変形性膝関節症の画像診断と進行度合の目安、ステージ分類の仕方、自覚症状の見方
公開日: 2021.09.22更新日: 2024.10.07
目次
変形性膝関節症の画像診断と進行度合の目安、ステージ分類の仕方、自覚症状の見方
変形性膝関節症と診断されてから「どれくらい進行しているのだろう?」ご心配や、お悩みは尽きないものです。もしかして「悪くなっているのか?、いや良くなっているかも」「平行線なのか?」自分の症状が今どの程度なのか。
実は、そんな症状の進行度合を指標とした指標があります。それが「ステージ分類」というものと「自覚症状からの分類」というものがあります。
変形性膝関節症は、膝に痛みや変形をもたらし、日常生活に多大なる影響を及ぼします。進行すると手術の適応となるのですが、その進行度合いは画像診断や、患者様の自覚症状から見極められます。
そこで今回は、症状の進行を現す変形性膝関節症のステージ分類と、自覚症状による分類についてご紹介しましょう。
変形性膝関節症の「ステージ分類」の仕方
変形性膝関節症は、X線検査(x-ray)にて診断されます。撮影には寝転んだ状態で正面・側面から撮影する方法(非荷重位)と、立って撮影する方法(荷重位)があります。寝転んだ状態では、関節の隙間が広がり、正確に隙間を見ることができないため、立位で撮影することが大事です。
- 膝の診断レントゲン撮影
- ・寝て撮影:否荷重位
- ・立って撮影:荷重位(正確な診断にはこちらを選択する)
X線により白く映し出された大腿骨と脛骨の末端に注視し、膝の状態を確認します。特に大腿骨と脛骨の隙間・O脚やX脚・骨棘(異常に突出した骨)が形成されているかどうかです。これらを元に、Kellgren-Lawrence(ケルグレンローレンス)分類のグレード0〜4のいずれかに分けて変形性膝関節症の進行度合いを表示します。数字が大きくなるほど進行が進んでいる状態を表示します。
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こられ「X線検査」は、骨の状態や隙間を確認することには長けていますが、靭帯や軟骨などの軟部組織はハッキリと映し出されません。靭帯や軟骨を確認するには、明暗がハッキリわかるMRI(Magnetic Resonance Imaging)が使われます。
このように変形性膝関節症はX線にて診断され、画像を元に分類分けされます。
次に自覚症状などから分けられる4つの分類を紹介します。
変形性膝関節症の進行に沿った「自覚症状による分類」の見方
変形性膝関節症の自覚症状は「前期」「初期」「中期」「末期」と進行していきます。
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ここまで単純X線写真で判断するグレードと、自覚症状などから判断する「前期」「初期」「中期」「末期」の4つの分類を紹介しました。
しかし前項で紹介したX線検査でのKellgren-Lawrence分類が進行していたとしても、自覚症状が一致するとは限りません。
自覚症状があまり強くない場合や、その逆の場合もあります。
まとめ・変形性膝関節症の画像診断と進行度合の目安、ステージ分類の仕方、自覚症状の見方
いかがでしたでしょうか?
変形性膝関節症の画像診断と自覚症状における分類について、その見方や仕方をご紹介しました。両者の進行度合いが一致するとは限らないことから、膝に痛みがないからと安心してはいけません。
膝に違和感を覚えた時点で早期受診・発見することが、変形性膝関節症の治療の幅を広げ、進行を遅らせることができます。
また変形性膝関節症の基本的な治療は「運動療法」になります。膝周囲の筋肉を鍛え、膝への負担を軽減させることで、進行を遅らせることができるからです。
たとえ手術の適応となった場合でも、術後も運動療法を継続することが大事です。運動療法により膝の可動域を維持することで、その先の人生をいかに支障なく過ごせるかに関わってきます。
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