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膝に水が溜まる原因とは?水を抜く方法は?初期症状や治療法について解説【医師監修】

「最近、膝の動きが重いように感じる…」
「膝が少し腫れているけど痛みはないから放置しても大丈夫?」
そんな違和感が膝にある場合、膝関節に水が溜まりはじめている前兆かもしれません。
膝に水が溜まる症状は膝関節の炎症や、軟骨のすり減りが進行しているサインとも捉えられます。
そこで今回は、膝に水が溜まる原因や初期症状、対処方法について専門医が画像・動画を交えて解説。
→「膝に水が溜まったときの初期症状」は、膝が少し腫れて重たい感じから始まるのが特徴。
また当院では手術なしで、膝本来の回復力を活かして改善へアプローチする再生医療を承っています。
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目次
膝に水が溜まる主な原因
なぜ膝に水が溜まる(膝の滑膜に炎症が起こる)のか、主な3つの原因を解説します。
原因が気になる方はぜひ参考にしてください。
原因①変形性膝関節症
膝の骨膜に炎症が起こる原因として、変形性膝関節症が挙げられます。変形性膝関節症とは、膝関節の軟骨がすり減って変形が進行する病気です。
とくに、40代以降の中年層や高齢者に多く、すり減った軟骨や半月板のかけらが原因となり滑膜を刺激して水が溜まります。
変形性膝関節症によって水が溜まった状態を放置していると、軟骨のすり減りが進行していくので、できるだけ早く対処することが重要です。
原因②半月板損傷や靭帯の損傷
半月板や靭帯の損傷、骨折なども膝の骨膜に炎症が起こる原因の一つです。
スポーツや怪我などによって関節内の組織が損傷すると、同時に滑膜が炎症を起こします。靭帯や骨、半月板に血管が通っているため、関節液に血液が混じって赤くなることが多く見られます。
とくに、半月板や靭帯を損傷すると関節の安定性が失われ、膝にかかる負担が増して慢性的な炎症を引き起こす可能性もあるため注意が必要です。
原因③関節リウマチや感染症
感染症によって、関節液の中に炎症の原因となる細菌やピロリン酸カルシウムなどが入り込むと滑膜に炎症を引き起こします。
また、リウマチのような自己免疫疾患も関節液が溜まる原因になります。
この場合、抜いた関節液は濁っていることが多く、関節液の検査を行うことで原因を特定することが可能です。
膝に水が溜まるのは自然に治る?水を抜く流れ
膝に水が溜まったときの治療方法は、病院やクリニックで水を抜くことが一般的です。
以下で、膝に水が溜まったときの治療方法や具体的な流れについて解説するので、ぜひ参考にしてください。
膝の水を抜く流れ
膝に水が溜まったときは、注射を使って水抜きをします。
【写真①】
【写真②】
水を抜く(写真①)ときには、普段採血やヒアルロン酸の注射やブロック注射などの注射針より太い注射針を使用します。(写真②)水の量は多いときで、100ccにもなります。
膝の水を抜くときの注射は針が太い分、一般的には痛いものです。しかし、実際の感じ方は個人差によるものでしょう。また、水を抜いた後、針は刺したまま注射のシリンジを入れ替え、ヒアルロン酸やステロイドなどの炎症止めを注入します。
透明の薄い黄色であれば問題ないものの、、抜いた水の色(見た目)や濁りを見て感染症の疑いがある場合には、薬液の注入をしません。水が茶色や褐色をしていたり、濁ったりしている場合は、先に感染や骨折などの外傷があるか検査結果を待つ必要があります。
▼ 膝の水を抜く方法を詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
膝の水を抜いた後の生活
膝の水を抜いた後の過ごし方や安静期間は、原因となる疾患によってやや異なります。
骨折や半月板損傷、靭帯損傷などの外傷が原因で水が溜まっていた場合は、根本の外傷の安静期間に準じます。
また、感染症や偽痛風などが原因の場合は、痛みや炎症が落ち着くまではあまり動かさない方が良いでしょう。
変形性膝関節症が原因の場合は、とくに安静期間は必要ありません。膝の水を抜いた後でも、積極的にウォーキングや筋力トレーニングなどのリハビリテーションを行い、痛みが軽度であれば運動や仕事も可能です。
膝の水を抜いた後の注意点
膝の水を抜いた後、24時間はお風呂やシャワーなどを避けたほうが良いでしょう。
針を刺した場所が痛む可能性がありますが数日で痛みが消えることが多いので心配はいらないでしょう。ただし、注射をした後に膝が熱を持って腫れがひどくなったり、体温が高くなったりする場合は細菌感染の疑いがあります。
膝の水を抜いた後に状態が悪化した場合には、できるだけ早くかかりつけ医で受診することをおすすめします。
より詳しい解説は、以下の記事を参考にしてください。
膝に水が溜まった初期症状
膝に水が溜まったときの初期症状としては、膝が少し腫れて重たい感じから始まるのが特徴です。
以下のような症状が見られたら注意しましょう。
その後、溜まった水の量が増えてくると、歩行や階段の上り下りだけでなく正座なども困難になります。
膝関節は関節包と呼ばれる袋に閉じ込められており、多くの水が溜まって関節包が張ってしまうことで痛みが出ます。一旦、水を抜くと張りがなくなり痛みは激減するでしょう。
以下で、膝に水が溜まったときの初期症状を詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
膝全体が腫れている
膝に水が溜まっている兆候の一つは、膝全体が腫れていることです。初期段階では、膝の周囲に軽い膨らみを感じ、溜まった水の量が増えると、膝全体が腫れて見た目にも明らかな異常を感じられます。
▼ 膝に水が溜まったときの写真(左足)
写真では、左足の膝が明らかに腫れているのがわかります。ただし、溜まっている水が少ないと見た目ではわかりづらく、触診だけではなく、エコーMRIなどの画像検査による判断が必要です。経験上10cc程以下の水の量では、触診だけではわからないことがあります。
膝が重く違和感を感じる
膝に水が溜まる初期症状として、重たさや違和感を覚える場合があります。
膝を動かすたびに違和感を感じるようになると、普段どおりに立ったり歩いたりできなくなるケースも珍しくありません。
膝の重さや違和感は、主に膝関節の圧迫によるものです。水が溜まっている状態で膝を動かすと内力がかかり、膝関節を覆っている関節包が引き伸ばされて、詰まりや引っ掛かりを覚えます。なお、関節内の炎症によって血流が増加し、重たさと同時に熱を持つこともあります。
膝の曲げ伸ばしがしづらい
膝の曲げ伸ばしがしづらくなることも、水が溜まったときの初期症状の一つです。膝に水が溜まると、関節包が突っ張って膝の動きに抵抗が生じるため、曲げ伸ばしがスムーズにできなくなります。
膝の曲げ伸ばしがしづらくなると、歩くときや階段の上り下りをするときに痛みが伴うことが増えるでしょう。無理に膝を動かすと痛みが強くなる可能性が高いため、注意が必要です。
これらの症状に心当たりがある方、膝の違和感にお悩みの方は、当院(リペアセルクリニック)の公式LINEにご登録ください。
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膝に水が溜まることに関するよくある質問
膝に水が溜まったときの治療に関するよくある質問をまとめているので、ぜひ参考にしてください。
膝に水が溜まるとはどういう状態?
なぜ膝に水が溜まるのか、仕組みを説明していきます。
膝に水が溜まる症状は、病名として「関節水腫」と呼ばれます。
膝の関節は関節包という組織で覆われており、その内側に存在する滑膜から、「関節液(滑液)」が作り出される仕組みです。
正常な状態でも膝には多少の水が存在しており、なんらかの原因で滑膜が炎症を起こすと反応としてより多くの関節液を放出することで水が溜まります。
膝の水を抜くとクセになる?
膝の水を抜くからクセになることはありません。
膝に水が溜まる原因は、炎症が強く関与しています。炎症が続いているから、水が繰り返し溜まり、「クセになっているのではないか」と感じるのです。
したがって、膝に水が溜まったときは、炎症をしっかり抑制してコントロールすることが重要です。
なぜ繰り返し膝に水が溜まるの?
繰り返し水が溜まるのは、関節液の中に炎症を引き起こす物質(炎症性サイトカイン)が含まれているからです。
繰り返し水が溜まるからといって放置すると、膝関節の炎症が長引く可能性が高まります。そのため、水を抜きながら、根本的な症状の改善を目指すことが適切なアプローチだといえます。
膝の水を放置するとどうなる?
水が溜まった状態で放置すると、膝の重苦しい感覚が続いて動きがさらに悪くなり、日常生活にも支障が出るでしょう。
また、細菌感染が原因で水が溜まっている場合は、放置するほど膝関節内部で細菌がますます繁殖し、関節の軟骨そのものに悪影響を及ぼすことも十分に考えられます。ほかにも、変形性膝関節症が原因の場合は、末期になると人工関節の手術を選択せざるを得なくなる可能性があるため注意してください。
リペアセルクリニックでは、メール相談やオンラインカウンセリングも実施しているので、膝に溜まった水を放置する前に、気軽にご相談ください。
膝の水を抜く間隔はどれくらい?
膝の水を抜いた後に再び腫れたときは、あらためて治療が必要です。膝の水を抜く間隔は、症状によってさまざまですが、すぐに繰り返し水が溜まるケースも珍しくありません。
なお、骨折や半月板損傷、靭帯損傷などが原因で膝に水が溜まっている場合は、外傷が治ってくると同時に水も自然に吸収されます。そのため、痛みがそれほど強くなければ、膝が多少腫れていても放置する場合があります。
膝の治療には、水抜きや薬物療法以外にも、外科的な手術を必要としない「再生医療」の選択肢もあります。
現在、当院の公式LINEでは、再生医療をはじめとする最新の治療法に関する情報やひざの痛みの改善症例をご紹介していますので、膝の症状で不安がある方は以下からご確認ください。
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膝に水が溜まっているか自分で調べる方法はある?
膝が腫れたり、曲げ伸ばしがしづらいと感じたりしたときは、水が溜まっていないか確認してみましょう。
▼ 膝の水セルフチェック方法
まず、膝を伸ばした状態で座ります。次に、片方の手で膝のお皿の上をしっかりと掴み、もう一方の手でお皿の骨を軽く押しましょう。やわらかく動いてお皿が浮くような感じがあれば、膝に水が溜まっている可能性があります。
リペアセルクリニックでは、膝に関する症状のご相談も承っておりますので、膝に水が溜まっているか自己判断できない場合は気軽にご連絡ください。
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他の膝のトラブルが考えられる方は以下を参考にしてください。
膝に水が溜まったときに自分で治す方法は?
膝に水が溜まったときは、自分でマッサージすることで症状の緩和が期待できます。
具体的なマッサージ方法は、下記の動画を参考にしてみましょう。
ただし、あくまで慢性期の痛みを緩和するためのものなので、外傷の急性期や感染症、偽痛風などのケースでは基本的にマッサージはしないほうが良いでしょう。
また、痛みが強くなる場合はマッサージを中止して医療機関に相談してください。
なお、変形性膝関節症などによる慢性的な痛みの場合は温めるのが基本です。
逆に、外傷後や感染、偽痛風などの急性期の痛みや膝が熱を持っている場合は冷やすほうが良いでしょう。湿布に関しては冷湿布と温湿布のどちらでも大丈夫です。
また、膝の関節を安定させるためには、サポーターの使用も有効です。いずれにせよ、自分だけで治そうとせずに、必ず医療機関と相談しながら行いましょう。
▼ サポーターの有効性について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
膝に水が溜まる原因は膝周辺の疾患の可能性が高い!早めに専門医に相談することが重要
膝に水が溜まっている場合は、早めに抜いてもらうことが大切です。
膝関節には滑膜と呼ばれる組織があり、内部は滑膜から分泌される関節液で満たされています。
通常、関節液は約1~3mL程度ですが、滑膜部が炎症を起こすと、概ね20~30mLまで増加します。水が膝に溜まるとは、まさにこのような状態を意味します。
膝の痛みや腫れ、違和感を感じたら、悪化を防ぐためにも早期に医療機関を受診してください。
必要に応じてMRI画像を撮影して診断してもらい、生活スタイルに合った治療方法を提案してもらいましょう。