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サルコペニアの初期症状とは?自宅でできる3つのチェック法と予防策を解説
「最近よくつまずく」
「ペットボトルのキャップが開けにくい」
上記の症状に心当たりがある場合は、サルコペニア(加齢による筋肉量や筋力の低下)の初期症状が疑われます。
サルコペニアは、加齢や運動不足、栄養不足などが重なって進行し、放置すると転倒や要介護リスクが高まる状態です。
本記事では、サルコペニアの初期症状や原因、自宅でできる3つのセルフチェック法、今日から始められる予防策を医師の視点でわかりやすく解説します。
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目次
サルコペニアの初期症状
サルコペニアによって筋力が低下すると、日常生活のなかでさまざまなサインが現れます。代表的な初期症状は、以下のとおりです。
- 転びやすくなる・頻繁につまずく
- 歩く速度が遅くなる
- 横断歩道を青信号の間に渡りきれない
- ペットボトルのキャップが開けにくい
- 手すりにつかまらないとなかなか階段を上がれない
- 手首やふくらはぎが細くなる
- うまく食べられない・飲み込めない
いずれの症状も「歳をとった影響だろう」と軽く考えがちですが、サルコペニアの可能性があります。当てはまる項目が複数ある場合は、早めに生活習慣を見直したり、医療機関への相談を検討したりしましょう。
そもそもサルコペニアとは?
サルコペニアとは、加齢や生活習慣などによって筋肉量と筋力が低下し、身体機能の低下が起こった状態を指します。
ここでは、以下の3つを解説します。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
サルコペニアを引き起こす原因
サルコペニアの原因やメカニズムは、完全には判明していないものの、加齢・運動不足・たんぱく質不足が主な原因と考えられています。
実際に、75歳から79歳までの男女の約20%、80歳以上では男性の約30%および女性の約半数がサルコペニアに該当します。また、サルコペニアの発症により、将来的な要介護化のリスクが約2倍に高まることも判明しました。(文献1)
人間の筋肉量は20代がピークとされ、年齢を重ねると合成される筋肉が減り、分解される量が増えるため、普段どおりの生活でも筋肉量が低下しやすくなります。
そこに活動量の低下や食生活の乱れが重なると、作られる筋肉量がさらに減り、身体機能の低下が進みやすくなるのです。
サルコペニアになりやすい方の特徴
サルコペニアを発症しやすい方には、以下のような特徴があります。
| 特徴 | 内容 |
|---|---|
| 高齢でやせ型 | 食事量が少なく、たんぱく質不足になりやすい |
| 運動習慣がない | 筋肉量が減りやすく、サルコペニアのリスクが高まる |
| 食事制限中心のダイエット | 若い方でも筋肉量が低下しやすい |
なお、高齢になると、消化機能の衰えから動物性たんぱく質を避けがちになる点も注意が必要です。
また、サルコペニアは高齢者だけでなく、若い世代にも起こり得ます。詳しくは以下の記事をご覧ください。
サルコペニア・フレイル・ロコモの違い
サルコペニア・フレイル・ロコモは、いずれも加齢による衰えに関する用語ですが、それぞれ意味や範囲が異なります。
| 種類 | 状態 | 特徴 |
|---|---|---|
| フレイル | 心身全体の活力が落ちた状態 | 些細なストレスでも体調を崩しやすく、精神的にも閉じこもりがちになる |
| サルコペニア | 筋肉量と筋力が低下した状態 | 高齢になると起こりやすく、フレイルの原因にもなる |
| ロコモ | 移動機能にかかわる体の衰え | 立つ・歩く・座るが難しくなり、進行すると介護リスクが高まる |
それぞれの違いを理解した上で、自身に必要な対策を検討しましょう。
サルコペニアとパーキンソン病の初期症状の違いやチェック方法
「歩きづらさ」や「動作のぎこちなさ」はサルコペニアでも見られますが、パーキンソン病でも似た症状が現れます。
両者の特徴を比較すると、以下のようになります。
| 項目 | サルコペニア | パーキンソン病 |
|---|---|---|
| 主な原因 | ・加齢 ・運動不足 ・栄養不足 |
中枢神経系(脳)の障害 |
| 筋力の特徴 | 筋量・筋力ともに低下 | 筋量はあるが力を素早く出しにくい |
| 左右差 | 出にくい | 出やすい |
| 動作開始 | 全体的に遅くなる | 動き出しがとくに遅い |
パーキンソン病の筋力低下は、単純な筋萎縮ではなく、力を素早く発揮しにくいことや左右差が出やすいのが特徴です。動作のぎこちなさや手の震えなどパーキンソン病が疑われる場合は、以下の記事もご確認ください。
自宅でできるサルコペニアの3つのチェック法
サルコペニアのセルフチェックは、自宅でも簡単に実施できます。ここでは、以下3つのチェック法を紹介します。
それぞれ詳しく解説します。
ふくらはぎの「指輪っかテスト」
ふくらはぎの太さは、筋肉量の目安になります。指輪っかテストは、両手の親指と人差し指で輪を作り、ふくらはぎの一番太い部分を囲うだけの簡単な方法です。
手順は以下のとおりです。
- 椅子に座り、利き足ではない方のふくらはぎを露出する
- 両手の親指と人差し指で輪を作り、ふくらはぎの最も太い部分を囲む
- 指の輪とふくらはぎの隙間を確認する
囲んだときに「隙間ができる」場合は、サルコペニアの可能性があります。「ちょうど囲める」場合も筋肉量が少なめのサインといえるため、運動や食事の見直しを検討しましょう。
椅子からの立ち上がりテスト
下半身の筋力を確かめる代表的な方法が、椅子からの立ち上がりテストです。
手順は以下のとおりです。
- 肘掛けのない椅子に座り、両手を交差して胸に当て、足は肩幅程度に開く
- 座った状態から立ち上がり、再び座る動作を繰り返す
- 5回繰り返すまでにかかった時間を計測する
5回の立ち座りに12秒以上かかる場合は、サルコペニアの可能性があります。また、途中でふらつく、手を使わないと立てない場合も筋力低下のサインです。
なお、椅子からの立ち上がりテストは無理のない範囲で行い、転倒に十分注意しましょう。
開眼片足立ちテスト
バランス機能と下半身の筋力を確認できるのが、開眼片足立ちテストです。
手順は以下のとおりです。
- 素足で、滑りにくい床に立ち、両手を腰に当てる
- 立ちやすい側の足で立ち、もう一方の足を床から5cmほど上げる
- 目を開けたまま、立っていられる時間を計測する
立っていられた時間が8秒未満の場合は、サルコペニアの可能性があります。なお、バランスを崩しやすい方は、必ず壁や手すりのそばで行い、転倒予防に配慮してください。
複数のテストで気になる結果が出た方は、医療機関への相談を検討しましょう。
サルコペニアに効果的な予防策3選
サルコペニアは、運動と食事、生活習慣を整えることで予防が期待できます。ここでは、以下3つの予防策を紹介します。
それぞれ詳しく解説します。
1.筋力トレーニング
サルコペニアの予防には、筋力トレーニングが有効とされています。なかでも転倒に不安のある方におすすめなのが、椅子につかまって行う「椅子スクワット」です。
手順は以下のとおりです。
- 足を肩幅に開いて立ち、椅子の背もたれを両手でつかむ
- ゆっくりと膝を落としてしゃがむ
- 数秒キープしたら、元の立位姿勢に戻る
- 数回繰り返す
膝がつま先より前に出ないよう意識し、痛みが出る場合は中止しましょう。その他のトレーニング方法を詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
2.たんぱく質とビタミンDを意識した食事
サルコペニアを予防するためには、1日3食を基本にしながら、筋肉のもとになるたんぱく質をしっかり摂ることが大切です。肉類・魚介類・卵・大豆製品(豆腐、納豆など)から意識して取り入れましょう。
また、身体機能の低下を予防するには、骨を強くするカルシウムも重要です。あわせて、カルシウムの吸収を助けるビタミンDを含む食品も積極的に摂りましょう。
| 栄養素 | 含まれる食品 |
|---|---|
| たんぱく質 | 肉・魚・卵・納豆・豆腐 |
| カルシウム | 牛乳・豆腐・小松菜・ほうれん草 |
| ビタミンD | きのこ類・鮭・いわし・卵 |
毎日の食卓に意識して取り入れてみてください。
3.生活習慣を整える
毎日の生活習慣もサルコペニアの予防に大きく関わります。注意したい習慣と、取り入れたい習慣は以下のとおりです。
| 注意したい習慣 | 取り入れたい習慣 |
|---|---|
| 睡眠不足 | 生活リズムを整える |
| 閉じこもり | 散歩や体操などを習慣化する |
| 不規則な食生活 | 規則正しい食生活を心がける |
| 強いストレス | 地域活動・ボランティアに参加する |
| 喫煙・過度の飲酒 | 他者との交流を続ける |
上記の「注意したい習慣」は、活動量の低下や低栄養、生活習慣病などを招き、サルコペニアやフレイルの要因となります。また、社会とのつながりを持つことも、心身の健康維持に役立ちます。
サルコペニアは何科を受診すべき?
サルコペニアが疑われる場合は、以下の医療機関へ相談しましょう。
- 整形外科・老年科
- サルコペニア外来などの専門外来
- かかりつけ医
整形外科や老年科では、筋力低下や運動機能の衰えについて診断してもらえます。また、専門外来では、医師に加えて理学療法士や栄養士などがチームで支援するケースも多いです。
なお、何科を受診すべきか迷う場合は、まずかかりつけ医に相談し、必要に応じて専門の医療機関を紹介してもらいましょう。
サルコペニアの詳しい治療法については、以下の記事もご覧ください。
まとめ|サルコペニアの初期症状を見逃さずに早めの対処を
サルコペニアは、つまずきやすさや握力低下、歩行スピードの低下など、日常のささいな変化として現れます。「歳のせい」と片づけずに、指輪っかテストや立ち上がりテストなどで早めにチェックしてみましょう。
また、予防には筋力トレーニングやたんぱく質とビタミンDを意識した食事、規則正しい生活習慣の3つが効果的です。社会とのつながりを保つことも、心身の健康維持に役立ちます。
なお、セルフチェックで気になる結果が出た場合や、日常生活に不安を感じる場合は、整形外科や老年科、かかりつけ医への相談を検討してください。
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サルコペニアの初期症状に関するよくある質問
サルコペニアの症状が出たら痛みを感じることはある?
サルコペニア自体は、基本的に痛みを伴う病態ではありません。筋肉量や筋力が低下しても、それだけで痛みが出ることは少ないとされています。
ただし、サルコペニアによってバランスを崩しやすくなり、転倒・骨折などのケガにつながることで結果的に痛みを感じるケースはあります。とくに高齢の方は、転倒による大腿骨頸部骨折などが寝たきりにつながることもあるため、注意が必要です。
サルコペニアになったら余命に影響する?
サルコペニアになると、余命に影響する可能性があります。日本人高齢者を平均約5.8年追跡した研究では、サルコペニアのある人はない人に比べて死亡リスクが男性で2.0倍、女性で2.3倍高いことが示されました。(文献1)
また、要介護になるリスクも高まり、同じ研究では要介護発生リスクが男性で1.6倍、女性で1.7倍高くなることも報告されています。
ただし、サルコペニア予備群の段階では、死亡リスクや要介護リスクの有意な上昇はみられませんでした。早い段階で気づいて対策することが、健康寿命を延ばす上で重要です。
参考文献
(文献1)
サルコペニアが日本人高齢者の死亡・要介護化リスクを高めることを地域住民調査で実証|東京都健康長寿医療センター
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