-
- 股関節
股関節の大腿骨頭壊死は治るのか? 皆さんは、これまでに「股関節の大腿骨頭壊死」という言葉を耳にしたことはありませんか。あまり馴染みは無いと思いますが、これは股関節に現れる病名で非常に大きな病です。 大腿骨頭壊死症は、大腿骨頭部の阻血性(血行障害)疾患であり、日本での年間発生者はおよそ2200人程度と推定されています。この疾患を発症するリスクとしては、ステロイドによる治療歴や、アルコール、つまり飲酒との関連性が報告されています。 大腿骨頭壊死とは、人体で一番大きな球状の関節である股関節を構成する大腿骨頭の一部に血流が通わなくなることで、その結果として悲しいことに骨組織が壊死してその部分が死んでしまうような状態を指します。 大腿骨頭壊死症になると、保存的な治療以外にも手術による治療を薦められることもあります。 基本は、患者さん自身の股関節を温存することを優先的に考えますが、症状や重症度によっては人工物で股関節を置き換える人工関節置換という手術療法を選択しなければなりません。 今回は、股関節に現れる大腿骨頭壊死の正体とその治療法について解説しましょう。 股関節の大腿骨頭壊死の原因や症状とは? 足の付け根部分にある関節、その中でも大腿骨の先、大腿骨頭は、股関節を形成する部位としてとても重要な役割を果たしています。大腿骨頭は丸みを帯びた形状をしていて、この大腿骨頭が股関節の中の臼蓋といわれるくぼんだ部分にはまり込むことで股関節が形成されています。 大腿骨頭壊死は、大腿骨頭への血流が十分な量が循環されなくなり骨組織が死んでしまうことで起こります。そして、大腿骨頭壊死症を発症すると大腿骨頭が正常な場合の丸みのある形が変形してしまい、そうなると正常な股関節としての機能を果たせなくなります。 大腿骨頭壊死は、血流障害から発生する病気ですが、いくつかの危険因子がこれまでの研究によって指摘されています。 例えば、「膠原病」の合併症として発生するケースが多いと報告されています。膠原病のなかでも特に大腿骨頭壊死と関連性が深いのは、全身性エリテマトーデスという病気で、実際に、15歳以上の全身性エリテマトーデスを罹患している患者さんでは、大腿骨頭壊死の発生数が急増することが分かっています。 また、「ステロイド」の大量服薬なども本疾患、発生の危険因子であると考えられています。 ステロイドは膠原病や白血病などの数多くの病気で使用される重要な薬剤ですが、1日に40㎎以上を服用し続けると大腿骨頭壊死を患うリスクが上昇するという研究結果があります。 その他に大腿骨頭壊死の原因としてあげられるのがアルコールの過剰摂取、年齢、性別、凝固異常などが考えられています。尚、性別については、男性が女性よりも発生しやすいという統計になっているので男性は注意が必要です。 さらに、発症の危険因子ではありませんが、症状が悪化すると壊死した骨へ体重が過剰に掛かると潰れやすくなることも指摘されていて、これも注意しなければなりません。 大腿骨頭壊死は、大腿骨頭の壊死が生じた段階では明らかな症状はありません。骨頭部の壊死が発生してから股関節の症状が出現するまでには時間差があるからです。 本症では、病理学的には骨細胞と骨髄細胞が壊死に陥る特徴があります。骨頭壊死部は、主に壊死した層、修復反応層、健常な層といった 3 つの層に分かれていて壊死した層が壊れることで大腿骨頭の形に変化が生じ、股関節の機能に障害が起こるります。 股関節の大腿骨頭壊死の治療法 さてここからは、股関節の大腿骨頭壊死は治るのかと題して、骨頭壊死に対する治療法についてご紹介していきましょう。 まず大腿骨頭壊死の診断は、レントゲン写真やMRI検査、シンチグラムといった画像検査が主体になります。特に、MRI検査では大腿骨頭が潰れるという大きな変化を起こす前段階の時点、画像で異常を発見することが可能になります。 大腿骨頭壊死では、保存的療法と手術療法が存在しますが、病状の進行度や症状などに応じて治療方針が決定されます。もし、壊死範囲がごく小さい場合や経過が悪くないと判断されるケースでは、手術を選択せずに保存的な治療で様子をみることになります。 通常の保存的な治療では、体重を過度に増やさず肥満を防止したり、歩行では杖を使用して体重が股関節に賭ける負担を無くしたり、また長距離歩行を出来る限り控えることが必要です。また、重いものを持ち上げることも禁止される場合が多いと思われます。 疼痛(痛み)症状に対しては、消炎鎮痛剤が使用されます。 そして、大腿骨頭壊死の手術療法としては、「自分自身の股関節を温存する方法」と、「人工股関節への置き換える方法」があります。 仮に壊死部分に過剰な体重がかかってしまうと大腿骨頭の潰れが進行してしまうため、大腿骨頭回転骨切り術と言われる手法や、大腿骨内反骨切り術という手術の実施を考えることになります。 自分自身の股関節を温存する手術とは、手術で大腿骨の形を変えることによって体重のかかる部分に健常な関節面が当たるようにします。これによって大腿骨頭の変形の進行を抑えていきます。 また、大腿骨に大きな変形が生じている症例では、人工関節への置換手術を行います。 この場合に、注意しておきたいのは股関節を人工物に置き換えるということは、人工物と骨を結合する必要から、その結合状況の耐久性にはおのずと限界があることです。そのため、人工関節置換術という手術は、将来的に再手術が必要となる可能性があることを考慮した上で慎重に検討しなければなりません。 大腿骨頭壊死は治るのか?まとめ 股関節は、自分自身の体重を支える非常に重要な関節です。大腿骨頭壊死は、股関節を構成する大腿骨頭という部分に血流が行き渡らなくなることで、骨の組織が壊死してしまった状態です。 壊死しただけでは疼痛症状(痛み)を自覚しませんが、壊死部分が圧迫されて潰れると痛みが生じます。 特に、大腿骨頭壊死の発症にはステロイドとの関連性が指摘されており、治療にあたり、ステロイドの服用に関しては慎重な管理が必要とされます。 かつては、股関節の大腿骨頭壊死症は「一度壊死が起きたら治らない」と言われていた時代がありましたが、上手に治療して壊死部分が圧潰しなければ改善する可能性があります。 早めに信頼できる医師に相談して改善を目指しましょう。
2021.12.10 -
- ひざ関節
- 再生治療
- PRP治療
- 股関節
- 肩関節
- 肘関節
- 手部
- 足部
PRP療法とAPS療法の比較|期待できる効果と治療法 「再生医療」という先端医療をご存知でしょうか?近代になって研究室での実験から、医療の現場で実施されるまでに至ってきた医療分野です。 いわゆる再生医療とは、怪我や病気によって低下あるいは喪失した生体機能を従来の医療方法では違うアプローチで治療する方法です。人為的に加工や培養して作製した細胞や組織などを用いて人体に元来備わっている修復能力を増大させて症状を改善させることが出来る可能性を秘めた未来的な治療方法です。 一昔前ならSFの世界、まともに語っていたなら「夢でも見てるの」かと夢物語にされかねない非現実的な医療でした。このような非現実的な治療方法であるだけに、実際にその治療を受けることが可能だとは、ほとんどの方がご存知ないのではないでしょうか。 それもそのはず現場の医師でさえ詳細を知る方は、まだまだ少ないのが現実なんです。そこで再生医療とは、どんな治療方法なのでしょうか? 今回は、PRP療法とAPS療法の比違いについて、比較を交えてお話しさえて頂きます。 そもそも私たちの血液中には、赤血球や白血球、あるいは血小板と呼ばれる成分が含まれていることはご存知ですね。これらの成分には、それぞれに特化した役割が存在しています。 その中でも血小板は外傷によって皮膚表面が傷ついた場合や、関節捻挫、あるいは筋肉打撲などで負傷をした際に損傷部位を治癒させる働きを有しています。つまり、自己治癒力です!傷ついたり、痛んだりした組織を自動で修復してしまう!すごい機能です。 このような働きができるのは血小板の中に含まれて、傷んだ組織部位を治す「成長因子」と呼ばれる成分のお陰お陰です。それが今回、ご紹介するAPS療法の基礎となるものです。 PRP療法とAPS療法 血液中の血小板から濃縮して大量の成長因子を含む「多血小板血漿」は、昨今の再生医療の分野で大変着目されており、英語表記でPlatelet Rich Plasma(略して以下、PRP)と呼称されているものです。 さらに、Autologous Protein Solution(略して以下、APS)を用いた療法は、自己タンパク溶液として、前述したPRPを特殊な過程で更に濃縮したものです。このAPS治療は、目下のところ慢性的な膝関節等の疼痛に対する再生医療という新たな最先端治療として注目されているものなのです。 今回は、再生医療の新人!APS療法について解説していきましょう。 [再生医療] PRPとAPSの比較 自己多血小板血漿、注入療法とも呼ばれるPRP療法については聞き覚えのない馴染みが薄い治療法に感じられるかもしれませんね。しかし、実のところ海外においては10年以上の使用実績がある方法なのです。 ケガなど、傷ついた部位の修復に作用する血小板に含まれる成長因子を取り出すPRP療法は、私たちがもっている治癒能力や組織の修復能力、再生能力を引き出すという目的があります。 それに対してAPS治療は、患者様自身の血液成分から特殊な専用医療機器を用いてAPS成分のみを抽出します。 このAPSの抽出方法は、基本的にPRPそのものを更に遠心分離器を活用して特殊加工することによって、炎症を抑制する役割を有したタンパク質と軟骨を保護して損傷を改善させる「成長因子」を高濃度に抽出したものになります。 このような抽出背景から「APS」は、まさに「次世代型のPRP」とも表現されることがあります。 抽出したAPSを関節内などの疼痛部位に向けて成分を注射することによって関節部の疼痛や炎症の軽減のみならず、軟骨の変性進行や組織破壊を抑制することが期待されるものです。 APS治療は、現在のところ、まだ「変形性膝関節症」に痛みなどを対象疾患を限定して使用されている段階ですが、これまでのPRP治療でも難渋していた患部改善にも一定の効果を示すことが徐々に判明してきています。 尚、APS療法では患者さんご自身の血液を基準にして作るために異物免疫反応が引き起こされる可能性は極めて低確率であると考えられています。 また、本治療はPRPと同じく、手技的に採血操作と注射投与だけですので、手術などのように患者さんの身体的な負担も大幅に少なくて済むという特徴があります。 PRP療法とAPS療法の比較 ・PRP療法 「PRP療法」は血液中の血小板から濃縮して大量の成長因子を含む「多血小板血漿」Platelet Rich Plasmaを略したもので、自己血液から血小板を取り出し、それを患部に注入する治療法です。 血小板には成長因子が豊富に含まれており、これらの成長因子が治癒を促進する働きがあります。具体的には、炎症を抑え、組織再生を刺激し、細胞の増殖と修復を促進します。主に関節炎や腱や靭帯の損傷、筋肉の損傷などに使用されます。 ・APS療法 「APS療法」は、Autologous Protein Solutionを略したものです。前述したPRPを特殊な過程で更に濃縮したもので抗炎症性のサイトカインとよばれるタンパク質と関節を健康に保つ成長因子を高濃度で取り出した⾃⼰タンパク質溶液を患部に注入する治療方法です。 再生させるという観点ではなく、現在のところ、関節内で痛みを引き起こすたんぱく質の活動を低下させることから症状緩和に焦点を当てた特化的治療といえるものです。 APS療法で期待できる効果や、実際の治療法 さて、ここからは変形性膝関節症に対してAPS療法で期待できる効果や実際の治療法などについて紹介しましょう。 ご注意頂きたいのは、APS療法は、再生医療ではありますが自己の血液から抗炎症成分のみを濃縮して抽出したあと、関節内に注射することで関節の軟骨を修復し、再生させるという観点ではなく、膝痛の症状緩和に焦点を当てた特化的治療であることです。 膝の変形性関節症では、疾患が進行することによって「半月板の損傷」や、「靭帯のゆるみ」など膝関節のバランスが崩れることで軟骨がすり減り、膝関節が変形して発症します。 また、変形性膝関節症では膝関節部における変形度の進行に伴って、軟骨がすり減り、半月板が擦り減って傷み、さらには滑膜炎など炎症が起きて膝部に水が溜まることがあります。 従来、治療としては繰り返し鎮痛剤を内服することや、ヒアルロン酸を関節内に注入するなどが代表的な治療法でした。しかし、鎮痛剤を飲み続ける是非や、ヒアルロン酸の効果が期待できなくなった変形性膝関節症の患者様の中には、このAPS治療によって症状が幾ばくかの改善を示すケースがあることが分かってきたのです。 一般的にAPS治療では、投与してからおよそ1週間から1か月程度で患部組織の修復が起こり始めて、だいたい治療してから約2週間から3ヶ月前後までには一定の効果が期待できると言われています。 海外のAPS治療に関する報告例では、APSを一回注射するだけで、最大約24ヶ月間にもわたって痛みに対する改善効果が継続するとの実例も紹介されていました。ただし、これは一例で実際の治療効果や症状が改善する持続期間に関しては、患者さんの疾患の程度、条件によって様々、個人差があり変化することをご理解ください。 また、このAPS治療は、PRPと同じく、患者さん自身の血液を活用して生成するために、通常ではアレルギー反応や免疫学的な拒絶反応は出現しないと考えられている点も良いい面でのポイントです。 APS治療の手順 1)まず約50~60mlの血液を採取 2)厚生労働省が認めている特殊な技術で処理し、血小板成分を濃縮したPRPを抽出 2)精製されたPRP物質をさらに濃縮してAPSを抽出 こうして抽出した後、痛みを自覚されている関節部位に超音波エコー画像を見ながらAPS成分を注射して投与する まとめ・PRP療法とAPS療法の比較|期待できる効果と治療法 従来におけるPRP療法(自己多血小板血漿注入療法)は、患者自身の血液中に含まれる血小板を活用した再生医療です。 そして、昨今特に注目されているAPS治療では、先のPRPを更に濃縮。このAPS成分を患部に注射投与してから平均しておよそ1週間から1か月程度で組織修復が促進されて更には疼痛緩和に繋がる可能性があります。 なおAPS治療を現実的に受けた当日は、入浴や飲酒、あるいは喫煙、また激しい運動やマッサージなどは出来る限り回避するように意識しましょう。 APS注射直後には、個人差はあるものの一時的に痛みや腫脹、発赤などの症状が出ることがありますが、疼痛があるために関節部位を全く動かさないと逆効果になってしまうこともあります。 ここのあたり治療後の行動については、くれぐれも十分に主治医と相談するようにしましょう。また現段階では、このAPS治療は保険適応外であり自費負担になります。 費用は、それぞれの対象医療施設や治療適応となる患部箇所などによって異なりますので、この治療法をもっと知りたい方は私どもほか、専門の外来へお問い合わせされることをお勧めします。 このAPS療法のほかにも再生医療として、私どもが推進する「幹細胞治療」という関節部分の軟骨を自己治癒力を用いて再生させるという正に未来的な治療法も存在し、この分野から目が離せません。 いずれにせよ関節に問題があって、「後は手術しかないと」言われた方は再生医療をご検討されてはいかがでしょうか。私たちは再生医療の幹細胞治療で1,600例を超える豊富な症例を有しています。いつでもご相談ください。 以上、PRP療法とAPS療法の比較|期待できる効果と治療法について記させていただきました。 ▼ PRP療法をさらい詳しく PRPを使った再生医療は、人間が持つ自然治癒力を活かして治療する先端医療です
2021.10.20 -
- ひざ関節
- 股関節
- 肩関節
- 肘関節
- 手部
- 足部
- 健康・美容
「グルコサミンとコンドロイチンの違いは?」 「グルコサミンとコンドロイチンのサプリメントに副作用はある?」 グルコサミンやコンドロイチンは、体のあらゆる部分に存在しており、細胞同士をつなぎとめたり、水分を保持したりする性質をもっています。 ただ、グルコサミンとコンドロイチンのサプリメントによる摂取は、研究結果によると、残念ながら痛みが軽減したエビデンスは少ないのが実情です。 今回はグルコサミンとコンドロイチンの違いを始め、サプリメントの摂取による副作用などを解説します。 思い込みによって効果を感じるプラセボ効果についても解説するので、これからサプリメントの摂取を検討されている方は参考にしてみてください。 グルコサミンとコンドロイチンの違いとは? グルコサミンは、アミノ糖の一種で軟骨を始め、爪や皮膚などに分布しています。 一方、コンドロイチンは、ムコ多糖と呼ばれており、グルコサミンなどのアミノ糖が連なってできた多糖体です。 どちらも体内で自然に生成される成分、関節を構成する成分として有名です。 グルコサミンやコンドロイチンは、体のあらゆる部分に存在しており、細胞同士をつなぎとめたり、水分を保持したりする性質をもっています。 関節内では、コンドロイチンはプロテオグリカンと呼ばれ、軟骨の構成成分としてクッションのような役割を果たし、骨と骨が接触しないよう保護してくれています。 膝・腰・肩などの関節が痛む原因 膝や腰、肩の痛みは多くの場合、加齢によるものが原因です。残念なことに体の機能は、年齢を重ねるにつれて徐々に衰えます。 グルコサミンやコンドロイチンといった体内で生成される成分も、加齢で生産率は減少していき、関節内の柔軟性や弾力性がしだいに失われます。 関節を構成する成分が減ってしまうと脆くなり、軟骨がすり減って骨がぶつかり合い、周辺の神経に伝わって痛みが出てくるのです。 たとえば、重労働や激しい運動など、膝や腰、肩を使いすぎる行動を継続すると痛みの原因になります。 すでに症状があり、膝などの関節痛が治らない方は、根本的な治療を行うほうが良いケースもあります。 当院「リペアセルクリニック」では、膝の痛みに関する再生医療の治療実績もございますので、まずはお気軽にメールや電話にてお問い合わせください。 グルコサミンやコンドロイチンのサプリメントは関節痛に効果がない 軟骨に豊富に含まれているグルコサミンやコンドロイチンは、サプリメントから補給する方法もありますが、実は関節痛には効果がないのがわかっています。 関節の痛みに効果がない理由として、口からの摂取による影響が考えられるでしょう。 消化器官を通過すると、グルコサミンやコンドロイチンの構成成分であるアミノ酸や糖質は、胃液などにより消化および分解されてしまいます。 そのまま体に吸収されるため、軟骨まで到達するとは考えにくいのです。また、軟骨には血管がほとんどなく、栄養として成分が直接届きにくいとされています。 一般的にイメージされるサプリメントの効果は、軟骨減少の改善を始め、膝や腰、肩の痛みにおける症状改善などがあげられます。 ただ、研究結果をみると、グルコサミンやコンドロイチンのサプリメントがもたらす効能は、科学的な根拠に乏しいのが実情です。 サプリメントの効果に関する研究論文【痛みが軽減したエビデンスは少ない】 米国立衛生研究所(National Institutes of Health:NIH)が出資した主要な研究など、一部の研究によると、グルコサミンのサプリメントが痛みを軽減させたエビデンスは、ほとんどあるいはまったくありませんでした。 一部の研究発表では、コンドロイチンやグルコサミンなどの成分をサプリメントとして服用すると、膝や腰、肩の痛みを軽減する可能性があると示唆しています。 ただし、実際のところは「可能性レベル」であって、ほとんどの研究において「劇的な改善をもたらしたといえるほどの効果はない」と報告されています。 実際に大規模な研究結果でも、グルコサミンやコンドロイチンといった成分が関節の痛みに効果があるというエビデンスを示していません。 つまり、グルコサミンやコンドロイチンなどのサプリメントが、痛みを軽減するのかは十分な証拠がない状況といえます。 関節痛にサプリメントが効くのは思い込み?プラセボ(プラシーボ)効果とは プラセボ(プラシーボ)効果とは、本来は薬としての効能がまったくない物質を摂取しているのにもかかわらず、効能が得られたと感じることです。 膝や関節に関わるグルコサミンやコンドロイチン、プロテオグリカン、ヒアルロン酸などのサプリメントも、同様に思い込みで効果を実感している可能性もあります。 実際に摂取された方のなかには「痛みが軽くなった」「痛みが半減した」などの意見が上がっている製品もあるようです。 実際に利用者が、どの製品のサプリメントに効果があると感じたのかは正確にはわかりません。 ただ、サプリメントの摂取で、膝や関節への効果を感じている理由としては、プラセボ効果が関わっているのではないかと考えられています。 グルコサミンとコンドロイチンの服用における実験結果 アメリカの臨床研究では、関節痛などの問題を抱えている大勢の方に集まってもらい、2つのグループに分けてモニタリングを行いました。 片方のグループには、グルコサミンやコンドロイチンの「本物のサプリメント」を与えて、もう片方のグループには、まったく何の効果もない「偽のサプリメント」を与えました。 実際にそれぞれのグループに一定の期間服用させたところ、グルコサミンとコンドロイチンの成分が入っているかどうかにかかわらず、以下のような改善が見られたのです。 本物のサプリメントを与えたグループ ・症状の改善が見られた層がいた 偽のサプリメントを与えたグループ ・「痛みが緩和した」「痛みが改善した」 など症状の改善が見られた層がいた 上記はプラセボ効果によるもので、一種の「思い込みによる心理的な働き」と考えられています。 「グルコサミンやコンドロイチンのサプリメントは、摂取すると膝の痛みがとれる」といった情報から、思い込みやイメージなどにより、効いたように感じてしまうのです。 しかし、思い込みだとしても、実際に症状が良くなったと感じるなら、本人にとっては「痛みを改善する目的が達成できた」といった見方もできるかもしれません。 ただ、残念ながら結果が得られなければ、この記事を思い起こしていただければと思います。 グルコサミンとコンドロイチンの副作用 厚生労働省eJIMによると、グルコサミンとコンドロイチンのどちらも、3年間継続して摂取した場合、重篤な副作用は見られない結果でした。(文献1) ただ、本人の体における状態などを始め、服用している薬との飲み合わせによっては、何かしらの副作用が出る可能性もゼロではありません。 サプリメントの摂取を行うときは、必ず医療機関で医師や薬剤師などに問題がないかを確認してみてください。 まとめ|グルコサミンとコンドロイチンのサプリメントが関節痛に効く可能性は低い グルコサミンやコンドロイチンは、体の軟骨成分に豊富に含まれている物質です。 医学的にはサプリメントで成分を補ったとしても、膝や肩などの関節に届く可能性は低く、痛みに効くとは言い切れないのが現状です。 ただ、今後の臨床研究により、なんらかの効能が見つかる可能性もあるかもしれません。 現在膝や肩などの関節痛に悩まされているなら、サプリメントに頼りすぎず、ぜひ整形外科を始めとした医療機関の受診をおすすめします。 痛みには思わぬ病気が隠れている場合もあるため、早期発見と早期治療が何よりの対処法です。 体の痛みや違和感といった症状を放置せず、しっかりとした診断に基づく治療を受けてみてください。 また、膝まわりの痛みに関しては、幹細胞を使った再生医療による治療方法もございます。 当院「リペアセルクリニック」では、再生医療による関節症などの治療実績もございますので、関節に関わる症状がある方は、ぜひメールや電話からお悩みをご相談ください。 グルコサミンとコンドロイチンの違いに関するQ&A グルコサミンとコンドロイチンの違いに関する質問と答えをまとめています。 Q.軟骨成分のプロテオグリカンは関節痛に効果があるの? A.食事やサプリメントによる効果は期待できないと考えられています。 ただ、運動によって血流が良くなると、細胞に栄養などが届きやすくなり、プロテオグリカンの増加が促進されるのがわかっています。 プロテオグリカンと関節痛に関する詳細については、以下の記事を参考にしてみてください。 Q.コラーゲンのサプリメント・ドリンクは関節の違和感などに効果があるの? A.「低分子コラーゲン」「コラーゲンペプチド」と表記があるサプリメントやドリンクは、効果が期待できるかもしれません。 低分子化したものはコラーゲンペプチドとも呼ばれており、粒子が細かく腸壁で吸収されてから血液を通り、皮膚や骨、関節などの全身に届きます。 コラーゲンのサプリメントと関節痛との関わりについては、以下の記事も参考になります。 Q.グルコサミンやコンドロイチンを含む食べ物は? A.以下の食べ物に含まれています。 ・グルコサミン:カニやエビなど(甲殻類の殻) ・コンドロイチン:牛や豚などの軟骨、干しえび、きのこ類、山芋 など 栄養素は相互作用で働くので、偏らずにさまざまな食べ物をバランス良く摂取してみてください。 参考文献 文献1 厚生労働省eJIM|海外の情報 グルコサミンとコンドロイチン
2021.10.06 -
- 股関節
- 変形性股関節症
変形性股関節症を農業で発症!予防と悪化を防ぐには 農業をやっていて、不安定な姿勢で長時間作業を繰り返していくうちに変形性股関節症になってしまい、痛みがつらいという人もいるかもしれません。変形性股関節症は、関節の痛みと機能障害が起こりますが進行すると持続痛となり取れなくなる恐れもあります。 そのため、「変形性股関節症になってしまったら、農業はやめるべきなのか?」「股関節に関節症を発症したら農業は、してはいけない仕事なのか?」「そもそも立ち仕事は避けるべきなのか?」など、不安に感じるられているのではないでしょうか。 そこで今回は、変形性股関節症になったら農業をやめるべきなのか、という疑問について、やめるわけにはいかない場合の予防法と治療について解説します。 結論から言いますと、もし変形性股関節症になってしまった場合でも、「農業をやめるべきである」「してはいけない」とは一概に言いきれません。ただし、変形性股関節症になった状態で通常どおりに農業をおこなうというのは危険です。 変形性関節症になっても農業を続けるには? 変形性関節症になったとしても農業を続けたい場合は、痛みのコントロールや症状の進行を抑えるための治療をおこなうことが大切です。痛みの緩和や症状の進行を抑えていく必要があります。 股関節に負担がかからないように生活する 変形性股関節症は、股関節に負担がかかることにより痛みが生じ、症状が進行します。股関節には、農業以外にも、立ち仕事はもちろん、日常生活の中でも無意識のうちに大きな負担がかかる動作や仕事があります。 例えば、歩くだけでも負担がかかりますし、トイレが和式であったり、いつも履いている靴の質が悪いなどということが股関節への大きな負担になることもあります。 そのため、なるべく股関節に負担がかからないよう生活スタイルを変えることや、クッション性に優れ、弾力があって股関節への衝撃を和らげることができる靴を選ぶなど、身近なところから股関節への負担を軽減するように変えていくことが必要です。 変形性股関節症の治療法を検討する 変形性股関節症には、いくつか治療法が存在します。変形性股関節症の場合、股関節に負担のかからないエクササイズや、水中運動などの運動療法が有効です。 このした治療法は、股関節周辺の筋力をつけていくことで、痛みを緩和させる効果が期待できるからです。そのほかには、薬物による治療方法や、症状が進んでしまった場合には人工関節置換手術などがあります。 長期的かつ健康的な視野で見れば、軽度の変形性股関節症は、運動による治療も可能ですが、日常に支障をきたすレベルで関節が痛むなどの場合は、薬物や手術などによる治療を検討されたほうが良いでしょう。 主治医に相談をする 変形性股関節症では、進行の程度や症状によって治療法が異なります。股関節に違和感がある、痛みがあるという場合は、まずは、整形外科をはじめとした専門の医療機関を受診し、診断をしてもらいましょう。 その上で、これまで通りに農作業をおこなっても良いのか、股関節への負担を軽くするために、農業のやり方を変えていくほうがいいのかなどについて主治医に相談してみてください。 農業をしていると変形性股関節症になりやすいの? 農業をしていると変形性股関節症になりやすいという声もありますが、実際のところはどうなのでしょうか。 結論から述べますと、一概に農業をしていると必ず変形性股関節症になるというわけではありません。しかし、農業と変形性股関節症にはいくつかの関係性があります。 農業は変形性股関節症の原因となる姿勢や動作が多い 農業は長時間の立ち仕事であることはもちろんのこと、重たいものを運ぶ、不安定な体勢で作業をするなど、変形性股関節症の原因となる動作が多いです。 変形性股関節症は、股関節への過度な負荷によって引き起こされるため、そういう意味でも農業は多かれ少なかれ変形性股関節症のリスクがあると言えるでしょう。 農業でかかる関節への負担は股関節だけではない 農業は、不安定な姿勢が多いため股関節に負担がかかると言われますが、そのほかの関節にも負担がかかり、膝や腰を痛める人もいます。また、股関節に痛みが生じ、その痛みをかばいながら作業をすると、今度は腰や膝などほかの関節の痛みも併発する可能性もあります。 つまり農業は、股関節だけでなく全身の関節との付き合い方がとても大切になってくる職業であると言えます。 変形性股関節症|予防と悪化させないために 農業だけが変形性股関節症になるリスクがあるというわけではありません。 しかし、農業には変形性股関節症になるリスクが大きな動作が多いことは間違いありません。そのため、農業で変形性股関節症にならないように意識し、悪化させないようにするための予防が必要です。 椅子に座って農業をする 長時間の立ち仕事による農業は股関節に負担をかけるため、変形性股関節症になるリスクがあります。ですから、立ち仕事の時間を減らせるように工夫しましょう。最近は、座ったまま移動ができるキャスター付の農業作業用の椅子などが広く出回っています。そういったアイテムの使用もおススメです。 休憩をこまめにとる 農業で変形性股関節症にならないようにするには、小まめに休憩をとるようにしましょう。 一般のサラリーマンに比べ、農業は明確な就業時間や休憩時間が決まっていないことが多いと思います。そのため、農業を営む人の中には、定期的な休憩を取らずに働いてしまう人もいるようです。 しかし、休憩を取らずに、働き続けることは良くありません。例えば一時間ごとに10分などと決めておくと休憩を意識しやすくなります。どうしても休憩が取りづらい状況であるならば、立ち仕事を減らす工夫や、少しでも関節への負担をかけない工夫をしましょう。 疲労がたまったらストレッチをする 農業をしていて股関節が痛く感じることがあれば、疲労がたまっている証拠です。もしも痛みを感じたら、少し休み、股関節周辺のストレッチをしましょう。 また、お風呂上がりや寝る前などにも、太ももの筋肉やお尻の後ろにある大殿筋などをほぐすようにストレッチするのも効果的です。農業による筋肉の疲労を放置せず、日々しっかりとストレッチをすることで、変形性股関節症の予防につながります。 変形性股関節症でも農業を続けられる関節の痛みの緩和法とは 変形性股関節症になった状態で農業を続けることは大変です。しかし、医師の判断にもよりますし、個人差もありますが、痛みのコントロールをすることができれば、ある程度は農業を続けることが可能でしょう。 変形性股関節症の痛みの緩和方法を紹介します。 関節を温める 関節を温めることによって痛みを緩和できます。ホットタオルや使い捨てカイロなどで関節を温めましょう。股関節を温めることで血行が良くなり、体の修復機能が向上するので、「痛みの緩和」が期待できます。 半身浴をする 関節を温め、血行を良くするという観点から、半身浴もおススメです。お湯の温度を38度から40度ぐらいに設定して半身浴をしてみてください。ホットタオルなどで部分的に温めるよりも、半身浴は股関節全体を温めて、より血行を良くする効果が期待できます。 また半身浴は変形性股関節症の痛みをやわらげるだけでなく、血行が良くなることで体の新陳代謝機能が上がるため、健康そのものにも効果的です。毎日の疲れをとるためにも、ゆっくり半身浴をするという習慣を取り入れてみるのも良いでしょう。 農業を続けたい!変形性股関節症には再生医療という治療方法もある! 変形性股関節症になり、痛みが生じるようになると、農業を続けることが大変になってきますが、それでも農業を続けたい!そもそも農業が生業でやめるわけにはいかない!という場合は、短い治療期間で済み、副作用のリスクも少ない最先端の治療法「再生医療」という選択肢もあります。 再生医療で痛みの改善が可能になれば、生活の質が上がりますし、人工関節に置換えるなどの外科的手術も不要になる可能性が高まります。変形性股関節症の痛みで農作業に支障があると悩まれているのであれば、検討される価値のある治療法です。 https://youtu.be/isSkwxfHrbI?si=xBpcu7q-w5wcdT8Y ▶こちらの動画では、変形性股関節症に効果的な再生医療について解説しています。是非ご覧ください。 まとめ・変形性股関節症を農業で発症!予防と悪化を防ぐには 農業をしていると必ず変形性股関節症になるというわけではありません。しかし、ほかの仕事に比べて股関節への負担がかかりやすい農業は、股関節に対する関節症、特に変形性股関節症のリスクがあるのは確かです。 現在、農業に携わっていて変形性股関節症に悩まされている人や、痛みが強くなったら農業ができなくなるのではないかと不安に感じている人は、今回ご紹介した予防や痛みを緩和する方法を試されてはいかがでしょうか。 また、変形性股関節症は専門医による治療が必要です。せっかく診断を受けても軽度ならと仕事を優先し、つい無理な作業や立ち仕事を続けられてしまう方もおられます。 ご注意頂きたいのは放置して自然治癒することはありません。変形性股関節症は放置すると症状が進行する病気です。早めに専門医の指導の下、適切な治療を受けましょう。 以上、変変形性股関節症は農業で起こりやすいのか?その予防と治療法について、という視点でからご説明させていただきました。変形性股関節症と正しく向き合い、毎日元気に農業を続けていきたいものです。 ▼ 再生医療で変形性股関節症を治療する 変形性股関節症は、再生医療により手術せずに症状を改善することができます ▼以下もぜひご覧ください 変形性股関節症を悪化させないために気をつけたいこと
2021.02.10 -
- 股関節
- 変形性股関節症
変形性股関節症で歩行の負担を和らげる頼りになる杖の選び方を解説 変形性股関節症の方が歩行するのに頼りになるのが「杖」です。そこで「正しい杖の選び方、使い方」をお話ししてまいります。 変形性股関節症と診断された人にとって「歩くのが辛い」、「歩行するのが不安」などといったことで悩まれている方はいませんか?すでに「杖」を使用されていたり、これから購入をお考えの方もおられることでしょう。 杖は、不安定になりがちな足元を支えて歩行を助けてくれる第三の足ともいえるものです。そのためにも杖の正しい使い方を理解して、少しでも不自由なく股関節に負担ない、自分に合った杖を選ぶことが大切になります。 杖の使用は、変形性股関節症の人にとって股関節の負担を和らげるだけでなく、歩行時の転倒防止などに対して大きなメリットがあります。股関節に痛みのある状態で生活を送っていると、痛みをかばうために膝や腰にも負担がかかり、結果として膝痛や腰痛を招いてしまうため、注意しなければなりません。 そのため、杖の使用が推奨されます。 杖を使えば股関節への負担だけではなく、膝や腰への負担の改善も期待できます。 しかし、ひとくちに杖と言っても、一本足タイプの杖や、複数足タイプの杖、木製のものや金属製のものなど、さまざまな種類があります。それらを使って正しい杖の使い方をしなければ、痛みの緩和や歩行のサポートとしての役割を発揮することができません。 歩行を補助するために安全で体に負担をかけることのない正しい杖の使い方をするためにも、まずは杖の選び方にこだわりましょう。自分に合った杖を選ぶことが大切です。 自分に合った正しい杖の選び方、気をつけたいポイント せっかく杖を買っても、その杖が自分に合っていないと、歩行のたびに股関節へ余計な負担がかかってしまう危険性があります。そこで杖について大切なことを以下に記しました。 1)杖の選び方・杖の重さ 杖に重さがあると安定感があり、杖自体も頑丈で歩行にも安心感を感じるかもしれません。しかし、重すぎると疲れやすくなり、慣れるまで時間がかかり、時間とともに使いづらく感じてしまう場合もあります。 一般的には強度と軽さを兼ね備えたアルミ製のものが多く販売されていますが、最近ではより軽いカーボン製の杖も販売されています。いずれも軽量でありながら強度が高いところが特徴です。 杖の重さ メリット デメリット 重い 頑丈、安心感 使用で疲れ、使いずらくなる 軽い 軽量で強度が高く使いやすい - 2)杖の選び方・握りやすさ 杖の持ち手にもコダワリが必要です。自分に合った握りやすく、太すぎず、細すぎず違和感のなく握れることができる杖であることが選ぶポイントです。 滑りにくく掴みやすい、自分の手にあった握りやすい杖を選ぶことで握力がなくても疲れにくくなるでしょう。購入前に、実際に握ってみて、ぜひ少しでも歩く練習をしてみてくださいね。 3)杖の選び方・長さ 杖の長さの目安は身長の半分+2~3cmが適切といわれています。 杖の長さが短いと、前傾姿勢になり、股関節へ負担が大きくなります。これでは、せっかく杖を使っても症状が悪化する原因となってしまいかねません。 逆に、杖が長すぎると扱いずらく歩きにくい、操作が難しくなります。長時間の使用や長距離の歩行の場合、疲れやすくなります。 正しい姿勢で歩行ができるように、自分にあった適切な長さの杖を選びましょう。長さを調整できる伸縮するタイプの杖もあり、これを選ぶと、細かく長さを調整することができます。 適切な長さポイント 身長の半分プラスして2~3cm 正しい姿勢で歩行できるよう調整する → 短い杖:前に姿勢が倒れるため、股関節への負担が大きい → 長い杖:扱いずらく、歩きにくい、疲れやすくなる 4)杖の形 杖の形も歩きやすさに影響を与えます。 デザインなどで選ぶことなく、杖としての基本的な性能を比べてご自身に合った形を探しましょう。 T字杖 一本杖に握り手がついた一番多くられる一般的な杖のひとつです。このタイプは、使用する人を選ばず、比較的、誰にでも簡単に使用することが可能です。 しかし、多脚杖ほどの安定感はないため、高齢の人や、症状が進み自分での歩行に難がある人に安定性の面からあまり向いていません。 ロフストランド杖 一本杖のひとつですが、上部に腕を通す輪があり、下部にも握り手がついていて、T字杖よりも安定感があります。 手が変形している人や、筋力が足りずにT字杖では、歩行の折に体重を支え切れない場合などで選択される杖です。 多脚杖 T字杖は一本杖なので地面と接している部分が一か所のみですが、多脚杖は3点あるいは4点が地面と接します。支える部分が多いため、力が分散され、T字杖よりも安定性が高い杖です。そのため、T字杖のような一本杖では安定しない、筋力が低下しているという人におすすめです。 多脚杖は安定感があるため、変形性股関節症の痛みがひどい人が杖に体重をかけても転倒しづらいですが、一本杖よりも重くなってしまうというデメリットもあります。 変形性股関節症における杖の選び方 変形性股関節症の人が杖を買うときには、実際に自分の手で持ってみる、少しでも歩いてみるなどして選ぶことも大切ですが、やはり専門家の意見を取り入れたほうが良いでしょう。理学療法士や専門の医師に相談しながら、自分に合った杖を見つけましょう。 そして、杖の長さは、重心をかける位置などにも関わってきます。立ったままでなく、直接手に取って、持って、歩いて、相談しながら長さの調節をすると良いでしょう。歩行時の安定感が大切です。 杖の正しい使い方について専門家の指導を受けよう 変形性股関節症の人が杖を購入したら、その杖の効果を最大限に発揮できるよう杖の使い方の指導を受けるようにしましょう。正しく杖を使うことで、痛みが改善されるほか、歩行が楽に感じられるようになると行動範囲も広がります。 変形性股関節症の人は、運動療法もおこなって筋力をつける必要があります。痛みの改善や行動範囲の拡大は、運動療法もやりやすくする効果があるため、正しい杖の使い方を習得して、少しずつウォーキングのような運動もするようにしましょう。 杖を正しく使うことによるメリット 変形性股関節症で歩行がつらくなっていても、正しい杖の使い方をすることで痛みの改善ができると、行動範囲も広くなります。 痛みが強いとトイレに行く、お風呂に入るといった日常動作が億劫になり、筋力が落ちてさらに痛みが増してしまうという悪循環に陥る人もいますし、さらに症状が進むと寝たきりになってしまう可能性もあります。 正しく杖を使って歩行できれば行動範囲を広げることになり、何より変形性股関節症の方でも気持ちを明るくすることができます。このように杖ひとつで前向きな気持ちになれるきっかけになれば何よりです。 まとめ・変形性股関節症|歩行の負担を和らげる頼りになる杖の選び方とは 変形性股関節症で杖を使う場合は、杖を使った正しい歩行方法を知ることが大切です。今回は、正しい杖の使い方をするための第一歩、杖の選び方についてご紹介しました。 自分にピッタリな杖を正しい使い方で使ってこそ、杖を役立てることができます。変形性股関節症の人で杖の使い方や選び方に悩んでいる人は、実際に店舗や病院に行って理学療法士や専門の医師のアドバイスを受けながら杖を選ぶようにすると良いでしょう。 以上、変形性股関節症で歩行する際に知っておきたい正しい杖の使い方と、杖の選び方について記しました。 ▼ 再生医療が変形性股関節症の治療を変える 変形性股関節症の新たな選択肢、再生医療の幹細胞治療で入院や手術せずに症状を改善できます 変形性膝関節症についてはこちらも参照ください ▼こちらも参考にされませんか? 変形性股関節症のリハビリ|運動療法!避けたい運動と行うべき運動
2021.02.08 -
- 股関節
- 変形性股関節症
変形性股関節症の治療|ステロイド薬の必要性と副作用を解説します 変形性股関節症の保存療法の一環としてよく使われるステロイドという薬、痛みに効く薬として、その必要性は理解できるけど、副作用が気になる!?という方が多いのではないでしょうか。 そこで今回は、変形性股関節症に対するステロイド薬を用いた治療についてご説明しましょう。 変形性股関節症でステロイドを使った治療は、保存療法で使われることが多いのですが効果的なのでしょうか。 ステロイド薬と聞くと、とにかく副作用が気になる!本当に効果が期待できるのか?、本当に使用しなければならないのか?など、多くの不安を感じる方が多くおられるようです。 変形性股関節症におけるステロイド薬の使用目的とは? ステロイド薬を使用する目的は、痛みに効く、痛みを止める薬として、痛みの緩和に対して効果を示すからです。つまり、変形性股関節症におけるステロイド薬を用いる目的は股関節の痛みに対処するためです。 保存療法は、変形性股関節症の初期におこなわれる治療法の一つです。 変形性股関節症を発症したということは、何らかの自覚症状があるということで、それは多くの場合、痛みです。手術を回避するために初期のころ行う保存療法においては、この痛みを緩和させる必要があります。 これは手術をしないで痛みを止め、運動療法による効果を高めるための目的ですが、痛みがあると、どうしてもその部位を守ろうと他の筋肉や組織に力が入ったりして、意識、無意識にかかわらず負担を掛けてしまうことを避ける狙いもあります。 このように保存療法を有効に進めるためには、ある程度、痛みを和らげることも大切です。 ステロイド薬には抗炎症作用と鎮痛作用がある ステロイド薬の効果としては、痛に効く、痛みを抑える薬としてだけではなく、痛みの原因となる炎症そのものを抑える効果があります。痛みの原因物質の産生を抑えることで強い抗炎症作用や、鎮痛(痛みを止める)作用を示すという訳です。 そのため、変形性股関節症でステロイドを使用すると、炎症を防いで、痛みを止めるなどの改善効果が期待できるのです。ただし、ステロイド薬は、副作用が起こる可能性もあります。 ステロイド薬の副作用とは ステロイド薬の副作用のひとつに、骨が脆くなるというものがあります。そのため、事前の骨の検査や年齢によっては、ステロイド治療をおこなうことができない場合もあります。 医師とよく相談して、納得したうえで使用しなければなりません。 ▼ 再生医療で「変形性股関節症」を治療する 変形性股関節症は、再生医療により手術せずに症状を改善できます 変形性股関節症にステロイド薬を使用するデメリットは? ステロイド薬が変形性股関節症の痛みに効果を発揮し、改善できるとしても使用することによるデメリットはないのか?ということが心配になりますよね。そこで、ステロイド薬を使用することによって考えられるデメリットについてご紹介しましょう。 1.長期間の使用は避けたい ステロイドの鎮痛効果は強力です!変形性股関節症の痛みでつらい人に痛みを止めるという意味では、高い鎮痛効果が期待できます。 しかし、長期間の使用はおすすめできません。それは、ステロイドには副作用があるためです。 2.ステロイド薬を使うと骨が脆くなる可能性がある 長期的なステロイドの注射は、「大腿骨骨頭壊死」というさらに困難な症状を招く可能性があります。 変形性股関節症の人の股関節はすでに軟骨のすり減りや骨の変形が進んでいるため、より負荷がかかりやすい状態にあります。 そして、長期間のステロイド薬の投与は骨の代謝やホルモンの産生に影響を与え、骨を脆くしてしまうことがあり、長期的にステロイドを使うことで、大腿骨の骨頭と呼ばれる部分が壊死する大腿骨骨頭壊死を招くのです。 3.ステロイド薬を使うと感染症になりやすくなる 頻度は決して高くないものの、ステロイドは免疫を抑制するため、長期間の関節内投与により化膿性関節炎になる可能性があります。もし関節炎になってしまった場合は、抗生物質の内服薬で治療をします。重症化してしまった場合は、関節内の洗浄をおこないます。 4.長い期間の使用で骨粗しょう症のリスクがある ステロイドは長期間の使用により、骨の代謝やホルモンの代謝にも影響を与え、骨粗しょう症を引き起こす場合があります。 5.ステロイド薬は、変形性股関節症を根本的に治すものではない ステロイド治療は、痛みの改善には効果が期待できますが、損傷した関節を修復する効果はありません。 そのため、痛みの緩和をさせながら様子見をすることはできても、軟骨のすり減りや骨の変形の進行自体を止めるなど、変形性股関節症の根本的な治療をすることはできません。 また、変形性股関節症は進行する病気です。つまり、変形性股関節症の人がステロイド治療をおこなったとしても、最終的には手術を行う必要が出てくる可能性があります。 ▼ 変形性股関節症は再生医療で治療する 再生医療により「変形性股関節症」は、手術せずに症状を改善することが可能です 変形性股関節症のステロイド薬での治療はどのように行うのか? 変形性股関節症の人のステロイド治療は内服薬と注射があり、内服薬で痛み対する効果が感じづらくなってきた場合に関節内にステロイドを直接注射します。 ステロイドの注射薬を、直接損傷した股関節に注射することにより、ステロイド薬の強力な抗炎症作用が効果を発揮し、痛みを改善することができます。 しかし、長期的な使用は副作用のリスクがありますし、徐々に変形性股関節症の症状が進行するとステロイド注射の薬効が薄れ、効き目が感じられなくなることもあります。このように薬効がなくなると外科的治療である手術を検討しなければなりません。 痛みの緩和ということでは再生医療という分野が発達してまいりました。PRP療法は自己の血液から抽出した成分で痛みのある部分に投入することで痛みを緩和させる効果を狙うことが可能です。更に幹細胞治療という方法なら、すり減ってしまった軟骨そのものを回復させる効果を期待することが可能です。 今後、治療の選択肢に入って来るでしょう。 まとめ・変形性股関節症の治療|ステロイド薬の必要性と副作用について 変形性股関節症の治療で使用されるステロイド薬についてご紹介しました。ステロイド薬には強い抗炎症作用と痛みに効果がある、鎮痛作用があって、内服薬や関節内に直接注入することで、痛みの止めたり、緩和することを期待することができます。 しかし、ステロイドには骨を脆くするなどの薬としての副作用があり、長期的なステロイド治療はおすすめできません。また根本的な変形性股関節症の治療に効果を発揮するわけでもありませんので、ステロイドの特性を知った上での服用が大切になります。 また、痛みに対して再生医療という方法でのアプローチも進化してきています。いずれにしましても専門医とご相談の上、無理のないより良い治療法を探し、痛みと向き合っていただくことをお勧めします。 ▼以下もご参考になさって下さい 変形性股関節症、杖の正しい使い方と選び方
2021.02.02 -
- 股関節
- 変形性股関節症
変形性股関節症と臼蓋形成不全の関係性や治療法について医師が解説します 病気の中には、ある疾患が起こると、別の疾患の発症原因になることがあります。それらの多くは疾患同士が密接に関係しているためです。 その意味で股関節の病!「変形性股関節症」と「臼蓋形成不全」という病気も密接にかかわっています。 この関係性を知ることで、この病気の進行は大きなリスクがあること、それを知ることで予防や治療にも役立つため、以下を参考にしていただければと思います。 変形性股関節症と臼蓋形成不全という股関節の病気について治療方法や手術などを解説します。まずは、変形性股関節症と臼蓋形成不全が、それぞれどのような病気なのかについて解説し、その関係性と治療方法について記してまいります。 変形性股関節症とは? 「変形性股関節症」とは、股関節の軟骨がすり減ってしまうことで、骨盤の受け皿の部分(臼蓋)と大腿骨の先端部分(骨頭)が変形する病気です。 股関節の軟骨は、股関節のクッションのような役割を担っており、軟骨がすり減ることで骨盤と大腿骨の変形をもたらし、股関節の痛みや、機能障害などを引き起こします。重度の場合、両足の長さに違いが生じるケースもある病気です。 正常な状態であれば、骨盤軟骨がクッションの役割を果たすことで衝撃を和らげるのですが、加齢などを原因として骨盤の軟骨がすり減ってしまうと徐々に骨が変形を起こし、そこで炎症が起きてしまいます。 初期の段階では、歩き初めや起き上がりの際に少しの違和感を覚えたり、痛みを感じる程度です。 しかし、症状が進行すると徐々に痛みが明確になり、安静時や就寝時に痛みを生じるケースや、歩行などに差し支えるほどの痛みが生じ、日常生活に大きな悪影響を及ぼすようになってきます。 検査・診断・治療は、問診および股関節の可動域の確認に合わせて、MRI検査や、X線検査を用いた画像による診断を行います。 初期の段階であれば軟骨のすり減りによる股関節の隙間の異変に留まりますが、症状が進行するにつれて軟骨が薄くなって股関節の隙間がさらに狭くなり、さらに進行すると関節の周辺に空洞や棘のようなものが発生します。 臼蓋形成不全とは? 「臼蓋形成不全(臼蓋形成不全症)」とは、臼蓋が小さい状態のことです。 前述の通り臼蓋は骨盤における大腿骨の受け皿のことであり、大腿骨頭の大きさの80~90%程度であることが、良いバランスとされていますが、臼蓋形成不全ではそれよりも臼蓋が小さく、50%程度の大きさしかない症例もあります。 臼蓋形成不全であると診断された場合においても、若い患者さんは軟骨の厚みが保たれていることによって症状はほとんどありません。ただ原因が不明な場合が多く、有効な予防法も確立していないのが実情です。しかし、乳児期の臼蓋形成不全は成長に伴って自然に改善されることも多いです。 臼蓋形成不全と変形性股関節症の関係性 以下に変形性股関節症と臼蓋形成不全に、どのような関係があるのかについて解説します。 ※臼蓋形成不全は、変形性股関節症の発症リスクが高い※ 実は、臼蓋形成不全が、変形性股関節症の発症原因になる可能性があります。若いころに発症した臼蓋形成不全を気が付かづ、そのまま放置してしまった結果、変形性股関節症へと進行してしまうケースは珍しくありません。 一般的に変形性股関節症の主な発症原因は「加齢」とされており、中高年の女性に起こりやすい病気なのですが、臼蓋形成不全などで股関節が生まれつき傷みやすい人の場合、若年でも変形性股関節症を発症する可能性があります。 つまり、子どもの頃にかかった臼蓋形成不全の後遺症が原因となって変形性股関節症を発症する可能性があるということです。 臼蓋形成不全の治療法 そこで臼蓋形成不全の治療について、臼蓋形成不全は、成長に伴って自然に改善されるケースも多いですが、重度の場合は自然治癒することなく進行し、変形性股関節症などの股関節の病気に発展する可能性があります。 治療においては「ひも型装具」を装着するという方法がありますが、一部からは、この治療方法について「行う必要はない」という意見もあります。臼蓋形成不全の治療目的は、「変形性股関節症へ進行を防止すること」です。 臼蓋形成不全では、股関節が不安定になりやすいため、これを補うために軽度の臼蓋形成不全の場合は、股関節周囲の筋力トレーニングを保存療法として治療に取り組むこともあります。股関節周りの筋肉に股関節を支える力を与えるためです。 一方で、重度の臼蓋形成不全の場合は、変形性股関節症に進行するリスクが高まっているため、臼蓋を大きくするための手術を行うと判断される場合もあります。 変形性股関節症の治療法 変形性股関節症の治療法は、大きく分けて「保存療法」と「手術」の2つがあります。 保存療法は、初期の変形性股関節症の治療において選択されることの多い治療法であり、基本的な治療方針は変形性股関節症による痛みを薬物療法や物理療法によって軽減し、運動療法によって症状の進行を防ぐというものです。 保存療法の目的は「変形性股関節症が進行しにくいようにする」ことであり、「変形性股関節症を根本的に治す」というものではありません。そのため、保存療法で治療を継続していても変形性股関節症は徐々に進行し、次第に痛み止めなどが効きにくくなってしまいます。 手術は重度の変形性股関節症の治療法として選択されることが多く、人工股関節への置き換えや骨切り術などの手術法があります。 手術を受けると症状の根源が取り除かれるため、症状の改善効果は高いのですが、体への負担や副作用・後遺症などのリスクを考慮しなければなりません。 まとめ・変形性股関節症と臼蓋形成不全の関係性と治療法について 臼蓋形成不全は、変形性股関節症の原因になり得る病気です。つまり、この二つの病には嬉しくない密接な関係性があるということです。 臼蓋形成不全そのものは危険な病気ではないケースが多くても、「変形性股関節症へ進行するリスクがある」ことを考えると、放置することは危険、問題になる可能性があります。 股関節に「何かおかしい?違和感がある!」などといった感覚を覚えたら、早めに病院等、医療機関で専門医の診断を仰がれることをお勧めします。 何もなければ安心ですし、万一異常があっても早期なら、進行を遅らせることができたり、悪化してから治療を受けるより回復の目途がつけやすくなります。 また、変形性股関節症は重度の場合に手術を選択しますが、副作用のリスクや体への負担に対する考慮が必要です。上記と同様に早期発見、早期治療こそが股関節の病で非常に大切なことです。 以上、変形性股関節症と臼蓋形成不全の関係性、その治療について記しました。お役に立てれば幸いです。 ▼ 再生医療で変形性股関節症を治療する 変形性股関節症は、再生医療により手術せずに症状を改善することができます ▼以下の記事もご覧いただけます 股関節の病気の種類と治療法・人工股関節を手術した場合のリハビリと注意事項
2021.01.18 -
- 股関節
- 変形性股関節症
「股関節の手術が必要になりそう……」 「術後のリスクが正直心配……」などと悩んでいませんか。 とくに高齢者が股関節の手術をする際に実施される人工股関節置換術では、痛み以外にも多くのリスクがあるのも実情です。 そこで今回は高齢者が人工股関節置換術をする前に知っておきたいリスクを解説します。 手術以外の選択肢や治療期間、歩けるまでどれくらいかかるのかなども取り上げているので、ぜひ最後までご覧ください。 【基礎知識】高齢者の股関節手術でおこなわれる人工股関節置換術とは 高齢者がおこなう人工股関節置換術とは、加齢に伴ってすり減った股関節部分を切除し、人工関節に置き換える手術です。 人工股関節置換術は加齢による関節の劣化や痛みを軽減し、生活の質を向上させるための有効な手段です。 人工股関節置換術をおこなうのは主に高齢者になり、逆に50歳未満の場合は「骨切り術」を実施するケースが大半です。 たとえ80歳以上であっても、股関節の手術前に診断した結果次第では、年齢制限なく手術を受けられます。 人工股関節には20〜30年以上の耐久性能があるため、年齢によっては再手術の必要がありません。しかし、高齢者が人工股関節置換術をする際は、後述するリスクについてよくご確認ください。 高齢者が股関節の手術をする前に知っておきたいリスク 高齢者が人工股関節置換術をする際、リスクを把握せずにおこなってしまうと、日常生活に支障をきたす可能性があります。 手術後に発生する可能性のあるリスクは、主に以下の通りです。 術後に起こりうる合併症(後遺症)のリスク 年齢によるリスク リスクが発生する原因や具体的なリスク内容を順番に解説していきます。 術後に起こりうる合併症(後遺症)のリスク 高齢者が人工股関節置換術をおこなう場合、合併症のリスクが高くなることが懸念されます。 病気は年齢を重ねるごとに発症のリスクが高まります。高齢者はとくに基礎疾患を有しているケースもあるため注意が必要です。 糖尿病などの病歴がある人は、手術前に発症する可能性のある合併症について理解し、リスクを認識することが重要です。 合併症の種類 詳細 感染 ・多くの場合で発症する合併症 ・発症率は0.5〜3.0%とされ高齢者は10% ・手術中の細菌侵入が主な原因 ・糖尿病や関節リウマチの治療をしている人、ステロイド治療を受けている人は感染リスクが高い 血栓症・肺塞栓症 ・手術中、手術後に深部静脈血栓症 ・脚のむくみや痛みを引き起こす ・血栓が肺に移動すると肺塞栓症になり突然死のリスクが発生 ・発症率は0.2%以下だが要注意 脱臼・骨折 ・人工股関節置換術の術後、転倒や無理な姿勢で発生 ・骨折は術後の転倒で発生 ・高齢者、骨粗しょう症の女性はリスクが高い 人工関節のゆるみ ・骨と人工関節の接着面にゆるみが生じて痛みや歩行障害になる ・過度な体重増加、重たい荷物を持つ、激しいスポーツなどが主な原因 高齢者に限らず発症する人工股関節置換術のリスクについては、以下の記事もあわせてご覧ください。 年齢によるリスク 人工股関節置換術を含めた手術は、高齢になればなるほどリスクが大きくなります。 高齢者は、老化に伴って股関節を支える筋肉が衰え、次第に腰が曲がって姿勢が変わります。筋肉の衰えから、若い人よりもリハビリにかける時間が長くなってしまうのです。 寝たきりになってしまうリスクもあるため、家族のサポートも重要になります。何より、高齢者が手術する際、体や心肺機能への負担も忘れてはいけません。 人工股関節置換術が必要になる変形性股関節症では、全身麻酔で手術をするケースが大半です。 心肺機能の低下に伴って、手術を受けられない場合もあるため、事前に担当医と相談して治療法を決める必要があります。 手術の年代別リスクについてより詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。 【高齢者向け】人工股関節における手術後のリハビリ内容 高齢者が人工股関節置換術をおこなった後は、手術の翌日からリハビリが始まります。 患者様の状態に応じてリハビリの強度が変わり、以下の段階で実施されます。 リハビリ段階 リハビリ内容 リハビリの目的 初期段階 ・ベッド上での軽い運動 ・関節のストレッチ ・筋力維持エクササイズ ・体を動かすのに慣れる ・関節の可動域を広げる ・筋力を維持する 中期段階 ・歩行訓練(歩行器や杖を使用) ・正しい姿勢で歩く練習 ・歩行距離を増やす ・バランス感覚と筋力の向上 後期段階 ・有酸素運動 ・心肺機能の強化 ・日常生活への復帰 ・心肺機能の向上 上記のように、段階に応じてリハビリ内容が異なるため、焦らずリハビリをしていきましょう。 高齢者が股関節の治療をする際の手術以外の選択肢 手術に頼らず、股関節の症状を改善するための選択肢もいくつか存在します。 保存療法 再生医療 これらの治療法は、症状や患者様の状態に応じて選ばれます。それぞれ詳しく解説します。 保存療法 高齢者が股関節の治療において「手術はしたくない」と考える場合、まず保存療法が選択肢として挙げられます。 保存療法は、股関節の痛みや機能障害を軽減させる手術以外の治療法です。 保存療法には主に、以下の種類があります。 保存療法の種類 治療の目的 詳細 薬物療法 痛みの緩和 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)や鎮痛剤を使用 理学療法 筋力維持と柔軟性向上 理学療法士による運動プログラムで関節の可動域を広げ、筋肉を強化 上記の治療法が保存療法ですが、あくまで「症状の進行を遅らせる」のが主な目的です。 再生医療 従来であれば、高齢者が股関節の治療をする際、保存療法で改善されなかった場合は手術するしかありませんでした。 しかし昨今では、手術をしない治療法である「再生医療」が注目を集めています。 再生医療とは、これまで再生不可能だと思われてきた軟骨に対して、自分の幹細胞を使って再生できるようになった治療法です。 体への負担が少なく、自らの脂肪を米粒3粒程度採取して、その脂肪から幹細胞を抽出、培養します。 人工関節置換術のような手術や、長期の入院、長期のリハビリも不要なだけでなく、日帰りで済む治療法です。 変形性股関節症に関する再生医療について詳しくは、下記のリンク先をご覧ください。 股関節の手術で起こりうるリスクで不安な方は気軽にご相談ください 高齢者が発症するケースの多い変形性股関節症のような病気は、年齢を問わず初期であれば保存療法が有効です。 ただし、症状自体を止めるのは不可能です。症状が進行すると、人工股関節置換術を検討しなくてはなりません。 また、人工股関節置換術のような手術は、合併症につながるリスクがあります。手術は多くの場合、傷口からの感染症が伴うため、手術をしない再生医療が注目を集めています。 リペアセルクリニックでは、メール相談やオンラインカウンセリングも受け付けています。 再生医療について詳しく知りたい方は、お気軽にご相談ください。 \まずは当院にお問い合わせください/ 高齢者が股関節の手術をする上でよくある質問 手術後は何に注意すれば良いの? 手術後の注意点は、回復をスムーズに進めるために「安静」が求められます。 具体的には、無理な動作や過度な負荷を避け、少しずつ日常生活に戻るようにします。 とくに、階段の昇降や長時間の立ち仕事は、最初は避けるのがおすすめです。 また、転倒のリスクを減らすために、家の中の環境を整える必要もあります。滑りやすい床や障害物を取り除き、手すりを設置するなど、安全対策を講じましょう。 さらに、手術後は免疫力が低下している可能性があるため、傷口の管理に注意し、衛生状態を保つ必要があります。 何か異常を感じた場合は速やかに医療機関に相談しましょう。 以下の記事では、より詳細に注意すべきポイントをまとめているので、ぜひ参考にしてください。 治療の期間はどれくらい? 人工股関節置換術の治療期間は、患者様の健康状態によって異なりますが、術後6〜12カ月程度です。 治療をスムーズに済ませるためにも、まずは入院前の準備として禁煙や体重管理などの徹底が必要です。 まず手術をする前には、人工股関節置換術を受ける医療機関ごとに設けられた検査項目に基づき、検査入院の有無を決めていきます。 手術を含めた入院期間中は多くの場合で、理学療法(リハビリ)も実施するので、リハビリ内容を聞いておくのも良いでしょう。 杖を使った歩行訓練や階段の上り下りなど、日常生活をイメージした訓練をおこない、2〜3週間程度で退院になります。 退院後は定期的な医師の診察も必要で、術後1カ月、3カ月、半年、1年といったタイミングでのフォローアップが推奨されています。 高齢者の場合はとくに、回復には個人差が大きいため、医師と相談しながら、無理のないペースで治療を進めていきましょう。 手術をした後は歩けるの? 人工股関節置換術を受けた後、多くの高齢者が最も気にするのは、再び歩けるようになるかどうかです。一般的には、手術後しばらくのリハビリ期間を経て、多くの患者が歩行能力を回復します。 手術直後は、痛みや腫れがあるため、杖のような歩行補助具の使用がおすすめです。 リハビリの初期段階では、理学療法士が患者様の状態に合わせたプログラムを組み、筋力や柔軟性の回復を目指します。 先述で解説したように、まずはベッド上での軽い運動から始まり、徐々に歩行訓練を開始します。 しかし、回復の速度は個人差があり、体力や健康状態、術後のケアの質に依存するため、焦らず歩けるよう訓練していきましょう。 リペアセルクリニックでは、メール相談やオンラインカウンセリングも受け付けているので、気軽にご連絡ください。 \まずは当院にお問い合わせください/ 高齢者が人工股関節で歩けるようになるまでにどれくらいかかる? 高齢者が人工股関節置換術を受けた後、歩行が可能になるまでの期間は手術をしてから1週間程度です。 当然、個人の健康状態やリハビリの進捗によって異なりますが、1週間後には杖を使った歩行訓練が始まります。 手術後、最初の1〜2日間は安静が必要ですが、多くの患者様の手術が終わった2週間後には、杖を使いながら安定的に歩行が可能です。 杖を使って安定した歩行ができれば無事、退院できます。 ただし、股関節の痛みが入院中に完全回復しないケースもあるため「数カ月は軽度な痛みが残る」と捉えておきましょう。 何より、合併症のリスクも見逃せないポイントなので、定期検診では我慢せずに症状を伝えるのがおすすめです。
2021.01.13 -
- 股関節
- 変形性股関節症
変形性股関節症|人工関節の手術のリスクを説明します 変形性股関節症と診断された場合、「薬物療法」や「運動療法(リハビリ)」といった「保存治療」以外に、「手術療法」という選択肢があります。 しかし、変形性股関節症での手術療法は、股関節を人工関節に置換える文字通り「人工股関節置換術」といい、手術としても大掛かりな部類になります。 医療機関で、人工関節を勧められた場合、以下のようなお悩みや、心配をされるのではないでしょうか?! 人工関節にする手術を勧められた場合の心配やお悩み 今ある自分の関節を人工物に取り換える違和感や恐れ 摩耗や緩みで数年後に再手術が必要な場合があること 人工関節にすることで変えなばならない生活スタイル 一度、人工関節にすると引き返せないこと 合併症の不安、万一細菌が入ると怖い再手術(3~10%) 長い手術時間や全身麻酔、輸血の心配 接続する脆くなった骨への影響 など、知れば知るほど不安に思われるのも当たり前だと思います。 そこで今回は、「変形性股関節症の人工関節手術(人工関節置換術)」について、以下のような疑問やお悩みにお答えできればと思います 「どのようなリスクがあるのか?」 「高齢者の場合のリスク?」 「術後に何を、どのように気を付けるべきなのか?」 「それ(手術)以外に方法は無いのか」 変形性股関節症の人工関節手術のリスクについて 変形性股関節症に関わらず手術は、手術であるかぎり、他の病気や、けがの手術と同じように必ずリスクは伴います。逆にリスクが一切ない手術は存在しません。 そのため、「変形性股関節症の手術に限ってリスクはない」ということは言えません。しかも手術を受ける人によってリスクは様々、「高い、或いは低い」「大または小」があります。 そのため、手術を行うためには前もって多くの検査が必要となります。 その結果、リスクが大きいと判断されれば、手術自体を受けることはできません。つまり、手術による治療は、手術をしないよりもリスクがあるともいえるのです。 高齢者の変形性股関節症の人工関節手術のリスク 高齢者の方が変形性股関節症の人工関節手術を行う場合は、リスクが高くなる可能性があります。医療機関での治療過程で「あとは手術しかない」と言われたとしても、医師に納得いくまで説明を受けて、よく検討する必要があります。 「こんなはずでは無かった」とならないように注意しましょう。 高齢者の場合、股関節はもちろんのこと、骨そのものが脆くなっていることがあり、骨ではないチタン合金、クロム合金などといった人工的に作った股関節を今ある自分の股関節に置き換えるため、体内の骨と接合する必要があります。 接合には、骨ではない合金などといった異物を取り付けるために、「セメント(骨セメント)」や、「セメントレス」といった2つの接合方法があり、患者の骨の状態を見て判断されます。 素材や技術は日々、進歩を続けていますが、どうしても一長一短があります。 人工関節、身体(骨)との接合、固定方法上のリスク セメント:当初は非常に強固だが経年で緩む危険性がある。 セメントレス:緩みにくい反面、安心できる(固定が定まる)まで6か月ほど必要。 しかし、いずれの手術であっても、成功しても、セメントはもちろん、セメントレスであったとしても時間とともに緩む可能性は0ではありません。将来に再手術というリスクという可能性を考えておくべきです。 また、特に女性の場合、事前の検査で骨粗鬆症の罹患率が高く、骨密度が低ければ、人工関節は丈夫でも周囲の骨に対して骨折というリスクがあることを注意しなければなりません。 手術の合併症、手術で感染症が重篤化するリスク 人工関節の可否、骨だけの問題ではなく、身体の免疫機能そのものが低下している場合、変形性股関節症の手術が無事終わったあとでも、その後に感染症を引き起こせば重篤になる可能性があります。 一度感染症を引き起こしてしまうと傷の治りが悪くなるため、結果として再手術が必要となり人工股関節を取り替えなければならないような事態になる恐れもあります。 感染症をおこしてしまう確率を0%にすることはできず大変危険なので、免疫機能についても十分に検査をして、変形性股関節症の手術に適応するかどうかを検討しなければなりません。 それ以外にも全身麻酔のリスク、輸血のリスクなど検討しなければならないことは数多くあります。 これらは、けして大げさに申し上げているのではなく、実際に人工関節手術を受ける前に説明を受ける内容です。 保存療法では人工関節を避けることはできない 保存療法とは、内服薬や外用薬などの薬物を利用する薬物療法や、ウォーキングなどの軽い運動を行い股関節周囲や足の筋力を高めるリハビリテーション、運動療法があるのですが、これら地道な努力を行なっているにもかかわらず痛みが緩和されずに効果を感じられないという人もいます。 また、初期のころは多少でも効果を感じることができたけど、徐々に効果が低くなるという場合もあります。 このように保存療法は、コツコツできる範囲で行っていても効果が感じられず、常に痛みがあり、日常生活に支障をきたすようであれば、手術を受けたほうが良いと判断される場合もあり、保存療法等リハビリを行っているからと人工関節の手術を避けられるものではありません。 人工関節、術後のリスク 変形性股関節症の手術を受けて、めでたく成功した場合でも注意は必要です。 実は、術後の日常生活にこそリスクが潜んでいます。 そこで手術後にどのような生活を心がければ良いのかを事前に知っておきましょう。そうすることで手術を受けた後も、危険を回避しながら安全に過ごすことができます。 日常的に自分の姿勢や動作に注意しなければなりません 変形性股関節症の手術を終えた直後、リハビリをすることで体の調子が徐々に戻ってきます。上手くいけば痛みも改善し、無理をしなければ日常生活を送ることができるようになるでしょう。 しかし、常に気を付けなければいけないことがあります。それは、股関節への配慮です。 ご注意いただきたいのは、股関節を無理に内側にひねるような姿勢は、脱臼を起こしてしまう恐れがあります。また、あぐらや正座、しゃがむ動作などの姿勢は、変形性股関節症の手術の後におこなうと非常に危険です。 つまり、和風の床に直接座るような生活スタイルから、椅子やベットで過ごせる洋風の生活へ意識してチェンジしていく必要があります。この辺りも家族の理解を得ながら進めていきましょう。 もしもの場合、再手術になることもあるので、このあたりは十分に注意しなければなりません。 手術後の細菌による感染に注意(皮膚炎や歯周病も) 変形性股関節症の手術の後に起こるリスクは脱臼などだけではありません。感染症にも十分注意が必要です。 感染は、手術した部位だけの問題ではありません。手術後の感染を防ぐためには「水虫」や、「皮膚炎」などにも注意すべきです。足まわりを清潔に保っておくことが大切です。 また虫歯、歯槽膿漏などの症状によって細菌が入り、感染が起こす可能性もあるため、常に口腔内を清潔にしておくことも重要です。必要であれば手術の前に歯科、口腔外科などに通い、オーラルケアをしておけば更に安心です。 変形性股関節症|人工関節を選択する場合に知っておきたいこと 変形性股関節症の手術は、手術中だけでなく手術後の生活にもリスクが伴います。なるべく危険を避けて手術を受けるようにしましょう。 事前に手術内容を理解しておく(納得する) 変形性股関節症の手術で、自身の股関節を人工の股関節に置き換える手術を行う場合、手術中、術後の感染リスクや、人工股関節が入ることによるリスク。どのような生活が待っているのかなどを十分に説明を受け、理解しておくことが必要です。 事前に手術内容を把握しておくことで、手術をしたその日から危険を回避できるような対策をとれるようにもなります。また、知識を持っていれば手術を受ける前に股関節に負担のかからない生活環境を整えるなどの対応を取ることも可能になります。 いずれにしても変形性股関節症の手術を行うことが自分にとって本当に最善なのか検討し、危険が多いと感じるようであれば、まずは薬物療法や、運動療法で痛みを改善することを優先したほうが良いかもしれません。 これら主治医ともよく話し合って、納得して手術を受けるようにしてくださいね。今の時代、他の医療機関でセカンドオピニオン受けるという手もあります。手術は最終手段です。 信頼できる医療機関を選択する(自身で納得できること) 自分はもとより、家族の同意を得て変形性股関節症の手術を決断したなら、多くの症例を持ち、信頼できる先生がいたり、設備が整った病院である等の基準も大切です。普段から通いなれて気心が知れた医療機関という手段もあります。 選び方としては今やネット社会です。情報は検索することで過剰なほど得られます。 変形性股関節症の手術を行っている医療機関は全国に多くありますがインターネットや、口コミを参考にしながら事前に情報収集しましょう。 手術に関して家族や信頼できる友人などの意見を聞ければ聞き、ご自分でメリットはもちろんですが、リスクもしっかりと理解し、納得した上で手術を受けましょう。後戻りはできないので注意してください。 手術後リハビリをしっかりと行う 変形性股関節症の手術が成功したあと大切なのはリハビリです。 急がず、コツコツ気長に継続して人工股関節を体に慣らしていくことが大切です。手術後の危険のリスクを少なくするためにも前向きに取り組んで回復を目指しましょう。 歩行が問題なくできるようになっても無理は禁物。転倒などの危険性もあります。自信がつくまでは杖を使うなど危険を回避する方法を取り入れることも大切です。 変形性股関節症|人工関節以外の選択肢「再生医療」という先端医療 変形性股関節症の手術は、症例を有した信頼のできる医療機関であれば、基本的に安全に受けることができるます。 しかし、手術である以上、危険が全くないというわけではないため、手術後の生活に不安を感じている人や年齢の問題、骨密度や再手術の可能性、感染のリスク、何より人工のもので置き換える違和感に恐怖を感じておられる方にご紹介したいのが近年注目されている先端治療である「再生医療」という手段です。 手術を決断する前に自分に可能性がないか調べてみてはいかがでしょうか。上手くいけば手術というリスクを回避して改善を目指すことができるかもしれません。 再生医療は、患者自身の細胞を利用するため、拒絶反応やアレルギーなどの副作用が少なく、安全性に優れた治療方法です。また、人工股関節を入れるというような大掛かりな手術ではないので、感染のリスクが少ないのも魅力です。 変形性股関節症で、従来の治療方法ではあまり痛みの改善効果が期待できなかった人や、手術の危険要素がどうしても不安であるという人にとって、再生医療は選択肢の一つになるでしょう。 > 股関節の再生医療について詳細 https://youtu.be/BIzpa2SVAt4?si=D4MITF9M-bqvJbKo まとめ・変形性股関節症|人工関節手術のリスクについて 今回は、変形性股関節症の手術における「リスク」について紹介しました。これは脅しなどではなく、危険性やリスクを知識として知っておき、理解しておくことが自らを守ることに繋がると判断したためです。 医療機関で納得のいく説明を受けるためにも手術の実際とリスクを知っておき、疑問点は臆すること質問できるようになって欲しいと思います。 手術を検討する場合は、手術そのものだけでなく、手術後の生活についても事前にしっかりと理解し、信頼できる医療機関を選ぶこと、自分自身はもちろんのこと、家族も納得してもらった上で手術を受けることが大切です。 また、最後にご紹介した再生医療は、手術を避けることができる危険の少ない最先端の医療として注目を集めています。変形性股関節症の治療においても効果を期待することできます。 いずれにしましても、手術はもちろん、治療にあたってはしっかりとした実績を持った専門医や医療機関にご相談になってください。以上、変形性股関節症の人工関節手術のリスクと術後の注意点について記させて頂きました。 人工関節の話が出たり、人工関節置換術の説明を受けたり、変形性股関節症でお悩みの場合、参考にしていただければ幸いです。 ▼ 再生医療で変形性股関節症を治療する 変形性股関節症は、最新の再生医療なら手術せずに症状の改善を目指せます(詳細) ▼以下もご覧ください 変形性股関節症の保存療法|治療効果を上げるための注意
2021.01.06 -
- 股関節
- 変形性股関節症
変形性股関節症と診断されたけどどうしたら良いのかわからない。 股関節の変形はもう治らないと聞いたので今後が不安…… 変形性股関節症と病院で診断され、これ以上悪化させないためにはどうすればいいか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。 変形性股関節症は股関節に負荷がかかり続けることで軟骨がすり減り、骨が変形していく疾患です。 進行を遅らせる方法があれば知りたいと思う人もいるかもしれません。 結論から言えば、変形性膝関節症で禁止されている動作や運動はなく、日常生活の動作や姿勢に注意すれば問題ありません。普段から股関節への負荷をできるだけ避け、股関節の可動域・筋力向上に効果的な運動を継続すれば、痛みを軽減できます。 そこで今回の記事では、変形性股関節症に対して避けるべき動作や効果的な運動をご紹介します。 病院で変形性股関節症と診断されて不安に思われている人は、ぜひ最後までチェックして実践してみてください。 【シーン別】変形性股関節症でやってはいけないこと 変形性股関節症でやってはいけないこととして、以下の3つに注意してください。 運動 姿勢 生活習慣 ここから具体的に、どういった運動や姿勢、生活習慣が変形性股関節症に悪影響となるのか、詳しく解説していきます。 変形性股関節症の発症後に注意すべき点については、以下の記事もご覧ください。 変形性股関節症でやってはいけない・注意すべき運動 変形性股関節症でやってはいけない・注意すべき運動として、以下の2つには注意しましょう。 ジョギング ストレッチ・ヨガ(股関節に負担がかかるもの) これらの運動は股関節に大きな負担が生じます。軟骨の摩耗や骨の変形・痛みといった変形性股関節症の進行を強める要因となるため、可能な限り避けましょう。 ジョギングは着地の衝撃で股関節への負担が大きくなるとされています。また、大きく脚を開くようなストレッチやヨガも股関節への負担が大きいため、注意しましょう。 上記以外の運動中でも、痛みなど異変があれば無理に動かさず安静にするよう心がけてください。 変形性股関節症でやってはいけない・注意すべき姿勢 変形性股関節症でやってはいけない・注意すべき姿勢は以下の4つです。 あぐら 時間しゃがむ 足を組んで座ること 猫背 あぐらや長時間しゃがむ姿勢は、股関節への負担が大きく、変形性股関節症の症状を強めてしまう可能性があります。 足を組むのも、股関節が捻られて負担が大きくなるため避けましょう。 また、猫背の姿勢は骨盤と大腿骨(ふとももの骨)が不安定な形になりやすく、股関節への負担が大きい姿勢です。 変形性股関節症を悪化させる可能性があるため、正しい姿勢を保つようにしましょう。 変形性股関節症でやってはいけない・注意すべき生活習慣 変形性股関節症でやってはいけない・注意すべき生活習慣は以下の3つです。 重い物を持って立ち上がる・歩く行為 体重の増加 ヒールの高い靴を履く 重い物を持って立ち上がったり歩いたりする行動は、変形性股関節症を強めるリスクが高いです。 体重の増加も股関節に負担がかかるため、暴飲暴食や運動不足による肥満には注意しましょう。 また、ヒールの高い靴を履くと足首の動きが悪くなり、歩行時の衝撃を吸収しにくくなります。股関節にかかる負担が増えるため、できるだけフラットなパンプスやスニーカーなど、足首の動きに影響が少ない靴を選ぶと良いでしょう。 変形性股関節症の禁忌動作を続ける3つのリスク 変形性股関節症の禁忌動作を続けることで、以下に挙げる3つのリスクが生じます。 疼痛が増強する 歩行が困難になる 人工関節を入れる手術が必要になる なぜこのようなリスクが生じるのか、それぞれ詳しくみていきましょう。 疼痛が増強する 変形性股関節症の人がしゃがむ、股関節を内側にねじるなどの動作を日常的に繰り返すと、脚の骨と骨盤の間にある軟骨がすり減り、疼痛(とうつう)が増強してしまいます。 疼痛とは、皮膚や粘膜、内臓、骨膜、筋、腱などの自由神経が刺激されて発生する痛みのことです。焼けるような感覚、強いしびれなど、人によって感じ方や痛みの程度は異なります。 股関節に負担がかかる動作や姿勢を繰り返すと、変形性股関節症の症状の進行が加速し、疼痛もひどくなる可能性があります。 歩行そのものが困難になる 変形性股関節症は、運動療法で筋肉を鍛えるなど改善に向けたリハビリもおこないます。しかし、股関節に負担がかかる姿勢や動作を繰り返すと症状が悪化し、歩けなくなる可能性があります。 歩行が困難になると、簡単な外出や日常的な家事・入浴動作も難しくなるかもしれません。痛みや可動域制限によって日常生活に支障をきたし、「生活の質」が低下していくでしょう。 最終的には日常生活を送るだけでも人の手を借りないといけない恐れがあります。 このような最悪の事態を避けるためにも股関節に大きな負担がかからないよう意識して過ごしましょう。 人工関節を入れる手術が必要になる 変形性股関節症の症状が進行すると、人工関節を入れる手術が必要になります。すり減った軟骨や変形した骨は自然治癒しないため、痛みをとるためには人工関節を入れないといけません。 人工関節を入れる手術を行えば痛みを緩和できる可能性は高くなりますが、皮膚や筋肉を大きく切開するため、術後のリハビリが必要です。 また、脱臼や2回目の手術を避けるために、術前よりもより生活習慣に気を配る必要もあります。 人工関節手術のリスクについては、こちらの記事もご覧いただければ幸いです。 変形性股関節症の悪化を防ぐためにやるべき3つのこと 変形性股関節症の症状悪化を防ぐためには、以下3つのことに取り組んでください。 身近な人の理解を得る 無理のない範囲で股関節を動かし鍛える 負荷の少ないストレッチで股関節まわりの柔軟性を保つ これらの簡単な取り組みを繰り返すだけでも変形性股関節症の症状悪化を予防する効果が期待できます。変形性股関節症の症状進行を止めたい人は必ず最後までチェックしてください。 身近な人の理解を得る 変形性股関節症の人は、まず家族や職場の人など、身近な人の理解を得ることが重要です。周囲からの理解を得られれば、股関節に負担がかかる動作を代わってもらえるなど、変形性股関節症が悪化しないよう協力してもらいやすくなります。 とくに以下のようなシチュエーションでは、身近な人の理解・協力が重要です。 重たい物を運んでもらう 食卓を座卓からイス・テーブルに変えてもらう 浴槽をまたぐための補助台を用意してもらう 1人だけで考えるより精神的な安心感を得られやすく、前向きに治療に取り組めるようになります。 身近な人と一緒に診察を受ける、リハビリの見学をしてもらうなど、周囲の協力を得られるよう働きかけてみてください。 無理のない範囲で股関節を動かし鍛える 変形性股関節症では、筋肉がないと関節にかかる負担が大きくなるため、無理のない範囲で股関節を動かし、鍛える必要があります。 関節を支える組織には骨・靭帯・筋肉の3つがあります。筋肉が少ないと関節を支える負担が骨にかかり、軟骨の摩耗や骨の変形を強めてしまうかもしれません。無理のない範囲で運動をして、股関節に負担をかけないことが大切です。 仰向けでの脚上げ運動や、プールでの水泳・水中歩行は、股関節に負荷をかけず筋肉を鍛えられるためおすすめです。 負荷の少ないストレッチで股関節周りの柔軟性を保つ 筋肉を鍛えることと同様に、負荷の少ないストレッチも変形性股関節症の症状を抑えるために重要です。 ストレッチで股関節周りの柔軟性が保たれれば、股関節にかかる負担を減らせます。 たとえば60°しか動かない関節と120°動く関節を比較したとき、60°しか動かない関節では衝撃が加わる範囲が限定されます。しかし120°動けば衝撃が広い範囲に分散されるため、一部分にかかる負担は軽減されるでしょう。 つまり動きが硬い股関節だと狭い範囲の軟骨や骨に衝撃が加わりますが、可動域が広い股関節であれば全体に衝撃が分散されるため、軟骨のすり減りや骨の変形を全体に広げられます。 結果として変形性股関節症の症状予防につながるため、負荷の少ないストレッチは重要です。痛みが出ない範囲で十分なので、毎日継続しましょう。 まとめ|変形性股関節症の悪化を防ぐためには股関節に負担をかけないことが大切 変形性股関節症は繰り返される股関節への負荷によって軟骨がすり減り、骨が変形することで発症する疾患です。 症状を進行させないためには股関節へ負担をかけないことが重要です。股関節への負担が大きい動作や姿勢を避け、家族の理解・協力のもと、日常生活で股関節にかかる負担を減らすよう努めましょう。 自分自身が無理のない範囲で運動・ストレッチを継続することも、変形性股関節症の症状緩和に効果的です。 また、当院「リペアセルクリニック」では、国内でも数少ない、自己の幹細胞を用いた再生医療(幹細胞治療)を提供しています。 再生医療によってすり減った軟骨を復活させられれば、変形性股関節症の症状軽減につながるかもしれません。また、再生医療と生活習慣の改善・運動を併用すれば、より高い効果が期待できます。 当院ではメール相談やオンラインカウンセリングも実施していますので、ご活用ください。 この記事が、変形性股関節症における手術以外の治療法・予防法を知るのに役立ったのなら嬉しく思います。 変形性股関節症についてよくある質問 変形性股関節症に良い運動は? 股関節に大きな負荷がかからない運動がおすすめです。 具体的には仰向けでの脚上げ運動やお尻挙げ、浮力で体重を軽減できるプール運動が挙げられます。また、軽めのウォーキングやヨガ・ストレッチも良いでしょう。 ランニングや縄跳びなど股関節に衝撃がかかる運動や、股関節に負荷が大きくかかる運動は避けるべき運動なので注意してください。 変形性股関節症は歩かない方が良いですか? 痛みがない範囲であれば歩いてもかまいません。むしろ軽めのウォーキングは変形性股関節症の症状を和らげる方法として推奨されています。 実際、京都大学がおこなった研究によると、変形性股関節症が進行していた人は1日7000歩以上歩いていたといわれています(文献1)。 1日20〜30分程度のウォーキングで、踵から着地してしっかり蹴る意識で歩けば大きな問題はありません。しかし、痛みがあれば中止するなど、無理のない範囲でおこないましょう。
2020.12.24 -
- 股関節
- 変形性股関節症
変形性股関節症の症状改善には、ウォーキングや筋トレといった運動療法を中心としたリハビリが効果的です。 運動療法には、股関節の柔軟性を高めたり、股関節を守るための筋力を向上させたりする効果があるからです。 ただし、股関節に負担がかかりすぎるリハビリは、症状を悪化させるリスクがあります。運動療法を始める際には、運動量や実践時間における注意点を把握した上で開始しましょう。 本記事では、変形性股関節症でおこなうリハビリの目的や効果的な運動療法を解説します。リハビリ時の注意点も紹介するので、症状の改善を目指したい方は最後までご覧ください。 変形性股関節症におけるリハビリ(運動療法)の目的 変形性股関節症におけるリハビリ(運動療法)には、股関節の柔軟性を高めて可動域を広げ、股関節の負担や痛みを軽減させる目的があります。 また、筋力強化を図って、股関節を衝撃から守る効果も期待できます。 なお、変形性股関節症の治療には「再生医療」が有効です。人間の自然治癒力を活用して、すり減った膝軟骨を再生させます。 期待できる治療効果が知りたい方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にご相談ください。 \まずは当院にお問い合わせください/ 変形性股関節症のリハビリにおける運動療法プログラム4選 ここでは、変形性股関節症に効果のある運動療法のリハビリを4つ紹介します。 ・水中ウォーキング ・ウォーキング ・ストレッチ ・適切な筋力トレーニング 順番に見ていきましょう。 水中ウォーキング 水中ウォーキングは、変形性股関節症のリハビリとして有効です。 水中では浮力が働くため、陸上でウォーキングするよりも股関節への負担が軽減されます。 また、水中ウォーキングは、水の抵抗により少しの動きでも全身の筋肉を使います。そのため、股関節を守るための筋力をバランス良く強化できるのです。 ウォーキング ウォーキングは股関節の柔軟性を向上させ、可動域を広げる効果があります。 リハビリを目的としたウォーキングでは、ゆっくりとしたペースでの歩行を心がけましょう。歩く速度が早すぎると股関節に過度な負担がかかり、症状を悪化させる恐れがあるためです。 リハビリ開始時は15分程度から始め、体調や症状に応じて徐々に時間を延ばしていくのが理想的です。リハビリは継続が大切なので、無理のない範囲で続けるようにしてみてください。 ストレッチ 股関節付近のストレッチをおこなうと、柔軟性が高まり股関節の可動域の拡大にもつながります。 変形性股関節症には、股関節の前側を伸ばすストレッチや股関節周りのお尻・太ももに効くストレッチが効果的です。 たとえば、股関節の前側を伸ばすストレッチでは、片足の膝を床につけて立ち膝の姿勢をとり、骨盤を前方に動かして、股関節の前側を伸ばします。 ももの内側を伸ばしたいときは、開脚のストレッチがおすすめです。 ストレッチは痛みのない範囲でおこないましょう。負担をかけすぎず、徐々に強度を上げていくのが理想です。 適切な筋力トレーニング 適切な筋力トレーニングも変形性股関節症のリハビリに有効です。 筋力強化には、衝撃から関節を守ったり、股関節の動きを安定させたりする働きがあるためです。 変形性股関節症における筋力トレーニングでは、股関節周りを中心に足全体の筋力を高めていくのが効果的です。 たとえば、ふくらはぎの筋肉を鍛えるには、テーブルにつかまりかかとを上げ下げする運動がおすすめです。お尻の筋肉を鍛えるには、仰向けに寝て、両足を立てた状態でお尻を上に引き上げる運動が効果があります。 ストレッチ同様に過度な負担をかけるのは逆効果となります。痛みのない範囲で無理なく続けていきましょう。 変形性股関節症の根本的治療には「再生医療」を推奨します。再生医療は、人間の自然治癒力を活用した最新の医療技術で、すり減った膝軟骨の再生を図ります。 「再生医療に興味があるけど具体的なイメージがつかめなくて不安…」という方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。 変形性股関節症でリハビリを実施するときの注意点 変形性股関節症でリハビリを実施する際は、以下3つの注意点があります。 ・股関節に負担が大きい運動は避ける ・痛みがあるときは無理をしない ・体重管理にも気を配る これらの注意点を守らないままリハビリを続けると、症状が悪化するリスクがあります。ポイントをおさえて効果的なリハビリを実施していきましょう。 股関節に負担が大きい運動は避ける 変形性股関節症の運動療法で激しい運動を長時間おこなうことは避けてください。 股関節への負担がかかりすぎて、軟骨のすり減りが進行してしまうためです。 以下は、股関節に大きな負担がかかりやすい運動例です。 ・ハードな筋力トレーニング ・サッカー ・ランニング、マラソン ・テニス 変形性股関節症のリハビリにおける運動療法プログラム4選で紹介したリハビリは、股関節の負担が少ない運動療法です。参考にしながら、自身に合った運動療法を見つけてみてください。 変形性股関節症でやってはいけない動作や運動についての解説はこちら 注意すべき動作の1つである立ち上がりについての解説はこちら 痛みがあるときは無理をしない 股関節に痛みを感じるときは、股関節を休ませてあげましょう。 痛みを我慢してまで運動やトレーニングをおこなうと、症状が悪化するリスクがあるからです。また、無意識に痛む部分をかばってしまい、ほかの関節にも負担をかけてしまう可能性もあります。 痛みを感じたら一度運動を中止し、安静に過ごすことを第一優先にするようにしてください。 体重管理にも気を配る リハビリで運動をおこなうためには「体重の管理」にも気を使ってください。体重が増えてしまうとせっかく運動療法をおこなっても関節への負担が増えて悪影響になりかねません。 とくに、疾患を患っている最中は、運動量が落ちるとどうしても体重が増えがちになります。 「増えたな」と思ったら、食べる量や間食を減らすなどして適正体重を保つよう心がけましょう。 変形性股関節症の発症後に気をつけることについての解説はこちら まとめ|変形性股関節症に効果的なリハビリを知って症状を回復させよう 変形性股関節症の進行を遅らせたい方や症状改善を目指す方は、本記事で紹介した運動療法のリハビリを試してみてください。 リハビリは、焦って負荷をかけすぎたり、長時間続けたりすると症状が悪化するリスクがあります。確実な改善を目指すためにも、無理せず地道でも継続的に取り組みましょう。 変形性股関節症では運動療法も有効ですが、根本的な治療を希望されたい方や、すでに手術を勧められて迷っておられるなら、切らずに改善できる「股関節の再生医療」という手段もあります。 こちらに「股関節の再生医療」について詳しい内容や動画もございますので参考にしてみてください。 https://www.youtube.com/watch?v=PVZORiK2WsU&t=1s
2020.12.21