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「人工関節の手術は痛みをなくすために必要なのはわかるけれど、合併症や後遺症が心配でなかなか踏み切れない……」そのような不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか。 肩の人工関節置換術は、つらい痛みを和らげ、生活の質を取り戻す有効な方法です。 しかし一方で、手術には特有のデメリットやリスクがあるのも事実です。 本記事では、肩人工関節の手術に伴う代表的な7つのデメリットを整理して解説します。 それぞれのリスクの特徴や発生しやすい条件、予防の工夫についても触れますので、正しくリスクを理解し、後悔のない治療選択につなげましょう。 当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。肩の痛みや人工関節について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 肩の人工関節の7つのデメリット・リスク 肩人工関節手術は、痛みを軽減し生活の質を取り戻す有効な方法ですが、肩は可動域が広く、膝や股関節とは異なるリスクを抱えやすい部位です。 そのため、手術を受ける前に想定される合併症を理解しておくことが大切です。 ここでは代表的な7つのリスクを紹介します。 感染症や血栓症といった生命に関わるものから、脱臼や可動域制限、再手術の必要性といった長期的に影響するものまで、それぞれ確認していきましょう。 なお、人工関節とは何か詳しく知りたい方には、以下の記事が参考になります。あわせてご覧ください。 感染症リスク 肩の人工関節手術で最も注意すべき合併症の一つが感染症です。 人工関節は体内に異物を入れるため、いったん細菌が侵入すると自然には治りにくく、再手術が必要になることもあります。 感染症には大きく2つのタイプがあります。手術後すぐに起こる「早期感染」と、数年後に発症する「遅発感染」です。 早期感染では発熱や患部の強い痛み、腫れなどがみられ、遅発感染では軽い痛みや動かしにくさが長く続く形で現れることがあります。 感染症リスクを高める要因としては以下が知られています。 糖尿病 関節リウマチ 免疫抑制剤を使用している 肥満 喫煙習慣 これらの条件がある方は、感染の危険性が高まるため、手術前に十分な準備や対策を行うことが重要です。 感染症にかかった場合の治療は、まず抗菌薬による点滴が行われます。症状が強い場合や感染が広がっている場合には、人工関節を入れ替える再手術が必要になることもあります。 予防策としては、手術前に虫歯や皮膚炎などの感染源を治療しておくこと、手術時には抗菌薬を予防的に投与することが有効とされています。 また、清潔な環境での手術操作と手術後の適切なリハビリ管理も重要です。 血栓症の危険性 肩人工関節の手術では、血栓症も重要なリスクの一つです。血栓症とは、血管の中に血のかたまり(血栓)ができて血流を妨げる状態を指します。 とくに脚の深い血管にできる深部静脈血栓症(DVT)と、血栓が肺に飛んで血管を詰まらせる肺塞栓症は、命に関わることもある合併症です。 症状としては、脚の腫れや赤み、強い痛みが現れる場合があります。 肺塞栓症では、急な息切れ、胸の痛み、めまいなどが起こり、緊急対応が必要になります。 リスクを高める要因には次のようなものがあります。 高齢 肥満 がんなどの悪性疾患 血栓症の既往歴 長時間の手術や手術後の安静 手術後の体調に異変を感じた場合は、すぐに医療スタッフに伝えましょう。 脱臼リスクと動作制限 肩は体の関節の中でも最も動きの幅が広い構造を持っています。 そのため、人工関節に置き換えると、特定の動作で脱臼が起こりやすくなる特徴があります。 注意が必要なのは、次のような動作です。 背中に手を回す(帯を結ぶ、ポケットに手を入れるなど) 腕を大きく上げる(洗濯物を干す、高い場所に物を取るなど) 手を体の内側に大きくひねる動作 これらは人工関節に強い負担をかけ、脱臼のリスクを高めるとされています。 予防のためには、手術後のリハビリで正しい動かし方を学ぶことが欠かせません。 一度脱臼すると再発しやすい傾向があるため、手術後は慎重な管理で脱臼を防ぎましょう。 生活の中では脱臼しやすい姿勢を避けたり、無理に腕を伸ばさない工夫も必要です。 理学療法士による生活指導も受けて、動作の工夫を取り入れてください。 摩耗・ゆるみによる再置換の可能性 人工関節は一度入れれば一生使えるわけではありません。 時間の経過とともに摩耗や「ゆるみ」が起こり、再手術(再置換)が必要になる場合があります。 人工関節の摩耗は、金属やポリエチレンといった部品同士が繰り返し擦れ合うことで進行します。 その結果、関節の安定性が低下し、痛みや腫れ、動かしにくさが再び現れてきます。 また、摩耗によって生じた微細な粉が骨を刺激し、骨が少しずつ体に吸収されて弱くなることで、人工関節がゆるみやすくなります。 再置換が必要となる主な兆候は以下の通りです。 関節の痛みが再発する 肩を動かしたときに違和感や異常な音がある X線検査でインプラントの位置がずれている 再置換手術は、初回の手術よりも難易度が高く、合併症のリスクも大きくなります。 人工関節の寿命は一般的に15〜20年程度とされますが、患者様の年齢や生活スタイルによって大きく変わります。 若い方や活動量が多い方は、再置換の可能性が高まるため、長期的な視点で手術を検討しましょう。 神経損傷と機能障害のリスク 肩人工関節手術では、周囲を走行する重要な神経を傷つけてしまう可能性があります。神経は細く繊細で、一度損傷すると回復が難しい場合があるため、とても注意が必要です。 代表的な神経損傷には次のようなものがあります。 神経 働き・役割 腋窩神経(えきかしんけい) 三角筋を通っており、損傷すると腕を横に持ち上げる(外転)動作ができなくなります。 筋皮神経(きんぴしんけい) 上腕二頭筋を通り、肘を曲げる力が弱くなるほか、前腕の外側の感覚が鈍くなることがあります。 これらの神経は肩関節のすぐ近くを通っているため、人工関節の設置や手術器具の操作中に影響を受けやすい位置にあります。 神経損傷が起こると、日常生活の質に大きな影響を与えます。 このため、手術を担当する医師が肩の解剖を熟知していること、また術後の神経症状を見逃さずに早期対応する体制が整っていることがとても重要です。 可動域制限による生活動作の困難 肩人工関節手術の後、多くの患者様が直面する課題の一つが可動域の制限です。 とくにリバース型人工関節では、肩の構造を反転させて安定性を高めるため、どうしても動かせる範囲が狭くなります。 代表的に制限されやすい動きは以下の通りです。 動作 難しくなる動き・事例 屈曲(前に腕を上げる) 洗濯物を干す、高い棚に手を伸ばすといった動作が難しくなる。 外転(横に腕を広げる) 荷物を持ち上げる、体操で両手を広げるといった動きに制限が出る。 内旋(腕を内側にひねる) 背中に手を回す動作が困難となる。 外旋(腕を外にひねる) 洗髪や髪を後ろで束ねる動作がしにくくなる。 研究報告では、リバース型人工関節は痛みの改善や安定性の向上に有効である一方、背中に手を回す動作(内旋)や頭上動作の制限が残ることが多いと示されています。(文献1) このため、術後にはどの動きが難しくなるのかを事前に理解し、理学療法士と一緒に日常生活に適した代替動作を学ぶことが重要です。 たとえば、衣服の着脱では前開きの服を選ぶ、入浴では入浴補助具を活用するなど、生活を工夫することで制限の影響を軽減できます。 再手術が必要になる可能性 肩人工関節は、痛みを和らげ生活の質を改善する有効な治療法ですが、一度の手術で一生使えるとは限りません。 感染、脱臼、摩耗・ゆるみなどの問題が生じると、再手術(再置換や再固定)が必要になる場合があります。 再手術は初回の手術に比べて難易度が高く、以下の課題があります。 骨の欠損や変形:人工関節の取り外しにより骨がさらに損なわれ、固定が難しくなる。 合併症の増加:感染や神経損傷、血栓症などのリスクが高まる。 回復期間の延長:リハビリが長引き、日常生活への復帰に時間がかかる。 とくに高齢者の場合、再手術時には体力や合併症の影響が大きくなるため、初回手術の段階で将来の再手術の可能性を念頭に置いて計画を立てることが大切です。 肩の人工関節の種類別デメリット|従来型とリバース型 肩人工関節には、大きく分けて「アナトミカル型(従来型)」と「リバース型」の2種類があります。 それぞれの構造や適応が異なるため、発生しやすいデメリットにも違いがあります。以下の通りです。 アナトミカル型(従来型) リバース型 特徴 自然に近い動きを再現しやすい 若年層や活動性の高い患者にも用いられる 腱板損傷があっても施術可能 脱臼リスクあり デメリット 腱板が損傷している場合は安定性が低い 脱臼リスクが比較的高い 可動域制限が生じやすい 負荷をかける動作で脱臼リスクがある 主な適応 腱板が保たれている場合に適応 腱板断裂性関節症、高齢者 このように、肩の人工関節はどちらを選ぶかで将来の生活に与える影響が変わります。 担当医と十分に相談し、自分の症状や生活スタイルに合った方法を選択することが重要です。 肩の人工関節手術の概要とポイント 肩人工関節手術は、保存療法で改善が得られない患者様に行われる治療法です。 損傷した関節を人工関節に置き換えることで、痛みを和らげ、生活の質を高めることを目的としています。 手術は全身麻酔で行われ、入院は一般的に2〜4週間程度です。術後はリハビリを通じて徐々に可動域と筋力を回復させていきます。 肩の人工関節手術の適応疾患別リスク 肩人工関節手術は、基礎疾患によって手術後のリスクや経過が異なります。主な疾患ごとの特徴を以下の表にまとめました。 疾患名 手術が適切と判断される特徴 主なリスク・注意点 変形性肩関節症 関節のすり減りによる痛み・可動域制限 高齢者では感染や血栓症リスクが高い 関節リウマチ 炎症で関節が破壊される 免疫抑制薬の影響で感染リスクが上昇 腱板断裂性関節症 腱板が損傷し肩を動かせない リバース型が多く、可動域制限や脱臼が残りやすい 上腕骨頭壊死 骨への血流障害で壊死が進行 若年者でも起こり、再手術の可能性が比較的高い 疾患ごとのリスクを理解しておくことで、手術後の生活に備えられます。 変形性肩関節症のリスクについては、以下の記事で詳細に解説しておりますので、気になる方はご確認ください。 肩の人工関節手術の入院期間と回復までの流れ 肩人工関節手術は、入院から退院後のリハビリまで一定の流れがあります。以下の表に一般的な目安をまとめました。 時期 主な内容 ポイント 手術当日〜翌日 全身麻酔で手術、安静 痛み止めや感染予防の管理が行われる 1週目 基本的なリハビリ開始 医師や理学療法士の指導で可動域訓練を少しずつ開始 2〜3週目 入院リハビリ 日常生活に必要な動作(更衣・洗面など)の練習 退院後(1〜3カ月) 外来リハビリ中心 洗濯物を干す・棚に手を伸ばすなど生活動作を徐々に回復 半年以降 社会生活復帰 家事・趣味・軽いスポーツが可能となる例もある 入院は平均で2〜3週間程度ですが、年齢や合併症によって延びることもあります。完全な回復には半年ほどかかるケースもあるため、焦らず段階的にリハビリを続けることが大切です。 肩の人工関節手術にかかる費用目安 手術費用については、自己負担3割の場合、おおむね50万〜60万円前後が一つの目安になります。 例として、ある病院では人工肩関節置換術(入院8日)で約56万円と案内されています。 医療機関や入院日数、個室利用などで上下しますが、総医療費が200万〜250万円に達するケースもあり、その場合の3割負担は約60万〜75万円もあります。 ただし、高額療養費制度を併用すれば自己負担は月ごとの上限額までに抑えられる仕組みです。 以下は、肩の人工関節手術で費用が掛かる項目についてまとめたものです。 費用項目 概要 確認ポイント 手術料・麻酔料 人工関節本体を含む外科手技と麻酔管理の費用 保険適用範囲、インプラントの種類、術式の違い 入院費 病室・投薬・処置・検査などの入院管理費 入院日数、個室か大部屋か、食事療養費の扱い リハビリ費 急性期から外来期までの理学療法費 入院中の頻度、退院後の通院回数と期間 術後外来・投薬 創部チェック、画像検査、疼痛コントロール 通院間隔、画像検査の種類と回数 装具・消耗品 スリング、保護材、創部ケア用品 自費分の有無、交換頻度 公的制度 高額療養費制度、限度額適用認定証、医療費控除 手続き方法、自己負担上限、対象外費用の確認 費用を抑えるには、公的制度の活用が鍵となります。高額療養費制度などを活用して、人工関節手術の費用を抑えましょう。 肩疾患の人工関節に再生医療は適用される? 再生医療は、すでに人工関節を入れた肩には適用されません。しかし、人工関節手術を行う前の段階であれば、症状や画像所見、生活背景などを総合して、手術前の選択肢として検討されることがあります。 再生医療は、患者様自身から採取・培養した幹細胞を患部に投与する治療法です。入院や手術を行わずに受けられます。ただし、対象疾患や期待できる経過には個人差があり、医師の評価が前提となります。 以下は、当院リペアセルクリニックで行った肩腱板断裂に対する再生医療の症例です。左肩の痛みに悩む70代の男性が再生医療により症状が改善した事例を紹介しているので、参考までにご覧ください。 患者様の状態によって、再生医療の実施可否、治療計画、想定される経過、リスクなどが異なります。 詳細については、当院リペアセルクリニックまでご相談ください。 まとめ|肩人工関節のデメリットを理解して後悔のない治療選択を 肩に人工関節を入れるかどうかの判断は、リスクの理解から始まります。 本記事では、感染症・血栓症・脱臼・摩耗やゆるみ・神経損傷・可動域制限・再手術の7点を軸に整理しました。 人工肩関節置換術後に変形性肩関節症などの合併症が起こるリスクは、患者様の年齢や基礎疾患、手術方法、術後の過ごし方によって変わります。 また、使用する人工関節が従来型かリバース型かによって、術後に残る機能制限や日常生活での注意点も異なります。 人工肩関節置換術後の入院はおおむね2〜3週間が目安で、外来リハビリを経て数カ月かけて生活を整える流れになります。 費用は複数の項目で構成されるため、高額療養費制度などの公的支援も視野に入れて、見積もりの内訳を早めに確認しましょう。 迷いが残るときは、専門医に相談して診察を受けるのが一番の解決策です。 手術を避けたいとお考えの場合は再生医療の選択肢もあるので、お悩みの方はぜひ当院「リペアセルクリニック」にご相談ください。 リペアセルクリニックでは再生医療に精通した医師が、患者様の状態に応じて個別に治療方針を提案いたします。 参考文献 (文献1) 肩関節リバース型人工関節置換術後の可動域と機能評価|日本リハビリテーション医学会誌
2021.12.20 -
- 糖尿病
- 内科疾患
厚生労働省の調査によると、2019年時点で20歳以上のうち、糖尿病が強く疑われる人は約1,196万人。 予備軍も含めると、実に2,000万人以上が糖尿病リスクを抱えていることがわかっています。 それだけ多くの人が悩む病気ですが、「糖尿病」と一口にいっても、実は「1型」と「2型」の2つのタイプがあるのをご存知でしょうか。 今回は、糖尿病について「1型糖尿病」「2型糖尿病」それぞれの違いや特徴、治療法についてわかりやすくご紹介します。 糖尿病は1型より2型の方が多い 糖尿病には1型と2型の2種類がありますが、実際に患者数が多いのは2型糖尿病です。 厚生労働省の2023年「患者調査」によると、現在治療を受けている糖尿病患者は全国で約552万人。 そのうち2型糖尿病の人は約364万人にのぼり、全体の65%以上を占めています。(参考1) いっぽうで、1型糖尿病の患者数は約12万人とされ、全体の中ではごくわずかです。 さらに、「その他の糖尿病」に分類されている約176万人の多くも、実際には2型に含まれる可能性が高いため、糖尿病の9割以上が2型と考えられています。 2型糖尿病は、中高年以降に発症しやすく、生活習慣が深く関係しているのが特徴です。 それに対して1型糖尿病は、自己免疫の異常などが原因とされ、年齢に関係なく発症するものの、子どもや若者で多く見られる傾向があります。 1型糖尿病とは?原因や症状を詳しく解説 1型糖尿病は、膵臓のランゲルハンス島という部分にあるβ細胞が壊され、その結果、血糖を下げる役割があるインスリンを作り出せずに高血糖の状態が続く疾患です。 糖尿病全体のうち、1型は約5%程度と少数派ですが、先天的な体質や遺伝的素因が関与しているとされ、生活習慣とは関係なく若い人を中心に幅広い年齢で発症します。 1型糖尿病の主な原因とは? 1型糖尿病でなぜβ細胞が壊れるのかは現時点では判明していませんが、免疫反応が正しく働かず、自分の細胞にもかかわらず、外部から侵入しようとしてきた細菌・ウイルスなどの有害物質などと間違って攻撃してしまう、自己免疫反応がかかわっていると考えられています。 そのため、生活習慣病が大きな原因である2型糖尿病とは異なり、注射によってインスリンを補う必要があります。 1型糖尿病の3つのタイプ(劇症・急性・緩徐進行) β細胞の破壊は一般的には進行性で、病気が進行すると、ほとんどインスリンを出せなくなります。 1型糖尿病は、β細胞が破壊される進行スピードによって、下記のように分類されます。 劇症1型糖尿病 発症から1週間程度でインスリン依存状態になるタイプです。 そのため、すぐにインスリンを補充しなければ、糖尿病の急性合併症である「糖尿病ケトアシドーシス」となり重症になる可能性があります。 急性発症1糖尿病 1型糖尿病で最も頻度の高いタイプで、糖尿病の症状が出てから数ヶ月でインスリン依存状態になります。 人によっては、発症したすぐ後であれば、一時的に残っている自己のインスリン効果がある場合もありますが、長続きせず、その後は再びインスリン治療が必要です。 緩徐進行(かんじょしんこう)1型糖尿病 半年~数年と比較的ゆっくりとインスリン分泌が低下していくタイプです。 発症した最初は、2型糖尿病と同じようにインスリン注射を使わなくても血糖値を抑えることができます。 しかし、途中で血液検査の結果から、実は緩徐進行1型糖尿病だったと判明する場合が多くあります。 1型糖尿病の治療方法 1型糖尿病は、原則としてインスリン療法が必要です。 また原因として、生活習慣の乱れということはありませんが、薬物療法だけでは、重度の低血糖になる可能性があるため、2型糖尿病と同じように食事・運動習慣に注意します。 1型糖尿病の食事療法 基本的に食べてはいけない物はありません。 1人ずつ生活スタイル・インスリン治療法が違うため、普段の食事方法については、主治医・管理栄養士としっかり話し合うことが重要です。 また、炭水化物は食後の血糖値の上昇に大きくかかわります。 そのため、炭水化物を調整する方法である「カーボ(炭水化物)カウント」をおこない、食事の炭水化物量に合わせてインスリンの量を調節する。 もしくは、インスリン治療に合わせて食事の炭水化物の量を調節すると血糖値が安定しやすくなります。 1型糖尿病の運動療法 重い合併症がなく、血糖値が落ち着いていれば、運動の制限はありません。 実際に、プロのスポーツ選手も存在します。 しかし、運動する際は、低血糖に注意が必要なため、インスリン療法や補食を調整します。 どのような方法が推奨されるかは、1人ずつ異なるため、主治医の先生と相談して決めることが重要です。 \まずは当院にお問い合わせください/ 2型糖尿病とは?原因と3つのリスク 2型糖尿病は、糖尿病の中で最も多く、いわゆる「生活習慣病」として知られています。 膵臓から分泌されるインスリンの働きが悪くなったり、十分に作られなくなることで、血糖値が高い状態が続く病気です。 原因は1つではなく、遺伝的な体質に加えて、加齢や生活習慣の乱れがきっかけとなって発症する、後天的な疾患としての側面が強いのが特徴です。 食生活の乱れや運動不足などの生活習慣が深く関係していると言われています。 2型糖尿病の原因 「糖尿病=生活習慣の問題」と思われがちですが、それだけではありません。 2型糖尿病は、遺伝的な体質と生活習慣が積み重なって発症するケースが多いのが特徴です。 たとえば、家族に糖尿病の人がいると、体質的に血糖値が上がりやすいことがあり、そこに運動不足や過食、ストレスなどが加わることで発症のリスクが高まります。 空腹感や口の渇き、頻尿、視界のかすみなどの初期症状が現れたら、早めの検査が大切です。 2型糖尿病の3つのリスク(肥満・遺伝・生活習慣) 2型糖尿病の発症には、以下のようなリスクが深く関わっています。 肥満・内臓脂肪の蓄積 体重が増えるとインスリンの効きが悪くなり、血糖値が下がりにくくなります。 遺伝的な体質 親や兄弟に糖尿病の人がいると、発症のリスクが高くなります。 不規則な生活習慣 運動不足や食べすぎ、夜遅い食事、ストレスなどがインスリンの分泌・作用に悪影響を与えます。 これらの要素が重なることで、発症リスクが高まるため、普段から生活を見直すことが予防にもつながります。 2型糖尿病の治療方法 2型糖尿病の治療には、大きく分けて「食事療法」「運動療法」「薬物療法」があります。 中でも、食事と運動による生活習慣の見直しは、治療の基本とされています。 特に初期の段階では、食事と運動だけで血糖値を安定させられることもあるため、医師の指導のもと、できるだけ早く生活改善に取り組むことが重要です。 薬物療法が必要になる場合もありますが、今回は特に「食事療法」と「運動療法」について詳しく解説していきます。 2型糖尿病の食事療法 2型糖尿病の管理において、食事の工夫はとても大切です。 基本は、栄養バランスの取れた食事を心がけること。 糖質の摂りすぎを避けつつ、主食・主菜・副菜の3つをしっかり揃えるよう意識しましょう。 また、食べ方もポイントです。 「ゆっくりよく噛んで食べる」「夜遅くに食事をしない」といった食習慣の見直しも血糖コントロールに役立ちます。 さらに、1日に必要なカロリーを把握することも大切で、適正な摂取カロリーは、以下の式でおおよそ求められます。 標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22 必要エネルギー量=標準体重 × 身体活動量(25〜30程度) 計算例) たとえば、身長160cm・軽めの活動量の人なら、 1.6×1.6×22=56.3kg(標準体重) 56.3×25~30=1407~1689kcal/日が目安です。 炭水化物:50~60% たんぱく質:15~20% 脂質:20~25% 数字ばかりで難しく感じるかもしれませんが、医師や管理栄養士と相談しながら、自分に合った食事スタイルを見つけていくことが大切です。 2型糖尿病の運動療法 運動は、2型糖尿病の改善に欠かせない習慣のひとつです。 体重の管理や心肺機能の向上だけでなく、血糖値を下げる効果やインスリンの働きを助ける効果も期待できます。 特に2型糖尿病の人は、食事療法と運動療法を組み合わせることで、より血糖コントロールが安定しやすくなると言われています。 運動の種類には主に2つあります。 有酸素運動(ウォーキング、ジョギング、水泳など) レジスタンス運動(筋トレなど) 糖尿病への運動療法は、ダンベルなどを使用して筋肉に負荷をかけるレジスタンス運動より、歩行やジョギング、水泳などの全身運動にあたる有酸素運動のほうがインスリンの働きがよくなるため、糖尿病の管理に適しています。 運動の目標として、1日20~60分程度の運動をできれば毎日、もしくは週3回以上。 合計で週150分以上を目指すと効果的です。 また、可能であれば週に2~3回程度、有酸素運動とともにレジスタンス運動を組み合わせることで、体力や筋力アップにもつながります。 \まずは当院にお問い合わせください/ その他の糖尿病 糖尿病は「1型」と「2型」だけではなく、実はその他のタイプもあります。 たとえば、妊娠中に発症する「妊娠糖尿病」や、薬の副作用・病気などが原因で起こる「二次性糖尿病」などがあります。 妊娠糖尿病 妊娠中に一時的に血糖値が高くなるタイプで、出産後には自然と治ることも多いですが、将来的に2型糖尿病になるリスクがあるため注意が必要です。 二次性糖尿病 ステロイド薬の長期使用や、ホルモン異常、膵臓の病気などが原因で起こる糖尿病です。 原因となる病気や薬を見直すことが、改善のポイントになります。 これらの糖尿病も早期発見と治療がとても大切です。 いつもと違う体調の変化があれば、放置せずに病院で相談するようにしましょう。 まとめ|生活習慣を整えて糖尿病を予防しよう 糖尿病には「1型糖尿病」と「2型糖尿病」の2つのタイプがあります。 1型糖尿病は自己免疫反応によって膵臓のβ細胞が破壊され、インスリンを生成できなくなる疾患です。主に先天的な要素が強く、急性発症型や緩徐進行型などがあり、治療にはインスリン補充が必要となります。 一方、2型糖尿病は生活習慣の乱れや遺伝的要因により膵臓のインスリン分泌が低下する疾患で、「生活習慣病」としても知られています。治療は食事療法や運動療法が中心となり、適切な体重管理と運動が重要です。 どちらのタイプでも共通して大切なのは生活習慣を整えることです。バランスのとれた食事と適度な運動を習慣づけることで血糖値を安定させやすくなります。 また、信頼できる主治医との相談や定期的な健康診断も欠かせません。糖尿病の予防や治療法に悩んでいる方も、まずはできることから少しずつ始めてみましょう。 当院では、糖尿病に対する再生医療を提供しております。再生医療に関する詳細は、以下のページをご覧ください。 参考文献 (文献1) 日本生活習慣病予防協会「糖尿病で治療を受けている総患者数は、552万3,000人 令和5年(2023)「患者調査の概況」より」 https://seikatsusyukanbyo.com/statistics/2025/010845.php(最終アクセス:2025年4月27日)
2021.12.18 -
- 糖尿病
- 内科疾患
糖尿病の食事療法では、食事量が多いと血糖値が上がり、少なすぎても体力が落ちてしまうため、「適正エネルギー量」がわからず悩んでいませんか。 多くの方が「何を食べるか」を考えながらも、「どのくらい食べるか」と言ったエネルギー量の管理を後回しにしがちです。 自分に合った「適正エネルギー量」を知ることで、血糖値を安定させ、無理なく改善が目指せます。 本記事では、糖尿病治療におけるエネルギー管理の基本から計算方法、メニュー作りのポイントまで医師監修で解説します。 食べる楽しみを保ちながら、血糖をコントロールしたい方は、ぜひ参考にしてください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 糖尿病について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 糖尿病の食事療法では「エネルギー管理」が重要 糖尿病は、薬物療法で症状が改善しても食事内容を見直さなければ、再び悪化しかねません。 糖尿病の予防・管理には、エネルギー量の適正化が血糖コントロールに役立ちます。 食事療法では、「何を、どのくらい食べるか」が大切です。 なお、本記事で紹介する食事方法は、あくまで目安となるものです。適正な食事量は人によって異なるため、より詳しく知りたい方は主治医や管理栄養士、糖尿病療養指導士に相談しましょう。 エネルギー摂取量の基準 糖尿病の食事療法では、「摂取エネルギー量(=1日に食べる総カロリー)」を適切に保つことが重要です。 摂取エネルギーが多すぎると血糖値が上がりやすくなり、薬やインスリンの効果が十分に期待できなくなります。 一方で、極端に食事量が少ないと、低血糖や筋肉量の低下を起こすリスクが高まり注意が必要です。 自分に合った「適正エネルギー量」を知ることが食事療法の基本です。 エネルギー量の目安は、目標体重に活動量に応じたエネルギー係数(25〜35kcal/kg)を掛けて算出します。 詳しい計算方法や具体的な目安については、次の項目で紹介します。 エネルギー摂取量を適切に保つことが、血糖コントロールの基本です。 適正エネルギー量により合併症予防 エネルギー摂取量を適正に保つことは、血糖コントロールに役立つだけでなく、糖尿病合併症の予防にもつながります。 過剰なエネルギー摂取は肥満につながり、インスリン抵抗性を悪化させ、動脈硬化や高血圧、脂質異常症などのリスクを高める要因です。 一方で、適正エネルギー量を維持すれば、体重増加を防ぎ、糖尿病性腎症や神経障害、網膜症など三大合併症のリスクを抑えられます。 食事療法は、健康維持のために長期的な生活改善が必要です。 エネルギー管理により、血糖値の安定だけでなく合併症のリスクを減らし、健康的な生活を送ることができます。 総エネルギー摂取量の計算方法 糖尿病を改善するためには、自分にとって適正なエネルギー量を知る必要があります。 エネルギー摂取量の目安は、計算で導くことができます。計算方法を知ることで、無理なくコントロールしましょう。 なお、1日の適性エネルギー量は年齢や性別によっても変わってきます。本記事の記載はあくまでも目安量と考えて、詳しく知りたい方は主治医、管理栄養士、糖尿病療養指導士にご相談ください。 適正エネルギー量の計算式 適正エネルギーの算出方法を紹介します。 以下、3つのステップで算出します。(文献1) Step1:目標体重の算出 Step2:エネルギー係数の設定 Step3:1日の適正エネルギー量の算出 Step1:目標体重の算出 まずは自分の目標体重を計算します。目標体重は、身長とBMI(Body Mass Index)から算出します。ご自身の身長から求められます。 目標体重(kg)=身長(m)×身長(m)×BMI(kg/m2) ※身長160cmの場合、計算式の身長は1.6mとなります。 ※BMIは、体重と身長から算出される痩せや肥満度を表す体格指数です。 65歳未満の方は22kg/m2、65歳~74歳(前期高齢者)の方は22~25kg/m2、75歳以上(後期高齢者)の方は22~25kg/m2です。なお、75歳以上の方は、体格や食事量などにより個別に目標体重の設定が必要ですので、主治医や管理栄養士に相談しましょう。 Step2:エネルギー係数の設定 身体活動量と健康状態より、その人に適した摂取エネルギー量(エネルギー係数)を決定します。 エネルギー係数は、活動量や年齢、肥満の有無に応じて異なります。係数は、主治医に相談して決めましょう。 活動量目安 エネルギー係数(kcal/kg目標体重) デスクワークなどの軽い身体活動量の人 25~30 デスクワーク中心であるものの、通勤・家事、軽い運動など普通の身体活動量の人 30~35 力仕事、活発な運動習慣があるなど重い身体活動量の人 35~ Step3:1日の適正エネルギー量の算出 Step1の目標体重とStep2で決定したエネルギー係数を掛けた値が1日の適正エネルギー量です。 適正エネルギー量(kcal/ 日)=目標体重×エネルギー係数 年齢・活動量による目安 適正エネルギー量は、年齢や日常の活動量によって変わります。 同じ体重でも、日常生活での動き方が違えば消費エネルギー量も異なるためです。 たとえば、デスクワーク中心の人は消費エネルギーが少ないため、体重1kgあたり25〜30kcalが目安です。 一方で、通勤や家事など、軽く体を動かす機会が多い人は30〜35kcal、力仕事や定期的な運動をしている人は35kcal以上を目安に設定します。 また、高齢者など筋力低下の予防が必要な場合はエネルギー係数を大きめに、肥満により減量が必要な場合はエネルギー係数は小さめに設定します。 「自分の年齢」と「日常の活動量」「肥満の有無」によりエネルギー量を調整することが、長期的な血糖コントロールにつながります。 目安値はあくまで一般的なものですので、実際の食事量は主治医や管理栄養士の指導のもとで調整しましょう。 簡単な計算方法と活用例 1日の適正エネルギー量は、計算式「目標体重×エネルギー係数」より算出されますが、もっと簡単に知りたいという要望もあります。 おおまかにエネルギー量を求める場合、目標体重ではなく「標準体重」を基準に計算する方法があります。標準体重はBMI値を22として算出します。 標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22(kg/m2) この標準体重にエネルギー係数(25〜30kcal/kgなど)を掛けると、1日の摂取エネルギーの目安を求められます。 【たとえば身長160cm、デスクワーク中心の45歳女性の場合】 標準体重 : 1.6(m)×1.6(m)×22=56.3kg エネルギー係数:デスクワーク中心で「軽い身体活動量」に該当するため、エネルギー係数は25~30 kcal/kgです。ここでは中間的な値である28 kcal/kgを選択します。 1日の摂取エネルギー量:56.3(kg)×28(kcal/kg)=1576.4kcal この計算結果から、この方の1日の摂取エネルギー量の目安は約1600 kcalとなります。 なお、標準体重とは、統計的に「最も病気にかかりにくいとされる健康的な体重」のことで、実際の体型や年齢、筋肉量とは異なる場合があります。 そのため近年では、個々の健康状態や減量目標に応じた「目標体重」を基準にしています。 食事のエネルギー量を把握するには 算出した「1日の適正エネルギー量」は目安であり、実際にどのくらい食べているかエネルギー摂取量の把握が大切です。 しかし、すべての食品のカロリーを計算するのは現実として難しいでしょう。そこで役立つのが、「食品交換表」です。 食品交換表は、普段食べている食品を似たような栄養ごとにグループ分けし、同じグループ内で食品を交換できるようにしたツールです。 グループ内で食品を交換することで、適正なエネルギー量・栄養バランスの良い食事が摂れます。 毎日の食事をバランスよく組み立てながら、無理なくエネルギー量を管理できるようになります。(文献2) 食品交換表を活用する 糖尿病の食事療法で使われている「食品交換表」は、主食・主菜・副菜などを1単位=80kcalとして置き換えて考えるツールです。 たとえば、ご飯・パン・いも類などは同じ「炭水化物グループ」として扱い、どれを選んでも同じエネルギー量になるように調整できます。 食品交換表を使うと、献立全体のカロリーバランスを簡単に計算できるので、「ご飯を減らしてその分おかずを増やす」といった調整がしやすくなります。 書籍で販売している他、インターネットでも確認できます。農林水産省では「食事バランスガイド」として簡易版が公開されていますので、ご参照ください。(文献3) 詳しい使い方については、糖尿病専門医や管理栄養士に相談すると良いでしょう。 無理に食事を我慢するより、食品を上手に入れ替えて満足感を得るのが長く続けるコツです。 外食・コンビニでのエネルギー管理のコツ 外食やコンビニで弁当を買う際には、エネルギー表示をチェックしましょう。 最近はファミリーレストランやファストフード店などでも、メニューや公式サイトにカロリー・糖質などの栄養成分が記載されています。 弁当や惣菜を買う際も、ラベルの「エネルギー(kcal)」欄を見れば、1日の適正エネルギー量に占める割合が把握できます。 もし高カロリーな食品を選んだ場合、次の食事で野菜中心にするなどの調整が可能です。 食事の栄養素のうち、血糖値に影響を及ぼすのは炭水化物です。 炭水化物には、食後血糖値を上昇させエネルギーとなる糖質と、ほとんど消化されず血糖値の上昇を抑え、エネルギーにならない食物繊維があります。 糖尿病改善のためには、食物繊維が含まれる食品を多く摂るように心がけましょう。食物繊維の目標は、1日20g以上といわれています。 栄養バランスとメニュー作りのポイント 2型糖尿病の食事療法は、エネルギー量と各栄養素をバランスよく摂ることで、「血糖コントロール」を良好に保ちます。また、1回の食事中の糖質量が多いと食後高血糖を引き起こす可能性があるため、1日の食事をなるべく均等に3回に分けて食べるようにしましょう。 同じカロリーでも、栄養素の組み合わせによって血糖値の上がり方は変わります。 糖質・たんぱく質・脂質といった三大栄養素のバランスを整え、ビタミンや食物繊維を十分に摂ると血糖コントロールが安定します。 次に、三大栄養素の理想的なバランスと、血糖を穏やかに保つ食事の工夫を紹介します。 三大栄養素(糖質・たんぱく質・脂質)のバランス 血糖コントロール安定のためには、エネルギーのもととなる三大栄養素(糖質・たんぱく質・脂質)の割合が大切です。 バランスの良い栄養摂取量は、次の通りです。(文献1) 炭水化物:摂取エネルギーの40~60% たんぱく質:摂取エネルギーの20%まで 脂質:残り 炭水化物(糖質)の摂りすぎは食後血糖値の上昇を招く一方で、極端に減らすとエネルギー不足や筋肉量の減少につながるおそれがあります。 ご飯やパンなどの主食を適量にし、肉・魚・大豆製品などのたんぱく質をバランスよく取り入れましょう。 野菜・食物繊維を増やして血糖をコントロール 糖尿病改善のためには、食物繊維が含まれる食品を多く摂るように心がけましょう。 野菜やきのこ、海藻に多く含まれる「食物繊維」には、糖の吸収をゆるやかにして食後血糖値の上昇を防ぐ働きがあります。 食物繊維の摂取目標は、1日20g以上といわれています。 食物繊維を多く含む食品には、野菜(とくに根菜類)、海藻、キノコ、大豆、果物(糖質も多いので食べ過ぎに注意が必要)が挙げられるので、日々の食事に取り入れてみましょう。 また、血糖値が上がり過ぎないための食べ方を工夫できます。具体的な方法は、次のとおりです。 ゆっくり時間をかけて食べる よく噛んで食べる 野菜を先に食べる 糖尿病治療に「再生医療」という選択肢 糖尿病治療において食事療法は基本ですが、食事療法だけでは不十分なケースもあります。 そのような場合に、新しい治療法も視野に入れると選択肢が広がります。近年では再生医療による治療も注目されています。 再生医療では、ご自身の脂肪から培養した幹細胞を投与し、膵臓や血管の再生・修復を目指します。 当院「リペアセルクリニック」で行っている再生医療については、以下の症例をご覧ください。 また、再生医療を提供する当院では、メール相談、オンラインカウンセリングを承っております。 糖尿病に関する再生医療の治療内容について詳しく知りたい方は、お気軽にお問い合わせください。 糖尿病の食事を楽しみながらエネルギーを管理しよう 糖尿病が悪化すると全身にさまざまな合併症が生じます。しかし、食事療法を始めとする糖尿病治療を適切に行うことにより、合併症や動脈硬化の発症や悪化が防げます。 食事は毎日の生活で欠かせないものです。急激な食事制限は、ストレスにより長続きしないだけではなく、かえって症状が悪化する恐れがあります。 現在糖尿病を患っている人は、主治医や管理栄養士、糖尿病療養指導士と相談しながら、継続しやすい食事療法を進めていきましょう。 糖尿病の食事治療に関するよくある質問 糖尿病の食事療法に関するガイドラインはありますか? 糖尿病の食事療法については、日本糖尿病学会が作成した「糖尿病治療ガイドライン 2024」が公開されています。(文献4) ガイドラインでは、血糖コントロールのための食事療法やエネルギー摂取量・炭水化物の制限などの考え方が示されています。 糖尿病の食事療法は「エネルギー管理」と「栄養バランス」を両立させることが重要とされています。 食事内容を見直す際は、ガイドラインを参考にしつつ、主治医や管理栄養士の指導を受けると安心です。 糖尿病の食事指導に関するパンフレットはありますか? 農林水産省や日本糖尿病学会などが、患者さん向けのわかりやすい資料やパンフレットを公開しています。 農林水産省「食事バランスガイド」 一般社団法人日本糖尿病学会「日本糖尿病学会がすすめる健康食スタートブック」 これらは公式サイトから無料で閲覧・ダウンロードできます。日々の食事管理に役立ててください。 また、病院やクリニックなど施設によってはパンフレットなどを用意しているところもあるので、相談してみると良いでしょう。 参考文献 (文献1) 日本糖尿病学会がすすめる健康食スタートブック|一般社団法人日本糖尿病学会 (文献2) 糖尿病の食事|厚生労働省 (文献3) 食事バランスガイド|農林水産省 (文献4) 糖尿病治療ガイドライン 2024|一般社団法人日本糖尿病学会
2021.12.16 -
- 関節リウマチ
- 内科疾患
- お皿付近に違和感
「関節リウマチはどんな初期症状が現れる?」 「簡単に判断できるチェックリストはない?」 関節リウマチとは、免疫の異常により関節の滑膜(かつまく:関節の内側を覆う膜)などに炎症が起きる病気です。典型的な初期症状には、朝の手指のこわばりや腫れなどがあります。 本記事では、関節リウマチの主な初期症状をはじめとして以下を解説します。 進行後の症状 似た初期症状が現れる病気 主な治療方法 なりやすい人 簡易的に関節リウマチかどうかを判断する際のチェックリストも記載しています。疑われる症状が現れている方は参考にしてください。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、さまざまな病気の治療に応用されている再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 関節リウマチの痛みに悩んでいる方は、ぜひ一度公式LINEをご利用ください。 関節リウマチの主な初期症状【チェックリスト】 関節リウマチかどうかを判断する際、以下のチェックリストが参考になります。なお、アメリカリウマチ学会(1987年)の分類基準に基づいて作成しております。(文献1) 関節リウマチの初期症状のチェックリスト 朝起きて1時間以上続く手指のこわばり 関節の腫れが3箇所以上ある 手の関節が腫れている 左右対称に関節が腫れている 上記はあくまでも簡易的なチェックリストです。診断をするためには、血液検査やレントゲン検査が必要です。いくつか当てはまる方は医療機関で詳しい検査を受けてください。 ここからは、関節リウマチの主な初期症状について詳しく解説します。 朝のこわばり|手指が動かしにくい 関節リウマチの典型的な初期症状は朝の手指のこわばりです。 具体的には以下のような症状です。 朝起きた際に手指にこわばりがあり動かしにくい 動かしにくい状態が少なくとも30分以上続く こわばりにより「ぞうきんが絞りにくい」「物を握りにくい」といった症状も現れます。 関節の腫れ|手指に腫れぼったさがある 朝のこわばりの次に目立つのは、手指の関節の腫れです。明らかに腫れているのではなく「なんとなく腫れぼったい」状態で現れることもあります。 肘や膝、肩など大きな関節に腫れが出現する場合もあります。なお、実際には関節が腫れているのではなく、関節の周囲が腫れている状態です。 関節痛|手足の小さな関節に痛みが現れる 関節の腫れと同時に痛みが現れることもあります。痛みが現れる部位は、腫れが生じている手指や肘、膝、肩などの関節です。なお、関節リウマチはこわばりや腫れ、痛みなどの症状が左右対称に現れる特徴があります。 その他の初期症状は全身のだるさや微熱などです。疑われる症状が現れている場合は、早めに医療機関を受診してください。 関節リウマチの進行後の症状 関節リウマチが進行すると骨や軟骨が壊れてしまい関節の変形が起きます。近年では関節リウマチの発症後1~2年以内に関節破壊が進行するということがわかってきています。(文献2)つまり、関節リウマチは早期発見・早期治療が重要ということです。 ここからは、関節リウマチの進行後の症状について解説します。 関節の変形 関節リウマチが進行すると関節の変形が起きます。その結果、関節の動く範囲が狭くなってしまいます。 関節の変形には以下のようなものがあります。 起こりうる関節の変形 特徴 スワンネック 手指の第2関節が反って第1関節が内側に曲がった状態 ボタンホール 手指の第2関節が内側に曲がり第1関節が反った状態 外反母趾(がいはんぼし) 足の親指の付け根が外側に曲がり、足の親指が人差し指に乗り越えた状態 その他にも、肘の外側や腰骨の上部にしこりができることがあります。 関節以外の症状 関節以外の主な症状は以下のとおりです。 疲れやすさ 脱力感 食欲低下 体重減少 関節リウマチの合併症である間質性肺炎(肺が炎症により繊維化する病気)が生じると、息切れや空咳などの症状が現れます。 関節リウマチと似た初期症状が現れる病気 関節リウマチと似た初期症状が現れる主な病気は以下のとおりです。 乾癬性関節炎(かんせんせいかんせつえん) 全身性エリテマトーデス リウマチ性多発筋痛症 それぞれの病気について詳しく解説します。 乾癬性関節炎 乾癬とは、免疫が過剰になり皮膚に炎症が起きる病気です。乾癬性関節炎とは、この乾癬に関節炎が合併した病気です。はっきりとした発症の原因は不明ですが、肥満や血縁関係の関連性が報告されています。 関節リウマチと似ている症状は、手指の関節の痛みや腫れです。第2関節に炎症が多い関節リウマチに対して、乾癬性関節炎は第1関節も炎症が起きて痛みや腫れが現れます。 特徴的な症状は以下のとおりです。 症状 特徴 皮膚症状 ・皮膚に赤みや剥がれが起きる ・剥がれた皮膚の一部が残り白くなる 爪病変 ・爪のくぼみや腫れ、肥厚(ひこう:爪が分厚くなる) ・水虫のような見た目になる 全身性エリテマトーデス 全身性エリテマトーデスとは、全身に炎症症状が現れる自己免疫疾患です。発症の原因は、遺伝や感染症、紫外線などが関連していると報告があります。関節リウマチと似ている症状は、関節の痛みや腫れです。関節リウマチとは異なり骨や軟骨の破壊は起きません。 特徴的な症状は以下のとおりです。 症状 特徴 蝶形紅斑 (ちょうけいこうはん) ・鼻から両頬にかけて蝶の羽のように現れる発疹 ・目立つ赤色が特徴でかゆみはない 円板状ループス ・顔面や頭、耳たぶなど円盤状に現れる発疹 ・かゆみはなく経過に伴い白くカサカサした状態になる 日光を浴びるとこれらの症状が出現または悪化するおそれがあります。 リウマチ性多発筋痛症 リウマチ性多発筋痛症とは慢性の炎症性の病気です。発症の原因は不明で、50歳以降の中高年に発症する傾向です。 肩や上腕、腰部、背部などに以下のような症状が現れます。 ある日突然の朝のこわばり 筋肉の痛み 関節の動きの制限 「朝に肩が30分以上こわばる」など、関節リウマチの初期症状と似ている部分があります。しかし、リウマチ性多発筋痛症は、関節リウマチと異なり大きな筋肉にこわばりや痛みが現れます。 関節リウマチの治療方法 関節リウマチの主な治療方法は以下のとおりです。 生活指導 薬物療法 再生医療 それぞれの治療方法について詳しく解説します。 生活指導 関節リウマチの治療において安静は重要です。炎症の強い関節を動かすと、痛みや腫れが悪化するおそれがあるためです。また、関節リウマチは関節だけではなく全身を消耗する病気でもあります。 以下のように休息をとり関節と全身を休めてください。 夜間睡眠は十分にとる 昼間も疲労を感じたら昼寝をする 睡眠時間がとれない場合は、例えば「午前中の家事が終わったあと」「夕食の支度に取りかかる前」などに少し横になるのも効果的です。 また、関節の痛みや腫れが落ち着いているときにかぎり、1日1回は関節を十分に動かすことも大切です。寒い時期は、関節が冷えて痛みが悪化するおそれがあります。長袖や長ズボン、ブランケットにより関節を保温しましょう。 薬物療法 関節リウマチに対する薬物療法は以下のような薬を用います。 薬の種類 特徴 抗リウマチ薬 ・原因となっている免疫の異常に作用して病気の進行を抑える ・関節リウマチの治療における第一選択の薬である 生物学的製剤 ・炎症を引き起こす物質の働きを妨げて炎症を和らげる ・抗リウマチ薬の効果が不十分である場合に使用する どちらの薬も効果が高く、症状が落ち着いている寛解(かんかい)の状態になる方も多いです。 再生医療 関節リウマチの痛みに対する治療方法の一つとして再生医療があります。再生医療とは、自己の細胞を痛みのある部位に投与して、体が持つ自然治癒力を引き出す治療方法です。 具体的な再生医療の治療方法は以下のとおりです。 再生医療の種類 詳細 幹細胞治療 (かんさいぼうちりょう) 組織の修復に関わる働きを持つ「幹細胞」を患部に投与する治療方法 PRP療法 血液中の血小板に含まれる成長因子などが持つ、炎症を抑える働きや組織修復に関与する働きを利用した治療方法 関節リウマチに対する当院の再生医療の症例については、以下を参考にしてください。 【症例解説】 関節リウマチで膝関節の痛みが取れない・40代女性 関節リウマチ・高濃度PRPで手首の痛みが激減! 関節リウマチになりやすい人 関節リウマチの原因は明確にはわかっていませんが、30代〜50代の女性に多い病気です。発症には免疫の異常が関連していると考えられていることから、遺伝子や感染症の影響により発症するのではないかと言われています。 その他には、歯周病や喫煙が関節リウマチの発症率を上げることがわかっています。関節リウマチの発症を予防するためには、日々の丁寧な歯磨き習慣や禁煙などが大切です。 まとめ|関節リウマチの初期症状を疑ったら早期に医療機関を受診しよう 関節リウマチの初期症状は朝のこわばり、関節の腫れ、関節の痛みです。とくに「朝起きた際に手指がこわばって動かしにくい」「手指に腫れぼったさがある」は、典型的な初期症状です。 放置すると骨や軟骨の破壊が進み、関節が変形してしまいます。近年では、発症後1年以内に関節破壊が進むこともわかってきています。進行を抑えるためにも疑われる症状が現れている方は、早期に医療機関を受診してください。 当院「リペアセルクリニック」では、関節リウマチに対して再生医療を行っています。気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。 関節リウマチの初期症状に関するよくある質問 具体的にどんな痛み? 関節リウマチは炎症を伴うため、熱を持ったような痛みが現れます。また、左右対称に現れる特徴があります。 ばね指との見分け方は? ばね指は主に指一本に起きる動作障害です。一方、関節リウマチは左右対称に複数の関節に症状が現れます。 なりやすい性格はある? 関節リウマチの患者様は、神経症や抑うつの傾向の方が多いと報告があります。しかし、関節リウマチの発症と性格の関連性を示す明確な根拠はありません。 参考文献 (文献1) 関節リウマチ|帝京大学医学部内科学講座 (文献2) 早期発見・早期治療で 食い止めろ!リウマチ|調布東山病院
2021.12.10







