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肝臓の5つの働きを解説!悪化するリスクと機能維持の方法を紹介

肝臓の働き
公開日: 2022.04.04 更新日: 2025.05.27

「肝臓は症状が出にくいって本当?」「肝臓が悪いと言われたけれど、何に気をつければ良い?」などと肝臓のことが気になる方も多いでしょう。

肝臓は、大人では1kg以上の重量があり、体内で最も大きな臓器の一つです。栄養素の代謝をはじめとする500種類以上の化学反応を担う一方、「沈黙の臓器」とも呼ばれ、異常があっても症状が現れにくいのが特徴です。

この記事では、多岐にわたる肝臓の働きを5つに分けて解説します。さらに、肝機能が悪化した際の症状や、放置したときに起こりうる病気、肝臓を守るための生活習慣も紹介します。

肝臓の健康や働きに関心のある方は、ぜひ参考にしてください。

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肝臓の5つの働きをわかりやすく解説

肝臓には非常に多くの働きがあります。ここではわかりやすく5つに分類して、肝臓の働きを説明します。

  • 胆汁の合成・分泌
  • 代謝(炭水化物・脂質・タンパク質など)
  • 栄養素の貯蔵
  • 解毒・排泄
  • 免疫

胆汁の合成・分泌

胆汁は、食べ物に含まれる脂肪などの消化・吸収を助ける分泌液です。胆汁の主要な成分は、コレステロールから合成される胆汁酸です。脂肪に胆汁酸が混ざることで、消化酵素による分解を受けやすくなります。

胆汁は、赤血球が分解されるときにできるビリルビンを排泄する役割も持ちます。ビリルビンとは、脾臓で赤血球が壊されるときにできる黄色の色素です。そのままでは水に溶けないため、肝臓で水に溶けやすい形に変換されて胆汁に混ざり、消化管へ排泄されるのです。

胆汁酸とビリルビンのほかに、電解質やコレステロール、リン脂質などが混ざりあって胆汁が生成されます。作られた胆汁は十二指腸へ送り出され、脂肪の消化・吸収を助けます。

代謝(炭水化物・脂質・タンパク質など)

代謝とは、体内での化学反応によって、さまざまな分子が合成・分解されることです。

たとえば炭水化物・脂質・タンパク質は、肝臓において以下のように代謝されています。体にとって使いやすい形への変換、不足分の合成、貯蔵しやすい形への合成などが行われます。

変換・合成元 変換・合成先
炭水化物 ・ブドウ糖以外の単糖類(フルクトースやガラクトース)をブドウ糖に変換
・ブドウ糖をグリコーゲンに合成して貯蔵
・アミノ酸や脂肪からブドウ糖を合成
脂質 ・脂肪を運ぶタンパク質の合成(VLDL、HDL)
・ブドウ糖から脂肪を合成
・脂肪・ブドウ糖・アミノ酸からコレステロールを合成
タンパク質 ・非必須アミノ酸(体内で合成可能なアミノ酸)を合成
・アミノ酸からタンパク質(アルブミンや血液凝固因子など)を合成
・余分なアミノ酸の分解

栄養素の貯蔵

肝臓は糖や脂質の貯蔵において中心的な役割を果たしている臓器です。また、ビタミンやミネラルの貯蔵も行っています。

体内でブドウ糖が余っているとき、まず合成されるのはグリコーゲンです。グリコーゲンを十分作ってもまだブドウ糖が余っていれば、今度は脂肪に変化させて、脂肪組織で貯蔵できる形にします。

逆に体内のブドウ糖が不足しているときは、肝臓のグリコーゲンを分解してブドウ糖に戻し、血液中に供給します。グリコーゲンがなくなれば、今度はアミノ酸や乳酸、脂肪を材料にブドウ糖を合成可能です。このように肝臓は、エネルギーの貯蔵と供給を担っています。

エネルギー以外には、赤血球を作る際に必要な鉄やビタミンB12も肝臓に貯蔵されています。ビタミンAやD、亜鉛も肝臓で貯蔵される栄養素です。これらも必要に応じて肝臓から供給されます。

解毒・排泄

肝臓は、身体にとって有害な物質を無毒化したり、そのままでは排泄できない物質を排泄可能な形に変換したりする働きも担います。アルコールやニコチン、治療薬の成分などを分解・無毒化するのも肝臓です。

体内でできる有害物質や排泄困難な物質なども、多くが肝臓で処理されます。たとえば余分なアミノ酸を分解する過程でできるアンモニアは、そのままでは有毒なので、尿素に変換されます。赤血球が分解される際に出るビリルビンを、水に溶ける形に変換するのも肝臓の役目です。体内で働いたホルモンも、一部は肝臓で分解されます。

また、体内に乳酸が余分に溜まると倦怠感を自覚するといわれていますが、肝臓では乳酸をブドウ糖に変換できます。

免疫

肝臓は、消化管で吸収された栄養素が最初に流れ込む場所です。消化管から来る血液の通り道には、クッパー細胞と呼ばれる免疫細胞が常駐し、栄養素と一緒に入ってきた細菌やウイルスなどの異物を除去しています。ほかにも、ウイルスに感染した細胞や老廃物を処理するナチュラルキラー(NK)細胞など、免疫系の細胞が多く存在します。

また、免疫系が適切に働くには、病原体に結合して目印となるタンパク質免疫グロブリンが欠かせません。免疫グロブリンは免疫細胞が作りますが、そのためには肝臓から供給されるアミノ酸やエネルギーが不可欠です。

肝臓の働きが悪くなると身体に現れる変化

肝臓は「沈黙の臓器」とも呼ばれ、働きが悪化しても目立った症状はなかなか現れません。それでも以下のような症状がヒントになります。

  • 全身がだるくなって疲れやすくなる
  • 黄疸(肌や目が黄色くなる)やむくみが出やすくなる

このような変化が起きる理由を解説します。

全身がだるくなって疲れやすくなる

肝臓の働きが悪くなると、心当たりもないのに全身のだるさが続いたり、疲れやすくなったりします。要因はさまざまなものが考えられます。

まず、ブドウ糖の供給を調節する機能が低下して、全身の細胞がエネルギー不足の状態になります。有害物質の解毒・分解が滞ることで、アンモニアなどの老廃物が身体にたまることも倦怠感の一因です。

ほかにも栄養素の貯蔵障害や、タンパク質の合成低下、ホルモンの分解が滞ることでのホルモンバランスの乱れも影響します。このように、肝臓のさまざまな機能の低下が、全身のだるさや疲れやすさにつながります。

黄疸(肌や目が黄色くなる)やむくみが出やすくなる

黄疸とは、白目や皮膚が黄色くなる症状です。これは肝機能の低下を示す特徴的な症状で、肝臓におけるビリルビン(赤血球が壊されるときに出てくる黄色い色素)の代謝と排泄がうまくいかなくなると起こります。急性肝炎の場合は、黄疸が出現する数日前から、尿の色が茶色くなる症状も現れるのが一般的です。(文献2

むくみの原因は、肝臓におけるタンパク質の合成障害かもしれません。血液中のタンパク質(アルブミンなど)が減少すると、水分を血管内に保持する力が弱まります。すると水分が血管外に漏れ出し、むくみや腹水として溜まってしまうのです。

肝臓の働きの悪化が進むと重大な病気にかかりやすい

肝臓の働きが悪化すると、以下のような肝臓の病気を発症するリスクが高まります。

  • 急性肝炎
  • 慢性肝炎
  • アルコール性肝炎
  • 非アルコール性肝炎
  • ウイルス性肝炎
  • 肝硬変
  • 肝臓がん

本章では、このうち急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変の3つについて説明します。

急性肝炎

急性肝炎は、肝炎ウイルスやアルコール、薬剤などの影響で肝臓内の細胞が破壊され、強い炎症所見を呈するものです。肝炎ウイルスが原因であることが多く、感染して数週間から数カ月後に、黄疸や食欲不振、全身倦怠感、発熱といった症状が現れます。(文献2

肝炎ウイルスの種類はA・B・C・D・E型があり、このうちD型は、日本ではあまり見られません。どの型であっても、治療の基本は安静と食事療法です。肝臓への負担を抑えるためにタンパク質を制限するほか、必要に応じて輸液や炎症を抑える薬を投与する場合もあります。

急性肝炎は重症化するケースもありますが、多くは自然に回復します。しかし、C型肝炎は慢性化する確率が高いため、急性の症状が落ち着いても、6カ月の経過観察が必要です。

慢性肝炎

慢性肝炎とは、肝臓の炎症が半年以上継続している状態を指します。原因は、急性肝炎が完全に治りきらないことや、脂肪の蓄積やアルコールによる肝臓への負担です。

慢性肝炎による炎症と修復が繰り返されると、肝臓は少しずつ繊維化し、慢性肝臓病と呼ばれる機能低下の状態となります。さらに放置すれば、肝硬変や肝臓がんに移行するかもしれません。(文献3

慢性肝炎の自覚症状は非常に軽微なため、健康診断の血液検査でたまたま発見されることが多いといわれています。とくに気をつけるべき数値は、肝臓の働きを反映するALTです。ALTが30を超えたらかかりつけ医を受診するよう、日本肝臓学会により呼びかけられています。(文献3)症状がなくても放置せず、早めの受診を心がけましょう。

肝硬変

肝硬変とは、肝臓の組織が繊維化して固くなってしまう病気です。慢性肝炎などによって、肝臓内の細胞が破壊と修復を繰り返すうちに発症します。原因はC型肝炎が最多ですが、近年ではアルコール性肝障害や、非アルコール性脂肪肝炎が原因で肝硬変となる患者様の割合が増えています。(文献1

肝硬変になると、肝臓の機能は低下したまま元に戻りません。また、肝がんが発生する危険性が高くなります。(文献1

初期にはほとんど有意な症状を認めないことが多いですが、進行するにしたがって倦怠感や吐き気、体重減少など、多彩な症状が出現すると知られています。さらに病状が悪化すると、むくみやおなかの張り、白目や皮膚が黄色くなる黄疸などが自覚されます。

肝臓疾患の治療には再生医療をご検討ください

脂肪肝や肝炎といった肝臓の病気は、放置すると肝硬変や肝がんに進行する場合もあります。しかし自覚症状が出にくいため、気づいたときには進行していることも少なくありません。

そんな肝臓疾患の新しい治療法として、再生医療があります。再生医療とは、体内の幹細胞が持つ組織修復能力や炎症を抑える働きを活かした治療です。患者様自身の幹細胞を用いますが、入院を伴う大きな手術は必要なく、身体への負担を抑えられます。

当院リペアセルクリニックでも、脂肪肝・肝硬変・肝炎に対する再生医療を提供していますので、お気軽にご相談ください。

手術しなくても治療できる時代です。

肝臓疾患のお悩みに対する新しい治療法があります。

肝臓の働きを良くするために意識したい生活習慣

ここでは肝臓のために普段から意識したい生活習慣について、食事、休息、運動の面からお伝えします。

  • 栄養バランスを考えて食事のメニューを選ぶ
  • 睡眠不足・ストレス過多を避ける
  • ウォーキングなど軽い運動を習慣にする

栄養バランスを考えて食事のメニューを選ぶ

肝臓の働きを維持するには、肝臓の細胞を作るタンパク質や、肝臓の機能を助けるビタミン類が大切です。積極的にとりたい栄養素と、多く含む食品例を以下にまとめました。

栄養素 食品例
タンパク質 ・鶏むね肉
・豆腐
・卵
ビタミンB群 ・豚肉
・ほうれん草
・納豆
・玄米
ビタミンC ・ブロッコリー
・キウイフルーツ
・さつまいも
ビタミンE ・アーモンド(ナッツ類)
・アボカド
・カボチャ
ポリフェノール ・緑茶
・ブルーベリー
・ココア
タウリン ・しじみ
・あさり
・いか

これらの栄養素を意識しながら、さまざまな食品をバランスよく食べましょう。

なお、既に肝機能が落ちている方は、タンパク質や塩分の制限が必要な場合もあります。医師と相談しながら食事内容を調整してください。

睡眠不足・ストレス過多を避ける

睡眠時間が短いと、肝臓が日中のダメージを修復・再生する時間も少なくなります。毎日決まった時間に寝起きするなど規則正しい生活を送り、質の高い睡眠を確保しましょう。寝る前のカフェイン摂取やスマートフォンの使用を控えるのも効果的です。

また、過度なストレスも自律神経を乱し、肝臓へのダメージにつながります。活性酸素が増えることで肝細胞が傷ついたり、ストレスによる食生活の変化で肝臓に負担がかかったりする可能性もあります。適度な運動や趣味など、自分に合った方法で上手にストレスを発散しましょう。

ウォーキングなど軽い運動を習慣にする

ウォーキングなどの軽い有酸素運動も、肝臓に良い影響をもたらします。とくに肥満を伴う脂肪肝の患者様には効果的で、単純な脂肪肝でも、脂肪により炎症が起きている場合でも、肝臓の脂肪が減る効果があると報告されています。(文献4)肥満ではない方も、運動によって消費エネルギーが増えれば、脂肪の消費に役立ちます。

おすすめの有酸素運動は、ウォーキングやサイクリング、スイミング等です。少し汗をかきながら無理なく続けられる強度で、1回30分~60分、週に3~4回を目安にしましょう。適切な運動により、脂肪肝の改善が期待できます。

肝臓の働きについて気になる点があれば病院へかかりましょう

肝臓の主な働きと、機能低下時の症状、肝臓に良い生活習慣について解説しました。肝臓を守るためには、バランスの良い食事と十分な睡眠、ストレス管理、軽い有酸素運動の継続を大切にしましょう。

一方で、肝臓病は症状が現れにくいため、定期的な検査も欠かせません。健康診断では、とくにALT値に注目し、30を超えたら医療機関を受診しましょう。

肝臓病になってしまったら、治療や生活習慣の見直しが必要となります。治療については再生医療も選択肢の一つです。

当院リペアセルクリニックでは、脂肪肝・肝硬変・肝炎に対する再生医療を提供しています。肝臓が気になる方は、お気軽にご相談ください。

手術しなくても治療できる時代です。

肝臓疾患のお悩みに対する新しい治療法があります。

参考文献

(文献1)
日本消化器病学会・日本肝臓学会「肝硬変診療ガイドライン 2020(改訂第 3 版)」2020年
https://www.jsge.or.jp/committees/guideline/guideline/pdf/kankouhen2020_re.pdf(最終アクセス:2025年5月20日)

(文献2)
国立健康危機管理情報機構 肝炎情報センター「急性肝炎」
https://www.kanen.ncgm.go.jp/cont/010/kyuusei.html(最終アクセス:2025年5月20日)

(文献3)
日本肝臓学会「奈良宣言特設サイト」
https://www.jsh.or.jp/medical/nara_sengen/(最終アクセス:2025年5月20日)

(文献4)
日本消化器病学会・日本肝臓学会「NAFLD/NASH 診療ガイドライン 2020(改訂第 2 版)」2020年
https://www.jsge.or.jp/committees/guideline/guideline/pdf/nafldnash2020_2_re.pdf(最終アクセス:2025年5月20日)

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