膝が痛む!身体のサインを見逃さない!症状が悪化、重症化の懸念
公開日: 2022.03.15更新日: 2024.10.07
目次
膝が痛む!身体のサインを見逃さない!症状が悪化、重症化の懸念
- みなさんの日々の暮らしの中で「膝が痛い!」と感じたことはありませんか?
- 膝痛は時間が経過すれば、放置しても自然と治癒すると思っていませんか?
膝関節は、見た目では分からないほど色々な組織で取り囲まれていて複雑な構造をしています。また体重の何倍もの衝撃を受け止めてくれる存在でもあり、スポーツはもちろんのこと、日常生活でも損傷を受けやすい場所と言えるのです。
- 膝の組織は、年月を経て加齢に伴って消耗していくことをご存知でしょうか?
- そのため、高齢になればなるほど膝の痛みを自覚する人が増加する傾向があります。
また、激しいスポーツ競技を繰り返したり、肥満気味で体重が重い場合など、膝部分には大きな負担、ストレスがかかってしまうと想像頂けるでしょうか。
膝は日常的にも歩く、走る、座る、立ち上がるといった誰にとっても重要な役割を果たしている大切な部位です。その部分に痛みなどの違和感があるにも関わらず放置していると、スポーツはもちろん、日々の生活で歩いたり、階段を昇り降りするなど単純な動作も困難になる可能性があります。
今回は、膝の痛みを放置すると、どうなるかということをテーマに、膝の痛みに対して病院でどのような処置をするのか、膝の痛みを放置しないで病院へ行くことの重要性を解説してまいります。
膝の痛みがありながら、放置するとどうなるか
膝が痛む原因は様々です。
例えば外傷で靭帯を損傷する場合もありますし「変形性膝関節症」「腱炎」や「滑液包炎」などの疾患が原因となることも考えられます。
変形性膝関節症とは、関節部位においてクッションのような役割を果たしている軟骨成分が、加齢や筋肉量の低下によって組織が摩耗し、擦り減ることで膝の痛みを認め、最終的に骨の変形にまで至る疾患です。
変形性膝関節症においては、個々によって症状の程度や進行度合いが異なる事が知られており、変形がかなり進んでいても痛み症状を自覚しない場合もあれば、強度の痛みを認めていても実際にはあまり関節変形が認められない方もいらっしゃいます。
特に超高齢化社会を迎える我が国では、中高年の人々は膝部の違和感や痛みが慢性化している場合が多く、症状を放置してしまう傾向があります。
しかし、「膝からのサインを見逃すと、症状が悪化して変形性膝関節症を始めとする関節疾患を招く結果」となってしまいかねません。
当然ですが、どんな疾患であっても早期に発見することができて、早期に治療できれば治癒までの期間も少なくて済みますし、処置自体も軽く済む傾向が高いものです。
発見や治療が遅れれば遅れるほど重症化し、治癒期間は長くなり、治療方法も複雑化してしまいます。
「痛みは体からのサイン」です。膝に痛みや違和感を感じたら、症状が軽いからこそ、その状態のうちに病院等の医療機関へ出向くことが正解です。
膝の痛みに対して病院でどのような処置をするか
日常生活で膝に痛みを感じた人が整形外科などを受診すると、専門医による問診や触診などの診察を受けると同時にレントゲン検査を始めとし、必要に応じてCTや、MRIなどの画像検査が行われます。
これは表面から見えない骨や、組織の状態を把握するためです。この検査から得られたデータに基づいて確実な治療を実施するための正確な診断に結び付けられています。
慢性的な膝の疼痛症状に対する治療策としては、「薬物療法」、「リハビリテーション治療」、「手術治療」などが存在し、症状に合わせた治療が選択されます。
検査の結果、診断内容や、ひざ痛の原因にもよりますが、患者さん本人の症状が軽度の際には内服薬や外用薬を使用することで痛みといった症状を緩和することから始まり、場合によっては膝関節内にヒアルロン酸を注射を投与することで膝の可動域を広げたり、炎症を抑えたりする治療が行われます。
これらの治療と合わせて膝の痛みを抱えた患者さんに対して、日常生活に十分復帰や対応できるようにリハビリテーションを実践することで筋力の衰えや、膝の可動域の確保、こわばりといった症状を防ぎます。
さらに膝部分を温める物理療法、ならびに足底板(インソール)や膝、サポーターなどの装具を作成して、膝周りを支えることで膝を安定化させる理学療法がおこなわれます。
ただし、このような保存的な治療でも膝の痛みが改善しない場合で病状の進行を認める際には主治医より、関節鏡手術、高位脛骨骨切り術、人工膝関節置換術などの手術による加療の選択を勧められることがあります。
膝の痛みは放置してはいけない。病院へお越しください
膝痛の原因として多いのが「変形性膝関節症」というもので、加齢やケガで軟骨がすり減り、膝関節が変形してしまう病気です。
初期状態では日々の生活上、立ち上がる際に痛みを感じるの程度であり、痛みがあっても、しばらく安静にすれば症状も改善するため、大した症状ではない、また痛みが薄れると治ったと甘く考えたりして勘違いすることがあります。
実は、この膝に起こる痛みといった症状こそが更なる病状悪化のサイン、前兆である可能性があります。
放置した結果、病状が進行すると軟骨組織が、すり減って膝関節の骨と骨のすき間が狭くなると同時に、骨辺縁部位に骨棘(こっきょく)と呼ばれるトゲのような突起物が骨に形成され、更に骨が変形して病状が悪化していく可能性があります。
変形性膝関節症では時間経過とともに徐々に症状が重くなり、次第に正座や階段の昇降がスムーズにできなくなり、末期状態になると安静時にも膝部位に痛みを覚えるようになり、関節部の変形も顕著になって最終的には歩行することが困難になってしまいます。
変形性膝関節症は、けして自然治癒しないとお考え下さい。それどころか完治が難しい進行性の疾患です。したがって、膝部に疼痛症状を自覚された際には初期の段階で、早めに整形外科など病院の診療科に行き、検査、診断を経て治療を開始することで病状の進行を遅らせなけらばなりません。
また既に、階段の昇降や正座が困難になってきた、最近では安静時にも膝の痛みを覚えて歩けなくなってきたなどの症状に心当たりのある場合も、ぜひ早めに医療機関を受診されるようお勧め致します。
まとめ・膝が痛む!身体のサインを見逃さない!症状が悪化、重症化の懸念
今回は膝の痛みを放置するとどうなるか、膝の痛みに対して病院でどのような処置をするか、膝の痛みを放置せずに病院へ行く重要性などについて詳しく解説してきました。
年齢を重ねれば重ねるほど、身体の色々な箇所に不調が出現するものですが、特に実生活において非常に大きく影響を及ぼす症状のひとつとして「膝の痛み」が挙げられます。
膝の痛みや違和感をそのまま放っておくと、膝関節の骨自体が変形してしまう変形性膝関節症を代表とする関節疾患を発症して日常生活に重大な支障をきたすなど様々なリスクが考えられます。
そのため、自己判断で放置せず、病院等、医療機関を受診するよう心がけましょう。
早期発見、早期治療が何よりも大切です。
今回の記事の情報が少しでも参考になれば幸いです。
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