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脊髄損傷を負ったあと「リハビリでどこまで回復できるのか?」「効果的なトレーニング方法は?」とお悩みの方もいるのではないでしょうか? リハビリは早期に始めるほど効果が高く、適切なトレーニングを継続すれば日常生活の質向上が期待できます。 本記事では、脊髄損傷におけるリハビリやトレーニングについて詳しく解説します。リハビリの回復見込みや注意点も紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。 脊髄損傷のリハビリ内容【主な部位へのアプローチポイント】 さっそく、脊髄損傷のリハビリ内容を解説します。脊髄損傷におけるリハビリでは以下の訓練や療法がよくおこなわれます。 可動域訓練 筋力トレーニング 歩行訓練 電気刺激 順番に見ていきましょう。 可動域訓練|全身へのアプローチが可能 脊髄損傷後のリハビリでは、早期から関節の可動域訓練を行います。 脊髄を損傷すると「正常な筋肉」「麻痺がある筋肉」「筋力低下した筋肉」が混在します。その結果、筋肉のバランスが崩れることで拘縮(こうしゅく:関節が固くなり動きが制限される状態)が発生しやすくなるため、早期の訓練開始が重要です。 下部頸髄損傷による拘縮では、肘・膝・足の関節が屈曲位で固定されるだけでなく、全身の柔軟性が低下します。 拘縮が進行すると、座位の維持や寝返り、起き上がり、移乗(車椅子への移動など)にも支障が出るため、可動域訓練は全身の機能維持において欠かせない訓練といえます。 筋力トレーニング|上肢・下肢の筋力強化に有効 脊髄損傷のリハビリを目的とした筋力トレーニングは、麻痺を負った筋肉とのバランスを整えるほか、残存した機能を活用して日常生活を送るために欠かせない取り組みです。 たとえば、呼吸筋を鍛える「バルサルバ法」(バルサルバ手技とは異なる)は、呼吸機能の回復に有効であり、生活の質(QOL)の向上につながります。このトレーニングは、息を止めて腹部に力を入れることで呼吸筋を鍛える方法で、推奨時間は30秒未満です。 適切な筋力トレーニングを継続すれば、上肢・下肢の筋力を維持・向上させ、日常動作の改善を図れます。 歩行訓練|下肢の機能回復に有効 歩行訓練を早期から実施すると、歩行機能の向上だけでなく、身体機能も高まります。 脊髄損傷のリハビリでは「吊り上げ式免荷歩行」がよく採用されます。 これはジャケットを装着して体を上方へ牽引し、体重負荷を軽減しながら安全に歩行訓練をする方法です。 吊り上げ式免荷歩行を実施するメリットは以下の4つです。 早い段階から歩行練習ができる 身体の一部を支え負担を軽減できる 転倒のリスクを減らし安全に訓練できる 歩く動作に近い運動ができ意欲が向上する この方法により、安全性を保ちながら下肢の機能回復を促進します。 電気刺激|指先への細やかなアプローチも可能 機能的電気刺激(FES:functional electric stimulation)では、電気刺激により、麻痺を起こした筋肉を動かすことで身体機能の回復を図るリハビリ手法です。 具体的には、体の表面に装着もしくは体内に埋め込んだ電極から電気信号を送り筋肉を収縮させる方法です。 電気刺激により、歩行や起立動作などの日常生活動作の改善に加え、高位脊髄損傷者では人工呼吸器が不用になった報告があります。動作の向上は脊髄損傷を負った方にとって、リハビリ意欲の向上につながるでしょう。 電気刺激は、手指や手首の動作改善にも有効であり、握力の向上や指先の細かな動作の回復を促します。これにより、食事や着替え、筆記といった日常生活動作の自立支援にも貢献します。 再生医療|脊髄損傷の後遺症に対する新たな治療法 従来の治療法は主にリハビリで、症状が悪化すれば手術を受けるのが一般的でした。 しかし近年、幹細胞を用いた「再生医療」が新たな選択肢として注目されています。 幹細胞には損傷した組織を修復する働きがあり、筋力の回復や歩行の安定、感覚の改善などが期待されています。 点滴や患部に直接注射することで幹細胞が体内に投与され、血液を介して脊髄へ届けられる仕組みです。 再生医療は、手術のように傷跡が残る心配がなく、体への負担が少ない点も大きなメリットです。 「再生医療に興味があるけど具体的なイメージがつかめなくて不安…」という方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。 脊髄損傷におけるリハビリの回復見込みは? 脊髄損傷後のリハビリによる回復の見込みは、損傷の程度や種類によって異なります。 脊髄損傷は、大きく分けて以下の2つに分類されます。 分類 症状 完全麻痺 脊髄の神経伝達が完全に断たれた状態で、運動機能や感覚が完全に失われた状態 不全麻痺 脊髄の神経伝達が部分的に残っており、運動機能や感覚の一部が残っている状態 一般的に、完全麻痺の場合、失われた機能の完全な回復は難しいとされています。一方で、不全麻痺の場合は、早期にリハビリを開始して適切な治療を継続すれば、機能回復が期待できます。 リハビリだけでなく、脊髄損傷の後遺症には、再生医療という選択肢もあります。 幹細胞を採取・培養する再生医療は、自己再生能力を持つ幹細胞を利用して、損傷した組織の修復を目指す治療法です。 詳しい治療法については、下記のページをご覧ください。 脊髄損傷のリハビリに関する2つの注意点 脊髄損傷におけるリハビリ時の注意点を2つ解説します。 受傷後すぐは廃用症候群の発症に注意する 脊髄ショックのリスクも念頭に置いておく これらの点を理解した上で、安全なリハビリに取り組みましょう。 受傷後すぐは廃用症候群の発症に注意する 受傷直後は、安静にする必要があるため、ベッド上で過ごす時間が長くなります。 そこで注意したいのが、廃用症候群の発症です。 廃用症候群とは、安静状態が長時間続くことで起こる心身機能のトラブルや疾患の総称です。 たとえば、以下のような症状が現れます。 床ずれ 関節拘縮 尿路結石 起立性低血圧 睡眠覚醒リズム障害 褥瘡(じょくそう:長時間同じ姿勢により身体が圧迫されて皮膚や組織が損傷する状態)を防ぐためには、こまめに体位を変え、圧を分散させるマットやクッションを活用することが必要です。 脊髄ショックのリスクも念頭に置いておく 脊髄損傷のリハビリを進める際には、脊髄ショックのリスクを考慮する必要があります。 脊髄ショックとは、脊髄に損傷を受けた際に、損傷部位だけでなく脊髄全体に影響が及ぶ現象です。 脊髄と脳の連絡が絶たれることで発生し、運動や感覚が麻痺するだけでなく、脊髄反射が完全に消失する特徴があります。 脊髄ショックは通常、1日から2日で急性期を抜けますが、重症の場合は数日から長くて数週間続きます。 その間、体を動かすことができず、安静にして過ごさなくてはなりません。また、回復後も症状が重い場合は、予後が厳しくなる可能性が高くなります。 リハビリを開始する際には、脊髄ショックの発生を念頭に置き、医師の指示に従いながら慎重に治療を進める姿勢が大切です。 まとめ|脊髄損傷におけるリハビリのトレーニングで機能回復を目指そう 脊髄損傷は、体の中枢にある神経が損傷することです。脊髄を損傷すると、損傷した部位や程度により違いがあるものの麻痺が発生します。 損傷する脊髄レベルが高いほど重症度も高くなり、頸髄が横断される形で損傷する完全麻痺では、体を動かせなくなったり、感覚が感じ取れなくなったりします。 脊髄損傷後の主な治療法はリハビリです。リハビリでは、回復・残存した神経機能を日常生活に結び付けるため、体位変換・可動域訓練・筋力トレーニング・歩行訓練・電気刺激などに取り組みます。 また、リハビリで思ったような効果がみられない場合は、「再生医療」も選択肢としてご検討ください。 再生医療は、これまで困難とされていた脊髄の損傷修復や再生を目指す治療法です。 無料のメール相談・オンラインカウンセリングも受け付けていますので「再生医療で脊髄損傷をどうやって治療するの?」と気になる方は当院「リペアセルクリニック」にお気軽にお問い合わせください。
2022.03.28 -
- ひざ関節
- 膝の内側の痛み
- 変形性膝関節症
変形性膝関節症の人が増えている!その原因から予防のヒントを探りました 近年、膝痛(変形膝関節症)の患者さんが急増しています。 2005年に東京大学医学部の研究グループが行った疫学調査によると、日本における「中高年の膝痛の患者数は約2400万人」と推測されるそうです。 その後も患者数は増加し続けており、現在では、膝痛の患者さんと、その予備軍を含めると実に約3000万人にのぼると推測されています。そして、膝痛を訴える患者さんののうち約9割以上が「変形性膝関節症」が原因と考えられています。 そこで今回は、この「変形性膝関節症」に悩まれている人が増えてる理由を解説。その理由を通じて予防のヒントをつかんで頂ければと思います!また、リハビリとして運動療法を行う際に注意したいことを併せて記しました。 変形性膝関節症|膝の痛みの原因 変形性膝関節症は長年、膝が受け続けた負担によって膝の軟骨がすり減り、炎症が起きた結果、しだいに関節が変形してしまう病気です。 私たちの膝は、この世に生を受けて、はじめて歩行を始めてから現在まで、日常生活はもちろん、労働や運動を通じて様々な負担をかけ暮らしてきました。 普段、何もなければ膝を意識することはありませんが、膝は立っているだけでも体重を受け止め、歩くと体重の5倍以上もの負荷が実際に掛かることが分かっています。 この負荷を受け続けると膝関節の軟骨は、徐々にすり減り、最終的に炎症を起こす可能性があるのです。 膝関節は、大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)の末端が接合する部分で、その間には、「クッションのような役割をしている関節軟骨」や、「半月板という軟骨組織」から出来ています。 この関節軟骨や半月板が、年齢を重ねることで徐々にすり減り、その過程で削れた摩耗粉が関節包の内側に滞留し、膝を覆っている「滑膜」を刺激するようになります。 すると、この摩耗粉を体は異物とみなして免疫反応を起こしてしまうのです。その結果、滑膜の細胞から「炎症性サイトカイン」という、生理活性物質(体の働きを調整する役割のある物質)の一種が分泌されます。 この炎症性サイトカインは本来、細菌やウイルスが体に侵入した際、それら異物を撃退して体を守るため、重要な働きをする物質です。 それが意に反して摩耗粉を異物と認識して分泌されることで炎症が起こり、痛みが現れるということです。 これが膝が痛む原因です。 変形性膝関節症|膝痛で悩む患者さんが急増している原因 原因|その① 膝にお悩みの患者さんが増えた第一の理由は、本格的な「高齢社会」が到来したことです。2019年におけるわが国の総人口は前年よりも26万人少なくなっているにもかかわらず、65歳以上の高齢者は32万人も増加し、3588万人と過去最高となっています。 日本人の平均寿命も、男性81.25歳、女性87.32歳(2019年)と年々長生きになっており、高齢者の人口は、これからもますます増加していくものと思われます。 変形性膝関節症は高齢者ほど発症しやすく、日本では、60歳以上の人の約6割が変形性膝関節症というデータもあり、高齢者が増加する傾向はまだ当分続くと考えられるため、変形性膝関節症で悩まれている患者さんは、今後も増えるものと考えられます。 原因|その② 膝にお悩みの患者さんが増えた第二の理由は「運動不足」です。現代社会では自動車や電車など便利な交通機関が発達し、さらにはエレベーターやエスカレーターといった移動を楽にする設備が普及しています。 その結果、歩いたり、階段を上り下りする機会が減り、現代人はあまり体を動かさなくなってしまいました。また、高齢になると移動が億劫になり、家に引きこもりがちとなり、運動不足になってしまいます。 膝関節を支える骨や軟骨、筋肉や靭帯(骨と骨をつなぐ丈夫な線維組織)は、日頃から体を動かし適度な刺激を与えていないと、少しずつ衰えていきます。 現代人としては、意識して運動をすることが大切です。けして、激しい運動である必要は無く、適度な刺激を筋肉や軟骨などに与えることで膝関節の健康を維持することが可能になり、膝の健康はもちろん、心身の健康のためにも重要です。 また、膝にためは運動以外にも日ごろからストレッチやウォーキングなどの習慣化も大切です。 原因|その③ 膝にお悩みの患者さんが増えた第三の理由は「肥満」です。運動不足は肥満を招きがちです。体重が増えると、立ったり歩いたりするだけで膝関節に大きな負荷がかかってしまうことはご想像頂けるろ思います。 肥満は、体重の増加により、膝痛の原因となる軟骨や半月板を、通常より圧迫するリスクが増し、傷めやすくなってしまいます。そのため、膝痛を予防するためには、普段から適度な運動をして、適正体重を維持することが重要です。 膝の痛み|誤解(安静にしずぎに注意) 以前、膝痛の患者さんに対して「安静にすること」が勧められていました。 鎮痛薬で痛みを和らげた上で膝に負担をかけないように安静にして、自然の回復力にまかせ、治癒するのを待っていたのですがこれでは次のような問題が生じます。 膝の痛み|安静にし過ぎて起こる膝の衰えという問題 膝が痛いからと、安静にばかりしていると、体重が増えがちとなります。 膝周辺の筋肉や靭帯などが、どんどん衰えていきます(廃用性症候群という) 膝を支えている筋肉や靭帯が衰えると、膝を支えることができなくなります。 その結果、軟骨への負荷が余分にかかり、軟骨の摩耗が進む悪循環に陥ってしまいます。 ------------------------------------ 安静に加えて鎮痛薬を使うと 膝の痛みは治まります。ただし、痛みが出ないため、膝を以前と同じように使います 膝を支える筋肉や靭帯が衰えているため、しばらくするとまた発症してしまいます。 従来の安静にするという治療法では、こうした「炎症サイクルの悪循環」に陥りやすいのです。特に肥満の場合は、膝に対する負担が大きいため更に注意が必要です。 膝の痛み|運動療法(リハビリの活用) リハビリでの「運動療法を活用」すれば、2〜3週間ほどで痛みが軽減した上、楽に歩けるようになることがあります。膝の周囲の筋肉が膝を支えることができるようになるためです。 それによって日常生活の活動性が増すと、膝周囲の筋肉や靭帯が自然に鍛えられ、結果として関節軟骨の摩耗が抑えられるようになります。その結果、膝関節の炎症が起こりにくくなり、痛みもどんどん軽減します。 痛みが軽減すれば、さらに患者さんの悩みは薄れていき、行動は活発となり、膝関節の安定性は一段と高まることで膝痛は遠ざかります。 この好循環に導くことができれば「膝痛から卒業できる可能性」が上がります。 膝の痛みを予防するヒント! これまでの記事で変形性膝関節症が増えてる理由についてご理解は進みましたでしょうか?簡単に要約すると高齢化社会の到来ということで、発症率が高い高齢者の人口が多いため、カウント数が伸びたということ。 加えて運動不足と、肥満という理由があげられています。ここから分かるのは、「適度な運動をすることで体重の増加を止め、その結果若々しくいれば変形性股関節症を発症するリスクを低くできる」ということで、これは予防のヒントになります。 簡単に要約しましたが、膝の痛みの予防は、難しく考えないことが大切です。加齢は誰にも訪れることで仕方がありません。年齢があがると、どうしても体は衰えるもので自然の摂理です。思い悩みすぎずに気持ちを明るく、前向きにすごされることが大切です。 気持ちが前向きになれば、体に負担のない範囲という条件のもと、簡単でも軽めの運動を継続的に心がける動機になりえます。家に籠ることなく、外に出かけて色々な人と会ったり、景色を見たり、そんな何気ない行動だけでも運動になります。 もちろん、もっと積極的にウォーキングを行うことも効果的です。日課にして継続的に行いうことを強くお勧めします。尚、体重の増加が気になる方は体重計を用意しカレンダーに記録したり、食べたモノを書き出したりして体重を意識することから始めてみてはいかがでしょうか! ただ。前向きになりすぎて体を痛めてしまわないように見定めてください。できれば医療機関などで医師から助言を受けて取り組まれることをおススメします。 変形膝関節症・予防のヒント 前向きな気持ち 体重コントール(肥満を防いで適正体重を維持する) 軽めの運動を継続して行うようにする(外に出かけよう) 無理はしすぎないように 運動内容、量は医療機関にて助言を得ましょう 運動療法(リハビリ) 変形性膝関節症の運動療法について 「変形性膝関節症患者には、定期的な有酸素運動、筋力強化訓練および関節可動域拡大訓練を実施し、かつこれらの継続と奨励する」としており、「筋力強化訓練」「有酸素運動」「可動域拡大」の3つを効果的なリハビリとして推奨しています。 (参照:日本整形外科学会による変形性膝関節症診療ガイドラインより) リハビリとしての筋力強化訓練では、太ももの前面の筋肉「大腿四頭筋」の家庭での強化、有酸素運動については、激しい運動ではなく穏やかな無理のない運動が推奨されています。 可動域拡大については、膝関節を動かさないでいると可動域が狭くなり柔軟性が失われてしまうためリハビリの目的としながらも無理をしない範囲で訓練するようにします。 膝は、無理のない程度に動かすことで、炎症を起こしている滑膜や軟骨の細胞に一定のソフトでも力が作用し、以下の様な3つの効果を得ることができます。 適切なリハビリの効果 炎症の原因:炎症性サイトカイン(細胞から分泌される生理活性物質)の産生を抑える作用 炎症を鎮める効果:抗炎症性サイトカインが分泌される作用 膝関節の軟骨成分:膝関節の組織修復に必要なコラーゲン、プロテオグリカンが増加する作用 変形性膝関節症の予防|運動療法(リハビリ)の注意点 膝関節を適度に動かすことが膝痛を改善に導くとはいえ、膝にあまり強い力をかけてしまうと、むしろ症状が悪化し、痛みも強まることになってしまいます。 リハビリの一環としての運動は必要ですが膝を動かす場合には激しい運動は禁物です。適度な運動であれば①〜③の効果が得られ、関節内の炎症を抑えられます。さらには組織の新陳代謝が促され、効果的に膝痛の改善が期待できることになります。 運動が良いとなると早く治したい、また予防する意識が強すぎて限度を超えた運動に取り組む方がおられますが、過度な運動は逆効果です。できれば整形外科などのリハビリに通ったり、運動方法のアドバイスを受けて適切な方法と必要な運動量を確保しましょう。 適切な運動を無理なく、継続しましょう! まとめ・変形性膝関節症の人が増えている原因から予防のヒントを探る 変形性膝関節症の増えている理由は、高齢化社会、運動不足、肥満などさまざまな要因が絡み合っています。しかし、それらの理由を探り、ヒントにすれば適切な対策が分かり、予防や改善が可能なのです。 何より膝に負担を掛けない適正な体重を維持する意識を持ちましょう。 そのためには前向き意識で適度な運動を続け、関節や筋肉を健康に保つことができれば膝痛を予防することが可能です。ただ、既に症状を発症してしまったのなら適切なリハビリや、運動療法を行いましょう。 リハビリは無理に無い範囲で適切に行うことで症状の改善を期待することができますが、治りたい意識が強すぎて過度な運動は避けるようにするべきです。 そのためにも、膝の痛みに悩んでおられるなら、医師や専門家の助言を受けて適切な運動や、治療方法を試みましょう。 自分の体に合った方法で、健康な膝を維持しましょう。 以上、変形性膝関節症が急増した原因から予防や治療のヒントを探してみました。 ▼ 再生医療で変形性膝関節症を治療する なってしまった変形性膝関節症は、再生医療により症状を改善することができます ▼以下のご参照ください 変形性膝関節症に東洋医学の鍼灸(はり、おきゅう)治療は効くのか
2022.03.25 -
- 肝疾患
- 内科疾患
肝臓の数値に異常がある場合!肝機能障害の原因と対策を解説 健康診断などにおいて肝臓の数値が悪い、あるいは肝臓の機能が低下(肝機能障害)していると指摘された人はいませんでしょうか。 日本人間ドック学会によると、ドック受診者の中でおよそ3割の方が肝機能の障害や肝臓数値の異常を指摘されていると報告されています。 肝機能障害とは、何らかの原因によって肝臓にある細胞が障害を受けて炎症が起こることで細胞が破壊されてしまう病態のことを意味します。 肝機能障害を引き起こす原因は、B型やC型の肝炎ウイルス感染、アルコールの多飲、過剰な脂質の摂取や肥満、そして自己免疫の異常など非常に多岐にわたります。 肝機能障害によって肝臓の機能が著しく低下する状態が続くと「肝硬変」や「肝臓癌」を発症するリスクも高くなります。顕著な肝障害を呈する場合には「食道静脈瘤」や「肝性脳症」など命に関わる重篤な合併症を併存しやすくなります。 今回は、肝臓の機能障害(肝機能障害)を引き起こす原因を中心に詳しく解説していきます。 肝臓の数値異常・肝機能障害の数値 普段、職場で受診する定期健康診断などで肝機能障害を指摘され、不安に思われている方も少なからずいらっしゃるかもしれません。 肝臓の機能障害が起こされると健診の血液検査項目で肝臓数値異常として表示されることになります。これは、肝臓の細胞内に含まれるAST(GOT)や、ALT(GPT)といった指数で表示されます。 これらは肝臓の細胞に含まれる酵素のことで、肝臓がダメージを受けると、この酵素が血液中に漏れ出てくるため、その量をもって肝臓のダメージを数値化して計ることができます。 ダメージが大きいほどASTや、ALTの数値は増え、数値が著しく大きな場合は「脂肪肝」「慢性肝炎」「急性肝炎」「アルコール性肝炎」などに罹患している可能性があります。 AST(GOT)とは AST(GOT)は「アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ」という酵素です。主に肝臓に存在しますが、心臓、腎臓、筋肉などにも含まれていて、ASTは細胞がダメージを受けると血液中にこの酵素が放出されることから、この数値が上昇すると、肝臓や他の臓器に問題がある可能性があると判断されています。 AST(GOT)が高くなる原因 肝炎や肝硬変などの肝臓疾 心筋梗塞 筋肉の損傷や破壊 ALT(GPT)とは ALT(GPT)は「アラニンアミノトランスフェラーゼ」という酵素です。主に肝臓に存在して肝細胞が破壊されると血液中に放出されます。ALTの値は、肝臓の健康状態を知る重要な指標となります。 ALT(GPT)が高くなる原因 肝炎や肝硬変 脂肪肝 アルコール性肝障害 AST(GOT)、ALT(GPT)はどれも肝臓の健康状態を示す重要な指標です。 これらの数値が高くなった場合は、肝臓に負担がかかっている可能性があります。生活習慣の見直しや適度な運動、定期的な健康診断を通じて、肝臓の健康を維持することが必要です。 肝機能障害の原因 一般的にこういった肝臓の機能障害は、何が原因となって引き起こされるのでしょうか。 慢性的に認められる肝機能障害の原因として有名なのは、「B型・C型肝炎ウイルスによる慢性肝炎」「アルコール性肝炎」「脂肪性肝炎」「自己免疫性肝炎」などが挙げられます。 これらの代表的な肝機能障害の原因によって、長期間にわたり肝臓に炎症が継続することで、肝臓の細胞は徐々に破壊され、その部位に硬い組織が蓄積して形成されていきます。 また近年、現代の飽食や運動不足といった背景から引き起こされる肥満や、糖尿病などの生活習慣病から発症する非飲酒者における脂肪肝といった非アルコール性脂肪性肝機能障害といった例も増加しているといいます。 欧米ではアルコール(飲酒)が原因の肝臓の機能障害が多いと言われています。 一般的に、エタノールを1日に男性は30g以上(ビールで換算すれば750ml、日本酒で計算すれば1合半相当に該当)、また女性は20g以上、アルコールを接収すると肝臓の機能障害を引き起こすと考えられています。 アルコール関連の肝機能障害は、慢性的な過剰飲酒によって生じることが知られており、脂肪肝炎をはじめとして急性肝不全、肝硬変、肝がんなど多彩な病型を呈することが報告されています。 その一方で、わが国では肝炎ウイルスの感染によるものが多く、特に肝機能障害の原因となる肝炎ウイルスの中でも「C型肝炎(以下、HCV)」と「B型肝炎(以下、HBV)」が多く見られます。それに次いで飲酒が主たる原因となります。 通常では、肝炎を引き起こすウイルスの中にはA型、B型、C型、E型の4種類が存在しますが、HBVの場合には輸血歴や出産歴、注射針の使い回しや性行為によって感染し、HCVでは、輸血や血液製剤、あるいは体に入れ墨を施す行為などによって感染することが知られています。 ウイルス感染による肝炎 感染原因の一例 C型肝炎(HBA) 輸血歴、出産歴、注射針の使い回し、性行為 B型肝炎(HCV) 輸血、血液製剤、入れ墨 また、薬剤によって肝機能の障害が起こる可能性があることも忘れてはいけません。 通常、基礎疾患の治療目的であったとしても、その薬物の副作用によって肝臓に障害が起こることがあります。具体的に肝障害の原因となる薬剤の代表例としては抗生物質や解熱鎮痛剤、精神神経薬、抗がん剤、漢方薬など多岐に渡ります。 その他、原発性胆汁性胆管炎などで胆汁がスムーズに排出されなくなる、あるいは中年以降の女性に発症しやすい自己免疫性肝炎などにおける免疫異常、または慢性心不全などの病気を契機に肝機能障害に陥ることもあります。 肝炎を引き起こす感染以外の原因の一例 アルコール、飲酒 抗生物質、解熱鎮痛剤、精神神経薬、抗がん剤、漢方薬等 自己免疫性肝炎などにおける免疫異常、慢性心不全 肝臓の機能障害は将来的に肝硬変や肝臓癌に移行するリスクが高い状態と考えられているため、常日頃から肝障害の原因となるものを認識しておく必要があります。 改善策 肝機能を改善するためには、以下のような生活習慣の見直しが必要です。 1. 飲酒量を減らす アルコールの過剰摂取は、肝臓に大きな負担をかけます。週に2日は休肝日を設けましょう、飲酒量を抑えることが重要です。 2. 健康的な食生活 バランスの取れた食事を心がけ、あしょう。特に野菜や果物を多く摂取することで肝機能の改善に役立ちます。脂肪分の多い食品や加工食品の摂取を控えましょう。 3. 適度な運動 適度な運動は体重管理にも役立ち、脂肪肝の予防になります。無理のない範囲で、毎日の散歩や軽い運動を取り入れると良いでしょう。 4. 定期的な健康診断 定期的に健康診断を受けましょう。肝機能の状態を把握し、早期に問題を発見することができます。 5. 体重管理 肥満は肝臓に負担をかけるため、適正体重を維持することが大切です。肥満ぎみならダイエットを心がけましょう。 まとめ・肝臓の数値に異常がある場合、肝機能障害の原因と対策 今回は特に肝機能障害の原因に焦点を当ててご説明してきました。 肝臓はその一部が線維化して働けなくなってしまっても、残っている細胞が代わりに機能を受け持つことで、しばらくは自覚症状がほとんど出ません。それゆえに、肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれます。 一般的に自覚症状が出にくく、症状の出現に気づいた時には肝臓の機能障害がかなり進行していたという場合も決して珍しくありません。したがって、健康診断などで肝臓の数値に異常があった場合には自覚症状がないからという理由だけで放置すると深刻な病気に進行する懸念があることを認識すべきです。 肝臓の機能障害は、肝臓の様々な病気やお酒などによって肝臓の細胞が破壊され続けることでも起こります。心配であれば、病院や、最寄りの内科クリニックや、消化器内科などをの専門医療機関を受診して相談してみることも考慮してみましょう。 以上、肝臓の数値にドキッ!機能障害を引き起こす原因について記載させていただきました。今回の記事の情報が少しでも参考になれば幸いです。 ▼肝臓に関わる病気|最新、幹細胞治療は、以下をご覧下さい 再生医療は、肝臓病(肝炎、肝硬変)の新たな治療法として注目を浴びています ▼肝臓の働きについて以下もご参考になれます 肝臓の重要な働きと注意したい症状と病気について
2022.03.25 -
- 脊髄損傷
- 脊椎
障がい者スポーツ|脊髄損傷の方が行えるスポーツとクラス分けを解説 毎年4000〜5000人が受傷するという脊髄損傷。 事故や転落・転倒などで脊髄を損傷すると「動かせない、感じない」といった麻痺が出現します。脊髄損傷後は、日常生活への復帰を目指して、残存する機能を使いリハビリに取り組みます。 リハビリでは日常生活動作を練習をしたり、運動に取り組んだりします。その中でスポーツにやりがいを見出し、競技として取り組むことになった場合のことについてお話します。 障がい者スポーツとして取り組む場合は、各人、残存する機能には個人差があるため、運動に取り組む際には公平性を保つため「クラス分け」が行われます。 そこで今回の記事では、脊髄損傷者がスポーツを行う際のクラス分けについて解説します。 脊髄損傷者とスポーツ 脊髄を損傷すると、損傷部より下に麻痺が発生します。麻痺は「筋肉を全く動かせない」「感覚が全くわからない」といった完全麻痺や、一部の運動・感覚機能を残した不全麻痺に分けられます。 脊椎損傷、麻痺の程度について 完全麻痺 筋肉を全く動かせない 感覚が全く分からない 不全麻痺 一部、運動、感覚機能がある 脊髄損傷後に取り組むのがリハビリです。リハビリでは残存した機能を使い、寝返りや歩行練習などを行うことで社会復帰を目指します。退院後は、リハビリや生きがいを目的に単なる運動ではなく、スポーツに取り組まれる方もいらっしゃいます。 運動は脊髄損傷者にとって、日常生活動作の向上だけでなく、充実した生活にもつながる大切なものです。また、運動と言っても個人での歩行練習から、スポーツ競技までさまざまです。 中でも他者と競い合うスポーツにおいては、公平に競技に取り組むことを目的に「クラス分け」が行われます。 代表的なスポーツ(各クラスを分けて競技する)の一例 陸上 ツインバスケットボール 水泳 車椅子マラソン ボート ウィルチェアーラグビー ボッチャ アーチェリー 車椅子サッカー その他 運動レベルのクラス分け 脊髄損傷者など障がい者が運動に取り組むにあたり実施されるのが「クラス分け(Classification)」と言われるものです。 脊髄損傷でも完全麻痺か不全麻痺によって残存する機能が違うように、同じ病気・怪我・事故にあっても、障がいの程度は人によって様々です。クラス分けは、障害があっても、できる限り公平に運動やスポーツに取り組めることを目的にしてグループ分けが実施されます。 クラス分けの種類 クラス分けの規則は、競技や大会によって違います。「国際クラス分け基準/IPC Classification Code」から分けられる「パラリンピック」や、独自の規則を設けている国内の競技大会・リハビリ施設での運動大会などさまざまです。 また、競技種目によってクラス分けの規則が変わることがありますが目的は同じで公平さの確保です。 誰でも競技に参加できるのか パラリンピックのような国際的な大会に参加するには、最小の障がい基準(Minimam Disability Criteria/MDC)をクリアしていることが条件になります。この基準を満たさない場合は、国際大会に参加することはできません。 日本国内の競技大会や地域のスポーツ大会であれば、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳をお持ちであれば、出場することができます。 どんな人が参加しているのか 脊髄を損傷した場合、筋力低下により意図的に筋肉を動かせなかったり、関節可動域に制限がかかったりするなどの障がいがある方です。他の疾患では、脳疾患からアテトーゼがある方、手足の一部か全てが欠損している方など、さまざまな障がいのある方が参加されます。 クラス分けの流れ スポーツ大会に参加し、記録を認めてもらえるのは、事前にクラス分けを受けた「クラスを持った方」です。このクラスを持っていなければ大会に出場しても記録が公認されることがありません。従って、出場前にクラス分けを受ける必要があります。 クラス分けは身体機能・技術から評価され、グループ分けされます。さらに、クラスが適切なのかどうかを出場した競技から観察されます。 身体機能評価では、筋力・可動域検査・バランス力などの検査が実施されます。技術評価では、出場予定の種目に取り組み、どの程度のパフォーマンスやスキルが発揮できるのか見られます。 クラス分けの 3 つのプロセス 1)身体機能評価/Physical Assessment 問診や筋力、関節可動域、バランスなどの各種検査を実施。参加資格の有無を判定する 2)技術評価/Technical Assessment 大会前に競技試技を行い選手のパフォーマンスや競技スキルを評価。適切なグループ(参加クラス)を割り当てる 3)競技観察/Observation Assessment クラス分けを実施した大会の一番最初の出場種目(First Appearance)を観察し、上記1)2)で判断した参加クラスが適切であるかを確認する クラス分けを実施する人 パラリンピックや国内での競技大会のように記録が認められる場合、「クラシファイヤー/Classifier」と呼ばれる専門の資格を持った人によりクラス分けされます。クラシファイヤーとは、クラス分けを行うために必要な知識や技術を学び、資格を取得した者をいいます。 このクラシファイヤーは、国際大会でクラス分けを行える World Para Athleticsによって公認された「国際クラシファイヤー」と、国内の大会でクラス分けを行える日本パラ陸上競技連盟公認の「国内クラシファイヤー」の2種類があります。 国際クラスファイヤーと国内クラスファイヤーの2種類あります。また、陸上競技ではクラシファイヤーの有資格者2~3 名で組織された パネルと呼ぶ単位で一人の選手に対するクラス分けを行っています。 クラス分けを理解しよう クラス分けの記号について、4桁のアルファベットと数字から構成されます。 例)T33Nの場合 クラス分け記号の見方 1)競技種目:T > 走競技や跳躍競技 2)障がいの種類:30番台 > 脳性の麻痺がある立位競技者と車椅子や投てき台を使用する競技者 3)障害の程度:3 4)クラスステータス:N > (New)これまでクラス分けをされたことがなく、新たにクラス分けをされる者 1)競技種目 左から競技種目・障がいの種類・障がいの程度・クラス・ステータスの順に配置されます。 T(Track):走競技や跳躍競技 F(Field):投てき競技 2)障がいの種類 10番台:視覚障がいのある競技者 20番台:知的障がいのある競技者 30番台:脳性の麻痺がある立位競技者と車椅子や投てき台を使用する競技者 40番台:低身長・脚長差・切断(義足不使用)・関節可動域制限・筋力低下のある競技者 50番台:脚長差・切断・関節可動域制限・筋力低下があり車椅子や投てき台を使用する競技者 60番台:足の切断から義足を装着する競技者 3)障がいの程度 0〜9の数字が割り当てられ、数字が小さいほど障がいの程度は重たくなる 4)クラス・ステータス N(New)これまでクラス分けをされたことがなく、新たにクラス分けをされる者 R(Review)クラス分けをされたが、再びクラス分けを必要とする者 C(Confirmed)クラスが確定された者 まとめ・障がい者スポーツ|脊髄損傷の方が行えるスポーツとクラス分け 脊髄損傷から麻痺が残っても、生活に支障がでる程度は人によって違います。たとえ、重度の障がいが残ったとしても、残存する機能を把握、活かすことでスポーツ活動をされている方はいらっしゃいます。 スポーツに取り組む際には、同じ程度の障がいがあるグループに分けるクラス分けが行われます。クラス分けは、国際的な大会・国内や地域の大会によって規則が変わりますが、どれも参加者が公平に競技に取り組めることを目的に実施されています。 このように障害者スポーツは、障害の程度や状況に応じて競技の規則や、実施方法を変更したり、用具等を使うことで障害を補えるよう工夫されたスポーツであることからアダプテッド・スポーツとも言われます。 初めは、医学上のリハビリテーションを目的として発展してまいりました。 今ではパラリンピックを頂点として大きな隆盛を遂げるなど、障害のある人であってもクラスを分けることで、障がい者同士が競い合い、生きる目標や生きがいを創造することに活かせれば良いと考えます。 このように、たとえ脊髄損傷であってもクラス分けが存在することでスポーツへ参加する道があります。この仕組みを利用すれば単にリハビリに留まらない活き活きとした目標ある人生を過ごすことが可能ではないでしょうか。 以上、脊髄損傷、障がい者スポーツのクラス分けについて記させて頂きました。これからも障がい者スポーツを応援してまいりたいと考えています。 ▼ 脊髄損傷の再生医療|最新の幹細胞治療は、以下をご覧下さい 再生医療は、脊髄損傷の新たな治療法として注目を浴びています
2022.03.25 -
- 健康・美容
介護のリスク!筋肉の衰えが心配な高齢者へ、必要な生活習慣をご説明 加齢は筋肉が衰える大きな原因の一つです。加齢により筋肉が衰えることをサルコペニア、運動機能の低下で介護が必要な状態をフレイル、骨折や関節痛に繋がり日常生活に支障が出る状態をロコモ(ロコモティブシンドローム)といいます。 これらの症状は運動習慣をつけることで筋肉量を増加させ、筋力を上げることで予防することができます。下半身のトレーニングを中心に、身体を動かす時間を作ることが大切です。 また、高齢者は食事の内容が単調になり、必要な栄養素が不足しやすいといわれています。できるだけ多くの種類の食品を摂ることと、よく噛んで食べることを意識してみましょう。 筋肉の低下を「サルコベニア」と呼び、「ロコモ」や「フレイル」の原因に 加齢や栄養状態の低下によって筋肉量が減少し、筋力が低下している状態を「サルコペニア」と呼びます。サルコペニアは、フレイルやロコモ(ロコモティブシンドローム)の原因となり、日常生活に支障をきたす恐れがあるため注意が必要です。 フレイルとは、加齢に伴う運動機能や認知機能の低下によって健康障害や介護が必要な状態になることをいいます。筋肉の衰えだけでなく、食事量の低下による低栄養状態もフレイルに繋がる要素です。 ロコモ(ロコモティブシンドローム)とは、筋肉やバランス機能の衰えによって転倒・骨折しやすくなり自立した生活が送れなくなってしまう危険のある状態です。歩くスピードが遅くなった人や、片脚立ちで靴下を履けない人は知らず知らずのうちにロコモになっている可能性があり、介護リスクが高まる恐れがあります。 筋肉の衰えが嚥下(えんげ)機能の低下に繋がることも 食べ物や飲み物を飲み込むことを嚥下と呼びますが、嚥下の機能にも筋肉が関係します。 嚥下機能が低下すると誤嚥(ごえん)による肺炎(誤嚥性肺炎)のリスクが高くなるため注意が必要です。また、嚥下に使う筋肉が衰えることで食事量が低下、栄養状態の悪化を招きます。 ※誤嚥とは、飲食物や唾液を飲み込んだときに通るべき食堂を通らずに、気道(気管)に入ってしまう状態をいいます。 嚥下機能の低下によって食べられるものが限られると、栄養状態が悪化し筋肉が衰え、更なる嚥下機能の低下を招くという悪循環が生まれるため注意が必要です。 筋肉の衰えを防ぐための食事とは 高齢者が筋肉の衰えを防ぐために特に重要な栄養素は「たんぱく質」です。 たんぱく質は、人間の3大エネルギー源のひとつで、筋肉や内臓など身体を構成する組織の主成分となります。たんぱく質が豊富に含まれている食品には、魚・肉・卵・大豆製品・乳製品などがあります。 ただ、高齢者は食事の内容が単調になり、必要な栄養素が不足しやすいといわれています。おにぎりや麺類など単品メニューだけ食べるのではなく、なるべく多くの種類の食品を取り入れて少量ずつでもバランスよく食べることが大切です。 また、高齢になると料理を作ること自体が難しい場合もあるでしょう。そんな時は、冷蔵庫の中に乳製品や豆腐など簡単に食べたり飲んだりできるものを入れておくと手軽にたんぱく質を摂ることができて安心です。 下半身のトレーニングがおすすめ サルコペニアやフレイル、ロコモを予防するためには、身体を動かすことがとても重要になります。特に、高齢者は普段から足腰や下半身を動かす機会を作ることが自立した生活を送るために大切な要素になっています。 身体を動かす運動によって筋肉量の増加やの筋力をアップさせることができ、内臓の働きも活性化されて食欲にもつながります。また、外に出てウォーキングなどの運動をすることは気分転換にもなって精神状態を安定させることにも効果的です。 外に出て運動するのが難しいという人は、椅子を使う、あまり無理のない形でのスクワットに挑戦するなどでも自宅でもトレーニングができます。 具体的には、椅子に座った状態からゆっくり立ち上がり、またゆっくり座るという動きが椅子を使ったスクワットです。往復10回ほど繰り返すだけで十分なトレーニングになるといわれています。バランス機能に不安がある人は、転倒しないようにテーブルに手をついてやるようにしましょう。 また、壁やテーブルに手をついた状態で片足立ちをするトレーニングもおすすめです。筋力トレーニングをしながらバランス機能も鍛えられます。膝や腰に痛みがあって立ったり座ったりする動きがつらい人は、椅子に座って足を真っ直ぐ伸ばすだけでも大丈夫です。 運動するときの注意点 身体を動かすことが大事とはいっても、誤ったやり方で運動すると逆に筋肉や関節を痛めたり思わぬ事故に繋がったりする危険があります。また、激しい運動を一度に行おうとせず、運動の強度や時間は少しずつ増やすことが大切です。 暑いときや寒いとき、具合の悪いときは無理せずに体調管理を優先させましょう。特に関節や足腰に痛みのある方、高血圧などの持病がある方は、無理して行うのではなく、運動を始める前にかかりつけの医師に相談してからはじめてください。 まとめ・介護のリスク!筋肉の衰えが心配な高齢者へ、必要な生活習慣をご説明 高齢者は、筋肉や運動機能が衰えることで、介護の必要な状態になるリスクが高くなりがちです。さらに、筋肉が衰えることで活動量が減り、ますます身体が動かせなくなるという悪循環に陥る可能性が高くなります。 高齢者が介護のリスクを避けて元気な身体でいきいきと生活するには、食事と運動がとても重要なポイントです。少量でもバランスの良い食事で必要な栄養を摂り、日常生活の中で身体を動かす、運動する習慣を作ることを意識して筋肉を健康な状態にキープしていきましょう。 以上、筋肉の衰えが心配な高齢者が気を付けるべき生活習慣について記させて頂きました。参考にしていただければ幸いです。
2022.03.25 -
- ひざ関節
- 膝の外側の痛み
- 変形性膝関節症
「インターネットで膝の痛みについて検索しても、自分の膝の症状に当てはまるのかわからない」と悩んでいませんか。 自分の膝の痛みは放置しても治るのか、病院で治療を受けるべきなのかが判断できず、不安になることもあるかもしれません。 膝には靭帯や軟骨、筋肉などさまざまな組織が存在し、損傷や炎症を起こしている部位によって疾患名が変わる可能性があります。自己判断が難しい場合もあるため、気になる場合は早めに整形外科の受診も検討しましょう。 本記事では膝の部位ごとに痛みを感じる病気と対処方法を解説します。 記事を最後まで読めば膝の痛みがある部位ごとに疑われる疾患名がわかり、病院に行くべきか判断する際の参考になるでしょう。 「膝が痛む場所」によって診断結果が変わる可能性が高い 結論から言えば、膝の痛みが出ている場所によって、診断される病名は変わる可能性が高いでしょう。 膝には靭帯や軟骨、筋肉などさまざまな組織があり、どの組織が損傷・炎症しているかによって疾患名が変わるためです。 言い換えると、痛みが出る部位が明確であれば、損傷・炎症している膝の組織や疾患名も予測しやすいといえます。 「膝の内側」が痛む2つの病気 膝の内側が痛い場合は、以下2つの病気が考えられます。 変形性膝関節症 鵞足炎 膝の内側の痛みに悩んでいる方は、自分自身の症状に当てはまるかチェックしてみましょう。また、変形性膝関節症と鵞足炎の詳細については、以下の記事もご参照ください。 変形性膝関節症 変形性膝関節症とは、関節の軟骨がすり減ることで膝関節が変形していく病気です。加齢や筋力低下のほかにも、骨折•感染症も原因となる可能性があります。 主な症状は変形した関節の痛みや可動域の制限、関節水腫などです。初期症状では痛みがある程度ですが、進行していくにつれて変形が大きくなり、炎症反応がみられるようになります。 末期になれば変形が強く関節面がゆがむために関節可動域制限が大きくなり、日常生活に支障がでることも珍しくありません。 鵞足炎 鵞足炎とは、膝の内側に付着する筋肉の腱が炎症を起こす病気です。 ダッシュからのストップやジャンプ動作を繰り返すことで生じる、いわゆるオーバーユース症候群に分類されます。スポーツ選手に多く発症しますが、階段の上り下りや長距離歩行が多い人に発症することも少なくありません。 主な症状は歩くときや椅子からの立ち上がりなど、足に力を入れたときに膝の内側、下方に生じる痛みです。重症化すると荷重時だけでなく、安静時にも痛みを感じることがあります。 「膝の外側」が痛む2つの病気 実際に膝の外側が痛い場合、以下に挙げる2つの病気が考えられます。 腸脛靭帯炎 外側半月板損傷 膝の外側に痛みを感じている方にはこれらの病気が当てはまるかもしれません。痛みで悩んでいる方はぜひチェックして、ご自身の症状と比較してください。 腸脛靭帯炎 腸脛靭帯炎とはランナー膝とも呼ばれ、膝の外側にある腸脛靭帯という組織に炎症がみられる病気です。 膝の曲げ伸ばしを繰り返すことで腸脛靭帯が膝の外側の出っ張り(大腿骨外顆)とこすれ、摩擦によって炎症が起きます。そのため、ランニングなど膝の曲げ伸ばしが多いスポーツが主な原因です。 症状は膝の外側の痛みで、初期では膝を動かしたときのみに痛みを感じます。重症化してくると安静時にも痛みを感じるようになり、痛みがなかなかひきません。 外側半月板損傷 外側半月板損傷とは、大腿骨(太ももの骨)と脛骨(脛の骨)の間にあるクッションの損傷です。 膝関節の内側と外側にそれぞれありますが、外側にある半月板の損傷が膝の外側の痛みにつながります。損傷の原因はスポーツや日常生活のなかで膝の外側に大きな負担がかかり続けることや、加齢に伴う関節の変性、筋力低下などです。 外側半月板損傷では痛みのほか、関節可動域の制限がみられます。関節運動が不安定になり、膝の曲げ伸ばしの途中で半月板が引っかかることで動かなくなる「ロッキング」も外側半月板損傷の特徴です。 「膝の上側」が痛む2つの病気 膝の上側に痛みを出す病気で考えられるものは以下の2つです。 大腿四頭筋付着部炎 膝蓋大腿関節症 膝の曲げ伸ばしなどで膝の上に痛みを感じる人はこれらの病気が当てはまる可能性があります。自分の症状と照らし合わせてみてください。 また、膝の上の痛みについては以下の記事でも解説していますので、気になる方はこちらもチェックしましょう。 大腿四頭筋付着部炎 大腿四頭筋付着部炎とは、太ももの前にある大腿四頭筋が付着する膝蓋骨(膝のお皿)上部に痛みを生じる病気で、ジャンパー膝とも呼ばれます。 いわゆるオーバーユース症候群に分類され、大腿四頭筋を使いすぎることが原因です。ジャンプ動作やダッシュを繰り返すスポーツ選手に多く発症します。 初期症状ではスポーツ時に限定される痛みが特徴ですが、悪化すると歩行や階段昇降など日常生活でも痛みを感じるようになります。 大腿四頭筋付着部炎(ジャンパー膝)の原因や治療は、以下の記事も参考にしてください。 膝蓋大腿関節症 膝蓋大腿関節症は、大腿骨と膝蓋骨の間にある軟骨が変性することで痛みや関節可動域制限が生じる病気です。 膝の運動に伴い上下に動く膝蓋骨の軟骨が変性することで動きが悪くなり、関節の変形へとつながります。 主な原因は加齢と膝蓋骨の骨折・脱臼です。これらの原因によって膝蓋骨の軟骨が変性、摩耗し、膝の上部に痛みが生じます。 また、膝蓋骨の動きが悪くなることで膝全体の可動域が制限されることもあるでしょう。 「膝の裏側」が痛む2つの病気 膝の裏側に痛みが出る場合に疑われるのは、以下の2つの病気です。 関節リウマチ 膝靭帯損傷 これらの病気は放置すると危険なため、膝の裏側に痛みを感じる方は注意が必要です。ご自身の症状とこの2つの病気が当てはまるかどうか必ずチェックしてください。 また以下の記事も参考にしていただけると幸いです。 関節リウマチ 関節リウマチは、関節の中にある滑膜という組織がなんらかの原因で異常増殖し、炎症を起こす進行性の疾患です。 症状が進行すると関節が破壊され、痛みや関節の変形を伴います。全身の関節に起こる病気ですが、膝であれば膝裏にも痛みを感じることが特徴的です。 関節リウマチは自己免疫疾患だと考えられていて、発症する原因はわかっていません。しかし、30〜40代の女性に発症しやすい傾向があります。 早期発見・早期治療によって症状の進行を抑えることが重要な疾患です。 膝靭帯損傷 膝靭帯損傷は膝にある4種類の靭帯のいずれかが損傷する疾患で、膝の裏の痛みではとくに後十字靭帯損傷が疑われます。 後十字靭帯損傷は事故やスポーツによって損傷しやすい靭帯で、損傷すると膝裏の痛みや膝の伸ばしにくさが出るのが特徴です。 後十字靭帯は自然治癒が難しいため、損傷すると時間経過とともに元どおりになることがありません。すぐに手術をする必要はありませんが、サポーターなどの装具での補強やリハビリが必要です。 【場所別】膝が痛むときの対処法 膝の痛みは、痛む場所によって対処法が異なります。主な対策は以下のとおりです。 膝の内側が痛む場合は「膝に負担をかけないようにする」 膝の外側が痛む場合は「股関節の運動を心がける」 膝の上側が痛む場合は「ストレッチと筋トレを行う」 膝の裏側が痛む場合は「無理をせず医療機関を受診する」 本章を参考に、自分の膝の痛みに合った対処法を試してみましょう。 膝の内側が痛む場合は「膝に負担をかけないようにする」 膝の内側が痛い場合は、「鵞足炎」もしくは「変形性膝関節症」の可能性があるため、膝関節へ負担をかけないことが大切です。 病名によって対処法がやや異なるため、以下の表を参考に試してみましょう。 病気名 対処法 鵞足炎 ・安静にすること ・鵞足につく太ももの内側・裏側の筋肉をストレッチする ・お尻の筋力強化 変形性膝関節症 ・適切な体重にコントロールする ・膝の筋力強化 ・痛み止め(消炎鎮痛剤)の服用 これらの疾患は圧痛の位置によっておおまかに見分けられます。 鵞足炎では膝の内側・下方に圧痛があるのに対し、変形性膝関節症では大腿骨と脛骨の関節面付近に圧痛があります。 圧痛の場所を確認し、可能性のある疾患を見極めた上で適切な対処を行いましょう。 膝の外側が痛む場合は「股関節の運動を心がける」 膝の外側に痛みを感じる場合「腸脛靭帯炎」もしくは「外側半月板損傷」が考えられます。これらの疾患への対処法として、股関節周囲の筋力強化やストレッチが重要です。 腸脛靭帯は股関節の外側から膝に向かって伸びている靭帯で、膝を支える役割がある組織です。お尻の筋肉とつながっているため、股関節の筋力強化やストレッチで強くしなやかになり、腸脛靭帯炎の予防になるでしょう。 外側半月板は膝の中にあるクッションで2つある半月板のうち、外側にあるものを指します。身体の外側に体重がかかると外側半月板の負担になるため、股関節の筋力強化・ストレッチを行い、体重のかかり方をコントロールする必要があります。 股関節を捻るストレッチやあぐらをかくストレッチが効果的です。筋力強化は仰向けでのお尻上げやスクワットといったお尻の筋肉に力をいれるトレーニングを取り入れてください。 また、どちらの疾患もオーバーユースが要因となるため、痛みが強いときには安静も重要です。 膝の上側が痛む場合は「ストレッチと筋トレを行う」 膝の上に痛みを感じる場合「大腿四頭筋付着部炎」や「膝蓋大腿関節症」の可能性があるため、太ももの筋肉の柔軟性を高めましょう。 大腿四頭筋付着部炎と膝蓋大腿関節症は大腿四頭筋の柔軟性が低下することで発症しやすくなります。膝を深くまで曲げるストレッチや、足を後ろに引いて骨盤を前に出すストレッチで大腿四頭筋の柔軟性が高まるでしょう。 また、ストレッチだけでなく筋力強化も重要です。大腿四頭筋を強化することで膝蓋骨の動きがスムーズになり、また付着部の炎症も起きにくくなります。仰向けでの脚上げやスクワット、段差昇降が有効なため、ぜひ試してみてください。 なお、大腿四頭筋のストレッチの詳しいやり方はこちらでも解説しています。ぜひご覧ください。 膝の裏側が痛む場合は「無理をせず医療機関を受診する」 膝の裏に痛みを感じるときは「関節リウマチ」や「膝靭帯損傷」が疑われます。自分での対処が難しいケースがほとんどであるため、可能な限り早く整形外科を受診しましょう。 整形外科を受診する場合には、MRIがある施設がおすすめです。MRIがあれば関節の変形や炎症の程度がわかるため、適切な診断を受けられます。 また、関節リウマチを疑う場合には採血も必要なため、受診する前に採血が可能か問い合わせておくと安心です。 まとめ|膝の痛みは場所によって原因が違う!気になる人は早めの受診がおすすめ 今回は膝が痛む場所からわかる膝の病気について詳しく解説しました。 個々の経過や受傷状況などによって専門医による診察が重要であることはいうまでもありませんが、膝の痛む場所によってそれぞれ特徴的な膝の病気があることも事実です。 もし膝の痛みの原因が自分で特定できない場合は、病院で受診することをおすすめします。 また、当院「リペアクリニック」では、膝の痛みに関する治療法として、再生医療を行っています。 2023年12月には、国内初の「分化誘導による関節の再生医療」による治療を厚生労働省に特許申請し、受理されました。 「分化誘導による関節の再生医療」は、従来より高い再生能力を持った幹細胞による治療であり、幅広い膝疾患への効果が期待できます。 膝の痛みにおいて、手術以外の選択肢を持ちたいと考えている方は、ぜひ当院の「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」からご相談ください。 この記事が、膝の痛みの原因や対処法を知り、適切な治療を受けるための参考資料になれば嬉しく思います。 膝の痛みについてよくある質問 膝の痛みの原因はなんですか? 損傷・炎症がある組織によって異なります。 膝の痛みは靭帯や軟骨といった組織が損傷・炎症を起こすことで生じます。これらの組織は部位によって違うため、痛みの部位だけでは原因組織の断定はできません。 そのため、原因を特定するためには病院を受診しましょう。とくにMRI検査をすれば詳細な組織の評価ができるため、MRI撮影ができる施設がおすすめです。 膝が痛むとき受診は必要ですか? 受診することをおすすめします。 もし痛みの原因が軟骨や靭帯である場合、自然治癒が見込めません。そのため、正しい治療をしなければ痛みが長引く可能性があります。 病院を受診して痛みの原因を特定できれば、痛みの改善に向けた正しい治療が受けられるでしょう。また、再発防止に向けたアドバイスももらえるため、可能なら早めの受診をおすすめします。
2022.03.23 -
- 足底腱膜炎
足底腱膜炎はスポーツをするしないに関わらず発症します 足底腱膜炎(そくていけんまくえん)をご存知でしょうか。 足底腱膜炎は、足を使うスポーツで多く見られる疾患なのですが、実はスポーツなど足を酷使する以外にも色々なことが原因となって発症します。そもそも足底腱膜は足指の付け根部分から踵に向かって張られた存在で足底をアーチ状に保っている腱膜です。 この部分が炎症を起こすことで足底腱膜炎が発症します。 スポーツ以外、発症原因の一例 普段履いている靴が合わない 加齢などで足の筋力が低下する 体重が増えてしまうことで足への負荷が増加 足首の関節が硬くて足裏への負荷がかかりやすくなっている このように、足底腱膜炎はスポーツをするしないに関わらず日常生活のちょっとしたことが原因に発症することもあるので、足の裏が突然痛くなったけど、痛くなった原因、思い当たることがないというケースも出てきます。 足底腱膜炎は、放置して治る場合もあるけど逆もある 足底腱膜炎は、症状が軽いものであれば、原因となっているものを取りのぞいたり、正しいケアや治療をすることで痛みは治まることがほとんどです。このような場合、放置していても治る可能性が高いのですが重い、軽いといった症状に対する自己判断は慎重にしましょう。 できるだけ安静にし、歩く、走るなどの動作をする際にはインソールやサポーターなどを活用してなるべく負担がかからないようにするのが、早く治すための基本です。 また、自分の足に合った靴を選ぶ、減量や足の筋力アップなどで、足への負担を軽減するなども再発・悪化を防ぐために必要です。ただし、軽症ではなかった場合や、軽症でも十分なケアをしないまま、「痛いけど我慢できる」から…と放置しておくと悪化することもあるため注意が必要です。 いくら軽くても無理をすると治りきらず、慢性化して痛みが強くなることもあるため、症状が軽いうちにできれば医師などの治療や指示を受けるなどの対処をおススメします。 重症化した足底腱膜炎の治し方 他の病気やけがと同じように、足底腱膜炎も軽症であればそれだけ治る可能性も高くなりますし、重症化すればそれだけ治るのは難しくなってしまいます。 安静にして薬物療法などでも症状が改善させないほど重症化した場合は、手術という選択肢もありますが、最近ではスポーツ医療の発展によって手術以外の治療法も選択できるようになっています。 例えば、メスを入れる必要がない衝撃波治療や、自分の細胞を使って損傷した部位の修復を図る再生医療などの方法があります。 足底腱膜炎を改善するインソールとテーピング 足底腱膜炎の治療法としてよく行われるのがインソール(靴の底敷き)による装具療法です。足の裏にある足底腱膜は、歩き出したり走り出したりするために足を蹴り出す際に引っ張られて負荷がかかります。 また、立っている時や足が着地した時にも重みや衝撃で圧迫されて負荷がかかります。そんな場合にインソールを装着することで、こうした負荷を分散させることができ、結果、痛みを緩和させる効果が期待できます。 この方法が、「インソールによる装具療法」です。インソールを使った装具療法は非常に有効ですが、インソールは靴を履いていない室内では使用することができないという欠点があります。 そのような場合は、テーピングをするという方法もあります。 足底腱膜炎対策としてテーピングが有効な理由 足底腱膜炎対策にテーピングを使用するといろいろな効果が期待できます。例えば、テーピングで筋肉を伸ばすことで、足底腱膜炎で硬くなった筋肉をやわらかくすることができます。 また、扁平足の人の場合は、踵が内側へ倒れることで足底腱膜に大きな負荷がかかりやすいのですが、土踏まずが高くなるようにテーピングすることで負荷を軽減することができます。 逆に土踏まずが高くなりすぎている人は踵が外側に倒れることで足底腱膜に大きな負荷がかかりやすいので、外側に倒れにくくするようにテーピングを使用すると負荷を軽減させることができます。 足底腱膜炎対策でテーピング使用する時の注意点 足底腱膜炎の対策にテーピングは有効ですが、テーピングを毎日長時間使用していると肌かぶれることがあります。特に肌が弱い人は気をつけましょう。必要がない時は外すようにするとよいでしょう。 かぶれが気になる人は皮膚を保護するアンダーラップを巻いてからテーピングを使用するのもおすすめです。また、テーピングの頼り過ぎにならないように、痛みが治まったらテーピングの使用はやめましょう。 テーピングも自己判断で行うのではなく専門家の指示を受けて、行い方、力加減、その他の注意事項等指導を受けて、どのように行えば良い(効果的)のか理解して行いましょう。 まとめ・足底腱膜炎はスポーツをするしないに関わらず発症します 足底腱膜炎はスポーツ以外でも発生します。足底腱膜炎は正しい処置をすれば多くのケースで治ることが期待できます。 悪化してしまった場合もさまざまな治療法を選択することができますが、やはり予防をして足底腱膜炎にならないようにした方が良いですし、もし足底腱膜炎になってしまったら症状が軽いうちに治してしまうようにしましょう。 「土踏まずが痛い」「踵が痛い」「歩くときに足の裏が痛い」といった足底腱膜炎に悩まされている人はたくさんいると思います。足底腱膜炎は安静にしておくのが一番ですが、なかなか思うように足を休ませることができないという人も少なくないでしょう。 そのような場合、対処法の1つとしてテーピングがおすすめです。そこで、ここでは足底腱膜炎にテーピングが有効な理由やテーピングを使用する時に注意すべき点について紹介します。 足底腱膜炎の対策としてテーピングが有効であることや、テーピングを使用する時の注意点について紹介しました。 近年では、スポーツ医療も進歩していてインソールやテーピングもいろいろな種類や機能の高いものがたくさんあります。ただ、素人判断では回復が遅くなるばかりか、誤った方法で症状が悪化する危険性もあります。 足底腱膜炎の痛みを何とかしたいという人は、病院をはじめ、整形外科等で専門医に相談し、インソールやテーピングが必要な場合はその助言を得て治療を薦めることをおススメします。 ▼ スポーツ外傷(筋・腱・靭帯損傷)に対する再生医療 当院の再生医療は、スポーツ選手のパフォーマンス(QOL)を維持する治療を推進しています
2022.03.18 -
- 肝疾患
- 内科疾患
脂肪肝の改善に向けて その原因と症状、治療法について解説します 肝臓に中性脂肪が貯留した状態を「脂肪肝」と言います。この疾患はメタボリック症候群に合併しやすいことが指摘されており、放置すると肝炎などを引き起こして重症化するため注意が必要です。 脂肪肝とは、一言で言うと肝臓内に中性脂肪を始めとした脂質成分などが異常蓄積する状態を指しており、通常では日々の生活習慣において栄養バランスの偏った食生活や慢性的な運動不足などが原因で引き起こされます。 一般的に、脂肪肝という病気には飲酒をしすぎる場合に発症するアルコール性、あるいはアルコールを多量に摂取していないけれども引き起こされる非アルコール性脂肪性肝疾患(略称:NAFLD)に分類されます。 このNAFLDは、さらに細かく分けると病状があまり進行しない種類の非アルコール性脂肪肝(略称:NAFL)と、その逆に肝炎へ進展しやすいことが問題視されている非アルコール性脂肪性肝炎(略称:NASH)に分類されます。 脂肪肝 アルコール性 過度の飲酒が原因 非アルコール性脂肪性肝疾患 略称:NAFLD 飲酒を原因としない 非アルコール性脂肪肝/略称:NAFL 症状が進行しずらい 非アルコール性脂肪性肝炎/略称:NASH 肝炎に進行しやすい 脂肪肝は基本的には無症状のままで経過することが多く、健康診断などで初めて指摘される方も少なくありませんが、本疾患を放置しすると約1~2割の頻度で「肝炎、肝硬変、肝細胞がん」へと病状が悪化するケースも散見されるため注意が必要です。 この病気は生活習慣と関連して発症することが多いことが判明しており、肝硬変などに進行していない状態であれば普段の生活習慣を見直すことで肝臓の機能が改善することも十分に期待できます。 今回は、脂肪肝とはどのような病気なのか、その原因、症状、検査、脂肪肝を改善するための情報を中心に詳しく解説していきます。 脂肪肝の原因 脂肪肝を引き起こす主要な原因としては過食と多量の飲酒習慣です。 それ以外にも、糖尿病、基礎疾患に対するステロイド剤の長期服用、栄養障害による代謝異常なども本疾患を発症させる原因になることが判明しています。 導入でも触れましたが、特にアルコールではなく過度の食事摂取などが原因で脂肪肝から肝炎や肝硬変に進展するタイプを「NASH(非アルコール性脂肪性肝炎)」と呼称しており、近年では年々罹患率が増加していることから特に注目を浴びています。 アルコール性の脂肪肝に関しては当然のことながら過剰な飲酒習慣が継続されることによって発症すると伝えられている一方で、非アルコール性の脂肪肝ではその背景に肥満やメタボリックシンドロームなどが潜在して引き起こされることが通常です。 その他にも、やせ過ぎ、遺伝的な代謝疾患、妊娠を契機として様々な原因や経過によって脂肪肝が引き起こされることも報告されています。 脂肪肝の原因の一例 過食 過度の飲酒 糖尿病 ステロイド剤の長期服用 栄養障害(代謝異常) 肥満、メタボリックシンドローム 痩せすぎ、遺伝的代謝疾患、妊娠 その他 脂肪肝の症状 脂肪肝の初期には、ほとんど自覚症状はなく、顕著な症状が現れにくい状態でもあります。脂肪肝が悪化して、やがて肝炎を起こして肝硬変に進行して初めて食欲不振や倦怠感、右上腹部痛などの有意な症状が出現するようになる傾向があります。 これらの病気が進行すると、手足の浮腫所見や体が黄色く染まる黄疸、あるいは腹水貯留などの症状が出現しますし、仮に肝臓への血流が停滞して門脈圧が上昇しすぎると食道静脈瘤を形成して命に係わる場合も考えられます。 このように、脂肪肝は進行すると重篤で致命的な症状が現れる可能性がある疾患ですので、無症状でも指摘された際には放置することなく医療機関を受診するように心がけましょう。 脂肪肝の状況 近年の肥満人口の増加に伴って過剰な栄養摂取による脂肪蓄積を原因とする非アルコール性脂肪性肝疾患 (non‐alcoholic fatty liver disease:略称NAFLD) が世界的にみて患者数が増えていると言われています。 NAFLDの中でも単純な脂肪肝の場合には一般的に予後良好とされています。 ところが、肝臓レベルでの炎症や線維化を主徴とする過度のアルコール摂取歴が関与しない脂肪性肝炎 (non‐alcoholic steato‐hepatitis: 略称NASH)については肝硬変や肝細胞癌に進展する重症なタイプであると考えられています1)。 脂肪肝の検査 仮に健康診断などで脂肪肝を指摘されて医療機関を受診して実施された血液検査で肝数値などの異常所見が認められた場合には、肝臓の状態をより詳細に精査するために腹部超音波検査やCT検査、MRI検査などを始めとした画像をもって評価が実行されるでしょう。 それ以外にも肝細胞を採取する肝生検という処置が行われて、それによって得られた細胞の特性を顕微鏡で詳しく調査することによって病気の進展度や悪性所見の有無などが確実にアセスメントすることができます。 基本的には、摂取したエネルギーが消費するエネルギーを上回ると余分なエネルギーが自然に発生して中性脂肪につくり替えられて肝臓にも貯蔵されることが知られていることから、肝細胞の30%以上で中性脂肪が沈着していると原則脂肪肝と診断されます。 ▼肝臓の再生医療について再生医療というアプローチもあります。 肝臓(肝炎・肝硬変)の再生医療・幹細胞治療 脂肪肝の改善に向けて 脂肪肝は、その原因や発症機序によって治療方針が異なります。生活で注意すべき視点も柔軟に変化させる必要があります。アルコールが原因で脂肪肝に罹患した場合には、当然ですが日々の生活においてアルコール摂取量を減らすことが肝要です。 また、非アルコール性脂肪性肝疾患のように肥満やメタボリックシンドロームなどが背景として存在している際は、運動して減量する、食事量を調整するなどの対策が必要となります。 脂肪肝の治療では、一度生活習慣を是正出来たとしても元通りの生活リズムに戻ってしまうと脂肪肝が再発してしまうこともあり、日常的に運動療法や食事治療などを楽しむ心意気を持ちながら、決して無理しない範囲で継続することがキーポイントとなります。 脂肪肝を指摘された際には、放置せずに早めに医療機関を受診して確実な治療に結び付けることが重要な視点となります。 アルコールが原因で脂肪肝に罹患した場合の改善ポイント 日々の生活においてアルコール摂取量を減らす 肥満やメタボリックシンドローム(非アルコール性脂肪性肝疾患)の改善ポイント 運動して減量する、食事量を調整する 生活習慣の見直しで好転しても元の生活リズムに戻らないようにする改善ポイント 日常的に運動療法、食事治療を楽しみ無理せず継続できるよう心がける まとめ・脂肪肝の改善に向けて その原因と症状、治療法について 今回は脂肪肝とはいったいどのような病気なのか、また本疾患の原因、症状、検査、治療、そして改善のポイントについて解説いたしました。 脂肪肝は、肝臓に中性脂肪や脂質などの成分が蓄積する状態でバランスが偏った食生活や運動不足が原因で発症します。 健康診断や人間ドックで肝機能の数値で異常が発見されることが多く、初期の段階ではほとんど自覚症状が無いのが特徴的ですが病状が進行すると倦怠感、腹部膨満感、食欲不振などの有意症状が出現する場合もあります。 この病気に対する基本的な治療策としては、主に生活習慣の改善、食事療法や運動療法になります。 そのたには定期的に主治医や、かかりつけ医と相談しながら肝機能の数値を検査して自分の状態を適切に把握していくことが改善に向けての重要な観点になります。 今回の記事の情報が少しでも参考になれば幸いです。 ▼以下にも脂肪肝に関する記事がございます 脂肪肝を改善するために食べてはいけないもの
2022.03.17 -
- 手部
- 手部、その他疾患
TFCCとは「三角線維軟骨複合体(Triangular Fibrocartilage Complex)」の略です。 手首の小指側にある関節の病気で、転倒時に手をついたり、ひねったりして引き起こされる障害です。 そもそも「三角線維軟骨複合体」とは、手首の小指側にあるぐりぐりした関節部に存在している軟部組織を指しています。 中には転倒した影響により手首をひねって痛いと感じている人もいるでしょう。 今回はTFCC損傷とはどのような病気なのか、その原因、症状、治療方法などに関する情報を中心に詳しく解説していきます。 そもそもTFCC損傷とは? TFCC損傷とは、橈骨と尺骨の遠位端同士および尺側手根靭帯とを接合している靭帯が損傷している症状を指します。 橈骨と尺骨、それぞれの違いは以下の通りです。 橈骨(とうこつ) ひじから手首まで2本ある前腕骨のうち、前腕の親指側の骨を指す 尺骨(しゃっこつ) ひじから手首まで2本ある前腕骨のうち、小指側にあり、橈骨と平行している骨を指す 解剖学的に前腕部の橈骨と尺骨間には複数の靭帯があり、これらの骨を支持しています。 前腕の手首側の遠位部に位置するTFCCが損傷してダメージを受けると、手関節全体において機能障害を引き起こす点が懸念されています。 中には転倒して手首をひねると痛いと感じる人もいるでしょう。 以下の記事ではTFCC損傷が起きる場所や痛みの症例を解説しているので、あわせてご覧ください。 尺骨茎状突起が出てる人によくある発症の原因 TFCC損傷の1つである「尺骨茎状突起」が出てる人によくある発症の原因は、主に交通事故や自転車走行中の転倒です。 手関節部に対する強い衝撃や手首における過剰な負荷の繰り返し動作によって引き起こされるケースも、よくある発症の原因です。 交通事故で発症する以外にも、以下のような日常生活でも起こる可能性があります。 スポーツ テニス、バドミントン、ゴルフ、野球など(道具を用いて強振) 職業 重い荷物の持ち運び、料理(重いフライパン) 加齢 手関節の変性 その他 解剖学的な異常 他にも、外傷を認めず尺骨が橈骨に対して長くなる解剖学的な異常(尺骨突き上げ症候群)によっても引き起こされるケースもあります。 TFCC損傷の症状は主に以下のような症例が挙げられます。 ・手関節尺側(小指側)の動作時痛 ・前腕をひねる動作(回内外)の可動域制限手関節部のなかでも「尺骨茎状突起」と呼ばれる部位に局所的に疼痛を認めるケースがあり、TFCC損傷における症状の特徴の1つです。 患部の靭帯が損傷し、関節面の不安定性に伴って軟骨同士の適合性が悪化します。 「disc」と呼ばれる円盤状の軟骨組織が断裂した結果、痛みを伴うのです。 ・タオルを絞る ・運転時に車のカギを回す ・ドアノブを回す など 手首を捻るような動作をした際に手関節部のとくに尺骨側(小指側)において疼痛症状が顕著になって出現します。 物を持つ際に手関節部に強い痛みを感じて力が入らないケースもあるので、掌を上側に向けると少し軽減すると知られています。 転倒した影響により手首をひねると痛い人や手首に痺れを感じている人は、以下の記事で治療法を詳しくまとめました。 仕事復帰までの期間も含め、気になる人はぜひご覧ください。 なお、尺骨茎状突起が出てる人は他にも多くの骨折症状があります。 レントゲン撮影が一般的な検査方法なので、違和感がある人は医療機関でも受診をおすすめします。 TFCC損傷の診断方法と治療方法 尺骨茎状突起が出てる人を含め、転倒して手首をひねると痛いと感じる人に向けて、TFCC損傷の診断方法と治療方法を解説します。 転倒して手首をひねった人や日常生活を送る上で違和感がある人は、ぜひ参考にしてください。 TFCC損傷の診断方法 尺骨茎状突起が出てる人を含めTFCC損傷が起きている場合、レントゲン撮影による検査が大半です。 ・肘頭骨折 ・尺骨骨幹部骨折 など 上記のような骨折が発症していて尺骨茎状突起が出てる人であれば、診断自体は容易です。 しかし、尺骨茎状突起が出てる人の症状は、該当部位が小さい可能性もあるので、レントゲン撮影のみでは見逃されてしまう恐れがあります。 TFCC損傷の診断方法はレントゲン撮影が大半ですが、MRI検査もおすすめの選択肢です。 当院ではメール相談だけでなく、オンラインカウンセリングも実施しているので「どの検査にすべきか話し合いたい」人はぜひ、気軽にご連絡ください。 治療方法①初期段階の場合 TFCC損傷を患った場合の初期的な治療としては、以下の方法が用いられます。 ・運動を中止する ・サポーターやギブスによって患部を固定し局所の安静を図る ・消炎鎮痛剤などの服薬治療をする など 装具を用いた治療方法に関しては軟骨の変性を悪化させないため、あるいは橈骨尺骨間の可動性を正常に復帰させるためにもおすすめです。 治療方法②疼痛症状がひどい場合 疼痛症状がひどいケースでは、局所麻酔剤を含有して炎症を抑制する効果を狙ってステロイド注射を実施します。 数カ月単位で症状が改善するのを期待する治療方法です。 数カ月間に渡って治療策が奏効しない際には、手術加療が検討されます。 最近では、TFCC損傷している部位が深い場所にあって組織自体も小さいために切開手術よりも術野がよく確保できるようになっています。 関節鏡や内視鏡を用いて病変部位の縫合処置や部分切除術なども頻繁に実施されるようになってきているのです。 まとめ・TFCC損傷の症状が出たらすぐに診断を! 今回はTFCC損傷とはどのような病気なのか、その原因、症状、治療方法などを詳しく解説しました。 TFCC損傷とは、遠位橈尺関節を安定化させている支持組織である三角線維軟骨複合体が転倒して発症するケースが大半です。 手をついたり、ひねったりするなどの外傷やスポーツや作業で繰り返される過度の負担などでストレスがかかり、手関節部に疼痛症状が出現する疾患です。 尺側手関節痛の原因疾患は多岐に渡ります。 万が一普段の日常生活で手首の小指側が痛みを覚え、安静にしてもなかなか症状が改善しない人は最寄りの手外科専門医の診察を受けましょう。 ▼ TFCC損傷等のスポーツ外傷(筋・腱・靭帯損傷)に対する再生医療 当院の再生医療は、スポーツ選手のパフォーマンス(QOL)を維持する治療を推進しています
2022.03.17 -
- 腱板損傷・断裂
- インピンジメント症候群
- 肩関節、その他疾患
- 肩関節
「ただの肩こりだと思っていたけど、なかなか痛みが治まらない…」 「何かの病気かもしれない…」 そんな肩の痛みに不安を感じていませんか? 肩の痛みは肩こりや筋肉疲労・加齢によるものが多いですが、病気が関係している場合もあります。 また、肩の痛み(肩こり)はがんの初期症状として起こるケースもあり、痛みが数週間続く場合や、夜間に痛みが強くなる場合は注意が必要です。 本記事では、肩の痛みと病気の関係性、がんによる肩の痛みの特徴について解説し、注意すべき症状のポイントも紹介します。 肩の痛みで悩んでいる方や、病院に行くべきか悩んでいる方はぜひ参考にしてください。 肩の痛みの原因として疑われる病気 肩の痛みは、多くの場合「単なる肩こり」として片付けられがちですが、実は深刻な病気が隠れている可能性もあります。 とくに、痛みが長引く、夜間痛がある、腕の動きに制限が出る場合は注意が必要です。 広く知られている代表的な病気として、以下の3つがあります。 肩関節周囲炎 肩峰下インピンジメント症候群 腱板断裂 次に、それぞれの病気の原因・検査・治療について解説いたします。 肩関節周囲炎 肩関節周囲炎は、一般的に「四十肩」や「五十肩」とも呼ばれ、肩の関節や周囲の組織に炎症が起こることで痛みや可動域の制限が生じる病気です。 とくに、40〜50代以降に多く見られ、肩を動かすたびに痛みが走ることが特徴です。 肩関節周囲炎の原因 肩関節周囲炎の原因は明確には分かっていませんが、加齢に伴う組織の変性が関与していると考えられています。 肩の腱や関節包(関節を包む膜)が炎症を起こし、組織が硬くなってしまうことで、痛みと動きの制限が生じます。 肩関節周囲炎の多くは以下のような要因が関係しています。 加齢による組織の変化:肩の腱や関節包が硬くなりやすくなる 過度な肩の使用:スポーツや仕事などで肩を酷使することが影響 長期間の不動:ケガや手術後などで肩を動かさない期間があると発症しやすい 糖尿病などの基礎疾患:糖尿病の人は発症リスクが高い 肩関節周囲炎の検査 肩関節周囲炎の診断は、問診と身体診察を中心に行います。 医師が肩の動きをチェックし、特定の動作で痛みが出るかどうかを確認し、以下の検査が行われることがあります。 X線(レントゲン)検査:関節の変形や石灰沈着の有無を確認 超音波検査:腱や靭帯の炎症や損傷を評価 MRI検査:肩腱板の損傷や炎症の程度を詳しく調べる 肩関節周囲炎の治療 肩関節周囲炎の治療は、症状の程度に応じて行われます。 通常、次のような保存療法(手術をしない治療)が中心となります。 痛みのコントロール 消炎鎮痛剤(NSAIDs)の服用 ステロイド注射(炎症が強い場合に有効) リハビリ・運動療法 ストレッチ:肩の可動域を広げる運動 温熱療法:温めることで血流を改善し、筋肉の緊張を和らげる 理学療法:専門家の指導のもとで行うリハビリ 肩峰下インピンジメント症候群 肩峰下インピンジメント症候群は、肩を動かした際に肩の腱板(けんばん)や滑液包(かつえきほう)が肩峰(けんぽう)と衝突(インピンジメント)し、炎症や痛みを引き起こす疾患です。 とくに、腕を上げる動作で痛みが強くなり、スポーツや日常生活に支障をきたすことがあります。 肩峰下インピンジメント症候群の原因 肩峰下インピンジメント症候群の主な原因は、肩関節の構造や動きの異常により、腱板や滑液包が繰り返し圧迫されることです。 具体的には、以下の要因が関係しています。 過度な肩の使用:野球やテニス、水泳など、肩を頻繁に使うスポーツによる負担 肩関節の不安定性:筋力低下や不適切な肩の動作が原因で、腱板への負担が増える 加齢による変化:40歳以上で腱板が弱くなりやすく、衝突が起こりやすい 骨の形状異常:肩峰の形が先天的に鋭利な形をしている場合、腱板が圧迫されやすい 肩峰下インピンジメント症候群の検査 肩峰下インピンジメント症候群の診断では、医師による問診と身体診察が重要で、以下のような検査が行われます。 Neer(ニア)テスト・Hawkins(ホーキンス)テスト 腕を特定の角度に持ち上げた際に痛みが出るかどうかを確認するテスト X線(レントゲン)検査 肩峰の形状や骨の異常を確認し、肩関節の構造的な問題をチェック 超音波検査・MRI検査 腱板や滑液包の炎症・損傷の有無をより詳しく評価 肩峰下インピンジメント症候群の治療 治療は、保存療法(手術をしない方法)が基本となりますが、重症例では手術が検討されることもあります。 ◆保存療法(軽症〜中等症の場合) 安静と負荷の軽減:痛みが強い場合は、過度な動作を控える 消炎鎮痛剤(NSAIDs):痛みと炎症を抑える ストレッチ・筋力強化:肩甲骨周りや腱板の筋肉を鍛えるリハビリ ステロイド注射:炎症が強い場合、一時的に痛みを和らげるために使用 ◆手術療法(重症例の場合) 保存療法で改善しない場合、関節鏡を用いた肩峰下除圧術(肩峰の一部を削る手術)などが検討される 腱板断裂 腱板断裂(けんばんだんれつ)は、肩関節を支える筋肉の腱(腱板)が部分的または完全に切れてしまう疾患です。 とくに中高年に多く見られ、肩の痛みや腕の上げづらさが特徴です。 放置すると肩の機能が低下し、日常生活に支障をきたすことがあります。 腱板断裂の原因 腱板断裂の原因は、大きく分けて加齢による変性と外傷の2つがあります。 ◆加齢による変性(変性断裂) 加齢に伴い腱板の組織が徐々に摩耗し、断裂しやすくなることです。 40歳以降になると、腱板への血流が低下することで修復能力が衰え、自然に断裂することもあります。 また、スポーツや仕事で肩を繰り返し使うことによる負担の蓄積も、変性断裂のリスクを高める要因となります。 ◆外傷(外傷性断裂) 転倒して肩を強く打ったり、腕を強く引っ張られたりすることで腱板が急激に損傷し、断裂が発生することです。 とくに、重い荷物を持ち上げる際に過度な負荷がかかると、腱板が損傷しやすくなります。 さらに、野球・テニス・ラグビーなどのスポーツや、交通事故による強い衝撃も外傷性断裂の原因として挙げられます。 腱板断裂の検査 腱板断裂は、問診と身体診察に加え、画像検査によって診断されます。 ◆身体診察 ドロップアームテスト:腕を持ち上げた状態からゆっくり下げる際にコントロールできず落ちてしまうか確認 ペインフルアークサイン:腕を横に上げる際に一定の角度で痛みが出るかを確認 ◆画像検査 X線(レントゲン):骨の変形や肩峰下の狭小化を確認 超音波検査:リアルタイムで腱板の動きを評価し、小さな断裂も発見しやすい MRI検査:腱板の損傷の程度(部分断裂か完全断裂か)を詳細に診断 腱板断裂の治療 腱板断裂の治療は、断裂の程度や患者の年齢・活動レベルによって異なります。 軽度の腱板断裂や、高齢者で手術を避けたい場合には、保存療法が選択されますが、重症の場合は手術療法が検討されます。 ◆保存療法(軽度の部分断裂や高齢者の場合) 安静・負担の軽減 消炎鎮痛剤(NSAIDs) リハビリテーション ステロイド注射 ◆手術療法(完全断裂や保存療法で改善しない場合) 関節鏡視下腱板修復術 腱移植術 人工関節置換術 石灰沈着性腱板炎 石灰沈着性腱板炎(せっかいちんちゃくせいけんばんえん)は、肩の腱板にリン酸カルシウム(石灰)が沈着し、炎症や強い痛みを引き起こす疾患です。 40〜50代の女性に多く見られ、夜間や突然の激しい痛みが特徴です。 石灰沈着性腱板炎の原因 石灰沈着性腱板炎の正確な原因は明確には解明されていませんが、以下の要因が関与していると考えられています。 腱板の血流低下:加齢や血流の減少により、腱板の一部が石灰化しやすくなる 過剰な負荷:肩を頻繁に使う動作が多い人は、腱板に負担がかかり石灰沈着のリスクが上がる 体質的要因:特定の人に起こりやすく、遺伝的な影響も示唆されている 沈着した石灰が周囲の組織を刺激し、炎症を引き起こすことで強い痛みが発生します。 石灰沈着性腱板炎の検査 診断には問診と身体診察のほか、画像検査が用いられます。 X線(レントゲン)検査 超音波検査 MRI検査 石灰沈着性腱板炎の治療 石灰沈着性腱板炎の治療は、症状の程度に応じて保存療法と手術療法が選択されます。 ◆保存療法(軽症〜中等症の場合) 安静・負担軽減 消炎鎮痛剤(NSAIDs) ステロイド注射 リハビリテーション ◆手術療法(重症例や改善が見られない場合) 超音波ガイド下洗浄療法 関節鏡視下手術 翼状肩甲骨(翼状肩甲) 翼状肩甲骨(よくじょうけんこうこつ)は、肩甲骨が正常な位置に固定されず、背中から浮き上がる状態を指します。 肩甲骨が翼のように突出することからこの名前がついています。 肩や腕の動かしにくさ、痛み、筋力低下などの症状を伴うことがあります。 翼状肩甲骨(翼状肩甲)の原因 翼状肩甲骨の原因は、主に神経の障害と筋肉の異常に分けられます。 ◆神経の障害 長胸神経麻痺(前鋸筋の機能低下) 副神経麻痺(僧帽筋の機能低下) 肩甲背神経障害(菱形筋の機能低下) ◆筋肉の異常 筋萎縮や筋力低下 外傷や手術後の影響 翼状肩甲骨(翼状肩甲)の検査 翼状肩甲骨は、視診・触診と機能検査を中心に診断されます。 ◆視診・触診 肩甲骨が背中から浮き上がっているかを観察 肩を動かしたときの肩甲骨の動きを確認 ◆機能検査 壁押しテスト(Wall Push-up Test) 壁に向かって両手をつき、腕立て伏せのように押したときに肩甲骨が異常に突出するかを確認 筋力テスト:前鋸筋・僧帽筋・菱形筋などの機能を評価 ◆神経検査 電気生理学的検査(筋電図)で神経の損傷の有無を調べる MRIや超音波検査を用いて神経や筋肉の状態を確認することもある 翼状肩甲骨(翼状肩甲)の治療 翼状肩甲骨の治療は、保存療法と手術療法に分けられます。 ◆保存療法(軽症〜中等症の場合) リハビリテーション 装具療法 理学療法(電気刺激療法) ◆手術療法(重症例や改善が見られない場合) 神経移行術 筋移植術 肩甲骨固定術 反復性肩関節脱臼 反復性肩関節脱臼(はんぷくせいけんかんせつだっきゅう)は、一度肩関節が脱臼した後に、軽い衝撃や日常動作でも繰り返し脱臼してしまう状態を指します。 とくに若年層のスポーツ選手に多く見られ、肩の不安定感や痛みを伴うことが特徴です。 反復性肩関節脱臼の原因 反復性肩関節脱臼の主な原因は、外傷による関節の損傷と関節の構造的な問題の2つに分けられます。 ◆外傷による関節の損傷 初回の脱臼時に、肩関節の関節唇(かんせつしん)という軟部組織が損傷し、関節が不安定になる(バンカート損傷) 腕を強く後方に引っ張られるような動作で、関節の前方部分が緩み、脱臼しやすくなる スポーツ(野球・バスケットボール・柔道など)や転倒による外傷が原因になることが多い ◆関節の構造的な問題 関節の緩さ(関節弛緩性):生まれつき関節が柔らかい人は、靭帯や関節包が伸びやすく、脱臼しやすい 筋力不足:肩周りの筋力が弱いと、関節の安定性が低下し脱臼しやすくなる 骨の形状異常:関節窩(かんせつか)という肩甲骨側の受け皿が小さい場合、関節がはまりにくく脱臼を繰り返す 反復性肩関節脱臼の検査 反復性肩関節脱臼の診断には、問診・身体診察と画像検査が行われます。 ◆問診・身体診察 過去の脱臼歴、発生状況を確認 肩の不安定感や可動域をチェック 不安試験(Apprehension Test) ◆画像検査 X線(レントゲン)検査 MRI検査 CT検査 反復性肩関節脱臼の治療 反復性肩関節脱臼の治療は、保存療法と手術療法に分けられます。 ◆保存療法(軽症例・手術を避けたい場合) リハビリテーション 装具療法 生活習慣の改善 ◆手術療法(重症例・保存療法で改善しない場合) バンカート修復術 骨移植術(ラタジェ手術) 関節包縫縮術 肩の痛みとがんの関係性 肩の痛みは通常、肩こりや筋肉疲労、関節の疾患などによって引き起こされますが、まれにがんが原因となる場合もあります。 通常の治療で改善しない長期間続く痛みは注意が必要です。 がんによる肩の痛みの特徴 がんが原因となる肩の痛みにはいくつかの特徴があります。 まず、安静時でも痛みが続くことがあり、通常の肩こりは動かすと痛みが出るのに対し、がんによる痛みは夜間や寝ている間に強くなることがあります。 また、痛みが徐々に強くなり、鎮痛剤が効きにくくなることや、肩だけでなく首、背中、腕にも違和感を感じる場合があります。 しびれや筋力低下を伴うこともあり、これらの症状が現れる場合は、早めに医療機関を受診することが重要です。 肩の痛みを改善・予防するセルフケア方法 肩の痛みは日常的な動作や姿勢から来ることが多いため、普段からのセルフケアがとても重要です。 本章では、肩の痛みを改善したり予防したりするためのストレッチと入浴を取り入れた方法を紹介します。 ストレッチ 肩の筋肉を柔軟に保つことは、肩の痛みを予防し、すでに痛みを感じている場合にも症状を和らげる効果があります。 肩周りの筋肉を適切に伸ばすストレッチを行うことで、血流が改善され、筋肉の緊張をほぐすことができます。 肩回し運動 肩を前後に回すことで、肩の筋肉をほぐすことができます。 両肩を耳に向かって持ち上げ、肩甲骨を回すようにして前後にゆっくり回します。 10回程度前回しと後回しを繰り返します。 肩甲骨ストレッチ 肩甲骨周りの筋肉をストレッチすることで、肩の可動域を改善し、痛みの軽減に繋がります。 立って、または座って両手を肩に置き、肘を大きく円を描くように回します。 回す方向を変えながら10回程度行い、肩甲骨を意識して動かすようにしましょう。 肩と腕の伸ばしストレッチ 肩の痛みがひどくなる前に、肩と腕を伸ばすストレッチを行うことで、予防効果が高まります。 片手をまっすぐ前に伸ばし、反対の手でその手首を引き寄せます。 肩を意識して10秒間伸ばし、その後反対側も行います。 入浴 入浴は肩の痛みを改善するために非常に効果的な方法です。 お湯の温度や入浴の方法を工夫することで、よりリラックスでき、肩の痛みを緩和できます。 温かいお湯に浸かることで血流が促進され、筋肉の緊張がほぐれます。 温浴によるリラックス 肩の痛みがある場合は、ぬるめのお湯(38〜40℃程度)にゆっくり浸かると、筋肉がリラックスし、肩こりの改善に効果があります。 お湯に浸かることで、血行が促進され、痛みの原因となる筋肉の緊張が和らぎます。 半身浴 肩だけでなく、全身を温めるために、半身浴を行うのも効果的です。お湯が肩にまで浸かるようにし、肩を温めることができます。 さらに、半身浴は長時間お湯に浸かることができ、肩だけでなく全身の疲労を軽減することにも繋がります。 入浴後のストレッチ 入浴後は筋肉が柔らかくなっているため、さらにストレッチを行うことで効果が高まります。 肩甲骨や腕を伸ばすストレッチを行うことで、筋肉がさらにほぐれ、肩の痛みの予防や改善に繋がります。 肩の痛みで病院を受診すべきタイミングは? 肩の痛みが日常的に発生しても、多くは軽度の筋肉疲労や肩こりが原因です。 しかし、肩の痛みが3週間以上続く、安静時や夜間に痛みが悪化する場合、またはしびれや筋力低下、体重減少、発熱など他の症状が伴う場合は、重大な病気が隠れている可能性があります。 とくに、肩の痛みが首や背中、腕に広がる場合や、激しい外傷を受けた後は早期受診が必要です。 また、40歳以上の方や、がんや心臓病の既往歴がある場合、肩の痛みが他の疾患のサインとなることもあります。 肩の痛みを軽視せず、適切な診断を受けることで、早期治療が可能となり、症状の悪化を防ぐことができます。 再生医療|肩の痛みに対する治療選択肢 再生医療は肩の痛みに対する新しい治療法として注目されています。 再生医療では、幹細胞を用いて自然修復力を高めます。 PRP療法や幹細胞治療など、患者様自身の血液や幹細胞を用いて肩関節の炎症や軟部組織の損傷にアプローチする治療法です。 再生医療は、手術・入院を必要としないため、治療期間が短い傾向があります。 肩の痛みでお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。 まとめ|肩の痛みから考えられる病気を理解して適切な治療や検査を受けよう 今回は肩の痛みで疑うべき病気とは何なのか、それらの病気に対する検査および治療方法などについて詳しく解説してきました。 「肩が痛い」、「肩が上がらない」などの自覚症状があり、日常生活においてお困りの方は、専門の医療機関などで早期的に診察や検査を受けましょう。 また、これら整形外科的な治療以外にも、肩の痛みに対しては「再生医療」という新しい治療法も選択肢となります。 再生医療については、以下の動画もあわせてご覧ください。 https://youtu.be/bKupVfsXpHM?si=YQsu_VT2ZGqSNB2v 今回の記事の情報が少しでも参考になれば幸いです。
2022.03.16 -
- ひざ関節
- 変形性膝関節症
多くの人が経験する膝の痛み。しかし、その痛みが収まらず続くようであれば注意が必要です。単なる疲れではなく、重大な膝の疾患が隠れている可能性があります。 結論、数日経っても痛みが継続する場合は、医療機関を受診しましょう。 膝の疾患は進行すると日常生活に支障をきたし、最悪の場合、手術が必要になることもあります。 一方で、早期発見・早期治療を行えば、より良い回復が期待できます。膝の痛みは放置しないことが大切です。 本記事では、膝が痛いときに病院に行くべきかどうかの判断基準について解説します。 膝の痛みを伴う代表的な膝疾患も紹介しているので、膝の痛みに対しての対応に悩んでいる方は参考にしてみてください。 膝が痛いときに病院に行くべき理由 膝の痛みが数日経っても治まらない場合は、病院の受診を検討しましょう。症状の改善には、早期に痛みの原因を特定し、適切な治療をすることが大切です。 痛みの原因として考えられる膝軟骨のすり減りや慢性的な炎症は、自然に元の状態へ戻るのは難しいと言われています。 膝の痛みは症状や状態によって、リハビリや固定具を活用した保存治療などの専門的な治療が必要です。 膝の痛い状態で病院に行かずに放置するリスク 膝の痛みを放置すれば、事態が深刻化するケースも少なくありません。 たとえば、軽度の捻挫や炎症が、適切な治療を受けないまま慢性化することで、日常生活に支障をきたす可能性があります。 特に変形性膝関節症や半月板損傷などの疾患では、早期治療の機会を逃すことで、症状が重症化する恐れがあります。その結果、保存療法では改善が難しくなり、手術が必要となるケースも少なくありません。 また、痛みをかばうことで、反対側の膝や腰、足首に過度な負担がかかり、新たな痛みや障害を引き起こす可能性もあります。 膝の痛みの放置には、症状の悪化や身体全体のバランスを崩すリスクがあります。 膝が痛いときはどんな病院を受診すべき? 膝が痛いときの受診先として、主に整形外科と整骨院が選択肢として挙げられます。 整形外科では、MRIやレントゲンなどの検査設備が充実しており、医師による診断と治療を受けることができます。一方、整骨院は医師による診察や薬の処方はできませんが、痛みの緩和や機能改善のための施術を行います。 施設 目的 治療内容 整形外科 ・医学的診断に基づく評価 ・疾患の治療と回復 ・症状の進行予防 ・必要に応じた手術の検討 ・レントゲン、MRIなどの画像診断 ・血液検査 ・投薬治療 ・注射治療 ・手術 ・装具の処方 ・リハビリテーションの実施・指導 整骨院 ・筋肉や関節の機能回復を目的とした施術 ・痛みの軽減を目的とした施術 ・日常生活動作の改善 ・身体機能の維持 ・向上 ・マッサージ ・関節の調整 ・ストレッチ指導 ・超音波やマイクロ波などの物理療法 ・テーピング ・運動指導 膝が痛いときは、まず整形外科を受診しましょう。 特に異常がなく膝に軽い痛みや違和感がある程度の場合は、整骨院に通院して症状の改善を目指すこともご検討ください。 また、膝の痛みに対しては「再生医療」という選択肢もあります。 再生医療は、患者様自身の幹細胞を採取・培養して痛みの改善や軟骨の再生を目指す治療法です。 当院「リペアセルクリニック」ではメール相談やオンラインカウンセリングにも対応しています。再生医療について興味がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。 膝の痛みを伴う代表的な3つの疾患 膝の痛みにはさまざまな原因があり、その症状を引き起こす疾患も多岐にわたります。膝の痛みが長引いたり、急激に悪化する場合、適切な診断を受けることが重要です。 ここでは、膝の痛みを伴う代表的な疾患を3つ紹介します。 変形性膝関節症 半月板損傷 関節リウマチ 3つの疾患の原因や症状について、それぞれ解説します。 変形性膝関節症 変形性膝関節症とは、膝関節にある軟骨のすり減りによって、痛みや動きの制限が伴う疾患です。 変形性膝関節症は加齢とともに、高齢になるほど罹患率が高くなる傾向にあります。 また、日常的な膝への負担や、過度な運動による衝撃も変形性膝関節症を発症する原因です。 症状が進行すると最終的には、骨の変形にまで至ります。痛みや動きの制限も顕著になるため、早期治療が大切です。 半月板損傷 半月板損傷とは、膝関節のクッションとして機能する半月板に亀裂が入る、または組織が欠損する疾患です。 損傷する原因は、スポーツ時の膝のひねりや転倒、加齢による摩耗などです。 半月板が損傷すると、膝の痛みや腫れが生じ、関節の動きが制限されます。症状を放置すれば軟骨の損傷も進み、変形性膝関節症を発症するケースもあります。 膝をぶつけたり、半月板の付近に痛みが生じたりする場合は、半月板損傷の可能性を視野に入れ病院の受診を検討しましょう。 関節リウマチ 関節リウマチとは、免疫の異常によって関節が炎症を起こし、痛みや腫れを引き起こす自己免疫疾患です。 炎症が続くと、関節の変形や機能低下が進み、日常生活にも支障をきたします。 また、関節リウマチは、臓器障害や動脈硬化の促進といった全身症状を引き起こす可能性もあります。 早期に対応がとれるよう、膝の痛みを感じたら関節リウマチ発症の疑いも頭に入れておきましょう。 まとめ|膝が痛いときに病院に行くべき理由を知って適切な治療を進めよう 病院に行くべきか悩んでいる方も、膝の痛みが続く場合は、早めに病院を受診しましょう。 軽い炎症なら自然に治ることもありますが、変形性膝関節症や半月板損傷などの疾患では、放置すると悪化するおそれがあります。 早期治療が症状の進行を防ぐため、違和感を覚えたら放置せずに医療機関へ行きましょう。 なお、膝の痛みに対しては「再生医療」という選択肢があります。 変形性膝関節症や半月板損傷などの疾患で膝の痛みにお悩みの方は、ぜひ当院「リペアセルクリニック」の再生医療をご検討ください。 膝の痛みに関するよくある質問 最後に膝の痛みに関するよくある質問と回答をまとめます。 膝の痛みは自然に治りますか? 膝の痛みが自然に治るかどうかは、原因によって異なります。 軽い炎症や一時的な疲労が原因であれば、適度な休息を取れば回復する場合もあります。 しかし、変形性膝関節症のように軟骨がすり減る疾患では、自然に元の状態に戻る確率は低いです。 膝の状態を自己判断するのは難しいので、痛みを感じた際は専門家に診てもらいましょう。 膝の痛みは整体で治りますか? 整体で痛みを改善できるかどうかは、膝の状態や疾患の種類によって異なります。 整体は、主に筋肉や関節のバランスを整えて体の痛みを緩和する施術です。 膝関節の周りの筋肉が硬くなっていたり、関節に歪みがあったりする場合は、整体の施術によって痛みが改善する場合があります。 しかし、変形性膝関節症のように関節自体が変形している状態では、整体での改善は期待できません。リハビリや手術といった専門的治療が必要になります。 曲げると痛い膝の痛みの原因は? 膝を曲げたときに痛みを感じる原因として、変形性膝関節症や半月板損傷などの膝疾患が考えられます。 ほかにも、スポーツや仕事で膝を酷使して、炎症を起こしている可能性もあります。 適切なケアをしていくためにも、病院を受診して原因を特定しましょう。
2022.03.15 -
- 再生治療
突然の激痛と共に起こる肉離れで「この痛みはいつまで続くのか」「一日も早く元の生活やスポーツに戻りたい」そんな焦りや不安を感じていませんか? 肉離れの全治期間は損傷の程度によって大きく異なりますが、適切な対処と治療法の選択によって回復を早めることが期待できます。 本記事では肉離れが全治するまでの期間を重症度別に詳しく解説します。肉離れを早く治すコツや再発予防のポイントも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。 また、リペアセルクリニックではご自身の治癒力を活用して早期復帰をサポートする「再生医療」を提供しており、筋肉損傷にも効果が認められた症例について、LINEで情報発信しております。 つらい痛みから解放されるための一歩を踏み出すために、ぜひご活用ください。 ▼再生医療に関するガイドブックをプレゼント中! 肉離れの全治までの期間 肉離れの全治までの期間は、重症度によって異なります。肉離れの重症度は以下の3段階に分類されます。(文献1) 軽症 中等症 重症 重症度ごとの全治までの期間を見ていきましょう。 軽症 軽度の場合は、全治までの期間は1〜2週間ほどです。 軽度は、筋繊維が微細に損傷している状態です。筋肉が小さなダメージを受けており、筋肉に出血が見られます。 受傷部を押すと痛みを感じますが、何もしなければ痛みはほとんどありません。歩行やストレッチはわずかな痛みを感じる程度です。 中等症 中等症の場合、全治までの期間は3〜5週間ほどです。 中等症は、筋繊維や筋膜が損傷または一部断裂している状態です。筋肉へのダメージがやや大きく、皮下出血が見られます。 受傷部を押すと強い痛みを感じます。歩行やストレッチはできるものの痛みを伴うため、継続して身体を動かすのが難しくなります。 重症 重症の場合は、全治までの期間は2〜3カ月ほどかかります。 重症は、筋繊維が完全に断裂している状態です。なにもしていなくても強い痛みを感じ、歩行やストレッチといった日常の軽い動作も困難です。 肉離れの全治を目指した代表的な2つの治療法 肉離れに有効な2つの治療法を解説します。 安静・固定・リハビリ 再生医療 順番に見ていきましょう。 固定・安静・リハビリ 肉離れの基本的な治療は、固定・安静・リハビリです。 肉離れは、筋肉が切り傷や裂傷を起こしている状態です。実際に起きていることは、転んだときにできる切り傷や裂傷と一緒といえます。傷は皮膚と皮膚を寄せ合い固定することによって修復していきます。 肉離れが起きた際も、テーピングや包帯などで固定して、症状が落ち着くまで安静にします。そして、徐々に可動域を広げるリハビリをおこなっていくのが基本的な治療パターンです。 再生医療 「再生医療」とは、ご自身の血液中に含まれる、傷を治す働きを持つ「血小板」という成分を利用し、損傷した筋肉組織の修復を促す治療法です。 治療方法は、採取した血液を遠心分離機にかけて、血小板を濃縮した液体を注射で患部に注入するだけです。30分ほどで一連の治療を終えられるので、身体への負担も大きくありません。 再生医療は肉離れを含むスポーツ外傷に高い効果が期待できる治療法なので、スポーツに早期復帰したい方にもおすすめです。 「再生医療はどんな治療方法なの?」と気になる方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』のLINEをご確認ください。 実際の改善症例と合わせて、再生医療の仕組みをわかりやすくお伝えいたします。 ▼無料のオンライン診断も受付中! >>公式LINEはこちら 肉離れを早く治すコツ 肉離れを早く治すには、応急処置の実施がとても大切です。適切な応急処置をおこなえば、腫れや内出血を最小限に抑えられ、結果的に全治までの期間も短縮できます。 肉離れに有効な応急処置は、RICE処置です。RICE処置は、Rest(安静)、Ice(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(挙上)の頭文字から名付けられました。 肉離れにおけるRICE処置の内容は以下のとおりです。 処置 内容 安静 ・無理に身体を動かさず安静にする ・患部の腫れや血管・神経の損傷を防ぐのが目的 冷却 ・ビニール袋やアイスバックに氷を入れて患部を冷やす ・2次性の低酸素障害により患部の細胞壊死と腫れを抑えるのが目的 圧迫 ・テーピングや弾性包帯で軽く圧迫気味に固定する ・患部の内出血や腫れを防ぐのが目的 挙上 ・患部を心臓より高く挙げる ・患部の腫れを予防・腫れの軽減を図るのが目的 参考:日本整形外科学会監修|スポーツ外傷の応急処置(RICE処置) 肉離れを起こしたときは、病院にかかるまでの間にこのRICE処置を試してみてください。 まとめ|肉離れが全治するまでの期間を知って回復を目指そう 肉離れが全治するまでの期間は、重症度によって異なります。 軽症:約1〜2週間 中等症:約3~5週間 重症:約2〜3カ月 上記の期間はあくまで目安です。怪我の具合や回復速度は個々によって違うので、担当医の指示に従いながら、焦らず着実に回復を目指しましょう。 しかし、「安静だけでは物足りない」「より確実に、早く復帰したい」「再発は絶対に避けたい」という方には、損傷した筋肉組織そのものの再生を目指す治療法の検討をおすすめします。 リペアセルクリニックが提供する「再生医療(自己脂肪由来幹細胞治療)」は、まさにその根本的な解決を目指す最先端の選択肢です。 ご自身の脂肪から採取・培養した幹細胞を患部に直接投与することで、幹細胞が持つ高い組織修復能力により、肉離れに効果的な治療法としての効果が期待できます。 痛みの軽減はもちろん、より質の高い回復と早期のスポーツ・社会復帰、そして再発リスクの低減が期待できます。 自分の肉離れの症状にも効果が期待できるか気になる方や、改善が見込めた症例の事例も知りたい方は、ぜひ無料相談をご利用ください。 ▼LINEにて再生医療のガイドブックも配信中! >>【無料】公式LINEはこちら 肉離れに関するよくある質問 最後に肉離れに関するよくある質問と回答をまとめます。 太ももやふくらはぎの肉離れが全治するまでの期間は? 太ももやふくらはぎの肉離れが全治するまでの期間は、重症度によって異なります。重症度別の全治までの期間の目安は、前述した情報が参考になります。以下でもう1度、情報を振り返りましょう。 軽症:約1〜2週間 中等症:約3~5週間 重症:約2〜3カ月 自身の症状の程度にあわせて適切な治療を進めてください。 以下の記事では、ふくらはぎの筋断裂(肉離れ)について解説しています。原因や予防法なども紹介しているので、詳細が気になる方は参考にしてみてください。 軽度の肉離れだと1週間ほどで治りますか? 軽度(筋繊維が微細損傷したレベル)の肉離れであれば、1週間で治るケースもあります。先述のとおり、軽度肉離れの全治までの期間は、およそ1〜2週間です。 ただし、期間を気にして焦って治そうとするのは禁物です。担当医の指示のもと、無理のない範囲で回復を目指しましょう。 肉離れを予防する方法はありますか? 肉離れの予防には、運動前の十分なストレッチが効果的です。 肉離れは、筋肉の疲労や柔軟性の低下が原因となって起こります。運動前にしっかりストレッチをして筋肉をほぐしておけば、筋肉への負担を軽減でき、肉離れのリスクを下げられます。 肉離れが一生治らない可能性もありますか? 肉離れは適切なケアをすれば、完治する可能性が高いケガです。 ただし、1回肉離れを起こした筋肉は再発を繰り返すと言われています。そのため、肉離れが起きたら完全に治すことに集中するのが望ましいといえます。中途半端に治療すると再発のリスクが高まってしまうためです。 また、肉離れが治ったあとは、運動前のストレッチを念入りにおこない、再発防止に努めましょう。 【参考文献】 文献1:https://www.rinspo.jp/journal/2010/files/24-3/331-333.pdf
2022.03.15 -
- 健康・美容
- ひざ関節
膝関節が痛みが辛く、階段の上り下りや腰かける動作が辛い。 膝関節の痛みにプロテオグリカンが良いと聞いたが、本当に効果はあるの? 日常生活の中で、このように悩んでいる方も多いのではないでしょうか。 関節痛に効果のある成分といえば、コラーゲンや、ヒアルロン酸などがよく知られていますが、さらに上回る働きをもつ成分として近年注目されているのが「プロテオグリカン」です。 プロテオグリカンは保水性に優れており、摩擦や衝撃から軟骨を保護する役割があります。 本記事では、プロテオグリカンの効果・効能や関節痛との関わりについて解説します。プロテオグリカンによって膝関節痛を軽減させたい方はぜひ参考にしてください。 プロテオグリカンは「摩擦や衝撃から関節を守る成分」のこと 前提として、関節軟骨は骨とは違い、約70%が水分、他30%がプロテオグリカンやコラーゲン、ヒアルロン酸で構成されています。 なかでもプロテオグリカンとは、関節と関節の間にある軟骨(関節軟骨)の主成分の一つであり、保水性に優れているため軟骨の保護に効果的と言われています。 たとえるならば、プロテオグリカンは水をよく含んだスポンジのようなイメージです。軟骨に摩擦や衝撃が加わると、水分が浸みだして、軟骨に潤いを与えるのです。これにより、関節が摩擦や衝撃から守られます。 近年では、プロテオグリカンのさまざまな効果・効能が数多くの研究により報告されており、健康食品や化粧品の原材料として利用する動きが高まっています。 本章ではプロテオグリカンの効果・効能や副作用について解説します。 プロテオグリカンは関節痛に効果がある プロテオグリカンは、関節痛を和らげる効果があります。なぜなら、プロテオグリカンには、すり減った軟骨の修復を助けたり、軟骨細胞を増加させたりする働きがあるからです。 また、抗炎症作用もあるため痛みの軽減も期待できます。 プロテオグリカンの効果・効能の詳細は、以下の通りです。 細胞の増殖や成長を促進 抗炎症作用 生活習慣病の予防 細胞の増殖や成長を促進 プロテオグリカンは、細胞の増殖や成長を促進する因子(EGF)とよく似た作用があることが報告されています。摩擦や衝撃ですり減った軟骨細胞を修復する機能は、関節痛を和らげるために非常に重要です。 また、プロテオグリカンはコラーゲンやヒアルロン酸の生成を促す作用があるため、美肌効果も期待できます。 抗炎症作用 プロテオグリカンには、炎症を抑えるサイトカインの働きを促す効果があるため、抗炎症作用があるといわれています。軟骨細胞の修復に加えて、痛みそのものの軽減も期待できます。 生活習慣病の予防 プロテオグリカンは、肥満や糖尿病などの生活習慣病の予防にも効果を発揮するといわれています。プロテオグリカンを摂取することで、体重の減少や血糖値の上昇抑制につながったとの報告があるようです。 プロテオグリカンには副作用はない プロテオグリカンの摂取による副作用はありません。多くの場合、サケの鼻の軟骨から抽出されるため、天然成分で体に安心と言われています。 ただし、食物アレルギーのある方は使用前に医師に確認した方が良いでしょう。 プロテオグリカンは食事やサプリメントで取り込める? プロテオグリカンは関節痛に効果的であるため、積極的に取り入れたいと思われる方もいるでしょう。 プロテオグリカンは食物に含まれていたり、サプリメントとして販売されたりしていますが、経口から摂取するのは難しいと言われています。なぜなら、調理工程や体内において消化吸収による影響を受けてしまうためです。 具体的に、なぜ食事やサプリメントでプロテオグリカンを取り込めないのか解説します。 食事 結論からいえば、プロテオグリカンは食事で摂取すること自体は可能であるものの、そのまま身体に取り込むのは非常に難しいといえるでしょう。 プロテオグリカンは動物の軟骨の主成分で,とくに、魚や動物の軟骨に多く含まれているため、食事に取り入れることは可能です。しかし、プロテオグリカンを構成しているタンパク質は熱に弱いため、加熱すると分解されてしまいます。 また、タンパク質は胃や腸で消化吸収される際にアミノ酸にまで分解されてしまうため、プロテオグリカンとして摂取するのが難しいといえます。 サプリメント プロテオグリカンのサプリメントは、食事同様胃や腸で分解されてしまうため、プロテオグリカンを血中に取りこむことは難しいといえます。 仮に体内へ取り込めたとしても、軟骨は血流が少ないため、その成分が届くとは考えにくいでしょう。つまり、プロテオグリカンのサプリメントを摂取しても軟骨が再生するほどの効果を上げることは難しいといえます。 プロテオグリカンは、膝などの関節以外、美容面での効果を大きく表示していることもありますが、積極的に効果があるとはいえません。ただ、プラシボー効果によって効いたような感覚になることがあるかもしれません。 プラシボー(プラセボ)効果とサプリメント プラシボー効果は、有効ではない「くすり等」を、成分が含まれている前提で使用者に摂取させると、実際に効いた人が出る現象です。 人は、「〇〇に良い成分が入っているから!」と言われると(知ると)、その効果に対する暗示を受けてか、実際にその効果を実感することがあります。これは自らの治癒力が発揮されて解決に導いているのではないかと言われる不思議な現象です。 しかし、偽薬やサプリメントがすべて代替できるわけではありません。プラシボー効果は絶対ではなく、万人に効くとは限らないためです。 とはいえ、サプリメントを摂取することで得られる精神的な満足感があるのは否めないのが事実です。そのため、プロテオグリカンのサプリメントも摂取するなら、「効果がある」、「効いてる」と思って摂取したほうが良いかもしれません。 プロテオグリカンは「運動」によって増やせる 関節のプロテオグリカンは、運動によって増やせます。運動などで関節の曲げ伸ばしを行うと、血流量が増加して軟骨細胞に酸素や栄養が行き渡り、プロテオグリカンの増加が促進されるのです。 逆に運動の機会が少ないと、身体が「プロテオグリカンは必要ない」と判断し、減少してしまいます。自ら積極的に体を動かすことで、身体にプロテオグリカンの必要性を感じさせることが大切といえるでしょう。 プロテオグリカンの増加には、激しい運動は不要で、ウォーキングやストレッチなどでも十分に効果が見込めます。 関節の痛みを恐れて運動不足になってしまうと、酸素や栄養が軟骨細胞に供給されなくなります。 結果、プロテオグリカンが減少し、かえって関節痛の悪化につながる恐れがあります。 ただし、関節に痛みがあるにもかかわらず、プロテオグリカンの増やすため、無理に運動をするのが控えましょう。医師の指導のもと、身体に負担のない範囲で行うようにしてください。 まとめ|プロテオグリカンを増やすには適度な運動が必要 関節痛の緩和に効果のあるプロテオグリカンは、食事やサプリメントで摂取することは現実的ではありません。しかし精神的な満足感や、プラシボー効果などで実際に効いてしまう人がいるのも事実です。 プロテオグリカンは、適度な運動によって体内で増やすことも可能です。関節の健康のためには、医療機関や専門家の指導に従って適度な運動などを行うのが大切です。 普段の生活から健康的でバランス取れた食事をとり、適度な運動を心がければプロテオグリカンの不足を防げるでしょう。 膝関節の痛みについては、以下の記事でも解説しているため、参考にしてください。 また、当院「リペアセルクリニック」では、自己の幹細胞を用いた再生医療により、関節の痛みを和らげる治療を提供しています。 もしあなたが関節痛に悩まされ、治療法の選択肢を増やしたいと考えているなら、ぜひお気軽にご相談ください。「メール相談」や「オンラインカウンセリング」も実施しておりますので、ご活用いただければ幸いです。 この記事が、プロテオグリカンについての基礎知識を身につけるのに役立ったのなら嬉しく思います。
2022.03.14 -
- 脳卒中
- 頭部
- くも膜下出血
くも膜下出血は、脳の血管にできたコブ「脳動脈瘤」が破裂して出血が起きる病気です。重い後遺症が出る方や亡くなってしまう方も少なくない一方で、後遺症が軽く済む方もいます。しかし運良く後遺症が出なくても、再発のリスクが低くないため、怖いと感じている方もいるのではないでしょうか。 この記事ではくも膜下出血の再発率や、発症から5年後の生存率を紹介します。また、くも膜下出血を経験した方に向けて、再発予防のために意識すべきポイントや、再発の前兆となる症状を解説します。ぜひ最後までご覧ください。 なお、当院「リペアセルクリニック」では、再生医療による脳卒中の治療を行っています。気になる方はお気軽にご相談ください。 くも膜下出血は後遺症がなくても再発のリスクがある くも膜下出血の原因となるのは、脳の血管にできたコブ「脳動脈瘤」の破裂です。血管には壁が薄く弱い部分があり、強い血流を受けると膨らんでコブができることがあります。このコブに高い血圧がかかるなどして破裂してしまうと、くも膜下出血が起きます。 くも膜下出血が起きると、運動麻痺・感覚障害・高次脳機能障害など後遺症が出ることも多いです。また、適切な治療が行われ後遺症がなくても、後から同じ場所や別の場所に再び脳動脈瘤ができてしまうことは珍しくありません。 再発しないように気をつけることが、くも膜下出血を経験した方にとって重要なテーマになります。 くも膜下出血の概要については以下の記事で詳しく紹介しているので、あわせてご覧ください。 くも膜下出血の再発率|1カ月以内に20~30%が再発 くも膜下出血の再発率の高さを数字で見てみましょう。 くも膜下出血は、発症から1カ月までの初期に最も再発しやすいのが特徴です。具体的には、最初の1カ月で20〜30%の方が再発するとの報告があります。(文献1)別の報告では、発症初日の再発率が3〜4%、以降4週間は1日あたり1〜2%です。(文献1) 発症から3カ月目以降の再発率は、1年あたり3%との報告があります。(文献1)少なく感じるかもしれませんが、1万人の患者様がいれば約300人が再発する計算となり、決して低い数字ではありません。 くも膜下出血の再発の前兆 くも膜下出血が再発する前兆・初期症状の代表例は目の症状と頭痛です。 これらの症状をもとに、脳動脈瘤が破裂する前に受診できれば、早期の治療で再発を防げる可能性があります。また、再発のごく初期で気付ければ、治療が成功する可能性も高まります。 くも膜下出血を経験した方は再発の前兆を知っておき、常日ごろから注意する意識が大切です。 再発の前兆①動眼神経麻痺 くも膜下出血の再発の前兆または初期症状として、以下のような目の症状が代表的です。 両目でモノを見るとモノが二つに見える 視力の低下 視野が欠ける これらの症状は、大きくなった脳動脈瘤が目につながる神経を圧迫するために起こります。 モノが二つに見える症状は、眼球の運動やまぶたの開閉を担当する「動眼神経」の麻痺が原因です。片方の瞼が開かなくなる症状も併発します。 視力が低下したり視野が欠けたりする症状は、目で見たものを脳に伝える「視神経」への圧迫が原因です。 以上のような目の異常に気付いたら、脳動脈瘤が大きくなっている可能性があります。脳動脈瘤が破裂してしまうと、くも膜下出血の再発につながる可能性があるため、速やかに脳外科や脳神経外科を受診してください。 再発の前兆②頭痛 注意すべき二つ目の症状は「頭痛」です。頭痛を感じた場合は、すでに少量の出血が生じている可能性が高いため、早急に治療すべきとの意識を持ってください。 頭痛に関して知っておきたいポイントは、以下の2点です。 痛みの程度はさまざまである(軽くても要注意) 視野の乱れとともに起きることもある とくに軽い頭痛の場合、くも膜下出血の再発の前兆とは考えずに見過ごしてしまうことも多いです。痛みが軽くても、異常を感じたら念のため病院へ向かいましょう。 受診する際には、くも膜下出血の経験があることを必ず医師に伝えてください。伝えないと、単なる風邪などと診断されてしまうケースがあるからです。 ほかにも気になる症状があれば、「いつもと違う」「初めての痛み」などと、症状の内容を詳しく医師に伝えるよう努めてください。 くも膜下出血の再発を防ぐには生活習慣の改善と定期検査が大切 くも膜下出血の再発予防には、生活習慣の改善と定期的な検査が大切です。それぞれ説明します。 生活習慣の改善 日常生活で注意すべきポイントは以下のとおりです。 処方薬は主治医・薬剤師の指示通りに服用する 定期的に血圧を測る ストレスを溜めず規則正しい生活を送る 過度な飲酒を控える・禁煙をする 塩分の取りすぎに注意してバランスの良い食事を心がける くも膜下出血の危険因子は過度な飲酒、高血圧、喫煙です。(文献1)糖尿病も脳卒中全般のリスクとなるため、コントロールが欠かせません。(文献2)飲酒は適量に抑え、喫煙習慣のある方は禁煙しましょう。 高圧薬や糖尿病薬などを処方されていれば、指示通りに服用してください。ストレス管理や減塩も高血圧のコントロールに有用です。自宅で血圧を測り、血圧手帳に記録しておけば、医師が体の状態を判断する助けとなります。 生活上の注意点は、以下の記事で詳しく紹介しているので、あわせてご覧ください。 定期的な検査 くも膜下出血の再発防止には、定期的に検査を受けることも非常に重要です。脳動脈瘤を検査で発見できれば、破裂してしまう前に処置できるからです。 くも膜下出血を発症して10年くらい経過してから、治療した脳動脈瘤が再び大きくなったり、新しい脳動脈瘤ができて破裂したりする可能性もあります。一度検査して問題なかったからと油断せずに、定期的に検査を受けましょう。 くも膜下出血になると長生きできない?5年後の生存率 くも膜下出血を発症してから5年後の生存率は、55%前後といわれています。(文献3)生存率が低い要因の一つは、発症30日以内に、くも膜下出血自体で亡くなる方が多いことです。(文献1)発症初期の死亡率は、発症時の重症度や、どれだけ早く治療を開始できたかに左右されます。(文献1) 最初の30日を乗り越えたら、その後は再出血の有無が大きな要素となります。(文献1)生活習慣を整え、定期的に検査を受けて再出血の予防につなげましょう。 万が一再発してしまった場合も、もし早めに気づければ、治療が間に合う可能性が高まります。本記事で紹介した再発の前兆を覚えておき、体に異変を感じたらためらわずに受診しましょう。 くも膜下出血を発症し後遺症が出たが3年で改善した事例 ここでは、くも膜下出血の後遺症がある患者様に再生医療を行った事例を紹介します。 患者様は50代の女性です。当院「リペアセルクリニック」を受診したとき、くも膜下出血を発症してから3年が経過しており、後遺症として左半身麻痺が残っていました。日常生活で大きな不自由はないものの、ときどき足がもつれて転びそうになる、左手が思うように動かせない、ときどき呂律が回らなくなる、といった症状がありました。 幹細胞を点滴する再生医療を行ったところ、治療後3週間ほどで以下の変化が見られています。 足の踏ん張りが効くようになり、転倒しなくなった 左上肢の力がつき、左腕で背中を洗えるようになった 左手の力がつき、左手でボールを握れるようになった 今まで不自由だった動作ができるようになり、毎日の生活が楽になったとのことです。 この症例については以下の記事で詳しくご覧ください。 くも膜下出血は後遺症なしでも再発のリスクあり!油断せず予防に努めよう くも膜下出血は再発率が非常に高い病気です。たとえ後遺症がなくても、再発防止を意識して生活しましょう。とくに節度ある飲酒、高血圧の管理、禁煙がポイントです。定期的な検査も欠かさず受けましょう。 再発の前兆となる症状は、目の異常と頭痛です。このほかにも体の異常を感じたら、すぐに脳外科や脳神経外科などを受診してください。早期に対処すれば再発を防げる可能性が高まります。 くも膜下出血の後遺症でお困りの方は、再生医療が役立つかもしれません。日常生活に大きな支障がない症状でも、再生医療で改善する可能性があります。興味があれば、お気軽に当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。 参考文献 (文献1) 日本脳卒中学会「脳卒中治療ガイドライン2009 Ⅳ.クモ膜下出血」2009年 https://www.jsnt.gr.jp/guideline/img/nou2009_04.pdf(最終アクセス:2025年2月22日) (文献2) 四條克倫.「脳卒中ガイドライン2021(改訂2023)」『日大医学雑誌』82(6), pp.325-322, 2023年 https://www.jstage.jst.go.jp/article/numa/82/6/82_325/_pdf/-char/ja(最終アクセス:2025年2月22日) (文献3) 今井明ほか.「脳卒中患者の生命予後と死因の 5 年間にわたる観察研究:栃木県の調査結果とアメリカの報告との比較」『脳卒中』32(6), pp.572-578, 2010年 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jstroke/32/6/32_6_572/_pdf(最終アクセス:2025年2月22日)
2022.03.14 -
- 健康・美容
ロコモティブシンドローム(運動器症候群)を防ぐロコチェックとロコトレとは? ロコモティブシンドロームは、「運動器症候群」というもので身体を動かす機能の衰えにより、歩く、移動するといった身体の能力が衰えたり、不足している状態を指し、寝たきりや、要介護になる危険の高い状態をいいます。 このロコモティブシンドロームは短縮して「ロコモ」とも言われています。そこで以下、「ロコモ」という表記でご説明してまいります。 ロコモは、身体を動かす機能の重要性を分かりやすい形で広く啓蒙することを目的としています。また将来、要介護になることを防ぐことにもつながります。 自分の運動機能がロコモに当てはまり、寝たきりや、要介護になる危険性があるか確認できるチェック項目を「ロコチェック」といい、身体の動作、移動に適した下半身の筋力を得たり、バランスを整えるために行うロコモ対策のトレーニングを「ロコトレ」と呼び、ロコモにならないため、それをケアする「ロコモケア」として推奨されています。 ロコモ:ロコモティブシンドロームの略で「運動器症候群」のこと ロコモケア:ロコモにならないため、それをケアする ロコチェック:寝たきりや、要介護になる危険性があるか確認するチェック項目 ロコトレ:身体の動作、移動に適した下半身の筋力を得たり、バランスを整えるためのトレーニング https://youtu.be/jJIi4RLkuMI?si=fd1CGFbbhqH60zFj 具体的な症状や特徴(注意点 ロコモ(ロコモティブシンドローム、locomotive syndrome)は、高齢者の身体機能の低下や運動能力の低下により、日常生活動作や歩行に制限が生じる状態を指す医学的な概念を表しています。 ロコモティブシンドロームは、高齢者の健康と生活機能を保つために重要な概念であり、早期発見と予防が重要です。 適切な運動や筋力トレーニング、栄養バランスの良い食事などの取り組みが、ロコモティブシンドロームの予防や改善に役立つとされています。定期的な健康チェックや医師の指導のもとでの適切なケアが重要です。 ロコモティブシンドロームの症状と特徴 筋力の低下1: 筋肉量や筋力の減少により日常生活動作の遂行が困難になります。 筋力の低下2: 階段の上り下りや荷物の持ち上げなどが難しくなることがあります。 骨密度の低下: 骨密度の減少により、骨折や転倒のリスクが高まります。 姿勢の変化: 猫背や体の前かがみ姿勢が増え、バランスや歩行の安定性が損なわれます。 歩行困難: 歩行速度や歩行距離の減少、歩行中のバランスの崩れなどが見られます。 年齢に関わらず注意が必要 ロコモは、高齢者になってから、いきなり始まるのではありません。実は、40~50代からでも徐々に兆候が現れます。年齢が若くても長時間歩けない、歩くスピードが遅くなったという人は特に注意が必要です。 例えば、立っている時どこかに、つかまっていないと身体がグラグラしたり、歩いたりするとスグに疲れてしまって、座りたくなるという人は、ぜひ本記事を参考にして自分の運動習慣を見直してみましょう。 現代社会は、鉄道はもとより、車社会で施設にはエスカレーター、エレベーターなどが備わっていることで移動手段が非常に便利になりました。 このように日常生活に支障が起こらないことで既にロコモになっていても、そのことに気が付くことができません。また、生活習慣病や高血圧といった症状がある場合は、若年層であってもロコモに気を付けなければなりません。 ロコモの特徴的な症状 筋力が低下している 骨や関節などの機能が低下している 持久力が低下している 身体のバランスを取るための力が低下している 膝や腰の病気が隠れている ロコチェックしてみましょう! ロコチェックは、ロコモになっていないかご自身でチェックしていただけます。以下のチェック項目(ロコチェック)を使って、自分の身体の状態を確認してみましょう。 この「ロコチェック」は無理にその場でやってみる必要はなく、普段の生活を思い返してみるだけで大丈夫です。 ロコチェック(何個チェックがつきますか) 片脚立ちで靴下がはけない 屋内で躓いたり、滑ったりする 階段の上り下りに、手すりが必要である 横断歩道で青信号になってから赤に変わるまでの間に渡りきれないことがある 15分間続けて歩けない 2㎏程度(1Ⅼの牛乳パック2本)の買い物をして、持ち帰るのが困難である 家の中で、やや重い家事(掃除機をかける、布団の上げ下ろし)が困難である 実は、上記の7項目のうち、実は、1つでも当てはまるものがあれば「ロコモ」の疑いがあります。 ちなみに、横断歩道の青信号の点灯時間は、1秒間に1m歩く速さをもとに赤に変わるよう設定されているため、青信号で渡りきれない場合は、歩く時間がそれ以下だと考えられます。 ロコチェック(テスト) 更に、次の片足立ち上がりテストに挑戦してみてください! 上記の「ロコチェック」の項目で問題なかったら、以下の「片足立ち上がりテスト」にも挑戦してみましょう。 「片足立ち上がりテスト」の手順(両足でやってみましょう) 椅子に浅めに座ります 両手を胸の前で交差させて上体をやや前に傾けましょう そのまま、片方の膝を伸ばします 手や上体の反動の力を使わずに、片足の力だけで立ち上がれるか確認する 片足立ち上がりテストの結果はいかがでしたか?以下のようならロコモ状態が始まりかけている「ロコモ予備軍(将来、要介護予備軍の危険性)」の可能性があります。 以下の症状に注意 手を使わないと立ち上げれない ぐらつく 転んでしまう ロコモの疑いがあるなら「ロコトレ」に挑戦! ロコモの予防や、ロコモの改善には、筋力やバランス能力を上げるトレーニングが必要です。 そのためにはロコモを効率的に改善するためのトレーニングとして、「ロコトレ」が推奨されています。 「ロコトレ」ロコモの予防や改善を目指す ▼片脚立ち バランス能力をつける運動です。 足の筋力を鍛えて寝たきりの原因となる転倒の予防にも効果があります。 左右1分間ずつ、1日3回行うと効果的です。 支えが必要であれば、机などに手や指をついて無理の無いように行います。 ▼スクワット 足腰の筋力をつける運動です。 太ももやお尻の筋力を上げ、体幹を鍛えることにも繋がります。 深呼吸をするペースで5~6回繰り返し、1日3回行うと効果的です。 椅子に腰掛けて机に手をついて「立つ」「座る」といった動作を繰り返す方法でも大丈夫です。 ロコトレは「ながらトレーニング」でも効果的 ロコモが気になり予防する意識があっても、運動習慣を作るのは思ったより難しいものです。 忙しくてなかなか運動が実践できない人や、運動が苦手な人は、日常生活の動きに取り入れやすいロコトレである「ながらトレーニング」をやってみるだけでも、要介護に対する予防として効果があります。 「ながらトレーニング」には、例えば次のような方法があります。 ロコモを予防し、簡単にできる「ながらロコトレ!」とは ▼料理をしながら片足立ち キッチンのシンクのふちなどを支えにする 食材を鍋で煮込んでいる間などに片脚立ちをする 注意点 片足立ちでふらついたときのため 周りに障害物が無いか確認 刃物や火の近くで行わないように気を付ける ▼テレビを観ながらスクワット テレビやスマホ、PCを同じ姿勢で見続けてると身体がこわばる 肩こりや腰痛の原因にもなります CMが流れている間に行えば時間的に丁度良いトレーニングが可能 お風呂に入る前にロコトレを行うなど(生活の場面にトレーニングのタイミングを作る) 継続した予防には「ロコトレ仲間」を作ろう 運動習慣がない人にとって「ロコモ」の予防になるとはいえ、一人きりでロコトレをコツコツと続けていくのは、なかなか大変なものです。 ロコトレは、継続することで予防力を発揮します。そのためには、家族に励ましてもらったり、友人や「ロコトレ仲間」と一緒に、声がけしたり、励ましたりすることで楽しく続けていくことができるものです。 自治体によっては、地域ぐるみでロコトレを行っているところもあるのでこうしたイベントに積極的に参加するのも有効です。 まとめ・ロコモティブシンドロームを防ぐロコチェックとロコトレとは? ロコモティブシンドロームは、ロコモと訳すことが多く、寝たきりや、要介護になる危険の高い状態を表しています。 普段身体に痛みや自覚症状がない人でも、ロコチェックに当てはまるものがある場合は運動機能が落ちている可能性があります。その場合は、ロコトレなどを取り入れて運動習慣を持つことでロコモを予防することが可能になります。ロコトレは、できるだけ継続することが大切です。 ロコチェックで気付いたことを参考に、周りの人とも協力して身体を動かす習慣をつくっていきましょう。そうすることで、いつまでも自分の足で歩くことができ活き活き!とした生活を送ることができるようになります。 また、関節や腰の痛みなどが酷い場合は、無理な運動をすることなく、ロコチェックやロコトレの前に病院等、医療機関で医師の診察を受けるようにしましょう。 以上、ロコモティブシンドローム(ロコモ)、運動器症候群についてご説明させて頂きました。要介護にならなうためにも参考にしていただければ幸いです。
2022.03.11 -
- ひざ関節
- 膝蓋軟骨軟化症
「膝の痛みや違和感が気になる」 「ランニングをしていると膝が軋むような感じがする」 ランニング時や階段の昇り降りなどで、膝に痛みや違和感を感じているものの、どのような病気なのかわからず悩む方もいるでしょう。 膝蓋軟骨軟化症(しつがいなんこつなんかしょう)は「ランナー膝」とも呼ばれ、10〜20代の若い世代や女性に多い膝の疾患です。 この記事では、膝蓋軟骨軟化症の原因や治療法を詳しく解説します。また、症状別の治療法も紹介するので、整形外科を受診する際の参考になれば幸いです。 ランナー膝の1つ「膝蓋軟骨軟化症」は10~20代に多い膝の疾患 膝蓋軟骨軟化症は、膝蓋骨(膝の皿)の裏側にある軟骨が柔らかくなる疾患であり、ランナー膝の一種としても知られています。とくに、10〜20代の若い世代に多くみられ、スポーツ活動が活発な人に発症しやすい傾向があります。 男性よりも女性に多くみられる病気で、女性ホルモンの影響やハイヒールのような不安定な靴を履くなど、女性ならではの原因があるのも事実です。 主な症状は、膝の痛みや違和感で、初期は自覚症状がない場合も少なくありません。進行すると、日常生活にも支障をきたす可能性があるため、注意が必要です。 若い世代のランナーに多いといわれている膝蓋軟骨軟化症の原因や症状など、詳しくみていきましょう。 膝蓋軟骨軟化症の原因 膝蓋軟骨軟化症は、膝にかかる負担や身体構造の問題、筋力バランスの悪化など複数の原因が重なって起こります。発症には、スポーツや日常生活での動作も関係しています。 そもそも膝蓋軟骨とは、膝の皿である膝蓋骨のうしろ側に付着している軟骨成分です。膝蓋軟骨は大腿骨と関節部を構成しており、軟骨組織は、通常であれば滑らかに関節面を可動します。 しかし、太ももの筋肉である大腿四頭筋の筋力不足や関節面の柔軟性低下などによって関節接合部が摩耗すると、ゴリゴリと膝部分から音が鳴るケースも珍しくありません。 ここでは、具体的にどのような原因が膝蓋軟骨軟化症につながるのかを解説します。 膝への負担が大きい動作をする ランニングやジャンプなど、膝への負担が大きい動作を繰り返すと、膝蓋軟骨が徐々に磨耗し、軟化する場合があります。 たとえば、ランニングの際、膝にかかる力は体重の約2〜3倍ほどといわれています。しかし、普通にランニングするだけで、膝蓋軟骨軟化症になるわけではありません。 階段を上る、しゃがみ込むなど日常生活で頻繁に行う動作を繰り返すと膝への負担がかかるため、注意しましょう。 若い世代の場合、成長期に運動量が多くなると症状が出るケースが多くみられます。過度な運動量を避け、適切な休息とクールダウンを取り入れるのが重要です。 身体構造に問題がある 膝蓋骨の形状や脚の骨格など、身体構造の問題も膝蓋軟骨軟化症の原因となります。代表的な例は以下のとおりです。 膝蓋骨が正しい位置より外側に偏った状態(膝蓋骨の外側偏位) X脚 外反母趾 扁平足(へんぺいそく) 膝蓋骨と大腿骨が正しい位置関係にならないと、膝蓋骨が外側へ偏り、膝蓋軟骨が摩耗したり断裂したりする場合があります。X脚は、膝関節に不自然な負荷がかかりやすいだけでなく、軟骨がすり減りやすくなります。 また、外反母趾や扁平足なども、間接的に膝への負担を増加させる原因です。ハイヒールを履くと、外反母趾を発症する可能性があると考えられています。 外反母趾はX脚に発展しやすいだけでなく、膝蓋軟骨軟化症に罹患しやすいと疾患関連性が指摘されているのも事実です。 筋力のバランスが悪い 膝周りにある大腿四頭筋やハムストリングの筋力バランスが悪いことも、膝蓋軟骨軟化症の原因です。 膝蓋骨を支える筋肉への負荷が均等に分散されないため、軟骨へ負担がかかります。 たとえば、太もも前側にある大腿四頭筋が強く、お尻の筋肉である臀筋(でんきん)が弱いと、足の内側と外側の筋力差が大きく、膝蓋骨が安定しません。また、体幹が弱いと運動時における体のバランスが崩れやすく、膝への負担が増える原因となります。 筋力バランスを整えるトレーニングが、膝蓋軟骨軟化症状の予防や改善に有効です。 膝蓋軟骨軟化症の症状 膝蓋軟骨軟化症が進行すると、膝の痛みや違和感など特徴的な症状が出てきます。症状の現れ方は人によって違いますが、日常動作にも支障をきたすため注意が必要です。 具体的な症状をみていきましょう。 膝の痛み 膝蓋軟骨軟化症で多い症状は、膝関節の周囲や裏側を中心とした痛みで、一般的には膝関節の腫れや熱感などは見られません。 膝関節を屈伸した際に痛みが増すといわれているため、階段の昇り降りやランニング、急に椅子から立ち上がる際などのときに症状が悪化しやすいと考えられます。 走っているときに膝蓋骨の裏側に痛み症状を覚えた人は、膝蓋軟骨軟化症を発症した疑いが持たれるでしょう。ランニング時に膝部分を何度も屈曲する動作を行うため、膝蓋骨裏側に存在する軟骨成分と大腿骨下端部が摩擦し合って関節面が傷ついていると考えられます。 症状が軽い段階では一時的に痛みが消える場合もありますが、症状が進行すると、安静時や軽い動作でも強い痛みを感じるようになるため、注意が必要です。 膝が軋むような違和感 膝蓋軟骨軟化症になると、膝の曲げ伸ばしをする際に、ゴリゴリ、じょりじょりとした軋むような音や、引っかかるような違和感を覚えるケースがあります。 これは、膝蓋軟骨の表面が軟化して凸凹ができ、膝蓋骨や大腿骨の間で摩擦が生じるためです。 膝が軋むような違和感は、痛みとともに現れる場合や単独で現れる場合もあります。初期症状では、特定の動作時だけ自覚する程度ですが、進行すると日常的な動作でも頻繁に違和感を感じるようになり、不快感や不安感を伴います。 膝蓋軟骨軟化症の検査 膝蓋軟骨軟化症で行われる検査は、以下のとおりです。 専門医による問診・視診・触診 MRI検査 関節鏡検査 まずは、診察で症状がどのようなときに出現するのか、あるいはいつから発症しているのかなどの臨床経過を確認する作業から開始します。 診察時には、膝関節部に腫れや赤みなどの所見はあるか、押さえて痛い部分は存在するか、膝に疼痛症状が起こる動作などを評価していきます。 MRI検査は、磁石と電波を利用して膝関節の内部を映像化する検査方法です。膝蓋骨の裏側に位置している軟骨部に特徴的な軟骨変形や軟骨破壊などの病変部があるか否かを調査します。 膝蓋軟骨軟化症と類似している疾患として、膝蓋骨後面欠損、離断性骨軟骨炎などが挙げられるため、MRI画像所見や既往歴などを詳細に評価して適切な診断につなげていきます。 膝蓋軟骨軟化症の診断や病変の確認に有効な検査方法は、関節鏡検査です。ただし、関節腔内に細い筒状の内視鏡を挿入する必要があり、膝関節を切開しなければなりません。 患者様の身体への負担が少ない方法として、専門医の診察やMRI検査を実施している医療機関が多くみられます。 【症状別】膝蓋軟骨軟化症の治療 膝蓋軟骨軟化症で行われる治療は、主に保存療法や手術療法・再生療法です。患者様一人ひとりの症状に合わせて、適した治療法を選択します。 症状別に各治療方法を紹介するので、参考にしてください。 【軽度〜中程度】保存療法 症状が軽度から中程度の場合は、保存療法を行います。 保存療法とは、手術をせずに症状の改善を目指す治療法です。主に薬物療法と理学療法に分類されます。 症状の程度などによって個人派はありますが、治療期間は1年前後かかるケースがあります。 薬物療法 薬物療法は膝の炎症を抑え、痛みを緩和する目的で行います。 具体的には、次のような抗炎症薬や湿布薬が使用されます。 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs) 鎮痛薬 ヒアルロン酸注射 湿布薬 症状によっては、ヒアルロン酸を注射する場合もあり、治療法は多岐に渡ります。 ただし、内服薬のなかには副作用を引き起こす可能性があるため、長期間服用する際は注意しなければなりません。 腹痛や吐き気などの消化器症状をはじめ、喘息発作・血圧上昇などの症状が出た際には、受診した医療機関に連絡しましょう。 理学療法 理学療法は、筋力強化や柔軟性向上のため運動療法を中心に行います。 膝蓋骨は、太ももの前後に位置する大腿四頭筋につながっているため、強化すると膝関節が安定し、痛みを予防できます。 また、ストレッチやマッサージでは、膝の柔軟性を高めると、痛みの予防が可能です。 専門である理学療法士による指導を受けると、効果的なトレーニングができます。症状に応じてテーピングやサポーターなどの補助的な方法も併用します。 運動やストレッチは、実施した分だけ効果が出るわけではありません。やり過ぎると症状を悪化させるリスクもあるため、自己判断で行わず、理学療法士の指示に従いましょう。 【重度】手術療法 保存療法で改善がみられない場合には、手術を伴う治療が検討されます。主に実施される治療方法は以下のとおりです。 関節鏡手術 軟骨デブリードマン 脛骨(けいこつ)粗面挙上術 関節鏡手術とは、小さく切開した部分から内視鏡を挿入し、損傷した軟骨の処置を行います。傷口の小さく、身体への負担が比較的小さく、回復が早い傾向にあります。 軟骨表面を整えるデブリードマンや、関節の接触圧を減少させる脛骨粗面挙上術などの手術方法もあり、年齢や症状に応じた選択が必要です。 手術療法は、保存療法で改善しなかった症状を根治できるよう治療しますが、術後の痛みや感染症などのリスクがあるのも事実です。 手術を検討する際は、担当の整形外科医とも良く相談しましょう。 【重度】再生医療 近年では、自身の細胞や組織を用いる再生医療も選択肢の1つとして注目されています。手術や入院の必要がないのが特徴です。 再生医療では、主に次の治療が行われます。 自家軟骨細胞移植:患者様の健康な軟骨から細胞を採取・培養し、増やした細胞を損傷部に移植 幹細胞治療:骨髄や脂肪組織から採取・培養した幹細胞を損傷部位に投与 多血小板血漿療法(PRP療法):血液から濃縮した血小板を抽出し、損傷部位に投与 なかでも、当院「リペアセルクリニック」では脂肪由来の幹細胞治療をご提供しています。 患者様自身の細胞を利用して治療するため、拒絶反応やアレルギーのリスクも少ない治療法です。 再生医療に興味のある方は、お気軽にご相談ください。 まとめ|膝蓋軟骨軟化症の症状にお悩みなら早めに受診しよう 膝蓋軟骨軟化症は、10〜20代の若い世代でランニングをはじめとしたスポーツをする人に多く見受けられる病気の一種です。 膝蓋軟骨軟化症は、膝にかかる過度の負担や、身体構造の問題など、複数の原因が考えられます。 軽度〜中程度の場合、保存治療により改善が見込めますが、重度では手術療法を検討するケースもあります。 膝蓋軟骨軟化症と診断されたら、進行する前に整形外科を受診しましょう。 当院では、患者様自身の細胞や組織を用いた「再生医療」も選択可能です。 膝蓋軟骨軟化症に関してよくある質問 膝蓋軟骨軟化症と診断されたら運動しない方が良いですか? 膝蓋軟骨軟化症と診断されたからといって、必ずしも運動を中止する必要はありません。ただし、膝に負担がかかるランニングやジャンプなどの運動は一時的に控えた方が良いでしょう。 整形外科医や理学療法士の指示に従い、痛みが軽減したら膝に負担の少ない運動から始め、徐々に負荷を上げていくのが重要です。 膝蓋軟骨軟化症の改善にストレッチは有効ですか? 膝蓋軟骨軟化症の改善にストレッチは有効です。とくに、膝の前後や股関節周囲の筋肉を伸ばすストレッチは、筋肉の緊張をほぐし、膝にかかる負担を軽くします。 ストレッチを継続すると、膝蓋骨の動きがスムーズになり、痛みを軽減させる効果が期待できます。 ただし、間違った方法で行うと症状を悪化させる可能性もあるため、整形外科医や理学療法士の指導を受けるのがおすすめです。 膝蓋軟骨軟化症の治療に手術は必要ですか? すべての患者様に手術が必要なわけではありません。基本的には、薬物療法や理学療法を中心とした保存療法を行い、症状の改善を目指します。 保存療法で効果が得られない場合や、軟骨の損傷が重度の場合には、手術が検討されます。手術が必要か否かは、症状や検査結果・年齢などを総合的に判断するため、整形外科医とも相談しましょう。
2022.03.11 -
- 半月板損傷
- 膝の外側の痛み
- ひざ関節
膝の半月板損傷に対する治療として、ヒアルロン酸注射を思い浮かべる人は多いかもしれません。「本当に効果はあるのだろうか」「いつまで続けないといけないのだろうか」と疑問に思うこともあるでしょう。 半月板損傷におけるヒアルロン酸注射は有効ですが、一時的な効果しか得られない点は注意が必要です。 半月板損傷を根本的に治療するには、他の方法も検討する必要があります。 本記事では半月板損傷に対するヒアルロン酸注射の効果やメカニズム、ヒアルロン酸以外に必要な治療などを解説します。 半月板損傷の治療法の選択肢を広げたい人は、ぜひ最後までチェックしてみてください。 【結論】半月板損傷にヒアルロン酸注射は有効な可能性がある 結論からいえば、半月板損傷に対してヒアルロン酸注射は有効な可能性があります。 過去の研究から、ヒアルロン酸注射によって炎症を強める成分を抑え、さらに炎症を抑える成分を回復させることが示唆されています。(文献1) 加えて、ヒアルロン酸が軟骨の劣化を抑え、衝撃吸収作用を高めることもわかっています。(文献2) 半月板損傷の治療については以下の記事でも解説しています。ぜひチェックしてみてください。 そもそもヒアルロン酸注射とは? ヒアルロン酸注射とは、ヒアルロン酸ナトリウムを膝関節に注入する治療法です。 ヒアルロン酸は膝の軟骨の成分の一つで、水分を多く含んでいます。膝関節に注射することで、関節の動きをスムーズにしたり、炎症を抑える効果が期待できるでしょう。 ヒアルロン酸は半月板損傷だけでなく、変形性膝関節症で軟骨がすり減り、関節の動きが悪くなったり痛みが出たりするときの治療にも使われています。 ヒアルロン酸注射の効果はあくまでも一時的 ヒアルロン酸注射は半月板損傷に有効と考えられていますが、効果は一時的です。ヒアルロン酸が関節内で分解され、ヒアルロン酸濃度が薄くなるためです。 1回の効果は持続しても1~2週間程度と考えられています。 また、ヒアルロン酸注射によって痛みが治まっても損傷した半月板は元に戻っていないため、痛みが再発する可能性があります。 ヒアルロン酸注射で効果が出ないケース 半月板損傷におけるヒアルロン酸注射で効果が得られないケースは以下のとおりです。 膝関節内の炎症が強い場合 関節の変形が重度の場合 半月板損傷の炎症が大きすぎると、ヒアルロン酸では抑えられない可能性があります。また、関節の変形が重度の場合は、ヒアルロン酸の潤滑油としての働きが効かないこともあるでしょう。 膝のヒアルロン酸注射が効かないケースについては、詳しくは以下の記事で解説しています。半月板損傷でヒアルロン酸注射を検討している人は目を通しておきましょう。 【いつまで?】半月板損傷でヒアルロン酸注射を続ける期間 半月板損傷に対するヒアルロン酸注射は、基本的に5回1クールの周期でおこないます。 ヒアルロン酸の効果を持続するためには、完全に分解される前に次のヒアルロン酸を補充しなければいけません。 まずは1週間に1回のペースで開始して5週程度連続して実施することが多い治療です。間隔を少しずつ空けていき、約2週間に1回のペースで注射を5回~10回前後継続して行います。 3カ月程度を目処に継続し、改善が見込めない場合はステロイド注射や手術など別の治療方法も検討していきます。 ヒアルロン酸注射の費用は1割負担で1,000円程度 ヒアルロン酸注射は医療保険が適応になる治療方法です。 治療費用は再診料や技術料金も含めて1割負担の人なら両膝1,000円程度、3割負担の人なら3,000円程度が一般的です。 そのほか薬の処方箋料や、レントゲンなどの撮影をした場合には撮影料が別途必要となります。初回の診察ではレントゲンなどの画像撮影も必要です。 詳しい治療費については、病院の窓口で確認しましょう。 半月板損傷でヒアルロン酸注射の効果がなかった場合の対処法 半月板損傷に対してヒアルロン酸注射を実施しても効果が乏しいときの対処法として、以下の3つが挙げられます。 炎症に対してのステロイド注射や内服 運動療法や物理療法などのリハビリ 半月板の縫合術や人工関節などの手術 ヒアルロン酸注射で効果がない場合、ステロイド注射や非ステロイド性消炎鎮痛薬などの薬物療法を行うことがあります。また、運動療法や物理療法などを導入することもあるでしょう。 もしこれらの保存療法でも改善がみられない場合は手術を検討することもあります。 なお、当院リペアセルクリニックでは膝関節の再生医療も実施しています。 再生医療は自然治癒が難しいとされる半月板の損傷に対して期待されている治療方法です。お気軽にメール相談もしくはオンラインカウンセリングからご相談ください。 まとめ|半月板損傷の治療はヒアルロン酸注射以外も検討しよう 半月板損傷に対して、ヒアルロン酸注射は炎症を抑えたり、痛みを軽減したりなどの効果が期待できます。週1回や2週間に1回のペースでヒアルロン酸注射をおこない、3カ月程度継続する治療です。 しかし、ヒアルロン酸注射の効果はあくまでも一時的です。 根本的な治療をするには、ヒアルロン酸注射と並行してリハビリをしたり、手術を受けることも視野に入れる必要があるでしょう。 なお、当院リペアセルクリニックでは半月板損傷に対して再生医療をおこなっています。 再生医療は、半月板のほか軟骨・神経など自然治癒が難しい組織に対して期待されている治療方法です。 半月板を根本治療を検討している人は、当院のメール相談もしくはオンラインカウンセリングからご相談ください。この記事が少しでも参考になれば幸いです。 半月板損傷のヒアルロン酸注射についてよくある質問 半月板損傷に対してヒアルロン酸注射は効果がありますか? 半月板損傷による炎症を抑える効果や痛みを軽減する効果が期待できます。 ヒアルロン酸注射は半月板損傷の症状を軽減する可能性がある治療方法です。しかし、半月板損傷が大きく、関節が変形するなど症状が大きい場合にはあまり効果がない可能性もあります。 半月板損傷でヒアルロン酸注射の効果がなかったときの対処方法はありますか? ほかの注射や痛み止め、リハビリ、手術が検討されます。 ヒアルロン酸注射の効果が乏しかった場合、ステロイド注射や非ステロイド性消炎鎮痛薬などの痛み止め、リハビリ、手術療法が有効です。また、当院リペアクリニックでは再生医療も実施しています。 参考文献 (文献1) 加藤幸夫 ほか「ラット変形性膝関節症モデルにおける高分子ヒアルロン酸の作用:ヒアルロン酸応答遺伝子の網羅的解析|ClinRheumatol(25)」 https://www.jstage.jst.go.jp/article/cra/25/3/25_174/_pdf/-char/ja (文献2) 科研製薬株式会社「早期変形性膝関節症の病態解明による診療の変遷」 http://e-kansetsu.jp/asset/pdf/interview_ishijima_210115.pdf
2022.03.11 -
- ひざ関節
- 半月板損傷
「半月板の亀裂って、どうして起こるの?」 「スポーツをしていたら急に膝が痛くなった原因は?」 このような疑問をお持ちではないでしょうか。 半月板の亀裂は、膝への強い負荷や繰り返しの衝撃によって発生します。 原因はさまざまですが、とくにスポーツ中の急な方向転換やジャンプの着地、加齢による組織の変性が関係しているケースが多く見られます。 本記事では、半月板の亀裂が起こる原因や症状を詳しく解説しています。 治療法も紹介しているので、記事を参考にして、自身の症状に合ったものを選択してみてください。 半月板が亀裂・損傷する3つの原因 半月板の亀裂・損傷の主な原因は、スポーツや運動による外傷、加齢による機能低下です。また、先天的な半月板の形状が要因で半月板の亀裂・損傷を引き起こすケースもあります。 本章では、半月板が亀裂・損傷する3つの原因について詳しく解説します。 スポーツや運動による外傷 半月板に亀裂が入る原因として、スポーツや運動による外傷が挙げられます。 とくに、急に方向を変えたり、ジャンプの着地で膝をひねったりすると、膝に強い負担がかかり、半月板が損傷しやすいです。 スポーツによる膝のけがには、半月板損傷、骨折、靱帯損傷、軟骨損傷などがあります。その中でも、半月板損傷は発生頻度が高く、前十字靱帯の断裂と同時に起こるケースも少なくありません。 スポーツを安全に楽しむためにも、適切なウォーミングアップや膝への負担を減らすトレーニングを意識しましょう。 なお、スポーツ外傷に対する治療法には「再生医療」の選択肢が挙げられます。損傷を起こしている膝関節に幹細胞を注入するだけで、傷ついた膝の組織や軟骨の再生を促します。 再生医療について詳しく知りたいという方は、無料のメール相談を承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。 加齢 半月板は、膝関節の衝撃を吸収する役割を担っていますが、加齢とともにその機能は低下します。 機能が低下すれば、わずかな力が加わっただけでも半月板が傷つきやすくなります。 結果的に、半月板が裂ける「変性断裂」の状態になるケースも珍しくありません。 先天的な半月板の形状 半月板の損傷は外傷だけでなく、生まれつきの形状によっても起こる場合があります。 先天的に半月板が通常よりも大きく分厚い「円板状半月」と呼ばれる状態では、膝の動きに伴う負担が大きくなり、損傷のリスクが高まります。 【基礎知識】半月板の亀裂・損傷とは? 半月板の亀裂・損傷とは、半月板に亀裂が入り、膝に痛みやひっかかり感が伴う状態です。 ここでは、半月板損傷の主な症状や検査方法を詳しく解説します。 半月板損傷の主な症状|痛みや引っかかりなど 半月板損傷の検査方法|レントゲンやMRI検査 理解を深めて、治療を進めていきましょう。 半月板損傷の主な症状|痛みや引っかかりなど 半月板が損傷すると、膝に強い痛みが生じるほか、曲げ伸ばしがスムーズにできなくなる場合があります。 主な症状は以下のとおりです。 痛み 引っかかり感 ロッキング(膝が動かない) 膝内部で出血 膝に水がたまる 症状が悪化すると、日常生活にも影響を及ぼす可能性があります。 違和感や痛みを感じた場合は、早めに病院を受診しましょう。 関連記事: 半月板断裂と損傷の違いとは?痛みの特徴や原因・治療法を解説【医師監修】 半月板損傷の検査方法|レントゲンやMRI検査 半月板損傷が疑われる場合、整形外科の診察を受けることが一般的です。 まず、医師が膝に負荷をかけながら動かし、痛みの有無を確認する診察がおこなわれます。これにより、半月板損傷の可能性を判断します。 より詳しく調べるために用いられるのは、画像検査です。代表的な方法として、レントゲン検査とMRI検査があります。 検査の種類 検査の特徴 レントゲン検査 関節の隙間の変化や骨の異常が確認可能 MRI検査 損傷の程度や損傷の種類(縦断裂、水平断裂、横断裂、弁状断裂など)が特定可能 医師の診察と画像検査を組み合わせることで、正確な診断につながります。 半月板の亀裂・損傷を早く治す治療法【重症度別】 半月板の亀裂・損傷の代表的な治療法を3つ紹介します。 保存療法|症状が軽度の方向け 手術|症状が重度の方向け 再生医療|軽度・重度どちらの方も選べる どの治療法を選択するかは、症状の進行具合や日常生活への影響を考慮した上で決めていきます。 関連記事: 半月板損傷を早く治す方法は?治療法と効果的なリハビリを現役医師が解説 保存療法|症状が軽度の方向け 半月板損傷が軽度の場合、保存療法を選択できます。保存療法とは、膝への負担を減らしながら自然な回復を促す治療法です。 具体的には、安静にして膝を必要以上に動かさないようにします。 炎症や痛みが強い場合は、抗炎症薬が処方され、症状の緩和を目指します。 保存療法では、膝周りの筋力を鍛えるリハビリが欠かせません。 適切なトレーニングをすれば、膝の可動域を広げ、関節への負担を軽減できます。 関連記事: 【効かない?】半月板損傷にヒアルロン酸注射は効果ある?費用や期間も医師が解説 手術|症状が重度の方向け 膝部の痛み、引っかかり感、ロッキングなどの症状が継続して認められる場合には手術療法を検討します。 手術には主に以下2つの方法があります。 手法 内容 切除術 損傷した半月板の一部を切り取る 縫合術 損傷した部分を縫い合わせて修復する 現在、半月板手術は約9割が切除術です。 しかし、半月板は膝関節の安定性を保ち、衝撃を吸収する役割を担っているため、切除すると膝への負担が増え、将来的に変形性膝関節症になるリスクが高まります。 そのため、近年では半月板をできるだけ温存する縫合術が推奨される傾向にあります。 関連記事: 半月板損傷の手術で痛みは治る?メリットとデメリットについて医師が解説 再生医療|軽度・重度どちらの方も選べる 近年は、半月板損傷の手術を伴わない治療法として、再生医療が注目されています。 再生医療には主に幹細胞治療とPRP療法のふたつがあります。 幹細胞治療は、患者様自身の幹細胞を採取・培養して患部に投与する治療法です。 PRP療法では、採取した血液から抽出した多血小板血漿(PRP)を患部に注射します。血小板に含まれる成長因子には炎症を抑える働きがあります。 どちらも患者様自身から採取した幹細胞・血液を用いるため、副作用のリスクが少ないのが特徴です。 当院「リペアセルクリニック」では「幹細胞治療」「PRP療法」の両方を提供しています。 半月板損傷に対する治療として再生医療をご検討の方は、お気軽にお問い合わせください。 [半⽉板] まとめ|半月板が亀裂・損傷する原因を理解して適切な治療を選択しよう 半月板が亀裂・損傷する原因は、主にスポーツ中の膝への衝撃や加齢です。 損傷した状態を放置していると、動きに制限が出て日常生活に支障をきたしたり、半月板が断裂したりする可能性があるため、早めに病院を受診しましょう。 体への負担が少ない治療法をお探しの方は、再生医療をご検討ください。 再生医療について詳しくは、以下のページでご確認いただけます。 半月板が亀裂・損傷に関するよくある質問 半月板損傷を手術しないで治す方法はありますか? 軽度の損傷であれば、保存療法を選択できます。 膝への負担を減らしながら自然回復を待つ方法が一般的です。具体的には、安静や、抗炎症薬の服薬、リハビリなどが挙げられます。 また、半月板損傷は切らずに治せる「再生医療」も選択可能です。 再生医療の「幹細胞治療」や「PRP療法(多血小板血漿療法)」を用いれば、手術をせずに膝の回復を目指せます。 詳しい治療法や効果が気になる方は、再生医療を専門とする当院「リペアセルクリニック」にお気軽にお問い合わせください。 \まずは当院にお問い合わせください/ 半月板損傷の人はやってはいけないことを教えてください 以下のような膝に負担をかける動作は、痛みの悪化や回復の遅れにつながるため避ける必要があります。 急な方向転換 階段の昇り降り 立ちっぱなしや長時間の歩行 あぐらや正座など膝に負担がかかる姿勢 日常生活の中で膝を守ることを意識し、早期回復を目指しましょう。 関連記事: 【医師監修】半月板損傷でやってはいけないこと!放置するリスクや治療方法も解説
2022.03.10 -
- ひざ関節
- 膝に赤みや腫れ
- オスグッドシュラッター病
オスグッド・シュラッター病|成長期の少年の膝に発症するスポーツ障害 オスグッド・シュラッター病という病気をご存知でしょうか? 普段あまり聞き慣れないかもしれない病名ですが、脛骨結節部という膝の皿(膝蓋骨)の下に存在している骨が飛び出してくることで膝痛が引き起こされる病気です。 この疾患は、患部が赤く腫れあがる、あるいは熱感を認めることもあって、傾向的には成長期に該当する少年に発症しやすいスポーツ障害のひとつと言われています。 特に、サッカーや陸上、バスケットボールなどの競技において、跳ねる行為やボールを蹴る動作を頻繁に必要とされる場合によく遭遇する病気と考えられています。 オスグッド・シュラッター病 脛骨結節部(膝の皿(膝蓋骨))の骨が飛び出し、膝痛が起こる 患部が赤く腫れあがり、熱感を認める 成長期の少年が発症しやすいスポーツ障害 →サッカー、陸上、バスケットボールなど、跳ねたり、蹴る動作を頻繁に行うスポーツ 今回は、そのような「オスグッド・シュラッター病」という病気の原因、症状、検査、治療などに関する情報を中心に詳しく解説していきます。 オスグッド・シュラッター病の「原因」 オスグッド・シュラッター病が引き起こされる原因は、膝を伸ばす力が繰り返されることによって脛骨結節部分が引っ張られて成長期に認められる膝軟骨部が剥離することと言われています。 オスグッド・シュラッター病という疾患は大腿四頭筋の過剰使用によるスポーツ障害の一種とされており、骨が軟骨から急激に成長する時期である概ね10歳から15歳頃の成長期における男児に多い病気です。 もともと、膝の曲げ伸ばし運動は太ももにある大腿四頭筋という筋肉によって常日頃から行われており、この筋肉が膝蓋腱を介して脛骨結節を引っ張っているため、跳躍運動やボールなどを蹴る動作で脛骨結節に過剰な負荷がかかると本疾患を発症しやすいと言えます。 一般的には、成長期が過ぎてしまえば自然と症状が軽快する病気であり、疼痛症状が改善すればスポーツや運動行為を再開することが出来ます。 オスグッド・シュラッター病の「症状」 オスグッド・シュラッター病における主な症状としては、「脛骨結節部の隆起と痛みや腫れ、あるいは患部が熱感」を持つことなどが挙げられます。 通常であれば、それらの症状は片脚にのみ認められることが多く、痛み症状は膝を動かすときに出現しやすく、休息している際には緩和されていることが知られています。 成長期においては、骨成長スピードに周囲の筋肉が追いつけずにアンバランスになっている状態であり、筋肉自体に強度と柔軟性が乏しいためにスポーツなどを過度に実践すると、大腿四頭筋から繋がっている脛骨粗面部に負荷がかかりやすくなります。 その結果として、膝軟骨が一部剥離するなど物理的な刺激が生じて、かつ成長期の脛骨結節部は通常よりも柔らかい構造であるがゆえに外的刺激がより過重されて、患部の熱感や腫脹などに伴って疼痛症状を引き起こされやすいと考えられます。 オスグッド・シュラッター病の「検査」 オスグッド・シュラッター病の診断は、基本的には医師による診察と症状、あるいは画像検査などに基づいて評価されます。 この疾患では特徴的な症状を捉えると同時に、患部の隆起所見や圧痛の有無などによって診断されますし、より確実な診断に繋げるためにX線検査を行って脛骨結節の剥離があるかどうかを確認する作業が行われます。 膝部分のX線検査を施行することで、脛骨粗面の腫脹の有無、あるいは剥離破片が形成されているか否かも判断できます。また、必要に応じて超音波検査、CT検査やMRI検査などの画像的評価を追加して実施することも往々にしてあります。 オスグッド・シュラッター病の「治療」 オスグッド・シュラッター病は成長期に一時的に認められる病気とされており、通常では成長を重ねると共に自然と治癒傾向を示します。 この病気に伴う症状は通常であれば数週間から数カ月後の間に消失することが多く、激しい運動ならびに深く膝を屈伸する動作などを避けると症状の軽減に繋がります。 本疾患による症状の悪化を回避するために、大腿四頭筋のストレッチング、あるいは患部のアイシングなどを実践すると同時に、万が一疼痛症状がひどい際には鎮痛剤の服用や湿布を貼付することも考えられます。 症状が改善されればスポーツ活動や運動動作を再開することも可能ですが、スポーツする前後に出来る限りストレッチングやアイスマッサージをする、そして膝にベルトなど固定具を装着するなどの対策を講じると有用ですので心がけましょう。 まとめ・オスグッド・シュラッター病は成長期の少年の膝に発症するスポーツ障害 今回はオスグッド・シュラッター病とはいったいどのような病気なのか、また本疾患の原因、症状、検査、治療などについて詳しく解説してきました。 オスグッド・シュラッター病とは、主に成長期の子どもたちが膝前下部に痛みや熱感を自覚する疾患であり、激しい運動を繰り返すことで発症しやすいと考えられています。 スポーツ活動中に万が一にも膝部に疼痛を認める際には我慢せずに安静にして休息することが重要であり、症状改善後には運動前後にウォーミングアップやクーリングダウンを確実に実践することで、スポーツ障害の発生を回避できると考えられます。 今回の記事の情報が少しでも参考になれば幸いです。 https://youtu.be/SLVA_1FAA-w?si=P1U6Pb0dlOhztIJz ▶成人後でも、後遺症として再び痛みがでることも。治療期間の短縮にはPRP治療がおすすめです。 ▼ スポーツ外傷(オスグッド・シュラッター病、筋・腱・靭帯損傷)に対する再生医療 当院の再生医療は、スポーツ選手のパフォーマンス(QOL)を維持する治療を推進しています
2022.03.10 -
- 手部
- 手部、その他疾患
腱鞘炎の痛みで「お箸が持てない」「ドアノブが掴めない」などと、悩んでいる方もいるでしょう。 腱鞘炎には種類があり、それぞれで症状が現れる部位が異なります。腱鞘炎になると手首や手の指に激痛が走り、日常生活にも支障をきたします。なかには、痛みが長引くケースもありますが、腱鞘炎は適切に対応すれば、早期の回復が見込める病気です。 今回は、腱鞘炎の種類と症状、原因について解説します。治療法と予防のポイントについてもまとめているので、腱鞘炎でお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。 腱鞘炎にはドケルバン病とばね指の2種類がある 腱鞘炎は、手首に症状が現れる「ドケルバン病」と、指に症状が現れる「ばね指」の2種類に分けられます。 腱鞘炎は、指の動かしすぎによって、腱の通り道にあるトンネル状の腱鞘が炎症して厚くなったり、腱鞘の中を通っているロープ状の腱が腫れたりして起きます。以前は、楽器の演奏者やスポーツ選手、料理人など、一部の人に多く現れるため、職業病とされていました。 しかし、最近では、パソコンやスマートフォンの長時間の使用によって、腱鞘炎に悩む人が増えています。 腱鞘炎を発症しやすい方は、主に以下の通りです。 ラケット競技のスポーツ選手(テニス・バドミントン・ゴルフなど) パソコンのキーボードを頻繁に使う職業 重い鍋を使う料理人 作家(文筆業) 育児中の人 妊婦や更年期の女性 糖尿病やリウマチの患者 腱鞘炎は痛みを伴うため、仕事や日常生活にも支障をきたします。 腱鞘炎の種類|ドケルバン病 ドケルバン病は、別名で狭窄性腱鞘炎(きょうさくせいけんしょうえん)と呼ばれ、指と手首をつないでいる2本の腱とトンネル状になっている腱鞘といわれる部分が炎症を起こして痛みが生じます。 以下で、ドケルバン病の症状とセルフチェック法を解説するので、ぜひ参考にしてください。 ドケルバン病の症状 ドケルバン病になると、手首の親指側に以下のような症状が現れます。 痛みがある 熱を持っている 腫れている 手首に力が入らない とくに親指や手首を動かすときに痛みが強くなることが特徴です。 また、患部を上から押さえると痛みが増す場合があります。ほかにも、物を掴むときやタオルを絞る動作でも症状が強くなりやすいため注意が必要です。 ▼ ドケルバン病の症状や原因について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。 ドケルバン病のセルフチェック法 ドケルバン病は、医師による診断が確実ですが、セルフチェックも可能です。以下のセルフチェック法を試して痛みが増すようであればドケルバン病が疑われるため、早めに医療機関を受診しましょう。 フィンケルシュタインテスト 小指が一番下になるように症状のある手を前へ出す 親指を内側に倒す 反対の手で親指を掴む 掴んだ親指を小指側に引っ張る フィンケルシュタインテスト変法 親指を内側に入れて握りこぶしをつくる そのまま手首を小指側に倒す 岩原・野末テスト 手首を手のひら側に直角に折り曲げる 親指と人差し指をできる限り広げる 強い痛みやしびれなどがある場合は、すぐにセルフチェックを中止してください。 腱鞘炎の種類|ばね指 ばね指は、指の手のひら側にある腱をカバーするように覆っているトンネル状の腱鞘と呼ばれる部分に炎症が起こる病気です。 以下で、ばね指の症状とセルフチェック法を解説するので、ぜひ参考にしてください。 ばね指の症状 ばね指が起こると、手のひら側の指の付け根に以下のような症状が現れます。 痛みがある 熱を持っている 腫れている 指を十分に伸ばせない ばね指は両手のどの手指にも起こるものの、とくに親指・中指・薬指に多くみられます。 なお、ばね指は朝方に症状が強くなる傾向です。夜間は指を動かさないため、屈筋腱の血流が悪くなり、むくみが生じるためだとされています。日中に手指を使っていると徐々に痛みが緩和される場合もあります。 ばね指のセルフチェック法 ばね指は、手指の状態を見てセルフチェックも可能です。以下の項目に該当する場合は、ばね指が疑われます。 曲がった指を戻そうとすると、ばねのように跳ねる 指が曲がったまま戻せなくなる 指を曲げ伸ばしするときに引っかかる感じがある 指がこわばって動かしにくい いずれか一つでも該当する場合は、ばね指の可能性が考えられます。指の付け根に痛みや違和感を感じたら、放置せずに、症状が軽いうちに医療機関を受診してください。 ▼ ばね指のときにやってはいけないことについては、以下の記事で詳しく解説しています。 腱鞘炎がなかなか治らないのは主に使いすぎが原因 腱鞘炎は、手首や指などの使いすぎによって発症する病気です。とくに同じ動作を繰り返すことで、腱が摩耗して炎症を起こし、痛みや腫れの原因になります。 腱鞘炎は初期段階では軽度の痛みで済むケースがほとんどです。軽度の腱鞘炎の場合、安静にして手首や手を使わないようにしているだけで、痛みが和らぐ可能性もあります。 一方で、腱鞘炎による痛みを無視して手首や指を使い続けると、症状が悪化して手首や指の動きが制限されるほか、治りにくくなるため注意が必要です。 重症化すると箸が持てなくなるケースもある 腱鞘炎が進行して重症化すると、箸が持てなくなる場合があります。重度の腱鞘炎では、指が引っかかる感覚が強くなり、痛みで思うように指を動かせなくなるケースも珍しくありません。ほかにも、腱鞘炎が重症化すると、日常生活に支障をきたします。 ペットボトルの蓋が開けられない フライパンが持てない 硬貨を持てない タオルが絞れない 洗濯ばさみが使えない など 腱鞘炎は、ほとんどの原因が仕事や日常生活の動作に関係しているため、慢性化しやすい病気です。なかには腱鞘炎が原因で、やむを得ず転職を余儀なくされた方もいます。 手首や指に痛みや腫れが現れたら、放置せずに医療機関を受診しましょう。リペアセルクリニックでは、メール相談やオンラインカウンセリングを実施しています。慢性化した腱鞘炎でお困りの方は、ぜひ気軽にご相談ください。 腱鞘炎の治療 腱鞘炎は軽症の場合、手首や手を休めることで症状が改善することがあります。しかし、痛みや腫れが続く場合は、症状に合わせて適切な治療をする必要があります。 腱鞘炎の主な治療法は、以下の通りです。 保存療法 ステロイド注射(トリアムシロノン) 手術療法 ほかにも、手首や指に違和感がある場合は、湿布やテーピングの利用も効果的です。以下で、腱鞘炎の治療法について、それぞれ詳しく見ていきましょう。 1.保存療法 腱鞘炎が軽度の場合は、保存療法でも十分な治療効果を得られる場合があります。保存療法では、まず親指や手首を休ませることが大切です。たとえば、仕事の合間に休憩を取ったり、作業時間を減らしたりすると効果的です。 保存療法の主な目的は、痛みや炎症を抑えることで、具体的には以下のような方法があります。 添え木やサポーターを使用して手首や指を固定する 湿布とアイシングで患部を冷やす テーピングを使用して手首や指の動きをサポートする 痛み止めを内服して痛みを和らげる 手首や手の使用を控えることで、炎症の悪化を防ぎ、症状の改善を早めることが期待できます。 2.ステロイド注射(トリアムシロノン) 保存療法を試みても改善が見られない場合は、ステロイド注射が有効です。トリアムシロノンなどのステロイドを注射は、炎症を抑える働きが期待できるほか、腱鞘内に直接投与できるため、局所的に効果を発揮する可能性があります。 ただし、ステロイド注射の治療は短期間で症状の改善が期待できるものの、繰り返し使用すると副作用のリスクが高まるため、医師の指導のもとで適切に使用する必要があります。 3.手術療法 腱鞘炎が慢性化している場合や再発を繰り返している場合には、手術療法も選択肢の一つです。保存療法やステロイド注射でも改善がみられない場合にも、手術が必要になる場合があります。 腱鞘炎の手術は、局所麻酔による日帰り手術が可能です。手術では炎症を起こしている腱鞘を切開し、腱がスムーズに動くようにします。手術後はリハビリテーションが必要になるものの、腱鞘炎を治すために有効な方法です。 腱鞘炎の予防法 腱鞘炎の予防は、日頃からのケアが大事です。腱鞘炎は、手の使いすぎだけではなく、血行不足によっても生じる場合があります。腱鞘炎の予防には、以下のような方法があります。 手首と手のストレッチをして血流を良くする 入浴時に温冷法(熱めのお湯と冷水を交互に30秒ずつを5セット)を取り入れる 両手でスマートフォンを操作する 腱鞘炎を予防するためには、普段から長時間同じ作業を続けないように意識し、手首や手を休ませることが大切です。また、作業の前後にストレッチを取り入れるのも有効です。 パソコンを使用する場合は、強くキーボードを叩かないなどの工夫をしてみることも効果があります。 腱鞘炎は症状が軽いうちにケアをして、痛みを長引かせないことが大切です。手首や手の痛みが続くようなら、早めに医療機関を受診してください。 腱鞘炎の治療における再生医療の可能性 腱鞘炎の治療は、痛みの程度や症状に合わせて保存療法やステロイド注射などを選択します。また、保存療法でも改善が見られない場合は、手術とリハビリテーションを経て症状の改善を目指す場合があります。 ほかにも、手術以外の選択肢として近年注目を集めているのが再生医療による治療方法です。再生医療は、幹細胞や血小板の投与によって症状の改善を目指す治療方法で、副作用が少なく身体への負担を減らせるメリットがあります。 幹細胞は骨や腱、筋肉、皮膚などを再生する細胞で、性質をうまく利用して身体の損傷している部分を再生できる可能性があります。 リペアセルクリニックは、再生医療による幅広い治療を行っている専門のクリニックです。メール相談やオンラインカウンセリングも実施しているため、再生医療について詳しく知りたい方は、ぜひ気軽にご相談ください。 まとめ・腱鞘炎が治らない場合は種類や症状にあわせて治療法を検討しよう 腱鞘炎は、手や指を使いすぎると発症する病気です。一度発症すると治るまでに時間がかかってしまう場合がありますが、治らないわけではありません。腱鞘炎の症状を改善するためには、手を酷使しないよう定期的に休憩をして手を休ませる必要があります。 慢性化した腱鞘炎の治療には、薬物療法やステロイド注射、手術のほか再生医療という選択肢もあります。手や指などの痛みや違和感が長く続く場合は、医療機関で相談して、治療方法を検討しましょう。 腱鞘炎がなかなか治らないときによくある質問 腱鞘炎を早く治すためにはサポーターやテーピングを使ったほうが良い? 腱鞘炎を早く治すためには、サポーターやテーピングの使用が有効です。サポーターやテーピングを使って手首や指の動きを安定させると、腱にかかる負担を減らせる場合があります。 ただし、サポーターやテーピングは補助的な役割にしかすぎません。腱鞘炎を早く治すためには、できるだけ安静にするほか、痛みの程度に合わせて内服薬の服用やステロイド注射なども検討する必要があります。 腱鞘炎の治療期間はどのくらい? 腱鞘炎の治療期間は、痛みの程度や治療法によって異なります。軽度の腱鞘炎であれば、4〜6週間ほどで症状が改善するケースが一般的です。 しかし、重度の場合には、数カ月以上にわたって治療が必要になる場合があります。 腱鞘炎の治療期間については、医療機関を受診した際に医師に確認し、希望に沿った治療方法を検討しましょう。
2022.03.07 -
- ひざ関節
- 膝の内側の痛み
- 変形性膝関節症
変形性膝関節症のお悩み|従来の治療法と新たに注目される最新の治療法 膝の痛みが進み、変形性膝関節症になると、症状が進行するごとに痛みを感じる頻度が増えます。痛みを我慢して日常生活を送っているのはとても辛いですから、何とかして痛みを和らげたいものです。 変形性膝関節症は、中期から末期になると痛みが強くなり、末期には膝が変形するほどの症状となります。 そうなると日常生活を送るのこと自体が難しくなります。何よりも歩くことが難しくなると運動不足になり、結果として肥満が進んだり、内臓の働きが悪くなって様々な病気を引き起こす原因にもなります。 そのためにも膝の痛みや違和感は我慢せず、早めに病院等、医療機関を受診してください。 今回は、膝の痛み・変形性膝関節症について、これまでの治療法と、新たに注目されている「最新の治療法」についてご紹介します。 膝の痛み、変形膝関節症の初期の対処法 変形膝関節症は、初期の段階で炎症を悪化させないようにすることが大切です。 初期~中期の前半あたりでは、3日から1週間ほどなるべく安静にし、膝に負担をかけない生活を送ることを心がけてください。炎症が収まり、痛みも引く場合があります。 安静にしていても膝の痛みが治まらない場合は、医療機関を受診してください。専門医による適切な治療を受けることをおすすめします。 変形性膝関節症の従来の治療法 変形性膝関節症の従来の治療では、症状が軽いうちは、生活習慣の改善と内服薬での治療がメインとなります。もう少し進行するとリハビリも取り入れた治療となり、症状が重い末期では手術を行うこともあります。 生活習慣の改善 症状が軽い場合は、日常生活における膝の負担軽減を目的として、生活習慣の改善を行います。具体的には普段の動作を見直す、肥満であれば減量するといった内容です。 膝への負担を減らす目的での体重管理は、大切ですが、自己流では難しいものです。できれば、診察を受けている病院等にて指導を受けて取り組まれることお勧めします。 運動療法(リハビリテーション) 運動によって脚に筋力をつけ、膝周辺の筋肉を強化し、膝関節を保護します。良くある誤解は、運動をすると膝の痛みが強くなるのでは?という疑問です。 この点に関して不安になる患者さんもいらっしゃいますが、適切・適度な運動を行うことで膝周囲の筋肉強化が可能になります。筋肉が強化されると、膝関節の負担を軽減することができるため前向きにお取組みください。 ただし、自己流は逆に膝を傷めることもあります。病院のリハビリ等、専門家の指導を受けて無理のない範囲で行いましょう。 薬物療法 痛みのある患者さんには、内服薬や外用薬を使った痛み止め治療を行います。 装具療法 歩行や立ち上がりの際の膝への負担を軽減するため、膝サポーターや足底(インソール)への装具着用を行います。 物理療法 膝周辺を温めて血行を促したり、炎症が酷く腫れている場合は冷やすなどします。 外科手術 症状が進行した場合、外科的治療が必要になることがあります。具体的には、内視鏡を使った関節鏡視下手術や、骨を切って変形を矯正する高位脛骨(けいこつ)骨切り術、人工膝関節置換術などがあります。 膝の症状が進行し、変形性膝関節症で辛い思いをしている患者さんは少なくありません。特に、投薬や注射でも改善しない痛みが続く末期の患者さんは日常生活に支障をきたしています。そのような場合、次のような方法が選択肢となります。 関節鏡視下手術 高位脛骨(けいこつ)骨切り術 人工膝関節置換術※ ※人工膝関節置換術とは 変形性膝関節症の人工膝関節置換術では、特殊な金属とポリエチレンから作られる人工関節を設置することで、膝関節の動きをサポートすることができます。 術後はそれまでの膝関節の痛みがなくなる、もしくは大きく和らぎ、膝の痛みが軽くなることで、運動もできるようになることが多くあります。人工関節置換術によって痛みは和らぎ、日常生活の不便も少なくなりますが、やはり手術には注意点やリスクがあります。 例えば、人工関節が外れたり、異物を入れたことによる細菌感染が起きるといったリスクがあり、時間の経過に伴い人工関節が緩むこともあります。 ですから、変形性膝関節症で最新治療を受ける場合は、信頼できる病院を選ぶこと、また、術後も定期的に受診をし、適切な検査を受けることが必要です。 変形性膝関節症のおすすめ最新治療「再生医療」 保存療法や手術に代わる、新しい選択肢としておすすめしたいのが「再生医療」です。 膝の痛みの原因のひとつ、膝軟骨のすり減りに対しては、軟骨を再生させることはこれまで不可能と言われてきました。それが先端医療の再生医療では、患者さんの幹細胞を培養して軟骨を再生することができるようになりました。 再生医療は大掛かりな手術を必要とせず、本人の細胞を利用することで患部の再生を促す医療で、保存療法よりも早期の治療効果が期待でき、しかも確実性が高く、従来の手術法よりも体への負担が少ない治療法として注目されています。 再生医療の中でもおすすめは、自分の幹細胞を培養して用いる治療法で培養するための時間は必要ですが手術することなく、入院の必要もなく、日常生活に復帰できる点が評価されている治療法です。 再生医療は新しい医療分野だけに、医師であっても知見に乏しいことがあります。ご相談される場合は、一般の病院等ではなく再生医療専門医のいるクリニック等にてご相談されることをおすすめします。 当院でも、再生医療による変形性膝関節症の治療をおこなっています。是非一度お問い合わせください。 https://youtu.be/zmcafuxHyTw?si=tmnJuLE99nvDVlQc > その他、変形性膝関節症の事例を動画で見る まとめ・変形性膝関節症のお悩み|従来の治療法と新たに注目される最新の治療法 軽度な変形性膝関節症は、外科手術を必要としなくても進行を抑えることが可能ですが、進行してしまうと外科的手術が必要になる場合があります。しかし、末期の変形性膝関節症でも「最新治療」によって運動が可能になるほど症状を緩和することが可能です。 最新治療を検討する場合、変形性膝関節症の治療実績の高い病院やクリニックで整形外科を選ぶこと、また、術後のトラブルを防ぐためにも、定期的な受診を怠らず検査をきちんと受けるようにしましょう。 変形性膝関節症は、早期治療が何よりも大切、膝に痛みや違和感を感じたら自己判断せずに病院等にて診察を受けられることをおすすめいたします。 以上、変形性膝関節症で悩まれている方に向けて新たに注目されている最新の治療法である再生医療を記しました。 この記事がご参考になれば幸いです。 ▼ 変形性膝関節症でオススメの再生医療は、幹細胞治療です 変形性膝関節症の新たな選択肢、再生医療の幹細胞治療で手術せずに症状を改善できます ▼以下の参考にご覧ください 変形性膝関節症の手術|知っておきたい手術のメリットとデメリット
2022.03.03