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【医師監修】変形性膝関節症で使うサポーターの効果・選び方・注意点
変形性膝関節症の回復には、適切なサポーターの活用が効果的です。
膝の固定や保温効果により痛みを和らげるほか、適度な運動をサポートして症状の改善も期待できます。
ただし、適切にサポーターを装着しなければ、十分な効果は得られません。サポーターの効果を最大限に引き出すためには、自分に合ったものを選び、正しく装着していくのが大切です。
本記事では、変形性膝関節症で使うサポーターの効果や選び方のポイントを解説します。注意点も紹介しているので、サポーターを活用したい方はぜひ参考にしてください。
目次
変形性膝関節症でサポーターをした方がいい4つの理由
さっそく、変形性膝関節症でサポーターをした方がいい理由を解説します。
・膝の固定
・保温効果
・触圧覚を刺激
・悪循環の遮断効果
それぞれの効果について詳しく見ていきましょう。
膝の固定
サポーターは、膝をしっかりと支えて固定する役割を担います。膝を固定すれば、関節への負担が軽減されるため痛みを和らげる効果が期待できるでしょう。
痛みがあると歩行が不安定になり、転倒するリスクが高まります。高齢者は筋力の低下も重なってより転びやすくなるためとくに注意が必要です。
触圧覚を刺激
人の皮膚には「触圧覚」(物に触れた感覚)と「痛覚」(痛みの感覚)があります。サポーターで膝を適度に圧迫すると、触圧覚が刺激されます。
痛覚よりも触圧覚が先に脳へ伝わるため、痛みの感覚が抑えられるのです。
保温効果
サポーターによる保温効果も膝の痛み軽減に役立ちます。
膝が冷えると血管が縮み、血液の流れが悪くなり、筋肉が硬くなります。硬くなった筋肉を動かすと、負担が増えて痛みが出やすくなるのです。
寒い日に外出したり、冷房の効いた部屋で過ごしたりする際は、サポーターで膝を温めて痛みを予防しましょう。
悪循環の遮断効果
変形性膝関節症では、痛みを避けるため動きを控えがちです。
しかし、運動不足が症状を悪化させる原因となります。膝をあまり動かさないでいると、周囲の筋肉が衰え、軟骨がさらにすり減りやすくなるためです。
サポーターを使えば、安心して膝を動かせます。適度に体を動かせば、筋力回復と軟骨の保護につながり回復を早められるでしょう。
反対にサポーターを着けているからといって動きすぎるのも禁物です。以下の記事では変形性膝関節症の人がしてはいけない動作や仕事の業務を解説しているので、治療中の過ごし方が気になる方はぜひあわせてご覧ください。
変形性膝関節症で使うサポーター選びのポイント
ここでは、サポーター選びのポイントを解説します。
サポーターには「医療用」と「一般用」の2種類があり、ドラッグストアやオンラインストアなどで購入可能です。変形性膝関節症に使用する場合は「医療用」が推奨される傾向にあります。
購入を検討する際は、サポーターのランキングサイトや販売サイトで口コミを確認するのがおすすめです。口コミを見れば、装着感や使用感といった実際の使用者のリアルな声をチェックできます。
サポーター選びの具体的なポイントは以下の3点です。
確認ポイント |
選ぶ視点の例 |
サイズ |
・膝にフィットするか |
固定力 |
・膝をしっかり支えられるか |
保温性 |
・保温効果に優れているか |
購入前は可能な限り試着をしましょう。実際に装着してみれば、フィット感や使用感がよりわかります。
以下の記事では、サポーター選び方の詳細や装着方法について解説しています。詳しく知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
変形性膝関節症でサポーターを使うときの注意点4つ
変形性膝関節症でサポーターを使うときに注意すべき点がいくつかあります。適切でない使い方をすると症状が悪化する可能性があるため、以下4つのポイントをおさえましょう。
・汗を拭いて使用する
・正しく装着する
・安静時はサポーターを外す
・サポーターの効果が薄いときは専門家に相談する
順番に解説します。
汗を拭いて使用する
汗をかいた状態で着用すると、サポーターがずれやすくなります。サポーターがずれれば、歩行が不安定になって膝や腰に負担がかかり痛みが出る可能性があります。
汗をかきやすい夏場はとくに対策が必要です。サポーター装着前に膝の汗を拭き取り、使用中も汗が溜まったら小まめに拭きましょう。
正しく装着する
サポーターは正しい位置に装着してはじめて、効果を発揮します。
装着位置が上下左右にずれると、膝を正しく支えられないため、サポート力が弱まります。また、血行不良を引き起こす場合もあるでしょう。装着して少しでも違和感があれば、正しい位置にあるかどうか確認してください。
サポーターの正しい装着方法は、商品パッケージの説明書や公式サイトに記載されている場合が多いので、事前によく見ておきましょう。
安静時はサポーターを外す
サポーターは活動時のみ使用するのが基本です。
サポーターを付けっぱなしにすると、うっ血(血液の流れが悪くなる状態)や圧迫により痛みが生じる可能性があります。
症状悪化のリスクを避けるためにも、自宅でくつろぐ時間や就寝時といった安静時にはサポーターを意識的に外しましょう。
サポーターの効果が薄いときは専門家に相談する
サポーターを使用しても症状が改善しないときは専門家に相談しましょう。状態が悪化している可能性があるためです。
自分に合った病院を探している方は「再生医療」を専門とする『リペアセルクリニック』への受診をご検討ください。再生医療とは人間の自然治癒力を活用した最新の医療技術です。すり減った軟骨を再生し、変形性膝関節症の痛みを軽減させる効果があります。
本来なら手術しなければいけない状態でも、再生医療で治療できる可能性があります。
まとめ|変形性膝関節症ではサポーターをうまく活用して早期回復を目指そう
サポーターは変形性膝関節症の症状改善に役立つアイテムです。膝を支えて歩行時の安定感を高め、痛みも和らげます。
サポーターの効果を最大限に引き出すポイントは、自分の膝にフィットするサイズやサポート力があるものを選び、正しく装着することです。
しばらくサポーターを使用しても効果が実感できない場合は、病院の受診を検討してみてください。症状が進行している可能性もあるためです。
受診した際は、医師にサポーターの適切な使い方を聞いてみるのも良いでしょう。より効果が期待できる装着方法がわかり、早期回復につながる場合もあります。
変形性膝関節症で使うサポーターに関するよくある質問
最後に変形性膝関節症で使うサポーターに関するよくある質問と回答をまとめます。
サポーターは保険が適用されますか?
国に登録されているサポーターであれば保険適用の対象です。
登録されているサポーターは厚生労働省が公表している「療養費の支給対象となる既製品の治療用装具」の一覧よりご確認いただけます。
詳細が気になる方は チェックしてみてください。
サポーターをつけない方がいいケースはありますか?
膝周辺に炎症や傷がある状態でサポーターをつけると、皮膚の状態が悪化するリスクがあるため使用は控えた方が良いでしょう。
また、化学繊維のアレルギーをもっている方も注意が必要です。サポーターの素材によってはアレルギー反応が出る可能性があります。