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【注意】40代以降で膝が痛い原因は?急な痛みは誰にでも起こり得る疾患【医師解説】

「しゃがんだときに膝がズキッと痛む」「座って立ち上がるときに違和感がある」そんな膝の痛みを40代に入ってから感じ始めたという方も多いのではないでしょうか。
実際、40代は膝関節の変化が少しずつあらわれはじめる年代であり、使いすぎや体重の変化、加齢による軟骨のすり減りなどが膝の痛みの原因となることがあります。
そのまま放置すると、慢性的な痛みや変形性膝関節症などの疾患につながる可能性もあるため注意が必要です。
本記事では、40代以降に起こる膝の痛みの主な原因や症状に応じた治療法・対処法を分かりやすく解説しています。
また、手術をせずに膝の機能回復をめざす選択肢として、近年注目されている「再生医療」についてもご紹介しています。
しかし自分の症状にどんな治療が合っているのか、そもそも病院に行くべきかどうか悩まれている方も多いでしょう。
「再生医療についてもっと知りたい」「この膝の痛み、しばらく様子を見ていていいの?」など、どんな小さなことでも構いませんので、まずはお気軽にお電話でご相談ください。
目次
40代以降で膝が痛む原因の多くは「変形性膝関節症」
変形性膝関節症とは、膝の関節内でクッションの役割をしている関節軟骨がすり減ってしまう病気です。関節軟骨がすり減ることで、骨と骨が摩擦を起こすようになり、膝関節の変形や痛みなどが現れます。
若いころはなんともなかったのに、40歳を過ぎたあたりから徐々に膝の痛みを自覚しはじめる方も増えてきています。
40代から50代は働き盛りで、人生にとっても重要な時期といえるでしょう。そんな40代からはじまる膝の痛みの多くが、変形性膝関節症とされています。
ある調査によると、膝に痛みを感じはじめた年齢でもっとも多いのは50代(全体の約29%)であり、次いで40代(全体の25%を占める)といわれています。
変形性膝関節症の原因
変形性膝関節症の原因の代表例は、加齢による関節軟骨の衰えです。
加齢とともに関節軟骨の弾力性が低下すると、クッションとしての役割がうまく果たせなくなります。このことから、変形性膝関節症は加齢にともなって発症しやすくなります。
そのほかにも、以下のような要素も変形性膝関節症の発症原因です。
- 肥満
- 遺伝
- 膝の使いすぎ
- 外傷による膝の損傷
変形性膝関節症の原因や初期症状について詳しく知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
変形性膝関節症の症状
変形性膝関節症のおもな症状は、膝の痛みです。発症初期の段階では、膝のこわばりや違和感などからはじまり、症状が進行するにつれて徐々に痛みが現れます。
とくに、以下のような動作時に痛みが生じる傾向にあります。
- 歩く
- 座る
- かがむ
- 立ち上がる
- 階段の昇り降りをする
- 膝を曲げ伸ばしする
痛みだけでなく、炎症によって膝周囲が腫れることもあるでしょう。また、変形性膝関節症の症状は膝関節に起こりますが、膝の下が痛むケースもあります。
【40代以降】膝が痛む原因の「変形性膝関節症」の症状チェック
40代以降で膝が痛む場合、変形性膝関節症を疑う必要があります。
しかし、変形性膝関節症の有無を判断するには、どのようなポイントに注意すべきなのでしょうか。ここでは、おさえておくべき症状のチェックポイントについて解説します。
膝の痛みの症状チェック
膝の健康を確認するためには、以下の症状をチェックしてみましょう。
☐膝が腫れたり、熱を持ったりしている
☐膝を動かすと引っかかりを感じる
☐急に膝の力が抜ける
☐太ももが痩せてきた
☐靴底が偏りながらすり減っている
これらのチェック項目が多いほど、変形性膝関節症の可能性が高くなります。
膝関節は、普通の道を歩くだけでも体重のおよそ3倍、立つ・しゃがむなどの動作では約8倍の負担がかかるといわれています。
私たちは、普段の生活で知らないうちに膝を酷使しがちです。さらに加齢や体重の増加にともなって膝への負担が高まり、やがて変形性膝関節症につながります。
変形性膝関節症を予防するには体重管理によって肥満を避けつつ、運動などで筋肉を維持して膝への負担軽減が重要です。
膝が痛む場所は内側か外側か
変形性膝関節症の症状が現れる場所は大きく二つに分けられ、それぞれ特徴が異なります。
一つは「膝関節の外側がすり減る外側型」、二つ目が「膝の内側の関節がすり減ってしまう内側型」です。
たとえば、外側型の場合は怪我や病気などによる二次性の原因から発症することがよくあります。
また、内側型では、以下のような一次性の原因が中心です。
- 加齢
- 肥満
- O脚
膝関節にかかる体重の負荷度合いは、内側が7割、外側が3割程度といわれています。
- 外側型の症状:ケガや病気などが原因となる二次性の要因
- 内側型の症状:「加齢や肥満」「O脚」などが原因となる一次性の要因
- 外側型よりも内側型の変形性膝関節症を発症する方が多い
変形性膝関節症の症状について詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひご覧ください。
【40代以降向け】膝痛の治し方
ここでは、40代以降の中年期に注意すべき膝の痛み、とくに変形性膝関節症の治療方法について紹介します。
膝の負担を減らす
膝の負担を減らすための予防法としては、以下のとおりです。
- 体重管理に努める(適正体重の維持)
- O脚の治療
- 正しい姿勢をキープすることを意識する
- 正しい靴を選ぶ
- 正しい歩き方を身に付ける
このような方法で膝の負担を軽減し、変形性膝関節症の予防に努めましょう。
ストレッチや運動をする
どのようなケースでもおすすめのリハビリは、「膝の曲げ伸ばし」や「軽めのストレッチ」です。ただし、この膝の曲げ伸ばしは、筋力トレーニングではありません。
膝の痛みに対して膝まわりの筋力強化がおすすめと聞くと、早く治したい気持ちからハードなトレーニングをしがちです。
しかし、膝に過度な負担をかけると、余計に症状が悪化する原因となります。そのため、筋トレではなく膝のストレッチや、ゆっくりとした曲げ伸ばし運動などのエクササイズを継続的に行ってみましょう。
変形性膝関節症の治療ガイドラインにもとづいた運動を詳しく知りたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてみてください。
手術を必要としない再生医療で治療する
近年では、ヒトの皮下組織に存在する「脂肪組織由来幹細胞」を用いた再生医療によって、膝の痛みが改善する可能性が期待されています。日本でも変形性膝関節症に対して、幹細胞による再生医療が本格的に開始されています。
変形性膝関節症は退行性疾患であり、鎮痛剤や運動をはじめとした保存療法では完全に痛みをおさえることは難しいでしょう。そのため症状が進行した場合、根本的な治療である人工関節置換術や骨切り術などの手術を選択するしかありませんでした。
しかし、脂肪組織由来の幹細胞を用いた再生医療が発展したことにより、膝軟骨の再生が期待できるようになりました。
再生医療によって膝周囲の疼痛が軽減した中で適切な理学療法を行えば、変形性膝関節症における症状の改善につながるのです。
当院(リペアセルクリニック)では、膝の痛みや腱板断裂などのつらい症状に対して、手術に頼らない再生医療についてご案内しています。
「再生医療について詳しく聞いてみたい」「手術以外の選択肢があるなら知りたい」という方は、お電話からでも専門カウンセラーが対応させていただきますので、お気軽にご相談ください。
まとめ|40代以降の膝の痛みは放置せずに医師に相談を!
膝の痛みの原因として、仕事や日常動作による膝の酷使、そして加齢が考えられます。とくに40代以降に起こりがちな変形性膝関節症には十分に注意する必要があります。
擦り減った関節軟骨は再生医療を利用する以外、元には戻りませんが、症状の進行を遅らせることは十分に可能です。
また、膝が痛いからといって安静にしすぎるのも良くないことです。膝関節は動かさなくなれば、徐々に衰えて機能が低下してしまいます。
機能低下を予防するには、膝への負担をかけないようにしつつ、体重の管理やストレッチなどのエクササイズが有効です。それでも進行が進む場合は、手術または再生医療などに頼る方法があります。
痛みや違和感を年齢のせいで済ませず、少しでも気になることがあれば、ひどくなる前に相談しておくことが将来の膝を守る第一歩です。
「まだ病院に行くほどではないけれど、このままでいいのか不安」そんな方は、当院(リペアセルクリニック)へ一度ご相談ください。