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- ひざ関節
- 靭帯損傷
「ランナー膝の治し方を知りたい」「ランナー膝の原因って何?」 ランニングなどによって膝の痛みが出るランナー膝ですが、原因や改善策を知りたい方も多いのではないでしょうか。 ランナー膝は、適切な対策を取らないと慢性的な痛みへと発展する恐れがあります。 多くのランナーが悩む症状ですが、実は自宅でも改善できる方法もあります。 この記事では、症状を軽減する方法から、予防対策まで具体的に解説していきます。最後まで読めば、ランナー膝をぜひ最後までお読みください。 ランナー膝(腸脛靭帯炎)の治し方3選 ランナー膝(腸脛靭帯炎)は、膝の外側に痛みが生じるスポーツ障害です。とくに長距離ランナーに多く見られ、初期の対処が重要です。治療法は主に以下の3つがあります。 保存療法(安静・ストレッチ・リハビリなど) 運動環境・フォームの改善療法 外科的治療・再生医療 まずは自宅でできる保存療法、次はフォームや運動環境の改善、最後に外科の治療や再生医療といった選択肢です。ここからは、それぞれの方法について詳しく解説していきます。 保存療法(安静・ストレッチ・リハビリなど) 保存療法は、ランナー膝の最も一般的な治療法です。 痛みや炎症がある場合はランナー膝の原因となる運動を中止し、安静にするよう心がけましょう。膝をアイシングしたり、湿布を使ったりするのも効果的です。 炎症が改善したら、大腿筋膜張筋や股関節外側部を中心としたストレッチを行います。 リハビリで筋力を回復させることで、再発予防にもつながります。(文献1) 運動環境・フォームの改善療法 ランナー膝は、走る際のフォームや、履いているシューズを変えることで改善できる場合があります。 上半身が左右に揺れたり、膝が内側に入ったりする走り方は、ランナー膝を悪化させる原因になりかねません。そのため、体幹や股関節、足首などを強化し、膝に負担がかかりにくいフォームに矯正する必要があります。 また、着地時の衝撃を吸収してくれるインソールや、膝の動きを支えるサポーターなどを活用するのも良いでしょう。(文献2) 運動環境やフォームの改善は、ランナー膝の治療だけでなく予防にも効果的です。とくに日常的にランニングをする方は、普段から正しい走り方を意識し、膝の負担を軽減するシューズの使用がおすすめです。 外科的治療・再生医療 症状によっては外科的治療や再生医療も選択肢に含まれます。 ランナー膝の外科的治療は一般的でないものの、保存療法で効果が見られない場合や、難治性と診断された場合は手術を検討します(文献3)。 また、PRP療法をはじめとする再生医療を実施するケースもあります。PRP療法は、自分の血液から抽出した成分を注入し組織の再生を促進する方法であり、炎症の抑制や痛みの軽減が期待できます。 膝の痛みを再生医療を用いて治療する方法は、以下の記事もご覧ください。 ランナー膝(腸脛靭帯炎)における原因 ランナー膝(腸脛靭帯炎)は、膝の外側に痛みを引き起こすランニング障害です。 主な原因は以下の2つにわかれます。 ランナー膝の原因 詳細 選手側の問題 筋力のアンバランス 柔軟性の不足 O脚(内反膝) 練習内容や環境の問題 オーバートレーニング 不適切な靴 選手側が要因となるO脚では、腸脛靭帯が大腿骨に擦れやすく炎症のリスクを高めます。 また、オーバートレーニングのほか、下り坂・不整地でのランニングも摩擦が増して症状を悪化させる要因です。 ランナー膝(腸脛靭帯炎)の症状 ランナー膝(腸脛靭帯炎)は、膝の外側に痛みが生じる症状が特徴です。 軽症の場合、スポーツ後に痛みが出る程度ですが、放置すると中等症へ進行し、プレー中にも痛みを感じるようになります。 悪化すると、スポーツをしていないときでも痛みが現れ、日常生活にも影響する可能性があります。 重症化すると手術などの外科的治療が必要になり、入院やリハビリ期間が長引く可能性が高くなるため、膝の痛みを感じたら早めに整形外科に相談しましょう。 ランナー膝(腸脛靭帯炎)の診断 ランナー膝(腸脛靭帯炎)は、ランニングやジャンプの動作時や日常生活での痛み、膝の外側の圧痛の有無をヒアリングすることで診断されます。 また、レントゲンやMRIなどの画像診断や、「グラスピングテスト」と呼ばれる方法を用いて診断するケースもあります。 まとめ|ランナー膝は保存療法で効果が見られないなら他の治療法も検討しよう ランナー膝の治療は、保存療法だけでなく、予防対策を意識した運動環境・フォーム改善療法も並行しておこないます。再発を繰り返す場合や難治性と診断された場合は、手術療法や再生医療といった選択肢も検討しましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、自己の幹細胞を用いた再生医療を提供しています。膝の靭帯部分に幹細胞を投与することで、手術なしで症状を改善できるケースもあります。 従来の保存療法や運動療法による治療で効果がみられない場合は、ぜひ当院の再生医療もご検討いただければ幸いです。 メールでの無料相談やオンラインカウンセリングも実施しておりますので、お気軽にご相談ください。 この記事がランナー膝の治療方法の選択肢を知るのに役立ち、治療を受けるきっかけになれば嬉しく思います。 ランナー膝(腸脛靭帯炎)についてよくある質問 ランナー膝(腸脛靭帯炎)ではどこをほぐすべきですか? ランナー膝の改善には、腸脛靭帯自体を直接ほぐすのではなく、大腿筋膜張筋や股関節、大腿部前面を重点的にストレッチするのが有効です。 フォームローラーやストレッチを使い、これらの筋肉を柔らかくし、症状の緩和と再発防止につながります。 ランナー膝のストレッチについては以下の記事もご覧ください。 ランナー膝でやってはいけないことは何ですか? ランナー膝の痛みを感じた際は、無理に動かさずスポーツを中止して安静にしましょう。とくに下り坂や傾斜がきついコースでのランニングは、膝に負担をかけやすいため控えるべきです。 負荷を調整しつつ、適切なストレッチやリハビリを行うことを意識してみてください。 ランナー膝を早く改善するポイントについては以下の記事でも解説しておりますので、ぜひご覧ください。
2023.08.31 -
- お皿付近に違和感
- ひざ関節
- 膝部、その他疾患
押すと痛い頭にコブができて困っている 押すと痛い頭のできもの(こぶ)の原因を特定したい 押すと痛い頭のできもの(こぶ)を早く治したい 上記のようなお悩みを抱えている方の一助となるべく、本記事では「膝関節捻挫」について解説します。 捻挫は適切な治療を行えば、問題なく日常生活に復帰できる怪我です。裏に潜む重大な怪我を見逃さないように、記事の内容をご確認いただき適切な医療機関を受診しましょう。 膝関節捻挫とは?原因・症状・治療法を解説 膝の曲げ伸ばしを安定して行うために重要な働きをしているのが、関節を包む袋である「関節包」と関節を支える組織である「靭帯」です。 関節包と靭帯がしっかりと機能しているおかげで、私たちの膝は本来動かない方向へ曲がらないように制御されており、体重をかけても安定して歩けます。しかし、運動中や転倒などにより、関節が通常の範囲を越えて動いてしまうことがあります。 この「関節包」や「靭帯」を痛めてしまった状態を捻挫といいます。ただし、「捻挫」と診断されるのは軽症の場合に限ります。損傷が強く、関節が不安定になった場合は捻挫ではなく靭帯損傷という診断になります。 膝関節捻挫の原因 膝関節捻挫の発症原因の多くは走っているときに膝をひねったり、相手と接触して転倒してしまったりとスポーツ(運動)中に引き起こされます。また、普段の生活でも階段やちょっとした段差などで思いがけず膝をひねってしまい、受傷することがあります。 上記のように、相手との接触などで発症する「直接的な原因」と、つまずき・着地などにより発症する「間接的な原因」があることを覚えておきましょう。 膝関節捻挫の症状 受傷直後は痛みが強いですが、機能は比較的保たれている事が多く、その後も痛みを我慢して普通に生活できる方もいます。ですが、徐々に内出血とむくみが出てきて、膝全体が腫れてきます。 膝全体が腫れると、膝を動かす際に痛みが生じます。また、左右を比較すると動かせる範囲が狭くなる「可動域制限」がでてきます。ひどい場合は痛みで足が地面につかないケースも。 ただし、「捻挫」であれば一時的な症状なので、数日で改善するケースが多いです。いつまでたっても痛みが引かない、腫れがひどくなってきたという場合は「靭帯損傷」のレベルまで症状が悪化している可能性があります。注意しましょう。 「歩けるけど痛い」「膝がぐらぐらして不安定」は要注意! 「「ただひねっただけだと思って様子を見ていたら、実は靭帯損傷だった。」という事例は意外に多いです。 膝には主に4つの重要な靭帯があります。 前後方向の安定性を保つ前十字靭帯・後十字靭帯、左右方向の安定性を保つ内側側副靭帯・外側側副靭帯です。これらはバスケットボールやサッカーなどのスポーツはもちろん、転倒などでも痛めるケースがあります。 「歩けるけれども痛みが続く」や「膝がぐらぐらして不安定」と感じるときは、これらの靭帯を痛めている可能性があります。また、靭帯を痛めていると関節の中に血が溜まることが多いです。 「もしかしたら当てはまるかも」と思った場合は、自己判断せずに病院を受診しましょう。 歩けるけど痛い 膝がぐらぐらして不安定 「靭帯」や「半月板」を損傷している恐れがあります。自己判断はせず、病院を受診しましょう! また、膝のクッションや安定性を保つ役割をしている組織に半月板が存在します。半月板は左右に1つずつありますが、こちらも膝をひねって痛めた際に損傷してしまうことがあります。 年を取ると徐々にすり減って切れやすくなります。特に、高齢の方はバスの乗り降りなど少しの段差を下りただけでも半月板が切れてしまう恐れも。「ブチッ」という感覚を伴うのが特徴的です。半月板損傷は検査しないと判明せず、病院でMRIなどを撮影しなければなりません。 一口に「捻挫」と言っても、紹介したような損傷が隠れている可能性もあります。ちょっとでも違和感があるなら、病院に受診するようにしてみてください。 膝関節捻挫の治療 膝をひねってしまった受傷直後は、RICE処置を行いましょう。 Rest:安静 Ice:冷やす Compression:圧迫 Elevation:挙上 スポーツはすぐに中止し、歩行もできればしない方が望ましいです。氷や保冷材などを使って膝を冷やしながら、包帯などがあれば圧迫してください。 また、寝ているときは心臓より高い位置に足をあげておくと、膝が腫れてくるのを予防できます。その後は、なるべく早期に整形外科医の診察を受けてください。 膝関節捻挫の診断 問診と身体診察で、どのような怪我が疑わしいのか予想がつく場合もあります。 基本的には、まずレントゲンで骨折がないかどうか確認します。レントゲンだけではわからない場合は、骨をより詳しく見るためにCT検査を行うこともあります。その後、靭帯損傷や半月板損傷が疑われる場合にはMRI撮影を実施します。 レントゲン撮影 → CT検査 → MRI撮影 検査の結果、手術が必要な靭帯損傷などの疑いがなければ保存療法になります。 損傷した関節包や靱帯が修復する期間は、通常3週間前後です。この期間は激しい運動や重労働などはせず、安静にしていましょう。安静を保つ目的で、一定期間添木や松葉杖・サポーターなどの使用を指定するケースもあります。 痛みが強い場合は、飲み薬や湿布を処方する場合もあります。ただし、鎮痛薬は痛みを止めるだけで治ったわけではないので、一番大事なのは膝の安静です。 そのまま通常の生活に戻れる場合は、晴れて治療終了です。しかしながら、安静にしていた影響で筋力が低下したり、動きが悪くなることがあります。 その際はリハビリテーションを実施して膝関節の機能を戻すとともに、次の怪我の予防も同時に行うことが大切です。 膝関節捻挫についてのQ&A 膝関節を含む捻挫の予防法や対処法はありますか? 運動をされる場合は、適切なストレッチやウォーミングアップが大切です。筋肉の柔軟性を保ち、温めてしっかりと動かせる状態にしてから運動を始めることで、関節に負担がかかりにくくなります。 また、普段から下肢の筋力が衰えないように意識してトレーニングをしておくことも重要です。さらに、自分の足に合った靴を選ぶことも転倒の予防になります。 膝関節捻挫を引き起こしてからスポーツに復帰できる目安は? スポーツ復帰には、痛みがなくなっていることが大前提です。痛みがあるまま再開すると、膝をさらに痛めたり、かばって別の部位の怪我を引き起こしかねません。 一般的に、通常の捻挫であれば2〜3週間で痛みが落ち着くので、軽い運動から再開するように指導します。 膝に過度な負担をかけないよう、サポーターなどの補助具を使用することも勧められます。 膝関節捻挫は何科を受診すればよいですか? 膝関節捻挫は外傷により発症します。よって、整形外科を受診しましょう。 とはいえ、受傷した時間が深夜や早朝だと、最寄りの整形外科医が受診の時間外の場合もあるでしょう。このような場合は、整形外科のある最寄りの大きな病院に問い合わせるか、厚生労働省が推奨している「♯7119」に電話で相談してみてください。 あきらかに緊急性がない場合は当院へご相談ください。国内で10,000以上ある実績を元に、親身に対応いたします。 まとめ|膝関節捻挫の症状が長引く場合はご相談ください この記事では、膝関節捻挫について解説しました。 膝関節捻挫は直接的・間接的な原因から発症し、受傷直後に強い痛みを伴います。病院を受診せずに痛みを我慢しその後も様子をみてしまう方も多いのが現状です。しかし、裏側に潜む靭帯や半月板の損傷も考えられます。 自己判断で無理せず、最寄りの医療機関を受診するよう心がけましょう。
2023.08.28 -
- ひざ関節
- 膝部、その他疾患
膝に痛みを起こす原因の一つが離断性骨軟骨炎です。離断性骨軟骨炎は10代〜20代に起こるケースが多く、膝軟骨の損傷となるため、初期のレントゲン写真ではわからない場合もあります。 主な原因は明らかにされていませんが、サッカーや野球などのスポーツによる負荷や血流障害が離断性骨軟骨炎に影響していると考えられています。 本記事では離断性骨軟骨炎の症状や原因、治療法について解説します。治療法も紹介するので、関節の違和感に悩んでいる方は参考にしてください。 離断性骨軟骨炎とは 離断性骨軟骨炎(りだんせいなんこつえん)とは軟骨が関節内に剥がれ落ちて、膝にさまざまな症状を起こす病気です。 血流不良で軟骨の下に位置する「軟骨下骨(なんこつかこつ)」が壊死し、離断性骨軟骨炎は引き起こされます。 離断性骨軟骨炎を発症しやすい年齢は10代〜20代で、スポーツ選手に多く見られます。また、男女比は2:1で、男性に多い病気です。 離断性骨軟骨炎の好発部位 離断性骨軟骨炎が起こりやすい部位は大腿骨の内側が85%ともっとも多く、外側が15%です。また、膝蓋骨(しつがいこつ、膝の皿)でも、稀に発症します。 離断性骨軟骨炎が発症する主な関節は、以下の通りです。 膝関節 肘関節 足首(距骨) 肩関節 膝関節は離断性骨軟骨炎を特に引き起こしやすい部位で、なかでも大腿骨の膝に近い部分の大腿骨内側顆(だいたいこつないそくか)で見られます。 なお、大腿骨の外側で起こった場合、円板上半月板(えんばんじょうはんげつばん)を合併する可能性もあるため注意が必要です。 離断性骨軟骨炎の症状 離断性骨軟骨炎の症状は、進行するにつれて悪化していきます。早期発見が重要になるため、初期症状を理解しておくのが大切です。 ここでは、離断性骨軟骨炎の症状を段階別に紹介します。 初期症状 離断性骨軟骨炎の初期症状は、運動後の不快感や鈍い痛み以外に特に症状がありません。病気が発症して初めの段階では、傷んだ軟骨が遊離していない状態のためです。 軽い違和感のみとなるため運動できますが、初期症状を放置してしまうと、次第に骨軟骨片が遊離して関節軟骨の引っかかりやズレを感じやすくなります。また、大きな軟骨の欠片が関節内に剥がれ落ちると、膝の中でゴリッと音がする場合もあります。 進行時の症状 離断性骨軟骨炎が進行した場合、痛みの増大や関節に違和感を覚えるようになります。軟骨の表面に亀裂や変化が生じると痛みが強くなり、スポーツをする際、支障をきたします。 また、膝の曲げ伸ばしをする際、骨軟骨片が関節に挟まると膝がロックして動かなくなるロッキングを引き起こす場合もあるため注意しましょう。 ロッキングが起こった場合は、無理に動かさずすみやかに医師の診断を受けるのが大切です。なお、離断性骨軟骨炎の症状が長期的に続くと、変形性関節症へ移行するリスクが生じます。 当院「リペアセルクリニック」では、メール相談やオンラインカウンセリングを受け付けておりますので、治療に関する悩みがある方は、お気軽にお問い合わせください。 \まずは当院にお問い合わせください/ 離断性骨軟骨炎の主な原因 離断性骨軟骨炎の原因は、明確にされていません。しかし、いくつかの原因によって症状を引き起こすと考えられています。 ここでは、離断性骨軟骨炎の主な原因を紹介します。 サッカーなどのスポーツによる膝や足首へ負荷 骨の急速な成長による血流障害 離断性骨軟骨炎が発症する原因を知りたい方は、参考にしてください。 サッカーなどのスポーツによる膝や足首へ負荷 離断性骨軟骨炎の原因は、繰り返される関節への衝撃やストレスの可能性が考えられます。反復する衝撃やストレスによって軟骨下の骨に負荷がかかると血流障害を起こし、軟骨が遊離しやすくなるためです。 たとえば、サッカーや野球、バスケットボールなどの激しいスポーツではジャンプや急な方向転換をともないます。膝や足首、肘へ負荷がかかりやすい動作の影響により、血流障害や壊死を引き起こして離断性骨軟骨炎が発症する場合があります。 若年スポーツ選手に多いため、膝や足首、肘に負担が大きい激しい運動は、離断性骨軟骨炎の原因の1つです。 骨の急速な成長による血流障害 離断性骨軟骨炎の原因には、成長期や思春期による骨の急速な成長が考えられます。骨が急速に成長すると、血行障害や骨への負荷が強まるためです。 成長期の子どもの軟骨はもろく、骨や軟骨に血液が供給されなければ、関節の骨が弱くなり軟骨が剥離しやすくなります。離断性骨軟骨炎は成長期に見られる病気のため、身体の発育にも影響していると推測されています。 スポーツ選手だけでなく、血流障害によっても離断性骨軟骨炎は引き起こされる点をあわせて押さえておきましょう。 離断性骨軟骨炎の診断方法 離断性骨軟骨炎における初期症状の診断方法にはMRI検査を行います。軟骨の損傷が原因となり、初期では通常のレントゲン写真で診断するのが難しいためです。 症状が進行して、骨軟骨片が分離する時期ではレントゲン写真で診断可能です。 また、肘の離断性骨軟骨炎はエコーでスクリーニング検査と診断できます。膝の離断性骨軟骨炎についても、エコーでの診断が可能と報告されてきています。 骨の状態をより詳しく知り、手術の計画を立てる際はCTスキャンで診断するのが一般的です。 離断性骨軟骨炎の治療 離断性骨軟骨炎の主な治療法を紹介します。 保存療法 手術療法 リハビリ療法 再生医療 ご自身の状態を踏まえたうえで、最適な治療法を検討しましょう。 保存療法 保存療法は、症状の緩和を目指す治療法です。離断性骨軟骨炎では関節の離脱や遊離がない場合、保存療法から試みます。 保存療法で実施される主な治療は、以下の通りです。 主な治療 治療内容 運動の制限 痛みが緩和するまでスポーツなどの運動を中断する 装具の使用 膝関節を固定して安定に保つため、ギブスやサポーターなどの装具を使用する 身長が伸びている発育期で軟骨片が離れていない場合、自然に修復されるのを期待して、膝関節の安静やサポーターなどの装具を使用する保存治療が選択されます。 痛みに対しては鎮痛薬や関節内注射などを行い、レントゲンやMRIで修復されている傾向が見られれば徐々に負荷を上げていきます。保存療法を試みて症状回復が見込めないときは、手術療法に切り替えるケースがほとんどです。 手術療法 症状が進行している、もしくは回復が見られない場合は、手術療法が選択されます。離断性骨軟骨炎の主な手術療法は、以下の通りです。 手術療法 手術内容 適応される症例 マイクロフラクチャー法 膝関節鏡を関節内に入れ、患部に数か所小さい穴を開けて出血により治癒を促進 比較的小さな範囲の軟骨が損傷されている場合 整復内固定術 不安定な骨軟骨片を骨釘や生体吸収性ピンなどを使用して固定 軟骨片が剥離して、遊離している場合 骨軟骨移植術 腿骨の体重がかからない部分から円柱状の軟骨片を採取して、損傷した部分に移植 損傷範囲が比較的大きく、遊離した軟骨片の状態が悪くて骨癒合を期待できない場合 適応する術式は患者さんの状態や希望、術者によって異なります。治療法については状態を把握したうえで主治医と相談し、納得いく治療プランを検討するのが大切です。 リハビリ療法 離断性骨軟骨炎のリハビリ療法は、保存療法の一環として行うケースと手術後に実施するものがあります。 離断性骨軟骨炎では手術だけではなく、その後のしっかりとしたリハビリテーションも重要です。 リハビリでは、可動域訓練や筋力トレーニングを中心に行い、肘や膝に負荷のかからない動作を身につけていきます。 身体に負担のかからない動作がわかるため、離断性骨軟骨炎の症状が回復し、スポーツを再開したあとやストレッチにもリハビリは役立ちます。 再生医療 再生医療は手術を必要としない治療法です。治療法の一つとなる幹細胞治療では、患者様自身から採取した幹細胞を培養し、ひざ関節に注入します。 当院「リペアルセルクリニック」の幹細胞治療では、脂肪由来の幹細胞を治療に活用します。米粒2~3粒ほどの採取のため、体への負担が少なくて済みます。 まとめ・離断性骨軟骨炎は早期診断と治療が重要 膝離断性骨軟骨炎は、主に10代~20代に起こりやすい病気です。膝関節の軟骨が関節内に剥がれ落ちて、痛みや引っかかりなどのさまざまな症状を起こします。 初期にはレントゲン写真でわからない場合が多いので、MRIでの精密検査が必要です。 治療法には保存療法や手術療法があります。手術療法は骨髄刺激法や整復内固定術、骨軟骨移植術などの術式がありますが、遊離した軟骨片の大きさや状態を総合的に判断して決定されます。 また、再生医療も選択肢の一つです。離断性骨軟骨炎は、症状が進行するとスポーツ復帰に時間を要します。早期発見・早期治療が大切になるため、ご自身の状態を踏まえたうえで、治療法を選択しましょう。 離断性骨軟骨炎に関するよくある質問 離断性骨軟骨炎を放置していたらどうなる? 離断性骨軟骨炎を放置していると、次第に骨軟骨が剥がれてしまい、痛みが強くなります。骨軟骨が完全に剝がれてしまった場合、膝がロックされたように動かなくなるロッキングを起こしたり、関節が変形したりする可能性があります。 痛みが強く、日常生活にも支障をきたす際は、治療法ではなく手術療法となるケースも少なくありません。完治までに時間を要する可能性もあるため、異常を感じた場合は放置せずすみやかに受診しましょう。 離断性骨軟骨炎は治療するとどれくらいでスポーツ復帰できますか? 離断性骨軟骨炎は、一般的に完治するまでに半年以上かかる可能性があります。そのため、スポーツ復帰できるのは数ヶ月〜1年くらい時間を要します。 症状が軽い場合は、保存療法としてスポーツ活動を中断し、安静となるケースがほとんどです。痛みがなくなったあとは、レントゲンやMRIなどで経過を見て段階的にスポーツ復帰できるよう進めていきます。 なお、離断性骨軟骨炎は再発する可能性があるため、自己判断せず医師の指示のもと治療を受けるのが大切です。 離断性骨軟骨炎は大人でも発症しますか? 離断性骨軟骨炎は一般的に10代〜20代に多い病気ですが、大人でも発症する場合があります。骨や軟骨に血液が供給されなくなると、骨が弱くなり軟骨が剥離し離断性骨軟骨炎を引き起こす場合があるためです。 また、離断性骨軟骨炎は遺伝的要因によって発症する可能性もあります。放置すると変形性関節症へ移行するリスクが生じるため、違和感を覚えた場合は受診しましょう。 離断性骨軟骨炎は、若年層のみ発症する病気ではない点に注意が必要です。
2023.08.24 -
- 膝の内側の痛み
- ひざ関節
- 靭帯損傷
内側側副(ないそくそくふく)靭帯損傷は、内側側副靭帯という膝の内側の安定性を保っている靭帯が何らかの原因で損傷を受けることです。 今回は、医師の目線から、内側側副靭帯損傷の症状や治療法について解説します。 内側側副靭帯損傷(MCL)とは? 内側側副(ないそくそくふく)靭帯損傷(MCL)とは、膝関節の裏側にある内側側副靭帯によくみられる外傷です。 靭帯が何らかの原因で損傷を受けた状態を指します。 内側側副靭帯損傷は、後述しますが珍しいものではありません。 自力での治療は難しいため、症状が疑われた場合は、早めに医師の診察を受けることが大切です。 また、放置してしまうと悪化する恐れがあるので、早めに受診しましょう。 内側側副靭帯の役割 内側側副靭帯は、膝の裏側にあって、関節が必要以上に開かないようにおさえる役割を果たします。 この靭帯は、膝関節に関わる大腿骨と脛骨をつないでいます。 しかし、2つの骨は、決して側面に受ける衝撃に強くありません。 しかし内側側副靭帯があることで、外部からの衝撃に耐性を発揮できます。 結果として、この靭帯により、強い衝撃があっても必要以上に関節が開かないようになります。 なお、膝関節には、前十字靭帯と後十字靭帯という靭帯があり、関節の側面には内側側副靭帯が、外側側副靭帯があります。 その中でも、内側側副靭帯は、特に膝の内側の安定性を保つ役割を持ちます。 内側側副靭帯損傷(MCL)の原因とは? スポーツ外傷や、交通事故などで、膝に外反強制(がいはんきょうせい:すねを無理に外側に向けられること)するような大きな力が加わった際に、内側側副靭帯損傷(MCL損傷)が起こりやすいとされています。 内側側副靭帯損傷は、膝の靭帯損傷の中で最も多いとされています。 メール相談:オンラインカウンセリングはこちら 内側側副靭帯損傷の4つの症状 次に、内側側副靭帯損傷に多い以下4つの症状に関して解説します。 痛みや腫れ 膝の不安定感 運動動作が困難になる 可動域の低下 内側側副靭帯損傷があると、上記する症状によって、スポーツへの参加や日常生活に支障が生じます。 それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。 内側側副靭帯損傷の症状①痛みや腫れ 急性期(怪我をしてから3週間頃)に、膝の痛みと可動域制限がみられます。 しばらくして腫れ(関節内血腫)が目立ってくることもあります。 急性期が過ぎると、重症度にもよりますが、一般的に痛みや腫れ、可動域制限は軽快してきます。 内側側副靭帯の損傷の症状②膝の不安定感 この頃になると損傷部位によっては膝の不安定感が徐々に目立ってくることがあります。 ひねり動作の際にはっきりすることが多いです。 内側側副靭帯損傷の場合は、膝の内側の不安定感が出ます。 この状態のまま放置しておくと、新たに半月(板)損傷や軟骨損傷などを生じ、慢性的な痛みや腫れ(水腫)になってしまうこともあります。 内側側副靭帯の損傷の症状③運動動作が困難になる さらに、以下のような形で運動動作を取るのが困難になります。 痛みや腫れによって、ランニング、ジャンプなどがしにくくなる 症状が重い場合は歩きにくくなる 膝の安定感が失われ、思うように方向転換できなくなる スポーツの参加はもちろん、日常生活でも感じる方が多いです。 また、トレーニングができなくなるため、筋力が低下するという問題もあります。 内側側副靭帯の損傷の症状④可動域の低下 内側側副靭帯の損傷によって、動かせる関節の範囲が限られます。 膝をまっすぐにしたり、自由に曲げたりするのが難しくなります。 膝が固くなったようにも感じられます。その結果、足を引きずったような歩き方になるかもしれません。 内側側副靭帯損傷の重症度 内側側副靭帯損傷は、American Medical Associationの分類によって、1〜3度に分かれます。 1度 軽症ですが、治療とリハビリを行うことが推奨されます。 2度 中等症で、膝の外反動揺性つまりぐらぐら感を中程度に認めます。 初期治療(ギ プス固定、装具療法など)が重要となります。 3度 重症で、膝の外反動揺性が顕著であり、手術を要する場合が多いです。 内側側副靭帯損傷の検査方法 それでは、次に内側側副靱帯の検査方法について解説します。 ストレステスト 診察では膝関節にストレスを加えて緩みの程度を健側と比較します。 ① 外反ストレステスト(valgus stress test) 患者が仰向けになり、膝を伸ばした姿勢と30°膝に曲げた姿勢の2パターンでチェックをします。 医師などの検査者が膝関節の外側に一方の手を置き、他方の手で足関節を持ち膝関節に外反強制力、つまりすねを内側に向ける力を加え、膝関節の外反不安定性をみます。 この際、30°屈曲位で外反不安定性があれば、MCL損傷を疑います。 MCL単独損傷では伸展位での不安定性は認めません。 ② 内反ストレステスト(varus stress test) 外反ストレステストとは逆に、医師などの検査者が膝関節の内側に一方の手を置き、他方の手で足関節を持ち膝関節に内反強制力、つまりすねを外側に向ける力を加え、膝関節の内反不安定性をみます。 この際、30°屈曲位で内反不安定性があれば、内側側副靱帯損傷を疑います。 画像検査 画像診断ではMRI(Magnetic Resonance Imaging:磁気共鳴画像診断装置)が有用です。 X線(レントゲン)写真では靭帯は写りませんがMRIでは損傷した靭帯を描出できます。 また、半月(板)損傷合併の有無も同時に評価できます。 メール相談:オンラインカウンセリングはこちら 内側側副靭帯損傷の治療法 内側側副靭帯損傷の治療法は、損傷の程度や症状に基づいて決められます。 保存的治療 内側側副靭帯の単独靱帯損傷の場合には、手術ではなくリハビリテーション治療による保存的治療が選択されます。 受傷後急性期には、 RICE(安静または短期の固定、冷却、弾力包帯などによる圧迫、患肢の挙上)処置に引き続いて、できるだけ早期から筋力訓練を開始します。 サポーター装着 膝に不安定性がある場合は、損傷靱帯保護の目的で支柱付きのサポーター装用を考慮します。 手術療法 前十字靭帯や半月板との混合損傷や、重症度3度であり保存的治療では治らないことが予想される場合には手術療法が行われます。 膝の痛みは⼿術しなくても治療できる時代です。 関連記事:次世代の再生医療とは メール相談:オンラインカウンセリングはこちら 内側側副靱帯損傷についてよくある質問 Q1:内側側副靱帯損傷は自然に治りますか? A1 :内側側副靱帯損傷は、損傷の程度が軽い場合や部分的な断裂では、膝関節周囲の血流が豊富で栄養供給が行われやすいため、治癒しやすく保存療法が行いやすいといえます。 しかし完全な断裂など、重症の場合は自然治癒は期待しがたいので、靭帯の再腱術を行うことが必要になります。 Q2:内側側副靱帯損傷の固定期間はどれくらいですか? A2:個人差はありますが、約1〜2週間程度ギプスシーネやニーブレースなどで固定後、靭帯矯正サポーターを装着し、リハビリテーションとして可動域、歩行訓練を行っていきます。 膝装具は一般的には約6週間以上装着します。 膝の可動域と不安定性が、怪我をしていない方の膝と同じレベルまで改善したらスポーツ復帰が可能となります。 まとめ|内側側副靭帯損傷(MCL)とは?早く治す方法を現役医師が解説 今回の記事では、内側側副靭帯損傷の症状や治療法について解説しました。 内側側副靱帯損傷が起こると、その治療には数週間を要する場合が多いです。 しかしながら、再生医療によって、治療期間や回復までの時間を短くできる可能性があります。 こちらの動画も是非ご覧ください。 https://youtu.be/ZYOV-Er0mnU?si=ka6C0oujvcAaaLKY 膝の靭帯のメカニズムと再生医療について解説。 また当院では、自己脂肪由来幹細胞治療を行うことで、膝の靭帯損傷をより早く治し、筋力低下などを防ぐための再生医療を提供しています。 ご興味のある方は、ぜひ一度当院の無料相談を受けてみてください。 この記事がご参考になれば幸いです。 メール相談:オンラインカウンセリングはこちら
2023.08.21 -
- 下肢(足の障害)
- ひざ関節
- 動作時の痛み
- 肘関節
- スポーツ外傷
- 膝部、その他疾患
離断性骨軟骨炎は、主にスポーツを行っている人が発症しやすい病気です。発症した際、完治期間はどのくらいの期間を要し、運動はいつから再開できるのか疑問に感じる方もいるのではないでしょうか。 離断性骨軟骨炎は安静にしていると次第に痛みが軽減されるものの、完治したと思って無理に動くと再発する可能性があるため注意が必要です。 本記事では、離断性骨軟骨炎における完治期間の目安を解説します。再発予防法も紹介するので、離断性骨軟骨炎の症状回復へ向けた治療が知りたい方は参考にしてください。 離断性骨軟骨炎の完治期間 離断性骨軟骨炎は、治療法によって完治期間の目安が異なりますが、一般的に完治するまで6カ月以上かかる可能性があります。 そのため、完治期間の目安を把握したうえで、復帰スケジュールを組むのが大切です。ここでは、保存療法と手術療法の完治期間の目安を解説するので参考にしてください。 保存療法における完治期間の目安 保存療法における完治期間は、6カ月以上~1年ほどが目安になります。離断性骨軟骨炎は10代~20代くらいに多く発症するため、低年齢の場合は保存療法を優先するケースが一般的です。 保存療法では、離断性骨軟骨炎の要因となるスポーツ活動を禁止して安静に過ごしながら、レントゲンやMRIなどで修復状態を定期的に確認します。 症状を見ながら段階的にスポーツ活動への復帰を進めていきますが、発症前の運動レベルまで戻す場合は数カ月~1年くらいはかかる可能性があります。また、保存療法で症状回復が得られない場合は、手術を行うのが一般的です。 手術療法における入院期間と完治期間の目安 手術療法における完治期間の目安は、術式によって異なりますが6カ月~10カ月ほどでスポーツ活動に復帰できる可能性があります。入院期間も術式でさまざまで、おおむね5日~7日程度です。 退院後はリハビリを行い、修復状態を確認しながら軽い運動から復帰を開始します。本格的な復帰は6カ月ほどが多いため、6カ月ほどは無理のない範囲でリハビリを進めていくのが重要です。 スポーツ復帰を目指す場合は、適切な手術を受けて完治期間までは医師の指示に沿ったリハビリを受けましょう。 離断性骨軟骨炎の主な治し方 離断性骨軟骨炎の主な治し方は、以下の通りです。 治療法の種類 特徴 安静 運動をせず安静に療養する リハビリテーション 患部への負担軽減を目的にリハビリ訓練を実施する 薬物療法 鎮痛薬や関節内注射を行う マイクロフラクチャー法 膝関節鏡を関節内に入れて、患部の数カ所に小さい穴を開けて出血させて治癒を促進 整復内固定術 骨釘や生体吸収性ピンなどを使用して固定 骨軟骨移植術 円柱状の軟骨片を採取して、損傷した部分に移植 離断性骨軟骨炎は、問診や触診、レントゲン検査などを行ったうえで診断します。ただし、初期の場合はレントゲンでは写りにくいため、MRI検査で確定診断をするのが一般的です。 また、手術療法の術式は、遊離した軟骨片の大きさや状態などから総合的に判断して決めます。 無理に運動を継続すると手術が必要になるだけでなく、競技生活を続けられなくなる可能性があります。離断性骨軟骨炎は、早期発見・早期治療が重要なため、肘や膝に違和感があった際は、ただちに医療機関を受診し、医師の指示に従いましょう。 離断性骨軟骨炎は再発するためリハビリが重要 離断性骨軟骨炎は、症状が治まっても再発するリスクが生じます。 再発する理由は、関節軟骨は血流が乏しく自然治癒力が限られているためです。離断性骨軟骨炎の症状は安静にしていると落ち着いてくる場合があるため、完治したと勘違いする人も少なくありません。 しかし、完治していない状態で運動を再開すると、まだ安定していない軟骨に負荷をかけてしまい結果として再発につながります。 痛みや引っかかりがなくなったとしても、自己判断で運動を再開するのは危険です。離断性骨軟骨炎は完治までに6カ月以上かかるケースが一般的なため、再発を防ぐためにもリハビリが重要です。運動を再開する際は自己判断せず、医師の診察を受けましょう。 離断性骨軟骨炎のリハビリ治療と期間 離断性骨軟骨炎は、症状が軽い場合はリハビリと安静中心の保存療法で治療が行われます。リハビリ期間は、患者さんの年齢や症状の進行具合によって変わってきます。 離断性骨軟骨炎は、一般的に約1〜2カ月で痛みがやわらぎますが、3か月ほどの安静が必要です。 リハビリは、可動域訓練や筋力トレーニングを中心に行います。理学療法士の指導やアドバイスをもとに、肘や膝に負荷のかからない動作を身につけるのがリハビリの目的です。 3カ月以上保存療法を行っていても症状の回復が見込めない、もしくはすでに症状が進行しており軟骨の状態が良くない場合は、リハビリより手術を先に行います。 手術は関節鏡を使ったものが多いですが、症状によっては軟骨の移植など大がかりな方法になる場合があります。 関節鏡下の手術の場合は傷口が小さく回復が早く、早期にリハビリを開始可能です。ただし、軟骨の修復は普通の骨と比べて時間がかかるため、無理に動かさないよう注意しましょう。 \まずは当院にお問い合わせください/ 離断性骨軟骨炎の再発予防法 離断性骨軟骨炎は、再発する可能性のある病気です。痛みが軽減されたかといって、本格的な復帰をしないよう注意しましょう。ここでは、離断性骨軟骨炎の再発予防法を解説します。 完治してから復帰する 離断性骨軟骨炎の再発予防には、完治してから復帰するのが重要です。痛みがなくなると運動を再開しても問題ないと判断してしまいがちですが、完治していない場合、軟骨は不安定な状態です。 離断性骨軟骨炎の発症前と同じレベルで体を動かすのは、再発につながるリスクが生じるため注意しなければなりません。再発しないためにも運動の時期は勝手に決めず、治療期間中は医師の指示に従い、段階を踏んで本格的な復帰を目指すようにしましょう。 オーバーワークになりすぎないようにする 離断性骨軟骨炎の再発予防には、オーバーワークになりすぎないよう練習量を調整するのが大切です。痛みがなくなると、発症前と同じ運動量で練習に参加してしまう可能性があります。 特にスポーツをしている場合はまわりに遅れをとりたくないと思って、無理をしてしまいがちです。完治していない状態でオーバーワークになりすぎると、再発により長期離脱につながりかねません。医師から完治と言われない限りは、練習量を抑えるのが重要です。 サポーターを着用する 離断性骨軟骨炎の再発予防には、サポーターの着用が効果的です。軟骨と骨をつなぎとめる部分の血流障害を引き起こすと軟骨が剝がれやすくなり、離断性骨軟骨炎を再発する要因になります。 離断性骨軟骨炎の場合は、サポーターを使用すると体の重心バランスが整い、患部の負担軽減につながります。サポーターはギブスと異なり関節の動きを固定しないため、自然な動きが可能です。 なお、離断性骨軟骨炎向けのサポーターには大腿四頭筋を補強するタイプや固定力の高いタイプなど、さまざまな種類があります。再発防止策には、目的や症状に合ったサポーターを選ぶのが大切です。 定期的に検診を受ける 定期的に検診を受けるのが、離断性骨軟骨炎の再発予防策です。スポーツでは継続的な負荷がかかるため、定期的な検診により症状が悪化していないか確認できます。 離断性骨軟骨炎は治療が早ければ、保存療法で症状回復が期待できる病気です。完治したからといって無理をしてしまうと、再発する可能性が考えられます。再び長期離脱につながらないよう定期的に受診し、再発を予防するのが大切です。 離断性骨軟骨炎における治療法の1つ再生医療の可能性 再生医療とは、損傷した組織や臓器の機能を回復させるために、細胞や組織、臓器を人工的に作製したり、自己修復能力を促進したりする医療技術の総称です。 当院「リペアセルクリニック」では、患者様自身の幹細胞を接種、培養しているため、副作用のリスクが低く抑えられます。 また、採取する脂肪量は米粒2~3粒程度のため、体への負担は大きくありません。再生医療では、手術不要で治療が受けられます。 メール相談やオンラインカウンセリングを受け付けておりますので、離断性骨軟骨炎の治療に関する悩みがある方は、お気軽にお問い合わせください。 まとめ・離断性骨軟骨炎の再発予防には完治期間を守ることが大切 離断性骨軟骨炎の完治期間は、6カ月以上が目安となります。一般的に安静にしていれば症状軽減が期待できますが、完治したと思って発症前と同様の生活をすると再発しやすくなるため注意が必要です。 離断性骨軟骨炎はリハビリを正しく行うと症状緩和につながり、再発を予防できます 治療後はいきなり発症前と同じ練習量やトレーニングをするのではなく、段階を踏んで運動を再開するのが大切です。 離断性骨軟骨炎の完治期間を踏まえたうえで、症状回復へ向けた適切な治療を受けましょう。
2023.05.26 -
- 動作時の痛み
- ひざ関節
- 半月板損傷
- 靭帯損傷
冬のウィンタースポーツシーズンになると、スノーボードやスキーを楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。 ただし、スノーボードやスキーなどは、スピードが出るほか、転倒や衝突の危険性が高いスポーツです。また、膝を中心に使うスポーツであることから、膝の痛みや怪我を伴うケースも珍しくありません。 今回はスノーボードやスキーで起こりやすい膝の痛みや怪我について解説します。治療法や予防策についてもまとめているので、膝の痛みを我慢して症状を悪化させないよう、ぜひ参考にしてください。 スノーボードやスキーで起こりやすい膝の痛みや怪我 スノーボードやスキーなどによる膝の痛みの原因として最も多いのは、「前十字靭帯損傷」と「半月板損傷」です。 スノーボードやスキーでは、滑走中に膝を捻ってしまったり、ジャンプからの着地や転倒時に大きな負担がかかったりするため、膝の損傷や捻挫のリスクが高まります。 以下で、膝の痛みの原因となるそれぞれの怪我について詳しく見ていきましょう。 膝の痛みの原因|前十字靭帯損傷 前十字靭帯とは、膝の関節内にある靭帯のうちの一つです。前十字靭帯は、膝の捻りや前後のぐらつきを抑え、膝関節を安定させる役割を担います。 前十字靭帯損傷とは、具体的に以下のような靭帯の状態を意味します。 伸びている 部分的に裂けている 完全に裂けている(断裂) 前十字靭帯損傷は、ジャンプの着地や急な方向転換などで起こりやすい怪我です。 ▼ 前十字靭帯損傷の受診の目安について知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。 前十字靭帯損傷の症状 前十字靭帯の受傷直後は、激しい痛みのために動けなくなるケースがほとんどです。なかには、「ブチッ」と筋肉が切れるような音が聞こえる場合もあります。 受傷直後には動けていても、時間が経過すると関節内血腫(関節内に血がたまる状態)が生じるとされています。そして、時間の経過とともに、痛みや腫れが強くなって動くことが難しくなります。 一般的には、2〜3週間で腫れや痛みが軽減されるものの、以下のような症状が継続して見られるケースも珍しくありません。 膝の不安定感 膝が外れる感じがする 膝に力が入らない 膝がすぐ腫れてしまう 膝が伸びない 正座ができない 前十字靭帯損傷の症状は、とくに膝を使う動作やスポーツ競技中などで現れます。 前十字靭帯損傷の診断 前十字靭帯損傷は、医師による診察やMRI検査によって診断されます。とくにMRI検査は靭帯の評価(靭帯の形状や靭帯の走行など)に有用です。また、骨折の有無を確認するためにレントゲン検査を用いる場合もあります。 前十字靭帯損傷の治療法 前十字靭帯損傷の治療法は、主に保存療法と手術療法の2種類です。以下で、それぞれの治療法について解説します。 保存療法 前十字靭帯損傷の保存療法では、大腿四頭筋などの筋力訓練を行い、必要に応じて装具を使用することで、日常生活や軽度のスポーツ活動への復帰を目指します。 この治療法は手術を伴わないため、体への負担が軽い点が特徴です。 一方で、保存療法では膝の安定性が十分に確保されない場合があり、痛みや不安定感が続くことがあります。 そのため、適切なリハビリを行わない場合、半月板損傷や他の靭帯損傷といった二次損傷のリスクが高まる可能性があります。 以前は、スポーツ活動への復帰を目指さない場合に保存療法が一般的に選択されていましたが、近年は、膝の不安定性が長期的に関節軟骨や半月板に負担をかけ、変形性膝関節症などの膝関節の変性リスクを高める可能性が示唆されています。そのため、若年者に対しても保存療法ではなく手術療法が推奨されるケースがあります。 手術療法 前十字靭帯は断裂すると自然に修復されず、必要に応じて再建術を行います。前十字靭帯再建術では、膝の後内側にある屈筋腱を移植する自家移植が一般的です。 手術後はリハビリが必須ではあるものの、手術から10~12カ月後にはスポーツ復帰が見込めます。 前十字靱帯損傷を放置すると、膝が安定性を失い、ガクッと崩れ落ちてしまったり、膝があらゆる方向に捻じれやすくなったりします。 前十字靱帯損傷によって膝が安定しない状態が続くと、半月板や関節軟骨に負荷がかかるため注意が必要です。 ▼ 前十字靭帯損傷の手術をしない場合に考えられるリスクについては、以下の記事で詳しく解説しています。 膝の痛みの原因|半月板損傷 半月板とは、膝関節の大腿骨と脛骨の間にある線維軟骨です。膝の内側と外側にあり、膝にかかる衝撃を吸収する働きがあります。 半月板損傷は、半月板に亀裂が生じたり、欠けたりした状態のことです。若年者から高齢者まで世代を問わず発症し、慢性化すると変形性膝関節症を引き起こす可能性もあります。 半月板損傷の症状 半月板損傷の程度によって異なるものの、主な症状は以下の通りです。 膝の曲げ伸ばしが困難になる 膝を動かすと激しい痛みが生じる 膝に水が溜まる 膝が腫れて圧痛が生じる 膝関節が突然ロックされたように動かせなくなる(ロッキング) ロッキングが起こると歩行困難になる場合があるなど、日常生活に支障をきたします。とくに運動中や階段の昇降時などに強い痛みを感じる傾向にあります。 ▼ 半月板損傷の症状について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。 半月板損傷の診断 半月板損傷の診断方法は、医師による診察やMRI検査などです。状況に応じて、膝関節内にカメラ(関節鏡)を入れて直接損傷の程度を確認する、関節鏡検査を行う場合もあります。 半月板損傷の治療法 半月板損傷の主な治療法として、保存治療と手術療法の2種類があります。 保存療法 半月板損傷が軽度の場合は、保存療法を選択するケースがほとんどです。保存療法では、サポーターで患部を固定し、抗炎症薬などの薬物療法やリハビリを中心とした治療を行います。 保存療法で痛みや症状が改善されない場合や、ロッキングなどの症状が続く場合には、手術療法を検討する必要があります。 手術療法 亀裂部位の幅が1cm以上の場合や、保存療法による効果が見られない場合は、手術療法を選択することが一般的です。半月板損傷の手術には、損傷した部分を切り取る切除術と、損傷した部分を縫い合わせる縫合術の2種類があり、関節鏡を使った鏡視下手術が行われます。 切除術の場合、半月板を取り除くことで膝軟骨の消耗が進んでしまう可能性があるため、近年は縫合術が選択されるのが一般的です。一方で、損傷した半月板の状態によって縫合が難しいと判断された場合には切除術が行われます。 手術後はリハビリが必須で、スポーツへ復帰までの期間は半月板切除術で約3カ月、半月板縫合術で約6カ月とされています。 ▼ 半月板損傷の手術のメリット・デメリットについて知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。 再生医療ならスノーボードやスキーによる膝の痛みの軽減に効果的 スノーボードやスキーによる膝の痛みを軽減するためには、再生医療という選択肢もあります。再生医療とは、幹細胞や血小板の投与によって、症状の改善を目指す治療方法です。 リペアセルクリニックでは、半月板損傷・半月板断裂に対する再生医療・幹細胞治療を行っています。以下で、当院における半月板損傷に対する再生医療の症例を紹介するので、ぜひ参考にしてください。 症例1.スノーボードで受傷した半月板損傷に対する再生医療 50代の男性は、スノーボードをしていて膝に違和感を感じ、その後に足を踏ん張ったときに強い痛みが現れました。しばらくして症状が和らいだものの、階段の昇降時に痛みが認められました。 半月板は、一度損傷すると自然治癒することはありません。半月板損傷はたとえ痛みがなくなっても、放置すると悪化するリスクが高い怪我の一つです。 当院のレントゲン所見にて、半月板の水平断裂が認められたため、膝関節に幹細胞5000万個を3回投与しました。当院における脂肪由来の幹細胞を用いた再生医療は、身体に大きな負担をかけずに半月板の損傷や断裂に対する治療が可能です。 初回の投与から約1カ月で効果が現れはじめ、2カ月が経つ頃には膝の痛みがなくなりました。スノーボードを継続するため、幹細胞の投与と並行して、筋肉トレーニングとストレッチにも取り組んだ事例です。 ▼ こちらの症例について詳しく知りたい方は、以下をご覧ください。 症例2.スキーができないほどの膝の痛みに対する再生医療 60代の男性は、昔からスキーをよくしており、約15年前から膝に痛みを感じていました。当院を受診する3年前には、ほかのクリニックでPRP療法を受けたそうです。その後、少し痛みが和らいだものの、普段の生活に支障が出始めて幹細胞治療を選択しました。 MRIとレントゲン検査の結果、半月板損傷と膝の変形が認められたため、両膝に各2500万個の幹細胞を2回投与しました。初回の投与から1カ月で痛みがほぼ半減し、2カ月が経つ頃には両膝とも10分の1まで痛みがなくなった事例です。 同時に、左膝周りの筋力低下に対するトレーニングを指導し、膝の動きを良くするためのリハビリテーションを実施しました。これにより、両膝とも正常な可動域が得られるまで回復しました。 ▼ こちらの症例について詳しく知りたい方は、以下をご覧ください。 スノーボードやスキーによる膝の痛みや怪我の予防策 スノーボードやスキーによる膝の痛みや怪我を予防するためには、運動前のストレッチやサポーターの使用などが効果的です。 以下で、膝の痛みや怪我の予防策を解説するので、ぜひ参考にしてください。 滑る前にしっかりとストレッチする スノーボードやスキー中に膝を痛めないよう、滑る前にはしっかりとストレッチをしましょう。膝周りの筋肉をほぐしておくと、膝関節を柔軟に保てるようになり、転倒や衝突などによる怪我のリスクを減らせます。 具体的には、以下を中心としたストレッチがおすすめです。 大腿四頭筋(太ももの前) ハムストリングス(太ももの後ろ) 股関節周り 雪山でのウィンタースポーツは、体を冷やしやすいため注意が必要です。10〜15分くらいかけてしっかりとウォームアップしておくと、身体の柔軟性が高まり、怪我の防止につながります。 サポーターやプロテクターを使用する スノーボードやスキーによる膝の痛みを予防するためには、サポーターやプロテクターの使用も効果的です。サポーターやプロテクターは、外部からの衝撃や過剰な負担から膝を守ります。また、膝を過度に捻らないようにするための役割も担います。 スノーボードやスキーでは、突発的な怪我が多い傾向にあります。たとえ膝に痛みがない場合でも、怪我の予防のために、サポーターやプロテクターを着用しておくと安心です。 日頃から筋力トレーニングをする 日頃から筋力トレーニングに取り組んでおくと、スノーボードやスキー中の怪我の予防につながります。膝周りの筋力を強化すると安定性が増し、膝に過度な負担がかかることを防ぎます。 怪我の予防には、膝周りだけではなく、太ももやお尻、ふくらはぎの筋力強化も効果的です。スクワットのほか、体幹を鍛えるために片足で立ったり、バランスボールを使ったりするトレーニングも膝の安定性を高めることに役立ちます。 まとめ・スノーボードやスキーによる膝の痛みを感じたら早めに医療機関を受診しよう スノーボードやスキーで怪我をして膝の痛みを抱えると、日常生活にも支障をきたす可能性があります。運動前のストレッチやプロテクターの着用などによって、怪我を予防しましょう。 スノーボードやスキーを楽しんだ後に膝の痛みを感じる場合は、前十字靭帯損傷や半月板損傷などが疑われます。適切な治療を受けるためにも、膝の痛みを感じたら早めに医療機関を受診してください。 また、前十字靭帯損傷や半月板損傷の治療後は、怪我をしたときと同じ動作を続けると、再び膝を損傷する可能性があるため注意が必要です。スノーボードやスキーを楽しむためにも、普段からストレッチや筋力トレーニングを習慣づけ、全身の柔軟性を保つようにしましょう。 半月板損傷などの膝の痛みの治療には、再生医療という選択肢もあります。 リペアセルクリニックでは、メール相談やオンラインカウンセリングを実施しています。再生医療をご検討の際は、ぜひ気軽にご相談ください。 \まずは当院にお問い合わせください/
2023.02.01 -
- ひざ関節
- 膝部、その他疾患
膝の痛みにお困りの方は、痛みの原因を知って「早く治したい」という方がほとんどでしょう。 リンパの詰まりによる膝の痛みは「筋肉の働きの低下」や「食生活」が影響しているため、運動習慣や食生活の改善が重要です。 しかし、セルフケアで症状が改善しない場合は、医療機関に相談して適切な治療を受ける必要があります。 「セルフケアで治らない」「膝の痛みが長引いて不安」という方に向けて、「再生医療によって膝の痛み症状の改善が見られた症例」を公式LINEで大公開! LINE登録をしていただいた方限定で「再生医療の基礎がわかるガイドブック」が無料でお受け取りいただけます。 ▼公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中! 膝の裏側(内側)を押すと痛む症状はリンパの詰まりが原因の一つ 膝の裏側に痛みや腫れがある場合や膝から下がむくむ症状は、「リンパの詰まり」が原因の一つであることが考えられます。 特に、長時間の立ち仕事や座りっぱなし、飛行機やバスで足を下げたままの姿勢では、リンパの流れが悪くなることが多いです。 リンパが詰まることにより、リンパ液の流れが滞り、体内の老廃物がたまりやすくなります。 その結果、膝の裏を押すと痛みがあるほか、腫れやだるさ、重さ、冷えなどの症状が生じることがあるのです。 これらの症状はリンパの流れを改善することで軽減されるため、日常的にリンパマッサージやストレッチを取り入れることが効果的です。 適切なケアや治療を実施すれば、症状が緩和される可能性が高まります。 膝裏でリンパが詰まる原因 膝の裏には「膝窩リンパ節(しっかリンパせつ)」というリンパ節が存在します。 リンパ管は体内で老廃物や細菌を運ぶ役割を担い、リンパ節はそのリンパ管を通る異物を取り除く場所です。 しかし、リンパの流れが悪くなると、リンパ液がリンパ節でスムーズに循環できず、詰まりが起こることがあります。 特に、筋肉の働きが低下したり、偏った食生活をしていると、膝の裏でリンパが詰まりやすくなるのです。 これらの原因がリンパの流れを悪くし、むくみや不快感を引き起こします。 ここでは、それぞれの原因について詳しく見ていきましょう。 筋肉の働きが低下している リンパの流れは筋肉の動きによって支えられていますが、筋肉が十分に働かないと、リンパの流れが滞りやすくなります。 特に運動不足やデスクワークなどで長時間座ったままでいると、膝の裏側の筋肉が使われず、リンパ液が溜まりやすくなるのです。 また、加齢やケガにより筋肉の柔軟性や強度が低下すると、リンパ液の循環が阻害されることもあります。 筋肉の働きが弱まると、リンパ管が圧迫されて流れが悪くなることが原因です。 そのため、筋肉を適度に動かし、柔軟性を維持することが大切です。 例えば、軽いストレッチやウォーキングなどの運動を日常生活に取り入れることで、筋肉を活性化させ、リンパの流れをスムーズにすることができます。 偏った食生活になっている 偏った食生活は、体内の水分バランスや代謝機能に悪影響を与え、リンパの流れを悪くすることがあります。 特に塩分が多い食事や脂っこい食べ物を頻繁に摂ると、体内に余計な水分が溜まり、リンパ液の流れが滞りやすくなるので注意が必要です。 また、ビタミンやミネラル、マグネシウムが不足していると、リンパの循環がスムーズに進まなくなります。だからこそ、バランスの良い食事を心がけることが大切です。 野菜や果物を多く摂り、適切な水分補給を行い、加工食品や高塩分の食事を控えることで、リンパ液の流れを正常に保つことができます。 膝の裏側(内側)にリンパが詰まっている時の対処法 膝裏のリンパが詰まっている場合は、先ほど説明したリンパの流れが悪くなる原因を考慮した対応が必要です。 その際の具体的な解消方法を3つ紹介しましょう。 適度な運動をする 筋肉を動かして血液やリンパの流れを促すことを「筋ポンプ作用」と言います。 この筋ポンプ作用を働かせるには、適度な運動が必要です。 運動不足は筋肉量や代謝の低下を引き起こしますが、適度な運動を行うことで、筋肉量や代謝が向上し、血液やリンパ液の循環も良くなります。 特におすすめなのは、膝や足首の屈伸運動です。 たとえば、つま先を上げ下げする足首の運動は「第二の心臓」と呼ばれるふくらはぎの筋肉を刺激し、血液やリンパの流れを促進する効果があります。 運動は「テレビを見ながら」や「トイレで座りながら」など、日常の合間にこまめに行うのが良いでしょう。 ただし、筋肉痛になるほどの激しい運動は疲労を蓄積させるため、無理をしないように注意が必要です。 マッサージを行う リンパの流れを良くするためのマッサージを行いましょう。 膝裏やふくらはぎを軽くさする、推すなどの程度から始めて、徐々にほぐすようにしていきましょう。 足裏からふくらはぎに向かって優しくマッサージすることで、血管やリンパ管の収縮力を高め、血液やリンパ液の排出を助けます。 押すなどして圧迫した場合に、痛みや違和感を感じる場合はリンパの流れが悪いだけではなく、他の病気が潜んでいる可能性があるので無理に行わないで中止しましょう。 専門家によるマッサージではなく、自分で行う場合は、あくまで気持ちいい程度の加減で行うことが大切です。 ▼先端医療である再生医療も選択肢の一つ >>【無料プレゼント】再生医療ガイドブックを今すぐ受け取る 生活習慣を見直す リンパの流れを妨げる肥満を防ぎ、改善するためには、バランスの取れた食事や運動を続けるなど、規則正しい生活習慣が大切です。 また、長時間椅子に座って膝を圧迫したり、足を下げたままにすると、膝の後ろにあるリンパ節に負担をかける原因になります。 時々立ち上がって歩いたり、しゃがんでみたり、足を伸ばしたりすることで体を動かしましょう。運動やマッサージも効果的です。 自宅にいるときは、足を心臓より高い位置にして休むのも良い方法です。 こうすることで、重力に逆らわずに血液やリンパ液を戻しやすくなります。 さらに、食事や水分摂取にも注意が必要です。塩分やカフェインを摂り過ぎると水分代謝が悪くなるため、控えるようにしましょう。 また、水分不足もむくみの原因になるので、適度に水分補給を心がけてください。 膝の内側を押すと痛む場合に自宅でできるリンパをほぐすマッサージのやり方 膝の内側の痛みには、以下のでリンパをほぐすマッサージを実践してみましょう。 マッサージをしても膝の内側や膝裏が痛みが長引いている方は、治療しないと治らない疾患の可能性が考えられます。 長引く膝裏の痛みにお困りの方は、症状が悪化する前に医療機関の受診、早期に治療を開始しましょう。 また、近年の治療では手術せずに治療する方法として「再生医療」が注目されています。 膝の痛みが悪化して日常生活に影響が出る前に、先端医療の再生医療ではどのような治療を行うのか知っておきましょう! \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ リンパ以外の原因もある?膝裏を押すと痛い場合に注意すべき症状 膝の裏が腫れている場合に、リンパ節のむくみだけではなく、他の病気が潜んでいる可能性もあります。 以下のポイントを参考にして、気になる場合は自己判断で治療したり、放置したりせずに整形外科や循環器内科などを受診しましょう。 全身にむくみがある|内科系の疾患によるむくみの可能性 全身にむくみがある場合は、心臓や腎臓など内科系の疾患によるむくみの可能性があります。 膝裏のむくみに気づいた場合には、他の部位にもむくみがないかどうかをチェックしましょう。 膝周辺に痛みや熱がある|関節の炎症や怪我の可能性 膝裏のむくみだけでなく、痛みや熱がある場合は、膝関節の炎症や怪我などの可能性があります。 また、リンパ節に細菌が入って感染症を起こしてしまうこともあります。 このような症状の場合は、早めの医療機関で適切な治療を受けることが大切ですので注意しましょう。 だんだん浮腫がひどくなる|病気が潜んでいる可能性 時間とともにむくみが悪化する場合、何かしらの病気が原因になっている可能性があります。 その中でも特に考えられるのが「ベイカー嚢腫(のうしゅ)」です。 この病気は、膝の裏側にある袋状の部分が大きくなってしまうもので、特に50歳以上の女性に多く見られます。 また、膝の変形が進むと、膝関節に炎症が起こり、水が溜まってしまうこともあります。 このような症状が現れた場合は、放置せずに早めに医師の診断を受けることが大切です。 適切な治療を受けることで、症状の悪化を防げます。 まとめ・膝の裏側の腫れや痛み、膝下のむくみはリンパの詰まりが原因か?! 膝の裏側(内側)の痛みや腫れ、膝下のむくみはリンパの詰まりが原因の一つです。 しかし、リンパの問題だけでなく、他の健康問題が影響している場合もあります。 リンパの詰まりが疑われる場合は、まずは早めに対処法を試してみましょう。 もし症状が改善しなかったり、悪化したりするようであれば、医師の診断を受けることが大切です。 膝の痛みやむくみは日常生活に大きな支障をきたすことがあるため、軽視せず、早めの対策を心がける必要があります。 適切な運動やマッサージを行ったり、生活習慣を見直したりすることで、リンパの流れを改善し、健康な体を保てるでしょう。 ▼LINE限定のガイドブックを無料でプレゼント >>【公式LINE限定】再生医療に関する情報を見てみる ▼以下もご参考ください 膝が痛い|朝寝起きや、歩きはじめの膝に痛みや違和感を感じたときの治療法
2022.11.25 -
- ひざ関節
- 脊柱管狭窄症
- 膝部、その他疾患
「膝から下が痛くて重い」「膝下がジンジン・ズキズキする」 上記のような膝下の痛みやだるさの原因を知って「早く治したい」という方も多いのではないでしょうか。 本記事では「膝から下が痛い・重い・だるい」ときに考えられる4つの疾患と原因を医師が解説します。 多くの症例実績がある「リペアセルクリニック」だからこそお伝えできる、膝から下が痛いときに取るべき行動もお伝えします。 また、当院の公式LINEでは、手術以外の選択肢として注目を集める「再生医療」に関する症例を公開中です。 再生医療に関する無料のガイドブックも配信していますので、膝の痛みの根本的な治療が期待できる医療技術に興味がある方は是非ご参考ください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ ▼LINEでしか見られない情報をこちらから! 膝から下が痛いときに考えられる4つの疾患と原因 膝から下が痛いときに考えられる疾患と原因は、以下の4つが挙げられます。 閉塞性動脈硬化症 深部静脈血栓症 脊柱管狭窄症 下肢静脈瘤 普段聞きなれない言葉が並んでおり、不安になる方もいるかもしれません。これらの各疾患について、症状や原因を記しながら、できるだけ簡単に説明してまいります。 なお、膝の内側・外側のように痛む場所から考えられる疾患もあるので、ある程度「痛みの場所が特定」できている方は、以下の記事もご覧ください。 ①閉塞性動脈硬化症(へいそくせいどうみゃくこうかしょう) 閉塞性動脈硬化症とは、以下のように足の血管の動脈硬化が進んでしまい、血液が流れづらくなったり、つまったりする病気です。 足の血流が悪くなるので、歩くときに足の痛みや痺れ、冷たさを感じることがあります。進行すると、安静にしていても同様の症状が出てきますので、注意が必要です。 「動脈硬化」は全身に起こりやすいものなので、足だけでなく手にも同様の症状が出てくる可能性もあります。安静時の足の痛みや足の潰瘍、壊死はだいぶ進行している状態です。下表に閉塞性動脈硬化症の症状や原因をまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。 閉塞性動脈硬化症の症状 足の痺れや冷感(しびれ・冷える) 歩行の時の足の痛み 間欠性跛行(しばらく歩行していると、足の痛みが強くなり歩行困難となる症状) 安静時の足の痛み 足の潰瘍・壊死 閉塞性動脈硬化症の原因 肥満 高血圧 喫煙 糖尿病 このように、動脈硬化の主な原因として生活習慣の乱れによるものが大きいことがわかります。 治療には早めの対処が必要となりますので「足の痺れ」「痛み」「冷たい感覚」などの症状を感じたら医療機関を受診し、早めにご相談されることをお勧めします。 ▼膝の疾患に関する症例を限定公開! >>【公式LINE限定】再生医療に関する情報を見てみる ②深部静脈血栓症(しんぶじょうみゃくけっせんしょう) 深部静脈血栓症とは、以下のように足の奥深くに通る静脈血管のなかに、血の塊(血栓)ができてしまう病気です。 この血栓が心臓や肺に流され詰まってしまうと、心筋梗塞や肺塞栓症などの命に関わる重大な疾患を引き起こす危険性があります。 特に足の整形外科の手術後や長時間のフライトなどで多くみられ、別名「エコノミークラス症候群」と呼ばれることもあります。下表に深部静脈血栓症の症状や原因をまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。 深部静脈血栓症の症状 片足が大きく腫れ上がる 赤黒く変色する ジンジンとした痛みが伴う 肺塞栓症へ移行した場合、呼吸が荒くなり、胸が痛くなる 深部静脈血栓症の原因 手術や怪我による静脈血管の損傷 長期の臥床(寝たきり)など、足を動かしていない期間が長い 喫煙 脱水 その他血流の低下が起こりうる場合 手術やケガによって「血液が固まりやすい・静脈内血液の流れが悪い・静脈が傷ついている」という3つの状態が満たされる場合に深部静脈血栓症が起こりやすくなります。 このように、不動に伴う血液循環が滞りやすい期間が長くなってしまった場合によく起こります。 放置しておくと、重篤な肺塞栓症へと進行してしまう可能性もあるため、おかしいと思ったらただちに専門の医療機関へ行きましょう。 ③脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう) 脊柱管狭窄症とは、脊髄や抹消神経が通るトンネル(脊柱管)が何らかの影響を受けて狭くなってしまい、発症する疾患です。 中高年で腰痛を伴う代表的なもので、長時間歩くことができなくなる間欠性跛行(かんけつせいはこう)がみられます。 脊柱管狭窄症で悩む中高年の患者さんは数多くいます。それゆえ、見過ごされやすいのも事実です。脊柱管狭窄症を見過ごさないためにも、下表を参考に当てはまる症状がないかチェックしてみてください。 脊柱管狭窄症の症状 お尻から足にかけて痛みや痺れがある 長く歩いたり、立ったままになるのが辛い 足に力が入りにくい 体を反らす動きがしづらい 体を前屈みにすることで症状が楽になる 尿漏れなどの排尿・排便障害がある 脊柱管狭窄症の原因 加齢による背骨の変形や、ヘルニア 先天的なもの 猫背などの偏った姿勢 反り腰 仕事などで腰に負担のかかる動作の繰り返し ひどいものでは「足に力が入らない」「オムツが必要となる排尿障害」が起こるなど、日常生活に大きく影響してくる場合もあります。 気になる症状が出たら、できるだけ早く専門医に受診しましょう。 ④下肢静脈瘤(かしじょうみゃくりゅう) 下肢静脈瘤とは、足の血管(静脈)に異常が起こる病気です。血管がコブ(瘤)のように膨れ上がり、以下のように体表からはボコボコしたように見えます。 静脈の中には、血液の逆流を防ぐための弁がついており、ふくらはぎの筋肉などの力で下から上に血液を戻してくれます。 しかし、その弁が壊れて正常に働かない場合は、血液が滞ってしまい、下の方に溜まってしまうのです。その血液が溜まった状態を下肢静脈瘤と言います。 下肢静脈瘤の症状や原因は、さまざまあります。見た目的にも分かりやすいため、自分で気づきやすい病気です。下表に下肢静脈瘤の症状や原因をまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。 下肢静脈瘤の症状 ふくらはぎのだるさ、重さ 湿疹や皮膚の変症、皮膚炎 足がむくむ 足がつる(こむら返り) 血管が目立つ(ボコボコなる) 下肢静脈瘤の原因 加齢による筋肉や血管機能の低下 立ち仕事 妊娠や出産 遺伝的な要素 激しいスポーツ このように下肢静脈瘤は加齢による血管のしなやかさがなくなったり、立ちっぱなしの仕事を続けたりなど、誰にでも起こりうる病気です。上記の症状に当てはまる場合は、医療機関に相談しましょう。 膝から下が痛いときは何科を受診すべきか【疾患別に解説】 「膝から下が痛い」と感じた時に、考えられる疾患について4例説明しましたが、似ている症状も数多くあります。 そのため、疾患の見分け方は専門医でなければ難しいことが多々あります。 早めの対処が必要な疾患もありますので気になる症状がみられましたら、下記を参考に専門医へご相談ください。 症状 受診科目 下肢静脈瘤 血管外科※ 心臓血管外科 皮膚科 形成外科 循環器内科 閉塞性動脈硬化症 血管外科※ 循環器内科 深部静脈血栓症 血管外科※ 循環器内科 整形外科 脊柱管狭窄症 整形外科 自分の症状がどれに該当するのかわからない方は、当院(リペアセルクリニック)へお電話ください! 当院ではどんな些細なことでも無料でご相談いただけます。 >>今すぐ電話してみる また、当院の公式LINEでは、再生医療に関するガイドブックや無料診断が受けられます。 「電話をかけるのはちょっと...」という方は、まず無料診断からご利用ください! ▼膝の疾患に関する症例を限定公開! >>【公式LINE限定】再生医療に関する情報を見てみる まとめ|膝から下が痛いと重大な疾患も考えられるので早めに受診を! 今回は、膝の病気で「膝から下が痛い・重い・だるい」という症状で、考えられる疾患についてお話しました。 本記事で挙げた疾患の中には命に関わる重大な疾患も含まれている為、気になる症状がありましたらできるだけ早めに専門医へ相談してください。 難しい言葉が並び、読むのも嫌になるかもしれませんが、これらの疾患は誰にでも起こりうるものです。例えば「深部静脈血栓症」から「肺塞栓症」へ移行してしまうと、一刻も争う状態になります。 「あの時、もっと早く相談しておけば良かった……」そんな声が1人でも少なくなるよう、本記事を読んでいただけると幸いです。 当院「リペアセルクリニック」では、膝の痛みなどに関する再生医療や幹細胞治療をおこなっています。万が一、重い症状だとしても再生医療を実施すれば、身体に負担のかかる手術をしなくてもよくなる可能性があります。 膝の痛みで少しでも気になる症状がありましたら、当院へご相談ください。 ▼膝の疾患に関する症例を限定公開! >>【公式LINE限定】再生医療に関する情報を見てみる 膝から下が痛いのよくある質問 Q.膝がズキズキ痛む原因はなんですか? A.膝がズキズキ痛む原因として、以下が考えられます。 肉離れ、打撲などのスポーツ外傷や膝の使いすぎによって膝がズキズキ痛む場合があります。 しかし、痛みが続いている場合は「半月板や軟骨の損傷」や「筋肉や腱の断裂」が原因となっているケースもあり早期に治療が必要なことも。 少しでも膝の痛みにお困りの方は、放置せずに当院(リペアセルクリニック)にお気軽にご相談ください。 また、当院の公式LINEでは、半月板や軟骨の損傷など膝の痛みを手術しないで治療できる再生医療について情報を配信しています。 「手術しないで膝を治療したい」「膝の痛みを早く治したい」という方は、ぜひご参考ください。 ▼膝の疾患を手術しないで治すなら再生医療 >>【公式LINE限定】再生医療に関する情報はこちら Q.膝が痛くて夜寝れない原因と対処法はありますか? A.膝が痛くて寝れない場合の原因は様々ありますが、「変形性膝関節症」の可能性が考えられます。主な原因としては、加齢や膝への負担により軟骨が摩耗するためです。 進行すると痛みで膝を伸ばせず寝ていても痛みを感じるケースも珍しくありません。少しでも痛みを軽減する対処法としては、以下が挙げられます。 腓腹筋のストレッチ ハムストリングのストレッチ 寝るときの姿勢は仰向け これらの具体的な方法については、以下の記事をご覧ください。 なお、膝が痛くて夜に寝れない場合、他の疾患の可能性も考えられるので、早めに医療機関に相談しましょう。
2022.11.14 -
- ひざ関節
- 膝に赤みや腫れ
- 変形性膝関節症
「膝の上や太ももの裏に筋肉痛のような痛みを感じる」 「特に筋肉痛になるような運動をした覚えはない」 「なぜこのように痛むのか、不安を感じる」 このような症状で悩んでいる方は多いでしょう。 今回は、膝の上に痛みが出る原因や対処法について詳しく解説します。 膝の上や太ももの裏に筋肉痛のような痛みを感じる原因とは? 膝の上や太ももの裏に筋肉痛に似た痛みを感じるなら、その原因は、以下の組織のどちらかにある可能性が高いです。 筋肉の問題 筋肉以外の組織の問題 以下で詳しく解説するので、参考にしてください。 「太もも」に問題がある場合 まず太ももに問題がある場合に関して解説します。 「太もも」には、以下のように3つの筋肉が存在します。 大腿四頭筋(だいたいしとうきん) ハムストリングス 内転筋 これらの筋肉をスポーツや日常生活で動かしすぎた場合、一般的な筋肉痛が生じます。 もしくは肉離れになると筋肉痛に近い痛みが生じます。 また、筋力の低下により疲労が蓄積したり、力が入りすぎたりして痛みを感じることもあるでしょう。 「太もも」の痛みで考えられる病気 膝の上が痛む原因は筋肉の問題に限りません。 関係する関節や組織に問題が発生している可能性もあるでしょう。 まず、膝上周辺には膝のお皿である膝蓋骨(しつがいこつ)があります。 そして太ももの骨である大腿骨(だいたいこつ)と、すねの骨である脛骨(けいこつ)が、股関節を作っています。 さらにその周りには、膝の曲げ伸ばしをスムーズにする、膝蓋前滑液包や膝蓋上のうなどの組織があります。 これらが原因で、痛みが生じているかもしれません。 この場合には次のような病気が潜んでいる可能性があります。 膝蓋上のう炎 膝蓋前滑液包炎 膝蓋大腿関節症 変形性膝関節症 膝の上が痛む場合、筋肉以外のさまざまな組織の炎症や変形が原因かもしれません。 筋肉と関連の組織どちらに問題があるか、ご自身で判断するのは非常に難しいです。 痛みがある場合は、無理せず早めに病院を受診し、各種検査を受けるのが重要です。 オンラインで相談する 「膝の上や太ももの裏」が痛む場合の対策は? 膝の上や太ももの裏の痛みは、原因に応じて対策をすることが大切です。 筋肉の痛みだと自己判断して、むやみにほぐすようなことをしては逆効果になって痛みを悪化させる可能性もあります。 以下に原因別に考えられる対策を紹介します。 1)筋肉が原因の場合の対策 筋肉痛や筋肉の損傷が起こっている場合は、無理にほぐしたりストレッチをしたりするとかえって痛みを悪化させる可能性があります。 そのため痛みがある場合は病院で医師の診察を受けましょう。 痛みがおさまったり、病院での治療が終了した後、損傷や動かさなかったことの影響で筋肉が硬くなります。 そのまま放置すると怪我の再発の原因となるので、筋肉をしっかりほぐすことが必要になります。 また、筋力低下が痛みの原因となる場合もあるので、膝周辺の筋力を日頃から鍛えておくことが大切。 ストレッチやトレーニングの具体的な方法は後ほど解説します。 2)筋肉が原因ではない場合の対策 組織の炎症による痛みが起こっている場合は、無理な運動は避けて炎症がおさまるまで安静にする必要があります。 また、内服薬や注射により炎症の軽減をはかる痛み方法も有効でしょう。 滑液包には炎症により組織から漏れでた水がたまりやすく、注射を使用して水を抜くことで痛みや動きの改善をはかります。 関節の変形がある場合は、膝の負担を軽減するために日常生活で次のような工夫が必要です。 膝の負担を軽減する方法(一例) 正座をしない 階段を避ける 体重を増やさない、減量する 痛みが軽減したら、ストレッチや筋力トレーニングを行い、再発を防ぐとともに膝への負担を軽減しましょう。 膝の上や太ももの裏のストレッチとトレーニング方法 次に、太ももの前面、後面にある大腿四頭筋とハムストリングスのストレッチを紹介します。 また、膝の変形予防に重要な大腿四頭筋のトレーニング方法も解説します。 適切なストレッチとトレーニングを継続すれば、突然の痛みに見舞われるケースは減るでしょう。 ただし運動は数日で効果が現れるものではありません。 痛みがない状態で無理なく継続することで、徐々に筋肉の柔軟性や筋力が向上します。 少しずつでも構わないので無理なく続けるようにしましょう。 オンラインで相談する 大腿四頭筋のストレッチ 大腿四頭筋のストレッチ方法の流れをご説明します。 1 バランスを崩さないように壁など支えにして立ちます。 2 片方の足の膝を曲げて足首を持って後ろに引きます。 3 太ももの前が伸びるのを感じながら15秒〜30秒キープします。 大腿四頭筋、つまり膝の上が伸びているのを、しっかりと感じるのがポイントです。 転倒しないように注意しましょう。 コツを掴めば、寝転びながらでも、大腿四頭筋を上手に伸ばせるようになります。 大腿四頭筋のトレーニング 大腿四頭筋の痛みを予防するには、ある程度トレーニングで鍛えるのが有効です。 トレーニングといってもさほど激しい運動ではありません。以下のような簡単な運動を、習慣づけてみましょう。 1 仰向けになって両膝を曲げます。 2 片足の膝をまっすぐ伸ばした状態で床から10cmほど離すように足を上げます。 3 そのまま10秒キープした後ゆっくり下ろします。 4 これを10回繰り返します。 余裕があれば、少しずつ回数を増やしてみましょう。 ただし無理をすると、トレーニング自体が負傷の原因になるので、ほどほどに行いましょう。 ハムストリングのストレッチ ハムストリングスのストレッチのやり方は以下の通りです。 1 両膝を伸ばして座ります。 2 つま先を触るように体を倒します。 3 太ももの裏が伸びるのを感じながら15秒〜30秒キープします。 いわゆる「長座体前屈」にあたるストレッチです。 慣れないうちは、イラストのように、手が足に届かないかもしれません。 届かなくても、太ももの裏が伸びる感覚があるので、きちんと効果が出ていますので安心してください。 まとめ|膝の上や太ももの裏が痛む場合の対策と考えられる病気 膝上の痛みがある場合、筋肉とは別の原因が潜んでいることもあります。 そのため、自己判断でほぐすことは症状悪化のリスクがあります。 早めに適切な医療機関を受診し、診断を受ければ、症状に合った治療を受けることができますので、我慢せずに受診しましょう。 また、日頃から膝周辺の筋肉をほぐしたり、鍛えたりすることは怪我の予防につながります。 痛みがない場合は、紹介した方法を参考にして、運動を習慣にしましょう。 また、症状の改善や予防のためのストレッチや運動は継続して取り組むことが大切です。 短期間だけでは効果を実感できません。 焦ることなく、できることから毎日取り組みましょう。 以上、ご参考になれば幸いです。 オンラインで相談する
2022.11.12 -
- 膝の外側の痛み
- ひざ関節
- 膝の慢性障害
- スポーツ外傷
腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)は、有酸素運動に取り組む場合によく見られる炎症です。 とくに習慣的にランニングを楽しむ方の間で頻発することから、ランナー膝とも呼ばれます。 しかし腸脛靭帯炎の症状や治療法、予防法などはあまり知られていません。しかし発症しやすい炎症であるため、事前に知識を知って対処するのが重要です。 本記事では腸脛靭帯炎の症状や治療法、効果的なストレッチやテーピングなどを解説します。 腸脛靭帯炎(ランナー膝)の基礎知識 まず、腸脛靭帯炎がどのような炎症か解説します。 そのあと、発生の原因やメカニズム、診断方法などを解説します。 事前に腸脛靭帯炎に関して理解し、発症した際、冷静に対処できるようにしておきましょう。 「腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)」とは? この病気がどのようなものか説明するには腸脛靭帯に関して知る必要があり、簡単にお伝えします。 腸脛靭帯とは、骨盤の外側に出っ張っている腸骨(ちょうこつ)から、膝下にある脛骨(けいこつ)につながっていて太ももの外側部分に長く伸びるように位置しています。 また、腸脛靭帯は大臀筋と大腿筋膜腸筋(だいたいきんまくちょうきん)という、これまた長くて難しい名前の筋肉とつながることで身体をぐらつかせることなく、さらに身体を安定して保つ大切な役目を担っています。 膝上の太もも部分の外側を押すと、硬いスジ状のものに触れることができますが、これが腸脛靭帯です。 とくに大きな動きに対して大臀筋と呼ばれる大きな筋肉と大腿筋膜張筋とにつながることで、それらの力を脚に伝える役割があります。 腸脛靭帯の働きのおかげで骨盤や膝が安定し、歩くことは勿論、スムーズなランニングを助けてくれます。 そんな腸脛靭帯が炎症を起こした状態が「腸脛靭帯炎」です。 メール相談 オンラインカウンセリング 「腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん:ランナー膝)」とは 腸脛靭帯炎は、別名「ランナー膝」と呼ばれるくらい、「ランニングの愛好家にとって多いケガ」の一つです。ここでは腸脛靭帯炎の症状、原因、診断に関して簡単に説明します。 自分に当てはまる点はないか、チェックしてみましょう。 腸脛靭帯炎の症状 腸脛靭帯炎の初期症状は、運動後に膝の外側に痛みが出ることです。痛みが出る場所は、外側上顆(がいそくじょうか)と言われる膝外側の出っ張り部分です。 痛みは安静にすれば徐々に収まります。 しかし、炎症がひどい場合や、痛みを我慢して無理を続けた場合、歩いたり、膝を曲げ伸ばしをしただけでも痛みが出ることがあります。 久しぶりにランニングやジョギング、ウォーキングを頑張った人によくみられる症状です。 「さぁ、健康のために頑張って走ろう!!」という矢先につまずいてしまうと、やる気も削がれかねません。 腸脛靭帯炎の発生メカニズム 腸脛靭帯炎は、繰り返される『摩擦』によって生じます。 摩擦が起こる場所は、大腿骨の外側上顆という場所です。 そこは骨が隆起しており、膝を曲げ伸ばしすることで腸脛靭帯が外側上顆を乗り越えてしまいます。 とくに膝を軽く曲げた状態(屈曲30°くらい)でちょうど乗り越えるため、ランニングのように、0〜30°くらいの曲げ伸ばしを繰り返すことで摩擦がかかりやすくなってしまいます。 発症の主な原因 腸脛靭帯炎の原因の大半はランニングやサイクリングなどの反復的な運動、もしくは運動に対する筋力不足です。 ただし以下の原因で発症する可能性があります。 O足 扁平足 股関節周囲の筋肉の老化 O足や扁平足などは、股関節の機能低下や骨同士の位置関係を乱します。これが原因で腸脛靭帯炎を発症するケースもあります。 また股関節周囲の老化が原因になるかもしれません。 したがってランナー以外の方でも腸脛靭帯炎が発症しうると言えます。 腸脛靭帯炎の初期対応 原因がランニングなどの運動なら、症状が落ち着くまで休養します。 場合によっては、患部にアイシングや湿布を貼付すれば症状の緩和が得られます。 とくに急性期では患部の安静と炎症を抑えることを最優先させましょう。 また症状がごく軽微な場合をのぞき、医療機関で診察を受けることをおすすめします。 その理由として、腸脛靭帯炎でなく、半月板損傷などの重篤な障害が生じている可能性があるからです。 また医療機関で診察を受ければ、症状の緩和や、周辺にある滑液包での炎症の予防に効果的な、投薬や注射が受けられるでしょう。 メール相談 オンラインカウンセリング 腸脛靭帯炎の診断 腸脛靭帯炎は、問診や触診である程度は鑑別できます。 ただ、炎症の状態や他の疾患と見分けるためにレントゲンやMRI、エコー検査が必要なことがあります。 また、腸脛靭帯炎には、特有のテストがあります。 それが「Grasping Test(グラスピングテスト)」です。 やり方は、難しくありませんので、もしかしたら腸脛靭帯炎かもしれない、と思われた方は、試してみましょう。 【Grasping Testの方法】 ①患者さんの膝を90°ほど曲げる。 ②痛みが出ている場所の少し上を親指で強く押さえる。 ③その状態で膝をゆっくり伸ばしていく。 ④その時に痛みが出るのであれば、腸脛靭帯炎が疑われる。 腸脛靭帯炎にならないためのトレーニング ここまで、股関節機能の低下や骨の位置関係の乱れにより、腸脛靭帯炎を発症しうると解説してきました。 股関節の筋力の低下や足元のぐらつきにより、ランニング時に膝が内外にぐらつくと腸脛靭帯への摩擦が増加してしまいます。 安静期間により症状が落ち着いても、同じような状態だとまた腸脛靭帯炎を繰り返してしまうでしょう。 そのため、ランニングなどのスポーツに復帰するにあたり、腸脛靭帯への負荷を減らすためのトレーニングを推奨しています。 ここでは以下の3つの方法を紹介します。 各トレーニングは、やみくもに動かすのではなく、いずれも体を安定させ、姿勢を意識して行うことがポイントです。 1,股関節の外側の筋肉:大臀筋、中臀筋 上になっているほうの足を持ち上げる→下ろす を繰り返す 2,股関節の内側の筋肉:内転筋 下になっている方の足を持ち上げる→下ろす を繰り返す 3,ふくらはぎの筋肉:下腿三頭筋(ヒラメ筋、腓腹筋) つま先立ち→かかとを降ろす を繰り返す 腸脛靭帯炎(ランナー膝)の治療や予防に役立つストレッチ・セルフケア 腸脛靭帯は、足首や他の膝の靭帯と違い、断裂など重症化するケースはほとんどありません。 そのため、基本的には普段と同じような生活を送っていただいて結構です。 ①腸脛靭帯炎に有効なストレッチ 腸脛靭帯炎による痛みが落ち着いたら、徐々にストレッチを開始します。 腸脛靭帯炎を発症する人の特徴として、身体のケア不足により筋肉の伸び縮みの動きが悪くなっていることがあります。 ここでは、腸脛靭帯と連結している大腿筋膜張筋と股関節および大腿部前面の筋肉の3つのストレッチ方法をお伝えします。 1.大腿筋膜張筋のストレッチ 各ストレッチは、無理をせず、痛くなりすぎない範囲で行いましょう。 2.股関節前面の筋肉のストレッチ 3.大腿部前面の筋肉のストレッチ ②腸脛靭帯炎(ランナー膝)に有効なマッサージとセルフケア またマッサージによっても、腸脛靭帯炎の症状を緩和できます。 たとえば膝蓋骨(膝のお皿)をマッサージする方法は簡単に取り組めるのでおすすめです。 左右の親指と人差し指で、膝蓋骨を軽くつかむ 内側の方向に軽く押し込む 内側から外側に軽く押し込む 2と3を繰り返す また膝蓋骨を手のひらで包み、円を描くように回すのも効果的です。 セルフケアとして、運動後や風呂上がりにアイシングをおこなうのも良いでしょう。 熱を取り除くことで、腸脛靭帯炎を予防できます。 ③重度の場合は外科手術も検討 腸脛靭帯炎の症状が顕著な場合は、外科手術が有効です。 腸脛靭帯炎の治療では以下の手術が用いられます。 腸脛靭帯炎の切開|腸脛靭帯炎の患部周辺を解放し摩擦を減らす 滑液包の除去|腸脛靭帯炎と大腿骨の隙間にある滑液包の一部または全部を取り除く 腸炎靭帯延長手術|腸脛靭帯を伸ばすなどして、症状の改善や再発防止を図る 手術と保存療法どちらが適切か、専門家でなければ判断できません。 自身で判断せず、医療機関で受診して医師の判断を仰ぎましょう。 近年では、自己脂肪由来幹細胞などを用いた、再生医療による腸脛靭帯炎の治療の研究も進められています。 再生医療を用いれば、従来よりも効果的な治療が受けられるかもしれません。 再生医療については、以下の記事を参考にしてください。 関連記事:再生医療とは|リペアセルクリニック メール相談 オンラインカウンセリング 腸脛靭帯炎(ランナー膝)とスポーツとの関係 腸脛靭帯炎のテーピングで大事なことは、腸脛靭帯の負担を減らしてあげることです。 そのため、腸脛靭帯自体をサポートするテーピングと、膝の動きをサポートするテーピングの2種類を用いて行います。 腸脛靭帯炎(ランナー膝)のテーピング あくまでテーピングは補助的な役割にしか過ぎません。また、その人によってテーピングの効果が十分に発揮できない場合もあります。 可能な限り、専門の医療機関にご相談の上、「テーピング」を施行するようにしましょう。 このようなテーピング以外にも「サポーター等の装具」を用いて腸脛靭帯を支え、安定を図る方法もあります。 腸脛靭帯炎と靴(シューズ)選び 腸脛靱帯炎の対策のなかでは靴選びも大切です。 足が左右にぐらつくと腸脛靱帯につながる大腿筋膜張筋が頑張ってぐらつきを止めようとします。 そうすると、筋肉が過剰に働き、ピンと張った状態になります。 その状態で走り続けると、腸脛靭帯への摩擦が助長されて腸脛靭帯炎を引き起こしかねません。シューズ選びの際は以下の3つのポイントを意識してみましょう。 靴は使用に伴い消耗します。 定期的、あるいは、いま一度自身の靴をチェックして自分に合った最適な靴を選びましょう。 1.シューズの後ろ、カップの部分がしっかりしているか 2.指の付け根で曲がるのか 3.シューズが過度に捻じれやすくなっていないか まとめ・腸脛靭帯炎(ランナー膝)の治療では医師の指示を受けるのが重要 今回は、腸脛靭帯炎に関して、病態や、ストレッチ、テーピング、靴選びなどの角度から、その対策をお話しました。 腸脛靭帯炎(ランナー膝)は、ランニングやスポーツをする人に多い症状ですが、正しい対処法を知っていれば予防や治療が可能です。 まずは症状や原因を理解し、痛みが出た場合には早めの対処が重要です。 また症状が軽微な場合をのぞき、医療機関を受診し、適切な指示を得るようにしましょう。 初期の対応としては、炎症を抑えるための安静やストレッチ、適切なテーピングが有効です。 また、腸脛靭帯炎を予防するためには、股関節やふくらはぎの筋力を鍛えるトレーニングや、適切な靴選びも重要です。 日常生活での意識や対策を行い、ランニングやスポーツを安全に楽しむために、ストレッチをはじめ、適切なケアを心がけましょう。 腸脛靭帯炎は誰にでも起こりうるケガです。 これから運動を始める人も、ランニング愛好家の皆さんも運動前の準備運動、そして運動後のカラダのケアをしっかり行いながら、自分に合ったペースで頑張りましょう。 メール相談 オンラインカウンセリング
2022.11.04 -
- ひざ関節
- 動作時の痛み
- 靭帯損傷
「前十字靭帯が断裂した場合、スポーツ復帰はいつ頃なのか」 「そもそも復帰できるのかが心配」と考えている方もいるでしょう。 前十字靭帯断裂が軽度であっても、放置すると他の症状が発症するリスクがあります。 本記事では前十字靭帯断裂の再建術後、スポーツ復帰できる目安や、手術しないリスクなどを解説します。 治療法や前十字靭帯断裂が起きたままスポーツをするリスクなども解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。 【再建術後】前十字靭帯断裂のスポーツ復帰は半年〜1年が目安 前十字靭帯断裂の再建術後、スポーツ復帰できる目安は半年から1年です。 1週間程度(最短4日)の入院期間中は車いす生活で、退院後は松葉杖となり、きちんとリハビリを継続していれば1カ月で日常生活が可能です。 中には、最短3カ月で歩けるまで回復した患者様もいます。 国立医学図書館に掲載された情報によると、前十字靭帯断裂の再建術後、スポーツ復帰にかかる期間は「6カ月」と記載されています。 なお、研究結果によると再建術後、33〜92%もの方が1年でスポーツ復帰できたという結果もあるのです。 損傷の程度には個人差があるため、スポーツ復帰までの期間だけでなく「そもそも復帰できるのか」も変動すると把握しておきましょう。 前十字靭帯断裂の程度によって異なるスポーツ復帰できるまでの期間が気になる方は、以下のページから気軽にお問い合わせください。 そもそも前十字靭帯とは 靭帯とは、コラーゲンや弾性線維でできている多少伸び縮み可能なひも状のような部位です。 関節で骨同士をつないで、過剰に骨が離れるのを防いで関節の安定性を保っています。 膝の関節は太ももの大腿骨(だいたいこつ)とすねの内側にある脛骨(けいこつ)、膝のお皿とよく呼ばれる膝蓋骨(しつがいこつ)の3つから成り立っています。 大腿骨と脛骨をつないでいる靱帯は、以下の4つです。 内側側副靱帯 外側側副靱帯 前十字靭帯 後十字靭帯 内側と外側側副靱帯は、膝関節の左右にあり、膝が左右にずれすぎないようにする役目をしています。 前と後十字靭帯は、大腿骨と脛骨の間で交差していて、前十字靭帯は脛骨が前に出すぎないようにしています。 前十字靭帯断裂の損傷分類 前十字靭帯の怪我を「前十字靭帯損傷」と言います。 前十字靭帯損傷は程度によって1度から3度までに分類され、数字が大きいほど損傷の強さを表しています。 1度損傷 前十字靭帯は切れておらず、軽い痛みと腫れのみ。膝の不安定さはない。 2度損傷 前十字靭帯は部分的に断裂し、膝には不安定さが現れる。 3度損傷 前十字靭帯が完全に断裂している。内出血も起きる。膝には不安定さがある。 上記のうち「前十字靭帯断裂」は2度と3度が該当しているのです。 前十字靭帯断裂が起きる原因 前十字靭帯断裂は、強い力で脛骨だけが前に押し出されたり、膝を過剰にひねると、前十字靭帯の限界を超えるため靱帯断裂が起こります。 損傷の原因にも、大きく分けて接触型と非接触型の2種類があり、それぞれの違いは以下の通りです。 損傷の原因 概要 接触型 膝に強い衝撃が加わり、靭帯が切れて発症する 非接触型 ジャンプの着地や方向転換で、膝を捻る動作で発症する 上記以外にも、サッカーやバスケットボール、バレーボールなどのスポーツをする方も発症しやすいため注意が必要です。 前十字靭帯断裂の症状 前十字靭帯が断裂した瞬間は膝の中で紐がちぎれたような感覚になる症状があります。 膝が腫れたり熱を持ったりする 膝がぐらぐらして不安定になる 歩行時に膝がガクッと崩れる感覚になる 膝に力が入らなくなる 膝が伸びなかったり曲がらなかったりする(可動域が制限) 前十字靭帯が断裂すると、上記のような症状も見られます。 しばらく放置すると痛みと腫れは引いてきますが、靱帯は勝手に治ることは少なく、膝の不安定さが残ります。 そのまま生活していると、膝関節の中にある半月板や軟骨も傷み、変形性膝関節症も発症するので注意しましょう。 以下の記事では、前十字靭帯断裂が軽度な方に向け、受診の目安や治療法を解説しました。 「軽度でも手術が必要なの?」と気になる方は、ぜひ参考にしてください。 前十字靭帯断裂の検査方法 前十字靭帯断裂が起きているか検査したい場合、MRI検査がおすすめです。 従来では関節鏡で前十字靭帯断裂を起こしているか確認していましたが、近年はMRI検査の技術が進歩しているため、ある程度は検査可能です。 また、膝の不安定さや力が加わるとどう痛みが出るか、触って確認するなど検査も行います。 当院でも検査を受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。 前十字靭帯の治療方法 前十字靭帯が断裂すると、自然に修復されません。 将来スポーツを行う可能性がある場合には、靱帯を再建する手術療法、将来的にスポーツなどをしない方であれば運動療法を行うのが一般的です。 それぞれの治療法について、詳しく解説していきます。 1.自家腱移植 「自家腱移植」は、自分の組織を用いて再建する方法です。 膝の内側にある腱(ハムストリング腱)や、前面の腱(膝蓋骨を割った骨付きの膝蓋腱)を使います。 手術は関節鏡を用いて、小さな切開を行います。 大腿骨と脛骨をつなぐトンネルをつくり、加工した腱を通して上下を金具で固定する手術です。 最低限の切開で、早くリハビリを始められる点からスポーツ選手がよく採用しています。 2.保護的早期運動療法 将来的にスポーツなどをしない方であれば、前十字靭帯専用の装具を装着して、リハビリをする治療を選択する場合もあります。 保存的治療ではいずれは日常生活やレクリエーションレベルの動作は可能ですが、競技スポーツへの復帰は困難とされています。 また前十字靭帯損傷後に手術を行わなかった場合、約6割の患者が変形性膝関節症になる報告がされているため注意しましょう。 治療を選択する際、きちんと損傷の程度を理解し、術後の生活やスポーツへの影響を考えて決める必要があるでしょう。 まとめ・前十字靭帯断裂をしてスポーツ復帰を早めたいなら適切なリハビリを! 前十字靭帯断裂は、膝の中の靭帯が切れた状態です。 とくにスポーツをしているときに多く発生する外傷です。 受傷直後は傷みや膝の腫れがありますが、時間が経てばその症状は軽くなります。 ただし、何も治療をしないと膝が不安定なままになったり、将来「変形性膝関節症」を発症する可能性もあります。 前十字靭帯断裂の可能性がある場合は、早期に整形外科を受診するのが重要です。 以下の記事では、前十字靭帯断裂が治るまでの期間について解説しました。 ぜひ、あわせてご覧ください。 前十字靭帯断裂のスポーツ復帰に関するよくある質問 ここからは、前十字靭帯断裂で1日でも早くスポーツ復帰したいと考える方に向け、よくある質問を取り上げます。 前十字靭帯断裂の手術をしないとどうなるの? 前十字靭帯断裂したままスポーツするリスクは? 前十字靭帯断裂の手術をしないで済むリハビリ方法はあるの? それぞれ回答しながら回答していくので、ぜひ参考にしてください。 前十字靭帯断裂の手術をしないとどうなるの? 前十字靭帯断裂で手術せず放置すると、変形性膝関節症が発症するリスクがあげられます。 軽度の場合、安静にしていると痛みや腫れが軽減される症例もあるため、いつも通りの日常生活に戻ってしまう方もいるでしょう。 しかし前十字靭帯断裂は自然回復する可能性が低く、慢性的な痛みや腫れが起きてしまいます。 そもそも前十字靭帯断裂は、靭帯が切れている状態なため、スポーツ復帰後に再断裂する可能性もあります。 スポーツ復帰するためにも、適切な手術を受けるのがおすすめです。 前十字靭帯断裂したままスポーツするリスクは? 前十字靭帯断裂したままスポーツすると、半月板損傷が起きるリスクを高めてしまいます。 膝のクッションが断裂し、軟骨に傷をつけてしまうため、ギプスをつけても自然回復が難しくなってしまうのです。 慢性的な症状が発症しないよう、早期の発見と治療を検討しましょう。 前十字靭帯断裂の手術をしないで済むリハビリ方法はあるの? 前十字靭帯断裂の手術をせず放置すると、変形性膝関節症や半月板損傷のリスクがあり、手術以外でスポーツ復帰は難しいと言えます。 しかし、中には競技を控えている方がテーピングで応急処置している方もいるでしょう。 前十字靭帯が完全に断裂している場合、手術以外で再生する可能性は限りなく低いため、適切な手術とリハビリが重要です。 「手術は傷が残るから……」と気になる方は、再生医療がおすすめです。 再生医療を用いれば、注射のみになるため、入院が不要になります。 前十字靭帯断裂の手術をしようと決断された方は、再生医療も1つの選択肢にあげてみてはいかがでしょうか。
2022.11.02 -
- ひざ関節
- 動作時の痛み
- 靭帯損傷
スポーツ選手の大きな怪我としてよく耳にする「前十字靭帯断裂」。 前十字靭帯断裂とは 、膝の関節内にある前十字靭帯が断裂するケガです。 受傷された場合、全治がいつになるのか気になる方も多いのではないでしょうか。とくに、スポーツの復帰までの時間が心配な方もおられることでしょう。 そこで今回は、前十字靱帯断裂で全治までにかかる期間について解説します。入院やリハビリの期間も紹介しているので、全治までの流れを知りたい方は参考にしてみてください。 前十字靭帯断裂は全治8〜10カ月 前十字靱帯の断裂または損傷の全治は、約8カ月〜10カ月とされています。 これは、スポーツ選手の場合、前十字靱帯断裂後に手術してからリハビリを終えて復帰するまでの目安です。一般人でなら日常生活が問題なく送れるようになるまでは術後約11カ月程度です。 前十字靱帯損傷で損傷部分が少なく、症状があまり見られなければ、手術しなくても通常の日常生活を送れる場合もあります。 しかし、本来、前十字靱帯が担っている膝を安定させる機能が低下してしまうため、膝にかかる負担が大きくなってしまいます。その結果、膝にある半月板などの別の組織を傷めたり、老後に関節の変形を生じたりする可能性が高くなります。 前十字靱帯の治療は手術以外にも選択肢があります。その1つが「再生医療 」です。 再生医療とは人間の自然治癒力を活用した医療技術です。身体にメスを入れない治療法で、今注目を浴びています。 前十字靱帯断裂における手術の入院期間 前十字靭帯断裂の手術では、関節鏡(かんせつきょう)を使って断裂した靱帯を体の腱(けん)と呼ばれる部分に移植します。 関節鏡を使用した手術では、数ミリほどの穴からカメラを侵入させて手術するため傷口が小さくて、入院期間が短くなります。入院期間は短い場合で、手術後 4 〜 7 日間を目安に退院が可能です。 この時点ではまだ全体重をかけて歩けない場合が多いので、松葉杖を使った状態で退院になります。しっかり歩けて、日常生活が送れるようになるまでは約1カ月程度入院する場合もあります。 しかし、前十字靱帯断裂は学生など若い年代に多いため、学校や仕事を1カ月も休めば生活に大きな支障を及ぼします。そのため、短い期間で退院をして、通院しながらリハビリや競技復帰を目指す場合が多いです。 前十字靱帯断裂の手術後にかかる全治までのリハビリ期間 手術直後からスポーツ復帰までの流れを時系列で紹介します。 手術からの時期 リハビリ内容 手術直後 膝周辺の組織の柔軟性を確保する 膝は完全に伸ばさないように装具を着用 膝関節の動きを伴わない筋力トレーニング 膝以外の部分の筋力トレーニング 1週間 体重1/3の荷重練習 関節の動きを改善する運動を開始 2〜3週間 全体重をかける練習 軽く曲げる程度のスクワットなど体重をかけながらのトレーニング 4〜6週間 自転車などマシーンでの運動 より積極的に体重をかけたトレーニングを進める 3カ月 ジョギング開始 4カ月 両足ジャンプ、ターン開始 6カ月 スポーツ練習開始 8カ月 競技復帰 術後は移植した腱を保護しながらのリハビリが必要になります。 腱が負担に耐えられるようになるまでは3カ月ほどかかるため、それまでは無理な運動は避けます。 3カ月以降ジョギングやジャンプなどのスポーツ動作を開始して、8カ月以降のスポーツ競技復帰を目指します。 また、前十字靭帯断裂はスポーツでのジャンプや切り返しといった動作で発生しやすいため、それらの動作時に膝が内側に入らないようにするなど、再発を予防するための動作を習得するのも重要です。 以下の記事では、前十字靭帯断裂を受傷してから日常生活やスポーツに復帰できる期間を詳しく解説しています。復帰までのイメージを掴みたい方は、参考にしてみてください。 手術がいらない 「再生医療 」なら、リハビリする必要がありません。再生医療における前十字靭帯断裂の治療法を知りたい方は再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお問い合わせください。 まとめ|前十字靱帯断裂の全治に向けて焦らずリハビリを進めよう 前十字靭帯断裂は、手術によって治療が進められるケースが多い傾向にあります。 そして手術後に正しい順序でリハビリをおこなえば、スポーツへの復帰が可能になります。しっかり医師や理学療法士などの専門スタッフから指導を受けながら、正しい治療で全治を目指しましょう。 前十字靭帯断裂には「再生医療」の治療法も効果的です。 本来なら手術しなければいけない状態でも、再生医療で治療できる可能性があります。手術による傷跡や後遺症の心配もないので、安心して治療を受けられます。 前十字靱帯断裂後に関するよくある質問 最後に前十字靱帯断裂後に関するよくある質問と回答をまとめます。 サッカーで前十字靭帯断裂した場合、全治にどれくらいかかりますか? 損傷の程度によって、全治に要する期間は異なります。前十字靱帯断裂における全治までの一般的な期間は、8 カ月〜10 カ月ほどです。 なお、サッカーで前十字靭帯断裂を受傷した場合、再生医療による「スポーツ医療」も効果的です。人間の自然治癒力を活用した治療なので、身体への負担を最小限にできます。 前十字靭帯損傷と半月板損傷は合併しやすいんですか? 前十字靭帯を損傷すると半月板損傷を併発するケースもあります。なぜなら、前十字靭帯損傷によって膝が不安定になると、半月板に負担がかかって損傷するリスクが高まるからです。 半月板損傷を併発したら、早期に治療を開始し、半月板を温存する方向で進めていくのが一般的です。 以下の記事では半月板損傷の原因や症状を解説しています。半月板損傷の理解を深めたい方はあわせてご覧ください。 半月板損傷の全治にはどれくらいかかりますか? 手術の種類によって、全治までにかかる期間は異なります。 損傷した部分の半月板を切り取る切除手術の場合、全治までは約3カ月です。損傷した部分を縫い合わせる縫合術の場合は、全治まで6カ月ほどです。 前十字靭帯損傷で復帰できる最短期間はどれくらいですか? 回復には個人差があるため、最短期間を一概には言い切れません。 一般的な全治期間は約8カ月〜10 カ月といわれています。国立医学図書館に掲載されている情報によると、スポーツ活動の復帰にかかる期間は「術後6カ月」との記載もあります。 損傷の程度や個人差によって、回復期間は変動するでしょう。 出典: 国立医学図書館 前十字靱帯断裂の手術後、歩けるまでにどれくらいかかりますか? 松葉杖を使用すれば、一般的に翌日から歩けます。松葉杖を使用しないで歩くには、2〜4週間ほどかかります。 身体にメスを入れない「再生医療」による治療であれば、術後のリハビリは不要です。 「具体的な治療内容や効果が知りたい」方は、再生医療を専門とする『リペアセルクリニック 』にご相談ください。症状を詳しく診断し、個々に合った再生医療の進め方をご提案いたします。 前十字靱帯断裂の手術後、どれくらいで走れるようになりますか? 個人差がありますが、術後3カ月くらいから走れるようになります。急に走り出すと再断裂のリスクが高まるため、最初は様子を見ながら軽いジョギングから始めていきましょう。 前十字靱帯断裂の手術後、どれくらいで仕事復帰できますか? デスクワークや軽作業といった身体的負担の少ない仕事であれば、1カ月ほどで仕事復帰できます。歩き回ったり、重いものを運んだりするような仕事であれば仕事復帰までに3カ月ほどはかかります。 前十字靱帯断裂の手術費用はどれくらいですか? 手術や入院にかかる費用は、手術の方法や入院期間、入院中の治療内容などによって異なります。 目安として手術・入院費などを含めて 25万円〜30万円ほど必要になるケースが多いです。 病院によって幅があるので、入院前におおよその目安を確認しておきましょう。早めに退院する場合でも、リハビリの継続は必要です。 とくに全治してスポーツ競技に復帰できるまでは、8カ月程度が目安になるため、それまではリハビリなどの費用が必要になります。
2022.10.24