-
- 変形性膝関節症
- ひざ関節
変形性膝関節症の手術と保険費用について 変形性膝関節症で手術を薦められたけど、「膝の手術ってどれくらいの費用がかかるのだろうか?」「保険は適用されるのか?」そんなお悩みにお答えします。 変形性膝関節症は、膝の変形や痛みを伴う疾患で、進行すると手術が適応されることがほとんどです。そんな変形性膝関節症の手術には、「関節鏡視下手術」、」「高位脛骨骨切り術」、「人工関節置換術」の3つの手術方法があります。 それぞれの手術にかかる費用は、手術に用いる材料や技術料、入院の有無などにより決められ、健康保険の適応や軽減制度の利用で最終的な自己負担額が決定します。 変形性膝関節症の手術 ・関節鏡視下手術 ・高位脛骨骨切り術 ・人工関節置換術 変形性膝関節症の手術の内容と費用 変形性膝関節症の手術にかかる費用は、少額順に「関節鏡視下手術」→「高位脛骨骨切り術」→「人工関節置換術」となり人工関節に関する費用が一番高額になります。 手術を含めた治療費用の概算は、保険診療にかかった費用(保険組合に加入されている方は、1〜3割負担)+ 保険適応外診療(ベッド代や食事代)にかかった費用の合計です。また保険内診療が定められた金額を超える場合には、「高額療養費制度」を利用して費用の軽減ができます。 まずはそれぞれの手術内容、高額療養費制度が適応される前の負担金を紹介します。 関節鏡視下手術 関節内に内視鏡を入れ、画面を見ながら傷んだ軟骨(関節軟骨や半月板)・骨棘・増殖した滑膜を取り除く手術です。体への侵襲(影響)は少なく、手術にかかる時間や回復期間も短い一方で、効果の持続が短く、痛みが再発する可能性がある手術法です。 ・関節鏡視下手術にかかる費用は約25万円 (3割負担の方で約7.5万円、1割負担で約2.5万円) ここに差額のベッド代や食事代が入った金額が自己負担額になります。 高位脛骨骨切り術 脛骨の一部を切り取ることで、O脚のような膝の変形や、荷重の偏りを矯正する手術です。O脚になると膝の内側に荷重が集中することから、骨切りにより形を整え、変形を改善させることで、膝内側への負荷を軽減させます。 ・高位脛骨骨切り術にかかる費用は約146万円 (3割負担の方で約43.8万円、1割負担で約14.6万円) ここに差額のベッド代や食事代が入った金額が自己負担額になります。 人工関節置換術 膝の関節全体を人工関節に置き換える手術です。関節全体を取り換える人工関節全置換術と、傷んだ一部のみを入れ換える単顆置換術がありますが、適応されるほとんどが全置換術です。 関節を人工関節に入れ換えることで、痛みの改善が期待できます。ただし正座ができなくなるなど関節可動域は低下します。また体への侵襲が他の手術と比べて大きく、稀に重篤な合併症を引き起こすことがあります。 ・人工関節置換術にかかる費用は約186万円 (3割負担の方で約55万円、1割負担で約18.6万円) ここに差額のベッド代や食事代が入った金額が自己負担額になります。 手術内容 主代金例 費用 その他 関節鏡視下手術 250,000円 3割負担:約75,000円 1割負担;約25,000円 + 差額のベッド代 + 食事代 高位脛骨骨切り術 1,460,000円 3割負担:約438,000円 1割負担;約146,000円 人工関節置換術 1,860,000円 3割負担:約550,000円 1割負担;約1,860,000円 ▼「手術をすれば痛みは消えるの?」 ・変形性膝関節症の手術で痛みは消えるのか? ・高齢者が変形性膝関節症の手術を受けるリスク 自己負担を減額できる高額療養費制度をご存じですか? 次に高額療養費制度について紹介します。 膝の手術にかかる費用は、健康保険の有無や、その負担割合により決められますが、保険内診療の自己負担額が、定められた金額を上回る場合には、高額療養費制度が適応されます。 高額療養費制度とは、一ヶ月にかかる金額が高額になった場合、所得や年齢によって定められた金額(自己負担限度額)を超えた分だけ戻ってくる制度です。ただし、入院の際のベッド代や食事代などは保険外となり本制度の対象にはなりません。 高額療養費制度が適応される健康保険内診療 ・技術代 ・金属などの材料費 ・輸血料 ・麻酔料 ・検査料 ・画像診断料 ・注射料 ・再診療 ・入院料 ・リハビリ料などです。 高額療養費制度が適応されない保険外診療費 ・ベッド代 ・食事代など ただし、高額療養費制度を利用した場合、払い戻されるまで一時的に高額の支払いが生じる場合があります。 しかし70歳未満または、70歳以上の非課税世帯の方は医療機関の窓口に限度額適用認定証を提示することで、払い戻しではなく、支払い上限額があらかじめ「自己負担限度額」に抑えることができます。 限度額適用認定証取得方法は、市町村役場、区役所、全国健康保険協会、 健康保険組合にて、申請の手続きを行い取得できます。詳しくはお住まいの市町村役場などにお問い合わせください。 中には限度額適用認定証を必要としない場合もあります。70歳以上75歳未満の非課税世帯ではない方は、高齢受給者証を窓口に提示し、75歳以上で非課税世帯ではない方は、後期高齢者医療被保険者証を窓口提示することで窓口での支払いを自己負担限度額にできます。 ※平成30年8月から70歳以上の方の上限額に変更がありました。 これまで現役並みとされる課税所得145万円以上の方でも限度額適用認定証を必要としませんでしたが、新たに課税所得145万円〜689万円の方は、I〜Ⅲの区分に従って上限額が変更され、限度額適用認定証も必要になりました ▼詳しくはこちらをご覧ください。 厚生労働省HP 高額医療費制度の見直しについて https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000209857.pdf まとめ・変形性膝関節症の手術と保険費用について ここまで変形性膝関節症の手術にかかる費用の一例と、実際に手術を受ける場合の負担額の例をご紹介しました。 手術費用だけでみると、高額な費用がかかりますが、保険を適応し、高額療養費制度を利用することで最終的な自己負担額が決定します。 また事前に限度額適用認定証(必要に応じて高齢受給者証や後期高齢者医療被保険者証)を窓口に提示することで、支払い上限額をあらかじめ自己負担限度額にすることもできます。 手術というとこれら以外にも何かと費用がかかるもの、病院によっては別途、費用が必要なものもあります。入院前には、治療はもちろん、費用についてもよくご相談されるようにお勧めいたします。 ▼ 再生医療で変形性膝関節症を治療する方法をご存知ですか 変形性膝関節症の再生医療による治療費は、状態により変動します ▼以下のページもご参考にしていただけます 変形性膝関節症、最新の治療法!再生医療の手術をしない幹細胞治療という可能性
最終更新日:2024.10.07 -
- ひざ関節
- 変形性膝関節症
変形性膝関節症の人がしてはいけない仕事について 変形性膝関節症とは、膝の軟骨(半月板・関節軟骨)がすり減ることを起因とし、膝に痛みや変形をもたらします。変形性膝関節症になると悪化を防ぐために、膝への負担をできるだけかけないよう過ごすことが大切です。 膝は足関節と股関節の間に位置する関節で、立ち座りや歩くといった日常生活動作を行う上で重要な関節だけに、多大なる負担がかかります。例えば歩行では体重の2~3倍、走ると5倍もの負担がかかります。 ほかには階段の昇降では5~6倍、しゃがみ立ちでは7~8倍の負担がかかることが分かっています。 そこで今回は「変形性膝関節症の人がしてはいけない仕事と、その理由」そして、生活のために「どうしても、その仕事を辞めるわけにはいかない方」に向けてその対策を解説しました。 変形性膝関節症の人がしてはいけない仕事は、何といっても膝に負担がかかる動作が頻繁に起こる仕事です。具体的には立ったり座りの繰り返しが多い、急な方向転換やストップがある、ジャンプなど膝に強い衝撃が働きがち、長時間の立位や長距離歩行、重いモノの上げ下げなどが膝に負担がかかります。 そうはいっても、そのような仕事に就かれている場合、膝の関節痛でありながらも、続けなければならないことがあります。その際は、膝を意識して、どうすれば守れるかを考えて取り組まなければなりません。 >膝関節の悩みを最先端の幹細胞治療で治療する 膝に負担が掛かかる動作 ・立ったり、座りを繰り返えす ・急な方向転換やストップがある ・ジャンプなど膝に強い衝撃がある ・長時間の立位 ・長距離の歩行 ・重い荷物などの上げ下げ ・しゃがむ、立ち上がるといった動作 職種別、膝の痛みに対する仕事術 以下に、上記でご紹介した動作が多い職種について具体的に対策を考えてみました。痛みがあったりする場合は、根本的な解決にはなりませんが意識して予防に努めることは非常に大切です。 ▼こちらも合わせてご覧ください。 変形性膝関節症はサポーターをしたほうが良い!その理由と注意点 大工 床貼りや、ペンキ塗りの際には、立ったり、座ったり、しゃがみこむ必要があります。また重たい部材の上げ下げや、木材の運搬、長時間の立ち仕事など膝に負担が掛かりがちな仕事です。 仕事の際には、膝の曲げ伸ばしをサポートするようなタイプのサポーターを着けるなどのほか、膝を意識して、可能な限り負担のかからないような動作を研究してください。 時間配分を決めて定期的に休んだり、作業前後にストレッチを取り入れるなどが有効です。 引越し作業や、配達 引越しなどでは、重たい荷物を積み下ろしするため、膝には大きな負担がかかります。ほかにも階段の昇り降り、繰り返しての屈伸なども膝にとって負担が大きな作業の繰り返しになります。 可能なら階段の昇降には、できるだけ手すりを持ち上り下りをサポートしましょう。誤解されている方が多いのですが、実は階段や、坂道では上りよりも、下る方が膝への負担が大きくなります。そのため、階段の下りにもご注意ください。 基本は、痛めてしまう前に膝へはサポーターを装着し、膝の曲げ伸ばしをサポートさせ、作業の前後には準備運動やストレッチを習慣化しましょう。 トラックの運転手 トラックの運転をされる場合、最近はオートマチックが増えはしましたが、渋滞などにあうとクラッチを操作する左足の曲げ伸ばしでは、膝が悲鳴を上げがちです。同様に姿勢が崩れるとアクセルの動作でも膝に負担がかかります。 シートに腰をしっかりつけて正しい姿勢で座り、少しでも足の曲げ伸ばしに負担が掛からない姿勢を探しましょう。また、荷物の出し入れ、運搬する際はもちろんですが、高さのある荷台や、運転席から降りる時には十分な注意が必要です。 衝撃により靭帯を傷めてしまうと変形性膝関節症を悪化させる可能性があります。荷台や、運転席から降りる際はゆっくり降りて膝に荷重がかかりにくいよう意識しましょう。高速道路などでのサービスエリアではストレッチを習慣化しましょう。 短距離の場合でも作業の合間に簡単なストレッチを取り入れてください。 デスクワーク 室内でのデスクワークなら、心配は無いと思われがちですが、冷房が効いた室内にいることで膝が冷えます。膝が冷えると血管が収縮し、血液の流れが悪くなり筋肉が硬くなってしまいます。 また、長時間椅子に座っているのも良くないため、時間を決めて席を立つなどして膝のストレッチなど膝を含めた全体を動かすことが大切です。 膝を動かさないままでは痛みの物質の排出が滞り、痛みを感じやすくもなります。尚、寒さには膝にブランケットをかけたり、サポーターをつけるなど冷やさないようにする対策が必要です。 夏場の冷房対策には、ひざ掛けを用意し、椅子の高さを調整して膝に負担が掛からないようにしましょう。また、座る姿勢にも気を使い、姿勢が崩れてきたと感じたら、立ち上がって簡単でもストレッチや膝の曲げ伸ばしなど体を動かすように意識してください。 旅館や茶道の講師 多くの方が就かれる職業ではないかもしれませんが、このお仕事は膝への負担が大きな職業です。茶道では畳の作法や、お茶を振る舞う際の正座は膝への大きな負担になります。何より、この正座から立ち上がる動作は膝に大きな負担をかけます。 正座は、椅子から立ち上がる時と比べて地面からの高さがあるため、それだけ膝への負担になるからです。これは旅館や、茶道にかかわらず正座や、床に近いところでの作業が多い職業の方に注意が必要です。 正座は、膝が折りたたまれた上、自身の体重がかかります。できるなら正座を避け、行う場合でもクッションや正座椅子を使用できれば良いのですが、立ち上がる際には手で何か支えになるものを持つなど工夫を心がけましょう。 これまでと同様に定期的なストレッチは重要です。体重の管理も心がけましょう。 スーパーやコンビニのレジ打ち業務 スーパーや、コンビニをはじめとしたレジ打ちの特徴は、一定の場所で長時間、立ちっぱなしであるということです。特に変形性膝関節症になると、膝に偏った荷重がかかることで痛みを感じることがあります。 長時間の同じ姿勢の立位は、膝から上の体重がすべてかかることとなり、思ったより負担が多くなります。その意味では膝への負担を少なくするための体重管理も大切になります。 膝への負担を少しでも軽減させるためには、椅子を使用できれば良いのですが、そうもいかない場合は、その場で足踏みをしたり、多少でも体を動かす意識を持ちましょう。 営業職(外回り) 営業での外回りで歩く時間が多い方は、靴が重要です。女性の場合、ヒールのように安定性に欠けた靴では膝に負担がかかります。他にもサンダル、デッキシューズでも負担はかかります。 男性も女性も、靴選びは、踵がしっかり包み込まれるような靴や、ビジネスタイプのウォーキングシューズを選びましょう。また中敷き(インソール)などで衝撃を吸収するタイプのものを選んで使うのも有効です。 また、体重の管理をおこなって足腰への荷重を少なくし、歩く際の膝への負担をコントロールしましょう。 上記は、解決策ではないため、根本的な治療に取り組まれることをおススメします。 ▼ 再生医療で変形性膝関節症を根本治療する 変形性膝関節症の膝の痛みは早めに治療にお取組みください。再生医療は手術不要で改善を目指せます 変形性膝関節症になったら日常の過ごし方や、膝への負担を減らそう 膝に痛みがあると、関節を動かさず安静になりがちでが動きも必要です しかし膝周囲の筋力が不足すると、関節への負担が高まることから、症状的に初期の頃には、膝周囲の筋力が落ちないように意識して動かれることをお勧めします。ウォーキング等であれば、歩くことで、大腿四頭筋をはじめとする膝周囲の筋力の低下を防ぎます。 また肥満傾向の方は、体重を落とすことも大切です。 ただし体重を落とすといっても、筋力は落とさず、脂肪を落とすことが目的であるため、単に食事量を減らすのではなく、カロリーを制限するなどの食事制限を行い、負担にならない程度の軽い運動も心がけましょう。膝に負担になるほどの運動は行わないでください。 積極的に動くことと減量に同時に取り組むことで、膝への負荷を軽減させつつ、筋肉による膝の安定性を高めることができます。 ▼こちらもあわせてご覧ください 【変形性膝関節症の早期発見!気付きたい初期症状】 膝が腫れているときに考えられる病気とは 変形性膝関節症でしてはいけない仕事と理由について いかがでしたか? 今回は「変形性膝関節症の人がしてはいけない仕事とその理由」について解説しました。 膝に負荷がかかる仕事の動作が積み重なると、痛みを感じるだけでなく、軟骨下骨の新陳代謝(骨吸収と形成)に異常をきたすほか、関節軟骨の変性や破壊にもつながるため、注意が必要です。 膝関節に安定性をもたらすウォーキングや、大腿四頭筋のトレーニングのように、膝を動かすことは変形性膝関節症にとって大事なことです。しかし仕事での屈伸動作・正座・急な方向転換のように、膝の動かし方を間違えると、膝の負担になることもあります。 仕事で変形性膝関節症の悪化を防ぐためには、進行を予防する意識をお持ちいただくことが大切です。例えばサポーターを用いたり、ストレッチを定期的に取り入れるなど自分なりな工夫を心がけましょう。 また、ご紹介した仕事上での動作をお避けいただき、同時に膝関節に負担をかけがちな体重にも注意が必要です。もし肥満気味なら減量を目指していただいたり、肥満とは言わないまでも少しでも体重を落とせそうならダイエットを意識されることをオススメします。 このように膝の負担を避けるための取り組みや、自己管理は非常に大切です。ぜひ意識して、前向きお取組みください。 しかし、悪化を防ぐだけではなく、前向きな治療をご希望になられたり、既に手術を勧められてはいるが、お悩みの方は「膝の手術が不要な最新治療法」である「再生医療」を以下のページでご説明させていただきました。 こちらで、 膝の痛みを根本的に治療する「変形性膝関節症を再生医療で治療する方法」についてご説明しています。 ▼実際に来院された患者様のお声。こちらも悩んでいる方の一助になれば幸いです。 https://youtu.be/VAxeH1j4TEY?si=7YwbniIaT2KyFDQ1 ▼膝に悩みを抱えている方は下記の記事もご覧になっています。合わせてお読みください。 変形性膝関節症の原因と初期症状、早期治療のポイント
最終更新日:2024.10.07 -
- ひざ関節
- 変形性膝関節症
変形性膝関節症の治療法や種類を一挙に解説します(薬物療法、保存療法、手術療法、理学療法、理学療法、再生医療) 変形性膝関節症の治療法(保存療法)にはどんな種類があるの? 変形性膝関節症の治療法については、様々な種類があります。今回は、その治療について徹底して解説させていただきます。変形性膝関節症は、関節軟骨の変性や摩耗を伴う退行性の病気です。 中高齢者の膝関節痛のいちばんの原因疾患として、その頻度は高くみられます。 そして、初期や中期の変形性膝関節症に対しては、さまざまな保存療法が有効であり、ある程度まで進行した変形性膝関節症に対しては、手術が必要となります。 変形性膝関節症の治療法 ・初期~中期:さまざまな「保存療法」が有効 ・~末期:「手術療法」が必要となる 症状としては、初期では起床時や休憩後などでの膝を動かした際に痛みが発生します。痛みは寒い日や、雨の降る日など、天気の悪い日に増悪することが多く、天気のよい日などは痛みを感じにくい場合もあります。 変形性膝関節症の進行に伴い、歩く場合に痛みが発生し、長距離歩行や階段昇降が困難になり、安静時痛や夜間痛が出現することもあります。 また、正座ができなくなるなどの膝関節の屈曲制限や、反対に膝が完全に伸ばせなくなるなどの関節可動域制限が生じてくると日常生活上いろいろな支障がみられます。 変形性膝関節症に対して行われる治療法にはおもに薬物療法・運動療法・理学療法・装具療法・内視鏡手術・人工関節置換術、そして最近注目されている先端医療分野で再生医療というものがあります。 1.薬物療法 変形性膝関節症の薬物療法では、さまざまな薬が処方されます。薬の種類には大きく分けて「内服薬(飲み薬)」「湿布薬」「塗り薬」「坐薬」の4種類があります。 通常、内服薬は頓用、塗り薬や湿布薬は痛みが慢性化した場合の長期使用、坐薬は耐え難い痛みがあるときの緊急用として使用されます。 薬物療法、薬の種類 ・内服薬(飲み薬) ・湿布薬 ・塗り薬 ・坐 薬 内服薬として最もよく処方されるのは鎮痛薬で、「NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)」と「アセトアミノフェン」が多く使用されます。NSAIDsはロキソニン、ボルタレンなどの製品名がよく知られています。 体内の炎症を鎮める薬で、主に痛みが関節の中にある場合によく効きます。ただし、副作用として胃腸障害が現れることがあり、胃痛や吐き気、ときには胃潰瘍になるというケースもあります。そのため、多くの場合「胃薬」も一緒に処方されます。 湿布薬や塗り薬は「外用薬」と呼ばれ、その中にはNSAIDsの成分が含まれており、患部に貼ったり塗ったりすることで経皮吸収(皮膚から吸収すること)され、炎症を鎮める効果が期待できます。 内服薬のような胃腸障害や内臓疾患の心配が少なく、長期使用も可能です。一方でかゆみや、かぶれ、アレルギー反応を起こすこともあり、皮膚が過敏な人は注意が必要です。 薬物療法の種類 ■内服薬:鎮痛薬 ■概 要:体内の炎症を鎮める薬、主に痛みが関節の中にある場合に効果が高い ■副作用:胃腸障害(胃痛、吐き気、胃潰瘍) ・NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬):ロキソニン、ボルタレンなどの製品名 ・アセトアミノフェン ■外用薬:湿布薬、塗り薬、 ■概 要:NSAIDsの成分を含み患部に貼付、塗布することで経皮吸収(皮膚から吸収) ■副作用:かぶれ、アレルギー等(長期使用も可能) 鎮痛薬や湿布薬などで痛みがひかない場合には、膝の関節内にヒアルロン酸注射を打つことがあります。ヒアルロン酸は、膝の動きを滑らかにし、クッションの役割を担うことに一役買っています。 変形性膝関節症では、関節液中のヒアルロン酸の量が少なかったり、弾性や粘性が低下していたりするため、不足するヒアルロン酸を注射器で関節内に注入します。 膝関節にヒアルロン酸を注入すると、痛みが和らぐほか、膝の動きが滑らかになり、また関節軟骨の栄養になるといった効果が期待できます。 鎮痛薬や湿布薬などで痛みがひかない場合 ・膝(関節内):注射(ヒアルロン酸) ・概 要:膝の動きを滑らかになる。 ・痛みを和らげ、動きを滑らかする。 運動療法/リハビリ 運動療法は、リハビリの一貫として専門家の指導の下、筋肉をほぐしたり、硬くなった関節の動きを広げて動きやすくするなどの適切な所作、運動を行うことによって痛みや機能の障害を回復させ、或いは改善を目指すために行います。 その他、運動療法は膝周りの弱った筋肉の力を向上させて膝を支えることができるよう、運動機能を取り戻すことを期待して行います。その内容は、以下のような目的をもって各種、組み合わせて行われます。 リハビリの目的 ・筋力アップ ・可動域の拡大 ・体重管理(必要ならダイエット) ※体重管理は、膝に負担をかけないために重要です。肥満傾向がある場合は、ダイエットも指導することになります。 理学療法・装具療法 装具療法では、装具を用いることで膝関節にかかる負担を軽減し、関節を安定させることで痛みを和らげます。装具は、関節の変形を治す効果はありませんが、普段の生活の立つ、歩くなど膝関節にかかる負担を軽減するのに役立ちます。 希望する人は医師に相談して、自分の関節の状態に合ったものをすすめてもらうといいでしょう。変形性膝関節症の治療に用いる装具には、次のようなものがあります。 ① 装具/サポーター ・目的:膝を温める。 ・効果:患部の細胞の新陳代謝を促進、炎症を鎮める。膝が守られているという安心感。 ・タイプ:薄型で伸縮性や保温性の高い医療用タイプを選ぶといいでしょう。 ② 足底板/インソール ・目的:歩いたりした際の痛みが緩和される。 ・概要:O脚、X脚タイプの変形性膝関節症の初期、靴の中や足裏に足底板(インソール)を活用する。 ・タイプ:靴への中敷きタイプ、足裏に直接つける室内用タイプがある。 ・注意 :初期~中期の患者さんに有効。変形が進行した末期の場合は改善効果が期待できない。 足底板は、物理的な作用で変形した膝関節の角度を一定角度補整できる治療法です。O脚の人の場合、足底板を使って足の外側を高くし、内側を低くすることで、膝の内側に偏っていた負荷が軽くなって痛みが和らぐのです。 内視鏡手術 内視鏡(関節鏡)手術は、腰椎麻酔をしてから膝蓋骨の周辺に1cmほどの小さな切開口を2〜3カ所あけて、カメラのついた内視鏡を挿入し、炎症の原因となるこすれ落ちた軟骨や断裂した半月板、炎症を起こした滑膜などを取り除き、膝痛を改善する手術法です。 滑膜の炎症が強くて水がたまりやすい人、半月板損傷や関節遊離体(いわゆる関節ネズミ)のある人など、膝の痛む原因がはっきりわかっている人に特に有効です。 内視鏡手術の最大の利点は、切開部が小さいため体力的負担が少ないことです。 手術時間は1時間前後と短く、手術当日は翌朝まで安静にしますが、翌日からは歩くことができます。入院も1日程度と短期間で済み、多くの場合2〜3日で通常の生活に戻れます。 人工関節置換術 変形性膝関節症が進行し、痛みがとても強くて歩行が困難になった場合、「人工膝関節置換術」が検討されます。変形した膝関節の骨をインプラント(人工の関節)に置き換えるというもので、膝関節の一部のみを入れ換える「片側置換術(UKA)」と、関節の接合部全体を入れ換える「全置換術(TKA)」に分けられます。 人工膝関節置換術の手術を受けると、痛みはほぼ完全に消え、可動域が広がって滑らかに膝を動かすことができるようになります。O脚やX脚がある場合には、まっすぐな足に矯正され、歩行時に膝のぐらつきがある人はそれも解消されます。 再生医療/PRP療法 再生医療とは、人の細胞が持つ「自然治癒力」を引き出して機能の回復を図る治療法です。 変形性膝関節症の場合、重症化すると手術に頼らざるを得ないのが実情ですが、こうした手術適応例において、組織修復力を持つ再生医療の治療効果が期待されています。 現在、最も多く行われている再生医療が「PRP療法(自己多血小板血漿注入療法)」です。 血小板とは、血液に含まれる細胞のことで、血液を固める働きのほかに、組織の修復を促す成長因子を出す働きがあります。PRP療法では、患者さん自身の血液から、血小板が多く含まれる血小板血漿(PRP)を抽出し、患部に注入します。すると、その部分の組織の修復が促されていきます。 PRPは自分の血液から抽出するため、薬物療法のような副作用がほとんどないという利点があります。その反面、PRPは軟骨や半月板にはならないので、完全に軟骨がなくなってしまった重症の膝痛に対する効果は低下します。 変形性膝関節症では、関節の炎症を抑えて痛みを和らげ、軟骨や骨の変形の進行を防ぐ目的でPRP療法が用いられます。 https://youtu.be/OHnPrPHbtZM?si=IVTQZdjdcf8krciR 再生医療/幹細胞治療 このほかの再生医療には「幹細胞治療」があります。これは、衰えた膝の関節軟骨を再生させて痛みを抑える再生医療です。 幹細胞とは、皮膚や血液など、絶えず細胞が入れ替わる組織を保持するために、新しい細胞を再び産生して補充する能力をもつ細胞のことです。 幹細胞には、分化能(皮膚、血液、神経、血管、骨、筋肉など細胞を作り出す能力)と、自己複製能(自らと同じ能力を持つ細胞に分裂することができる能力)の2つの能力があります。 変形性膝関節症の治療で実用化されているのは「間葉系幹細胞」による軟骨再生療法です。間葉系幹細胞は骨髄に由来する非造血系の細胞ですが、骨髄ばかりか脂肪や骨膜などから比較的容易に取り出すことが可能です。 しかも、骨芽細胞や脂肪細胞だけでなく、軟骨細胞や筋細胞、神経細胞にも分化する能力を持っています。患者さん自身の細胞を使うため拒絶反応や副作用もなく、増殖に伴う老化の影響や分化能の低下が少ないのも大きな特徴です。 培養幹細胞治療では、お腹の脂肪から採取した間葉系幹細胞を培養して膝関節内に注入する治療や、膝の滑膜から採取した間葉系幹細胞を関節内に定期的に注入したり、半月板損傷に対する内視鏡手術の際に幹細胞を移植したりする治療が行われています。 さらに、軟骨細胞そのものを取り出して培養し、欠けた軟骨の再生を促す「自家培養軟骨移植」の研究も進み、実用化されています。これは患者さん自身の軟骨から取り出した細胞を培養し、膝の軟骨が欠けた箇所へ移植することにより、痛みなどの症状を緩和します。 これらの再生医療は、一部を除き自由診療となり、全額が自己負担となります。費用は医療施設によって大きく異なりますのでお問合せされることをお勧めします。 ただ、再生医療は実施する医療機関によって培養手段、投与手法をはじめ特徴が違います。そのため、一律に比較することができず、費用感だけでの比較はあまり意味がありません。興味がお有りならお問合せされることをお勧めします。 当院も再生医療専門のクリニックです。お問合せ頂ければ親切丁寧にご説明させて頂き、無理にお勧めすることもございませんのでお気軽にお問い合わせください。 尚、医療機関が再生医療を行う、あるいは特定細胞加工物を製造する場合には、厚生労働省への届出が法律で定められています。再生医療をお考えならその施設が「再生医療等提供機関」として登録されているか、必ず確認のうえ受診しましょう。 https://youtu.be/JvYn_j6n9io?si=bIobL5rL_HgE3wt3 まとめ・変形性膝関節症の治療方法や種類を一挙に解説します 以上のように、変形性膝関節症を治すための治療法は、薬物療法、保存療法、手術療法、理学療法、理学療法、再生医療などのように様々ありますが、まずは予防が大切です。 普段、日常生活を過ごすというだけでも膝には、体重の何倍もの負担が掛かっています。体重管理に気を付けて体重の増加に敏感になっていただきたいと思います。 それでも膝に痛みや、違和感を感じられたら年齢や症状に応じて整形外科をはじめとした医療機関で検査・診察を受け、医師と相談の上、適応となる治療法を選択してください。 以上、変形性膝関節症の保存療法を徹底解説させていただきました。参考にしていただけると幸いです。 ▼ 再生医療で変形性膝関節症を治療する 変形性膝関節症は、再生医療により手術せずに症状を改善することができます ▼以下の情報も参考にされませんか 変形性膝関節症の装具療法の種類と注意点について
最終更新日:2024.10.07 -
- ひざ関節
- 変形性膝関節症
変形性膝関節症|サポーターの注意すべき使用法!正しい選び方と装着方法 変形性膝関節症を発症され、歩行時にぐらついたり、痛みが生じたりする症状で苦労をされていませんか? そんな場合、サポーターを着ける機会も多くなるのではないでしょうか?!そんな場合、以下のようなことを考えられたり思われたことがお有りになるかもしれません。 ・「自分に合わせた専用のサポーターが欲しい」 ・「専用のサポーターってどうなのか?」 ・「自分に合わせてもらえるのか?」 そのサポーターについて以下のように思っていませんか? ✕「ドラックストアで売ってる既製品で良い」 ✕「着けてさえいれば良い」 ✕「オーダーする必要が分からない」 △「オーダーできるとは知らなかった」 まずお伝えしたいのは「変形性膝関節症」の場合、「サポーターを使用することは大変有効である」ということです。そこで今回は、「変形性膝関節症のサポーター」に関して、その選び方と使用法、装着方法について解説いたします。 ご自身の膝の状態、そしてご自身にフィットしたものが良いのは言うまでもなく、サポーターの選び方、更には効果的な装着方法、着け方について具体的にご説明したいと思います。 ご一読いただき通院先や、お近くの医療機関でご相談されることをお勧めします。 変形性膝関節症サポーター|使い方で注意したいこと 変形性膝関節症の対策としてサポーターを使われることは有効です。 しかし、適当にサポーターを選んでつけると、サポーターの効果が十分に発揮されない可能性があることをご理解いただかねばなりません。 せっかく付けるのですから効果的に装着していただきたいものです。 気を付けて頂きたいのは、変形性膝関節症の「進行具合」「炎症の箇所」などによってはサポーターをつけることが逆効果になることもありえるということです。 そのため、サポーターの使用について、まずは主治医にご相談されることをお勧めします。 主治医にご相談いただきサポーターを使用することになった場合は、その指示のもとで選んで頂きたいのですが、ご自身でもポーターの選び方や、つけ方についてご理解いただくことは非常に大切です。 清潔な状態で使用しよう 変形性膝関節症でサポーターを使用するときは、膝もサポーターも清潔な状態で使用するようにしましょう。清潔な状態が保たれていない状態で使用すると皮膚がアレルギー反応を起こしたり、接触性皮膚炎を引き起こす可能性があります。 サポーターはズレてしまうことがあります。汗をかいているときは、汗をしっかり拭きとってからサポーターをつけるましょう。 サポーター装着する注意点 ・清潔な状態を意識する ・膝の汗を拭きとってから使用 長時間の使用は避ける サポーターを正しく装着しても、長時間つけ続けていると患部が圧迫されて血流が悪くなってしまいます。楽だからと、ずっと装着したままでいると膝を支える筋力が低下してしまいかねません。 家にいる場合などは、はずして長時間の使用は控えるべきです。サポーターは外出直前につけ、定期的に外すことで、できるだけ着けている時間を短くする工夫をしましょう。 短い時間であっても安静時には外すなど、こまめに着け外す習慣をつけるようにしましょう。 定期的に交換しましょう サポーターは消耗品という認識を持ってください。 長期間使用していると素材が伸びたりして、劣化します。例え専用にオーダーして、正しいつけ方をしていてもフィット感が乏しくなってくることがあります。 サポーターは正しくフィットすることで効果を発揮するよう設計されているからです。長期間使用したために、伸びたり劣化したりして正しくフィットしなくなってきた場合は積極的に新しいものに交換しましょう。 劣化したサポーターを使って変な負担が掛かることで逆に症状が悪くなる危険性もあります。 変形性膝関節症|サポーターの選び方 変形性膝関節症でサポーターを使用し、効果を十分に得るためには、装着方法だけでなく、どのようなサポーターを使用するのか、選び方も重要です。 現在は、いろいろな種類のサポーターが販売されていますが、どれも大差ないだろうと適当に選んで使用するべきではありません。 適当な選び方をしたサポーターだと、正しいつけ方をしても変形性膝関節症への効果が得られないばかりか、悪影響になってしまうこともあります。 膝のサイズが合ったものを選ぶ 変形性膝関節症でサポーターを使うときは、まず、自分の膝のサイズに合ったものを選ぶことが大切です。 せっかくサポーターをつけてもサイズが合っていないと、膝をしっかり固定することができなくなり、サポーターをつける意味がなくなってしまいかねません。 サポーターを選ぶ場合 ・自分のサイズを知るため事前に測っておきましょう ・測り方は、メジャーで膝の皿の部分から上下10㎝の部分を測ります。 用途に合ったものを選ぶ 自分の用途に合ったものを選ぶことが大切です。 ・スポーツにおすすめのタイプ ・立ち仕事をする場合におすすめのタイプ ・高齢者におすすめのタイプ ・リハビリをおこなう人におすすめのタイプ 変形性膝関節症の対策として選ぶ場合は、症状の度合いや体重、筋力、足の状態(O脚など)によって、どれが合うかは異なってくるので、選び方は判断がすごく難しいです。 主治医に相談して自分の用途に合ったものを見つけましょう。 使用感の良いものを選ぶ 変形性膝関節症のサポーターを選ぶ際は、使用感についても重視すべきです。サイズが自分にピッタリであっても、実際に使用して不快に感じると、長く使用することが難しくなってしまいます。 サポーターは、サンプルを置いているお店もあるので、実際に試して使用感をチェックするのがおすすめです。 変形性膝関節症のサポーター|正しい装着法(つけ方) 変形性膝関節症の人がサポーターを使用する場合、サポーターの選び方だけではなく、正しいつけ方で使用することが大切です。 そこで変形性膝関節症のサポーターのつけ方のコツをご紹介します。 サポーターの装着(つけ方)、手順とコツ ベルトを締めるタイプのサポーターの場合、サポーターは上の方から締めていきます。上のベルトを締めるときは、強く締める必要はなく、フィットしているな!と感じられるくらいで十分です。 上を締めてズレがないかチェックしたら、今度は下のベルトを締めます。 下の方を締めるときは、膝の皿の部分をきちんと補助することができるように下から上に引き上げながら締めるのがポイントです。 下の方は上の方よりも強めに圧がかかるように締めますが、血流を阻害するほど強く締めすぎないように注意しましょう。 立った状態で装着する サポーターをつけるときは、立った状態で装着するのがおすすめです。 立ち姿勢で膝を伸ばした状態でサポーターをつけると、しっかりとサポーターが巻き付いて膝を曲げたときに緩みにくくなります。 ただし、サポーターなしで立つのが難しいという人は座った状態でつけても問題ありません。 座った状態でサポーターをつける場合は、膝を少しだけ曲げた状態でつけるとしっかりと付けることができます。 膝を動かして確認する サポーターをつけ終えたら一度膝を軽く動かしてみて、締め付けが強すぎないかチェックします。ズレがなくきちんとフィットしているかチェックしたりすることが大切です。 少しでも強すぎたり、フィットしていない場合は、面倒でもそのまま使用せず、つけ直しましょう。これが大切です。 まとめ・変形性膝関節症|サポーターの注意すべき使用法!正しい選び方と装着方法 ここでは変形性膝関節症のサポーターの使い方で注意すべきことや、選び方。そして、その着け方、装着方法についてご紹介させていただきました。 変形性膝関節症に悩む方にとって、サポーターは大きな助けとなります。しかし、正しい選び方や装着方法を知らずに使用すると、効果が得られないだけでなく、逆に症状を悪化させる恐れもあります。 まず、サポーターの選び方は自身の膝の状態や用途に合わせて慎重に行うことが重要です。 サポーターの装着方法も正しく行うことで効果的に症状の緩和が期待できます。清潔な状態で使用し、長時間の装着は避けるようにしましょう。 また、サポーターにも寿命があり、フィット感が乏しくなってきたら交換も必要になります。最もお勧めするのは主治医や専門家と相談しながら適切なサポーターを選ぶことです。 正しい装着方法を学び、これらのポイントを押さえて、変形性膝関節症に対するサポーターの効果を最大限に引き出しましょう。 以上、参考にしていただければ幸いです。 ▼ 再生医療で変形性膝関節症を治療する 変形性膝関節症は、再生医療により手術せずに症状を改善することができます ▼こちらも参考にしていただければ幸いです 変形性膝関節症を悪化させないための運動方法と日常の工夫
最終更新日:2024.10.07 -
- ひざ関節
- 変形性膝関節症
変形性膝関節症で必須なサポーターのメリットと選択時の注意点 変形性膝関節症に悩まされている高齢者のなかには「膝が痛いのでサポーターをつけた方が楽になるかも?」「変形性膝関節症と言われたのでサポーターを着けるべきか?」などとお考えではないでしょうか。 今回は、「1.変形性や、デメリット」、「変形性膝関節症でサポーターをつけるメリット」、「3.サポーターの使用時に注意すべきこと」の3点についてご紹介します。 1.変形性膝関節症でサポーターをする方が良い理由 まず結論から述べると、変形性膝関節症では高齢者に限らず、若い方であっても「膝にはサポーターをしたほうが良い!」と言えます。そこで、その理由についてお話します。 変形性膝関節症の高齢者にはサポーターを積極的におすすめしています 変形性膝関節症の場合、高齢者はもちろん、それ以外の方にとっても「サポーター」は、単なるグッズではなく、"おすすめ"のアイテムです。変形性膝関節症になると、軟骨の擦り減りによって膝が不安定になったり、痛みが生じたりして歩行が困難になります。 しかし、サポーターの効果としては、膝を支えて固定することで、膝が安定し、痛みを和らげることができるので、歩行や動きが楽になります。また、サポーターによって膝が温められ、冷えによる痛みを和らげることでも人気があります。 症状:軟骨のすり減り → 膝が不安定、膝の痛み → 歩行や動くことにが困難に ・サポーターを着ける:膝を支え(固定) → 膝が安定(痛みが和らぐ)>歩行が楽に! ・サポーターを着ける:膝を温め(冷えを防ぐ)→ 痛みの軽減 >歩行が楽に! このように変形性膝関節症の方にとってサポーターの使用は、とても有効でオススメです。ただし、使い方には注意点があります。そんなサポーターに関する情報を記していきましょう。 変形性膝関節症でサポーターをつけるときの注意点 変形性膝関節症の場合、高齢者に限ったことではありませんが、サポーターで膝を安定さることができれば「歩行がしやすくなった!」「膝の痛みが軽減された!」という効果を感じることができます。 まさにサポーターを着けるだけの手軽さで可能になります。ただし、サポータを装着して良い効果を得るためには正しい使い方をすることが大切になります。 〇こちらも併せてご覧ください → 変形性膝関節症の装具両方の種類と注意点について サポーターの種類は千差万別、選択には注意が必要 変形性膝関節症の方にサポーターは、積極的におすすめできるアイテムです。しかし、ご注意いただきたいのは炎症の箇所や症状の度合いによってはサポーターを使用すると、余計に痛みが生じてしまうことがある点です。 また、慢性皮膚炎の人や、膝の周辺に傷や湿疹がある人などが使用すると皮膚の症状が悪化する可能性があります。化学繊維にアレルギーがある人はサポーターでアレルギー症状が出る可能性もあるので気をつけましょう。 サポーターには、単なるグッズから医療用のもの、また対策できる部位やサイズが違っているもの、保温性を加味したもの、メンズ・レディース・共用など性別を含めて色々なタイプや種類があります。 これらは通院されている整形外科をはじめ、手軽にドラッグストアや、ネット通販でも簡単に購入ができます。選び方としては通販サイトのランキング情報や、口コミを参考に選ぶこともできます。 サポーターを選択する際には医療用から選べば大きな間違いは無いと思われますが、大切なのは、膝をしっかり固定できて、支えてくれるもの、しっかり動きをサポートしてくるものを基本に、サイズが合ったものをお選びください。 このようにサポーターも多種多様にあるため、何の目的で、どんな対策で付けるのかなど、目的を明確にして選びたいものです。一番のオススメは試着できることです。 最も良いのは、主治医にご相談されることです。試着できることが多く、最適なサポーターを医者の目線で選んでもれえることが可能になります。ご自身に合ったものをで選んでもらえるので安心です。 サポーターの装着で注意すべきこと ・炎症が起こっている箇所、症状の度合いの判断が必要 ・慢性皮膚炎 ・膝の周辺に傷や湿疹 ・アレルギー(化学繊維) サポーター選びで大切なこと ・膝を支えて固定できるもの ・サイズがあったも ・保温性にも対応しているもの ・主治医がおられるなら相談をしてアドバイスを受ける 2.変形性膝関節症でサポーターをつけるメリット ①サポーターを着けるメリット:安心感が増し、歩行がしやすく、楽になる 変形性膝関節症の人は、膝を動かすと、その痛みによって歩くのが困難になってしまいます。さらに高齢者の場合は、膝を支える筋肉量そのものが低下してしまっているため、余計に歩行が辛く、困難になってしまう傾向があります。 このように歩行が不安定な状態が続くと歩くことに対して怖かったり、不安な気持ちになり、歩くことを躊躇するようになる人も少なくありません。 そのためにも膝を支えて、固定してくれるサポーターを使用されることを、おすすめします。サポーターは、膝を固定する効果があり、膝の安定感が増して「歩行時のふらつきを予防し」、「膝を安定させます」。「膝が固定されてぐらつかなくなる」ことで歩行するときの安心感を得ることができます。 ②サポーターを着けるメリット:痛みを感じにくくなる サポーターをつけることで痛みを軽減させ、感じにくくなるのも大きなメリットです。なぜサポーターをすると痛みを感じにくくなるかというと、サポーターをつけて膝を圧迫すると「触圧覚が刺激される」からです。 「触圧覚」とは、何かに触れたときに感じるもので、痛みを感じたときに痛みを脳に伝達する痛覚よりも早く、何かに触れたことを脳へ伝達します。サポーターで圧をかけ、触圧覚を刺激していると痛覚の反応が鈍くなるため、痛みを感じにくくなるのです。 ③サポーターを着けるメリット:膝の冷えを防止する サポーターは膝を安定させたり、痛みを感じにくくしたりする効果だけでなく、「冷えを予防する効果」も期待できます。膝が冷えてしまうと血管が収縮して血液の流れが悪くなり「筋肉が硬く」なってしまいます。 そして、膝の筋肉が硬くなったまま動かそうとすると筋肉への大きな負担がかかるため、痛みを感じやすくなります。そのため、変形性膝関節症の高齢者が寒い日に外出するときや、エアコンが効いている部屋にいるときなどは、サポーターをすることで「冷えを防止」することができます。 このように変形性膝関節症の高齢者を含め困っている方は「サポーターをつけることで多くのメリット」があります。 ④サポーターを着けるメリット:変形性膝関節症の悪循環をストップできる 変形性膝関節症が進行すると膝の安定性が低下したり、痛みが生じたりするため、安静にしようと思ったり、動かすのが億劫になったりして、できるだけ動かないようにしようとする人が多いでしょう。 しかし、ご注意頂きたいのは体を動かさないでいると軟骨の周囲を支えている筋力が低下します。すると、軟骨がさらに擦り減りやすくなるなど、悪循環を招いてしまいます。ですから悪循環をストップさせるためにサポーターを適切に使用しましょう。足を動かす機会が増えれば、軟骨の周囲を支える筋力が戻り、軟骨が保護されて、痛みにくくなります。 特に高齢者の場合、「年だから・・・」と諦めずにサポーターを使用することで無理のない運動に努めましょう。サポーターで膝を補助してあげることで動くことをためらったり、諦めたりする必要を減らすことができる点、大きなメリットと言えるでしょう。 ▼悪循環になりがち ・変形性膝関節症:膝の安定性が低下し痛みが生じる → 動かすのが億劫になる ・変形性膝関節症の悪循環:動かない → 筋力低下 → 膝の周りの筋力低下 → 膝軟骨のすり減り ・悪循環を断ち切る:動きをサポートし、痛みを低減するサポーターを有効活用すべき! ▼ 変形性膝関節症を再生医療で治療する 再生医療をご存知ですか?変形性膝関節症は、入院や手術を行うことなく症状を改善することができます 3.変形性膝関節症の高齢者がサポーターを使用する際に気をつけること? 変形性膝関節症で高齢者がサポーターを使用する場合、外出やリハビリに取り組む場合に多くのメリットがありますが、サポーターを効果的に使用するには、注意すべきことがいくつかあります。 汗を拭いて使用する 歩行時にサポーターがずれると歩行しにくくなります。 そのままでは、他の筋肉や部位に負担をかけることとなり、膝や腰などに痛みが出る可能性があります。このように膝に汗をかいた状態でサポーターをつけると、サポーターがずれやすくなり、膝を支えるという目的を果たせなくなります。 外出やリハビリに使用する場合は、サポーターをつける前に汗をかいていれば拭くようにしましょう。また汗をかいたら面倒でも、小まめに拭いてやり、快適な装着を心がけましょう。 正しく装着する サポーターは正しく装着することで効果を発揮します。 上下左右の方向や位置を間違って装着すると、サポーターの役割をじゅうぶんに果たすことができませんし、血行不良になることもあります。種類によっては上下や左右など分かりにくいものもあり、何か不自然、違うな・・・感じたら、最初から装着をやり直しましょう。おかしいと思いながら付け続けるのはお避け下さい。 安静時はサポーターを外す サポーターを長時間使用していると、うっ血や圧迫痛を引き起こしてしまう可能性がありますので、使用するのは運動時や歩行時だけにして、安静時はサポーターを外すようにしてください。 まとめ・変形性膝関節症で必須なサポーターのメリットと選択時の注意点 高齢者をはじめ多くの変形性膝関節症の方々にとってサポーターは”おすすめ”なのかどうか、また、使用する場合の注意点などについて記させていただきました。 サポーターを装着すれば、膝周りを支えて歩行時の安心感はもちろん、痛みを緩和してくれる有効なアイテムとしてご推薦できます。デメリットは特に無いのですが、注意点はあります。 それは、ご自身の症状にあったサポーターをお選びいただく必要がある点、装着方法に注意をはらう、サイズが合ったサポーターをしていただくということになります。 また、サポーター選びは医師へご相談された上、その指示やアドバイスに従い正しく使用することができればベストです。 ▼ 再生医療の幹細胞治療が変形性膝関節症の治療を変える! 変形性膝関節症の新たな選択肢、再生医療なら、すり減った軟骨の再生を目指せる ▼サポーターの使い方をこちらで更に詳しくご説明 【変形性膝関節症用のサポーター】正しい使用法と選び方!
最終更新日:2024.10.07