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変形性膝関節症の手術と保険費用について詳しく解説します

投稿日: 2021.09.17
更新日: 2024.10.07

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変形性膝関節症の手術と保険費用について

変形性膝関節症で手術を薦められたけど、「膝の手術ってどれくらいの費用がかかるのだろうか?」「保険は適用されるのか?」そんなお悩みにお答えします。

変形性膝関節症は、膝の変形や痛みを伴う疾患で、進行すると手術が適応されることがほとんどです。そんな変形性膝関節症の手術には、「関節鏡視下手術」、」「高位脛骨骨切り術」、「人工関節置換術」の3つの手術方法があります。

それぞれの手術にかかる費用は、手術に用いる材料や技術料、入院の有無などにより決められ、健康保険の適応や軽減制度の利用で最終的な自己負担額が決定します。

  • 変形性膝関節症の手術
  • ・関節鏡視下手術
  • ・高位脛骨骨切り術
  • ・人工関節置換術

変形性膝関節症の手術と保険費用

 

変形性膝関節症の手術の内容と費用

変形性膝関節症の手術にかかる費用は、少額順に「関節鏡視下手術」→「高位脛骨骨切り術」→「人工関節置換術」となり人工関節に関する費用が一番高額になります。

手術を含めた治療費用の概算は、保険診療にかかった費用(保険組合に加入されている方は、1〜3割負担)+ 保険適応外診療(ベッド代や食事代)にかかった費用の合計です。また保険内診療が定められた金額を超える場合には、「高額療養費制度」を利用して費用の軽減ができます。

まずはそれぞれの手術内容、高額療養費制度が適応される前の負担金を紹介します。

関節鏡視下手術

関節内に内視鏡を入れ、画面を見ながら傷んだ軟骨(関節軟骨や半月板)・骨棘・増殖した滑膜を取り除く手術です。体への侵襲(影響)は少なく、手術にかかる時間や回復期間も短い一方で、効果の持続が短く、痛みが再発する可能性がある手術法です。

  • ・関節鏡視下手術にかかる費用は約25万円
    (3割負担の方で約7.5万円、1割負担で約2.5万円)
    ここに差額のベッド代や食事代が入った金額が自己負担額になります。

高位脛骨骨切り術

脛骨の一部を切り取ることで、O脚のような膝の変形や、荷重の偏りを矯正する手術です。O脚になると膝の内側に荷重が集中することから、骨切りにより形を整え、変形を改善させることで、膝内側への負荷を軽減させます。

  • ・高位脛骨骨切り術にかかる費用は約146万円
    (3割負担の方で約43.8万円、1割負担で約14.6万円)
    ここに差額のベッド代や食事代が入った金額が自己負担額になります。

人工関節置換術

膝の関節全体を人工関節に置き換える手術です。関節全体を取り換える人工関節全置換術と、傷んだ一部のみを入れ換える単顆置換術がありますが、適応されるほとんどが全置換術です。

関節を人工関節に入れ換えることで、痛みの改善が期待できます。ただし正座ができなくなるなど関節可動域は低下します。また体への侵襲が他の手術と比べて大きく、稀に重篤な合併症を引き起こすことがあります。

  • ・人工関節置換術にかかる費用は約186万円
    (3割負担の方で約55万円、1割負担で約18.6万円)
    ここに差額のベッド代や食事代が入った金額が自己負担額になります。
手術内容 主代金例 費用

その他

関節鏡視下手術 250,000円
  • 3割負担:約75,000円
  • 1割負担;約25,000円
  • + 差額のベッド代
  • + 食事代
高位脛骨骨切り術 1,460,000円
  • 3割負担:約438,000円
  • 1割負担;約146,000円
人工関節置換術 1,860,000円
  • 3割負担:約550,000円
  • 1割負担;約1,860,000円

 

▼「手術をすれば痛みは消えるの?」

 

自己負担を減額できる高額療養費制度をご存じですか?

次に高額療養費制度について紹介します。

膝の手術にかかる費用は、健康保険の有無や、その負担割合により決められますが、保険内診療の自己負担額が、定められた金額を上回る場合には、高額療養費制度が適応されます。

高額療養費制度とは、一ヶ月にかかる金額が高額になった場合、所得や年齢によって定められた金額(自己負担限度額)を超えた分だけ戻ってくる制度です。ただし、入院の際のベッド代や食事代などは保険外となり本制度の対象にはなりません。

高額療養費制度が適応される健康保険内診療

  • ・技術代
  • ・金属などの材料費
  • ・輸血料
  • ・麻酔料
  • ・検査料
  • ・画像診断料
  • ・注射料
  • ・再診療
  • ・入院料
  • ・リハビリ料などです。

高額療養費制度が適応されない保険外診療費

  • ・ベッド代
  • ・食事代など

ただし、高額療養費制度を利用した場合、払い戻されるまで一時的に高額の支払いが生じる場合があります。

しかし70歳未満または、70歳以上の非課税世帯の方は医療機関の窓口に限度額適用認定証を提示することで、払い戻しではなく、支払い上限額があらかじめ「自己負担限度額」に抑えることができます。

限度額適用認定証取得方法は、市町村役場、区役所、全国健康保険協会、 健康保険組合にて、申請の手続きを行い取得できます。詳しくはお住まいの市町村役場などにお問い合わせください。

中には限度額適用認定証を必要としない場合もあります。70歳以上75歳未満の非課税世帯ではない方は、高齢受給者証を窓口に提示し、75歳以上で非課税世帯ではない方は、後期高齢者医療被保険者証を窓口提示することで窓口での支払いを自己負担限度額にできます。

※平成30年8月から70歳以上の方の上限額に変更がありました。
これまで現役並みとされる課税所得145万円以上の方でも限度額適用認定証を必要としませんでしたが、新たに課税所得145万円〜689万円の方は、I〜Ⅲの区分に従って上限額が変更され、限度額適用認定証も必要になりました

▼詳しくはこちらをご覧ください。
厚生労働省HP 高額医療費制度の見直しについて
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000209857.pdf

まとめ・変形性膝関節症の手術と保険費用について

ここまで変形性膝関節症の手術にかかる費用の一例と、実際に手術を受ける場合の負担額の例をご紹介しました。

手術費用だけでみると、高額な費用がかかりますが、保険を適応し、高額療養費制度を利用することで最終的な自己負担額が決定します。

また事前に限度額適用認定証(必要に応じて高齢受給者証や後期高齢者医療被保険者証)を窓口に提示することで、支払い上限額をあらかじめ自己負担限度額にすることもできます。

手術というとこれら以外にも何かと費用がかかるもの、病院によっては別途、費用が必要なものもあります。入院前には、治療はもちろん、費用についてもよくご相談されるようにお勧めいたします。

再生医療で変形性膝関節症を治療する方法をご存知ですか
変形性膝関節症の再生医療による治療費は、状態により変動します 

 

▼以下のページもご参考にしていただけます
変形性膝関節症、最新の治療法!再生医療の手術をしない幹細胞治療という可能性

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