-
- 脳卒中
- 脳出血
- 頭部
脳幹出血になったら余命はどのくらい? どんな症状だったら余命に影響するの? この記事を読んでいるあなたは、脳幹出血になった人の余命がどのくらいなのか気になっているのではないでしょうか。 「今の症状だと、余命はどのくらいなのだろう」と、不安になっているかもしれません。 結論、脳幹出血の余命は症状の重さによって変わります。 脳幹出血のみの余命を調べたデータはないものの、重症の場合は発症後数時間から数日で亡くなるケースも少なくありません。ただ、発症した年齢が若い場合や出血量が少ない場合は、比較的余命に影響が出にくいこともあります。 本記事では、脳幹出血の余命や予後について、詳しく解説します。記事を最後まで読めば、脳幹出血の余命が症状ごとにわかり、現在の状況や今後の見通しの理解を深められるでしょう。 脳幹出血の余命に関する正確なデータはないが予後は悪い 脳幹出血だけの余命を調べた正確なデータはありませんが、予後は全体的に悪いといわれています。 重篤な脳幹出血が起こると急激に容体が悪化し、発症後数時間〜数日で亡くなる方も珍しくありません。 脳幹出血は「脳出血」の一種で、脳内にある「脳幹」という部位から出血する病気です。おもな原因は高血圧によって脳の血管が破れることで、脳出血の約1割ほどが脳幹出血といわれています。 脳出血後の余命は、調査対象の年齢や病状が異なるため、研究ごとにややばらつきがあります。生存率に関するデータは、以下の通りです。(文献1)(文献2) 脳出血を起こした人の平均余命は12年 脳出血を起こした人の10年生存率は24.1% 初めて脳出血を起こした人の1年生存率は38%、5年生存率は24% 初めて脳卒中を起こした年齢が50歳以下の人は、70歳以上の人よりも5年生存率が高い つまり、脳出血を起こした人の4人に3人は、余命が10年未満といえます。脳幹出血は上記に示した脳出血のなかでも予後が悪い病気のため、余命は比較的短いと考えられるでしょう。 脳幹出血の後遺症について解説した記事はこちら 脳幹出血の回復の見込みとその期間について解説した記事はこちら 脳幹出血の余命が短くて助からない人が多い理由 脳幹出血の余命が短い理由は、脳幹の機能が失われると生命の維持が難しいからです。 脳幹は「中脳」「橋」「延髄」の3つの部位から成り立つ器官で、以下のように生命維持に重要なさまざまな役割を果たしています。 意識を保つ 呼吸や血液の流れを調節する 身体が受けた刺激を脳へ伝える 手足を動かす信号を脳から出す 脳幹が行っている「呼吸や意識の保持など」が不可能になると、生命の維持は難しくなります。そのため、出血が起こり脳幹の機能が失われると、余命が短いケースが多いのです。 なお、脳幹のなかでも「橋」という部位で起こるケースが多いため、脳幹出血は「橋出血」とほぼ同じ意味となります。 【重症度別】脳幹出血の症状と余命への影響 脳幹出血の重症度は、余命に大きな影響を与えます。具体的には「出血量」は重症度に大きくかかわり、出血量が少なければ軽症、多ければ重症です。 本章で、脳幹出血の症状と余命への影響を理解しておきましょう。 軽症の場合 以下のような症状のみの場合は、軽症で余命への影響は小さい可能性があります。 嚥下の障害 顔の感覚や運動の障害 手足の運動や感覚の障害 複視(ものが二重に見える) 運動失調(バランスが取れずにふらつく) これらの症状は、脳幹出血の前兆で気付いたときや脳出血・脳梗塞など他の脳血管疾患でもみられます。 また、血管の奇形による脳幹出血の場合は軽症で済みやすく、一度の出血で命にかかわることはほとんどありません。 しかし、奇形のなかでも「海綿状血管腫」は出血をくり返して大きくなりやすいため、いずれ重い後遺症が出る可能性があります。 早めの受診で悪化を防ぎ、予後を改善できる可能性を高められます。もし紹介したような症状を感じたら、迷わずに当院へメール相談、もしくはオンラインカウンセリングにてご相談ください。 重症の場合 以下のような症状が出ている場合は、出血の多い脳幹出血の重症例と考えられます。生存率は低く、余命は短いケースが多いでしょう。 両手両足の麻痺 異常な呼吸パターン 重篤な意識障害:昏睡など 中枢性高熱:体温調節の中枢の障害による高熱 除脳硬直:筋肉が過剰に緊張し、手足が伸びきった状態 瞳孔異常:瞳孔不同(左右の黒眼の大きさが異なる)、縮瞳(黒眼が小さい)など 救急車を呼んだときは意識あり・自発呼吸ありだったにもかかわらず、急激に悪化して短時間で命を落とすケースもあります。 脳幹出血の治療 高血圧による脳幹出血は手術の適応があまりなく、基本的には血圧を下げて体の状態を保つ「保存的治療」が最優先されます。出血でダメージを受けた脳幹に対しては、手術が状況をより悪化させる危険性が高いためです。 ただし、血管奇形が原因の脳幹出血の場合は、時期をみて手術を検討するケースもあります。 脳幹は手術による合併症リスクの高い部位です。手術するべきか、どのタイミングで手術をするべきかなどは、状況をみて慎重に判断します。 なお、命が助かった場合は、日常生活に戻るためのリハビリも重要です。近年、リハビリはできるだけ早い時期から始めると予後が良いとされるため、ベッド上でできるものから少しずつリハビリを行います。 脳幹出血後のリハビリについては、以下の記事で詳しく紹介しています。 まとめ|脳幹出血の余命は短い人が多い 本記事では、脳幹出血の余命や、余命が短いといわれる理由などを詳しく説明しました。 脳幹は生命維持に欠かせない器官のため、脳幹出血によって機能が失われると余命が短いケースが多くみられます。ただし、軽症や前兆段階で気付いた場合、血管の奇形による脳幹出血の場合は、余命への影響が小さい可能性もあります。 手術のリスクが大きいため、積極的な治療ではなく保存的治療が原則となるでしょう。 当院「リペアセルクリニック」では、厚生労働省に届出を行い、再生医療(幹細胞)治療による脳幹出血後の治療を提供しています。 再生医療は脳神経細胞の修復・再生や脳の血管を新しく再生する作用により、後遺症の回復や脳幹出血の再発予防が期待できる治療です。 メールでの無料相談やオンラインカウンセリングも実施しておりますので、お気軽にご相談ください。 この記事が脳幹出血の余命を知るのに役立ち、今後の生活を再建するきっかけになれば嬉しく思います。 脳幹出血についてよくあるQ & A Q.脳幹出血を起こすと、どのくらい入院が必要になりますか。 A.入院日数に関する脳幹出血単独のデータはありません。 ただし、厚生労働省の統計では、脳の血管が詰まったり破れたりする「脳卒中」全般の平均入院期間は77.4日となっています。入院期間が比較的長いのは、脳卒中により神経にダメージが起こるからです。(文献3) 神経の回復は他の組織よりも遅く、麻痺や感覚障害などは完治しにくいものです。一番危ない時期を過ぎても、その後の体力の回復・リハビリテーションに時間がかかることも大きいでしょう。 Q.脳幹出血を起こさないために、どのようなことに気をつけたら良いでしょうか。 A.一番重要なのは血圧の管理です。そして適切な運動を心がけ、減塩に努めましょう。 すでに治療を受けている方は、しっかりと通院を続けてください。血圧が下がったからといって自己判断でお薬をやめないようにしましょう。 脳ドックなどで血管奇形が見つかった場合でも、出血症状がなければすぐに手術適応になることはありませんが、慎重な経過観察が必要になります。この場合も、血圧の管理は必要です。 Q.脳幹出血になったら助からないのでしょうか。 A.脳幹は生命維持に不可欠な器官のため、脳幹出血により機能が失われると助からないケースは珍しくありません。 ただし、脳幹出血で助かるか助からないかは重症度によって異なります。出血量が少なく障害の程度が低い軽症であれば、回復例もみられます。 助かるかどうかは、脳幹出血を初めて起こしたのか、再発なのかによっても異なるため、回復の見込みは医師に確認するのが確実です。 参考文献一覧 文献1 人口ベースのレジストリにおける脳内出血の発生率と10年生存率 Simona Sacco, MD, Carmine Marini, MD, Danilo Toni, MD, Luigi Olivieri, MD, and Antonio Carolei, MD, FAHAAuthor Info & Affiliations Stroke Volume 40, Number 2 文献2 初めての脳卒中から5年生存,Dzevdet Smajlović 1, Biljana Kojić, Osman Sinanović,Bosn J Basic Med Sci. 2006 Aug;6(3):17-22. doi: 10.17305/bjbms.2006.3138. 文献3 厚生労働省. 令和2年(2020)患者調査の概況. 3退院患者の平均在院日数等
2023.07.03 -
- 脳卒中
- 脳出血
- 頭部
脳幹出血の原因は何? 脳幹出血にならないための予防策はある? この記事を読んでいるあなたは、脳幹出血という病気に対して不安を抱いてるのではないでしょうか。 「今からできる予防法を知りたい」と思っている人もいるかもしれません。 結論、脳幹出血は動脈硬化が原因で起こるケースが多く、再発もしやすい病気です。しかし原因を知れば、適切な予防法を取れます。 本記事では、脳幹出血の原因や予防法について、詳しく解説します。記事を最後まで読めば、脳幹出血にならない方法がわかり、病気のリスクを軽減できるでしょう。 脳幹出血とは「脳幹(小脳・橋・延髄)で起こる出血」のこと 「脳幹」は、小脳・橋(きょう)・延髄という脳の部分を合わせた部位です。「呼吸」「体温調節」「ホルモン分泌」など、人間が生きるために重要な働きをしています。 脳幹出血によってそれらの機能が損なわれると命に関わることもあるため、あらかじめ原因や予防法に関する知識をつけておくことが大切です。 本章では、脳幹の働きや脳幹出血について説明します。脳幹出血の治療や生存率については、以下の記事も参考にしてください。 脳幹は生命の維持に不可欠な働きをしている 「脳幹出血」とは、脳出血の一種です。具体的には、脳のうち「脳幹」という部位の血管が破れて出血することを指します。 脳幹は、「小脳」「橋(きょう)」「延髄」からできており、心臓や呼吸などの生命維持に大きく関わります。各部位の働きは以下のとおりです。 部位 働き 小脳 ・筋肉の緊張や姿勢をコントロールする ・注意・言語・感情などの精神機能をコントロールする 橋(きょう) ・中脳や大脳、延髄などをつないでいる ・呼吸調節に関係する 延髄 ・呼吸や心臓の動きをコントロールする ・咳、くしゃみ、発生、発汗などにも関係する 脳内で出血すると血管からの酸素や栄養が供給されなくなり、脳はダメージを受けます。 また、脳内に血液があふれることで周りの脳細胞が圧迫される、出血により脳内の圧力が高まるなども、脳がダメージを受ける原因です。 出血により脳幹がダメージを受けると、意識不明の重体や寝たきり、ひどい場合は死に至るケースも珍しくありません。 脳幹出血は再発しやすい 脳幹出血を含む「脳出血」は、再発しやすい病気です。 具体的には、脳出血を10年以内に繰り返す確率(10年再発率)は55.6%というデータがあります。つまり、2人に1人の割合で、10年以内に脳出血の再発が起きています。(文献1) 出血によってダメージを受けた脳は、通常の医療技術による回復・修復は困難です。 また、脳出血を再発すると、初回はダメージを受けなかった部分もダメージを受けます。よって再出血時はさらに広い範囲の脳がダメージを受け、重い後遺症が出るケースもあります。 脳幹出血の主な原因は「高血圧による動脈硬化」 脳幹出血の主な原因は、「高血圧による動脈硬化」です。ただし、血圧に問題の無い人の場合、血管の奇形が原因のケースもあります。 本章の内容をもとに、脳幹出血の正しい基礎知識を身につけておきましょう。 脳幹出血後の回復については、以下の記事を参考にしてください。 動脈硬化は高血圧が原因で起こることが多い 脳幹出血を起こす「動脈硬化」は、主に高血圧によって起こると考えられています。 高血圧が動脈硬化を起こして脳幹出血に至る流れは以下のとおりです。 高血圧によって脳の血管に圧力がかかり続ける 動脈硬化が進み、血管がもろくなる 脳の血管が破れて出血が起こる 高血圧は「塩分の取りすぎ」「食生活の乱れ」「ストレス」「喫煙習慣」など、複数の要因が重なって起きるといわれています。(文献2) 「血圧が高くても体調は問題ない」と放置すると、脳出血につながる恐れもあるため、高血圧と診断された場合は医師の指導のもと早めに治療しましょう。 血管奇形が原因のケースもある 脳出血は、「脳動静脈奇形」という脳の血管奇形によって起こるケースもあります。脳動静脈奇形とは、脳の動脈と静脈をつなげる部分が「ナイダス」と呼ばれるとぐろを巻いたような固まり(奇形)になっている病気です。 奇形の部分は正常な血管よりも壁が薄いため破れやすく、20〜40代の若い人が脳出血になる原因の一つといわれています。 なお、奇形自体が痛みなどの症状を起こすことは、ほとんどありません。「脳出血」「頭痛」「てんかん発作」などの病気が出て見つかる、偶然受けた脳の検査で見つかるなどのケースが一般的です。 【今すぐできる】脳幹出血を予防する4つの方法 今すぐできる脳幹出血の予防方法は、以下の4つです。 減塩する 大量飲酒・喫煙を控える 肥満を解消する ストレスを溜めない 本章の内容をもとに脳幹出血の原因となる「高血圧」「動脈硬化」などのリスクを減らし、脳幹出血を予防しましょう。 減塩する 脳幹出血の大きな原因である「高血圧」の予防には「減塩」が有効です。 食塩摂取量の目標は、「健康日本21(第三次)」の目標値では7.0g未満、「日本人の食事摂取基準(2020年版)」の目標量では、成人男性で7.5g未満、成人女性で6.5g未満とされています。(文献3)(文献4) 日本人は、食生活のなかで食塩の量が多くなりがちです。 以下に、厚生労働省が発信している減塩のコツを紹介します。ぜひ参考にして、毎日の食生活を見直してみてください。 1.漬物は控える 自家製浅漬けにして少量に 2.麺類の汁は残す 全部残せば2~3gの減塩になる 3.新鮮な食材を用いる 食材の持ち味で薄味の調理 4.具だくさんの味噌汁にする 同じ味付けで薄味の調理 5.むやみに調味料を使わない 味付けを確かめて使う 6.低ナトリウムの調味料を使う 酢、ケチャップ、マヨネーズ、ドレッシングを上手に使う 7.香辛料、香味野菜や果物の酸味を利用する こしょう、七味、ショウガ、柑橘類の酸味を組み合わせる 8.外食や加工食品を控える 目に見えない食塩が多く含まれている。塩干物にも注意する 引用: e-ヘルスネット(厚生労働省) 大量飲酒・喫煙を控える 大量の飲酒は、脳出血はもちろんのこと、脳梗塞やくも膜下出血のリスクも上昇させます。お酒の飲みすぎは避けましょう。 1日あたりの飲酒量の目安を、以下に紹介します。 ビール:中瓶1本500ml 清酒:1合180ml ウイスキー・ブランデー:ダブル60ml また、たばこの煙に含まれる有害物質は動脈硬化を起こし、脳出血をはじめとする脳の病気のリスクを高めます。(文献5) たとえば、たばこを吸う人は吸わない人に比べ、男性で1.3倍、女性で2.0倍脳卒中(脳出血・クモ膜下出血・脳梗塞)になりやすいというデータもあります。 お酒の飲みすぎとたばこは、どちらも控えるようにしましょう。 肥満を解消する 肥満の解消も、高血圧に伴なう動脈硬化や脳出血のリスク軽減に役立ちます。 具体的には以下の内容を試してみてください。 週に2~3回、20~30分程度の運動を行う(ウォーキング・息が上がらない程度のジョギング・サイクリング・水泳など) バランスの良い食生活を心がけ、高脂肪、高炭水化物の食事は避ける ストレスを溜めない 過剰なストレスは血管の収縮を引き起こし、血圧を上昇させるため、脳出血の原因となります。 また、ストレスを溜めると、高血圧の原因になる暴飲暴食や過剰な飲酒、喫煙などにつながり、脳出血の間接的な原因になりかねません。(文献6) ストレスを溜めないよう「生活習慣を整える」「困ったことがあれば誰かに相談する」などを、心がけてみてください。 脳出血とストレスの関係については、以下の記事も参考にしてください。 まとめ|生活習慣を見直して脳幹出血を未然に防ごう 本記事では、脳幹出血の概要や主な原因、予防策などを詳しく解説しました。 「脳幹出血」は脳出血の一種で、呼吸や言語機能に関連する「脳幹」から出血する病気です。最大のリスクは高血圧による動脈硬化ですが、血管の奇形によって起こる人もいます。 脳幹出血を防ぐには、高血圧にならないことが重要です。日頃から食生活や運動などに気を配ると良いでしょう。 当院「リペアセルクリニック」では、再生医療(幹細胞治療)による脳卒中の再生医療を実施しています。通常の保険診療では難しい壊れた脳細胞の再生も、再生医療なら可能です。 当院ではメール相談やオンラインカウンセリングも実施していますので、お気軽にお問い合わせください。 この記事が脳幹出血の基本的な知識を知るのに役立ち、効果的に予防できるきっかけになれば嬉しく思います。 脳幹出血についてよくある質問 脳幹出血を起こしても助かりますか。 少しでも早く治療を受けることが大切です。脳幹出血は、その部位の役割や特徴から、生命に直結する危険性もある病気です。ただ、早く治療を開始できれば、命が助かる可能性ももちろんあります。 日頃から、高血圧予防などの生活習慣改善に努め、健康診断などを受けて体調管理をしておくことがおすすめです。 脳幹出血は再発するとどうなりますか。 脳幹出血が再発すると、さらに重い後遺症が出ると考えられます。今までダメージが最小限に抑えられていた部分もダメージを受けると、より言語や呼吸の機能が低下するからです。場合によっては、命に関わるケースもあります。 再発を防ぐために、脳幹出血になったことのある人は、医師の指示にしたがってしっかりと血圧のコントロールを行いましょう。 参考文献一覧 文献1 Ten year recurrence after first ever stroke in a Japanese community: the Hisayama study J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2005 Mar;76(3):368-72. doi: 10.1136/jnnp.2004.038166. 文献2 e-ヘルスネット(厚生労働省) 文献3 健康日本 21(第三次)推進のための説明資料 厚生労働省 文献4 日本人の食事摂取基準(2020 年版)厚生労働省 文献5 男女別、喫煙と脳卒中病型別発症との関係について 国立がん研究センター 文献6 舛形尚 ほか.高血圧外来患者の精神的ストレスと血圧コントロールの関係.日本病院総合診療医学会雑誌 2017:12(2)p13-17
2023.06.29 -
- 脳梗塞
- 脳卒中
- 頭部
脳梗塞にはどんな合併症があるのだろう? 合併症が起きたらどうなるのかな。 この記事を読んでいるあなたは、脳梗塞にはどのような合併症が起こるのか、不安に思っているのではないでしょうか。「どのように治療されるか知りたい」と思っているかもしれません。 結論、脳梗塞には代表的な5つの合併症があります。各合併症は原因や症状が異なり、完全に防ぐのは困難です。 本記事では、脳梗塞の合併症について、種類や治療法、予防法を解説します。記事を最後まで読めば、脳梗塞の合併症についての基本的な内容がわかり、看護・介護にも役立つでしょう。 脳梗塞の代表的な5つの合併症 脳梗塞には、以下5つの合併症があります。 【発熱して熱が続く】体温調節障害 誤嚥性肺炎 脳や消化管からの出血 血管性認知症 サルコペニア 本章の内容をもとに、合併症の症状・概要を理解しておきましょう。 【発熱して熱が続く】体温調節障害 脳梗塞の合併症として、発熱が続く体温調節障害が起こることがあります。 体温は脳の中枢で管理されており、脳が障害を受けると体温調節中枢も障害され、発熱することがあるのです。 なお、重度の脳卒中の場合、発症から数時間後に大幅に体温が上昇するケースもあります。(文献1) 誤嚥性肺炎 誤嚥性肺炎とは、自分のつばや痰、食べ物などが、食べ物の通り道「食道」に入らずに、呼吸をつかさどる「気管」に入るために起こります。食べ物が気管に入ったときに細菌をいっしょに吸い込むことで、肺炎となるのです。(文献2) 誤嚥性肺炎は、脳梗塞の影響で飲み込み機能が落ちている方や、意識障害が起きている方によくみられます。 代表的な症状は、以下のとおりです。 発熱 咳 膿のような痰 しかし、「なんとなく元気がない」「食欲がない」など、呼吸に関係のないあいまいな症状のみが出るケースも珍しくありません。 脳や消化管からの出血 脳梗塞を起こした人は、再発を防ぐために「血液をサラサラにして詰まりにくくする薬」を服用するケースが多くあります。 しかし、血液をサラサラにする薬には、血管が詰まりにくくなる効果がある一方、脳や消化管(胃や腸)の出血が起こりやすくなる副作用もあります。 脳や消化管からの出血による健康上の不安点は、以下のとおりです。(文献3) 脳出血:麻痺の悪化や死亡のリスクがある 消化管出血:貧血によって全身状態が悪化するリスクがある 副作用はあるものの、血液をサラサラにする薬は脳梗塞の再発予防に欠かせない薬です。 医師・看護師・薬剤師による薬の説明をよく聞き、注意点を守ることが大切です。 血管性認知症 脳梗塞によって、「血管性認知症」という記憶の乱れや運動麻痺などの認知症があらわれるケースがあります。血管性認知症は、認知症の中でアルツハイマー型認知症に次いで2番目に多い病気で、おもな症状は以下のとおりです。(文献4) 認知症:実行機能障害や注意障害 非均一な高次機能障害:俗にいう「まだら認知症」 局所脳機能障害:運動麻痺、構音・嚥下障害、脳血管性パーキソニズム どのような症状が出るかは、脳梗塞によって機能が低下した脳の部位や、機能障害の程度によって異なります。 サルコペニア サルコペニアとは、全身の筋肉量が減り、筋力が低下する状態です。筋肉が落ちると寝たきりになりやすく、死亡リスクも高くなることがわかっています。(文献5) 脳卒中を発症して2週間たった状態では、45.5%の人がサルコペニアになっていたという報告もあるのです。 当院「リペアセルクリニック」では、脳梗塞を含む脳卒中に対する再生医療(幹細胞治療)をおこなっています。また、治療と並行して理学療法士、柔道整復師、鍼灸師などを含むチーム体制によるリハビリテーションも可能です。 ご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」で受け付けています。どうぞ気軽にお問い合わせください。 脳梗塞の合併症が起こる原因は症状によって異なる 脳梗塞の合併症が起こる原因は、以下のとおりです。(文献6) 合併症の種類 原因 体温調節障害 視床下部の損傷 脳血流の病理学的変化 代謝異常 神経性炎症反応 誤嚥性肺炎 細菌感染(肺炎球菌・口の中の常在菌) 脳や消化管からの出血 血液をサラサラにする薬の効きすぎ 血管性認知症 脳梗塞による脳細胞のダメージ サルコペニア 寝たきりによる筋肉量の低下 それぞれの合併症は起こる原因が異なり、完全な予防は難しいのが現実です。 脳梗塞の合併症が起こったときの対処法 脳梗塞の合併症が起こったときのおもな対処法は、以下のとおりです。(文献2)(文献4)(文献7) 合併症の種類 対処法 体温調節障害 通常は解熱鎮痛薬で対処的に治療 誤嚥性肺炎 基本的には抗菌薬の投与をおこなう 場合によっては酸素を投与する 口腔ケアの徹底や飲み込む力を高めるリハビリにより、予防に努める 脳や消化管からの出血 血液をサラサラにする薬を一時的に中止する 血液製剤や血小板輸血等の投与を考慮する 脳内出血の場合は血圧を下げる出血を止める薬を投与する 血管性認知症 血圧コントロールや生活習慣の適正化による脳梗塞の再発予防が重要とされる 脳の循環をよくする薬を投与するケースもある 身体機能の低下を防ぐリハビリをおこなう サルコペニア リハビリをはじめとする運動療法をおこなう アミノ酸の摂取を増やす栄養療法をおこなう サルコペニアを防ぐために、早めからのリハビリをおこなう 脳梗塞の発症後は、合併症ができるだけ起こらないよう、薬の量や体調変化を慎重に観察しながら治療をおこないます。どの合併症も早めの対応が重要なため、気になる症状がある場合はすみやかに受診しましょう。 脳梗塞後のリハビリについては、以下の記事も参考にしてください。 まとめ|脳梗塞の合併症がみられたらすぐに受診しよう 脳梗塞は、「体温調節障害」「誤嚥性肺炎」「脳や消化管からの出血」「血管性認知症」「サルコペニア」などの合併症リスクがあります。 合併症を完全に防ぐのは困難なため、気になる症状がみられたらすぐに受診するようにしましょう。 当院「リペアセルクリニック」は、脳梗塞をはじめとする脳卒中に対して再生医療(幹細胞)をおこなっています。再生医療は、脳梗塞後の後遺症が改善する、リハビリ効果を高める、再発予防になるなどの効果が期待される治療法です。 再生医療へのご質問・ご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」で受け付けております。気になる点がありましたら、どうぞ気軽にご相談ください。 \まずは当院にお問い合わせください/ 脳梗塞の合併症についてよくある質問 脳梗塞になりやすい人の特徴は何? 脳梗塞の危険因子として「生活習慣病」が挙げられます。 高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙、肥満などがリスクとなるため、健診で異常を指摘されている方は早めに治療を受けるようにしましょう。 脳梗塞になりやすい人については、以下の記事で詳しく説明しています。 脳梗塞の前兆にあたる症状は? 脳梗塞の前兆とは「急に手足や顔の麻痺やしびれが出る」「言葉が出てこない」などです。 これらの症状は時間が経つと改善するケースもありますが、「一過性脳虚血発作」といわれる脳梗塞の前兆の可能性があります。原因は、動脈硬化や心臓の病気などにより一時的に脳の血流が悪くなることです。 脳梗塞になる危険性があるため、一過性脳虚血発作がみられたらすぐに受診しましょう。 脳梗塞の前兆については、以下の記事も参考にしてください。 脳梗塞の合併症を予防する方法は? 現代の医学でも、合併症の完全な予防は困難です。合併症のリスクを下げるために、医師、看護師の指示を守り、適切な治療を受けましょう。 また、胃潰瘍の既往がある方は、胃酸の分泌を抑えるお薬を服用して消化管出血のリスクを下げる場合もあります。 参考文献一覧 文献1 Boysen G, Christensen H. Stroke severity determines body temperature in acute stroke. Stroke. 2001 Feb;32(2):413-7. doi: 10.1161/01.str.32.2.413. PMID: 11157175. 文献2 誤嚥性肺炎|日本呼吸器学会 文献3 重篤副作用疾患別対応マニュアル|出血傾向 文献4 猪原 匡史,血管性認知症,日本内科学会雑誌109:1519~1525,2020 文献5 田中 勝人,田中 健太,巨瀬 拓也,高橋 雅幸,釜﨑大志郎,大田尾 浩,急性期脳卒中患者のサルコペニアの有病率と特性,理学療法さが・第7巻第1号・21~27,2021年2 月 文献6 Gowda R, Jaffa M, Badjatia N. Thermoregulation in brain injury. Handb Clin Neurol. 2018;157:789-797. doi: 10.1016/B978-0-444-64074-1.00049-5. PMID: 30459041. 文献7 サルコペニア診療ガイドライン2017年度版|日本サルコペニア・フレイル学会
2023.04.19 -
- 脳卒中
- 頭部
- 頭部、その他疾患
・押すと痛い頭にコブができて困っている ・押すと痛い頭のできもの(こぶ)の原因を特定したい ・押すと痛い頭のできもの(こぶ)を早く治したい 上記のようなお悩みを抱えている方の一助となるべく、本記事では「押すと痛い頭のできもの」について解説します。 痛みが生じる頭のできもの(こぶ)で考えられる疾患から、受診の目安や受診先の提案まで詳細に紹介しているので参考に確認いただきつつ、早急に問題を解決したい方は当クリニックにご相談ください。 押すと痛い頭のできもの(こぶ)は何?考えられる疾患を紹介 シャンプーで頭皮に触れたときや髪をかきあげたときなど、ふとしたタイミングで頭に「こぶ」ができていることに気づいた経験はありますか? 放置により自然治癒した場合は問題ありませんが、押したり触れたりすることで痛みが生じる場合は不安ですよね。 そこでこの項目では、押すと痛い頭のできものの原因やこぶの種類について紹介します。 頭にできる「こぶ」の種類 まずは頭にできるこぶの種類を把握しておきましょう。 頭のこぶは大きく、皮下血腫・感染症・皮膚炎・腫瘍に分類されます。各こぶの症状や特徴を順番に見ていきましょう。 皮下血腫(たんこぶ) 皮下血腫はいわゆる「たんこぶ」のことです。頭をぶつけた際に、皮膚の近くの血管が切れてしまい、血溜まりを作ってしまった状態です。 皮下血腫自体は特に治療をせずに治ることが多いですが、頭を打撲して嘔吐したり、意識が低下したり、打撲した前後のことを覚えていなかったりする場合にはすぐに受診をするようにしましょう。 感染(ニキビ) ニキビは皮脂が毛穴を閉塞し、アクネ菌が増殖することで炎症を起こします。ニキビといえば顔のイメージがありますが、頭皮にも起こることはあります。 肌荒れを含むニキビの発生要因は免疫力が関わっているケースがあることから、何度も繰り返し継続的にニキビができてしまう状態はあまりよろしくありません。 また、毛包炎・毛嚢炎は毛穴に黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌などの皮膚常在菌が感染することで炎症を起こす疾患です。どちらも菌により炎症が起こるので、押すと痛い、赤く腫れることがあるのが特徴です。 ▼免疫については下記をご確認ください 皮膚炎 頭皮がシャンプーや整髪料、髪染めなどに反応してしまい、炎症を起こす接触性皮膚炎もこぶ・できものの原因になります。ただれ、水ぶくれが多く、大きなしこりはあまり起こりません。原因となるものを使用しないことが重要です。 腫瘍 腫瘍には良性のものと悪性のものがあります。医療機関でのご相談をお勧めします。 良性の腫瘍(粉瘤・脂肪腫) 良性の腫瘍には「粉瘤(ふんりゅう)」があります。粉瘤は、毛穴の一部に皮脂などが溜まって、袋状となった良性の腫瘍です。柔らかいしこりとして触れ、痛みはあまりありません。 内部で細菌が増殖して炎症を起こしてしまうと、痛くなったり膿が出たりすることがあります。脂肪腫も良性の腫瘍です。同じく、柔らかいしこりとして触れます。 悪性の腫瘍 頭皮にできる悪性腫瘍には、「有棘細胞癌」や「悪性黒色腫」があります。触るとごつごつしたり、硬いという特徴があります。また、潰瘍となって液体が出てきたり、血がでたりすることもあります。 一般に良性のものでは大きさは変わらずに経過することが多いです。しかし、小さな「イボ」として感じていたものがどんどん大きくなっている、血が出ているなどは悪性を疑う情報となります。 「こぶ」と脳卒中の関係は? 頭は外面から、皮膚・骨膜・頭蓋骨・硬膜・くも膜・軟膜・脳とたくさんの層構造になっています。 頭蓋骨という非常に硬いもので分け隔てられているので、皮膚のできものと脳卒中に直接的な関係はありません。イボやこぶとして触れる病気は、主に頭の皮膚に起こることが多いです。 逆に脳卒中になっても、頭皮にこぶができることもありません。くも膜下出血の原因となる脳動脈瘤も、皮膚の上から触れるものはありません。脳卒中が考えられる症状は、突然起こることが特徴です。 脳の発症部位によりその症状は様々ですが、代表的な脳卒中の症状は、以下のようなものです。 【注意!】頭の「こぶ」で受診したほうが良いケース こぶや、しこりが赤く腫れて痛い場合、膿が出てくる場合は感染症の可能性があります。切開や抗菌薬を投与したほうが速やかに治る可能性があるため、数日待っても良くならない場合は受診をおすすめします。 こぶやしこりが大きくなっていたり、数が増えたりする場合は悪性腫瘍を考えなければなりません。早めの受診をしましょう。 また、頭をぶつけた際にできたこぶが、どんどん大きくなっている、意識の状態が悪くなっている、話しづらさや手足の動きづらさが出てきたりするなどの場合は、早急に受診をするようにしましょう。 頭の「こぶ」についてよくある質問 頭にできるコブについて患者様から、よく頂く質問から抜粋して記載します。 小さな時からある頭の「こぶ」は、どうしたらよいですか? 幼少期から長期間ある場合は、重篤な病気である可能性はそこまで高くはないでしょう。見た目として気になる場合、赤みや痛みなど新しい症状がでた場合、大きくなる場合は受診するようにしましょう。 頭の「こぶ」は何科を受診したら良いですか? 皮膚科は形成外科を受診するのが良いでしょう。 頭のこぶやしこりが気になるのなら、皮膚科もしくは形成外科を受診しましょう。頭をひどくぶつけて、皮下血腫(たんこぶ)ができた際には、脳外科を受診するのが良いでしょう。 受診する際は、いつ頃からできているか、できものに心当たりはあるか、痛みはどうか、他に症状がないかを言えるようにすると、正確な診断に繋がりやすいです。 頭の「こぶ」に痒みがある場合どうしたら良いですか? まずは頭を清潔にしましょう。シャンプーや整髪料を変えたなどがあれば、一時的に使わずに様子を見るのがおすすめです。 かゆみがひどくて掻きむしってしまう場合は、皮膚科などを受診するとよいでしょう。 まとめ|頭のできもの(こぶ)に少しでも異常を感じたら早急に受診をしよう! 頭の「こぶ」は自分では見えない部分なのでより不安にも感じやすいと思います。 「こぶ」の原因は、皮下血腫、感染症、皮膚炎、腫瘍などさまざまな原因が考えられます。一般的には良性のものが多いのですが、痛みや腫れがひどい場合や、悪性腫瘍が疑われる場合は、早めの受診をお考え下さい。 尚、頭皮の「こぶ」と脳卒中との関係はありませんし、頭のこぶが脳卒中の前兆というわけでもありません。脳卒中の症状は突然起こることが特徴的であり、言葉が出づらい、手足の動きが鈍くなるなどの症状があります。 頭に「こぶ」ができた際は、症状や変化に注意し、必要に応じて早めに医師の診断を受けることが重要です。 特に痛みや膿がある場合、大きくなっている場合、数が増えている場合は、感染症や悪性腫瘍の可能性があるので、お近くの皮膚科や形成外科、脳外科など、早急に受診をしたほうが良いでしょう。 この記事がご参考になれば幸いです。
2023.04.17 -
- 脳卒中
- 頭部
- 頭部、その他疾患
頭痛はありふれた症状であるものの、同時に吐き気を伴って悩んでいる方もいるのではないでしょうか。 頭痛といってもさまざまなタイプがあり、とくに同時に吐き気の症状が現れるケースには注意が必要です。 この記事では、吐き気を伴う頭痛にはどのような疾患があるのか、どのように対処すべきかをご紹介します。危険な頭痛とそうでない頭痛を知ることで、今の状態にあわせた対策がとれるようになるでしょう。 頭痛と吐き気があるときに注意すべき症状【該当する場合はすぐに受診を】 頭痛にはいくつかの種類があり、大きく「一次性頭痛」と「二次性頭痛」の2つに分類できます。一次性頭頭痛は、原因となる疾患が特定できない種類の頭痛です。 一方で、二次性頭痛は原因の疾患が特定できる頭痛のことです。 頭痛に加えて吐き気がある場合、二次性頭痛の可能性があり、そのほかにも以下のような特徴があります。 このような症状や状態に心当たりがある場合、脳卒中の発症リスクもあるため、医療機関への受診をおすすめします。 頭痛には「吐き気を伴う怖い頭痛」と「怖くない頭痛」がある 頭痛には、吐き気を伴う怖いものと怖くないものがあります。一次性と二次性に当てはまる頭痛の詳細について、以下の表にまとめました。 このように、一次性頭痛は厄介な種類が多いものの、二次性頭痛と比べると命に関わることは少ないといえます。とくに多くの方が経験する頭痛は一次性の緊張型頭痛であり、この場合はそこまで心配する必要はありません。 吐き気を伴う怖い頭痛の種類 吐き気を伴う怖い頭痛としては、おもに以下の3つがあげられます。 脳卒中 髄膜炎 片頭痛 ここでは、それぞれの詳細について解説します。 脳卒中 脳卒中とは、脳の血管が破れたり詰まったりすることで起こる疾患の総称です。具体的には、以下の3つに分類されています。 脳梗塞 脳出血 くも膜下出血 脳卒中による頭痛は吐き気を伴うことが多く、脳出血や脳梗塞の場合は、そのほかにも以下のような症状を合併するケースもあります。 意識障害 ろれつの悪さ 視野の狭窄 ふらつき めまい くも膜下出血の場合は突然発症し、今までに経験したことがない強い頭痛が現れるのが特徴です。このような症状がある場合は、すぐに病院を受診しましょう。 脳卒中の前兆について知りたい方は、以下の記事で詳しく解説しています。興味がある方はぜひこちらもご覧ください。 髄膜炎 髄膜炎は、脳や神経を包む「髄膜」という膜に炎症が起きたものです。おもな原因は細菌やウイルスなどですが、がんや薬剤によって発症するケースもあります。 以下のような症状のほか、「髄膜刺激症状」という首を前に曲げると現れる痛みが特徴的です。 頭痛 嘔吐 発熱 下痢 このような症状から、風邪と間違われることも珍しくありません。髄膜炎は子どもでも起こることがあり、頭痛や嘔吐がみられる場合はすぐに医療機関を受診して検査を受けてください。 片頭痛 吐き気を伴う一次性頭痛として割合が多いのが、片頭痛です。片頭痛は20〜40代の女性に多く発症し、こめかみから側頭部にかけてズキズキと脈打つような頭痛が生じます。 また、頭痛が起きる前には閃輝暗点(せんきあんてん)という、視野にギザギザした光がちらつく前兆が現れる場合もあります。 片頭痛を発症した際は光や音、においなどが過敏になる場合があるため、暗く静かな場所で安静にすると良いでしょう。血管が広がって血行がよくなると症状が悪化する恐れがあるので、以下のような行動はなるべく避けてください。 長風呂をする マッサージを受ける お酒を飲む 片頭痛がひどい場合は、医療機関を受診して症状をやわらげるための薬を処方してもらいましょう。 怖くはないが厄介な頭痛の種類 命に関わるような症状は現れないものの、厄介な頭痛はいくつかあります。ここでは、そのような頭痛についてご紹介します。 緊張型頭痛 緊張型頭痛とは、身体・精神的なストレスによって起こる頭痛のことです。多くの方が経験する頭痛は、基本的にこの種類とされています。 筋肉の凝りや精神的な問題が関係しているとされていますが、明確な原因はわかっていません。頭が締め付けられるような痛みを伴うものの、問題なく仕事や家事を行えるケースが多い傾向にあります。 しかし、症状が慢性化すると日常生活に悪影響が現れる場合があります。 群発頭痛 群発頭痛とは、目の奥や頭の側方に強い頭痛が起こる種類のものです。頭痛が続く時間は約15〜180分とムラがあり、頻度も2日に1回、多い場合は1日に何度も発症することがあります。 一度発症すると、毎日頭痛による発作が繰り返し起こるのも特徴です。激しい痛みのほかにも、充血や眼瞼下垂(まぶたが下がること)などの症状が現れることがあります。 頭痛の予防法・対処法 ここでは、頭痛の予防法や起きた際の対処法について解説します。頭痛による症状の原因や治し方などについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。興味がある方は、ぜひこちらもご覧ください。 医療機関を受診する 頭痛に悩んでいる場合は、まずは医療機関への受診がおすすめです。無視できないような頭痛を放置すると、命に関わる恐れもあります。 なかには頭痛ではなく、別の病気の可能性も考えられます。頭痛は脳卒中や髄膜炎など、脳に関係する病気の症状として現れるケースもあるので、心配な方は脳ドックを受けるのも良いでしょう。 \まずは当院にお問い合わせください/ 頭痛のパターンを記録する 頭痛のパターンを記録しておくことで、発症のタイミングを把握して対処しやすくなります。頭痛は種類によっては、一定のパターンで起こるものもあります。 たとえば、片頭痛や緊張型頭痛にはパターンがあり、どのタイミングで起こるのかある程度の予測が可能です。頭痛が起きたタイミングを記録しておくことで、いつ薬を服用すべきかがわかるでしょう。 まとめ|吐き気を伴う頭痛は早めの受診を! 頭痛は誰もが経験したことがある一般的な症状で、おもに一次性と二次性の2種類に分かれています。 一次性頭痛は命に関わることは少ないですが、二次性頭痛は種類によっては深刻な状況に陥る可能性があります。とくに吐き気を伴う頭痛は、脳卒中や髄膜炎などの深刻な病気のサインのケースもあるでしょう。 頭痛時に吐き気の症状がある場合は、早めに医師の診察を受けることが重要です。いつもと違う頭痛の症状だと思ったら、医療機関を受診してください。 吐き気を伴う頭痛に関するよくある質問 ここでは、吐き気を伴う頭痛に関するよくある質問についてお答えします。頭痛に関して気になることがあれば、ぜひこちらも参考にしてみてください。 Q. 片頭痛持ちですが、食事で気を付けることはありますか? A. 以下のような食べ物は、片頭痛を誘発する可能性がある「アミン類」を含んでいるため、できるだけ控えたほうが良いとされています。 赤ワイン チョコレート チーズ ピーナッツ 豚肉 また緑茶やコーヒーなどに含まれているカフェインも、摂取しすぎると頭痛を悪化させる原因となるのでこちらも控えましょう。 Q. デスクワークだと頭痛が起こりやすいですか? A. ストレスや長時間のデスクワークは、「緊張型頭痛」を発症する原因とされています。同じ姿勢が長時間続くと、頭や首の筋肉の緊張が高まりやすくなり、頭が締め付けられるような痛みにつながります。 同じ姿勢を避けるために、30分に1回程度は休憩をとるようにしましょう。また、肩や首などをストレッチして、凝り固まった筋肉をほぐすのもおすすめです。
2023.04.10 -
- 脳卒中
- 頭部
- 脳出血
脳出血が起きたら予後は良くないの? 脳出血で後遺症が残らない確率はどのくらい? 脳出血になったら余命は短いの? 脳出血が起きたら予後が悪いと聞いて、心配になっていませんか? 本人はもちろん、ご家族にとっても余命がどのくらいで、退院後の生活がどうなるのか想像できないと不安ですよね。 結論、脳出血は予後が悪い病気ですが、早期に適切な治療をすれば改善することもあります。 実際に重度の後遺症なしで退院後に自宅で過ごせる確率は約26%と報告されています。 脳出血が起きたあとの経過について正しく理解し、治療やリハビリ・予防を続けることが大切です。 本記事では脳出血後の予後や余命を解説します。 回復過程についても説明していますので、最後まで読んで退院後の過ごし方の参考にしてください。 参照:「脳卒中レジストリを用いた我が国の脳卒中診療実態の把握(日本脳卒中データバンク)報告書 2022年」 脳出血の予後を予測する上で知っておきたい2つのこと 脳出血の予後を決めるのは、以下の2つです。 脳出血のタイプ 発症時の意識レベル 2022年の脳卒中データバンクによると、脳出血の割合は脳卒中全体の18.0%と高くないものの、入院中に13.8%が亡くなると報告されてます。 脳梗塞と比較すると予後が悪く、後遺症に悩む人も少なくありません。 脳出血の予後について正しく理解し、治療の見通しを立てましょう。 参照:「脳卒中レジストリを用いた我が国の脳卒中診療実態の把握(日本脳卒中データバンク)報告書 2022年」 脳出血の後遺症でお悩みの方はお気軽にご相談ください お電話でのお問い合わせ 0120-706-313(受付時間:09:00〜18:00) メール相談 メール相談はこちらから(無料) 来院予約 来院予約はこちらから 脳出血の発症で死亡してしまう方に多いタイプ 脳出血で死亡してしまう方が多いタイプは以下の通りです。 血腫の量が多い 混合型の出血 脳幹の出血 急性閉塞性水頭症の合併 特に血腫量が多い場合や水頭症を合併している場合は手術が適応になることがあります。 2022年のデータでは急性期に手術した割合は12.6%と報告されており、 重症例と考えられるでしょう。 時間の経過とともに症状が進行するので、予後を悪化させないためには急性期の治療が重要です。 参照:「脳卒中レジストリを用いた我が国の脳卒中診療実態の把握(日本脳卒中データバンク)報告書 2022年」 ▼脳出血の中でも生存率の低い脳幹出血について知りたい人は以下の記事もご覧ください。 脳出血の予後は発症したときの意識レベルで変わる 脳出血の予後や死亡率は発症時の意識レベルに大きく影響を受けます。一般的に発症時に意識状態が悪いほど、後遺症も重くなり、死亡率が高くなるからです。 実際に2022年のデータでは、19.6%の方は脳出血を発症し、来院した時には昏睡状態(Japan Coma Scale 100以上)だったと示されています。 まずは脳出血を発症させないよう日々の血圧管理が必要ですが、発症したらすぐに受診することも予後をよくするためには重要です。 参照:「脳卒中レジストリを用いた我が国の脳卒中診療実態の把握(日本脳卒中データバンク)報告書 2022年」 脳出血の回復過程は3段階【適切なリハビリが必要】 脳出血を起こした後の回復過程には、以下の3段階があります。 急性期【発症~2週間】 回復期【急性期後~6カ月】 生活期【6カ月以降】 2022年の脳卒中データバンクによると、脳出血後のリハビリとして86.4%の人が理学療法を、84.4%の人が作業療法を、74.3%の人が言語聴覚療法を受けています。 段階に応じた治療・リハビリが必要ですので、概要を確認しておきましょう。 参照:「脳卒中レジストリを用いた我が国の脳卒中診療実態の把握(日本脳卒中データバンク)報告書 2022年」 ▼脳出血の後遺症やリハビリについて詳しく知りたい人は以下の記事もご覧ください。 急性期【発症~2週間】 急性期は発症直後から2週間程度です。 出血が広がらないように血圧を下げる治療や呼吸・循環を補助する治療や場合によって手術が行われます。急性期のリハビリは筋肉が衰えたり、関節が固くなったりしないよう無理のない範囲で行います。 回復期【急性期後~6カ月】 回復期は、急性期の終了後から6カ月までの期間です。 麻痺や動作の障害には理学療法や作業療法、しゃべり辛さや飲み込みの障害には言語聴覚療法を行います。 生活期【6カ月以降】 生活期には軽めの運動を取り入れながら、生活の範囲を広げ、動作に慣れるリハビリを行っていきます。 脳出血を発症した際の余命や後遺症なしの確率【平均余命12年】 発表済みのデータによると、脳出血を発症した際の平均余命は約12年、重大な後遺症なく退院して自宅で過ごせる方は約26%です。 脳出血は脳の血管が破れて出血する病態なので、出血が脳の重大な機能を司る箇所に影響を与える可能性があります。回復できるかどうかは出血の程度や治療の速さにかかっており、発症時に早期に治療へ結びつけることが大切です。 脳出血の1年以内の再発率は25%、5年以内の再発率は50%との報告もあります。余命を延長し後遺症が残る確率を減らすなら、脳出血を起こさないよう、また起きた後も再発しないよう血圧コントロールを継続しましょう。 参照:「脳卒中レジストリを用いた我が国の脳卒中診療実態の把握(日本脳卒中データバンク)報告書 2022年」 まとめ|脳出血を起こしたらすぐに病院へ受診を 脳出血の予後を良くするためには、発症してからできるだけ早く治療を始める必要があります。 脳出血が起きた箇所やタイプにもよりますが、発症から時間が経つほど症状は悪化し、意識レベルが低くなってしまいます。 意識レベルが低いほど後遺症の残る確率が上がるので、発症したらすぐに救急車を呼んで治療を受けるようにしましょう。 万が一、後遺症が残ってしまい痺れや麻痺でお困りの場合は、リペアセルクリニックへご相談ください。 ▼脳出血の再生医療について詳しく知りたい人は以下の記事もご覧ください。 脳出血の後遺症でお悩みの方はお気軽にご相談ください お電話でのお問い合わせ 0120-706-313(受付時間:09:00〜18:00) メール相談 メール相談はこちらから(無料) 来院予約 来院予約はこちらから 脳出血を発症した場合についてよくある質問 Q.脳出血は治りますか。 A.完治することはありませんが、適切に治療をすれば残っている機能を回復させることができます。特に問題になる後遺症は、軽度であればリハビリを通して回復が期待できます。重度の場合は難しいケースもありますが、再生医療が役に立つ可能性がありますので、一度リペアセルクリニックへご相談ください。 Q.脳出血を発症したあとに後遺症なしの確率はどのくらいですか。 A.2022年の脳卒中データバンクによると、退院時に自宅に戻れた人は約26%です。 一方、リハビリ目的の施設へ退院した人が約68%なので、生活機能が低下して自宅で過ごせないほどの後遺症が残ってしまうケースが多いことが分かります。 参照:「脳卒中レジストリを用いた我が国の脳卒中診療実態の把握(日本脳卒中データバンク)報告書 2022年」 Q.脳出血の予防方法はありますか。 A.血圧をコントロールすることです。脳出血の原因は、高血圧性脳出血が約8割と最も多いです。 高血圧は基本的には無症状ですが、動脈硬化による脳梗塞や脳出血の原因になってしまいます。異常値を指摘されている方は、早めに医療機関を受診して治療を始めましょう。 ▼脳出血の予防方法や原因について詳しく知りたい人は以下の記事もご覧ください。 Q.意識障害はよくなりますか。 A.出血した場所、出血の量によって異なりますが、適切な治療で改善するケースがあります。 意識障害を起こしている場合は、脳幹という神経が集まっている部位の出血や、出血の量が多く脳が浮腫を起こしている可能性があります。そのため、血圧を下げる、浮腫を和らげる、呼吸を補助するといった治療が必要です。 ただし、損傷した神経自体を回復させる治療はまだないため、重度の意識障害では症状が残る可能性が高くなります。 脳出血を発症しないように、血圧管理を含めて日常的な生活習慣に気をつけることが重要です。 Q.脳出血はどこまで回復しますか。 A.脳出血による後遺症が回復するかどうかは、発症時の症状とその後リハビリにより大きく異なります。 発症した時に意識障害がある場合や高度の麻痺がある場合には、一般的に後遺症が残ってしまいます。また、発症後6ヶ月までは回復する見込みがあるので、集中してリハビリを行うことが勧められます。 ご自身の想定される回復の程度やリハビリが必要な期間については、担当の医師とよく相談するようにしましょう。 ▼脳出血の後遺症・リハビリについて詳しく知りたい人は以下もご覧ください。
2023.04.05 -
- 脳卒中
- 頭部
- 頭部、その他疾患
「頭を打つと危ない場所はある?」 「おでこを打ったけど、放置して良いの?」 日常生活のなかで、頭・おでこを打った経験がある方も多いのではないでしょうか。 立ち上がろうとして頭を打ったり、転倒や階段から落ちたりするなど、さまざまな状況で頭を打つ可能性があります。 頭を打つとより危ない場所や問題のない場所はありません。 打った部位と強さによっては、危険な症状が出る場合もあるでしょう。では、どのような打ち方が良くないのでしょうか。 今回の記事では、頭・おでこを打ったときに見られる危険な症状や、起きやすい病気を含めて詳しく解説していきます。 最後まで読んでいただければ、頭を打ったときにどのような危険があるのかを理解できるはずです。 また、頭を打ったときは自己判断しないように注意をしながら、早めに医療機関を受診してみてください。 頭を打つと危ない場所【おでこ以外も危険】 頭の部位にかかわらず、頭を打つこと自体が危険です。 頭には人間らしさをコントロールするために重要な前頭葉などの脳があるため、打ち方によっては脳に損傷を与えてしまい、危険な状態に陥る場合があります。 たとえば、側頭部(耳の上部分・こめかみの辺り)は、頭蓋骨のなかでも薄い傾向にあり、強く打つと損傷から出血などを起こす可能性があるでしょう。 しかし、頭のどの部位を打つかに関係なく、頭を打ったときに問題のない場所はありません。 自覚できる症状がなかったとしても、脳に影響が出ている場合もあるため、頭を打った段階で早めに医療機関の受診をおすすめいたします。 頭・おでこの危険な打ち方 「強い力がかかって頭・おでこを打った場合」は注意が必要です。 たとえば、以下のような場面があげられます。 【危険な頭の打ち方】 1m以上の高さから転落した 階段で5段以上の高さから落ちた 受け身をとらずに転倒した 交通事故で頭を打った 車の外に放り出された など しかし、上記以外の打ち方でも問題がないわけではなく、その人ごとに判断する必要があります。 とくに高齢者の方は年齢により脳が萎縮する傾向にあり、脳と頭蓋骨の間に隙間ができて頭を打ったときに脳を損傷しやすいリスクがあるでしょう。 また、薬を飲まれている方(とくに血液を固まりにくくする薬剤)は、頭を打った際の出血リスクが高まります。 ほかにも、どのような原因で頭を打ったかも重要です。 気を失って転倒して頭を打った場合 →疾患や不整脈など、失神の原因を探る必要があります。 急に手足の力が抜け、転倒して頭を打った場合 →脳卒中などの可能性もあります。 医療機関を受診したときは「どのように頭・おでこを打ったか」を伝えると良いでしょう。 さらに家族などの目撃者がいれば、より詳細な情報を医師に伝えられて適切に処置を受けやすくなります。 また、頭やおでこを打ったときは、衝撃により「こぶ」ができて不安を感じる方もおられるかもしれません。 こぶが脳に与える影響を知りたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。 頭・おでこを打ったときに危険な症状 以下のように誰が見ても重症な場合は、救急で受診しましょう。 明らかに意識の状態が悪い 手足の一部が動かない 血が止まらない など 重症に見えない場合でも、以下の症状があるときは、早い段階で医師の診察を受ける必要があります。 【医師に相談すべき状態】 何回も嘔吐する 頭を打った理由に関わる記憶がない けいれんがある 耳や鼻から液体(血も含む)が出てくる 目の周りや耳の後ろが黒くなる など また、子どもや高齢者の方などを始め、症状によっては、周りにうまく伝えられないときもあります。 何かがおかしいと思ったときは、周りや消防救急無線(119番)に助けを求めるなど、すぐに医療機関を受診してみてください。 頭・おでこを打ったときに起きやすい4つの病気 頭・おでこを打ったときに起きる可能性がある病気は、主に「急性期(頭を打ってすぐ)」と「慢性期(頭を打って、しばらく経ってから目立つようになる)」に分けられます。 実際の病気における症状を知るためにも、以下で代表的なものを紹介いたします。 急性硬膜下血腫・急性硬膜外血腫 外傷性くも膜下出血 脳挫傷 高次脳機能障害 急性硬膜下血腫・急性硬膜外血腫 脳と骨の間には、膜が3層(外側から硬膜、くも膜、軟膜)あります。 頭を打った数時間以内に、硬膜と脳の間で出血するものを「急性硬膜下血腫」、骨と硬膜の間で出血するものを「急性硬膜外血腫」といいます。 急性硬膜下血腫は受傷すぐから意識が悪くなる場合が多く、一方で急性硬膜外血腫は受傷しても数時間ほど症状が出ない「意識清明期」があるのが特徴です。 ほかの症状には、手足の麻痺(まひ)、悪心・嘔吐、けいれん、瞳孔の左右差などがあります。いずれもCTで診断でき、重症な場合には緊急で手術を行います。 実際に消費者庁では、高齢者が階段からの転倒により、急性硬膜下血腫になった事例が掲載されていました。 自宅の階段 12 段目から転落した。 頭部及び下腿部から出血。 急性硬膜下血腫で入院。 (事故発生年月:平成30年4月 80歳代男性) 引用:消費者庁|(4)高齢者の転倒・転落事故の事例 外傷性くも膜下出血 「外傷性くも膜下出血」とは、頭を打ったことにより、くも膜と脳の間で出血が広がった状態です。 くも膜下出血の多くは脳動脈瘤(血管の一部が「こぶ」のようにふくらみ、破れやすくなった状態)によるもので、頭を打った場合は区別して外傷性くも膜下出血と呼びます。 基本は入院での経過観察で、脳圧が高くなる場合は投薬や手術などを行います。 以下のように消費者庁では、実際に高齢者が外傷性くも膜下出血になった事例が掲載されていました。 高さ約2mの脚立を使用中、バランスを崩し肩から落下。 外傷性くも膜下出血及び頭蓋骨骨折で入院。 (事故発生年月:平成 28年4月 70歳代男性) 引用:消費者庁|(4)高齢者の転倒・転落事故の事例 脳挫傷 「脳挫傷(のうざしょう)」とは、頭部打撲により、脳そのものが損傷してしまうことです。 頭を打ったときは、打った部分とその反対の部分を損傷する場合があります。損傷された部位により、以下のような症状が表れる可能性があるでしょう。 片麻痺(左右どちらかの手足が動かしにくい) 失語症(言葉が理解できない、言葉を表に出しにくい) 高次脳機能障害 など 重症な場合は意識が悪くなったり、うまく呼吸ができなくなったりします。 呼吸と循環(血圧や脳血流量)、脳圧と体温コントロールを第一に行い、それでも進行する場合は手術も検討します。 高次脳機能障害 頭部外傷では後遺症として、高次脳機能障害を起こす場合があります。 高次脳機能障害における症状の例は、以下のとおりです。 症状の名前 症状の詳細 記憶障害 新しくものを覚えられない 思い出せない など 注意障害 作業や生活の中で集中できなくなる 気が散りやすくなる など 社会的行動障害 自分から何もしようとしない 無関心、社会常識から外れた行為が目立つ 怒りやすい 性的に逸脱する行為 ギャンブルに熱中しすぎる など 遂行機能障害 考えて、判断して、課題を解決するといった 一連の流れができない など まとめ|頭・おでこを打って症状があるなら迷わず受診しよう 頭・おでこを打つことは日常生活でよくありますが、強い力がかかって頭を打ったときや、頭部を損傷するような事故に遭った場合には注意が必要です。 頭・おでこを打った際には、以下のような危険な症状が出ていないか確認しましょう。 【危険な症状の例】 嘔吐が続く 頭を打った理由に関わる記憶がない けいれんがある 耳や鼻から液体(血も含む)が出てくる 目の周りや耳の後ろが黒くなる など 頭・おでこを打った際には、症状や事故の状況をしっかりと把握し「何かがおかしい」と感じた際には、迷わず病院を受診しましょう。 この記事が危険な頭の打ち方、症状を知りたいときのご参考になれば幸いです。 頭を打ったときによくある質問 頭を打ったときによくある質問をまとめています。 Q.頭・おでこを強く打ちましたが、どのようなときに受診したら良いですか? A.以下の症状がある場合は、医療機関を受診しましょう。 意識が不明瞭 手足の麻痺 嘔吐 転倒の記憶がない けいれん など とくに高齢者や基礎疾患のある方を始め、血液を固まりにくくする薬を飲んでいる場合は、病気のリスクを避けるためにも受診をおすすめいたします。 症状がない場合でも、何かしらの病気が隠れている可能性もあるため、できる限り自己判断せずに医療機関で診察を受けておくと良いでしょう。 Q.何科を受診すれば良いですか?その際の注意点は? A.頭・おでこを打ったときは、脳神経外科や脳神経内科の受診を検討しましょう。 また、顔面などを打ったときは、ほかの部分で問題がないかを検査するために眼科や耳鼻咽喉科、歯科などを並行して受診するのも良いかもしれません。 医療機関を受診する際は「どのようにして頭・おでこを打ったのか」を伝え、目撃者がいるときは、周りから様子を説明してもらう方法がおすすめです。 普段飲んでいる薬があれば、忘れずに医師へお伝えください。
2023.03.31 -
- 脳卒中
- 脳出血
- 頭部
「ストレスが脳出血の原因になるって本当?」と不安に感じていませんか? 過度なストレスが続くと、高血圧や血管へのダメージが引き金となり脳出血のリスクが高まります。 しかし、適切なストレス管理で脳出血のリスクを大幅に減らせるのも事実です。 本記事では、ストレスと脳出血の関係性をわかりやすく解説し、血圧管理や食生活の改善といった具体的な対策をお伝えします。 今すぐできる予防法で、健康な毎日を手に入れたいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。 また、当院「リペアセルクリニック」では手術や入院を必要としない「再生医療」を提供しています。 脳出血や脳卒中の後遺症でお悩みの方は「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。 脳出血とストレスの関係性とは? 脳出血は脳卒中の一種で、脳内の血管が破れて出血する病気です。 出血によって脳内に血液が溢れ、血腫(血のかたまり)を形成し、周囲の脳神経を圧迫することでさまざまな症状が現れます。 本章では、脳出血を引き起こす原因にストレスがどのような関係があるのか、以下3つのリスクに分けて解説します。 睡眠不足による動脈硬化リスク 暴飲暴食による高血圧リスク 喫煙による動脈硬化リスク それぞれ詳しく紹介するので参考にしてください。 睡眠不足による動脈硬化リスク 睡眠不足により血圧が上昇すると、動脈硬化が進みやすくなり、脳出血のリスクが高くなります。睡眠中は血圧が自然に下がり、身体がリラックスできる大切な時間です。 しかし、睡眠不足が続くと血管への負担が大きくなり、脳出血のリスクが上昇します。 脳出血のリスクを未然に防ぐためにも1日6〜8時間の質の良い睡眠を確保するように心がけましょう。 暴飲暴食による高血圧リスク 暴飲暴食が習慣化すると、高血圧を引き起こしやすくなり、脳出血のリスクが高まります。 とくに塩分や糖分のとりすぎは血圧の上昇を招き、脳出血のリスクを高める原因になります。 ファストフードやスナック菓子、アルコールなど、血管の負担が増えやすいものは過剰な摂取を避けましょう。 減塩食や栄養バランスの取れた食事を意識し、血圧を安定させて健康な生活を維持することが大切です。 喫煙による動脈硬化リスク 喫煙は、動脈硬化を悪化させ、脳出血のリスクを著しく高めます。 タバコに含まれる有害物質は、血管を収縮させ血圧を上昇させるためです。 さらに、喫煙によって血管の内壁が損傷すると、動脈硬化が進行する原因にもなります。 血管が硬くなると弾力性を失い、破れやすくなるため脳出血のリスクも高まります。 喫煙習慣がある方は早めに禁煙に取り組み、健康な血管を取り戻しましょう。 また、脳出血の原因と症状については以下の記事でも詳しく解説していますので参考にしてください。 脳出血の種類 脳出血にはいくつかの種類があり、以下のように原因や特徴が異なります。 脳出血の種類 特徴 高血圧性脳出血 高血圧による血管の破裂が原因 血管腫 異常な血管の塊が破れて出血する 動静脈奇形 動脈と静脈の異常なつながりが破裂する 硬膜動静脈瘻 硬膜の血管異常で血流が増え、破れやすくなる 脳腫瘍(悪性) 腫瘍が血管を圧迫し、出血を引き起こす 脳アミロイド血管症 高齢者に多く、血管がもろくなり出血しやすい 以下では、代表的な脳出血の種類である高血圧性脳出血や血管腫、動静脈奇形などについて、それぞれ詳しく解説します。 高血圧性脳出血 高血圧性脳出血は、高血圧が長期間続くことで血管に強い圧がかかり、破れて出血する病気です。 高血圧性脳出血は、とくに高齢者や慢性的に血圧が高い方に多く見られます。日頃から定期的に血圧を測定し、適切な治療や生活習慣の見直しを心がけましょう。(文献1) 血管腫 血管腫は血管の異常なかたまりが脳内にできる病気で、出血を引き起こす場合があります。 血管腫は生まれつき存在する場合が多く、通常は無症状です。しかし血管が破れやすい状態のため、強い衝撃や血圧の上昇で出血することがあります。 血管腫による脳出血はまれですが、万が一出血した場合は緊急の対応が必要です。 定期的に健康診断を受け、血管腫を早期発見できるようにしましょう。 動静脈奇形 動静脈奇形は、動脈と静脈が異常につながり、正常な血流が保たれない状態を指します。 この異常が進行すると、血管が膨らんで破裂し、脳出血の原因となります。 動静脈奇形は先天性の疾患であり、無症状のまま気づかないケースも少なくありません。 しかし出血を起こすと強い頭痛や神経症状が現れます。 早期発見が重要なため、MRIやCT検査での定期的なチェックを受けることをおすすめします。 硬膜動静脈瘻(こうまくどうじょうみゃくろう) 硬膜動静脈瘻は、脳を包む硬膜に異常な血管のつながりができる疾患です。 血流が異常に増加し、血管に強い圧力がかかることで破裂しやすくなります。 症状としては、耳鳴りや頭痛が代表的ですが、破裂すると脳出血を引き起こす危険性があります。 主に外傷や血管の老化が原因とされており、早期発見が重要です。 症状が気になる場合は、速やかに病院を受診し、専門的な検査を受けてみましょう。 脳腫瘍(悪性) 悪性の脳腫瘍は、血管を圧迫したり腫瘍内の血管が破れることで出血するケースもあります。 とくに悪性の場合は血管の構造が弱く不安定なため、出血のリスクが高いのが特徴です。 脳腫瘍による出血は急激に症状が現れ、命に関わることも少なくありません。頭痛やしびれなど気になる症状があれば、すぐに医療機関を受診しましょう。 脳アミロイド血管症 脳アミロイド血管症は、脳の血管にアミロイドという異常なタンパク質が沈着し、血管をもろくする病気です。 とくに高齢者に多く、軽微な刺激でも血管が破れ脳出血を引き起こすことがあります。繰り返し出血するリスクも高いのが特徴です。 脳アミロイド血管症は、現時点で根本的な治療法は確立されていません。 血圧管理や定期的な検査を受け、予防に努めましょう。 また、脳出血や脳梗塞の原因や症状について詳しく知りたい方は以下の記事もご覧ください。 【自分でできる】脳出血の予防法5選 脳出血は、高血圧や血管の異常(動静脈奇形・硬膜動静脈瘻など)によって発症します。 とくに高血圧は、ストレスや生活習慣病が原因で引き起こされるケースが多いため、血圧の管理が脳出血のリスクを減らす重要なポイントです。 本章では、脳出血を予防する5つの方法を紹介いたします。 血圧管理で脳出血を予防 食生活の改善で血圧を下げる 適度な運動で血圧をコントロール 禁煙で脳出血リスクを減らす 節酒で脳出血のリスクを下げる 上記のポイントを意識しつつ、日頃から血管の健康を意識した生活を心がけましょう。 血圧管理で脳出血を予防 脳出血の原因の多くは高血圧であるため、日頃から自分自身の血圧を把握し適切な数値に保つことが重要です。 家庭用血圧計を使って毎日血圧を測定し、記録をつける習慣をつけましょう。 もし高い数値が続く場合は、医師に相談するようにしてください。 食生活の改善で血圧を下げる 食生活の見直しは、脳出血の予防に欠かせません。 塩分を控え、カリウムを多く含む野菜や果物を積極的に摂ることで、血圧をコントロールできます。 たとえば、減塩食品や和食中心のバランスの良い食事が効果的です。 また、加工食品や外食の頻度を減らすこともおすすめです。 健康的な食生活を心がけて、血管への負担と脳出血のリスクを下げましょう。(文献2) 適度な運動で血圧をコントロール 適度な運動は、血圧を下げる効果が期待できます。 ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動を、毎日30分程度行うのがおすすめです。 運動習慣がない方は、まずは10分程度の散歩から始めてみましょう。 無理のない範囲で運動を継続するのが大切です。 また、高血圧の予防と改善については以下の記事でも詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。 禁煙で脳出血リスクを減らす 喫煙は動脈硬化を促進し、脳出血のリスクを高めます。 タバコに含まれる有害物質は、血管を収縮させるため血圧が上昇してしまいます。 また、禁煙は脳出血の予防だけでなく、健康全般にとっても非常に重要です。 なかなか辞められない方は、禁煙外来なども活用して禁煙を成功させましょう。 節酒で脳出血のリスクを下げる 適度な飲酒は問題ありませんが、過度な飲酒は脳出血の原因になります。アルコールは血圧を上昇させるため、飲みすぎには注意してください。 男性では1日に日本酒2合程度以上、女性では日本酒1合程度以上の飲酒で、リスクが高くなることを示す研究があります。(文献3) よって、男性は1日2合以内、女性は1合以内の適量を守ることが理想です。 飲みすぎを防ぐために、ノンアルコール飲料を活用するのも良い方法です。節酒を意識することで、脳出血のリスクを減らして健康的な生活を送りましょう。 脳出血にならないための予防法については、以下の記事でも紹介していますので、参考にしていただけると幸いです。 脳出血の前兆かも?注意したい3つの症状 脳出血は突然発症するケースが多いですが、前兆となる症状が現れる場合もあります。 注意したい3つの症状は以下のとおりです。 頭痛やめまい 言葉のもつれ 手足のしびれ 早期に気づくことで、重症化を防ぐ可能性が高まります。 ここでは、脳出血の前兆として注意すべき症状をそれぞれ解説いたします。 また、脳出血の気になる前兆や初期症状をセルフチェックしたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてください。 頭痛やめまい 強い頭痛や突然のめまいは脳出血の前兆かもしれません。 普段経験しないような激しい頭痛や、姿勢を変えただけで感じるめまいは要注意です。 放置すると症状が悪化し、意識障害や吐き気を伴うこともあります。 そのため、頭痛やめまいが続く場合は、すぐに医療機関を受診し適切な検査を受けましょう。 言葉のもつれ 突然、話し方がぎこちなくなる場合も脳出血のサインです。 話している途中で「言葉が出にくい・会話がスムーズに進まない」といった症状が現れることがあります。 脳内の出血によって、言語を司る部分に影響を与えた可能性が考えられますが、症状が進行すると重度の言語障害を引き起こす恐れもあります。 異変を感じたら、周囲の人に助けを求めるなどして、早急に病院での診察を受けましょう。 手足のしびれ 手足のしびれや感覚の鈍さも、脳出血の前兆のひとつです。 一時的に起こる場合もありますが、左右どちらかに偏るしびれは、とくに注意が必要です。 脳内の出血が神経に影響を及ぼしている可能性があるため、そのまま放置すると麻痺や運動障害に進行する危険性があります。 突然、手足のしびれ症状が見られた場合は、ただちに医療機関を訪れましょう。 脳出血の生じやすい部位と症状 脳出血は脳の特定の部位で起こることが多く、それぞれ特徴的な症状があります。 部位 主な症状 被殻出血 片側の手足の麻痺、感覚障害、言葉が出にくい 視床出血 識障害、片側の感覚異常、視野が欠ける 小脳出血 激しいめまい、ふらつき、歩行困難 橋(脳幹)出血 意識障害、呼吸困難、四肢の麻痺 皮質下出血 片側の運動麻痺、感覚障害、言語障害 本章では、上記の表にまとめた各部位の特徴と症状を解説します。 被殻出血 被殻出血(ひかくしゅっけつ)は、高血圧で起こることが多い脳出血です。 この部位で出血すると片側の手足の麻痺や感覚異常、言葉が出にくい症状が現れます。 被殻は運動機能を司る部分であり、とくに運動麻痺が顕著に現れるため早期発見が後遺症を防ぐポイントです。 視床出血 視床(ししょう)で出血が起こると、意識障害や片側の感覚異常が見られます。 この部位は感覚を統合する役割を担っているため、出血が感覚神経に大きな影響を与えます。 さらに、視野が欠ける場合もあるため、視覚の変化にも注意しましょう。 視床出血については以下の記事でも詳しく解説しています。 特徴的な症状があるため、気になる方はぜひ参考にしてください。 小脳出血 小脳出血は、平衡感覚や運動の調整が影響を受けるタイプです。 激しいめまいやふらつき、歩行困難などが特徴です。 また、出血が重症化すると呼吸困難に至るケースもあるため、めまいが強い場合は早急に治療を受けましょう。 橋(脳幹)出血 橋での出血は、生命維持に関わる重要な神経を含むため重篤な症状です。 意識障害、呼吸困難、四肢の麻痺が急激に現れることがあります。 橋は脳幹の一部であり、この部位での出血は迅速な対応が求められます。 橋出血(脳幹出血)の原因や予防策については、以下の記事でも詳しく解説しています。 皮質下出血 皮質下出血では、片側の運動麻痺や感覚異常が起こるケースが多いです。 これは大脳皮質の直下での出血が原因であり、運動や感覚に大きな影響を及ぼします。 また、場合によっては言語障害が現れることもあるので注意が必要です。 脳出血の治療方法についてはこちらの記事も参考にご覧ください。 まとめ|ストレスを溜めずに脳出血の予防法を実践しよう! ストレスが脳出血のリスクを高めることは避けられません。 しかし、日常の習慣を見直し適切な予防策によってリスクは大幅に減らせます。 血圧管理や生活習慣の改善を意識し、健康的な生活を目指しましょう。 安定した日々を過ごせるよう、ぜひ今回紹介した予防法を活用してみてください。 また、当院「リペアセルクリニック」では脳卒中や頚椎ヘルニアによる症状にお悩みの方へ、手術や入院の必要がない「再生医療」を提供しています。 まずはお気軽に「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてご相談ください。 \まずは当院にお問い合わせください/ 脳出血とストレスに関するよくある質問 脳内出血の前兆や初期症状はどんなものですか? 脳内出血の前兆には「強い頭痛・めまい・手足のしびれ・言葉のもつれ」などがあります。 これらは血管の圧迫で神経が正常に働かなくなることで起こります。 とくに突然の症状や普段と違う感覚が現れた場合は要注意ですので、不安を感じたらすぐに医療機関を受診しましょう。 脳出血の前兆や初期症状については、以下の記事も参考にご覧ください。 ストレスで脳血管が切れる原因は何ですか? ストレスを感じると交感神経が活発になり、血管が収縮して血圧が上昇するため負担がかかりやすくなります。 また、ストレスは睡眠不足や暴飲暴食、喫煙などの悪習慣を招きやすく、結果的に脳出血を引き起こすリスクが高まると言えるでしょう。 また、当院「リペアセルクリニック」では脳卒中やヘルニアの後遺症に対し、手術を伴わない「再生医療」をご提案しています。 後遺症に関して不安がある方は「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。 参考文献一覧 文献1 医学出版_高血圧性 脳出血 の治療 文献2 公益社団法人 日本栄養士会_高血圧と、上手に付き合っていきましょう。 文献3 鳥取県・とりネット_第3章 健康づくり文化創造プラン(第四次)で定める健康づくりの目標
2023.03.27 -
- 脳卒中
- 頭部
- 頭部、その他疾患
結論から述べると、水頭症そのものが直接寿命に影響する可能性は低いとされています。 ただし、くも膜下出血や頭部外傷といった他の病気が原因となって水頭症を発症した場合、大元の病気が原因で寿命が短くなる場合があります。 本記事では、水頭症の寿命や後遺症について解説します。治療方法も紹介しているので、水頭症を発症した先のことを詳しく知りたい方は、参考にしてみてください。 水頭症の寿命 手術で頭にたまった水を排出すれば、水頭症は改善できる病気です。そのため、水頭症が直接寿命に影響する可能性は低いと考えられています。 しかし水頭症は、くも膜下出血や頭部外傷といった別の病気に誘発されて発症するケースもあります。この場合、もとの病気が引き金となり、寿命を短くする可能性もあります。 たとえば、水頭症がくも膜下出血によるものだった場合、早期治療が必要不可欠です。くも膜下出血の5年生存率は約55%というデータが出ています。(文献1)治療を後回しにすると、命の危険が及ぶリスクがあるのです。 くも膜下出血の有効な治療法の1つに「再生医療」があります。 これまで一度死んだ脳細胞は戻らないとされてきました。しかし、再生医療は脳細胞を復活させ、くも膜下出血を含む脳卒中の後遺症を改善できることがわかってきたのです。 詳しい治療法や効果が知りたい方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。 水頭症とは 水頭症とは、頭に水がたまり脳を圧迫する病気です。 人間の脳は、頭蓋骨の中で脳脊髄液という水に浮いています。脳の内部にも、脳室という空間があり、こちらにも脳脊髄液が流れています。この脳脊髄液は、脳を外部から守ったり、栄養やホルモンを運搬したり、脳の老廃物を除去したりする役割を担っています。脳脊髄液は常に入れ替わっており、毎日500 ml分が新しく作られ、同じ分だけ吸収されています。 正常な状態では、脳脊髄液は、脳の周りや脳室を循環しており、その循環量は150 mlと言われています。なんらかの原因でこの流れが悪くなり、脳脊髄液が多量にたまってしまうことによって「水頭症」を発症します。 水頭症の種類 水頭症のタイプとして「非交通性」と「交通性」があります。 【非交通性水頭症】 子どもに起こりやすく、脳脊髄液の流れの中で、どこかが通行止めになっているイメージです。一部でせき止められることにより、たまった脳脊髄液が脳を圧迫します。数は多くありませんが、成人でも脳腫瘍などで起こる場合もあります。 【交通性水頭症】 高齢者が発症しやすい水頭症です。流れ経路に問題はないのですが、脳脊髄液が吸収されにくくなり、脳脊髄液の循環量が多くなってしまう状態です。 交通性水頭症の場合、徐々に進行するため、脳圧とよばれる頭蓋骨の中の圧は正常に保たれていることが多く、別名「正常圧水頭症」ともいいます。正常圧水頭症には、続発性と特発性があり、その違いは以下の通りです。 正常圧水頭症 原因 発症時期 続発性 くも膜下出血、頭部外傷、髄膜炎などに誘発されて発症 左記疾患の数週〜数カ月後 特発性 発症原因は不明 60~70代の高齢者 くも膜下出血は、8.9〜48%の割合で正常圧水頭症を発症すると言われています。(文献2)そのため、急性期が落ち着いたあとも看護する人は患者さんの様子を注意深く見ていく必要があるでしょう。 以下の記事では、高齢者の認知症と関わりの深い「特発性正常圧水頭症」について解説しています。手術で治せる認知症の種類を知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。 水頭症の症状 先述のとおり、水頭症にはさまざまな種類があります。たとえば、高齢者に多い「特発性正常圧水頭症」の代表的な症状は以下の3つです。 歩行障害 認知障害 排尿障害 これらは、数カ月から数年単位でゆっくりと進行します。そのため老化の症状と間違えられやすく、長期間放置されている場合もあります。 症状が進むと寝たきりになってしまう場合もあるため、早期に変化に気付いて検査をおこなうのが大切です。 水頭症の治療法 水頭症は薬で治せるものではありません。基本的には手術療法が必要となります。 具体的には、チューブを入れて頭にたまった余分な脳脊髄液をおなかへ流す「シャント術」がおこなわれます。 一般的には、頭と腹腔をつなぐチューブを体の中に挿入します(V-Pシャント)。また、脳脊髄液は、背骨の神経の周りにも流れており、そこから腹腔へチューブをつなぐ方法もあります(L-Pシャント)。これらの手術は、脳脊髄液の出口を作って、症状を改善させるのが目的です。 水頭症の原因となったくも膜下出血の治療には「再生医療」が有効です。 再生医療は人間の自然治癒力を活用した最新の医療技術で、身体機能(後遺症)の回復や脳卒中における再発予防の効果が期待できます。 具体的な治療方法が気になる方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。 水頭症の後遺症 先述した3大症状(歩行障害・認知障害・排尿障害)は、手術をすれば必ず完治する保証はありません。以下のように3大症状の改善率を示す調査結果も出ています。(文献3) ・歩行障害:80〜90% ・認知障害:30〜 80% ・排尿障害:20 〜80% 3大症状の中では、歩行障害の改善率がもっとも良好とされています。ただし、どの症状も大幅な改善は期待できるものの、筋肉の衰えや老化により症状が残る可能性もあります。 また、続発性正常圧水頭症の場合、水頭症を誘発した原因疾患によってその後が左右されます。たとえば、くも膜下出血は運動障害や感覚障害といった後遺症を引き起こしうる病気です。水頭症は改善できても、原因疾患の後遺症が出るケースは考えられます。 病気の早期発見により、後遺症の重症化を防げる場合もあるので、気になる症状を覚えたら早めに病院を受診しましょう。 まとめ|水頭症で適切な治療をおこなって健康寿命を伸ばそう 水頭症は直接寿命に影響しないとされており、手術で頭にたまった水の出口を作れば、症状改善が可能な病気です。 手術で歩行障害、認知障害といった症状が改善されれば生活しやすくなるはずです。術後は適度な運動や身体に良い食べ物を摂取するなどして健康寿命を伸ばす生活を心がけましょう。 くも膜下出血に誘発されて水頭症を発症した場合は「再生医療」の治療も検討してみてください。 再生医療は人間の自然治癒力を活用した最先端の医療技術です。幹細胞の修復力を利用して、損傷した脳細胞の機能回復を促進します。 くも膜下出血は再生医療の治療対象なので、具体的な治療法や効果が知りたい方は再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。 水頭症に関するよくある質問 最後に水頭症に関するよくある質問と回答をまとめます。 水頭症を疑った場合どんな検査をしますか? まずは、CTなどの画像検査をおこない、脳脊髄液がたまって脳室が拡大しているかどうかを確認します。その上で、水頭症が疑わしい場合にはタップテストをおこないます。 タップテストとは、実際に頭にたまった脳脊髄液を、一時的に抜くことで症状が改善するかを確認するテストです。このテストは、短期間の入院が必要です。麻酔の注射をし、背中に針を刺して脳脊髄液を抜き取ります。 タップテストで症状が改善した場合、シャント手術に進みます。 手術は急いで受けた方が良いでしょうか。 正常圧水頭症はゆっくりと進行するため、診断後は手術を受けるかどうか、しっかりと検討する時間はあります。 実際に診断後すぐに手術を受けた患者と3カ月後に手術を受けた患者では、症状改善に大きな差がなかったという研究もあります。(文献4) ただし、歩行障害による筋力低下が進むと、手術後の回復が思わしくない場合もあるので、水頭症と診断されたらできるだけ早く治療方針の選択をおこなうのが大切です。 シャント手術をした後は、CTやMRIなどを撮っても大丈夫でしょうか 基本的には問題ありません。経過が問題なくても、手術後の脳脊髄液の状態を見るために、定期的に外来で画像を確認する必要があります。 【参考文献】 文献1:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jstroke/32/6/32_6_572/_article/-char/ja/ 文献2:https://www.jstage.jst.go.jp/article/scs/45/1/45_14/_pdf 文献3:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcns/16/5/16_KJ00004580126/_pdf 文献4:https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/25934242/
2023.03.22 -
- 脳卒中
- 頭部
- 頭部、その他疾患
水頭症によって認知症が現れた場合、その症状が治るのか知りたい方はいませんか。加齢にともなって発症しやすくなる認知症の原因の1つとして、「特発性正常圧水頭症」があげられます。 水頭症による認知症の場合、手術によって改善する可能性があります。水頭症は認知機能以外にもさまざまな症状が現れるため、早期からの治療が重要です。 この記事では、水頭症による症状や治療によって認知症が治るのかについてご紹介します。病気に対する知識を深めることで、適切な治療を行うきっかけになるでしょう。 高齢者の認知症に多い「特発性正常圧水頭症」とは? 「特発性正常圧水頭症」とは、頭蓋内に脳脊髄液(脳梗塞を包んでいる液体)が過剰に溜まり、脳が圧迫された状態のことです。脳脊髄液は、脳室(脳内の空間のこと)で毎日一定の量が作られ、脳と脊髄の周囲を循環しています。しかし、なんらかの原因でこの循環に異常が生じると水頭症が発生します。 水頭症には3つのタイプがあり、もっとも多いとされているのが特発性正常圧水頭症です。 明確な原因はわかっていませんが、おもに高齢者に多く発症するとされています。そのほかにも、くも膜下出血や髄膜炎などを発症した後に生じる二次性正常圧水頭症、遺伝的要因が原因とされている家族性正常圧水頭症があります。これらは特発性正常圧水頭症と比較すると、発症頻度は極めてまれです。 水頭症の症状や治療法については、以下の記事でも詳しく解説しています。興味がある方は、ぜひこちらもご覧ください。 水頭症の症状 特発性正常圧水頭症を発症すると、脳の前頭葉(前側の部分)が広範囲に障害され、以下の3つの症状が現れることがあります。 歩行障害 排尿障害 認知障害 それぞれどのような症状なのかについて、以下の表にまとめました。 水頭症の3症状 特徴 歩行障害 開脚歩行(足が開き気味で歩く) 小刻み歩行(小股でよちよち歩く) すり足歩行(膝を上げずに歩く) 不安定な歩行(方向転換の時にふらつきやすい) 歩き出しにくい 突進現象(歩き出すとうまく止まれない) 排尿障害 頻尿になる、尿意を感じにくくなる 症状が進行すると尿意を感じやすくなり、我慢ができず失禁しやすくなる 認知障害 物忘れや理解力の低下が現れる ぼーっとするような時間が多くなる 特発性正常圧水頭症は、これらのうち歩行障害が初期症状で現れることが多いとされています。歩行障害に加えて、排尿障害や認知障害が生じた場合は特発性正常圧水頭症の可能性が高いため、その際は病院を受診しましょう。 \まずは当院にお問い合わせください/ 高齢者の水頭症は手術をしないとどうなるのか 高齢者の水頭症の場合、手術しないと症状が次第に悪化する恐れがあります。特発正常圧水頭症の症状である歩行障害が進むと、転倒する機会が増えて骨折や寝たきりなどに派生する可能性もあります。 さらに排尿障害や認知症なども進行すると、自立した生活が難しくなり、介護が必要になる場合もあるでしょう。このように、水頭症を放置するのは非常に危険なため、早期からの手術が推奨されます。 水頭症による高齢者の認知症は手術で治るのか 水頭症による高齢者の認知症は、手術によって改善が期待できます。実際に、手術によって歩行障害がみられる方の8〜9割、排尿障害や認知障害のある方の5〜7割で改善がみられたとされています。 しかし、特発性正常圧水頭症と正確に診断されて治療に至るケースは少ないのが現状です。早期発見、治療により生活の質が改善する可能性は十分にあるので、疑わしい症状がある場合は受診をおすすめします。 \まずは当院にお問い合わせください/ 水頭症の検査・治療法 水頭症では、どのような検査や治療が行われるのでしょうか。ここでは、実際に病院へ受診した際に行われる検査・治療法についてご紹介します。 水頭症の検査 特発性正常圧水頭症では、まず症状の程度をチェックするために身体診察が行われます。その後、MRIやCTによる脳の画像検査が行われ、特発性正常圧水頭症の疑いが濃厚になった時点で「タップテスト」が行われます。 タップテストとは、腰椎から脊髄液を30ml程度抜いた後、症状改善がみられるかどうかを確認するテストです。髄液を抜いた後、歩行機能や認知機能が良くなった場合は「水頭症」と診断され、手術(シャント術)がすすめられます。 水頭症の治療法 特発性正常圧水頭症の治療では、脳脊髄液の流れを良くする「髄液シャント術」と呼ばれる手術を行います。これは、カテーテル(管)を体内に埋め込み、過剰に溜まった脳脊髄液を排出する手術法です。 脳脊髄液による脳への圧迫から解放されるため、髄液循環や脳神経機能の改善が期待できます。髄液シャント術の方法には、以下のようなパターンがあります。 VPシャント(脳室-腹腔シャント) VAシャント(脳室-心房シャント) LPシャント(腰椎-腹腔シャント) 上記のうちLPシャントが主流ですが、腰椎の変形などが強い場合には別のパターンで行います。いずれも手術時間はおよそ1時間程度と、脳神経外科のなかでは短い傾向にあります。 水頭症の手術費用【約7万円(3割負担)】 一般的な手術費用の目安としては、3割負担の場合は約7万円です。高額療養費制度を利用すると、自己負担限度額を超えた部分が払い戻されるので、最終的にはさらに費用が少なくなる可能性があります。 【高齢者】水頭症の手術後 多くのケースでは、水頭症を手術して約1週間程度で症状の改善がみられるとされています。どの程度改善がみられるかは、その方の状態によって大きく変わります。改善がどの程度持続するのかについては、明確な基準は決まっていません。 手術で植え込まれたカテーテルは、定期的に詰まったり壊れたりしていないかチェックする必要があります。また、カテーテルの途中には脳脊髄液圧を調節するバルブがついており、体外から設定できるようになっています。シャント圧を下げ過ぎると、頭蓋内圧が低下して低髄圧症候群を起こす恐れがあるので注意が必要です。 カテーテルから抜ける髄液量は生活の仕方や体格の変化によって変わります。CTやMRIによって頭に異常がないかを確認し、適切な髄液量を決める必要があるので、定期的な通院が重要です。 まとめ|高齢者の認知症は手術で治る可能性がある 水頭症は脳脊髄液が過剰になることで発症する病気で、歩行障害や認知症などの症状が現れます。水頭症は、現在のところ手術が唯一の治療法となります。水頭症をそのままにすると症状が進行し、手遅れになるリスクもあるため、早期からの手術が重要です。 ぜひ今回の記事を参考にして、水頭症になった際は早めの対処を心がけましょう。 \まずは当院にお問い合わせください/
2023.03.17 -
- 脳卒中
- 脳出血
- 頭部
手足の麻痺や呂律の障害といった脳出血による後遺症は日常生活に大きな影響を与えます。後遺症への不安から「これからの生活はどうなるのか」と心配される方も少なくありません。 後遺症の程度は、脳のどの部分で出血が起きたか、また症状がどれだけ重いかで変わってきます。後遺症の完全回復は容易ではありません。しかし、早期からのリハビリで症状が改善する可能性があります。 本記事では、脳出血の後遺症の種類や回復へのリハビリについて詳しく解説します。後遺症の改善を目指す方はぜひ参考にしてみてください。 脳内出血で後遺症が出る原因や程度 脳出血を発症すれば、頭痛や吐き気、手足の麻痺といった後遺症が出る可能性があります。 そもそも、脳出血とは脳に張り巡らされている血管の一部が破れて出血を起こす病気です。漏れ出た血液が脳の細胞を圧迫し、さまざまな後遺症を引き起こします。 脳は部位によって機能がわかれているため、出血した部位に応じて後遺症の種類も異なります。 たとえば、脳の各部位の出血では、以下のような後遺症が特徴的です。 前頭葉(脳の前部分)で発症した場合:意欲の低下が起こりやすくなる 側頭葉(脳の側面部分)で発症した場合:言語障害や記憶障害になりやすくなる 後遺症の程度は、出血量が症状に大きく影響します。出血量が多ければ多いほど、脳が圧迫される範囲が広がるためです。 脳出血による後遺症は、早期からのリハビリで機能が改善する可能性があります。リハビリの方法や期間については後述しているので、このまま読み進めてみてください。 またリハビリ以外の有効な治療法に「再生医療」があります。再生医療は人間の自然治癒力を活用した最新の医療技術で、身体機能(後遺症)の回復や脳卒中における再発予防の効果が期待できます。 脳内出血における後遺症6種類 脳出血による主な後遺症は以下のような種類があります。 ・運動麻痺 ・感覚障害 ・言語障害 ・目の障害 ・嚥下障害 ・高次脳機能障害 具体的にどのような症状が現れるのか、順番に見ていきましょう。 なお、後遺症の治療には人間の自然治癒力を活用した「再生医療」が効果的です。再生医療により身体の機能(後遺症)が回復した症例は数多く報告されています。具体的な症例が知りたい方は再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。 運動麻痺 運動麻痺は、脳出血後に多く見られる後遺症です。体の片側(左右どちらか一方)の手足に力が入らなくなったり、思うように動かせなくなったりします。 麻痺の出る場所は、脳のどの部分で出血が起きたかによって変わります。 感覚麻痺 感覚障害には2つの異なる症状があります。1つは触覚や痛みを感じにくくなる鈍麻で、もう1つは刺激に敏感になり、しびれを感じやすくなる過敏です。 感覚麻痺も脳出血後に多く見られる後遺症で、体の片側だけに症状が現れやすい特徴をもっています。 言語障害 脳出血後の言語障害は2種類にわかれます。 「失語症」は言葉が出にくくなり、読み書きも困難になる症状です。一方「構音障害」は口や舌の動きが悪くなり、発音がはっきりしなくなる症状です。 目の障害 脳出血後の目の障害では、目の見える範囲が狭くなったり、物が二重に映ったりします。 左右どちらかの視野だけが見えにくくなる「半盲」も起こりうる症状です。視野の問題は長期的な経過をたどり、改善に時間がかかる場合があります。 嚥下障害 嚥下障害では、のどの筋肉の動きが悪くなり、食事や水分が飲み込みにくくなる場合があります。食べ物が間違って気管に入ると「誤嚥性肺炎」(食べ物が肺に入ることで起こる肺炎)を引き起こす危険があります。 高齢者は誤嚥性肺炎で重症化しやすいため、食事の際はとくに慎重な対応が必要です。 高次脳機能障害 高次脳機能障害は、脳の細胞がダメージを受けて起こる症状の総称です。 たとえば、症状の1つである「記憶障害」は、過去の出来事を覚えていられなくなる状態です。また、注意力が散漫になって作業に集中できなくなる「注意障害」も見られます。 「感情障害」も引き起こし、感情の起伏が激しくなったり、何事にもやる気が出なったりする症状が現れるケースもあります。 脳内出血の後遺症を軽減を目指すリハビリとは 脳出血の後遺症は、適切なリハビリで軽減できる可能性があります。日常生活への復帰を目指し、発症直後からリハビリを始めていくのが大切です。 初期段階では、廃用症候群の予防を目的としたリハビリがよくおこなわれます。廃用症候群とは、病気の治療のために安静にしすぎた結果、筋力が衰え身体機能が低下してしまう状態です。 廃用症候群になってしまうと、身体機能の低下だけでなく、骨粗鬆症や心臓・肺機能の低下なども起こります。そのため、病状が安定したら、手足の運動や体位の変更といった軽めのリハビリをしていくと良いでしょう。 発症から2〜6か月の回復期では、日常生活への復帰に向けた本格的なリハビリをおこないます。医師、看護師、理学療法士など、多くの専門家のサポートのもとで段階的に機能回復を目指します。 脳出血の後遺症でリハビリ以外に効果が期待できる治療方法 脳出血の後遺症でリハビリ以外に効果が期待できる治療方法の1つに「再生医療」があります。 再生医療とは、修復力のある幹細胞の働きを利用して、弱ったり、傷ついたりした神経細胞を修復する新しい治療法です。 再生医療では、麻痺や痺れといった脳溢血の後遺症の回復を早めたり、脳卒中の再発を予防したりする効果が期待されています。 以下の記事では、再生医療による脳出血の治療効果を具体的に 解説しています。動画や実際の症例を 交えながら説明しているので、 再生医療の治療に関心がある方は参考にしてみてください。 再生医療で脳溢血の治療を進めたい方は、弊社『リペアセルクリニック』にご相談ください。再生医療の症例数10,000例以上の経験を活かし、患者さま一人ひとりに合った治療プランをご提案いたします。 \まずは当院にお問い合わせください/ まとめ|脳内出血における後遺症の種類とリハビリの効果を把握して治療に役立てよう 脳出血を発症すると運動麻痺や感覚障害といった後遺症が出る可能性があります。 早期にリハビリを始めれば症状を軽減できたり、回復を早めたりできる場合もあるので、専門家と相談しながら適切なリハビリを進めていきましょう。 近年では、脳出血における後遺症の治療法として「再生医療」が注目されています。 再生医療は人間の自然治癒力を活用した最先端の医療技術です。幹細胞の修復力を利用して、脳細胞の機能回復を促進します。 「再生医療に興味があるけど具体的なイメージがつかめなくて不安…」という方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。 脳出血の後遺症に関するよくある質問 最後に脳出血の後遺症に関するよくある質問と回答をまとめます。 脳出血による後遺症のリハビリはどこで受けられますか? 医師の指示があれば、以下の場所でリハビリが受けられます。 ・自宅での訪問リハビリ ・病院や診療所での通院リハビリ ・デイケアセンターでの通所リハビリ 医療保険では、発症から最大150日間(脳の高次機能障害がある場合は180日間)のリハビリが利用できます。保険期間終了後は、民間施設での自費リハビリも選択肢の1つです。 費用や内容は施設ごとにさまざまなプランが用意されており、状態や目的に合わせて選べます。 脳出血で後遺症なしの確率はどれくらいですか? 脳出血で後遺症なしの確率を示す公的なデータは見つかりませんでした。 しかし、厚生労働省が実施した脳卒中患者(18-65歳)の予後調査によると、1,584例中、後遺症がまったく残らなかったのは344例でした。 つまり、脳卒中を発症した患者の約2割が後遺症なく回復し、約8割の患者には脳卒中によるなんらかの影響が残る結果となったのです。 以下の記事では、脳出血で後遺症が残らない確率について詳しく解説しています。脳卒中に関する調査結果を複数紹介しているので、理解を深めたい方はぜひあわせてご覧ください。 脳出血の後遺症は治るケースもありますか? 脳出血の後遺症は完全に治すのは難しいといわれています。しかし、適切なリハビリや治療をおこなえば、症状を最小限に抑えたり、残っている機能を回復させたりすることが可能です。 脳出血の有効な治療法の1つに「再生医療」があります。 これまで一度死んだ脳細胞は戻らないとされてきました。しかし、再生医療は脳細胞を復活させ、脳出血を含む脳卒中の後遺症を改善できることがわかってきたのです。 詳しい治療法や効果が知りたい方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。
2023.03.15 -
- 脳卒中
- 頭部
- 頭部、その他疾患
頭の右側が痛かったり、ギューっと締め付けられるような頭痛で悩んでいませんか。 このようなつらい頭痛を早く治したいと思う方が多いでしょう。 頭痛が一瞬で改善する方法はありませんが、セルフケア(ツボ押し・鎮痛剤の服用)により一時的に症状を和らげられます。 しかし、中には早急に受診すべき危険な頭痛も存在するため、見極めが大切です。 本記事では、頭が痛いとき、すぐにできる対処法や症状別の正しい対処方法について解説しています。本記事が、皆様のつらい頭痛が改善されるヒントとなれば幸いです。 当院「リペアセルクリニック」では、再生医療による頭痛の治療が可能です。 「メール相談」または「オンラインカウンセリング」にて無料相談を受け付けていますので、気になる方はお気軽にご相談ください。 頭が痛いときの対処法2選【すぐにできる】 頭が痛いときに自宅ですぐに取り組める対処法として次の2つがあります。 ツボ押し 鎮痛剤の服用 つらい頭痛から解放されたい方は、上記の方法を実践してみましょう。逆に頭痛が悪化する場合は、無理に行わないことをおすすめします。 ツボ押し ツボ押しは、時間と場所を選ばずにできる頭が痛いときの対処法です。特別な道具も必要ないため職場や外出先でも実践できるでしょう。 頭痛に効果のあるおすすめのツボは以下の3点です。心地良い強さで押してみてください。 合谷(ごうこく):人差し指と親指の骨が交わる少し上にある、人差し指側でくぼみ 百会(ひゃくえ):頭の頂点より少し後ろにあるくぼみ 天柱(てんちゅう):首後ろの髪の毛の生え際より少し下に指をずらすとくぼみから左右に伸びている2つの筋肉 鎮痛剤の服用 頭痛がつらい場合は、我慢せずに鎮痛剤を服用して様子を見ましょう。手持ちの鎮痛剤や、いつも使っている薬でかまいません。 最寄りの薬局やドラッグストアで購入できる市販の鎮痛剤、以下の3つがあげられます。 イブ(イブプロフェン)(文献1) カロナールA(アセトアミノフェン)(文献2) ロキソニンS(ロキソプロフェン)(文献3) など 市販の鎮痛剤は手軽に購入できる一方で、服用できる人が限定されています。 以下に該当する人は、薬剤師または登録販売者に相談した上で購入しましょう。 15歳未満である 妊娠中である 鎮痛剤でアレルギーや喘息になったことがある 注意していただきたいのが「薬物乱用頭痛」のリスクです。 頻繁に鎮痛剤を服用していると、薬の効果が切れた後に頭痛が再発する可能性もあります。鎮痛剤の服用が月に15回以上ある場合は受診を検討しましょう。(文献4) 【症状別】頭が痛いときの対処法 頭痛は、別の病気からくる「二次性頭痛」とその他の「一次性頭痛」に大きく分けられます。 その中でも多いのが「一次性頭痛」です。 一次性頭痛の中でもさらによく見られる頭痛として以下の3つがあります。 偏頭痛 緊張型頭痛 群発頭痛 それぞれ頭痛の特徴や原因が少しずつ違います。まずは自分の頭痛タイプを理解し、正しい対処法を実践しましょう。 ズキズキと脈打つような偏頭痛には「トリプタン系の頭痛薬」 脈打つようにズキズキする頭痛のタイプは「偏頭痛」の可能性があります。脈打つ頭痛に加え、以下のような症状も一緒にあらわれる可能性があります。 頭痛が起こる前に以下のような前兆が出現する(文献5) 1. きらきらした歯車のようなものが見える 2. チクチク感があり、体や舌にも伝わる 吐き気がする 光や音に対して過敏になる 偏頭痛がつらいときの治療には「トリプタン系」の頭痛薬が有効です。 偏頭痛の原因は脳の周りにある神経と血管の炎症といわれています。 トリプタン系の薬は、炎症が起こっている神経と血管を正常に戻すため、偏頭痛の緩和が期待できるでしょう。(文献6) トリプタンを服用する有効なタイミングは、痛みが始まってすぐや、軽度なときです。偏頭痛に効果が期待できる一方で、服用のタイミングが難しいデメリットがあります。 また、トリプタン系の頭痛薬の服用以外に以下の対処法もおすすめです。 頭痛がつらいタイミングの前後の行動や強さなどを記録する 暗くて静かな場所で横になる 寝る時間と起きる時間を一定にする 偏頭痛がつらい方は、上記のセルフケアも日常に取り入れてみてください。 頭が締め付けられるような緊張性頭痛には「解熱鎮痛剤」 頭の両側がギューっと締め付けられたり、圧迫されたりするような頭痛は「緊張性頭痛」の可能性があります。 緊張型頭痛の多くの原因は、肩や首の凝りです。凝り固まった肩や首回り筋肉が脳や首周辺にある神経を圧迫するため、緊張型頭痛が引き起こされます。(文献4) 緊張型頭痛に対する対処法には、ロキソニンやイブなどの「解熱鎮痛剤」が有効です。 ただし、鎮痛剤に頼りすぎてしまい、頻繁に飲み続けるのはおすすめできません。「緊張型頭痛かもしれない」と思った方は、原因である肩や首の凝りをほぐすことが大切です。 日常的にできる予防策として以下のようなことがあります。 肩と首をほぐすストレッチやマッサージを行う 凝りを感じる肩や首の部分を温める(蒸しタオルの使用や湯船につかるなど) 背筋を伸ばして正しい姿勢を保つ 肩や首のこりと頭痛が気になる方は、上記の方法も実践してみましょう。 目の周り・こめかみが強く痛む群発頭痛には「トリプタン系薬剤や酸素投与」 目の周り、こめかみが強く痛む場合は「群発頭痛」の可能性があります。 かなり強い痛みが発作的に起こり、15分から3時間程度続くのが特徴です。(文献7) 明確な原因は明確になっていませんが、群発頭痛は、脳にある「視床下部」や脳内の血管に異常をきたしているため症状が引き起こされるといわれています。 群発頭痛に効果的な治療は、以下の2つです。(文献4) トリプタン系の注射や飲み薬:偏頭痛と同様、脳周辺の血管や神経の炎症を鎮める効果が期待できる 酸素吸入:トリプタン系頭痛薬が飲めない人にも有用で、場合によっては自宅での使用も可能 上記の治療と合わせて、日常的にできるセルフケアは規則正しい生活を送る、生活習慣の改善(アルコールコールやタバコを控える)などです。 しかし、群発頭痛はセルフケアのみの改善が難しい症状です。頭痛が激しく、痛みが我慢できない場合はすぐに受診しましょう。 首の後ろに激しい痛みがある場合、くも膜下出血の可能性があります。くも膜下出血の頭痛についてはこちらの記事を参考にしてください。 当院「リペアセルクリニック」では、再生医療による頭痛の治療が可能です。「メール相談」または「オンラインカウンセリング」にて無料相談を受け付けていますので、気になる方はお気軽にご相談ください。 そもそも頭痛はなぜ起きる? 頭痛のメカニズムには、脳の近くにある「三叉神経」が深く関わっています。 人間の体には、皮膚や目などさまざまな場所に痛みを感じる「痛覚」があります。とくに頭痛が深く関わる痛覚は、脳を保護している硬膜や皮膚です。 痛覚から三叉神経が頭痛の情報をキャッチして脳に伝えられることで、頭痛のような痛みを自覚します。(文献8) 吐き気を伴う頭痛は、早急な治療が必要な二次性頭痛である可能性もあります。 一次性頭痛と二次性頭痛の見分け方については、以下の記事も参考にしてください。 頭が痛いときに効果的な食べ物・飲み物は栄養素に注目 頭痛に影響する一因として、栄養素があげられます。私たちが普段摂取している飲食物には、頭痛を和らげるものもあれば悪化させてしまうものもあります。 頭痛を改善または悪化させる栄養素や飲食物の一例は、以下のとおりです。 頭痛との関連 栄養素 飲食物の例 改善 ビタミンB2 納豆 鮭 レバー マグネシウム わかめ ひじき ココア 悪化 チラミン チョコレート チーズ コーヒー アルコール ビール ワイン(とくに赤ワイン) ウイスキー 頭痛に悩まれている方は、上記を参考に普段の食生活を見直してみてください。(文献9)(文献10) 今まで経験したことのない激しい頭痛なら早めの受診を 以下に該当する頭痛の場合は重大な病気が隠れている可能性があります。早めに受診しましょう。 突然に(何時何分何秒がはっきり言えるような)最大の痛みとなった頭痛 話しにくさや手足の動かしにくさを伴う頭痛 これまでに経験のない激しい頭痛 意識の低下を伴う頭痛 上記は、脳血管障害のような命の危険がある病気が隠れている可能性のある頭痛です。 脳出血やくも膜下出血などは、血管が破れたり詰まったりして起こる病気のため、頭痛をはじめとする症状が突然生じます。早急に処置が必要なため、すぐに受診しましょう。 危険な二次性頭痛の一因である「もやもや病」や「脳出血」の前兆について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。 まとめ|正しい対処法でつらい頭痛を改善しましょう 頭が痛いときは、頭痛の種類を特定し、正しい対処法を行うことが大切です。自分の頭痛のタイプを把握し、それぞれに合った対処法を試してみてください。 また、頭痛の中には、命に関わる重大な病気が隠れている場合もあるため注意が必要です。判断に困ったら早急に病院の受診を検討しましょう。 本記事が皆様の頭痛の改善に役立てられれば幸いです。 当院「リペアセルクリニック」では、再生医療による頭痛の治療が可能です。メール相談またはオンラインカウンセリングにて無料相談を受け付けていますので、気になる方はお気軽にご相談ください。 頭が痛いときの対処法についてよくある質問 頭痛を一瞬で治す方法はありますか? 頭痛を一瞬で治す方法はありません。 早めに頭痛を落ち着かせたい場合は、鎮痛剤の服用やツボ押しなどすぐにできる対処をしながら横になって休むことをおすすめします。 頭痛が頻繁に起こる場合は、頭痛のタイプにあった対処法の実践や生活習慣を整えて予防に目を向けることが大切です。 頭痛で受診する場合は、何科にいけばいいですか? 危険な病気が疑われる頭痛の場合は、脳神経外科や脳神経内科を受診しましょう。 頭痛の原因が脳の病気が原因であった場合、CTやMRIなどの画像検査や早急な処置をすぐに行えます。 症状が軽い場合や、近くに脳神経外科や脳神経内科がない場合は、通常の内科でも診察を受けられることが多いです。 当院「リペアセルクリニック」では、再生医療による頭痛の治療が可能です。「メール相談」または「オンラインカウンセリング」にて無料相談を受け付けていますので、気になる方はお気軽にご相談ください。 参考文献一覧 (文献1) エスエス製薬株式会社. イブ.独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)2024.10. (文献2) 第一三共ヘルスケア株式会社.カロナールA.独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA).2023.1. (文献3) 第一三共ヘルスケア株式会社.ロキソニンS.独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA).2024.10. (文献4) 「頭痛の診療ガイドライン」作成員会.頭痛の診療ガイドライン2021., 医学書院, 2021年出版,p473 (文献5) 中島健二.片頭痛の診断と治療. 日本内科学会雑誌. 2006, 95, 3,p487-492. (文献6) 竹島多賀夫.片頭痛. 日本内科学会雑誌. 2018, 107, 8,p1486-1493. (文献7) 日本頭痛学会・国際頭痛分類委員会.国際頭痛分類第3版(ICHD-3)日本語版. 2018, p216 (文献8) 端詰勝敬 都田淳. 頭痛. 心身医. 2016, Vol. 56 No. 8, p833-838. (文献9) 文部科学省 科学技術・学術審議会 資源調査分科会.日本食品標準成分表(八訂)増補2023年.文部科学省ホームページ.2023.4. (文献10) 原田大 北村正樹. 食品・嗜好品との相互作用カフェイン・喫煙・ドリンク剤・チアミン含有食品. ファルマシア. 2014, Vol.50 No.7,p679-683
2023.03.10