変化や生活習慣についても医師と共有し、治療目標に向けて前向きに取り組むことで、症状の改善につながります。 身体に異常が出た場合は薬の使用を中止する 気を付けるべき項目 内容 重大な副作用の回避 異常に気づいたらすぐに服用を中止し、医療機関を受診する 副作用に対しての心得 異変があった場合は使用を中止し、医師へ相談する 適切な治療の継続 副作用が出た場合でも、医師に相談し、薬の種類や量の調整を行えば、適切な治療を継続できる可能性がある (文献9) 神経障害性疼痛の薬を使用した際に、発疹やめまい、息苦しさなど身体に異常を感じた場合はすぐに服用を中止し、医師に相談しましょう。 まれに重い副作用が出ることがあり、早い段階で異変に気づくことで、重症化を防げます。 自己判断で薬を飲み続けることは危険ではあるものの、逆に勝手に中止するのも症状の悪化につながる可能性があります。 異常があれば中止と相談を徹底し、適切な治療を続けることが大切です。 神経障害性疼痛薬だけに頼らない 神経障害性疼痛は、神経の損傷や機能異常による複雑な違和感であり、薬だけでは根本的な解決に至らない場合があります。 神経障害性疼痛薬は症状を緩和する役割がある一方、副作用のリスクや効果には個人差があります。(文献2)(文献10) 心理療法、神経ブロック療法、再生医療など、他の治療法と組み合わせることで、症状の緩和だけでなく、機能回復や生活の質の向上も期待できるでしょう。 再生医療は、従来の治療でも難しかった損傷した神経に直接アプローチして、神経障害性疼痛の改善を目指します。 当院リペアセルクリニックでは、再生医療の具体的な治療法や適応症例について無料カウンセリングを行っているため、お気軽にご相談ください。 まずは神経障害性疼痛の治療について無料相談! 神経障害性疼痛薬以外の治療法 治療法 内容 期待できる効果 注意点 神経ブロック療法 違和感の原因となる神経に局所麻酔薬などを注射し、一時的に症状を和らげる 症状の緩和など 効果が一時的な場合もある 理学療法 専門家の指導のもとでストレッチや運動を行い、身体の機能を改善させる 筋力・柔軟性の回復、こわばりの軽減など 無理に動かすと症状が悪化する可能性があるため、医師の指導に従う 手術療法 圧迫されている神経の開放や、異常な神経の伝達を遮断するための手術です 症状の原因を根本から取り除ける可能性がある 手術後の回復などの兼ね合いから、慎重な判断が必要 再生医療 自分の細胞や成長因子を使って、傷ついた神経の回復を促す 神経の回復が望める 現段階では、取り扱っている医療機関が限られているため、事前に相談する必要がある 神経障害性疼痛は薬物療法だけでの完治が困難なため、他の治療法も組み合わせることが重要です。 薬物療法以外の治療法として有効なのは以下の4つです。 神経ブロック療法 理学療法 手術療法 再生治療 治療法について解説します。 神経ブロック療法 神経ブロック療法の種類 注入部位 適応疾患 硬膜外ブロック 脊髄を覆う硬膜の外側 腰痛、坐骨神経痛、帯状疱疹後神経痛など 神経根ブロック 脊髄から枝分かれした神経根の近く 椎間板ヘルニアによる神経根痛など 末梢神経ブロック 末梢神経 手足の神経痛など 星状神経節ブロック 首の付け根にある星状神経節 顔面痛、肩こり、頭痛など トリガーポイント注射 筋肉のコリや違和感があるトリガーポイント 筋筋膜性疼痛症候群など (文献11) 神経ブロック療法は、違和感を伝える神経に麻酔薬などを注射し、伝達を遮断することで症状を和らげる治療法です。硬膜外ブロックやトリガーポイント注射など、症状や部位によってさまざまな治療法があります。 神経ブロック療法の注意点として、効果は一時的な場合が多く、神経損傷、出血、感染などの合併症や、注射部位の痛み、腫れ、発赤、血圧低下、吐き気などの副作用が起こる可能性もあります。 神経ブロック療法は、根本的な治療ではなく、症状の緩和を目的とした対症療法です。そのため、原因疾患に対する治療も並行して行う必要があります。 治療内容と注意点をしっかり理解した上で、医師とよく相談して受けましょう。 理学療法 治療法 内容 効果 注意点 運動療法 ストレッチ、運動 柔軟性向上、血行促進 違和感があった際は、中止する 物理療法 温熱、寒冷、電気刺激 違和感の緩和、炎症抑制 温度や刺激に注意 徒手療法 マッサージ、関節調整 筋肉の緊張緩和 専門技術が必要 感覚再教育 感覚刺激訓練 違和感の改善 根気強く継続 心理療法 認知行動療法、瞑想 違和感の捉え方を改善 専門家が必要 (文献11) 理学療法では、運動やマッサージ、精神のケアを取り入れながら、症状の緩和を目指します。 理学療法では多様な方法で治療を行うため、患者の状態や環境に合わせて適切な方法を選ぶ必要があります。 患者の状態に合わせつつ、個別に組み合わせることで、より高い効果が期待できる治療法です。注意点として、自己判断で行わずに医師の指示に従いながら実践しましょう。 手術療法 手術法 内容 適応疾患 脊髄刺激療法(SCS) 脊髄を電気刺激し、違和感の伝達を抑制 慢性腰痛、CRPS、帯状疱疹後神経痛など 脊髄後根進入部破壊術(DREZ手術) 脊髄後角の神経細胞を破壊し、違和感の伝達を遮断 三叉神経痛、腕神経叢引き抜き損傷後疼痛など 定位脳手術 違和感の伝達に関わる脳の特定部位を刺激または破壊 中枢性疼痛、三叉神経痛など 末梢神経刺激療法(PNS) 末梢神経に電気刺激を与える 特定の末梢神経が原因の神経障害性疼痛 神経剥離術 神経周囲の癒着を剥離し、神経の圧迫を解除 外傷後の神経絞扼障害など (文献11) 手術療法は、薬物療法や神経ブロック療法などで効果が不十分な場合に検討されます。脊髄や末梢神経、脳を電気で刺激するなどの方法があります。 ただし、手術には出血や感染、神経損傷といったリスクが伴う上に、術後新たな違和感が出てくる可能性があるでしょう。 手術の結果には個人差があります。(文献11) 手術療法を実践する場合は、医師と十分に相談し、リスクと効果を理解した上で慎重に判断しましょう。 再生治療 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、損傷した神経の改善が期待できる治療法です。 従来の治療では、長期間の薬の服用や手術によって神経の圧迫を取り除くのが一般的でした。 しかし、近年の治療は再生医療の研究が進み、手術せずに損傷した神経の根本的な治療につながる可能性が期待できます。 自己細胞を用いるため、拒絶反応やアレルギー反応などの副作用の出るリスクが少ない点が魅力です。 当院リペアセルクリニックでは、再生医療の具体的な治療法や適応症例について無料カウンセリングを行っているため、お気軽にご相談ください。 まずは神経障害性疼痛の治療について無料相談! 神経障害性疼痛薬で改善しない症状は医療機関へ 神経障害性疼痛にはさまざまな症状があります。神経障害性疼痛の症状の中には、脳卒中などの中枢神経の障害や糖尿病が起因しているものもあります。 そのため、神経障害性疼痛薬で症状が改善しない場合は、重症化する前に医療機関を受診するのが大切です。 少しの違和感でも医療機関を受診したことで、重大な病気を発見できる可能性があります。 治療薬に頼らず神経障害性疼痛を治すには、再生医療も選択肢の一つです。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を向上させることで、痛みやしびれの原因となっている損傷した神経の改善を促す治療法です。 \リペアセルクリニック坂本理事長のコメント/ 手術では、椎間板や黄色靱帯を切り取る、骨を削ることによって、脊髄神経の通り道を広げます。 しかし、神経にアプローチする治療はいまだに幹細胞(再生医療)のみとなります。 従来の治療では難しかった損傷した神経にアプローチできるため、つらい神経症状の改善・軽減が期待できます。 当院リペアセルクリニックでは、再生医療の具体的な治療法や適応症例について無料カウンセリングを行っているため、お気軽にご相談ください。 まずは神経障害性疼痛の治療について無料相談! 神経障害性疼痛薬についてよくある質問 薬はいつまで飲み続ける必要がありますか? 神経障害性疼痛の症状や進行具合によって異なりますが、3ヶ月程度が目安とされています。 しかし、治療が長期化する症例もあり、薬の服用を1年以上続けなければいけないケースもゼロではありません。 とはいえ、医師は症状に対して治療計画を立てるため、自己判断で薬の量を増やしたり減らしたり途中で服用をやめるのは厳禁です。(文献12) 薬をいつまで飲み続ける必要があるのか不安を抱えている方は、医師に相談しましょう。 「薬の効果をあまり実感できていない」「根本的な治療で早く治したい」という方は、損傷した神経の根本的な改善が期待できる再生医療をご検討ください。 >再生医療の治療法を紹介している章を見る 薬の服用中に日常生活で注意すべきことはありますか? 日常生活に関しては、医師の指示に従いましょう。服用管理の徹底や副作用への注意を怠らないことが大切です。 また、治療は薬だけに頼るのではなく、バランスの良い食事や十分な睡眠なども取り入れるようにしましょう。 神経障害性疼痛の薬が効かない場合はどうすれば良いですか 医師に相談し、指示に従いましょう。 薬剤の変更や別の治療法を提案される可能性があるので、処方期間に感じた疑問や悩みを正直に伝えましょう。 参考文献 (文献1) James C. Watson, et al.(2022).Neuropathic Pain.MSD MANUAL consumer Version https://www.msdmanuals.com/home/brain-spinal-cord-and-nerve-disorders/pain/neuropathic-pain (Accessed: 2025-04-07) (文献2) 慢性疼痛治療ガイドライン作成ワーキンググループ「慢性疼痛治療ガイドライン」2018年 https://www.mhlw.go.jp/content/000350363.pdf(最終アクセス:2025年4月7日) (文献3) 「Ⅳ.神経障害性疼痛を呈する疾患」『日本ペインクリニック』,pp.1-34 https://www.jspc.gr.jp/Contents/public/pdf/shi-guide08_12.pdf(最終アクセス:2025年4月7日) (文献4) 「疼痛治療剤(神経障害性疼痛・線維筋痛症)処方箋医薬品注)プレガバリン口腔内崩壊錠」『日本ケミファ株式会社』,pp.1-9, 2024年 https://pins.japic.or.jp/pdf/newPINS/00068934.pdf(最終アクセス:2025年4月7日) (文献5) Jaberpreet S. Dhaliwal, et al. (2023)Duloxetine, PubMed https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31747213/(最終アクセス:2025年4月7日) (文献6) 「神経障害性疼痛に対する薬剤」『MSD マニュアルプロフェッショナル版』 https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/multimedia/table/%E7%A5%9E%E7%B5%8C%E9%9A%9C%E5%AE%B3%E6%80%A7%E7%96%BC%E7%97%9B%E3%81%AB%E5%AF%BE%E3%81%99%E3%82%8B%E8%96%AC%E5%89%A4(最終アクセス:2025年4月7日) (文献7) 「日本ペインクリニック学会誌 三叉神経痛におけるカルバマゼピン療法の現状」J-STAGE, 2019年 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspc/26/1/26_17-0032/_html/-char/ja(最終アクセス:2025年4月7日) (文献8) 「神経障害性ガイドライン」, pp.11-39, https://www.jspc.gr.jp/Contents/public/pdf/shi-guide02_08.pdf(最終アクセス:2025年4月7日) (文献9) 厚生労働省「がんの痛みの治療における医療用麻薬の自己管理マニュアル~ 医療従事者の役割~」 https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/001245822.pdf(最終アクセス:2025年4月7日) (文献10) 「Ⅱ.神経障害性疼痛の診断と治療」『日本ペインクリニック』,pp.1-13 https://www.jspc.gr.jp/Contents/public/pdf/shi-guide08_10.pdf(最終アクセス:2025年4月7日) (文献11) 「Ⅳ‒B 神経障害性疼痛」『p138-159 治療指針6版 第04章A-B.indd』, pp.1-17, https://www.jspc.gr.jp/Contents/public/pdf/shishin/6-11.pdf(最終アクセス:2025年4月7日) (文献12) 坪谷綾子.「その痛み止め,いつまで続けるか?」pp.1-4, 2023年 https://www.jstage.jst.go.jp/article/chiikiigaku/37/8/37_45/_pdf/-char/en(最終アクセス:2025年4月7日)
2025.04.30 -
- 内科疾患
- 内科疾患、その他
大腸がんは、日本で年間約15万人が発症している、部位別で最も多い「がん」です。(文献1) 初期症状がわかりにくく、「痔かも」「体調のせいかな」と見過ごされがちですが、血便や便通の変化、腹部の張りなど、日常のわずかな異変が大腸がんのサインであるケースも少なくありません。 本記事では、大腸がんを早期に見つけるための症状のヒントや、今からできる予防法、検査や治療をまとめました。早期発見のきっかけとなる情報を求めている方は、ぜひ参考にしてみてください。 なお、当院「リペアセルクリニック」では、がん予防を目的とした再生医療の「免疫細胞療法」を行っております。 公式LINEでは、再生医療に関する情報の提供と簡易オンライン診断を実施しておりますので、ご活用ください。 大腸がんの症状チェックリスト 大腸がんの主な症状を表にまとめました。 ひとつでも当てはまる症状があれば、早めに医療機関を受診しましょう。 症状 チェックポイント 血便・下血 ・便に赤い血が付着する、または黒色の便が出る ・便に繰り返し血が混ざる 便通の異常 ・便秘と下痢を繰り返す ・便が細くなる ・排便後に残便感が続く お腹の張り・痛み ・ガスが溜まって腹部が張る ・鈍い痛みが続く、腹部にしこりがある 体重減少・貧血 ・食事量に変化がないのに体重が減る ・めまい・疲れやすい・動悸など貧血の症状が出る おならの回数・においの変化 ・おならが以前より増える ・においが強くなる 以下では、それぞれの症状について、さらに詳しく解説します。 血便・下血 大腸がんを患うと、腸壁に腫瘍ができて微量の出血を起こす場合があり、便に血が混ざる「血便」や排便時の「下血」が現れるのが特徴です。鮮やかな赤色の場合もあれば、出血箇所によっては便の色が黒ずんだり、茶褐色になったりもします。 便に目に見える血が混ざっているのを確認したら、痔などと思い込まず、速やかに専門医を受診しましょう。 便通の異常 便通の頻度や形状、残便感などの変化も大腸がんの重要なサインです。たとえば、便が極端に細くなる、下痢と便秘を繰り返す、排便してもすっきりしない感覚(残便感)などが挙げられます。 こうした便の変化が数日以上続く場合は、生活習慣による一時的な影響と片付けず、大腸がんの検査を受けましょう。 お腹の張り・痛み お腹の膨張感(腹部膨満・張り)や鈍い痛み、しこりなどの自覚は、進行した大腸がんによる腸の通過障害や腫瘍圧迫が原因のケースがあります。 大腸がんが大きくなると腸の内側(内腔)が狭まってガスや便が詰まりやすくなり、腹痛や張りを感じる場合があるのです。 症状をはっきりと確認できる段階になると、がんが進行している可能性もあるため、違和感を感じたら放置せずに早期の受診を検討してください。 体重減少・貧血 意図しない体重の減少や貧血は、大腸がんの初期症状の可能性があります。 微量の出血が長期にわたって続いたり、体重が減少したり、疲れやすさ・息切れなどの症状を伴う貧血になったりする場合は注意が必要です。原因が明らかではない体重減少や慢性的なだるさがあれば、医師に相談しましょう。 大腸がんの初期症状を早期発見するポイントについては、以下の記事でも詳しく解説していますので、参考にしてみてください。 おならの回数・においの変化 おならの回数やにおいに変化があれば、腸内環境に異変が起きている可能性があります。腫瘍が大きくなると腸の内腔が狭まり、便やガスの通過が妨げられて腸内にガスが溜まりやすくなるのです。 その結果、おならの回数が増加したり、普段より強いにおいが出たりする場合があります。 食生活の変化やストレス、風邪などによる一時的な腸内環境の乱れでもおならの変化は起こりますが、「最近明らかにおならの回数やにおいが変わった」と感じたら、注意深く観察しましょう。 必ずしも典型的な大腸がんの症状ではないものの、排便の状態やお腹の調子とあわせてチェックし、少しでも不安があれば専門医に相談してください。 大腸がんの初期症状とおならの変化については、以下の記事でも詳しく解説しています。 大腸がんのリスクを高める生活習慣チェック 体質や遺伝的な要因も影響しますが、むしろ食事・運動といった生活習慣(環境因子)の方が大腸がんの発生に大きく関わっていると考えられています。(文献2) ここでは、大腸がんを防ぐために意識したい生活習慣の主なポイントを見ていきましょう。 食事のバランスが偏っている 食生活の偏りは、大腸がんのリスク要因のひとつです。 とくに、「欧米化」と呼ばれる肉類・揚げ物中心の高脂肪食、脂肪分や赤肉の多い食事がリスクを高めます。(文献2) 食物繊維は腸の働きを整え、発がん物質を捉えて排出する作用が期待されるので、野菜・果物・海藻類など、食物繊維を豊富に含む食材を意識的に摂りましょう。 運動する習慣がない 日常的に体を動かさない習慣も、大腸がんのリスクを高めます。 運動不足になると腸の動き(ぜんどう運動)が鈍り、発がん性物質が大腸の粘膜に長く留まる可能性があるのです。(文献2) ウォーキング・軽いジョギング・サイクリングなど、身体状態に合わせて継続できる運動を取り入れましょう。たとえば、通勤で一駅歩く、階段を使うなど、日常生活の中で体を動かす工夫も効果的です。 定期的な運動習慣は腸の動きを促し、便通も整いやすくなります。 飲酒・喫煙している 喫煙や過度の飲酒は、大腸がんのリスクを高める要因のひとつです。 タバコを吸う人は、非喫煙者と比べて大腸ポリープや大腸がんの発生が高いことが確認されています。(文献6)また、アルコールの大量摂取は大腸の粘膜を傷つけ、がんのリスクを促進します。(文献3) 大腸がん予防のためには、なるべくお酒を控えるのが理想です。難しい場合は、「休肝日を設ける」「一度に飲む量を減らす」など、できる範囲でコントロールしていきましょう。 ストレスを発散できていない 慢性的なストレスや睡眠不足が大腸がんの直接的な原因とはいえませんが、免疫やホルモンバランス、自律神経を通じて間接的にがんのリスクを高める可能性があります。 過剰なストレスは生活習慣の乱れを促し、結果的にがん発症につながる恐れがあるのです。 忙しい中でも、軽い運動や趣味の時間を確保し、自分なりのリフレッシュ方法を見つけて、心身をリラックスさせましょう。 ストレスが大腸がんに関与するのかについては、以下の記事でも解説しています。 睡眠不足になりがち 睡眠時間が不足しがちな状態が続くと、体の修復機能が追いつかず、腸の調子も乱れやすくなります。 理想的な睡眠時間は個人差がありますが、日中に疲労感や眠気を感じない程度の睡眠を最低限確保しましょう。 働き盛りの30〜50代は休息を後回しにしがちですから、自分の体をいたわるという視点が大切です。ストレス解消と十分な睡眠を両立させ、がんに負けない健康的な体づくりを心がけましょう。 肉類をよく食べる 赤肉(牛・豚など)の摂取量が多いと、男女ともに大腸がんのリスクが上昇することが示されています。 日本人を対象とした研究では、赤肉の摂取量が多いグループで結腸がんリスクが上昇したことが明らかになりました。(文献4) 女性では赤肉の摂取量が多いグループ、男性では肉類全体の摂取量が多いグループで、リスク上昇が認められています。とはいえ、肉をまったく摂らない食生活は、栄養バランスの観点からおすすめできません。 あくまで肉類の過剰な摂取を避け、野菜・果物・大豆など植物性たんぱく質もあわせてバランス良く摂取するようにしましょう。 身長が高い 身長が高い人は、低身長の人と比較して大腸がん・結腸がんのリスクがやや高いとするデータがあります。 身長が最も高い群(男性170 cm以上、女性157 cm以上)は、最も低い群(男性160 cm未満、女性148 cm未満)に比べて、男性で全大腸がん1.23倍、女性で1.21倍というリスク上昇が報告されているのです。(文献5) 身長そのものは変えられませんが、身長が高めな方はリスクが多少高めという認識を持ったうえで、定期検診や生活習慣の見直しに一層の注意を払いましょう。 大腸がんの初期症状は気づきにくいため定期健診が重要 大腸がんは、初期段階で自覚症状がほとんど出ずに進行するため、症状の有無にかかわらず定期的な検診が極めて重要です(文献2)。 日本では、40歳以上の男女に対して年1回の便潜血検査が推奨されており、多くの自治体や職場健診で検査を受けられます。 大腸がんの初期は、血便・便通異常・腹部の違和感などが現れにくく、症状が出た時点ではすでに進行しているケースも少なくありません。 また、家族に大腸がんの既往がある方、若年で発症した近親者がいる方は、遺伝性腫瘍などによって発症リスクが高まります。 大腸がんは早期発見して迅速に対処することが重要なので、定期健診を欠かさないようにしましょう。また、検診で異常がなくても安心とは言い切れません。 検診後にがんが発生・進行する例もあるため、血便・便通異常・便が細くなるなどの体の変化を感じたら、次回の検診を待たずに受診しましょう。 大腸がんの検査と治療の進め方 便に血が付着した、もしくは健診で要精密検査となったといった場合には、速やかな対処が不可欠です。 ここでは、大腸がんの代表的な検査の流れと、早期がん・進行がんそれぞれの治療の特徴を解説します。 便潜血検査の流れ 便潜血検査は、大腸がん検診の第一段階として非常に有用です。肉眼で確認できない、便中の微量な出血を化学的に検出します。 検査の手順は以下の通りです。 1.市区町村の検診案内や職場健診で配布されるキットを受け取る 2.採便は別々の日に2回行う 3.2日分採取し容器は健診機関などへ提出 4.結果を待つ 陽性は必ずしも大腸がんを意味しませんが、ポリープや痔などなんらかの出血源がある可能性を示しています。 陽性となった場合は放置せず、速やかに大腸内視鏡検査などの精密検査を受けることが大切です。陰性は、便に血液反応がなかったことを示していますが、がんを完全に否定するものではありません。引き続き、体調や便の状態に留意していきましょう。 内視鏡が難しい場合は、注腸X線やCTコロノグラフィーといった代替検査も医療機関によっては選択できます。 大腸内視鏡検査の流れ 大腸内視鏡検査は、便潜血陽性や大腸がんが疑われる症状がある場合に実施する精密検査です。肛門から細い内視鏡を挿入し、大腸内部を直接観察します。 一般的な流れは、以下の通りです。 1.検査前日は消化の良い食事に切り替える 2.当日朝は下剤と水分で腸内を洗浄する 3.看護師の指示に従って検査室へ 4.横向きになり医師が内視鏡を挿入 5.医師が直腸から盲腸まで観察 検査中は、空気や二酸化炭素で腸を膨らませるため、一時的にお腹が張る場合があります。 不安な方は、鎮静剤を使用して半睡眠状態で受けることも可能です。 検査中に炎症やポリープ、がんが見つかれば、その場で組織を採取したり、小さなポリープを切除したりもできます。 粘膜表面にとどまる早期がんなら、内視鏡切除だけで完全に取り切れる可能性もあります。(文献1) 所要時間は、通常20〜30分程度です。鎮静剤を使用する場合は、回復後に帰宅できます。検査後のお腹の張りは、ガスが出れば解消するので安心してください。 結果は1週間程度で判明し、医師から説明を受けて検査終了です。 早期発見の治療法と進行がんの場合 大腸がんの治療は、「ステージ(進行度)」に応じて大きく異なり、早期発見であれば負担が少ない治療で済む可能性があります。 ステージ0〜I期の早期がんでは、腫瘍が腸壁の内側(粘膜内)にとどまっているため、内視鏡切除や腹腔鏡(小さな切開による手術)などを用いた患部のみの切除が中心です。再発リスクが低く、入院期間も短くなります。 一方で、ステージII〜III期では腸壁を越えたり、リンパ節転移を伴ったりするため、根治手術で腸と周囲リンパ節を広範に切除した上で、再発予防目的の抗がん剤治療が数か月行われます。 さらに、ステージIV期では肝臓や肺などへの転移を伴う場合が多く、完治よりもがんの進行を抑え、生活の質(QOL)を保つことを目的とした治療が中心です。抗がん剤・分子標的薬・放射線治療・症状緩和手術などが組み合わされます。 また、がん治療においては、年齢・体力・希望を踏まえた個別の治療計画が不可欠です。(文献2) 早期に発見できれば、便潜血検査・内視鏡検査を活用した負担の少ない治療で済む場合もあるため、定期的な検診が欠かせません。 がん予防を目的とした免疫細胞療法について がん予防を目的とした免疫細胞療法とは、免疫力を高め、がんをはじめとした病気の発症リスクを下げることを目指す再生医療の一種です。 免疫とは、体内に侵入するウイルスや細菌、あるいは体内で異常化した細胞を排除する自己防衛機構であり、働きが正常であることで健康が保たれています。 しかし、ストレスや睡眠不足、偏った食事、運動不足、喫煙や過度の飲酒といった生活習慣の乱れが続くと、免疫力は徐々に低下します。 その結果、感染症にかかりやすくなるだけでなく、がん細胞を監視・排除する力も衰え、がんのリスクが高まると考えられているのです。 免疫細胞療法では、患者様自身の免疫細胞を体外に取り出して活性化・増殖させた上で体内に戻し、全身の免疫力底上げを目指します。 また、がん細胞の発生や増殖を抑えるだけでなく、健康維持や感染症予防などに寄与する可能性もあるとされています。 まとめ|大腸がんの症状チェックリストが当てはまるなら専門家に相談しよう 大腸がんは日本で患者数の多い病気ですが、早期に発見できれば内視鏡治療など負担の少ない治療で済む可能性も高まります。 「血便などの症状がないから自分は大丈夫」と油断せず、定期検診を受けて早期発見に努めることが何より重要です。 今回ご紹介した症状チェックリストに該当するものがあれば、放置せずに消化器の専門医に相談しましょう。 とくに、便に血が混じる、便秘と下痢を繰り返すなどの異変は、大腸がんに限らず体から異常を知らせる大切なサインです。「恥ずかしい」「時間がない」などと躊躇せず、早めに受診してください。 当院「リペアセルクリニック」では、がん予防を目的とした免疫細胞療法を行っています。免疫細胞療法について詳しくは、以下のページをご覧ください。 大腸がんの症状チェックに関するよくある質問 20代・30代はどんな症状をチェックすればいい? 若年層でも、大腸がんになる可能性があります。 以下の症状がある場合は、早めに受診しましょう。 血便が出る 便が以前より細くなった 便秘と下痢を繰り返す 腹痛が断続的に続く 腹部の張りや違和感がある 痔と思っていた出血が長引く 上記の症状があっても、必ずしも大腸がんを患っているわけではありませんが、早期発見のためには見逃さず、速やかな医師への相談が大切です。 大腸がんの症状かもと、気にしすぎはよくない? 気になる点がある場合、自己判断して放置するのは危険です。 大腸がんは早期であればあるほど治療効果が高く、内視鏡で切除して完治する可能性もあります。自覚症状が少ないのが大腸がんの特徴なので、「気にしすぎかも」と思うくらいの意識でチェックしましょう。 たとえば、以下のような状況であれば、躊躇せず受診を検討してください。 血便や便の異常が1週間以上続く 排便後にすっきりしない感覚がある 慢性的な腹痛や張りがある 小さな体調の変化を軽視せず、「いつもと違う」違和感を見逃さないようにしましょう。 大腸がんに気づいたきっかけになった体験談は? 実際に大腸がんと診断された方々の多くは、以下のようなサインがきっかけで検査を受けています。 会社の定期健診で便潜血検査が陽性だった 痔と思っていた血便が1か月以上続いたため病院へ行った 便秘と下痢を繰り返す症状が続き、不安になって内視鏡検査を受けた 急に体重が減り、疲れやすくなったことで病院を受診した 腹部の張りや痛みが強くなったので検査したら、腫瘍が見つかった これらの体験からわかるのは、「なんとなくおかしい」と感じた時点で検査を受けることの重要性です。 少しでも違和感があれば放置せず、医療機関を受診しましょう。 参考文献 (文献1) 大腸がんとは|国立がん研究センター 中央病院 (文献2) 大腸がん(結腸がん・直腸がん)について|国立がん研究センター がん情報サービス (文献3) 大腸がん検診の意義と目的|公益財団法人 日本対がん協会 (文献4) 赤肉・加工肉摂取量と大腸がん罹患リスクについて|国立がん研究センター (文献5) 科学的根拠に基づくがんリスク評価とがん予防ガイドライン提言に関する研究|国立がん研究センター (文献6) お酒・たばこと大腸がんの関連について|国立がん研究センター
2025.04.30 -
- 内科疾患
- 内科疾患、その他
大腸がんは年間約15万5千人が新たに診断される日本人に多いがんで、とくに女性のがん死亡原因第1位です。 早期発見が生存率を大きく左右しますが、初期症状はほとんどなく、進行してから気づくケースも少なくありません。 こうした中「おならの異変が大腸がんの初期症状の一つである可能性」が注目されています。おならは誰にでも起こる生理現象ですが、その回数や臭いの変化が体の不調を反映することがあります。 本記事では大腸がん初期症状とおならの関連性について、危険なおならと正常なおならの違いを含めて解説します。 また、おなら以外の大腸がん初期症状についてもわかりやすく説明し、早期発見のためのポイントを紹介します。異変に気づいた際に自己判断せず医療機関を受診する重要性についても触れますので、ぜひ最後までご覧ください。 大腸がん初期症状と「おなら」の関連性 大腸がんの初期症状としておならの状態変化が挙げられることがあります。実際、「おならの頻度が増えた」「おならの臭いが強烈になった」「おならの際に腹痛を伴う」といった変化が見られる場合には注意が必要です。 大腸がんがあると腸内の環境に変化が生じ、以下のような理由でおならに異常が現れる可能性があります。 腸内の変化 説明 腸内にガスが溜まりやすくなる 大腸内に腫瘍ができると腸の通り道が部分的に狭くなり、食べ物の消化やガスの排出がスムーズに行かなくなります。 結果として腸内にガスが溜まり、おならの回数が増える原因となります。 腸内細菌のバランス変化 腫瘍から分泌される代謝産物や腫瘍の存在そのものが腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう:腸内の細菌バランス)に影響を与えることがあります。 その影響でガスの成分が変わり、おならの臭いが以前より異常に強くなることがあります。 腸の運動変化 腫瘍による刺激で腸の蠕動運動(ぜんどううんどう:腸が内容物を送り出す動き)が乱れることも指摘されています。 その結果、お腹がゴロゴロ鳴ったりガスが頻繁に発生します。とくに腹痛を伴うおならが続く場合は腸内でなんらかの異変が起きているサインかもしれません。 もっとも、おならの変化だけで大腸がんと断定はできません。おならの臭い・回数は食生活や体調によっても日常的に変動します。たとえば芋類や豆類を多く食べればおならの回数は増えますし、肉や卵を多く摂れば硫黄のような強い臭いになることもあります。 重要なのは「普段と比べて明らかに異常なおならが続くかどうか」です。次の項で危険なおならと正常なおならの違いを整理しますが、おならの異変に気づいたときは他の初期症状がないかも確認し、少しでも思い当たることがあれば早めに医療機関で相談してみましょう。 危険なおならと正常なおならの違いについて おならの種類 説明 正常なおならの範囲 健康な人でも1日に数回~十数回程度のおならは出ます。臭いも食事内容によって強くなることがありますが、一時的なものがほとんどです。 お腹が張って苦しくなるようなこともなく、ガスは自然に排出されます。 注意すべき異常なおなら 以前と比べて急におならの回数が増えたり、逆にまったくおならが出なくなったりする場合は腸内異常の兆候です。 また、臭いが異常に強烈(腐敗臭や卵が腐ったような硫黄臭)になった状態が続くのも要注意です。 さらに、おならに腹痛や腹部の張りを伴う場合も正常ではありません。これらの変化が見られるときは、単なる食生活の問題ではなく消化器の病気(大腸がんを含む)の可能性を考えて早めに受診しましょう。 普段のおならと比べて明らかにおかしいと思われるおならの特徴を押さえておきましょう。一般的なおなら(正常範囲)と、大腸がんなど病的な原因が疑われるおならとで何が違うのかを比較します。 上記のような危険なおならに該当する場合でも、それだけですぐ大腸がんと決めつけることはできません。ただし、おならの異常に加えて後述するような他の症状がみられる場合は、大腸がんの初期症状として現れている可能性があります。 おならと他の症状、両方の異変が重なったときは早期発見のチャンスでもあるため、自己判断せず医療機関で検査を受けることが大切です。 おなら以外の大腸がん初期症状 大腸がんは初期には自覚症状がほとんどありませんが、腫瘍がある程度大きくなってくると徐々に体の変化が現れ始めます。(文献2) 代表的な初期症状としては、血便、排便習慣の変化(便秘・下痢)、便が細くなる(便の狭小化)、残便感、貧血、腹痛、嘔吐などが挙げられます。 これらはいずれも大腸がん以外の病気でも起こり得る症状ですが、複数の症状が重なっている場合や、明らかにいつもと違う状態が続く場合には注意が必要です。以下にそれぞれの症状について、具体的にどのような様子か説明します。 血便 血便(けつべん)とは、便に血液が混じる症状です。大腸がんができると腫瘍表面の血管が傷つきやすくなり、便が通過する際に出血して便に血が付着することがあります。血便の特徴として、出血カ所が肛門に近いほど鮮やかな赤色になりやすい傾向があります。 直腸やS状結腸(大腸の一番下の部分)にがんがある場合は鮮血が混じりやすく、上行結腸(右側の大腸)など上流にある場合は暗めの色になることもあります。 少量の血便だと痔(じ)かな?と放置してしまう人もいますが、痔と大腸がんの見分けは自己判断ができません。とくに40代以降で血便が続く場合は痔の持病があっても油断せず、一度大腸内視鏡検査などで確認しましょう。 便秘、下痢 便秘や下痢が続く、あるいは便秘と下痢を繰り返すのも大腸がんの初期にみられることがあります。腫瘍が腸内にできると腸の動き(ぜん動運動)が乱れたり、腸管が狭くなることで便通リズムが狂いやすくなります。 その結果、頑固な便秘になったり、下痢が増えたりします。特徴的なのは、便秘と下痢を交互に繰り返すパターンです。腸に便が溜まって便秘になった後、下痢で一気に出る場合、腸内に通過障害が発生している可能性があります。 普段は便秘をしないのに急に便秘が続くようになった、下痢をする頻度が増えた、あるいは以前と比べて明らかに排便の習慣が変わった場合、大腸の異常を疑ってみましょう。 食生活の変化やストレスでも一時的に便通は変わりますが、原因に心当たりがないのに数週間以上そうした状態が続くなら念のため検査を受けることをおすすめします。 便の狭小化 便の狭小化(きょうさいか)とは、便が細くなる症状です。腸内を通る便の太さが腫瘍によって物理的に制限されるため、鉛筆のように細い便が出ることがあります。 とくに直腸やS状結腸など大腸の下部にがんがある場合、便が形作られる段階で細く絞られてしまうため、狭いリボン状の便が続くことがあります。 「最近、便が細長くなった」「いつもより便の径が明らかに細い」と感じたら注意が必要です。便の狭小化自体は他の要因でも起こりますが、従来との明らかな変化は見逃さないようにしましょう。 便秘・下痢の項目で述べた便通異常とあわせて、便の形状変化も大腸がん初期のサインの一つです。 残便感 残便感(ざんべんかん)とは、排便した後にまだ腸に便が残っているように感じる症状です。大腸がんが直腸付近にできると、腫瘍が物理的に邪魔をしたり肛門付近を刺激したりするため、トイレに行ってもまだ出し切れていない感じが続くことがあります。 残便感は便秘や過敏性腸症候群などでも起こるため、それ単体では判断が難しい症状です。しかし残便感が長く続く場合や、残便感とともに便に血が混じる・お腹が痛いといった他の症状がある場合は、大腸がんの疑いも考慮する必要があります。 一度排便してもすぐまたトイレに行きたくなる、いつもお腹に何か溜まっている感じがする、といった状態が続けば医療機関で相談しましょう。 貧血 大腸がんによる貧血(ひんけつ)は、腫瘍からの慢性的な出血が原因で起こります。便に目に見える血が出ていなくても、少しずつ出血していると体内の鉄分が失われていき、鉄欠乏性貧血になります。貧血になるとめまいや立ちくらみ、疲れやすさ、動悸、顔色が青白くなるなどの症状が現れます。 日常的に疲労感が強かったり、階段を上っただけで動悸・息切れがしたりする場合、血液検査で貧血が判明することがあります。とくに中高年で原因不明の貧血が見つかった場合、大腸を含む消化管からの出血が疑われます。 女性の場合は月経など他の要因もありますが、長引く貧血症状があるときは一度消化器の検査(便潜血検査や内視鏡検査)を受けましょう。 腹痛 腹痛(ふくつう)も大腸がんがある程度進行すると出てくることがあります。 腫瘍が大きくなり腸の中が狭くなると便の通過に支障が出るため、腸が詰まったような張った痛みや差し込むような痛みを感じますが、とくに下行結腸やS状結腸など便が固形になってから通る下部の大腸にがんがある場合、腸閉塞(ちょうへいそく:腸の詰まり)を起こしやすく、強い腹痛が起こりやすいとされています。 一方、上行結腸(右腹側)など大腸の右側にがんがある場合、内容物が液状のまま通過するため比較的痛みは出にくいとも言われます。 痛みの有無はがんの場所によって異なりますが、お腹の痛みが慢性的に続く場合や、便通と関連して腹痛が起きる場合は精密検査を受けることを検討しましょう。 嘔吐 一見関係なさそうな嘔吐(おうと)も、大腸がんの症状として起こることがあります。これは主に腸閉塞(腸がふさがった状態)に陥った場合に見られる症状です。腫瘍が腸管をふさぐほど大きくなると、食べ物や消化物が先に進めず行き場を失ってしまいます。 その結果、腸の内容物が逆流して嘔吐を引き起こすことがあります。ひどい場合には便のような臭いの嘔吐(吐物が腸の内容物)になるケースもあり、これは緊急手術が必要な状態です。大腸がんの初期段階で嘔吐まで生じることは稀ですが、腹痛や膨満感がひどく吐き気を催す場合には注意が必要です。 とくに食事とは関係なく繰り返し吐き気・嘔吐が起こる場合、消化管のどこかに閉塞が起きている可能性があります。放置すると脱水や深刻な状態に陥るため、早急に医療機関を受診してください。 以上のように、大腸がんが進行し始めるとさまざまな症状が現れます。ただし繰り返しになりますが、初期の大腸がんでは目立った症状が出ないことが多い点に注意が必要です。 「なんとなく調子が悪いけど病院に行くほどではないかな…」と思っているうちに見過ごしてしまうケースもあります。少しでもおかしいと感じる症状があれば、無理に楽観せず専門医に相談しましょう。 大腸がんを早期発見するためのポイント 大腸がんから身を守るには、早期発見・早期治療が何より重要です。早期であれば大腸がんは高い確率で完治が可能で、内視鏡による日帰り手術で治療できるケースも多くあります。 そのため、症状が出揃ってからではなく症状が軽微なうち、あるいは症状がない段階で発見が理想です。 早期発見のために心がけたいポイントとして、日頃からのセルフチェックと定期的ながん検診の受診があります。以下に具体的に解説します。 初期症状チェックリスト|該当したら医療機関へ まずは自分で気をつけたい初期症状のセルフチェックです。次のような症状に心当たりがある場合は要注意です。当てはまる項目が一つでもあれば、一度消化器科など専門医療機関で相談してみましょう。とくに複数当てはまる場合は放置しないでください。 便に血液や粘液が混じる、黒っぽい便が出る(血便・下血がある) おならの臭いが急に強くなった、おならの回数が急に増えた 便秘と下痢を繰り返すようになり、排便のリズムが乱れている 便が細くなった、最近出る便の量が減ったと感じる トイレに行ってもまだ出し切れていない感じ(残便感)がある 腹痛やお腹の張りが慢性的に続いている めまい・立ちくらみなど貧血症状が見られる 原因不明の体重減少がこの数カ月でみられる 食欲不振が継続している こうした症状は大腸がん以外でも起こり得ますが、年齢が高くなってから現れた場合や症状が長引いている場合は大腸がんの可能性も考えて早めに検査を受けることをおすすめします。様子を見ようと放置せず、まずは専門のクリニックで相談しましょう。 とくに血便は重要なサインですし、おならの異常も軽視しない方が良いポイントです。おかしいと思った時点で消化器内科を受診すれば、万が一がんであっても早期に発見できる可能性が高まります。 大腸がん検診を受ける 自覚症状の有無にかかわらず、定期的に大腸がん検診を受けることも早期発見には欠かせません。日本では現在、40歳以上の方は年に1回、大腸がん検診(便潜血検査)を受けることが推奨されています。(文献1) 便潜血検査とは便の中に血液が混じっていないか調べる検査です。検査の結果、陽性(便に血が混じっている疑い)となった場合には、精密検査として大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を行います。大腸がん検診は自治体の健康診断などでも実施されており、症状がないうちに検診を受けましょう。 大腸がんは早期であれば症状がない場合が多く、検診によって早期に発見し治療すると大腸がんで亡くなるリスクを大きく下げられます。(文献1) 実際、大腸がんは早期に発見できれば高い確率で治癒可能ながんです。 内視鏡検査でポリープや早期がんが見つかった場合、その場で切除して日帰りで治療を完了できるケースも多数あります。逆に言えば、検診を受けずに症状が出るまで放置してしまうと、発見時には進行して手術が大がかりになる・完治が難しくなるといったリスクが高まります。 とくに40代以上の方は忙しくても年に一度は大腸がん検診を受ける習慣を持ちましょう。また、ポリープが見つかった場合は医師の指示に従い定期的なフォローを受けることも大切です。 まとめ|初期症状のチェックや検診で大腸がんを早期発見しよう 大腸がんは早期には目立った症状が出にくい病気ですが、おならの異常や便通の変化など日常のサインを見逃さないことが早期発見につながります。「最近おならの様子がおかしい」「腹痛や血便が続いている」など、少しでも気になる初期症状がある場合は自己判断せず消化器の専門医に相談が重要です。 血便・便秘や下痢の反復・便の狭小化・残便感・貧血症状・腹痛・嘔吐など、大腸がんの疑いを示す症状はいくつかあります。これらの初期症状チェックを日頃から意識し、該当する症状があれば早めに医療機関を受診しましょう。 また、症状がなくても定期的に大腸がん検診を受けることが最大の防御策となります。幸い、大腸がんは早期に発見し適切に治療すれば怖がる必要はありません。違和感を感じたタイミングで勇気を出して専門クリニックを受診すれば、万が一大腸がんであっても早期のうちに治療でき、あなたの健康と命を守ることにつながります。 なお、当院「リペアセルクリニック」では、がん予防を目的として「免疫細胞療法」を行っております。 免疫細胞療法について詳しくは、以下のページをご覧ください。 参考文献 (文献1) 国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん検診について」https://ganjoho.jp/public/pre_scr/screening/colon.html .2024年9月20日.(最終アクセス:2025年4月22日) (文献2) 国立がん研究センター がん情報サービス「大腸がん検診について」https://ganjoho.jp/public/cancer/colon/print.html .2024年9月20日.(最終アクセス:2025年3月24日)
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