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- 変形性膝関節症
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- 膝の内側の痛み
「変形性膝関節症の手術は、実際どれくらいの成功率なの?」 「変形性膝関節症の手術で失敗が怖い」 このように、不安に思われる方は多いのではないでしょうか。 報告によっては手術後10年間で再手術をせずに過ごせる割合が90%近いケースもあります。 本記事では、変形性膝関節症の手術方法や成功率、入院期間と費用などを詳しく解説します。 手術のメリット・デメリットだけでなく、再手術リスクや再生医療という選択肢についてもわかりますので、ぜひ最後までご覧ください。 変形性膝関節症の手術成功率|90%以上の報告もあり 変形性膝関節症の手術は主に以下の3種類の術式から選択されます。 関節鏡視下手術 高位脛骨骨切り術 人工関節置換術 どの術式を選択するかは、膝の変形の進行度や痛みの程度、そして年齢などを踏まえて判断されることが一般的です。 それぞれの手術法における成功率や術式を見ていきましょう。 変形性膝関節症の手術は主に以下の3種類の術式から選択されます。 高位脛骨骨切り術 人工関節置換術 関節鏡視下手術 どの術式を選択するかは、膝の変形の進行度や痛みの程度、そして年齢などを踏まえて判断されることが一般的です。 それぞれの手術法における成功率や術式を見ていきましょう。 1.高位脛骨骨切り術|手術後10年で96%が良好な状態を維持 高位脛骨骨切り術は脚の変形を矯正し、関節にかかる偏った負担をなくす手術です。 変形が進行しきっていないことが条件で、人工関節置換術を受ける方より年齢が若い60歳未満の方に適応されることが多い傾向です。 高位脛骨骨切り術により、O脚やX脚などの脚の変形を矯正しても、軟骨のすり減りや、痛みが再発する可能性があります。 将来的には再手術を必要とする場合があります。 ある調査では、この手術を受けた人のうち、10年後に96%、15年後でも90%が良い状態を保っていたという結果が出ています。(文献1) 2.人工関節置換術|手術後10年で99%以上が良好な状態を維持 人工関節置換術は変形性が進行した末期、または60歳以上の方に適応されます。 年齢が重要視される理由は、人工関節の耐久性(15~20年前後)を考慮して、再手術をしなくても良いように考えられているためです。 人工関節置換術をすると、軟骨がすり減る心配をしなくて済むほか、痛みを気にせずに過ごせる可能性が高くなります。 しかし、膝に負担がかかるような過ごし方を続けると、人工関節に破損や緩みが出てきて耐久年数に関わらず再手術の可能性が高まります。 ある研究では、手術後の膝の状態を10年にわたって調べた結果、再び大がかりな手術を受けた人はわずかでした。 5年後の良好な状態の割合は99.4%、10年後も99.3%と高く、12年半たっても96.2%と報告されています。(文献2) 3.関節鏡視下手術|プラセボ効果と変わらない可能性 変形性膝関節症で比較的初期に適応される手術は「関節鏡視下手術」です。 小さなカメラと器具を使って、関節の中を直接見ながら、炎症の原因になる軟骨のかけらを取りのぞいたり、傷んだ半月板の形を整えたりします。 2022年の研究では、実際に関節鏡視下手術を受けた人と、切開のみで治療を行わないプラセボ手術(研究のためのニセ手術)を受けた人で成功したと感じた割合は以下の通りでした。(文献3) 関節鏡視下手術:82% 関節鏡視下手術のプラセボ手術:74% また、2024年の研究では、関節鏡視下手術を受けた人と手術をしない保存療法のみの人で、5年後と10年後に人工関節置換術(TKA)を受けた人の割合について以下の結果が出ています。(文献4) 5年後にTKAを受けた人の割合 10年後にTKAを受けた人の割合 関節鏡視下手術を受けた人 10.2% 23.3% 保存療法のみの人 9.3% 21.4% これらの研究結果から、変形性膝関節症に対する関節鏡視下手術の効果は、実際の手術をしない場合と大きく差がない可能性が高いことが示唆されています。 医療機関や治療法を選ぶ際には、これらの情報も参考に検討することをおすすめします。 変形性膝関節症の手術における入院期間や費用 変形性膝関節症の手術では、術式ごとに入院期間や費用が大きく変わります。 たとえば、関節鏡視下手術は比較的短い入院期間で済む一方、高位脛骨骨切り術や人工関節置換術ではリハビリを含めて長期の入院を要するケースが少なくありません。 費用面も同様に、手術方法や保険の適用割合によって負担額は大きく異なります 以下に、主な術式ごとの入院期間と費用の目安をまとめましたので、参考にしてみてください。 手術名 入院期間 保険適用前費用 3割負担費用 1割負担費用 関節鏡視下手術 2日~3日 約25万円 約7.5万円 約2.5万円 高位脛骨骨切り術 約5~6週間 約146万円 約43.8万円 約14.6万円 人工関節置換術 約1カ月 約186万円 約55.8万円 約18.6万円 ※表の入院期間、費用は病院によっても変わるのであくまで目安の数値になります。 なお、入院中の食事代として1食あたり約110〜490円程度がかかるほか、個室や特別室を希望する場合には1日あたり5,000〜20,000円ほどの差額ベッド代が発生する場合もあります。 以上のように、術式によって滞在期間や費用が大きく変わるため、手術前にしっかりと情報を収集し、家族とも相談することで入院期間や費用に関する不安は減らせます。 【関連記事】 変形性膝関節症の手術後の入院期間は?手術の種類・リハビリ~退院まで医師が解説 変形性膝関節症の手術費用はどのくらい?保険適用の可否についても医師が解説 変形性膝関節症で手術するメリット 変形性膝関節症で手術を受けるメリットとしては、まず起床時の膝のこわばりが軽減する点が挙げられます。 これにより、痛みを意識することなく階段の上り下りができる可能性が高まります。 膝の痛みを気にせず歩き出せるようになるため、外出や趣味などへの意欲が向上する人も少なくありません。 膝をかばう動作が減り、日常生活全般がスムーズになることで精神的にも負担が軽くなるメリットもあります。 変形性膝関節症で手術するデメリット 手術には合併症のリスクが伴います。感染症や血栓症、手術後の痛みや関節の動かしづらさなどが代表的です。 高位脛骨骨切り術のあとに再手術が必要となった場合、膝の変形がさらに進行している可能性が高く、その時点で加齢が進んでいれば、人工関節置換術に移行する可能性もあります。 人工関節置換術後は、膝が完全に曲がらなくなるため、痛みの改善が期待できる一方で、関節の可動域が制限されるデメリットがあります。 そのため、重い荷物を持ったり正座をしたりすることが難しくなる場合も少なくありません。 また、膝に負担をかけるスポーツや動作を続けていると、人工関節が破損やゆるみを起こすリスクが高まり、耐久年数に関係なく再手術が必要になる場合もあります。 変形性膝関節症で手術をしない「再生医療」の選択肢 変形性膝関節症で入院を伴うような大きな手術を必要としない治療選択肢として「再生医療」が挙げられます。 再生医療には、幹細胞治療とPRP(多血小板血漿)療法などがあります。 幹細胞治療は、患者様自身の幹細胞を培養して患部に注射する治療法です。 PRP療法では、患者様の血液を採取して遠心分離器にかけ、血小板を濃縮した液体を患部に注射します。 当院「リペアセルクリニック」では「幹細胞治療」「PRP療法」の両方を提供しております。 「関節内ピンポイント注射」という手法を取り入れているため、体への負担を軽減しながら治療を進められます。 詳しい治療方法や症例が気になる方は、リペアセルクリニックまでお気軽にお問い合わせください。 まとめ|変形性膝関節症の手術における成功率を把握した上で治療を検討しよう 変形性膝関節症の手術は、術式によって成功率が異なります。 病院ごとでも実績や専門性が異なるため、担当医に術式別の成功率を聞いて情報収集してみると良いでしょう。 手術は体への負担が大きいため、念入りな検査や診断のもと、どの治療法が最適かを判断していく姿勢が大切です。 入院を伴うような大きな手術を必要としない治療法をお探しの方は、再生医療をご検討ください。 再生医療について詳しくは、当院リペアセルクリニックにお気軽にお問い合わせください。 変形性膝関節症の手術に関するよくある質問 変形性膝関節症の手術後はどんな生活を送ることになりますか? 手術後は、感染症の予防や傷口の安静といった基本的なケアが必要となり、激しい運動や膝に負担のかかる姿勢はしばらく控えることが求められます。 たとえば、正座やあぐら、長時間のしゃがみ込みなどは痛みや再発のリスクを高める可能性があるため注意が必要です。 人工関節を入れた場合には、破損や緩みのリスクを防ぐ意味でも、大きな負荷が加わる運動を避けるよう指示されることが少なくありません。 また、生活環境を整え、膝への負担を減らす工夫することで、術後の回復をスムーズに進められます。 具体的には、床座をやめて椅子中心の生活に変える、手すりを設置するなど、小さな改善を積み重ねることが回復を早めるコツです。 変形性膝関節症の手術で名医はいますか? 変形性膝関節症の治療を得意とする医師は、全国に多数存在しますが、最適な治療を受けるためには、各医療機関の実績や専門分野をしっかりと調べることが重要です。 ウェブサイトや医師紹介ページを確認し、これまでの手術症例数や学会での活動歴、論文発表などをチェックするのも良い方法です。 さらに、当院ではメスを使用せずに治療をおこなう「再生医療」のスペシャリストが在籍しており、患者様の状態に合わせてより最適な治療法を提案できます。詳しい経歴や実績は「ドクター紹介ページ」をご覧いただき、安心してご相談ください。 場合によっては、医師への直接の質問やセカンドオピニオンも検討し、自分に合った医療機関を選択しましょう。 膝の人工関節手術で失敗例はありますか? 膝の人工関節手術は成功率が高い一方、合併症や感染症などのリスクが完全にゼロになるわけではありません。 術後の痛みや可動域の制限が想定以上に残った場合や、人工関節に過度な負担がかかった結果、破損や緩みが生じる可能性もあります。その際には再手術が必要となるケースも少なくありません。 また、人工関節の素材や術式にはさまざまな種類があり、個々の体質や生活スタイルとの相性が影響を及ぼす場合もあります。術後のリハビリを怠らず、医師の指示に従ったケアで膝の負担を減らすことで、失敗と感じるリスクを抑えられるでしょう。 参考文献 (文献1) 信州大学医学部附属病院 整形外科下肢グループ「高位脛骨骨切り術について」 https://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/medicine/chair/i-seikei/images/03-03-1-008_case-lower_treatment05.pdf (最終アクセス:2025年4月18日) (文献2) 龍 準之助.「人工膝関節の開発と術後成績」日大医誌 70 巻 5 号 pp254~259 2011年 https://www.jstage.jst.go.jp/article/numa/70/5/70_254/_pdf/-char/ja (最終アクセス:2025年4月18日) (文献3) O'Connor D, et al. (2022). Arthroscopic surgery for degenerative knee disease (osteoarthritis including degenerative meniscal tears). Cochrane Database of Systematic Reviews, CD014328. 10.1002/14651858.CD014328 (最終アクセス:2025年4月25日) (文献4) Birmingham TB, et al. (2024). Incidence of Total Knee Arthroplasty After Arthroscopic Surgery for Knee Osteoarthritis: A Secondary Analysis of a Randomized Clinical Trial. JAMA Network Open, 7(4), e246578. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/38635272/ (最終アクセス:2025年4月25日)
2022.02.24 -
- 変形性膝関節症
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変形性膝関節症は、放っておくと少しずつ進行し、日常生活に大きな支障をきたす恐れのある疾患です。 初期段階では痛みが軽くても、対策をせずに放置すると関節の変形が進み、手術が必要になることもあります。 しかし、正しい知識と対策を知っていれば、進行を遅らせたり、悪化を防ぐことは十分に可能です。 本記事では、変形性膝関節症を進行させないために、今日からできる対策やセルフケアの方法をわかりやすく解説します。 変形性膝関節症が進行するとどうなる? 変形性膝関節症とは、膝関節の軟骨がすり減ることで、関節に炎症や変形が生じる慢性的な疾患です。 とくに中高年に多く見られる疾患で、年齢や生活習慣の影響で徐々に進行していくのが特徴です。 初期段階では「膝がこわばる」「動き始めに違和感がある」といった軽い症状から始まりますが、進行すると関節の隙間が狭くなり、骨同士がこすれ合うようになるため、強い痛みや腫れ、歩行障害などが現れるようになります。 さらに重症化すると、関節が大きく変形し、正座や階段の上り下りといった日常動作が困難になり、最終的には人工関節の手術が必要になるケースも少なくありません。 変形性膝関節症を進行させないためには、早い段階での対策が非常に大切です。 変形性膝関節症を進行させないための5つの対策 変形性膝関節症は、日々の生活習慣を見直すことで進行を抑えられます。 本章では、以下5つの対策について解説します。 膝に優しい生活動作を心がける 適度な運動と筋力トレーニング 体重管理 食事と栄養管理 サポーターやインソールの活用 それぞれの対策について、詳しく見ていきましょう。 膝に優しい生活動作を心がける 膝への負担は、何気ない日常動作の積み重ねによって蓄積されていきます。 とくに、正座や階段の上り下りなどの動作は膝関節に大きなストレスを与えるため、注意が必要です。 正座の代わりに椅子を使う、階段は手すりを使いながら一段ずつ足を揃えて上り下りするなど、膝に負担をかけない工夫を取り入れましょう。 また、立ち上がるときは膝だけに力を入れず、手や太ももの筋肉を活用すること、座るときはドスンと腰を落とさずゆっくりと重心を下げることが大切です。 適度な運動と筋力トレーニング 変形性膝関節症の進行を防ぐには、関節を固めずに動かし続けることが重要です。 ウォーキングなどの有酸素運動や、膝の曲げ伸ばし体操といった軽い運動は、関節の柔軟性を保ち、痛みの緩和にもつながります。 とくに注目したいのが、太ももの前側にある「大腿四頭筋」と太ももの裏側にある「ハムストリングス」です。 この2つの筋肉を鍛えると、膝関節をしっかりと支え、衝撃を吸収する力が高まります。 ここで、大腿四頭筋とハムストリングスを鍛える簡単なトレーニング方法をご紹介します。 【大腿四頭筋トレーニング】 1.椅子に腰をかけて、片側の脚を伸ばしきります 2.座面と水平になるように脚を持ち上げて、10秒間キープします 3.ゆっくり脚を下ろし3秒間休憩します (1〜3を20回繰り返して、脚を入れ替えます。) 【大腿四頭筋・ハムストリングスのトレーニング】 1.椅子の背を両手で持ち、足は肩幅に広げます 2.つま先と膝の向きはまっすぐ向くようにします 3.膝を前に出さず、お尻を後ろに突き出すように上体を落とします (1〜3を1セット5〜10回、1日3セットします。) 体重管理 体重の増加は膝関節へのストレスを大きくする要因のひとつです。 体重が1kg増えると、歩行時には膝への負担が約3〜5kg分増えると言われています。 変形性膝関節症の進行を防ぐためには、適正体重を維持することが非常に効果的です。 いきなり厳しい食事制限をする必要はありません。 1日3食をバランスよく、腹八分目を意識する、夜遅い食事や間食を控えるなど、小さな工夫から始めましょう。 運動との組み合わせで、より効果的に体重をコントロールできます。 食事と栄養管理 軟骨や関節の健康を保つには、日々の食事から栄養素をしっかりと摂取することが欠かせません。 変形性膝関節症の予防や進行を抑えるために役立つとされている主な栄養素は次のとおりです。 コラーゲン:関節軟骨の構成成分を補う(鶏皮、魚の皮、ゼラチンなど) カルシウム:骨の健康を維持(牛乳、小魚など) ビタミンC:コラーゲンの合成を助ける(ブロッコリー、柑橘類など) ビタミンD:カルシウムの吸収を促進(きのこ類、鮭など) 偏りのない食生活を意識し、サプリメントに頼りすぎず、自然な形で摂取することが理想です。 サポーターやインソールの活用 膝関節への衝撃を軽減し、安定性を高めるためにサポーターや靴のインソール(中敷き)を活用するのも効果的です。 とくに外出時や階段の使用など、膝に不安を感じる場面では心強いサポートになります。 ただし、自己判断で選ぶと、かえって膝に負担をかける可能性があるため、サポーターなどを選ぶ際には、整形外科医や理学療法士など専門家のアドバイスを受けるようにしましょう。 変形性膝関節症の進行を早める生活習慣 変形性膝関節症は、普段の生活習慣が原因で進行を早めてしまい、症状が悪化する場合もあります。 たとえば、膝に違和感がある状態で、ジョギングやジャンプなど膝に強い衝撃を与える動作、激しいスポーツを習慣にしていると、軟骨がすり減ります。症状を悪化させる原因となるため、注意が必要です。 また、正座や深くしゃがみ込む動作も、膝に大きな負担をかけるため控えた方が良いでしょう。 さらに、膝まわりの「冷え」も見過ごしてはいけません。関節が冷えると血流が悪くなり、痛みやこわばりが強くなる傾向があります。冬場や冷房の効いた室内では、ひざ掛けやサポーターなどで膝を冷やさない工夫が必要です。 一見よさそうに見える「膝のマッサージ」や「自己流のストレッチ」も、気を付けなければいけません。痛みを和らげようとして膝を揉みすぎたり、強く押したりすると、炎症を悪化させる可能性があります。 とくに腫れや熱感がある状態では、無理に触ると症状が進んでしまう場合もあります。マッサージや運動をする場合は、医師や理学療法士の指導のもとで安全に行うことが大切です。 変形性膝関節症を進行させないためにも、日々の生活習慣を見直し、膝にやさしい行動を意識していきましょう。 セルフケアだけでは危険?病院へ行くべきタイミングとは 変形性膝関節症の症状が進行してしまった場合、セルフケアだけでは対処しきれなくなることがあるため、適切なタイミングで医療機関を受診しましょう。 たとえば、膝の痛みが日ごとに強くなっていたり、安静にしていても痛みが引かない場合は、関節内で炎症が進んでいる可能性があります。 また、膝が思うように曲がらなかったり、階段の上り下りに支障が出てきたりするような状態も、病状の進行を示すサインです。 こうした症状がある場合は、我慢せずに整形外科などの専門医に相談することが大切です。 早期の段階で受診すれば、薬の処方や理学療法によって進行を抑え、生活の質を保つことも可能です。 また、専門家の指導によるリハビリテーションは、筋力の強化や可動域の改善に効果的であり、痛みの軽減や日常動作の安定にもつながります。 セルフケアで症状を和らげることは大切ですが、「少しおかしいかも」と感じた時点で医療機関を受診しておくことも、変形性膝関節症を進行させないための大きなポイントです。 自分の膝の状態を過信せず、早めの対応を心がけましょう。 変形性膝関節症を進行させない再生医療という新しい選択肢 変形性膝関節症の治療というと、「手術を受けなければ治らないのでは?」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。 「再生医療(幹細胞治療)」は手術を必要としない治療選択肢の一つです。 再生医療とは、患者様自身の体から取り出した細胞(幹細胞)を使う治療法です。幹細胞が持つ他の細胞に変化する「分化能」という働きを活用します。 変形性膝関節症に対する再生医療は、日帰りで実施でき、入院する必要はありません。 また、ご自身の細胞を使用するため、拒絶反応のリスクが低いのが特徴です。 再生医療についての詳細は、以下のページをご覧ください。 まとめ|変形性膝関節症は正しく対処すればコントロールできる 変形性膝関節症は、早めに気づき、きちんと対処すればコントロールできる病気です。 膝にかかる負担を減らす工夫や、適度な運動、バランスの取れた食事など、毎日の小さな積み重ねが、将来の歩行能力や生活の質を大きく左右します。 また、症状が悪化する前に医療機関を受診し、必要に応じたリハビリや専門的な治療を受けることで、より良い経過が期待できます。 自分の膝と前向きに向き合い、無理なく、長く健康に歩ける毎日を目指していきましょう。 なお、当院「リペアセルクリニック」では変形性膝関節症に対する再生医療の治療を行っています。 当院では、治療をご検討いただく前に、患者様の症状や膝の状態を詳しく診察し、治療の適応や内容について丁寧にご説明いたします。 治療に関するご質問やご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。専門医が患者様のご状況に応じて、治療の選択肢についてご提案いたします。 ▼以下も参考になれば幸いです 膝の病気!鵞足炎と変形性膝関節症についてと、その違いを解説!
2022.02.22 -
- ひざ関節
- 肘関節
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コラーゲンにはどのような効果があるのか、どのように摂取すれば良いのか知りたい方はいませんか。 コラーゲンは美容的に注目されていますが、実は身体にとっても非常に重要な栄養素です。 この記事では、コラーゲンの効果や効率的に摂る方法についてご紹介します。コラーゲンについての知識を深めることで、身体の健康のために習慣的に摂り入れるきっかけになるでしょう。 そもそもコラーゲンとは? コラーゲンと聞くと、肌に良いイメージを持たれる方もいるのではないでしょうか。しかし、コラーゲンの働きは皮膚だけではありません。 コラーゲンとは、人間の体内に存在するタンパク質の1種です。タンパク質は人間の筋肉や臓器など、身体のさまざまな場所に分布しています。 また、タンパク質は炭水化物と脂質に並ぶ三大栄養素のため、人間の身体にとって必要なエネルギー源でもあるのです。コラーゲンは体内のタンパク質の約30%を占めており、以下のような組織に多く含まれています。 皮膚 骨 血管 そして線維性コラーゲンや基底膜コラーゲンなど、組織の部位ごとに分類されており、現在わかっているものだけで29種類あります。ここでは、コラーゲンの役割や種類について詳しくみていきましょう。 コラーゲンの役割 皮膚の約70%はコラーゲンで構成されているといわれており、肌に弾力やハリを維持する働きがあります。 そしてコラーゲンは皮膚だけではなく、以下のような組織にも含まれており、それぞれの強度や柔軟性を保つ機能もあるとされています。 骨 関節 腱 靭帯 例として、骨にコラーゲンが含まれることでクッションのような役割が生まれ、強い衝撃から守る働きがあるのです。 関節に含まれているコラーゲンには、骨同士の摩擦による擦り減りを防ぐ役割を担っています。このように、コラーゲンは肌だけでなく骨や関節に密接に関わっています。 コラーゲンの種類 コラーゲンには多くの種類があり、おもに「Ⅰ〜Ⅴ型」の5つのタイプに分類できます。それぞれのタイプの特徴について、以下の表にまとめました。 タイプ 線維性・非線維性 役割 含まれている場所 Ⅰ型 線維性コラーゲン 骨や皮膚を作る 組織の弾力を生み出す 皮膚、骨、腱、靭帯など (体内に最も多く含まれている) Ⅱ型 関節や軟骨の成分となる 関節、軟骨、目の角膜など Ⅲ型 肌のダメージ回復 組織の柔軟性を生み出す 皮膚、血管、内臓など Ⅳ型 非線維性コラーゲン 細胞同士をつなぐ 細胞の成長を促進させる 基底膜(表皮と真皮の間にある組織) Ⅴ型 線維性コラーゲン Ⅰ型・Ⅲ型に含まれている 血管、筋肉、胎盤など このように、コラーゲンの種類によって分布場所や役割が異なることがわかるでしょう。 コラーゲンは加齢により減少する コラーゲンは健康の維持に欠かせないものですが、年齢とともに減少傾向にあります。加齢にともなって細胞の数が減ったり、衰えたりするとコラーゲンが合成しにくくなるからです。 また、紫外線による影響でも皮膚のコラーゲンが減少することがわかっており、シワやたるみなどの原因となっています。肌の健康のためにも、日光を長時間浴びるのはできるだけ避けましょう。 コラーゲンの主な効果 コラーゲンは、口から摂取する場合の科学的な有効性はなく、効果が期待できないとされています。 ただし、「まったく効果がない」とはいい切れず、明確な結論が出ていないのが現状です。 ここでは、コラーゲンのおもな効果について解説します。 *参考資料:サプリメントの効果について|公益法人日本整形外科学会 肌に潤いやハリ・弾力を与える コラーゲンには、肌の潤いやハリ・弾力などをサポートする効果があるとされています。前述したように、身体を構成するタンパク質の約30%はコラーゲンといわれています。 このコラーゲンが表皮と真皮の間にある「基底膜」に存在することで、それぞれの皮膚がつながり合い、肌の状態を良好に保っているのです。シワやたるみを予防し、きめ細かい肌をキープしたい方にとって、コラーゲンの摂取は重要といえるでしょう。 また、コラーゲン以外にも肌の状態を改善する方法として、「再生医療」があります。再生医療とは、自身の再生能力が備わった細胞を使用した治療法で、肌の健康に必要な成分・組織の申請が期待できます。 関節の動きを改善する コラーゲンは肌の健康だけでなく、関節の動きの改善にもつながります。前述したように、コラーゲンは関節にも含まれており、骨同士の衝突や摩擦をやわらげるクッションのような役割を果たしています。 関節内のコラーゲンを保つことで、クッション作用が維持され、動きがスムーズとなるのです。実際に、傷ついた関節の治療時にコラーゲンのサプリメントを摂取したところ、修復が早くなったとの結果も報告されています。 また、「変形性膝関節症」の症状の改善にも効果があることもわかっています。変形性膝関節症とは、膝関節の軟骨がすり減り、痛みが出ている状態のことです。変形性膝関節症に対しては、コラーゲンだけでなく再生医療も有効とされています。再生医療によって膝の軟骨の再生を促すことで、変形性膝関節症による痛みの改善が期待できます。 骨を丈夫にする コラーゲンには骨を丈夫にする効果があるとされています。骨を丈夫にする栄養素として、カルシウムのイメージが強いですが、実はコラーゲンも大きく関わっています。 骨を構成する約30%がコラーゲンでできているといわれており、その線維にカルシウムが付着しているのです。 コラーゲンが関与することで骨の強度が高まるとともに、柔軟性が備わって外部からの衝撃をやわらげています。反対に、コラーゲンが不足するとカルシウムが付着しにくくなり、骨がスカスカになる「骨粗鬆症」の原因となります。 コラーゲンを効果的に摂る方法 コラーゲンを効果的に摂るためには、どのような方法がおすすめなのでしょうか。ここでは、効果的に摂取するための方法を詳しく解説します。 コラーゲンを多く含む食べ物を摂取する まずは、コラーゲンを多く含む食べ物の摂取を心がけましょう。コラーゲンが豊富な食べ物は、以下のとおりです。 食べ物 100gあたりのコラーゲン量(mg) フカヒレ 9,920 はも(皮のみ) 7,660 うなぎの蒲焼き 5,530 牛すじ 4,980 鶏軟骨(胸肉) 4,000 はも(皮付き) 3,560 豚白もつ 3,080 鮭(皮付き) 2,410 鶏手羽先 1,550 これらの食べ物を取り入れることで、効率的にコラーゲンの摂取が可能です。 サプリメントを摂取する コラーゲンを多く含む食べ物の摂取が難しい場合は、サプリメントの活用がおすすめです。サプリメントであれば気軽にコラーゲンを摂取できるので、無理して食事量を増やす必要はありません。 効率的にコラーゲンを取り入れるためには、「コラーゲンペプチド」の商品を選択しましょう。コラーゲンペプチドとは、コラーゲンを分解してさらに小さい分子にしたもので、体内で吸収しやすくなります。 コラーゲンを効果的に取り入れるコツ コラーゲンを取り入れるためには、どのようなことを意識すれば良いのでしょうか。ここでは、コラーゲンを効果的に取り入れるコツをご紹介します。 ビタミンCと鉄分を多く含む食べ物を一緒に摂る コラーゲンだけでなく、ビタミンCや鉄分を多く含む食べ物と一緒に摂るようにしましょう。これらの栄養素は、コラーゲンの生成をサポートする役割があるとされています。ビタミンCや鉄分が多く含まれている食べ物は、以下のとおりです。 ぜひ、これらの食べ物を意識的に摂り入れてみてください。 寝る前に摂取することを習慣化する なるべく、寝る前のコラーゲンの摂取を習慣化しましょう。皮膚や筋肉などの組織が作られる時間帯は、睡眠中とされています。 そのため、寝る前にコラーゲンを摂取しておけば組織が効率的に生成され、肌の健康につながりやすくなります。 睡眠を十分にとる 寝る前にコラーゲンを摂取するだけでなく、睡眠時間の十分な確保も重要です。睡眠中に成長ホルモンが分泌されることで、皮膚や筋肉などが生成されます。 しかし、睡眠不足になって成長ホルモンの分泌量が少なくなると、その分生成が遅れてしまいます。十分な睡眠時間を確保し、コラーゲンの効果を高めていきましょう。 まとめ|コラーゲンをうまく取り入れて効果を実感しよう! コラーゲンはタンパク質の1種であり、肌や骨などのさまざまな組織に分布しています。コラーゲンには肌のハリや弾力を改善したり、骨を丈夫にしたりする効果があるとされています。そのため、身体の健康にとっては欠かせない成分といえるでしょう。 コラーゲンの効果を高めるためには、特定の食べ物やサプリメントを摂取することが重要です。また、ビタミンCや鉄分と一緒に摂取する、睡眠時間を確保するなどの工夫もおすすめです。 ぜひ今回の記事を参考にして、コラーゲンを意識的に摂り入れてみましょう。 コラーゲンの効果に関連するよくある質問 Q. 低分子コラーゲン(コラーゲンペプチド)とはなんですか? A. 低分子コラーゲンとは、コラーゲンタンパク質の分子を小さくしたものです。低分子コラーゲンは「コラーゲンペプチド」とも呼ばれ、粒子が細かいために吸収されやすいメリットがあります。 コラーゲンペプチドはサプリメントとして錠剤やパウダー、ドリンクに配合されており、種類もさまざまです。 Q. コラーゲンの摂取によりアレルギー反応を起こす可能性はありますか? A. サプリメントの原料になっている以下のような動物が原因で、アレルギー反応を起こす可能性があります。 牛 豚 鶏 魚 例として、鶏や卵にアレルギーがある方は、鶏が原料になっているコラーゲンは避けたほうが良いでしょう。 コラーゲンによるアレルギー反応でアナフィラキシーを起こした事例も報告されているため、摂取する際は十分に注意が必要です。
2022.02.16 -
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- 膝の内側の痛み
- 膝の慢性障害
鵞足炎(がそくえん)とは「鵞足(がそく)」と呼ばれる膝関節の内側より下方に位置する脛骨付近で起こる炎症です。 鵞足炎は、ランニングや坂道の上り下りなどで膝を酷使すると発症しやすくなります。 ある日突然、膝の内側が痛み出した場合、鵞足炎の可能性も視野に入れていきましょう。 本記事では、鵞足炎の症状や原因を詳しく解説します。治療法も紹介しているので、鵞足炎の疑いがある方は参考にしてみてください。 鵞足炎とは? 鵞足炎(がそくえん)とは、膝の内側下部に位置する「鵞足」に炎症が起こる疾患です。 鵞足は「縫工筋」「半腱様筋」「薄筋」という三種類の筋肉に付着している腱が脛骨にくっついている場所を指しています。 鵞足炎を発症していると膝の屈曲や股関節を内転する動きで膝に痛みを覚えます。 膝を酷使するスポーツ選手が発症しやすいといわれており、膝への大きな負荷だけでなく打撲などの外傷を原因として発症する可能性もあります。 鵞足炎の主な原因や症状 鵞足炎になってしまう主な原因や症状を解説します。 鵞足炎の原因 鵞足炎の症状 鵞足炎は、長時間のランニングや膝に負担がかかることで発症する可能性が高くなります。 初期段階では安静にしていると痛みが落ち着くこともありますが、悪化すると歩行が困難になるほどの痛みを感じるケースも。 以下では、鵞足炎の原因と症状について、それぞれ詳しく解説していきます。 主な原因 鵞足炎を引き起こす主な原因を以下にまとめました。 長距離を走ったりダッシュしたりする 不適切なトレーニングをする 運動前にストレッチを怠る 急な坂道を急激に長時間走る 肥満体形で膝に負担がかかっている このように鵞足炎という病気は、スポーツにかかわる障害として代表的な疾患のひとつです。 主な症状 鵞足炎を発症すると、初期では膝関節の内側部より5㎝ほど下方の部位が痛くなり、その部位を押すとさらに強い痛みをともないます。 また、運動時や階段昇降時に疼痛症状が悪化しやすく、さらに病状が進行すると安静時にも同部位が疼くように痛みを感じる場合もあります。 鵞足炎と似ている症状に「変形性膝関節症」という外傷があります。 以下の記事では、鵞足炎と変形性膝関節症の違いを詳しく解説しているので、ほかの外傷の可能性を視野に入れている方は、参考にしてみてください。 鵞足炎の治療期間について 鵞足炎が治るまでにかかる期間は、一般的には2週間前後です。 適切な治療とリハビリによって改善できる疾患のため、痛みがある時は安静にし、治療に専念することが重要です。 また、早期に回復させるためにも膝に痛みを感じたら早めに医療機関を受診しましょう。 以下の記事では、病院に行くべき症状やタイミングについて詳しく解説しているので合わせてご覧ください。 鵞足炎の主な治療法3つ 鵞足炎に有効な3つの治療法を紹介します。 理学療法 ステロイドによる注射治療 テーピング・サポーター 1つずつ順番に見ていきましょう。 理学療法 鵞足炎の治療で多いのは理学療法です。 理学療法ではストレッチによるケアを重点的におこなう場合があります。なぜなら、鵞足炎は太ももの筋肉が硬くなると膝の症状が悪化しやすく、ストレッチで筋肉部の緊張を和らげるのが有効だからです。 注意点としては、炎症が強くて痛み症状が顕著な時期にストレッチ運動を過剰に実践してしまうと、逆に膝の痛みが悪化する原因になりかねないとの指摘もあります。 したがって、症状がひどい際には軽めのストレッチに留めておき、十分な安静を保持して、患部のアイシングや消炎鎮痛剤の服薬などの対処策を検討していきます。 ステロイドによる注射治療 鵞足炎の治療では、滑液包の内部に少量ステロイド薬を直接的に注射する方法もあります。 ステロイドによる注射治療は、すぐに症状が軽快するケースが多く認められます。しかし、数か月経過すると膝の痛みが再燃する可能性もあります。 テーピング・サポーター テーピングやサポーターには、動きを制限させる働きがあります。安静が必要な時期に活用すれば、膝周りの動きを制限して炎症の沈静化を早められるでしょう。 テーピング・サポーターの利用は早期回復を促進する上で、有効なアイテムといえます。 スポーツや仕事をしているときに膝の内側に痛みを感じたら、弊社『リペアセルクリニックのドクター』にご相談ください。 スポーツ外傷や加齢による腱や靭帯の損傷・炎症の治療に詳しいドクターが、患者さまに合った治療法を一緒に考えていきます。 鵞足炎を早く治す方法として先端医療の再生医療を検討しよう 鵞足炎による膝下の痛みを早く治したい方は、再生医療による治療も選択肢の一つです。 再生医療とは、患者さま自身の細胞を活用して損傷した鵞足の再生・修復を図る医療技術のことです。 患者さま自身の細胞のみを使用することで、拒絶反応やアレルギーなどの副作用リスクが少ない治療法として近年注目されています。 また、手術や入院不要で治療できるため、手術を避けたい方や早く日常生活に復帰したい方にも推奨されます。 当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、鵞足炎に対する再生医療の治療法や症例を配信しているので、ぜひご参考ください。 鵞足炎に関するよくある質問 鵞足炎に関するよくある質問と回答をまとめて紹介します。 鵞足炎を早く治す方法はありますか? 鵞足炎を早く治すためには、運動を控えて安静に過ごすのがもっとも効果的です。 炎症を起こしている状態で無理に動けば、患部に負担がかかり回復を遅らせます。 ストレッチは鵞足炎の予防や改善に効果がありますか? ストレッチは鵞足炎に有効です。 先述のとおり、鵞足炎は太ももの筋肉が硬くなると症状が悪化しやすくなります。そのため、太ももの筋肉をほぐすストレッチが 予防と改善に効果的です。 太もものストレッチには「長座体前屈」がおすすめです。 太ももの裏側が伸び、筋肉の緊張がほぐれます。 鵞足炎になってもスポーツはできる? 鵞足炎を発症している最中は、運動を控えて安静に過ごしましょう。炎症が悪化して、痛みや腫れといった症状が強く現れる可能性があります。 炎症が沈静化して、症状が落ち着いたらスポーツを再開して問題ありません。ただし、急に動くと膝に負担がかかり再発リスクを伴うので、様子を見ながら少しずつ運動量を調整していきましょう。 【まとめ】鵞足炎の原因となる膝への負担を避けて日頃からケアすることが重要 鵞足炎は、マラソンや坂道の上り下りといった膝を酷使する運動で発症しやすい疾患です。 身体を動かしていて膝の内側が痛み出したら、鵞足炎の可能性を視野に入れ早めに医療機関を受診しましょう。 鵞足炎は再発しやすい疾患ともいわれているため、担当医師や理学療法士の指導や助言のもと、焦らず治療を進めていく姿勢が大切です。 「膝の内側が痛み出したけど、どの医療機関を受診すればいいのかわからない…」という方は当院『リペアセルクリニック』にご相談ください。 スポーツ外傷に詳しいドクターが、患者さまの状態や症状に合った治療法を一緒に考えていきます。
2022.02.16 -
- ひざ関節
- 半月板損傷
「半月板損傷でやってはいけないことは?」 半月板損傷と診断された方は、早く治すためにも以下のような動作には注意する必要があります。 しかし、やってはいけないことを守るだけでは根本的な解決にならず、適切な治療を受けないと歩行困難や関節が動かなくなるリスクがあるため、注意が必要です。 今までは半月板損傷が悪化すると手術が一般的でしたが、近年の治療では手術せずに治療できる再生医療が注目されています。 \手術せずに半月板損傷を治す再生医療とは/ 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いる先端医療で、手術せずに損傷した半月板の修復・再生を促す治療法です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 半月板損傷による痛みや引っかかり感を早く治したい 将来的な変形性膝関節症などのリスクに不安がある 根本的に治療したいが、手術はできるだけ避けたい 当院リペアセルクリニックでは、再生医療の具体的な治療法や適応症例について無料カウンセリングを行っているため、お気軽にご相談ください。 まずは半月板損傷の治療について無料相談! 半月板損傷でやってはいけないこと【7選】 半月板損傷でやってはいけないこととして、主に以下の7つがあげられます。 急な動き出しや方向転換をする 階段の昇り降りをする 膝を大きく曲げる体勢をとる 長時間の立ちっぱなしや歩行 膝に負担がかかるスポーツや運動 急激な体重増加 膝に負担のかかる靴の着用 以下では、それぞれについて詳しく解説します。 半月板損傷の原因や症状など包括的な内容に関しては「半月板損傷とは?原因・症状・治療法・やってはいけないこと」の記事をご覧ください。 急な動き出しや方向転換をする 急な動き出しや方向転換は膝を捻るような力が加わるため、半月板への負担がかかりやすく、痛みの悪化につながります。 方向転換する際は、焦らずにゆっくりと行うようにしましょう。 また方向転換に関わらず、どのような動作でも性急に行わないように注意することが大切です。 階段の昇り降りをする 階段の昇り降りの動作は膝関節にかかる負担が大きく、頻繁に行うと症状が悪化する恐れがあります。 半月板損傷の方は階段の使用はなるべく控え、エレベーターやエスカレーターなどを活用しましょう。 階段を昇り降りしなければいけない場合は、手すりや杖の使用がおすすめです。 膝を大きく曲げる体勢をとる 正座や和式トイレなどは膝を大きく曲げる必要があり、半月板や関節に負担がかかります。 とくに和室や古い建物で生活している方は、このような膝を大きく曲げるような動作が多い傾向にあります。 膝の負担を軽減するには、イスを中心とした生活に切り替える、洋式トイレに改修するなどの工夫が必要です。 長時間の立ちっぱなしや歩行 長時間の立ちっぱなしや歩行も膝への負担が蓄積することで半月板にダメージが加わるため、できるだけ避けましょう。 膝への負担を軽減するために、以下のような対策がおすすめです。 杖を使用する 途中で休憩する 膝サポーターを装着する 長時間立ったり歩いたりする必要がある場合は、上記のような対策をして膝への負担軽減を図ることが大切です。 膝に負担がかかるスポーツや運動 サッカーやバスケットボールなどの膝への負担が大きいスポーツや、ランニングなどの長時時間走る運動は控えましょう。 半月板損傷になった場合、急な方向転換やジャンプを頻繁に行うスポーツは、完治するまで絶対に避けるべきです。 膝に負担のかからない体勢でできるストレッチや筋トレや、膝への負担が少ない水泳を取り入れて筋力を維持するのがおすすめです。 急激な体重増加 急激な体重増加も膝への負担となり、半月板損傷を悪化させる原因になるため、体重管理を徹底しましょう。 体重が1kg増加すると、歩行時の膝への負担が約4kg増加するといわれているほど、体重増加による膝への負担は大きいです。(文献1) 膝の痛みで運動量が減ると体重増加につながるため、食生活の改善などから始めてみましょう。 また、ストレッチや短時間のウォーキングなど膝に負担の少ない運動習慣を身につけることも重要です。 膝に負担のかかる靴の着用 半月板損傷の方は、クッション性がない靴やヒールの高い靴など、膝に負担のかかる靴の着用は避けましょう。 また、サイズが合っていない靴も足や膝に負荷がかかり、半月板損傷が悪化する原因になります。 クッション性のあるスニーカーや膝の負担を軽減できるインソールの使用など、膝への負担を軽減する工夫が必要です。 半月板損傷の主な症状と原因とは 半月板とは、太もも側の大腿骨と、すね側の脛骨の間に存在する軟骨でできた板のような組織です。 アルファベットのC型のような特徴的な形状をしており、膝関節の内側と外側に1つずつ存在します。 膝には、以下のような関節を構成する組織があり、半月板は、それらを安定させる役割があります。 軟骨 靭帯 筋肉 腱 それ以外にも半月板は膝関節のクッションとして作用し、膝の荷重や衝撃などを軽減したり、膝の動きを滑らかにしたりする働きもあるのです。 このように、半月板は膝を構成する大切なパーツですが、急激な衝撃や過度な負荷がかかることで損傷する場合があります。 ここでは、半月板損傷の症状や原因について解説します。 半月板損傷の症状 半月板損傷のおもな症状は、以下のとおりです。 膝の痛み 腫れ 引っかかり感 関節がズレる感覚 動作時の関節の音 膝の曲げ伸ばしの困難さ(ロッキング) 人は歩くだけでも体重の5倍もの負担が膝関節にかかるといわれています。そのような負荷や強い衝撃を受け続けると、半月板の損傷につながります。 半月板は一度損傷すると自然治癒することはほとんどないため、治療が必要です。上記の症状が悪化すると、日常生活に支障をきたす恐れもあるでしょう。 また、半月板損傷は症状によって5つのタイプに分けられます。 縦断裂 横断裂 円盤状断裂 フラップ状断裂 水平断裂 詳しく知りたい方は以下の記事で解説していますので、興味がある方はぜひこちらもご覧ください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ 半月板損傷の原因 半月板損傷で痛みが起こる原因は、大きく「筋収縮」と「炎症」の2種類に分類されます。 それぞれの原因によって起こる痛みのメカニズムは、以下のとおりです。 このように、痛みの原因は半月板だけというわけではなく、別の影響も関係しています。 【注意】半月板損傷を放置するリスク 半月板損傷によって半月板としての機能が損なわれている状態を放置すると、膝関節の軟骨に大きな負担がかかります。 結果的に軟骨がすり減り、「変形性膝関節症」を発症する可能性が高くなります。 半月板損傷が重症化したり、変形性膝関節症を発症した場合、人工膝関節置換術(膝関節を人工物に入れ替える手術)を行わなければいけないケースも。 半月板損傷が発症した場合は放置せずに治療を行い、回復に専念することが大切です。 「手術せずに治療したい」「悪化する前に早く治したい」という方は、再生医療による治療をご検討ください。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いる先端医療で、手術せずに損傷した半月板の修復・再生を促す治療法です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 半月板損傷による痛みや引っかかり感を早く治したい 将来的な変形性膝関節症などのリスクに不安がある 根本的に治療したいが、手術はできるだけ避けたい 当院リペアセルクリニックでは、再生医療の具体的な治療法や適応症例について無料カウンセリングを行っているため、お気軽にご相談ください。 まずは半月板損傷の治療について無料相談! 変形性膝関節症と半月板損傷の違いや症状について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。 半月板損傷の治療方法 半月板損傷の治療法としては、おもに以下があげられます。 保存療法 手術療法 再生医療 ここでは、それぞれの治療方法について詳しく解説します。 保存療法 保存療法ではリハビリを中心に行い、必要に応じて膝にたまった水を抜く、潤滑性と抗炎症作用が期待できるヒアルロン注射をするなどの対応をします。 痛みや炎症がある場合は鎮痛剤や炎症剤などの薬物を用います。 このような保存療法でも痛みが強く、改善の見込みが薄い場合は、手術療法を検討する必要があるでしょう。 また、保存療法で治らない半月板損傷の治療には、手術を避けて治療できる再生医療が注目されています。 >手術を避けて半月板損傷を治療する再生医療について見る 手術療法 手術療法では、膝の状態にあわせて以下の術式が行われます。 ・縫合術:断裂した半月板を縫い合わせる手術 ・切除術:断裂した半月板を取り除く手術法 ただし、これらの手術を行った場合でも、将来的に変形性膝関節症を発症するリスクがあります。そのため、手術後もリハビリや薬物療法などの保存療法は欠かせません。 手術をする場合は入院も必要となり、とくにスポーツをされている方は、復帰までに時間がかかる可能性があります。 半月板損傷の手術のメリット・デメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。手術についてさらに情報を知りたい方は、ぜひこちらも記事もご覧ください。 再生医療 半月板損傷を手術せずに根本的な改善につながる治療法として、自己細胞を用いた再生医療が注目されています。 再生医療とは、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を高めることで、損傷した半月板の再生・修復を促す医療技術です。 従来の治療では、保存療法で治らないケースや重症化したケースに対して、損傷・断裂した半月板を縫合したり切除したりする手術が一般的でした。 しかし、半月板を温存できない場合や将来的な変形性膝関節症のリスクから「手術を避けたい」という方の新たな選択肢となるでしょう。 以下の動画では、半月板損傷に対する再生医療について詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。 https://youtu.be/qH46jDFK9Mc?si=JRlRMYY3Ae-ZIMFk 【こんな方は再生医療をご検討ください】 半月板損傷を根本的に治したいが、手術はできるだけ避けたい なかなか治らない半月板損傷を早く治したい 術後の変形性膝関節症などのリスクに不安がある 当院リペアセルクリニックでは、再生医療の具体的な治療法や適応症例について無料カウンセリングを行っているため、お気軽にご相談ください。 まずは半月板損傷の治療について無料相談! 半月板損傷でやってはいけないことに関するよくある質問 ここでは、半月板損傷に関してよくある質問に対してお答えしています。半月板損傷に関して疑問がある方は、ぜひこちらも参考にしてみてください。 半月板損傷を早く治す方法はありますか? 半月板損傷を早く治す方法としては、手術しないで治療できる再生医療があります。 再生医療は、患者さまの幹細胞を採取・培養して患部に投与することで、損傷した半月板を再生させる医療技術のことです。 入院や手術をせずに治療できるため、身体への負荷が小さく、効率的に治療を進められます。 当院リペアセルクリニックでは、半月板損傷に対する再生医療について無料カウンセリングを実施しています。 「半月板損傷を少しでも早く治したい」という方は、ぜひ再生医療がどのような流れで治療を行うのか、ぜひご相談ください。 まずは半月板損傷の治療について無料相談! (こちらをクリックして)今すぐ相談してみる 半月板損傷に対して効果的な治療をさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。 半月板損傷でやってはいけないことを避けて症状改善を目指そう 本記事では、半月板損傷の悪化を防ぐために、やってはいけいないことについて解説しました。 膝のクッションの役割を持つ半月板が損傷すると、将来的な変形性膝関節症のリスクにつながるため、膝への負担は避けることが推奨されます。 主に「急な動き出しや方向転換」「長時間の立ちっぱなしや歩行」などを避け、階段の登り降りなど日常生活で何気なく過ごしているときの動作にも注意が必要です。 また、半月板損傷は自然治癒が期待できず、放置することで症状が進行していくため、膝の健康のためにも早期からの治療が重要です。 「自分の半月板を温存して治療したい」「できるだけ早く日常生活・スポーツに復帰したい」という方は、再生医療をご検討ください。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いる先端医療で、手術せずに損傷した半月板の修復・再生を促す治療法です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 半月板損傷による痛みや引っかかり感を早く治したい 将来的な変形性膝関節症などのリスクに不安がある 根本的に治療したいが、手術はできるだけ避けたい 当院リペアセルクリニックでは、再生医療の具体的な治療法や適応症例について無料カウンセリングを行っているため、お気軽にご相談ください。 まずは半月板損傷の治療について無料相談! 参考文献 (文献1) Estimation of the effect of body weight on the development of osteoarthritis based on cumulative stresses in cartilage: Data from the Osteoarthritis Initiative|PubMed
2022.02.15 -
- ひざ関節
- 変形性膝関節症
- 膝の内側の痛み
年齢とともに増えてくる膝の痛みや違和感。 とくに中高年層に多く見られる「変形性膝関節症」は、膝の軟骨がすり減ることで痛みや歩行障害を引き起こし、進行すると日常生活にも大きな支障をきたします。 しかし、膝の負担を減らすための正しい知識と行動を取り入れることで、その進行を予防できます。 この記事では、膝の負担を増やす原因や避けたい動作、さらに効果的な運動や生活習慣の工夫まで、医療的な視点からわかりやすく解説します。 将来も自分の足で歩き続けるために、今からできる対策を確認してみましょう。 膝の負担が増える原因とは? 膝の痛みに悩む方は高齢になるにつれて増加する傾向があり、とくに中高年以降の女性に多く見られるのが「変形性膝関節症」です。 変形性膝関節症は、膝の軟骨がすり減ることで関節に炎症や痛みが生じ、進行すると歩行が困難になることもあります。 国内では、潜在的なものを含めると約3,000万人が変形性膝関節症を抱えていると推定されています。 変形性膝関節症が発症する主な原因は、「加齢」「外傷」「肥満」「遺伝的な要因」などが知られています。 さらに、普段の姿勢や動作のクセが、膝関節に過剰な負担をかけているケースもあります。 膝関節の構造と役割 変形性膝関節症を予防するために、まずは膝関節の構造を理解することが大切です。 膝関節は、太ももの大腿骨・すねの脛骨・膝のお皿の膝蓋骨から構成されています。 これらの骨の表面は、衝撃を和らげる役割をもつ関節軟骨に覆われています。 さらに、大腿骨と脛骨の隙間には、クッションのような役目をする半月板が内側と外側に1枚ずつ存在します。 この関節軟骨と半月板を合わせて、「膝の軟骨」と言います。 膝の軟骨には、関節をスムーズに動かす働きのほか、立ち上がりや歩行時の衝撃を分散し、膝へのダメージを軽減する重要な役割があります。 膝関節の主な動きは、膝を曲げ伸ばしする屈伸運動です。 加えて、わずかな回旋(まわす)運動がありますが、急激な曲げ伸ばしや無理なねじり動作は、軟骨に過度な負担をかけ、変形性膝関節症の原因になるおそれがあります。 日々の動作の積み重ねが、膝関節の軟骨をすり減らすきっかけになるため、正しい使い方を意識することが予防の第一歩です。 膝に負担がかかる日常の姿勢や動作 日常生活の中には、無意識のうちに膝に負担をかけている姿勢や動作が数多くあります。 以下のような動きには注意が必要です。 正座や深く膝を曲げてしゃがむ動作 両脚を横に投げ出して座る(横座り) あぐらをかく姿勢 歩行時や運動時の急な方向転換 これらの動作は、膝関節に過剰な負荷をかけることがあり、軟骨のすり減りにつながるリスクがあります。 また、膝の関節を安定させているのは、大腿四頭筋・ハムストリングスといった膝周囲の筋肉です。 これらの筋肉が働くことにより、膝の曲げ伸ばしなどの動作を安定して行えます。 しかし、加齢や運動不足によって筋力が低下すると、膝関節の安定性も低下し、結果的に軟骨への負担が上がります。 そのため、膝に負担のかかる姿勢を避けるとともに、筋肉を鍛えることも大切です。 日々の習慣を見直し、膝をやさしく使う意識を持つことが、変形性膝関節症の予防につながります。 膝が痛いときに「やってはいけない」NG行動 膝に痛みがあるときには、「安静にすべきか」「動かしたほうがいいのか」と迷うことがあるかもしれません。 しかし、間違った対応をしてしまうと、かえって膝の状態を悪化させる原因となることがあります。 以下のような行動は避けてください。 痛みを我慢して動き続ける → 炎症が悪化し、症状が進行するおそれがあります。 自己判断でマッサージをする → 炎症部位を刺激して、かえって悪化することがあります。 冷やす・温めるを間違える → 急性期は冷やす、慢性期は温めるなど、症状に合った処置が必要です。 痛みが出た直後で腫れや熱感がある場合(一般的には数日〜2週間程度)は、急性期の可能性があります。 サポーターやテーピングの誤用 → 誤った使用は膝に負担をかけることがあります。 サポーターやテーピングを装着する際は、きつく締め付けると血流を妨げたり、かえって痛みが強くなることがあります。適度な締め付けで、ずれない範囲で使いましょう。 また、症状の判断は難しいこともあるため、自己判断せず医師や理学療法士に相談してください。 膝の負担を減らす方法|日常生活で意識したいこと 膝の痛みや関節疾患を予防・改善するには、毎日の生活習慣を見直すことが大切です。 とくに、歩き方・立ち方・座り方といった基本的な動作や、靴の選び方、体重の管理といった身近なポイントに気を配ることで、膝にかかる負担を大きく減らせます。 ここからは、膝をいたわるために意識したい生活習慣の具体的な工夫をご紹介します。 膝にやさしい歩き方と立ち方 膝への負担を減らすには、日常の歩き方や立ち方を見直すことが重要です。 歩行時は、背筋を伸ばして視線を前に向け、かかとから着地してつま先で蹴り出すように意識しましょう。 足裏全体で地面を捉えるように歩くことで、膝にかかる衝撃をやわらげる効果があります。 また、立つときは片足に体重をかけず、左右均等に体重をのせるようにします。 猫背や反り腰の姿勢は膝関節に負担をかけるため、正しい姿勢を保つことが大切です。 毎日の動作を少し意識するだけでも、膝への負担軽減につながります。 靴やインソールで膝の衝撃をやわらげる方法 日常的に使用する靴やインソールを見直すことは、膝への衝撃をやわらげる有効な方法のひとつです。 とくに、クッション性が高く足にフィットする靴を選ぶことで、歩行時の膝関節への負担を軽減できます。 また、足のアーチをしっかり支える整形外科用インソール(足底板)を使用すると、体重が均等に分散され、膝へのストレスが和らぎます。 外反母趾や扁平足など、足の形状に合わない靴を履いている場合は、膝痛を引き起こす原因にもなりかねません。 体重管理と膝への負担の関係 体重は膝関節への負荷に大きく関係しています。 普通に歩くだけでも体重の約2 〜3 倍、走ると約3〜5倍もの負荷が膝にかかるとされており、体重が重いほど膝への負担も増すのです。そのため、肥満傾向の方は体重を適正に保つことで膝の負担を軽減できます。 また、適切な体重管理は、関節の安定性向上や外傷予防にもつながります。 変形性膝関節症が進行すると、膝の痛みをかばって運動療法ができないケースがあります。そうなると筋力や関節の可動域は低下し、さらに膝への負担があがるため、余計に痛みが悪化します。 痛みがないうちから筋力トレーニングや可動域訓練に取り組み、関節の安定性や柔軟性を高めることが大切です。 膝痛を悪化させない座り方・寝方の工夫 日常生活で膝への負担を軽減するには、座り方や寝方を見直すことも大切です。 とくに和式の生活スタイルでは、正座やあぐら、脚を横に崩して座る姿勢など、膝を深く曲げる動作が多く、関節に大きな負荷がかかります。 このような負担を減らすためには、椅子とテーブルを使う洋式の生活への切り替えがおすすめです。 また、布団よりもベッドのほうが、立ち上がる際の膝の負担を軽くできます。 膝の負担を減らすための効果的な運動と筋トレ方法 膝の痛みを予防し進行を防ぐには、適切な運動や筋力トレーニングが効果的です。 とくに、膝関節を支える太ももやお尻、体幹の筋肉を鍛えることで、膝への負担を軽減できます。 また、関節の可動域を保つストレッチや柔軟運動も重要です。 ただし、痛みが強いときには無理をせず、医師や理学療法士の指導のもと、安全に行いましょう。 ここでは、日常的に取り入れやすい基本的なトレーニングやストレッチのポイントをご紹介します。 太もも(大腿四頭筋)を鍛える 太ももの前側にある「大腿四頭筋」は、膝関節を支えるうえでとても重要な筋肉です。 この筋肉を鍛えることで、歩行や立ち上がり動作が安定し、膝への負担を軽減できます。 初心者でも取り組みやすいトレーニングとして、次の方法があります。 椅子に浅く腰掛けます 片側の膝を伸ばし、そのままの姿勢を5~10秒キープします ゆっくり元に戻し、反対側も同様に行います 左右交互に10回ずつ、1日2セットを目安に行いましょう。 お尻・腹筋も重要!全身のバランスを鍛える 膝の負担を減らすには、太ももだけでなく、お尻(臀部)やお腹(腹筋)といった体幹まわりの筋肉もバランスよく鍛えることが大切です。 これらの筋肉がしっかり働くと、立つ・歩くといった基本の動作が安定し、膝への負担を分散できます。 ヒップリフト 仰向けに寝て、膝を立てる お尻をゆっくり持ち上げ、数秒キープしてから元に戻す お尻の筋肉を意識して、10回×2セット ドローイン 椅子に浅く腰かけて、背筋を伸ばす お腹に力を入れて、ゆっくりへこませる そのままの状態で、自然な呼吸を数回繰り返す 体幹を整えるのに効果的です。 ストレッチで膝まわりの柔軟性を保つ 膝にやさしい体づくりには、筋肉を鍛えるだけでなく、柔軟性を保つことも大切です。 関節まわりがかたくなると動きがスムーズにいかず、膝に余計な負担がかかってしまいます。 以下のストレッチは、毎日お風呂あがりなど体が温まった状態で行うのが効果的です。 太ももストレッチ 浴槽の中で両脚を伸ばし、片側の太ももを両手で抱えながら、かかとをお尻のほうへ引き寄せます。 無理のない範囲で膝を曲げ、数秒キープしたらゆっくり戻します。 膝伸ばしストレッチ 同じく浴槽内で、かかとを前へ滑らせるようにして、膝をできるだけ伸ばします。 ゆっくりと呼吸しながら、力まずに行います。 どちらの体操も、無理なく痛みの出ない範囲で行いましょう。 運動を安全に続けるためのポイントと注意点 膝の負担を減らすには、筋力トレーニングや体重管理が効果的です。 しかし、無理に行うことで悪化してしまうこともあります。 大切なのは、無理なく継続できる負荷で取り組むことです。 高すぎる負荷や急な運動は避け、運動後に疲労が残るような内容は見直しましょう。 膝の違和感や痛みがあるときは医療機関へ相談を 変形性膝関節症の初期には、立ち上がりや歩きはじめに膝に痛みや違和感を覚えます。 しかし、動き続けるうちに痛みが和らぐケースも多く、いつの間にか治ったと見過ごされがちです。 こうした違和感は、膝のトラブルが進行しているサインかもしれません。 膝の異変を感じたら、我慢せず早めに医療機関へ相談しましょう。 変形性膝関節症には、保存療法や手術だけではなく再生医療という治療法もあります。 再生医療は、他の細胞に変化する分化能という能力がある幹細胞を使用する治療法です。詳しくは当院「リペアセルクリニック」へお気軽にご相談ください。 まとめ|膝にやさしい生活習慣で関節疾患の進行を防ごう 膝の痛みが続くと、階段の上り下りや正座など、日常の何気ない動作が難しくなることがあります。 症状が進行すると、膝の手術をすすめられることもありますが、手術には体への負担があり、決断することは難しいはずです。 たとえ、手術をせずに運動療法などの保存療法に取り組んだとしても、痛みが悪化すれば満足に運動が継続できず、ますます身体機能が低下します。 やがては外出するのも億劫になり、寝たきり生活を余儀なくされる場合があります。 だからこそ、症状が軽いうち、もしくは痛みを感じ始めた段階で、予防と対策を始めることが大切です。 膝への負担を避けながら、筋力トレーニングで関節を安定させるように、バランスの取れた予防に取り組みましょう。 変形性膝関節症には、再生医療という手術を伴わない治療法もあります。 膝の痛みが気になる方は、お気軽にご相談ください。
2022.02.15 -
- ひざ関節
- 下肢(足の障害)
- 膝の外側の痛み
- 膝の慢性障害
- スポーツ外傷
スポーツや運動をする際に、走ったりジャンプをしたりする動きは膝に大きな負担をかけます。膝への負荷が長く続くと、靭帯や腱の組織が損傷して炎症を起こし、痛みを引き起こす可能性が高まります。 このような膝の痛みは、いわゆるスポーツ障害の一種で「膝の慢性障害」です。運動による膝の使い過ぎが原因となるため、スポーツによる「使い過ぎ症候群」とも呼ばれています。 今回は、膝の使い過ぎによって発症する慢性障害の症状と対処法について詳しく解説します。スポーツによる膝の痛みを抱えている方は、ぜひ参考にしてください。 スポーツによる膝の痛みを引き起こす3つの要因 スポーツによる膝の痛みは、軽度であれば、通常通りトレーニングやプレーできるため、大きな影響はないでしょう。しかし、症状が進行すると常に膝が痛むようになり、プレーに支障をきたすようになります。 さらに重症化してくると、運動が出来なくなったり、靭帯や腱が断裂をしたりするなど、スポーツによる膝の慢性障害につながるため注意が必要です。 スポーツによる膝の痛みは、主に3つの要因があります。 身体要因 環境要因 トレーニング要因 以下で、それぞれ詳しく見ていきましょう。 1.身体要因 スポーツによる膝の痛みを引き起こす要因の一つが、身体要因です。 太ももやふくらはぎなど、膝を支える筋力が不足していると、膝にかかる負担が大きくなり、痛みを引き起こしやすくなります。また、筋肉のバランスが悪い場合や身体の柔軟性が不足している場合にも、膝に不均衡な力がかかったり、動きを制限したりする原因になります。 2.環境要因 スポーツによる膝の痛みは、環境要因によって引き起こされるケースも少なくありません。主な環境要因として考えられるのが、足に合わない靴や地面の硬さなどです。 たとえば、不適切な靴を履いていると足の動きが不自然になり、膝への負担が増加します。また、外でジョギングやランニングをする際、地面が硬すぎると膝への衝撃が大きくなり、柔らかすぎると足が沈んで膝に過度な負担がかかってしまいます。 3.トレーニング要因 トレーニング要因も膝の痛みを引き起こす原因の一つです。運動やトレーニングにおける過度な負荷や不適切な練習方法などによって、膝に痛みが生じるケースです。 たとえば、トレーニング量が多すぎたり、体力や技術に合わない運動をしたりすると、膝にかかる負担が蓄積されやすくなります。適切な休養を設けずに連続して運動すると、膝の筋力の回復を妨げ、慢性障害を引き起こすリスクを高めます。 なお、膝の痛みは、それぞれの要因が複合的に影響して引き起こされるケースがほとんどです。そのため、スポーツや運動をする際は、適切な休養を取りながら、膝に負担がかかりすぎないための配慮が必要です。 スポーツによる膝の痛み|代表的な4つの慢性疾患 前述の要因により引き起こされる、スポーツによる膝の慢性障害の代表的な症状として、以下の4つが挙げられます。 鵞足炎 大腿四頭筋腱付着部炎 膝蓋腱炎 腸脛靭帯炎 それぞれの症状は、ひざ関節の外側や内部で生じるもので、特定の動きにより発症しやすくなります。 1.鵞足炎 鵞足(がそく)とは、ひざを曲げる筋肉や腱が付着する骨の部位のことです。とくに、ランニングや急な方向転換、足を後ろに蹴り出す動作などを繰り返すことで、鷲足がすれて炎症を引き起こします。 主な症状は、内側膝部の痛みや曲げるときの違和感などです。長時間または高頻度で膝に負担をかけるような動作を続けていると、鷲足炎を発症するリスクが高まります。 ▼ 鵞足炎の治療法を詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。 2.大腿四頭筋腱付着部炎 大腿四頭筋腱とは、膝の前面から膝蓋骨(膝の皿)を通って、膝の下部に付着する筋肉の腱です。大腿四頭筋腱付着部炎は、膝関節の外側の炎症によって症状が現れます。膝の前面に痛みを感じるほか、膝を屈伸する際に痛みが強くなる傾向です。 大腿四頭筋腱付着部炎は、バレーボールやバスケットボールなどのジャンプ動作やジョギングなど、膝に衝撃が加わる動作を繰り返すことで発症しやすくなります。 ▼ 大腿四頭筋腱付着部炎の治療法については、以下の記事で詳しく解説しています。 3.膝蓋腱炎 膝蓋腱炎は、膝蓋骨(膝の皿)の下部からすぐ下の靭帯にかけて炎症が生じる疾患です。バレーボールやバスケットボールなど、ジャンプ動作の繰り返しが多いスポーツで発症しやすいとされています。 主な症状は膝蓋骨の下部の痛みで、とくにジャンプをした後やランニング後に痛みが強くなることが特徴です。また、膝を屈伸する動作でも痛みを感じることがあります。 ▼ 膝蓋腱炎について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。 4.腸脛靭帯炎 腸脛靭帯は、膝の外側を通る大きな靭帯で、太ももの筋肉と膝をつなぐ役割を担っています。腸脛靭帯炎は、長距離のランニングや長時間の膝の屈伸運動などによって、腸脛靭帯が外側の骨と擦れ合って炎症を起こし、発症する疾患です。 膝の外側に痛みを感じ、ランニング後や歩行後には痛みが強くなることもあります。また、症状が進行すると歩行に支障をきたす場合があるため注意が必要です。 ▼ 腸脛靭帯炎を早く治す方法を詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。 スポーツによる膝の痛みに対する再生医療の可能性 スポーツによる膝の痛みの治療法は、疾患の種類や程度によって異なります。膝の痛みに対する治療法として、主に以下のような選択肢があります。 手術療法 物理療法 リハビリテーション 再生医療 物理療法で効果が得られない場合に、手術に代わる治療法として注目されているのが再生医療です。再生医療とは、自然治癒力を最大限に引き出すための医療技術です。自己脂肪由来幹細胞の投与によって、膝の痛みに対する治療効果が期待できます。 リペアセルクリニックでは、再生医療による膝の痛みの治療が可能です。メール相談やオンラインカウンセリングも実施しているので、治療法でお悩みの方はぜひ気軽にご連絡ください。 スポーツによる膝の慢性障害への対処法 スポーツによる膝の慢性障害への対処法としては、症状が出るのを予防したり、発症してしまった症状を改善したりすることが重要となります。そして、膝の痛みを予防するためには、自己対処も必要です。 以下で、スポーツによる膝の慢性障害への代表的な対処法をまとめているので、ぜひ参考にしてください。 ストレッチ 体の柔軟性を高めるために、運動開始前には十分なストレッチを行うことが大切です。運動前に体の筋を十分伸縮させて筋肉の緊張をほぐすことで、運動による膝への衝撃を和らげられます。また、ストレッチによって関節の可動域を広げることで、ケガのリスクを減らせます。 なお、膝に痛みを感じているときは、できるだけ足を伸ばしたり、痛みが強くなる前にストレッチを終えたりするなど、無理なく行うことが大切です。 アイシング 運動後に膝の痛みや違和感を感じたときは、アイシングが効果的です。氷や水などで膝を局所的に冷やすことで、急性炎症を抑えられます。冷却効果によって血流が制限されると、炎症が鎮まって痛みの軽減につながります。アイシングは15分程度、痛みが強い場合には数回に分けて行うと良いでしょう。 なお、膝を冷やすときは直接肌に氷を当てないよう、タオルに包んだり専用のアイシングバッグを使用したりしてください。また、過度に冷やしすぎないように注意しましょう。 筋トレやリハビリテーション スポーツによる膝の痛みに対して、筋力トレーニングやリハビリテーションが必要になるケースもあります。膝周りの筋力を強化すると、効率的に回復を目指せるほか、再発防止にもつながります。 膝の慢性障害を発症してしまったら、適度に休憩を取ったり、強度の低いトレーニングに変更したりして、調整することが大切です。また、症状が重い場合には、リハビリテーション専門のトレーナーや理学療法士と連携しながら、トレーニングに取り組む必要があります。 まとめ・スポーツによる膝の痛みを感じたら早めに医療機関を受診しよう 健康意識の高まりとともに、趣味で競技スポーツをする方が年々増加傾向にあります。 体に過度な負担がかからない範囲で運動するのは良いでしょう。しかし、無理な運動をしたり足に合わない靴を履いて膝に負荷をかけ続けたりしていると、スポーツによる膝の慢性障害を発症する確率が高くなるため注意が必要です。 また、我慢できる程度の痛みだからといって、ストレッチや運動後のケアを怠らないよう気をつけてください。場合によっては、症状が悪化して日常生活に支障が出る可能性も考えられます。 スポーツによる膝の慢性障害は症状が進行すると、自然治癒が難しくなり、手術が必要になるケースも珍しくありません。そのため、スポーツによる膝の痛みを感じたら、できるだけ早めに医療機関に相談しましょう。 リペアセルクリニックでは、メール相談やオンラインカウンセリングを実施しています。スポーツによる膝の痛みでお困りの方は、ぜひ気軽にご相談ください。 ▼ 症状別に考えられる膝の病気について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
2022.02.10 -
- ひざ関節
- 変形性膝関節症
- 膝の内側の痛み
「変形性膝関節症」と聞くと、高齢者の病気と思われがちですが、10代〜30代の若い世代でも発症する可能性のある病気です。 スポーツのやりすぎ、生活習慣、体の使い方のクセなど、若い人ならではの原因が隠れていることも少なくありません。 本記事では、若いのに変形性膝関節症になる主な原因と今すぐできる対策についてわかりやすく解説します。 「まだ若いから大丈夫」と思っている方こそ、ぜひ参考にしてみてください。 変形性膝関節症が若い人に起こる原因とは? 変形性膝関節症とは、膝関節の軟骨がすり減ることで、関節に痛みや腫れ、可動域の制限などが生じる疾患です。 近年では若い世代でも発症するケースがあり、年齢に関係なく注意が必要です。 若い人が変形性膝関節症になる主な原因として、次の5つが挙げられます。 激しいスポーツや運動による膝への負荷 肥満・姿勢の悪さ・筋力不足といった生活習慣 半月板損傷など膝関節の怪我や外傷歴 成長期で膝関節を使いすぎている 遺伝的な骨格・体質 それぞれの原因について、詳しく見ていきましょう。 激しいスポーツや運動による膝への負荷 サッカーやバスケットボール、陸上競技など、膝に強い衝撃が加わるスポーツを日常的に行っていると、関節の軟骨がすり減りやすくなります。 とくに、ジャンプや着地、急な方向転換を繰り返す動作は、膝に瞬間的かつ強い負担がかかります。 また、トレーニングのしすぎや、正しくないフォームで運動を続けることも膝に悪影響を与える一因です。 成長期の若者は、骨や関節がまだ未成熟なため、過度な負荷に対して十分な耐性がありません。 競技レベルが高い人ほど、膝を酷使している傾向があるため、予防の意識と適切な休息が重要です。 肥満・姿勢の悪さ・筋力不足といった生活習慣 肥満は、膝にかかる体重の圧力を増やし、関節の摩耗を早めるリスクが高まります。 また、猫背や反り腰といった長時間の悪い姿勢や膝まわり(大腿四頭筋やハムストリングスなど)の筋力不足も、膝へのストレスを高める要因になります。 こうした生活習慣は、日々の積み重ねによってじわじわと関節を痛めていくため、若いからといって油断せず、日常の姿勢や体の使い方に目を向けることが大切です。 半月板損傷など膝関節の怪我や外傷歴 過去に膝を捻った、転倒して強打した、スポーツ中に膝を痛めたなどの経験がある人は、変形性膝関節症を発症するリスクが高くなります。 なかでも、膝関節において重要な役割を果たしている半月板や靭帯は、一度傷つくと機能が低下し、関節全体に過剰な負荷がかかりやすくなります。 怪我をした当時は治ったと思っていても、数年後に膝の痛みや違和感として再発する可能性もあるため、外傷歴がある方は十分な注意が必要です。 成長期で膝関節を使いすぎている 10代〜20代前半は、骨や関節、筋肉が発達段階のため、身体がまだ完全に仕上がっていない状態です。 この成長期に無理なトレーニングや連日の激しい運動を続けると、膝の軟骨や関節に負担がかかりやすくなります。 また、柔軟性が不十分な状態で無理な動きを続けると、膝に偏った力が加わりやすくなり、関節へのダメージを加速させてしまいます。 部活動やクラブチームに所属している若い人は、毎日ハードな練習量をこなすことを「努力」と捉えがちですが、運動量と回復のバランスを見誤ると、取り返しのつかない関節障害につながる可能性もあります。 成長期の体は負担にもろいため、「頑張りすぎない」勇気も必要です。 遺伝的な骨格・体質 変形性膝関節症は、外部からの負荷や生活習慣だけでなく、遺伝的な骨格や体質が関係している場合もあります。 親や祖父母が変形性膝関節症を発症していた場合、関節の形状や軟骨の質が遺伝的に似ていることがあり、若い人でも同じように膝関節が擦り減りやすい傾向があります。 たとえば、生まれつき膝の構造に歪みがある場合やO脚・X脚などの骨格的なクセがあると、膝関節にかかる力のバランスが崩れてしまいます。 特定の部位だけに強いストレスがかかる状態が長期的に続くと、軟骨が早く擦り減ってしまうのです。 また、自分では気づきにくい体の使い方や歩き方の癖が原因になっているケースもあるため、家族に同様の疾患歴がある人は、より一層の注意と予防が必要です。 変形性膝関節症の進行を防ぐための4つの対策法 若い人が変形性膝関節症を発症した場合でも、進行を抑えて日常生活への影響を最小限にとどめることは可能です。 本章では、今すぐに取り組める次の4つの対策法をご紹介します。 適切な運動習慣と休息のバランス 膝まわりの筋トレ・ストレッチ 日常の姿勢改善や体重管理 痛みを感じたら医療機関で相談を 一つずつ詳しく見ていきましょう。 適切な運動習慣と休息のバランス 膝を支える筋肉を維持・強化するために、適度な運動は欠かせません。 しかし、膝に負担の大きい運動を続けると症状を悪化させる恐れがあるため、膝にやさしい運動を選ぶことが大切です。 以下の運動は、膝への衝撃を抑えながら筋力を保つことができます。 ウォーキング ストレッチ プールでの水中ウォーキングなど なかでも、水中ウォーキングは体重の負荷が軽減されるため、痛みがある人でも比較的無理なく継続できます。 また、使った筋肉を回復させるための「休息」も大事です。 適度な運動と休息を交互に取り入れることで、膝関節への負担を最小限にしながら健康的に筋力を維持できます。 膝まわりの筋トレ・ストレッチ 膝関節を安定させるためには、膝まわりの筋肉をバランスよく鍛えることが重要です。 とくに太ももの前側(大腿四頭筋)、裏側(ハムストリングス)、ふくらはぎ、そしてお尻(大臀筋)の筋肉を意識的に使うと、膝への負担を分散できます。 たとえば、椅子に座ったまま片脚を伸ばすレッグエクステンションや、壁に背をつけてゆっくりと腰を落とすウォールスクワットなどが有効です。 また、運動前後に次のようなストレッチを行うと筋肉の柔軟性を高め、膝関節の可動域が広がり、日常動作での負担を軽減できます。(文献1) 【太ももの前側(大腿四頭筋)のストレッチ】 立った状態で片足を後ろに引き、足首を持ってお尻に近づけます。 膝をそろえて、太ももの前が伸びているのを感じながら20〜30秒キープします。左右交互に行いましょう。 【太ももの裏側(ハムストリングス)のストレッチ】 片足を前に出してつま先を上げ、軽く膝を曲げた状態で上体を前に倒します。 背中を丸めず、太ももの裏が伸びるのを感じながらキープします。 【ふくらはぎのストレッチ】 壁に手をついて片足を後ろに引き、かかとを床につけたまま体重を前に移動させます。 ふくらはぎの伸びを感じながら、片足ずつ行います。 ストレッチは、筋トレの前後だけでなく、入浴後や就寝前など、体が温まっているときに行うと効果的です。 筋トレは、無理なく続けられる内容から始めましょう。 日常の姿勢改善や体重管理 普段の姿勢や体の使い方も、膝にかかる負担を大きく左右します。 たとえば、椅子に浅く腰掛けて背中が丸まっていたり、片脚重心で立っていたりするような姿勢は、膝関節に偏ったストレスを与える原因になります。 まずは、正しい座り方・立ち方・歩き方を意識するために、鏡で自分の姿勢を確認したり、動画を撮って客観的にチェックしてみましょう。 また、体重管理も膝関節の保護には欠かせません。 体重が増えるほど膝への負荷は大きくなるため、食事の見直しや有酸素運動による適正体重の維持も進行予防に大切です。 整骨院や理学療法士、パーソナルトレーナーの指導を受けて、姿勢や動きのクセを改善するのも選択の一つです。 痛みを感じたら医療機関で相談を 変形性膝関節症の進行を防ぐためには、早期発見・早期治療が重要です。 初期の段階で適切な治療を受けることで、症状の悪化を抑え、長く健康な膝を保つことができます。 医療機関ではレントゲンやMRIなどを使って膝関節の状態を詳細に確認し、原因に応じた適切な治療を行います。 また、痛みが強い場合は、炎症を抑える内服薬や注射治療などが選択される場合もあります。 若いからこそ「今のうちにケアする」ことが、将来的な膝の健康を大きく左右します。 違和感があれば、自己判断せず早めに専門医を受診しましょう。 変形性膝関節症に対する新しい治療法「幹細胞・PRP療法」 変形性膝関節症による痛みや軟骨の擦り減りに対して、手術以外の選択肢として再生医療があります。 再生医療の一つ、幹細胞治療は患者様自身から採取・培養した幹細胞を患部に投与する治療法です。 幹細胞には分化能と呼ばれる、他の細胞に変化する能力があります。 この能力を活用して変形性膝関節症では、すり減った軟骨の土台、軟骨下骨へ幹細胞を分化誘導(分化能を促す)します。 もう一つのPRP療法では、患者様から採取した血液を遠心分離器にかけて、血小板を濃縮した液体を作製します。 血小板・成長因子を含む液体を注射で患部に投与する治療法です。 幹細胞や血液どちらの治療も患者様自身の幹細胞・血液を使用するため、拒絶反応などのリスクが小さく、大きな手術や入院も不要で身体への負担が少ないのが特徴です。 年齢が若いうちから、進行を早期に食い止めることが将来の手術リスクを減らすことにもつながります。 再生医療について詳しくは、お気軽にお問い合わせください。 こんな症状がある若い人は要注意!早期発見のポイント 変形性膝関節症の症状としては以下があります。該当する症状があれば、年齢に関係なく一度医療機関で診察を受けることをおすすめします。 朝起きたときや運動の開始時に、膝にこわばりや痛みを感じる 正座や階段の上り下りなど、特定の動作で違和感がある 膝の動きに「引っかかる」「ガクッとする」ような感覚がある 歩行中に膝が不安定に感じたり、力が入らなかったりする 若い人の変形性膝関節症は、初期段階で適切に対処すれば進行を食い止められる可能性が高いため、早めの対処が大切です。 まとめ|変形性膝関節症は若い人でもなる!違和感を感じたら早めの対応を 変形性膝関節症は、年齢に関係なく発症する可能性がある疾患です。 激しいスポーツによる膝への負荷や、姿勢の乱れ・筋力不足といった生活習慣、過去の怪我、さらには遺伝的な要素など、若い人ならではの原因が関わっているケースも少なくありません。 初期症状は軽度のため見過ごしがちですが、違和感を感じた段階で適切に対処すれば、その後の悪化を防ぐことが十分に可能です。 膝の痛みや不調を「若いから大丈夫」と放置せず、自分の身体のサインにしっかりと向き合うことが大切です。 日頃から予防を意識し、必要に応じた医療機関への相談が、健康な膝を長く保つことにつながります。 変形性膝関節症の治療法には、保存療法・手術療法、そして再生医療があります。 治療についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。 参考文献 (文献1) メイヨー医学教育研究財団(MFMER)「基本的なストレッチガイド」健康的なライフスタイルフィットネス、2024年6月18日 https://www.mayoclinic.org/healthy-lifestyle/fitness/in-depth/stretching/art-20546848?utm_source=chatgpt.com(最終アクセス:2025年6月24日)
2022.02.08 -
- 変形性膝関節症
- ひざ関節
「膝の痛みがなかなか治らないのはなぜ?」 「原因を早く治す方法はある?」 膝の痛みがなかなか治らない方は、膝関節が炎症を起こしていたり、膝に負担のかかる生活を送っていたりすることがあります。 本記事では、膝の痛みが治らない原因について詳しく解説します。 膝の痛みを放置すると日常生活に支障をきたし、最終的に手術が必要になる可能性もあるため、症状が悪化する前に、原因を特定して適切な治療やケアを進めていきましょう。 痛みの原因となっている疾患の根本的な改善が期待でき治療法も紹介しているので、痛みから早く解放されたい方はぜひ参考にしてみてください。 \膝の痛みを根本的に治療できる再生医療とは/ なかなか治らない膝の痛みには「半月板損傷」や「変形性膝関節症」の可能性があり、手術しないと治らないといわれるケースも少なくありません。 しかし、先端医療の再生医療では、痛みの原因となる膝周辺の組織にアプローチできる治療法で、手術しか選択肢がなかった症状でも改善が期待できます。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 長引く膝の痛みを早く治したい 手術しか選択肢がないと言われた 現在受けている治療で効果が得られていない 当院リペアセルクリニックでは、1億個の生きた幹細胞を膝関節に届けることで損傷した膝組織の再生・後遺症の改善・再発予防という3つの側面で効果が期待できる治療を提供しています。 具体的な治療法や回復見込みがあるかどうか、リペアセルクリニックで無料カウンセリングを行っておりますので、ぜひご相談ください。 ▼まずは膝の治療について無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる 以下の動画では、膝の痛みで考えられる原因から再生医療の治療法まで詳しく解説しています。 https://youtu.be/uQlymyi0eSI?si=24x346MX0vfqLcRA 膝の痛みが治らない5つの原因【自己ケアも可能】 さっそく、膝の痛みが治らない原因を解説します。考えられる主な原因は、以下の5つです。 ・炎症を起こしている ・膝に水が溜まっている ・関節が安定していない ・関節に負荷がかかっている ・ほかの疾患を抱えている可能性がある 順番に見ていきましょう。 炎症を起こしている 膝の曲げ伸ばしなどで関節に負担がかかるとすり減った関節軟骨のかけらが滑膜を刺激し、滑膜が炎症を起こることで膝の痛みにつながります。 炎症を起こしているときは、冷やしたり、薬で炎症や痛みをコントロールすることが重要です。 また、炎症が起きているときに運動を続けると悪化する可能性があるため、無理をせず休むようにしてください。 自宅でのケアを行なっても膝の痛みが長引く場合は、半月板損傷や変形性膝関節症などの可能性があるため、再生医療による治療も検討しましょう。 \長引く膝の痛みに有効な再生医療とは/ 【再生医療の特徴】 患者様の細胞を用いて、手術せずに膝の痛みを改善できる可能性がある アレルギーや拒絶反応の副作用リスクが少ない 半月板損傷や変形性膝関節症など手術が必要な症例も手術せずに治療できるケースがある 膝の痛みの原因によって適切なアプローチ方法が異なりますが、再生医療は幅広い症例でも症状改善に期待できる治療法です。 具体的な治療法については、患者様一人ひとりの症状やお悩みに合わせてご案内しておりますので、当院(リペアセルクリニック)の無料カウンセリングにて、ぜひご相談ください。 ▼まずは膝の治療について無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる 膝に水が溜まっている 膝に水が溜まっている状態も、痛みを感じる原因です。 膝に水が溜まるのは、関節内の髄膜に炎症が起きているためです。炎症によって大量の関節液が放出され、水が溜まる状態になります。 膝に水が溜まると、痛みを感じるだけでなく、膝が突っ張ったり、曲げにくくなったりして、日常生活に支障が出る可能性もあります。 対処法としては、単に水を抜くだけでは不十分です。根本的な原因である炎症の治療が必要になります。 膝に水が溜まる原因や治療法の詳しい情報はこちら 関節が安定していない 治療を目的とした筋力トレーニングをしても痛みが取れない場合は、まだ関節が安定していない状態なのかもしれません。トレーニング開始後、個人差はあるものの効果が現れるまで1〜2カ月かかると言われています。 そのため、運動を始めてまだ間もない頃は効果を感じにくいため、まずは1〜2カ月継続して運動に取り組むようにしましょう。 継続した運動に取り組んでも効果がみられなければ、運動の負荷が弱すぎる、軽すぎる可能性があり、十分な効果が発揮されません。そんなときは、以下のように3カ月目でトレーニング種目や強度の見直しをおすすめします。 ・室内でできる簡単な運動から屋外での運動に切り替える ・水中での歩行から地上での歩行に切り替える ・歩行距離を伸ばす くれぐれも過度な筋トレにならないよう、痛みのない範囲で取り組めるメニューを組みましょう。 関節に負荷がかかっている 関節に負担がかかっている生活習慣が、膝の痛みが治らない原因となっている可能性があります。 治療中は、運動療法と並行して生活習慣を見直し、関節にかかる負荷を下げる意識が大切です。運動療法のように時間を必要とせず、以下のように工夫次第で誰でも簡単に膝への負荷を減らせます。 ・バランスよく歩くために杖を使う ・膝を深く曲げる動作を止める ・よく使う調味料などを低い位置に収納しない ・玄関、階段、お風呂に手すりをつける ・地べたでの生活から椅子とテーブルを用いた洋式へ変える ・膝の調子が悪ければ迷わずエレベーターを使う 膝の関節は、歩いているだけでも体重の最大8倍は負荷がかかると言われています。そのため、日常生活で関節の負荷となる習慣の改善は大切です。 なお、膝の痛みの治療には「再生医療」が有効です。人間の自然治癒力を活用して、すり減った膝軟骨を再生させます。 期待できる治療効果が知りたい方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にご相談ください。 ほかの疾患を抱えている可能性がある 膝の痛みは単なる炎症や関節への負担だけでなく、ほかの疾患が隠れている可能性があります。 以下は膝の痛みを伴う疾患例です。※疾患名のリンクをタップすると、詳細記事をチェックできます。 ・変形性膝関節症 ・半月板損傷 ・関節リウマチ ・鵞足炎 疾患の種類によって治療法が異なります。早期治療をおこなえば症状の悪化を防げるので、膝の痛みを感じたら早めに医療機関を受診しましょう。 膝の痛みの原因や考えられる病気については動画でも詳しく解説しています。 https://www.youtube.com/watch?v=uQlymyi0eSI&t=312s 膝の痛みの原因を突き止めても治らないときの対処法3つ 膝の痛みの原因を突き止めてケアを続けても、症状が改善されない場合の対処法を3つ紹介します。 ・外部機関を頼る ・手術を視野に入れる ・再生医療を検討する 順番に見ていきましょう。 外部機関を頼る 自宅でのケアだけでは膝の痛みが改善しない場合、以下のような専門の外部機関を頼る選択肢も考えられます。 ・整体・接骨院での施術 ・リハビリテーション施設でのケア ・スポーツクリニックでの専門治療 専門家による正しい診断のもと、症状に合わせた適切な治療を受けられます。定期的な経過観察をしてもらえるので、症状悪化のリスクも防止できるでしょう。 手術を視野に入れる 症状が悪化した場合もしくは医師の判断があった場合は、手術が視野に入ってきます。 手術は回復に時間がかかるため、私生活や仕事、スポーツなどに影響が出る可能性があります。そのため、以下のような点を確認しておきましょう。 ・入院期間 ・傷跡の程度 ・手術後の生活制限 ・術後のリハビリ期間 ・スポーツ・仕事復帰までの期間 これらの点を十分に理解した上で、慎重に判断していく姿勢が大切です。 変形性膝関節症における手術の詳細はこちら 半月板損傷における手術の詳細はこちら 再生医療を検討する 長引く膝の痛みには、人間の自然治癒力を活用した「再生医療」が注目されています。 再生医療は痛みの原因となる膝周辺の組織にアプローチできる治療法で、手術しか選択肢がなかった症状でも改善が期待できます。 \こんな方は再生医療をご検討ください/ 長引く膝の痛みを早く治したい 手術しか選択肢がないと言われた 現在受けている治療で効果が得られていない 当院リペアセルクリニックでは、1億個の生きた幹細胞を膝関節に届けることで損傷した膝組織の再生・後遺症の改善・再発予防という3つの側面で効果が期待できる治療を提供しています。 具体的な治療法は、リペアセルクリニックで無料カウンセリングを行っておりますので、ぜひご相談ください。 ▼まずは膝の治療について無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる まとめ|膝の痛みが治らない原因を知って適切なケアをおこなおう 膝の痛みが治らないときは複数の原因が考えられるため、自分がどの原因に当てはまるのかを確認し、適切な対処を行うことが重要です。 間違ったケアを続けたり、痛みを放置したりすると、症状が悪化し、最終的に手術が必要になる可能性もあります。 膝の痛みが気になったら早い段階で病院を受診して、早期回復を目指しましょう。 長引く膝の痛みにお悩みの方は、人間の持つ再生力を活用して、炎症を抑えたり損傷した組織を改善したりする再生医療をご検討ください。 \長引く膝の痛みに有効な再生医療とは/ 【再生医療の特徴】 患者様の細胞を用いて、手術せずに膝の痛みを改善できる可能性がある アレルギーや拒絶反応の副作用リスクが少ない 半月板損傷や変形性膝関節症など手術が必要な症例も手術せずに治療できるケースがある 具体的な治療法については、患者様一人ひとりの症状やお悩みに合わせてご案内しておりますので、当院(リペアセルクリニック)の無料カウンセリングにて、ぜひご相談ください。 ▼まずは膝の治療について無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる
2022.02.07 -
- 変形性膝関節症
- ひざ関節
「変形性膝関節症の手術って高齢者だとどんなリスクがあるの?」 「人工関節置換術に失敗例はある?」 膝の痛みに対して手術を検討している方には、上記のような不安や疑問を抱える方も多いのではないでしょうか。 実際、高齢者の変形性膝関節症の手術には、入院の長期化や合併症、深部静脈血栓などのリスクがあります。 上記のようなリスクがあることから「できるだけ手術は避けたい」という方も少なくありません。 従来の治療では手術しか選択肢がなかった症状も、手術せずに治療できる可能性がある再生医療も紹介しているため、ぜひ参考にしてください。 \手術せずに治療する再生医療とは/ 再生医療では、損傷した膝周辺の組織にアプローチでき、従来の治療では元に戻らないとされている膝関節の改善が期待できます。 変形性膝関節症に対する再生医療の症例は、以下の動画でご紹介しています。 https://youtu.be/ek8aeRHpKiA?si=iqGn9eTDkKdkxZff 【こんな方は再生医療をご検討ください】 膝の痛みを治したいけど手術や人工関節は避けたい 現在受けている治療やリハビリで期待した効果が得られていない リスクの少ない治療法で治したい 再生医療は、患者様の細胞や血液のみを活用して治療を行うため、拒絶反応やアレルギーなどの副作用リスクが少ない特徴があります。 具体的な治療法については、当院(リペアセルクリニック)で無料カウンセリングを行っておりますので、ぜひご相談ください。 ▼まずは変形性膝関節症の治療について無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる 変形性膝関節症の手術で高齢者に適応されるのは人工関節置換術 変形性膝関節症の手術療法には、膝の状態に応じて以下のように手術の選択肢が異なります。 初期:関節鏡視下手術 中期:高位脛骨骨切り術 末期:人工関節置換術 高齢の患者様の場合、変形性膝関節症の症状が進んでいるケースが少なくありません。このような状況では、傷んでしまった関節の表面を取り除き、金属やセラミックなどで作られた人工の関節に入れ替える人工関節置換術が適応されます。 手術により、立ち上がりや歩行時の痛みの軽減に期待できます。しかし、手術後は正座のような深く膝を曲げる動作が難しくなるなど、生活スタイルの一部変更が必要です。 また、機能回復のためには継続的なリハビリテーションに取り組む必要があります。 紹介した手術以外でも入院が不要の治療法として再生医療の選択肢もあります。 変形性膝関節症に対する再生医療について詳しく知りたい方に向けて、当院リペアセルクリニックでは、メール相談やオンラインカウンセリングも承っておりますので、ぜひご活用ください。 変形性膝関節症の手術における高齢者リスク7つ 高齢者の方が、変形性膝関節症に対して人工関節置換術をおこなった際は、以下のリスクがあります。 入院期間が長期化しやすい 継続したリハビリが必要になる 日常生活動作に制限がかかる 深部静脈血栓ができやすい 肺にまつわる合併症を引き起こす可能性がある 細菌感染すれば再手術が必要になる 人工関節のトラブルを招く可能性がある 1つずつ詳しく見ていきましょう。 入院期間が長期化しやすい 人工関節置換術は、下記の表のように変形性膝関節症の他の手術と比較して入院期間が長くなる傾向にあります。 手術名 入院期間の目安 関節鏡視下手術 数日~1週間程度 高位脛骨骨切り術 3週間~6週間程度 人工関節置換術 1カ月~2カ月程度 高齢の患者さまの場合、体力や持病の有無、手術後の回復状況、リハビリの進み具合によって、さらに長期化するケースも少なくありません。 手術後の痛みが和らぎ、安定した歩行や日常生活動作がある程度行えるようになるまで、数カ月単位で考える必要があるでしょう。 しかし、近年の治療では、患者様の細胞や血液のみを活用して治療を行う再生医療によって、手術や長期間の入院をせずに変形性膝関節症を治療できます。 \こんな方は再生医療をご検討ください/ 膝の痛みを治したいけど手術や人工関節は避けたい 入院はできるだけしたくない 現在受けている治療やリハビリで期待した効果が得られていない リスクの少ない治療法で治したい 具体的な治療法については、患者様一人ひとりの症状やお悩みに合わせてご案内しておりますので、当院(リペアセルクリニック)の無料カウンセリングにて、ぜひご相談ください。 ▼まずは変形性膝関節症の治療について無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる 継続したリハビリが必要になる 人工関節置換術後は、膝の機能回復と日常生活復帰のため、継続的なリハビリテーションが不可欠です。手術翌日など早期から専門家の指導のもと開始します。 リハビリの内容は、以下の内容が中心です。 筋力トレーニング 関節を動かす練習 立ち座りの練習 歩行練習 階段昇降 手術直後は弾性ストッキングでむくみをケアし、車椅子から歩行器へと移行します。 退院の目安は、杖歩行が安定し、膝が十分に屈曲できる状態です。高齢の患者様は回復に時間を要し、リハビリが長期に及ぶこともあります。 日常生活の動作に制限がかかる 人工膝関節置換術の後は、人工関節を長持ちさせ、破損や脱臼のリスクを避けるため、一部の動作に制限が出ます。 たとえば、走る、ジャンプするなど膝に強い衝撃が加わる運動や、接触を伴う激しいスポーツは避ける必要があります。 また、深く膝を曲げる動作が難しくなるため、正座やあぐら、深くしゃがみ込むといった姿勢は困難になるか、避けるよう指導されるのが一般的です。 和式トイレの使用を避け、洋式トイレを使うなど、生活様式全般で膝への負担を考慮した動作を心がけましょう。 深部静脈血栓ができやすい 人工膝関節置換術などの手術後は、長時間の安静や手術の影響で、足の静脈に血の塊(血栓)ができる「深部静脈血栓症」が起こりやすくなります。いわゆるエコノミークラス症候群です。 この血栓が血流に乗り、肺や脳の血管に詰まると、命に関わる肺塞栓症や後遺症の恐れがある脳梗塞を引き起こすことがあります。 予防策は、以下の通りです。 弾性ストッキングに着用 足に圧力ポンプをかける 抗凝固薬の投与 早期からの足首の運動やリハビリ とくに高齢の患者様は発症リスクが高いため、これらの予防を意識的におこなう必要があります。 肺にまつわる合併症を引き起こす可能性がある 人工膝関節置換術のような手術では、肺に関する合併症の可能性があります。手術中の長時間の臥位による肺への圧迫や、全身麻酔による一時的な肺機能低下が主な原因です。 具体的には、以下のリスクが考えられ、とくに高齢の患者様や喫煙者は注意が必要です。 無気肺(肺の一部がしぼむ) 肺水腫(肺に水が溜まる) 肺炎(痰の喀出困難が原因) これらの合併症予防には、手術前から深呼吸や痰を出す練習をおこなうことが大切です。 また、喫煙は酸素摂取効率を下げ、肺合併症リスクを高める上、創傷治癒を遅らせます。高齢者の方の中には長年喫煙をしている方も少なくありません。手術が決まったらすぐに禁煙し、禁煙期間をできるだけ長く取りましょう。 細菌感染すれば再手術が必要になる 人工膝関節置換術では、細菌感染に細心の注意が必要です。手術部位が感染すると、人工関節の入れ替えなど再手術が必要になることが多く、重大な合併症の1つです。 抗生物質の投与や創部の清潔保持といった予防策はおこなわれますが、リスクはゼロではありません。 感染は傷口からだけでなく、麻酔時に気管へチューブを入れる際、口腔内の細菌(虫歯や歯周病由来)が体内に入り、人工関節に影響を及ぼす可能性もあります。 そのため、手術前に歯科治療を済ませ、日頃から口内を清潔に保つことが、感染予防において重要になります。 人工関節のトラブルを招く可能性がある 人工膝関節置換術の後は、人工関節自体に問題が起きる可能性があります。具体的には、人工関節の緩みや破損、部品の摩耗、まれに脱臼などが挙げられます。 手術後の早期リハビリは機能回復に重要ですが、焦って過度な運動をおこなったり、日常生活で膝に無理な負担をかけ続けたりすると、これらのトラブルを引き起こす原因になりかねません。 人工関節を長持ちさせ、快適な生活を続けるためには、医師や理学療法士の指示を守り、リハビリを適切なペースで進めること、そして膝に負担の少ない生活様式を心がけることが大切です。 変形性膝関節症における手術費用 変形性膝関節症の手術費用は、術式や入院日数、医療機関により異なります。健康保険が適用され、自己負担割合(通常1割または3割)に応じて支払います。 手術の術式ごとの費用の目安は以下の表の通りです。 手術の種類 保険適用前の費用(目安) 自己負担額(3割の場合) 自己負担額(1割の場合) 関節鏡視下手術 約250,000円 約75,000円 約25,000円 高位脛骨骨切り術 約1,460,000円 約438,000円 約146,000円 人工関節置換術 約1,860,000円 約558,000円 約186,000円 手術費用の他に、入院中の食事代の一部(一般所得者で1食510円※2025年4月改定、所得により異なる)や、希望した場合の個室料(差額ベッド代、1日数千円~数万円で全額自己負担)などが別途かかります。 医療費が高額になっても、自己負担額には月ごとの上限があり、「高額療養費制度」で払い戻しを受けられます。ただし、この制度の対象は保険適用の医療費のみなので、食事代や差額ベッド代は対象外です。 変形性膝関節症の手術の高齢者リスクを抑える再生医療について 高齢の変形性膝関節症の患者様にとって、手術は大きな決断であり、身体への負担も考慮する必要があります。 従来の治療では、進行した変形性膝関節症は手術しないと治らないと言われるケースも少なくありませんでした。 しかし、近年の治療では、大きな手術をせずに根本的な改善を目指せる「再生医療」が注目されています。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 膝の痛みを治したいけど手術や人工関節は避けたい 手術しないと治らないと言われた 現在の治療で期待した効果が得られていない リスクの少ない治療法で治したい 当院リペアセルクリニックでは、患者様から損傷した組織に変化する幹細胞を採取・培養し、「関節内ピンポイント注射」という手法で膝関節に投与します。 関節内ピンポイント注射は、患部に注射針を刺す処置だけなので、体への負担が少ない手法です。 「自分に適した治療法を知りたい」「再生医療の効果や費用が気になる」という方は、無料カウンセリングにてご相談ください。 【関連記事】 変形性膝関節症の再生治療(PRP療法)の体験談|効果・費用も紹介 変形性膝関節症|最新治療!手術をしない再生医療(幹細胞治療)の実力 変形性膝関節症の手術の高齢者リスクを理解して治療に挑もう 高齢の方が変形性膝関節症の手術を検討する際には、さまざまなリスクへの理解が必要です。 高齢者の変形性膝関節症の手術で多く検討される人工関節置換術には、入院期間の長期化や術後のリハビリ、日常生活での動作制限が伴います。 近年の治療では、手術せずに変形性膝関節症を治療できる再生医療も選択肢に挙げられるようになりました。 \手術せずに治療する再生医療とは/ 【変形性膝関節症に対する再生医療の特徴】 手術や入院を必要としないため高齢の方でも治療できる 患者様の細胞のみを使うため拒絶反応などの副作用リスクが少ない 人工関節を避け、自分の関節を残したまま治療できる 再生医療は、患者様の細胞や血液のみを活用して治療を行うため、拒絶反応やアレルギーなどの副作用リスクが少ない特徴があります。 具体的な治療法については、当院(リペアセルクリニック)で無料カウンセリングを行っておりますので、ぜひご相談ください。 ▼まずは変形性膝関節症の治療について無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる 変形性膝関節症の手術の高齢者リスクに関するよくある質問 変形性膝関節症の手術に関するよくある質問を紹介します。 膝の痛みが強くて歩けないのですが手術以外の対処法はありますか? 変形性膝関節症の手術は90歳でもできますか? 人工関節置換術の失敗例はありますか? 手術リスクに不安を抱えている方は、ぜひ確認しておきましょう。 膝の痛みが強くて歩けないのですが手術以外の対処法はありますか? 膝の痛みが強く、歩行にお困りの場合でも、すぐに手術が唯一の選択肢となるわけではありません。手術をおこなう前に試みる「保存療法」と呼ばれる治療法があります。 保存療法には、以下の選択肢があります。 運動療法(膝周りの筋力を維持・向上させる) 装具療法(膝への負担を軽減するサポーターや足底版などを用いる) 薬物療法(炎症や痛みを和らげるための内服薬や外用薬を用いる) ただし、痛みの原因や膝の状態は患者様それぞれで異なります。自己判断で対処するのではなく、まずは整形外科などの医療機関を受診し、専門医に正確な診断をしてもらいましょう。 保存療法以外にも、入院を必要としない再生医療も選択肢の1つです。 再生医療について詳しく知りたい方は、当院リペアセルクリニックにて、メール相談やオンラインカウンセリングも承っておりますので、ぜひご活用ください。 【関連記事】 変形性股関節症の保存療法で治療効果を上げたい方へ 【医師監修】変形性膝関節症で使うサポーターの効果・選び方・注意点 変形性膝関節症の手術は90歳でもできますか? 変形性膝関節症の手術は、90歳でも受けることは可能です。 ただし、手術の可否は年齢よりも、心肺機能、持病の有無やコントロール状況、体力などの全身の健康状態が優先されます。 一般的に、ご高齢になるほど手術に伴う身体への負担は大きくなり、合併症のリスクや回復に時間がかかります。 そのため、担当医と共にリスクと手術によるメリットを慎重に比較し、手術をするか検討しましょう。 人工関節置換術の失敗例はありますか? 人工関節置換術は多くの場合、膝の痛みの軽減や機能の改善といった良好な結果をもたらしますが、残念ながらすべての手術が期待通りに進むわけではなく、「失敗」と感じられるケースもゼロではありません。 たとえば、手術後も痛みが十分に取れなかったり、膝の動き(可動域)の改善が思わしくなかったりする場合があります。 また、まれに人工関節そのものに緩みや破損、感染などが生じ、場合によっては再手術が必要になることもあります。 これらの望ましくない結果をできる限り抑えるためには、医師の指示をよく守り、リハビリテーションを計画通りにしっかりとおこなうことが大切です。 関連記事:膝の人工関節手術に失敗例はある?混同する原因とリスクが低い再生医療について解説
2022.02.02 -
- ひざ関節
- 変形性膝関節症
変形性膝関節症!発見には膝の症状がポイント 膝に痛みを及ぼす疾患が変形性膝関節症です。 変形性膝関節症になると、人間の基本的な動作である「歩行」に影響をもたらすことで、活動量が減るなど日常生活に支障を及ぼします。その原因は、靭帯や半月板の怪我からくる場合を除いて、ほとんどは加齢に伴った関節軟骨の摩耗がきっかけです。 特に40代以降の女性に多く発生するため、中高年で感じる膝の痛みのほとんどは、変形性膝関節症からくる痛みだともいわれています。そんな変形性膝関節症の治療方針は、膝に負担のかかる生活スタイルを見直し、膝周囲の筋肉を鍛える運動療法に取り組むことです。 そうした保存療法の継続が、関節を安定させ、これまで通りの痛みのない日常につながるのです。そのためには、いかに早期に発見できるかがポイントです。そこで今回は、変形性膝関節症の初期症状から、もし当てはまった場合には、実際にどういった行動に移せば良いのかまで紹介していきます。 変形性膝関節症の進行度と症状 変形性膝関節症の自覚症状は、前期>初期>中期>末期の4つの段階を踏んで進行していきます。前期では、膝にほとんど痛みはありませんが、初期になると軟骨がすり減り始め、膝に痛みや違和感や感じるようになります。 進行が進んだ中期になると膝に変形がみられ、さらに進行した末期になると痛みから立つ・歩くなどの日常生活を過ごすのが困難になり、手すりや杖などに頼らないと姿勢を保てない状態になります。 症状 変形性膝関節症・進行度 ・前期:ほとんど痛みを感じない ・初期:軟骨にすり減り、痛み、違和感を感じ始める ・中期:膝に変形がみられる ・末期:日常生活が困難になる、手すり杖が必要になる 変形性膝関節症を見逃さないため、初期に現れやすい症状を知る 変形性膝関節症は早期発見が大切です。そのためには進行が始まり、「痛み」や「違和感」を感じだす前段階で発見することが重要になります。 この段階で異変に気づき病院を受診され、変形性股関節症を早期に発見できれば、治療の選択肢が増えるだけでなく、積極的に運動療法に取り組め、重症化を防げる可能性が高くなります、。 初期症状を見逃さないポイント ・朝起きた時に膝にこわばりを感じる ・膝を伸ばそうとすると引っ掛かりを感じる ・椅子から立ち上がろうとすると痛みが走る ・歩き出しに痛みがある ・正座をすると「ズキっ!」と痛みを感じる 早期発見が治療の選択肢を増やす 変形性膝関節症に早期に気づき、運動療法に取り組むことで悪化を防ぐことができます。運動療法で痛みが引かない場合、薬物療法や物理療法、装具療法などで痛みを抑えながら、運動療法に取り組めるよう工夫します。 あらゆる手を尽くしても効果がみられない場合には、観血療法という選択肢がありますが、手術の種類によっては進行しすぎていると実施できないケースがあります。 たとえば、体への侵襲が大きな人工関節置換術や高位脛骨骨切り術を、「今はしたくない」場合には、負担が少なく、術後の回復も早い関節鏡視下手術という選択肢があります。 しかし、変形が進行した状態では、関節鏡視下手術をしたところで、改善が見込めない場合があるので注意が必要です。 変形性膝関節症の初期なら運動療法で悪化を防げる 変形性膝関節症の治療の基本は運動療法ですが、初期から実施するのと、末期から実施するのでは大きな違いがあります。初期の運動療法には悪化を防ぐ目的があり、継続して行うとこれまで通りの生活を送れる可能性があります。 一方、発見が遅れた末期では、痛みが強く日常生活をまともに送るのは難しい状態です。そのため、満足に運動療法に取り組めず、これまで通りの生活を送れる可能性は低くなることから、早期発見が変形性膝関節症の治療において大切です。 病院で変形性膝関節症と診断されるまで 中高年以降で、膝に「痛み」や「違和感」を感じたら整形外科の受診をおすすめします。 変形性膝関節症の診断は、問診・視診・触診・画像診断などの検査を複合して判断されます。問診では家族歴・半月板や靭帯損傷などの怪我の既往歴を聞き、視診では歩行状態から進行の程度を確認、触診では膝の変形具合や水がたまっていないかなどを確認します。 変形性膝関節症の進行の程度は、X線検査の後、Kellgren-Lawrence分類によって分けられます。関節の隙間が確保されているグレード0から、関節の隙間がなくなってしまった状態のグレード4まで分けられます。 しかし、必ずしも画像診断の進行度合いと自覚症状が一致するとは限りません。画像診断では進行していても、自覚症状があまり強くない場合や、その逆の場合もあります。 そのため、軽度の痛みや、ちょっとした違和感でも変形性膝関節症が進んでいる可能性があることから、注意が必要です。 変形性膝関節症と似たような病気 膝に痛みがあっても、全ての膝の痛みが変形性膝関節症ではありません。膝関節以外の痛みや発熱の有無など、問診や触診の情報を元に、「関節リウマチ」「痛風」「化膿性関節炎」などを疑います。 検査では血液検査や関節液の成分を検査し、検査結果を元に変形性膝関節症以外の病気である要素を取り除いた上で、はじめて変形性膝関節症と診断されます。 まとめ・変形性膝関節症!発見には膝の症状がポイント 変形性膝関節症は中高年以降の女性に多く発生する病気で、膝の痛みの多くは変形性膝関節症からだといわれています。 変形性膝関節症の症状は、痛みと変形が特徴です。初期には強い痛みや変形を感じることは少ないものの、変形性膝関節症は進行性の病気です。放っておくと取り返しがつかないところまで進行するケースがあります。 そうならないためにも、早期に変形性膝関節症に気付くことが治療の選択肢を増やし、悪化を防ぎます。 変形性膝関節症の早期発見ができれば、保存療法(運動療法、薬物療法など)や手術療法というように、あらゆる選択肢の中から、膝の状態や自分自身の意向に沿って治療に取り組めるのです。 そのため、「軽度な痛み」や「違和感」程度でも放ったらかしにしないで、整形外科を受診しましょう。 ▼ 再生医療で変形性膝関節症の治療する 変形性膝関節症の新たな選択肢、再生医療の幹細胞治療で手術せず、入院不要で症状を改善する No.039 監修:医師 坂本貞範
2022.01.18 -
- ひざ関節
- 幹細胞治療
- 変形性膝関節症
- 再生治療
変形性膝関節症と診断され、ヒアルロン酸注射や鎮痛薬を続けてきたものの、思うように改善が見られず「いずれ手術をしなくてはならないのだろうか。」と、漠然とした不安を感じていませんか。 膝の痛みは何とかしたいけれど、手術は避けたいと思う方もいるのではないでしょうか。 変形性膝関節症は、関節軟骨や半月板が損傷し、膝に痛みや変形が生じる疾患です。これまでの治療法は、運動療法や、薬物療法などの「保存療法」が中心で、効果がみられない場合には、人工関節置換術や骨切り術などの手術が選択されてきました。 しかし、中には「手術はしたくない」「手術が受けられない」という方も少なくありません。この場合、ある程度「痛みと付き合っていくしかない」と諦めるしかありませんでした。 近年では、保存療法で効果が感じられず、手術ができない場合でも受けられる新しい治療法として、「再生医療」が注目されています。本記事では、変形性膝関節症を手術しないで治す再生医療について解説します。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 変形性膝関節症について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 変形性膝関節症の痛みを放置するリスク 変形性膝関節症を放置すると、膝の痛みが悪化し、治療には手術が必要となる可能性があります。 最初のうちは運動療法や薬物療法で進行を抑えられますが、痛みが強くなると運動そのものが難しくなり、保存治療が難しくなってしまいます。さらに症状が進行すると、ちょっとした動作や安静時でも膝の痛みが出るようになります。痛みをかばうことで関節の可動域が狭まり、筋力が衰えるために余計に痛みを感じやすくなるのです。 重症化すると、人工関節置換術や骨切り術などの手術が考慮されますが、感染症や合併症、正座ができなくなるといったリスクを伴います。 手術を避けたい、または健康状態などの理由により手術ができない場合、痛みを抱えたままの生活が続くことになります。 変形性膝関節症における手術をしない治療法 手術せずに行われる変形性膝関節症の治療は、「保存療法」と呼ばれる従来の運動や服薬・注射、装具を用いて痛みを緩和する方法と、新しい治療法である「再生医療」があります。 それぞれ説明します。 保存療法 保存療法には主に、運動療法・薬物療法・装具療法・注射療法の4つがあります。これらの治療を組み合わせて、痛みの緩和、膝の機能維持を目指します。 ・運動療法 筋力増強トレーニングや有酸素運動など、さまざまな運動治療が存在します。 運動療法は鎮痛、身体機能改善効果、日常生活機能改善効果が認められるため有用とされています。また、肥満の体重管理やサルコペニア、フレイルなど変形性膝関節症のリスクへの間接的な効果も期待されます。(文献1) ・薬物療法 鎮痛薬(NSAIDsなど)を使用して痛みや炎症を和らげる方法です。 症状に応じて、内服薬と外用薬(湿布、塗り薬など)を選択します。一方で、NSAIDs内服薬は消化器障害や腎障害を起こすリスクがあるため、長期間の使用には注意が必要です。(文献1) ・装具療法 主に膝装具(サポーター)や足底板(インソール)を用いて、膝への負荷を軽減します。鎮痛・機能改善への効果と有用性の高い治療法です。 ・注射療法 薬物療法の1種ですが、ヒアルロン酸を膝関節に注射する方法です。関節液の粘りを補い、摩擦を減らして動きをスムーズにするため、痛みを軽減します。 【関連記事】 変形性膝関節症の治療方法(保存療法)や種類を一挙に解説します 膝のヒアルロン酸注射が効かないのは失敗が原因?効果を感じないのはなぜ? 再生医療 再生医療とは、厚生労働省では「病気やけがで機能不全になった組織、臓器を再生させる医療」とされています。(文献2) 細胞や人工的な材料を使って、傷んだ組織や臓器を修復・再生する医療のことで、これまで治療法のなかった病気やけがに対して、新しい医療として期待が高まっています。 膝関節に対する再生医療では、主に「幹細胞治療」を行います。 「手術しかない」と言われていた変形性膝関節症に、手術しないで治すという新たな選択肢ができました。 変形性膝関節症を手術しないで治す再生医療(幹細胞治療)について 人はけがをしても、自然に治り回復する自然治癒力を持っています。これを医療に応用したのが「再生医療」といわれる新しい医療分野です。 変形性膝関節症の手術しない治療として注目されている再生医療が、「自己脂肪由来・幹細胞治療」です。 この治療では、患者様の脂肪由来の幹細胞を採取し、4~6週間かけて数万~数億個に培養します。その後、増やした幹細胞を膝に注射することで、傷んだ軟骨や細胞を自然に修復・再生させる効果を見込みます。 https://youtu.be/2GCVH-Jw5Ps 再生医療における幹細胞治療とは 幹細胞は、人間の骨髄や皮下脂肪にある細胞で、皮膚や骨・軟骨・血管など、さまざまな細胞に性質を変える特徴(分化能)があります。 幹細胞治療では、この分化能を利用して、すり減った軟骨や炎症を起こした組織の修復・再生をサポートします。 幹細胞は普段活動的ではありませんが、体が傷つくと活性化し、損傷した細胞を修復・再生するために細胞分裂を起こします。変形性膝関節症では、幹細胞の分化能を利用し、自己修復力を高めて、すり減った軟骨を再生させます。 これにより、膝のクッション機能の回復や、滑らかな膝関節の動き、痛みの緩和が期待できます。 これまでの保存療法では不可能だった軟骨の修復・再生が、自己脂肪由来幹細胞治療で可能になったのです。 幹細胞治療の方法 変形性膝関節症に対する自己脂肪由来幹細胞治療では、自分の体から採取した幹細胞を培養後、体内に戻します。体内に戻す方法は、静脈注射(静脈点滴)と関節注射の2種類があります。 直接注射できない内臓疾患(肝臓疾患)や全身疾患(糖尿病など)、脳の病気には静脈注射が、膝関節や肩関節、股関節などには関節注射が選択されます。 幹細胞は骨髄にも存在しますが、採取時に体への負担が少なく、細胞の質が良い皮下脂肪由来のものが一般的に使用されます。 幹細胞治療の流れ ・腹部(おへそ周り)に局所麻酔を行い、5mmほど皮膚を切開し脂肪を採取します。 ※採取する脂肪は、米粒2粒ほどの大きさです。 ・採取した脂肪から幹細胞を分離し、4〜6週間かけて培養します。 ・培養した幹細胞を、膝関節内に注射します。 幹細胞治療は、体への負担が少なく、自分の細胞を利用するため拒絶反応やアレルギーが起こりにくいという利点があります。また、大きな手術と比べて感染症のリスクが低く、安全性の高い治療法です。 【変形性膝関節症にお悩みの方へ】手術しないで治す治療も選択肢のひとつ 自己由来幹細胞治療は、人が持つ自己修復力を引き出す治療法で、これまで不可能とされていた軟骨の再生が期待できます。 幹細胞治療では、自分の脂肪から培養された細胞を使うことから、人工関節置換術や骨切り術などの大きな手術を必要とせず、体への負担が少ないのが特徴です。また、入院の必要がないので、日帰りで行える治療法として注目されています。 変形性膝関節症の治療の基本は、膝周囲の筋力を鍛える運動療法などの保存療法です。しかし、変形性膝関節症と診断された初期のうちから幹細胞治療に取り組むことで、悪化を防ぐ可能性が期待できます。 なお、幹細胞治療にかかる費用は、保険が効かず自由診療となるため、全額自己負担です。しかし、「現在の治療で効果を感じられない」「医師から人工関節の手術をすすめられたけれど抵抗がある」と考えている方にとって、保存療法と手術の中間に位置する最新の再生医療「自己由来幹細胞治療」は、手術をしないで治す選択肢です。 再生医療について、さらに詳しく知りたい方は、メール相談やオンラインカウンセリングも承っておりますのでご利用ください。 変形性膝関節症に関するよくある質問 変形性膝関節症は自力で治せますか? 変形性膝関節症で一度すり減った軟骨を元の状態に戻すことは難しく、完全に自力で治すことはできません。 ただし、早期の段階で運動療法や体重管理を行うことで、進行を遅らせたり痛みを軽くしたりできます。 太ももの前側の筋肉を鍛える運動や、ストレッチ、正しい姿勢を意識することで膝への負担を減らせます。 また、最近では幹細胞治療など、再生医療を活用した新しい治療法も登場しており、手術をせずに軟骨の修復をめざす選択肢もあります。 変形性膝関節症の末期はどのような症状ですか? 変形性膝関節症の末期になると、膝の軟骨がほとんど失われ、骨同士が直接ぶつかるようになるため、強い痛みが続きます。 歩くときだけでなく、安静にしていても痛みを感じることが多く、膝が伸びきらない・曲げられないといった可動域の制限が現れます。 また、膝の変形が目立ち、O脚やX脚が見た目にもわかるようになります。この状態では、運動療法や薬の効果が限られ、歩行困難や生活動作の制限が生じることもあります。 このような状態になると、保存療法では改善が難しいと考えられ、手術を検討する必要があります。 なお、手術を避けたい方には、自分の脂肪から培養された幹細胞を用いて痛みの軽減や機能回復をめざす「再生医療」という方法もあります。 実際に、手術をせず変形性膝関節症の痛みを改善した例もご参照ください。 参考文献 文献1 変形性膝関節症診療ガイドライン2023|南江堂 文献2 再生医療とは|厚生労働省
2022.01.07







