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胸椎椎間板ヘルニアの治し方|痛みを和らげるストレッチ方法も解説

胸椎椎間板ヘルニアは、痛みやしびれを引き起こし、日常生活に大きな影響を与えます。「動くたびに痛む」「肩こりと勘違いして放置していたら悪化した」「手術しないと治らないのか」と悩む人も多いでしょう。
しかし、適切な治療とストレッチを取り入れると、症状の軽減が可能です。この記事では、胸椎椎間板ヘルニアの治し方や痛みを和らげるストレッチ方法を解説します。
胸椎が痛む場合は、胸椎椎間板ヘルニアが疑われる可能性があるため、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。
目次 [隠す]
「胸椎椎間板ヘルニア」とは?背中から胸にかけて痛みが出る疾患
背中から胸にかけて痛みや、脚のしびれなどの症状がある場合は、胸椎椎間板ヘルニアの疑いがあります。(文献1)
背骨の首の部分を頚椎、腰の部分を腰椎、頚椎と腰椎に挟まれた背中の部分が胸椎です。そして、椎骨と椎骨の間には、衝撃を吸収するクッションの役割をもつ椎間板があります。
ヘルニアは、椎間板の中にあるゼリー状の髄核(ずいかく)が、椎間板から飛び出てしまい、近くの神経を圧迫している状態です。そのため、胸椎の椎間板で生じるヘルニアを胸椎椎間板ヘルニアと呼びます。
ただし、胸椎は首や腰に比べて動きが少ない部分のため、実はヘルニアになりにくい場所でもあります。
胸椎椎間板ヘルニアの原因
椎間板ヘルニアは加齢や繰り返しかかる負担で椎間板が変化したり断裂したりして起こる疾患です。繰り返し椎間板に負担がかかる作業といえば、重い荷物を抱えたり、運転など長時間座ったりする作業があります。
また動きや接触の激しいスポーツ、事故などの衝撃もヘルニアの原因です。
前述のように胸椎は動きが少なく、頚椎や腰椎に比べると上記のような原因でヘルニアになるケースは少ないです。
胸椎椎間板ヘルニアの症状チェックリスト
胸椎椎間板ヘルニアの症状は以下のようなものがあります。
症状例
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胸椎椎間板ヘルニアによってうまく歩けなかったり、ふらついたりするのは、脚の筋力が低下してしまい、力が入りにくいためです。
筋力低下が起こる原因は、ヘルニアにより背骨を通る神経が圧迫されて筋肉に指令が伝わりにくくなるからです。
麻痺が進行すると、排尿を支配する神経も障害されるため、尿が出にくいなどの症状が出ます。しびれなどの感覚障害も症状の1つですが、痛みを伴うケースは少ないです。まれに、神経の障害の影響で背中や脇腹のあたりが痛む場合もあります。このような痛みを肋間神経痛(ろっかんしんけいつう)と呼びます。
腰椎のヘルニアでよく見られるような、腰から脚に広がる神経痛は胸椎椎間板ヘルニアでは少ないです。
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胸椎の痛みが胸椎椎間板ヘルニアであるかを診断する方法
胸椎椎間板ヘルニアの診断にはMRI検査が有効ですが、CTが用いられるケースもあります。
MRIでは椎間板、神経、靭帯を詳細に抽出できるため、椎間板の状態や神経の圧迫の有無を詳しく調べられます。しびれや痛みなどの症状がある際に、MRIを用いて脊椎の状態を確認可能です。放射線を使用せずに軟部組織を抽出できます。
一方、CT検査は骨の詳細な構造を短時間で確認が可能です。そのため、手術を行う場合にはCT検査を用いて骨の異常や椎間板の位置を把握する場合があります。
胸椎椎間板ヘルニアの痛みの治療方法
胸椎椎間板ヘルニアの治療方法は「保存療法」と「手術療法」があります。治療の概要は表の通りです。
治療方法 | 内容 |
---|---|
保存療法 | 胸椎をできるだけ動かさないように安静にします。 また、猫背を軽減するためのストレッチを実施します。 |
手術療法 | 背骨の一部を除去し、症状の軽減を図ります。 痛みや歩行障害がある場合に適用されます。 |
保存療法と手術療法の具体的な内容は、以下で解説します。
保存療法
ヘルニアがあっても症状が軽く、脚の筋力低下や排尿の障害などが伴わない場合は、コルセットや内服薬で痛みの軽減を図ります。ヘルニアは症状が自然に治る場合もあり、症状が軽い場合は、まず保存療法で様子を見ます。
手術療法
胸椎椎間板ヘルニアの症状が進行し、麻痺の症状が見られると保存療法での治療は困難です。放置すると症状が徐々に進行するため、早めに手術が行われます。
手術は側方から椎間板を摘出して骨を移植する「前方固定術」、後方から椎間板を切除する「後方除圧術」を実施します。症状の悪化が見られる場合、手術も視野に入れましょう。
再生医療
再生医療は、身体の治癒力を利用した新しい医療です。
再生医療のうち「幹細胞治療」は、さまざまな細胞に変化できる幹細胞を患者様から採取・培養した後、患部に戻します。自分の身体から採取した細胞なので、アレルギーや拒絶反応が起こりにくいのがメリットです。
当院「リペアセルクリニック」では、椎間板ヘルニアの後遺症に対して幹細胞治療を行っています。一般的に用いられる方法では、幹細胞を一度にまとめて培養後、冷凍したものを複数回に分けて投与します。しかし、当院では投与の度に幹細胞を培養するため、新鮮な幹細胞の投与が可能です。
再生医療について興味がある方は、無料のメール相談やオンラインカウンセリングを承っておりますので、お気軽にご相談ください。
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胸椎椎間板ヘルニア(予防)におすすめのストレッチ2選
胸椎椎間板ヘルニアの予防や、痛みの緩和をするためにおすすめのストレッチを2つ紹介します。
特別な道具も必要なく自宅でも簡単にできる方法ですので、日頃の生活に取り入れてみましょう。
横になってする胸椎ストレッチ
まずは寝た状態でできる胸椎のストレッチです。
胸椎が固くなると猫背になり、胸の前側が固くなります。
このストレッチでは胸の前側の筋肉を伸ばし、姿勢の改善が期待できます。
横になって行う胸椎ストレッチ 1. 左側が下になるように両膝を曲げて背筋を伸ばした状態で横になる 2. 両肘を胸の前でまっすぐ伸ばし、両手のひらを合わせる 3. 右手を大きな半円を描くように頭上を通りながら水平に後ろまで動かす (このとき手の動きを追うように頭も動かす) 4. 右手を元の位置に戻して5往復程度繰り返す 5. 反対も同様に行う |
ゆっくりと動作を行い痛みが出ない程度の範囲で行いましょう。
四つ這いでする胸椎のストレッチ
四つ這いになって背骨の柔軟性を高めるストレッチを紹介します。
胸椎のストレッチに加えて、背骨を支える筋肉を働かせるためトレーニングの効果も期待できる運動です。
四つ這いで行う胸椎ストレッチ 1. 背中をまっすぐにして四つ這いになる 2. おへそをのぞき込みながら背中を丸めるようにゆっくり動かす 3. 目線を少し上にして両方の肩甲骨寄せながら背中をそらすようにゆっくり動かす 4. 5往復程度繰り返す |
最初の姿勢では肩の下に両手を肩幅に広げておき、腰の真下に膝がくるように動かします。また背骨を一つずつ動かすような意識でゆっくりと実施するのがポイントです。
胸椎椎間板ヘルニアが疑われる際にやってはいけないこと
胸椎椎間板ヘルニアでは、身体を丸める動きに注意が必要です。たとえば、中腰姿勢、重い荷物を持ち上げる、猫背の姿勢を続けるなどは椎間板に負担がかかります。
身体を丸める動作は、椎間板や髄核が飛び出る方向に動いてしまうため、できるだけ避けましょう。
胸椎の痛みの正しい治し方・ケア方法を知って適切に対処しよう
胸椎椎間板ヘルニアは症状が進行すると歩くのが難しくなり、排尿・排泄が障害される疾患です。
症状が軽い場合は安静や薬による治療を行いますが、症状が重い場合は手術を検討します。
また、椎間板ヘルニアの後遺症に対しては、再生医療という治療方法も選択肢のひとつです。
当院「リペアセルクリニック」では、椎間板ヘルニアに対して再生治療を行っています。ヘルニアの症状や術後後遺症でお悩みの方は、ぜひ一度リペアセルクリニックへご相談ください。

ヘルニアのお悩みに対する新しい治療法があります。
参考文献
公益社団法人 日本整形外科学会「胸椎椎間板ヘルニア」
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/thoracic_disc_herniation.html (最終アクセス:2025年2月22日)