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臼蓋形成不全は治る?治療法や変形性股関節症への進行を防ぐ筋トレ方法を医師が紹介

臼蓋形成不全 治る
公開日: 2021.01.18 更新日: 2025.04.12

股関節の痛みや違和感が特徴的な「臼蓋形成不全」と診断され、本当に治るのか不安になっていませんか。

なかには症状がつらくて改善するイメージができず、今後の生活が成り立つかどうか心配されている方も多いでしょう。

しかし、臼蓋形成不全は早期治療で改善が期待できます。軽症ならリハビリや安静などの保存療法で症状が緩和されるため、早めの対処が大切です。

本記事では、臼蓋形成不全の治療や日常生活のポイントを詳しく解説します。

この記事を参考に、適切な治療やセルフケアを行って臼蓋形成不全の症状を緩和させましょう。

当院「リペアセルクリニック」では、股関節痛の軽減や変形性股関節症の重症化予防を目的とした再生医療を行っております。

メール相談」または「オンラインカウンセリング」にて無料相談を受付中です。股関節痛でお悩みの方は、ぜひ当院までご相談ください。

臼蓋形成不全は適切な治療で治る可能性が高まる

専門医による適切な治療を受けると、臼蓋形成不全の治癒率は高まる可能性があります。

臼蓋形成不全とは、大腿骨をつないでいる骨盤のくぼみ「臼蓋」が浅い状態です。大腿骨と臼蓋の安定性が破綻することで骨盤のバランスが崩れ、股関節の痛みや違和感が生じます。(文献1

ここでは、臼蓋形成不全の主な治療について詳しく解説します。股関節の痛みでつらい方も、本章を参考に前向きに治療を検討してみてください。

1.初期の場合は「保存療法」 

「変形性股関節症への進行を防ぐこと」が、臼蓋形成不全の治療目的です。

臼蓋形成不全では、股関節が不安定になりやすい状態です。軽度の場合は股関節を支える筋肉を鍛えるために、筋肉トレーニングを保存療法として取り入れることもあります。

また、つらいときは安静にすることもありますが、筋肉が衰えて歩行困難になるリスクがあるため、長期間続けないようにします。

変形性股関節の保存療法について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。

2.重症の場合は「手術療法」 

保存療法で改善がなければ、悪化を予防するために臼蓋を大きくする手術が行われる場合があります。

臼蓋形成不全の治療で用いられる手術は、主に以下の2つです。

術式

方法

骨切り術

股関節の骨を削り、大腿骨との咬み合わせを調整する

人工股関節置換術

人工関節に替え、大腿骨と臼蓋をつなぐ

ただし、あくまで手術は保存療法を用いても重症化したときに行われます。臼蓋形成不全の診断を受けても、必ず手術をしなければならないわけではありません。そのため、懸念がある方は医師と入念に話し合ってから決めましょう

臼蓋形成不全に伴う股関節痛は、保存療法・手術療法以外では「再生医療」を用いた治療も可能です。気になる方は、以下のページをご覧ください。

手術しなくても治療できる時代です。

股関節の痛みは⼿術しなくても治療できる時代です。

臼蓋形成不全は「変形性股関節症」のリスクがあるため放置は厳禁

実は、臼蓋形成不全が「変形性股関節症」の発症原因になる可能性があります。

一般的に変形性股関節症の主な発症原因は「加齢」です。しかし、臼蓋形成不全にて股関節が傷みやすい人の場合、若年でも変形性股関節症を発症する場合があります。

また、小児期の臼蓋形成不全は画像診断でわかることが多く、自覚症状がない場合もあります。そのため、幼少期に発症した臼蓋形成不全の後遺症に気が付かず放置し、変形性股関節症になってしまったケースも珍しくありません。

大人になってから股関節の違和感や痛みを放置せず、早期に適切な治療を受けることが大切です。

臼蓋形成不全でやってはいけないこと3つ

臼蓋形成不全になった際にやってはいけないことは、主に以下の3つです。

  • 無理な運動や重労働
  • しゃがむ動作
  • 関節に負担をかける座り方

本章を参考に日常生活の注意点をおさえ、悪化を防ぐようにしましょう。

無理な運動や重労働

激しい運動や重労働は、股関節に負担がかかります。股関節痛が気になる際は、以下のような動作を避けるようにしましょう。

  • 重たい荷物の持ち運び
  • 股関節を大きく動かす筋トレやストレッチ
  • 激しく飛び跳ねる運動(ジョギング・ジャンプなど)

ただし、まったく動かない状態が続くと筋肉が衰えてしまう原因になります。医師の指示に従って適切な運動をしましょう。

しゃがむ動作

深くしゃがむ動作は、股関節周辺の骨に負担をかけるため、痛みの悪化につながります。激しい運動のみならず、何気ない日常生活の動作にも注意が必要です。普段の生活で無意識に深くしゃがみ込む動作の例として、以下があります。

  • トイレでしゃがむ
  • 床のものを拾う
  • 靴ひもを結ぶ

これらを行う際に、うっかり股関節に負担をかけると痛みが増すこともあります。臼蓋形成不全の方は、動作を過剰に繰り返さないよう十分注意しましょう。

座り方

以下の座り方は、股関節に負担をかける可能性があります。股関節の痛みがある際は避けるようにしましょう。

  • あぐら
  • 正座
  • 横座り

とくに、普段から床に直接座る習慣のある方は注意が必要です。地べたに座らず、座布団・クッション・椅子などを活用して股関節の負担を和らげるようにしましょう。

\まずは当院にお問い合わせください/

臼蓋形成不全の人におすすめの筋力トレーニング

ここからは、臼蓋形成不全の人におすすめの筋トレ方法を3つご紹介します。どれもすぐに実践できる方法のため、股関節痛で悩んでいる方はぜひ実践してみてください。

仰向けで膝を抱えるトレーニング

  1. 床の上に、仰向けの状態で横になる
  2. 右ひざを両手で抱える
  3. 無理のない範囲で胸に引き寄せ、10秒ほどキープ
  4. 左膝も同様に2.~3.を行う

自宅でリラックスした状態で、股関節の周りの筋肉を伸ばせます。寝る前や起床時のスキマ時間にお試しください。

立って足を広げるトレーニング

  1. 床に垂直になるようにまっすぐ立つ
  2. 右足をゆっくり真横に広げ、ゆっくり閉じる
  3. 数回繰り返す
  4. 左足も同様に行う
    ※転倒しないよう必要に応じて壁などに手をついて行ってください

上記の動作は、太ももの外側の筋肉が鍛えられます。また、体の軸がぶれないよう意識するとより効果的です。ぜひ実践してみてください。

座って股関節を回すトレーニング

  1. 椅子に座る
  2. 足を少し浮かせる
  3. 足の付け根を右回り・左回りにそれぞれ5回ずつ回す

上記のトレーニングは、股関節を動かす範囲を広げて柔らかくする効果が期待できます。自宅でくつろいでいるときや、仕事の合間にお試しください。

今回ご紹介した筋トレは臼蓋形成不全の方におすすめですが、無理に動かすと股関節の痛みが悪化する恐れがあります。痛みがつらい場合は、運動をすぐに中止してください。

まとめ|臼蓋形成不全を早めに治療して悪化を防ぎましょう

臼蓋形成不全は直ちに生命に関わる疾患ではありませんが、「変形性股関節症へ進行するリスクがある」ことを考えると、放置することは危険、問題になる可能性があります。

股関節に違和感があれば、早めに病院等、医療機関で専門医に相談しましょう。

当院「リペアセルクリニック」では、股関節痛の軽減や変形性股関節症の重症化予防を目的とした再生医療による治療を行っております。

メール相談」または「オンラインカウンセリング」にて無料相談を受付中です。股関節痛でお悩みの方は、ぜひ当院までご相談ください。

臼蓋形成不全の治療についてよくある質問

臼蓋形成不全は進行しますか?

成長過程で自然治癒する場合が多いものの、臼蓋形成不全が重度になると自然に治らず悪化して変形性股関節症に移行するリスクも考えられます。

臼蓋形成不全は、股関節が不安定になりやすい状態です。軽度の場合は股関節を支える筋力を強化する目的で股関節周囲の筋力トレーニングを行うことがあります。一方で重度の場合は、変形性股関節症に進行するリスクが高いため、臼蓋を大きくするための手術を行う場合もあります。(文献2

臼蓋形成不全になったら手術した方が良いですか?

臼蓋形成不全と診断されたからと言って、必ず手術しなければならないわけではありません。症状の程度により、適切な治療が異なります。多くの場合であれば保存療法が、重度では手術が選択されます。しかし、医師の判断と患者のライフスタイルや希望によるため、担当医としっかり相談しましょう。

年代別の変形性股関節症の進行リスクについては、以下の記事にて詳しく解説しています。気になる方は、あわせて参考にしてください。

参考文献

(文献1)

南角学ほか.「変形性股関節症患者の臼蓋形成不全は腸腰筋の筋萎縮と関連する」『第49回日本理学療法学術大会 抄録集』2巻(41号), https://www.jstage.jst.go.jp/article/cjpt/2013/0/2013_0526/_article/-char/ja/(最終アクセス:2025年2月19日)

(文献2)

ニノ宮節夫.「リハ医のための股関節手術-その適応と術式の選択-」『リハビリテーション医学』5巻(35号), p330-p.333, 1998年https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjrm1964/35/5/35_5_330/_pdf(最終アクセス:2025年2月19日)

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