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変形性膝関節症の症状のために、歩行時にぐらついたり、痛みが生じたりしている人のなかには、サポーターを使ってみようと考えている人もたくさんいると思います。そして、「サポーターなら何でもいいだろう」「つけ方なんて適当で大丈夫だろう」と思っている人もいるかもしれません。 しかし、変形性膝関節症の人がサポーターを使用するのは有効ですが、サポーターの選び方やつけ方は重要です。今回は、変形性膝関節症のサポーターの選び方やつけ方を解説します。 変形性膝関節症でサポーターをつけたい!選び方やつけ方で注意することはある? 変形性膝関節症の対策としてサポーターを使うのは基本的には有効です。しかし、適当にサポーターを選んでつけると、サポーターの効果がじゅうぶんに発揮されない可能性があります。 また、変形性膝関節症の進行具合や炎症の箇所などによっては、サポーターをつけると逆効果になることもあるので、サポーターを使用していいかどうか、まずは主治医に相談しましょう。 そして、主治医に相談してサポーターを使用することになった場合は、サポーターの選び方やつけ方で注意すべきことがあります。 清潔な状態で使用する 変形性膝関節症でサポーターを使用するときは、膝もサポーターも清潔な状態で使用するようにしましょう。もしも清潔な状態が保たれていない状態のまま使用すると、皮膚がアレルギー反応を起こしたり、接触性皮膚炎を引き起こしたりする可能性があります。 また、膝の汗をしっかりと拭きとってから使用しないと、サポーターがズレてしまうことがあります。汗をかいているときは、汗をしっかり拭きとってからサポーターをつけるようにしましょう。 長時間の使用は避ける サポーターを正しく装着していても、長時間つけていると患部が圧迫されて血流が悪くなってしまいます。また、ずっと使用し続けていると膝を支える筋力が低下してしまうので、長時間の使用は控えるべきです。 サポーターは動く直前につけたり、定期的に外したりして、できるだけつけている時間を短くする工夫をしましょう。また、短い時間であっても安静時には外す習慣をつけましょう。 定期的に交換する サポーターを長期間使用していると素材が伸びたり劣化したりして正しいつけ方でつけてもフィットしなくなってくることがあります。 サポーターは正しくフィットしていることで効果を発揮するので、長期間使用したために、伸びたり劣化したりしてうまくフィットしなくなってきたなと思ったら、新しいものに交換するようにしましょう。 変形性膝関節症のサポーターの選び方とつけ方の基本 変形性膝関節症の人がサポーターを使用し、効果をじゅうぶんに得るためには、つけ方だけでなく、どのようなサポーターを使用するのか、選び方も重要です。 現在は、いろいろな種類のサポーターが販売されていますが、どれも大差ないだろうと適当に選んで使用するべきではありません。適当な選び方をしたサポーターだと、正しいつけ方をしても変形性膝関節症への効果が得られないばかりか、悪影響になってしまうこともあります。 自分の膝のサイズが合ったものを選ぶ 変形性膝関節症でサポーターを使うときは、まず、自分の膝のサイズに合ったものを選ぶことが大切です。せっかくサポーターをつけてもサイズが合っていないと、サポーターで膝をしっかり固定することができなくなり、サポーターをつける意味がなくなってしまいます。 また、サポーターを選ぶときは自分のサイズを知っておく必要があるので、事前に測っておきましょう。サイズの測り方はメジャーを準備して膝の皿の部分から上下10㎝の部分を測ります。 用途に合ったものを選ぶ サポーターにはスポーツをする人におすすめのタイプや立ち仕事をする人におすすめのタイプ、高齢者におすすめのタイプ、リハビリをおこなう人におすすめのタイプなどいろいろあり、自分の用途に合ったものを選ぶことが大切です。 変形性膝関節症の対策として選ぶ場合は、症状の度合いや体重、筋力、足の状態(O脚など)によってもどれが合うかは異なってくるので、選び方は判断がすごく難しいです。主治医に相談して自分の用途に合ったものを見つけましょう。 使用感の良いものを選ぶ 変形性膝関節症のサポーターを選ぶ際は、使用感についても重視すべきです。サイズが自分にピッタリであっても、実際に使用してみたときに不快に感じると、長く使用することが難しくなってしまいます。 サポーターを販売しているところでは、サンプルを置いているお店もあるので、実際に試して使用感をチェックするのがおすすめです。 変形性膝関節症のサポーターのつけ方 変形性膝関節症の人がサポーターを使用する場合、サポーターの選び方だけではなく、正しいつけ方で使用することも大切です。 変形性膝関節症のサポーターのつけ方のポイントを紹介します。 サポーターのつけ方の手順とコツ ベルトを締めるタイプのサポーターの場合、サポーターは上の方から締めていきます。上のベルトを締めるときは、強く締める必要はなくフィットしていると感じることができるくらいでじゅうぶんです。 上を締めてズレがないかチェックしたら、今度は下のベルトを締めます。下の方を締めるときは、膝の皿の部分をきちんと補助することができるように下から上に引き上げながら締めるのがポイントです。 下の方は上の方よりも強めに圧がかかるように締めますが、強く締めすぎないように注意しましょう。 立った状態で装着する サポーターをつけるときは、立った状態で装着するのがおすすめです。立ち姿勢で膝を伸ばした状態でサポーターをつけると、しっかりとサポーターが巻き付いて膝を曲げたときに緩みにくくなります。 サポーターなしで立つのが難しいという人は座った状態でつけても問題ないので、無理して立った状態でつける必要はありません。座った状態でサポーターをつける場合は、膝を少しだけ曲げた状態でつけるとしっかりとつけることができます。 膝を動かして確認する サポーターをつけ終えたら一度膝を軽く動かしてみて、締め付けが強すぎないかチェックしたり、ズレがなくきちんとフィットしているかチェックしたりすることが大切です。少しでも強すぎたり、フィットしてなかったりしている場合は、面倒でもそのまま使用せずにきちんとつけ直しましょう。 まとめ 変形性膝関節症のサポーターの選び方やつけ方について紹介しました。 変形性膝関節症の対策としてサポーターを使用する場合は、主治医に相談した上で自分に合ったサポーターを選び、正しいつけ方を守って使用するようにしましょう。 No.0012 監修:院長 坂本貞範
2021.03.03 -
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膝が悪い人がサポーターをしている姿を見たことがある人はたくさんいると思います。そして、変形性膝関節症に悩まされている高齢者のなかには「自分もサポーターをつけたら少しは楽になるかな?」「変形性膝関節症と言われたからサポーターをつけがほうがいいのかな?」などと考える人もいるのではないでしょうか。 今回は、変形性膝関節症の高齢者にサポーターはおすすめかどうかについて、また、サポーターのメリットや使用時に注意すべきことについて紹介します。 変形性膝関節症の高齢者はサポーターをするべき? 結論から述べると、変形性膝関節症の高齢者はサポーターをしたほうが良いと言えます。 変形性膝関節症の高齢者にはサポーターがおすすめ 変形性膝関節症の高齢者に、膝サポーターはおすすめのアイテムです。変形性膝関節症になると、軟骨の擦り減りによって膝が不安定になったり、痛みが生じたりして歩行が困難になります。 しかし、サポーターで膝を固定することで、膝が安定し痛みを和らげることができるので、歩行しやすくなります。また、サポーターによって膝が温められ、冷えによる痛みを和らげることもできます。 このように、変形性膝関節症においてサポーターの使用はとても有効です。ただし、使い方には注意点があります。 変形性膝関節症の高齢者がサポーターをつけるときの注意点 変形性膝関節症の場合、高齢者に限ったことではありませんが、サポーターで膝を安定させることで、ずいぶん歩行がしやすくなる!という人はたくさんいます。 しかし、良い効果を得るためにも、正しい使い方をしなければなりません。 自己判断でサポーターを使用しない 基本的に、変形性膝関節症の高齢者にサポーターはおすすめです。しかし、炎症の箇所や症状の度合いによってはサポーターを使用することで、余計に痛みが生じてしまうこともあります。 また、慢性皮膚炎の人や、膝の周辺に傷や湿疹がある人などが使用すると、皮膚の症状が悪化する可能性がありますし、化学繊維にアレルギーがある人はサポーターでアレルギー症状が出る可能性もあるので気をつけましょう。 「膝のサポーターを使用してみようかな」と考えている人は、まず主治医に相談してから使用してくださいね。 変形性膝関節症の高齢者がサポーターをつけるメリットとは 変形性膝関節症の高齢者がサポーターをつけることにはたくさんのメリットがあります。 歩行がしやすくなる 変形性膝関節症の人は、膝を動かしたときの痛みなどによって歩くのが困難になってしまいます。さらに高齢者の場合は膝を支える筋肉量も低下してしまっているため、余計に歩行が困難になるでしょう。 また、歩行が不安定な状態が続くと、歩くことに対して不安な気持ちになり、歩くことを躊躇するようになる人も少なくありません。 そこで、サポーターを使用することをおすすめします。サポーターで膝を固定すると、膝の安定感が増して歩行も安定するようになりますし、膝が固定されてぐらつかなくなることで歩行するときの安心感を得ることもできます。 痛みを感じにくくなる サポーターをつけることで痛みを感じにくくなるのも大きなメリットです。なぜサポーターをすると痛みを感じにくくなるかというと、サポーターをつけて膝を圧迫すると触圧覚が刺激されるからです。 触圧覚とは、何かに触れたときに感じるもので、痛みを感じたときに痛みを脳に伝達する痛覚よりも早く、何かに触れたことを脳へ伝達します。サポーターで圧をかけ、触圧覚を刺激していると痛覚の反応が鈍くなるため痛みを感じにくくなるのです。 膝の冷えを防止する サポーターは膝を安定させたり、痛みを感じにくくしたりする効果だけでなく、冷えを防止する効果も期待できます。膝が冷えてしまうと血管が収縮して血液の流れが悪くなり、筋肉が硬くなってしまいます。 そして、膝の筋肉が硬くなったまま動かそうとすると、筋肉へ大きな負担がかかるため痛みを感じやすくなります。そのため、変形性膝関節症の高齢者が、寒い日の外出するときやエアコンが効いている部屋にいるときなどは、サポーターを冷え防止として使用することをおすすめします。 変形性膝関節症の悪循環をストップさせる 変形性膝関節症が進行すると膝の安定性が低下したり、痛みが生じたりするため、安静にしようと思ったり、動かすのが億劫になったりして、できるだけ動かないようにしようとする人が多いでしょう。 しかし、体を動かさないようにしていると軟骨の周囲を支えている筋力が低下します。すると、軟骨がさらに擦り減りやすくなるなど、悪循環を招きます。そして、変形性膝関節症になり、体を動かさなくなると悪循環に陥る高齢者が少なくありません。 ですから、悪循環がストップするようにサポーターを適切に使用しましょう。足を動かす機会が増えれば、軟骨の周囲を支える筋力が戻り、軟骨が保護されて、痛みにくくなります。変形性膝関節症の高齢者も、「年だから」と諦めずに、サポーターを使用して、無理のない運動をするようにしましょう。 変形性膝関節症の高齢者がサポーターを使用する際に気をつけることはある? 変形性膝関節症の高齢者がサポーターを使用することには多くのメリットがありますが、サポーターを有効的に使用するためには、注意すべきことがいくつかあります。 汗を拭いて使用する 歩行時にサポーターがずれると歩行しにくくなってしまいます。そうすると、膝や腰など、ほかの部位も痛みが出るという可能性があります。膝に汗をかいた状態でサポーターをつけると、サポーターがずれやすくなりますから、サポーターをつける前に汗を拭くようにしましょう。 正しく装着する サポーターは正しく装着することで効果を発揮します。上下左右の方向や位置を間違って装着すると、サポーターの役割をじゅうぶんに果たすことができませんし、血行不良になることもあります。ですから、装着方法はきちんと確認してから使用しましょう。 安静時はサポーターを外す サポーターを長時間使用していると、うっ血や圧迫痛を引き起こしてしまう可能性がありますので、使用するのは運動時や歩行時だけにして、安静時はサポーターを外すようにしてください。 まとめ 変形性膝関節症の高齢者にサポーターはおすすめかどうか、また、使用するときに注意点などはあるのかどうかについて紹介しました。サポーターは、変形性膝関節症の高齢者にとって有効なアイテムなので、医師の指示通りに正しく使用するようにしましょう。 No.0011 監修:院長 坂本貞範
2021.02.16