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高位脛骨骨切り術の利点と知っておきたいデメリット 変形性膝関節症の治療方法には、大きく分けて「保存療法」と、「手術療法」の2つがあります。 保存療法にはリハビリテーション、装具療法、薬物療法などがあり、これらを色々と組み合わせることで行われます。そして、手術という選択肢は保存療法で効果が得られない場合に検討することになります。 手術療法の中でも、特に「高位脛骨骨切り術」と呼ばれる手術は、O脚変形のために内側部(内側大腿から脛骨関節)に偏った過重なストレスを、自分の骨を切って少し角度を変える処置が施されるものです。 この手技によって、膝の内側部に過度の負担となっていた外力のベクトルを比較的きれいな軟骨の存在する外側部(外側大腿から脛骨関節)に移動させることが出来ます。 一般的には、手術を受けた結果として通常では脚の形はO脚からX脚に変化します。 この手術治療では、患者さんの膝関節が温存できますので、正座が引き続き可能であり、普段の生活はもとより、スポーツや、農業などの仕事へ復帰出来る方々も多くいらっしゃいます。 一方で、ある程度の入院期間が必要で術後に骨が癒合するまでの間、痛みが多少なりとも続くことや、膝関節部周囲の機能的な回復には、リハビリをしっかりと行うことが必要となってきます。 そこで今回は、高位脛骨骨切り術が適応となる症例や高位脛骨骨切り術について予後に後悔のないように、その利点、メリットとデメリットについて説明していきましょう。 高位脛骨骨切り術が適応となる症例とは? まず過度なスポーツ活動による関節に対して負担の大きな動き、専門的に言うと膝内反モーメント(ひねり)の増大により内側骨端線が早期閉鎖して脛骨内反(O脚)が起こりやすく、普段の生理的なレベルを逸脱した脛骨内反そのものが将来の「変形性膝関節症」の発症リスクとなります。 要は、通常とは違う動き、激しい動き、加重、ひねり、衝撃などが繰り返されることで関節の負担が増えると、同時に関節症のリスクも増えるということです。 後悔先に立たず!激しい運動の前には、ストレッチや準備体操をしっかり行い、終わりには整備体操やストレッチなどを入念に行うなど体に対する十分なケアを忘れず実施しましょう。 加えて申し上げるなら、これら体操やストレッチも自己流ではなく、適切な方法をトレーナーなどから指導を受けて行うべきです。通常では、股関節から足の甲までを一直線に結ぶ線を「荷重線」といいます。 一般的に変形性膝関節症を罹患している方の多くは、この荷重線が膝の内側を通っているので、膝の内側に荷重がかかり過ぎて膝に障害が起こります。高位脛骨骨切り術では、この「荷重線」を膝の中心に近づける手術を行います。 ではどんな方々がこの手術を受ける対象になるのでしょうか 一般的には、高位脛骨骨切り術の適用年齢は、概ね50歳〜75歳までで、変形性膝関節症を認める症例の中でも中程度の変形を呈する方に薦められることが多いです。 若年者でも症状が強いケースであるならば高位脛骨骨切り術を行って、下肢機能軸や脛骨近位の内反角を正常化すべきであるという意見もあります。 また、人工膝関節置換術は、骨と人工の異物を接合する都合上、ゆるみなど再手術が必要になることがあり、そうなれば初回の手術よりも再手術は、手技的に難しくなることがあります。 そのため、再手術のリスクを避けるために65歳よりも若い方にはこの高位脛骨骨切り術が勧められています。 また、変形性膝関節症の症状が中程度までで、まだまだ運動や肉体を使う仕事を続けたいなどの場合を含めて年齢を問わず活動性が高い患者さんには本手術治療を受けることをお勧めします。 高位脛骨骨切り術のメリットとデメリット さてここからは、「高位脛骨骨切り手術」自体の利点と欠点について紹介していきます。 まずは利点、「メリットから」ご説明します 高位脛骨骨切り術では、O脚に変形した脚を、X脚ぎみに矯正して変形性膝関節症の進行を遅らせることが出来る唯一の術式と考えられています。この手術の最大のメリットは、最終手段の人工関節を使わずに「自分の関節を残したまま」で症状を改善することが期待できる点です。 また、比較的侵襲(体への負担)が少ない手術であり、手術後の日常生活に対する制限も少なく、スポーツさえ継続できて、要否はともかく正座が可能になる症例も多く見受けられるため、変形性膝関節症において現在最も推奨される治療法であると言えるでしょう。 しかも、最近の高位脛骨骨切り術は、新しい手術方法が開発された結果、術後早期からの歩行も可能になっています。 入院期間も従来の人工膝関節置換術とほとんど変わらず、およそ4週間~6週間が平均的です。 高位脛骨骨切り術を受けた場合のリハビリは、術後1週間位から徐々に膝に体重をかけ始めて、3週間以内には全体重をかけて歩行訓練を施行します。そして、4週間~5週間程度で安定した歩行、階段の昇降、日常生活動作などをクリアすることで軽快退院の運びとなります。 次に、知っておくべき欠点、「デメリット」に関するお話しです 従来の高位脛骨骨切り術は、骨癒合までの数ヶ月間、手術した足に十分な体重をかけることが出来ず、入院が長期にわたるのが欠点でした。そのため、仕事をお持ちの方にとって復帰に時間が必要なことは大きな欠点でした。 そして、これまでにも高位脛骨骨切り術の処置に伴って腓骨短縮などの合併症や有痛性偽関節(骨がくっつかず、痛みも出る)が引き起こされることが問題としてあります。 また、高位脛骨骨切り術を受けたのちに、骨が癒合するまで多少なりとも膝部の痛みが続くと言われており、実際に術後の痛みが軽快して骨癒合が完了するまでに個人差はあるものの、およそ半年以上は時間がかかるとも伝えられています。 つまり、膝機能がある程度満足が得られるレベルまで回復するためには、気苦労の多いリハビリをコツコツ、しっかり行う必要があると言えるでしょう。 高位脛骨骨切り術のメリットとデメリット/まとめ 変形性膝関節症は慢性疾患であり、骨肉腫などのように、命に関わるといった疾患ではありません。従って、どのような治療法を選択するかは、患者さん一人ひとりが望むゴールによって変わってきます。 例えば、変形性膝関節症を抱える80代の高齢者であっても、「登山や舞踊が長年の生き甲斐なので今後もあきらめずに続けたい」などの目標がある場合には、高位脛骨骨切り術で自分の関節を温存できるようにチャレンジするケースもあります。 高位脛骨骨切り術とは、脚の形をO脚からX脚に変える手術であり、変形性膝関節症によって内側に偏っている過重ストレスを自分の骨を切って角度を変えることによって反対の外側に移動させる治療方法です。 この手術では、術後に多少疼痛は伴うデメリットが挙げられる一方で、自分の関節を温存して機能を維持することができるために術後の日常生活にほとんど制限がない所が大きなメリットと言えます。 いずれにしましても病院等の医療機関を受診され、しっかりご相談されることをおススメします。 今回の記事の情報が少しでも参考になれば幸いです。 S006 監修:医師 加藤 秀一
最終更新日:2023.10.16 -
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膝に水が溜まる症状を放置しないでください!原因と治療法 病院やクリニックで「膝に水が溜まっていますね・・・」と言われた経験はありませんか。膝に水が溜まっていると、膝が全体的に腫れて重苦しい感じになり、膝の曲げ伸ばしが不自由になります。 少し専門的な話になり恐縮ですが少しだけお付き合いください。膝の関節は関節包という組織で覆われており、その内側に滑膜というものが存在します。その滑膜の中には「関節液(滑液)」という潤滑液とも呼べるもので満たされています。 この関節包の中の関節液は、膝関節の軟骨同士がぶつからないように関節の保護や潤滑を担い、スムーズな関節の曲げ伸ばしといった動きを実現するため存在し、歩いたり、走ったり、座ったりする仕草のあらゆる場面で無くてはならない大切な存在なのです。 機械に例えれば歯車に油をさして滑りを良くすることで、歯車の摩耗を防ぎつつ、滑らかな動きもサポートする。そんなイメージが近いと思われます。良くできた仕組みです。 しかし、この滑膜部位に何らかの無理な負担がかかって傷つくことが原因になり一旦、滑膜が炎症を起こしてしまうと、この「関節液」が余分に出てしまう状態になることがあり、そうなると困ったことになってしまうのです。 ・関節液こそが「膝の水」の正体です。 ・よく言う「膝に水が溜まる!」といった症状の原因となるものです。 そこで今回は、膝関節に違和感を感じたら放置しないで早めに整形外科を受診してほしいとの思いから「放置厳禁!膝の水」と題して膝の腫れや、膝の違和感、膝の痛みを我慢したり、放置することなく、ケアする大切さをお伝えするために「膝に水が溜まる病気」の原因とその治療法について解説させていただくことにしました。 1.膝に水が溜まる原因とは? 膝に水が溜まる直接的な原因は、関節液の多量分泌。要は、風呂の水を出しっぱなしにして、あふれるような状況になってしまうことです。このような状況になってしまう原因は、通常の場合、滑膜の炎症が起こることによってもたらされます。 では、なぜ滑膜に炎症が起こるのでしょうか。 それは関節液の内部構造における質の変化が大きく関係しています。年齢的に若くてもスポーツなどで激しい動きや、無理、負担の大きな動きで膝の部位に強い負荷がかかると膝の中の軟骨が損傷を受けてしまうことがあります。 また、40代以降の中年層や高齢者などでは、日常生活のちょっとした動作でも、それが繰り返されるうちに最初は小さな損傷であっても動きが繰り返されることで膝レベルでダメージが蓄積していくことになります。 その結果、少しずつ軟骨や、半月板などの膝周囲を囲む組織が摩耗して、削り取られてしまうのです。こうして削り取られた組織の一部のかけらが関節液の中を漂って、滑膜を刺激することになってしまいます。 一般的に関節液は、関節内にある滑膜という膜から産生されています。 この関節液、正常では関節軟骨の表面を潤すくらいのわずかな量だけ貯留していれば良いのですが「変形性膝関節症」や、「半月板損傷」などにより膝関節の中に何らかの炎症が引き起こされると、それに反応し過剰な関節液が産生されてしまうことになります。 その結果、「水が溜まる」という現象が起こってしまう!という訳です。 それ以外にも骨折や、靭帯損傷などの外傷性の変化、感染、関節リウマチ、痛風、偽痛風などでも膝に水が溜まると言われています。今日では膝の変形性膝関節症において、膝部における水腫や滑膜病変の存在自体が「変形性膝関節症」に伴う痛みと進行度の両方に密接に関連することが明らかになってきています。 つまり、水が溜ることで苦痛が増しかねないということで、放置は厳禁ということになります。 また、変形性膝関節症では軟骨下骨と、滑膜が重要な疼痛源(組織損傷が起こったとき、あるいは組織損傷が起こりそうなとき、あるいは痛みなどの不快な感覚体験)となっていることが知られております。 特に滑膜部では滑膜炎によって放出される炎症性サイトカイン(炎症を引き起こす物質で炎症反応を促進する働きを持つタンパク質)などが増加することで侵害受容器の受容体や感覚神経のイオンチャネルの興奮性を亢進(高めて進行)させることで膝痛が増悪すると言われています。 https://youtu.be/IyBCkOjTPi8?si=bas3ARteYRwx1IdR 2.膝に水が溜まった際の治療法とは? さてここからは、膝に水が溜まった際の治療法について紹介していきます。 従来からよく耳にするのは、「膝の水を抜くと癖になる!だから抜かない方が良いのではないか?」という疑問点について、この意見は必ずしも正しくはありません。 前章でも説明した通り、膝に水が溜まっている原因は膝の炎症が強く関与しているため、「水を抜くから癖になるというのではありません」正しくは、炎症が続いているから→ 水が溜まり続けて→ 癖になっているのでは?!と感じるのです。 ✕ 水を抜くから癖になる・・・違います! 〇 膝の炎症が続いているから、抜いても水が溜り続ける・・・正解(治療を行い症状の改善を目指す) したがって、重要なのは膝内部の炎症をしっかり抑制してコントロールすることにあります。時に水を抜かずに放置することは、滑膜部の炎症を長引かせる要因になりえます。 膝の水をどうする? ・放置しない → 抜く方が良い ・放置すると → 症状が悪化 ・放置すると → 炎症が長引く可能性 ・正解は → 水を抜きながら、根本的な症状の改善を目指す 繰り返し水が溜まるという症状は、膝に溜まる関節液の中に炎症を引き起こす物質(炎症性サイトカイン)が含まれていることをご存知でしょうか? そのため、放置せず膝内部の炎症を鎮めることを念頭に治療を行っていただくことが理にかなっています。適切に治療に繋げるためには、まずは損傷部位を正しく把握して、同部に対してしっかりと炎症を制御するアプローチを行うことが大切です。 また、膝に水が溜まった際に水を抜く処置を行う理由は他にもあります。 例えば、水が溜まっている原因が細菌感染の場合では、放置すれば膝関節内部でどんどんと細菌が繁殖して、益々膝部が腫脹して自覚的にも痛くなってきます。 この場合にも、水が大量に溜まった状態のままで放置しますと、膝の重苦しい感じが持続して、膝の動きがさらに悪くなり、日常生活において正座が出来ない、あるいは左右の膝の伸展度が違うなどといったことを経験する事も起こり得ます。 さらに、正常とは言えない関節液には様々な物質が含まれていて、関節の軟骨そのものに悪影響を及ぼすことも十分に考えられます。 もし、水が溜まっている原因が「変形性膝関節症」であった場合には、そのまま放置していると、どんどん病状が進行してしまい、末期になると人工関節の手術を選択するなど選択肢が狭められてしまいます。それだけは避けたいものですね。 再生医療の可能性 ただ、このような手術しかないとの診断を受けた方への朗報として近年、医学の目覚ましい発展で人工関節を避ける方法があることもご報告しておきます。これは人工関節を避けるだけではなく、手術すら不要。日帰りで治療できてしまう?というものです。 それが「再生医療」といわれる先端医療で傷ついた膝の軟骨を自力で再生させることで症状の改善を目指すものです。もしも、あなたが人工関節など、手術しかないとの診断を受けて迷われているなら、日進月歩のこのような先端医療分野を検討されても良いかもしれません。 このように治療方法に光明が見えては来ましたが、まずは放置せず、手遅れになる前に整形外科をはじめとした専門医に出向むいて、膝の状態を診てもらい、それに適した治療を受けることが重要な視点となります。 まとめ・膝に水が溜まる症状を放置しないで!原因と治療法 一般的に、膝関節は関節包という袋で覆われており、その内側には「滑膜」という組織があります。関節包の内部は滑膜から分泌される関節液で満たされていますが、その量は通常では約1~3mL程度です。 ところが、いったん滑膜部が炎症を起こすと、関節液の量は概ね20〜30mLにまで増加傾向を示し、「水が膝に溜まる」とはこのような状態を指しています。 膝の痛みや、膝が腫れ、膝に違和感を感じたら悪化を防ぐためにも早期に病院等、医療機関を受診しましょう。 したがって、膝に水が溜まっている際には膝関節内の骨以外の組織である軟骨、靭帯、半月板などの状態を把握しやすいMRI画像なども基準にして専門医が詳しい状態を分かり安く評価した上で、生活スタイルを考慮した形で的確な治療を提案してもらいましょう。 今回の記事の情報が少しでも参考になれば幸いです。 No,005 監修:医師 加藤 秀一 ▼ 再生医療で膝の痛みを治療する 膝の痛みは、再生医療なら入院や手術をせずに改善を目指せます ▼合わせてお読みください 膝に溜った水を抜いたあとの注意点とは
最終更新日:2024.03.05 -
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膝痛の原因と治し方|40代以降に急増する変形性膝関節症にご注意 年齢的に40代を過ぎたころ、中年期以降に膝の痛みでよくご相談いただくのが「変形性膝関節症」といわれる病気です。これは関節の軟骨がすり減りが原因となって起こる進行性の病変で注意が必要です。 この変形性膝関節症は、膝に痛みを生じさせ、症状が進行すると歩行も困難になってしまうなど、注意が必要です。この足の膝に対する病気は加齢に加え、慢性的に膝に機械的な刺激が加わることが原因で発症する骨の変形、変化です。 膝の痛みに対する治療として第一の選択肢は、保存的治療です 変形性膝関節症で膝の痛みが発症すれば、種々の保存的治療を試みるべきです。治療目標の達成度が十分でない場合には生活の質をできる限り高めるために、観血的治療(手術など)や再生治療も含めて個々人に沿った治療方針を定めるべきと考えられています。 そこで今回は、中年期以降に注意したい「膝痛の原因とその治し方」についてご説明してまいります 40代以降に起こる膝の痛み/変形性膝関節症の原因や症状 若いときには、ほとんど膝に痛みなど感じなかったのに、40歳を過ぎたあたりから徐々に膝の痛みを自覚し始めるという方が近年、増えてきています。 調査によれば、膝に痛みを感じ始めた年齢でもっとも多いのは50代(全体の約29%)であり、次いで40代(全体の25%を占める)であったとのことです。 40代から50代といえば、働き盛りで人生にとっても重要な時期に位置づけられているかと思います。そんな40代からはじまる膝の痛みの原因について、その多くは変形性膝関節症であると認められます。 変形性膝関節症とは、膝の関節内でクッションの役割をしている関節の軟骨が、すり減ってしまい、骨と骨が摩擦を起こすような状態になって膝の関節が変形する病気です。 痛みについての症状は、歩くだけで傷んだり、座る、かがむなどの動きに関する傷み、静止状態でも膝を曲げると痛いとか、伸ばしても痛む、それが複合するなど一旦発症すると色々な場面で痛みが起こる可能性があります。 典型的な症状としては、初期のころは「膝が強ばる」などの違和感から始まりますが、放置すると徐々に階段の上り降りする際や、立ち上がるときに「膝が痛む」、そして炎症により膝が腫れて、強い膝の痛みを自覚するという具合に、次第に強い症状が出現します。 変形性膝関節症 1. 膝関節の軟骨のすり減り 2. 骨と骨が摩耗を起こす 3. 関節が変形する 変形性膝関節症の原因・症状チェック!症状の場所は、内側か外側か? 変形性膝関節症の症状について、症状の出る場所は大きく二つに分けられ、一つは「膝関節の外側がすり減る外側型」、そして二つ目が「膝の内側の関節がすり減ってしまう内側型」であり、どちらの場所もその特徴は大きく異なります。 変形性膝関節症の症状、痛む場所 ・膝関節の外側がすり減る「外側型」 ・膝の内側の関節がすり減ってしまう「内側型」 例えば、外側型の場合には、怪我や病気などによる二次性の原因から発症に至ることが往々にしてあります。また、内側型のケースでは、「加齢や肥満」、「O脚」などの一次性の原因が多く認められます。 膝関節にかかる体重の負荷度合いとしては、内側が7割、外側が3割程度と言われていますので、加齢や肥満、O脚などの要因によって負担の大きな「内側型の変形性膝関節症を発症する方が多い」と考えられます。 膝の痛み|変形性膝関節症の原因 ・外側型の症状:ケガや病気などが原因となる二次性の要因 ・内側型の症状:「加齢や肥満」「O脚」などが原因となる一次性の要因 ・→ 内側型の変形性膝関節症を発症する方が多い(外側よりも) 膝関節は、平坦な道を歩くだけでも体重のおよそ3倍の負荷がかかり、立ったり、しゃがんだりすれば更に体重の概ね8倍も負担がかかると言われています。 私たちは、知らず知らずのうち、日常生活だけでも繰り返し膝を酷使しがちです。そこに加齢や体重が過剰になってしまうと、意識しない簡単な繰り返しの負荷が、いつしか過酷となり、膝軟骨が擦り減っていくことで支えきれなくなります。 知らず知らずのうち仕事や日常生活で膝の負担が増し、関節の軟骨がすり減ってしまいかねません。その意味でも中年期以降は、膝の負担を考え、肥満を避けて標準体重を意識した体重管理や、運動などで筋肉を維持し、予防を心がけましょう。 中年期以降に注意すべき膝痛の治し方 さて、ここからは40代以降の中年期に注意すべき膝の痛み、特に変形性膝関節症の治療方法について紹介してまいります。 まずは、ご自身でできる有効な予防法としては、膝の負担を減らすために極度に体重を増やさない。О脚の場合には治療に取り組み、また正しい姿勢で歩くことや正しい靴を選ぶ手段など様々考えられます。 膝の痛みには、膝の負担を減らす ・体重管理に努める(適正体重の維持) ・O脚の治療 ・正し姿勢を意識し、保つ ・正しい靴を選び正しい歩き方を身に付ける また、どんなケースでも有用となる膝痛のリハビリは「膝の曲げ伸ばし」や「軽めのストレチ」をすることが重要です。ただし、この膝の曲げ伸ばしについては、筋力トレーニングではありません。 変形性膝関節症の方で、膝の痛みに対して膝周りの筋力強化が有効と聞くと、早く治したい気持ちが勝って運動療法でありながらハードな筋力トレーニングやランニングなどで膝部分に過度な負担、無理を強いてしまいがちです。 それでは膝軟骨は余計に擦り減ってしまい症状が悪化し、かえって支障が出ます。したがって筋トレではなく、膝のストレッチや、ゆっくりとした曲げ伸ばし運動などのエクササイズを中心とした運動療法を毎日、継続的に行うようにしましょう。 人工関節の手術を避けて再生医療で治すという新たな選択肢 最近では、ヒトの皮下組織に存在する脂肪組織由来幹細胞を用いた再生医療によってひざ痛が改善する可能性が期待されており、本邦でも変形性膝関節症に対してこの幹細胞による再生医療が本格的に開始されています。 専門的になりますが、この脂肪組織由来幹細胞は、骨芽細胞、脂肪細胞、筋細胞、軟骨細胞などの間葉系に属する細胞への分化能を有しています。 変形性膝関節症は退行性疾患であり、疼痛には痛み止めの薬で痛みを抑え、対症療法的な理学療法のみを行って、根本的な治療を行わなければ徐々に症状が悪化すると考えられています。 従来、変形性膝関節症は治らないものでした。そのため、症状が進行すると人工関節置換術といった手術を選択するしかありませんでした。 それが脂肪組織由来の幹細胞を用いた再生医療により「膝軟骨が再生される」ことで膝周囲の疼痛が軽減した中で適切な理学療法を行えば変形性膝関節症における症状の改善効果が得られるようになってきたのです。 再生医療による治療は従来、これまで手術しか選択肢がなかった変形性膝関節症を切らずに改善を期待できる新しい方法として注目を集めています。以下をクリックしてお確かめください。動画や詳しいご説明がございます。 ご参照ください。 まとめ・膝痛の原因と治し方|40代以降に急増する変形性膝関節症にご注意 膝の痛みの原因について、その多くは変形性膝関節症です。仕事や、運動、日常の動作などを通じた膝の酷使、そして加齢が原因と考えられます。 40代以降に起こりがちな膝の痛み、変形性膝関節症において、擦り減った関節軟骨は再生医療を利用する以外、もとには戻りませんが、ただ努力次第で現状以上に擦り減らないように症状の進行を遅らせたり、状況を維持することは可能です。。 膝が痛いから、変形性膝関節症になったからと膝関節を安静にしすぎると良くないことです。膝関節は動かさなくなれば徐々に硬くなり機能が低下してしまいます。 そのためには、膝への負担をかけないよう意識しつつ、体重の管理やストレッチなどの筋肉量を落とさないエクササイズが有効です。それでも進行が進めば手術または再生医療などの先端医療に頼るという方法があります。 その意味で中高年の方で長時間座ってデスクワークを行う場合には、膝の痛みの強度や変形度合いに関係なく、出来る限り時間をみつけて膝の屈伸運動を心がけるなどの注意が必要です。 いずれにしましても中年期以降に少しでも膝の部分に違和感や、痛みを感じた際には、症状がひどくなる前、早めに整形外科を受診されることをお勧めします。放置が一番危険です。遅くなるほど選択肢が狭まってしまうからです。 尚、手術などの選択で迷われた場合、切らずに修復し、軟骨を再生し、症状を改善できる可能性のある「再生医療による治療」を検討する場合は、幹細胞を用いた最新の医療分野だけに、以下の点を注意して選びましょう。 1)厚生労働省の許認可を得ていること 2)再生医療専門の医師が対応すること 3)多くの症例を有し、豊富な経験と治療実績があること 4)親身になって相談に乗ってくれること この4つの条件をクリアしているか確認しましょう。以上、今回の記事の情報が少しでも参考になれば幸いです。 ▼歩行改善!笑顔を取り戻された患者様。診察風景など、こちらも是非ご覧ください。 https://youtu.be/2ok8ZbQ4OL4?si=dkj2-tyQN1U2y4oE ▼ 以上の条件をクリアした再生医療クリニックで治療を検討する 再生医療で手術せずに膝のお悩みを改善することができます S004 監修:医師 加藤 秀一」 ▼以下もご覧いただけます 変形性膝関節症を治療するには、治療法についても正しい知識を深めましょう
最終更新日:2024.03.22 -
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変形性膝関節症の画像診断と進行度合の目安、ステージ分類の仕方、自覚症状の見方 変形性膝関節症と診断されてから「どれくらい進行しているのだろう?」ご心配や、お悩みは尽きないものです。もしかして「悪くなっているのか?、いや良くなっているかも」「平行線なのか?」自分の症状が今どの程度なのか。 実は、そんな症状の進行度合を指標とした指標があります。それが「ステージ分類」というものと「自覚症状からの分類」というものがあります。 変形性膝関節症は、膝に痛みや変形をもたらし、日常生活に多大なる影響を及ぼします。進行すると手術の適応となるのですが、その進行度合いは画像診断や、患者様の自覚症状から見極められます。 そこで今回は、症状の進行を現す変形性膝関節症のステージ分類と、自覚症状による分類についてご紹介しましょう。 変形性膝関節症の「ステージ分類」の仕方 変形性膝関節症は、X線検査(x-ray)にて診断されます。撮影には寝転んだ状態で正面・側面から撮影する方法(非荷重位)と、立って撮影する方法(荷重位)があります。寝転んだ状態では、関節の隙間が広がり、正確に隙間を見ることができないため、立位で撮影することが大事です。 膝の診断レントゲン撮影 ・寝て撮影:否荷重位 ・立って撮影:荷重位(正確な診断にはこちらを選択する) X線により白く映し出された大腿骨と脛骨の末端に注視し、膝の状態を確認します。特に大腿骨と脛骨の隙間・O脚やX脚・骨棘(異常に突出した骨)が形成されているかどうかです。これらを元に、Kellgren-Lawrence(ケルグレンローレンス)分類のグレード0〜4のいずれかに分けて変形性膝関節症の進行度合いを表示します。数字が大きくなるほど進行が進んでいる状態を表示します。 Kellgren-Lawrence (ステージ分類) グレード0 ・大腿骨と脛骨の関節の隙間が十分にある正常な状態です。 グレード1 ・骨棘のほか、関節液が骨に侵入 ・溶解され骨に穴が空く骨のう胞、度重なる骨への負担から骨が異常に固くなる骨の硬化がみられる。 グレード2 ・関節の隙間が狭くなりますが、正常の2分の1以上の隙間が残っている。 グレード3 ・関節の隙間がさらに狭くなり、正常の2分の1以下になる。 グレード4 ・関節の隙間が消え、大腿骨が内側に傾くなど大腿骨と脛骨のズレが見られます。 ・また明らかな骨棘の形成が見られる。 こられ「X線検査」は、骨の状態や隙間を確認することには長けていますが、靭帯や軟骨などの軟部組織はハッキリと映し出されません。靭帯や軟骨を確認するには、明暗がハッキリわかるMRI(Magnetic Resonance Imaging)が使われます。 このように変形性膝関節症はX線にて診断され、画像を元に分類分けされます。 次に自覚症状などから分けられる4つの分類を紹介します。 変形性膝関節症の進行に沿った「自覚症状による分類」の見方 変形性膝関節症の自覚症状は「前期」「初期」「中期」「末期」と進行していきます。 「前期」の自覚症状 ・痛みは感じず、健康な状態です。軟骨変性といい関節軟骨に劣化や傷みが起こることがありますが外部から確認はできない。 ・ここから長い年月をかけて関節軟骨の弾力が少しずつ衰え、病気は進行する。 「初期」の自覚症状 ・この頃から軟骨が擦り減り始める。 ・X線では膝関節に変形はほとんどない。 ・主な症状は、膝の「動かしにくさ、こわばり、違和感」がある。 ・軟骨変性が進むと、関節軟骨のクッション機能が失われていき、一箇所に負担がかかることで骨硬化が見られる。 ・滑膜が炎症を起こし、激しい痛みを感じることがあるのも初期の特徴。 「中期」の自覚症状 いよいよ膝関節の変形が始まるのが中期。 ・初期の炎症が落ち着き、痛みは軽減される。 ・しかし痛みは慢性化し、日常生活動作に影響が出始める。 ・特に階段の昇降や、正座や立ち上がりなど、膝の曲げ伸ばしに関する動作に支障が出る。 ・動くたびに痛みを感じるので、痛みを庇うことで膝周囲の筋肉や靭帯を動かす機会が減る。 ・膝関節の動きが固くなり、制限がかかる状態を関節拘縮と言う。 「末期」の自覚症状 ・変形はさらに進行し、軟骨がほとんど擦り切れた状態。 ・大腿骨と脛骨が直接ぶつかることから、立つ・座る・歩くといった生活の基本の動作がまともにできなくなる ・膝が動かなくなる。 ・基本的にはじっとしていても痛みを感じ、杖や手すりなど、何かを頼りにしないと歩くのも難しくなる。 ここまで単純X線写真で判断するグレードと、自覚症状などから判断する「前期」「初期」「中期」「末期」の4つの分類を紹介しました。 しかし前項で紹介したX線検査でのKellgren-Lawrence分類が進行していたとしても、自覚症状が一致するとは限りません。 自覚症状があまり強くない場合や、その逆の場合もあります。 まとめ・変形性膝関節症の画像診断と進行度合の目安、ステージ分類の仕方、自覚症状の見方 いかがでしたでしょうか? 変形性膝関節症の画像診断と自覚症状における分類について、その見方や仕方をご紹介しました。両者の進行度合いが一致するとは限らないことから、膝に痛みがないからと安心してはいけません。 膝に違和感を覚えた時点で早期受診・発見することが、変形性膝関節症の治療の幅を広げ、進行を遅らせることができます。 また変形性膝関節症の基本的な治療は「運動療法」になります。膝周囲の筋肉を鍛え、膝への負担を軽減させることで、進行を遅らせることができるからです。 たとえ手術の適応となった場合でも、術後も運動療法を継続することが大事です。運動療法により膝の可動域を維持することで、その先の人生をいかに支障なく過ごせるかに関わってきます。 ▼ 最新の再生医療で変形性膝関節症を治療する方法をご存知ですか? 変形性膝関節症は「再生医療なら手術をせずに改善できます」早期はもちろん、末期でもご相談下さい! No.0023 監修:院長 坂本貞範 ▼以下もご参照ください 変形性膝関節症の最新治療|ヒアルロン酸ではできない軟骨の再生を期待できる治療法とは
最終更新日:2024.02.20 -
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変形性膝関節症、初期・中期・末期の症状痛みの段階と人工関節のメリット・デメリット、避ける方法 変形性膝関節症とは、骨の先端にある軟骨がすり減ったり骨が変形し、痛みや腫れを伴う状態をいいます。残念ながら一度すり減った軟骨に自力で復活するなどの改善を期待することは通常できません。 軟骨のすり減りが進行すると骨の周りを覆っている骨膜が露出し、骨膜同士が当たるようになり、そのため痛みが伴うようになってきます。さらに、そこに変形した膝の骨が骨同士に負担をかけてしまうことになり、痛みが倍増することになります。このように痛みを伴うのは、骨膜同士がぶつかり合ってしまうための痛みです。 膝には関節包と呼ばれる袋があり、袋の中には滑液と呼ばれる潤滑液で満たされています。古くなった滑液は、骨の先端から吸収され新しい滑液が流され、その流れが繰り返されます。しかし、骨同士のぶつかりが頻発すると炎症が起きます。 炎症が起きると、滑液が骨の先に吸収されずつねに膝の袋の中に滑液が貯まります。これが「水がたまる」と言われる現象で膝が変形した人や膝に痛みを伴う人に見られる症状の一つです。 膝の痛みを抑えるために、医者が診察時に患者さんによく言う言葉に「膝の痛みを取るためには筋肉を鍛えなさい」という言葉があります。一度は耳にされたことがあるかもしれません!筋肉を鍛える理由は、膝の周りにはいくつもの筋肉が膝の骨同士がぶつからないように支えており、年を重ねるにつれて筋肉は衰えます。 衰えるということは、膝を支えている部分が弱くなり、膝の骨同士がぶつかりやすくなります。お互いにぶつかりがないようにするために、筋力をつけろと言うわけです。 変形性膝関節症|初期・中期・末期の症状 変形性膝関節症は時間をかけて変形し、痛みの度合いも変化していきます。変形による痛みがどのように変わるのかを以下の3つに分けてご説明します。 1)初期症状 2)中期症状 3)末期症状 ※ご注意 変形による痛みではなく、違う膝の病気という可能性もあります。自己判断ではなく、病院で診察を受けていただくなど正確な情報をもとにして、お膝の具合と照らし合わせて確認されることをお勧めします。 1)初期症状 朝起きて動き始めに、膝がこわばる(曲げ伸ばししづらい)感覚があり、鈍い痛みが伴います。しばらく動かしたり歩いていると、こわばりもとれいつもと変わらない膝の曲げ伸ばしができるようになり、気にならなくなる方が多いようです。 最初の頃だと、膝の痛みが直ぐに消えるため、気になる方が少ないのが現状です。このような症状が出始めたときは、膝の筋肉が弱くなり、膝の骨同士が少しずつ当たり始めている状態です。 2)中期症状 中期になると、しばらく動かしていたら消えた痛みが中々消えず、正座やしゃがむという動作が辛くなります。他にも階段の上り下りが痛みを伴います。 この場合だと、膝の炎症が起き始め、膝も腫れて熱感も生じます。関節包(関節の袋)の中に滑液が貯まりはじめ、膝の変形も少しずつ始まります。 また軟骨がすり減っているため、関節の曲げ伸ばしのときに軋む音がします。 3)末期症状 関節軟骨がほとんど無くなり、骨同士がぶつかるようになります。炎症も常に続いているので、骨の変形も著しくなります。初期・中期で見られた症状全てが悪くなった状態で、「しゃがむ」「正座」「階段の上り下り」が困難になります。 日常の歩行も難しく、常に痛みを伴う状態です。痛みを常に伴うため、体だけでなく心の負担も大きくなり、精神的に追いやられる方が多いようです。 このように段階を経て膝の変形に伴い痛みのレベルも変化していきます。少しでも痛みや違和感を感じたときには、最寄りの整形外科を受診されることを強くおすすめします。 人工関節|メリットとデメリット 症状が末期になり、膝の変形がひどくなると、医者から「人工関節にしては?」と手術を勧められた場合、人工関節にはメリットとデメリットがあることを知ってご判断されることをお勧めします。 メリットは、歩行時の痛みが和らぎ、歩くことが楽になります。膝が痛むため、歩く機会が減ったという方にとっては何よりのメリットと言えるでしょう。 しかし、手術には感染症や深部静脈血栓・塞栓症などの合併症を引き起こす可能性があります。 また人工関節には寿命があり、それは10~15年と言われていることです。つまり、年齢によっては再び入れ替えるための手術が必要となる可能性があります。 こ例外、膝の痛みは取れても、正座や運動制限といった日常動作に対する制限も加わることもデメリットと言えるでしょう。 膝の人工関節手術|メリットとデメリット メリット デメリット ・痛みの原因を改善できる ・痛みが和らぐ ・歩行の改善 ・入院に3~6週間を要する ・手術後はリハビリが必須 ・日常生活で動きに制限 ・手術後、10~15年で交換が必要(再手術) ・感染症、合併症を引き起こす可能性がある ・人工物に置換える心理的な抵抗感 膝の人工関節(手術)を避けたい! 手術を避けたい、踏み切れないなら「再生医療(幹細胞治療)」という選択肢もあります https://youtu.be/ek8aeRHpKiA?si=R7VdYuGlwZD5HoLU 幹細胞による治療法とは、「幹細胞」と呼ばれる「自己複製能」と様々な細胞に「分化する能力(多分化能)」を持つ特殊な細胞を膝に注射をします。すり減った軟骨が幹細胞により再生し、膝の痛みが和らぎます。 状態によっては、手術をすることなく、これまでのように日常生活の動きに制限がない快適な生活を手にすることが可能となります。幹細胞を用いた治療は「再生医療」と呼ばれ、体に負担をかけない方にとって画期的な治療方法として注目を浴びています。 当院は厚生労働省から認められた再生医療の専門院です。再生医療による膝の治療について詳しいことはお気軽にお問い合わせください。 s001 監修:医師 加藤 秀一 ▼ 再生医療は、人工関節を避けて変形性膝関節症を治療できる方法です 変形性膝関節症は、再生医療にで人工関節の手術をせずに改善することが可能です ▼こちらもご参考にされませんか 変形性膝関節症は膝痛の9割以上にその可能性!急増する原因と予防のヒント
最終更新日:2024.03.06 -
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変形性膝関節症の手術と保険費用について 変形性膝関節症で手術を薦められたけど、「膝の手術ってどれくらいの費用がかかるのだろうか?」「保険は適用されるのか?」そんなお悩みにお答えします。 変形性膝関節症は、膝の変形や痛みを伴う疾患で、進行すると手術が適応されることがほとんどです。そんな変形性膝関節症の手術には、「関節鏡視下手術」、」「高位脛骨骨切り術」、「人工関節置換術」の3つの手術方法があります。 それぞれの手術にかかる費用は、手術に用いる材料や技術料、入院の有無などにより決められ、健康保険の適応や軽減制度の利用で最終的な自己負担額が決定します。 変形性膝関節症の手術 ・関節鏡視下手術 ・高位脛骨骨切り術 ・人工関節置換術 変形性膝関節症の手術の内容と費用 変形性膝関節症の手術にかかる費用は、少額順に「関節鏡視下手術」→「高位脛骨骨切り術」→「人工関節置換術」となり人工関節に関する費用が一番高額になります。 手術を含めた治療費用の概算は、保険診療にかかった費用(保険組合に加入されている方は、1〜3割負担)+ 保険適応外診療(ベッド代や食事代)にかかった費用の合計です。また保険内診療が定められた金額を超える場合には、「高額療養費制度」を利用して費用の軽減ができます。 まずはそれぞれの手術内容、高額療養費制度が適応される前の負担金を紹介します。 関節鏡視下手術 関節内に内視鏡を入れ、画面を見ながら傷んだ軟骨(関節軟骨や半月板)・骨棘・増殖した滑膜を取り除く手術です。体への侵襲(影響)は少なく、手術にかかる時間や回復期間も短い一方で、効果の持続が短く、痛みが再発する可能性がある手術法です。 ・関節鏡視下手術にかかる費用は約25万円 (3割負担の方で約7.5万円、1割負担で約2.5万円) ここに差額のベッド代や食事代が入った金額が自己負担額になります。 高位脛骨骨切り術 脛骨の一部を切り取ることで、O脚のような膝の変形や、荷重の偏りを矯正する手術です。O脚になると膝の内側に荷重が集中することから、骨切りにより形を整え、変形を改善させることで、膝内側への負荷を軽減させます。 ・高位脛骨骨切り術にかかる費用は約146万円 (3割負担の方で約43.8万円、1割負担で約14.6万円) ここに差額のベッド代や食事代が入った金額が自己負担額になります。 人工関節置換術 膝の関節全体を人工関節に置き換える手術です。関節全体を取り換える人工関節全置換術と、傷んだ一部のみを入れ換える単顆置換術がありますが、適応されるほとんどが全置換術です。 関節を人工関節に入れ換えることで、痛みの改善が期待できます。ただし正座ができなくなるなど関節可動域は低下します。また体への侵襲が他の手術と比べて大きく、稀に重篤な合併症を引き起こすことがあります。 ・人工関節置換術にかかる費用は約186万円 (3割負担の方で約55万円、1割負担で約18.6万円) ここに差額のベッド代や食事代が入った金額が自己負担額になります。 手術内容 主代金例 費用 その他 関節鏡視下手術 250,000円 3割負担:約75,000円 1割負担;約25,000円 + 差額のベッド代 + 食事代 高位脛骨骨切り術 1,460,000円 3割負担:約438,000円 1割負担;約146,000円 人工関節置換術 1,860,000円 3割負担:約550,000円 1割負担;約1,860,000円 ▼「手術をすれば痛みは消えるの?」 ・変形性膝関節症の手術で痛みは消えるのか? ・高齢者が変形性膝関節症の手術を受けるリスク 自己負担を減額できる高額療養費制度をご存じですか? 次に高額療養費制度について紹介します。 膝の手術にかかる費用は、健康保険の有無や、その負担割合により決められますが、保険内診療の自己負担額が、定められた金額を上回る場合には、高額療養費制度が適応されます。 高額療養費制度とは、一ヶ月にかかる金額が高額になった場合、所得や年齢によって定められた金額(自己負担限度額)を超えた分だけ戻ってくる制度です。ただし、入院の際のベッド代や食事代などは保険外となり本制度の対象にはなりません。 高額療養費制度が適応される健康保険内診療 ・技術代 ・金属などの材料費 ・輸血料 ・麻酔料 ・検査料 ・画像診断料 ・注射料 ・再診療 ・入院料 ・リハビリ料などです。 高額療養費制度が適応されない保険外診療費 ・ベッド代 ・食事代など ただし、高額療養費制度を利用した場合、払い戻されるまで一時的に高額の支払いが生じる場合があります。 しかし70歳未満または、70歳以上の非課税世帯の方は医療機関の窓口に限度額適用認定証を提示することで、払い戻しではなく、支払い上限額があらかじめ「自己負担限度額」に抑えることができます。 限度額適用認定証取得方法は、市町村役場、区役所、全国健康保険協会、 健康保険組合にて、申請の手続きを行い取得できます。詳しくはお住まいの市町村役場などにお問い合わせください。 中には限度額適用認定証を必要としない場合もあります。70歳以上75歳未満の非課税世帯ではない方は、高齢受給者証を窓口に提示し、75歳以上で非課税世帯ではない方は、後期高齢者医療被保険者証を窓口提示することで窓口での支払いを自己負担限度額にできます。 ※平成30年8月から70歳以上の方の上限額に変更がありました。 これまで現役並みとされる課税所得145万円以上の方でも限度額適用認定証を必要としませんでしたが、新たに課税所得145万円〜689万円の方は、I〜Ⅲの区分に従って上限額が変更され、限度額適用認定証も必要になりました ▼詳しくはこちらをご覧ください。 厚生労働省HP 高額医療費制度の見直しについて https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000209857.pdf まとめ・変形性膝関節症の手術と保険費用について ここまで変形性膝関節症の手術にかかる費用の一例と、実際に手術を受ける場合の負担額の例をご紹介しました。 手術費用だけでみると、高額な費用がかかりますが、保険を適応し、高額療養費制度を利用することで最終的な自己負担額が決定します。 また事前に限度額適用認定証(必要に応じて高齢受給者証や後期高齢者医療被保険者証)を窓口に提示することで、支払い上限額をあらかじめ自己負担限度額にすることもできます。 手術というとこれら以外にも何かと費用がかかるもの、病院によっては別途、費用が必要なものもあります。入院前には、治療はもちろん、費用についてもよくご相談されるようにお勧めいたします。 No.0022 監修:院長 坂本貞範 ▼ 再生医療で変形性膝関節症を治療する方法をご存知ですか 変形性膝関節症の再生医療による治療費は、状態により変動します ▼以下のページもご参考にしていただけます 変形性膝関節症、最新の治療法!再生医療の手術をしない幹細胞治療という可能性
最終更新日:2024.02.20 -
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変形性膝関節症の人がしてはいけない仕事について 変形性膝関節症とは、膝の軟骨(半月板・関節軟骨)がすり減ることを起因とし、膝に痛みや変形をもたらします。変形性膝関節症になると悪化を防ぐために、膝への負担をできるだけかけないよう過ごすことが大切です。 膝は足関節と股関節の間に位置する関節で、立ち座りや歩くといった日常生活動作を行う上で重要な関節だけに、多大なる負担がかかります。例えば歩行では体重の2~3倍、走ると5倍もの負担がかかります。 ほかには階段の昇降では5~6倍、しゃがみ立ちでは7~8倍の負担がかかることが分かっています。 そこで今回は「変形性膝関節症の人がしてはいけない仕事と、その理由」そして、生活のために「どうしても、その仕事を辞めるわけにはいかない方」に向けてその対策を解説しました。 変形性膝関節症の人がしてはいけない仕事は、何といっても膝に負担がかかる動作が頻繁に起こる仕事です。具体的には立ったり座りの繰り返しが多い、急な方向転換やストップがある、ジャンプなど膝に強い衝撃が働きがち、長時間の立位や長距離歩行、重いモノの上げ下げなどが膝に負担がかかります。 そうはいっても、そのような仕事に就かれている場合、膝の関節痛でありながらも、続けなければならないことがあります。その際は、膝を意識して、どうすれば守れるかを考えて取り組まなければなりません。 >膝関節の悩みを最先端の幹細胞治療で治療する 膝に負担が掛かかる動作 ・立ったり、座りを繰り返えす ・急な方向転換やストップがある ・ジャンプなど膝に強い衝撃がある ・長時間の立位 ・長距離の歩行 ・重い荷物などの上げ下げ ・しゃがむ、立ち上がるといった動作 職種別、膝の痛みに対する仕事術 以下に、上記でご紹介した動作が多い職種について具体的に対策を考えてみました。痛みがあったりする場合は、根本的な解決にはなりませんが意識して予防に努めることは非常に大切です。 ▼こちらも合わせてご覧ください。 変形性膝関節症はサポーターをしたほうが良い!その理由と注意点 大工 床貼りや、ペンキ塗りの際には、立ったり、座ったり、しゃがみこむ必要があります。また重たい部材の上げ下げや、木材の運搬、長時間の立ち仕事など膝に負担が掛かりがちな仕事です。 仕事の際には、膝の曲げ伸ばしをサポートするようなタイプのサポーターを着けるなどのほか、膝を意識して、可能な限り負担のかからないような動作を研究してください。 時間配分を決めて定期的に休んだり、作業前後にストレッチを取り入れるなどが有効です。 引越し作業や、配達 引越しなどでは、重たい荷物を積み下ろしするため、膝には大きな負担がかかります。ほかにも階段の昇り降り、繰り返しての屈伸なども膝にとって負担が大きな作業の繰り返しになります。 可能なら階段の昇降には、できるだけ手すりを持ち上り下りをサポートしましょう。誤解されている方が多いのですが、実は階段や、坂道では上りよりも、下る方が膝への負担が大きくなります。そのため、階段の下りにもご注意ください。 基本は、痛めてしまう前に膝へはサポーターを装着し、膝の曲げ伸ばしをサポートさせ、作業の前後には準備運動やストレッチを習慣化しましょう。 トラックの運転手 トラックの運転をされる場合、最近はオートマチックが増えはしましたが、渋滞などにあうとクラッチを操作する左足の曲げ伸ばしでは、膝が悲鳴を上げがちです。同様に姿勢が崩れるとアクセルの動作でも膝に負担がかかります。 シートに腰をしっかりつけて正しい姿勢で座り、少しでも足の曲げ伸ばしに負担が掛からない姿勢を探しましょう。また、荷物の出し入れ、運搬する際はもちろんですが、高さのある荷台や、運転席から降りる時には十分な注意が必要です。 衝撃により靭帯を傷めてしまうと変形性膝関節症を悪化させる可能性があります。荷台や、運転席から降りる際はゆっくり降りて膝に荷重がかかりにくいよう意識しましょう。高速道路などでのサービスエリアではストレッチを習慣化しましょう。 短距離の場合でも作業の合間に簡単なストレッチを取り入れてください。 デスクワーク 室内でのデスクワークなら、心配は無いと思われがちですが、冷房が効いた室内にいることで膝が冷えます。膝が冷えると血管が収縮し、血液の流れが悪くなり筋肉が硬くなってしまいます。 また、長時間椅子に座っているのも良くないため、時間を決めて席を立つなどして膝のストレッチなど膝を含めた全体を動かすことが大切です。 膝を動かさないままでは痛みの物質の排出が滞り、痛みを感じやすくもなります。尚、寒さには膝にブランケットをかけたり、サポーターをつけるなど冷やさないようにする対策が必要です。 夏場の冷房対策には、ひざ掛けを用意し、椅子の高さを調整して膝に負担が掛からないようにしましょう。また、座る姿勢にも気を使い、姿勢が崩れてきたと感じたら、立ち上がって簡単でもストレッチや膝の曲げ伸ばしなど体を動かすように意識してください。 旅館や茶道の講師 多くの方が就かれる職業ではないかもしれませんが、このお仕事は膝への負担が大きな職業です。茶道では畳の作法や、お茶を振る舞う際の正座は膝への大きな負担になります。何より、この正座から立ち上がる動作は膝に大きな負担をかけます。 正座は、椅子から立ち上がる時と比べて地面からの高さがあるため、それだけ膝への負担になるからです。これは旅館や、茶道にかかわらず正座や、床に近いところでの作業が多い職業の方に注意が必要です。 正座は、膝が折りたたまれた上、自身の体重がかかります。できるなら正座を避け、行う場合でもクッションや正座椅子を使用できれば良いのですが、立ち上がる際には手で何か支えになるものを持つなど工夫を心がけましょう。 これまでと同様に定期的なストレッチは重要です。体重の管理も心がけましょう。 スーパーやコンビニのレジ打ち業務 スーパーや、コンビニをはじめとしたレジ打ちの特徴は、一定の場所で長時間、立ちっぱなしであるということです。特に変形性膝関節症になると、膝に偏った荷重がかかることで痛みを感じることがあります。 長時間の同じ姿勢の立位は、膝から上の体重がすべてかかることとなり、思ったより負担が多くなります。その意味では膝への負担を少なくするための体重管理も大切になります。 膝への負担を少しでも軽減させるためには、椅子を使用できれば良いのですが、そうもいかない場合は、その場で足踏みをしたり、多少でも体を動かす意識を持ちましょう。 営業職(外回り) 営業での外回りで歩く時間が多い方は、靴が重要です。女性の場合、ヒールのように安定性に欠けた靴では膝に負担がかかります。他にもサンダル、デッキシューズでも負担はかかります。 男性も女性も、靴選びは、踵がしっかり包み込まれるような靴や、ビジネスタイプのウォーキングシューズを選びましょう。また中敷き(インソール)などで衝撃を吸収するタイプのものを選んで使うのも有効です。 また、体重の管理をおこなって足腰への荷重を少なくし、歩く際の膝への負担をコントロールしましょう。 上記は、解決策ではないため、根本的な治療に取り組まれることをおススメします。 ▼ 再生医療で変形性膝関節症を根本治療する 変形性膝関節症の膝の痛みは早めに治療にお取組みください。再生医療は手術不要で改善を目指せます 変形性膝関節症になったら日常の過ごし方や、膝への負担を減らそう 膝に痛みがあると、関節を動かさず安静になりがちでが動きも必要です しかし膝周囲の筋力が不足すると、関節への負担が高まることから、症状的に初期の頃には、膝周囲の筋力が落ちないように意識して動かれることをお勧めします。ウォーキング等であれば、歩くことで、大腿四頭筋をはじめとする膝周囲の筋力の低下を防ぎます。 また肥満傾向の方は、体重を落とすことも大切です。 ただし体重を落とすといっても、筋力は落とさず、脂肪を落とすことが目的であるため、単に食事量を減らすのではなく、カロリーを制限するなどの食事制限を行い、負担にならない程度の軽い運動も心がけましょう。膝に負担になるほどの運動は行わないでください。 積極的に動くことと減量に同時に取り組むことで、膝への負荷を軽減させつつ、筋肉による膝の安定性を高めることができます。 ▼こちらもあわせてご覧ください 【変形性膝関節症の早期発見!気付きたい初期症状】 膝が腫れているときに考えられる病気とは 変形性膝関節症でしてはいけない仕事と理由について いかがでしたか? 今回は「変形性膝関節症の人がしてはいけない仕事とその理由」について解説しました。 膝に負荷がかかる仕事の動作が積み重なると、痛みを感じるだけでなく、軟骨下骨の新陳代謝(骨吸収と形成)に異常をきたすほか、関節軟骨の変性や破壊にもつながるため、注意が必要です。 膝関節に安定性をもたらすウォーキングや、大腿四頭筋のトレーニングのように、膝を動かすことは変形性膝関節症にとって大事なことです。しかし仕事での屈伸動作・正座・急な方向転換のように、膝の動かし方を間違えると、膝の負担になることもあります。 仕事で変形性膝関節症の悪化を防ぐためには、進行を予防する意識をお持ちいただくことが大切です。例えばサポーターを用いたり、ストレッチを定期的に取り入れるなど自分なりな工夫を心がけましょう。 また、ご紹介した仕事上での動作をお避けいただき、同時に膝関節に負担をかけがちな体重にも注意が必要です。もし肥満気味なら減量を目指していただいたり、肥満とは言わないまでも少しでも体重を落とせそうならダイエットを意識されることをオススメします。 このように膝の負担を避けるための取り組みや、自己管理は非常に大切です。ぜひ意識して、前向きお取組みください。 しかし、悪化を防ぐだけではなく、前向きな治療をご希望になられたり、既に手術を勧められてはいるが、お悩みの方は「膝の手術が不要な最新治療法」である「再生医療」を以下のページでご説明させていただきました。 こちらで、 膝の痛みを根本的に治療する「変形性膝関節症を再生医療で治療する方法」についてご説明しています。 ▼実際に来院された患者様のお声。こちらも悩んでいる方の一助になれば幸いです。 https://youtu.be/VAxeH1j4TEY?si=7YwbniIaT2KyFDQ1 No.0021 監修:院長 坂本貞範 ▼膝に悩みを抱えている方は下記の記事もご覧になっています。合わせてお読みください。 変形性膝関節症の原因と初期症状、早期治療のポイント
最終更新日:2024.03.22 -
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変形性膝関節症の様々な治療法を一挙に解説します(薬物療法、保存療法、手術療法、理学療法、理学療法、再生医療) 変形性膝関節症は誰しも治したいと思うもの。そこで今回はその治療について徹底解説させていただきます。変形性膝関節症は、関節軟骨の変性や摩耗を伴う退行性の病気であり、中高齢者の膝関節痛のいちばんの原因疾患として、その頻度は高くみられます。 そして、初期や中期の変形性膝関節症に対してはさまざまな保存療法が有効であり、ある程度まで進行した変形性膝関節症に対しては、手術が必要となります。 症状としては、初期では起床時や休憩後などでの膝を動かした際に痛みが発生します。痛みは寒い日や、雨の降る日など、天気の悪い日に増悪することが多く、天気のよい日などは痛みを感じにくい場合もあります。 変形性膝関節症の進行に伴い、歩く場合に痛みが発生し、長距離歩行や階段昇降が困難になり、安静時痛や夜間痛が出現することもあります。また、正座ができなくなるなどの膝関節の屈曲制限や、反対に膝が完全に伸ばせなくなるなどの関節可動域制限が生じてくると日常生活上いろいろな支障がみられます。 変形性膝関節症に対して行われる治療法にはおもに薬物療法・運動療法・理学療法・装具療法・内視鏡手術・人工関節置換術、そして最近注目されている先端医療分野で再生医療というものがあります。 薬物療法 変形性膝関節症の薬物療法では、さまざまな薬が処方されます。薬の種類には大きく分けて「内服薬(飲み薬)」「湿布薬」「塗り薬」「坐薬」の4種類があります。 通常、内服薬は頓用、塗り薬や湿布薬は痛みが慢性化した場合の長期使用、坐薬は耐え難い痛みがあるときの緊急用として使用されます。 内服薬として最もよく処方されるのは鎮痛薬で、「NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)」と「アセトアミノフェン」が多く使用されます。NSAIDsはロキソニン、ボルタレンなどの製品名がよく知られています。 体内の炎症を鎮める薬で、主に痛みが関節の中にある場合によく効きます。ただし、副作用として胃腸障害が現れることがあり、胃痛や吐き気、ときには胃潰瘍になるというケースもあります。そのため、多くの場合胃薬も一緒に処方されます。 湿布薬や塗り薬は「外用薬」と呼ばれ、その中にはNSAIDsの成分が含まれており、患部に貼ったり塗ったりすることで経皮吸収(皮膚から吸収すること)され、炎症を鎮める効果が期待できます。 内服薬のような胃腸障害や内臓疾患の心配が少なく、長期使用も可能です。一方でかゆみや、かぶれ、アレルギー反応を起こすこともあり、皮膚が過敏な人は注意が必要です。 鎮痛薬や湿布薬などで痛みがひかない場合には、膝の関節内にヒアルロン酸注射を打つことがあります。ヒアルロン酸は、膝の動きを滑らかにし、クッションの役割を担うことに一役買っています。 変形性膝関節症では、関節液中のヒアルロン酸の量が少なかったり、弾性や粘性が低下していたりするため、不足するヒアルロン酸を注射器で関節内に注入します。 膝関節にヒアルロン酸を注入すると、痛みが和らぐほか、膝の動きが滑らかになり、また関節軟骨の栄養になるといった効果が期待できます。 運動療法/リハビリ 運動療法は、リハビリの一貫として専門家の指導の下、筋肉をほぐしたり、硬くなった関節の動きを広げて動きやすくするなどの適切な所作、運動を行うことによって痛みや機能の障害を回復させ、或いは改善を目指すために行います。 その他、運動療法は膝周りの弱った筋肉の力を向上させて膝を支えることができるよう、運動機能を取り戻すことを期待して行います。その内容は、以下のような目的をもって各種、組み合わせて行われます。 ・筋力アップ ・可動域の拡大 ・体重管理(必要ならダイエット) ※体重管理は、膝に負担をかけないために重要です。肥満傾向がある場合は、ダイエットも指導することになります。 理学療法・装具療法 装具療法では、装具を用いることで膝関節にかかる負担を軽減し、関節を安定させることで痛みを和らげます。装具は、関節の変形を治す効果はありませんが、普段の生活の立つ、歩くなど膝関節にかかる負担を軽減するのに役立ちます。 希望する人は医師に相談して、自分の関節の状態に合ったものをすすめてもらうといいでしょう。 変形性膝関節症の治療に用いる装具には、次のようなものがあります。 ① 装具/サポーター 装具、サポーターの着用は、膝を温める ことが目的です。膝を温めると患部の細胞の新陳代謝が促され、炎症を鎮める効果が期待できます。また、膝が守られているという安心感も得られます。 サポーターはさまざまなタイプのものが市販されています。薄型で伸縮性や保温性の高い医療用タイプを選ぶといいでしょう。 ② 足底板/インソール O脚タイプやX脚タイプの変形性膝関節症の初期には、靴の中や足裏に忍ばせる足底板(インソール)を活用すると、立ったり、歩いたりした際の痛みが緩和される効果が得られます。 足底板は、物理的な作用で変形した膝関節の角度を一定角度補整できる治療法です。O脚の人の場合、足底板を使って足の外側を高くし、内側を低くすることで、膝の内側に偏っていた負荷が軽くなって痛みが和らぐのです。 足底板には、靴の中へ忍ばせる中敷きタイプと、足裏に直接つける室内用タイプがあります。初期や中期の患者さんには有効ですが、変形が進行した末期の患者さんの場合は、あまり改善効果は期待できません。 内視鏡手術 内視鏡(関節鏡)手術は、腰椎麻酔をしてから膝蓋骨の周辺に1cmほどの小さな切開口を2〜3カ所あけて、カメラのついた内視鏡を挿入し、炎症の原因となるこすれ落ちた軟骨や断裂した半月板、炎症を起こした滑膜などを取り除き、膝痛を改善する手術法です。 滑膜の炎症が強くて水がたまりやすい人、半月板損傷や関節遊離体(いわゆる関節ネズミ)のある人など、膝の痛む原因がはっきりわかっている人に特に有効です。 内視鏡手術の最大の利点は、切開部が小さいため体力的負担が少ないことです。 手術時間は1時間前後と短く、手術当日は翌朝まで安静にしますが、翌日からは歩くことができます。入院も1日程度と短期間で済み、多くの場合2〜3日で通常の生活に戻れます。 人工関節置換術 変形性膝関節症が進行し、痛みがとても強くて歩行が困難になった場合、「人工膝関節置換術」が検討されます。変形した膝関節の骨をインプラント(人工の関節)に置き換えるというもので、膝関節の一部のみを入れ換える「片側置換術(UKA)」と、関節の接合部全体を入れ換える「全置換術(TKA)」に分けられます。 人工膝関節置換術の手術を受けると、痛みはほぼ完全に消え、可動域が広がって滑らかに膝を動かすことができるようになります。O脚やX脚がある場合には、まっすぐな足に矯正され、歩行時に膝のぐらつきがある人はそれも解消されます。 再生医療/PRP療法 再生医療とは、人の細胞が持つ「自然治癒力」を引き出して機能の回復を図る治療法です。 変形性膝関節症の場合、重症化すると手術に頼らざるを得ないのが実情ですが、こうした手術適応例において、組織修復力を持つ再生医療の治療効果が期待されています。 現在、最も多く行われている再生医療が「PRP療法(自己多血小板血漿注入療法)」です。 血小板とは、血液に含まれる細胞のことで、血液を固める働きのほかに、組織の修復を促す成長因子を出す働きがあります。PRP療法では、患者さん自身の血液から、血小板が多く含まれる血小板血漿(PRP)を抽出し、患部に注入します。すると、その部分の組織の修復が促されていきます。 PRPは自分の血液から抽出するため、薬物療法のような副作用がほとんどないという利点があります。その反面、PRPは軟骨や半月板にはならないので、完全に軟骨がなくなってしまった重症の膝痛に対する効果は低下します。 変形性膝関節症では、関節の炎症を抑えて痛みを和らげ、軟骨や骨の変形の進行を防ぐ目的でPRP療法が用いられます。 https://youtu.be/OHnPrPHbtZM?si=IVTQZdjdcf8krciR 再生医療/幹細胞治療 このほかの再生医療には「幹細胞治療」があります。これは、衰えた膝の関節軟骨を再生させて痛みを抑える再生医療です。 幹細胞とは、皮膚や血液など、絶えず細胞が入れ替わる組織を保持するために、新しい細胞を再び産生して補充する能力をもつ細胞のことです。 幹細胞には、分化能(皮膚、血液、神経、血管、骨、筋肉など細胞を作り出す能力)と、自己複製能(自らと同じ能力を持つ細胞に分裂することができる能力)の2つの能力があります。 変形性膝関節症の治療で実用化されているのは「間葉系幹細胞」による軟骨再生療法です。間葉系幹細胞は骨髄に由来する非造血系の細胞ですが、骨髄ばかりか脂肪や骨膜などから比較的容易に取り出すことが可能です。 しかも、骨芽細胞や脂肪細胞だけでなく、軟骨細胞や筋細胞、神経細胞にも分化する能力を持っています。患者さん自身の細胞を使うため拒絶反応や副作用もなく、増殖に伴う老化の影響や分化能の低下が少ないのも大きな特徴です。 培養幹細胞治療では、お腹の脂肪から採取した間葉系幹細胞を培養して膝関節内に注入する治療や、膝の滑膜から採取した間葉系幹細胞を関節内に定期的に注入したり、半月板損傷に対する内視鏡手術の際に幹細胞を移植したりする治療が行われています。 さらに、軟骨細胞そのものを取り出して培養し、欠けた軟骨の再生を促す「自家培養軟骨移植」の研究も進み、実用化されています。これは患者さん自身の軟骨から取り出した細胞を培養し、膝の軟骨が欠けた箇所へ移植することにより、痛みなどの症状を緩和します。 これらの再生医療は、一部を除き自由診療となり、全額が自己負担となります。費用は医療施設によって大きく異なりますが、1回につき、PRP療法は数万〜数十万円、培養幹細胞治療は数十万〜数百万円程度とされています。 医療機関が再生医療を行う、あるいは特定細胞加工物を製造する場合には、厚生労働省への届出が必要と法律で定められています。再生医療を受けようと考えている人は、その施設が「再生医療等提供機関」として登録されているか、必ず確認のうえ受診するようにしましょう。 https://youtu.be/JvYn_j6n9io?si=bIobL5rL_HgE3wt3 まとめ・変形性膝関節症の様々な治療法を一挙に解説します(薬物療法、保存療法、手術療法、理学療法、理学療法、再生医療) 以上のように、変形性膝関節症を治すための治療法は様々ありますが、まずは予防が大切です。普段、日常生活を過ごすというだけでも膝には、体重の何倍もの負担が掛かっています。 体重管理に気を付けて体重の増加に敏感になっていただきたいと思います。 それでも膝に痛みや、違和感を感じられたら年齢や症状に応じて整形外科をはじめとした医療機関で検査・診察を受け、医師と相談の上、適応となる治療法を選択してください。 以上、変形性膝関節症の保存療法(装具・サポーター、リハビリ)を徹底解説させていただきました。参考にしていただけると幸いです。 No.0020 監修:院長 坂本貞範 ▼ 再生医療で変形性膝関節症を治療する 変形性膝関節症は、再生医療により手術せずに症状を改善することができます ▼以下の情報も参考にされませんか 変形性膝関節症の装具療法の種類と注意点について
最終更新日:2024.02.20 -
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変形性膝関節症|サポーターの注意すべき使い方!正しい選び方と装着方法 変形性膝関節症を発症され、歩行時にぐらついたり、痛みが生じたりする症状で苦労をされていませんか? そんな場合、サポーターを着ける機会も多いのではないでしょうか?「自分に合わせた専用のサポーターが欲しい」「専用のサポーターってどうなのか?」「自分に合わせてもらえるのか?」などと一度は考えられたこともおありになるのではないでしょうか。 ただ、そのサポーターについて「ドラックストアでも売ってるし、何でも良いのでは?」「わざわざ専用にオーダーする必要があるのか?」などと、「着けてさえいれば良い」と思われていたりしませんか? そこでまずは「変形性膝関節症」の場合、サポーターを使用することは大変有効であることをお伝えします。その上で、どうせ付けられるのなら、ご自身の膝の状態、そしてご自身にフィットしたものが良いのは言うまでもなく、膝をサポートするためというサポーターの役割的にも効果的です。 そこで、今回はサポーターの選び方、更には効果的な装着方法、着け方も大切であること。それらを具体的にご説明したいと思います。是非、通院先や、お近くの医療機関でご相談されることをお勧めします。 尚、今回は、「変形性膝関節症のサポーター」に関して、その選び方と使用法、装着し方について解説します。 変形性膝関節症サポーター|使い方で注意したいこと 変形性膝関節症の対策としてサポーターを使われることは基本的には有効です。 しかし、適当にサポーターを選んでつけると、サポーターの効果が十分に発揮されない可能性があることをご理解いただかねばなりません。せっかく付けるのですから効果的に装着していただきたいものです。 気を付けて頂きたいのは「変形性膝関節症の進行具合や炎症の箇所」などによっては、サポーターをつけることが逆効果になることもありえるということです。サポーターの使用について、まずは主治医に相談されることをお勧めします。 主治医にご相談いただきサポーターを使用することになった場合は、その指示のもとで選んで頂きたいのですが、ご自身でもポーターの選び方や、つけ方についてご理解いただくことは非常に大切です。 清潔な状態で使用しよう ・変形性膝関節症でサポーターを使用するときは、膝もサポーターも清潔な状態で使用するようにしましょう。 ・清潔な状態が保たれていない状態で使用すると、皮膚がアレルギー反応を起こしたり、接触性皮膚炎を引き起こしたりする可能性があります。 ・装着時は膝の汗をしっかりと拭きとってから使用してください。 ・サポーターはズレてしまうことがあります。汗をかいているときは、汗をしっかり拭きとってからサポーターをつけるましょう。 長時間の使用は避ける ・サポーターを正しく装着しても、長時間つけ続けていると患部が圧迫されて血流が悪くなってしまいます。 ・楽だからと、ずっと装着したままでいると膝を支える筋力が低下してしまいかねません。家にいる場合などで可能なら長時間の使用は控えるべきです。 ・サポーターは動く直前につけ、定期的に外すことで、できるだけ着けている時間を短くする工夫をしましょう。 ・短い時間であっても安静時には外すなど、こまめに着け外す習慣をつけるようにしましょう。 定期的に交換すべき ・サポーターは消耗品という認識を持ってください。 ・長期間使用していると素材が伸びたりして、劣化します。 ・正しいつけ方をしていても、フィット感が乏しくなってくることがあります。 ・サポーターは正しくフィットすることで効果を発揮するよう設計されています。 ・長期間使用したために、伸びたり劣化したりして正しくフィットしなくなってきた場合は、積極的に新しいものに交換するようにしましょう。 ・劣化したサポーターを使って変な負担が掛かることで逆に症状が悪くなる危険性もあります。 変形性膝関節症|サポーターの選び方 変形性膝関節症でサポーターを使用し、効果をじゅうぶんに得るためには、つけ方だけでなく、どのようなサポーターを使用するのか、選び方も重要です。 現在は、いろいろな種類のサポーターが販売されていますが、どれも大差ないだろうと適当に選んで使用するべきではありません。適当な選び方をしたサポーターだと、正しいつけ方をしても変形性膝関節症への効果が得られないばかりか、悪影響になってしまうこともあります。 自分の膝のサイズが合ったものを選ぶ ・変形性膝関節症でサポーターを使うときは、まず、自分の膝のサイズに合ったものを選ぶことが大切です。 ・せっかくサポーターをつけてもサイズが合っていないと、膝をしっかり固定することができなくなり、サポーターをつける意味がなくなってしまいかねません。 ・サポーターを選ぶ場合。自分のサイズを知っておくべきです。事前に測っておきましょう。 ・サイズの測り方は、メジャーを準備して膝の皿の部分から上下10㎝の部分を測ります。 用途に合ったものを選ぶ 自分の用途に合ったものを選ぶことが大切です。 ・スポーツにおすすめのタイプ ・立ち仕事をする場合におすすめのタイプ ・高齢者におすすめのタイプ ・リハビリをおこなう人におすすめのタイプ 変形性膝関節症の対策として選ぶ場合は、症状の度合いや体重、筋力、足の状態(O脚など)によってもどれが合うかは異なってくるので、選び方は判断がすごく難しいです。 主治医に相談して自分の用途に合ったものを見つけましょう。 使用感の良いものを選ぶ ・変形性膝関節症のサポーターを選ぶ際は、使用感についても重視すべきです。 ・サイズが自分にピッタリであっても、実際に使用して不快に感じると、長く使用することが難しくなってしまいます。 ・サポーターは、サンプルを置いているお店もあるので、実際に試して使用感をチェックするのがおすすめです。 変形性膝関節症のサポーター|正しい装着法(つけ方) 変形性膝関節症の人がサポーターを使用する場合、サポーターの選び方だけではなく、正しいつけ方で使用することが大切です。 そこで変形性膝関節症のサポーターのつけ方のコツをご紹介します。 サポーターの装着(つけ方)、手順とコツ ベルトを締めるタイプのサポーターの場合、サポーターは上の方から締めていきます。 上のベルトを締めるときは、強く締める必要はなく、フィットしているな!と感じられるくらいで十分です。 上を締めてズレがないかチェックしたら、今度は下のベルトを締めます。 下の方を締めるときは、膝の皿の部分をきちんと補助することができるように下から上に引き上げながら締めるのがポイントです。 下の方は上の方よりも強めに圧がかかるように締めますが、血流を阻害するほど強く締めすぎないように注意しましょう。 立った状態で装着する サポーターをつけるときは、立った状態で装着するのがおすすめです。 立ち姿勢で膝を伸ばした状態でサポーターをつけると、しっかりとサポーターが巻き付いて膝を曲げたときに緩みにくくなります。 ただし、サポーターなしで立つのが難しいという人は座った状態でつけても問題ありません。 座った状態でサポーターをつける場合は、膝を少しだけ曲げた状態でつけるとしっかりと付けることができます。 膝を動かして確認する サポーターをつけ終えたら一度膝を軽く動かしてみて、締め付けが強すぎないかチェックします。 ズレがなくきちんとフィットしているかチェックしたりすることが大切です。 少しでも強すぎたり、フィットしていない場合は、面倒でもそのまま使用せず、つけ直しましょう。これが大切です。 まとめ・変形性膝関節症|サポーターの注意すべき使い方!正しい選び方と装着方法 ここでは変形性膝関節症のサポーターの使い方で注意すべきことや、選び方。そして、その着け方、装着方法についてご紹介させていただきました。 変形性膝関節症の対策としてサポーターをご使用にんる場合は、主治医に相談した上で自分に合ったサポーターを選び、正しいつけ方を守って使用するようにしましょう。 以上、参考になれば幸いです。 No.0012 監修:院長 坂本貞範 ▼ 再生医療で変形性膝関節症を治療する 変形性膝関節症は、再生医療により手術せずに症状を改善することができます ▼こちらも参考にしていただければ幸いです 変形性膝関節症を悪化させないための運動方法と日常の工夫
最終更新日:2024.02.23 -
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変形性膝関節症で必須なサポーターのメリットと選択時の注意点 変形性膝関節症に悩まされている高齢者のなかには「膝が痛いのでサポーターをつけた方が楽になるかも?」「変形性膝関節症と言われたのでサポーターを着けるべきか?」などとお考えではないでしょうか。 今回は、「1.変形性や、デメリット」、「変形性膝関節症でサポーターをつけるメリット」、「3.サポーターの使用時に注意すべきこと」の3点についてご紹介します。 1.変形性膝関節症でサポーターをする方が良い理由 まず結論から述べると、変形性膝関節症では高齢者に限らず、若い方であっても「膝にはサポーターをしたほうが良い!」と言えます。そこで、その理由についてお話します。 変形性膝関節症の高齢者にはサポーターを積極的におすすめしています 変形性膝関節症の場合、高齢者はもちろん、それ以外の方にとっても「サポーター」は、単なるグッズではなく、"おすすめ"のアイテムです。変形性膝関節症になると、軟骨の擦り減りによって膝が不安定になったり、痛みが生じたりして歩行が困難になります。 しかし、サポーターの効果としては、膝を支えて固定することで、膝が安定し、痛みを和らげることができるので、歩行や動きが楽になります。また、サポーターによって膝が温められ、冷えによる痛みを和らげることでも人気があります。 症状:軟骨のすり減り → 膝が不安定、膝の痛み → 歩行や動くことにが困難に ・サポーターを着ける:膝を支え(固定) → 膝が安定(痛みが和らぐ)>歩行が楽に! ・サポーターを着ける:膝を温め(冷えを防ぐ)→ 痛みの軽減 >歩行が楽に! このように変形性膝関節症の方にとってサポーターの使用は、とても有効でオススメです。ただし、使い方には注意点があります。そんなサポーターに関する情報を記していきましょう。 変形性膝関節症でサポーターをつけるときの注意点 変形性膝関節症の場合、高齢者に限ったことではありませんが、サポーターで膝を安定さることができれば「歩行がしやすくなった!」「膝の痛みが軽減された!」という効果を感じることができます。 まさにサポーターを着けるだけの手軽さで可能になります。ただし、サポータを装着して良い効果を得るためには正しい使い方をすることが大切になります。 〇こちらも併せてご覧ください → 変形性膝関節症の装具両方の種類と注意点について サポーターの種類は千差万別、選択には注意が必要 変形性膝関節症の方にサポーターは、積極的におすすめできるアイテムです。しかし、ご注意いただきたいのは炎症の箇所や症状の度合いによってはサポーターを使用すると、余計に痛みが生じてしまうことがある点です。 また、慢性皮膚炎の人や、膝の周辺に傷や湿疹がある人などが使用すると皮膚の症状が悪化する可能性があります。化学繊維にアレルギーがある人はサポーターでアレルギー症状が出る可能性もあるので気をつけましょう。 サポーターには、単なるグッズから医療用のもの、また対策できる部位やサイズが違っているもの、保温性を加味したもの、メンズ・レディース・共用など性別を含めて色々なタイプや種類があります。 これらは通院されている整形外科をはじめ、手軽にドラッグストアや、ネット通販でも簡単に購入ができます。選び方としては通販サイトのランキング情報や、口コミを参考に選ぶこともできます。 サポーターを選択する際には医療用から選べば大きな間違いは無いと思われますが、大切なのは、膝をしっかり固定できて、支えてくれるもの、しっかり動きをサポートしてくるものを基本に、サイズが合ったものをお選びください。 このようにサポーターも多種多様にあるため、何の目的で、どんな対策で付けるのかなど、目的を明確にして選びたいものです。一番のオススメは試着できることです。 最も良いのは、主治医にご相談されることです。試着できることが多く、最適なサポーターを医者の目線で選んでもれえることが可能になります。ご自身に合ったものをで選んでもらえるので安心です。 サポーターの装着で注意すべきこと ・炎症が起こっている箇所、症状の度合いの判断が必要 ・慢性皮膚炎 ・膝の周辺に傷や湿疹 ・アレルギー(化学繊維) サポーター選びで大切なこと ・膝を支えて固定できるもの ・サイズがあったも ・保温性にも対応しているもの ・主治医がおられるなら相談をしてアドバイスを受ける 2.変形性膝関節症でサポーターをつけるメリット ①サポーターを着けるメリット:安心感が増し、歩行がしやすく、楽になる 変形性膝関節症の人は、膝を動かすと、その痛みによって歩くのが困難になってしまいます。さらに高齢者の場合は、膝を支える筋肉量そのものが低下してしまっているため、余計に歩行が辛く、困難になってしまう傾向があります。 このように歩行が不安定な状態が続くと歩くことに対して怖かったり、不安な気持ちになり、歩くことを躊躇するようになる人も少なくありません。 そのためにも膝を支えて、固定してくれるサポーターを使用されることを、おすすめします。サポーターは、膝を固定する効果があり、膝の安定感が増して「歩行時のふらつきを予防し」、「膝を安定させます」。「膝が固定されてぐらつかなくなる」ことで歩行するときの安心感を得ることができます。 ②サポーターを着けるメリット:痛みを感じにくくなる サポーターをつけることで痛みを軽減させ、感じにくくなるのも大きなメリットです。なぜサポーターをすると痛みを感じにくくなるかというと、サポーターをつけて膝を圧迫すると「触圧覚が刺激される」からです。 「触圧覚」とは、何かに触れたときに感じるもので、痛みを感じたときに痛みを脳に伝達する痛覚よりも早く、何かに触れたことを脳へ伝達します。サポーターで圧をかけ、触圧覚を刺激していると痛覚の反応が鈍くなるため、痛みを感じにくくなるのです。 ③サポーターを着けるメリット:膝の冷えを防止する サポーターは膝を安定させたり、痛みを感じにくくしたりする効果だけでなく、「冷えを予防する効果」も期待できます。膝が冷えてしまうと血管が収縮して血液の流れが悪くなり「筋肉が硬く」なってしまいます。 そして、膝の筋肉が硬くなったまま動かそうとすると筋肉への大きな負担がかかるため、痛みを感じやすくなります。そのため、変形性膝関節症の高齢者が寒い日に外出するときや、エアコンが効いている部屋にいるときなどは、サポーターをすることで「冷えを防止」することができます。 このように変形性膝関節症の高齢者を含め困っている方は「サポーターをつけることで多くのメリット」があります。 ④サポーターを着けるメリット:変形性膝関節症の悪循環をストップできる 変形性膝関節症が進行すると膝の安定性が低下したり、痛みが生じたりするため、安静にしようと思ったり、動かすのが億劫になったりして、できるだけ動かないようにしようとする人が多いでしょう。 しかし、ご注意頂きたいのは体を動かさないでいると軟骨の周囲を支えている筋力が低下します。すると、軟骨がさらに擦り減りやすくなるなど、悪循環を招いてしまいます。ですから悪循環をストップさせるためにサポーターを適切に使用しましょう。足を動かす機会が増えれば、軟骨の周囲を支える筋力が戻り、軟骨が保護されて、痛みにくくなります。 特に高齢者の場合、「年だから・・・」と諦めずにサポーターを使用することで無理のない運動に努めましょう。サポーターで膝を補助してあげることで動くことをためらったり、諦めたりする必要を減らすことができる点、大きなメリットと言えるでしょう。 ▼悪循環になりがち ・変形性膝関節症:膝の安定性が低下し痛みが生じる → 動かすのが億劫になる ・変形性膝関節症の悪循環:動かない → 筋力低下 → 膝の周りの筋力低下 → 膝軟骨のすり減り ・悪循環を断ち切る:動きをサポートし、痛みを低減するサポーターを有効活用すべき! ▼ 変形性膝関節症を再生医療で治療する 再生医療をご存知ですか?変形性膝関節症は、入院や手術を行うことなく症状を改善することができます 3.変形性膝関節症の高齢者がサポーターを使用する際に気をつけること? 変形性膝関節症で高齢者がサポーターを使用する場合、外出やリハビリに取り組む場合に多くのメリットがありますが、サポーターを効果的に使用するには、注意すべきことがいくつかあります。 汗を拭いて使用する 歩行時にサポーターがずれると歩行しにくくなります。 そのままでは、他の筋肉や部位に負担をかけることとなり、膝や腰などに痛みが出る可能性があります。このように膝に汗をかいた状態でサポーターをつけると、サポーターがずれやすくなり、膝を支えるという目的を果たせなくなります。 外出やリハビリに使用する場合は、サポーターをつける前に汗をかいていれば拭くようにしましょう。また汗をかいたら面倒でも、小まめに拭いてやり、快適な装着を心がけましょう。 正しく装着する サポーターは正しく装着することで効果を発揮します。 上下左右の方向や位置を間違って装着すると、サポーターの役割をじゅうぶんに果たすことができませんし、血行不良になることもあります。種類によっては上下や左右など分かりにくいものもあり、何か不自然、違うな・・・感じたら、最初から装着をやり直しましょう。おかしいと思いながら付け続けるのはお避け下さい。 安静時はサポーターを外す サポーターを長時間使用していると、うっ血や圧迫痛を引き起こしてしまう可能性がありますので、使用するのは運動時や歩行時だけにして、安静時はサポーターを外すようにしてください。 まとめ・変形性膝関節症で必須なサポーターのメリットと選択時の注意点 高齢者をはじめ多くの変形性膝関節症の方々にとってサポーターは”おすすめ”なのかどうか、また、使用する場合の注意点などについて記させていただきました。 サポーターを装着すれば、膝周りを支えて歩行時の安心感はもちろん、痛みを緩和してくれる有効なアイテムとしてご推薦できます。デメリットは特に無いのですが、注意点はあります。 それは、ご自身の症状にあったサポーターをお選びいただく必要がある点、装着方法に注意をはらう、サイズが合ったサポーターをしていただくということになります。 また、サポーター選びは医師へご相談された上、その指示やアドバイスに従い正しく使用することができればベストです。 No.0011 監修:院長 坂本貞範 ▼ 再生医療の幹細胞治療が変形性膝関節症の治療を変える! 変形性膝関節症の新たな選択肢、再生医療なら、すり減った軟骨の再生を目指せる ▼サポーターの使い方をこちらで更に詳しくご説明 【変形性膝関節症用のサポーター】正しい使用法と選び方!
最終更新日:2024.02.20