変形性膝関節症のサポーターなど装具療法の種類と注意
公開日: 2022.03.30更新日: 2024.11.06
変形性膝関節症のサポーターなど装具療法の種類と注意点
この記事は、「膝の痛みを緩和してくれる装具が欲しい」と自分にあった装具を探している。そんなあなたに書いています。装具は、足などの弱った部分に装着して、その部分を支えることで痛みを軽減したり、運動の能力を補助して向上させる目的で行うものをいいます。
変形性膝関節症は、膝のクッションの役割を担う関節軟骨のすり減りが起因となって膝に痛みなどの障害を感じる疾患です。進行すると関節が変形したり、安静時にも痛みを感じるようになることから、日常生活だけでなく、健康寿命まで脅かす病気です。
そんな変形性膝関節症の治療は大きく外科的療法と、保存的療法の2つに分けることができます。外科的療法では、関節鏡視下手術・骨切り術・人工関節置換術があります。
また、保存的療法には運動療法・薬物療法・物理療法、そして膝や足底に装具をつけることで、痛みの緩和や運動機能の補助を目的とする装具療法があります。変形性膝関節症による膝の痛みでお悩みの方に向けて装具療法とその種類について参考になればと記させて頂きました。
膝の痛みの緩和や、歩行などの動くために、どんな装具にしたら良いのかと、迷われている方はぜひご覧ください。
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変形性膝関節症に対する装具と注意点
変形性膝関節症に対する装具は、大きく分けてサポーターとインソールといった2つがあります。
サポータを装着することで、不安定になった関節を安定させます。変形性膝関節症では膝を安定させる大腿四頭筋をはじめ、膝周囲の筋肉が弱まることで膝を支えることができずに膝が不安定な状態になります。
不安定な膝に対して不規則な負担が繰り返されると、軟骨がすり減り痛みにつながるのですが、サポーターで膝を支え、安定性を高めて痛みを減らします。サポーターで膝が支えられると安心感が増すため、精神的にも効果が上がります。
サポーター
ただし、安心だから、楽だからとサポーターに頼りっぱなしになるのはオススメできません。
サポーターはあくまで筋肉の代わりをする補助的な役割を果たしているだけで、痛みがないのにも関わらずサポーターを常に装着していては、かえって膝の筋力が低下しかねないからです。
サポーターは、薬局、ドラッグストアに置いてあるような市販のサポーターから、健康保険を適応して医療機関から入手できるモノまであります。市販のものは膝を一周覆うような簡易的なものが特徴です。
医療機関で入手できるものは、膝の両側、または片側に支柱が付いている特徴があり、装着に際して医療的見地から個人に合ったものをフィットさせてくれる特徴があります。
支柱タイプのサポーターは、簡易的なものと比べ高価なものが多いですが、市販のものと比べ安定感は強いです。支柱は金属やプラスティックでできており、荷重の偏りを減らすほか、太ももから膝下までの範囲をサポートしてくれます。
最近は、支柱タイプのサポーターであってもインターネットを使えば入手することが可能ですが、自分にフィットする保証が無いだけに心配です。膝の変形が強いほど、サポーターの支柱にかかる負担も大きくなるため、膝に支柱が当たることで皮膚にすり傷ができるなどのケガをする可能性があります。
簡単な擦り傷でも、サポーターを着けると、傷にあたって痛むため、あたらないようにかばっていると不自然な力が入って、悪化しかねません。これでは痛みを取るための装具としての意味が無くなってしまいかねません。
装具は、できるだけ医師に相談し、あなたの症状はもちろん、膝のサイズに合ったサポーターを購入しましょう。
こちらでもサポーターについて詳しく解説しています。ぜひご覧ください。 変形性膝関節症はサポーターをしたほうが良い!その理由と注意点
インソール
膝内側への負荷を減らすインソールは、別名「ラテラルウェッジ(外側くさび状)型足底板」と呼ばれます。
下肢に体重がかかるラインを荷重線またはミクリッツ線(大腿骨頭と足関節の中心を結んだライン)といい、通常であれば膝の中央を通ります。しかしO脚(内返膝)になると荷重線は膝の内側を通るようになります。
そこで、インソールを用いることにより荷重線を膝の中心へ近づけるように、膝の角度、すなわち荷重線を調整することで、内側軟骨のすり減りや痛みを減らせます。
変形性膝関節症のほとんどの方は、O脚になってしまいます。
O脚になると体重が小指側に乗りやすく、膝の内側部に負荷がかかることで痛みを感じます。
小指側を高く持ち上げるように足裏にインソールを挿入することで、親指側へ体重が乗るように膝の角度を調整します。すると小指ではなく親指側へ荷重が抜けるような歩行ができるほか、膝内側にかかる過剰な負担を軽減させ、痛みを緩和します。
X脚を抱えた方の場合は、その逆に親指側を持ち上げる装具があります。
一般的にインソールは屋外で履く靴に使用しますが、屋内で使用できるタイプや、足に直接装着するタイプもあります。
インソールもサポーター同様、市販で購入できるものよりも、健康保険が適応される医療機関での購入をお勧めします。
病院で購入できるインソールは、市販のものより高価になりがちですが、あなたの膝の状態に合わせて採寸することで、症状に合わせて矯正が可能になります。治療効果を得て頂くためにも国家資格である義肢装具士に依頼できるよう、かかりつけ病院の担当医に相談されてはいかがでしょうか。
まとめ・変形性膝関節症のサポーターなど装具療法の種類と注意点
いかがでしたでしょうか?変形性膝関節症の装具療法、サポーターとインソールについて、その種類や効果について解説しました。
サポーターをすることで、筋肉の代わりに膝の安定性を高める効果があります。サポーターの種類には、支柱がないものと、支柱があるものに分けられます。支柱タイプのサポーターは、膝にかかる荷重の偏りを防げますが、時には支柱が膝に接触し、痛みを伴うことがあります。
インソールは膝の固定はしないものの、O脚やX脚のように偏った荷重線に対して膝の中央ラインを通るように膝の角度を調整し、関節への負担を軽減させます。
サポーター、インソールともに薬局など市販で購入できます。しかし変形性膝関節症の変形の度合いは一人ひとり違うこと、進行に伴い角度が変わることから、医療機関であなたにあったサポーター・インソールを購入されることをオススメします。
以上、変形性膝関節症の装具療法と、その種類について、を記させていただきました。自分に合った装具を身につけて心身ともに前向きな生活を見つけましょう。
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