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大腿四頭筋腱付着部炎(ジャンパー膝)の症状や原因は?大腿四頭筋腱炎との違いも解説
![ジャンパー膝](https://fuelcells.org/wp/wp-content/uploads/2022/06/jumper-knee.jpg)
「階段を上るたびに膝が痛む」「しゃがむ動作がつらい」そんな症状で悩んでいませんか?
膝の上部に痛みを感じる大腿四頭筋腱付着部炎は、ジャンパー膝とも呼ばれ、スポーツ選手だけでなく一般の方にも多く見られる症状です。
大腿四頭筋腱付着部炎は、運動時の膝への負担が原因で起こることが多く、放置していると日常生活にも影響を及ぼします。
本記事では大腿四頭筋腱付着部炎の症状や原因、さらに大腿四頭筋腱炎との違いを詳しく解説します。
適切な対処法を見つけて、一日も早くスポーツを楽しめるようにしましょう。
また、当院「リペアセルクリニック」では大腿四頭筋腱付着部炎(ジャンパー膝)の治療も行っております。
辛い症状にお悩みの方は「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。
目次
大腿四頭筋腱付着部炎(ジャンパー膝)の主な3つの症状
大腿四頭筋腱付着部炎(ジャンパー膝)は、膝の痛みが主な症状として現れます。
日常生活や運動時に現れる主な症状は以下の3点です。
- 膝の上部に激しい痛み
- 階段の上り下りで増す痛み
- しゃがむ動作で感じる鋭い痛み
本書ではそれぞれの特徴について詳しく解説いたします。
膝の上部に激しい痛みがでる
大腿四頭筋腱付着部炎の最もわかりやすい症状は、膝の上部に現れる痛みです。
痛みの特徴は、膝蓋骨(お皿)の上端部分に集中して起こります。
始めは運動時にのみ痛みを感じる程度ですが、症状が進行すると安静時でも痛みが出るようになってしまいます。
さらに、膝を曲げ伸ばしする際には痛みが強くなり、歩行困難になるケースも少なくありません。
そのため、痛みが続く場合は早めに医療機関を受診しましょう。
階段の上り下りで痛みが増す
階段の上り下りで、膝の上部に強い痛みを感じるのも、大腿四頭筋腱付着部炎の特徴的な症状です。
階段を上るときは、膝を大きく曲げる必要があるため、膝蓋骨の上部に強い負担がかかります。
最初は違和感程度でも、徐々に痛みが強くなり階段の昇降が困難になる場合も多いのです。
また、下りの際も膝を支える必要があるため、痛みを感じやすくなります。
日常生活で階段の使用が避けられない場合は、手すりを使うなど膝への負担を軽減するように心がけましょう。
しゃがむ動作で鋭い痛みを感じる
床に座る際など、しゃがむ動作で膝に鋭い痛みを感じるのも大腿四頭筋腱付着部炎の特徴です。
とくに、しゃがんだ状態から立ち上がる際に強い痛みが出やすく、重症化すると「しゃがむ動作自体」が困難になることもあります。
また、長時間のしゃがみ姿勢後には、膝の痛みや違和感を強く感じる傾向にあります。
そのため、痛みや違和感を感じた場合は無理にしゃがまず、椅子を使用するなど工夫しましょう。
大腿四頭筋腱付着部炎が発症する3つの原因
大腿四頭筋腱付着部炎の主な原因は、スポーツや運動習慣によって繰り返し膝へ負担をかけているためです。
代表的な原因として以下3つが挙げられます。
- バレーやバスケなどのジャンプ競技によるオーバーユース
- 運動不足から急に運動を始めた
- 筋力の弱さや体の硬さによって膝に負担をかけた
早期発見と治療には原因を理解する必要があります。
それぞれ詳しく解説しているので、自分の生活習慣と照らし合わせながら確認してみましょう。
バレーやバスケなどのジャンプ競技によるオーバーユース
バレーボールやバスケットボールなど、ジャンプ動作を頻繁に行うスポーツは、大腿四頭筋腱付着部炎のリスクが高まります。
ジャンプ競技で発症しやすい理由は、着地時に体重の何倍もの負荷が膝にかかるためです。
さらに負荷が繰り返し加わると、腱と骨の付着部に炎症が生じて痛みを引き起こします。
また、バレーやバスケのように「ダッシュやストップ」など急激な動作も、大腿四頭筋腱付着部炎が発症する原因となります。
スポーツによる膝の痛みについては、こちらの記事も参考にしてください。
運動不足から急に運動を始めた
普段から運動習慣がない状態から、突然激しい運動を始めるのも大腿四頭筋腱付着部炎の原因となります。
運動不足の状態では、筋肉や腱が十分な負荷に耐えられる状態になっていないため、急な負荷によって炎症を引き起こしやすくなります。
そのため、ランニングやジョギングを始める際は、徐々に距離や時間を増やしていくことが大切です。
まずは、軽い運動から始めて段階的に強度を上げていく意識を持ちましょう。
筋力の弱さや体の硬さによって膝に負担をかけた
大腿四頭筋の筋力不足や体が硬くなっていたりすると、膝への負担が増加して炎症を引き起こす可能性があります。
また、普段の姿勢の悪さや足の形態異常なども原因の1つとなります。
予防するには、適切なストレッチや筋力トレーニングを継続的に行うのが良いでしょう。
ジャンパー膝の治し方や症状のチェック方法については以下の記事でも詳しく解説していますので、参考にしていただけると幸いです。
大腿四頭筋腱付着部炎の診断方法
大腿四頭筋腱付着部炎の診断は、医師による問診と触診から始まります。
また、症状の程度によっては画像検査なども組み合わせながら総合的に判断するのが一般的です。
本章では、大腿四頭筋腱付着部炎における2つの診断方法について解説します。
医師による問診と触診で判断
医師による問診では、患者の症状や運動歴、日常生活の様子などを詳しく聞き取ります。
具体的には「いつから痛み始めたのか」「どのようなときに痛みを感じるのか」「他に症状はあるか」などの質問です。
また、触診にて膝蓋骨(膝のお皿)の上部を押して痛みがあるか、膝の曲げ伸ばしで痛みが増強するかなどを確認します。
問診と触診では他の膝疾患との区別も行いますので、大腿四頭筋腱付着部炎と診断された際には、適切な治療計画が立てられるでしょう。
必要に応じて超音波検査やMRI検査を行う
問診や触診だけでは症状の程度が判断しづらい場合、画像検査を行います。
代表的な検査方法が、超音波検査とMRI検査です。
超音波検査では、腱の損傷具合や炎症の状態をリアルタイムで確認できます。一方、MRI検査はより詳細な画像診断が可能です。
腱の状態や周辺組織の様子まで細かく確認できるため、的確な治療方針を立てられます。
必要に応じて検査方法も異なりますが、症状や原因を明確にできれば適切な治療へとつながります。
ジャンパー膝の診断方法については以下の記事でも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
大腿四頭筋腱付着部炎の治療法とは?
大腿四頭筋腱付着部炎の治療には、症状の程度や原因によってさまざまです。主な治療法は以下の3つです。
- 安静・冷却の保存療法
- 手術療法
- PRP療法など再生医療
本章を参考に、大腿四頭筋腱付着部炎における治療法の選択肢を把握しておきましょう。
安静・冷却の保存療法
大腿四頭筋腱付着部炎の初期治療では、保存療法から開始するのが一般的です。痛みを感じる部分を休ませ、患部を冷やすことで、炎症を抑える効果が期待できます。
具体的には、1日3回程度の冷却と、ジャンプや走るなどの激しい運動を控えることがポイントです。
また、医師の指導のもと消炎鎮痛剤の服用や湿布の使用も効果的でしょう。
症状が落ち着いてきたら、ストレッチや軽い運動から徐々に活動量を増やしていきます。
手術療法
保存療法で改善が見られない場合や、重症度が高い場合には手術を検討することもあります。
腱組織の縫合や骨からの剥離、再固定などの処置を行い、損傷した腱組織の修復や付着部の状態改善を目指します。
手術を受ける場合は、重症度や術後の経過、リハビリの進行度によって変わるものの、1〜2週間ほどの入院が必要になるでしょう。
また、退院後も医師の指示に従ってリハビリを行い、スポーツの復帰までには3〜6カ月かかる可能性もあります。
PRP療法など再生医療
近年注目を集めているPRP療法は、患者さん自身の血液から作った血小板濃縮液を患部に注入する治療法です。
従来の治療で改善が見られない場合の新たな選択肢として期待されています。
血小板には成長因子が含まれており、組織の修復や再生を促進する効果があります。
そのため、腱の損傷部位に直接注入すると、自然治癒力を高める働きが期待できるのです。
ただし、PRPの治療効果については、まだ研究段階の部分も多く、保険適用外の治療となります。
費用面や治療回数など、医師とよく相談しながら検討してみてください。
また、当院でも行っている再生医療については以下の記事でも詳しく紹介しています。
まとめ|大腿四頭筋腱付着部炎は正しいケアで早期回復を目指そう
大腿四頭筋腱付着部炎(ジャンパー膝)はバレーボールやバスケットボールなど、ジャンプの多いスポーツで起こりやすい症状です。
膝上部の痛みや階段での違和感、しゃがむ動作での痛みなど特徴的な症状が多く見られます。
主な原因は、スポーツでのオーバーユースや急な運動開始、筋力不足などさまざまです。
早期発見と適切な治療が回復への近道となりますので、痛みを我慢せずに早めに医療機関を受診しましょう。
また、当院「リペアセルクリニック」では再生医療治療も行っております。ジャンパー膝の症状でお悩みの方は「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。
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大腿四頭筋腱付着部炎に関してよくある質問
大腿四頭筋腱付着部炎と大腿四頭筋腱炎の違いはなんですか?
大腿四頭筋腱付着部炎は、膝蓋骨上部の付着部に炎症が生じる症状です。
一方、大腿四頭筋腱炎は、太もも前面にある腱全体に炎症が起こる状態を指します。
膝蓋骨上部に痛みが出る大腿四頭筋腱付着部炎に対し、大腿四頭筋腱炎は、太もも全体に広がる痛みや違和感が特徴です。
治療方法は似ていますが、それぞれの症状に合わせた適切なケアが必要になるでしょう。
大腿四頭筋腱付着部炎の全治期間はどれくらいですか?
症状の程度や生活スタイル、治療方法によって回復期間は大きく異なります。
一般的な目安として、軽症であれば数週間、手術が必要な重度の場合は3〜6カ月程度の治療期間が必要です。
ただし、完全に無理なく運動できるまでには、さらに時間がかかる場合もあります。
焦って早期復帰すると再発のリスクが高まるため、医師の指示に従い段階的なリハビリを行いましょう。
大腿四頭筋腱付着炎の場合、サポーターはどのように選べばいいですか?
サポーターは、膝蓋骨上部をしっかり固定できるタイプで、素材は通気性が良く長時間の使用でもムレにくいものがおすすめです。
サイズは膝周りをメジャーで測り、適切なものを選択します。きつすぎると血行不良の原因になり、緩すぎると効果が期待できません。
また、活動内容に応じて固定力の異なるタイプを使い分けることで、より効果的なサポートが可能になるでしょう。
また、以下の記事でもサポーターの選び方や注意点を解説していますので、ぜひ参考にしてください。
当院では大腿四頭筋腱付着部炎の治療を行っておりますので、辛い症状でお悩みの方は「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。
監修者
![坂本 貞範(医療法人美喜有会 理事長)](https://fuelcells.org/img/topics/sv01.jpg)
坂本 貞範 (医療法人美喜有会 理事長)
Sadanori Sakamoto
再生医療抗加齢学会 理事
再生医療の可能性に確信をもって治療をおこなう。
「できなくなったことを、再びできるように」を信条に
患者の笑顔を守り続ける。