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ジャンパー膝とオスグッド病の違い?原因、症状、治療法を徹底解説!

「ジャンパー膝とオスグッド病の違いは何?」「スポーツを続けるために必要な方法は?」

ジャンパー膝とオスグッド病は症状がよく似ていて、見分けがつかないケースも多いのではないでしょうか。

どちらもジャンプ競技で繰り返し膝を使うことで発症しますが、痛みが出る膝の部位が異なります。

この記事では、ジャンパー膝とオスグッド病の原因と症状の違いや、それぞれの治療法について解説していきます。

ジャンパー膝とオスグッド病の一般的な見分け方や対処法について気になる方は、ぜひ最後までお読みください。

ジャンパー膝とオスグッド病の違い?原因、症状、治療法を徹底解説!

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ジャンパー膝とオスグッド病の基本

ジャンパー膝とオスグッド病は、どちらもジャンプスポーツが原因で膝まわりの痛みが出るため似たような疾患に見えがちです。

しかし、発症する原因や影響を受ける膝の部位が異なります。

  ジャンパー膝 オスグッド病
定義 膝蓋腱炎の炎症 脛骨粗面の剥離(はくり)
原因 ジャンプ動作や走行が多いスポーツ ジャンプ動作や走行が多いスポーツ
症状 スポーツ時の膝蓋腱の痛み・腫れ 脛骨粗面の突出、スポーツ時の脛骨粗面の痛み・腫れ
影響を受ける部位 膝蓋腱(膝蓋骨の下の靭帯) 脛骨粗面(膝蓋骨の下にある突出している骨)

はじめに、それぞれの定義と一般的な原因を説明していきます。

ジャンパー膝の定義と一般的な原因

ジャンパー膝(膝蓋腱炎)は膝蓋骨(膝のお皿の部分)のすぐ下にある膝蓋腱にストレスがかかり、炎症が起こる疾患です。

バレーボールやバスケットボール、サッカーなどのスポーツで多くみられ、繰り返し行うジャンプ動作が主な原因です。

ジャンプスポーツによる膝の使いすぎ(オーバーユース)が続くと、膝蓋腱に過度なストレスがかかり、組織に小さな損傷や炎症が起こって慢性的な痛みを発症させます。

オスグッド病の定義と一般的な原因

オスグッド病(オスグッド・シュラッター病)は小学校高学年から中学生の成長期に、脛骨粗面(膝蓋骨の下にあるわずかに突出している骨の部分)の軟骨が剥がれる疾患です。

原因はジャンパー膝と同じで、ジャンプや走行、ボールを蹴る動作などで膝を頻回に使うことで生じます。

この時期は軟骨から骨に成長する時期なので、膝を伸ばす動作の繰り返しで脛骨粗面の軟骨が剥がれることにより痛みが増します。

症状の比較

ジャンパー膝とオスグッド病に見られる主な症状は、どちらもスポーツ中の膝まわりの痛みです。それぞれ詳しく見ていきましょう。

ジャンパー膝に見られる典型的な症状

ジャンパー膝に見られる典型的な症状は、ジャンプや走る動作、階段の昇り降りのときに見られる膝蓋腱の痛みです。

膝蓋腱の痛みは程度により軽症と中等症、重症に分類されます。

軽症 スポーツの後や歩いた後に痛む
中等症 活動開始期と終わった後に痛む
重症 活動中や後の痛みで続行困難

重症化して膝蓋腱に断裂がある場合は、手術が必要になる可能性もあります。

軽症や中等度のうちは専門家と相談した上でスポーツの継続が可能ですが、症状を悪化させないためにも、毎日ケアを続けることが大切です。

オスグッド病に見られる典型的な症状

オスグッド病に見られる症状は、脛骨粗面の痛みや腫れ、突出です。痛みはスポーツ中に見られ、休んでいるときに軽快する点がジャンパー膝とよく似ています。

症状は脛骨粗面以外の部位には見られません。症状が悪化すると、剥がれた骨片を取り出す手術が必要になる可能性もあります。

発症部位と影響

ジャンパー膝とオスグッド病の発症部位はそれぞれ膝蓋腱と脛骨粗面です。どちらの疾患も、膝の曲げ伸ばしによる大腿四頭筋の作用が影響して発症します。

以下に詳しく解説していきます。

ジャンパー膝の影響を受ける膝の部位

ジャンパー膝で影響を受ける膝の部位は、大腿四頭筋(太もも前面の筋肉)につながる膝蓋腱です。膝蓋腱は大腿四頭筋の伸び縮みに伴って脛骨(すねの骨)や膝蓋骨の動きをコントロールし、膝の曲げ伸ばしを可能としています。

スポーツをしている時のジャンプやダッシュ、ストップ、ターンなどの動作は、急激な膝の曲げ伸ばしを繰り返し行っているため、膝蓋腱の負担も大きいのです。

この状態が続くと膝蓋腱に過度なストレスがかかり、組織に小さな損傷や炎症が起こって慢性的な痛みを発症させます。

オスグッド病の影響を受ける膝の部位

オスグット病で影響を受ける膝の部位は、大腿四頭筋の下端が付着する脛骨粗面です。膝の曲げ伸ばしを繰り返すと、大腿四頭筋の伸び縮みによって脛骨粗面に刺激が加わります。

小学生から中学生にかけて骨が成長している時期は、この刺激により脛骨粗面の軟骨が急激に剥がれやすくなるのです。

軟骨が剥がれると、脛骨粗面まわりに炎症が起き、痛みや腫れを発症させます。

診断と治療方法

ジャンパー膝やオスグッド病が疑われる場合は、整形外科で問診や触診、画像診断などの診断と鎮痛薬や外用薬の投与による治療を行います。それぞれ詳しく見ていきましょう。

ジャンパー膝の診断プロセスと治療オプション

ジャンパー膝の診断では問診や触診、MRI、超音波検査などを行います。膝蓋腱をゆびで圧迫した時に痛みが強まることや、MRIや超音波による画像診断で筋肉や腱の変性が確認できることで確定診断となります。

ジャンパー膝の治療は、患部の安静や練習量を減らすこと、炎症を抑えるための鎮痛剤や外用薬を使用することです。膝蓋腱に負担のかかるジャンプやダッシュの練習を減らすだけでも、症状の改善に効果があります。

また、医薬品は市販ではなく医師に処方されたものを使用しましょう。症状によってはステロイド注射を行うこともあります。

オスグッド病の診断プロセスと治療オプション

オスグッド病の診断は問診や触診、レントゲン検査で可能です。問診で実際の話を聞きながら、痛みが出るときの状況や、痛みが出る部位を確認します。

脛骨粗面の状態を触診やレントゲン検査で確認し、痛みや腫れ、突出、軟骨の剥離が認められると確定診断になります。

オスグッド病の症状を治すためには、スポーツを控えて安静にすることが大切です。軟骨から骨に成長する3〜6ヶ月間は痛みが出やすい時期なので、負担をかけないようにできるだけ休息をとりましょう。

痛みが強いようなら、医師から処方された飲み薬やぬり薬などを使用することもあります。

予防と管理

ジャンパー膝やオスグッド病の予防や、スポーツを継続するときの管理方法には、アイシングや大腿四頭筋のストレッチ、膝蓋腱バンドの装着などがあります。痛みの症状に悩んでいる方は、専門医と相談しながらこれらの方法を行うようにしましょう。詳しく解説していきます。

ジャンパー膝の予防策

ジャンパー膝の予防には、大腿四頭筋のストレッチや筋力トレーニングが大切です。症状を管理しながらスポーツを続けていく場合は、スポーツ直後のアイシングや、スポーツ中の膝蓋腱バンドの装着も必要になります。

過去の論文ではジャンパー膝の予防策に、傾斜台上での片脚立ちスクワットが効果的であると報告されています。

参考文献:P Jonsson, H Alfredson.Superior results with eccentric compared to concentric quadriceps training in patients with jumper’s knee: a prospective randomised study.2005. 39(11). p847-850

ジャンパー膝の予防に重要な、片脚立ちスクワットや大腿四頭筋のストレッチの方法について見ていきましょう。

  • ・片脚立ちスクワット
  • ①25度程度の傾斜台を準備し、降りの方向に顔を向けて立つ
  • (※傾斜台がなければ、スロープやタオルを使用して、立った姿勢で踵の位置が上がるように工夫する)
  • ②片脚立ちになり、股関節と膝関節を曲げながらお尻を床に近づける。膝の位置が足の位置より前方に出ないように注意する
  • ③股関節と膝関節を伸ばして片脚立ちの姿勢に戻る。10回連続で行い、1日3セットほど行う。きつく感じるようであれば、必要に応じて手すりを持ちながら行う
  •  
  • ・大腿四頭筋のストレッチ(膝を曲げると痛む場合の方法)
  • ①ストレッチをする側の膝を床につき、ストレッチをしない側の膝を立てて片膝立ちの姿勢になる
  • ②上半身を起こしながら身体を前方に移動させ、太もも前面の筋肉を伸ばす
  • ③20秒〜30秒ほど時間をかけて動きを行い、10秒ほど休んだ後にもう一度行う
  • ※スポーツをした後は必ず行う
  •  
  • ・大腿四頭筋のストレッチ(膝を曲げても痛みがでない場合の方法)
  • ①床に両膝を伸ばして座った後、ストレッチをする側の膝を曲げて踵をお尻に近づける
  • ②両手を床について身体を支えながら、上半身を後ろに倒して太もも前面の筋肉を伸ばす
  • ③20秒〜30秒ほど時間をかけて動きを行い、10秒ほど休んだ後にもう一度行う
  • ※スポーツをした後は必ず行う

オスグッド病の予防策

オスグッド病の予防策と管理方法は、アイシングや大腿四頭筋のストレッチ、ベルトの装着です。

オスグッド病は痛みが出なければスポーツが可能ですが、症状を悪化させないためにこれらを継続して行うことが大切です。

  • ・アイシング

練習直後にアイシングを15〜30分ほど行いましょう。激しい運動の後は脛骨粗面のまわりにより炎症が起こりやすく、熱感や腫れが強まります。

できるだけ早く患部を冷やし、炎症を抑えることで症状の悪化を防げるわけです。氷を入れた袋を患部に持続的に当てるか、弾性包帯で巻きつけて固定すると効果的です。

  • ・バンドを装着する

ジャンパー膝やオスグッド病の治療として、膝蓋腱の走行に横断して取り付けるバンド(サポーター)の装着が効果的です。

バンドによる膝蓋腱の圧迫は、腱の走行を変化させて負担を減らせることが明らかになっています。

スポーツ中の膝蓋腱や脛骨粗面に対する過剰なストレスが減り、痛みの緩和が期待できます。

まとめ

ジャンパー膝とオスグッド病の違いについてお話ししました。

ジャンパー膝とオスグッド病は、どちらもジャンプ競技で膝を伸ばす動作を繰り返すことで起こる症状です。

しかし症状の出る部位が異なり、ジャンパー膝が膝蓋腱に痛みが出るのに対して、オスグッド病は脛骨粗面に痛みが出ます。どちらの場合もスポーツを続けるときは、以下の内容をよく守って行いましょう。

どちらの疾患であっても効果的なアプローチ

ジャンパー膝とオスグッド病の両方に効果があるアプローチは、アイシングと大腿四頭筋のストレッチ、バンドの装着です。これらはスポーツ直後に起きた膝の炎症を抑えたり、脛骨粗面や膝蓋腱、大腿四頭筋の負担を減らしたりする効果があります。

症状の悪化につながらないためにも、スポーツをするときは必ず継続して行いましょう。

スポーツ選手としての健康管理の重要

ジャンパー膝やオスグッド病の症状と付き合いながらスポーツを続ける場合は、専門家に相談しながら無理のない範囲で行いましょう。

どちらの症状も悪化させると手術が必要になる可能性もあるため、痛みが強い場合は休んだり、練習量を減らしたりすることが大切です。

この記事がご参考になれば幸いです。

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