トピックスtopics
  • HOME
  • トピックス
  • グルコサミンとコンドロイチンの違いは何?膝の痛みに効くのか医師が解説

グルコサミンとコンドロイチンの違いは何?膝の痛みに効くのか医師が解説

公開日: 2021.10.06
更新日: 2024.11.06

「グルコサミンとコンドロイチンの違いは?」
「グルコサミンとコンドロイチンのサプリメントに副作用はある?」

グルコサミンやコンドロイチンは、体のあらゆる部分に存在しており、細胞同士をつなぎとめたり、水分を保持したりする性質をもっています。

ただ、グルコサミンとコンドロイチンのサプリメントによる摂取は、研究結果によると、残念ながら痛みが軽減したエビデンスは少ないのが実情です。

今回はグルコサミンとコンドロイチンの違いを始め、サプリメントの摂取による副作用などを解説します。

思い込みによって効果を感じるプラセボ効果についても解説するので、これからサプリメントの摂取を検討されている方は参考にしてみてください。

\クリック\タップで電話できます/

電話をかける

グルコサミンとコンドロイチンの違いとは?

グルコサミンは、アミノ糖の一種で軟骨を始め、爪や皮膚などに分布しています。

一方、コンドロイチンは、ムコ多糖と呼ばれており、グルコサミンなどのアミノ糖が連なってできた多糖体です。

どちらも体内で自然に生成される成分、関節を構成する成分として有名です。

グルコサミンやコンドロイチンは、体のあらゆる部分に存在しており、細胞同士をつなぎとめたり、水分を保持したりする性質をもっています。

関節内では、コンドロイチンはプロテオグリカンと呼ばれ、軟骨の構成成分としてクッションのような役割を果たし、骨と骨が接触しないよう保護してくれています。

膝・腰・肩などの関節が痛む原因

膝や腰、肩の痛みは多くの場合、加齢によるものが原因です。残念なことに体の機能は、年齢を重ねるにつれて徐々に衰えます。

グルコサミンやコンドロイチンといった体内で生成される成分も、加齢で生産率は減少していき、関節内の柔軟性や弾力性がしだいに失われます。

関節を構成する成分が減ってしまうと脆くなり、軟骨がすり減って骨がぶつかり合い、周辺の神経に伝わって痛みが出てくるのです。

たとえば、重労働や激しい運動など、膝や腰、肩を使いすぎる行動を継続すると痛みの原因になります。

すでに症状があり、膝などの関節痛が治らない方は、根本的な治療を行うほうが良いケースもあります。

当院「リペアセルクリニック」では、膝の痛みに関する再生医療の治療実績もございますので、まずはお気軽にメール電話にてお問い合わせください。

グルコサミンやコンドロイチンのサプリメントは関節痛に効果がない

軟骨に豊富に含まれているグルコサミンやコンドロイチンは、サプリメントから補給する方法もありますが、実は関節痛には効果がないのがわかっています。

関節の痛みに効果がない理由として、口からの摂取による影響が考えられるでしょう。

消化器官を通過すると、グルコサミンやコンドロイチンの構成成分であるアミノ酸や糖質は、胃液などにより消化および分解されてしまいます。

そのまま体に吸収されるため、軟骨まで到達するとは考えにくいのです。また、軟骨には血管がほとんどなく、栄養として成分が直接届きにくいとされています。

一般的にイメージされるサプリメントの効果は、軟骨減少の改善を始め、膝や腰、肩の痛みにおける症状改善などがあげられます。

ただ、研究結果をみると、グルコサミンやコンドロイチンのサプリメントがもたらす効能は、科学的な根拠に乏しいのが実情です。

サプリメントの効果に関する研究論文【痛みが軽減したエビデンスは少ない】

米国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)が出資した主要な研究など、一部の研究によると、グルコサミンのサプリメントが痛みを軽減させたエビデンスは、ほとんどあるいはまったくありませんでした。

一部の研究発表では、コンドロイチンやグルコサミンなどの成分をサプリメントとして服用すると、膝や腰、肩の痛みを軽減する可能性があると示唆しています。

ただし、実際のところは「可能性レベル」であって、ほとんどの研究において「劇的な改善をもたらしたといえるほどの効果はない」と報告されています。

実際に大規模な研究結果でも、グルコサミンやコンドロイチンといった成分が関節の痛みに効果があるというエビデンスを示していません。

つまり、グルコサミンやコンドロイチンなどのサプリメントが、痛みを軽減するのかは十分な証拠がない状況といえます。

関節痛にサプリメントが効くのは思い込み?プラセボ(プラシーボ)効果とは

運動する夫婦

プラセボ(プラシーボ)効果とは、本来は薬としての効能がまったくない物質を摂取しているのにもかかわらず、効能が得られたと感じることです。

膝や関節に関わるグルコサミンやコンドロイチン、プロテオグリカン、ヒアルロン酸などのサプリメントも、同様に思い込みで効果を実感している可能性もあります。

実際に摂取された方のなかには「痛みが軽くなった」「痛みが半減した」などの意見が上がっている製品もあるようです。

実際に利用者が、どの製品のサプリメントに効果があると感じたのかは正確にはわかりません。

ただ、サプリメントの摂取で、膝や関節への効果を感じている理由としては、プラセボ効果が関わっているのではないかと考えられています。

グルコサミンとコンドロイチンの服用における実験結果

アメリカの臨床研究では、関節痛などの問題を抱えている大勢の方に集まってもらい、2つのグループに分けてモニタリングを行いました。

片方のグループには、グルコサミンやコンドロイチンの「本物のサプリメント」を与えて、もう片方のグループには、まったく何の効果もない「偽のサプリメント」を与えました。

実際にそれぞれのグループに一定の期間服用させたところ、グルコサミンとコンドロイチンの成分が入っているかどうかにかかわらず、以下のような改善が見られたのです。

本物のサプリメントを与えたグループ ・症状の改善が見られた層がいた
偽のサプリメントを与えたグループ ・「痛みが緩和した」「痛みが改善した」
など症状の改善が見られた層がいた

上記はプラセボ効果によるもので、一種の「思い込みによる心理的な働き」と考えられています。

「グルコサミンやコンドロイチンのサプリメントは、摂取すると膝の痛みがとれる」といった情報から、思い込みやイメージなどにより、効いたように感じてしまうのです。

しかし、思い込みだとしても、実際に症状が良くなったと感じるなら、本人にとっては「痛みを改善する目的が達成できた」といった見方もできるかもしれません。

ただ、残念ながら結果が得られなければ、この記事を思い起こしていただければと思います。

グルコサミンとコンドロイチンの副作用

厚生労働省eJIMによると、グルコサミンとコンドロイチンのどちらも、3年間継続して摂取した場合、重篤な副作用は見られない結果でした。(文献1

ただ、本人の体における状態などを始め、服用している薬との飲み合わせによっては、何かしらの副作用が出る可能性もゼロではありません。

サプリメントの摂取を行うときは、必ず医療機関で医師や薬剤師などに問題がないかを確認してみてください。

まとめ|グルコサミンとコンドロイチンのサプリメントが関節痛に効く可能性は低い

グルコサミンやコンドロイチンは、体の軟骨成分に豊富に含まれている物質です。

医学的にはサプリメントで成分を補ったとしても、膝や肩などの関節に届く可能性は低く、痛みに効くとは言い切れないのが現状です。

ただ、今後の臨床研究により、なんらかの効能が見つかる可能性もあるかもしれません。

現在膝や肩などの関節痛に悩まされているなら、サプリメントに頼りすぎず、ぜひ整形外科を始めとした医療機関の受診をおすすめします。

痛みには思わぬ病気が隠れている場合もあるため、早期発見と早期治療が何よりの対処法です。

体の痛みや違和感といった症状を放置せず、しっかりとした診断に基づく治療を受けてみてください。

また、膝まわりの痛みに関しては、幹細胞を使った再生医療による治療方法もございます。

当院「リペアセルクリニック」では、再生医療による関節症などの治療実績もございますので、関節に関わる症状がある方は、ぜひメール電話からお悩みをご相談ください。

再生医療とは

グルコサミンとコンドロイチンの違いに関するQ&A

グルコサミンとコンドロイチンの違いに関する質問と答えをまとめています。

Q.軟骨成分のプロテオグリカンは関節痛に効果があるの?

A.食事やサプリメントによる効果は期待できないと考えられています。

ただ、運動によって血流が良くなると、細胞に栄養などが届きやすくなり、プロテオグリカンの増加が促進されるのがわかっています。

プロテオグリカンと関節痛に関する詳細については、以下の記事を参考にしてみてください。

Q.コラーゲンのサプリメント・ドリンクは関節の違和感などに効果があるの?

A.「低分子コラーゲン」「コラーゲンペプチド」と表記があるサプリメントやドリンクは、効果が期待できるかもしれません。

低分子化したものはコラーゲンペプチドとも呼ばれており、粒子が細かく腸壁で吸収されてから血液を通り、皮膚や骨、関節などの全身に届きます。

コラーゲンのサプリメントと関節痛との関わりについては、以下の記事も参考になります。

Q.グルコサミンやコンドロイチンを含む食べ物は?

A.以下の食べ物に含まれています。

・グルコサミン:カニやエビなど(甲殻類の殻)
・コンドロイチン:牛や豚などの軟骨、干しえび、きのこ類、山芋 など

栄養素は相互作用で働くので、偏らずにさまざまな食べ物をバランス良く摂取してみてください。

参考文献

文献1
厚生労働省eJIM|海外の情報 グルコサミンとコンドロイチン

 

カテゴリ

人気記事ランキング

イメージ画像トップ