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- 変形性膝関節症
- ひざ関節
膝関節の痛みや機能障害が日常生活に支障をきたす場合、保存療法やリハビリでの改善が難しいケースでは手術が検討されます。 骨切り術や人工関節の膝手術を行うと、痛みを軽減できたり歩きやすくなったりするなどのメリットが得られます。しかし、デメリットについても理解したうえで、手術を受けるか検討するのが大切です。 本記事では、膝手術のデメリットをまとめました。メリットや膝手術以外の治療法も紹介するので、治療法に悩みを抱えている方は、参考にしてください。 膝手術のデメリット 膝手術を受けるにあたって、デメリットを理解しておくのが重要です。ここでは、膝手術のデメリットを紹介します。 一定期間入院する 術後すぐにリハビリがはじまる 感染症や合併症を引き起こす可能性がある 一定期間経過した場合は再手術を受ける必要がある 膝手術後の生活には一定の制限が設けられる 以下で詳しく解説するので、膝手術のデメリットが知りたい方は参考にしてください。 一定期間入院する 膝手術を行った場合、2日〜1ヶ月ほど入院が必要になります。入院期間に幅が生じる理由は、手術の種類や個人の症状、経過によって日数が異なるためです。 代表的な膝手術と入院期間の目安は、以下の通りです。 代表的な膝手術 入院期間の目安 関節鏡視下手術 約2〜3日 高位脛骨骨切り術 約5〜6週間 人工関節置換 約1カ月 また、手術後、日常生活への復帰までには一定期間要します。膝手術を受ける場合、入院が一定期間必要になる点と、元の生活に戻るまでに時間を要する点を事前に理解しておきましょう。 【関連記事】 変形性膝関節症の手術後の入院期間は?手術の種類・リハビリ~退院まで医師が解説 【医師監修】人工関節とは|メリット・デメリットや置換術について詳しく解説 術後すぐにリハビリがはじまる リハビリは、早い人で手術当日からスタートします。一般的に、手術してすぐは安静にした方が良いと考えがちです。 しかし、膝手術の場合、リハビリが身体機能や痛みの回復を促す効果が期待されています。膝を動かさない状態が続くと、筋肉がくっついて曲がらないまま固まってしまう可能性があるため、できる限り早く膝を動かす練習が重要です。 手術当日は、ベッドの上で上体を起こしたり膝を動かしたりするなどのリハビリからはじめます。術後の状態を見ながらベッドサイドやリハビリ室での訓練といったように、膝関節可動域を向上させるリハビリを実施します。 このような早期からの積極的なリハビリは効果的である反面、筋力や体力が十分でない方にとっては身体的・精神的な負担となることがあります。これが膝手術の大きなデメリットの一つと言えるでしょう。 感染症や合併症を引き起こす可能性がある 膝手術により人工関節にすると、細菌に対する抵抗力が低くなり、感染症や合併症を引き起こす可能性があります。人工関節は手術の傷口や風邪、虫歯などの菌が血流に乗って運ばれてくるケースがあるためです。 感染症に感染した場合、人工関節を入れ替える再手術を行う必要があるため、退院後も日頃から体調管理や虫歯に気をつけて生活しなければなりません。 また、術後は血液が固まりやすい状態になり、血栓のリスクが生じます。感染症や合併症を引き起こす可能性もゼロではないため、膝手術後は日頃から予防策をとる必要があります。 一定期間経過した場合は再手術を受ける必要がある 膝手術から一定期間経過すると、人工関節を取り換えるための再手術を受ける必要があります。一般的に、人工関節の耐用年数は15年~20年ほどが目安です。 人工関節で長期間生活を送っていると、本人が気づかぬうちにゆるみや摩擦が生じる可能性もあります。特に、膝関節に負担がかかりやすい作業や運動をしている場合は、ゆるみや摩擦が生じる原因になります。 ゆるみや摩擦の状態によっては、人工関節を入れ直す再手術が必要です。膝手術をして終わりではなく、人工関節に異常がないか定期的に検査する必要があります。 膝手術後の生活には一定の制限が設けられる 手術後は膝の曲げ伸ばしがしにくくなるため、生活に一定の制限が設けられるデメリットが生じます。主な制限は、以下の通りです。 正座やあぐらをかくのは避ける 重い荷物を持つのを控える 良い姿勢を意識して生活する 適切な体重を維持する ジョギングやテニスなど激しい運動は避ける 膝に負担をかけると、人工関節のゆるみや摩擦が生じる要因になります。激しい運動は控えるのが無難ですが、運動不足は体重増加につながります。 体重増加も膝への負担がかかる原因になるため、運動する際は散歩や水泳など関節への負担がかかりにくいものを選びましょう。トラブルを防ぐためにも、膝に負担がかからない生活を意識するのが大切です。 膝手術のメリット デメリットがあるものの、膝手術により膝関節に関する悩みを解消できます。ここでは、膝手術のメリットを紹介します。 痛みが軽減される 歩きやすくなる 姿勢が良くなる 活動範囲が広がる 以下で詳しく解説するので、膝手術によりもたらされるメリットを知りたい方は参考にしてください。 痛みが軽減される 膝手術のメリットは、膝の痛み軽減が期待できる点です。手術で痛みの原因となる損傷した関節組織を取り除けるため、痛み緩和につながります。 膝の痛みが軽減できると、無意識にかばっていた腰や足首などほかの関節への負担緩和も期待できます。すなわち、膝手術は足腰の痛みを軽減できる点がメリットです。 なお、痛みは軽減されますが、患者によっては術後しばらく疼痛が続く可能性があることも認識しておきましょう。 歩きやすくなる 膝手術には、歩行に関するストレスが緩和されるメリットがあります。人工関節により関節が安定するため、歩きやすくなります。 立ち上がったり歩いたりする際の痛みが軽減され、手術前と比べて早く歩けるようになる可能性も期待できるのが、膝手術を受ける利点です。 膝関節の痛みにより、歩くのが億劫と感じている場合は、安定した足取りで歩けるようになる膝手術を検討しましょう。 姿勢が良くなる 膝手術を受けると、歪みによる身体の負担を軽減するため姿勢が良くなります。術後は、脚が真っすぐ伸びた状態になるためです。 たとえば、O脚(膝の間に隙間がある状態)の方には大きな変化が期待できます。不安定な姿勢が真っすぐ伸びるため、関節や筋肉の負担を軽減し、身体の痛みや不調のリスク低減につながります。 また、膝をかばう姿勢は頭の位置が前下がりになり、暗い印象を与えるケースも少なくありません。膝手術により姿勢が良くなるため、見た目の印象アップ効果も期待できる点がメリットです。 活動範囲が広がる 膝手術は活動の幅を広げられるため、寝たきりや引きこもり防止のメリットがあります。膝関節に痛みがあると外出を億劫に感じやすく、家の中に閉じこもってしまう方も少なくありません。 手術によって痛みが軽減し歩行が楽になることで、外出への抵抗感が減少します。これは単なる移動の改善だけでなく、社会参加の機会を増やし、精神的な健康にも良い影響を与えます。 無理のない範囲で旅行やスポーツが楽しめるようになるため、生活の質向上につながる点が膝手術のメリットです。 家の中に閉じこもりがちな現状を変えたい場合、膝手術を検討してみましょう。 膝手術の選択肢となる再生医療とは 痛みの軽減や生活の質向上といったメリットがある一方で、膝手術には入院や感染症などのデメリットが生じます。手術を避けたい、あるいは踏み切れない場合は再生医療における治療法の「幹細胞治療」を検討するのも選択肢の一つです。 再生医療とは、組織や細胞などを元通りに戻すために、人間が持つ再生力を用いた治療法です。幹細胞治療では、膝関節に幹細胞を注入し、すり減った軟骨を再生させて立ち上がりや歩行時の痛みを軽減します。 手術を必要としないだけでなく、入院が不要な点も再生医療の特徴です。 当院「リペアルセルクリニック」では、膝の痛みや変形性膝関節症の再生医療・幹細胞治療を実施しています。 メール相談やオンラインカウンセリングも提供していますので、お気軽にご相談ください。 まとめ・後悔しないために膝手術のデメリットを理解した上で治療を検討しよう 膝手術を受けると一定期間入院が必要になったり、日常生活に制限が設けられたりするなどのデメリットが生じます。手術を受けてから、元の生活に戻るまでには時間を要するため、術後すぐに症状回復が期待できるわけではない点に注意が必要です。 デメリットがある一方、膝手術を受けると痛みの軽減や生活の質向上といったメリットを得られます。 デメリットとメリット、どちらも理解したうえで、自分にとって最良な治療プランを検討しましょう。 なお、膝の痛みに対する治療法としては、再生医療もあります。膝手術のデメリットにお悩みの方は、再生医療もご検討ください。 膝手術に関するよくある質問 Q.膝手術に後遺症は残りますか 膝の曲げ伸ばしがしづらくなる可能性があります。そのため、以下の行動に不自由を感じる場合が考えられます。 正座やあぐらがかきにくい 靴下を履きにくい 和室トイレが使いにくい 下に落ちたものを拾いにくい 無理に関節を曲げようとすると、脱臼する可能性も少なくありません。脱臼を防ぐためには、生活で一定の制限が必要です。 また、治療後には痛みが残る場合がある点についても理解しておきましょう。 Q.膝の人工関節手術に年齢制限はありますか 膝の人工関節手術に年齢制限は明確に定められておらず、幅広い年齢層が受けています。従来、人工関節手術の負担を考慮して、60歳〜65歳以上の手術が対象となっていました。 日本人の平均余命は約80歳のため、人工関節の耐用年数が15年ほどと考えた際、60歳~65歳以上だと再手術を受ける可能性が低くなります。(文献1) しかし、再手術の可能性を踏まえたうえで手術を希望した場合、年齢制限を設けず手術を実施する施設も増えているのが現状です。 なお、膝の人工関節手術に年齢制限はないため、健康上の問題が無ければ90歳以上の方でも受けられます。 Q.膝手術の費用はどのくらいかかりますか 膝手術の費用は、術式によって異なります。代表的な手術と費用例は、以下の通りです。 手術の種類 手術費用(自己負担額) 関節鏡視下手術 2.5万円〜7.5万円 高位脛骨骨切り術 14.6万円〜43.8万円 人工関節置換術 18.6万円〜55万円 手術費用以外にも差額ベッド代や食事代など、保険適用されない費用が発生する点にも注意が必要です。 膝手術費用の負担を軽減する方法には、「限度額適用認定証」や「高額療養費制度」の2つがあります。膝手術を検討する際は、制度を活用して手術費用の負担をできる限り抑えましょう。 参考文献 (文献1) 厚生労働省「令和4年簡易生命表の概要」2022年 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/life/life22/dl/life22-15.pdf(最終アクセス:2025年2月20日)
2021.09.18 -
- 変形性膝関節症
- ひざ関節
変形性膝関節症の手術費用ってどのくらい? 保険適用は可能なの? 変形性膝関節症と診断され、手術を勧められた際に上記の疑問を感じる方も多いのではないでしょうか。 結論からお伝えすると、変形性膝関節症の手術費用は、行う術式(手術の種類)によって差があります。 「限度額適用認定」や「高額療養費」などの制度を活用すれば、自己負担を抑えられる可能性があるため、活用しましょう。 本記事では変形性膝関節症の手術にかかる一般的な費用や保険適用時の金額、費用を抑える方法を解説します。 保険適用できる条件も詳しく紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。 変形性膝関節症の手術費用は「術式によって異なる」 変形性膝関節症の手術費用は、術式(行う手術の種類)によって異なります。 変形性膝関節症で行われる代表的な手術は「関節鏡手術」「脛骨の骨切り術」「人工膝関節の置換手術」の3種類があげられます。それぞれの手術費用の例は以下のとおりです。 術式(手術内容) 保険適用前の金額 自己負担額 その他に負担する費用 関節鏡視下手術 250,000円 3割負担:約75,000円 1割負担;約25,000円 差額ベッド代(※): 約5,000円〜20,000円 食事代(1食): 110円〜490円 高位脛骨骨切り術 1,460,000円 3割負担:約438,000円 1割負担;約146,000円 人工関節置換術 1,860,000円 3割負担:約558,000円 1割負担;約186,000円 ※差額ベッド代:病院によって金額が異なる「個室や特別室を希望」した際に発生する、標準的な病室との差額 それぞれの手術費用は、使用される「材料・技術・入院の要否」などにより異なり、健康保険や医療費助成制度を活用して自己負担額が決定されます。 また、差額のベッド代は「個室は2万円〜、2人部屋なら1万円〜」など、入院先の病院によってさまざまです。 ここでは手術の概要や自己負担額について、さらに詳しく解説いたします。 関節鏡視下手術は2.5〜7.5万円 関節鏡視下手術は内視鏡を使って関節内を観察し、損傷した軟骨や滑膜、骨のトゲなどを取り除く手術です。 体への負担が少なく、手術時間や回復までの期間が短い一方、効果が持続しにくく再び痛みが出る場合もあります。 関節鏡手術の費用はおおよそ25万円となっており、負担額による費用は次のとおりです。 自己負担割合 自己負担額 3割負担 約7.5万円 1割負担 約2.5万円 ※上記に差額ベッド代や食事代が自己負担に加算されます。 高位脛骨骨切り術は14.6〜43.8万円 高位脛骨骨切り術は、膝の変形や荷重の偏りを改善するために、脛骨の一部を切除して膝の角度を調整する手術です。 O脚の状態では膝の内側に負担が集中しやすく、骨を切り形状を矯正することで負担を和らげます。 高位脛骨骨切り術の費用は約146万円となっており、負担額による費用は以下のとおりです。 自己負担割合 自己負担額 3割負担 約43.8万円 1割負担 約14.6万円 ※上記に差額ベッド代や食事代が自己負担に加算されます。 人工関節置換術は18.6〜55万円 人工関節置換術は膝の関節全体を人工関節に置き換える手術です。 人工関節に置き換える手術には、関節のすべてを交換する人工膝関節全置換術と、傷んだ部分のみ交換する単顆置換術があります。 多くは全置換術が適用され、痛みの軽減に期待できますが、正座が難しくなるなど関節可動域は低下します。 また、体への侵襲が他の手術と比べて大きい点も特徴的です。 稀に深刻な合併症を伴う可能性もあるため、リスクを理解し手術については医師と相談して判断してください。 手術費用は約186万円です。また、負担額による費用は次のとおりです。 自己負担割合 自己負担額 3割負担 約55万円 1割負担 約18.6万円 ※上記に差額ベッド代や食事代が自己負担に加算されます。 保険適用されない費用 自己負担の割合によって手術費を減額できますが、保険適用外の費用には以下が挙げられます。 保険適用外の項目 自己負担額 差額ベッド代 約5,000円〜20,000円 食事代(1食) 110円〜490円 差額のベッド代とは、病院によって金額が異なる「個室や特別室を希望」した際に発生する、標準的な病室との差額です。 また、入院中の食事代の一部も保険適用外です。たとえば、一般の方が1カ月入院した場合「490円×3食×30日=44,100円」となるでしょう。 ただし、住民税非課税世帯の方は、所得や年齢に応じて1食分の負担額がさらに減ります。 また、変形性膝関節症で手術するメリット・デメリットや、高齢者が手術を受ける際のリスクは以下の記事でも紹介しています。これから変形性膝関節症で手術を検討している方は参考にしていただければ幸いです。 変形性膝関節症で手術費用の負担を軽減する2つの方法 変形性膝関節症の手術費用は高額になりがちですが、負担を軽減するには「限度額適用認定証」や「高額療養費制度」があります。 それぞれの特徴と違いは以下のとおりです。(文献1) 項目 限度額適用認定証 高額療養費制度 目的 医療費の窓口支払いを一時的に減らす 医療費負担が高額になった場合、後で払い戻す 手続き方法 事前に申請し、認定証を医療機関に提示 医療費を一旦支払い、その後申請する 利用の流れ 1. 事前に市区町村役場または社会保険事務所に申請 2. 医療機関で認定証を提示し、限度額内の自己負担で治療を受ける 1. 一旦自己負担分を全額支払う 2. 後で健康保険組合等に申請し、高額療養費として一部払い戻しを受ける 3. 支給まで約3〜4か月かかる場合がある 申請のタイミング 入院・手術前に事前申請 支払い後に後から申請 適用される医療費 月ごとの自己負担限度額に収まる医療費 既に支払った医療費が限度額を超えた分 メリット 窓口支払いが限度額内で済む 突然の高額な医療費も後で軽減される 医療費の支払いで家計を圧迫しないためにも、制度を上手に活用して手術費用を抑える工夫をしましょう。 限度額適用認定証や高額療養費制度の詳細は加入している保険組合にご確認ください。 限度額適用認定証で窓口負担を減らす 1つ目は医療費が高額になった際に負担を軽くしてくれる「限度額適用認定証」です。 健康保険組合などで発行されるため、事前に取得しておくと病院での支払いを限度額内に抑えられます。 そのため、手術によって発生した高額な医療費をその場で支払う必要がなくなり、治療を安心して受けられるでしょう。(文献2) 高額療養費制度を申請して減額する 2つ目は、医療費が高額になったときに払い戻しを受けられる「高額療養費制度」です。 毎月の医療費が一定額を超えた場合、後日払い戻しを申請できます。 収入による限度額が決められているため、超過した分は払い戻し対象です。 また、申請手続きは、健康保険組合や市区町村の窓口で行います。 申請後には数カ月で支給されるため、手術費用の負担が軽くなり長期的な医療費の不安も減るでしょう。 ただし、健康保険内診療で適用されるケースとされない場合もあるので、それぞれ紹介します。(文献3) 高額療養費制度が適用される健康保険内診療 健康保険が適用されるケースは以下のとおりです。 技術代 金属などの材料費 輸血料 麻酔料 検査料 画像診断料 注射料 再診料 入院料 リハビリ料 など 通常の治療費や料院費用、手術代などが対象となり、一定の限度額を超えた際に支給されます。 高額療養費制度が適用されない保険外診療費 健康保険が適用されない費用の例は以下のとおりです。 差額ベッド代 食事代 など 差額ベッド代や特別な検査・先進医療などは、高額療養費制度の対象外で自己負担が必要です。そのため、制度の適用範囲を理解しながら効果的に活用しましょう。 また、制度を利用しても一時的に高額な支払いが発生するのも事実です。 しかし、70歳未満や70歳以上の非課税世帯は「限度額適用認定証」を提示することで、支払いが「自己負担限度額」に抑えられます。 さらに、70〜75歳以上の非課税世帯でない方も「高齢受給者証」や「後期高齢者医療被保険者証」を提示すると限度額までの支払いに抑えられるので、ぜひ活用してください。 ※平成30年8月から70歳以上の方の上限額に変更がありました。 これまで現役並みとされる課税所得145万円以上の方でも限度額適用認定証を必要としませんでしたが、新たに課税所得145万円〜689万円の方は、I〜Ⅲの区分に従って上限額が変更され、限度額適用認定証も必要になりました。詳しくは以下のページをご覧ください。 厚生労働省|高額医療費制度の見直しについて まとめ|変形性膝関節症の手術費用は制度を利用して負担を抑えよう 変形性膝関節症の手術費用は、行う手術の種類によって異なります。最終的な自己負担額は、保険適用の有無や高額療養費制度などの活用によって決定します。 また、「限度額適用認定」や「高額療養費制度」を活用することで、自己負担限度額に抑えた支払いが可能です。 手術については他にも費用がかかる場合が多く、病院によって追加の費用が発生することもあるため、入院前には治療内容や費用について、しっかり相談することをおすすめします。 変形性膝関節症の手術費用についてよくある質問 オスグッドの手術費用はどれくらい? オスグッド・シュラッター病の手術費用は、保険適用の有無や病院の方針によって異なります。 一般的には10万円前後の費用がかかりますが、高額療養費制度の活用によって減額も可能です。 オスグッド・シュラッター病については以下の記事もご覧ください。 変形性膝関節症で入院なしの治療法はある? 変形性膝関節症の治療には、必ずしも入院が必要なわけではありません。 保存療法や日帰り手術が可能な場合も多く、痛みの程度や進行度に応じて選択できます。 また、当院では再生医療・幹細胞治療もおすすめしております。 変形性膝関節症で手術を検討している方は、こちらも参考にしていただければ幸いです。 参考文献一覧 (文献1) 全国健康保険協会|「高額療養費」と 「限度額適用認定証」 について (文献2) 全国健康保険協会 協会けんぽ|健康保険限度額適用認定申請書 (文献3) 厚生労働省|平成30年8月から、 - 高額療養費の上限額が 変わります
2021.09.17 -
- ひざ関節
- 変形性膝関節症
変形性膝関節症とは、膝の軟骨(半月板・関節軟骨)がすり減るのを原因として、膝に痛みや変形をもたらす病気です。 変形性膝関節症の悪化を防ぐには、膝への負担をかけないように過ごす必要があります。 変形性膝関節症の人がしてはいけない具体的な動作 関節への強い衝撃や繰り返しの負荷がかかる過度な運動 関節内の圧力を高める膝を深く曲げる姿勢や動作 関節が不安定な状態で急激な力が加わる動きや素早い方向転換 長時間の立ち仕事や歩行 関節軟骨の摩耗を早めかねない重いものを持ち上げる作業 膝は足関節と股関節の間に位置する関節で、立ち座りの動作を始め、歩くといった日常生活の動作に重要な関節のため、大きな負担がかかりがちです。 たとえば、歩行では体重の2~3倍、走ると5倍もの負担がかかります。階段の昇降においては5~6倍、しゃがみ立ちでは7~8倍の負担がかかるといわれています。 今回は、変形性膝関節症になってしまった人がしてはいけない運動と、その対策を含めて解説します。 ▼変形性膝関節症について1分で解説! また、当院「リペアセルクリニック」では、再生医療による変形性膝関節症の治療実績もございます。膝まわりの悩みを抱えておられる方は、ぜひ一度ご相談ください。 変形性膝関節症の人がしてはいけないこと 変形性膝関節症でしてはいけないことは、大きく分けると以下の5つになります。 膝に負担をかける過度な運動 膝を深く曲げる姿勢や動作 急な動きや方向転換をする活動 長時間の立ち仕事や歩行 重いものを持ち上げる作業 変形性膝関節症の進行を抑え、痛みを軽減するためには、日常生活で膝に負担をかける特定の行動を避けることが重要です。 膝に負担をかける過度な運動 過度な運動は、変形性膝関節症の症状を悪化させる可能性があるため避けるべきです。 関節への強い衝撃や繰り返しの負荷は、軟骨のさらなる摩耗や炎症を引き起こす原因となります。 特に、ジャンプや急な方向転換を伴うスポーツ(バスケットボール・バレーボール・テニスなど)や長距離のランニング、高負荷の筋力トレーニングなどは膝への負担が大きいため推奨されません。 運動自体は筋力維持や血行促進に有効ですが、種類と強度を選ぶことが重要です。 水中ウォーキングや水泳、軽い負荷で行うサイクリング、軽い負荷での筋力トレーニングなど膝への衝撃が少ない運動を選び、無理のない範囲で行うようにしましょう。 運動前後のストレッチも忘れずに行い、膝の状態を確認しながら、痛みを感じたらすぐに中止することが大切です。 膝を深く曲げる姿勢や動作 膝を深く曲げる姿勢や動作は、関節内の圧力を高め、痛みや軟骨への負担を増大させるため可能な限り避けるべきです。 膝を90度以上に曲げると、大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)の接触面が狭くなり、特定の部位に圧力が集中しやすくなります。 これが繰り返されることで軟骨のすり減りが進行したり、炎症が悪化したりする可能性があります。 具体的には、以下のような動作なが挙げられます。 正座 あぐら 和式トイレの使用 床に直接座る 深くしゃがみ込む 日常生活ではできるだけ椅子を使用し、床からの立ち座りは手すりなどを利用して膝への負担を減らす工夫をしましょう。 トイレは洋式を選び、低い位置にある物を取る際は、膝を曲げる代わりに腰を落とすように意識することも有効です。 急な動きや方向転換をする活動 急な動きや素早い方向転換は、膝関節に予期せぬ大きな負荷をかけるため、変形性膝関節症の方は避けるべきです。 関節が不安定な状態で急激な力が加わると、軟骨・半月板・靭帯といった組織にダメージを与えやすく、痛みを誘発したり症状を悪化させたりする可能性があります。 例えば、以下のような動作が該当します。 急に走り出す 急停止する、 横方向へ素早く移動する 階段を駆け下りるな 俊敏な動きや方向転換が求められるスポーツも注意が必要です。 日常生活においても、急いで立ち上がったり慌てて方向を変えたりせず、一つ一つの動作をゆっくりと意識的に行うことが大切となります。 動作を開始する前に、足元を確認し、安定した体勢で行うように心がけましょう。 長時間の立ち仕事や歩行 長時間立ち続けたり歩き続けたりすることは、膝関節への持続的な負担となり、変形性膝関節症の症状を悪化させる可能性があるため注意が必要です。 立っているだけでも体重が常に膝にかかり続け、関節軟骨への圧迫が続きます。 長時間の歩行も同様に、繰り返しの負荷が蓄積するとで炎症や痛みを引き起こしやすくなります。 特に、硬い地面の上での立ち仕事や、クッション性の低い靴での長距離歩行は、膝への衝撃が大きくなるため避けるべきです。 立ち仕事が多い職業の方は意識的に休憩を取り、座って膝を休ませる時間を確保することが重要です。 また、歩行時には適度な休憩を挟み、クッション性の高い靴を選んだり、ンソール(中敷き)を使用したりするなどの工夫も有効です。 重いものを持ち上げる作業 重いものを持ち上げる動作は、膝関節に非常に大きな負担をかけるため、変形性膝関節症の方は極力避けるべきです。 持ち上げる物の重さに加え、持ち上げ方によっては体重の何倍もの負荷が膝にかかることがあります。 特に、膝を伸ばしたまま前かがみになって物を持ち上げると、腰だけでなく膝にも強いストレスがかかります。 このような負荷が繰り返されると、関節軟骨の摩耗を早め、痛みを増強させる原因となります。 日常生活での重い荷物の運搬や、仕事での重量物の取り扱い、布団の上げ下ろしなども注意が必要です。 物を持ち上げる際は、荷物を小分けにする、台車やカートを利用するなどの工夫をしましょう。 どうしても持ち上げる必要がある場合は、膝をしっかりと曲げ、腰を落として体に荷物を近づけ、膝と腰の力を使って持ち上げるように意識することが大切です。 変形性膝関節症でしてはいけないことを仕事の職種別に解説 変形性膝関節症の人は膝に負担がかかる動作が頻繁に起こる仕事は避けるべきですが、膝の関節痛がありながらも、仕事を続けなければならない方も少なくありません。 膝に負担がかかる動作が多い職種について、以下で具体的に対策を考えてみました。痛みの根本的な解決にはなりませんが、予防するときの参考にしてみてください。 ・大工 ・引っ越し作業・配達 ・トラックの運転手 ・デスクワーク ・旅館・茶道の講師 ・スーパー・コンビニのレジ打ち業務 ・営業職 変形性膝関節症の方で、仕事中にサポーターを使うときは以下の記事も参考になります。 大工 大工の仕事は、重たい部材の上げ下げや木材の運搬、長時間の立ち仕事などが多く、膝に負担がかかりがちな仕事です。 床貼りやペンキ塗りをするときは、立ったり座ったりするなど、しゃがみこむ動作が必要になります。 仕事のときは、膝の曲げ伸ばしを助けてくれるタイプのサポーターをつけましょう。また、膝を意識しながら、なるべく負担のかからないような動作を研究してみてください。 また、時間配分を決めて定期的に休みつつ、作業前後にストレッチを取り入れるのも有効です。 引っ越し作業・配達 引っ越しや配達の作業では、重たい荷物を積み下ろしするため、膝に大きな負担がかかります。 ほかにも、階段の昇り降りを始め、繰り返しの屈伸など、膝に大きな負担がかかる作業を繰り返しがちです。 また、誤解されている方が多いのですが、階段や坂道では、上りよりも下るほうが膝への負担が大きくなります。階段の昇降には手すりを持ちながら、上り下りのサポートを行いましょう。 膝を痛めてしまう前にサポーターを装着し、膝の曲げ伸ばしを助けながら、作業の前後は準備運動やストレッチを習慣化してみてください。 トラックの運転手 トラックの運転をされる場合、渋滞などにあうとクラッチを操作する左足の曲げ伸ばしにおいて、膝が悲鳴をあげがちです。 同様に姿勢が崩れると、アクセルの動作でも膝に負担がかかります。 シートに腰をしっかりつけて正しい姿勢で座り、少しでも足の曲げ伸ばしに負担がかからない姿勢を模索しましょう。 また、以下のような状況のときは、膝に負担がかからないように、できる範囲でゆっくりした動作を意識してみてください。 ・高さのある荷台を降りるとき ・運転席から降りるとき ・荷物の出し入れや運搬をするとき ほかにも、高速道路などのサービスエリアで休憩するときは、ストレッチを習慣化するのがおすすめです。短距離のときも、作業の合間に取り入れて体をほぐしてみてください。 デスクワーク 室内のデスクワークは心配がないと思われがちですが、冷房が効いた室内にいると膝が冷えます。膝が冷えると血管が収縮し、血液の流れが悪くなって筋肉が硬くなりがちです。 また、長時間椅子に座っているのも良くありません。膝を動かさないままでは、痛みの物質の排出が滞り、痛みを感じやすくなります。 対策としては、以下の心がけを行うのがおすすめです。 ・膝にブランケットをかけて冷え対策をする ・膝にサポーターをつけて温める ・椅子の高さを調整して膝に負担がかからないようにする ・座る姿勢にも気を使う 時間を決めて、席を立ったり膝のストレッチを行ったりするなど、膝を含めて全身を動かすのが大切です。 旅館・茶道の講師 旅館や茶道の講師は、畳の作法やお茶を振る舞うときに正座の動作が多い仕事です。 正座は膝が折りたたまれる上、自身の体重がかかります。また、椅子から立ち上がるときと比べて、地面から高さがあるので膝への負担がかかりがちです。 とくに正座から立ち上がる動作は、膝に負荷がかかりやすい動作なので要注意です。 対策としてはできる限り、以下の内容を意識してみてください。 ・正座するときはクッションや正座椅子を使う ・立ち上がるときは手で何か支えになるものを持つ ・定期的なストレッチを行う ・負担を減らすために体重の管理を心がける 旅館や茶道の講師として仕事をされている方にかかわらず、正座や床に近いところで作業が多い方は、上記を参考に膝への負担を配慮してみてください。 スーパー・コンビニのレジ打ち業務 スーパーやコンビニなどのレジ打ち業務の特徴は、一定の場所で長時間、立ちっぱなしである点です。 同じ姿勢で長時間過ごすと、膝から上の体重がすべてかかるため、膝への負担が大きくなります。 とくに変形性膝関節症になると、膝に偏った負担がかかって痛みを感じやすくなります。膝への負担を少なくするために、以下の対策を行いましょう。 ・体重管理を行う ・なるべく椅子を使う 椅子に座るのが難しいときは、その場で足踏みをしたり、少しだけでも体を動かすように意識して膝への負担を減らしてみてください。 営業職 営業の外回りで歩く時間が多い方は、靴が重要です。女性の場合、ヒールのように安定性に欠けた靴では膝に負担がかかります。 ほかにも、サンダルやデッキシューズなども、膝に負担がかかるので注意が必要です。 靴を選ぶときは男性も女性も、かかとがしっかり包み込まれるような靴や、ビジネスタイプのウォーキングシューズを選びましょう。 衝撃を吸収するタイプの中敷き(インソール)などを使うのも有効です。 また、歩くときの足腰への負担を減らすには、体重の管理を行うのも大切になります。 ただ、上記で述べてきた方法は解決策ではないので、根本的な治療が重要です。変形性膝関節症に関する膝の痛みは、早めに医療機関で治療に取り組むのをおすすめします。 たとえば、再生医療による治療では幹細胞を使い、手術不要で膝まわりにおける症状の改善をサポートします。 変形性膝関節症の改善・予防に効果的なストレッチ5選 膝関節の柔軟性を保ち、筋肉の緊張を和らげるための効果的なストレッチを5種類紹介します。 太もも前側(大腿四頭筋)のストレッチ 太もも裏側(ハムストリングス)のストレッチ ふくらはぎのストレッチ お尻のストレッチ 股関節(内転筋)のストレッチ これらのストレッチは、膝周りの筋肉の柔軟性を高め、関節の可動域を維持するのに役立ちます。 痛みを感じない範囲で、ゆっくりと呼吸を止めずに行いましょう。 太もも前側(大腿四頭筋)のストレッチ 太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)は、膝を伸ばす際に働く重要な筋肉です。 【ストレッチの手順】 立った状態で、壁や椅子に手をついてバランスを取ります。 片方の足首を持ち、かかとをお尻にゆっくりと近づけます。 太ももの前側が心地よく伸びているのを感じながら、20~30秒間キープします。 ゆっくりと元の姿勢に戻し、反対側の足も同様に行います。 横向きに寝て、上の足の足首を持って行う方法も有効です。 この筋肉が硬くなると膝への負担が増加しますので、日々が忙しく時間がない方はこれだけでも欠かさずストレッチを行いましょう。 太もも裏側(ハムストリングス)のストレッチ 太ももの裏側の筋肉(ハムストリングス)は、膝を曲げる際に働く筋肉です。 【ストレッチの手順】 椅子に浅く座り、片方の足を前にまっすぐ伸ばし、かかとを床につけます。つま先は上に向けます。 背筋を伸ばしたまま、ゆっくりと上体を前に倒していきます。 太ももの裏側が伸びているのを感じながら、20~30秒間キープします。 ゆっくりと元の姿勢に戻し、反対側の足も同様に行います。 この筋肉が硬いと骨盤の動きが悪くなり、結果として膝に負担がかかりやすくなります。 太ももの筋肉は人体の筋肉の中でも大きな部類に入るので、硬くならないようストレッチを続けることで変形性膝関節症への効果も期待できます ふくらはぎのストレッチ ふくらはぎの筋肉(腓腹筋・ヒラメ筋)は、足首の動きに関わるため、太ももと合わせてストレッチしておきたい部位です。 【ストレッチの手順】 壁に両手をつき、足を前後に開きます。 後ろの足のかかとを床につけたまま、前の膝をゆっくりと曲げていきます。 後ろ足のふくらはぎが伸びているのを感じながら、20~30秒間キープします。 ゆっくりと元の姿勢に戻し、足を入れ替えて反対側も同様に行います。 ふくらはぎの筋肉が硬くなると歩行時の衝撃吸収能力が低下し、膝への負担が増すことがありますので注意しましょう。 お尻のストレッチ お尻の筋肉(臀筋群)は股関節の動きを支え、歩行時の安定性に重要な役割を果たします。 【ストレッチの手順】 椅子に座り、片方の足首を反対側の太ももの上に乗せます(数字の「4」の形)。 背筋を伸ばしたまま、ゆっくりと上体を前に倒していきます。 乗せている足側のお尻の筋肉が伸びているのを感じながら、20~30秒間キープします。 ゆっくりと元の姿勢に戻し、反対側の足も同様に行います。 この筋肉が硬いと、体のバランスが崩れ、膝に余計な負担がかかることがあります。 普段からデスクワークなどで座っている時間が長い方は、意識的にストレッチしてほぐすようにしましょう。 股関節(内転筋)のストレッチ 股関節の内側にある筋肉(内転筋群)の柔軟性は、膝の安定性やO脚の予防・改善にも関わります。 【ストレッチの手順】 床に座り、両足の裏を合わせます。 両手でつま先を持ち、かかとをできるだけ体に引き寄せます。 背筋を伸ばし、息を吐きながらゆっくりと両膝を床に近づけるようにします(無理に押さないでください)。 股関節の内側が伸びているのを感じながら、20~30秒間キープします。 ゆっくりと元の姿勢に戻します。 いずれのストレッチも、痛みがある場合は無理して行わないようにしましょう。 また、継続して行うことも非常に大切です。毎日少しでも時間を見つけてストレッチするようにしましょう。 変形性膝関節症になったときの過ごし方 膝に痛みがあると、関節を動かさないようにしがちですが、適度に体を動かすのも大切です。 膝まわりの筋力が落ちてしまうと、かえって関節への負担が高まります。そのため、初期症状がある頃は、膝まわりの筋力が落ちないように、意識して動くのをおすすめします。 ウォーキングなどであれば、歩くと大腿四頭筋を始めとする膝まわりの筋力低下を防げるのでおすすめです。 肥満傾向の方は、筋力を落とさないように注意しながら、脂肪を落として体重を減らすのも大切です。 単に食事量を減らすのではなく、カロリー制限をするなど、食事制限を行うと負荷を減らしながら膝の安定性を高められます。 軽めの運動は大切ではありますが、膝の負担になるほどの運動は行わないように、様子を見ながら取り組んでみてください。 また、日常生活の動作見直しを始め、変形性膝関節症の予防法における詳細は、以下の記事も参考になります。 まとめ|変形性膝関節症になったら膝への負担を減らす工夫をしよう 仕事での屈伸動作や正座、急な方向転換など、膝に負荷がかかる仕事の動作が積み重なると、痛みを感じる原因につながります。 また、軟骨下骨の新陳代謝(骨吸収と形成)に異常をきたすほか、関節軟骨の変性や破壊にもつながるので注意が必要です。 対策としては、膝関節に安定性をもたらすウォーキングや、大腿四頭筋のトレーニングのように、適度に膝を動かすのが変形性膝関節症の予防にも大切です。 仕事で変形性膝関節症の悪化を防ぐには、進行の予防にサポーターを使ったり、ストレッチを定期的に取り入れたりするなど、自分なりの工夫を心がけましょう。 また、根本的な改善には、治療方法を検討するのも重要です。当院「リペアセルクリニック」では、変形性膝関節症における治療方法のひとつとして再生医療を行っています。 以下の動画を参考に、実際に来院された患者様のお声もご覧いただけると幸いです。 変形性膝関節症でしてはいけないことに関わるQ&A 変形性膝関節症でしてはいけないことに関わる質問と答えをまとめています。 Q.変形性膝関節症のときにしてはいけない運動はある? A.以下のように、ひざに負担のかかる運動は避けましょう。 ・テニス ・卓球 ・ゴルフ ・社交ダンス など 屈伸運動やジャンプを必要とする運動は控えながら、なるべく膝への負担が少ない運動を取り入れてみてください。 Q.変形性膝関節症のときは運動したほうが良い? A.はい、適度な運動は大切です。 たとえば、水中運動、地上での適度なウォーキングなどがおすすめです。 室内でできる運動では、厚生労働省に掲載されている椅子に座って行うストレッチなどが参考になります。(文献1) 運動するときは無理をしないように注意して、かかりつけの医師などに相談しながら行いましょう。 運動方法の詳細については、以下の記事も参考にしてみてください。 Q.変形性膝関節症の治療方法は何がある? A.以下のような治療方法があります。 ・薬物療法:飲み薬や湿布薬、塗り薬などを使う ・手術療法:内視鏡手術、人工関節置換術などを行う ・理学療法(運動療法):装具、運動により筋肉や関節などに働きかける ・再生医療:PRP療法などにより自然治癒力に働きかける それぞれの治療方法については、以下の記事で詳しく解説しています。 Q.変形性膝関節症の手術をするメリット・デメリットは? A.手術するメリットとデメリットには、以下のような内容があげられます。 手術のメリット 手術のデメリット ・起床時に膝のこわばりがなくなる ・痛みなく階段を上り下りできる ・膝を気にせずスッと歩き出せる ・膝を気にせず好きなところに出かけられる ・手術そのもので合併症の危険性がある ・膝の曲げ伸ばしに違和感が出る場合もある ・重い荷物を避ける必要がある ・正座ができない ・かがめない、かがみにくくなる ・生活習慣の変化を受け入れる必要がある ・スポーツに支障が出る可能性もある ただし、本人の状態や症状によっては、手術のメリットとデメリットについて、上記に当てはまらない可能性もあります。必ず医療機関で医師にご相談ください。 変形性膝関節症の手術をする前に知っておきたい内容については、以下の記事も参考になります。 参考文献 文献1 厚生労働省|変形性ひざ関節症の人を対象にした運動プログラム
2021.09.13 -
- ひざ関節
- 変形性膝関節症
「膝が痛くて歩くのがつらい」 「少しでも痛みを和らげたい」 変形性膝関節症で悩む方にとって、毎日の動作に伴う痛みから解放されたいという思いは切実です。 整形外科を受診した際に、医師から“足底板(インソール)”の使用をすすめられた方も多いでしょう。 しかし、いざ使ってみようと思っても、足底板の効果や市販品との違い、使用期間など、疑問や不安が生まれがちです。 本記事では、変形性膝関節症に対する足底板の効果や役割、市販品との違い、靴選びのポイントまで、医師監修のもとわかりやすく解説します。 さらに、足底板を使っても痛みが改善しない場合の、再生医療という選択肢についても紹介します。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 変形性膝関節症について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 変形性膝関節症における足底板(インソール)の効果 足底板(インソール)療法は、変形性膝関節症の初期~中期にみられるO脚やX脚のゆがみに対し、足元から膝の角度を補整する治療です。 歩行時の体重のかかり方を整え、膝の内側に集中しがちな負荷を減らし、痛みの軽減が期待できます。 足底板には、靴に入れるタイプや室内用タイプがあり、日常生活に取り入れやすい点も特徴です。 一方で、変形が進行した末期では効果が乏しいため、早期の利用が勧められます。実際に、足底板がどのように膝への負荷を調整するのか詳しく解説していきます。 変形性膝関節症にお悩みの方は、以下のページもご参照ください。 変形性膝関節症に使われる足底板(インソール)の役割 足底板(インソール)は、歩行時の体重のかかり方を調整し、膝の内側への負担を減らします。とくにO脚の方は、膝の内側に体重が集中して痛みを生じやすくなりがちです。足底板を使って外側を高くすると、重心を内側から外側へ移動させることができます。その結果、膝関節の内側に偏っていた負荷が軽減され、日常の歩行や立ち上がりなどで感じる痛みが緩和されるのです。さらに足元の安定性が高まるため、歩行姿勢が整いやすくなり、膝への負担が抑えられます。初期~中期の変形性膝関節症にとって、足底板は手軽で有効性の高い保存療法のひとつです。 変形性膝関節症の足底板と市販のインソールとの違い 医療機関で処方される足底板(インソール)は、市販のインソールとは構造も目的も大きく異なります。変形性膝関節症に用いられるのは、「外側楔状(がいそくけつじょう)足底板」と呼ばれる医療用に特殊設計されたものです。膝の内側にかかる負担を、物理的に調整できる点が特徴です。 一方、市販のインソールは足裏のクッション性の向上やフィット感の改善を目的としており、膝の角度を補整することはできません。 なお、医師の処方せんに基づき作成する医療用足底板は、一定の条件を満たすと保険適用となる場合があります。 症状や膝の変形状況に合わせて作成するので、より効果的に膝への負荷を軽減できるのが医療用の大きなメリットです。 変形性膝関節症における足底板(インソール)と靴選び 足底板(インソール)の効果を十分に引き出すには、どの靴にあわせるかも非常に重要です。 臨床では、足底板単体ではなく、“靴+足底板”の組み合わせで歩行を評価するケースが一般的です。とくに、かかと部分がしっかりして安定性の高いウォーキングシューズは、足底板との相性が良く、膝にかかる負荷の評価にも用いられます。 実際、足底板の効果に関する研究では、ウォーキングシューズと併用した条件で膝への負担変化が検討されました。(文献1) 足底板と相性の悪い靴では、足底板が本来発揮する矯正効果が弱まり、膝の痛みが改善しにくくなるので注意が必要です。 変形性膝関節症で足底板(インソール)の効果を感じにくいケース 足底板(インソール)を使用しても痛みが軽減しない場合、いくつかの理由が考えられます。 まず、膝の変形が進行している重度のケースです。この場合、足元の補整だけでは十分な改善が得られないことがあります。また、扁平足や外反母趾など、足裏そのものに変形があると、足底板の効果が実感しにくくなります。さらに、サイズが合っていない、靴との相性が悪い、既製品により足の形や歩き方に合っていないなども原因です。 足底板療法は短期間で結果が出るものではなく、最低でも2〜3カ月の継続使用が必要です。 効果を最大限に引き出すためには、整形外科で足の形状や歩行パターンを評価し、必要に応じてオーダーメイドの調整を行いましょう。 足底板(インソール)で改善しない変形性膝関節症の新アプローチ|再生医療について 足底板(インソール)で痛みの改善が得られない場合に、次の選択肢として「再生医療」という選択肢があります。 再生医療とは、人が本来持つ「自然治癒力」を引き出して、組織の修復を図る治療法です。 変形性膝関節症の場合、重症化すると手術に頼らざるを得ないのが実情ですが、こうした手術適応例において、組織修復力を持つ再生医療の治療効果が期待されています。 再生医療には主にPRP療法と幹細胞治療があり、現在、最も多く行われているのが「PRP療法(多血小板血漿療法)」です。 PRP療法では、患者さん自身の血液から抽出した血小板血漿(PRP)を患部に注入し、成長因子により組織の修復を促します。 自分の血液を利用するため副作用はほとんどありませんが、完全に軟骨が失われた重症例では、十分な効果は期待できません。 もう一つの「幹細胞治療」は、衰えた膝の関節軟骨を再生させて痛みを抑える治療法です。 お腹の脂肪や、膝の滑膜から採取した間葉系幹細胞を培養し、関節内に注入して軟骨の再生を促します。 変形性膝関節症の治療にお悩みの方は、以下サイトもご参照ください。 https://youtu.be/OHnPrPHbtZM 足底板(インソール)を効果的に取り入れて変形性膝関節症の改善を目指そう 変形性膝関節症では、膝関節にかかる力の偏りが痛みや進行に影響します。足底板(インソール)は膝にかかる負荷を調整し、痛みの軽減をめざす補助具として効果が期待できます。 一方で、靴との相性や使用期間によって効果が左右されるため、整形外科で歩行パターンや足の形状を評価しながら、自分に合った足底板の正しい活用が重要です。 足底板で十分な効果が得られない場合、再生医療という新たな選択肢もあります。膝関節の自然治癒力を高め、痛みの緩和や進行抑制が期待できます。重症化により手術を検討している方も、手術以外の治療選択肢としてご検討ください。 再生医療について、さらに詳しく知りたい方は、メール相談やオンラインカウンセリングも承っておりますのでご利用ください。 変形性膝関節症と足底板(インソール)に関するよくある質問 変形性膝関節症の足底板を病院で作るときの保険適用の有無と費用感は? 医療機関で作製する足底板(インソール)は、医師の判断に基づき必要と認められた場合、保険が適用されます。(文献2) 保険診療の中では足底板は「治療用装具」に分類され、医師の指示書をもとに義肢装具士が患者さんの足の形や歩行を測定し、個別に調整して作製します。 自己負担額は、保険の負担割合によって変わります。 なお、治療用装具は作製後も調整や再作製が必要になることがあります。 市販品とは異なり、足の変形状況や膝への負担を考慮して、専門的に作られる点が大きな特徴です。 装具療法の保険適用については、以下もご参照ください。 手作りや市販の足底板でも変形性膝関節症に効果はありますか? 手作りや市販のインソールは手軽に使えますが、変形性膝関節症の治療目的での効果については十分な科学的根拠がありません。 膝の角度や歩行時の重心バランスは人によって大きく異なり、症状の出る場所や変形の方向も違うため、市販のインソールでは補整が不十分な場合が多いです。 一方、整形外科で作製する足底板(インソール)は、専門的な評価にもとづき、膝の内側・外側どちらに負担がかかっているか、足裏のどこに力が集中しているかなどを細かく分析し作られます。 足に合わないインソールを長期間使うと、膝だけでなく腰や足首への負担を増やしてしまう恐れもあります。 膝の痛みが続く場合、自己判断で市販のインソールを選ぶのではなく、医療機関に相談されるのをおすすめします。 参考文献 (文献1) Knee. 2009 Mar;16(2):136-42.|The Knee (文献2) 「療養費の支給対象となる既製品の治療用装具について」の一部改正等について|日本医師会
2021.09.07 -
- ひざ関節
- 変形性膝関節症
膝の痛みや変形性膝関節症・半月板損傷を含む膝の疾患で、膝サポーターの着用を検討されている方もいるでしょう。 本記事では、膝サポーターを効果的に使用する方法や正しい装着方法、商品の選び方などを解説しています。膝サポーターの使い方に困っている方や、どのサポーターにすれば良いのか悩んでいる方は参考にしてみてください。 膝サポーターの効果的に使用する方法【丸まらない状態を保つのがコツ】 以下3つのポイントをおさえて使用すると、サポーターの効果や耐久性が長持ちしやすくなります。 ・長時間の使用は避ける ・膝もサポーターも清潔な状態を保つ ・定期的に交換する 膝サポーターの効果を長続きさせて、快適な装着感を維持しましょう。 長時間の使用は避ける サポーターを長時間装着し続けていると、患部が圧迫されて血流が悪くなってしまいます。また、楽だからといって、ずっと装着したままでいると膝を支える筋力が低下しかねません。 そのため、意識して定期的に外して、できるだけ着けている時間を短くする工夫が大切です。安静時もつけっぱなしにするのではなく、外す習慣をつけるようにしましょう。 膝もサポーターも清潔な状態を保つ 変形性膝関節症でサポーターを使用するときは、膝もサポーターも清潔な状態で使用するようにしてください。 汚れや汗で不衛生な状態で使用すると皮膚がアレルギー反応を起こしたり、接触性皮膚炎を引き起こしたりする可能性があるためです。 以下は、サポーターを清潔に保つ方法です。 ・定期的に洗濯や手洗いをする ・膝の汗を拭きとってから使用する ・使用していないときは形を整えて保管しておく サポーターによって手入れの方法が異なります。使用方法や洗濯方法をよく確認した上で、適切なケアを心がけましょう。 定期的に交換する サポーターは消耗品という認識をもってください。 長期間使用していると素材が伸びたり、弾力性が失われたりして、サポート効果が薄れます。 劣化したサポーターを使って変な負担が掛かることで逆に症状が悪くなる危険性もあります。劣化が見られ、正しくフィットしなくなってきた場合は積極的に新しいものに交換しましょう。 なお、しばらくサポーターを使用しても効果が実感できない場合は、病院の受診を検討してみてください。症状が進行している可能性もあるためです。 自分に合った病院を探している方は再生医療を専門とする『リペアセルクリニック』への受診をご検討ください。再生医療とは人間の自然治癒力を活用した最新の医療技術です。すり減った軟骨を再生し、膝の痛みを軽減させる効果があります。 本来なら手術しなければいけない状態でも、再生医療で治療できる可能性があります。 膝サポーターの正しい4つの選び方|丸まらない商品の選定ポイントも紹介 ここでは、膝サポーターの正しい選び方を解説します。 膝サポーターを購入する際は、主に以下4つの項目をチェックして選びましょう。 ・膝のサイズに合ったものを選ぶ|血行不良を防止 ・用途に合ったものを選ぶ|迷ったら主治医に相談 ・使用感の良いものを選ぶ|付け心地は試着して確認 ・素材を見て選ぶ|サポーターのずれや丸まりの対策 それぞれの選定ポイントを詳しく解説します。 膝のサイズに合ったものを選ぶ|血行不良を防止 膝サポーターを使うときは、まず自分の膝のサイズに合ったものを選ぶことが大切です。 サイズが合っていないと、膝をしっかり固定することができなくなり、十分な効果が得られないからです。以下は、正しいサイズの選び方です。 ・自分の膝周りのサイズを事前に測っておく(膝上10㎝の周囲をメジャーで図る) ・自分の周囲の長さをもとに、商品のサイズ表を確認して適切なものを選ぶ サイズ選びを正しくおこなえば、より良い治療効果が期待できます。 用途に合ったものを選ぶ|迷ったら主治医に相談 サポーターには以下のように、さまざまな用途の商品があります。 ・スポーツにおすすめのタイプ ・立ち仕事をする場合におすすめのタイプ ・高齢者におすすめのタイプ ・リハビリをおこなう人におすすめのタイプ 用途によって、サポート力や素材の特性が異なります。そのため、自分の生活スタイルやニーズに合ったものを選ぶ視点が大切です。使用シーンを考慮した選択が効果的な治療につながります。 自分に合った用途がわからない場合は、主治医に相談して選び方のアドバイスをもらうと良いでしょう。 使用感の良いものを選ぶ|付け心地は試着して確認 サポーターを選ぶ際は、使用感も重視すべきです。サイズが合っていても、付け心地が悪いと継続的な使用が難しくなるためです。 サポーターは、サンプルを置いているお店もあるので、実際に試して使用感をチェックするのがおすすめです。 素材を見て選ぶ|サポーターのずれや丸まりの対策 膝サポーターを選ぶ際は、素材のチェックも大切です。 たとえば、滑り止めの素材が付いたタイプのものは、サポーターがズレたり、丸まったりするのを防ぐ効果が期待できます。 また、寒い時期は保温効果のあるサポーターを選ぶのがおすすめです。 冷えは痛みの原因ともなるので、保温効果のあるサポーターを使用すれば痛みを緩和できる可能性があります。 膝サポーターの装着方法3ステップ|丸まらないつけ方 サポーターは正しく装着しないと、期待する効果が得られません。そこで、膝サポーターの正しい装着方法を3ステップで解説します。 ・ステップ1.立った状態で装着する ・ステップ2.上からベルトを締めていく ・ステップ3.膝を動かして確認する 参考にしながら、装着してみてください。 ステップ1.立った状態で装着する サポーターをつけるときは、立った状態で装着するのが望ましいです。 立ち姿勢で膝を伸ばした状態でサポーターをつけると、しっかりとサポーターが巻き付いて膝を曲げたときに緩みにくくなります。 ただし、サポーターなしで立つのが難しいという人は座った状態でつけても問題ありません。 座った状態でサポーターをつける場合は、膝を少しだけ曲げた状態でつけるとしっかりと付けられます。 ステップ2.上からベルトを締めていく ベルトを締めるタイプのサポーターの場合、サポーターは上の方から締めていきます。上のベルトを締めるときは、強く締める必要はなく、フィットしているな!と感じられるくらいで十分です。 上を締めてズレがないかチェックしたら、今度は下のベルトを締めます。 下の方を締めるときは、膝の皿の部分をきちんと補助できるように下から上に引き上げながら締めるのがポイントです。 下の方は上の方よりも強めに圧がかかるように締めますが、血流を阻害するほど強く締めすぎないように注意しましょう。 ステップ3.膝を動かして確認する サポーターをつけ終えたら一度膝を軽く動かしてみて、締め付けが強すぎないかチェックします。また、きちんとフィットしているかチェックしているかも確認しましょう。 強い圧迫感や、サポーターのズレや丸まりといったフィットを阻害する要素があれば、つけ直すようにしてください。 まとめ|膝サポーターの丸まらない着用方法を覚えて安定力を高めよう 膝サポーターは、正しい手順で装着すれば、丸まったり、ずれたりしにくくなります。 本記事で紹介した正しい装着方法を参考に、膝にしっかりとフィットさせて、サポートの効果を最大限に引き出していきましょう。 なお、膝の痛みや変形性膝関節症・半月板損傷といった膝の疾患でお悩みの方は、再生医療を専門とする『リペアセルクリニック』への受診をご検討ください。 「再生医療」とは人間の自然治癒力を活用した最新の医療技術です。すり減った軟骨を再生し、膝の痛みを軽減させる効果があります。 無料相談も受け付けていますので「具体的な治療方法が知りたい」と気になる方は、お気軽にお問い合わせください。
2021.03.03 -
- ひざ関節
- 変形性膝関節症
変形性膝関節症の回復には適切なサポーターの活用が効果的です。膝の固定や保温効果により痛みを和らげるほか、適度な運動をサポートして症状の改善も期待できます。 サポーターは痛みを和らげ、膝の動きを助ける有効な手段ですが、すり減った軟骨を元に戻すものではありません。 そのためサポーターの効果を最大限に引き出そうと考えるのであれば、自分に合ったものを選び、正しく装着していくのが大切です。 本記事では、変形性膝関節症で使うサポーターの効果や選び方のポイントを解説します。注意点も紹介しているので、サポーターを活用したい方はぜひ参考にしてください。 また、将来的な進行を防ぎ、できれば手術に頼らず根本から膝の健康を取り戻したいとお考えなら、早めに次の選択肢を知っておくことが大切です。 特に、ご自身の細胞を活用して軟骨の修復を目指す「再生医療(幹細胞治療)」は、従来の治療方法と比較しても手術を必要とせず、根本的な治療も期待できます。 将来の手術を避けるために今からできることや、再生医療に関する情報を当クリニックのLINEにて配信しておりますので、知識の1つとしてお役立てください。 ▼膝の痛みの改善症例あり! 変形性膝関節症でサポーターをした方がいい4つの理由 さっそく、変形性膝関節症でサポーターをした方がいい理由を解説します。 ・膝の固定 ・保温効果 ・触圧覚を刺激 ・悪循環の遮断効果 それぞれの効果について詳しく見ていきましょう。 膝の固定 サポーターは、膝をしっかりと支えて固定する役割を担います。膝を固定すれば、関節への負担が軽減されるため痛みを和らげる効果が期待できるでしょう。 痛みがあると歩行が不安定になり、転倒するリスクが高まります。高齢者は筋力の低下も重なってより転びやすくなるためとくに注意が必要です。 触圧覚を刺激 人の皮膚には「触圧覚」(物に触れた感覚)と「痛覚」(痛みの感覚)があります。サポーターで膝を適度に圧迫すると、触圧覚が刺激されます。 痛覚よりも触圧覚が先に脳へ伝わるため、痛みの感覚が抑えられるのです。 保温効果 サポーターによる保温効果も膝の痛み軽減に役立ちます。 膝が冷えると血管が縮み、血液の流れが悪くなり、筋肉が硬くなります。硬くなった筋肉を動かすと、負担が増えて痛みが出やすくなるのです。 寒い日に外出したり、冷房の効いた部屋で過ごしたりする際は、サポーターで膝を温めて痛みを予防しましょう。 悪循環の遮断効果 変形性膝関節症では、痛みを避けるため動きを控えがちです。 しかし、運動不足が症状を悪化させる原因となります。膝をあまり動かさないでいると、周囲の筋肉が衰え、軟骨がさらにすり減りやすくなるためです。 サポーターを使えば、安心して膝を動かせます。適度に体を動かせば、筋力回復と軟骨の保護につながり回復を早められるでしょう。 また、変形性膝関節症や膝の症状にお悩みの方で、手術以外の治療法について興味がある方は「再生医療」もご検討ください。 現在当クリニックの公式LINEでは、再生医療や膝の症状の改善症例について紹介しています。 >>公式LINEはこちら 反対にサポーターを着けているからといって動きすぎるのも禁物です。以下の記事では変形性膝関節症の人がしてはいけない動作や仕事の業務を解説しているので、治療中の過ごし方が気になる方はぜひあわせてご覧ください。 変形性膝関節症で使うサポーター選びのポイント ここでは、サポーター選びのポイントを解説します。 サポーターには「医療用」と「一般用」の2種類があり、ドラッグストアやオンラインストアなどで購入可能です。変形性膝関節症に使用する場合は「医療用」が推奨される傾向にあります。 購入を検討する際は、サポーターのランキングサイトや販売サイトで口コミを確認するのがおすすめです。口コミを見れば、装着感や使用感といった実際の使用者のリアルな声をチェックできます。 サポーター選びの具体的なポイントは以下の3点です。 確認ポイント 選ぶ視点の例 サイズ ・膝にフィットするか ・共用もしくは男性用・女性用か ・締め付け具合が適切か 固定力 ・膝をしっかり支えられるか ・動きを妨げない程度の固定力か 保温性 ・保温効果に優れているか ・蒸れにくい素材か 購入前は可能な限り試着をしましょう。実際に装着してみれば、フィット感や使用感がよりわかります。 以下の記事では、サポーター選び方の詳細や装着方法について解説しています。詳しく知りたい方はぜひ参考にしてみてください。 変形性膝関節症でサポーターを使うときの注意点4つ 変形性膝関節症でサポーターを使うときに注意すべき点がいくつかあります。適切でない使い方をすると症状が悪化する可能性があるため、以下4つのポイントをおさえましょう。 ・汗を拭いて使用する ・正しく装着する ・安静時はサポーターを外す ・サポーターの効果が薄いときは専門家に相談する 順番に解説します。 汗を拭いて使用する 汗をかいた状態で着用すると、サポーターがずれやすくなります。サポーターがずれれば、歩行が不安定になって膝や腰に負担がかかり痛みが出る可能性があります。 汗をかきやすい夏場はとくに対策が必要です。サポーター装着前に膝の汗を拭き取り、使用中も汗が溜まったら小まめに拭きましょう。 正しく装着する サポーターは正しい位置に装着してはじめて、効果を発揮します。 装着位置が上下左右にずれると、膝を正しく支えられないため、サポート力が弱まります。また、血行不良を引き起こす場合もあるでしょう。装着して少しでも違和感があれば、正しい位置にあるかどうか確認してください。 サポーターの正しい装着方法は、商品パッケージの説明書や公式サイトに記載されている場合が多いので、事前によく見ておきましょう。 安静時はサポーターを外す サポーターは活動時のみ使用するのが基本です。 サポーターを付けっぱなしにすると、うっ血(血液の流れが悪くなる状態)や圧迫により痛みが生じる可能性があります。 症状悪化のリスクを避けるためにも、自宅でくつろぐ時間や就寝時といった安静時にはサポーターを意識的に外しましょう。 サポーターの効果が薄いときは専門家に相談する サポーターを使用しても症状が改善しないときは専門家に相談しましょう。状態が悪化している可能性があるためです。 一方で相談した結果、手段があまり残されておらずに手術に踏み切るしかない場合もあります。 もし、手術しかないと諦めかけている場合はぜひリペアセルクリニックにご相談ください。 当院は再生医療(自己脂肪由来幹細胞治療)を専門としており、 この治療はメスを使わず、ご自身の細胞の力ですり減った軟骨の修復・再生を目指すものです。 痛みの根本原因にアプローチし、手術を回避できる可能性も十分にあります。 ご自身の膝の症状に対して再生医療が対象かどうか疑問に思う方や、改善症例が気になる方は、ぜひ当クリニックの公式LINEをご確認ください。 ▼無料のオンライン診断あり >>公式LINEはこちら まとめ|変形性膝関節症ではサポーターをうまく活用して早期回復を目指そう サポーターは変形性膝関節症の症状改善に役立つアイテムです。膝を支えて歩行時の安定感を高め、痛みも和らげます。 サポーターの効果を最大限に引き出すポイントは、自分の膝にフィットするサイズやサポート力があるものを選び、正しく装着することです。 しばらくサポーターを使用しても効果が実感できない場合は、病院の受診を検討してみてください。症状が進行している可能性もあるためです。 受診した際は、医師にサポーターの適切な使い方を聞いてみるのも良いでしょう。より効果が期待できる装着方法がわかり、早期回復につながる場合もあります。 また、根本的に変形性膝関節症を治療していきたいと考えている方は、手術を必要としない治療方法である再生医療もご検討ください。 膝や関節の痛みに関する改善症例について現在公式LINEにて配信しておりますので、将来的な選択肢の幅を広げたい方はこの機会に知識としてお役立てください。 ▼多くの膝や関節の痛みの改善症例を配信中 >>公式LINEで確認する 変形性膝関節症で使うサポーターに関するよくある質問 最後に変形性膝関節症で使うサポーターに関するよくある質問と回答をまとめます。 サポーターは保険が適用されますか? 国に登録されているサポーターであれば保険適用の対象です。 登録されているサポーターは厚生労働省が公表している「療養費の支給対象となる既製品の治療用装具」の一覧よりご確認いただけます。 詳細が気になる方は チェックしてみてください。 サポーターをつけない方がいいケースはありますか? 膝周辺に炎症や傷がある状態でサポーターをつけると、皮膚の状態が悪化するリスクがあるため使用は控えた方が良いでしょう。 また、化学繊維のアレルギーをもっている方も注意が必要です。サポーターの素材によってはアレルギー反応が出る可能性があります。
2021.02.16







