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変形性膝関節症!発見には膝の症状がポイント 膝に痛みを及ぼす疾患が変形性膝関節症です。 変形性膝関節症になると、人間の基本的な動作である「歩行」に影響をもたらすことで、活動量が減るなど日常生活に支障を及ぼします。その原因は、靭帯や半月板の怪我からくる場合を除いて、ほとんどは加齢に伴った関節軟骨の摩耗がきっかけです。 特に40代以降の女性に多く発生するため、中高年で感じる膝の痛みのほとんどは、変形性膝関節症からくる痛みだともいわれています。そんな変形性膝関節症の治療方針は、膝に負担のかかる生活スタイルを見直し、膝周囲の筋肉を鍛える運動療法に取り組むことです。 そうした保存療法の継続が、関節を安定させ、これまで通りの痛みのない日常につながるのです。そのためには、いかに早期に発見できるかがポイントです。そこで今回は、変形性膝関節症の初期症状から、もし当てはまった場合には、実際にどういった行動に移せば良いのかまで紹介していきます。 変形性膝関節症の進行度と症状 変形性膝関節症の自覚症状は、前期>初期>中期>末期の4つの段階を踏んで進行していきます。前期では、膝にほとんど痛みはありませんが、初期になると軟骨がすり減り始め、膝に痛みや違和感や感じるようになります。 進行が進んだ中期になると膝に変形がみられ、さらに進行した末期になると痛みから立つ・歩くなどの日常生活を過ごすのが困難になり、手すりや杖などに頼らないと姿勢を保てない状態になります。 症状 変形性膝関節症・進行度 ・前期:ほとんど痛みを感じない ・初期:軟骨にすり減り、痛み、違和感を感じ始める ・中期:膝に変形がみられる ・末期:日常生活が困難になる、手すり杖が必要になる 変形性膝関節症を見逃さないため、初期に現れやすい症状を知る 変形性膝関節症は早期発見が大切です。そのためには進行が始まり、「痛み」や「違和感」を感じだす前段階で発見することが重要になります。 この段階で異変に気づき病院を受診され、変形性股関節症を早期に発見できれば、治療の選択肢が増えるだけでなく、積極的に運動療法に取り組め、重症化を防げる可能性が高くなります、。 初期症状を見逃さないポイント ・朝起きた時に膝にこわばりを感じる ・膝を伸ばそうとすると引っ掛かりを感じる ・椅子から立ち上がろうとすると痛みが走る ・歩き出しに痛みがある ・正座をすると「ズキっ!」と痛みを感じる 早期発見が治療の選択肢を増やす 変形性膝関節症に早期に気づき、運動療法に取り組むことで悪化を防ぐことができます。運動療法で痛みが引かない場合、薬物療法や物理療法、装具療法などで痛みを抑えながら、運動療法に取り組めるよう工夫します。 あらゆる手を尽くしても効果がみられない場合には、観血療法という選択肢がありますが、手術の種類によっては進行しすぎていると実施できないケースがあります。 たとえば、体への侵襲が大きな人工関節置換術や高位脛骨骨切り術を、「今はしたくない」場合には、負担が少なく、術後の回復も早い関節鏡視下手術という選択肢があります。 しかし、変形が進行した状態では、関節鏡視下手術をしたところで、改善が見込めない場合があるので注意が必要です。 変形性膝関節症の初期なら運動療法で悪化を防げる 変形性膝関節症の治療の基本は運動療法ですが、初期から実施するのと、末期から実施するのでは大きな違いがあります。初期の運動療法には悪化を防ぐ目的があり、継続して行うとこれまで通りの生活を送れる可能性があります。 一方、発見が遅れた末期では、痛みが強く日常生活をまともに送るのは難しい状態です。そのため、満足に運動療法に取り組めず、これまで通りの生活を送れる可能性は低くなることから、早期発見が変形性膝関節症の治療において大切です。 病院で変形性膝関節症と診断されるまで 中高年以降で、膝に「痛み」や「違和感」を感じたら整形外科の受診をおすすめします。 変形性膝関節症の診断は、問診・視診・触診・画像診断などの検査を複合して判断されます。問診では家族歴・半月板や靭帯損傷などの怪我の既往歴を聞き、視診では歩行状態から進行の程度を確認、触診では膝の変形具合や水がたまっていないかなどを確認します。 変形性膝関節症の進行の程度は、X線検査の後、Kellgren-Lawrence分類によって分けられます。関節の隙間が確保されているグレード0から、関節の隙間がなくなってしまった状態のグレード4まで分けられます。 しかし、必ずしも画像診断の進行度合いと自覚症状が一致するとは限りません。画像診断では進行していても、自覚症状があまり強くない場合や、その逆の場合もあります。 そのため、軽度の痛みや、ちょっとした違和感でも変形性膝関節症が進んでいる可能性があることから、注意が必要です。 変形性膝関節症と似たような病気 膝に痛みがあっても、全ての膝の痛みが変形性膝関節症ではありません。膝関節以外の痛みや発熱の有無など、問診や触診の情報を元に、「関節リウマチ」「痛風」「化膿性関節炎」などを疑います。 検査では血液検査や関節液の成分を検査し、検査結果を元に変形性膝関節症以外の病気である要素を取り除いた上で、はじめて変形性膝関節症と診断されます。 まとめ・変形性膝関節症!発見には膝の症状がポイント 変形性膝関節症は中高年以降の女性に多く発生する病気で、膝の痛みの多くは変形性膝関節症からだといわれています。 変形性膝関節症の症状は、痛みと変形が特徴です。初期には強い痛みや変形を感じることは少ないものの、変形性膝関節症は進行性の病気です。放っておくと取り返しがつかないところまで進行するケースがあります。 そうならないためにも、早期に変形性膝関節症に気付くことが治療の選択肢を増やし、悪化を防ぎます。 変形性膝関節症の早期発見ができれば、保存療法(運動療法、薬物療法など)や手術療法というように、あらゆる選択肢の中から、膝の状態や自分自身の意向に沿って治療に取り組めるのです。 そのため、「軽度な痛み」や「違和感」程度でも放ったらかしにしないで、整形外科を受診しましょう。 ▼ 再生医療で変形性膝関節症の治療する 変形性膝関節症の新たな選択肢、再生医療の幹細胞治療で手術せず、入院不要で症状を改善する No.039 監修:医師 坂本貞範
2022.01.18 -
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変形性膝関節症|最新治療!手術をしない再生医療(幹細胞治療)の実力 変形性膝関節の痛みに悩まされてきた方は多いのではないでしょうか? 変形性膝関節症は、関節軟骨や半月板の損傷から、膝に痛みや変形がみられる疾患です。その治療法は、運動療法に取り組みながらも、痛みに対しては、薬を服用したり、膝にヒアルロン酸注射をしたりし悪化を防ぎます。 これまでの治療方法としては、運動療法や、薬物療法があり、効果がみられない場合には、「手術という選択肢」が一般的でした。では、一方で「手術はしたくない」「手術が受けられない」方は、どうすれば良いのでしょうか?!この場合、「痛みと付き合っていくしかない」のが現状なのです。 しかし近年、保存療法では効果が感じられず、観血療法(手術)ができない場合でも受けられる治療法に、「再生医療による治療」が確立されたのでご紹介してまいりましょう。 症状が進行した場合 ▶ 従来の医療 最新の医療 手術ができない、受けられない ▼手術以外の選択肢に乏しい ・様子を見る ・痛みがあるなら付き合っていくしかない ▼再生医療(幹細胞治療) ・手術をしない ・入院不要 手術は嫌だ、避けたい 再生医療|幹細胞治療とは? 人は怪我をして傷ついたとしても、多少の傷なら自然に治り回復します。つまり、修復力を持っているということで、これは人間が本来備えている自然治癒力です。これを活かした治療法が「再生医療」といわれる新たな医療分野なのです。 この再生医療の一種、「自己脂肪由来・幹細胞治療」では、患者様の体から採取した幹細胞を培養後、数万から数億にも増やしたもの(幹細胞)を膝に注射することで、傷んだ軟骨や細胞を自然に修復・再生させる効果を見込むものです。 https://youtu.be/2GCVH-Jw5Ps?si=4kHgIjsG3cFqNsO7 再生医療における幹細胞治療とは 幹細胞とは、人間の骨髄や皮下脂肪にある細胞で、皮膚や骨・軟骨・血管などの、いろんな細胞に性質を変える特徴(分化能)があります。幹細胞治療では、幹細胞の分化能を利用して、傷んだ軟骨や、そのほか組織の修復・再生が期待できる最新の治療法です。 幹細胞は普段は活動的ではありませんが、体が傷つくと、損傷した細胞の代わりになるよう細胞分裂が起こり、修復・再生が行われます。変形性膝関節症の場合、幹細胞の分化能を利用し、自己修復力を高めて、磨耗した軟骨を修復させます。 軟骨が再生すると、本来備わっていた膝のクッション性がアップするほか、関節の動きが滑らかになり、膝の痛みの緩和が期待できます。 つまり、これまで運動療法や薬物療法ではできなかった軟骨の修復・再生が、自己脂肪由来幹細胞治療で可能になったのです。 幹細胞治療はどのように行われる? 変形性膝関節症に対しての自己脂肪由来幹細胞治療では、自分の体から幹細胞を採取し、培養後、幹細胞を体内に戻します。幹細胞を体内に戻す方法には、静脈注射(静脈点滴)と関節注射の2種類があります。 静脈注射は直接注射できない内臓(肝臓疾患や糖尿病など)や脳の病気に用いられ、膝や肩、股関節などには直接関節に注射する方法があります。幹細胞は骨髄や皮下脂肪に存在しますが、体への侵襲(体への負担)が少ないほか、細胞の性質が良いとされることから皮下脂肪から採取されます。 自己脂肪由来幹細胞治療の流れ ・腹部(おへそ周り)に局所麻酔をします。 ・5mmほど皮膚を切開し脂肪を採取します。 ・採取する脂肪の範囲は、米粒2粒ほどの大きさです。 ・採取した脂肪から幹細胞だけを分離し、4〜6週間ほどかけて培養します。 ・増殖した幹細胞を膝に関節内注射します。 幹細胞治療は、体への侵襲が低く、自分の細胞を利用した治療法です。大きな手術と比べて感染症のリスクは低く、拒絶反応やアレルギーも起こりにくいため、安全性が高い治療法です。 膝の痛みを放置するとどうなるか? 変形性膝関節症が進行し痛みが強くなると、治療の基本となる運動療法に満足に取り組めなくなります。さらに進行すると、ちょっとした動作や安静時でも膝が痛み、その痛みをかばうことで、関節の可動域が狭まっていき、余計に痛みを感じやすくなります。 そして、どうしようもなくなったときには、体に負担となる人工関節置換術や骨切り術などの手術が選択肢にあります。手術をすると、痛みの改善は期待できますが、感染症のリスクや、正座ができなくなるなどのリスクがあります。 手術をしたくない、手術ができない場合には、痛みと付き合っていくしかありませんが、痛みが悪化すると、次第に歩行ができなくなり、筋力が低下することで車椅子生活や寝たきりでの生活になってしまう可能性が高まります。 まとめ・変形性膝関節症、最新の治療法!手術をしない再生医療の幹細胞治療という可能性 自己由来幹細胞治療は、人が持つ修復力を引き出す治療法で、これまで不可能だった軟骨の再生が期待できます。幹細胞治療では、自分の細胞を使うことから、大きな手術のような、体にかかる負担はほとんどなく、長期間に及ぶ入院期間を確保できない場合にも、日帰りで行える治療法として注目されています。 変形性膝関節症の治療の基本は、膝周囲の筋力を鍛えることで、必要に応じて変形性膝関節症と診断された初期から幹細胞治療に取り組むことで悪化を防ぐことが期待できます。 幹細胞治療にかかる費用は、保険が効かず自由診療のため、全額自己負担での治療ですが、「現在の治療で効果を感じられない」「関節鏡や人工関節などの大きな手術をすすめられたが抵抗がある」方は、保存療法と観血療法の中間に位置する最新の再生医療による治療法、「自己由来幹細胞治療」を選択肢の一つとして覚えておきましょう。 以上、変形性膝関節症の治療に幹細胞治療/再生医療という新たな選択肢!になっていることについて記させて頂きました。 ▼ 再生医療の幹細胞治療が変形性膝関節症の治療を変える! 変形性膝関節症の新たな選択肢、再生医療の幹細胞治療で手術せずに症状を改善できます ▼以下もご参照ください 変形性膝関節症は早期発見が大切!膝の違和感を見逃さない!
2022.01.07 -
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最近、横向きで寝ると膝が痛くて眠れない……。 膝に負担のかからない寝方はある? この記事を読んでいるあなたは、横向きで寝ると膝が痛む原因を調べているのではないでしょうか。 膝の痛みで眠れない日が続くと、日中のパフォーマンスに影響してしまうかもしれません。 結論、横向きで寝ると膝が痛いのは「膝周りの筋肉の緊張」もしくは「膝関節の疾患」が原因の可能性があります。自己判断は難しいため、膝が痛くて眠れない日が続くなら整形外科を受診しましょう。 本記事では、横向きで寝ると膝が痛い原因や、自宅でもできる対処法を解説します。 記事を最後まで読めば、寝る時に膝が痛い理由がわかり、病院に行くべきか正しく判断できるでしょう。 横向きで寝ると膝が痛い!考えられる3つの原因 横向きで寝ると膝が痛い場合、以下3つの原因が考えられます。 筋肉の緊張 膝関節の組織の炎症 変形性膝関節症 寝ているときの膝の痛みの原因を知り、必要に応じて病院での受診も検討しましょう。 筋肉の緊張 横向きで寝ていて膝が痛む場合、膝の筋肉が緊張し、こわばっている可能性が考えられます。 寝ている間は、日中に比べて膝を動かしていない時間が長いため、膝の筋肉が収縮・緊張しやすい状況です。 さらに、横向きで寝ると下になっている膝に負担がかかり、血行不良で筋肉が緊張し、痛みにつながります。 また、加齢や運動不足も、膝周りの筋肉が固まり痛みを感じる原因になります。こまめに膝の筋肉のストレッチをするなど、膝周りの筋肉をほぐすことを意識しましょう。 膝関節の組織の炎症 横向きで寝ると膝が痛い場合、膝関節の組織の炎症が原因かもしれません。 膝関節の組織でよくある炎症として、「半月板損傷」「関節リウマチ」が挙げられます。 半月板とは、大腿骨と脛骨の間にある線維軟骨で、膝関節のクッションの役割をしています。外傷や加齢により、半月板に亀裂が入り痛みが生じる状態を「半月板損傷」といいます。 また、関節リウマチは自己免疫疾患の1つです。免疫異常により、関節の滑膜と呼ばれる部分に炎症が起こると、膝に痛みを感じることがあります。 いずれも、慢性化すると歩行が困難になるケースもあるため、膝の痛みが続いている場合は早めに整形外科などで受診しましょう。 変形性膝関節症 横向きで寝ると膝が痛むのは、変形性膝関節症の可能性も考えられます。 変形性膝関節症は、加齢や度重なる膝への負担から、軟骨が摩耗して起こる疾患です。 最初は膝の違和感程度でも、進行すると立ち上がりや歩き出しといった膝を動かすタイミングに痛みを感じるようになります。膝が伸ばしにくくなることもあり、寝ていても痛みを感じるという人も少なくありません。 変形性膝関節症の治療としては、温めたり冷やしたりする物理療法のほか、薬物療法や手軽に取り組めるストレッチが効果的です。 膝が痛くて眠れないときの対処法3選 膝が痛くて眠れないときに、今すぐできる対処法は以下の3つです。 寝る時の姿勢を工夫する ストレッチをする 温める、もしくは冷やす 本章が、寝る時の膝の痛みに悩んでいる方の参考になれば嬉しく思います。 寝る時の姿勢を工夫する 寝る時に膝が痛い場合、寝方を工夫してみましょう。 横向きで寝ると、身体にひねりが加わり、膝に負担がかかりやすくなります。そのため、基本的には仰向けで寝ることをおすすめします。 もし仰向けで膝を伸ばした際に痛みが出る場合は、膝下にクッションを挟んで寝るのもおすすめです。 うつ伏せなど顔が下になる寝方は、膝周囲の血流が阻害されやすくなるため避けましょう。 ストレッチをする 膝の痛みで眠れない場合、膝周りの筋肉をほぐすストレッチをするのも良いでしょう。 ストレッチによって膝まわりの血流が良くなると、こわばりがほぐれ、痛みが和らぐ可能性があります。とくに、ふくらはぎにある腓腹筋や、太ももの裏にあるハムストリングのストレッチが効果的です。 具体的なストレッチ方法は以下のとおりです。 膝の痛みを軽減するための、腓腹筋のストレッチ 1. 壁や椅子の背もたれに手をつき、脚を交差させます 2. 前脚の膝を曲げていき、後ろ脚のふくらはぎの伸びを感じます 3. 気持ちが良いところで20秒キープします 4. 左右の脚を入れかえて1〜3を、1日3セット行います。 膝の痛みを軽減するための、ハムストリングのストレッチ 1. 地面に座り脚を開きます 2. 背筋を伸ばした状態で、片側のつま先に向かって、体を倒します 3. 気持ちが良いところで20秒キープします 4. 左右の脚を入れかえて1〜3を、1日3セット行います ストレッチは即効性が高くないため、継続でおこなう必要があります。無理のない範囲で習慣的に実施しましょう。 温める、もしくは冷やす 寝ているときに膝が冷えると、血流が悪くなり、膝がこわばって痛みを感じることがあります。夏場はエアコンが直接膝にあたらないようブランケットなどを活用するなどの工夫が必要です。 一方、寝ているときに膝が熱を持っていたり腫れていたりする場合は、患部を冷やすのが効果的です。アイスパックや氷嚢などを使って冷やせば、膝周りの血管が収縮し、炎症や痛みを抑えられる可能性があります。 もし、温めても冷やしても膝の痛みが引かない場合は、医療機関を受診の上、痛み止めの薬を服用しても良いでしょう。 寝てるときの膝の痛みで病院に行く目安 横向きで寝ると膝が痛い状態が続く場合、以下の項目に当てはまるかチェックしてみましょう。 寝ているときや朝起きたときに痛みを感じる 膝を伸ばすときに引っかかる感じがする 立ち上がりや歩き出すときに膝に痛みが走る 正座すると痛みがある 1つでも該当する項目がある場合、変形性膝関節症の可能性も考えられます。 早期発見・早期治療につなげるためにも、寝ているときの膝の痛みが気になる場合は医療機関に相談しましょう。 まとめ|横向きで寝てるときの膝の痛みが続くなら医療機関を受診しよう 本記事では、横向きで寝ると膝が痛いときの原因や、自分でできる対処法を紹介しました。 横向きで寝ると膝が痛むときは、筋肉の緊張によるこわばりや、膝の疾患が考えられます。筋肉の緊張が原因の場合、ストレッチなどでほぐすと痛みが和らぐ可能性があるため、ぜひ試してみてください。 変形性膝関節症などの疾患は、自己判断が難しい上に、放置すると歩行が難しくなるリスクもあります。ストレッチなどをおこなっても痛みが引かない場合は、早めに整形外科に相談しましょう。 ちなみに、当院「リペアセルクリニック」では、変形性膝関節症など膝の痛みに効果が期待できる再生医療を実施しています。 「人工関節の手術が怖い」「膝の痛みを根本的に治療したい」と考えている方は、ぜひ一度当院にご相談ください。 本記事が、寝る時の膝の痛みで病院に行くべきかの判断材料として役立ったのであれば嬉しく思います。 変形性膝関節症の再生医療は以下のページもご覧ください。 横向きで寝ると膝が痛いときによくある質問 朝起きると膝が痛い理由はなんですか? 朝起きて膝が痛むときは、寝ている間に膝周りの筋肉が緊張して固まっている可能性があります。 筋肉の緊張だけでなく、半月板損傷や変形性膝関節症の可能性もあるため、痛みが続くなら整形外科を受診しましょう。 変形性膝関節症の初期症状は? 変形性膝関節症の初期症状として、歩き始めや階段の上り下りなどをした際に痛みを感じることが挙げられます。また、あぐらができない、しゃがめないといった症状を自覚することもあります。 膝を動かしたときに痛み・違和感があるなら初期症状の可能性があるため、医療機関への相談がおすすめです。 変形性膝関節症の初期症状については、以下の記事も参考にしてください。
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変形性膝関節症に悩むスポーツ選手へ、復帰を目指すための最新の治療法について スポーツ時に膝に痛みを感じたことがある方は多いのではないのでしょうか。 スポーツは、ジャンプ動作のほか、急な停止や発進・方向転換をするなどして、膝に大きな衝撃が加わりやすく、膝(半月板や靭帯)を傷めやすいものです。さらにこれまでの研究から、半月板や靭帯を損傷すると、ある病気の起因になることがわかっています。 それが「変形性膝関節症」です。 変形性膝関節症は、軟骨が摩耗することで膝に痛みを感じるほか、関節が変形する疾患です。一般的には50代以降の女性に多く発生しますが、スポーツ選手のように日頃から関節に負担がかかるような過ごし方をしていると、「年齢や性別に関係なく軟骨が磨耗し発症」します。 今回の記事では「変形性膝関節症を発症したスポーツ選手が、どのようにスポーツ復帰を目指すのか」最新の情報を含め、変形性膝関節症に悩むスポーツ選手に、復帰を目指していただけるよう最新の治療法をご紹介してまいりましょう。 膝の負傷|スポーツへ復帰するまでの流れ 負傷してすぐの痛みのある場合は、無理をせず安静にし、保存療法により炎症や痛みを抑えます。痛みのレベルに合わせて、徐々に運動療法を取り入れ、スポーツ復帰を目指していくことになります。 実際のスポーツの動きを取り入れたり、運動強度を上げたりする際の目安は、「日常生活で膝に痛みや支障を感じない状態」程度です。 スポーツ復帰後の最終的なレベルは、膝に痛みが出ない範囲までの運動強度とします。 変形性膝関節症の運動療法で気をつけること スポーツ復帰に向けて運動療法を取り入れる際には、以下のような「膝に負荷のかかる要素」を取り除くことが大切です。 運動療法で気を付けたいこと 1)衝撃の強い運動を避ける 2)軽度な運動からスタートし、徐々に強度を上げる 3)ダイエットをして膝への負担を軽くする 4)インソールを着用する 詳しく解説していきます。 1)膝への衝撃が強い運動は避ける 変形性膝関節症では、してはいけない運動があります。それは、衝撃の強い運動です。 例えば、ジャンプ動作のほか、急な停止や発進・方向転換です。 痛みが緩和されれば運動を再開しますが、その際、衝撃が強い運動は避けるようにしましょう。 2)軽度な運動からスタートし、徐々に強度を上げる たとえ膝に痛みがあったとしても、全く動かさないでいると筋肉や関節が拘縮し、元の運動レベルまで回復するのに時間がかかります。 そのため、ウォーキングやプールでの運動、軽度なストレッチや筋力トレーニングなどからスタートし、徐々に運動強度を上げて本格的にスポーツへの復帰を目指します。 プールでの運動は、浮力が関節への負荷を軽減するので、痛みが強い方にはおすすめです。 3.4)ダイエット/インソールの着用で、膝への負担を軽くする また、膝に負担がかかる原因に、下肢のアライメント異常や、肥満があります。体重が重たいと膝への負担が上がるので、減量することをおすすめします。 また、下肢にO脚変形性を呈する場合は、靴にインソールを装着することで膝の内側にかかる負荷を軽減させたりします。 このように、スポーツへの復帰に向けて運動に取り組む際には、膝に負荷がかかる要素を取り除くことが大切です。 変形性膝関節症は、よくある筋肉痛と違い、痛みを感じたまま放って置いて治るものではありません。痛みに耐えながらスポーツを続けると、状態が悪化し、今後の選手生命が短くなる可能性があります。そのため、スポーツをする頻度や時間、強度は慎重に調整しましょう。 保存療法でも思ったような効果がみられず、軽度な運動でも痛みが強く出てしまう場合、手術という選択肢があります。ただし、手術によってはスポーツに支障が出るため注意が必要です。 変形性膝関節症|一般的な手術と、手術を避ける最新の治療方法 保存療法でも効果がみられなかった場合、観血療法(手術)という選択肢があります。 体への侵襲が低い順に、「関節鏡下視手術」「高位脛骨骨切り術」「人工関節置換術」があります。さらに最新の治療法「再生医療」についてもご紹介していきます。 手術のタイミングや適応される手術方法は、持病の有無・年齢・症状の程度によっても異なります。「大きな手術をしたくない」など個人の思いによっても使い分けられます。 関節鏡下視手術 ・膝に開けた小さな穴から手術器具を入れ、損傷した半月板や関節軟骨を取り除く手術法です。 ・体への侵襲は低く、手術は手術時間も 1 時間程度です。 ・術後すぐに歩くことができることからスポーツへの早期復帰が見込まれます。ただし膝に違和感なく歩けるようになるまで数ヶ月から半年ほどかかります。 高位脛骨骨切り術 ・脛骨の一部を切り取り、膝にかかる偏った負担を整える手術法です。 ・変形性膝関節症に多いO脚変形を矯正し、膝関節の内側への負担を軽減させます。 ・入院期間は2ヶ月程度、そこからリハビリテーションに5〜6週間必要 ・スポーツへの復帰するまで時間がかかります。 人工関節置換術 ・金属やチタンなどを使い、傷んだ膝関節を人工の関節に置き換える手術。 ・入院期間は1ヶ月程度と、高位脛骨骨切り術と比べて短いことが特徴。 ・関節鏡視下手術や高位脛骨骨切り術と比べ、痛みに対して高い改善度合いが期待できる。 ・術後は正座のように、膝を深く曲げられなくなる(屈曲制限)。 ・スポーツ時のパフォーマンスに大きな影響が出る可能性があり復帰には疑問符がつきかねません ・人工関節に劣化や緩みがみられた場合には再手術になります。 最新療法「再生医療(スポーツのQOLの維持(復帰)に最強)」 再生医療は、運動療法や薬物療法と手術の中間に位置する新たな治療法として注目されています。 再生医療では、人間なら誰もが持つ「傷んだ部位を治そうとする働き」を利用した最新の治療法で、損傷した部位の治癒を促進させるほか、これまで不可能とされてきた軟骨や靭帯、半月板の再生が期待できます。 大きな手術や入院は必要なく、日帰りで行える、体への侵襲が最も低い治療法です。手術には選手生命に関わるような合併症のリスクがありますが、再生医療では自分の血液や脂肪由来の幹細胞を使うため、副作用のリスクはほとんどなく、スポール選手にとって最も理想的な治療方法といえるものです。 PRP療法と幹細胞治療について、以下で詳しく解説していきます。 1.PRP(血小板血漿)療法 ・損傷部位の修復を早める血小板や成長因子を利用し、膝の痛みや炎症を抑え、傷んだ部位の治癒を促進させます。 ・治療の流れとしては、遠心分離機にて血漿成分を抽出し、関節内に注射するだけと日帰りで行えます。 ・アメリカではスポーツ選手を中心に実施され、現在では一般の方々への治療法としても広く導入されています。 2.自己脂肪由来「幹細胞治療」 ・培養した幹細胞を膝に注射し、磨耗した軟骨・靭帯・半月板を再生させます。 ・幹細胞には内蔵や皮膚・筋肉など、さまざまな細胞に分化(変化)する能力があります。 ・米2つぶほどの脂肪を採取後、4〜6週間かけて幹細胞を培養・増殖し、関節内へ注射します。 ・PRP療法同様に日帰りで、痛みもほとんど伴わない治療法です。 >幹細胞治療をもっと詳しく https://youtu.be/va9s3tWdgq8?si=wPsHJZLVdU-ibJGy ▲当院の症例をご紹介。「半月板損傷」と「変形性膝関節症」が同時発症!マラソンが趣味の患者様。 まとめ・変形性膝関節症に悩むスポーツ選手へ、復帰を目指すための最新の治療法について 変形性膝関節症のスポーツ選手が、現場復帰を目指すにあたり重要なのは見極めです。膝に強い痛みを感じたまま運動をすると悪化する可能性がありますが、痛みから膝を全く動かさないのもまた問題です。膝がどのような状態なのかを見極めて、それに適した治療を施すことが、早期のスポーツ復帰につながるほか、選手生命の長期化になります。 運動療法などの保存療法でも効果がみられなければ、手術がありますが、スポーツからの離脱期間が発生したり、可動域が制限されたりするなど、パフォーマンスに影響が出ます。またスポーツ選手は絶えず膝に負荷がかかる生活を送ることから、手術をするのかどうかの判断は難しいところです。 そうした事情から、「湿布や運動療法では効果がみられなかったけど、手術は避けたい」方には、保存療法と観血療法の中間に位置する「再生医療」があります。 体に大きな負担をかけず、入院や手術の必要のない新たな治療法として期待されるほか、変形性膝関節症の初期から治療に取り組むことで、悪化を防ぎ、パフォーマンスをあげ、少しでも長く選手生活を続けられる可能性が広がりました。悩んでいる方は、まずは一度ご相談をされみることをおすすめします。 以上、変形性膝関節症を発症したスポーツ選手が復帰を目指すために取り組むための治療法について解説いたしました。 当院は再生医療専門のクリニックです。お力になることができれば幸いです。 詳しくは無料相談をご利用ください。 ▼ スポーツの故障は再生医療が大きな力になる節症を治療する 変形性膝関節症は、再生医療により手術せずに症状を改善することができます ▼こちらもご参照ください 変形性膝関節症の発症原因!運動、スポーツで注意すべきこと
2021.12.20 -
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変形性膝関節症の治療ガイドライン(治療方針)に基づいた運動療法とは 「変形性膝関節症のため、膝が痛い」そんなお悩みはありませんか? 変形性膝関節症は、膝にかかる衝撃を吸収・分散する役割を担う関節軟骨がすり減ることで、関節内部に炎症が起きるほか、関節に変形が起こり痛みを感じる疾患です。 男女比は、女性に多く、年齢は50代以降と年を重ねるほど罹患率は高くなります。 膝の痛みで病院を受診し、変形性膝関節症と診断されると、膝に負担がかかる日常生活を見直すよう指導されるほか、運動療法により膝を安定させる筋肉を鍛えるよう指導されます。 このような治療方針は、変形性膝関節症の「診療ガイドライン」に基づき決定されています。この記事では、「変形性膝関節症のガイドライン」と、それに基づいた運動療法をご紹介します。 変形性膝関節症との診断で指導されるガイドライン(治療方針) ・日常生活を見直すよう指導(膝に負担がかからぬよう) ・運動療法(リハビリ)で筋肉を鍛えて膝を安定させる 変形性膝関節症のガイドライン(治療方針)とは 変形性膝関節症には、糖尿病診断に用いる血糖値・HbA1cというような基準が確立されていません。 そのため変形性膝関節症の進行度合いや、治療効果を評価するために各国独自で診療ガイドラインが作成されています。日本では日本整形外科学会の定めた「変形性膝関節症の管理に関するOARSI勧告 OARSIによるエビデンスに基づく「エキスパートコンセンサスガイドライン変形性膝関節症ガイドライン」があります。 これは変形性膝関節症唯一の国際学会であるOARSIが定めたガイドラインを翻訳し、日本人向けに適合させたガイドラインです。 そんな日本整形外科学会の変形性膝関節症ガイドラインには「定期的な有酸素運動、筋力強化訓練および関節可動域訓練を実施し、かつこれらの継続を奨励する」と記載されていることからも、変形性膝関節症の治療に、運動療法が有効だと推奨されています。 運動療法を行うことで、筋力低下、加齢により不安定になった膝の安定性を高め、痛みをかばうことで拘縮が起きている膝の可動域を向上させます。 また運動療法は、膝への負担になる肥満の解消にもつながることからも、変形性膝関節症に対して基本の治療として評価されています。 ”引用:変形性膝関節症の管理に関する OARSI 勧告―OARSI によるエビデンスに基づくエキスパートコンセンサスガイドライン(日本整形外科学会変形性膝関節症診療ガイドライン策定委員会による適合化終了版)” https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/106/1/106_75/_pdf/-char/ja ガイドライン(治療方針)に基づいた痛みを緩和する運動療法とは 次にガイドラインに記載されている「有酸素運動」「筋力強化訓練」「可動域訓練」を紹介していきます。 有酸素運動 有酸素運動とは酸素を取り込みながら行う運動で、ウォーキングのほか長距離走・ヨガなどがあります。有酸素運動は酸素を取り込まずに行う無酸素運動と比べて、緩やかな運動が多いため、変形性膝関節症のように膝に痛みを抱えている方にはおすすめです。 その中でもウォーキングや、プールなどでの水中運動が変形性膝関節症の方に一般的な有酸素運動です。 変形性膝関節症の方のウォーキングは、無理のない距離とペースで取り組むことが大切です。1日1万歩と推奨されていることがありますが、無理に行う必要はありません。 無理をすると、かえって膝を傷めるばかりか、痛みが落ち着くまで運動に取り組めないなど、治療に支障をきたします。 またウォーキングをすると、痛みが強く満足に取り組めない場合は、プールでの水中運動がオススメです。水中では浮力がかかる分、膝をはじめ全身への負荷が下げることができます。 筋力強化訓練 大腿四頭筋などを筋力強化することで、膝の安定性が増します。代表的なものに、足あげトレーニングがあります。椅子に座った姿勢、または仰向けに寝転んだ状態で行います。 片側の膝を伸ばし、90度(寝た状態では30〜45度)挙上した状態で10秒ほどキープ、降ろして数秒間休憩します。これを20回繰り返します。全身を動かすウォーキングと違い、低負荷で大腿四頭筋をピンポイントに鍛えることができます。 可動域訓練 膝に痛みがある状態では、立ち座り、歩くといった動作がおっくうになってしまい、次第に関節の可動域が低下します。可動域が低下すると関節の柔軟性がなくなり余計に痛みを感じやすくなることから、普段から膝を曲げ伸ばしして、可動域を広げていく必要があります。 可動域訓練は、足あげトレーニングと同じ座った姿勢で、膝を曲げたり伸ばしたりすることにより可動域を広げていきます。筋力強化訓練・可動域訓練ともに椅子に座りながら行える点から、どちらの運動をしているのか混同しないように、意識して使い分けることがポイントです。 まとめ・変形性膝関節症の治療ガイドライン(治療方針)に基づいた運動療法 今回紹介した有酸素運動・筋力強化訓練・可動域訓練に取り組むにあたり、いきなり長い距離を歩いたり、強度な運動をすると、かえって膝の負担になります。 くれぐれも無理はせず、これまでの運動習慣や痛みの程度と相談しながら運動に励みましょう。 また歩行で痛みを感じる際には「杖の使用」をおすすめします。一般的な杖に、持ち手がT字のものがありますが、最近ではノルディック杖のようなスポーティーなタイプも普及しており、選択肢は増えています。 変形性膝関節症になると、膝の痛みをかばい、活動量が減ってしまいがちですが、ガイドラインで推奨されているように、体を動かしながら悪化を防ぐことが基本的な治療方法だと覚えておきましょう。 もし、膝関節の痛み、変形性膝関節症でお悩みなら私どもにご相談ください。先端分野である再生医療でお役に立てるかもしれません。症状は、遅れれば遅れるほど進行する恐れがあります。 痛みは早期治療が大原則です。 もう一つの再生医療(幹細胞治療) 当院にいただくお問い合わせでよくお聞きするのは、 「治療に行ってもヒアルロン酸の注射や、痛み止めしかなく、改善しない」ということ。 実のところ、従来の治療では、現在の症状を回復させることはできず、痛みを緩和することしかできません。それもそのはず、痛みを伴う軟骨のすり減りを改善させることは難しく、痛みを少なくする方法しかなかったからです。 その結果、症状が進行し、人工関節の手術ということになりがちでした。そんな中、医学の進歩で「再生医療」という医療分野が発達してまいりました。 自分自身の「幹細胞」を用いた自己治癒力で軟骨を再生できるようになったのです。 当院は厚生労働省から認められた再生医療専門です。 「幹細胞?」「自己治癒力?」「再生医療?」・・・ご不明点は、ご遠慮なくお問い合わせください。 https://youtu.be/NbYAdVr0ez4?si=u1H7cYbPCXLhAya8 ▲リペアセルクリニック医師が解説。こちらの動画も参考になりましたら幸いです。 ▼ 再生医療なら変形性膝関節症の新たな治療法に取り組めます 変形性膝関節症は、「再生医療」により手術せずに症状を改善することが可能です ▼以下もご参考していただけます 変形性膝関節症の進行を予防するために!膝の負担を減らす方法を医師が解説
2021.12.13 -
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変形性膝関節症と半月板損傷の違い、症状と治療について 膝に痛みを感じる代表的な疾患が、変形性膝関節症と半月板損傷です。変形性膝関節症は加齢や筋力低下から発生し、長い年月をかけてゆっくりと進行します。一方、半月板損傷は運動時に足を捻ったなど明らかな要因があることを特徴とします。 両者とも膝に痛みが発生する疾患ではあるものの、発生原因や診断方法・治療法などは異なります。ですので、間違えた治療法を施してしまうと余計に悪化する恐れから、自分で判断しないなど注意が必要です。 そこで今回の記事では、変形性膝関節症と半月板損傷の違いから、治療の注意点・両者の関連性まで解説しますので、膝に痛みを抱えている方はぜひご覧ください。 変形性膝関節症とは 変形性膝関節症は50代に女性に多い疾患です。加齢や筋力低下から関節内で軟骨が摩耗し、その骨片が滑膜を刺激することで痛みを感じる疾患です。進行すると骨の増殖がみられたり、外見からわかるO脚やX脚(日本人ではほとんどがO脚)がみられたりと、膝関節の内外を問わず変形がみられます。 変形性膝関節症の症状 最初は膝の違和感程度ですが、進行すると立ち上がり、動き出しに痛みを感じるようになります。進行すると痛みで歩行が困難になるほか、痛みをかばうことで関節に可動域制限がみられ、正座ができなくなど悪循環に陥ります。さらに末期になると、安静時にも痛みを感じるようにまでなります。 変形性膝関節症の診断 変形性膝関節症はX線検査(X-ray)で診断されます。画像診断では関節の隙間や、骨の硬化・増殖の程度から進行度を確認します。初期には膝に違和感を感じたとしても、画像上では明確な所見を確認できないこともおおく、長い年月をかけて進行する病気です。 変形性膝関節症の治療法 変形性膝関節症を発症すると、まずは保存療法です。膝に負荷がかかる動作を止めるなど、生活習慣を見直したり、筋力をつけるために運動に取り組んだりします。保存療法でも効果が見られない場合には手術が適応されます。 半月板損傷とは 半月板損傷は、膝関節を構成する大腿骨と脛骨の間にある半月板を損傷することです。半月板は膝にかかる荷重の分散や吸収の役割をすることから、立つ・歩くだけでなく激しい動作を必要とするスポーツには欠かせない存在です。 しかしバレー・バスケット・野球・陸上などの急激な方向転換や、瞬間的に発揮される力が膝への負担になり、スポーツ障害の中でも頻発する疾患です。発症年齢はスポーツをしている子供から大人まで年齢を問わず発生します。 半月板損傷の症状 半月板を損傷すると、膝に痛みや腫れ、可動域制限が出現します。特に患側の脚に体重を乗せた時に感じる荷重痛や、関節の隙間に半月板が入り込むことで膝を伸ばせなくなる”ロッキング”が起こります。 半月板損傷の診断 半月板損傷の診断には、マックマレー(McMurray)テストや圧迫アプライ(Apley)テストのような徒手検査、MRI(Magnetic Resonance Imaging)といった画像検査などを複合して診断されます。 半月板損傷の治療法 半月板を損傷するとRICE処置を行います。安静(Rest)をベースに、患部を冷却(Ice)圧拍(Compression)挙上(Elevation)します。RICE処置により血管を収縮させ、さらなる炎症を抑えます。保存的に経過を観ても関節水腫を繰り返す場合、ロッキングがみられる場合には手術検討されます。 変形性膝関節症と半月板損傷の違いと関連性 発症の違い 変形性膝関節症は、加齢や筋力低下を原因に長年かけて進行する疾患なので、スポーツで脚を捻るほか、瞬発的な力が働くことが原因で起こる半月板損傷とは違いがあります。 経過による痛み方の違い 変形性膝関節症の初期は、膝に違和感や痛みを感じますが、歩けば馴染むことがあります。しかし変形が進行すると痛みが増すことが特徴です。 一方半月板損傷は、受傷直後が1番腫れや痛みが強く、荷重をかけると痛みが強調されますが、経過とともに徐々に緩和されていく特徴があります。しかし損傷の程度が大きい場合や、その後の過ごし方が悪ければ、時間の経過とともにさらに損傷が悪化し、痛みが増強することから注意が必要です。 治療方針の違い 変形性膝関節症は、膝に痛みが出ない範囲で無理なく筋力トレーニングを実施します。半月板損傷は運動時の突発的な怪我なので、治癒するまでは安静が原則です。 まとめ・変形性膝関節症と半月板損傷の違い いかがでしたか?ここまで変形性膝関節症と半月板損傷の違いを解説しました。変形性膝関節症は長年にわたり進行または慢性化する疾患ですが、半月板損傷はスポーツなどの突発的な怪我が原因で発生することが多い疾患と違いがあります。 しかし半月板を損傷すると、変形性膝関節症につながるケースがあることから、損傷が治癒したとしても膝周囲(特に大腿四頭筋)を鍛え予防に努めましょう。 また半月板損傷はスポーツ時の怪我と紹介してきましたが、中には生まれつき半月板に形態的異常を認める、“円板状半月”が原因で痛みを感じる場合があるため、「脚を捻った」など思い当たることがないからといって安心ではありません。 以上、変形性膝関節症と半月板損傷の違いについて解説してまいりました。 膝に痛みを抱える方は、くれぐれも自身で判断せず医師の診断・治療を受けましょう。 ▼ 再生医療が変形性膝関節症の治療を変える 変形性膝関節症に再生医療という選択肢!幹細胞治療なら入院も手術もせずに症状が改善 ▼こちらもご参考下さい 半月板損傷!そもそも半月板とは?膝が痛むその原因、検査と治療法
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変形性膝関節症|症状の緩和と体重管理・ダイエットとコントロール この記事を読まれようとしているあなたは、「階段の上り、下り」で膝が痛くて困ったことはありませんか?現在、膝の痛みで困っている人は日本国内で2000万人以上もいるといわれています。 膝の痛みの原因となっている病気の一つとして、変形性膝関節症が挙げられます。 本記事では、変形性膝関節症の症状は、体重を減らすことが膝の痛みの軽減に重要な要素であり、体重を管理することが症状の緩和につながること。そして、その方法をご説明しています。 「膝の痛みが気になる」「最近、体重が増えた」という人は、ぜひ参考にしてみてください。 変形性膝関節症とは 変形性膝関節症とは、膝の軟骨が摩擦などですり減り、痛みを起こす病気です。歩行や「階段の上り下り」など、膝の曲げ伸ばしには膝関節の骨と骨の間にある軟骨が大きく関わっています。 膝軟骨が擦り減っていき、骨同士が擦れると炎症反応を起こします。この炎症反応が痛みに繋がるのです。変形性膝関節症の原因となる要素は次のようなものがあります。 ・肥満 ・年齢 ・遺伝 それぞれの項目について、詳しく解説します。 ・肥満を避ける 肥満によって脂肪細胞の量が増える。つまり体重が増加するということですね!体重が増えると膝に大きな負荷がかかります。膝には体重増加の3倍もの負荷がかかると考えられているからです。 例えば、体重が10㎏増加すると、膝には30㎏の負担がかかっているということになり、こうした体重以上の負担が膝にかかることで変形性膝関節症に繋がるのです。当然、体重が増えれば、増えるほど危険性は増えていきます。 また、すでに変形性膝関節症になってしまった方なら、当然ですが膝への負担を和らげてやる必要があります。その意味でも体重管理は膝の健康のために非常に重要になってくるということです。 ・年齢 加齢に伴う筋力低下、特に太ももの筋力が低下することで、膝軟骨のすり減り、変形性膝関節症の原因となると考えられています。筋力が衰えると膝を支える力が低くなり、膝関節そのものへの負担が増えてしまいます。 ・遺伝 遺伝によって、膝軟骨がすり減りやすい人がいるといわれています。家族に変形性膝関節症の人がいる場合はあらかじめ気を付けておいた方が無難です。身内にこの病気にかかった人がいるなら、日常の体重管理を意識して行うようにしたいものです。 これらの要素に加えて、骨折や靭帯損傷も変形性膝関節症の原因になる可能性があります。変形性膝関節症が悪化すると、痛みが強くなり、日常生活に支障が出てしまいます。 変形性膝関節症の痛み 変形性膝関節症の症状として困るのは、膝の痛みがみられることです。では、どのような場面で膝の痛みが現れるのでしょうか?変形性膝関節症の患者さんの多くは、次のようなときに痛みを感じるといわれています。日常生活で、当てはまるものがあるかチェックしてみましょう。 痛みを感じる場面 ・立ち上がるとき ・歩き始めるとき ・階段の上り下り ・寝ているとき 特に、「階段を下りるとき」に痛みを感じることが多いようです。また、「膝の内側を押すと痛みがある」という人も、変形性膝関節症の疑いがあります。 変形性膝関節症が悪化すると、痛みが強くなり、日常生活に支障が出てしまいます。安静にしていても痛みが消えない、痛みが酷くなる場合は、放置せずに病院の整形外科を受診しましょう。 膝の負担を軽減しよう 変形性膝関節症の場合、膝への負担を少なくする工夫が大切です。次のようなことが効果的といわれています。 膝への負担を避ける工夫や行動 ・体重を減少させる(ダイエット) ・洋式トイレを使う(和式を避ける) ・身体を温める、血行を良くする(サポーターも有効) ・正座を避ける(洋風の生活環境) 膝の痛みが気になる人は、まずは日常生活で膝への負担を減らすために洋風の生活(床に直接座らないような)への転換、ライフスタイルをお勧めします。意識して行うことで症状の悪化を防止しましょう。 体重を落とそう ここからは、体重管理、体重を減少させることが変形性膝関節症に効果的であることをご説明します。体重の減少!ダイエットは、膝の関節への負担を直接減らすことに繋がります。 運動療法には、膝の痛みについて、次のように様々なメリットがあります。 運動療法の有効性とメリット ・脂肪の増加を抑える → 体重が減少する ・筋力をつける → ぐらつく膝関節を支えることができる ・新陳代謝の改善 → 膝を含め身体全体の再生を促す つまり、体重を管理することは膝関節への負担を減らすことができるのです。標準体重より多めなら積極的なダイエットで体重を落とすようにしてください。 しかし、注意が必要なことがあります。それは体重を減らそうとした運動の仕方によっては膝への負担を増やしてしまう可能性があることです。 膝の曲げ伸ばしが多い運動や、激しいスポーツは、膝の負担を減らすどころか、逆に痛みを酷くしてしまうことがあります。膝の痛みを感じない程度のウォーキング、寝ながらのストレッチを無理のない範囲で継続していくのがオススメです。 運動できないときの体重管理・ダイエット方法 肥満を改善するためには、運動療法・食事療法が有効といわれています。すでに膝に痛みを感じるなど、運動で体重を減らすのが難しいと感じる人は、次の食事療法によるダイエットを試してみましょう。 食事療法といっても、急激な食事制限はリバウンドや体調悪化の原因となり、逆効果です。次に紹介する、体重を抑えたいときに効果的な食事方法を参考にしてダイエットにお取組みください。 食事療法|体重コントロールで効果的な方法(ダイエット) ・早食いを控える ・まとめ食いを控える(ドカ食い) ・ながら食いを控える ・つられ食いを控える ・よく噛んで食べる ・不要な食品を買わないようにする ・身の回りに菓子類、甘いドリンクを買わない!置かない! それぞれの項目について、詳しく解説していきます。 ・早食いを控える 早食いは体重増加に繋がるといわれています。満腹中枢が刺激され、満足感が得られるにはある程度の時間が必要といわれています。そのため、満腹中枢が働く前に必要以上に食べ過ぎてしまうのです。 ・まとめ食い(ドカ食い)を控える 一度に多くの量を食べると、血糖値が急激に上昇します。血糖値の急激な上昇は体脂肪や体重の増加に繋がりますので気を付けましょう。 少ない量をこまめに食べるようにすると、血糖値の上昇も緩やかになり、体重の増加を抑えることができるといわれています。 ・ながら食い、つられ食いを控える、よく噛んで食べる テレビや動画を観ながら食べるなど、食事に集中せずに食べていると、食べ過ぎてしまいがちです。食事の見た目や匂いを気にしながら食べるだけでも、食事への満足感が増え、食べ過ぎを防ぐことができるのです。 周りにつられて食事の量が多くなることを避けましょう。家族や友人などとの食事で、ついつい同じように食べてしまうことがあります。自分の食べる量を見極めて食事するようにしましょう。 周りにつられないため、大食いにならないコツは、よく噛んで、ゆっくり食べることが大切です。シッカリ嚙めば普段より少ない量で、満腹感を得ることができるといいます。 また、食べ過ぎないように食べたものの記録を付けるのも有効だと言います。食べ過ぎの罪悪感を利用するのです! ・不要な食品を買わない、菓子類を身の回りに買わない!置かない! 誰にも意思の弱い面があって当然です。手の届くところ周りに食べ物があると、「つい手伸ばしたくなるものです」。それなら、買い物のときに不要な食品を買わないようにしたり、同様に菓子類や甘い飲み物は、買い物カゴに入れないようしましょう。入れそうになったら「ダメダメ!」「イカン!」と思うようにしましょう。 食事についての意識を変えるだけでも、立派な体重管理、ダイエットに繋がりますので、ぜひお試しください。 まとめ・変形性膝関節症|症状の緩和に必要な体重管理と、そのコントロール 本記事では、変形性膝関節症の予防や膝の痛みの防止には、体重コントロール、ダイエットが重要であることをご説明しました。ライフスタイルの改善が、変形性膝関節症の予防や、膝の痛みを食い止めることに繋がります。 体重を管理する方法を決めて楽しみながら取り組むことができれば良いですね。そのためにも日常生活の中で出来ることから、体重コントロールに取り組んでみましょう。 以上、変形性膝関節症において必要な体重管理・コントロール、ダイエットについて記しました。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。 ▼ 再生医療で変形性膝関節症を治療する 変形性膝関節症は、再生医療により手術せずに症状を改善することができます ▼以下も参考にされませんか 変形性膝関節症のお悩み|新たに注目される最新の治療法とは
2021.12.10 -
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変形性膝関節症の原因と初期症状、治療方法とそのポイント 皆さんは、日々の暮らしの中で階段の昇り降りなど、膝を曲げ伸ばしする場面で「膝の痛み」を感じることはありませんか? 年齢を重ねて中高年になると、生活の中で膝の痛みを感じる場面が増えてきます。実は、そんな場合「変形性膝関節症」といわれる病気を患っている可能性があります。 変形性膝関節症を早期に発見し、治療に入るためには、事前にどのような症状を起こすのか知っておく必要があります。そこで早期に治療に入るために知っておきたいことを記しました。 変形性膝関節症の症状は、一気に現れず、何年にもわたって少しずつ進行していくのが特徴です。 日本で「変形性膝関節症」は、40歳以上の有病者数が約2530万人、そして有症者数が約 800万人と推定されており、代表的な整形外科疾患とされています。 その症状として顕著なのは、膝関節痛や内反膝といった「関節の変形」です。このような症状が出てくると日常生活でおこる様々な動作で痛みが発生するようになり、動きが低下してまいります。 最初、少しの痛みだからと我慢したり、様子見を決め込んで放置していると症状が進行して大変な思いをしかねません。 そこで今回は、変形性膝関節症の初期の段階から症状を見逃さないで治療を行うことの大切さと、実際の症状について解説してまいります。 1.変形性膝関節症の原因とは? 平成28年の国民生活基礎調査によれば、「関節疾患」は高齢者が要介護に至る原因の第5位にランクされ、同時に要支援、要介護に至る原因としてトップであると言われています。けして侮ってはいけません。 そのなかでも、変形性膝関節症の患者数は概ね2530万人程度と推計され、非常に多くの方がこの症状で悩まれていることが分かります。また、この病気の男女比としては1:4で女性に多くみられるほか、高齢者になるほど罹患率は高くなります。 疾患の発症および進行は、足の太ももの前側にある筋肉で大腿四頭筋の筋力の低下が影響すると言われています。 膝関節というのは、太もも側の「大腿骨」と、すね側の「脛骨」の間の関節、および大腿骨とお皿と言われる「膝蓋骨」の間の関節から構成されており、全体が滑膜という膜組織で包まれています。 これら骨と骨の接触面は、滑らかで弾力性のある関節軟骨で覆われていて、この軟骨そのものが膝の滑らかな運動を可能にして膝の衝撃を和らげてくれています。 変形性膝関節症の主な原因は、この膝関節部の軟骨の老化によることが多く、過度な運動や、肥満、遺伝的素因も関与しています。加齢によるものでは、関節軟骨が年齢とともに弾力性を失い、すり減り、関節が変形します。 また、変形性膝関節症は骨折、靱帯や半月板損傷などの外傷、化膿性関節炎などの感染の後遺症として発症することもあります。 2.変形性膝関節症の初期症状 さて、ここから変形性膝関節症の初期症状について紹介していきましょう。変形性膝関節症の初期症状は、まず「膝が痛い!(多くは内側)という症状」が多く見受けられます。 例えば、「歩き始めに痛い」、「階段の上り、下りで痛みを感じる」、「長い距離を歩いた後に痛くなるが、休むと消える」などの症状を訴え、その痛みのせいで運動が多少なりとも制眼されるようになります。 他にも「正座ができない」、「しゃがめない」、「胡坐がかけない」、「立ち仕事ができない」などの初期症状を自覚される方も少なからずいらっしゃいます。 歩いたり、階段の上り下りで、これまでとは違う・・・何か違和感じる。そのような場合でも、それが初期症状なのかもしれません。放置すると、「膝に水がたまって」膝部分が熱を持つようになることもあります。 そうなると膝を曲げようとすると膝に張りや、突っ張りなどの違和感や、強弱はありますが痛みを覚えるようになります。 変形性膝関節症の初期症状の一例 ・歩き初めに痛みを感じるようになった ・階段の上り下りで痛みを感じるようになった ・長い距離を歩くと痛むが、そのうち消える ・正座がしずらい、立ちあがりに痛みを感じる ・胡坐をかきにくくなる ・立ち仕事で膝に痛みが出る その他、膝の動作時に痛み等、違和感を感じたら、それは変形性膝関節症の初期症状かもしれません。 また、変形性膝関節症は、もともとO脚気味の人に多い病気です。病状が進行するにつれて、このO脚の程度が進んで行き、関節が変形をきたしていくことになります。 初期段階は、主に立ち上がりや、歩きはじめなど、動作の開始時に膝が痛みはじめますが休めば痛まなくなります。ところが、病状が悪化すれば正座や階段の昇降が困難となり、末期になると安静時にも痛みが走るようになります。 こうなると関節部の変形も目立ち、膝が真っすぐに伸ばすことができなくなって最終的に歩行が困難になります。 3.変形性膝関節症の治療 当初、症状が軽い場合には、内服薬や外用薬を使用して痛みを軽減し、膝関節内にヒアルロン酸の注射をおこなうことで動きをサポートします。 また、同時に保存的療法としてリハビリテーションを実践し、運動療法を行います。これは痛みのため、膝を動かさないよう安静にしすぎて、関節が固まってしまうことを避けるために行います。 そのほかにも運動療法は、筋力の衰えを防いだり、その維持といった効果を見込んで行うものです。さらに加えて膝を温めたりする物理療法も同時に行われることもあります。 また、補助具として、足底板(インソール)を用いた補助や、サポーターなど膝装具を身に着けることで膝を固定、支えることで痛みや、膝の安定感を高め、動く際の不安感を取り除くこともできます。 治療の種類/治療の選択 変形性膝関節症に気づき、運動療法(リハビリ)に取り組むことで、症状の悪化を防ぎます。運動療法でも痛みが引かない場合、「薬物療法」や「物理療法」「装具療法」などで痛みを抑えながら「運動療法」に取り組めるよう工夫します。 あらゆる手を尽くしても効果がみられない場合には観血療法、いわゆる「手術療法」という選択肢がありますが、手術によっては体への侵襲が大きな「人工関節置換術」や「高位脛骨骨切り術」が必要な場合があります。 手術をしたくない!という場合には、負担が少なく、術後の回復も早い「関節鏡視下手術」という選択肢もありますが、膝の変形が進行した状態では、関節鏡視下手術をしたところで、改善が見込めない場合があります。 治療の種類 ・運動療法(リハビリ) ・薬物療法 ・物理療法 ・装具療法 ・手術療法(人工関節置換術、高位脛骨骨切り術、関節鏡視下手術) 変形性膝関節症|治療のカギは早期発見 変形性膝関節症の治療の基本は運動療法ですが、初期から実施するのと、末期から実施するのでは大きな違いがあります。初期の運動療法には悪化を防ぐ目的があり、継続して行うとこれまで通りの生活を送れる可能性があります。 一方、発見が遅れた末期では、痛みが強く日常生活をまともに送るのは難しい状態です。そのため、満足に運動療法に取り組めず、これまで通りの生活を送れる可能性は低くなることから、「早期発見が変形性膝関節症の治療において大切」です。 膝関節の再生医療について 変形性膝関節症の一般的な治療方法は、リハビリ・関節注射・内服薬等によって痛みをコントロールする保存療法から始まりますが、変形が顕著で痛み等による日常生活への影響も大きい場合などには手術療法が選択されます。 基本的に関節の軟骨組織は自然治癒が難しく、軟骨組織の損傷により骨や半月板など周辺組織への影響も大きく出ます。痛みが強いために動くことが億劫になると、外出の機会が減り、生活の質が低下してしまうことも考えられます。 しかし中には、症状が進行していても様々な事情で手術の選択が難しい方もおられます。そのような方には、最新の治療方法として幹細胞治療があります。 幹細胞治療とは自身から取り出した脂肪組織に含まれる幹細胞を培養により増殖し、膝関節へ注入する治療法です。実は幹細胞には自ら傷ついている組織に集まり、その部分を再生させるホーミング効果というものがあります。例えば変形性膝関節症に対しては、注入された幹細胞が傷ついた関節軟骨や半月板に集約し、従来であれば一度損傷すると治癒しないと言われていた関節軟骨や半月板が修復されます。 痛みの元凶である関節軟骨や半月板が再生されれば、痛みの減少に伴い活動量が増加され、生活の質の向上が期待されます。これまでの一般的な治療では効果が感じられない方にとって、再生医療による幹細胞治療は手術を受けない根本的治療として新たな選択肢となっています。 https://youtu.be/VAxeH1j4TEY?si=Tuj40QcxTopyT6TX ▼最新の治療法についてはこちらもご覧ください。 膝の痛み/変形性膝関節症のおススメの最新治療法 4.変形性膝関節症の治療のポイント ただ、変形性膝関節症は進行性の病気なので、どのような治療を行っても症状が進行すると手術での治療を考慮しなければならなくなります。 ここでは個別に詳しく記載することはしませんが手術での治療としては、「関節鏡手術」、「高位脛骨骨切り術」、「人工膝関節置換術」などがあり、症状に合わせて実施しなければなりません。術後は、入院してのリハビリ等を含めた治療が必要となります。 このように、変形性膝関節症が明らかになると完治にいたらず、最終的に手術の選択が必要な病気です。そのため、膝に痛みや、違和感などの初期症状を感じたら、まずは病院等にて専門医の検査を受け、診断を仰ぐよう心得ましょう。 この病変は、治すことが難しい病気ですが、早期に治療を始めることで少なくとも進行を遅らせることができます。そのためにも日常生活における本疾患の予防方法として普段から気を付けて欲しいことがあります。 それは、大腿部の前の筋肉(大腿四頭筋)を鍛える。正座をさける。体重に気を配り、肥満を避け、膝を冷やさないよう、逆に温めて血行を良くするよう心がけてください。 生活面では、手すりを付けたり、足元に滑らないカーペットを敷いたり、もし、トイレも和式なら、かがまなくて済むよう洋式に変更するなど色々な面で改善が必要な事柄があります。普段の生活を根本から変えることを考えねばなりません。 変形性膝関節症の治療のポイント 進行を遅らせるヒント(適度な運動と普段の生活に気を付けましょう) ・大腿部の前の筋肉(大腿四頭筋)を鍛える。 ・正座を避ける ・体重に問題があったり、肥満気味であれば減量を心がける ・膝を冷やさないように注意する ・膝を温めて血行を良くする。 ・生活面で手すりを付けたり、足元を滑らないカーペットを敷き転倒したり、滑らないようにする ・トイレも和式なら、洋式に変更する ・地べたに座らず椅子に座る 変形性膝関節症と似たような病気 膝に痛みがあっても、全ての膝の痛みが変形性膝関節症ではありません。膝関節以外の痛みや発熱の有無など、問診や触診の情報を元に「関節リウマチ・痛風・化膿性関節炎」などを疑います。 検査では血液検査や関節液の成分を検査し、検査結果を元に変形性膝関節症以外の病気である要素を取り除いた上で、はじめて変形性膝関節症と診断されます。 ▼関節リウマチについてはこちらもご覧ください。 関節リウマチは、どんな病気?その初期症状と治療法 まとめ・変形性膝関節症の原因と初期症状、治療方法とそのポイント 変形性膝関節症は、関節のクッションの役割を果たす軟骨成分が、加齢や筋肉量の低下などにより擦り減って、最終的に骨に変形が起こり、膝の痛みが生じる病気です。 変形性膝関節症は人によって症状の出方や進行具合が異なります。変形が進んでいても、あまり痛みが出ない人もいれば、強い痛みがあっても、あまり変形が見られない人もいます。 初期の症状としては、「膝に違和感を覚える」ことが最も早く現れる症状であり、この段階では膝に負担がかかると痛みが少しある程度でそれも長続きすることは少ないです。 ただし、進行すると軟骨がすり減った分、膝関節の骨と骨のすき間が狭くなって内側の骨があらわになり、骨の辺縁にトゲのような突起物ができたり、骨が変形したりします。 また、関節をおおっている関節包と呼ばれる繊維膜の内側に炎症が起こるため、黄色味がかった粘り気のある液体が分泌されて、いわゆる「膝に水がたまった」状態にもなります。 変形性膝関節症は、時間をかけて進行し、徐々に症状が重くなっていきます。そのため、違和感を感じた初期の段階でできるだけ早く治療を始めて、病気の進行を食い止めることが重要な視点となります。 最後に、変形性膝関節症で擦り減った軟骨は、元には戻らないが定説ですが、最新の「再生医療」なら、この軟骨を再生させることが可能になってきました。早めの受診で大きく改善する可能性があります。 いずれにしろ初期症状を感じたら早めの受診をおすすめ致します。 ▼こちらもあわせて読みたい 変形性膝関節症で必要な体重コントロールについて ▼半月板損傷との違いはこちらもチェックしておきましょう 変形性膝関節症と半月板損傷の違いをご存知ですか ▼手術について知りたい方は、こちらもご覧ください。 変形性膝関節症の手術と保険費用について詳しく解説します ▼ 再生医療で変形性膝関節症を治療する 変形性膝関節症は、再生医療により手術せずに症状を改善することができます
2021.11.25 -
- ひざ関節
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変形性膝関節症に東洋医学の鍼灸(はり、おきゅう)治療が有効か考えました 「変形性膝関節症の悪化を防ぎたい」そんなお悩みありませんか? 変形性膝関節症は中高年以降に多く発生する疾患で、その原因は軟骨のすり減りを起因とし、膝に痛みや変形をもたらします。進行性の疾患だけに放っておくと悪化の一途を辿ります。 進行を防ぐためには生活習慣を見直し膝への負担を軽減させ、運動に取り組むことで膝の安定性を高めることが大切です。しかし膝に痛みがあると満足に運動に取り組むことができません。 そんな膝の痛みを緩和する手段には、湿布などの貼り薬や飲み薬のほかに、「鍼灸(しんきゅう)という選択肢」があります。 鍼灸はいわゆる「はり(鍼)」「おきゅう(灸)」と呼ばれ、中国を起源とした東洋医学の治療法です。しかし鍼灸に馴染みない方からすると、「そもそも効くのか」という疑問や、「痛そう」「熱そう」と不安を抱く方もいるはずです。 そこで今回の記事では、「変形性膝関節症に対する鍼灸の有効性」について、また安全面についてもご紹介します。変形性膝関節症の痛みで悩まれている方はご覧ください。 変形性膝関節症に鍼灸は有効なのか 鍼灸の具体的な治療法は、体にある361箇所あるとされる経絡(ツボ)の中から、膝の痛みに適した場所に、鍼やお灸を使い刺激を入れていきます。鍼の刺し方・刺激の入れ方はさまざまで、奥が深い治療です。 鍼灸で期待できる効果 変形性膝関節症への効果ですが、膝の痛みの緩和と可動域の向上が期待できます。変形性膝関節症の基本的な治療法は、運動療法により膝周囲の筋肉を鍛えることで、安定性を高めることです。 しかし痛みにより膝を動かさなくなったり、運動する機会が減ると、可動域が狭まり膝の状態は悪化するという悪循環になりがちです。 ところが鍼灸により膝の痛みが緩和されると、日常生活が楽になるだけでなく、可動域が向上し運動療法にも意欲的に取り組むことができます。また膝が安定し、軟骨のすり減りを抑えることが、膝内部の炎症を防ぎ、膝に水が溜まる「関節水腫」の予防にもつながります。 2005年に発表された論文からも、変形性膝関節症の方に鍼を刺した群と、刺さない群では、鍼を刺した群の方が、膝の機能面、痛みに対して高い治療効果が現れることが分かっています。 "参照:学会誌vol44-No2_本文-29.indd 4/8ページ” https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsop/44/2/44_9/_pdf/-char/ja 鍼灸はなぜ効くのか 鍼灸は人間が持つ傷の修復作用を利用して、痛みにより固まった筋肉の緊張を緩和させます。人間が体に傷を負うと血液循環が促進されるのですが、鍼灸では鍼やお灸を使い、あえて微細な傷を作り出すことで、血液循環を促し筋肉の緊張を緩和させます。 変形性膝関節症に対して治療点は、膝の痛みや筋緊張に関与する場所に鍼や灸を施します。 経絡でのポイントは、衝門、伏兎、梁丘、血海、陰包、足三里、殷門、委中、陰谷、委陽、承山などです。 解剖学的なポイントは、大腿四頭筋、縫工筋、薄筋、大腿二頭筋、半腱・半膜様筋、前脛骨筋、腓腹筋(内側頭・外側頭)、膝窩筋、また、関節裂隙(大腿脛骨関節・膝蓋大腿関節)、鵞足、靭帯(腸脛靭帯、膝蓋靭帯、内・外側側副靭帯など)などです。 ”参照:学会誌vol44-No2_本文-29.indd 3/8ページ” https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsop/44/2/44_9/_pdf/-char/ja 鍼灸でできないこと 鍼灸では血流を促すことで、筋肉の緊張や痛みの緩和はできても、変形性膝関節症のようにすり減った軟骨を再生させたり、変形を元に戻すことができません。軟骨の再生には再生医療という最新治療である自己脂肪由来・幹細胞治療というものがあり、変形を元に戻すには手術という選択肢があります。 https://youtu.be/VAxeH1j4TEY?si=BGSGpFFf3eL8sZxu ▲再生を実感された患者様のインタビュー動画。こちらも是非ご覧ください。 鍼灸の安全性はどうなのか 鍼灸は痛い?熱い? 鍼はステンレスや銀製の極めて細い鍼を使用します。鍼の太さは直径約0.14mm~0.30mmと、人の髪の毛の太さ0.10mmと同程度なので、鍼を刺すときもほとんど痛くないといわれています。 お灸は、療部位に置かれたもぐさに火をつけることで、温熱効果が得られます。お灸の温度は熱ければあついほど効果があるわけではなく、経絡を刺激するには程よい熱さが効果的な点からも、痛みや熱さが苦手な方でも安心して受けられる治療法になります。 鍼灸は無資格でもできるのか 鍼灸は誰でも行えるわけではなく、国家資格が必要です。 国家資格を取るためには、高等学校卒業後、鍼灸を学べる専門学校や大学・視覚障害者のための教育機関に3年以上通います。 各学校を卒業後し、国家試験を受験・合格するとはり師・きゅう師の国家資格が取得できます。このように、体の専門的な知識と技術を習得した人しか鍼灸を人に施すことはできません。 ただし薬局などで販売されている火を使わないお灸や、貼るだけで効果が期待できる円皮鍼など、資格を有しない個人でも鍼灸を取り入れることができます。 しかし、変形性膝関節症は進行する疾患であることから、個人で治療方針や方法を決定せず、進行度合いを確認できる整形外科でみてもらいながら、はり師・きゅう師の国家資格保持者に鍼灸治療をしてもらうことをオススメします。 まとめ・変形性膝関節症に東洋医学の鍼灸(はり、おきゅう)治療は有効か ここまで変形性膝関節症の痛みに対して、鍼灸を使った治療法の効果と安全性を紹介してきました。 結論 ・鍼灸により痛みの緩和、可動域の向上が期待できます。 ・しかし、変形やすり減った軟骨が元に戻るわけではありません。 ・根本的な治療には医療機関へ 変形は高位脛骨骨切り術や人工関節置換術のような手術で元に戻せます。また、軟骨の再生は自己脂肪由来幹細胞治療にて再生が期待できます。 鍼灸は歴史ある治療法で、髪の毛と同じくらいの太さの鍼と、心地よい温かさのお灸により変形性膝関節症の痛みにアプローチすることから、初めての方にも安心して受けられる治療法です。 鍼灸を受けるには、定められた学習過程を経て、国家試験に合格した鍼灸師が居る「鍼灸院」で受けるのが一般的ですが、鍼灸を薬局で気軽に取り入れられる物もあります。 しかし、体にある361箇所もの経絡から、変形性膝関節症に適した場所に、鍼やお灸をしてもらうには、やはり鍼灸師にみてもらうのが最善の方法です。 これまで膝の痛みで悩み、湿布や痛み止めの薬での思ったような効果がみられなかった方は、根本的な治療にはなりませんが鍼灸の治療を検討されてはいかがでしょうか? ▼ 再生医療は、手術や鍼灸に頼らず変形性膝関節症を改善できます 変形性膝関節症は「再生医療」により症状の改善が可能な新しい治療の選択肢です ▼以下もご参考下さい 変形性膝関節症のPRP療法|治療効果と体験談
2021.11.15 -
- ひざ関節
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変形性膝関節症の治療|整骨院の自費診療で改善が期待できること、期待できないことや注意点 そんな疑問にお答えします。 変形性膝関節症は、中年以降の女性に多く発生する疾患で主に加齢から関節軟骨がすり減ることで、膝に痛みや変形をもたらす疾患です。 変形初期にはわずかに軟骨のすり減りが確認できる程度ですが、長年の年月をかけて徐々にすり減りや変形の程度が大きくなります。放っておくと進行していく疾患であるため、膝の状態が悪化しないように生活習慣の見直しや、膝の周りを鍛える運動が必要不可欠となります。 ただ膝に痛みがある状態では運動に満足に取り組めないため、痛みの緩和を図るため、整形外科を受診すると抗炎症・抗鎮痛作用のある薬を処方されるほかリハビリの指導を受けることになります。ただ、中には整骨院や鍼灸院、ヨガ・ピラティスなどの代替療法を検討される方もいるはずです。 その中でも整骨院は怪我の応急処置を専門とする場所であることから、体を傷めたときに整骨院を訪れた経験があるという方がおられるかもしれませんね? そこで今回は、変形性膝関節症の方が整骨院での施術で改善できるのか?また気をつけるべき点!について解説しますのでご覧ください。 整骨院での自費施術で期待できること、期待できないこと 整骨院では変形性膝関節症に対して、緊張した筋肉へ血液の循環を促し、痛みの緩和と可動域の向上が期待できます。 施術の内容は、手を使い筋肉に刺激を入れるほか、ストレッチなどがあります。また膝の安定性を高めるためにトレーニングを提供している整骨院もあります。 このように膝そのものにアプローチする方法のほか、姿勢や歩行の改善をすることで、間接的に膝への負担を軽減させる施術を提供している所があったりと、その施術方法はさまざまです。 このように整骨院の施術では膝の痛みの緩和と可動域の向上が期待できることから、日常生活が楽になり、変形性膝関節症の治療の基本である運動療法にも、積極的に取り組むことが期待できます。 しかし、変形性膝関節症によって「変形した関節を元に戻したり」「すり減った軟骨を再生はさせることはできません」つまり根本治療は、期待できないということになります。 変形性膝関節症に対しての施術は、健康保険が適応されず、全額自己負担になるため注意が必要です。 整骨院では変形性膝関節症に対して保険は効かない これまで整骨院を訪れたことがある人は、傷めた部位を冷やしたり、温めたりしてもらったかと思います。これらは主に健康保険を使用した施術で、患者様に施術費用の一部だけを負担してもらう仕組みにです。 しかし、変形性膝関節症に対しては例外なのです。 整骨院(接骨院)の開業は、厚生労働大臣からの免許を受けた国家資格を保持する柔道整復師の存在が不可欠です。柔道整復師の主な業務は、怪我に対して応急処置をすることで、柔道整復師が行う施術を「医療類似行為」といい、医師が行う治療=医業のように画像診断や、注射・手術はできません。 あくまで応急的もしくは、医療補助的方法により、患部の回復を図ることを、目的としています。 健康保険が適応される具体的な範囲は、「急性又は亜急性の外傷性の骨折、脱臼、打撲、捻挫、肉ばなれ等」です。つまり以前から慢性化した肩こりや、長年の年月をかけて進行してきたような変形性膝関節症は健康保険適応外となるのです。 整骨院での自費施術の費用は院によりバラバラですが、3000円〜5000円程度が相場になります。 整骨院の自費施術を受ける際に気をつけたいこと 病院にて変形性膝関節症と診断された後、整骨院の自費施術を受ける前には、気をつけるべき点があります。それは医師への相談と定期的に病院を受診することです。 前項で説明した通り、整骨院の自費施術の内容はさまざまです。整骨院で受けようとしている自費施術が、あなたの膝に余計な負担とならないのか医師に相談することが大切です。 また相談される際は、「整骨院の施術を受けても大丈夫か?」と聞くのではなく、整骨院で受ける具体的な施術方法を挙げることで、より医師もあなたの質問に答えやすくなります。 また整骨院の自費施術を受け、痛みが緩和したとしても、定期的な病院の受診は忘れずに行きましょう。変形性膝関節症の進行度合いを確認する画像検査は、整骨院ではできません。 まとめ・変形性膝関節症の治療|整骨院の自費診療で改善が期待できること、期待できないことや注意点 いかがでしたか? ここまで変形性膝関節症の方が整骨院での施術で改善できるのか、また気をつけるべき点まで解説してきました。変形性膝関節症に対して整骨院の施術を受けることで、膝の痛みの緩和と可動域の向上が期待できます。 しかし変形を元に戻したり、変形が起こる起因となる、すり減った軟骨を再生させることはできません。変形を元に戻すには手術が必要です。 また、軟骨を再生させるには最新医療の「自己脂肪由来・幹細胞治療」という再生医療という選択肢もあります。 ▼変形性膝関節症の患者様。再生医療(幹細胞治療)の治療前と、治療後の歩行動画を是非ご覧ください。 https://youtu.be/anWlm-9L-ao?si=EaaJQOTY9cf3ZHLA 変形性膝関節症に対して自費施術を受ける場合には、医師と相談し、自分に合った施術方法を取り入れましょう。ただし整骨院は病院と違い、レントゲン撮影はできないため、その進行度を確認することはできません。 自費施術で痛みの緩和がみられたとしても、変形性膝関節症の進行度は痛みの程度と比例するとは限らないことから「良くなった!治った!」とご自身の体感で判断はせずに、定期的に病院を受診し、画像診断で膝の状態を確認することが大切です。 また整骨院は痛みに対して処方される「ロキソニン」などをはじめとする第一類の医薬品の取り扱いができないことから、痛みがきつい時には、迷わず病院を受診するようにしましょう。 ▼ 再生医療は、変形性膝関節症を根本治療できる方法です。 変形性膝関節症は、再生医療で手術を避けて改善することが可能です ▼以下も参考にしませんか 変形性膝関節症で必須なサポーター!そのメリットと注意点について
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変形性膝関節症でヒアルロン酸、ステロイドでは不可能な軟骨を再生させる再生医療をご紹介 「変形性膝関節症」の治療でヒアルロン酸を注射をしているけど「思ったような結果が得られず困っている・・・」、「ステロイド注射は副作用が怖いと聞いたが・・・」こんなお悩みはありませんか? 変形性膝関節症の炎症や痛みに対する治療と言えば、ヒアルロン酸や、ステロイドを関節内に注射することが多々ありますが、実のところ、これらの注射は一時しのぎで根本的な治療にはなりません。 これらヒアルロン酸や、ステロイドなどの注射による治療では症状を改善させたり、症状の進行を止めることが難しく、最終的に人工関節などの手術に頼ることになりかねません。つまり、これらの治療では根本的な治療にはならないということです。 なぜなら、ヒアルロン酸注射やステロイドは、一時的に痛みを緩和することはできるのですが、痛みの根本原因となっている傷んだ軟骨を再生させる力は無いからです。 しかし、医療の発展で「再生医療」という新たな選択肢が現れました。 再生医療は、手術はもちろん、入院までもが不要という、これまでの常識を覆した最新の治療法として厚生労働省が許認可し、中でも「幹細胞治療」は、変形性膝関節症で軟骨を再生する可能性を持った治療法として非常に期待が持てます。 ・従来のヒアルロン酸、ステロイドでの治療:その場しのぎで、根本治療にはならない ・再生医療(幹細胞治療):変形性膝関節症の根本治療!軟骨を再生させる症例が多数報告されている ・安心安全:手術が不要、あなた自身の幹細胞を使う、入院も不要の最新医療 そこで今回は、再生医療の中でも「幹細胞」を培養して注射で投与でき、軟骨を再生させる!「変形性膝関節症の最新治療法」をご紹介します。 まずは、これまで変形性膝関節症の治療に使われてきた、「ヒアルロン酸注射」、「ステロイド注射」をについてご説明し、最新の再生医療での治療法である再生医療、中でも「PRP療法」「自己脂肪由来・幹細胞治療」をご紹介してまいりましょう。合わせて以下の動画もご参照ください https://youtu.be/2GCVH-Jw5Ps?si=ZEHWq8a2WU2MxWZX 従来の治療法①|膝関節へのヒアルロン酸注射について さて、膝関節へのヒアルロン酸や、ステロイドの注射は、関節の潤滑性を高めたり、炎症や痛みを抑える目的で使われるものです。関節内にある関節液は、関節軟骨を保護し、膝の動きを滑らかにサポートする潤滑油の役割を果たしています。 そんな関節液の潤滑成分としてヒアルロン酸が含まれていることから、変形性関節症で枯渇したサラサラの関節液に対して、ヒアルロン酸を関節内へ注射することで潤滑性を高めることで膝の動きをサポートさせます。 今、まさに治療を行われている方なら、お分かりかもしれませんが慣れてくると注射後2〜3日、中には1日ほどで、また痛みに悩まされることも少なくないのです。 ヒアルロン酸注射の頻度・回数は、ヒアルロン酸に含まれる分子量により異なります。この分子量が高いほど関節内で長時間留まるとされています。ただ、実際に痛みを回避するには週に1回から、いずれは3回~注射することになりかねません。 ご注意)ヒアルロン酸を注射で痛みの原因である「軟骨が再生されることはありません」 膝に水が溜る!とは 膝に炎症が起こり、水が溜まることがあります。これを「関節水腫」といい、膝に水が溜っていたらヒアルロン酸注射の前にこの水を抜いてやる必要があります。 なぜなら膝に水が溜まった状態でヒアルロン酸注射をしたところで、溜った水によってヒアルロン酸の濃度が薄められ、効果が半減されてしまうからです。更に、溜まった関節液には、炎症を悪化させてしまうサイトカインという物質も含まれています。 また稀にヒアルロン酸にアレルギー反応を起こす場合もあるため、万人が受けられるわけでもありません。 膝への「ヒアルロン酸注射」 効果 問題 注意事項 ・膝軟骨を保護 ・膝の滑らかな動きをサポート ・軟骨を再生するものではない ・改善等の根本治療にはならない ・効果が続かない(3日ほど) ・末期になるほど効果が減る ・水が溜る「関節水腫」になる危険性 従来の治療法②|「ステロイド注射」痛みは消えるが注意が必要 痛みや炎症が強い時は、ステロイド薬を関節内へ注射します。ステロイド注射はヒアルロン酸注射と比べ、痛みを抑えるのに非常に高い効果を発揮するとの報告が多くあります。 ただし、注意しておきたいのは、ステロイド注射を多用すると副作用があること。それは骨や、軟骨の新陳代謝をステロイドが阻害したことによって起こる可能性のある「骨壊死」、関節が破壊される「ステロイド関節症」というもので注意が必要です。 注意)ステロイド注射の多用による副作用に注意 ▼「骨壊死」「ステロイド関節症」を防ぐために ・最低でも6週間置いての注射とする。 ・できれば3ヶ月ほどは、間隔を空けるべきであること。 ・短期での連続した注射や長期間に及ぶ使用は避けるべき。 ・知識として知っていて欲しい。 繰り返しになりますがステロイド注射による痛みの改善は一過性であり、変形性膝関節症の痛みの起因となる、すり減った軟骨が元に戻るわけではありません。痛いからと、使い方を誤ると副作用という大きな危険性があります。 ここまでヒアルロン酸や、ステロイドとしった痛みを抑える目的で使われる注射を紹介しました。 次に自分の血液や細胞を使うことで「アレルギー反応が起こりにくい」「軟骨の再生を期待できる」最新の注射による治療方法を紹介します。 膝への「ステロイド注射」 効果 副作用 副作用を抑えるための注意事項 膝の意痛みを抑える 膝の炎症を抑える ・骨や軟骨の新陳代謝を阻害 → 骨壊死 → 関節が破壊されるステロイド関節症 ・6週間置きの注射 ・3ヶ月間は空ける ✕ 短期での連続した使用 ✕ 長期間に及ぶ使用 膝の痛みを消すだけ、変形性膝関節症の痛みの起因となる、すり減った軟骨が元に戻るわけではない 最新|変形性膝関節症の再生医療 再生医療 1)PRP治療 2)幹細胞治療 1)PRP治療(Platelet-Rich Plasma=多血小板血漿) PRP療法とは、患者様の血液を採取し、血液中に含まれる血小板の多い血漿だけを抽出し、膝へ注射する治療法です。多血小板血漿には、組織や細胞の成長を促す成長因子が多く含まれています。 そのため、高い治癒効果が期待できる方法といえます。またヒアルロン酸と違い、自分の血液を使用することでアレルギー反応が出にくいのも特徴です。PRP療法は、近年耳にする機会が増えた「再生医療」に分類される治療法です。 まだ日本では保険が適応されない自由診療となるため、ヒアルロン酸注射やステロイド注射のように気軽に打てる金額ではない点がデメリットになります。 また再生医療を扱うには「再生医療等の安全性確保等に関する法律」に基づき、厚生労働省に届出し、受理された医療機関、専門医にしかできない治療法になっているため、近所の整形外科で簡単にできるわけではありません。 ただ、そのため、安全性が確保されている治療法とも申せます。 2)幹細胞治療 「軟骨の再生」を期待!自己脂肪由来・ 主に皮下脂肪にある幹細胞組織を使い、軟骨をはじめとして、さまざまな組織に再生させる機能を持つ、可能性に満ちた治療法です。 幹細胞は、軟骨や皮膚、骨などに分化(複雑なものに発展していくこと)する機能があります。体から採取した幹細胞を培養(増やす)して膝の関節内へ注射することで、傷んだ軟骨の再生を期待することができ、これまでになかった治療法になります。 幹細胞は骨髄からも採取することはできますが、より侵襲が少ない皮下脂肪から採取されるのが一般的です。それでは同じ再生医療の分野であるPRP治療と幹細胞治療とは何が、どう違うのでしょうか? PRP治療は、傷んだ組織に対して組織や、細胞の成長を促す栄養素が含まれている「多血小板血漿」を注射します。もともと血小板の役割に成長因子の分泌がありますが、「多血小板血漿」には通常の血小板と比べて3〜5倍もの成長因子があることが特徴です。 これにより、ヒアルロン酸注射にはできなかった慢性化した患部の修復や、治癒を高めることができます。その一方でPRPには幹細胞が含まれていないため、軟骨を再生することはできません。 幹細胞治療では、さまざまな組織に分化(変化)する働きをもつ幹細胞を、何千〜何百万倍にも培養し、膝に注射します。この幹細胞が集中的にすり減った軟骨に働きかけることで、これまで不可能とされてきた「軟骨を再生」させます。 そのため、注射する幹細胞の数にも注目すべきです。海外の臨床データによると幹細胞の数が多いほど治療成績が良いことがわかっているからです。 なぜなら培養せず注射する治療法をADRC(脂肪組織由来再生幹細胞治療)セルーションと言うのですが、培養を行わないため幹細胞の数自体が少ないことになるからです。 その意味で治療を受ける際は、受診するクリニックが幹細胞を培養しているか確認することは大切なことになります。PRP治療は注射で実施できることから、傷口は小さくてすみます。 自脂肪由来幹細胞治療も米粒2〜3粒ほどの脂肪を摂取するために、下腹部周辺を5ミリほど切開しますが、投与自体はPRPと同じく直接膝に注射することため、大きな傷口を作ることはありません。 日帰りで受けられるこれまでには無かった治療法です。なお自己脂肪由来幹細胞治療もPRP治療ともに自由診療で、厚生労働省によって認可された医療機関でしか行えません。 再生医療の比較 PRP治療 幹細胞治療 軟骨 再生できない 再生する アレルギー ⇒ 出にくい 治療 ⇒ 専門医、専門院に限る 種類 再生医療 まとめ・変形性膝関節症の最新治療|ヒアルロン酸、ステロイドでは不可能な軟骨を再生させる再生医療という治療方法 いかがでしたか?変形性膝関節症に対する従来の注射「ヒアルロン酸注射」と「ステロイド注射」、最新治療の注射「PRP治療」「自己脂肪由来幹細胞治療」の役割を紹介しました。 これまで変形性膝関節症に対する注射は、痛みを抑え、少しでも悪化を遅らせる目的で使用されてきたものですが、再生医療であるPRP治療・自己脂肪由来幹細胞治療により、治癒そのものを促進させ、失われた軟骨を再生させることで回復を目指す!といった今までには無かった前向きな治療法です。 変形性膝関節症の痛みで悩み、薬や注射をしたけれど「期待していた効果を感じられなかった」「できるだけ手術はしたくない」という思いがある方は、薬や注射といった薬物療法と手術の中間に位置する再生医療での治療を検討してみてはいかがでしょうか。 以上、変形性膝関節症の最新治療と題し、従来のヒアルロン酸やステロイド注射では不可能な軟骨の再生を期待できる新たな選択肢である再生医療による治療について解説させていただきました。 ご参考にしていただければ幸いです。 ▼ 再生医療で変形性膝関節症を治療する 変形性膝関節症は、再生医療により手術せずに症状を改善することができます ▼以下もご参考にされませんか 変形性膝関節症の治療「薬物療法の種類と悪化を防ぐ」ポイントとは
2021.10.23 -
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変形性膝関節症の手術、その種類と入院期間、術後のリハビリから退院までの経過 変形性膝関節症と診断され、手術を検討されている方にとって、色々な面で不安や疑問は多いものですね。いざ手術を受けようと思っても、人によってはお仕事や、家庭など理由は様々、家を空けられない事情もあるはずです。特に術後の「入院期間」は、「リハビリ」を含めて気になるところでしょう。 その変形性膝関節症の手術として代表的なのが「関節鏡視下手術」「高位脛骨骨切り術」「人工関節置換術」ですが、受ける手術によって入院期間は異なります。 受ける手術によって入院期間は変わります。手術によって退院するまで短くて数日、長くて1ヶ月以上と差があります。膝に痛みや、しびれなどの異常を感じて整形外科等、医療機関を受信、検査を経て手術が必要という診断を受けた場合。下図に示したような3種類の手術が考えられます。 そこで今回は、変形性膝関節症の手術にかかる入院期間に併せてリハビリの内容を解説してまいります。 入院期間 1.関節鏡視下手術 2.高位脛骨骨切り術 3.人工関節置換術 4.参考)再生医療:入院不要 1.関節鏡視下手術の場合:入院期間は2〜3日 関節鏡視下手術とは? 関節鏡視下手術は、変形性膝関節症の手術の中でも1番入院期間が短い手術になります。この手術は、他に比べて最も入院期間が少なく、手軽に受けることが可能です。 手術の方法としては、カメラ・ハサミや鉗子など手術器具を入れるために膝の周囲に小さな孔を2〜3ヶ所開けます。そちらにカメラを入れてモニターに映し出された映像をもとに傷んだ関節軟骨・半月板・滑膜・骨棘を切除するほか、癒着した関節包をはがします。 麻酔は下半身のみで、手術時間も短く1時間程度です。 関節鏡視下手術の特徴は、「骨切り術」や「人工関節置換術」と比べ、皮膚の切開範囲が小さく、体への侵襲(影響)が少ないことから、入院から退院までの期間が短く、年齢問わず受けられる手術法となります。 また関節鏡視下手術や、耐久性に寿命がある人工関節置換術に踏み切る前段階の手術としても有効です。 関節鏡視下手術は、患者様の7〜8割に効果が認められた手術法でありますが、手術の適応(可否)は、膝の変形が軽度から中程度の変形性膝関節症の方が対象になるため、この術式を行うには変形が進行しすぎないよう早期発見が重要です。 関節鏡視下手術の術後のリハビリと退院までの経過 手術直後は、ベッド上にて安静に過ごします。手術による炎症を抑えるためにアイシングを行います。血栓を防ぐために、脚の位置を高く保つほか、弾性ストッキングにて血流を促します。 リハビリは、術後、翌日からは積極的な運動療法を行い、全体重を乗せて歩けるように行います。数日間は痛みを感じますが、できる限り膝の関節を動かすことで血栓を予防します。 多くの場合、手術の翌日から、2日後には退院できます。 退院しても痛みは数週間続きます。手術前と同じ生活を送るには2〜3週間、膝に痛みや違和感を感じなくなるまでに3〜6ヶ月かかります。 変形性膝関節症も、初期の段階であれば、この関節鏡視下手術で済み、体への負担も非常に少なく済みます。ただし、この術式で痛みなどの症状が改善しない場合もあることもあります。 膝に違和感を感じたら放置することなく、早期に整形外科等、医療機関で医師の診断を受けることが大切になります。症状が進行して悪化すると次で紹介するような、より重い術式を選択する必要性が出てまいります。 やはり病気は早期発見が大切ということです。 2.高位脛骨骨切り術の場合:入院期間は5〜6週間 高位脛骨骨切り術とは? 高位脛骨骨切り術は、膝にかかる決まった方向への負担を減らす手術法です。膝の軟骨がすり減ってしまい、変形性膝関節症になると、O脚方向へと変形していきます。 骨切り術では脛骨を楔形に骨を切りとり、プレートで固定することで、X脚方向へと膝の角度を調整します。これによって膝の内側にかかっていた負担を外側へ移行させ、内側・外側に均等に荷重が掛かるようにするものです。 手術時間は1時間30分程度です。 関節鏡視下手術と比べて体への侵襲(負担)は高いですが、関節鏡視下手術同様に、自分の関節を残すことが特徴です。人工関節置換術のように正座ができなくなるなど、関節運動に制限がかかることはありません。 「自分の関節は残したい」と思う方は、人工関節置換術に踏み切る前段階の手術としても有効です。 高位脛骨骨切り術の術後のリハビリと退院までの経過 高位脛骨骨切り手術の当日は安静に過ごしますが、関節鏡視下手術に比べ血栓ができやすいため、術後は、フットポンプにて脚の血流を促すようにします。このフットポンプは、多くの場合、2日目には取り外し、車椅子での移動が可能になります。 また、膝の安定性を図るため装具を装着します。 フットポンプとは フットポンプは、手術後などで寝たままになる患者の静脈への血栓塞栓症を予防するために用います。足の下腿 といわれる膝と足首との間の部分を断続的に圧迫を繰り返して下肢静脈の流を手助けする医療器具です。 リハビリテーション リハビリで膝の運動を行う場合、持続的関節他動訓練器(CPM:continuous passive motion)を使い膝の屈伸を行います。 持続的関節他動訓練器(CPM:Continuous Passive Motion)とは この機械は、関節の曲げ伸ばし、屈曲・伸展といった運動を自動的に連続して行えもので、主に下肢への術後、リハビリ用いることが多い。 時間を設定して運動速度、曲げる角度を変えて行うことができる。メリットは、荷重をかけることなく関節の屈伸運動を行えることにあります。 患者さんの体重や、矯正角度により、リハビリの進行度合いには差が出るものの、1週目から少しずつ体重をかけ、3週目から両側で松葉杖をつき歩行を開始します。 ただし患側へかける負荷は体重の1/2程度です。そして、5週目頃には全体重をかけて歩く練習をします。尚、高位脛骨は術後3年を目安に固定していたプレートを取り外すため手術が必要になります。 退院の目安は、松葉杖なしで階段の歩行練習・退院後の動作練習がスムーズにできることです。退院時からデスクワークや多少の早歩き、車の運転ができるようになります。 ただ、長時間の立ち仕事は浮腫み(腫れや、むくみ)やすいので3ヶ月は避けた方が良いでしょう。杖を使わず歩けるようになるには退院後約2ヶ月はかかります。 3.人工関節置換術の場合:入院期間は約1ヶ月 人工関節置換術 変形性膝関節症の変形が進んだ場合、すり減った軟骨や骨を、チタンやセラミックなどを使った人工関節に入れ替える手術法です。術後は膝を傷める以前のような状態をほぼ取り戻すことができ、膝の痛みなく歩くことができます。 ただし、正座のように膝を深く曲げる動作ができなくなるため、手術を行うには患者様の生活習慣や活動量を考慮しなければなりません。骨切り術より入院期間が短いことから、仕事や日常生活への復帰が早く見込めることが特徴です。手術時間は2時間程度です。 人工関節置換術の術後のリハビリと退院までの経過 人工関節置換の手術直後は弾性ストッキングを着用し、浮腫(腫れや、むくみ)を予防し、その軽減に努めます。また膝関節は安静にし、足関節の運動を行います。 骨切り術同様に翌日からは車椅子での移動ができ、5日目からは歩行器を使い移動します。同時に松葉杖での歩行指導が始まり、徐々に歩けるように練習していきます。10日目には、関節の角度を90度くらいまで曲げられるよう回復を目指します。 リハビリは、退院に向けて、車椅子・歩行器・杖等を使って元の日常生活に戻れるよう訓練を続けます。退院の目安は1本杖での歩行、階段昇降、床からの立ち上がり、股関節屈曲100〜120度可能などです。 日常生活への復帰の目安は術後1ヶ月程度です。 ただし、知っておかねばならないことに、「人口関節には耐用年数があるということです。」その期間は、概ね15年程度と言われていて、すり減りや、感染、緩み次第では、再手術の可能性があるということです。 将来、耐用年数が過ぎると再度、同じ人工関節へお置換手術をしなければならない可能性があります。 4.入院不要な再生医療 変形性膝関節症に関する手術について記してまいりましたが、実は、もう一つの治療方法があります。それは、「再生医療」と言われるものです。上記で書いたような手術的アプローチとはまったく違う方法で改善を図るものです。 https://youtu.be/JwAqQziEinw?si=oZkktVjE6xYzxR6j 変形性膝関節症の再生医療について詳しくは、別途ページに記載しています。これまで「すり減った膝の軟骨を再生することは不可能」といわれてきましたが、医療技術の進歩で自己治癒力を用いて軟骨の再生を目指せる先端医療です。 そのため、変形性膝関節症であっても手術自体が不要。当然、入院も必要ありません。日帰りで行える新しい先端治療です。 まとめ・変形性膝関節症の手術、その種類と入院期間、術後のリハビリから退院までの経過 ここまで変形性膝関節症と診断され、手術を検討されている方に向けて変形性膝関節症の手術にかかる入院期間から、リハビリの内容までを紹介しました。関節鏡視下手術の入院期間は2〜3日、人工関節置換術の入院期間は約1ヶ月、高位脛骨骨切り術の入院期間は5〜6週間です。 下記は手術を行った場合の目安です。入院期間は、各個人の症状や経過によって変わります。再生医療は入院が不要です。 手術の種類 入院期間 1.関節鏡視下手術 約2〜3日 2.高位脛骨骨切り術 約5〜6週間 3.人工関節置換 約1ヶ月 4.再生医療(手術はしない) 不要 入院期間だけで比べると、関節鏡視下手術が最も短いのですが、それが良いことかというと、実は、そうでもないのです。もちろん、この術式だけで回復する例も多数ありますが、そうではないこともあります。 実は、関節鏡視下手術をしても、痛みが改善されないことがあります。その場合は、再手術が必要となり、高位脛骨骨切り術や人工関節置換術を実施しなければなりません。 手術を検討されている方は、入院期間はもちろんのこと、術後のリハビリ、退院後の再手術の可能性、ご自身の膝の痛みの程度、生活環境を考慮し、主治医としっかりと話し合いを重ねた上で、判断することが大切です。 ▼ 再生医療で変形性膝関節症を治療する 変形性膝関節症は、再生医療により入院不要、手術せずに症状を改善できます ▼以下も参考にされませんか 変形性膝関節症初期|初期~末期の痛みの段階と人工関節のメリット・デメリット、避ける方法
2021.10.19