-
- ひざ関節
- 半月板損傷
半月板の亀裂、組織が欠損する半月板損傷、その症状、痛みの原因と治療法 半月板というのは膝関節に位置する大腿骨と脛骨間に存在する線維軟骨を意味します。 一般的には、膝部分の内側と外側のそれぞれに存在し、主には膝にかかる荷重や負担を分散して物理的な衝撃を吸収する役割を有しています。 半月板損傷という病気は、膝関節内にある半月板に亀裂が生じる、あるいは組織が欠損する状態であり、若年者から高齢者まで発症し、慢性化すると変形性膝関節症を引き起こすことが懸念される病気です。本疾患に罹患した際には進行しないように早期に医療機関を受診し、適切に治療することが重要となります。 今回は、そのような半月板損傷という病気の原因、症状、検査、治療などに関する情報を中心に詳しく解説していきます。 1.半月板損傷、膝が痛む原因 近年、積極的にスポーツに取り組む人とそうでない人の二極化傾向が指摘される背景があり、通常の運動不足に伴う運動能力の低下のみならず、過度なエクササイズによって「スポーツ傷害」を引き起こしかねない、どちらにもリスクが存在するようになりました。 一般的に、スポーツや運動による膝の外傷には、大きく分類すると骨折、靱帯損傷、半月板損傷、軟骨損傷がメジャーな疾患となっていますが、このうち最も頻繁にみられるのが半月板損傷と言っても過言ではありません。 また、半月板損傷は運動時の怪我から発症する場合だけでなく、加齢により傷つきやすくなっている半月板組織に僅かな外力が加重されて損傷し変性断裂が引き起こされるケースが存在します。 外傷による半月板損傷では、急なターンなどスポーツ中に膝部を傷めて膝前十字靱帯の断裂に合併して引き起こされることもありますし、特に外側半月板損傷は内側に比べて発症率は少ないと言われているものの若年者でよく罹患すると考えられています。 外傷とはまったく関係なく発症するタイプには生まれつき半月組織が大きく分厚いのが特徴的な円板状半月の症例で半月板損傷を認める場合もあります。 2.半月板損傷の症状 半月板が仮に損傷すると膝部に強い痛みが生じて運動する際や膝を屈曲伸展するときに膝に引っかかり感を覚えることがありますし、症状が進行した場合には膝に関節液が貯留して急激に膝が曲げ伸ばしできなくなるロッキングという状態に陥ります。 万が一、半月板が損傷すると激痛のために歩行できなくなることも経験されますし、関節の内部で強い炎症を惹起して水が溜まって膝部分が顕著に腫れあがる、あるいは膝内部の関節区域で出血が引き起こされて血液が貯留することも考えられます。 3.半月板損傷の検査 仮に本疾患が疑われる際には医療機関で整形外科の医師などが用手的に半月板部分に外的ストレスをかけることで、痛み症状などを再現させる診察が施行されることも多いです。 理学的所見などに基づいて積極的に半月板損傷を疑うときには、追加で半月板損傷に伴う関節症変化の有無を評価できるレントゲン検査を始めとする画像検査が実践されます。 また、核磁気共鳴装置を用いて行うMRI検査の場合は、半月板そのものが撮影されないレントゲン写真とは異なって、半月板自体を写し出せるので半月板損傷の診断率が非常に高く有用であると考えられています。 MRI検査を施行することによって半月板に縦断裂や水平断裂、横断裂、弁状断裂を始めとしてどのような組織損傷が起こっているか把握することができますし、半月板の変性状態を推察することにも貢献します。 4.半月板損傷の治療 半月板損傷に対する主な治療策としては、大まかに言うと保存治療と手術療法があります。保存療法とは、一般的に安静を保持する、抗炎症薬などの薬物を内服する、リハビリテーションなどを行うことを意味します。 仮に、これらの保存療法を実践してみても、膝部の痛み、引っかかり感、ロッキングなどの症状が継続して認められる場合には手術療法を検討します。 手術療法には、半月板のなかで損傷した部分を切り取る切除術、ならびに損傷した部分を上手い具合に縫い合わせる縫合術のふたつのタイプが挙げられ、通常では関節鏡を駆使した鏡視下手術を施行することが主流です。 実際には、半月板手術例のうち約9割は切除術が選択されていますが、この方法では膝関節の衝撃を吸収して膝関節の安定性を保持する役割を持つ半月板の機能そのものが失われるため、将来的に変形性膝関節症へ進行するリスクが高率であることが指摘されています。 したがって、特に近年では可能な限り縫合術を選んで半月板を出来る限り温存するという考え方がメジャーとなっています。 まとめ・半月板の亀裂、組織が欠損する半月板損傷、その症状、痛みの原因と治療法 今回は半月板損傷とはいったいどのような病気なのか、また本疾患の原因、症状、検査、治療などについて詳しく解説してきました。 半月板という組織は膝関節の内部に存在している軟骨様の構造物であり、内側と外側に各々ひとつずつあり、主な役割としては関節に加わる体重の負荷を分散させて関節部を安定に保つ働きを担っています。 半月板には、軟骨部に荷重される物理的なストレスを軽減させる重要な役割があるために現在では手術療法を選択した際には出来る限り半月板を温存して残す治療方法が重要視されています。 以上、半月板損傷とは、その原因と症状、治療法についてご説明させていただきました。今回の記事の情報が少しでも参考になれば幸いです。 ▼ 再生医療の幹細胞治療で半月版損傷を治療する 半月板損傷の新たな選択肢、再生医療の幹細胞治療で手術せず、入院も不要で症状をする ▼以下もご覧になりませんか 半月板損傷を早く治す!効果的なリハビリテーションの3つのステップ
2022.03.10 -
- ひざ関節
- 膝に赤みや腫れ
- オスグッドシュラッター病
オスグッド・シュラッター病|成長期の少年の膝に発症するスポーツ障害 オスグッド・シュラッター病という病気をご存知でしょうか? 普段あまり聞き慣れないかもしれない病名ですが、脛骨結節部という膝の皿(膝蓋骨)の下に存在している骨が飛び出してくることで膝痛が引き起こされる病気です。 この疾患は、患部が赤く腫れあがる、あるいは熱感を認めることもあって、傾向的には成長期に該当する少年に発症しやすいスポーツ障害のひとつと言われています。 特に、サッカーや陸上、バスケットボールなどの競技において、跳ねる行為やボールを蹴る動作を頻繁に必要とされる場合によく遭遇する病気と考えられています。 オスグッド・シュラッター病 脛骨結節部(膝の皿(膝蓋骨))の骨が飛び出し、膝痛が起こる 患部が赤く腫れあがり、熱感を認める 成長期の少年が発症しやすいスポーツ障害 →サッカー、陸上、バスケットボールなど、跳ねたり、蹴る動作を頻繁に行うスポーツ 今回は、そのような「オスグッド・シュラッター病」という病気の原因、症状、検査、治療などに関する情報を中心に詳しく解説していきます。 オスグッド・シュラッター病の「原因」 オスグッド・シュラッター病が引き起こされる原因は、膝を伸ばす力が繰り返されることによって脛骨結節部分が引っ張られて成長期に認められる膝軟骨部が剥離することと言われています。 オスグッド・シュラッター病という疾患は大腿四頭筋の過剰使用によるスポーツ障害の一種とされており、骨が軟骨から急激に成長する時期である概ね10歳から15歳頃の成長期における男児に多い病気です。 もともと、膝の曲げ伸ばし運動は太ももにある大腿四頭筋という筋肉によって常日頃から行われており、この筋肉が膝蓋腱を介して脛骨結節を引っ張っているため、跳躍運動やボールなどを蹴る動作で脛骨結節に過剰な負荷がかかると本疾患を発症しやすいと言えます。 一般的には、成長期が過ぎてしまえば自然と症状が軽快する病気であり、疼痛症状が改善すればスポーツや運動行為を再開することが出来ます。 オスグッド・シュラッター病の「症状」 オスグッド・シュラッター病における主な症状としては、「脛骨結節部の隆起と痛みや腫れ、あるいは患部が熱感」を持つことなどが挙げられます。 通常であれば、それらの症状は片脚にのみ認められることが多く、痛み症状は膝を動かすときに出現しやすく、休息している際には緩和されていることが知られています。 成長期においては、骨成長スピードに周囲の筋肉が追いつけずにアンバランスになっている状態であり、筋肉自体に強度と柔軟性が乏しいためにスポーツなどを過度に実践すると、大腿四頭筋から繋がっている脛骨粗面部に負荷がかかりやすくなります。 その結果として、膝軟骨が一部剥離するなど物理的な刺激が生じて、かつ成長期の脛骨結節部は通常よりも柔らかい構造であるがゆえに外的刺激がより過重されて、患部の熱感や腫脹などに伴って疼痛症状を引き起こされやすいと考えられます。 オスグッド・シュラッター病の「検査」 オスグッド・シュラッター病の診断は、基本的には医師による診察と症状、あるいは画像検査などに基づいて評価されます。 この疾患では特徴的な症状を捉えると同時に、患部の隆起所見や圧痛の有無などによって診断されますし、より確実な診断に繋げるためにX線検査を行って脛骨結節の剥離があるかどうかを確認する作業が行われます。 膝部分のX線検査を施行することで、脛骨粗面の腫脹の有無、あるいは剥離破片が形成されているか否かも判断できます。また、必要に応じて超音波検査、CT検査やMRI検査などの画像的評価を追加して実施することも往々にしてあります。 オスグッド・シュラッター病の「治療」 オスグッド・シュラッター病は成長期に一時的に認められる病気とされており、通常では成長を重ねると共に自然と治癒傾向を示します。 この病気に伴う症状は通常であれば数週間から数カ月後の間に消失することが多く、激しい運動ならびに深く膝を屈伸する動作などを避けると症状の軽減に繋がります。 本疾患による症状の悪化を回避するために、大腿四頭筋のストレッチング、あるいは患部のアイシングなどを実践すると同時に、万が一疼痛症状がひどい際には鎮痛剤の服用や湿布を貼付することも考えられます。 症状が改善されればスポーツ活動や運動動作を再開することも可能ですが、スポーツする前後に出来る限りストレッチングやアイスマッサージをする、そして膝にベルトなど固定具を装着するなどの対策を講じると有用ですので心がけましょう。 まとめ・オスグッド・シュラッター病は成長期の少年の膝に発症するスポーツ障害 今回はオスグッド・シュラッター病とはいったいどのような病気なのか、また本疾患の原因、症状、検査、治療などについて詳しく解説してきました。 オスグッド・シュラッター病とは、主に成長期の子どもたちが膝前下部に痛みや熱感を自覚する疾患であり、激しい運動を繰り返すことで発症しやすいと考えられています。 スポーツ活動中に万が一にも膝部に疼痛を認める際には我慢せずに安静にして休息することが重要であり、症状改善後には運動前後にウォーミングアップやクーリングダウンを確実に実践することで、スポーツ障害の発生を回避できると考えられます。 今回の記事の情報が少しでも参考になれば幸いです。 https://youtu.be/SLVA_1FAA-w?si=P1U6Pb0dlOhztIJz ▶成人後でも、後遺症として再び痛みがでることも。治療期間の短縮にはPRP治療がおすすめです。 ▼ スポーツ外傷(オスグッド・シュラッター病、筋・腱・靭帯損傷)に対する再生医療 当院の再生医療は、スポーツ選手のパフォーマンス(QOL)を維持する治療を推進しています
2022.03.10 -
- ひざ関節
- 膝の内側の痛み
- 変形性膝関節症
変形性膝関節症のお悩み|従来の治療法と新たに注目される最新の治療法 膝の痛みが進み、変形性膝関節症になると、症状が進行するごとに痛みを感じる頻度が増えます。痛みを我慢して日常生活を送っているのはとても辛いですから、何とかして痛みを和らげたいものです。 変形性膝関節症は、中期から末期になると痛みが強くなり、末期には膝が変形するほどの症状となります。 そうなると日常生活を送るのこと自体が難しくなります。何よりも歩くことが難しくなると運動不足になり、結果として肥満が進んだり、内臓の働きが悪くなって様々な病気を引き起こす原因にもなります。 そのためにも膝の痛みや違和感は我慢せず、早めに病院等、医療機関を受診してください。 今回は、膝の痛み・変形性膝関節症について、これまでの治療法と、新たに注目されている「最新の治療法」についてご紹介します。 膝の痛み、変形膝関節症の初期の対処法 変形膝関節症は、初期の段階で炎症を悪化させないようにすることが大切です。 初期~中期の前半あたりでは、3日から1週間ほどなるべく安静にし、膝に負担をかけない生活を送ることを心がけてください。炎症が収まり、痛みも引く場合があります。 安静にしていても膝の痛みが治まらない場合は、医療機関を受診してください。専門医による適切な治療を受けることをおすすめします。 変形性膝関節症の従来の治療法 変形性膝関節症の従来の治療では、症状が軽いうちは、生活習慣の改善と内服薬での治療がメインとなります。もう少し進行するとリハビリも取り入れた治療となり、症状が重い末期では手術を行うこともあります。 生活習慣の改善 症状が軽い場合は、日常生活における膝の負担軽減を目的として、生活習慣の改善を行います。具体的には普段の動作を見直す、肥満であれば減量するといった内容です。 膝への負担を減らす目的での体重管理は、大切ですが、自己流では難しいものです。できれば、診察を受けている病院等にて指導を受けて取り組まれることお勧めします。 運動療法(リハビリテーション) 運動によって脚に筋力をつけ、膝周辺の筋肉を強化し、膝関節を保護します。良くある誤解は、運動をすると膝の痛みが強くなるのでは?という疑問です。 この点に関して不安になる患者さんもいらっしゃいますが、適切・適度な運動を行うことで膝周囲の筋肉強化が可能になります。筋肉が強化されると、膝関節の負担を軽減することができるため前向きにお取組みください。 ただし、自己流は逆に膝を傷めることもあります。病院のリハビリ等、専門家の指導を受けて無理のない範囲で行いましょう。 薬物療法 痛みのある患者さんには、内服薬や外用薬を使った痛み止め治療を行います。 装具療法 歩行や立ち上がりの際の膝への負担を軽減するため、膝サポーターや足底(インソール)への装具着用を行います。 物理療法 膝周辺を温めて血行を促したり、炎症が酷く腫れている場合は冷やすなどします。 外科手術 症状が進行した場合、外科的治療が必要になることがあります。具体的には、内視鏡を使った関節鏡視下手術や、骨を切って変形を矯正する高位脛骨(けいこつ)骨切り術、人工膝関節置換術などがあります。 膝の症状が進行し、変形性膝関節症で辛い思いをしている患者さんは少なくありません。特に、投薬や注射でも改善しない痛みが続く末期の患者さんは日常生活に支障をきたしています。そのような場合、次のような方法が選択肢となります。 関節鏡視下手術 高位脛骨(けいこつ)骨切り術 人工膝関節置換術※ ※人工膝関節置換術とは 変形性膝関節症の人工膝関節置換術では、特殊な金属とポリエチレンから作られる人工関節を設置することで、膝関節の動きをサポートすることができます。 術後はそれまでの膝関節の痛みがなくなる、もしくは大きく和らぎ、膝の痛みが軽くなることで、運動もできるようになることが多くあります。人工関節置換術によって痛みは和らぎ、日常生活の不便も少なくなりますが、やはり手術には注意点やリスクがあります。 例えば、人工関節が外れたり、異物を入れたことによる細菌感染が起きるといったリスクがあり、時間の経過に伴い人工関節が緩むこともあります。 ですから、変形性膝関節症で最新治療を受ける場合は、信頼できる病院を選ぶこと、また、術後も定期的に受診をし、適切な検査を受けることが必要です。 変形性膝関節症のおすすめ最新治療「再生医療」 保存療法や手術に代わる、新しい選択肢としておすすめしたいのが「再生医療」です。 膝の痛みの原因のひとつ、膝軟骨のすり減りに対しては、軟骨を再生させることはこれまで不可能と言われてきました。それが先端医療の再生医療では、患者さんの幹細胞を培養して軟骨を再生することができるようになりました。 再生医療は大掛かりな手術を必要とせず、本人の細胞を利用することで患部の再生を促す医療で、保存療法よりも早期の治療効果が期待でき、しかも確実性が高く、従来の手術法よりも体への負担が少ない治療法として注目されています。 再生医療の中でもおすすめは、自分の幹細胞を培養して用いる治療法で培養するための時間は必要ですが手術することなく、入院の必要もなく、日常生活に復帰できる点が評価されている治療法です。 再生医療は新しい医療分野だけに、医師であっても知見に乏しいことがあります。ご相談される場合は、一般の病院等ではなく再生医療専門医のいるクリニック等にてご相談されることをおすすめします。 当院でも、再生医療による変形性膝関節症の治療をおこなっています。是非一度お問い合わせください。 https://youtu.be/zmcafuxHyTw?si=tmnJuLE99nvDVlQc > その他、変形性膝関節症の事例を動画で見る まとめ・変形性膝関節症のお悩み|従来の治療法と新たに注目される最新の治療法 軽度な変形性膝関節症は、外科手術を必要としなくても進行を抑えることが可能ですが、進行してしまうと外科的手術が必要になる場合があります。しかし、末期の変形性膝関節症でも「最新治療」によって運動が可能になるほど症状を緩和することが可能です。 最新治療を検討する場合、変形性膝関節症の治療実績の高い病院やクリニックで整形外科を選ぶこと、また、術後のトラブルを防ぐためにも、定期的な受診を怠らず検査をきちんと受けるようにしましょう。 変形性膝関節症は、早期治療が何よりも大切、膝に痛みや違和感を感じたら自己判断せずに病院等にて診察を受けられることをおすすめいたします。 以上、変形性膝関節症で悩まれている方に向けて新たに注目されている最新の治療法である再生医療を記しました。 この記事がご参考になれば幸いです。 ▼ 変形性膝関節症でオススメの再生医療は、幹細胞治療です 変形性膝関節症の新たな選択肢、再生医療の幹細胞治療で手術せずに症状を改善できます ▼以下の参考にご覧ください 変形性膝関節症の手術|知っておきたい手術のメリットとデメリット
2022.03.03 -
- 関節リウマチ
- お皿付近に違和感
- 内科疾患
関節リウマチの治療|生物学的製剤は有効だけど副作用に気をつけて 関節リウマチで悩まれている人はいませんか?この関節リウマチの治療方法で使われる薬物療法も日々進歩を重ね、現在では「生物学的薬剤」による治療が行われるようになってきました。 そこで、今回は関節リウマチに悩んでいる人が知りたい以下の疑問点について解説してまいります 生物学的薬剤は効果があるのか? 生物学的薬剤はどの程度、効果を期待できるのか 生物学的薬剤に副作用の心配はないのか 関節リウマチの治療で使われる生物学的薬剤とは 生物学的薬剤とは、科学的に合成されたものではなく、バイオテクノロジー技術を駆使して生体がつくる物質を薬剤として使用するものです。2003年から日本でも使われるようになりました。 これは、それまで使用されていた抗リウマチ薬で効果がなかった人にも効果があるなど、今では関節リウマチの薬物療法の切り札的存在になっていいる薬剤です。 今や多くの種類の生物学的薬剤が使われるようになってきました。使用に際しては患者さんの状態、「基礎疾患があるか」「高齢であるか」を踏まえて医師が適切なものを使い分けることで、より高い効果が期待できるようになっています。 医師が状態を鑑みて判断 基礎疾患があるか 高齢であるか 効果|炎症を抑える 生物学的薬剤は、関節リウマチによる炎症を抑える効果を期待できるものです。関節リウマチは免疫の異常によって起こり、症状としては体内の細胞や組織を攻撃して炎症を起こし、腫れや痛みを生じさせるものです。 その際に、身体にはサイトカインという物質が多く分泌されていて、このサイトカインが炎症を広げていくことで更に炎症が悪化していくことになります。 これに対して生物学的薬剤は、このサイトカインの働きを抑える効果が期待でき、炎症を抑制し、関節リウマチの症状が悪化することを抑える効果があります。 効果|関節が破壊されるのを抑制 生物学的薬剤の大きな特徴は、関節リウマチによって関節が破壊されていくのを抑制する効果が優れている点です。関節リウマチは、免疫の異常によって起こり、炎症が生じると関節の内側を覆う滑膜が腫れあがり、関節や骨を破壊します。 生物学的薬剤は、この破壊を抑制する効果が期待できるのです。また、破壊を抑制するだけでなく、破壊された関節や骨を修復する効果も期待できることも分かってきています。 ただし、破壊された関節や骨が完全に修復されるというわけではなく、既に完全に破壊されてしまった関節や骨には効果が期待できません。つまり、生物学的薬剤による治療は、できるだけ早めに開始するのがおすすめです。 生物学的薬剤の効果 炎症を抑える 関節の破壊を防ぐ 崩壊した関節を修復(早期治療が条件) 関節リウマチ治療の生物学的製剤に副作用はあるか 生物学的製剤を使ったリウマチ治療はとても有効です。しかし、治療を受けてみようと思っている人なかには、副作用が心配だという人も少なくないでしょう。そこで、リウマチ治療に使用される生物学的製剤にはどのような副作用があるのかについて解説します。 また、副作用に対して自分で予防できることについても紹介します。 副作用|感染症に注意 生物学的製剤を使った関節リウマチの治療による副作用で注意したいのは「感染症」です。リウマチは免疫の異常によって、体内の組織や細胞を攻撃してしまうのが原因と考えられています。 そのため、免疫の働きを抑える効果がある生物学的製剤を使用するわけですが、免疫の働きを抑えると、体内に侵入したウイルスや細菌などを攻撃して身体を守るという免疫本来の働きも抑制されてしまいます。 その結果、肺炎や結核などの感染症にかかりやすくなります。そのため、仮に感染症になった場合は、治りにくくなってしまいかねません。こうした感染のリスクを抑えるために医療機関は、生物学的製剤の治療前に採血を行い感染症の原因となるウイルスや細菌の有無をチェックします。 これら感染症に対して自分ができる予防法としては、手洗いや、うがいを小まめに行ったり、マスクを付ける等があります。また、咳や熱が出たという場合は、症状が軽くてもできるだけ早めに医師に伝えることが大切です。 副作用|アレルギー 生物学的製剤を使ったリウマチ治療では副作用としてアレルギーが出る可能性もあります。例えば、生物学的製剤のなかの1つであるレミケードにはマウスのタンパクが含まれているので、それが体質に合わずにアレルギー反応が出ることがあります。 また、他の種類のエンブレルは人のタンパクなので、大きなアレルギー反応が出ることは、ほぼありませんが、それでも体質が合わずに「アレルギー反応」が出る可能性があります。 副作用|注射時 関節リウマチ治療での主な副作用は感染症とアレルギーですが、注射時に副作用が出ることもあります。関節リウマチ治療の生物学的製剤の投与方法には点滴注射や皮下注射がありますが、点滴注射では頭痛や発疹、皮下注射では注射箇所に赤みや腫れなどの症状が出ることがあります。 しかし、こうした症状が出た場合でも多くは一時的で、すぐに治まります。そのな場合、心配や不安があれば、すぐ医師に相談しましょう。 まとめ・関節リウマチの治療|生物学的製剤は有効だけど副作用に気をつけて 以上、関節リウマチの治療方法として生物学的薬剤に期待できる効果と副作用について紹介しました。生物学的薬剤は、従来使われていた抗リウマチ薬よりも高い効果を期待することができます。 しかし、治療を受けるのが遅れると期待するほど回復しないなど、思うような効果が得られないこともあるので我慢せずに早めに医療機関を受診するようにしましょう 関節リウマチ治療に使用される生物学的製剤の副作用について、副作用は必ず出るものではありません。医師も事前の検査で患者に合った生物学的製剤を使用するなど副作用のリスクを極力抑えた状態で治療を行います。 ただ患者自身も、どのような副作用があるかを把握しておくことは大切です。心配な症状が出たら、すぐに医師に相談できるからです。少しでもリスクを減らすために、医師に自分の状態をしっかりと伝える、そして予防できることはしっかりとおこなうことも大切です。 そして、関節リウマチは、早期治療が非常に大切です。身体や関節に異変、違和感を感じたら放置しないで早めに医療機関を受診することをおススメいたします。
2022.02.25 -
- 変形性膝関節症
- 膝の内側の痛み
- ひざ関節
変形性膝関節症の手術|検討する前に知っておきたい手術のメリットとデメリット 変形性膝関節症は、関節軟骨の摩耗を起因に膝に慢性炎症を引き起こし、その結果つらい痛みが起こる病気です。膝が炎症を起こす仕組みは、膝の関節軟骨や半月板が加齢や怪我から摩耗し、軟骨のかけらが関節を覆っている滑膜という組織を刺激するためです。 変形性膝関節症は進行性の病気です。発症した初期には膝関節の違和感や軽い痛みだったものが次第に痛みが増強したり、膝が変形したりします。変形性膝関節症の治療では、少しでも進行を遅らせるように、膝に負担がかからないように過ごし、リハビリテーションなどで膝周囲の筋肉を鍛えることが大切です。 膝に負担の無い生活スタイルを見直し、リハビリをはじめ、運動療法に取り組んでも改善がみられない場合には、手術を勧められます。 手術と聞くと不安を抱かれる方も多いはずです。そこで、この記事では、変形性膝関節症の手術を検討する前に知っておきたい手術のメリットとデメリットについて、ポイントを絞り解説します。 変形性膝関節症の手術の種類 変形性膝関節症の手術には、関節鏡視下手術・高位脛骨骨切り術・人工関節置換術といった3種類があります。どの手術を実施するかは、変形の進行度や痛みの程度、年齢を考慮し選択することになります。 変形性膝関節症で行われる手術の種類 関節鏡視下手術 高位脛骨骨切り術 人工関節置換術 ※手術の選択:変形の進行、痛みの程度、年齢で判断される 手術で痛みが消えるのか? この問いに対しては、「膝の手術を受けると、痛みは軽くなったり、なくなったりする可能性が高い」といえます。特に人工関節置換術を受けると、ほとんどの場合に痛みは改善し、膝を痛める以前のような歩行ができます。 ただし、どのような手術でも少なからず体の負担になること、術後はある程度の期間の入院が必要で、リハビリに励む必要があること、人工関節置換術の実施後は正座ができなくなる可能性が高いことなど日常生活に少なからず影響がでることを念頭に置かねばなりません。 変形性膝関節症の手術 変形性膝関節症の手術後は、痛みが無くなることが多いのですが油断はできません。膝を気にせず、関節に負担がかかるような姿勢や動作をしていては、痛みの再発だけでなく、再手術の可能性が高まるからです。膝の3つの手術について以下、簡単にご説明します。 1.関節鏡視下手術 変形性膝関節症で比較的初期に適応される手術は「関節鏡視下手術」です。 関節鏡視下手術では、炎症を引き起こす原因の軟骨のかけらを取り除く。 傷んだ半月板の形を整える。 しかし、脚の変形や軟骨のすり減りが悪化することで、痛みが出現すれば再手術になる可能性がある。 2.高位脛骨骨切り術 高位脛骨骨切り術は脚の変形を矯正し、関節にかかる偏った負担をなくす手術。 変形が進行しきっていないことが条件で、人工関節置換術を受ける方より年齢が若い60歳未満の方に適応されることが多い。 高位脛骨骨切り術により。O脚やX脚などの脚の変形を矯正しても、軟骨のすり減りや、痛みが再発する可能性がある。 将来定期には再手術を必要とする場合があります。 3.人工関節置換術 人工関節置換術は変形性が進行した末期、または60歳以上の方に適応されます。 年齢が重要視される理由は、人工関節の耐久性(20年前後)を考慮して、再手術をしなくても良いように考えられているため。 人工関節置換術をすると、軟骨がすり減る心配をしなくて済むほか、痛みを気にせずに過ごせる可能性が高くなる。 しかし、膝に負担がかかるような過ごし方を続けると、人工関節に破損や緩みが出てきて耐久年数に関わらず再手術の可能性が高まります。 変形性膝関節症の手術をしても、膝の状態が悪くなれば再び手術が必要です。 とくに高位脛骨骨切り術後に再手術が必要な場合、膝の変形は進行し、ある程度加齢していることが予想されるため、人工関節置換術が選択されるケースが多くなります。ただし、人工関節置換術を受けると、膝を完全に曲げることができなくなります。痛みの改善は期待できる分、少なからず可動域が狭まることで日常動作に制限がかかり、日常生活に少なからず不自由さがでます。 膝の手術について最低限知っておきたいメリットとデメリットを以下にまとめました。 手術のメリット 起床時に膝のこわばりがなくなる 痛みなく階段を上り下りできる 膝を気にすることなくスッと歩き出せる 膝を気にすることなく好きなところに出掛けられる 手術のデメリット 手術そのもので合併症の危険性 膝の曲げ伸ばしに違和感 重い荷物は避ける 正座ができない かがめない、かがみにくくなる 生活習慣の変化を受け入れる スポーツに支障(膝に負担を掛けない前提で判断) 手術後、最終術を防ぐために! 変形性膝関節症の手術をうける上で大切なことは、再手術を防ぐことです。膝の状態の悪化を防ぐには、生活に中で膝への負担をかけないように過ごし、運動療法により膝を安定させることです。そのためには、継続したリハビリ、運動療法が大切になります。 手術後に気をつけること 上記のデメリットに気を付ける 正座や深くしゃがむ動作を避ける 膝に負担のかかるような激しい動作はしない 手術前と同じようにリハビリ、運動療法は継続する 定期的に医療機関を受診し、常に膝の状態を確認する まとめ・変形性膝関節症の手術|検討する前に知っておきたい手術のメリットとデメリット 変形性膝関節症は、膝に痛みや変形を及ぼす病気で、進行すると痛みから普通の生活を送れなくなります。 治療の基本はリハビリとしての保存療法となりますが効果がみられなければ手術という選択肢になります。当然、手術はメスを入れることになり、体の負担になるだけでなく「術後に痛みが消えなければどうすべきか」と、不安を感じる方もいるはずですが「手術を受けるれば痛みは改善する可能性は高い」と思われます。 ただし、痛みの改善はあくまで膝関節に焦点を当てた話になります。手術をしても、膝周囲の皮膚の癒着、関節の拘縮、筋力低下、術操作による神経の損傷など、さまざまな理由で痛みが残存することもあります。そのため、術後に取り組むリハビリテーションは非常に重要です。それでも膝の状態によっては、どの手術を選択しても将来、再手術のリスクがあります。 例えば人工関節は耐久年数があり、個人差はありますが概ね15年前後と言われています。その時点で高齢な場合、再び体に負担がかかり、リハビリをはじめ精神的に前向きに取り組めるか心配にもなります。そうならないためにも術後に膝の痛みが取れても、無理は禁物。過度な膝への負担を避け、リハビリテーションをはじめとして適度な運動を継続することが再手術を防ぐポイントになります。 手術で痛みは消える可能性は高いと考えられます。ただし、リハビリや適切な運動を継続し、膝の健康を保つことが大切です! 以上、変形性膝関節症の手術を決断する前に知っておきたい手術のメリットとデメリットについて解説させて頂きました。 参考にしていただければ幸いです。 ▼ 再生医療の幹細胞治療なら変形性膝関節症を手術を避けて治療が可能です 変形性膝関節症の新たな選択肢、再生医療の幹細胞治療で症状を改善するには! ▼以下も参考にされませんか 変形性膝関節症の手術で高齢者が受けるリスク
2022.02.24 -
- 変形性膝関節症
- 膝の内側の痛み
- ひざ関節
変形性膝関節症を悪化させないための日常の工夫と、運動のすすめ! 変形性膝関節症は、加齢・外傷・肥満・遺伝・日常における膝の負担になるような生活様式など、さまざまな要素が関与して発症する病気です。 変形性膝関節症になると、膝の関節に痛みや変形が出現するほか、膝を動かすと「関節から音(関節軋轢)」が鳴ったり、可動域制限がかかったりします。また、炎症が起きると「膝に水がたまる関節水腫」がみられます。 そんな変形性膝関節症の治療は、なずは運動療法によって膝の周りの筋力をあげて関節を安定させることが大切です。しかし、膝に痛みがあると、満足に運動に取り組めなくなるため、日頃から膝に負担がかからないような生活も大切になります。 この記事では、「変形性膝関節症を悪化させないための日常の工夫」を細かく解説します。膝の痛みでお困りの方はぜひご覧ください。 膝に負担がかからない生活を心がける 日常から膝に負担がかかる生活は、関節軟骨のすり減りや軟骨下骨の新陳代謝に異常を及ぼします。さらに、すり減った軟骨のかけらが滑膜を刺激し痛みを感じるようになります。膝に痛みがあると、これまで通りの生活にも支障をきたすため、できる限り膝に優しい生活をしましょう。 膝に負担が掛かると 膝関節内の軟骨がすり減る 軟骨の下、軟骨下骨の新陳代謝に異常が起こる すり減った軟骨のかけらが滑膜を刺激し痛む これらを避けるため、膝に負担を掛けない優しい生活とは。どのようなモノなのでしょうか?以下ご説明してまいります。 和式から、洋式へ!生活スタイルを変える 膝の痛みは生活スタイルを変えるだけでも緩和します。 地べたで過ごす和式から、椅子で過ごす洋式へ変えるのがおすすめです。 洋式での生活は、正座や低い位置からの立ち上がりを必要とせず、膝の負担を軽減・痛みの緩和が期待できます。 膝に負担のかかる運動は避ける 体を動かすことは、膝の筋肉強化や健康増進が期待できるものの、膝に負担となる運動は禁物です。 たとえば、テニス・卓球・ゴルフ・社交ダンスなど、急な方向転換・発進や停止・繰り返される膝の屈伸運動やジャンプを必要とする運動は要注意です。 減量(ダイエット)する 肥満であることは膝に大きな影響を与えます。 立つ・歩く・座るなど、いかなる動作においても膝へ負担がかかっています。 二足歩行をする人間は、体重の半分を片脚で支えているだけでなく、歩くと体重の3倍は負担がかかると言われています。つまり、体重が重たいと、膝にかかる負担も大きく、軟骨のすり減りを進行させてしまうため、肥満傾向の方は減量に取り組みましょう。 背筋を伸ばす!綺麗な姿勢に改善する 姿勢が悪ければ膝への負担になります。 理想的な立ち方は、目線は正面を向き、肩を開き、骨盤を軽く前傾させることです。 鏡などで確認した際に、足の外くるぶしから耳までが一直線になっていれば綺麗な姿勢を取れています。 また、綺麗な立ち方をしても、歩き出した途端に姿勢が崩れるようではいけません。 歩行中に意識するのはもちろん、定期的に自分の姿勢を鏡で確認すると良いでしょう。 杖を使う 杖を使って、膝への負担を減らします。 杖は痛みがある方と反対側の手で持ち、痛みがない脚と杖に重心を乗せることで、痛みのある膝に体重がかからないようにします。 膝の痛みから、外出の機会が減っていたり、歩行に気乗りがしなかったりするときには、杖がおすすめです。 中には、杖を使うのに抵抗がある方もいらっしゃいます。しかし、杖を使用すると、姿勢を伸ばすだけでなく、膝への負担を減らせるので、ずいぶんと楽に歩けるはずです。最近では、デザインが施されていたり伸縮機能があったりと、いろんな杖がありますので、自分に合った杖を選びましょう。 足に合った靴を履く 足に合っている靴を履いて、膝を安定させます。 靴はヒールやサンダルではなく、スニーカーがおすすめです。 靴選びで失敗してしまうと、膝の安定性を高めるための歩行がかえって負担になるのです。 さらに、外反母趾・膝痛・腰痛・股関節痛などのように、痛みが全身に広がる可能性まであります。 靴選びのポイント 足のサイズに見合ったもの クッション性が高いもの 足首までしっかり覆われているもの 靴紐やテープで足首をしっかり固定できるもの 手すりを使う 玄関・お風呂・階段などに手すりをつけ膝への負担を軽減します。 階段を昇るときには、手すりを支えにして痛くない方の脚から出し、降りるときも同様に手すりを支えにしますが、痛みがある方の脚から下ろすのがポイントです。 また、運動で階段を昇り降りされる方がいらっしゃいますが、階段昇降時には体重の6〜7倍もの負荷がかかります。負荷が大きいほど、トレーニングの効果は期待できますが、余計に傷める可能性もあり注意が必要です。 特に変形性膝関節症の方は、膝に負担がかかりやすい足運びをされているケースがあるため、まずは水中歩行・地上でのウォーキング・室内でできるトレーニングをおすすめします。 継続して運動に取り組むこと 膝への負担を下げるには、関節を安定させている筋肉を鍛えることが大切です。太もも前面にある大腿四頭筋をはじめ、太もも後面にあるハムストリングスなど、バランスよくトレーニングします。 水中運動 浮力がある水中では、膝への負担を減らしながら運動ができます。 水中での歩行をはじめ、クロールで使うバタ足も膝のトレーニングには有効です。 泳ぎが得意ではない場合、プールサイドに腰をかけたり、つかまったりしながら脚をバタバタと動かすだけでも効果的です。 地上でのウォーキング 屋外での歩行で足腰を鍛えます。 ウォーキングは、筋力トレーニングと比べて充分な運動に感じないかも知れません。 しかし、ウォーキングを1年半継続すると、生活への支障や痛みに対して、トレーニングと同程度改善することがわかっています。 ただし、ただ歩くだけではなく、靴選びにこだわり、歩行中は姿勢を意識し、必要であれば杖を使用して安定した歩行をしましょう。 ビタミンD 変形性膝関節症を進行させるリスクに、ビタミンD不足があります。 ビタミンDは、日光を浴びると体内で活性化される栄養素のため、屋外での運動は膝周囲の筋力を鍛え、変形を進行させるリスクも抑えます。 自宅でできるトレーニング 雨の日や外に出るのが億劫な場合、自宅でできる運動を紹介します。 大腿四頭筋トレーニング ① 椅子に腰をかけて、片側の脚を伸ばしきります ② 座面と水平になるように脚を持ち上げて、10秒間キープします ③ ゆっくり脚を下ろし3秒間休憩します (①〜③を20回繰り返して、脚を入れ替えます。) 大腿四頭筋・ハムストリングスのトレーニング ① 椅子の背を両手で持ち、脚は肩幅に広げます ② つま先と膝の向きはまっすぐ向くようにします ③ 膝を前に出さず、お尻を後ろに突き出すように上体を落とします (① 〜③を1セット5〜10回、1日3セットします。) 痛みがあるときには無理をしない 膝に痛みがあるときは、無理をせずに休息します。痛みに対しての対処法ですが、熱感や腫れがある場合には、冷やして炎症を抑え、慢性的な痛みには温めて血の流れを促します。痛みが強い場合には、病院を受診し、痛み止めの薬を処方してもらいましょう。 痛みの緩和は薬だけでなく、鍼灸治療やマッサージでも効果的だとわかっています。薬をできる限り飲みたくない場合や、薬でも効果が見られないときには、鍼灸やマッサージといった手段も覚えておきましょう。 膝の痛みの緩和にグルコサミンやコンドロイチンを服用する方がいらっしゃいます。両者は膝に軟骨に含まれる成分で、痛みの緩和を期待され服薬しますが、信頼度の高い研究は行われていないのが現状です。服用を検討している方は、かかりつけ医に相談することをおすすめします。 まとめ・変形性膝関節症を悪化させないための日常の工夫と運動のすすめ! 変形性膝関節症はさまざまな原因が組み重なって発症・進行してく病気です。膝の状態を悪化させないためには、膝に負担がかからないように生活をして、継続して運動に取り組みます。 日頃から膝に負担をかけていると、軟骨が摩耗するだけでなく、変形を進行させてしまいます。地べたではなく椅子に座るなど、できることから取り組みましょう。 運動療法に取り組む際は、くれぐれも無理は禁物です。痛みを我慢したまま続けてしまうと余計に悪化するため、膝の痛みがあるときは、炎症を起こしているのか、慢性的な痛みなのか判断し適切な対処が必要です。しかし自分では膝がどのような状態なのかわからない場合があります。そのような時は自己判断をせず病院を受診し、適切な処置を受けることが変形性膝関節症の悪化を防ぐことと覚えておきましょう。 以上、変形性膝関節症を悪化させないために日常生活においてできる工夫について記しました。 参考にしていただければ嬉しく思います。 ▼ 再生医療の幹細胞治療で変形性膝関節症を治療する 手術不要、入院不要の変形性膝関節症の新たな治療法。再生医療の幹細胞治療で症状を改善できます ▼以下も参考になれば幸いです 膝の病気!鵞足炎と変形性膝関節症についてと、その違いを解説!
2022.02.22 -
- ひざ関節
- 肘関節
- 健康・美容
コラーゲンにはどのような効果があるのか、どのように摂取すれば良いのか知りたい方はいませんか。 コラーゲンは美容的に注目されていますが、実は身体にとっても非常に重要な栄養素です。 この記事では、コラーゲンの効果や効率的に摂る方法についてご紹介します。コラーゲンについての知識を深めることで、身体の健康のために習慣的に摂り入れるきっかけになるでしょう。 そもそもコラーゲンとは? コラーゲンと聞くと、肌に良いイメージを持たれる方もいるのではないでしょうか。しかし、コラーゲンの働きは皮膚だけではありません。 コラーゲンとは、人間の体内に存在するタンパク質の1種です。タンパク質は人間の筋肉や臓器など、身体のさまざまな場所に分布しています。 また、タンパク質は炭水化物と脂質に並ぶ三大栄養素のため、人間の身体にとって必要なエネルギー源でもあるのです。コラーゲンは体内のタンパク質の約30%を占めており、以下のような組織に多く含まれています。 皮膚 骨 血管 そして線維性コラーゲンや基底膜コラーゲンなど、組織の部位ごとに分類されており、現在わかっているものだけで29種類あります。ここでは、コラーゲンの役割や種類について詳しくみていきましょう。 コラーゲンの役割 皮膚の約70%はコラーゲンで構成されているといわれており、肌に弾力やハリを維持する働きがあります。 そしてコラーゲンは皮膚だけではなく、以下のような組織にも含まれており、それぞれの強度や柔軟性を保つ機能もあるとされています。 骨 関節 腱 靭帯 例として、骨にコラーゲンが含まれることでクッションのような役割が生まれ、強い衝撃から守る働きがあるのです。 関節に含まれているコラーゲンには、骨同士の摩擦による擦り減りを防ぐ役割を担っています。このように、コラーゲンは肌だけでなく骨や関節に密接に関わっています。 コラーゲンの種類 コラーゲンには多くの種類があり、おもに「Ⅰ〜Ⅴ型」の5つのタイプに分類できます。それぞれのタイプの特徴について、以下の表にまとめました。 タイプ 線維性・非線維性 役割 含まれている場所 Ⅰ型 線維性コラーゲン 骨や皮膚を作る 組織の弾力を生み出す 皮膚、骨、腱、靭帯など (体内に最も多く含まれている) Ⅱ型 関節や軟骨の成分となる 関節、軟骨、目の角膜など Ⅲ型 肌のダメージ回復 組織の柔軟性を生み出す 皮膚、血管、内臓など Ⅳ型 非線維性コラーゲン 細胞同士をつなぐ 細胞の成長を促進させる 基底膜(表皮と真皮の間にある組織) Ⅴ型 線維性コラーゲン Ⅰ型・Ⅲ型に含まれている 血管、筋肉、胎盤など このように、コラーゲンの種類によって分布場所や役割が異なることがわかるでしょう。 コラーゲンは加齢により減少する コラーゲンは健康の維持に欠かせないものですが、年齢とともに減少傾向にあります。加齢にともなって細胞の数が減ったり、衰えたりするとコラーゲンが合成しにくくなるからです。 また、紫外線による影響でも皮膚のコラーゲンが減少することがわかっており、シワやたるみなどの原因となっています。肌の健康のためにも、日光を長時間浴びるのはできるだけ避けましょう。 コラーゲンの主な効果 コラーゲンは、口から摂取する場合の科学的な有効性はなく、効果が期待できないとされています。 ただし、「まったく効果がない」とはいい切れず、明確な結論が出ていないのが現状です。 ここでは、コラーゲンのおもな効果について解説します。 *参考資料:サプリメントの効果について|公益法人日本整形外科学会 肌に潤いやハリ・弾力を与える コラーゲンには、肌の潤いやハリ・弾力などをサポートする効果があるとされています。前述したように、身体を構成するタンパク質の約30%はコラーゲンといわれています。 このコラーゲンが表皮と真皮の間にある「基底膜」に存在することで、それぞれの皮膚がつながり合い、肌の状態を良好に保っているのです。シワやたるみを予防し、きめ細かい肌をキープしたい方にとって、コラーゲンの摂取は重要といえるでしょう。 また、コラーゲン以外にも肌の状態を改善する方法として、「再生医療」があります。再生医療とは、自身の再生能力が備わった細胞を使用した治療法で、肌の健康に必要な成分・組織の申請が期待できます。 関節の動きを改善する コラーゲンは肌の健康だけでなく、関節の動きの改善にもつながります。前述したように、コラーゲンは関節にも含まれており、骨同士の衝突や摩擦をやわらげるクッションのような役割を果たしています。 関節内のコラーゲンを保つことで、クッション作用が維持され、動きがスムーズとなるのです。実際に、傷ついた関節の治療時にコラーゲンのサプリメントを摂取したところ、修復が早くなったとの結果も報告されています。 また、「変形性膝関節症」の症状の改善にも効果があることもわかっています。変形性膝関節症とは、膝関節の軟骨がすり減り、痛みが出ている状態のことです。変形性膝関節症に対しては、コラーゲンだけでなく再生医療も有効とされています。再生医療によって膝の軟骨の再生を促すことで、変形性膝関節症による痛みの改善が期待できます。 骨を丈夫にする コラーゲンには骨を丈夫にする効果があるとされています。骨を丈夫にする栄養素として、カルシウムのイメージが強いですが、実はコラーゲンも大きく関わっています。 骨を構成する約30%がコラーゲンでできているといわれており、その線維にカルシウムが付着しているのです。 コラーゲンが関与することで骨の強度が高まるとともに、柔軟性が備わって外部からの衝撃をやわらげています。反対に、コラーゲンが不足するとカルシウムが付着しにくくなり、骨がスカスカになる「骨粗鬆症」の原因となります。 コラーゲンを効果的に摂る方法 コラーゲンを効果的に摂るためには、どのような方法がおすすめなのでしょうか。ここでは、効果的に摂取するための方法を詳しく解説します。 コラーゲンを多く含む食べ物を摂取する まずは、コラーゲンを多く含む食べ物の摂取を心がけましょう。コラーゲンが豊富な食べ物は、以下のとおりです。 食べ物 100gあたりのコラーゲン量(mg) フカヒレ 9,920 はも(皮のみ) 7,660 うなぎの蒲焼き 5,530 牛すじ 4,980 鶏軟骨(胸肉) 4,000 はも(皮付き) 3,560 豚白もつ 3,080 鮭(皮付き) 2,410 鶏手羽先 1,550 これらの食べ物を取り入れることで、効率的にコラーゲンの摂取が可能です。 サプリメントを摂取する コラーゲンを多く含む食べ物の摂取が難しい場合は、サプリメントの活用がおすすめです。サプリメントであれば気軽にコラーゲンを摂取できるので、無理して食事量を増やす必要はありません。 効率的にコラーゲンを取り入れるためには、「コラーゲンペプチド」の商品を選択しましょう。コラーゲンペプチドとは、コラーゲンを分解してさらに小さい分子にしたもので、体内で吸収しやすくなります。 コラーゲンを効果的に取り入れるコツ コラーゲンを取り入れるためには、どのようなことを意識すれば良いのでしょうか。ここでは、コラーゲンを効果的に取り入れるコツをご紹介します。 ビタミンCと鉄分を多く含む食べ物を一緒に摂る コラーゲンだけでなく、ビタミンCや鉄分を多く含む食べ物と一緒に摂るようにしましょう。これらの栄養素は、コラーゲンの生成をサポートする役割があるとされています。ビタミンCや鉄分が多く含まれている食べ物は、以下のとおりです。 ぜひ、これらの食べ物を意識的に摂り入れてみてください。 寝る前に摂取することを習慣化する なるべく、寝る前のコラーゲンの摂取を習慣化しましょう。皮膚や筋肉などの組織が作られる時間帯は、睡眠中とされています。 そのため、寝る前にコラーゲンを摂取しておけば組織が効率的に生成され、肌の健康につながりやすくなります。 睡眠を十分にとる 寝る前にコラーゲンを摂取するだけでなく、睡眠時間の十分な確保も重要です。睡眠中に成長ホルモンが分泌されることで、皮膚や筋肉などが生成されます。 しかし、睡眠不足になって成長ホルモンの分泌量が少なくなると、その分生成が遅れてしまいます。十分な睡眠時間を確保し、コラーゲンの効果を高めていきましょう。 まとめ|コラーゲンをうまく取り入れて効果を実感しよう! コラーゲンはタンパク質の1種であり、肌や骨などのさまざまな組織に分布しています。コラーゲンには肌のハリや弾力を改善したり、骨を丈夫にしたりする効果があるとされています。そのため、身体の健康にとっては欠かせない成分といえるでしょう。 コラーゲンの効果を高めるためには、特定の食べ物やサプリメントを摂取することが重要です。また、ビタミンCや鉄分と一緒に摂取する、睡眠時間を確保するなどの工夫もおすすめです。 ぜひ今回の記事を参考にして、コラーゲンを意識的に摂り入れてみましょう。 \まずは当院にお問い合わせください/ コラーゲンの効果に関連するよくある質問 Q. 低分子コラーゲン(コラーゲンペプチド)とはなんですか? A. 低分子コラーゲンとは、コラーゲンタンパク質の分子を小さくしたものです。低分子コラーゲンは「コラーゲンペプチド」とも呼ばれ、粒子が細かいために吸収されやすいメリットがあります。 コラーゲンペプチドはサプリメントとして錠剤やパウダー、ドリンクに配合されており、種類もさまざまです。 Q. コラーゲンの摂取によりアレルギー反応を起こす可能性はありますか? A. サプリメントの原料になっている以下のような動物が原因で、アレルギー反応を起こす可能性があります。 牛 豚 鶏 魚 例として、鶏や卵にアレルギーがある方は、鶏が原料になっているコラーゲンは避けたほうが良いでしょう。 コラーゲンによるアレルギー反応でアナフィラキシーを起こした事例も報告されているため、摂取する際は十分に注意が必要です。
2022.02.16 -
- ひざ関節
- 膝の内側の痛み
- 膝の慢性障害
鵞足炎(がそくえん)とは「鵞足(がそく)」と呼ばれる膝関節の内側より下方に位置する脛骨付近で起こる炎症です。鵞足炎は、ランニングや坂道の上り下りなどで膝を酷使すると発症しやすくなります。 ある日突然、膝の内側が痛み出した場合、鵞足炎の可能性も視野に入れていきましょう。 本記事では、鵞足炎の症状や原因を詳しく解説します。治療法も紹介しているので、鵞足炎の疑いがある方は参考にしてみてください。 鵞足炎(がそくえん)とは 鵞足炎とは、滑液包の内部に強い炎症が起こっている状態です。鵞足炎を発症していると膝の屈曲や股関節を内転する動きで膝に痛みを覚えます。 「鵞足」と呼ばれる部位は、膝から5㎝程度足側に存在している脛骨という骨の内側部分に位置しています。一般的には縫工筋、半腱様筋、薄筋という三種類の筋肉に付着している腱がその脛骨にくっついている場所を指しています。 鵞足炎は、膝を酷使するマラソンランナーに多い外傷です。それ以外でもトップアスリートなどプロスポーツ選手に生じやすいといわれており、打撲などの外傷を契機に発症する可能性もあります。 鵞足炎の原因 鵞足炎を引き起こす主な原因を以下にまとめました。 長距離を走ったりダッシュしたりする 不適切なトレーニングをする 運動前にストレッチを怠る 急な坂道を急激に長時間走る 肥満体形で膝に負担がかかっている このように鵞足炎という病気は、スポーツにかかわる障害として代表的な疾患のひとつです。 以下の記事では、膝の痛みを伴う外傷を一覧で紹介しています。鵞足炎以外の可能性を感じている方は、参考にしてみてください。 鵞足炎の症状 鵞足炎を発症すると、初期では膝関節の内側部より5㎝ほど下方の部位が痛くなり、その部位を押すとさらに強い痛みをともないます。また、運動時や階段昇降時に疼痛症状が悪化しやすく、さらに病状が進行すると安静時にも同部位が疼くように痛みを感じる場合もあります。 鵞足炎と似ている症状に「変形性膝関節症」という外傷があります。以下の記事では、鵞足炎と変形性膝関節症の違いを詳しく解説しているので、ほかの外傷の可能性を視野に入れている方は、参考にしてみてください。 鵞足炎の治療法 鵞足炎に有効な3つの治療法を紹介します。 理学療法 ステロイドによる注射治療 テーピング・サポーター 1つずつ順番に見ていきましょう。 理学療法 鵞足炎の治療で多いのは理学療法です。 理学療法ではストレッチによるケアを重点的におこなう場合があります。なぜなら、鵞足炎は太ももの筋肉が硬くなると膝の症状が悪化しやすく、ストレッチで筋肉部の緊張を和らげるのが有効だからです。 注意点としては、炎症が強くて痛み症状が顕著な時期にストレッチ運動を過剰に実践してしまうと、逆に膝の痛みが悪化する原因になりかねないとの指摘もあります。 したがって、症状がひどい際には軽めのストレッチに留めておき、十分な安静を保持して、患部のアイシングや消炎鎮痛剤の服薬などの対処策を検討していきます。 ステロイドによる注射治療 鵞足炎の治療では、滑液包の内部に少量ステロイド薬を直接的に注射する方法もあります。 ステロイドによる注射治療は、すぐに症状が軽快するケースが多く認められます。しかし、数か月経過すると膝の痛みが再燃する可能性もあります。 テーピング・サポーター テーピングやサポーターには、動きを制限させる働きがあります。安静が必要な時期に活用すれば、膝周りの動きを制限して炎症の沈静化を早められるでしょう。 テーピング・サポーターの利用は早期回復を促進する上で、有効なアイテムといえます。 スポーツや仕事をしているときに膝の内側に痛みを感じたら、弊社『リペアセルクリニックのドクター』にご相談ください。スポーツ外傷や加齢による腱や靭帯の損傷・炎症の治療に詳しいドクターが、患者さまに合った治療法を一緒に考えていきます。 まとめ|鵞足炎にならないように日頃からケアしよう 鵞足炎は、マラソンや坂道の上り下りといった膝を酷使する運動で発症しやすい外傷です。身体を動かしていて膝の内側が痛み出したら、鵞足炎の可能性を視野に入れましょう。 鵞足炎は再発しやすい外傷ともいわれています。そのため、担当医師や理学療法士の指導や助言のもと、焦らず治療を進めていく姿勢が大切です。 「膝の内側が痛み出したけど、どの医療機関を受診すればいいのかわからない…」という方は弊社『リペアセルクリニックのドクター』にご相談ください。スポーツ外傷に詳しいドクターが、患者さまの状態や症状に合った治療法を一緒に考えていきます。 監修:医師 加藤 秀一 鵞足炎に関するよくある質問 鵞足炎に関するよくある質問と回答をまとめます。 鵞足炎はどのくらいで治りますか? 鵞足炎が治るまでにかかる期間は、2週間前後といわれています。鵞足炎は、炎症反応が沈静化し、痛みが取れたら回復です。 鵞足炎を早く治す方法はありますか? 鵞足炎を早く治すためには、運動を控えて安静に過ごすのがもっとも効果的です。炎症を起こしている状態で無理に動けば、患部に負担がかかり回復を遅らせます。 ストレッチは鵞足炎の予防や改善に効果がありますか? ストレッチは鵞足炎に有効です。 先述のとおり、鵞足炎は太ももの筋肉が硬くなると症状が悪化しやすくなります。そのため、太ももの筋肉をほぐすストレッチが 予防と改善に効果的です 太もものストレッチには「長座体前屈」がおすすめです。 太ももの裏側が伸び、筋肉の緊張がほぐれます。 鵞足炎になってもスポーツはできる? 鵞足炎を発症している最中は、運動を控えて安静に過ごしましょう。炎症が悪化して、痛みや腫れといった症状が強く現れる可能性があります。 炎症が沈静化して、症状が落ち着いたらスポーツを再開して問題ありません。ただし、急に動くと膝に負担がかかり再発リスクを伴うので、様子を見ながら少しずつ運動量を調整していきましょう。
2022.02.16 -
- ひざ関節
- 半月板損傷
半月板損傷と診断された場合、生活ではどのような点に注意すべきか知りたい方はいませんか。 半月板には、膝関節を滑らかに動かすための重要な役割があります。日常生活で半月板に負担がかかるような動作を行っていると、さらに症状が悪化する恐れもあるでしょう。 この記事では、半月板損傷後の生活でやってはいけないことや、具体的な治療法について解説します。 生活上の注意点について意識しておくことで、半月板の負担が軽減され、よりスムーズに治療を進められるでしょう。 >> 半月板損傷でやってはいけないことをすぐに知りたい方はこちら そもそも半月板損傷とは 半月板とは、太もも側の大腿骨と、すね側の脛骨の間に存在する軟骨でできた板のような組織です。アルファベットのC型のような特徴的な形状をしており、膝関節の内側と外側に1つずつ存在します。 膝には、以下のような関節を構成する組織があり、半月板は、それらを安定させる役割があります。 軟骨 靭帯 筋肉 腱 それ以外にも半月板は膝関節のクッションとして作用し、膝の荷重や衝撃などを軽減したり、膝の動きを滑らかにしたりする働きもあるのです。 このように、半月板は膝を構成する大切なパーツですが、急激な衝撃や過度な負荷がかかることで損傷する場合があります。 ここでは、半月板損傷の症状や原因について解説します。 半月板損傷の症状 半月板損傷のおもな症状は、以下のとおりです。 膝の痛み 腫れ 引っかかり感 関節がズレる感覚 動作時の関節の音 膝の曲げ伸ばしの困難さ(ロッキング) 人は歩くだけでも体重の5倍もの負担が膝関節にかかるといわれています。そのような負荷や強い衝撃を受け続けると、半月板の損傷につながります。 半月板は一度損傷すると自然治癒することはほとんどないため、治療が必要です。上記の症状が悪化すると、日常生活に支障をきたす恐れもあるでしょう。 また、半月板損傷は症状によって5つのタイプに分けられます。 縦断裂 横断裂 円盤状断裂 フラップ状断裂 水平断裂 詳しく知りたい方は以下の記事で解説していますので、興味がある方はぜひこちらもご覧ください。 半月板損傷の原因 半月板損傷で痛みが起こる原因は、大きく「筋収縮」と「炎症」の2種類に分類されます。 それぞれの原因によって起こる痛みのメカニズムは、以下のとおりです。 このように、痛みの原因は半月板だけというわけではなく、別の影響も関係しています。 半月板損傷でやってはいけないこと4つ 半月板損傷でやってはいけないこととして、以下の4つがあげられます。 急に方向転換をする 階段の昇り降りをする 立ちっぱなしや歩行を長時間行う 正座や和式トイレの利用などの膝に負担がかかる姿勢をする ここでは、それぞれについて詳しく解説します。 1.急に方向転換をする 急な方向転換は膝を捻るような力が加わるため、半月板への負担がかかりやすく、痛みの悪化につながります。 方向転換する際は、ゆっくりと行うようにしましょう。 また方向転換に関わらず、どのような動作でも性急に行わないように注意することが大切です。 2.階段の昇り降りをする 階段の昇り降りの動作は膝関節にかかる負担が高く、頻繁に行うと症状が悪化する恐れがあります。 半月板損傷の方は階段の使用はなるべく控え、エレベーターやエスカレーターなどを活用しましょう。 階段を昇り降りしなければいけない場合は、手すりや杖の使用がおすすめです。 3.立ちっぱなしや歩行を長時間行う 長時間の立ちっぱなしや歩行も膝の負担がかかりやすいため、できるだけ避けましょう。 長時間立ったり歩いたりする必要がある場合は、以下のような対策をして膝への負担軽減を図ることが大切です。 杖を使用する 途中で休憩する 膝サポーターを装着する 4.正座や和式トイレの利用などの膝に負担がかかる姿勢をする 正座や和式トイレなどは膝を大きく曲げる必要があり、半月板や関節に負担がかかります。 とくに和室や古い建物で生活している方は、このような膝を大きく曲げるような動作が多い傾向にあります。 膝の負担を軽減するには、イスを中心とした生活に切り替える、洋式トイレに改修するなどの工夫が必要です。 【注意】半月板損傷を放置するリスク 半月板損傷によって半月板としての機能が損なわれている状態を放置すると、その間に軟骨に大きな負担がかかります。結果的に軟骨がすり減り、「変形性膝関節症」を発症する可能性があります。 変形性膝関節症が進行した場合、人工膝関節置換術(膝関節を人工物に入れ替える手術)を行わなければいけないケースもあるでしょう。 半月板損傷が発症した場合は放置せずに治療を行い、回復に専念することが大切です。 半月板損傷を発症したら早期に医療機関に受診し、適切な治療を受けましょう。 変形性膝関節症と半月板損傷の違いや症状について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。 半月板損傷の治療方法 半月板損傷の治療法としては、おもに以下があげられます。 保存療法 手術療法 再生医療 ここでは、それぞれの治療方法について詳しく解説します。 保存療法 保存療法ではリハビリを中心に行い、必要に応じて膝にたまった水を抜く、潤滑性と抗炎症作用が期待できるヒアルロン注射をするなどの対応をします。 痛みや炎症がある場合は鎮痛剤や炎症剤などの薬物を用います。 このような保存療法でも痛みが強く、改善の見込みが薄い場合は、手術療法を検討する必要があるでしょう。 手術療法 手術療法では、膝の状態にあわせて以下の術式が行われます。 ・縫合術:断裂した半月板を縫い合わせる手術 ・切除術:断裂した半月板を取り除く手術法 ただし、これらの手術を行った場合でも、将来的に変形性膝関節症を発症するリスクがあります。そのため、手術後もリハビリや薬物療法などの保存療法は欠かせません。 手術をする場合は入院も必要となり、とくにスポーツをされている方は、復帰までに時間がかかる可能性があります。 半月板損傷の手術のメリット・デメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。手術についてさらに情報を知りたい方は、ぜひこちらも記事もご覧ください。 再生医療 これまで半月板損傷の根本的治療には手術が必要でしたが、「再生医療」という新しい選択肢も生まれています。 再生医療の1つに、自身の脂肪から採取・抽出し培養で増やした「幹細胞」を膝に直接注射する方法があります。幹細胞とは、傷ついた半月板を修復させ、痛みや炎症を抑える効果が期待できる細胞です。 自分自身の脂肪から培養する細胞なので、アレルギーや副作用のリスクが低く、患者さんの身体への負担が少ないのが特徴です。 また、外科的な手術に比べて治癒までの期間が短い傾向にもあります。 入院する必要がなく、手術を受けずに治療できるため、とくにスポーツ選手にとっては大きなメリットといえるでしょう。 身体にメスを入れずに済み、パフォーマンスを極力落とさずに治療を受けられます。 まとめ|半月板損傷のやってはいけないことを避けて症状改善を目指そう 半月板損傷は膝の半月板と呼ばれる軟骨が傷ついている状態のことで、痛みや炎症などの症状が現れます。 半月板損傷は自然治癒が期待できず、放置すると症状が進行し、日常生活に支障をきたす恐れがあります。 そのため、発症後は早期からの治療が重要です。 おもな治療法には保存療法や手術療法があり、新しい選択肢として再生医療もあります。 半月板損傷を発症したら、まずは医療機関へ受診し、その方の症状にあった治療を受けましょう。 半月板損傷に関するよくある質問 ここでは、半月板損傷に関してよくある質問に対してお答えしています。半月板損傷に関して疑問がある方は、ぜひこちらも参考にしてみてください。 半月板損傷を早く治す方法はありますか? 半月板損傷を早く治す方法としては、再生医療があげられます。前述したように、再生医療は自身の細胞や組織を活用し、傷ついた部位の再生を図る治療法です。 入院や手術をする必要がないので、身体に負荷をかけず、効率的に治療を進められるのがメリットです。 半月板損傷に対して効果的な治療をさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
2022.02.15 -
- ひざ関節
- 膝の内側の痛み
- 変形性膝関節症
変形性膝関節症の進行を予防!膝の負担を減らす効果的な運動と注意点 ご存知でしょうか?膝の痛みに悩まれている方は非常に多い事実を!特に中高年以降の女性に頻発する疾患が「変形性膝関節症」です。 変形性膝関節症は、年齢とともに罹患率が高まり、潜在的なものを含めると国内だけで3000万人もの患者がいるとされています。実に日本国民の四分の一もの数になります。 変形性膝関節症になると、膝に痛みを感じるだけでなく、進行し、末期になると手術をせざるを得なくなる場合もあります。 そんな変形性膝関節症が発症する主な原因は、「軟骨のすり減り」です。軟骨がすり減る要因には、「加齢・外傷・肥満・遺伝」などのほか、普段から何げなくしている「膝に負担のかかりやすい姿勢や動作」などもその原因となりえます。 この記事では、膝関節の構造、変形性膝関節症を予防するための方法、気を付けるべきことを紹介してまいります。 膝関節の構造 変形性膝関節症を予防するために、まずは膝関節の構造を理解することが大切です。 膝関節は、太ももの大腿骨・すねの脛骨・膝のお皿の膝蓋骨からなる関節です。それぞれの骨には関節軟骨が覆われているほか、大腿骨と脛骨の隙間には内側・外側に合計2枚の半月板が存在します。 関節軟骨と半月板の両者を合わせて、「膝の軟骨」と言います。膝の軟骨の役割は、滑らかに膝を動かし、立つ・座る・歩くなどの動作で膝にかかる衝撃を分散させて膝を守ることです。 膝関節の主体となる運動は、膝を曲げ伸ばしする屈伸運動です。ほかに、わずかな回旋(まわす)運動がありますが、曲げすぎや伸ばしすぎ、急な回旋運動では軟骨に大きな負担になるのです。 膝に負担がかかる動作の積み重ねが、関節軟骨の弾力性を徐々に失われていき、変形性膝関節症を発症させるきっかけになります。 膝に負荷がかかる姿勢や動作 膝に負担が掛かる動作としては、以下のようなものがります。 正座など深く膝を曲げてしゃがむ 両脚を横に投げ出して座る(横座り) あぐらをかく 歩いたり、走ったりするときの急な方向転換 膝の関節を安定させている組織に、大腿四頭筋・ハムストリングスといった筋肉があります。膝周囲の筋肉が働くことにより、膝の曲げ伸ばしなどの動作を安定して行えます。 これら膝の周囲の筋肉が弱ることでも、膝の安定性は低下し、結果的に軟骨への負担が上がります。つまり、変形性膝関節症を予防するには、膝に負担がかからないよう工夫をし、同時に筋肉を鍛えることが大切なのです。 変形性膝関節症の進行を予防する方法 変形性膝関節症を予防するには、膝関節への負荷を下げて、膝の安定性を高めると良いです。具体的には、日常生活の見直しやダイエット・筋力トレーニングを実施します。それぞれについて解説していきます。 生活習慣の見直し 膝に負担がかからない過ごし方をします。膝の負担を減らすには、椅子とテーブルを用いた洋式の生活スタイルへ変更することがおすすめです。 和式のように地べた生活では、どうしても頻繁に膝が曲げ伸ばしされるほか、膝が深く曲がる正座、あぐらや脚を横に投げ出す座り方といった膝の負担になる動作が多くなります。また、布団で寝ると地面から立ち上がる時に膝への負担になるため、ベッドへの変更も効果的です。 ダイエット 体重が重いほど膝に負担がかかります。普通に歩くだけでも体重の2〜3倍の負荷がかかり、走ると3〜5倍もの負荷がかかることため、体重が重たいほど膝への負担も増します。 肥満傾向の方は、ダイエットに取り組み膝への負担を軽減させましょう。 筋力トレーニングや体操 関節の安定性を向上させ、膝への負担を軽減させます。また、変形性膝関節症につながる半月板損傷といった外傷を防止します。 いざ変形性膝関節症になると、膝の痛みをかばって運動療法ができないケースがあります。そうなると筋力や関節の可動域は低下し、さらに膝への負担があがるため、余計に痛みが悪化します。 痛みがないうちから筋力トレーニングや可動域訓練に取り組み、関節の安定性や柔軟性を高めることが大切です。 変形性膝関節症の予防に効果的な運動 大腿四頭筋を鍛える 椅子に座ります 片側の膝を伸ばします 5〜10秒そのまま保持します 反対側も同様に行います 膝の可動域を保つ お風呂で両脚を伸ばします 片側の太ももを抱えながら、かかとを引き寄せ膝を曲げます かかとを滑らせて、できる限りかかとを伸ばします どちらの体操も、無理なく痛みの出ない範囲で行いましょう。 運動を行う上で気を付けたいこと 筋力トレーニングやダイエットを実施し、膝にかかる負荷を軽減することは予防に効果的ですが、無理に行うことで悪化してしまうこともあります。 無理なく自分のペースで行うことが大切です。以下のことに気を付けながら取り組みましょう。 無理なく継続できる負荷の設定 筋力トレーニングは、月に一回ほどの運動頻度では思ったような効果は期待できません。また、運動に慣れていないのに高い負荷を体に課すと、膝を痛めてしまったり、運動後の疲労が抜けず、休息に時間を取られてしまったりと、筋力はつきにくいでしょう。 予防のために実施する筋力トレーニングで、大切なのは継続です。運動の負荷は、無理なく継続できる程度の負荷に設定しましょう。 トレーニング中は呼吸を止めない 運動時は呼吸を止めて行うと、血圧が上昇し、体への負担になります。呼吸を止めた方が力は入るような感じがしても、くれぐれも呼吸は止めず実施しましょう。 膝の痛みや違和感|医療機関を受診する 変形性膝関節症の初期には、立ち上がりや歩きはじめに膝に痛みや違和感を覚えます。 しかし、しばらくすると痛みはなじんでくることが多いため、痛みが治まったからと言って安心はできません。異変があれば迷わず病院で診てもらいましょう。 まとめ・変形性膝関節症の進行を予防!膝の負担を減らす効果的な運動と注意点 変形性膝関節症になると、これまで当たり前にできていたことができなくなります。変形が進行すると、膝の手術がすすめられますが、体への負担になることから決断することは難しいはずです。 たとえ、手術をせずに運動療法などの保存療法に取り組んだとしても、痛みが悪化すれば満足に運動が継続できず、ますます身体機能が低下します。やがては外出するのも億劫になり、寝たきり生活を余儀なくされる場合があります。 これまで通りの生活を続けるには、変形性膝関節症にならないように予防が重要です。変形性膝関節症を予防するには、膝への負担を避けながら、筋力トレーニングで関節を安定させるように、バランスの取れた予防に取り組みましょう。 また可動域訓練では、関節を柔らかくし、負担が偏らないようにします。今後の人生を考えて、痛みがないうちから行動を起こすことが将来の健康のためには大切です。 以上、変形性膝関節症の予防法・膝の負担を減らすための工夫についてご説明させていただきました。ご参考していただければ幸いです。 ▼ 再生医療の幹細胞治療で変形性膝関節症を治療 変形性膝関節症の新たな選択肢、手術、入院不要な再生医療で症状の改善を目指す ▼以下もご覧ください 変形性膝関節症の人がしてはいけない仕事とその理由
2022.02.15 -
- ひざ関節
- 膝の外側の痛み
- 膝の慢性障害
- 下肢(足の障害)
- スポーツ外傷
スポーツや運動をする際に、走ったりジャンプをしたりする動きは膝に大きな負担をかけます。膝への負荷が長く続くと、靭帯や腱の組織が損傷して炎症を起こし、痛みを引き起こす可能性が高まります。 このような膝の痛みは、いわゆるスポーツ障害の一種で「膝の慢性障害」です。運動による膝の使い過ぎが原因となるため、スポーツによる「使い過ぎ症候群」とも呼ばれています。 今回は、膝の使い過ぎによって発症する慢性障害の症状と対処法について詳しく解説します。スポーツによる膝の痛みを抱えている方は、ぜひ参考にしてください。 スポーツによる膝の痛みを引き起こす3つの要因 スポーツによる膝の痛みは、軽度であれば、通常通りトレーニングやプレーできるため、大きな影響はないでしょう。しかし、症状が進行すると常に膝が痛むようになり、プレーに支障をきたすようになります。 さらに重症化してくると、運動が出来なくなったり、靭帯や腱が断裂をしたりするなど、スポーツによる膝の慢性障害につながるため注意が必要です。 スポーツによる膝の痛みは、主に3つの要因があります。 身体要因 環境要因 トレーニング要因 以下で、それぞれ詳しく見ていきましょう。 1.身体要因 スポーツによる膝の痛みを引き起こす要因の一つが、身体要因です。 太ももやふくらはぎなど、膝を支える筋力が不足していると、膝にかかる負担が大きくなり、痛みを引き起こしやすくなります。また、筋肉のバランスが悪い場合や身体の柔軟性が不足している場合にも、膝に不均衡な力がかかったり、動きを制限したりする原因になります。 2.環境要因 スポーツによる膝の痛みは、環境要因によって引き起こされるケースも少なくありません。主な環境要因として考えられるのが、足に合わない靴や地面の硬さなどです。 たとえば、不適切な靴を履いていると足の動きが不自然になり、膝への負担が増加します。また、外でジョギングやランニングをする際、地面が硬すぎると膝への衝撃が大きくなり、柔らかすぎると足が沈んで膝に過度な負担がかかってしまいます。 3.トレーニング要因 トレーニング要因も膝の痛みを引き起こす原因の一つです。運動やトレーニングにおける過度な負荷や不適切な練習方法などによって、膝に痛みが生じるケースです。 たとえば、トレーニング量が多すぎたり、体力や技術に合わない運動をしたりすると、膝にかかる負担が蓄積されやすくなります。適切な休養を設けずに連続して運動すると、膝の筋力の回復を妨げ、慢性障害を引き起こすリスクを高めます。 なお、膝の痛みは、それぞれの要因が複合的に影響して引き起こされるケースがほとんどです。そのため、スポーツや運動をする際は、適切な休養を取りながら、膝に負担がかかりすぎないための配慮が必要です。 スポーツによる膝の痛み|代表的な4つの慢性疾患 前述の要因により引き起こされる、スポーツによる膝の慢性障害の代表的な症状として、以下の4つが挙げられます。 鵞足炎 大腿四頭筋腱付着部炎 膝蓋腱炎 腸脛靭帯炎 それぞれの症状は、ひざ関節の外側や内部で生じるもので、特定の動きにより発症しやすくなります。 1.鵞足炎 鵞足(がそく)とは、ひざを曲げる筋肉や腱が付着する骨の部位のことです。とくに、ランニングや急な方向転換、足を後ろに蹴り出す動作などを繰り返すことで、鷲足がすれて炎症を引き起こします。 主な症状は、内側膝部の痛みや曲げるときの違和感などです。長時間または高頻度で膝に負担をかけるような動作を続けていると、鷲足炎を発症するリスクが高まります。 ▼ 鵞足炎の治療法を詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。 2.大腿四頭筋腱付着部炎 大腿四頭筋腱とは、膝の前面から膝蓋骨(膝の皿)を通って、膝の下部に付着する筋肉の腱です。大腿四頭筋腱付着部炎は、膝関節の外側の炎症によって症状が現れます。膝の前面に痛みを感じるほか、膝を屈伸する際に痛みが強くなる傾向です。 大腿四頭筋腱付着部炎は、バレーボールやバスケットボールなどのジャンプ動作やジョギングなど、膝に衝撃が加わる動作を繰り返すことで発症しやすくなります。 ▼ 大腿四頭筋腱付着部炎の治療法については、以下の記事で詳しく解説しています。 3.膝蓋腱炎 膝蓋腱炎は、膝蓋骨(膝の皿)の下部からすぐ下の靭帯にかけて炎症が生じる疾患です。バレーボールやバスケットボールなど、ジャンプ動作の繰り返しが多いスポーツで発症しやすいとされています。 主な症状は膝蓋骨の下部の痛みで、とくにジャンプをした後やランニング後に痛みが強くなることが特徴です。また、膝を屈伸する動作でも痛みを感じることがあります。 ▼ 膝蓋腱炎について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。 4.腸脛靭帯炎 腸脛靭帯は、膝の外側を通る大きな靭帯で、太ももの筋肉と膝をつなぐ役割を担っています。腸脛靭帯炎は、長距離のランニングや長時間の膝の屈伸運動などによって、腸脛靭帯が外側の骨と擦れ合って炎症を起こし、発症する疾患です。 膝の外側に痛みを感じ、ランニング後や歩行後には痛みが強くなることもあります。また、症状が進行すると歩行に支障をきたす場合があるため注意が必要です。 ▼ 腸脛靭帯炎を早く治す方法を詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。 スポーツによる膝の痛みに対する再生医療の可能性 スポーツによる膝の痛みの治療法は、疾患の種類や程度によって異なります。膝の痛みに対する治療法として、主に以下のような選択肢があります。 手術療法 物理療法 リハビリテーション 再生医療 物理療法で効果が得られない場合に、手術に代わる治療法として注目されているのが再生医療です。再生医療とは、自然治癒力を最大限に引き出すための医療技術です。自己脂肪由来幹細胞の投与によって、膝の痛みに対する治療効果が期待できます。 リペアセルクリニックでは、再生医療による膝の痛みの治療が可能です。メール相談やオンラインカウンセリングも実施しているので、治療法でお悩みの方はぜひ気軽にご連絡ください。 スポーツによる膝の慢性障害への対処法 スポーツによる膝の慢性障害への対処法としては、症状が出るのを予防したり、発症してしまった症状を改善したりすることが重要となります。そして、膝の痛みを予防するためには、自己対処も必要です。 以下で、スポーツによる膝の慢性障害への代表的な対処法をまとめているので、ぜひ参考にしてください。 ストレッチ 体の柔軟性を高めるために、運動開始前には十分なストレッチを行うことが大切です。運動前に体の筋を十分伸縮させて筋肉の緊張をほぐすことで、運動による膝への衝撃を和らげられます。また、ストレッチによって関節の可動域を広げることで、ケガのリスクを減らせます。 なお、膝に痛みを感じているときは、できるだけ足を伸ばしたり、痛みが強くなる前にストレッチを終えたりするなど、無理なく行うことが大切です。 アイシング 運動後に膝の痛みや違和感を感じたときは、アイシングが効果的です。氷や水などで膝を局所的に冷やすことで、急性炎症を抑えられます。冷却効果によって血流が制限されると、炎症が鎮まって痛みの軽減につながります。アイシングは15分程度、痛みが強い場合には数回に分けて行うと良いでしょう。 なお、膝を冷やすときは直接肌に氷を当てないよう、タオルに包んだり専用のアイシングバッグを使用したりしてください。また、過度に冷やしすぎないように注意しましょう。 筋トレやリハビリテーション スポーツによる膝の痛みに対して、筋力トレーニングやリハビリテーションが必要になるケースもあります。膝周りの筋力を強化すると、効率的に回復を目指せるほか、再発防止にもつながります。 膝の慢性障害を発症してしまったら、適度に休憩を取ったり、強度の低いトレーニングに変更したりして、調整することが大切です。また、症状が重い場合には、リハビリテーション専門のトレーナーや理学療法士と連携しながら、トレーニングに取り組む必要があります。 まとめ・スポーツによる膝の痛みを感じたら早めに医療機関を受診しよう 健康意識の高まりとともに、趣味で競技スポーツをする方が年々増加傾向にあります。 体に過度な負担がかからない範囲で運動するのは良いでしょう。しかし、無理な運動をしたり足に合わない靴を履いて膝に負荷をかけ続けたりしていると、スポーツによる膝の慢性障害を発症する確率が高くなるため注意が必要です。 また、我慢できる程度の痛みだからといって、ストレッチや運動後のケアを怠らないよう気をつけてください。場合によっては、症状が悪化して日常生活に支障が出る可能性も考えられます。 スポーツによる膝の慢性障害は症状が進行すると、自然治癒が難しくなり、手術が必要になるケースも珍しくありません。そのため、スポーツによる膝の痛みを感じたら、できるだけ早めに医療機関に相談しましょう。 リペアセルクリニックでは、メール相談やオンラインカウンセリングを実施しています。スポーツによる膝の痛みでお困りの方は、ぜひ気軽にご相談ください。 ▼ 症状別に考えられる膝の病気について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
2022.02.10 -
- ひざ関節
- 膝の内側の痛み
- 変形性膝関節症
変形性膝関節症の原因、スポーツから発症するリスクについて説明します 変形性膝関節症は、重症化すると歩行などの動作に支障をきたす厄介な病気です。また、この病気を発症する原因の1つに「運動」が挙げられます。今回は、運動と変形性膝関節症の関係についてまとめました。 膝関節は、私達の日常動作をスムーズにしてくれています。例えば、歩くのはもちろんですし、立ったり座ったり、飛び上がったり踏ん張ったり…これらの動作をするのにも欠かすことができない部分です。 このように膝関節が稼働することで日常生活以外でもスポーツなどではランニングやマラソンといった走る競技はもとより、水泳、野球、バスケットボール、ラクビー、スキー、テニス、ゴルフと数え上げればきりがないほど膝の動きは大切です。 膝のスムーズな曲げ伸ばしや、稼働に重要なのが働きをしているのが膝関節の軟骨です。しかし、この膝関節の軟骨は、年齢を重ねるごとに、すり減ってしまうことを知っておきましょう。 膝関節を酷使するスポーツ(例) ランニング、マラソンなどの陸上競技全般 野球、バスケットボール、ラクビー、スキー、テニス、ゴルフなどの球技 水泳、水球 スキー、スノーボード、スケートなどのウインタースポーツ その他ス多くのスポーツで膝は使われます 変形性膝関節症|発症リスクが高い注意すべき人 運動やスポーツを頑張りすぎた場合、「膝の軟骨がすり減って変形性膝関節症になる」と聞いたりすると「だったら運動はやめておこう」という極端な人も出てくるかもしれません。ですが健康な体や、正常な関節を維持するためにはある程度の運動は必要で精神的にも体を動かすことは大切です。気を付けたいのは痛みを感じた時の対処法です。 例えば変形性膝関節症は急に症状が進行したり、急に痛くて歩けなくなることは無いからです。この病気の場合は、段階を経て重症化していくため、痛みが出た時に適切な対処法を心がけることが必要です。 運動で発症リスクが高い人 今、現役で競技もしくは、日常的にスポーツに取り組んでいる人 若い頃、膝に強い負荷がかかるようなスポーツをしていた人、競技スポーツなど日頃から激しい運動をしていた人 肥満体型など常に膝に負荷をかけ続けている人(軽いスポーツでも膝への負担が大きい) 変形性膝関節症に気を付けたいスポーツ 膝に強い負荷が掛かるスポーツ(ウエイトリフティング、登山ほか) 激しく膝をつかうスポーツ(陸上競技、サッカー、ラグビー、テニス、バスケットボールほか) 肥満体体形の場合、日常的に膝に大きな負担が掛かっているため、そのようなスポーツでも注意が必要 普段「運動している人」が注意すべきこと 普段から運動する習慣がある人は、多少の痛みを感じても無視してしまいがちな傾向があります。そのため、炎症に気が付かず運動を続けてしまい、症状が悪化する可能性が高いです。 痛みが一晩休めば治まる程度であれば、さほど問題はありませんが、翌日まで続くようであれば、一旦運動をお休みし、安静にしましょう。 休む期間は3日から1週間。休んでいる間に痛みが治まったら運動を再開しても良いですが、以前と同じレベルの運動をいきなり再開するのではなく、痛む前の半分程度の運動から始めると良いでしょう。 休んでも痛みが治まらない、運動を再開したら再度痛みが出たというような場合は、変形性膝関節症の症状が進行している可能性があります。早めに病院を受診してください。 普段「運動しない人」が注意すべきこと 普段ほとんど、或いは全く運動しない人は、急に長時間の運動をする時に注意が必要です。 例えば、登山やハイキングなどで長時間歩くというようなことをすると、急に膝関節に大きな負担がかかるため、軟骨がすり減り炎症が起きる、つまり変形性膝関節症を発症する可能性があります。 急な炎症が起きると、炎症による痛みや膝の腫れ、水がたまるなどの症状が出ることもあります。 もし、運動の最中に痛みを感じたら、それ以上の運動は控えてください。そして安静にしましょう。痛みが長く続くようであれば、早めに医師の診察を受けてくださいね。 変形性膝関節症|注意は必要だが、適度な運動は大切 運動することによって、変形性膝関節症を発症しやすくなるという場合もありますが、適度な運動を無理なく行うことは変形性膝関節症を予防する効果もありますし、健康そのもの維持に役立ちます。 具体的に、「変形性膝関節症を防ぐには、脚に筋力をつけることがポイント」です。筋肉が鍛えられると膝の関節が安定するので、自然と軟骨のすり減りも抑えられるのです。 運動は毎日無理なく続けましょう 運動は無理のない範囲で、そして出来れば毎日行うことが望ましいです。 ウォーキングや軽めのジョギング、水泳なども良いでしょう。運動するのは苦手、外を出歩くのはあまり好きではないという方は、ラジオ体操やスクワット、テレビで放送されるテレビ体操などにチャレンジしてみるのも良いでしょう。 ただし、無理は禁物!運動中に膝が痛み出した場合は、運動を中断し、安静にするよう心掛けてください。 まとめ・変形性膝関節症の原因、スポーツから発症するリスク 変形性膝関節症の発症には、スポーツを通じた運動が関係します。しかし、運動をすることは健康維持のために必要不可欠です。しかも「変形性膝関節症の予防」にも繋がります。 ただ一方、変形性膝関節症は、運動によって発症リスクが高まるという面があり、注意が必要なです。膝関節は日常生活はもちろん、スポーツにおいて重要な役割を果たします。 変形性膝関節症は、軟骨のすり減りが進行することで発症リスクが高まります。日常生活に加えてスポーツで激しい運動を行うと軟骨に悪い影響が出る場合があります。 そこで、スポーツを日常的に行うなどの発症リスクが高い人に注意すべき点、予防方法などについて解説しました。特に、運動を積極的に行っている人は、痛みや違和感を感じた時には適切な対処をすることが重要です。 ただ、病気を注意するために運動やスポーツをしないのはお勧めできません。 運動は無理のない範囲で行うこと、予防する意識を持つことが大切です。 注意しながら取り組みましょう。 ▼ 再生医療が変形性膝関節症の治療を変える 変形性膝関節症の新たな選択肢、再生医療の幹細胞治療で手術せずに症状を改善します ▼以下のご覧になりませんか 変形性膝関節症!痛みが取れない、治らない理由と対処法
2022.02.08