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変形性膝関節症の再生医療(PRP療法)の治療と体験談を公開します こんにちは Dr.サカモトです。 今回はPRP療法(PRP治療)が実際どのように行われるかを、患者さんの声を交えながら解説していきます。それでは行ってみましょう! PRP治療での注射方法 PRP治療では、膝のお皿の外から関節の中にめがけて注射をします。膝の関節の中にはちょうど袋がありまして、その中にPRPを注射するという形になります。痛みもそれほど痛いものではないと思います。 PRP療法がオススメの症状 実際どういった方がPRP治療を受けられるかというと、以下のような方々がPRP治療を選択されています。 変形性膝関節症でPRP療法を選ばれた方 ・保険診療のヒアルロン酸注射が効かなくなった方 ・薬を飲んでも痛みが取れない方 ・スポーツや仕事に早く復帰したい方 ・薬剤アレルギーが怖い方 ・手術を避けたい方 ・長期入院ができない方 PRP療法は短期間で痛みも少ない治療法 PRP治療などの再生医療は、すごく難しいことをするんじゃないの?といった声もよく聞かれますが、実際は大げさなことは何もなく、短時間で痛みも少ない方法です。だから手術も入院も不要という医療分野といえるのです。 実際のPRP治療の流れは、まず腕から少し採血をし、それを特殊な機械で約30分ほど分離します。それを膝の関節に注射をするだけの治療なので、それほど痛いものでもなく時間も30分ほどで終わります。 このようにPRP治療はとてもシンプルなので何か大きな準備をしなきゃいけないだとか何か大変な検査をしなきゃいけないということはありません。特に身構えなくても大丈夫なのでご安心ください。 ▼変形性膝関節症をPRPで治療/その効果を動画で解説 PRP治療の体験談をご紹介 では実際にPRP治療を受けられた方の実例がありますのでご紹介します。 (PRP治療を受けられた女性) 「テレビで再生医療についての特集を見たり、プロ野球選手が再生医療で治ったという話を人から聞いたりして興味はあったのですが、私は車いすの状態だったので、本当に再生医療で歩けるようになるの?と思っていました。 採血をして少し時間を置いて、いつものような膝の注射をしただけだったので、つらい気持ちは全然感じる感じることなく、スムーズに治療を受けられました」 この方は、もともと膝がとても痛くて歩行困難が見られ、ヒアルロン酸の注射をしても1日しかもたないということで、PRPの治療を選択されました。かなり膝の変形も強く、人工関節をしてもおかしくない方だったのですが、手術はどうしても避けたいということで注射をしました。 (PRP治療を受けられた女性) 「PRP注射は6回していただいたのですが、1~3回目に関しても少しずつ効いているなという感じはしていたのですが、4回目のときには杖なしで自分の足で立つことができるようになっていて、 自分でもすごくびっくりしました。『すごく効いた』という実感があってとてもうれしかったです」 はじめ10あった痛みが、4回注射した後には、2か3になり、もともと杖で歩かれていたのですが、その杖も必要ないぐらい痛みが軽快し、ぎこちないながらもスムーズに歩けるようになりました。 その後、数ヶ月様子を見ていましたが痛みの程度が始め10あったものの、2~3に落ちて、その後5ぐらいには戻ってはきましたが、5でとても安定しておられます。 (PRP治療を受けられた女性) 「今までは料理のときも杖をついたり椅子に座ったりしていましたが、PRP治療後は立ったまま料理や家の片付けができるようになりました。 友だちとUSJに遊びにいったり、ひとりで旅行したり色々なところに自分の足でいきたいと思います」 このように色々と個人差はありますが持続期間も長く認めてますので、かなりPRPの効果はあったと思われます。今まで再生医療と出会う前は、このように劇的に注射で痛みが取れるということは考えられませんでした。 PRP治療の注意点 以上、いかがでしたでしょうか? 私もPRP治療でこれほど歩けるようになるのかとビックリしました。PRPは、痛みを取るために非常に有効で、ご自身の血液を使った治療法なので安全性も高く、入院も手術も不要です。患者さん自身も本当に喜んでおられたのが印象的でした。 ただし、知っていて欲しいのは、「PRP療法には、すり減った軟骨を再生する力は無い」ということです。確かに痛みを止める効果には優れていますが「根本的な解決策ではないので注意が必要」です。そのため、いずれかの段階で痛みが戻って来る可能性があります。 痛みを止め、軟骨レベルで再生を目指すなら、同じ再生医療の分野でもう一歩踏み込んだ治療法として「幹細胞治療」というものがあります。これはPRP療法のように即日実施できるというものではありませんが非常に優れた手法です。 もちろん、手術や入院は不要です。 患者さんの脂肪、米粒2~3粒を専門施設で幹細胞を抽出して培養、患部に戻すことで、これまで不可能と言われてきた軟骨の再生を即する手法です。根本的な治療を望まれるな以下で詳しく説明しましたのでご参照下さい。 ▼こちらもご覧ください PRP療法について、そのメリットとデメリットについて まとめ・変形性膝関節症の再生医療(PRP療法)の治療と体験談 いかがでしたでしょうか? 今回は、PRP治療の流れとPRP治療を受けた方の実際の声をご紹介しました。PRP治療が画期的な治療だと思われた方は多くいらっしゃると思います。実際受けてみたい方、そしてまだ疑問がある方はお問合せください。 以上、変形性膝関節症|PRP療法の治療効果と体験談について記しました。PRPはもちろん、幹細胞治療に興味がある方は、お気軽にお問い合わせください。お悩みをお伺いして詳しくご説明させていただきます。 ▼PRP療法(再生医療)をもっと詳しく PRPによる治療は、これまでない画期的な治療法です ▼以下もご参考にしていただけます 変形性膝関節症のガイドラインと痛みを緩和する運動について
2022.04.07 -
- 変形性膝関節症
- ひざ関節
変形性股関節症の保存療法で治療効果を上げるため注意したいこと 変形性股関節症の初期の治療では、保存療法という治療法を選択することが多いです。 保存療法には、運動療法や薬物療法、温熱療法などが挙げられます。また、日常生活における動作を見直すなど、股関節への負担を軽減するための生活習慣の改善もおこないます。 変形性股関節症の人がおこなう保存療法の1つにも、運動療法があり、軽いストレッチや筋力トレーニングが推奨されます。 筋力をつけることで股関節をサポートし、股関節を正しい位置に矯正することで、股関節への負担の軽減、痛みの緩和が期待できます。 今回は、変形性股関節症の人が保存療法をするときの注意点について解説します。 変形性股関節症の保存療法で「運動療法」に取り組むための注意点 運動療法では、まずストレッチやマッサージをおこない、筋肉をほぐします。股関節周囲の筋肉の柔軟性は、痛みの改善だけでなく、関節の動く範囲の改善にもつながります。 しかし、運動療法をするときに、早く筋肉をつけようとして無理に運動しないように注意しなければなりません。 また、ジョギングやサッカーのような激しい運動も股関節に負担をかけ、変形性股関節症を進行させてしまうため、ゆっくりと歩くウォーキングや、負担の少ない水泳などをおこなうようにしましょう。 変形性股関節症の保存療法でウォーキングをするときの注意点 ウォーキングをするときに早く歩きすぎたり、長距離歩いてしまうと、股関節への負担が増大します。ですから、ゆっくりと歩く15分程度のウォーキングにとどめましょう。 変形性股関節症の保存療法で筋トレをするときの注意点 股関節をラクに動かすことができるようになったら、徐々に運動強度をあげて、筋力トレーニングもおこないます。筋力トレーニングをするときも、やりすぎると股関節に負担がかかってしまうため、毎日少しずつ継続しておこなうようにしましょう。 変形性股関節症の保存療法で日常生活における注意点 変形性股関節症の人は、生活習慣を見直して、股関節に負担をかけない生活をするようにしましょう。重いものを持つときにしゃがみこむような動作は、股関節に大きな負担をかけてしまいます。 できるだけ重いものを持ったり、しゃがみこむような動作は避け、布団で寝ている人はベッドに変える、和式トイレも洋式トイレにするなど、生活様式も洋式に見直すと良いでしょう。 場合によっては、杖を使うことも股関節への負担軽減に役立ちます。 体重管理は非常に大切! 変形性股関節症で肥満気味の人は、ダイエットが必要になる場合があります。股関節には、自分自身の体重による負担がかかります。体重が重ければそれだけ負担が増します。できるだけ標準的な体重を保つよう体重管理を行うことが必要です。 とはいっても、過激なダイエットをして健康を害してしまったのでは元も子もないので主治医と相談しながら体重管理に努めましょう。運動療法だけでなく食生活も見直して体重を管理をし、体重による股関節への負担を軽減できるように努めましょう。 変形性股関節症の保存療法で薬物療法をする場合の注意点 変形性股関節症の保存療法では、痛みの改善のために薬物療法もおこないます。痛み止めを服用して炎症を抑え、痛みの改善を図るため、内服薬のほかにも、湿布薬や座薬が処方されることもあります。 飲み間違いや飲み忘れに注意して、痛みと上手に付き合うようにしましょう。 変形性股関節症の保存療法を「効果的に実践する」ための注意点 変形性股関節症の人が保存療法を効果的に実践するためには、どのような注意点に気をつければ良いのでしょうか。 自分にあった医療機関を見つける 変形性股関節症の人が効果的に保存療法をするためには、病院までの距離や、医師との相性も大切です。通院が負担になってしまうと、その後の治療に対するモチベーションにも関わります。 運動療法や生活習慣、薬の内容や手術の希望など、自分の希望を医師に伝えて、よく話し合うようにしましょう。 自己判断で治療を中断しない 保存療法をおこなって、痛みの改善や動きやすさを感じるようになっても、自己判断で治療を中断しないようにしましょう。筋力がついたり、体重コントロールに成功して股関節の痛みが軽減したとしても、一度損傷した股関節が元通りになったわけではありません。 自己判断で治療を中断すると、再度症状が進行してしまう可能性もあるので、医師の指示通りにきちんと受診して、治療を継続するようにしましょう。 痛み止めの増減は医師とよく相談する 痛み止めを処方されるときに、痛みがあるときだけ飲むように言われることもあります。しかし、痛みを感じるからといって飲みすぎると、副作用が出てしまう危険性もあります。 もし、処方された痛み止めが効かないなど、不安がある場合は痛み止め薬の変更などを医師に相談するようにしましょう。 家族が変形性股関節症と診断され保存療法を選択した場合の注意点 家族が変形性股関節症と診断され、保存療法をおこなうことになった場合の注意点を紹介します。 股関節に負担がかからない生活について! ・立ち上がり時には身体を支えるなど、股関節に負担が掛けない工夫する。 ・重い荷物を持つと、股関節に負担がかかり症状が進行しかねません。 ・しゃがみ込みや、立ち上がりのような動作は股関節への負担が大きくなります。 ・自宅から病院間など外出する場合、家族が運転し、歩行距離を減らして股関節の負担を軽減する。 変形性股関節症の治療には再生医療という最先端の方法もある! https://youtu.be/z0E4lmqViXI?si=L3JMhHYo4T7UvSgB ▶こちらの動画では、再生医療の治療の流れを解説しています。 変形性股関節症の治療法として、再生医療という最先端の方法があります。最近ではスポーツ選手が再生医療で治療をするなど、注目を浴びている治療法です。 変形性股関節症の再生医療とは? 変形性股関節症の再生医療では、自身の幹細胞や血小板を利用することで、すり減った軟骨や骨の変形の修復や再生を促し、痛みの改善を目指します。幹細胞には、さまざまな組織や細胞に変化する能力が備わっています。 この幹細胞を変形性股関節症の人(本人)から取り出し、量を増やしてから体に戻すことで、幹細胞が組織の修復を促し、股関節の炎症や痛みを抑える効果が期待できます。 また、血小板にも、組織の修復や再生を促す能力があります。血液を採取し、血小板成分を濃縮させて損傷した股関節部位に注入することで、組織の修復を促し、症状の進行を抑え、痛みの改善を目指します。 再生医療は、自身の幹細胞や血液成分を用いるため、拒絶反応やアレルギーの危険性も低い安全な治療法です。 まとめ・変形性股関節症の保存療法で治療効果を上げたい方へ 変形性股関節症の人が保存療法をおこなうときの注意点を紹介しました。保存療法には、運動療法や生活習慣の改善、薬物治療などがありますが、注意点としては、とにかく股関節に負担をかけないこと、医師とよく話し合って最適な治療を受けること、家族がサポートすることなどが挙げられます。 また、変形性股関節症の治療方法の一つとして、再生医療があります。自身の幹細胞や血液成分を利用して損傷した股関節の修復や再生を促すことで、痛みの改善が期待できる最先端の治療方法です。 今までの治療では効果が感じられない、なるべく薬物治療や手術をしたくないという人は、再生医療も変形性股関節症の治療の選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。 以上、変形性股関節症の保存療法を行う際の注意点をまとめてみました。保存療法は正しく継続することが秘訣です。 ▼ 再生医療で変形性股関節症を治療する 変形性股関節症は、再生医療により手術せずに症状を改善する先進医療です ▼以下もご参考下さい 変形性股関節症の人工関節手術と年齢の問題
2022.04.07 -
- 股関節
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- 手部
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「痛み止めにステロイド注射を使う効果は?」 「痛み止めのステロイド注射はどんな副作用があるの?」 ステロイドは、変形性膝関節症や変形性股関節症を始め、各種関節症の保存療法(薬物療法)で、痛み止めとして使われているメジャーな薬です。 ステロイドは痛み止めの薬として効果を発揮します。ただ、ステロイドの副作用が気になり、怖いと感じる方もおられるはずです。 今回は関節症の痛み止めに使われる機会が多いステロイド注射の効果、副作用などをご説明いたします。 最後まで読んでいただければ、ステロイド注射を使うメリットとデメリットを理解できるので、治療を受けるべきか迷われている方は参考にしてみてください。 関節症に痛み止めのステロイド注射を使う効果は2つ 関節症に痛み止めのステロイド薬(ステロイド注射)を使う効果を2つ解説します。 ・鎮痛効果 ・抗炎症作用 鎮痛効果 ステロイド薬を使うメリットには、鎮痛効果による痛みの緩和があげられます。 各種関節症の発症初期には、保存療法(薬物療法)がおこなわれるケースが一般的です。 ステロイド注射は痛みを緩和させる目的で、以下のようなときに使います。 ・生活を送るときの不自由さを減らすため ・運動療法による治療効果を高めるため とくに運動療法を行うときに痛みがあると、痛む部位を守ろうとするあまり、ほかの筋肉や組織に力が入りがちです。結果としてほかの部位まで痛める可能性もあります。 保存療法を有効に進めるためにも、ステロイド注射で痛みを減らす必要があるのです。 抗炎症作用 ステロイド薬には、炎症(痛みの原因)を和らげる抗炎症作用があります。 痛みの原因物質の産生を抑えられると、鎮痛(痛みを抑える)効果が期待できるのです。 各種関節症の保存療法では、初期の段階ではステロイド注射で痛みを緩和しながら炎症を防ぎ、リハビリなどの運動療法における効果を上げる目的で使います。 痛み止めのステロイド注射に関する副作用 ステロイドに悪いイメージがあるのは、副作用があると聞いたからではないでしょうか。 実際に、ステロイド注射の副作用のひとつに「骨が脆くなる」点があげられます。そのため、事前の骨の検査や年齢によっては、ステロイド治療を行えない場合があるのです。 以下で、副作用における一例をまとめています。 【ステロイドの副作用】 ・ステロイド注射を長期間、あるいは短期間に多く投与された場合 →股関節の「大腿骨頭」、肩関節の「上腕骨頭」、 「膝関節」の骨への血流が阻害され、骨の組織が壊死する危険性がある ・短期的に大量に使ったり、長期的に使ったりした場合 →骨の代謝やホルモンの産生に影響を与える ・長期的に使うと骨を脆くする危険性がある →「大腿骨骨頭壊死」「上腕骨頭壊死」「膝関節骨壊死」 といった困難な症状を招く可能性もある 【骨粗鬆症のリスク】 ・ステロイド注射は短期間に多くの投与、あるいは長期間使うと、 骨やホルモンの代謝に影響を与えかねない 【感染症になりやすい】 ・ステロイド注射は免疫を抑制するため、 長期間、関節内に投与を行うと「化膿性関節炎」になる危険性がある ・関節炎になった場合、抗生物質の内服による治療や、 重症化した場合は、関節内の洗浄が必要になる しかし、ステロイド注射は、変形性膝関節症や変形性股関節症、肩の関節症などの痛みに対して鎮痛、消炎(炎症をとりさること)の改善効果が得られます。 デメリットを過大評価すると使うのをためらってしまいがちです。 先にステロイド注射を使うデメリットを知っておくと、ステロイド治療に対する判断の一助となり、医師の診断や意見を理解する上でも役立ちます。 医療機関などで医師の管理のもと、適切にステロイド治療を行えると、必要以上に怖がる必要はなくなるはずです。 【長期使用はNG】痛み止めのステロイド注射は根本治療にならない ステロイド注射は、関節症の痛みで困っている場合に高い鎮痛効果が期待できます。 ただ、副作用があるステロイド注射を長期間、継続して使うのはおすすめできません。短期間でも大量に使うのは避けましょう。 また、ステロイド治療は、骨の変形や軟骨のすり減りなど、関節の状態を修復する効果はありません。病気の進行を止めるなど、根本的な治療を目的としていないのです。 たとえば、変形性関節症は進行する病気です。変形性関節症の人がステロイド治療を行っても、最終的には手術が必要となる可能性があります。 関節症におけるステロイドでの治療方法について 関節症でのステロイド治療は、内服薬と注射があります。 症状や状態にもよりますが、内服薬で痛みに対する効果が感じにくくなった場合に、関節内にステロイド薬を直接注射する流れが一般的です。 ステロイド薬を関節に注射すると、抗炎症作用により痛みを改善します。ただ、何度も申しますが、長期的な使用や短期の大量投与は、副作用のリスクがあるので避けましょう。 また、関節症の症状が進行するとステロイドの効果が減少して、外科的治療として手術の選択を迫られるかもしれません。 しかし、近年はステロイド注射以外にも、手術や入院を避けられる再生医療の治療方法もあります。 再生医療の幹細胞治療では、膝や股関節、肩などの治療において、自身の幹細胞を培養して関節注射を行う流れです。 まとめ|関節症のステロイド注射は痛み止めに効果がある ステロイド薬は、内服や痛む関節に直接注射する方法で使います。鎮痛効果と抗炎症作用により、痛みを緩和させる効果があります。 ただし、ステロイド注射はメリットがある反面、副作用もあるので注意が必要です。短期的な大量投与や、長期的なステロイド治療は避けるべきです。 ステロイド注射は問題のある部位を修復できないので、根本的な解決はできません。 ただ、医療機関などで医師の管理下で治療するなら、必要以上に怖がる必要はないでしょう。ステロイドの特性を知った上で、治療に使っていただければと思います。 また、関節症に関わる治療のひとつとして、再生医療もあります。ステロイド治療以外で、根本的な治療を探している方は、再生医療の治療方法も視野に入れてご検討ください。 痛み止めのステロイド注射に関するQ&A 痛み止めのステロイド注射に関して、質問と答えをまとめています。 Q.関節症における痛み止めのステロイド注射は保険適用ですか? A.はい、一般的には保険適用になります。 ただし、症状や治療方法によっても変わる可能性があるので、詳細は医療機関でご確認ください。
2022.04.01 -
- ひざ関節
膝の痛みでリハビリ中(保存療法)に膝が痛みだした場合について 膝関節は日常生活の中で当たり前にしている動き、例えば立ち座り、歩く、走るといった動作を行う上で必要不可欠な関節です。その動作の度に膝へは、体重の何倍もの負荷が掛かっていることをご存知でしょうか? つまり、膝は痛みが出やすい部位ともいえるのです。ただ、そうした前提であっても膝に痛みが出ると心配になるものです。それが膝のための運動療法中であった場合に膝が痛みだしたら、「膝が痛くても運動は続けて良いのか」「運動を続けても悪化しないか」と不安になって当然です。 そこで今回は、膝に痛みがあった場合でも運動による治療(リハビリ)は行うべきなのか、行うなら、どんな運動を、どう行えば良いのか、加えて痛みが出た時の対処法も併せてご紹介しましょう。 膝が痛みだしたらリハビリ中でも休む まず申し上げるべきは、「膝に痛みがある場合」には、重症になることを予防するためにも運動療法であっても休んで欲しいということです。 膝に痛みを感じる原因に、急激な方向転換や、度重なる負担からきた筋肉や靭帯の損傷、骨への衝撃が関節内部まで及ぶことによって膝の故障に加えて半月板損傷や滑液包炎を発症していることが考えられます。また、体の防御反応である「炎症」が起きている可能性もあります。 もしも炎症がある場合、運動療法であっても炎症が回復してから再開されるのが賢明でしょう。では、炎症はどのように判断すれば良いのでしょうか?これを判断する基準は、5つあります。それは腫脹、疼痛、発赤、機能障害、熱感というものです。。 膝の炎症を判断する基準 ・腫脹 ・疼痛 ・発赤 ・機能障害 ・熱感 炎症が起きると、傷めた箇所の毛細血管が広がり、局所的に血の流れが増大することで発赤や、熱感がみられるようにます。また血液が血管外へ漏れ出すことで組織が腫脹、つまり「腫れ」ます。 組織が腫れると傷めた箇所が圧迫され、痛みを感じます。すると痛みにより思うように体を動かせない機能的な障害が起こります。そして炎症が起きるきっかけとして血管が拡張します。 もちろん、これら判断基準はあくまで、このような状況になった場合の医療機関を受診するキッカケにしていただくものです。炎症を感じたら素人判断せずに医師の診断を受けていただけるようお願いいたします。 膝痛の慢性化に注意 膝を傷めた場合、まずは冷やすことで血管を収縮させ、腫れや炎症の広がりを抑えることが推奨されています。 尚、炎症が起きているのにも関わらず、運動を続けてみたり、治りきっていないのに早すぎる復帰には十分、気をつけたいところです。注意しなければ炎症が長引くだけでなく、傷めた箇所の修復が追いつかず「いつまでたっても痛みが取れない」という痛みの慢性化につながってしまうからです。 膝が痛んだ場合は冷やしますか?温めますか? ここまで膝を傷め、炎症が起こっている場合は冷やしましょう!と説明してきましたが、どれくらいの間、冷やせばよいのか、また冷やしたあとはどうすれば良いのかみていきましょう。 ・膝を傷めてすぐの炎症は「冷やして」ください。受傷後、2〜3日間冷やすことで炎症反応(腫れや痛み)を抑えることができます。 ・その後はホットパックや、お風呂に浸かるなどし、患部を「温めること」で血流を促し、回復を促進します。 ただ2〜3日経っても痛みが強く残る場合には、大きな怪我の可能性もあることから病院の受診をおすすめします。 中には痛みが慢性化してしまった人や、変形性膝関節症のように、軟骨がすり減り、O脚やX脚などから、膝に痛みが出やすい方もいらっしゃいますよね。 そのような場合には、運動方法の強度を変えることで膝への負担を減らす工夫を行いましょう。 急性期(痛めた当初)炎症(腫れなど)が考えられる:膝を冷やす 慢性期(腫れが引き、炎症が引いた場合):膝を温める 膝の慢性的な痛みに可能な負担をかけない運動 痛みが慢性化してしまった人や、「変形性膝関節症」のように、膝に痛みが出やすい方は無理して運動を続けると、かえって膝の状態を悪化します。運動を行う際には、痛みを我慢しながら行うのではなく、痛みなくできる運動を取り入れることがおすすめです。 いずれの運動も始めるときや、終わりには、ストレッチなどで身体をほぐすことが非常に効果的です。また、運動が不安な場合は、膝へサポーターを着けて支えてやれば不安なく動けるかもしれません。 等尺性収縮の運動で、膝への負担を軽減 ・膝に痛みを感じるタイミングのほとんどが、立ち上がる時、動き出しなどの膝に体重をかけた時です。 ・そんな方におすすめの運動が、座りながらできる大腿四頭筋を使う運動です。 ・椅子に座ったまま片方の膝を伸ばしたままキープします。 ・この方法は膝へ体重による負荷をかけずに大腿四頭筋のトレーニングが行えます。 このように関節を曲げ伸ばしせず、筋肉を収縮させる運動方法を「等尺性運動」といい、負担なく行えるのが特徴です。軽度な運動で痛みを感じる方にはおすすめとなる運動方法です。 プールの浮力を活かし、膝への負荷を軽減 ・プールに入ることで体へ浮力が生まれます。 ・浮力は体重による負荷を50%減らせることができます。 ・プールでのウォーキングは膝に痛みを抱えている方におすすめの運動方法です。 特に地上でのウォーキングでは痛みを感じるけれど、椅子を使って行う等尺性運動では物足りない。そんな方におすすめの運動方法です。 ウォーキング ・膝の筋肉を付けるためにウォーキングが推奨されます。 ・ただし、痛みがある中で歩き続けると逆効果で悪化する可能性もあります。 ウォーキングの注意点 ・時間や歩数を目標に歩くよりも膝を傷めないような歩行フォームを身につけましょう。 ・運動を継続することが何よりも大切です。 ・変形性膝関節症の方は、1日に6,000歩程度に抑えましょう。 まとめ・膝の痛みのリハビリ中(運動療法)に膝が痛みだしたらどうする ここまで膝の痛みを改善する目的でリハビリをしている中、そのための運動療法であっても膝が痛くなってきたという場合の対処法と、そもそも膝に負担をかけない運動について解説しました。 膝に痛みを感じる場合は、炎症が治るまで運動は休みましょう。 炎症が起きているかどうかは5つの徴候をもとに判断し、急性期には2〜3日冷やし、その後は温めることで回復を促進します。 もし2〜3日経過しても強い痛みを感じる場合などは、医療機関、病院等の整形外科を受診し、検査を受けるなど、その指示に従われることをおすすめします。また、その際、運動方法などの助言を得たり、サポーターなどの装具のアドバイスを受けても良いでしょう。 痛みが慢性化していたり、変形性膝関節症の方は、運動の度に痛みを感じたり、痛みが出やすい状態になります。痛みがあるときは無理は禁物です。 それでもで早期回復に向けて運動療法に取り組む場合は、今回紹介した椅子で行う等尺性運動、プールで行う運動、ウォーキングに、ストレッチを取り入れ、膝の痛みと相談しながら適切な強度で運動を選択し、膝への負担を減らして行うようにしてください。 以上、膝の痛みのリハビリ中(保存療法)に痛くなってきたら!どうする?という点についてご説明を致しました。 参考にしていただければ幸いです。 ▼ 再生医療で膝の状態を改善できるとしたら興味はありませんか? 膝の悩みは、再生医療により、症状を改善することが可能です ▼こちらも参考にしてください 膝関節が痛い時に疑われる病気と注意すべきこと
2022.03.30 -
- ひざ関節
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膝や肩、股関節の関節痛の診断に何故MRI検査が必要なのか 長時間の立ち仕事、座ったままのオフィスワークはもちろん、日頃から運動やスポーツをよくされる方にとって、首や肩はもちろん、腰や膝の痛みは日々の大きな悩みです。これらの痛みについて、その原因をつきとめるためには画像による情報をもとにした診断がとても重要です。 中でも膝や腰の痛みについて判断する際には、画像検査の中でもMRIを使っての検査が重視されます。今回は、膝や腰、股関節など深刻な関節痛の診断にMRI検査を使う理由についてみていきます。 1、画像検査について 診察時の画像検査として、誰もがご存知のレントゲン検査に加えて、CT検査、MRI検査という画像診断の方法があります。それぞれの長所・短所があるのでご説明させて頂きます。 1)レントゲン検査 レントゲン検査は、多くの方にとってなじみのある放射線の一種であるエックス線を用いた検査方法です。短時間で簡単に行えますし、苦痛もほとんどないため、まずはレントゲンを撮る病院が多いかと思います。 レントゲン検査は、骨の状態、部分を詳しく見るのに適しています。たとえば骨折や、骨の変形などがその代表です。しかし、筋肉・軟骨・神経などの骨より柔らかい組織を撮影することができません。 また最近はデジタル化の影響で線量が格段に少なくなっているため通常の検査であれば問題はありません。ただ、放射線を用いる検査ですので、何度も繰り返して検索を行うなどの場合は被曝の可能性については気になるところです。 2)CT検査 (Computed Tomography) CT検査は、レントゲンと同じエックス線を用います。このエックス線をあらゆる方向から照射することで体の輪切りした画像を撮影することが可能にするものです。レントゲンと違って体の内部まで輪切りにした状態で確認ができます。 輪切り画像を重ね合わせて他の断面の画像を構築したり、三次元(3D)の立体画像で確認することもできる検査です。レントゲン検査よりもさらに詳しく骨の状態を評価することが可能ですが、レントゲンと同じく筋肉・軟骨・神経などの骨より柔らかい組織については判断しにくいことがあります。 3)MRI検査(Magnetic Resonance Imaging) MRI検査とは、大きな磁石(磁場)を利用して体の内部を画像化する検査です。レントゲン検査や、CT検査ではわからない筋肉や神経などの柔らかい組織を写し出すことを得意としています。また、何より放射線を使用しないため被曝も無く、患者さんの人体に無害な検査という点で優れています。 ただ、装置自体が大きく、とても高価なため、大学病院をはじめとした一部の施設にしか配置されていません。また、検査に際しては、筒状の装置の中で30分程度は検査時間として、じっと我慢する必要があります。 狭い筒の中で閉じ込められるため、(閉所恐怖症)がネックとなります。また機械の作動音が大きく、それが我慢できないという方もおられます。もちろん具合が悪くなったら係員に知らせるためのボタンなどがありますので安心してください。 その他の注意としては、MRI検査は、誰でもできる訳であはありません。仕組みとして非常に強力な磁石を用いた装置であることから、体内に金属があると検査できないことがあります。 整形外科等の骨折の手術等でボルトや、プレートなどが入っていたり、特に心臓にペースメーカーを入れている方は、MRI検査に対応したペースメーカーでなければ撮影することができません。これはペースメーカーに付属の手帳で詳細が案内されているはずですのでご確認ください。 また、歯科インプラントはチタンでできていますし、心臓や脳血管のステントも大丈夫なことが多いのですが年のため、主治医にご相談ください。 ただし、注意が必要なのは刺青です。 最近はファッションで手軽に刺青を入れる方が増えてきました。実はこの刺青の色素に金属成分が含まれることがあります。色素の金属がMRI検査により熱を持ち、火傷にいたる可能性があります。そのため注意が必要です。 2、腰が痛い場合のMRI検査 腰痛の原因は様々ですが、MRI検査でわかるのは、軟骨の変形や神経の圧迫などです。 腰にある筋肉が肉離れを起こしたような状態であるギックリ腰や、腰の筋肉の疲労からくる筋・筋膜性腰痛症はMRI検査では異常がわかりません。 一方、椎間板ヘルニアではMRI検査が重要です。腰の骨(腰椎)には椎間板と呼ばれる円盤状の軟骨部分があります。この部分が外に出てきたのが椎間板ヘルニアという訳です。 神経が圧迫されると、腰、お尻、下肢にまで痛みやしびれが出ることがありますが、椎間板が出ていても神経を圧迫しなければ、痛みはありません。この椎間板の飛び出てきた様子をMRI検査を用いることで確認することができ、診察に当って正確な診断が行えます。 3、膝が痛い場合のMRI検査 膝の痛みには、交通事故、スポーツによる外傷、運動のやりすぎ、中年以降に慢性的に起きるものなどがあります。外傷による代表的なものとして、膝半月板損傷および膝靱帯損傷、変形性膝関節症があります。 MRI検査による画像情報なら半月板、膝軟骨、ひざの靭帯が、どのように痛んでいるのかなどの疾患を正確に知ることができ、これらの症状の診断には欠かせません。 特に変形性膝関節症の場合は、レントゲン検査では骨の外観しか判断できないところ、MRI検査によれば骨の中の状態まで把握できるため、医師は骨の内部にまで損傷がおよんでいないか確認することができます。 1)膝半月板損傷 膝関節のすき間には、内・外側それぞれに半月板と呼ばれる三日月型の軟骨(膝半月板)があり、膝にかかる衝撃を分散させています。例えばスポーツ等で強く膝を捻ったときに損傷することが多く見られたりします。 損傷直後には、強い痛みと共に腫れたり、関節内に血液が溜まる事があります。しばらくして痛みが和らいでも、膝の中で引っかかる様な感じや動きにくい感じが続いたりします。 2)靱帯損傷 膝を支えるため、膝には内・外側の側副靱帯および前・後十字靱帯の計4つの膝靱帯があります。半月板の損傷と同じように、スポーツ等で膝を捻った時や交通外傷で発生する事が多くあります。 強い膝の痛みと共に皮下や関節内に出血が生じます。膝関節が不安定になることが一番の問題であり、膝のくずれや持続する痛みでスポーツが出来なくなることもよくあります。これら靭帯の状態を確認する上でもMRI検査を用いた検査が一番わかりやすい検査となります。 もし、上記のうちに気になる症状があれば、早めに専門医院の受診をお勧めいたします。その際にMRI検査での精査を勧められることがあるかもしれません。その折のご参考としていただけると幸いです。 以上、「膝や肩、股関節の関節痛の診断に何故MRI検査が必要なのか」について記させていただきました。 ▼こちらも合わせてご覧ください MRI検査についてと、検査を受ける際の注意点 O脚とは?O脚の原因とおすすめの治し方を知りたい方へ必見です!
2022.03.30 -
- ひざ関節
- 膝の内側の痛み
- 変形性膝関節症
変形性膝関節症のサポーターなど装具療法の種類と注意点 この記事は、「膝の痛みを緩和してくれる装具が欲しい」と自分にあった装具を探している。そんなあなたに書いています。装具は、足などの弱った部分に装着して、その部分を支えることで痛みを軽減したり、運動の能力を補助して向上させる目的で行うものをいいます。 変形性膝関節症は、膝のクッションの役割を担う関節軟骨のすり減りが起因となって膝に痛みなどの障害を感じる疾患です。進行すると関節が変形したり、安静時にも痛みを感じるようになることから、日常生活だけでなく、健康寿命まで脅かす病気です。 そんな変形性膝関節症の治療は大きく外科的療法と、保存的療法の2つに分けることができます。外科的療法では、関節鏡視下手術・骨切り術・人工関節置換術があります。 また、保存的療法には運動療法・薬物療法・物理療法、そして膝や足底に装具をつけることで、痛みの緩和や運動機能の補助を目的とする装具療法があります。変形性膝関節症による膝の痛みでお悩みの方に向けて装具療法とその種類について参考になればと記させて頂きました。 膝の痛みの緩和や、歩行などの動くために、どんな装具にしたら良いのかと、迷われている方はぜひご覧ください。 変形性膝関節症の治療 1.外科的療法: → 関節鏡視下手術 → 骨切り術・人工関節置換術 2.保尊療法: → 運動療法 → 薬物療法 → 物理療法 → 装具療法 変形性膝関節症に対する装具と注意点 変形性膝関節症に対する装具は、大きく分けてサポーターとインソールといった2つがあります。 サポータを装着することで、不安定になった関節を安定させます。変形性膝関節症では膝を安定させる大腿四頭筋をはじめ、膝周囲の筋肉が弱まることで膝を支えることができずに膝が不安定な状態になります。 不安定な膝に対して不規則な負担が繰り返されると、軟骨がすり減り痛みにつながるのですが、サポーターで膝を支え、安定性を高めて痛みを減らします。サポーターで膝が支えられると安心感が増すため、精神的にも効果が上がります。 サポーター ただし、安心だから、楽だからとサポーターに頼りっぱなしになるのはオススメできません。 サポーターはあくまで筋肉の代わりをする補助的な役割を果たしているだけで、痛みがないのにも関わらずサポーターを常に装着していては、かえって膝の筋力が低下しかねないからです。 サポーターは、薬局、ドラッグストアに置いてあるような市販のサポーターから、健康保険を適応して医療機関から入手できるモノまであります。市販のものは膝を一周覆うような簡易的なものが特徴です。 医療機関で入手できるものは、膝の両側、または片側に支柱が付いている特徴があり、装着に際して医療的見地から個人に合ったものをフィットさせてくれる特徴があります。 支柱タイプのサポーターは、簡易的なものと比べ高価なものが多いですが、市販のものと比べ安定感は強いです。支柱は金属やプラスティックでできており、荷重の偏りを減らすほか、太ももから膝下までの範囲をサポートしてくれます。 最近は、支柱タイプのサポーターであってもインターネットを使えば入手することが可能ですが、自分にフィットする保証が無いだけに心配です。膝の変形が強いほど、サポーターの支柱にかかる負担も大きくなるため、膝に支柱が当たることで皮膚にすり傷ができるなどのケガをする可能性があります。 簡単な擦り傷でも、サポーターを着けると、傷にあたって痛むため、あたらないようにかばっていると不自然な力が入って、悪化しかねません。これでは痛みを取るための装具としての意味が無くなってしまいかねません。 装具は、できるだけ医師に相談し、あなたの症状はもちろん、膝のサイズに合ったサポーターを購入しましょう。 こちらでもサポーターについて詳しく解説しています。ぜひご覧ください。 変形性膝関節症はサポーターをしたほうが良い!その理由と注意点 インソール 膝内側への負荷を減らすインソールは、別名「ラテラルウェッジ(外側くさび状)型足底板」と呼ばれます。 下肢に体重がかかるラインを荷重線またはミクリッツ線(大腿骨頭と足関節の中心を結んだライン)といい、通常であれば膝の中央を通ります。しかしO脚(内返膝)になると荷重線は膝の内側を通るようになります。 そこで、インソールを用いることにより荷重線を膝の中心へ近づけるように、膝の角度、すなわち荷重線を調整することで、内側軟骨のすり減りや痛みを減らせます。 変形性膝関節症のほとんどの方は、O脚になってしまいます。 O脚になると体重が小指側に乗りやすく、膝の内側部に負荷がかかることで痛みを感じます。 小指側を高く持ち上げるように足裏にインソールを挿入することで、親指側へ体重が乗るように膝の角度を調整します。すると小指ではなく親指側へ荷重が抜けるような歩行ができるほか、膝内側にかかる過剰な負担を軽減させ、痛みを緩和します。 X脚を抱えた方の場合は、その逆に親指側を持ち上げる装具があります。 一般的にインソールは屋外で履く靴に使用しますが、屋内で使用できるタイプや、足に直接装着するタイプもあります。 インソールもサポーター同様、市販で購入できるものよりも、健康保険が適応される医療機関での購入をお勧めします。 病院で購入できるインソールは、市販のものより高価になりがちですが、あなたの膝の状態に合わせて採寸することで、症状に合わせて矯正が可能になります。治療効果を得て頂くためにも国家資格である義肢装具士に依頼できるよう、かかりつけ病院の担当医に相談されてはいかがでしょうか。 まとめ・変形性膝関節症のサポーターなど装具療法の種類と注意点 いかがでしたでしょうか?変形性膝関節症の装具療法、サポーターとインソールについて、その種類や効果について解説しました。 サポーターをすることで、筋肉の代わりに膝の安定性を高める効果があります。サポーターの種類には、支柱がないものと、支柱があるものに分けられます。支柱タイプのサポーターは、膝にかかる荷重の偏りを防げますが、時には支柱が膝に接触し、痛みを伴うことがあります。 インソールは膝の固定はしないものの、O脚やX脚のように偏った荷重線に対して膝の中央ラインを通るように膝の角度を調整し、関節への負担を軽減させます。 サポーター、インソールともに薬局など市販で購入できます。しかし変形性膝関節症の変形の度合いは一人ひとり違うこと、進行に伴い角度が変わることから、医療機関であなたにあったサポーター・インソールを購入されることをオススメします。 以上、変形性膝関節症の装具療法と、その種類について、を記させていただきました。自分に合った装具を身につけて心身ともに前向きな生活を見つけましょう。 ▼以下の記事もご参照ください 変形性膝関節症の治療は整骨院でできるか?改善可能なのか!
2022.03.30 -
- ひざ関節
- 膝の内側の痛み
- 変形性膝関節症
変形性膝関節症の人が増えている!その原因から予防のヒントを探りました 近年、膝痛(変形膝関節症)の患者さんが急増しています。 2005年に東京大学医学部の研究グループが行った疫学調査によると、日本における「中高年の膝痛の患者数は約2400万人」と推測されるそうです。 その後も患者数は増加し続けており、現在では、膝痛の患者さんと、その予備軍を含めると実に約3000万人にのぼると推測されています。そして、膝痛を訴える患者さんののうち約9割以上が「変形性膝関節症」が原因と考えられています。 そこで今回は、この「変形性膝関節症」に悩まれている人が増えてる理由を解説。その理由を通じて予防のヒントをつかんで頂ければと思います!また、リハビリとして運動療法を行う際に注意したいことを併せて記しました。 変形性膝関節症|膝の痛みの原因 変形性膝関節症は長年、膝が受け続けた負担によって膝の軟骨がすり減り、炎症が起きた結果、しだいに関節が変形してしまう病気です。 私たちの膝は、この世に生を受けて、はじめて歩行を始めてから現在まで、日常生活はもちろん、労働や運動を通じて様々な負担をかけ暮らしてきました。 普段、何もなければ膝を意識することはありませんが、膝は立っているだけでも体重を受け止め、歩くと体重の5倍以上もの負荷が実際に掛かることが分かっています。 この負荷を受け続けると膝関節の軟骨は、徐々にすり減り、最終的に炎症を起こす可能性があるのです。 膝関節は、大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)の末端が接合する部分で、その間には、「クッションのような役割をしている関節軟骨」や、「半月板という軟骨組織」から出来ています。 この関節軟骨や半月板が、年齢を重ねることで徐々にすり減り、その過程で削れた摩耗粉が関節包の内側に滞留し、膝を覆っている「滑膜」を刺激するようになります。 すると、この摩耗粉を体は異物とみなして免疫反応を起こしてしまうのです。その結果、滑膜の細胞から「炎症性サイトカイン」という、生理活性物質(体の働きを調整する役割のある物質)の一種が分泌されます。 この炎症性サイトカインは本来、細菌やウイルスが体に侵入した際、それら異物を撃退して体を守るため、重要な働きをする物質です。 それが意に反して摩耗粉を異物と認識して分泌されることで炎症が起こり、痛みが現れるということです。 これが膝が痛む原因です。 変形性膝関節症|膝痛で悩む患者さんが急増している原因 原因|その① 膝にお悩みの患者さんが増えた第一の理由は、本格的な「高齢社会」が到来したことです。2019年におけるわが国の総人口は前年よりも26万人少なくなっているにもかかわらず、65歳以上の高齢者は32万人も増加し、3588万人と過去最高となっています。 日本人の平均寿命も、男性81.25歳、女性87.32歳(2019年)と年々長生きになっており、高齢者の人口は、これからもますます増加していくものと思われます。 変形性膝関節症は高齢者ほど発症しやすく、日本では、60歳以上の人の約6割が変形性膝関節症というデータもあり、高齢者が増加する傾向はまだ当分続くと考えられるため、変形性膝関節症で悩まれている患者さんは、今後も増えるものと考えられます。 原因|その② 膝にお悩みの患者さんが増えた第二の理由は「運動不足」です。現代社会では自動車や電車など便利な交通機関が発達し、さらにはエレベーターやエスカレーターといった移動を楽にする設備が普及しています。 その結果、歩いたり、階段を上り下りする機会が減り、現代人はあまり体を動かさなくなってしまいました。また、高齢になると移動が億劫になり、家に引きこもりがちとなり、運動不足になってしまいます。 膝関節を支える骨や軟骨、筋肉や靭帯(骨と骨をつなぐ丈夫な線維組織)は、日頃から体を動かし適度な刺激を与えていないと、少しずつ衰えていきます。 現代人としては、意識して運動をすることが大切です。けして、激しい運動である必要は無く、適度な刺激を筋肉や軟骨などに与えることで膝関節の健康を維持することが可能になり、膝の健康はもちろん、心身の健康のためにも重要です。 また、膝にためは運動以外にも日ごろからストレッチやウォーキングなどの習慣化も大切です。 原因|その③ 膝にお悩みの患者さんが増えた第三の理由は「肥満」です。運動不足は肥満を招きがちです。体重が増えると、立ったり歩いたりするだけで膝関節に大きな負荷がかかってしまうことはご想像頂けるろ思います。 肥満は、体重の増加により、膝痛の原因となる軟骨や半月板を、通常より圧迫するリスクが増し、傷めやすくなってしまいます。そのため、膝痛を予防するためには、普段から適度な運動をして、適正体重を維持することが重要です。 膝の痛み|誤解(安静にしずぎに注意) 以前、膝痛の患者さんに対して「安静にすること」が勧められていました。 鎮痛薬で痛みを和らげた上で膝に負担をかけないように安静にして、自然の回復力にまかせ、治癒するのを待っていたのですがこれでは次のような問題が生じます。 膝の痛み|安静にし過ぎて起こる膝の衰えという問題 ・膝が痛いからと、安静にばかりしていると、体重が増えがちとなります。 ・膝周辺の筋肉や靭帯などが、どんどん衰えていきます(廃用性症候群という) ・膝を支えている筋肉や靭帯が衰えると、膝を支えることができなくなります。 ・その結果、軟骨への負荷が余分にかかり、軟骨の摩耗が進む悪循環に陥ってしまいます。 ------------------------------------ 安静に加えて鎮痛薬を使うと ・膝の痛みは治まります。ただし、痛みが出ないため、膝を以前と同じように使います ・膝を支える筋肉や靭帯が衰えているため、しばらくするとまた発症してしまいます。 従来の安静にするという治療法では、こうした「炎症サイクルの悪循環」に陥りやすいのです。特に肥満の場合は、膝に対する負担が大きいため更に注意が必要です。 膝の痛み|運動療法(リハビリの活用) リハビリでの「運動療法を活用」すれば、2〜3週間ほどで痛みが軽減した上、楽に歩けるようになることがあります。膝の周囲の筋肉が膝を支えることができるようになるためです。 それによって日常生活の活動性が増すと、膝周囲の筋肉や靭帯が自然に鍛えられ、結果として関節軟骨の摩耗が抑えられるようになります。その結果、膝関節の炎症が起こりにくくなり、痛みもどんどん軽減します。 痛みが軽減すれば、さらに患者さんの悩みは薄れていき、行動は活発となり、膝関節の安定性は一段と高まることで膝痛は遠ざかります。 この好循環に導くことができれば「膝痛から卒業できる可能性」が上がります。 膝の痛みを予防するヒント! これまでの記事で変形性膝関節症が増えてる理由についてご理解は進みましたでしょうか?簡単に要約すると高齢化社会の到来ということで、発症率が高い高齢者の人口が多いため、カウント数が伸びたということ。 加えて運動不足と、肥満という理由があげられています。ここから分かるのは、「適度な運動をすることで体重の増加を止め、その結果若々しくいれば変形性股関節症を発症するリスクを低くできる」ということで、これは予防のヒントになります。 簡単に要約しましたが、膝の痛みの予防は、難しく考えないことが大切です。加齢は誰にも訪れることで仕方がありません。年齢があがると、どうしても体は衰えるもので自然の摂理です。思い悩みすぎずに気持ちを明るく、前向きにすごされることが大切です。 気持ちが前向きになれば、体に負担のない範囲という条件のもと、簡単でも軽めの運動を継続的に心がける動機になりえます。家に籠ることなく、外に出かけて色々な人と会ったり、景色を見たり、そんな何気ない行動だけでも運動になります。 もちろん、もっと積極的にウォーキングを行うことも効果的です。日課にして継続的に行いうことを強くお勧めします。尚、体重の増加が気になる方は体重計を用意しカレンダーに記録したり、食べたモノを書き出したりして体重を意識することから始めてみてはいかがでしょうか! ただ。前向きになりすぎて体を痛めてしまわないように見定めてください。できれば医療機関などで医師から助言を受けて取り組まれることをおススメします。 変形膝関節症・予防のヒント ・前向きな気持ち ・体重コントール(肥満を防いで適正体重を維持する) ・軽めの運動を継続して行うようにする(外に出かけよう) ・無理はしすぎないように ・運動内容、量は医療機関にて助言を得ましょう 運動療法(リハビリ) 変形性膝関節症の運動療法について 「変形性膝関節症患者には、定期的な有酸素運動、筋力強化訓練および関節可動域拡大訓練を実施し、かつこれらの継続と奨励する」としており、「筋力強化訓練」「有酸素運動」「可動域拡大」の3つを効果的なリハビリとして推奨しています。 (参照:日本整形外科学会による変形性膝関節症診療ガイドラインより) リハビリとしての筋力強化訓練では、太ももの前面の筋肉「大腿四頭筋」の家庭での強化、有酸素運動については、激しい運動ではなく穏やかな無理のない運動が推奨されています。 可動域拡大については、膝関節を動かさないでいると可動域が狭くなり柔軟性が失われてしまうためリハビリの目的としながらも無理をしない範囲で訓練するようにします。 膝は、無理のない程度に動かすことで、炎症を起こしている滑膜や軟骨の細胞に一定のソフトでも力が作用し、以下の様な3つの効果を得ることができます。 適切なリハビリの効果 ① 炎症の原因:炎症性サイトカイン(細胞から分泌される生理活性物質)の産生を抑える作用 ② 炎症を鎮める効果:抗炎症性サイトカインが分泌される作用 ③ 膝関節の軟骨成分:膝関節の組織修復に必要なコラーゲン、プロテオグリカンが増加する作用 変形性膝関節症の予防|運動療法(リハビリ)の注意点 膝関節を適度に動かすことが膝痛を改善に導くとはいえ、膝にあまり強い力をかけてしまうと、むしろ症状が悪化し、痛みも強まることになってしまいます。 リハビリの一環としての運動は必要ですが膝を動かす場合には激しい運動は禁物です。適度な運動であれば①〜③の効果が得られ、関節内の炎症を抑えられます。さらには組織の新陳代謝が促され、効果的に膝痛の改善が期待できることになります。 運動が良いとなると早く治したい、また予防する意識が強すぎて限度を超えた運動に取り組む方がおられますが、過度な運動は逆効果です。できれば整形外科などのリハビリに通ったり、運動方法のアドバイスを受けて適切な方法と必要な運動量を確保しましょう。 適切な運動を無理なく、継続しましょう! まとめ・変形性膝関節症の人が増えている原因から予防のヒントを探る 変形性膝関節症の増えている理由は、高齢化社会、運動不足、肥満などさまざまな要因が絡み合っています。しかし、それらの理由を探り、ヒントにすれば適切な対策が分かり、予防や改善が可能なのです。 何より膝に負担を掛けない適正な体重を維持する意識を持ちましょう。 そのためには前向き意識で適度な運動を続け、関節や筋肉を健康に保つことができれば膝痛を予防することが可能です。ただ、既に症状を発症してしまったのなら適切なリハビリや、運動療法を行いましょう。 リハビリは無理に無い範囲で適切に行うことで症状の改善を期待することができますが、治りたい意識が強すぎて過度な運動は避けるようにするべきです。 そのためにも、膝の痛みに悩んでおられるなら、医師や専門家の助言を受けて適切な運動や、治療方法を試みましょう。 自分の体に合った方法で、健康な膝を維持しましょう。 以上、変形性膝関節症が急増した原因から予防や治療のヒントを探してみました。 ▼ 再生医療で変形性膝関節症を治療する なってしまった変形性膝関節症は、再生医療により症状を改善することができます ▼以下のご参照ください 変形性膝関節症に東洋医学の鍼灸(はり、おきゅう)治療は効くのか
2022.03.25 -
- ひざ関節
- 膝の外側の痛み
- 変形性膝関節症
「インターネットで膝の痛みについて検索しても、自分の膝の症状に当てはまるのかわからない」と悩んでいませんか。 自分の膝の痛みは放置しても治るのか、病院で治療を受けるべきなのかが判断できず、不安になることもあるかもしれません。 膝には靭帯や軟骨、筋肉などさまざまな組織が存在し、損傷や炎症を起こしている部位によって疾患名が変わる可能性があります。自己判断が難しい場合もあるため、気になる場合は早めに整形外科の受診も検討しましょう。 本記事では膝の部位ごとに痛みを感じる病気と対処方法を解説します。 記事を最後まで読めば膝の痛みがある部位ごとに疑われる疾患名がわかり、病院に行くべきか判断する際の参考になるでしょう。 「膝が痛む場所」によって診断結果が変わる可能性が高い 結論から言えば、膝の痛みが出ている場所によって、診断される病名は変わる可能性が高いでしょう。 膝には靭帯や軟骨、筋肉などさまざまな組織があり、どの組織が損傷・炎症しているかによって疾患名が変わるためです。 言い換えると、痛みが出る部位が明確であれば、損傷・炎症している膝の組織や疾患名も予測しやすいといえます。 「膝の内側」が痛む2つの病気 膝の内側が痛い場合は、以下2つの病気が考えられます。 変形性膝関節症 鵞足炎 膝の内側の痛みに悩んでいる方は、自分自身の症状に当てはまるかチェックしてみましょう。また、変形性膝関節症と鵞足炎の詳細については、以下の記事もご参照ください。 変形性膝関節症 変形性膝関節症とは、関節の軟骨がすり減ることで膝関節が変形していく病気です。加齢や筋力低下のほかにも、骨折•感染症も原因となる可能性があります。 主な症状は変形した関節の痛みや可動域の制限、関節水腫などです。初期症状では痛みがある程度ですが、進行していくにつれて変形が大きくなり、炎症反応がみられるようになります。 末期になれば変形が強く関節面がゆがむために関節可動域制限が大きくなり、日常生活に支障がでることも珍しくありません。 鵞足炎 鵞足炎とは、膝の内側に付着する筋肉の腱が炎症を起こす病気です。 ダッシュからのストップやジャンプ動作を繰り返すことで生じる、いわゆるオーバーユース症候群に分類されます。スポーツ選手に多く発症しますが、階段の上り下りや長距離歩行が多い人に発症することも少なくありません。 主な症状は歩くときや椅子からの立ち上がりなど、足に力を入れたときに膝の内側、下方に生じる痛みです。重症化すると荷重時だけでなく、安静時にも痛みを感じることがあります。 「膝の外側」が痛む2つの病気 実際に膝の外側が痛い場合、以下に挙げる2つの病気が考えられます。 腸脛靭帯炎 外側半月板損傷 膝の外側に痛みを感じている方にはこれらの病気が当てはまるかもしれません。痛みで悩んでいる方はぜひチェックして、ご自身の症状と比較してください。 腸脛靭帯炎 腸脛靭帯炎とはランナー膝とも呼ばれ、膝の外側にある腸脛靭帯という組織に炎症がみられる病気です。 膝の曲げ伸ばしを繰り返すことで腸脛靭帯が膝の外側の出っ張り(大腿骨外顆)とこすれ、摩擦によって炎症が起きます。そのため、ランニングなど膝の曲げ伸ばしが多いスポーツが主な原因です。 症状は膝の外側の痛みで、初期では膝を動かしたときのみに痛みを感じます。重症化してくると安静時にも痛みを感じるようになり、痛みがなかなかひきません。 外側半月板損傷 外側半月板損傷とは、大腿骨(太ももの骨)と脛骨(脛の骨)の間にあるクッションの損傷です。 膝関節の内側と外側にそれぞれありますが、外側にある半月板の損傷が膝の外側の痛みにつながります。損傷の原因はスポーツや日常生活のなかで膝の外側に大きな負担がかかり続けることや、加齢に伴う関節の変性、筋力低下などです。 外側半月板損傷では痛みのほか、関節可動域の制限がみられます。関節運動が不安定になり、膝の曲げ伸ばしの途中で半月板が引っかかることで動かなくなる「ロッキング」も外側半月板損傷の特徴です。 「膝の上側」が痛む2つの病気 膝の上側に痛みを出す病気で考えられるものは以下の2つです。 大腿四頭筋付着部炎 膝蓋大腿関節症 膝の曲げ伸ばしなどで膝の上に痛みを感じる人はこれらの病気が当てはまる可能性があります。自分の症状と照らし合わせてみてください。 また、膝の上の痛みについては以下の記事でも解説していますので、気になる方はこちらもチェックしましょう。 大腿四頭筋付着部炎 大腿四頭筋付着部炎とは、太ももの前にある大腿四頭筋が付着する膝蓋骨(膝のお皿)上部に痛みを生じる病気で、ジャンパー膝とも呼ばれます。 いわゆるオーバーユース症候群に分類され、大腿四頭筋を使いすぎることが原因です。ジャンプ動作やダッシュを繰り返すスポーツ選手に多く発症します。 初期症状ではスポーツ時に限定される痛みが特徴ですが、悪化すると歩行や階段昇降など日常生活でも痛みを感じるようになります。 大腿四頭筋付着部炎(ジャンパー膝)の原因や治療は、以下の記事も参考にしてください。 膝蓋大腿関節症 膝蓋大腿関節症は、大腿骨と膝蓋骨の間にある軟骨が変性することで痛みや関節可動域制限が生じる病気です。 膝の運動に伴い上下に動く膝蓋骨の軟骨が変性することで動きが悪くなり、関節の変形へとつながります。 主な原因は加齢と膝蓋骨の骨折・脱臼です。これらの原因によって膝蓋骨の軟骨が変性、摩耗し、膝の上部に痛みが生じます。 また、膝蓋骨の動きが悪くなることで膝全体の可動域が制限されることもあるでしょう。 「膝の裏側」が痛む2つの病気 膝の裏側に痛みが出る場合に疑われるのは、以下の2つの病気です。 関節リウマチ 膝靭帯損傷 これらの病気は放置すると危険なため、膝の裏側に痛みを感じる方は注意が必要です。ご自身の症状とこの2つの病気が当てはまるかどうか必ずチェックしてください。 また以下の記事も参考にしていただけると幸いです。 関節リウマチ 関節リウマチは、関節の中にある滑膜という組織がなんらかの原因で異常増殖し、炎症を起こす進行性の疾患です。 症状が進行すると関節が破壊され、痛みや関節の変形を伴います。全身の関節に起こる病気ですが、膝であれば膝裏にも痛みを感じることが特徴的です。 関節リウマチは自己免疫疾患だと考えられていて、発症する原因はわかっていません。しかし、30〜40代の女性に発症しやすい傾向があります。 早期発見・早期治療によって症状の進行を抑えることが重要な疾患です。 膝靭帯損傷 膝靭帯損傷は膝にある4種類の靭帯のいずれかが損傷する疾患で、膝の裏の痛みではとくに後十字靭帯損傷が疑われます。 後十字靭帯損傷は事故やスポーツによって損傷しやすい靭帯で、損傷すると膝裏の痛みや膝の伸ばしにくさが出るのが特徴です。 後十字靭帯は自然治癒が難しいため、損傷すると時間経過とともに元どおりになることがありません。すぐに手術をする必要はありませんが、サポーターなどの装具での補強やリハビリが必要です。 【場所別】膝が痛むときの対処法 膝の痛みは、痛む場所によって対処法が異なります。主な対策は以下のとおりです。 膝の内側が痛む場合は「膝に負担をかけないようにする」 膝の外側が痛む場合は「股関節の運動を心がける」 膝の上側が痛む場合は「ストレッチと筋トレを行う」 膝の裏側が痛む場合は「無理をせず医療機関を受診する」 本章を参考に、自分の膝の痛みに合った対処法を試してみましょう。 膝の内側が痛む場合は「膝に負担をかけないようにする」 膝の内側が痛い場合は、「鵞足炎」もしくは「変形性膝関節症」の可能性があるため、膝関節へ負担をかけないことが大切です。 病名によって対処法がやや異なるため、以下の表を参考に試してみましょう。 病気名 対処法 鵞足炎 ・安静にすること ・鵞足につく太ももの内側・裏側の筋肉をストレッチする ・お尻の筋力強化 変形性膝関節症 ・適切な体重にコントロールする ・膝の筋力強化 ・痛み止め(消炎鎮痛剤)の服用 これらの疾患は圧痛の位置によっておおまかに見分けられます。 鵞足炎では膝の内側・下方に圧痛があるのに対し、変形性膝関節症では大腿骨と脛骨の関節面付近に圧痛があります。 圧痛の場所を確認し、可能性のある疾患を見極めた上で適切な対処を行いましょう。 膝の外側が痛む場合は「股関節の運動を心がける」 膝の外側に痛みを感じる場合「腸脛靭帯炎」もしくは「側半月板損傷」が考えられます。これらの疾患への対処法として、股関節周囲の筋力強化やストレッチが重要です。 腸脛靭帯は股関節の外側から膝に向かって伸びている靭帯で、膝を支える役割がある組織です。お尻の筋肉とつながっているため、股関節の筋力強化やストレッチで強くしなやかになり、腸脛靭帯炎の予防になるでしょう。 外側半月板は膝の中にあるクッションで2つある半月板のうち、外側にあるものを指します。身体の外側に体重がかかると外側半月板の負担になるため、股関節の筋力強化・ストレッチを行い、体重のかかり方をコントロールする必要があります。 股関節を捻るストレッチやあぐらをかくストレッチが効果的です。筋力強化は仰向けでのお尻上げやスクワットといったお尻の筋肉に力をいれるトレーニングを取り入れてください。 また、どちらの疾患もオーバーユースが要因となるため、痛みが強いときには安静も重要です。 膝の上側が痛む場合は「ストレッチと筋トレを行う」 膝の上に痛みを感じる場合「大腿四頭筋付着部炎」や「膝蓋大腿関節症」の可能性があるため、太ももの筋肉の柔軟性を高めましょう。 大腿四頭筋付着部炎と膝蓋大腿関節症は大腿四頭筋の柔軟性が低下することで発症しやすくなります。膝を深くまで曲げるストレッチや、足を後ろに引いて骨盤を前に出すストレッチで大腿四頭筋の柔軟性が高まるでしょう。 また、ストレッチだけでなく筋力強化も重要です。大腿四頭筋を強化することで膝蓋骨の動きがスムーズになり、また付着部の炎症も起きにくくなります。仰向けでの脚上げやスクワット、段差昇降が有効なため、ぜひ試してみてください。 なお、大腿四頭筋のストレッチの詳しいやり方はこちらでも解説しています。ぜひご覧ください。 膝の裏側が痛む場合は「無理をせず医療機関を受診する」 膝の裏に痛みを感じるときは「関節リウマチ」や「膝靭帯損傷」が疑われます。自分での対処が難しいケースがほとんどであるため、可能な限り早く整形外科を受診しましょう。 整形外科を受診する場合には、MRIがある施設がおすすめです。MRIがあれば関節の変形や炎症の程度がわかるため、適切な診断を受けられます。 また、関節リウマチを疑う場合には採血も必要なため、受診する前に採血が可能か問い合わせておくと安心です。 まとめ|膝の痛みは場所によって原因が違う!気になる人は早めの受診がおすすめ 今回は膝が痛む場所からわかる膝の病気について詳しく解説しました。 個々の経過や受傷状況などによって専門医による診察が重要であることはいうまでもありませんが、膝の痛む場所によってそれぞれ特徴的な膝の病気があることも事実です。 もし膝の痛みの原因が自分で特定できない場合は、病院で受診することをおすすめします。 また、当院「リペアクリニック」では、膝の痛みに関する治療法として、再生医療を行っています。 2023年12月には、国内初の「分化誘導による関節の再生医療」による治療を厚生労働省に特許申請し、受理されました。 「分化誘導による関節の再生医療」は、従来より高い再生能力を持った幹細胞による治療であり、幅広い膝疾患への効果が期待できます。 膝の痛みにおいて、手術以外の選択肢を持ちたいと考えている方は、ぜひ当院の「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」からご相談ください。 この記事が、膝の痛みの原因や対処法を知り、適切な治療を受けるための参考資料になれば嬉しく思います。 膝の痛みについてよくある質問 膝の痛みの原因はなんですか? 損傷・炎症がある組織によって異なります。 膝の痛みは靭帯や軟骨といった組織が損傷・炎症を起こすことで生じます。これらの組織は部位によって違うため、痛みの部位だけでは原因組織の断定はできません。 そのため、原因を特定するためには病院を受診しましょう。とくにMRI検査をすれば詳細な組織の評価ができるため、MRI撮影ができる施設がおすすめです。 膝が痛むとき受診は必要ですか? 受診することをおすすめします。 もし痛みの原因が軟骨や靭帯である場合、自然治癒が見込めません。そのため、正しい治療をしなければ痛みが長引く可能性があります。 病院を受診して痛みの原因を特定できれば、痛みの改善に向けた正しい治療が受けられるでしょう。また、再発防止に向けたアドバイスももらえるため、可能なら早めの受診をおすすめします。
2022.03.23 -
- ひざ関節
- 変形性膝関節症
膝が痛む!身体のサインを見逃さない!症状が悪化、重症化の懸念 みなさんの日々の暮らしの中で「膝が痛い!」と感じたことはありませんか? 膝痛は時間が経過すれば、放置しても自然と治癒すると思っていませんか? 膝関節は、見た目では分からないほど色々な組織で取り囲まれていて複雑な構造をしています。また体重の何倍もの衝撃を受け止めてくれる存在でもあり、スポーツはもちろんのこと、日常生活でも損傷を受けやすい場所と言えるのです。 膝の組織は、年月を経て加齢に伴って消耗していくことをご存知でしょうか? そのため、高齢になればなるほど膝の痛みを自覚する人が増加する傾向があります。 また、激しいスポーツ競技を繰り返したり、肥満気味で体重が重い場合など、膝部分には大きな負担、ストレスがかかってしまうと想像頂けるでしょうか。 膝は日常的にも歩く、走る、座る、立ち上がるといった誰にとっても重要な役割を果たしている大切な部位です。その部分に痛みなどの違和感があるにも関わらず放置していると、スポーツはもちろん、日々の生活で歩いたり、階段を昇り降りするなど単純な動作も困難になる可能性があります。 今回は、膝の痛みを放置すると、どうなるかということをテーマに、膝の痛みに対して病院でどのような処置をするのか、膝の痛みを放置しないで病院へ行くことの重要性を解説してまいります。 膝の痛みがありながら、放置するとどうなるか 膝が痛む原因は様々です。 例えば外傷で靭帯を損傷する場合もありますし「変形性膝関節症」「腱炎」や「滑液包炎」などの疾患が原因となることも考えられます。 変形性膝関節症とは、関節部位においてクッションのような役割を果たしている軟骨成分が、加齢や筋肉量の低下によって組織が摩耗し、擦り減ることで膝の痛みを認め、最終的に骨の変形にまで至る疾患です。 変形性膝関節症においては、個々によって症状の程度や進行度合いが異なる事が知られており、変形がかなり進んでいても痛み症状を自覚しない場合もあれば、強度の痛みを認めていても実際にはあまり関節変形が認められない方もいらっしゃいます。 特に超高齢化社会を迎える我が国では、中高年の人々は膝部の違和感や痛みが慢性化している場合が多く、症状を放置してしまう傾向があります。 しかし、「膝からのサインを見逃すと、症状が悪化して変形性膝関節症を始めとする関節疾患を招く結果」となってしまいかねません。 当然ですが、どんな疾患であっても早期に発見することができて、早期に治療できれば治癒までの期間も少なくて済みますし、処置自体も軽く済む傾向が高いものです。 発見や治療が遅れれば遅れるほど重症化し、治癒期間は長くなり、治療方法も複雑化してしまいます。 「痛みは体からのサイン」です。膝に痛みや違和感を感じたら、症状が軽いからこそ、その状態のうちに病院等の医療機関へ出向くことが正解です。 膝の痛みに対して病院でどのような処置をするか 日常生活で膝に痛みを感じた人が整形外科などを受診すると、専門医による問診や触診などの診察を受けると同時にレントゲン検査を始めとし、必要に応じてCTや、MRIなどの画像検査が行われます。 これは表面から見えない骨や、組織の状態を把握するためです。この検査から得られたデータに基づいて確実な治療を実施するための正確な診断に結び付けられています。 慢性的な膝の疼痛症状に対する治療策としては、「薬物療法」、「リハビリテーション治療」、「手術治療」などが存在し、症状に合わせた治療が選択されます。 検査の結果、診断内容や、ひざ痛の原因にもよりますが、患者さん本人の症状が軽度の際には内服薬や外用薬を使用することで痛みといった症状を緩和することから始まり、場合によっては膝関節内にヒアルロン酸を注射を投与することで膝の可動域を広げたり、炎症を抑えたりする治療が行われます。 これらの治療と合わせて膝の痛みを抱えた患者さんに対して、日常生活に十分復帰や対応できるようにリハビリテーションを実践することで筋力の衰えや、膝の可動域の確保、こわばりといった症状を防ぎます。 さらに膝部分を温める物理療法、ならびに足底板(インソール)や膝、サポーターなどの装具を作成して、膝周りを支えることで膝を安定化させる理学療法がおこなわれます。 ただし、このような保存的な治療でも膝の痛みが改善しない場合で病状の進行を認める際には主治医より、関節鏡手術、高位脛骨骨切り術、人工膝関節置換術などの手術による加療の選択を勧められることがあります。 膝の痛みは放置してはいけない。病院へお越しください 膝痛の原因として多いのが「変形性膝関節症」というもので、加齢やケガで軟骨がすり減り、膝関節が変形してしまう病気です。 初期状態では日々の生活上、立ち上がる際に痛みを感じるの程度であり、痛みがあっても、しばらく安静にすれば症状も改善するため、大した症状ではない、また痛みが薄れると治ったと甘く考えたりして勘違いすることがあります。 実は、この膝に起こる痛みといった症状こそが更なる病状悪化のサイン、前兆である可能性があります。 放置した結果、病状が進行すると軟骨組織が、すり減って膝関節の骨と骨のすき間が狭くなると同時に、骨辺縁部位に骨棘(こっきょく)と呼ばれるトゲのような突起物が骨に形成され、更に骨が変形して病状が悪化していく可能性があります。 変形性膝関節症では時間経過とともに徐々に症状が重くなり、次第に正座や階段の昇降がスムーズにできなくなり、末期状態になると安静時にも膝部位に痛みを覚えるようになり、関節部の変形も顕著になって最終的には歩行することが困難になってしまいます。 変形性膝関節症は、けして自然治癒しないとお考え下さい。それどころか完治が難しい進行性の疾患です。したがって、膝部に疼痛症状を自覚された際には初期の段階で、早めに整形外科など病院の診療科に行き、検査、診断を経て治療を開始することで病状の進行を遅らせなけらばなりません。 また既に、階段の昇降や正座が困難になってきた、最近では安静時にも膝の痛みを覚えて歩けなくなってきたなどの症状に心当たりのある場合も、ぜひ早めに医療機関を受診されるようお勧め致します。 まとめ・膝が痛む!身体のサインを見逃さない!症状が悪化、重症化の懸念 今回は膝の痛みを放置するとどうなるか、膝の痛みに対して病院でどのような処置をするか、膝の痛みを放置せずに病院へ行く重要性などについて詳しく解説してきました。 年齢を重ねれば重ねるほど、身体の色々な箇所に不調が出現するものですが、特に実生活において非常に大きく影響を及ぼす症状のひとつとして「膝の痛み」が挙げられます。 膝の痛みや違和感をそのまま放っておくと、膝関節の骨自体が変形してしまう変形性膝関節症を代表とする関節疾患を発症して日常生活に重大な支障をきたすなど様々なリスクが考えられます。 そのため、自己判断で放置せず、病院等、医療機関を受診するよう心がけましょう。 早期発見、早期治療が何よりも大切です。 今回の記事の情報が少しでも参考になれば幸いです。 ▼ 膝の痛みに再生医療という選択肢! 変形性膝関節症の軟骨のすり減り、再生医療なら軟骨を再生できることをご存知でしょうか ▼以下もご参考にされませんか 膝痛の原因と治し方|40代以降、中年期にご注意下さい
2022.03.15 -
- 健康・美容
- ひざ関節
膝関節が痛みが辛く、階段の上り下りや腰かける動作が辛い。 膝関節の痛みにプロテオグリカンが良いと聞いたが、本当に効果はあるの? 日常生活の中で、このように悩んでいる方も多いのではないでしょうか。 関節痛に効果のある成分といえば、コラーゲンや、ヒアルロン酸などがよく知られていますが、さらに上回る働きをもつ成分として近年注目されているのが「プロテオグリカン」です。 プロテオグリカンは保水性に優れており、摩擦や衝撃から軟骨を保護する役割があります。 本記事では、プロテオグリカンの効果・効能や関節痛との関わりについて解説します。プロテオグリカンによって膝関節痛を軽減させたい方はぜひ参考にしてください。 プロテオグリカンは「摩擦や衝撃から関節を守る成分」のこと 前提として、関節軟骨は骨とは違い、約70%が水分、他30%がプロテオグリカンやコラーゲン、ヒアルロン酸で構成されています。 なかでもプロテオグリカンとは、関節と関節の間にある軟骨(関節軟骨)の主成分の一つであり、保水性に優れているため軟骨の保護に効果的と言われています。 たとえるならば、プロテオグリカンは水をよく含んだスポンジのようなイメージです。軟骨に摩擦や衝撃が加わると、水分が浸みだして、軟骨に潤いを与えるのです。これにより、関節が摩擦や衝撃から守られます。 近年では、プロテオグリカンのさまざまな効果・効能が数多くの研究により報告されており、健康食品や化粧品の原材料として利用する動きが高まっています。 本章ではプロテオグリカンの効果・効能や副作用について解説します。 プロテオグリカンは関節痛に効果がある プロテオグリカンは、関節痛を和らげる効果があります。なぜなら、プロテオグリカンには、すり減った軟骨の修復を助けたり、軟骨細胞を増加させたりする働きがあるからです。 また、抗炎症作用もあるため痛みの軽減も期待できます。 プロテオグリカンの効果・効能の詳細は、以下の通りです。 細胞の増殖や成長を促進 抗炎症作用 生活習慣病の予防 細胞の増殖や成長を促進 プロテオグリカンは、細胞の増殖や成長を促進する因子(EGF)とよく似た作用があることが報告されています。摩擦や衝撃ですり減った軟骨細胞を修復する機能は、関節痛を和らげるために非常に重要です。 また、プロテオグリカンはコラーゲンやヒアルロン酸の生成を促す作用があるため、美肌効果も期待できます。 抗炎症作用 プロテオグリカンには、炎症を抑えるサイトカインの働きを促す効果があるため、抗炎症作用があるといわれています。軟骨細胞の修復に加えて、痛みそのものの軽減も期待できます。 生活習慣病の予防 プロテオグリカンは、肥満や糖尿病などの生活習慣病の予防にも効果を発揮するといわれています。プロテオグリカンを摂取することで、体重の減少や血糖値の上昇抑制につながったとの報告があるようです。 プロテオグリカンには副作用はない プロテオグリカンの摂取による副作用はありません。多くの場合、サケの鼻の軟骨から抽出されるため、天然成分で体に安心と言われています。 ただし、食物アレルギーのある方は使用前に医師に確認した方が良いでしょう。 プロテオグリカンは食事やサプリメントで取り込める? プロテオグリカンは関節痛に効果的であるため、積極的に取り入れたいと思われる方もいるでしょう。 プロテオグリカンは食物に含まれていたり、サプリメントとして販売されたりしていますが、経口から摂取するのは難しいと言われています。なぜなら、調理工程や体内において消化吸収による影響を受けてしまうためです。 具体的に、なぜ食事やサプリメントでプロテオグリカンを取り込めないのか解説します。 食事 結論からいえば、プロテオグリカンは食事で摂取すること自体は可能であるものの、そのまま身体に取り込むのは非常に難しいといえるでしょう。 プロテオグリカンは動物の軟骨の主成分で,とくに、魚や動物の軟骨に多く含まれているため、食事に取り入れることは可能です。しかし、プロテオグリカンを構成しているタンパク質は熱に弱いため、加熱すると分解されてしまいます。 また、タンパク質は胃や腸で消化吸収される際にアミノ酸にまで分解されてしまうため、プロテオグリカンとして摂取するのが難しいといえます。 サプリメント プロテオグリカンのサプリメントは、食事同様胃や腸で分解されてしまうため、プロテオグリカンを血中に取りこむことは難しいといえます。 仮に体内へ取り込めたとしても、軟骨は血流が少ないため、その成分が届くとは考えにくいでしょう。つまり、プロテオグリカンのサプリメントを摂取しても軟骨が再生するほどの効果を上げることは難しいといえます。 プロテオグリカンは、膝などの関節以外、美容面での効果を大きく表示していることもありますが、積極的に効果があるとはいえません。ただ、プラシボー効果によって効いたような感覚になることがあるかもしれません。 プラシボー(プラセボ)効果とサプリメント プラシボー効果は、有効ではない「くすり等」を、成分が含まれている前提で使用者に摂取させると、実際に効いた人が出る現象です。 人は、「〇〇に良い成分が入っているから!」と言われると(知ると)、その効果に対する暗示を受けてか、実際にその効果を実感することがあります。これは自らの治癒力が発揮されて解決に導いているのではないかと言われる不思議な現象です。 しかし、偽薬やサプリメントがすべて代替できるわけではありません。プラシボー効果は絶対ではなく、万人に効くとは限らないためです。 とはいえ、サプリメントを摂取することで得られる精神的な満足感があるのは否めないのが事実です。そのため、プロテオグリカンのサプリメントも摂取するなら、「効果がある」、「効いてる」と思って摂取したほうが良いかもしれません。 プロテオグリカンは「運動」によって増やせる 関節のプロテオグリカンは、運動によって増やせます。運動などで関節の曲げ伸ばしを行うと、血流量が増加して軟骨細胞に酸素や栄養が行き渡り、プロテオグリカンの増加が促進されるのです。 逆に運動の機会が少ないと、身体が「プロテオグリカンは必要ない」と判断し、減少してしまいます。自ら積極的に体を動かすことで、身体にプロテオグリカンの必要性を感じさせることが大切といえるでしょう。 プロテオグリカンの増加には、激しい運動は不要で、ウォーキングやストレッチなどでも十分に効果が見込めます。 関節の痛みを恐れて運動不足になってしまうと、酸素や栄養が軟骨細胞に供給されなくなります。 結果、プロテオグリカンが減少し、かえって関節痛の悪化につながる恐れがあります。 ただし、関節に痛みがあるにもかかわらず、プロテオグリカンの増やすため、無理に運動をするのが控えましょう。医師の指導のもと、身体に負担のない範囲で行うようにしてください。 まとめ|プロテオグリカンを増やすには適度な運動が必要 関節痛の緩和に効果のあるプロテオグリカンは、食事やサプリメントで摂取することは現実的ではありません。しかし精神的な満足感や、プラシボー効果などで実際に効いてしまう人がいるのも事実です。 プロテオグリカンは、適度な運動によって体内で増やすことも可能です。関節の健康のためには、医療機関や専門家の指導に従って適度な運動などを行うのが大切です。 普段の生活から健康的でバランス取れた食事をとり、適度な運動を心がければプロテオグリカンの不足を防げるでしょう。 膝関節の痛みについては、以下の記事でも解説しているため、参考にしてください。 また、当院「リペアセルクリニック」では、自己の幹細胞を用いた再生医療により、関節の痛みを和らげる治療を提供しています。 もしあなたが関節痛に悩まされ、治療法の選択肢を増やしたいと考えているなら、ぜひお気軽にご相談ください。「メール相談」や「オンラインカウンセリング」も実施しておりますので、ご活用いただければ幸いです。 この記事が、プロテオグリカンについての基礎知識を身につけるのに役立ったのなら嬉しく思います。
2022.03.14 -
- ひざ関節
- 膝蓋軟骨軟化症
ランナー膝のひとつ(膝蓋軟骨軟化症)とは、その原因、症状と治療法 ランニングなどの競技で膝を過剰に酷使した際に起こる障害を総称してランナー膝と呼んでいますが、膝蓋骨の裏側にある軟骨に異常が出現する「膝蓋軟骨軟化症」もランナー膝のひとつと考えられています。 この疾患は、特に若年層の女性に多く発症するひざ痛を生じさせる病気として周知されており、膝蓋骨の裏側にある軟骨部分に変形や破壊などの損傷変化が引き起こされることで膝関節部に強い疼痛症状を自覚することが多いです。 今回は、若い女性ランナーに多いと言われている膝蓋軟骨軟化症という病気の原因、症状、検査、治療などに関する情報を中心に詳しく解説していきます。 ・膝蓋軟骨軟化症:若い女性ランナーに多く見られる ・ランニングなどで膝を酷使した場合に起こるランナー膝のひとつ 膝蓋軟骨軟化症の原因 そもそも膝蓋軟骨とは、膝の皿である膝蓋骨のうしろ側に付着している軟骨成分のことを指しており、通常であれば大腿骨と関節部を構成しています。 この軟骨組織の存在で通常であれば滑らかに関節面を可動するはずが、太ももの筋肉の一つである大腿四頭筋が筋力不足になっている、あるいは関節面の柔軟性低下などによって関節接合部が摩耗されてしまうと、ゴリゴリと膝部から音が鳴ることもあります。 それ以外にも発症要因としては、膝蓋骨と大腿骨の関節面における適合性が悪い構造的な問題も考えられていますが、詳細な発症メカニズムはいまだに明確にされておらず、はっきりとした結論は知られていません。 成人においては、特にビタミンD成分が欠乏すると、膝蓋部のみならず全身の軟骨軟化症に繋がると考えられており、あわせて骨密度の低下が引き起こされる懸念もあります。 本疾患は主に10代~20代の比較的若い女性に発症することが知られていて、その原因として、若年層の女性が普段ハイヒールなど通常よりもヒールの高い靴を履く習慣があるため、膝への負担が男性よりも大きくなると考えられています。 さらに、ハイヒール自体が外反母趾を発症させる要因として捉えられており、外反母趾はX脚に発展しやすいのみならず、膝蓋軟骨軟化症に罹患しやすいといった疾患関連性が指摘されています。 膝蓋軟骨軟化症の症状 膝蓋軟骨軟化症という病気においては、膝関節の周囲部や、その裏側、後ろ面に鈍い痛みを覚えることが往々にしてありますが、一般的には膝関節の腫れや熱感などは認められません。 特に、膝関節を屈伸した際に強度の痛みが起こると言われているため、階段の昇降時や長時間、座位の姿勢を保っている場合、ランニングするときや、急に椅子から立ち上がる際などに症状が悪化しやすいと考えられます。 特に、走っているときに膝蓋骨の裏側に痛み症状を覚えた際には本疾患が発症した疑いが持たれます。ランニングする際に膝部分を何度も屈曲する動作を行うことで膝蓋骨裏側に存在する軟骨成分と大腿骨下端部が摩擦し合って関節面が傷ついていることが考えられます。 膝蓋軟骨軟化症の検査 膝蓋軟骨軟化症では、通常の専門医による問診、視診、触診などの診察のみならず、MRI検査を始めとする画像検査が行われます。 まずは診察することでどのような症状がどういった時に出現しやすいのか、あるいはいつから症状を自覚しているのかなどの臨床経過を確認する作業から開始します。 併せて、膝関節部に腫れなどといった所見はあるか、押さえて痛い部分は存在するか、膝をどのように可動させた際に疼痛症状が起こるかなどを順番に評価していきます。 MRI検査では、膝蓋骨の裏側に位置している軟骨部にどのような異常所見を認めるかを確認して、本疾患において特徴的な軟骨変形や軟骨破壊などの病変部があるかどうかを調査します。 膝蓋軟骨軟化症と類似している疾患としては膝蓋骨後面欠損、離断性骨軟骨炎などが挙げられますので、MRI画像所見やこれまでに外傷を負ったか否かなどを詳細に評価して適切な診断に繋げていきます。 膝蓋軟骨軟化症の治療 本疾患では、主に保存療法、理学療法、薬物療法、手術療法などが実施されます。 初期段階における疼痛症状に対しては、患部を冷却してアイシングする、あるいは鎮痛薬を服薬する、湿布剤を貼付するといった対策が実践されます。 また、膝裏部に存在する軟骨が損傷を受けていますので直接的に病変部位を触りにくいと思われますが、リハビリ加療など理学療法を実行することによって大腿四頭筋の柔軟性を高めて膝蓋軟骨関節部の摩擦を軽減させることで疼痛症状を緩和させることが出来ます。 万が一にも、症状が長期に渡り継続する場合、または再発を繰り返して認める際には関節鏡視下に関節軟骨部の凹凸(おうとつ)を平らに整える処置を行うために根治的な手術を受けることを検討する余地があります。 ・保存療法 ・理学療法 ・薬物療法 ・手術療法 まとめ・ランナー膝のひとつ(膝蓋軟骨軟化症)とは、その原因、症状と治療法 今回は若い女性ランナーに多く見受けられるランナー膝の一種、膝蓋軟骨軟化症とはいったいどのような病気なのか、また本疾患の原因、症状、検査、治療などについて解説しました。 昨今では、健康意識が向上してウォーキングやランニングを日常的に取り入れている人も多いので、膝を痛めて困っている方もいらっしゃるかもしれません。 この病気は、ランニングやジョギングなどのスポーツ動作を繰り返すことで膝部分に過度の負担がかかる場合に発症しやすいと言われています。 ほとんどのケースでは保存的治療により良好な経過を得ることができますが、難治性の場合などでは手術治療が考慮されるパターンもありますので、膝蓋軟骨軟化症と診断された際には最寄りの整形外科など専門医療機関を受診されることをお勧めします。 以上、膝蓋骨の裏側にある軟骨部分に変形や破壊などの損傷変化が引き起こされる膝蓋軟骨軟化症について、その原因、症状と治療法について記させて頂きました。今回の記事の情報が少しでも参考になれば幸いです。 ▼ スポーツ外傷(筋・腱・靭帯損傷)に対する再生医療 当院の再生医療は、スポーツ選手のパフォーマンス(QOL)を維持する治療を推進しています
2022.03.11 -
- 半月板損傷
- 膝の外側の痛み
- ひざ関節
半月板損傷|ヒアルロン酸注射の有効性と、その限界について 半月板組織は、膝関節内部の内側(内側半月板と呼ばれる)と外側(外側半月板と呼ばれる)にひとつずつ存在しています。 半月板は主に大腿骨と脛骨などで形成される関節面に介在して膝関節の動きをスムーズにし、膝関節において屈曲伸展などあらゆる動きで膝関節を安定化させる役割を有しています。 更に、運動を行った場合、ジャンプなど、強度の外的なストレス、物理的な衝撃をできるだけ分散させるクッションのような機能を果たすなど大切な役割を担っています。 半月板の機能 ・膝関節なスムーズな動きをアシスト ・膝関節の安定性の確保 ・膝関節への衝撃を分散(クッション的な機能) したがって、これらの重要な役割を担っている半月板が、仮にスポーツ活動や日常動作などによって損傷してしまうと膝関節部の痛みや関節の可動域の制限といった症状が現れます。 半月板が損傷した初期にはその部分の安静を保ち、患部に対してヒアルロン酸注射による治療を実施することが主流になっていますが、このヒアルロン酸による注射投与について様々な理由で限界があることが知られています。 今回は、「半月板損傷に対するヒアルロン酸注射による治療の有効性や限界点」などについて順番に解説していきます。 1.半月板損傷に対するヒアルロン酸注射による治療の有効性 半月板損傷は、ジャンプをした際の着地や、ストップやターンを繰り返すような膝に大きく負担がかかる動作でバランスを崩した際などに起こりやすく、そんな場合、同時に側副靱帯や前十字靱帯など周囲組織の損傷を合併するケースも見受けられます。 半月板を損傷した場合には、多くの場合で対症療法にて様子を観察をし、保存的治療を行うことで症状が軽快すると考えられています。 半月板が断裂した程度が軽症の部類であれば、サポーターなどの装具やテーピングなどの補助器具による補強、あるいは疼痛軽減を目的として鎮痛剤などの投薬治療や運動器によるリハビリテーションを実践します。 スポーツや運動などで半月板を損傷したケースの初期では、患部の局所的な安静を保って関節部に注射を使って関節液を吸引、局所麻酔剤やヒアルロン酸注射による療法が主流となっています。 従来、抗炎症作用を狙って患部にステロイド注射を頻回に行っていた時代がありました。このステロイドは魔法の薬と呼ばれ炎症を抑制できるのですが、その逆の面もあり、様々な副作用に注意が必要です。 特に、最近では半月板を損傷した後にヒアルロン酸ナトリウム(商品名アルツなど)を関節内に注入する注射療法が一定の効果を示すと考えられています。 実は、膝関節軟骨の一成分でもあるヒアルロン酸物質は、水分の保有率が高いことが知られており、関節軟骨組織や半月板そのものが損傷した際に関節内部において潤滑油のような働きをして関節部の可動性を改善させると伝えられています。 ヒアルロン酸注射は、屈曲伸展などの関節可動域を拡大するのみならず、関節痛や腫れの改善にもある程度の効果が期待できるようです。 このヒアルロン酸による方法は、もともと高齢者における変形性膝関節症の治療用として開発され、普及してきたものですが、最近では外傷を起こしやすいスポーツ選手にもこのヒアルロン酸療法が使用されるようになりました。 実際にスポーツ選手における円板状半月板形成的切除術後のスポーツ復帰を考察した文献によると、術後3~6ヵ月で関節水腫を合併する症例が見られましたがヒアルロン酸の関節内注入と2~3週間の運動制限によって症状は消失したと報告されています。 ヒアルロン酸ナトリウムは、軟骨細胞に対する増殖作用や軟骨基質産生を促進する作用が報告されており、線維性軟骨からなる半月板組織にも好影響を与えることが予測されています。 2.半月板損傷に対するヒアルロン酸注射による治療の限界 前章でも説明した通り、ヒアルロン酸というのは関節の内部を満たしている関節内溶液の主成分とも言われるものです。このヒアルロン酸には、関節部の軟骨を保護して関節内部や滑膜周囲組織の炎症を軽減させる効果や、軟骨そのものの破壊を防止する機能があると伝えられています。 半月板損傷でヒアルロン酸注射を行う場合には、軟骨の主成分であるヒアルロン酸物質を関節内に注射を用いて直接、注入することになります。 この注射治療は、まずは1週間に1回のペースで開始して5週程度連続して実施することが多く、次の段階では、間隔を少しずつ空けていき、約2週間に1回のペースで注射を5回~10回前後継続して行います。 これらの治療を施行しても関節の疼痛が軽快しなければ、また元通り、週に1回にタイミングを調整しながら、概ね3か月程度様子を観察し、それでも著効しないケースでは根治的な手術治療を考慮することになります。 仮に半月板組織が損傷すると、損傷部位の炎症の広がることによって関節液が増えることになり、関節液内部のヒアルロン酸成分が分解されてしまうことで関節内のヒアルロン酸濃度が減少します。そのため内包液の粘度や弾力性が低下することに繋がります。 このような場合に、患部にヒアルロン酸を注射すると、関節液の粘り気や弾力度合いが一時的に回復する結果、膝関節の疼痛も改善するという治療効果が起こります。 しかし、気を付けて欲しい点として、「ヒアルロン酸の注射で得られる効果はあくまで短期的」であり、必ずしも長期間に渡って改善効果が続かないというものです。 1回のヒアルロン酸注射で期待できる効果(持続期間)は、長く見積もってもせいぜい1~2週間程度と言われています。ただ、長期間立て続けに繰り返しヒアルロン酸注射を実施した場合には、痛みを軽減する効果は徐々に減弱して、耐性が付いてくると効果も薄れてくることになります。 このことは、ヒアルロン酸自体が膝関節に悪影響を及ぼしているからではなく、注射によって一時的に症状が改善して痛みが緩和されることで日常生活において膝を酷使してしまい、関節機能を悪化させるといった原因が重なり、組織損傷のスピードを助長させてしまうからです。 また、ヒアルロン酸を半月板損傷部に注射して、痛みが薄れても、その部分の軟骨が自動的に再生するわけではないことも知っておくべきです。 このようにヒアルロン酸注射はあくまで緊急的にその場をしのぐ対症療法であり、根本的な解決にならないことは十分に認識して実践するようにしてください。 ヒアルロン酸注射の限界 ・ヒアルロン酸注射(治療)で得られる効果は短期的 ・症状の改善効果は一時的となる ・長期に投与すると耐性が付き効果が薄れる ・痛みが薄れても軟骨が再生するわけではない(根本的解決にはならない) まとめ・ヒアルロン酸注射の有効性と、その限界について 半月板損傷において、膝の痛みを和らげて軽快させる治療法として期待され、広く普及しているのが「ヒアルロン酸注射」です。 この療法は、注射をするだけ、治療時間そのものの短さも魅力的な要素であり、膝関節内部の潤滑油のような役割を果たしているヒアルロン酸自体を補充することによって軟骨組織を保護して半月板周囲の痛みを軽減させることで炎症の抑制に繋げることができるといた一定の効果を示しています。 しかし、ヒアルロン酸成分は時間が経って代謝の過程で分解されて体外に排出されると、その効果は失われますので、症状改善効果はあくまで一時的なものであることを念頭に置いておきましょう。 ヒアルロン酸注射による療法は単純な注射治療になりますので、忙しい日常生活を大幅に制限することはありませんが、ヒアルロン酸注射のみで根本的な治療は達成できないことを知っていただければと思います。 今回は、ヒアルロン酸注射の有効性と、その限界について記しました。 記事の情報が少しでも参考になれば幸いです。 ▼ 半月板損傷|不可能といわれた軟骨を再生する再生医療 再生医療なら半月板損傷は、手術、入院をせずに軟骨を再生、症状の改善ができます ▼以下もご参考に! 半月板損傷は放置禁止|進行で重症化の恐れ!その症状と治療法
2022.03.11