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くも膜下出血|その症状と原因、怖い再発について解説します 「くも膜下出血」は、脳と、くも膜の間に出血した血が溜ることをいいます。尚、くも膜とは、脳の周りを保護している3層の膜(硬膜、くも膜、軟膜)の一つです。 「脳」に関する病気は、死亡を伴う、命を落とす危険性が高いため、とても怖いものです。その意味で「くも膜下出血」も脳に関わる怖い病気の一つです。 ちなみに、この疾患は中年期40代以降から、発症リスクが高まるほか、男性よりも女性に多く発症しています。特に、喫煙や飲酒といった習慣がある場合や、高血圧の場合は、発症するリスク、その確率が高くなるとされています。 くも膜下出血が起こると激しい頭痛がおこるほか、死亡に至らずとも重い後遺症が残る可能性が高いことが知られていますが、実際には具体的なことは「よく知らない!」という人も少なくないのではないでしょうか。 そこで今回は、くも膜下出血の症状や原因、治療方法などの概要に合わせて、再発予防の観点からも、その注意点を紹介してまいりましょう。 くも膜下出血の症状 くも膜下出血を発症した際の症状で、代表的なものとして挙げられるのが「頭痛」です。くも膜下出血に場合、痛みは徐々に訪れるのではなく、数秒でピークに達するのが特徴です。 症状としては、これまでに経験したことがないような激しい頭痛で、大げさではなく「ハンマーで思いっきり叩かれたような痛み」が突然起こるという具合に例えられています。脳内での出血量が少ないと痛みも少ないのですが、出血量が多くなると痛みも強なりく、意識障害を引き起こすケースも少なくありません。 また、くも膜下出血によって脳が圧迫されると脳細胞が破壊されてしうことで「麻痺やしびれ、言語障害などの後遺症」が残るケースは珍しくありません。 そこで、これまで体験したことのない激しい痛みが突然、頭に覚えた場合は、大至急、救急車の手配など緊急で医療機関の受診が必要であることを忘れてはなりません。意識がある状態で病院に到着することが生死を分けると言います。 ぜひ前兆や初期症状を見逃すことなく対応下さい。 くも膜下出血の特徴 ・急激な頭痛 ・経験したことのない激しい痛み ・意識障害が起こる可能性も ・後遺症つぉいて「麻痺やしびれ、言語障害」が起こる可能性がある くも膜下出血の原因 くも膜下出血は、「激しい頭痛に見舞われる」「後遺症が残る」など、危険で怖い病気の一つです。くも膜下出血の原因は、脳動脈にできる瘤(こぶ:脳動脈瘤/のうどうみゃくりゅう)にあります。 血管には、膜が薄く弱い部位あります。その弱い部位が強い血流を受けると膨らんで瘤ができてしまいます。その瘤に、高い血圧がかかるなどした場合に破裂してしまうのが「くも膜下出血」です。 脳動脈瘤は血流が強くなる部分、血管が分岐している箇所などにできやすいのが特徴です。 くも膜下出血の治療 くも膜下出血の治療法は、原因となる脳動脈瘤が再び破裂しないように、頭痛や後遺症が発症するのを防ぐことが目的になります。ただし、脳動脈瘤を小さくしたり、脳動脈瘤を消したり、無くしたりする方法は無いことから、脳動脈瘤へ血液が流れないようにする手術的治療が行われます。 脳動脈瘤へ血液が行かないようにする手術方法として代表的なものの一つは、開頭して行う手術で動脈本管と動脈瘤がつながっている部分(ネック)を専用のクリップで挟む「ネック・クリッピング」という治療法です。 また、二つ目に、脳動脈瘤のなかに血液が入らないようにするために、開頭をせずに血管を使ってカテーテルを動脈瘤まで進め、破裂した部位にプラチナ製のコイルを詰める方法があり「コイル塞栓術」という治療方法になります。 いずれの治療法であっても必要なのは術後の経過観察です。定期的な診察を受けることが大切です。 くも膜下出血の治療(手術) ・ネック・クリッピング(開頭) ・コイル塞栓術(血管から) くも膜下出血が危険で怖い理由は「再発」です くも膜下出血が起こった際に適切な治療が行われても安心してはいけません。くも膜下出血は、非常に恐ろしく危険な病気だと呼ばれるのは、「命にかかわる病気であること」、そして何よりも「再発率の高さ」が挙げられます。 その「再発には前兆」があります。そこで再発を防ぐために気を付けて欲しいことを記しました。 くも膜下出血を発症した場合、治療を受けることは当然ですが、それに満足しないでください。その後、再発しないように気をつけることが重要なテーマになります。くも膜下出血の再発を防ぐためには、その前兆を知っておき、常日ごろから注意するという意識が大切です。 今回は、「くも膜下出血の再発の前兆」と題して既に発症し、治療をうけたものの再発に注意すべき人に向けて、覚えておいて欲しい点を解説しました。また、併せて発症後の後遺症に対してもご説明してまいります。 1.くも膜下出血の再発の前兆、初期症状「動眼神経麻痺」とは くも膜下出血の再発の前兆、初期症状として代表的な症状が目に現れます。それが動眼神経麻痺」です。動眼神経麻痺とは、片方の瞼が開かなくなって、両目で物を見ようとすると物が2つに見えるようになる状態をいいます。 動眼神経麻痺は、大きくなった動脈瘤が動眼神経を圧迫するために起こります。そのため、「動眼神経麻痺になってしまうと動脈瘤が大きくなっている可能性があるります。 この動脈瘤が破裂してしまうと、くも膜下出血が再発してしまう可能性があるいため、この症状を忘れないでくださいす。また、大きくなった動脈瘤は動眼神経だけではなく、「視神経を圧迫」することもあります。 そうなると視力が低下したり視野が欠けたりするケースもあるのでそのような症状に気が付いたときは、何よりも早く病院で脳外科、脳神経外科などの医療機関を受診し、治療を受けてください。 動眼神経麻痺の特徴 ・両目でモノを見るとモノが二つに見える ・視力の低下 ・視野が欠ける 2.くも膜下出血の再発の前兆、初期症状「頭痛」に注意 動眼神経麻痺のほかにも、くも膜下出血の再発の前兆、初期症状として「頭痛」があります。視野の乱れと共に起こることがあり、くも膜下出血が再発する兆候として頭痛も疑って欲しいと思います。 その症状を感じた場合は、すでに少量の出血が生じている可能性が高いため、早急に治療すべきとの意識を持ってください。この際に「軽い頭痛」についてご注意ください。 初期症状として頭痛の程度はそれぞれで、例えば「軽い頭痛」の場合、「くも膜下出血」の再発の前兆とは考えずに見過ごしてしまいかねないことがあります。軽い頭痛であっても異常を感じたら念のため病院へ向かいましょう。 受診する際には、過去の既往症として「くも膜下出血を発症した」という情報を与えなければなりません。そうで無い場合、単なる風邪などと診断されてしまうケースが少なくないからです。 ついては、過去に「くも膜下出血」を発症したことがあるなら、重い軽いに、関わらず頭痛がある場合には明確に「過去、くも膜下出血を患った」という情報を伝えるようにすることが大切です。 その他にも症状を感じたなら、「いつもと違う」「初めての痛み」などと、症状の内容を詳しく医師に伝えるよう努めてください。 くも膜下出血の再発の前兆 ・動眼神経麻痺 ・めまい ・視力低下 ・頭痛(症状は様々、軽い場合も要注意) くも膜下出血の再発を防ぐのは定期的な検査 ここまで「くも膜下出血の再発防止」のために、知っておきたい前兆について記してまいりましたが、再発防止には定期的に検査を受けることが非常に重要です。 くも膜下出血の原因となる動脈瘤を検査で発見することができれば、動脈瘤が破裂してしまう前に処置することができるからです。くも膜下出血を発症して10年くらい経過してから治療した動脈瘤が再び大きくなったり、新しい動脈瘤ができて破裂したりする可能性もあります。 一度検査して問題なかったからと安心や、油断をせずに定期的に検査を受けるようにしましょう。 再発を防ぐために ・定期的な検査を受け続けることが何より大切 まとめ・くも膜下出血とは|その原因と治療、怖い再発について くも膜下出血の特徴について簡単に分かりやすいようにご紹介しました。発症時にハンマーやバットで突然殴られたような激しい頭痛に見舞われること。再発率が非常に高いため、くも膜下出血を経験したなら再発防止にも力を入れる必要があること等をご説明しました。 また、くも膜下出血は、危険です。死亡を免れても後遺症が残る可能性が高いとても怖い病気です。ここで記したような症状を感じたらすぐに病院の脳外科や、脳神経外科等の専門医療機関を受診してください。 手術による方法としては「ネック・クリッピング」や、「コイル塞栓術」というものがあります。 また、治療後であっても再発率は高いため、くも膜下出血の前兆を知っておくことは大切です。早期に対処すれば再発を防ぐ可能性が高まります。何度も申しますが何か頭に違和感を感じたら迷わず医療機関を頼りましょう。 ただ、くも膜下出血が早期に発見され、適切な処置を受けた場合でも麻痺や痺れといった障害が残る可能性が高いのが現実です。 障害については治療後、リハビリに励むことで改善を目指せますが慢性期に移行すると機能の回復は困難となり、最終的に身体を動かせなくなってしまいかねません。 そんな、くも膜下出血の後遺症でお困りの方へ再生医療の可能性を伝えることができればと考えています。興味があれば以下のリンクをクリックして下さい。 以上、くも膜下出血とは、その原因と治療、怖い再発について、記させていただきました。ご参考にしていただければ幸いです。 ▼ 再生医療で脳卒中の治療する 脳卒中(脳梗塞、脳内出血)は、再生医療による幹細胞治療で復活を目指せます ▼こちらも参照されませんか くも膜下出血"女性は男性の2倍ものリスク!今日からしたい本気の予防策!
2022.03.14 -
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脳卒中の3つの症状と治療法!脳梗塞の再発を予防するコントロール方法について 厚生労働省によると、脳卒中は、2018年の1年間における死因別死亡総数のうち、脳血管疾患は10万8,186人で全体の7.9%を占め、死因の上位から4番目という結果となっています。 その翌年、2019年においても、10万6,552人で全体の7.7%となり、こちらも2018年同様に死因の上位から4番目という結果になっています。 脳血管疾患で亡くなった方のうち、60%にあたるおよそ7万人の方が脳梗塞で亡くなっており、一命を取り留めたとしても、後遺症である麻痺が残り、寝たきりになってしまう場合も少なくない怖い病気です。 しかし以前、1950年頃より約30年間、脳卒中は日本人の死因の第1位でした。 少しではあるものの順位が下がったのは、1960年頃より脳卒中発症において最大のリスク原因である高血圧に対する治療が広く行われるようになり、脳卒中の発症を一定以上抑制することが可能になったからです。 また、脳梗塞の発症直後に閉塞した血管を再開通させ、神経細胞死を防止する血栓溶解薬(t-PA)が日本でも認可(2005年)され、さらにカテーテルで脳血管を閉塞している血栓を除去する血管内治療も認可(2010年)されるなど、脳卒中直後の超急性期において神経細胞死を防ぐ治療法も進歩してきました。 脳卒中の兆候を見つけたら即病院を受診 ・脳卒中は、その兆候を発見したら直ちに病院へ向かいましょう。 ・早期に治療を開始することで「後遺症が軽くなる可能性」があるからです。 治療を行うには検査が必要となり、その検査に1時間程度必要ですので症状を発見したら早急!遅くとも2時間以内を目処に速やかに病院で受診すべきです。この時間が症状を左右する可能性があります。 病院ではまず、問診、診察、採血、胸部レントゲン、心電図、頭部CT、頭部MRI、頸動脈エコー、心エコーなどの検査を行います。検査の結果、脳卒中と診断されると次は治療に移ります。 脳卒中の中でも「脳出血」、「くも膜下出血」、「脳梗塞」など各症状別に治療法は少し異なり、点滴や飲み薬による脳血流改善、血栓をできにくくする抗凝固療法や抗血小板療法、脳梗塞後に脳内で発生する活性酸素などの有害な物質を除去して、脳の障害を予防する脳保護薬の使用などがメインで行われます。 また、血圧、体温、脈拍などの全身状態の管理も行い、併せて日常生活動作の改善を目的としてリハビリも行います。 脳卒中の3つの症状とその治療法 1)脳出血 高血圧が脳出血の原因になることが多いので、降圧薬(血圧を下げる)を投与します。また、出血を止めるために止血剤を使用されることもあります。 さらに、出血によって脳が圧迫されるので、浮腫をとるための薬剤(抗浮腫剤)も投与します。また出血量が多い場合には、命にかかわる事もあるので、開頭手術によって血のかたまりを取り除く手術を行うこともあります。 2)くも膜下出血 脳の血管にできた「こぶ」が破裂して出血するので、破裂した部位をふさぐ手術をします。手術の方法は2通りあります。 開頭クリッピング術 頭の骨をはずして、「こぶ」の根元を洗濯ばさみのような道具(クリップ)ではさんでふさぎます。 血管内コイル塞栓術(動脈瘤塞栓術) 「こぶ」の中にコイルと呼ばれる細い金属をいれて「こぶ」全体をふさいでしまいます。カテーテルという細いストローのような道具を使って血管を通し、「こぶ」までコイルを運ぶので、開頭手術をすることはありません。 3)脳梗塞 脳梗塞は、脳の血管の動脈硬化が起きた部位に形成された血栓、あるいは心臓で出来た血栓によって脳の血管が詰まり脳が壊死してしまうものです。 脳梗塞がおこってから4.5時間くらいまでを超急性期といい、この時間内に詰まった血管を再開通させることができると、劇的に症状が改善する可能性があります。 脳梗塞がおこってから48時間以内であれば、血が固まるのを抑制する抗凝固薬を投与します。 脳梗塞の急性期のみに施行される治療には「t-PA」という点滴や、血管内治療などがあります。これらの治療を受けるには、発症してからの経過時間をはじめ、さまざまな条件があります。 それらをクリアする必要があり、そのため脳梗塞で病院に来られた方の2~5% (100人中で2~5人)程度しか、この治療は行われていません。 さらに、ルールを守って使っても 6%(100人に6人)程度の確率で症状が悪化するような脳出血を生じます。 うまくいけば劇的に症状が改善する一方で、効果が期待できなかったり、症状が悪化したりする可能性がある治療法であることを知っておいていただければと思います。 t-PA:組織型プラスミノゲン・アクティベーター(tissue-type plasminogen activator:t-PA) こちらの薬を点滴して血栓を溶かし、脳の血流を再開させます。t-PAを使用することで、3ヶ月後に自立した生活を送れる患者さんが、使用しなかった時と比べて約50%増加するとされています。 脳梗塞により脳神経細胞が死に至る経過は早く、適切なタイミングを逃すと、出血などの合併症で逆に症状が悪化する危険があります。基本的には発症してから4.5時間以内に治療が開始できる患者さんに限り、治療の対象となります。 (t-PAは2005年10月から日本で認可され、発症後3時間以内の患者さんを対象に使用されていましたが、2012年9月より対象となる治療間が4.5時間に延長されています。) 血管内治療 脳梗塞の血管内治療は、発症してから8時間以内の患者さんが対象となる治療です。 細いビニールの管(カテーテル)を足の血管から挿入して、脳の血管へ進めて、血管の詰まりの原因となっている血栓を溶解したり、回収したりして、閉塞した脳血管を再度開通させます。 具体的な方法として、カテーテルを閉塞した血管に導入し、血栓溶解剤(ウロキナーゼ)を投与する方法、バルーンを閉塞した血管に留置し血栓を破壊する方法。 また、メルシーリトリーバーという、先端がらせん状になっている柔らかいワイヤーで、脳の血管をつめている血栓をからめとって回収する方法。 ペナンブラという血栓を吸引する器具で、まるで掃除機のように血栓を吸引し回収する方法(柔らかい血栓も回収することが可能)などがあります。 t-PA療法の注意点 問題点としては、t-PA療法の適応対象となる時間「4.5時間」が強調されるあまり、「4.5時間を過ぎた場合は治療してもあまり意味がない」と誤解されることが多く、専門病院への受診を躊躇されるケースもみられます。 また発症時刻がはっきりとわからない場合では、発見から早急に病院へ搬送してもt-PA療法の適応とならないことがありました。しかし2019年3月より、頭部MRI検査で「発症からあまり経過していない可能性が高い」という所見がみられる場合には、t-PA療法を検討できるようになりました。 そして、脳卒中専門の病棟であるSCU(脳卒中ケアユニット)で従来使用される薬を用いた治療や急性期のリハビリテーションを積極的に行うことで、発症後4.5時間を過ぎて来院された患者さんでも良い治療効果が現れることも少なくないので時間にかかわらず専門施設でしっかりとした初期治療を始めることが重要です。 脳梗塞の再発予防 一度脳梗塞を起こすと再発しやすい傾向があり注意が必要です。統計的には脳梗塞発症後1年で10%、5年で35%、10年で50%もの人が再発しています。 そこで、脳卒中の再発を予防するには、まず生活習慣の改善を行うことです。脳卒中の危険因子とされている高血圧や喫煙、多量の飲酒、糖尿病、肥満、運動不足などは脳卒中の発症の危険性が高まります。 医師、薬剤師、栄養士など専門職の指導に従い、規則正しい生活や禁煙、減塩や減量に取り組みましょう。 また再発予防として、抗血栓薬を処方されることがあります。脳卒中の原因によって処方される薬剤は違い、心臓が原因で発症した心原性脳塞栓症には抗凝固薬が、心臓以外の原因(血管由来)の非心原性脳梗塞には抗血小板薬が使用されます。 ①具体的な再発予防~危険因子のコントロール~ 脳卒中の危険因子は、再発の危険因子でもあります。過去に一度脳卒中を発症しているということは、すでに危険因子があるということなので、十分注意をしましょう。 脳卒中の危険因子は、高血圧、糖尿病、脂質異常症、多量飲酒、肥満、喫煙、運動不足などです。これらを予防し、さらにコントロールしていくことが再発予防につながりますので、以下のようなことを心がけましょう。 禁煙 文字通りタバコを止めましょう 塩分の取り過ぎを控える 成人男性8g未満、女性7g未満で高血圧患者では6g未満 減量 標準体重を知ってダイエットを行う 食事に気を付ける 毎日5種類以上の野菜(350g/日以上)、魚、果物の摂取 減塩、低カロリー、低コレステロール入浴 節酒 アルコール換算20g程度(日本酒1合程度)に抑える 既往症に注意する 高血圧、脂質異常症、糖尿病、心臓病などがある場合には適切に治療する 運動 適度な運動を行う、ストレスや疲労をやめない 定期健診 定期的に健診を受け、血圧、コレステロール、中性脂肪、血糖などをチェックする 水分を取る 脱水症状にも注意 ②具体的な再発予防~定期的な検査~ 脳梗塞が治まった後も年に1回程度専門病院へ行き、検査を受けることが重要です。CT、MRIの他に頸部の血管を検査する頚動脈エコーも脳梗塞再発予防には有用です。 ③具体的な再発予防~服薬継続~ 再発予防のためには、処方された薬をきちんと服用することも大切です。主治医の指示に従って、正しく継続して服用しましょう。なお、服用中に副作用が現れるなど気になることがある場合は、すぐに相談しましょう。 まとめ・脳卒中の3つの症状と治療法!脳梗塞の再発を予防するコントロール方法 脳卒中の治療には、手術・点滴・内服薬などがあります。 これらの中で内服薬な自分で管理をする必要があります。ところが、処方された量を決められた日数できちんと飲みきる人は意外と多くありません。実際のところ、薬を飲み残してしまう理由の大半は単なる飲み忘れです。 服薬カレンダーの使用や一包化するといった工夫で、その時間帯に服用すべきお薬を選ぶのは容易ですが、定刻に服薬することを思い出すことは、高齢者にとっては難しい面もあります。 定刻に服薬することを思い出すためには、お知らせ機能付きのピルケースやスマートフォン・携帯を利用してアラームや通知を設定し、飲み忘れを防ぎましょう。 以上、脳卒中の3つの症状とそれぞれの治療法、再発を予防する具体的なコントロール方法について解説にしました。参考にしていただければ幸いです。 ▼脳卒中の後遺症|脳卒中の最新、幹細胞治療は、以下をご覧下さい 再生医療は、脳卒中の先端治療法として脚光を浴びています ▼以下のご覧いただけます 脳卒中の治療!リハビリについての予後予測 1.くも膜下出血とは?その症状と後遺症を医師が徹底解説! 2.脳梗塞になりやすい人とは?発症や再発予防で注意しておくべきこと 3.脳出血の初期症状をセルフチェック!早期治療で後遺症を残さない
2021.12.21 -
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脳卒中の治療!予後予測に基づいたリハビリの 脳卒中のリハビリテーションの予後に関する予測について「予後」とは「病の経過」や、「結果に関する見通し」を指します。 予後とは ・病の経過 ・結果に関する見通し 今回は、脳卒中を発症後のリハビリに関して医学的な見通し、つまり「病気の進行具合」や、「治療の効果」、これら発症している症状に関し、その改善について見込みを予測することの重要性を記しました。 脳卒中の予後予測をすることは、必要だと分かっているけど、いつ、どんな時に、どのようにすればいいか分からない方が多いのではないでしょうか。 まず、予後予測を立てることの大切さとして、予後予測を行えばリハビリの内容や、進め方といった治療内容を状況に合わせて修正しながら進めることができる点にあります。 しかし、予後予測をせずにリハビリを続けるということは無計画にリハビリを行うに等しく、はたして今行っている治療法が合っているのか、効果的なのか?今後、軌道修正が必要なのか?といった判断基準を得ることができません。 これを例えると予後予測を立てずにリハビリを行うということは「目的地を決めずにドライブをしている」ようなものであるといえます。 予後予測を立てることの大切さ ・リハビリの治療内容を状況に合わせて修正しながら進められる ・目標の共有化で治療内容を吟味することができる 後予測をせずにリハビリを続ける ・無計画にリハビリを行うに等しい ・治療法が合っているか、効果的なのか、軌道修正が必要なのか?判断基準を得ることができない この状況だと改善に向けて最短で向かう道順を決められず、だらだら寄り道をしながら進むことになりかねず、それどころか、どこへ到着するのかさえも分からなくなります。 つまり、リハビリにおける予後予測は、いうなれば「目的地」を決めて、その目的地に向かうための方策を練ること、考えることが大切といえば分かりやすいのではないでしょうか。 また、リハビリにおいて予後予測が大切とされている理由として、目標を共有することで治療内容を吟味することができ、病棟での対応の統一化、退院際の検討などもあげることができます。 リハビリは、生活を対象に行う リハビリは、一人で行うわけではなく、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、医師、看護師、ソーシャルワーカーなど様々な職種がチームとして情報共有しながら関わるべきです。 予後予測に基づいた目標設定 リハビリでは、病棟で看護師にも同じやり方でできるように動作方法を伝えておくことで、入院中の生活においても自然と練習ができる環境を設けることが可能になります。 リハビリは患者さん毎に予後予測を立てて、治療を進めますが例えば「2か月後には自立歩行」できると予測したとして、達成することができていれば、そのリハビリは正解であったということになります。 その場合、たとえ目標が達成できなかったとしても「脳画像の解読が不十分だった」のか、「治療内容が適切でなかった」のか、「既往歴の影響があった」のか、「認知面の影響で学習が阻害されていた」のか、などの点を振り返ることが可能となります。 患者さんに関わる期間中であれば、再度、予測をたて直すことで治療内容を改善することが可能です。またリハビリが終了してしまったのであれば、今後の自分の成長につなげることもできるでしょう。 入院中にリハビリを行う時間は、回復期病棟の場合でも最大で3時間であり、それ以外は病棟で過ごすことになるため、病棟での生活にもおいても「起き上がり」、「靴の脱ぎ、履き」、「車椅子のこぎ方」、「更衣の仕方」、「トイレでの動作」などをリハビリの一貫として取り組むことが改善の早道になることは言うまでもありません。 具体的には、片麻痺の患者さんであれば患側(麻痺側)から足をズボンに通すなどの順番があるため、定着できるように病棟で指導したり、部屋に手順を記した紙を貼って普段から意識できるようにすることが大切となります。 予後予測に基づいた管理の大切さ また、予後予測をして今後は、独歩での歩行が可能になると予測できれば、あえて車椅子の片手片足駆動のやり方や、ブレーキ、フットレストの管理に関する指導は形程度で済ませ、それよりは病棟に頼んでリハビリの時間以外に看護師さんと歩くための練習時間をつくるなどの対応を求めるべきでしょう。 このときに「今後、歩く見込みがないならやる必要ない」と指摘されないためにも予後予測が必要という訳です。 また、今後の方針を決める場合に「リハビリの経過をみて決めていきましょう」という内容で家族と話すことが多いのではないでしょうか。 この場合、1ヶ月程度リハビリをしてみて、回復度合いなどから考慮して予後予測ができればいいですが、2~3ヶ月たっても見通しがつかないとなると、なかなか退院時期をはっきりすることができません。 もしも自宅への退院が難しい場合、家族は受入施設を探す必要があります。その際、いくつかの施設を見学して決めることになると思うのですが、実施のところ一日で全部の見学が終わるわけではなく、検討する時間も必要になります。 自宅への退院だとしても、自宅での環境の調整が不可欠、サービスの調整も必要となると意外と時間がかかります。反対に予後予測ができていれば、これらの退院の調整や準備をじっくりすることが可能です。 これら色々な事柄について予後予測が大切になってまいります。 脳卒中治療ガイドライン」予後予測の必要性 1)リハビリテーションプログラムの実施 ・日常生活動作(ADL)、機能障害、患者属性、併存疾患、社会的背景をもとに機能予後、在院日数、転帰先を予測し参考にすることが勧められる(グレードB)。 2)既に検証の行われている予測手段を用いることが望ましく、その予測精度、適用の限界を理解しながら使用すべきである(グレードB)。 引用文献:脳卒中ガイドライン2009 一般的に脳卒中には「6ヵ月の壁」といわれるものが存在します。 発症から6ヵ月を過ぎると、脳自体が回復しなくなり、症状や機能も一定になるといわれており、これを「プラトー」といいます。 脳卒中には様々な症状があるので、一つの予後予測だけだと精度は不十分です。現在、運動機能、脳画像、FIM(機能的自立度評価法)、年齢からなど様々な方法が開発され、いろんな角度から予後予測することができるようになりました。 二木の早期自立度予測基準とは 二木の早期自立度予測基準とは、臨床的で簡易に評価ができ、精度も高く、日本で最も使用されている予後予測法です。 発症時期に合わせて、①入院時の予測、②発症2週時での予測、③発症1ヵ月時での予測、の3つにわけられ、それぞれの時期によって使い分ける必要があります。 ①入院時の予測 入院時のADL能力 歩行能力予測 ベット上生活自立(※1) 歩行自立(大部分が屋外歩行可能で、かつ1か月以内に屋内歩行自立) 基礎的ADL(※2)のうち2項目目以上実行 歩行自立(その大部分が屋外歩行かつ、大部分が2か月以内に歩行自立) 運動障害軽度(※3) 発症前の自立度が屋内歩行以下かつ運動障害重度(※4)かつ60歳以上 自立歩行不能(大部分が全介助) Ⅱ桁以上の意識障害かつ運動障害重度(※4)かつ70歳以上 ※1:介助なしでベッド上の起坐・座位保持が可能 ※2:基礎的ADL・・・食事、尿意の訴え、寝返り ※3:Brunnstorm stage4以上(麻痺側下肢伸展挙上可能) ※4:Brunnstorm stage3以下(麻痺側下肢伸展挙上不能) ②発症2週時での予測 発症2週時でののADL 歩行能力予測 ベット上生活自立(※1) 歩行自立(かつその大部分が屋外歩行、かつ大部分が2か月以内に歩行自立) 基礎的ADL(※2)3項とも介助かつ、60歳以上 自立歩行不能(かつ、大部分が全介助) Ⅱ桁以上の遷延性意識障害、重度の認知症、夜間せん妄を伴った中程度の認知症があり、かつ60歳以上 ※1:介助なしでベッド上での起坐・座位保持が可能 ※2:基礎的ADL:食事、尿意の訴え、寝返り ③発症1ヵ月時の予測 発症1か月でののADL 歩行能力予測 ベット上生活自立(※1) 歩行自立(かつその大部分が屋外歩行、かつ大部分が3か月以内に歩行自立) 基礎的ADL(※2)の実行が1項目以下かつ、60歳以上 自立歩行不能(かつ、大部分が全介助) Ⅱ桁以上の遷延性意識障害、重度の認知症、両側障害、高度心疾患などがり、かつ60歳以上 ※1:介助なしでベッド上での起坐・座位保持が可能 ※2:基礎的ADL:食事、尿意の訴え、寝返り ④入院1ヵ月時に予測不能なケース ・全介助で59歳以下 ・全介助60歳以上、遷延性意識障害・認知症・両側障害・高度の心疾患を有さず、しかも基礎的ADLを3項目中2項目以上実行可能 損傷部位と予後 予後に与える影響は、脳の損傷した部位と大きさによって異なります。そして、それは脳の損傷部位と大きさなどから、3項目に分類されます。 1.小さな病巣でも運動予後の不良な部位 ・放線冠(中大脳動脈穿通枝領域)の梗塞 ・内包後脚 ・脳幹(中脳・橋・延髄前方病巣) ・視床(後外側の病巣で深部関節位置覚脱失のもの) 2.病巣の大きさと比例して運動予後がおおよそ決まるもの ・被殻出血 ・視床出血 ・前頭葉皮質下出血 ・中大脳動脈前方氏を含む梗塞 ・前大脳動脈領域の梗塞 3.大きい病巣でも運動予後が良好なもの ・前頭葉前方の梗塞・皮質下出血 ・中大脳動脈後方の梗塞 ・後大脳動脈領域の梗塞 ・頭頂葉後方~後頭葉、側頭葉の皮質下出血 ・小脳半球に原曲した片側性の梗塞・出血 運動機能の予後は、放線冠、内包後脚など錐体路を含んでいれば、例え小さな梗塞でも予後不良といわれており、小脳出血や小脳梗塞では、良好な改善がみられる場合があるので、初期症状からは、予後予測の判断が難しいとされています。 脳卒中における予後予測の中でも歩行自立度に関しては理解力、学習能力があれば弛緩性完全麻痺の場合などを除き、ある程度の歩行自立は可能だと考えられています。そのため、理解力や学習能力の判断が重要になります. その他にも、発症後の機能をもとにした予後予測の方法があり、 脳卒中を発症して初日~3日で症状が安定しているとき ・背もたれがなければ座れない:車椅子レベル ・背もたれがなくても座れる:立位、装具と杖を使用して伝い歩きレベル ・手すりを持って立てる:装具と杖を使用して歩行可能 ・手すりを持たないでも立てる:杖歩行or杖なし歩行 ・Stage1:車椅子レベル ・Stage2:立位、装具と杖を使用して伝い歩きレベル ・Stage3:装具と杖を使用して歩行可能 ・Stage4:杖歩行or杖なし歩行 これらはあくまで発症後の機能をもとにしたものであるため、脳出血では脳内の血腫の吸収度合にもよっても予後予測は変わってきますし、運動麻痺では放線冠や内包にかかっているかどうかも重要な要素になってきます。 よって、これは参考程度の簡単な予後予測であることを理解しておきたいものです。 脳卒中の治療|再生医療の可能性 ここまで脳卒中のリハビリに関する予後予測に関するご説明をしてまいりました。最後に、再生医療という先端治療の可能性についてお話いたします。 まだまだ一般的ではない治療法なのですが、症状を改善させる期待を持てる方法です。これまで一度死んだ脳細胞は戻らないとされてきました。 しかし、再生医療の手法なら一度機能しなくなった脳細胞が復活し、後遺症を改善できることがわかってたからです。 もともと我々の身体にある「幹細胞」は神経、血管、骨、軟骨などに変化することがわかっています。その幹細胞を培養して数を増やし、いろいろな組織に変化する性質を利用して脳細胞を再生させるのです。 今では脳血管障害の再生医療の研究が進み、安全性が高く効果があると認められ、世界でも注目されている治療法となっています。 ▼ 脳卒中、再生医療の可能性はこちら 再生医療で脳卒中の予後を改善する先端治療法いついて まとめ・脳卒中の治療!リハビリについての予後予測(見通し)とは リハビリでの目標を設定するには、予後予測(見通し)が必ず必要です。しかし、予後予測を行い「歩行自立は困難」という結果になったとしても、諦めるべきではありません。 予後予測の精度は高くてもそれはあくまで予測でしかなく、予後予測通りに目標を設定し、治療プログラムを進めたとしても、それ以上の結果は得られることは難しいこともあります。 なので、目標設定をする際は予後予測よりも、少し上、場合によってはさらに上を目指すことが大切です。これくらいが現実的かな、という冷静な考え方も必要ですが、絶対に諦めないという医療従事者としての強い想いも必要だと思います。 また、新たな可能性として再生医療という先端治療があることも解説させて頂きました。 ▼以下も参考にされませんか 脳卒中の前兆!?チェック項目に当てはまったら危険信号!
2021.12.21 -
- 脳卒中
- 頭部
脳卒中のリハビリで手足の麻痺を回復させ残った機能を最大化させるには ご存知でしょうか?リハビリテーション(リハビリ)とは・・・元に戻すこと! リハビリテーションの語源はre(再び)+ habilis(適した)で「再び適した状態に戻ること」、「本来あるべき状態に回復すること」を意味します。 脳卒中におけるリハビリとは、脳卒中による手足の麻痺(まひ)を回復させ、残った機能を最大限に活用することで「人間らしい生活の送り方」を取り戻すための活動といえるものです。 これまで脳卒中のリハビリは、脳卒中を発症してから間もない急性期ではなく、病状が定着する慢性期や回復期から開始するのが一般的でした。 しかし、近年、脳科学の進歩に伴って「脳卒中を発症した早期から開始する」ことが、その後の良好な機能の回復につながる可能性が高いと指摘されるようになりました。 後遺症のリハビリ 脳卒中によって手足の麻痺などが生じた場合、程度には個人差がありますが、何らかの後遺症(障害)が残ることが多くみられます。この後遺症と付き合いながら、いかに人間らしい生活を送ることができるよう導きくことがリハビリテーションの意義となるのです。 その為には、麻痺した手足を回復させ、残った機能を最大限に活用することが大切です。 さらに、失った機能を補うための補装具や、コミュニケーション・エイド(コミュニケーションを助ける用具)の使用や、住宅の改修改造、ベッドや車いすを借りるなどについて公的な支援制度を生かし、「日常生活活動」(ADL:activities of daily living)の幅を広げるだけでなく、「生活の質」(QOL:quality of life)の向上を図ることが大切です。 脳卒中の発症を見逃さないために 脳卒中でみられる症状には様々あり、特に顔、手足、言語に障害がみられます。顔、手足、言語のうち一つでも異常があれば脳卒中である確率は、非常に高いとされています。 (1)頭痛やめまい ・突然の激しい頭痛(吐き気や嘔吐を伴うこともある)→くも膜下出血 ・回転性めまい(吐き気や嘔吐を伴うこともある) (2)意識の異常 ・意識がもうろうとし、反応が鈍い ・わけもなく暴れる (3)手足の力の異常 ・ろれつが回らない ・顔面を含む半身の脱力 ・口の片側からよだれが出る、食べたものがこぼれる ・食事中に箸を落とす、字がうまく書けない、手の動きがぎこちない ・足の片側でよくつまずく、片方のスリッパが脱げやすい ・片足を引きずる、壁伝いか手すりを使わないと歩けない (4)手足の感覚の異常 ・唇の周囲と片方の手のひらの感覚が同時におかしくなる ・顔の片側と左右どちらか一方の感覚がおかしくなる ・入浴した時に体の半分はお風呂の熱さを感じない (5)言語の異常 ・言いたいことがうまく言えない、書けない ・聞いた言葉や読んだ文章が理解できない (6)目の異常 ・片方の目が突然見えなくなる ・視野が半分になる ・物が二重に見える (7)バランスの異常 ・力はあるのに、うまく物がつかめない ・座ったり、立ったり、歩いたりするのにバランスが取れない (8)その他 ・突然の記憶障害 ・けいれん発作 脳卒中で3つの症状>FAST 脳卒中で起こる典型的な3つの症状と、発症時刻を組み合わせた言葉に“FAST”というものがあります。 ①Face:顔のマヒ ・・・顔の半分が下がる、ゆがんでいる、うまく笑えない ②Arm:腕のマヒ ・・・両腕を前に突き出した時に片腕が高さを保持できず下がってくる ③Speech:ことばの障害 ・・・ろれつが回らない、文章を正しく繰り返せない、返事が乏しい ④Time:症状に気付いた時刻 ・・・これらの症状に気付いたら発症時刻を確認してすぐに“119番通報”を! 【救急車の呼び方】 ① “119番”に電話をかける ② “救急です”と伝える ③ 現在地を伝える ④ 患者の姓名、性別、年齢、症状を伝える 脳卒中急性期のリハビリテーション リハビリは、医師の指示のもと、セラピスト(療法士)によって行われます。セラピストにはそれぞれ専門分野があり、それに応じて役割を分担して対応させて頂きます。 ■セラピストの種類と役割 ・理学療法士 (PT:Physical Therapist) 起き上がる、座る、立つ、歩くなど生活の基本となる動作(基本的動作)に、必要となる関節の動きや筋力などを評価し、能力の習得や向上を目指す運動や練習を行います。 ・作業療法士 (OT:Occupational Therapist) 患者さんがご飯を食べる、着替えをする、トイレに行く、歯を磨く、字を書くなどの動作(応用動作)を身につけるために、不自由となっている腕や手の機能などについて評価し、その動作能力を向上させたり獲得するための作業練習を行います。 ・言語聴覚士 (ST:Speech Therapist) 聞く、話す、読む、書くなど言語機能に障害のある患者さんの障害の程度によって、必要な練習や助言をします。 次に、実際のリハビリついて紹介します。 【1】理学療法 離床に向けてのベッド上でのリハビリテーション ベッドで寝ている状態のことを臥床(がしょう)といい、臥床期間が長期にわたると、麻痺した側の手足の関節が硬くなったり、麻痺していない側の手足の筋力が弱くなったりします。そのため病床でのリハビリは必要不可欠になります。 長期の臥床は、褥瘡(じょくそう)や肺炎・尿路感染症、心肺機能の低下、起立時の血圧低下によるふらつきの原因にもなります。このように動けないことによって生じる一連の障害を「廃用症候群」と言います。 ①床上安静期 関節可動域訓練・筋力増強訓練 廃用症候群を予防するため、早期からベッドサイドでのリハビリによって手足の関節を動かしたり、筋力をつけたりする練習を開始します。 脳卒中を発症してから浅い時期は、病状が進行する可能性があり、ベッドから起き上がることは控えた方が良いため、セラピストが病室にてリハビリを行います。 この時期には、手足の関節が硬くなること(関節拘縮)を予防する目的で、痛みが生じないよう関節を動かす関節可動域訓練、筋力の低下を予防するため、手足の筋力増強訓練も行います。 ②離床期 頭部挙上負荷試験(とうぶきょじょうふかしけん) 脳卒中の患者さんの場合、突然起き上がると血圧が下がり(起立性低血圧)、症状が悪化することがあるので、ベッド上で寝た状態から徐々に頭を上げていき、症状に変化がないかどうかを確かめます。 ・チェック項目:血圧、心拍数、自覚症状、徴候の変化 ・頭部挙上角度:30°→60°→90°の順 ・負荷試験時間:30分間 端坐位、座位練習 ベッドで90°まで頭を上げられるようになれば、足を床に下ろして座る(端坐位)練習に移行します。その後、徐々に自力で座位を保つ練習や自分で起き上がる練習を行います。 車椅子の練習 ベッドから車椅子に、車椅子からベッドへ移乗する練習、車椅子の動かし方や止め方(ブレーキ)などの練習を、行動範囲を広げていけるように行います。 【2】リハビリテーション室にて 離床が進み、車いすに乗れるようになると、患者さんの行動範囲は大幅に広がるため、多くは集中治療室を出て一般病棟へ移ります。ベッドサイドで行われていたリハビリもリハビリテーション室に変わります。 一般的なリハビリ リハビリテーション室での訓練が可能になると、まず立つ練習から始め、立位保持が可能になれば歩行練習に移ります。まずは平行棒などの手すりを用いて行い、歩行が安定していけば、杖を使う歩行練習です。 基本は、①杖をつく→ ②麻痺側の足をだす→ ③健常側の足を出す。このような順で歩行します。 杖は歩行障害の程度に応じて大きく3種類あり、患者さんの麻痺の程度により使用する杖の種類が検討されます。麻痺した足をコントロールできず、立位保持や歩行が困難な場合は、足関節の固定を目的とした短下肢装具を使用する場合があります。 短下肢装具にはいくつかの種類があり、金属支柱付き短下肢装具、プラスチック短下肢装具、ゲイトソリューションデザイン、ファイナーなどが使用されます。 どの装具を選択するかは、ふくらはぎの筋肉の緊張度合いによって決めます。ふくらはぎの緊張が強く、足関節の強固な固定が必要な場合には金属支柱付き短下肢装具を、緊張が低い場合にはファイナーを使います。 それぞれの装具の特徴を理解し、患者さんの症状や回復度合いに合わせて、最適な装具を使用します。装具は、医師の処方をもとに作製すれば、健康保険の適用となります。 その他、必要に応じて階段昇降やバランス練習など、患者さん毎に練習内容を計画し、実施していきます。 【3】作業療法 サンディング ・傾斜したボードを上下方向に滑らせるもの ・関節の動きの改善や麻痺側の手の機能回復を目的として行う ペグボード ・麻痺した手でペグ(木釘)をボードに差し込んだり、ペグを指先でつまんで反転させたりするもの ・手指の巧緻性(つまんだり、離したりする機能)を高める目的で行う 【4】言語聴覚療法 言語機能の障害は大きく「失語症」と「構音障害」にわけられます。 ① 失語症 失語症になると「話す」ことだけでなく「聞く」、「読む」、「書く」ことも難しくなります。失語症には次のような種類があり、「聞く」「話す」「読む」「書く」などの言語機能について評価し、コミュニケーション能力の向上に必要な訓練・助言を行います。 ・運動性失語 言葉を聞くと理解はできるのに、うまくしゃべれない ・感覚性失語 言葉を聞いても理解ができず、言い間違い(錯語)が多い ・健忘失語 よく話を理解し流暢な話し方なのに、物の名前が出てこないために回りくどい話し方になる ・全失語 「聞く、話す、読む、書く」すべてに重度の障害がある ② 構音障害(運動性構音障害) 一方で「構音障害」は、脳卒中によって言葉を話すのに必要な舌や口唇、声帯など発声発語器官の麻痺や、それらの動きをうまくコントロールできず(失調)、呂律(ろれつ)が回らなくなり発音が不明瞭となる状態です。 麻痺の程度について評価し、より明瞭に発音できるよう発声・発語の練習を行います。重症の患者さんには、状態に合わせて筆談や五十音表の使用など、代わりのコミュニケーション手段の提案を行います。 【5】摂食・嚥下機能療法 脳卒中をきっかけに、食べたり飲んだりすることへの障害(摂食・嚥下障害)が起こる場合があります。 このような場合、医師や看護師、栄養士などが連携を取りながら、嚥下機能の評価・訓練を行い、患者さんの障害程度に応じ、食べる際の姿勢や、食べる物の柔らかさ、形を調整し、摂食・嚥下能力を高める練習をします。 再生医療という選択肢 脳卒中のリハビリは、これまで不通にできたことが、できなくなるため、嘆きたくなりますが、粘り強く続けることが大切です。そんな時、ともすれば挫折しそうにもなるものです。 そこで、お知らせしたいのが「再生医療」という最先端の医療分野の可能性についてです。 これまで脳の血管が破れたり、詰まったりすると脳細胞に血液や栄養が届かず約3~6時間で脳細胞が死に至り、元には戻らないと言われてきました。 しかし、再生医療によって一度機能しなくなった脳細胞が復活し、後遺症を改善できることが分かってきたのです。患者様ご自身の幹細胞を用いて脳細胞を再生させる可能性があります。以上、「脳卒中のリハビリで手足の麻痺を回復させ残った機能を最大化させるために」と題して記しました。 参考にしていただければ幸いです。 ▼ 脳の再生医療は安全性が高く効果があると認められ、世界でも注目されている治療法です。詳しくは以下よりお確かめください。 ▼以下もご参照ください 脳卒中の3つの症状と治療法!脳梗塞の再発を予防するコントロール方法
2021.12.14 -
- 脳卒中
- 頭部
脳卒中の種類と原因|発症を予防する生活上の生活目標と修正方法について 脳卒中とは、脳の血管が突然つまったり破れたりすることで脳の血管に障害を起こす病気を総称して「脳卒中」といいます。この脳卒中、いくつか種類に分かれ、それぞれ発症原因も異なります。 そこで、脳卒中を4つの種類に分けて、それぞれの特徴と発症原因、その対策を分かりやすく解説します。その後、脳卒中の原因を提示して、予防できることと、できないことを解説します。 それぞれのリスクを知ることで普段の生活から予防を心がけていただければと思います。 脳卒中の原因 脳卒中の種類 ・脳の血管がつまる ① 脳梗塞 ・脳の血管が破れる ② 脳出血 ③ くも膜下出血 ・一時的に脳の血管がつまる ④ 一過性脳虚血発作 ①脳梗塞 脳梗塞とは、脳卒中のなかでも最も患者数が多いとされている病気で、脳の血管が詰まることが原因となって脳に栄養が運ばれなくなり、その結果、脳の組織が壊死(えし)してしまう病気を指します。 脳梗塞では、運動機能を司っている場所が障害を受けると、手足の麻痺が現れるといったように、壊死した部分が司っていた機能に応じた症状が現れるという特徴があります。 ②脳出血 脳出血とは、脳の血管が破れることが原因となって出血が起こり、脳の組織が壊されてしまう病気です。脳梗塞と同様、脳の障害された場所が司っている機能に応じた症状が現れる特徴があります。 ③くも膜下出血 くも膜下出血とは、血管にできた「こぶ(「脳動脈瘤」と呼ばれる)」が破裂することが原因となって脳の表面に出血が起こる病気です。特徴として、突然、強烈な頭痛を生じることが多く、緊急の処置を必要とするケースが多くみられ注意が必要です。 ④一過性脳虚血発作 一過性脳虚血発作とは、脳梗塞に近い病態であり、脳梗塞の前兆として現れることがあります。一時的に脳の血管がつまることで症状が現れますが、24時間以内に症状が消えてなくなる点が特徴的です。 脳卒中の原因 ①脳梗塞:動脈硬化や血栓が原因 脳梗塞には、主に「脳血栓症」と「脳塞栓症」があります。脳塞栓症は、脳血栓症と比べて脳の太い血管がつまり、広い範囲で脳梗塞を生じることが原因となって重症化することが多いのが特徴です。 ・脳血栓症 脳や頸部の血管に動脈硬化による狭窄や閉塞が起こることによって生じるもの。 ・脳塞栓症 心臓や足など全身のどこかにできた血栓(血のかたまり)が、血流に乗って脳に到達することによって生じるもの。 特に近年の高齢化に伴い、心房細動という不整脈によって心臓内に血栓が形成され、これが血流に乗って脳に到達して生じる「心原性脳塞栓症」が増加しています。 ②脳出血:動脈硬化が原因 脳出血は、脳の血管の動脈硬化が原因で発症します。動脈硬化によってもろくなった血管に高い血圧がかかることで血管が破れ、脳出血が起こると考えられており、運動時や用便時、入浴時など血圧が急激に上昇した際に発症しやすいとされています。 ③くも膜下出血:脳動脈瘤の破裂が原因 くも膜下出血は、脳動脈瘤と呼ばれる脳の血管にできたこぶが破裂することが原因となって起こります。脳動脈瘤ができる原因は正確にはわかっていませんが、高血圧や脳血管への血流、ストレス、喫煙や遺伝的要因が関与していると考えられています。 高血圧、喫煙は脳動脈瘤が破裂する危険因子にもなるといわれています。 また、脳動脈瘤が生じやすい体質は遺伝するともいわれており、家族の中に脳動脈瘤が生じたことがある方やくも膜下出血を起こしたことがある方がいる場合は発症しやすいといえます。 脳卒中の原因から理解する予防できること!予防できないこと! 脳卒中の危険因子(原因)は「修正できない危険因子」と生活上で「修正できる危険因子」とがあり、脳卒中を予防するためには「修正できる危険因子」を改善するように日頃から注意していく必要があります。 そこで、修正できない危険因子と、修正できる危険因子を明確にして、修正できる危険因子については、その対策を明示させて頂きました。 (1) 修正できない危険因子(原因)とは 自分ではどうしようもない発症原因となるもの ①年齢:55歳以上では、10歳ごとに脳卒中の発症リスクが約2倍になります ②性別:男性は女性よりもリスクが高いとされています ③家族歴 (脳卒中):両親や祖父母に脳卒中の既往がある場合、発症のリスクが高くなるとされています。 (2)修正できる危険因子(原因)とは 修正できる危険因子を知ることは、予防できない危険因子を知った上で、取り組めば脳卒中の発症リスクを下げることが可能になります。意識することで自分でできる対策です。 修正できる危険因子(原因) ①高血圧 ②糖尿病(高血糖) ③脂質異常症 ④心房細動などの心疾患 ⑤喫煙 ⑥飲酒 ⑦肥満 ①高血圧 高血圧は脳卒中の最大の危険因子であり、血圧が高いほど脳卒中の発生率は高くなります。食生活の乱れやアルコールの飲みすぎ、急激な運動などで血液の粘り気が強くなったり、血液が流れるときの抵抗が大きくなったりすることで血圧が上昇します。 【高血圧】の場合の修正目標 ・高齢者: 140/90mmHg 未満 ・若年、中年者: 130/85mmHg 未満 ・糖尿病や腎障害合併例: 130/80mmHg 未満が推奨されています (2009 脳卒中治療ガイドラインより) ▼ ▼ ▼ 【高血圧の場合】脳卒中の発症を避けるための生活目標 ・起床後や就寝前など、定期的に血圧を測定する(自己測定) ・眼底検査や心電図、尿検査などで高血圧の合併症を定期的にチェックする ・薄味にしたり減塩しょうゆを使ったりするなど、食塩を摂りすぎないようにする → 理想の塩分摂取量:6g/日未満 ・精神的、身体的ともに過剰なストレスを避ける → 疲れたら無理をせず休む、気分転換など ・暖かい部屋から寒い廊下に出る、突然エアコンの風を直接受けるなど、急激な寒暖差を避ける ・ぬるま湯は血管を拡張させるため、入浴時はぬるま湯にそっと入る ・定期的に有酸素運動を行う(例:毎日30分の散歩) ・野菜・果物・魚類(カリウムを多く含む食品が望ましい)を積極的に摂る ・体重を減らす ・医師の指示通りに降圧剤を内服する (カルシウム拮抗剤、アンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬、ACE 阻害薬、β遮断薬など) ②糖尿病(高血糖) 糖尿病は、インスリンの作用不足によって血糖値が上昇する病態で、脳卒中のうち特に脳梗塞の危険因子として重要とされています。 【糖尿病の場合】の修正目標 ・空腹時血糖:110mg/dl以下 ・HbA1c:5.8%以下(ヘモグロビンA1c=過去約1ヵ月間の血糖値を反映する) ▼ ▼ ▼ 【糖尿病の場合】脳卒中の発症を避けるための生活目標 ・医療機関で定期的に血糖を測定する(食前採血が望ましい) ・眼底検査や心電図、尿検査などで糖尿病の合併症を定期的にチェックする ・食事カロリー(エネルギー摂取量)を減らす ・バランスのよい食事摂取を心がけ、偏食傾向を治す ・散歩やジョギングなど、定期的に有酸素運動を行う ・規則正しく、疲れすぎない生活を送る ・医師の指示通りに、経口血糖降下剤を内服、またはインスリン注射を行う → インスリン注射を行っている場合は、血糖自己測定が望ましい ・インスリン注射を行っている場合、低血糖状態を正しく理解して、対処法(飴をなめるなど)を知っておく ③脂質異常症 脂質異常症とは、高コレステロール血症(高 LDL-コレステロール血症)、高トリグリセリド血症(高中性脂肪血症)、低 HDL-コレステロール血症を指します。 その中でも、高コレステロール血症が脳卒中のうち、特に脳梗塞の危険因子として重要で、高LDL-コレステロール血症は冠動脈疾患(心筋梗塞、狭心症)の危険因子としても知られています。 【脂質異常症の場合】の修正目標 ・LDL-コレステロール 120~160mg/dl 以下 ・HDL-コレステロール 40mg/dl以上 ・トリグリセリド 150mg/dl ※他の冠動脈疾患の危険因子(年齢、高血圧、糖尿病、冠動脈疾患の家族歴など)の有無によって LDL-コレステロールの目標値は異なる (動脈硬化性疾患予防ガイドラインより) ▼▼▼ 【脂質異常症の場合】脳卒中の発症を避けるための生活目標 ・肉や乳製品に多く含まれる動物性脂肪の摂りすぎに注意する (一日のコレステロール摂取量は 300g 以下にする) ・野菜、海そう、穀類、豆類に多く含まれる食物繊維を多く摂る ・植物油、大豆、緑黄色野菜を多く摂る ・定期的に有酸素運動を行う ④心房細動などの心疾患 心房細動は、脳梗塞(心原性脳塞栓症)の危険因子です。心房細動では心房内の血流が乱れて滞るため、血栓(血のかたまり)ができやすくなります。血栓が血流に乗って脳に運ばれ脳の血管がつまると、脳梗塞を引き起こします。 治療法として、ワーファリンの内服による抗凝固療法を行うことで、脳梗塞の発症率が低下することが確認されています。 【心疾患の場合】の修正目標 ・ワーファリンを適切に内服して、定期的に医師の診察を受ける ▼▼▼ 【心疾患の場合】修正すべき生活目標 ・精神的、身体的ともに過剰なストレスを避ける ・動悸、息切れ、めまい、胸痛などが出現したらすぐに医療機関を受診する ・体内水分が過剰になると、心臓に負担がかかるため過剰な水分摂取を避ける ・医師の指示通りにワーファリンを内服、定期的にプロトロンビン時間(INR)を測定する (INR を 2.0~3.0(高齢者では、1.6~2.6)にコントロールする) ※ワーファリンを内服している場合 ・ビタミン K を多く含む食品(納豆、緑色野菜など)の摂取を避ける ・打撲、切り傷で出血しやすいため出血傾向に気をつける ⑤喫煙 喫煙は、脳卒中のうち特に脳梗塞とクモ膜下出血の危険因子です。タバコは交感神経系を興奮させるため、タバコを吸うと一過性に血圧が上がり、ニコチンは、血管を収縮させて高血圧や動脈硬化を一層悪化させます。 また受動喫煙も、脳卒中の危険因子と考えられています。 【喫煙の場合】の修正目標 ・禁煙する ▼▼▼ 【喫煙の場合】の生活目標 ・タバコを買わない ・灰皿やライターを捨てる ・皆の前で「禁煙宣言」をする ・禁煙外来を受診して、専門的な治療を受ける ⑥飲酒 飲酒量が増えるほど、脳内出血とクモ膜下出血の発症率は高くなります。脳梗塞の発症率は、少量や中等量の飲酒者ではむしろ低くなりますが、大量飲酒者では高くなるとされています。 大量飲酒は、脱水を誘発し血液が濃くなり、固まりやすく=詰まりやすくなります。 【飲酒の修正目標】 ・摂取アルコール量を一日 30g 以下にする (日本酒で 1 合以下、ビールで中びん1 本以下、ワインで 240cc 以下に相当) ▼▼▼ 【飲酒の場合】の生活目標 ・アルコールを買わない ・「飲み会」「宴会」への参加を控える ・「休肝日」を作る ⑦肥満(メタボリック・シンドローム)・運動不足 肥満やメタボリック・シンドロームは新たな脳卒中の危険因子として注目されています。 ※メタボリック・シンドロームの診断基準 ・ウエスト周囲径が男性 85cm以上、女性 90cm 以上 ・トリグリセリド 150mg/dl 以上かつ/またはHDL-コレステロール 40mg/dl 未満 ・収縮期血圧 13mmHg 以上かつ/または拡張期血圧 85mmHg 以上 ・空腹時血糖 110mg/dl 以上 このうちの 2 項目以上が存在すること、とされています。 【肥満の場合】の修正目標 ・BMIを25未満にする (BMI=体重(kg) ÷ {身長(m) X 身長(m)}) ▼▼▼ 【肥満の場合】の生活目標 ・過剰なカロリー摂取(エネルギー摂取)を避ける ・毎日、体重やウエスト周囲径を測定し、自己への動機づけを行う ・散歩、早歩き、ジョギング、自転車など定期的に運動を行う まとめ・脳卒中の種類と原因|発症を予防するため、注意すべき生活目標と修正方法 脳卒中は、一旦発症すると命に係わる病です。避けれるものなら避けたい病です。そこで、注意できない事柄を「修正できない危険因子」とし、注意することで避けられるものを「修正できる危険因子」に分けてご説明しました。 ご自身の状態に合わせて取り組むべき課題を見つけて頂ければと思います。以上、脳卒中の種類と原因について記しました。 ・30代になったら自分の血圧を把握し、コントロールすることを心がける ・塩分控えめの食生活で、コレステロールを減らす ・仕事の時間以外でリラックスできる趣味を持ち、適度な運動を習慣化する ・40代になったら脳ドックを定期的に受診し、脳の健康状態をきちんと把握する 脳卒中を発症してしまったら、再生医療という手段もございます。興味ある方は以下もご参考になさってください。 以上、脳卒中の4つの種類と発症原因、脳卒中にならないためにできること!について、記させて頂きました。 参考になれば幸いです。 ▼脳卒中の後遺症|脳卒中の最新、幹細胞治療は、以下をご覧下さい 再生医療は、脳卒中の新たな治療法として注目を浴びる再生医療とは ▼こちらのご覧ください 脳卒中のリハビリで手足の麻痺を回復させ残った機能を最大化させるために
2021.12.14