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半月板損傷の治療法と手術のリスクについて

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膝の半月板損傷の治療法と手術のリスクを解説

膝の半月板とは、膝関節の太ももの骨(大腿骨)とスネの骨(脛骨)の間にある、「C型」や「O型」をした線維の軟骨からなり、内側と外側の両方に存在します。

この半月板があることで上半身の負荷や、動作時の衝撃から膝を守ることができ、更に関節をスムーズに動かすことが可能となる大切な存在です。その半月板が損傷した場合の治療法と万一、手術を選択した場合のリスクについてご説明いたします。

ひざ半月板の損傷

ひざ半月板損傷の治療、保存療法と手術療法について

まずは、ひざの半月板損傷について、この半月板を治療するには、「保存療法」と「手術療法」の2つがあります。保存療法では抗炎症薬の投与や、リハビリ テーションを行うことで症状が落ち着くことがあります。

しかし、保存療法を用いた治療で改善がみられない場合や、症状が顕著で日常生活に支障がでる場合には手術が適応となります。

実は、半月板には、約10~20%しか血が通っていません。そのため、一度損傷してしまうと自然に治癒することが非常に困難なのです。結果として再発防止や、スポーツ活動への復帰を考慮して保存療法ではなく、手術を選択される方もおられます。

手術療法としては、傷ついた箇所を縫い合わせる「縫合術」と、傷ついた箇所を切り取る「切除術」の2種類があり、手術方法は、関節鏡を使った関節鏡視下手術(かんせつきょうしかしゅじゅつ)という手法で行われます。

  • 手術療法
  • 1)縫合術:傷ついた箇所を縫い合わせる
  • 2)切除術:傷ついた箇所を切り取る
  •  
  • ※縫合術も切除術も、どちらも手術なので合併症等、それなりのリスクは存在します
  • ※どちらの術式を選択するか「半月板の損傷レベル」、「損傷の程度」を診断の上、適切な方を選択します

また、スポーツ選手が復帰を目指した場合などは、リハビリ期間を含めて、そのスポーツの種類や、大会の時期などに復帰に合わせて治療方法を変えるケースもあります。

各手術療法とそのリスクについて

半月板損傷の手術療法のリスクについて解説いたします

内視鏡術の概要

画像上で半月板に損傷がみられても、症状として痛みの程度や、動作による支障があまり出ていなければ、投薬し、安静にすることで症状が軽くなる可能性を考えます。

しかし、症状が長引くか、良くなっても再発する場合は、関節鏡を使用した内視鏡手術を行います。手術は、腰椎麻酔で行うことが多く、内視鏡手術中は意識があり、モニターに膝の画像が映し出され、希望するなら説明を聞きながら手術を受けることも可能です。

また、半月板を修復する際には、同時に損傷を受けやすい前十字靭帯、内側側副靭帯も損傷していないかをチェックしていきます。

縫合術

半月板は、安定した生活動作やスポーツによるパフォーマンス維持のためにも、可能な限り切除術ではなく、縫合術で行い半月板を温存する方向で進めていきます。また若年者の場合も可能な限り切除術ではなく縫合術を行うようにします。

半月板が中心で裂けるように損傷しているケースでは、縫合術の適応となります。損傷の度合いや形態を観察し、損傷箇所の激しいところを優先的に処置したあとで、血液の流れを考慮しながら、組織の状態が良好な部分は最大限に活かす方向で縫合していきます。

縫合術の方法としては、膝の外側に3cmほど切開をつくり、縫合専用の器具を使用して半月板に糸を数本通し、膝の関節の外側で結びつけて縫合していきます。

このケースでは糸を膝関節の外側に通して縫合していますが、損傷箇所によっては関節の中だけで処置を終え、手術跡を作らずに済む方法もあります。

縫合手術が可能な損傷とは、半月板の辺縁部に損傷が起こる「辺縁縦断裂」になります。辺縁部は血流のあるエリアで、辺縁にそって断裂し、スポーツ外傷で起こることが多くみられます。

また、手術をすれば必ず痛みが取れるということはありません。せっかく手術をしても、痛みが取れない、手術前よりも痛くなった、という声はよく効かれます。そういう「リスク」も必ず含まれています。

> リスクを回避する再生医療という選択肢

縫合術の術後の注意

関節軟骨にかかる負担は少なくて済みますが、入院は2週間ほど必要で、術後2週間は足を床につけてはならず荷重してはいけません。術後は固定具を装着して膝を伸ばした状態を保つようにします。

術後から2週間ほど経過観察をした上で屈曲練習を開始して行きます。そして3週間目からは90°まで屈曲し、4週間目からは120°までと段階的にリハビリを行うようにします。半月板が癒合するには6週間ほど時間が必要なため、スポーツ復帰は術後3カ月が経ってからになります。

切除術

切除術は、断裂している部分に血行がないことや、断裂箇所が縫合しても改善されないほど損傷が大きいときに適応されます。損傷範囲が広い場合は、断裂している部分を専用器具で切り取り、除去します。

また、半月板の辺縁部分では血行があるため基本的には縫合術で対応しますが、断裂部分の繊維が不揃いになっているときには、切除しながら辺縁部を整えるようにします。

この処置を行うことで、傷んだ半月板が膝関節部の軟骨と摩擦することがなくなり、軟骨の損傷をも防ぐことができます。

しかし、半月板は関節の機能としてなくてはならないものです。取り除くことで半月板の機能を低下させるというリスク!デメリットがあるため、可能な限り温存させる方向で必要最低限の切除にとどめた手術を行います。

また手術をした患側の足には、血栓が形成されやすいリスクがあるため、その予防に靴下を着用します。手術内容によっては、固定の為の装具を着ける場合もあります。

縫合が可能な辺縁部と切除する部分の両方が損傷している場合は、縫合術と切除術を組み合わせて手術していきます。

また、生まれつき半月板が「C型」ではなく「円板状」になっている円板状半月板の人が半月板を損傷した場合は、通常の「C型」に近づけるように手術を行います。

切除術もまた縫合術と同じく、手術をすれば必ず痛みが取れるという訳ではありません。手術をした数割の人は痛みが取れない、余計に痛くなったということもあり得ます。

> そこで!「手術を回避する」再生医療という選択肢

切除術の術後

切除術のあとは、関節軟骨へのストレスが大きくなり、関節軟骨の変形が進行して膝関節症になることがあります。また、1~2ヶ月間は水が溜まりやすくむくみが生じるリスクがあります。

ただ、日常生活への復帰は縫合術に比べて早く、術後翌日からは歩行が可能になり、膝の曲げ伸ばしにも特に制限はありません。入院は術前から術後の観察までを含め、だいたい4日間ほどで退院できます。スポーツの復帰は、術後から約1~2ヶ月後となります。

手術には合併症というリスクが存在

手術後は、以下のようなリスクが存在するため、術後には注意して観察が必要となります。

  • 1.感染リスク

  • 半月板手術での術後感染の確率は、全体の術後感染症のなかでも低い方になり、予防として抗生物質の投与を行います
  • 2.静脈血栓塞栓症(肺血栓塞栓症)リスク

  • 半月板の手術だけに起こるリスクではありませんが、下肢の手術や脊椎の手術、骨折などにより発症しやすくなります
  • 3.しびれが発生するリスク

  • 手術の過程で下肢への血流を遮断するため、術後に下肢のしびれが発生することがあります。術後数日で改善することがほとんどです

 

再生医療という新たな選択肢

このように半月板損傷の手術には、「縫合術・切除術ともにリスクを伴う」ことがわかりました。ところが、なんと幹細胞を用いた再生医療では、これらのリスクを負うことなく治療を受けることができるのです。

縫合術のリスクと比較して

例えば縫合術の場合、実は縫い合わせた半月板が再断裂する可能性があり、縫合術をして4年後に再断裂をする確率は30%と言われています。これは縫合をしても半月板がしっかりとくっついていない為に発生します。

ところが幹細胞治療では、断裂した半月板を接着剤で留めるように修復しますので、日常生活だけでなくスポーツに復帰することも可能です。

また縫合術を受けると2週間は足に体重をかけられなかったり、4週間ほどの松葉杖生活を強いられることになりますが、再生医療では治療を受けたその日に歩いて帰ることができます

切除術のリスクと比較して

切除術の場合では半月板の一部を取り除きますので、関節のクッションがなくなるのと同じです。すると数年後には関節軟骨がすり減って、変形性膝関節症になる方が多いです。

実際に切除術を行なった10年後には、一般の方の場合で30%、スポーツをしている場合では70%もの方が変形性膝関節症へと移行しています。

さらに切除術をすると切った部分から再び断裂が生じることもあり、術後数週間が経過した頃より再び膝の痛みを訴えることがあります。

ところが幹細胞治療であれば半月板をそのまま温存できますので、クッションがなくなる心配がありません。これにより将来、変形性膝関節症になるリスクを大きく減らすことができます。もちろん再断裂のリスクもありません。

幹細胞治療は手術を受けた後でも有効!

切除術で半月板を切り取ってしまうと、切り取った半月板が元に戻ることはありません。後戻りができない治療を受ける前に、再生医療を検討する価値は十分にあると言えます。

そして術後の再断裂の予防にも幹細胞治療は有効です。縫合術を受けたけれどもスポーツ復帰をした後に再断裂しないか心配になる方も多いかと思いますが、縫合術を受けた後に幹細胞治療を行えば、お互いの治療が相乗効果となり、より強固に半月板が修復されることが期待できます。

また切除術を受けた後、断面に新たな亀裂が生じ痛みが再発する場合もよくあります。しかし、多くのケースで「手術は成功しています。しばらく様子を見ましょう。」と言われるでしょう。

幹細胞治療は、再発した術後の痛みの原因となっている、新たな半月板損傷の治療としても有効です。

 

半月板損傷を再生医療で治療する方法があります
再生医療なら半月板損傷は、手術せず、入院せず改善を目指せます 

 

ロッキングの場合は緊急手術が必要となることも

早急に手術が必要なケースは、痛みにプラスして半月板の引っかかりがあり、膝を動かせないなど、にロックがかかったようになる症状(ロッキング)の場合です。

ロッキングとは、傷ついた半月板が関節の中で挟まってしまい、膝をスムーズに伸ばせなかったり、曲げられずに、膝の動作に制限がある症状のことをいいます。

この場合は、膝が伸ばせないので歩行が困難となります。そのまま放置しておくと膝が拘縮を起こしてしまい、2度と膝をまっすぐ伸ばせない状態となることもあります。

ロッキングで異常をきたした場合には、すぐに病院やクリニックにかかることをお勧めいたします。

 

以上、膝半月板損傷の治療法と、手術のリスクについて解説いたしました。参考にしていただければ幸いです。

No.0016
監修:院長 坂本貞範

 

▼以下もご参考にしてください
半月板損傷の手術!損傷のタイプで異なる手術の種類について

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