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- 関節リウマチ
- お皿付近に違和感
- 内科疾患
「関節リウマチになったらやってはいけないことはある?」 「関節リウマチで食べてはいけないものは?」 関節リウマチの症状を改善したくて、日常生活で何に気をつければ良いか知りたいと考えていませんか? 痛みやこわばりでつらい思いをしないで済むよう、できることがあるならやっておきたいですよね。 結論、関節リウマチとうまく付き合うために日常生活の中で避けてほしいことがあります。 本記事では、関節リウマチの患者様が避けるべき10項目を紹介します。 本記事を参考にしていただき関節リウマチの症状軽減を目指すとともに、日々の生活を快適に過ごせるように意識してみてください。 関節リウマチのしてはいけない10項目とは? 関節リウマチの患者様がしてはいけない10項目は以下の通りです。 症状を悪化させないために、紹介した10項目を避けるよう心がけてみてください。 ①砂糖や加工食品の摂りすぎ https://youtu.be/4LeBKWd3w2s?si=qFEX9A8IULDRFirM 関節リウマチの症状を悪化させる可能性がある食べものとして、以下があります。 砂糖入りの飲食物 赤身の肉 加工食品 また、不飽和脂肪酸のn-3系とn-6系の摂取するバランスが崩れることも関節リウマチの痛みと関わっているので、バランスの良い食事を意識することが大切※です。 ※出典:PMC PubMed Central 以下に根拠となる研究をご紹介します。 砂糖入りの飲食物 砂糖入りの飲みものは、以下2つの研究から関節リウマチの悪化因子であり、発症リスクを高める因子でもあることが報告されています。同時にデザートもリウマチの悪化因子だと報告があるので、注意が必要です。 217人の関節リウマチ患者を対象とした、自己申告による研究があります。20種類の食品のうち、最も関節リウマチの症状が悪化したと報告されたのは砂糖入りの炭酸飲料とデザートでした。 ※文献1:PMC PubMed Central アメリカの約19万人の女性を対象とした大規模な疫学調査では、砂糖入り炭酸飲料と関節リウマチの発症リスクの関連性を評価しています。毎日1缶程度以上の砂糖入り炭酸飲料を摂取している人は、全く飲まない、あるいは毎月1缶未満程度しか摂取しない人に比べ、リウマチ因子陽性の関節リウマチを発症するリスクが63%高いことがわかりました。 ※文献2:PMC PubMed Central 赤身の肉 関節リウマチを悪化させる可能性がある食べものとして赤身肉の報告があります。 217人の関節リウマチを有する患者を対象とした研究において「赤身肉を食べると関節リウマチの症状が悪化する」と報告した人の割合は、20種類の食品の中では高い方でした。 ※文献1:PMC PubMed Central 関節リウマチの新規患者88名とそうでない176名を比較した研究では、患者群の方が赤身肉の摂取量が高い結果でした。 ※文献3:PubMed 加工食品 加工食品の摂取量が多いと、関節リウマチ患者の心血管系疾患のリスクが高くなる可能性が報告されています。 56人の関節リウマチ患者の摂取している食品を加工レベル別に評価した結果、糖分・塩分・脂肪を多く超加工食品の摂取量が多いほど患者の心疾患リスクが上がりました。 ※文献4:SPRINGER NATURE Link 関節リウマチと食べものについてはさまざまな研究が行われていますが、いずれも摂取量の多いことが問題になっています。 関節リウマチの症状を悪化させないためにも、同じものを極端に食べすぎず、バランスの良い食事を心がけましょう。 ②激しい運動 痛みが強く出ているときは、激しい運動を避けるべきです。炎症が起きている関節に負担がかかることで、症状が悪化する場合があります。 ただし、関節の動きを良くするためにも適度な運動は推奨されています。治療を続ける中で痛みがコントロールできている場合は、適度に体を動かし、手足の筋力や関節の可動域(動かせる範囲)を維持しましょう。 関節リウマチは、関節だけでなく全身に症状が出やすい病気です。運動は無理のない範囲で行い、疲れたら休憩や昼寝など適宜休息をとりましょう。 ③体や関節を冷やす 体や関節を冷やしすぎると関節痛が強くなったり、関節が動かしづらくなったりすることがあります。 寒い季節はもちろん、夏も冷房の風が直接あたるのを避け、長袖や長ズボン、ブランケットなどで関節部位の保温を心がけましょう。温まって関節の血液の流れがよくなると、こわばりや痛みをやわらげる効果が期待できます。 ただし、関節が腫れて熱感があるときは炎症が起きている可能性もあるので、温めないようにしましょう。 ④首に負担をかける行動 関節リウマチが進行すると頚椎の炎症を起こし、頸部痛や頸部の運動制限をきたします。 過度に首に負担がかかる行動をすると、頚椎の亜脱臼を起こして脊髄神経を圧迫し、四肢の痺れや麻痺、呼吸障害が起こる可能性があるのです。 首に負担がかかる動作の一つに起居動作が挙げられます。朝はできる限りベッドから急に立ち上がらず、一度腰かけてから立つ習慣をつけましょう。朝は不用意に首を回さないようにし、首の運動は医師の診察を受けた上で行うことが重要です。 ⑤肥満 肥満だと膝や股関節などの主要な関節に過剰な負担がかかり、炎症が悪化する可能性があります。体重管理を適切に行うことで関節への負担を軽減し、症状の悪化を防ぐよう心がけましょう。 体重管理の観点からバランスの取れた食事と適度な運動が重要です。 ⑥同じ姿勢を長時間とる 同じ姿勢を長時間保つのは同じ部位に負担をかけてしまいます。定期的に姿勢を変えて、関節に負担がかかりすぎないようにしましょう。 特にデスクワークや座りっぱなしの仕事では、適度に休憩をとったり、ストレッチを行ったりすることが重要です。 ⑦重いものを持つ 関節リウマチの好発部位は、手指や手首の関節です。重いものを持つと過剰な負担をかけ、炎症や痛みを悪化させる原因となります。 日常生活では重いものを持つ機会をできるだけ避け、必要な場合は道具などを利用して負担を軽減しましょう。 症状があるとうまくものが持てないこともあるので、周囲のサポートを得るのも大切です。 ⑧正座をする 正座は膝関節に大きな負担がかかるので可能な限り避けましょう。とくに、正座を長時間続けるのは、膝や足首の可動域が制限され血行不良を招きやすいので、関節の痛みや腫れを引き起こす可能性があります。 正座を避けて椅子に座る、膝を伸ばして楽な姿勢をとるようにしましょう。 関節リウマチによる膝の関節炎について詳しく知りたい人は以下の記事もご覧ください。 ⑨喫煙をする 関節リウマチの患者様は、禁煙が勧められます。喫煙は関節リウマチの症状を悪化させるだけでなく、病気を進行させる要因になり、死亡リスクが上がる可能性も報告されています。 とくに死亡リスクに関しては、リウマチの診断後に禁煙した人は喫煙を継続した人よりも死亡リスクが低くなると報告されていました。(文献6) 今更だと思わずに、早めに禁煙に取り組みましょう。 関節リウマチと喫煙の関係性を詳しく知りたい人は以下の記事もご覧ください。 ⑩ストレスを溜める 手がこわばってものがつかみにくいなど、関節リウマチの患者様は日常生活の不自由さからストレスを感じやすいです。ストレスが溜まることで自律神経の乱れやメンタルに不調をきたしてしまうことから、健康的な生活から遠ざかる可能性があります。 リラクゼーションや適度な運動を取り入れて、ストレスを溜めないことが、関節リウマチの治療を後押ししてくれます。 関節リウマチかも?と思ったら早めに受診しよう 関節リウマチかもしれないと思ったら、早めに整形外科を受診しましょう。 関節リウマチは、進行すると関節の変形や機能障害を引き起こし、日常生活に支障をきたす病気です。始めは軽い痛みや腫れであっても、時間が経つにつれて悪化し、治療が遅れると回復しづらくなります。 関節リウマチを疑う症状として、以下のようなものがあります。 服のボタンが外しづらい びんの蓋が閉められない 床に落としたものが拾えない 朝起きたときにベッドから起き上がれない 早期に受診し適切な治療を開始すれば、薬物療法やリハビリテーションで関節の損傷を抑えつつ症状をコントロールすることが可能です。 もとに戻らないほど関節が変形してしまう前に、早めに整形外科へご相談ください。 関節リウマチではない膝の痛みは変形性膝関節症かも?詳しく知りたい人は以下の記事もご覧ください。 関節リウマチに関するよくある質問 関節リウマチに関するよくある質問をまとめて紹介します。 関節リウマチとはどんな症状ですか? 関節リウマチの症状には、関節の動かし始めがスムーズにいかない「こわばり」や腫れ・痛みなどがあります。 関節リウマチは免疫機能の異常によって骨や軟骨・関節の破壊が起こることが原因とされています。万が一「関節リウマチかも?」と思ったら早めに受診しましょう。 関節リウマチの症状について詳しく知りたい人は以下の記事もご覧ください。 関節リウマチは生物学的製剤で本当に治せますか? 生物学的製剤で効果があれば、休薬しても症状が落ち着いている状態を目指せます。 関節リウマチの原因である免疫異常の改善が期待できる上、炎症を抑える効果もあるため、進行を抑えながら症状をコントロールできます。 関節リウマチで使われる生物学的製剤について詳しく知りたい人は以下の記事もご覧ください。 関節リウマチになりやすい性格はありますか? 関節リウマチになりやすい性格は、ありません。 ただ、我慢強い性格の人は治療開始が遅れたり、神経質でストレスを感じやすい人は治療が難航したりする可能性があります。違和感があったら早めに受診し、不安があれば専門医に相談しましょう。 再生医療の幹細胞治療に関する詳細は以下をご覧下さい 関節リウマチのしてはいけない10項目を守ろう 関節リウマチの患者様には、してはいけない10項目を避けて、健康的な食事とライフスタイルを心がけましょう。 重症化すると、普段の生活もままならなくなってしまう可能性があります。 治療と並行して関節の負担を減らし、症状をコントロールできるよう、普段の生活から意識してみてください。 万が一、関節リウマチの治療をしていても膝の痛みがよくならない場合は、他の疾患が隠れているかもしれません。 再生医療が適応になる可能性がありますので、お困りの場合は当院へご相談ください。
2022.08.19 -
- 足底腱膜炎
足底筋膜炎は適切なケアをすれば改善が見込めますが、一方で良かれと思ってやったことが症状を長引かせたり、悪化させたりすることもあります。 特に以下のようなことは足底筋膜炎を悪化させるため絶対にやってはいけません。 無理な運動 市販薬の常服 自己判断による冷却または温熱 サイズが合わない靴の着用 この記事では、回復を妨げかねない注意すべき4つの行動をピックアップし、その理由を分かりやすく解説します。 ご自身のケア方法を見直し、より効果的な回復を目指すために、ぜひ参考にしてください。 足底筋膜炎の発症後にやってはいけないこと4選 足底筋膜炎の発症でやってはいけないことを4つ紹介します。 無理な運動 市販薬の常服 自己判断による冷却または温熱 サイズが合わない靴の着用 順番に解説します。 無理な運動 安静が必要な間、ジャンプ、ダンス、長距離走など、過度かつ反復的なかかとへの衝撃は極力避けるようにしましょう。 しかし、完全に運動しないことは、関節が硬くなったり、痛みが再発したりする可能性があるため、適度な運動は必要と考えられています。 簡単なウオーキングなどでも様子を見ながらおこなうべきでしょう。 市販薬の常服 薬剤による治療を行う場合には、潜在的なリスクと利点を比較検討することが重要です。 他の病気を持っていたり、すでに他の薬を飲んでいたりする場合などは、自己判断してはいけません。 可能な限り専門診療科に相談するようにしましょう。 自己判断による冷却または温熱 足底筋膜炎はかかと周囲の炎症ですので、症状のある部位に氷嚢を当てるなどして冷やすことで、痛みを和らげることができます。 しかし、症状が強くない場合などは温めたほうが症状の改善が得られるという専門家もおり、一定の見解は得られていません。 症状がひどい場合は、自己判断せずに医療機関等にて相談されることをおすすめします。 サイズが合わない靴の着用 サイズが合わない靴の着用は、足底筋膜に負荷をかけます。靴のつま先部分に数センチ程度の余裕があったり、反対に少し窮屈さを感じたりする場合は、サイズの見直しをおこないましょう。 また、ビーチサンダルやハイヒールなどの不安定な履き物は、足裏をしっかり支えられません。足底筋膜炎を発症している間は、足裏に負担がかからない靴を選ぶようにしてください。 現在、足底筋膜炎の治療法として「PRP療法(再生医療)」が注目されています。人間の自然治癒力を活用した治療なので、身体への負担を最小限にできます。詳しい治療方法や効果が気になる方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。 足底筋膜炎の原因 足底筋膜炎を発症する主な原因は下記5つです。 足裏に負担のかかる運動や仕事をしている 足裏のアーチが低いまたは高い サイズに合わない靴をはいている 加齢により足裏のクッション性が低下している 肥満体型で足裏への負荷が大きい 順番に見ていきましょう。 足裏に負担のかかる運動や仕事をしている 足裏に負担がかかる運動や仕事をしていると、足底筋膜炎になる可能性が高まります。 足裏に負担のかかる運動 マラソン ジャンプ ハイキング 足裏に負担のかかる仕事 重量物の運搬 長時間の立ち作業 不安定な場所での作業 足裏に疲労を感じたら、マッサージやストレッチをしてこまめにケアしましょう。 とはいえ、足底腱膜炎はスポーツをするしないに関わらず発症するといわれています。詳細を詳しく知りたい方は、下記の記事をあわせてご覧ください。 足裏のアーチが低いまたは高い 足裏のアーチが低すぎる人または、高すぎる人は足裏に負担がかかり、足底筋膜炎を引き起こしやすくなります。 アーチのバランスが崩れる原因は下記のとおりです。 先天的なもの 扁平足の発症 足裏の筋肉増加 タコやウオノメの形成 足裏の負担を減らすには、アーチの高低バランスを整える必要があります。 サイズに合わない靴をはいている サイズに合わない靴の着用も、足裏に負担がかかるため足底筋膜炎になる要因です。 小さい靴は、足を圧迫して、本来の正しい姿勢で歩行できなくなります。バランスが崩れるため、足裏には大きな負担がかかります。 大きすぎる靴だと、靴の中で足が滑り不安定な状態になります。安定を保とうとして余計な力が加わるため、足裏に負担がかかるでしょう。 加齢により足裏のクッション性が低下している 加齢により足裏のクッション性が低下すると、足底筋膜炎を発症するリスクが高まります。地面からの衝撃を直接受けやすくなり、足裏に負担がかかるためです。 靴の中にクッション性のあるインソールを入れると、衝撃を和らげ、足裏への負担を軽減できます。 肥満体型で足裏への負荷が大きい 肥満体型の方は、足底筋膜炎になりやすい傾向にあります。その理由は、歩いたり、立ったりするたびに体重分の圧力がかかり、足裏に負担がかかるためです。 体重が増えると足のアーチもつぶれてしまいます。アーチが崩れると足裏の衝撃をうまく吸収できず疲労がたまるため、足底筋膜炎を発症するリスクを高めます。 足底筋膜炎の診断 足底筋膜炎の診断は、症状が出現するに至った経緯や症状の発生部位などから下されることが多く、足底筋膜炎を診断するためのレントゲンなどの画像検査や血液検査などは必要でないことが一般的です。 しかし、症状が典型的でない場合やほかの疾患が疑われる際に、その症状が他の原因によって引き起こされていないかどうかを確認する目的でレントゲンなどの画像検査や血液検査などを行うことがあります。 足底筋膜炎の治療方法 足底筋膜炎の代表的な治療方法を3つ紹介します。 薬物療法 リハビリテーション 再生医療 治療の特徴をそれぞれ見ていきましょう。 薬物療法 消炎鎮痛剤を内服したり、外用の湿布を貼付したりします。市販の消炎鎮痛剤を使用する場合は、常用するのを避けましょう。 長期使用すると胃や腎臓に負担がかかるほか、依存症のリスクもあります。根本的な治療にもならないため、消炎鎮痛剤だけに頼ると、症状が長引く可能性があります。 薬物療法を進める際は必ず、医師の指導のもとでおこないましょう。 リハビリテーション 理学療法士の指導のもと、足裏の筋肉トレーニングやストレッチなどをおこないます。歩く姿勢が悪く足裏に負担がかかっている場合は、歩行訓練も効果的です。 症状に応じて、超音波治療・電気療法などの物理療法も組み合わせて実施します。 PRP療法(再生医療) 「PRP療法(再生医療)」とは、患者さまの血液に含まれる血小板の治癒力を利用して、傷ついた組織を修復する医療技術です。身体への負担が少ない治療法として今注目されています。 注射を打つだけなので、日常生活や仕事への影響はありません。普段どおりの生活を送りながら、早期回復を期待できます。 「PRP療法(再生医療)で足底筋膜炎はどうやって治療するの?」と気になる方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。実際の治療例をお見せしながら、再生医療の仕組みをわかりやすくお伝えいたします。 足底筋膜炎に関するよくある質問 最後に足底筋膜炎に関するよくある質問と回答をまとめます。 足底腱膜炎と足底筋膜炎の違いはなんですか? 一般的に「足底腱膜炎」と「足底筋膜炎」は同じ疾患として扱われます。具体的には「足底腱膜炎」は、かかとから足の指先までつながっている足底の腱膜が炎症を起こしている状態です。「足底筋膜炎」は、足裏の筋肉の膜が炎症を起こしている状態を指します。 同じ部位で炎症が起きているため、同義語として使用されています。 詳しくは以下の記事を参考にしてください。 太りすぎて足底腱膜炎になった場合、痩せたら治りますか? 痩せただけでは治る保証はありません。足底腱膜炎になったのは、足裏の筋力低下や疲労などの原因も含まれている可能性があるためです。 ただし、体重を落とせば足裏への負担が減り、症状が緩和する場合もあります。医師の指導のもとで、適切な体重管理を進めていきましょう。 足底筋膜炎はどのくらいで治りますか? 足裏に負担がかかるスポーツや活動を控えれば、ほとんどの場合、数ヶ月ほどで治ります。 ただし、症状の程度によって、治る期間は異なります。自分の状態に合わせて、適切な治療とケアをおこなっていきましょう。 足底筋膜炎をケアする湿布の貼り方を教えてください 足裏は湿布が剥がれやすい部位です。 湿布に数箇所切り込みを入れると、足の形にフィットしやすくなります。 まとめ|足底筋膜炎でやってはいけないことを覚えて回復を早めよう 足底筋膜炎は多くの場合、特別な治療をせずとも安静に過ごしていれば症状の改善が得られます。回復を早めるためにも本記事で紹介した「足底筋膜炎でやってはいけないこと」を守り、適切なケアを続けましょう。 「やってはいけないことを守っているのに、なかなか痛みがひかない…」という方は、「PRP療法(再生医療)」による治療を検討してみてください。 PRP療法(再生医療)は、血液に含まれる血小板の力を利用して傷ついた組織を修復する医療技術です。身体に負担の少ない治療法として、今注目されています。 弊社『リペアセルクリニック』は、再生医療専門のクリニックです。国内での症例数は8,000例以上に及び、多くの患者さんの治療に携わってきました。 足底筋膜炎はPRP療法(再生医療)の治療対象です。弊社では無料相談を受け付けていますので、詳しい治療法や効果を知りたい方はお気軽にお問い合わせください。
2022.08.16 -
- 腱板損傷・断裂
- インピンジメント症候群
- 肩関節、その他疾患
- 肩関節
- スポーツ外傷
競技や趣味にかかわらず、ゴルフをプレイしていれば「ゴルフ肩(スイングショルダー)」という症状を一度は耳にしたことがあるでしょう。また、既にゴルフ肩に悩まされている方も多いことと存じます。 そこで本記事では、ゴルフ肩(スイングショルダー)の症状や原因・治療法について当クリニックの医師が解説いたします。すでに悩まれている方、もしくは疑いのある方は、ぜひ最後までご覧ください。 また、個別の症状などについては各自で判断することなく医療機関にてご相談されることをおすすめします。 【左肩が痛む?】ゴルフ肩(スイングショルダー)とは ゴルフ肩(スイングショルダー)とは特定の病名ではなく、日常的にゴルフを行うことにより引き起こされる「肩関節周囲組織の損傷」による症状全般を指します。症状は傷害される部位によって異なりますが、肩関節から肩甲骨周囲の痛みや腕にかけての痺れなどが一般的です。 多くの場合スイングの際に前方に位置する肩に傷害が起きやすく、とく特に右利きのゴルファーの左肩が怪我をしやすいと言われています。 ゴルフ肩(スイングショルダー)に含まれる具体的な疾患名(または症候名)は以下のとおりです。 ゴルフ肩(スイングショルダー)の原因 ゴルフは、クラブをスイングする際の非常に特殊な肩の動きを必要とするスポーツです。左右の肩がまった全く逆の動作をしなければならず、前方の肩はバックスイングの頂点で極端な内転姿勢になり、後方の肩は外転姿勢になるように伸ばされます。 この特殊な動作に加え、非常に重量のあるクラブを振り回し、地面の抵抗なども加わり、肩の障害を引き起こしかねません。 さらにゴルフでは、スイングを行う際にしばしば90°以上の水平および垂直の肩関節の運動を必要とします。 このような複数の動きが組み合わさることにより、肩の傷害の原因となることが指摘されています。頻繁にゴルフを行うことや長時間プレーすることも肩関節の障害のリスクと考えられています。 いずれの肩においても、「肩峰下インピンジメント」と呼ばれる病態が多くのゴルフ肩の原因となります。 ゴルフ肩の検査 ゴルフ肩(スイングショルダー)は病名ではなく一連の状況が起こす症状の総称であるため、その診断は主に症状が発生するに至った経緯と症状の部位によりなされることが一般的です。 しかし、肩関節には骨や筋肉だけでなく神経や靭帯などさまざまな組織が存在するため、これらの傷害を詳細に検討するために関節のMRIを施行するケースもあります。 より高齢のゴルファーの場合には、インピンジメントなどの徴候や関節内組織の傷害だけでなく、肩甲骨と鎖骨のつなぎ目である肩鎖関節の位置関係や形態の変化を調べるためのレントゲン検査を施行します。 また、関節超音波(エコー)検査はさまざまな体勢で施行することができるだけでなく、関節注射などの処置のガイドにもなるため施行されることがあります。 ゴルフ肩(スイングショルダー)の治療法 https://www.youtube.com/watch?v=kyCLmM6YdvI ゴルフ肩(スイングショルダー)は一般的に専門家によるリハビリテーションが主な治療となることが多く、提供されるリハビリプログラムは専門家によって違います。 肩関節に負担をかけない肩甲骨の運動矯正、肩関節の内外転・内外旋のバランス調整、およびスイングの矯正などゴルフに特化したリハビリテーションが含まれます。 とくにゴルフでは体幹を安定させることとスイング動作における全身運動の改善が不可欠です。一方で、関節唇損傷など、手術による治療などの特殊な治療を要する場合もありますので、まずは専門家に相談しましょう。 なお、当院でも再生医療に注目した診療を実施しているため、まずはお気軽にご相談ください。 【プロセス】ゴルフ肩の完治期間 ゴルフ肩(スイングショルダー)の治療から競技への復帰は一般的に以下のようなプロセスを必要とします。 STEP1.症状の改善 運動負荷を減らし、状況に応じて消炎・鎮痛を行うなどして症状の改善に努めます。 症状が強いと協調運動に制限が出たり、リハビリテーションがうまく進まなかったりする可能性があるためまずは運動負荷を減らして症状の改善に努めます。 STEP2.筋力と柔軟性の強化 肩関節周囲の筋力と柔軟性を強化し、症状の改善だけでなく再発の予防や競技能力の向上を目指します。 競技前にウォームアップの習慣をつけることが効果的です。 STEP3.軽負荷による競技再開 ゴルフ肩(スイングショルダー)の治療と並行してゴルフの動作に特化(ゴルフ復帰)したリハビリを行います。 手術などの体の負担の大きな治療を要した場合でも、3~4週間以内には患部の腕を使った片手のパッティングを開始できて、ゴルフに特化したリハビリを進められます。 また、症状やリハビリの進行状況に応じてスイングを模した簡単な体のひねり運動を行うことも可能です。 経過後は体幹と全身の協調運動の強化を徐々に再開します。 専門家の指導のもと段階的に競技負荷を強くし、2~3ヶ月目には徐々に競技への復帰を目指します。 まとめ|症状が改善しないゴルフ肩は再生医療も検討してみよう ゴルフ肩(スイングショルダー)の原因や治療について解説しました。ゴルフのスイングによる肩関節周囲組織の傷害は競技特有のものです。 リハビリテーションを含む治療には医師や理学療法士などのさまざまな職種の連携が不可欠となりますので、治療にあたっては、早期に整形外科・専門診療科に相談するようにしましょう。 また、手術を避けるための再生医療も注目されています。 注射だけの幹細胞治療を採用しており、手術や入院なしで当日帰宅が可能です。日常生活に支障をきたすことなく治療に取り組めますので、気になる方は下記のバナーより詳細をご覧ください。
2022.08.15 -
- 脊椎
- ひざ関節
- 股関節
- 肩関節
- 肘関節
- 手部
- 足部
リウマチ関節症とは、関節に炎症が起きて痛み、腫れを引き起こす病気です。進行してしまうと関節の変形、機能障害へと悪化してしまうこともあります。 リウマチ関節症の発症には遺伝要因、環境要因など複数の要因が絡んでいるとされています。 その中でも、喫煙は環境要因としてリウマチ関節症に大きな影響を与えていることが研究の結果明らかになりました。 そこで今回の記事では、リウマチ関節症と電子タバコ、喫煙の関係について解説します。 リウマチ関節症に電子タバコは悪影響を及ぼす可能性がある リウマチ関節症へ電子タバコが与える影響については、まだ研究成果が多くないため具体的な影響についてはわかっていません。 しかし、アメリカの研究によると、電子タバコの使用は青少年の間で急増しており、呼吸器系に悪影響を及ぼす可能性が指摘されています。 とくに喘息との関連性が確認され、従来の可燃性製品を使用したことがない若者においても、電子タバコ使用と喘息診断の間に有意な関連が見られました。(文献1) また、電子たばこの煙霧中に発がん性物質が含まれる可能性が指摘されています。(文献2) 現時点では科学的証拠は不十分とされていますが、今後の研究によってはリウマチ関節症の発症や悪化との関連性が明らかになる可能性もあるため、注意が必要です。 喫煙がリウマチ関節症に良くないとされている理由 喫煙は肺がんや肺疾患、動脈硬化や脳血管障害など多くの健康問題を引き起こすことは広く知られています。 ここではとくに、リウマチ関節症の方にとって喫煙が与える具体的な悪影響についてご紹介します。 死亡リスクの増加 リウマチ関節症と診断されている方が喫煙を続けていると、非喫煙者に比べて死亡率が増加することが研究により示されています。 フィンランド社会保険研究所の大規模研究によると、男性の関節リウマチ患者では過去の喫煙によって死亡リスクが2.6倍、現在の喫煙によって3.8倍に上昇することが報告されています。(文献3) また、米国ハーバード医科大学による37万人以上の女性を対象とした追跡調査では、1日25本以上の喫煙をしている女性は、非喫煙者と比較して関節リウマチの発症リスクが1.39倍高くなることが明らかになりました。(文献3) さらに、米国リウマチ学会の発表によると、禁煙した関節リウマチ患者は喫煙を継続した患者と比較して病気の活動性が有意に低下し、寛解率も高くなることが示されています。 このことから、関節リウマチと診断された後の禁煙が病状の改善に有効であると考えられます。 手術の合併症の増加 喫煙は関節リウマチ患者の手術による合併症リスクを高めます。 喫煙者と非喫煙者における膝関節置換術の経過を比較した研究があります。 8,776人の人工膝関節置換術を受けた方を対象とした研究では、そのうち11.6%が現在も喫煙者でした。この研究によると、喫煙者は非喫煙者と比較して、創傷合併症、肺炎、および再手術の発生率が明らかに高いことが示されています。(文献4) このような合併症が起こる理由として、タバコに含まれる一酸化炭素が関係しています。喫煙すると一酸化炭素が赤血球内に取り込まれ、全身の組織に運ばれる酸素が減少します。手術部位の適切な治癒には酸素を十分に含んだ血液が必要であるため、喫煙者では治癒プロセスが滞り、回復に時間がかかるようになると考えられています。 病状の悪化 喫煙はリウマチ関節症の症状を悪化させることが研究で示されています。 159人の変形性膝関節症の男性を最長30ヶ月間追跡調査した研究では、喫煙者は非喫煙者に比べて膝の痛みが強く、軟骨が著しく失われる可能性が2倍以上高いことが明らかになりました。(文献5) また、311人の初期リウマチ性関節炎の患者を対象とした追跡調査では、1年後のX線写真を調べたところ、喫煙者は非喫煙者よりも関節の状態が明らかに悪化していました。(文献6) つまり、喫煙は他の要因とは関係なく、単独でリウマチの進行を早める原因になっていることがわかりました。 リウマチ関節症の改善を目指すなら禁煙からはじめよう リウマチ関節症の症状改善に向けた第一歩として、禁煙が挙げられます。 アメリカのリウマチ学会の研究では、禁煙に成功したリウマチ患者さんは、喫煙を続けている患者さんと比較して、病気の活動性が明らかに低下することが確認されています。 また、喫煙は歯周病のリスクも高めることが知られており、歯周病はリウマチ関節症を重症化させる原因の一つとされています。口腔環境の健康を保ち、リウマチの症状を改善するためにも、禁煙に取り組むことはとても重要です。 まとめ|喫煙・電子タバコはリウマチ関節症の悪化要因となるので禁煙を推奨 リウマチ関節症と喫煙・電子タバコの関係について解説してきました。様々な研究から、喫煙はリウマチ関節症の発症リスクを高め、症状を悪化させることが明らかになっています。 電子タバコについてはまだ研究が進行中ですが、アメリカの調査では電子タバコ使用者にリウマチ関節症のリスク増加が見られています。 喫煙は死亡リスクの上昇、手術後の合併症増加など、リウマチ患者さんの健康に多くの悪影響をもたらします。 リウマチ関節症の治療効果を高め、合併症を減らすためにも、電子タバコを含むすべての喫煙製品の使用をやめることをおすすめします。 参考文献 (文献1) Roh T, et al. (2023). Association between e-cigarette use and asthma among US adolescents: Youth Risk Behavior Surveillance System 2015–2019. Preventive Medicine, 175, 107695. https://doi.org/10.1016/j.ypmed.2023.107695 (最終アクセス:2024年3月30日) (文献2) 厚生労働省「喫煙と健康」2016年 https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000172687.pdf (最終アクセス:2025年3月30日) (文献3) 浜松医科大学「リウマチ・膠原病について」浜松医科大学ホームページ https://www.hama-med.ac.jp/docs/rheumatism/info/index.php (最終アクセス:2025年3月30日) (文献4) Bedard NA, et al. (2018). What Is the Impact of Smoking on Revision Total Knee Arthroplasty? J Arthroplasty, 33(7S), S172-S176. https://doi.org/10.1016/j.arth.2018.03.024 (最終アクセス:2024年3月30日) (文献5) Amin S, et al. (2007). Cigarette smoking and the risk for cartilage loss and knee pain in men with knee osteoarthritis. Ann Rheum Dis, 66(1), 18–22. https://doi.org/10.1136/ard.2006.056697 (最終アクセス:2024年3月30日) (文献6) Saevarsdottir S, et al. (2014). Current smoking status is a strong predictor of radiographic progression in early rheumatoid arthritis: results from the SWEFOT trial. Ann Rheum Dis, 74(8), 1509–1514. https://doi.org/10.1136/annrheumdis-2013-204601 (最終アクセス:2024年3月30日)
2022.08.09 -
- 脊椎
- 脊椎、その他疾患
ご自身あるいは家族が側弯症と診断された方の中には「なぜ側弯症になったのか?」と疑問をもつ方もいることでしょう。 側弯症は思春期に多く発症する疾患で、発症する原因は現時点で完全には特定されていません。しかし、先天性異常や遺伝的要因が影響していると考えられています。 本記事では、側弯症の原因や発症リスクに関する最新の知見をわかりやすく解説します。治療の選択肢も紹介しているので、治療方針の検討にお役立てください。 【基礎知識】側弯症とは? 側弯症とは、文字通り、背骨が横側に弯曲する病気です。多くは思春期に診断されますが、大人になって発症するケースもあります。 ごく軽度の側弯症の場合は、経過観察で問題ありません。しかし、弯曲の角度が大きいと装具の着用や手術が必要となってきます。 側弯症の原因|姿勢や遺伝との関連性 側弯症は、原因が特定されていません。ただし、家族内で発症するケースがあるため、遺伝的要因が関係している可能性が考えられています。 原因がわからない側弯症は、特発性側弯症と呼ばれています。特発性側弯症の特徴を以下にまとめました。 年齢:一般的に思春期に始まる 性別:女児に多くみられる 進行リスク:女児の方が側弯が悪化し、治療を必要とするリスクが高い 家族歴:家族に遺伝する可能性がある(全く家族歴がない場合もある) そのほか、脳性麻痺や筋ジストロフィーなどの特定の神経筋疾患、脊椎の骨の発育に影響を及ぼす先天性異常、乳児期に胸壁の手術を受けたことなどが影響する場合もあります。 側弯症の症状 側弯症の症状には、以下のようなものがあります。 肩の位置が左右で異なる 腰の位置が異なる 片方の肩甲骨が飛び出して見える 胸郭の片側が前に突き出ている 前屈みになったとき背中の片側が隆起する 進行すると胸郭が肺に圧迫され、呼吸が困難になる場合があります。また、体の中心が片方へ傾いてしまうため、運動や生活に支障をきたすケースも珍しくありません。 適切に治療されていないと、慢性的な背中の痛みを抱えやすくなるため、早期発見・早期治療が大事になってきます。 側弯症の治し方 ここでは、側弯症の治し方について解説します。側弯症の代表的な治療方法は以下の3つです。 装具の着用 外科手術 ストレッチ・エクササイズ・姿勢の改善 弯曲の重症度によって治療法が異なるので、医師と相談の上で最適な方法を選択しましょう。 装具の着用 骨がまだ成長過程で側弯症が中程度の場合、装具(主にコルセット)の着用が検討されます。 装具をつけても側弯症が完全に治るわけではありませんが、弯曲の進行を防ぐ効果があります。 一般的な装具はプラスチック製で、胴体にぴったり合うように作られます。腕の下や胸の周り、腰にフィットするため、服を着ればほとんど目立ちません。 装着時間は症例により異なるため、医師の指示に従って装着することが重要です。 装具をつけていても、普段の生活に大きな支障はありません。スポーツや運動に参加する際は、必要に応じて装具を外せる場合もあります。 装具の使用は、身長の伸びが止まるまで続けます。 外科手術 重度の側弯症は、時間がたつにつれて悪化しやすいため、手術の選択が視野に入ってきます。手術の治療目的は、背骨の歪みを矯正し、進行を防ぐことです。 一般的な手術方法は「脊椎固定術」です。この方法では、背骨のいくつかの骨(椎骨)をつなぎ合わせて、それ以上の進行を防ぎます。 成長期に急速に進行しているときは「ロッド」と呼ばれる矯正器具を背骨に沿って取り付ける手術をする場合もあります。ロッドは長さを変えられ、成長に合わせて定期的に調節可能です。 なお手術にはリスクもあります。具体的には、手術部位による感染症や、周辺神経の損傷などです。 手術の必要性やリスクについては、専門医とよく相談した上で判断する姿勢が大切です。 脊髄損傷の治療においては「再生医療」も選択肢として挙げられます。近年、研究が進み幹細胞を使った再生医療により脊髄損傷の後遺症が回復した症例が数多く報告されています。 「再生医療で脊髄損傷をどうやって治療するの?」と気になる方は、再生医療を専門とする『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。 ストレッチ・エクササイズ・姿勢の改善 体のバランスが崩れると、筋肉への負担が増し、姿勢を維持するために余計な力が入りやすくなります。 そこで効果的なケアが、ストレッチ・エクササイズ・姿勢の改善です。 それぞれのケア方法と期待される効果を以下の表にまとめました。 <td">姿勢の改善 ケア方法 期待される効果 ストレッチ 筋肉の緊張を和らげる エクササイズ (筋力トレーニングやフィットネス、体操など) 適切な運動で体幹を強化できる 姿勢の改善 正しい姿勢の維持で症状改善が期待できる 医師に相談のもと、無理のない範囲でケアを行い症状の改善を目指しましょう。 まとめ|側弯症の原因を知って理解を深めながら治療を進めよう 側弯症は、背骨が横側に弯曲する病気です。主に思春期に診断されることが多い病気です。 原因が特定されていない特発性側弯症が最も一般的で、家族歴や性別、年齢が関連している場合があります。 早い段階で発見し、適切に治療すれば、症状の進行を抑制できる可能性が高くなります。 専門医との相談のもと適切な治療を進めながら、日常生活での姿勢や運動習慣にも気を配り、改善を目指していきましょう。 側弯症に関するよくある質問 大人で側弯症を発症するケースはありますか? 側弯症は、思春期の子どもに多い疾患ですが、大人になって急に発症し、進行が始まるケースもあります。 大人になって側弯症を発症する原因は主に以下の2つです。 子どもの頃に発症した側弯症が老化により進行した 中高年になって加齢により急速に症状が進んだ 大人の側弯症の代表的な症状は、腰痛と下半身に出る神経痛です。側弯症の疑いがあれば、早めに専門医へ受診をしましょう。 側弯症は寿命に影響しますか? 側弯症自体が、直接的に寿命を縮めることはありません。 しかし、側弯が進行し、背骨の歪みが大きくなると心臓や肺を圧迫し、呼吸機能に悪影響を与えるケースがあります。 その結果、平均寿命が短くなるリスクが高まります。
2022.08.08 -
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- 脊椎、その他疾患
「坐骨神経痛でやってはいけないことは?」 「坐骨神経痛を和らげる方法は?」 坐骨神経痛の痛みは、慢性的な背骨への刺激によってできた骨の棘を始め、椎間板ヘルニアが腰の脊髄神経根を圧迫して背中や足、臀部に耐え難い不快感をもたらします。 坐骨神経痛に悩んでおられる方は内服薬に始まり、理学療法、硬膜外注射など、痛みを止めるためにあらゆる方法を試されているかもしれません。 しかし、日常的によくとりがちな行動が、症状を悪化させてしまう場合があるのです。 この記事では、坐骨神経痛に悩まれている方が「やってはいけないこと」をご紹介します。最後まで読んでいただければ、日常生活での注意点を理解できるはずです。 坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)でやってはいけないこと 日常生活で気をつけたいポイントを知るためにも、坐骨神経痛でやってはいけないことを解説します。 重いものを持ち上げる 激しい運動をする 長時間座りっぱなしを続ける ハムストリングスのストレッチ 前かがみになる 自分に合わないサイズの椅子に座る 背骨をねじってしまう 柔らかすぎるマットレスで寝る 体を冷やしてしまう 体重を増やしてしまう 坐骨神経痛になったときは、無理に負担をかける動作をしないのが大切です。 また、人によって坐骨神経痛の症状などの度合いは変わります。必ずかかりつけの医師に相談しながら、日常生活の注意点に配慮してみてください。 重いものを持ち上げる 坐骨神経痛の急性期は、たとえ数kgであっても、荷物などを持ち上げるのは控えましょう。 体に負担がかかるので、坐骨神経痛を悪化させる場合があります。 なるべく荷物を持ち上げないのが大切ですが、どうしても持ち上げが必要なときは、無理のない範囲で、以下の流れを参考にしてみてください。 【腰への負担を減らす荷物などの持ち上げ方】 足を肩幅に開き、持ち上げる物の近くに立つ 頭、背中、お尻を直線にする意識で膝を曲げてしゃがむ 臀部と腹部の筋肉を引き締める しゃがんだ状態から、物をできるだけ体の近くで持つ 頭、背中、お尻を直線にする意識で、足の筋力で持ち上げる 持ち上げるときに左右の手を使いながら、体から遠い位置にある物を持ち上げないようにするのがポイントです。 上記のような持ち上げ方をすると、腰にかかる負荷を抑えやすくなります。 激しい運動をする 坐骨神経痛の症状が出ている時に自己判断で激しい運動を行うことは、症状を悪化させる可能性が高いため避けるべきです。 痛みやしびれは、神経が何らかの原因で圧迫されたり炎症を起こしたりしているサインです。 そのような状態で負荷の強い運動を行うと、炎症がさらに強まったり神経への刺激が増したりする恐れがあります。 例えば、以下のようなものは坐骨神経をさらに圧迫したり、腰部や臀部(でんぶ)に大きな負担をかけ、状態を悪化さるリスクを伴います。 急なダッシュやジャンプ 重い物を持つ筋力トレーニング 長時間にわたるランニング 運動は体の回復に役立つこともありますが、坐骨神経痛の急性期や痛みが強い時期には、まず安静を保つようにしましょう。 長時間座りっぱなしを続ける 長時間座っていると、腰に負担がかかるのでなるべく避けましょう。 たとえば、オフィスであれば20~30分ほど経ったら、立ち上がって少し歩いてから座り直します。 長時間乗り物に乗るときは、坐骨神経痛の痛みを避けるためにも、適度に体を動かすのを目的にして、こまめに休憩を取りましょう。 また、座るときは前屈みにならないようにするのがコツです。柔らかいソファーに座ると、腰に負担がかかるのでなるべく避けるようにします。 以下で、腰への負担を減らすときのポイントをまとめているので、参考にしてみてください。 【腰に負担をかけない座り方】 深く腰かける 背筋を伸ばす 頭や肩を後ろに引くイメージで猫背にならない 足を組まない 同じ姿勢を続けない 急な動きを行わない 他に気をつけたい点として、一日のなかで座る時間が長いと、腰や背中の筋肉が硬直してしまい、運動能力が低下します。 数時間おきに休憩を入れて、しっかりと歩き回りながら、背筋を伸ばしましょう。 座りっぱなしをやめて体を適度に動かせると、負担を減らしながら症状を乗り越える力を蓄えられるはずです。 ハムストリングスのストレッチ ハムストリングスとは、太ももの内側の半腱様筋、半膜様筋、外側にある大腿二頭筋からなる3つの筋肉の総称です。 ふくらはぎの筋肉であるハムストリングのストレッチをすると、坐骨神経痛が悪化する可能性があるので注意が必要です。 たとえば、準備運動などの一環でよく行われる動作になります。ただ、ハムストリングを伸ばすと、坐骨神経に刺激を加えてしまい、痛みを増強させる場合があります。 そのため、坐骨神経痛の痛みがあるときは、全身の筋肉を温めるウォーキングや、水の浮力を使って背中に体重をかけない水泳を試してみてください。 前かがみになる 前かがみの姿勢で物を取ろうとすると、背骨にかかる力が増えてしまいます。 さらに、持ち上げようとしている物の重さが組み合わさると靭帯、骨、椎間板に負荷がかかり、坐骨神経痛が悪化する可能性があります。 前かがみの動作をするときの対処法として、まずは背骨をまっすぐにして、そのままの姿勢で膝を曲げて腰を落とすのがポイントです。 たとえば、以下のようなシチュエーションがあげられます。 地面に落ちている物を拾うとき 洗濯機から洗濯物を出し入れするとき など また、日常生活の家事では、洗濯機から洗濯物を取り出すときなどは、一気にまとめて行わずに少しずつ行うのが大切です。 腰に負担がかかるのを避けるために、家事などにおいても、重い物の持ち運びを避けてみてください。 自分に合わないサイズの椅子に座る 座り心地の悪い椅子は、腰椎(ようつい)を支えきれず、坐骨神経痛の症状を悪化させる可能性があります。逆に沈み込み過ぎるような椅子も避けたいものです。 坐骨神経痛のときにおすすめの椅子は、背骨を伸ばしたままでニュートラルな姿勢を保てるような、人間工学に基づいた椅子があげられます。 股関節と膝の角度が90度の状態で、足の裏を床にフラットにつけて座っていられる椅子が良いでしょう。 背骨をねじってしまう 背骨をひねる動作を始め、前屈(上半身を前に曲げる動作)や側屈(上半身を左右に曲げる動作)など、他の動作を組み合わせると、腰の痛みを悪化させる場合があります。 たとえば、冬の期間なら雪かきの動作や、間違った方法で物を持ち上げるといった内容があげられます。 重いものを持ち上げないの項目でも説明したように、まずは腰に負担をかけない物の持ち上げ方を学ぶのが大切です。 あわせて体幹のコアマッスルを強化するエクササイズを行い、柔軟性や可動域を向上させましょう。 また、怪我を防ぐために運動や活動をする前は、無理のない範囲でストレッチを行ってみてください。 柔らかすぎるマットレスで寝る 柔らかいマットレスも腰に負担がかかるため、ある程度硬いマットレスのほうが良いでしょう。 マットレス以外の注意点として、ベッドで仰向けになると腰に負担がかかります。ベッドで休むときは横向きになるのがおすすめです。 また、ベッドから立ち上がるときは、ゆっくりと起き上がるだけでなく、腰に負担がかからない動作を意識します。 とくにベッドから腰を上げるときは、両手を膝につきながら、膝の力を使って動作を行うのも有効でしょう。 体を冷やしてしまう 腰や足を冷やしすぎると自律神経が興奮し、つねに体が緊張状態になってしまいます。 そのため、筋肉が固まってしまい、さらに神経を圧迫してしまうと考えられています。 とくに夏場は、冷房の効いた部屋に長くいると症状が悪化しやすいので、ブランケットや薄手の上着を持ち歩くなど、冷え対策を行いましょう。 体重を増やしてしまう 体の脂肪をつけすぎず、太らないように配慮するのも、坐骨神経痛の症状を悪化させないために重要です。 食べすぎや運動不足により、上半身に脂肪が付きすぎると、腰に大きな負担がかかります。 坐骨神経痛の症状がある方は、医師などに相談しながら食事量や運動量を調節して、脂肪がつきすぎないように注意しましょう。 そもそも坐骨神経痛とは? 坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)とは病名ではなく、お尻から太ももの後ろ・ふくらはぎ・足先にかけて現れる痛みやしびれなどの症状の総称です。 人体で最も太くて長い末梢神経である坐骨神経が、さまざまな原因によって圧迫されたり刺激されたりすることで起こります。 坐骨神経痛の症状は個人差がありますが、主に以下のようなものが挙げられます。 お尻から足先にかけての鋭い痛みやしびれ ズキズキ、ジンジンとした持続的な痛み 座っている時や歩行時に悪化する下半身の違和感や麻痺感 ふくらはぎの張り、冷感や灼熱感、締めつけ感 長時間立っているのが辛い 腰を反らすと下肢に痛みやしびれを感じることがある 体をかがめると痛みが強くなる 症状は足の一部分だけに強く感じることもあれば、足全体に強く感じる場合もあり、時には「死ぬほど痛い」と表現されるほどの激痛が生じ、日常生活に支障をきたすことも。 坐骨神経痛を引き起こす主な原因は腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症で、日常的な予防やセルフケアが大切になりますが、慢性化した場合は治療が必要になります。 詳しくは以下の記事をご参考ください。 坐骨神経痛でやったほうが良いこと【無理のない軽めの運動】 坐骨神経痛のときにやったほうが良いことには、腰に負担がかからないような軽めの運動があげられます。 無理のない範囲で軽いストレッチや体操を行うと、体の筋力を低下させない働きかけにつながります。 以下では坐骨神経痛を和らげるのに効果的なストレッチを2つご紹介します。 ただし、間違った運動で腰に負担をかける状況を避けるためにも、理学療法士など、医療の専門家に相談しながら行ってみてください。 坐骨神経痛が耐え切れないほど痛い場合は、以下の記事をご参照ください。 お尻のストレッチ(仰向けで行う方法) お尻の筋肉は複数の筋肉で構成されており、硬くなると骨盤の歪みや姿勢が悪くなり、結果的に坐骨神経痛を引き起こす可能性があります。 今回紹介するのは、硬くなったお尻の筋肉を柔らかくするストレッチです。 仰向けになり、両膝を立てます 片方の足(痛みのある側)を反対側の太ももの上にのせます 反対側の手で太ももを持ち、胸に向かって引き寄せます お尻の下側に心地よい伸びを感じる位置で20~30秒キープします 反対側も同様に行います このストレッチは梨状筋という坐骨神経痛の原因となりやすい筋肉をほぐすのに効果的です。 ゆっくりと行い、痛みが強くなるようであれば無理をせず中止してください。 また、より詳しくストレッチ方法が知りたい人は以下の記事を参考にしてください。 まとめ|坐骨神経痛でやってはいけないことを知って悪化を防ごう 坐骨神経痛は、腰の神経が圧迫されて引き起こされる症状で、背中や足、臀部に激しい痛みやしびれをともないます。 症状を改善するには、日常生活において、以下のやってはいけない9つのことに注意しましょう。 【坐骨神経痛でやってはいけないこと9つ】 重いものを持ち上げない 長時間の座りっぱなしは良くない ハムストリングスのストレッチをしない 前かがみにならない 間違ったサイズの椅子に座らない 背骨をねじりすぎない 柔らかすぎるマットレスで寝ない 体を冷やしすぎない 太ってはいけない 以上のポイントに気をつけると、坐骨神経痛の症状を軽減できるでしょう。しかし、注意点を意識するだけでは、根本的な解決にはなりません。 坐骨神経痛の原因は人それぞれで異なりますので、医師や理学療法士などの専門家に相談し、適切な治療を受けるのが重要です。 とくに腰への負担を減らす立ち方や、物の持ち上げ方は、専門家からアドバイスや訓練を受けるとより効果的に行えるようになります。 ぜひかかりつけの整形外科医やリハビリの担当者に相談してみてください。 坐骨神経痛でやってはいけないことに関するQ&A 坐骨神経痛でやってはいけないことに関して、よくある質問と答えをまとめました。 Q.坐骨神経痛の原因は? A.坐骨神経痛は一般的に「腰椎椎間板ヘルニア」もしくは「腰部脊柱管狭窄症」などが原因です。 どちらも腰椎の部分に引き起こされる異常により、脊髄の神経根が圧迫されてしまい、下半身などに痺れるような痛みを引き起こすと考えられています。 坐骨神経痛は、重労働やスポーツ、長時間のデスクワークなどがきっかけになる場合もあります。 Q.坐骨神経痛の治療法は? A.坐骨神経痛の治療法はさまざまですが、まずは保存療法などを中心に行う傾向にあります。 たとえば、薬物療法や神経ブロック療法、理学療法や物理療法など、状態に応じて治療を進めます。 坐骨神経痛の治療法については、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。
2022.08.03 -
- 膝の外側の痛み
- ひざ関節
- 半月板損傷
「半月板損傷を早く治したい」「1日でも早くスポーツへの復帰を目指したい」といった方も多いでしょう。 膝の障害と聞くと年配者のイメージですが、若年者であっても過度な運動などによってスポーツ傷害を引き起こすリスクがあります。 なかでも、頻繁に認められる疾患が半月板損傷といえます。半月板を損傷し、万が一慢性化すると、将来的に変形性膝関節症を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。 半月板損傷は、リハビリテーションを視野に入れながら適切に治療を行うことが重要です。今回は、半月板損傷を慢性化させず、早く治すための方法について詳しく解説していきます。 半月板損傷を早く治す方法として有効なリハビリ 半月板損傷を早く治すためには、適切なリハビリテーションが欠かせません。 ①膝周辺の可動域を広げるストレッチ ②膝周辺の筋力トレーニング ③バランストレーニング ④ウォーキングなどの有酸素運動 ⑤アスレチック・リハビリテーション 運動器リハビリテーションは、患者の運動能力や生活機能を回復させた上で、レベルの維持を目指す治療法です。 半月板の損傷度や症状は一人ひとり異なるため、実際にリハビリテーションを実践するタイミングはさまざまです。 しかし、リハビリテーションの基本的なステップはほとんど変わらないため、以下で解説する内容を参考に、担当の理学療法士とよく相談して進めましょう。 ①膝周辺の可動域を広げるストレッチ リハビリテーションにおける最初のステップは、膝周辺の可動域を広げるストレッチです。 具体的には、膝関節を曲げ伸ばしできる角度を改善するために、リハビリテーションを行います。 半月板損傷を発症すると、一般的に膝の曲げ伸ばしが困難になって日常生活に多大な支障が生じます。 そのため、可動域を増やすことを目標にした理学的な訓練を実施することが大切です。 また、膝関節をかばって股関節や足関節が拘縮すると、かえって膝に負荷が集中してしまうため注意が必要です。 半月板損傷を早く治すためには、膝関節のみならず、股関節や足関節に対するリハビリテーションも行う必要があります。 ②膝周辺の筋力トレーニング 関節の可動域を増やすための訓練や、股関節あるいは足関節のリハビリに慣れてきたら、並行して膝周辺の筋力増強を図ります。 具体的には、膝関節を支えやすくなるようなトレーニングを取り入れていくことがポイントです。 半月板が損傷している状況では、膝周りにあるほかの構造物で半月板を代理して体を支えなければなりません。 半月板損傷の再発を防止するためにも、膝周辺の筋力強化によって膝を安定化させ、身体を支えられるようにすることが大切です。 ③バランストレーニング リハビリテーションが後半に差し掛かると、バランストレーニングを始めます。 バランストレーニングとは、本来の膝領域におけるバランス感覚を取り戻すためのリハビリテーションです。 半月板は膝関節を安定させる機能を有しており、損傷によって膝が不安定になると、身体を支えられずに怪我を引き起こす危険性があります。 そのため、バランスを取り戻すための理学療法は、半月板損傷のリハビリテーションにおける重要なトレーニングの一つであるといえるでしょう。 ④ウォーキングなどの有酸素運動 半月板損傷のリハビリテーションでは、以下のような有酸素運動が効果的です。 ウォーキング サイクリング 水泳 上記のような有酸素運動は膝への負担が少なく取り組めるため、半月板損傷のリハビリに向いています。 膝に痛みを感じない程度の運動量から少しずつ始めると良いでしょう。 ⑤アスレチック・リハビリテーション リハビリテーションの最終段階になると、スポーツ競技や運動動作の再開を見据えて、アスレチック・リハビリテーションを実践します。 アスレチック・リハビリテーションは、筋力がある程度回復し、膝関節の痛みをほとんど自覚しない状態になった場合に、本格的なスポーツへの復帰に向けて行う理学療法です。 まずはジョギングに取り組み、ひざの痛みが悪化しないかを確認します。とくに問題がないようであれば、徐々に梯子を用いたラダートレーニングや両脚ジャンプなどの動作を取り入れていくのが一般的です。 最終段階では、競技に応じた特有の動きがスムーズにできるように、より実践的な運動動作を確認していきます。 半月板損傷を早く治すためにやってはいけないこと 半月板損傷を早く治すためには、治療の過程でやってはいけないことがあります。 半月板損傷を悪化させたり、回復を遅らせたりしないためにも、以下のような動きには注意してください。 膝をひねるような動き 膝の過度な曲げ伸ばし 長時間の歩行 座りっぱなしや立ちっぱなし 階段の上り下り 半月板損傷の治療中は、膝に負担をかける姿勢や動作を避けることが大切です。 なかには、日常生活でうっかりやってしまう可能性も考えられます。これらの動作をしていることに気がついたら、できるだけ短時間でやめるようにしてください。 半月板を早く治すためには、慎重なアプローチが必要です。リハビリ期間中は、無理をせず専門家の指導に従って回復を目指しましょう。 リペアセルクリニックでは、メール相談やオンラインカウンセリングも実施しているので、半月板損傷の治療に不安がある方は、気軽にご連絡ください。 ▼ 半月板損傷の治療における注意点は、以下の記事で詳しく解説しています。 【医師監修】半月板損傷でやってはいけないこと!放置するリスクや治療方法も解説 半月板損傷を早く治すための治療方法とは 半月板損傷を発症した際の主な治療法としては、以下の2つが挙げられます。 保存療法 手術療法 個別の症状や生活習慣に応じて、早く治すための治療法を選択する必要があります。 保存療法 保存療法とは、薬物の内服や適切なリハビリテーションを通じて回復を目指す方法です。 軽度な痛みや半月板損傷に対して優先的に試みる方法で、3カ月程度を目安に治療を続けるのが一般的です。 具体的には、膝に負担をかけないよう安静を保ちながら、抗炎症薬の投与やヒアルロン酸注射、筋力強化のためのリハビリテーションを行って痛みの緩和を目指します。 なお、保存療法を続けても症状が改善されない場合は、手術療法に進むかどうかを判断する必要があります。 手術療法 手術療法は、保存療法で効果がない場合や、膝の安定性を維持するために半月板の修復が必要な場合に検討すべき治療法です。 手術療法の主な目的は、膝関節の機能を回復させ、半月板損傷の再発や関節の変形を防ぐことです。 半月板損傷の手術には、縫合術と切除術の2種類があります。 半月板縫合術 半月板が部分的に切れたり裂けたりした場合に選択する術式 半月板切除術 半月板が広範囲に損傷しており、縫合による修復が難しい場合に選択する術式 半月板は血流がもともと少なく、損傷したところが修復されにくい組織です。 そのため、縫い合わせても元の通りにくっつかないことが多く、手術の9割は切除術を選択せざるを得ない状況だといわれています。 ▼ 半月板損傷の手術について詳しく知りたい方は、以下をご参考ください。 半月板損傷を早く治す方法として再生医療による治療も選択肢の一つ https://youtu.be/XvBHOHYYGd8?si=oPEX5ilzHv2y97Nc 半月板損傷を早く治す方法として、再生医療という選択肢があります。 再生医療とは、患者さまの細胞を培養し自然治癒力をに引き出す医療技術です。 患者さまから幹細胞を採取・培養した後に患部へ投与することで、半月板損傷に対する治療効果が期待できます。 再生医療なら、半月板を切り取る手術をしなくて良い分、膝の関節が変形するリスクを避けられるメリットがあります。 当院リペアセルクリニックでは、再生医療による膝の痛みや半月板損傷の治療が可能です。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ 半月板損傷を早く治す方法に関するよくある質問 半月板損傷を早く治す方法に関するよくある質問を紹介します。 半月板損傷とはどんな病気? 半月板とは、繊維軟骨でできている組織で、Cの型や半月状の形をしていることが特徴です。 膝関節の大腿骨と脛骨の間にあり、膝の内側と外側に存在している組織です。 半月板は、膝の滑らかな動きを可能にするほか、膝を安定させて荷重を分散させたり、物理的な外力による衝撃を吸収したりする機能を果たしています。 半月板が損傷すると膝部に疼痛が生じ、膝を屈曲・伸展する際に引っかかりを感じるようになります。 ひどいケースでは、激痛のために歩行できなくなったり、関節内部で強い炎症を引き起こして膝全体が腫れあがったりするケースも珍しくありません。 半月板損傷の主な原因は? 半月板損傷は、スポーツの際に起きる怪我から発症するのみならず、加齢に伴う場合が多いのも事実です。 傷つきやすくなっている半月板組織に外部からわずかな力が加わることで、損傷・断裂を引き起こす症例もあるため注意が必要です。 外傷性の半月板損傷は、激しいスポーツのほか、長時間のランニングや急に立ち止まる動作などによって起こります。また、事故などによって膝が物理的なダメージを負ったときにも、外傷性の半月板損傷につながる可能性が考えられます。 また、年齢とともに長い年月をかけて半月板への負担が蓄積されると、わずかな衝撃や力が加わっただけでも損傷するケースが少なくありません。 とくに、長時間のウォーキングや膝をねじるような動きをした際に損傷リスクが高まります。 半月板損傷は自然に治る? 半月板損傷は、基本的に自然には治りません。 なぜなら、半月板は血管が乏しく、修復に必要な栄養素が運ばれにくいためです。 膝に痛みや違和感を感じるからといって、半月板損傷を発症しているとは限りません。しかし、半月板損傷を放置してしまうと、膝の軟骨部分が露出してすり減ったり関節の変形が進行したりするリスクが高まるため注意が必要です。 膝に痛みや違和感を感じる場合は、医療機関で検査を受けることをおすすめします。検査の結果、半月板損傷と診断された場合には、早く治すためにも適切な治療を受けましょう。 術後のリハビリ期間はどれくらい? 半月板を損傷した場合、治療法や症状によってリハビリテーションの方法や期間が異なります。 半月板縫合術は術後6〜10週間で運動しても良い 半月板切除術は術後2〜4週間で運動しても良い 半月板縫合術による施術の場合、損傷の程度や部位によってリハビリテーションのスケジュールが異なるため注意してください。 縫合部分が再び断裂してしまうことを防ぐため、術後2週間程度は松葉杖での生活になるでしょう。また、膝の曲げ伸ばしにも制限があるため、激しい運動はできません。 術後6週程度から、軽めのジョギング等の運動が可能になります。スポーツなどへの復帰は10週程度で段階を経て行っていくのが一般的です。 ただし、重症のケースや経過によってはスポーツへの復帰が半年前後かかる場合もあります。術後の経過や回復に応じて臨機応変に対応していくことがポイントになります。 半月板切除による施術の場合、縫合術と比べてリハビリテーションを早く進められます。多くの場合は、松葉杖やサポーターを使用しながら、術後すぐに体重をかけて歩行できるでしょう。 術後2週間程度で軽めのジョギングなどをはじめ、膝の安定性を高めるための筋力トレーニングを段階的に行っていくのが一般的です。 日常生活の動作に支障がなくなったら、スポーツへの復帰に向けて徐々に運動強度を上げていきます。 半月板切除による施術の場合、1カ月前後でスポーツへの復帰が可能です。 半月板損傷を早く治す方法ならリハビリテーションが効果的! 半月板損傷とはどのような病気なのか、早く治すためのリハビリテーションを5つのステップに分けて詳しく解説しました。 半月板は、膝関節の内部にある軟骨様の構造物で、軟骨部に負荷がかかるような外からの物理的な力を和らげる重要な役割を担っています。 半月板を損傷した場合には、損傷度合いに応じて具体的な治療期間やリハビリテーションの内容を個別に決めなければなりません。 半月板のような軟骨組織は、完全に治癒するまでにかなりの時間を要します。 身体機能をカバー出来るよう、患部はもちろん身体の状況を判断しながら計画的にリハビリテーションに取り組む必要があります。 決して無理をせずにトレーナーや理学療法士と相談して適切な治療を行いましょう。 ▼ 半月板損傷を再生医療で治療する 再生医療なら半月板損傷は、手術せずに改善できます ▼ヒアルロン酸注射による治療について詳しく知りたい方は、以下もご参考ください。
2022.07.26 -
- 頚椎椎間板ヘルニア
- 脊椎
「頚椎ヘルニアの手術をすると後遺症が出るの?」「後遺症が出たら手術は失敗?」といった疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。 頚椎ヘルニアの手術を受けるべきか検討していても、後遺症のリスクが頭をよぎり、なかなか踏み切れない人もいるかもしれません。 結論からいえば、頚椎ヘルニアの手術を受けて後遺症が出る可能性はゼロではありません。ただし、後遺症は手術の失敗によるものではなく、ヘルニアの症状によって神経が損傷したため起こるものです。 後遺症リスクを抑えるためには、ヘルニアによって神経が損傷する前に、早い段階で手術をした方が良いといえるでしょう。 本記事では頚椎ヘルニアの手術後に起こりうる後遺症に焦点を当てて、詳しく解説していきます。 頚椎ヘルニアの手術を検討している人は、ぜひ最後までチェックしてみてください。 頚椎ヘルニア|しびれを含む手術後の後遺症 頚椎ヘルニアの手術後に起こりやすい後遺症は以下の3つです。 神経障害による「しびれ・痛みや筋力低下」 硬膜損傷による「頭痛や吐き気」 血腫(血のかたまり)による「しびれや痛み」 これは手術によるものではなく、頚椎ヘルニアによる神経の損傷で起こる場合もあります。しかし手術によって神経周囲の組織が損傷するリスクもゼロではないため、事前に理解しておきましょう。 本記事では頚椎ヘルニアの手術後に起こりうる後遺症について詳しく解説します。 なお、頚椎ヘルニアの症状や原因については別の記事でご紹介していますので、そちらもぜひご確認ください。 神経障害による「しびれ・痛みや筋力低下」 頚椎ヘルニアの後遺症として、しびれや痛み・筋力低下がみられることがあります。 頚椎ヘルニアの手術では、神経の圧迫を取り除くことのみ行い、損傷自体は元に戻せません。そのため、ヘルニアの神経損傷によるしびれや痛みなどは、手術後も残る場合があることはガイドラインでも注意喚起されています(文献1)。 神経は自然治癒が難しい組織であり、損傷すると関与する部位のしびれ・痛みが出やすいのが特徴です。 また、しびれによって手指がうまく動かせず、細かい動作が難しくなる巧緻運動障害(こうちうんどうしょうがい)がみられることもあります。過去の手術事例でも巧緻運動障害が報告されていて、頚椎ヘルニアの手術後には注意が必要です。(文献2)。 なお、頚椎ヘルニアの手術前から筋力低下が起こっている場合は、術後も筋力が戻らない後遺症もあります。 硬膜損傷による「頭痛や吐き気」 頚椎ヘルニアの手術によって、頚椎の硬膜(こうまく)が損傷し、頭痛や吐き気がみられるケースもあるでしょう。 硬膜とは頚椎の中にある骨髄を覆う膜であり、硬膜の中には髄液(脊髄の水分量をコントロールする液体)が満たされています。 手術によって硬膜に傷がつくと、髄液が外に漏れ出て頭痛や吐き気を起こすことがあります(髄膜漏:ずいまくろう)。髄膜炎に至るケースもあるため、術後に不調がみられる場合は早めに主治医に相談することが大切です。 髄膜漏は穴のカ所をみつけることが難しい疾患ですが、過去の報告ではMRIなら部位を特定が可能と報告しています。MRIで場所を特定した上で再度手術を行えば、髄膜漏の症状緩和が図れるでしょう(文献3)。しかし穴が小さい場合には手術をせず、症状の経緯をみながら自然に塞がるまで待つこともあります。 血腫(血のかたまり)による「しびれや痛み」 手術時の出血でできた血腫(血のかたまり)が神経を圧迫してしまい、しびれや痛みにつながるケースもあります。24時間以内にできることが多く、万が一血種がみられた場合は取り除く手術が必要です。 血種はすべてに発症するわけではありません。しかし、高血圧の治療などで血液をサラサラにする薬を飲んでいる人は、血腫ができるリスクが高くなることを理解しておきましょう。 頚椎ヘルニア手術の後遺症リスクを軽減する方法 頚椎ヘルニアの手術による後遺症リスクを抑えるには、以下2つの方法が有効といえます。 ヘルニアが重症化する前に手術を受ける 実績が豊富な医師に相談する 本章が、リスクを踏まえて頚椎ヘルニアの手術を受けるか検討するときの参考になれば幸いです。 ヘルニアが重症化する前に手術を受ける ヘルニアによって神経が損傷する前の段階で手術を受ければ、後遺症を回避できる可能性があります。 頚椎ヘルニアの後遺症に多くみられる「しびれ」「痛み」「筋力低下」は、手術ではなくヘルニアそのものが原因で起こるものです。 よって、重症化して神経が損傷する前に手術すれば、このような後遺症リスクも抑えられるといえます。 また、手術を受ける年齢が早いほど、手術後のしびれなどが元に戻りやすい傾向にあります。 後遺症のリスクを少しでも抑えたいと考えているのではあれば、早めに手術を受けることを検討してみましょう。 実績が豊富な医師に相談する 頚椎ヘルニアの手術実績が豊富な医師に相談するのも、手術後後遺症を出さないためには重要なことです。 とくに前述の硬膜損傷や出血による血腫は、技術の高い医師であれば最小限にとどめられるリスクといえます。 また、術前・術後のフォローが手厚い方が心に余裕が持てるでしょう。術式や手術後の予定などの説明がしっかりしていて、サポート体制が整っているかどうかもしっかりと見極めてください。 頚椎ヘルニア手術の後遺症における3つの治療法 頚椎ヘルニアの手術による後遺症リスクはゼロではありません。万が一後遺症が出た場合の治療法は以下の3つです。 リハビリ 内服や注射 再生医療 後遺症は手術前の神経損傷の程度によりますが、とくにしびれは取れにくい傾向があります。上記3つの治療法で緩和を図りつつ、しびれに慣れることも大切です。 リハビリ 頚椎ヘルニアの後遺症によるしびれは、リハビリが効果的です。 リハビリで姿勢や体の動かし方を変えていければ、頚椎ヘルニアの原因となる首への負担が減りしびれなどの症状改善や再発予防につながるかもしれません。 また、巧緻運動障害で動かしにくくなった指の動きを練習すれば、日常生活動作も楽にできる可能性があります。 頚椎ヘルニアの後遺症でどのようなリハビリをおこなうかは、以下の記事でも解説しているので、ぜひ目を通してください。 注射や内服 神経症状を抑える注射や内服も、頚椎ヘルニアの後遺症に対しておこなわれます。 注射では麻酔薬を神経に向かって打つブロック注射が主流で、神経活動が麻痺するためしびれなどの後遺症軽減効果が期待できるでしょう。 同様に内服でも神経の活動を抑えたり、痺れや痛みを抑える薬を使用します。このような注射や内服による治療は、手術前からおこなわれることも多い治療方法です。 再生医療 神経は損傷したら元に戻りにくいと言われている組織ですが、再生医療で修復できる可能性があります。 再生医療は厚生労働省から認可を受けたばかりでまだ認知度も低い治療法ですが、神経に直接働きかけて根本からの改善を目指せるのがメリットです。 ちなみに当院「リペアセルクリニック」でも再生医療に取り組んでいます。 当院では神経に直接働きかける「脊髄腔内ダイレクト注射療法」という方法をおこなっています。もし興味がある人はお気軽にメール相談もしくはオンラインカウンセリングからご相談ください。 また、過去の治療例で実際に後遺症が緩和した症例もあります。以下の記事で詳しくご紹介しています。 頚椎ヘルニアの手術を検討するならセカンドオピニオンもおすすめ 頚椎ヘルニアの手術を検討する際は、セカンドオピニオンとして他の医師に相談の上で決断しても良いでしょう。 頚椎ヘルニアに限らずいえることですが、手術療法は少なからずリスクが伴います。 そのため、現在の症状の重症度や手術の必要性、他の治療法の選択肢、後遺症のリスクなど、自分が納得できるまで説明を受けることが大切です。 事前に不明点や不安なことがあれば医師に確認し、手術をすべきかどうかを適切に判断・決断してください。 まとめ|頚椎ヘルニアの手術は後遺症リスクもある!慎重に検討しよう 頚椎ヘルニアの手術では、後遺症としてしびれや痛み・筋力低下が起こることがあります。ただしこれらの後遺症は、手術をしたから起こるものではなく、頚椎ヘルニアの症状として発生するケースが多いです。 頚椎ヘルニアが重症化する前に手術を受けるなど、後遺症リスクを軽減することは可能ですが、ゼロにすることは難しいといえます。 そのため、セカンドオピニオンも取り入れながら、自分が納得できるまで手術を受けるべきか検討することが大切です。 なお、「当院リペアセルクリニック」では、損傷した神経の再生が期待できる治療法として、再生医療を行っています。 気になる方はお気軽にメール相談もしくはオンラインカウンセリングからご相談ください。 この記事が少しでもお役に立てれば幸いです。 頚椎ヘルニアについてよくある質問 頚椎ヘルニアの手術による後遺症はありますか? 痛みやしびれ・筋力低下といった後遺症があります。 これらは手術前から頚椎ヘルニアによって神経が損傷していた場合や、手術による出血が原因で起こる可能性もあります。 頚椎ヘルニアの手術による後遺症は治りますか? リハビリやブロック注射、再生医療で症状が緩和できる可能性があります。 手術を受けた医療機関や、セカンドオピニオンも含めて自分に合った治療法を検討することが大切です。 参考文献一覧 文献1 乾敏彦 et al 頚椎症性神経根症(椎間板ヘルニア含む)の外治療に関する指針 脊髄外科 29巻 3号 2015 文献2 土屋邦喜 et al 頚椎手術における術後神経合併症の検討 整形外科と災害外科 60巻 3号 2011 文献3 福澤文駿 et al 頸髄 MRI 検査で漏出部位が判明した 脳脊髄液漏出症の一例 日病総診誌 15巻 2号 2019
2022.07.23 -
- 肘頭滑液包炎
- 肘関節
肘頭の滑液包に炎症が起こった状態である肘頭滑液包炎をご存じでしょうか? 肘を頻繁に使って酷使したり、感染症が原因で起こる病気です。 肘の痛みや腫れが生じ、日常生活に支障をきたすこともあります。 「肘の皮膚がブヨブヨしている」 「これは何の病気なのか」 このように思う方は多いのではないでしょうか。 結論から言うと、これは肘頭滑液包炎(ちゅうとうかつえきほうえん)に見られる症状です。 皮膚がブヨブヨするなら、発症しているかもしれません。 今回は肘頭滑液包炎の具体的な症状や原因、治療法などを、医師の目線で解説します。 肘頭滑液包炎とは?肘が腫れてブヨブヨ痛い症状について 肘頭滑液包炎は、肘の後方にある「滑液包」で起こる炎症のことを示します。 滑液包は、関節と皮膚の間に存在し、本来なら、摩擦を軽減する役割を果たすものです。 肘頭滑液包炎の発症時の特徴として、肘の皮膚がブヨブヨになる点が挙げられます。 もちろん炎症が起こっているので、多くの場合、痛みを感じるでしょう。 皮膚がブヨブヨに感じたり、動かすと痛む症状は、肘頭滑液包炎である可能性が高いです。 もし症状を確認したら、皮膚科や整形外科、リハビリテーション科などで診てもらう必要があります。 肘の解剖 肘頭滑液包炎を理解するために必要な、肘の解剖を簡単にご説明します。 まず肘頭は、肘の先端の尖った部分です。 わたしたちが机に肘をつくときに、机に接しているところが肘頭になります。 この肘の先端である肘頭と皮膚の間には、滑液包と呼ばれる液体に満たされた薄い袋があります。 滑液包は肩、腰、膝、踵などの関節の近くにもあり、骨、筋肉、腱のクッションになります。 肘の滑液包は、皮膚が肘頭の骨の上をスムーズにスライドする動きを助けます。 肘頭滑液包炎は、肘頭の滑液包に炎症が起こった状態です。 続けて、肘頭滑液包炎の症状や原因、そして治療法を説明します。 肘頭滑液包炎の主な症状 滑液包が炎症を起こすと、まず痛みを伴うようになります。 炎症を起こした滑液包からの痛みは、突然起こることもありますし、時間をかけて徐々に悪化していくこともあります。 また最初は肘を動かしたときに痛みを感じますが、進行するとじっとしていても痛みを感じるようになります。 また肘の関節の周りに腫れや発赤が生じます。感染症が原因となっている場合は、局所に熱感を伴うこと、また発熱することもあります。 痛みや腫れなどの症状に加えて、肘頭滑液包炎が悪化すると、肘を使うことが困難になります。 慣れた日常生活の動作も、痛みのために辛くなるかもしれません。 また上述のように、肘の皮膚が腫れてブヨブヨになる現象が起こります。 これは、滑液包内に、滑液という液体が異常に分泌されることが原因です。 また液体がウイルス感染して、膿がたまるというケースも少なくありません。 肘頭滑液包炎の3つの原因 肘頭滑液包炎を発症する原因は、大きく分けて3つ挙げられます。 肘の過度な使用や炎症 細菌感染 外傷による刺激 特にスポーツや力仕事による疲れやけがが原因で、発症する方が多いです。それぞれ詳しく解説します。 肘の過度な使用や炎症 まず、以下のような肘の過度な使用によって、肘頭滑液包炎になることがあります。 日常生活での反復運動による摩擦(ガーデニング、DIYなど) オーバートレーニングや運動動作の反復(ボールを投げるなど) 姿勢の悪化 たとえばテニスやゴルフなど、同じような肘の動きを何度も繰り返すスポーツは、発症の原因になりがちです。 もちろん日常生活での反復運動も、肘頭滑液包炎の原因になりえます。 また「肘つき」のような姿勢の悪さによって、発症するケースもあるでしょう。 細菌感染 細菌汚染が原因で、発症する可能性もあります。 肘に擦り傷や切り傷があると、細菌が侵入することがあります。 そして滑液包がそれに感染し、肘頭滑液包炎になるかもしれません。 厳密には「感染性滑液包炎」と呼びます。 外傷による刺激 外傷による刺激で、肘頭滑液包炎を発症することもあります。 たとえば物が当たる、転倒して肘をついてしまう、打撃を加えられるなどすると、滑液包に負担がかかります。 あまりにも刺激が強い、何度も繰り返されるなどすると、肘頭滑液包炎になる可能性が出てくるでしょう。 特にスポーツに参加していると、肘にダメージを受けることが多いです。 アスリートやその保護者は、外傷による刺激で発症するパターンを知り、対策しておいたほうが良いでしょう。 肘頭滑液包炎の治療法 肘頭滑液包炎の治療は、感染症が原因か、そうでないかでわかれます。 感染症による肘頭滑液包炎の治療法 感染症が原因である場合、抗菌薬による治療は必須です。 通常は1週間程度、黄色ブドウ球菌に有効な抗菌薬を飲む必要があります。 症状が良くなっても、体内に残っている病原菌を確実に除去するために、処方された期間は抗菌薬を服用する必要があります。 感染した滑液をできるだけ除去するために、針を刺して滑液包も吸引することがあります。 吸引した滑液を詳しく調べることで、病原菌がわかることもありますので、診断を目的に吸引する場合もあります。 感染症が原因ではない肘頭滑液包炎の治療法 感染症が原因ではない場合は、自宅でもある程度治療ができます。 まず、運動や仕事で滑液包炎の原因となった腕の動きを避けることは、症状の緩和に役立ちます。 痛みを我慢して仕事をしたり、スポーツをしたりしないようにしましょう。 またNSAIDs(非ステロイド系抗炎症薬)は、滑液包炎によって引き起こされる痛みや炎症を軽減するために役立ちます。 装具を利用して肘が動かないように固定すると、症状は改善しやすくなります。三角巾などで手を吊るだけでも構いません。 これらの治療が3~6週間経っても効果がない場合は、滑液包の周りの過剰な液体を吸引すると同時に、炎症を抑えるためにステロイド薬の注射をすることがあります。 感染症が原因ではない肘頭滑液包炎は、3~6週間程度安静にすることで治ることが一般的です。 肘頭滑液包炎は完治が期待できますので、肘に負担をかけずに仕事や学業ができるのであれば、治療中に仕事や学校を休む必要はありません。 なお肘頭滑液包炎は通常問診と診察だけで診断できますが、治療してもなかなかよくならない、あるいは再発を繰り返す場合は、X線やMRIなどを用いての画像検査を行うこともあります。 肘頭滑液包炎の手術 肘頭滑液包炎において、症状が非外科的治療に反応しない場合、または抗菌薬を服用しても良くならないほど重度の感染症がある場合は手術が必要となるケースがあります。 手術では、炎症を起こしている肘の滑液包を切除します。 術後は、肘を固定するための装具が必要になります。回復には1カ月ほどかかります。 肘頭滑液包炎の予防・セルフケアについて 肘頭滑液包炎を予防・セルフケアするには以下の取り組みが有効です。 肘付きなど、肘に負担がかかる姿勢を避ける スポーツや重労働では、肘サポーターを装着する 定期的に腕を伸ばすなどしてストレッチをする細菌感染を避けるため、外傷を負ったら殺菌して清潔にする 地味な取り組みですが、予防やセルフケアでは有効です。 まとめ|肘頭滑液包炎とは、その症状と原因、治療法 以上、肘頭滑液包炎について、症状や原因、治療法について説明しました。 肘頭滑液包炎を予防する最善の方法は、できるだけ肘を酷使しないことです。 肘を使う激しい運動や活動のあとは、体を休め、回復するための時間を設けましょう。 また仕事や趣味で肘を使うことが多い場合は、肘当てをつけるなどして、保護具を使うと良いでしょう。 もし、それでも中々よくならない肘の痛みがある場合は、早めに整形外科をはじめ、医療機関にご相談されることをおすすめいたします。
2022.07.18 -
- ゴルフ肘
- テニス肘
- 肘頭滑液包炎
- 肘関節、その他疾患
- 肘関節
肘を曲げると急に痛いけどなんの病気? 肘を曲げると痛いのはどうして? 肘が痛いときは病院に行くべき? 急に肘を曲げると痛みを感じて、どんな病気なのか知りたいと思っていませんか? 取り急ぎ病院に行くべきかどうか判断ができれば助かりますよね。 結論、肘が痛いときに考えられる病気は6つあり、痛みの強さや他の症状の有無によっては早期受診が必要です。 本記事では、肘が痛いときに疑われる病気と受診のタイミングについて解説します。 最後まで読み終えると、急な肘の痛みにも落ち着いて対応できるはずです。 肘が痛いときに疑われる6つの病気【原因・対策を解説】 肘が痛いとき、疑われる病気として以下の6つがあります。 上腕骨内側上顆炎 上腕骨外側上顆炎 肘頭滑液包炎 変形性肘関節症 肘の脱臼または骨折 肘の靭帯損傷 病気によって対策が異なるので、肘が痛くて心配な方は専門医に相談しましょう。 スポーツによるケガで肘が痛いなら、再生医療がお役に立てるかもしれません。 当院では、スポーツ外傷に対して再生医療を提供していますので、気になる方はお気軽にお問い合わせください。 お電話でのお問い合わせ 0120-706-313(受付時間:09:00〜18:00) メール相談 メール相談はこちらから(無料) 来院予約 来院予約はこちらから 上腕骨内側上顆炎(別名:ゴルフ肘) 上腕骨内側上顆炎(じょうわんこつないそくじょうかえん)は、肘の内側に痛みが走る病気です。一般にリトルリーガー肘、ゴルフ肘とも呼ばれています。 物をもちながら肘を曲げる動作をくり返すことが原因で起こります。 原因となる動作の具体例は、以下の通りです。 野球で投球する ゴルフでクラブを振りおろす 仕事でハンマーを振る 痛みを改善する方法として、以下があります。 安静にする 患部を冷やす 非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)を使用する 始めは動かしたときだけですが、悪化すると安静にしていても痛みを感じるようになります。 安静時にも痛む場合は重症の可能性がありますので、一度専門医にご相談ください。 ▼ゴルフ肘の治し方を知りたい人は以下の記事もご覧ください。 上腕骨外側上顆炎(別名:テニス肘) 上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)は、肘の外側から手首にかけて痛みが走る病気です。テニス愛好家に起きやすいので、別名テニス肘とも呼ばれています。 主に、手首や指を伸ばす動作を繰り返すことで起こります。 テニス肘を発症する具体的な動作は、以下の通りです。 スポーツでラケットを振る 料理で重い鍋を振る 農業で草引きをする 痛みへの対策には以下があります。 安静にする 患部を冷やす 非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)を内服する 患部をバンドで圧迫する 理学療法を利用する 日常生活を送るのに支障があるほど痛みが強い場合は、専門医に相談するのがよいでしょう。 ▼野球肘については以下の記事で詳しく解説しているのでご覧ください。 肘頭滑液包炎 肘頭滑液包炎(ちゅうとうかつえきほうえん)は、肘の先端にある尖った部分(肘頭)にあるクッションの役割をもつ滑液包に炎症が生じる病気です。炎症が起きているため腫れることが多く、感染症が原因になっている場合は熱感が起こることもあります。 原因には以下が考えられます。 肘への直接の打撃 長時間肘をつくことでかかる圧力 黄色ブドウ球菌による感染 リウマチなどの内科疾患 感染が起きているか否かで対策が異なります。 感染症が原因であれば、抗菌薬の内服が必要です。滑液包の内部の液体が多いときは、注射により液体を抜きます。 一方、感染症が原因でない場合の対策は以下です。 患部を冷やす 患部を圧迫する 非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)を内服する 肘頭滑液包は、悪化すると肘を動かすのも難しくなってしまう病気です。 痛み以外にも腫れや赤みがある場合は早めに専門医を受診しましょう。 ▼肘頭滑液包炎について詳しく知りたい人は以下の記事もご覧ください。 変形性肘関節症 変形性肘関節症は、肘の関節でクッションの役割を果たしている軟骨がすり減る病気です。軟骨が摩耗する結果、骨棘(こつきょく)と呼ばれる骨の過剰な突起物が肘の内側にできます。 骨棘が関節の動きを止めることで肘の動きが制限されるのが特徴です。また、骨棘が折れてしまうと関節内でかけらとなって引っかかるので、ますます関節の動きを止めてしまいます(ロッキング)。 治療には以下が行われます。 固定具を用いて安静にする 消炎鎮痛薬を使用する 理学療法を開始する (重症の場合)人工関節置換術などの手術を行う 肘を思ったように動かせずに困っている人は、一度専門医で検査を受けましょう。 ▼変形性肘関節症で当院の再生医療を受けた患者様のご感想は以下をご覧ください。 https://youtu.be/Fl76KFeikmg?si=Uve4vC7-O1AkvrL&t=112 肘の脱臼または骨折 肘が痛い場合、脱臼や骨折を起こしている可能性があります。 痛みのほかに肘の腫れや変色など、肘周囲の見た目にも症状が現れるのが一般的です。多くの場合は激しい痛みで、肘関節を動かせなくなります。 脱臼か骨折かで対策は異なりますが、いずれもギプスなどで固定し、鎮痛薬を用います。 ギプスを外した後は、理学療法で可動域の回復を目指しましょう。 肘の靭帯損傷 肘の靭帯損傷は、肘関節にある靭帯のいずれかに発生します。部分的な断裂と完全断裂があり、肘関節の脱臼や骨折を伴うこともあります。 代表的な症状は、以下の4つです。 肘の痛み 肘関節の不安定さ 腫れ 可動域の制限 対策としては、以下があります。 肘を固定して安静にする 患部を冷やす 鎮痛薬を用いる 理学療法に取り組む 靭帯がもとに戻るには数週間固定する必要があり、手術が必要なケースもあります。 肘を曲げると急に痛いと感じたときに病院へ受診する3つの目安 急に肘を曲げると痛みを感じるようになったら、病院に受診するか迷いますよね。 ここでは、病院へ受診するタイミングを、以下の3つの目安別に紹介します。 すぐに受診が必要なケース 翌日には受診しておきたいケース 急いで受診する必要がないケース 目安を把握し、いざ受診が必要なときに慌てず受診できるようにしておきましょう。 すぐに受診が必要なケース 肘の痛みですぐに受診が必要なのは、以下のケースです。 日常の動作に支障がでるほど強い痛みがある 痛み以外の症状がある 日常生活に支障をきたすほどの痛みが強い場合、痛み以外に発熱症状がある場合は使いすぎが原因の痛みではない可能性があります。 重篤な病気が隠れていないか確認するべく、専門医を受診しましょう。 ▼肘の腱や靭帯の痛みが対象の再生医療について詳しく知りたい人は以下の記事もご覧ください。 お電話でのお問い合わせ 0120-706-313(受付時間:09:00〜18:00) メール相談 メール相談はこちらから(無料) 来院予約 来院予約はこちらから 翌日には受診しておきたいケース 翌日の診療時間には受診しておきたいケースとして、以下があります。 安静にしていても痛む ケガのきっかけに心当たりがある 2,3日安静にしていても痛みが改善しない 肘を動かしていない際にも痛みがある場合は、腱や靭帯の損傷が激しい可能性があります。 また、ぶつけるなど痛みが発生するケガをした場合や安静にしていても痛みが改善しない場合は、長引かせないためにも早期に専門家のもとで治療を始めることが大切です。 近医の診察時間内に受診して、指示をあおぎましょう。 急いで受診する必要がないケース 急いで受診する必要がないケースは、ケガのきっかけに心当たりがない場合です。 心当たりのない痛みは、同じ動作をくり返す習慣が原因となる傾向があります。 まずは動作を止めて、安静にして様子を見てみましょう。 痛みが2,3日経っても改善しない場合は、受診するようにしてください。 まとめ|肘が痛いときは安静にして病院を受診すべきか判断しよう 肘関節は日常の動作やスポーツでよく使うので、痛みを生じやすい部位です。痛みがある場合は安静にして、痛みが改善するかどうか確認しましょう。 肘の痛みは、上腕骨内側上顆炎(ゴルフ肘)や上腕骨外側上顆炎(テニス肘)のように特定の動作を繰り返すことによって生じる炎症が主な原因です。ただし、以下の場合は重篤な病気が隠れている可能性があるので、早めに受診するようにしましょう。 痛みが強くて日常生活に支障がある場合 痛み以外にも症状がある場合 明らかにケガをした場合 2,3日安静にしていても痛みが改善しない場合 病院を受診する目安をもう一度知りたい人は「肘を曲げると急に痛いと感じたときに病院へ受診する3つの目安」を振り返ってみましょう。 あなたの肘の腱や靭帯の痛みが再生医療の対象になるかもしれません。 詳しく知りたい人は以下の記事をご覧いただき、当院へご相談ください。 お電話でのお問い合わせ 0120-706-313(受付時間:09:00〜18:00) メール相談 メール相談はこちらから(無料) 来院予約 来院予約はこちらから 肘が痛いときのよくある質問 Q.肘が痛いと感じる原因はなんですか。 A.多くの場合はゴルフ肘やテニス肘のように、同じ動作をくり返すことで肘周辺の腱や靭帯が傷ついて生じます。 場合によっては神経への刺激や骨の変形や感染症が原因になるので、心配な人は専門医にご相談ください。 肘が痛くなる病気は「肘が痛いときに疑われる6つの病気」で詳しく解説しています。 Q.肘を伸ばすと痛いのはなぜですか。 A.肘を伸ばすと痛いのは、上腕骨内側上顆炎(テニス肘)や肘関節の靭帯損傷が生じている可能性があります。 痛みの度合いが強い、他に症状がある場合はすみやかに受診するようにしましょう。
2022.07.14 -
- 上肢(腕の障害)
- テニス肘
- 肘関節
- スポーツ外傷
テニス肘とは、テニス経験がなくても発症します!肘の痛みでお悩みの方へ テニス肘をご存知でしょうか?テニスをされている方は、テニスエルボーと言った方が早いかもしれません。 テニスという名前がついていることからテニスをしない人には関係がないと思われがちなテニス肘。実は、テニスをしていても、していなくても、その経験に関係なく、頻回に繰り返し腕を使う仕事やスポーツをしている人にも発症する病気です。 ただ、最初は軽い痛みながら、放置したまま原因を絶たずにいると、悪化しかねません。 今回は、テニス肘について、治療法と症状、原因についてご説明いたします。この記事を読んでいただくことで、テニス肘に対する理解が深まり、適切に対処できるようになれば幸いです。 テニス肘とは? テニス肘とは正式には「外側上顆炎」といい、一般的には、ラケットを強く振るテニスプレーヤーが発症しやすいと言われています。しかし、肘の痛みを伴うこの症状は、スポーツ選手だけでなく、誰にでも発症する可能性があります。 特に前腕に負荷がかかる動きを繰り返すと、上腕の骨に筋肉が付着する腱が炎症を起こし、同じ動きを続けるうちに腱が変性し、最終的には切れてしまいます。 テニス肘は、腕を曲げたり、まっすぐにしたり、ものを握ったり、持ち上げたり、振ったりするときに、「肘の外側」に痛みを起こす可能性があります。早く治療したり、その症状を起こした原因を排除すれば症状を軽減させることができます。 どんな人がテニス肘になるのか? テニス肘は、30才から50才の人に多く、男女性別に関係なく幅広く発症する可能性があります。プロのスポーツ選手だけでなく、前腕、手首、手を激しく、かつ反復的に使う活動を定期的に行っている人は、誰でもテニス肘になる可能性があります。 テニス選手のほかにも、野球やソフトボールの選手、テニスやラケットボールの選手なども危険因子です。 例えば組立ラインの工場労働者や自動車整備士、肉屋、料理人、大工、清掃員、塗装工、配管工、歯科医、造園家、音楽家など、特定の職業に就いている人も、テニス肘になりやすいと言われています。 テニス肘の原因 手首や指を曲げたり伸ばしたりして、腕を繰り返し動かすと、前腕の筋肉が疲労してきます。テニス肘と関係のある腱は、「肘の外側」にある骨の隆起(上腕骨外側上顆)にこの前腕の筋肉を付着させています。 筋肉が疲労すると、腱により多くの負荷がかかるようになります。この過負荷が、腱鞘炎と呼ばれる炎症と痛みを引き起こしています。さらに時間が経つと、この過負荷は腱の変性を起こし、最終的には腱断裂につながります。 多くの場合は長期にわたる負荷が原因ですが、突然の腕や肘の怪我が原因で発症することもあります。まれに、原因不明で発症する人もいます。 テニス肘の症状 テニス肘の症状はゆっくりと現れる傾向があります。痛みは数週間から数ヶ月の間に悪化します。テニス肘の症状の多くは痛みにあり、には次のようなものがあります。 肘の外側の痛み、手首の痛み 腕をひねったり曲げたりするときの痛み(ドアノブを回すときや瓶を開けるときなど) 腕を伸ばしたときのこわばりや痛み 肘関節の腫れ、触ると痛い ラケットやペン、または人の手などを持とうとしたときに痛みが出たり、握力が弱くなる テニス肘の診断 痛みを引き起こす可能性のある動作について質問します。また、肘関節の痛みや腫れなどをチェックするために身体診察を行います。診断のために、以下のような検査が行われることがあります。 骨折などを除外するための単純X線検査 超音波検査、磁気共鳴画像法(MRI)、コンピュータ断層撮影(CT)スキャンなどの画像検査を用いて、腱や筋肉の損傷の状態を評価 筋電図検査は、筋肉や神経の電気的活動を測定し、神経が圧迫されていないかどうかを調べる テニス肘の治療方法 テニス肘は、特別に治療をしなくても、自然に良くなることがあります。しかし、その反面、1年ほどかかることもあるので注意が必要です。 低侵襲な治療法 そこで、回復を早めることができる手術以外の方法をまずご紹介します。 安静:腱の治癒を待つために、数週間は痛みのある側の腕を使う活動を停止するか、作業量を減らすことを検討します 痛み止め:非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs):NSAIDsは、痛みや炎症を和らげることが期待できます 痛み止め:ステロイドの注射により、関節の痛みや炎症が一時的に緩和されます テニス肘用のサポーター:取り外し可能なテニス肘用のサポーターを痛みのある前腕部に装着します。この装具は、腱や筋肉の緊張を和らげるものです 理学療法:理学療法による運動は、前腕のストレッチを含め、筋肉と握力を強化します 外科的治療法 低侵襲な療法を6~12カ月続けても症状が改善しない場合、関節鏡下または切開による手術を行います。手術では、通常、変性した腱を除去します。回復には4~6ヶ月かかることが一般的です。テ ニス肘になった後は、症状が再発しないように、サポーターなど装具の着用が必要となることもあります。 まとめ・テニス肘とは、テニス経験がなくても発症します!肘の痛みでお悩みの方へ 以上、今回はテニス肘についてご説明しました。 テニスをしていない人にとっては関係がないと思われがちかもしれませんが、ご説明した通り、必ずしもテニスと関係がない方でも起こりうる病態です。もしも「肘の痛み」で悩んでいる方がおられたら、早めにかかりつけの整形外科医にご相談ください。参考にしていただければ幸いです。 ▼ スポーツ外傷(筋・腱・靭帯損傷)に対する再生医療 当院の再生医療は、スポーツ選手のパフォーマンス(QOL)を維持する治療を推進しています
2022.07.12 -
- ひざ関節
- 膝に赤みや腫れ
- 膝部、その他疾患
棚障害に悩んでいるが、治し方がわからない。 棚障害を起こした場合、どのくらいで復帰できるの? このようなお悩みをお持ちではないでしょうか? 運動を日常的に行う中で、突然、膝から崩れて座り込んでしまう病気は多々あります。 そのなかでも棚障害(膝滑膜ひだ障害)は、膝関節の内側にある「滑膜ひだ」と呼ばれる部位が炎症を起こす病気です。 棚障害は、症状が軽いからと放置したままだと痛みがどんどん強くなり、手術が必要になり復帰が遅れてしまう可能性もあります。そのため早い段階で適切な治療を受けることが大切です。 今回は、棚障害の治し方をメインに、原因や症状などについて詳しく解説していきます。 棚障害(膝滑膜ひだ障害)とは「滑膜ひだの炎症」 棚障害(膝滑膜ひだ障害)は、膝の傷害で運動中に膝くずれを引き起こす病気で、膝の内側にある滑膜ひだに炎症を起こすことで発症します。 「症状が軽いから」と放置してしまう方もいるようですが、治療が手遅れになると重症になってしまい、痛みが強くなり、手術が必要な状態になってしまう病気です。 膝の病気、棚障害とはどんな病気なのか、原因と症状、その治療法について紹介していきます。 棚障害の症状 棚障害とは、『滑膜ひだ』という膝関節の内側にある『ひだ』に炎症が起きてしまう病気です。 滑膜とは、膝の動きを滑らかにする滑液という液体を作っている薄い膜です。滑膜に炎症が起きてしまうと、膝を滑らかに動かすことができなくなったり、膝を動かすと痛みを感じたりします。 最初の症状としては、膝のお皿と言われている部分である膝蓋骨の内側や下側に痛みを感じるのが特徴です。 徐々に『膝がぐらぐらする』といった、動かしにくさを自覚するようになり、痛みが出現し始めると動ける範囲内が制限されるようになるでしょう。 悪化すると数分歩行するだけで痛みが出現するようになり、歩行中や運動中、突然、膝くずれを起こしてしまうことも考えられます。 棚障害の原因 棚障害は、膝の曲げ伸ばしや、捻る動作の繰り返しによって「滑膜ひだ」が狭くなり、炎症を起こしてしまうことが原因で起こります。 大きな外傷がなくても、膝の曲げ伸ばしや、捻る動作を繰り返すことで、徐々に痛みが増すこともあります。 『棚障害』は、野球や、バレーボール、バスケットボール、ハンドボールなど膝の曲げ伸ばしを頻繁に繰り返し行う運動選手によくみられますが、運動習慣のある人は誰しも起こり得る病気です。 一般的な中高生の部活動で発症することも多くみられます。 棚障害の検査方法 診察では、棚テストと呼ばれる検査が行われます。 この検査は、膝蓋骨内側の下の方を医師が親指で押さえた状態で、膝を曲げるものです。 このときに痛みを自覚するときや、医師が『ひっかかり』を感じるときに『棚障害』が疑われます。 さらに、レントゲン検査や、超音波検査、M R I検査といった画像検査を行い、滑膜の状態を評価して総合的に診断が行われます。 また、棚障害の簡易的な診断は自分でも可能です。 膝の曲げ伸ばしをすると、お皿の周りで引っ掛かりがみられ「ポキッ、ポキッ」といったクリックしたような音が聞こえたり、膝に手を当てると感じる場合は可能性が高いと思われます。 棚障害における6つの治療法 棚障害(滑膜ひだ障害)は軽症か重症かによって、治療法が異なります。主な治療法は以下の6つです。 安静 非手術的療法 薬物療法 関節内注射 手術療法 リハビリテーション 症状に合わせた治療やリハビリテーションを行い、再発を防ぎましょう。 安静 棚障害の治療で一番大事なことは、運動を休み、膝の安静を保つことです。 多少の動かしにくさや痛みがありながらも「症状は一時的なものだ」「このくらいなら大丈夫だろう」と考えてしまうこともあるかもしれません。 しかし棚障害であるにもかかわらず運動を継続した結果、重症化してしまうケースもゼロではないため注意が必要です。 症状が重症化したあと稀ではありますが、手術も選択肢となり治療期間も長引くことになるため、違和感等を感じた際は、早めに医療機関や整形外科等を受診して専門家の判断を仰ぐべきです。 非手術的療法 非手術的療法は、滑膜の盛り上がりが大腿骨の前面を覆わない程度の場合に効果的と言われています。 非手術的療法には、以下のような種類があります。 物理療法:電気、超音波、レーザー、温熱を用いる 膝の活動調整:膝に負担のかかりにくい動かし方を指導する 装具の使用:膝の装具を使用し動きを矯正する 非手術的療法で膝の筋力を増加させたり、膝の使い方を見直したりすることで、棚障害の治療を行います。 薬物療法 棚障害の症状が軽いときには、湿布を貼ったり、炎症を抑える薬を内服したりといった薬物療法を行うケースもあります。 棚障害は、運動をやめる又は、減らして安静を保ちつつ、ストレッチや湿布等での冷却をはかり、大腿四頭筋の筋力維持訓練など、膝への負担を減らせば症状は落ち着きはじめます。 現在現れている症状を、医師に十分に説明しましょう。 関節内注射 膝の関節内にヒアルロン酸を注射して関節の動きを良くしたり、ステロイド剤を注射して滑膜の炎症を抑えたりすることで痛みが引くこともあります。 関節内注射の効果は永続的ではないため、他の治療法と組み合わせて用いられます。 手術療法 手術による治療が必要になった場合は関節鏡手術という関節の内視鏡を用いて行い、『ひだ』の切除を行います。 手術自体は20分程度で終わることが多いですが、手術による傷の確認や、腫れや副作用の確認のために入院治療が必要です。 入院期間は2日から1週間程度で行われることが多いですが、手術後の経過によって前後します。 手術の傷口が感染してしまった場合などは、再び手術が必要になってしまうこともあります。なお、手術が成功すれば、すぐに運動に復帰できるかというと、そうではありません。 リハビリが必要になるからです。運動に復帰するためには、およそ2週間から数カ月のリハビリを覚悟しなければなりません。 さらには、リハビリを行った後でも、元々のパフォーマンスがすぐに発揮できるまでは、さらに時間を要することが多いです。 リハビリテーション 痛みや炎症を抑えたあとには、リハビリテーションを行い筋力をつけたり、バランスを整えたりすることで再発を防げます。 棚障害のリハビリテーションでは、運動療法やストレッチ、バランス訓練を行い、筋肉の増強や柔軟性の向上を目指します。 主には大腿四頭筋やハムストリングスを強くする筋力トレーニングや、片足立ち、スクワットなどを医師、理学療法士の指示に基づき行います。 棚障害が重症化した場合は運動を休止し、湿布や内服、注射などの治療を開始しても痛みがひかないことが多いです。また、痛みが一時的にひいても、運動を再開したときにすぐに痛みが再発してしまう可能性もあります。 棚障害の予防やセルフケアの方法 棚障害の予防には、膝に負担をかけすぎないことが大切です。 ウォーミングアップを行い、膝周辺の筋肉を温めてから運動をしましょう。 また日頃から膝関節付近の筋肉増強に努めたり、柔軟性を向上させたりするのも効果的です。とくに大腿筋を鍛えることで、バランスが安定し、棚障害が起こりにくくなります。 また、棚障害があっても試合や練習に参加しなければいけない場合には、テーピングで膝への負担を和らげるようにしましょう。 そして、動いたあとにはアイシングを行い、膝関節を休ませる必要もあります。 日頃から棚障害を起こさないよう気をつけること、また適切なセルフケアで重症化を防ぎましょう。 まとめ|棚障害は我慢して運動を続けず、早期の受診を! 「棚障害(滑膜ひだ障害)」は膝の病気で運動選手によく起こる病気の一つで、滑膜の炎症が原因で起こります。 軽症のうちは手術を要することは少なく、安静・薬の内服などの治療を行います。 しかし治療せず痛みや動かしにくさを我慢して運動を続けると、重症化して手術が必要になることもあります。 手術した後は、リハビリを行う必要があり、すぐに運動に復帰することはできません。軽症なうちに運動を休む期間よりも、長い期間、運動ができなくなってしまいます。 いずれにしても膝の周囲の筋力強化と柔軟性を保つためのストレッチは欠かさず行うようにしましょう。 長い期間、休まないといけないのは、運動選手にとって致命的になってしまうことも少なくないでしょう。症状が気になる人は我慢して運動を続けようとせず、早期に病院を受診して治療を受けるようにしましょう。 また、当院「リペアセルクリニック」では、棚障害を含む膝の痛みの治療として再生医療を行っています。 この記事が、棚障害の治療に悩む方の参考になれば幸いです。 また、スポーツによって膝の痛みを起こす慢性障害については、以下の記事もご覧ください。 棚障害についてよくある質問 棚障害と半月板損傷の違いは何ですか? 棚障害と半月板損傷は、いずれも膝の痛みが起こる疾患ですが、原因となる部位が異なります。 棚障害は膝の内側にある「滑膜ひだ」と呼ばれる部位の炎症ですが、半月板損傷は、膝関節の内側と外側に一枚ずつある「半月板」と呼ばれる部位が炎症を起こすことで起こります。 棚障害は冷やした方が症状が和らぎますか? 棚障害には、冷却を含む「RICE処置」が効果的です。 RICE処置とは、応急処置のやり方の1つで、以下の頭文字をとったものです。 Rest(安静):なるべく動かさない Ice(冷却):痛みや熱を持っている部位を冷やす Compression(圧迫):適度に圧迫する Elevation(挙上):患部を心臓よりも高い位置に置く 強い痛みがあったり患部が熱を持っていたりする場合は、上記を試してみてください。
2022.07.08 -
- ひざ関節
- 膝部、その他疾患
この記事にたどり着いたあなたは「特発性膝骨壊死は治るの?」「骨が壊死するなんて怖い」と不安になっているのではないでしょうか。 特発性膝骨壊死(とくはつせいひざこつえし)は、原因不明の膝の疾患です。動かしているときだけでなく、じっとしているときや夜間の急激な膝の痛みが特徴です。 軽度であれば完治する可能性もありますが、重症化すると手術が必要になるケースもあります。早期発見・早期治療が重要です。 本記事では特発性膝骨壊死の特徴や治療法について詳しく解説します。特発性膝骨壊死と診断された方や今後の経過が気になる人はぜひ最後までチェックしてください。 特発性膝骨壊死とは|起こるとどうなる? 特発性膝骨壊死とは「大腿骨内顆骨壊死(だいたいこつないかこつえし)」と呼ばれ、太ももの骨に起こる骨壊死です。60歳以降の中高年女性に多く、歩行時痛や階段の昇り降りなどでの痛みを生じます。 特発性膝骨壊死の特徴は、動かしていないときや夜間にも激痛を感じることです。座っているだけで激痛に襲われたり、夜間の痛みで寝れなくなったりなど日常生活に支障をきたす可能性があります。 また、骨壊死部分は骨が脆くなっているため、体重をかけるなどの負担によって骨が変形していく可能性があります。放置すると変形性膝関節症を合併する危険があり、注意が必要です。 特発性膝関節壊死は、軽度であれば完治する可能性があります。変形が進むと手術の必要性が高まるため、変形が進む前の治療が大切です。 軽度なら自然治癒する可能性がある 特発性膝骨壊死は、軽度であれば自然治癒する可能性があります。特発性膝骨壊死には「ステージ1(発生期)」「ステージ2(吸収期)」「ステージ3(完成期)」「ステージ4(変性期)」と4つの分類があります。過去の研究結果では、ステージ1の患者に対しては保存療法によって骨壊死が消失する結果が得られました。(文献1) このように軽度であれば壊死部が治癒することがありますが、ステージ4になると軟骨が削れて関節の隙間も狭く変形します。重度の変形では自然治癒しないため、変形性膝関節症と同様に手術の検討が必要です。(文献2) なお、骨壊死については以下の記事でも詳しく解説しています。特発性膝骨壊死への理解も深まる内容なので、気になる人はぜひこちらもチェックしてみてください。 特発性膝骨壊死と変形性膝関節症は症状が似ている 特発性膝骨壊死と変形性膝関節症はどちらも膝の痛みを感じ、進行すると膝の変形が進むという点で似ている病気です。 変形性膝関節症が「動かしたときの痛みや動き出しなどで鈍い痛み」を感じるのに対して、特発性膝骨壊死は「動いていないときや夜間の鋭い痛み」を感じるのが特徴です。 どちらもレントゲン画像で診断できますが、初期ではほとんど判別がつきにくい傾向があります。そのため、特発性膝骨壊死が疑われる場合にはMRI検査を行うことも多いです。 とくに特発性膝骨壊死を放置して骨壊死しているところに負担がかかり続けると、急速に変形性膝関節症に移行するといわれています。(文献2) じっとしているときや夜間の激痛がある場合には、できるだけ整形外科を受診するようにして対処しましょう。 突発性膝骨壊死の原因は明らかになっていない 特発性膝骨壊死を発症する明確な原因はわかっていませんが、以下のような説が考えられています。 高用量のステロイドの長期間服用 腎移植 過度の飲酒 血液凝固障害 度重なる放射線治療 膝のクッションである半月板の損傷(文献3) 過去の小さな骨折(文献4) しかし、はっきりとした原因はわかっていないのが実情です。 特発性膝骨壊死の治療法 特発性膝骨壊死の治療は、変形性膝関節症と同様「保存療法」「手術療法」といった治療を行うのが一般的です。 保存療法 ステージが初期のころは消炎鎮痛剤(痛み止め)やヒアルロン酸注射などの保存療法が主流です。 これらの治療で痛みをコントロールしつつ、運動療法を中心としたリハビリで筋肉を鍛えて骨壊死部への負担軽減を目指します。 また、膝への負担を軽減する方法として装具の利用も重要です。 外反装具(膝を外に曲げる装具)や足底装具(インソール)、T字杖や松葉づえを用いることで、膝の負担軽減を図る場合もあります。 手術療法 保存療法で痛みの軽減が得られない場合、手術療法を検討します。 主な術式は、壊死部を関節鏡で除去したうえでプレート固定する「高位脛骨骨切り術」と、膝関節を人工物に取り替える「人工関節置換術」です。 軟骨や靭帯の損傷が限局的で、膝関節の他の部分が比較的健全に保たれている場合は、関節機能を温存できる「高位脛骨骨切り術」を検討します。 75歳以上の高齢者に「高位脛骨骨切り術」を実施した結果、術後の痛みは軽減され変形も進みにくいなど良い結果が多く得られたという研究もあります。(文献5) 一方、特発性膝骨壊死が進行し、関節の変形が大きい場合には「人工関節置換術」を行うのが一般的です。 人工関節については以下の記事でも解説しています。気になる方は合わせてご覧ください。 再生医療という選択肢もある 保存療法を試しているが改善しない、手術には抵抗があるといった方は、再生医療という選択肢も検討してみましょう。 再生医療は人工関節に変わる治療方法として選択肢となる治療法の一つです。 膝関節に幹細胞を注入することで、膝の痛みの軽減が期待されています。当院リペアセルクリニックでも、再生医療を実施しています。 もし特発性膝骨壊死の治療で再生医療に興味があれば、メール相談もしくはオンラインカウンセリングからお気軽にご相談ください。 なお、当院で実施している再生医療については以下の記事で詳しく解説しています。再生医療についての知識が深まる内容なので、ぜひこちらもご覧ください。 特発性膝骨壊死を悪化させないためのポイント 特発性膝骨壊死の進行を抑えるために重要なポイントは以下の3つです。 適切な日常生活を心がける 膝に負担をかけすぎない 早めに受診して診断を受ける 特発性膝骨壊死と診断された人は、日常生活で本章の内容を意識してみましょう。 適切な日常生活を心がける 特発性膝骨壊死の進行を抑えるには、過度な飲酒や喫煙を避け、規則正しい生活を心がけることが大切です。 喫煙者や肥満者は、特発性膝骨壊死に悪影響を及ぼすと報告されています。(文献4) 膝の痛みに悩んでいる方は可能であれば禁煙し、栄養バランスの整った食生活や適度な運動を心がけましょう。 膝に負担をかけすぎない 肥満や激しい運動は膝へ大きな負担がかかり、特発性膝骨壊死を悪化させる原因になる可能性があります。 また、太ももの前にある大腿四頭筋(だいたいしとうきん)は体重を乗せたときなどに衝撃を受け止めるクッションの役割をしています。 膝の負担を軽減させるためには、痛みのない範囲での筋トレを行い、大腿四頭筋を鍛えるのもおすすめです。 早めに受診して診断を受ける 特発性膝骨壊死は進行性の病気です。膝の痛みが長引く場合は、可能な限り早く受診することが大切です。 痛みや症状が変形性膝関節症と似ており、自己判断は難しいでしょう。整形外科での診察や検査を受けることで、早期に適切な治療を開始できます。 安静時や夜間の急激な鋭い痛みを感じるなど特発性膝骨壊死が疑われる特徴的な症状がある場合、早めに整形外科に相談しましょう。 まとめ|特発性膝骨壊死は激しい痛みが特徴!悪化させないためにも早めの受診がおすすめ 特発性膝骨壊死は安静時や夜間の激しい痛みが特徴の病気です。放置しておくと症状が進行し、変形性膝関節症に移行してしまう可能性があります。 悪化を防ぐためにも、早めに受診の上、適切な治療を受けましょう。 なお、当院リペアセルクリニックでおこなっている再生医療は、特発性膝骨壊死に対する治療選択肢の一つとして再生医療を提供しています。 膝の痛みにお悩みの方や、手術以外の治療法を検討している方は、お気軽にメール相談もしくはオンラインカウンセリングからご相談ください。 特発性膝骨壊死についてよくある質問 特発性膝骨壊死は自然治癒しますか? 軽度なら自然治癒する可能性があります。 特発性膝骨壊死が軽度の状態であれば骨の壊死範囲も小さいため、改善する可能性があります。しかし軽度の状態ではレントゲンでは映らないため、MRI検査を受けないとわかりません。特発性膝骨壊死が疑われたらできるだけ早くMRIがある整形外科を受診してください。 特発性膝骨壊死を悪化させないためにはどうすれば良いですか? 規則正しい生活習慣を心がけましょう。 特発性膝骨壊死は喫煙や肥満によって悪化する可能性があるため、生活習慣を整えることが大切です。また、適度な運動によって太ももの筋肉を鍛えれば、膝にかかる負担を軽減でき症状の悪化予防につながるでしょう。 参考文献 (文献1) 安原良典「保存療法による早期膝関節特発性骨壊死の検討|日関病誌(33巻,1号)」 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsjd/33/1/33_13/_pdf/-char/ja (文献2) 牛島貴宏「特発性膝骨壊死に対する高位脛骨骨切り術後のX線学的評価と関節軟骨変化|整形外科と災害外科(59巻,4号)」 https://www.jstage.jst.go.jp/article/nishiseisai/59/4/59_4_675/_pdf/-char/ja (文献3) Yamamoto Takuaki ほか「Spontaneous Osteonecrosis of the Knee: The Result of Subchondral Insufficiency Fracture|The Journal of Bone & Joint Surgery 82 (6)」 https://journals.lww.com/jbjsjournal/Abstract/2000/06000/Spontaneous_Osteonecrosis_of_the_Knee__The_Result.13.aspx (文献4) Santiago Pache ほか「Meniscal Root Tears: Current Concepts Review|Arch Bone Jt Surg」 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30175171/ (文献5) 小無田航 ほか「75歳以上の特発性膝骨壊死に対する高位脛骨骨切り術後の関節鏡評価と臨床成績|整形外科と災害外科(72巻,3号)」 https://www.jstage.jst.go.jp/article/nishiseisai/72/3/72_368/_pdf/-char/ja
2022.07.07 -
- ひざ関節
- 膝部、その他疾患
膝の傷病であるベーカー嚢腫は世間的にあまり周知されていない疾病です。しかし、ベーカー嚢腫は誰でも起こる可能性があり、治療が遅れると重症になりえます。 日常生活の中で『膝に違和感を感じる』といった経験をされたことはありませんか?膝の違和感と一口に言っても症状はさまざまですが、もしかするとベーカー嚢腫かもしれません。 そこで本記事では、ベーカー嚢腫について当クリニック医師が詳しく解説します。症状を理解し、早期発見・治療を心がけましょう。 ベーカー嚢腫とは?原因はなに? ベーカー嚢腫は、膝の関節の隙間の裏側に袋ができて、その中に滑液と呼ばれる膝の動きを滑らかにしている液体が溜ることで起こります。 症状が起きる原因は、激しい運動などで膝を使いすぎたり、関節リウマチや変形性関節症といった病気が誘引となって滑液が大量に作られ溜ることでベーカー嚢腫を発症します。 ベーカー嚢腫の症状 ベーカー嚢腫は、発症初期に痛みがないといった特徴をもっています。 最初は膝の裏が腫れたり曲げたときに、なんとなく違和感や不快感を感じる程度であることが大半です。この初期段階で腫れが小さくなり、自然治癒するケースも少なくありません。 しかし、痛みがないからといって自己判断の放置には注意が必要です。 膝の裏の腫れがニワトリの卵くらい大きくなると、膝を曲げるときや、正座をしようとしたときに引っかかるような感じがして姿勢を保てなくなります。 さらに悪化すると滑液を包んでいる袋が破裂し、滑液が漏れ出てきて周りの組織が炎症を起こしてしまいます。すると、膝の腫れがさらにひどくなり、腫れに対して熱や痛みを発します。 ベーカー嚢腫の好発年齢 ベーカー嚢腫は、関節リウマチや変形性関節症が起こりやすい50代~70代に多い疾病です。だからといって、若い方が発症しないと安心できるものではありません。 年齢関係なく誰でも起こりうる疾病とされ、ときには4歳~7歳くらいの子どもでも発症します。 ベーカー嚢腫の検査方法 診察では、変形性関節症や関節リウマチなどの病気が合併していないか調べることが重要です。 医師による触診や超音波検査・MRI検査などの精密な画像検査を行い、大きさや正確な発症位置を特定します。 【治し方】ベーカー嚢腫の治療 ベーカー嚢腫の治療方法は、合併している疾患の有無や重症度によって大きく変わってきます。 関節リウマチや変形性関節症などが合併している疾患があるときは、合併疾患に対して治療を行うことがベーカー嚢腫の改善にもつながります。合併している病気の治療が進まないとベーカー嚢腫を含め再発を繰り返してしまいます。 合併している病気の症状が落ち着いているときや、合併疾患がないときは、手術を伴わない治療で完結するケースが大半です。 保存療法 手術を行わない際の治療としては、湿布を貼ったり炎症を抑える薬を内服します。 また、袋の中に滑液がたくさんたまっているときは、注射器により滑液の吸引を行います。吸引を繰り返してもベーカー嚢腫が頻回してしまう際や、周囲の組織に炎症を伴うときはステロイド剤の注射を行うケースがあります。 手術療法 手術を行う場合は、膝の裏を2cm程度切り開いて行います。ベーカー嚢腫の元となる袋を取り出したり、関節から嚢腫へ滑液が漏れ出している穴を塞いだりと療法はさまざまですが、いずれの手術も全身麻酔で行われます。 術後の感染や麻酔によるアレルギー症状など、副作用の確認を行うため入院による治療となります。1~2週間の入院期間を設けることが多いですが、合併症の有無など、術後の経過によって前後します。 膝の裏には神経や血管がたくさんあり、すべての袋の除去が難しいことから、術後再びベーカー嚢腫ができてしまうケースも少なくありません。 ベーカー嚢腫に関するQ &A この項目では、ベーカー嚢腫に関するよくある質問に対しての答えを提示しています。 ベーカー嚢腫にお悩みの方は問題解決の参考にしてください。 ベーカー嚢腫は何科を受診すればいいの? ベーカー嚢腫の疑いがある場合は、整形外科を受診しましょう。お住まいの地域に整形外科院がない場合は、総合病院の受診をおすすめします。 また、当クリニックでも足の疾病に関する悩み相談は可能です。手術をしない再生医療に興味がある方は、お気軽にお問い合わせください。 ベーカー嚢腫に効くストレッチは? ベーカー嚢腫には、膝周りの筋肉を伸ばすストレッチが効果的です。 ストレッチの種類は多岐にわたりますが、この項目では代表的なふくらはぎのストレッチを紹介します。 仰向けになり片方の足を上げます 上げた足にタオルをかけます 両手でタオルの端を持ちながら、足を伸ばした状態で45度程度まで下に引きます 呼吸を止めずに10秒程キープします 反対側の足も同様にストレッチします ベーカー嚢腫とがんの見分け方は? ベーカー嚢腫とがんを見分けるためにも、まずはお互いの特徴を把握しておきましょう。 ベーカー嚢腫 悪性腫瘍(軟部肉腫/骨腫) 膝をの裏側が腫れる 普段から膝を使っている 次第に腫れが大きくなる 初期は痛みを感じないが、悪化すると痛みや熱を発する 膝の怪我・負担をかけていなくても発症する 長期にわたる腫れの継続 しびれや麻痺を伴う 痛みを伴わないことも多い 初期の段階では、いずれも痛みを感じることなく発症するケースが大半です。しかし、ベーカー嚢腫の場合は関節の隙間にできた袋から滑液が漏れ出し、炎症をきたし痛みや熱を発します。 対して悪性腫瘍(軟部肉腫)の場合はしびれや麻痺症状を伴うことを覚えておきましょう。 いずれにせよ、一般的に区別がつきづらい症状であることから、膝の不安感を覚えたら最寄りの医療機関を受診するよう心がけましょう。 まとめ|ベーカー嚢腫(膝裏の腫れ)の放置は禁物! 発症初期のベーカー嚢腫は、痛みを伴わず自然に小さくなる傾向にあるため放置してしまいがちな病気です。しかし、悪化すると、手術が必要になることもあります。 手術には入院が伴うため誰しもが望まない治療だと思います。最近では感染対策で入院中での面会が制限され、家族や友人に会えずに寂しく辛い経験をされる方も非常に多いです。 治療が手遅れになる前に、膝の裏に違和感を感じたら自分で判断したり、放置せずに医療機関に受診し、専門家に診てもらいましょう。
2022.07.06 -
- 腱板損傷・断裂
- 肩関節
腱板断裂の治療は注射やリハビリなどの保存療法がメインですが「自然に治るのかな?」「放置したらどうなるの?」と疑問に思う人もいるかもしれません。 結論からいえば、腱板断裂を放置すると治るどころか悪化する可能性があります。腱板という筋肉は血流が乏しい筋肉であるため、自然治癒が望めないためです。 本記事で腱板断裂を放置するとどうなるか、詳しく解説します。腱板断裂でお悩みの方はぜひ最後までチェックしてください。 また、現在リペアセルクリニックでは腱板断裂や肩の痛みに対して、つらい痛みからの解放が期待できる再生医療についての情報をLINEにて発信中。 再生医療の専門クリニックとして改善が見込めた症例についても紹介しておりますので、身体への負担を軽減したい方はぜひご登録ください。 腱板断裂を放置するとどうなる? 結論、腱板断裂は放置すると肩の動きが悪くなり、痛みが徐々に増していくことが一般的です。 さらに、断裂が進行することで肩を支える腱板の筋力が低下し、肩関節がスムーズに動かせなくなるため、日常生活での動作が困難になったり肩関節や周囲の組織にさらなる負担がかかったりします。 これによって肩が固まって動きにくくなる拘縮(いわゆる「凍結肩」や「五十肩」に似た状態)を引き起こしたり、痛みが長引く慢性的な症状へと発展してしまう可能性があり、基本的には自然治癒しません。 【進行してしまう可能性のある症状・状態まとめ】 断裂部位が拡大し、症状が悪化する 肩関節機能が低下し、日常生活に支障をきたす 痛みが増していき、次第に日常生活が困難になる 腱板断裂を放置するとどうなるか、以下で具体的に解説していきます。 腱板断裂は放置しても治らない 腱板断裂は放置しても治らないケガです。 腱板断裂が自然治癒しない理由は、腱板へ流れる血流が少ないためです。 もともと腱板の中には血管が少ないため、治癒に必要な栄養素が血流によって届けられず自然治癒が難しいと考えられています。 また、構造的な問題によりちぎれた筋肉が腕の重みで引き離され続けることも理由の1つです。 腱板が断裂した状態を放置すると、さらに断裂部位が広がってしまうことがあります。断裂部位が広がるほど症状も強くなるため、早めに医療機関を受診し、治療を受けましょう。 放置すると日常生活や肩の機能に影響が出ることも 腱板断裂は放置することで、日常生活の動作や肩の機能に影響が出ることもあります。 断裂部位が広がると腱板の筋力が弱くなり、肩の可動域や筋力の低下がみられる可能性があります。夜中も肩の痛みで寝れなくなったり、上に手が上がらないために洗濯物が干せなくなったりするなど、日常生活に支障をきたすこともあるでしょう。 腱板断裂が悪化すると正常な動作が困難になるため、放置せず早めに病院で治療を受けることが大切です。 また、腱板断裂では避けるべき動作がいくつかあります。詳しくは下記の記事で解説しているため、腱板断裂を疑っている方はチェックして日常生活で気をつけてみてください。 腱板損傷との違いは「完全に切れているかどうか」 腱板断裂と似た怪我として腱板損傷という怪我があります。 そもそも腱板断裂には、筋肉の繊維が完全にちぎれている「完全断裂」と、一部のみがちぎれている「不全断裂」にわけられます。この一部がちぎれている不全断裂を言い換えたものが「腱板損傷」です。 なお。腱板断裂の程度はMRIやCTなど腱板が撮影可能な画像検査をしないとわかりません。詳しくは以下のリンクでご紹介しているため、ぜひチェックしてみてください。 ちなみに当院リペアセルクリニックでは、腱板断裂の治療として幹細胞治療やPRP療法などの再生医療に取り組んでいます。 これらの治療は腱板断裂の程度に関わらず適用可能な治療です。 気になる方は当院リペアセルクリニックにメール相談、もしくはオンラインカウンセリングでお気軽にご相談ください。 腱板断裂を疑うべき症状3選!できるだけ早く受診しよう 腱板断裂を疑うべき症状は、以下に挙げる3つです。 転んだ後から腕が上がらない 痛みで夜寝れない、途中で目が醒める 肩を動かすと痛い・ゴリゴリ音がする これらの症状がある場合には腱板断裂を疑います。そのため、可能な限り早い整形外科の受診がおすすめです。なお、腱板断裂を疑う症状についてはこちらの記事で詳しく解説しています。少しでもご自身に腱板断裂の可能性がある方はぜひご確認ください。 もし腱板断裂の疑いがある場合には、適切な治療が必要です。治療方法の選択は画像診断で腱板断裂の程度を知る必要があるため、まずは整形外科を受診してください。 腱板断裂の主な治療法は「手術」もしくは「保存療法」 腱板断裂の治療には手術、もしくは保存療法があります。腱板断裂は自然治癒はしませんが、不全断裂である場合適切な治療を施せば必ずしも手術は必要ありません。あまり痛みがないケースもあるため、そのような場合には保存療法も選択肢として考えてみてください。 手術は関節鏡を使う負担が少ない方法が主流 手術をする場合にはメスで大きく切り開かず、小さな穴から関節鏡で断裂した腱板を縫合する手術方法が一般的です。大きく切開しないため社会復帰が早い点が関節鏡のメリットといえるでしょう。通常全身麻酔で手術をおこなうため、1週間程度の入院が必要になります。 手術後は腱板が癒合しやすいよう負担を減らすために、3〜6週間程度の固定が必要です。徐々にリハビリで動かして肩の機能を取り戻し、3〜6カ月で肩を自由に動かせるようになるといわれています。 保存療法では安静やリハビリのほか再生医療という選択肢もある 保存療法では薬や注射などで痛みを軽減しつつ、リハビリで肩の機能を取り戻す治療を進めます。ヒアルロン酸注射やステロイド注射によって関節の動きを良くしたり、炎症を抑えたりでき、断裂の程度を問わず有効です。 リハビリでは腱板の筋力強化や肩の可動域を広げる運動が主流です。痛みの程度をみながら理学療法士と二人三脚で治療し、腱板の機能を高めます。なお、詳しい保存療法の内容は以下の記事で解説していますので、ぜひご覧ください。 まとめ|腱板断裂は放置しないほうが良い!早めの受診がおすすめ 腱板断裂は放置しても自然治癒しない怪我です。断裂した腱板は放置するとさらに悪化し、痛みが増して日常生活にも支障が出る可能性があります。可能な限り早めの受診がおすすめです。 治療方法は手術か保存療法ですが、断裂の程度によっては手術しなくても済むかもしれません。断裂の程度を知るためにはMRIやエコー検査が必要なので、整形外科での検査を受けてください。 なお、当院リペアセルクリニックでは腱板断裂に対しても再生医療をおこなっています。ぜひメール相談、もしくはオンラインカウンセリングでお問い合わせください。 この記事が少しでもお役に立てれば光栄です。 腱板断裂についてよくある質問 腱板断裂を放置するとどうなりますか? 放置しても治りません。 腱板断裂は自然治癒が見込めない怪我として有名です。放置すると断裂した腱板が治らないばかりか、腕の重みによって断裂部位が広がり悪化する可能性があります。そのため、できるだけ早い受診がおすすめです。 腱板断裂は手術しないといけないですか? 手術以外にも保存療法の選択肢もあります。 腱板断裂は自然治癒しませんが、断裂の程度によっては保存療法も可能です。痛みや可動域制限が小さければ、必ずしも手術をしなくても良いといわれています。なお、当院リペアセルクリニックでは保存療法として再生医療をおこなっています。興味があればオンラインでの相談も可能なので、メール相談、もしくはオンラインカウンセリングでお問い合わせください。
2022.07.05 -
- ひざ関節
- 変形性膝関節症
- 半月板損傷
- 膝の慢性障害
- 靭帯損傷
膝の病気や痛みをかかえている方のなかには、定期的に膝へヒアルロン酸注射している方が多くいます。 しかし「最初は注射をすれば膝の痛みがひいたのに最近は効かなくなってきた」「効かないのは失敗が原因?」と感じた経験もあるでしょう。 そこで今回はヒアルロン酸注射をしていて、効かないと感じたり失敗を疑っている方に向けて、ヒアルロン酸の効果を解説します。 膝のヒアルロン酸注射が効かなくなる原因と、効果が乏しいときの対処法も紹介するので、最後までご覧ください。 膝にヒアルロン酸注射をしても効かないのは失敗が原因なの? 膝のヒアルロン酸注射が効かず、失敗を心配する方もいるかも知れませんが、病気の進行や膝の変形が重度になると効果が薄くなります。 ヒアルロン酸注射自体の問題や治療の失敗などではなく、膝自体に炎症がある場合、ヒアルロン酸注射が、効かないケースも多くあります。 膝に感染があるときは、ヒアルロン酸注射自体が余計に症状を悪化させてしまう症例もあるので注意が必要です。 変形性膝関節症は、年齢を重ねると進行する病気なので、誰でも変形が強くなっていく可能性はあります。 しかし体重が重かったり、もともと運動習慣がなかったりする方は、変形が進行する原因になるとも言われているので注意しましょう。 膝の変形性関節症における重症度や膝の組織を評価するために、レントゲン検査やMRI検査など、画像検査が行われます。 MRI検査では、膝の軟骨や靭帯、半月板が傷ついていないかも診断できるため、治療方法の選択をするためにも重要な検査です。 MRI検査が重要な理由は、以下の記事で詳しくまとめました。 そもそもヒアルロン酸注射とは 「膝のヒアルロン酸注射が効かないのは失敗が原因なの?」と不安に感じる方に向けて、ヒアルロン酸注射の概要を解説していきます。 ヒアルロン酸注射の効き目を感じず失敗と捉える前に、まずは注射として期待できる効果の概要を見ていきましょう。 ヒアルロン酸注射は初期症状におすすめ ヒアルロン酸は、膝の変形性関節症における初期症状におすすめの治療方法です。 ・ヒアルロン酸注射のみで完結する軽度な治療 ・軟骨保護のような炎症緩和 など 上記のような治療目的で使用されるのがヒアルロン酸注射です。 そもそもヒアルロン酸は水分をたくさん含む物質で、主に関節の内部を満たしている液体成分を補充する目的で注射します。 膝にヒアルロン酸を注射すれば、動きをよくする潤滑油のような役割になるのです。 膝以外にも眼の乾燥としてヒアルロン酸の目薬を行います。 目に潤いを与えるためヒアルロン酸が用いられるように、短時間で効果を得たい場合に提供される治療方法としてヒアルロン酸が活用されているのです。 ヒアルロン酸注射は根本的な治療にはならない いろいろな用途に用いられるヒアルロン酸ですが「変形性膝関節症」で、膝関節の動きを滑らかにするため注射している方もいるでしょう。 注射治療になるので手術のような日常生活の支障を気にする必要もありません。 しかしヒアルロン酸注射は、液体成分なので体内に吸収されてしまいます。 持続期間は約1〜2週間程度と言われているため、時間経過とともに「注射の効果がない」「失敗した」と感じてしまうでしょう。 膝の関節にはヒアルロン酸をたくさん含んでいる滑液で満たされています。 滑液が膝の滑らかな動きを保つのに重要な役割を担っています。 しかし、年齢を重ねたり外傷や他の疾患があったりすると、滑液の中のヒアルロン酸の量が減ってしまうのです。 ヒアルロン酸の量が減ってくると、膝を滑らかに動かすのが難しくなり、結果として膝にある骨や軟骨がこすれて痛みを感じてしまいます。 ヒアルロン酸注射をしただけでは一時的な治療になり「痛みを感じにくい状態」である持続期間が切れた際「効果がない」と捉えてしまいがちなのです。 以下の記事では、ヒアルロン酸注射の有効性と限界について詳しくまとめているので、あわせてご覧ください。 膝のヒアルロン酸注射が効かなくなった場合の対処法 ヒアルロン酸注射は、はじめは効いても徐々に効かなくなるケースがあります。 ヒアルロン酸注射以外の治療法を併用していくことも大切です。 ここからは膝のヒアルロン酸注射が効かなくなった場合の対処法として挙げられる治療法などを解説します。 適度な運動 膝のヒアルロン酸注射を必要とする代表的な症例である「膝変形性関節症」には、病院に受診しなくても自分自身で行える治療があります。 たとえば体重が重い方は、体重を減量するための運動も治療として重要な方法です。 専門的な治療を施すのであれば、運動療法を実施するのをおすすめします。 規則正しい有酸素運動や筋力トレーニング、関節可動域運動を実施して継続していくのが大事です。 膝をサポーターで保護し、テーピングを実施するのも推奨されています。 膝の負担を減らしながらできる運動については、以下の記事に詳しくまとめているので、ぜひ役立ててください。 ステロイド薬の投与 膝に炎症がある場合、ヒアルロン酸の注射ではなくステロイド薬を膝に注射する治療法もあります。 ステロイド薬の投与だけでなく、炎症を抑えるための薬を飲む治療法をしつつ、数カ月のリハビリなど保存療法を進めていく治療法も挙げられます。 人工関節を用いた手術 重症になった場合や注射が効かない状態が続くと手術が必要なケースもあります。 手術では関節の代用部品である「人工関節」を関節の代わりに埋め込む治療を実施します。 皮膚を切って開く必要があるため、全身麻酔で手術が行われます。 手術は傷口が感染しないか、麻酔によるアレルギーなどがないかを診るためにも入院が必須です。 入院自体は数日〜数週間ですが、もともとの歩行状態に戻るためには数カ月膝のリハビリが必要です。 人工関節を使った手術で知っておくべき項目については、以下の記事でまとめているので、あわせてご覧ください。 手術(人工関節)を避ける再生医療の選択肢 最近では手術の代わりに「PRP療法」や、「幹細胞治療」と呼ばれる新しい先端治療を選択できるようになってきました。 PRP療法は、患者様の血液から抽出した「血小板血漿(PRP)」を傷んでいる部位に注射する治療法です。 一方で「幹細胞治療」は、少しの脂肪を採取し、幹細胞を抽出して数千から億の単位まで培養し、増やした細胞を患部に注射で投与します。 どちらも患者様の自然治癒力を高めて治療するもので手術や入院の必要はありません。どちらも副作用はほとんどなく、患者様の身体にかかる負担が少ない治療法です。 詳しくは、お問い合わせください。 まとめ・膝のヒアルロン酸注射が効かなくて失敗を疑う前に診療を! 膝へのヒアルロン酸注射は膝の動きを滑らかにするために有用な治療法です。 最初効果があっても、治療の過程で「効かなくなった」「失敗した」と感じる可能性があります。 治療の失敗やヒアルロン酸注射自体の問題ではなく、膝の状態が良くない恐れも考えられます。 効果が乏しいのにもかかわらず、漫然と注射を重ねるのは良くないでしょう。 現在では再生医療(幹細胞治療、PRP療法)といった先端医療も考慮できます。 ヒアルロン酸の注射の効果が以前に比して減ったように感じている場合、専門家に相談し、適切な治療に切り替えを検討してはいかがでしょうか。 再生医療は、先端医療であるため厚生労働省から認められている限られたクリニックでしか受けられない治療法です。 手術も入院も避けられる身体にやさしい治療法なので、気になった方は気軽にお問い合わせください。 膝のヒアルロン酸注射でよくある質問 Q.ヒアルロン酸注射に副作用はないの? A.ヒアルロン酸注射による副作用は「まったくない」とは断言できません。 ヒアルロン酸注射をしたあと、起こる可能性がある副作用は以下の通りです。 ・内出血 ・むくみや腫れ ・かゆみ ・チンダル現象 ・血管閉塞 など 上記のような副作用が起こっても、時間経過とともに回復するケースが大半です。 ただし、副作用は放置せずヒアルロン酸注射をした医療機関で専門的なケアをしてもらうのをおすすめします。 Q.何度も打ち続けるとどうなるの? A.ヒアルロン酸注射を何度も打ち続けると、ヒアルロン酸の吸収力が低下する可能性があります。 ヒアルロン酸は膝を含めた関節部分の潤滑油として働いているので、補充する目的で注射治療を施します。 しかし、初めてヒアルロン酸注射をした方は、複数回注射をしている方より吸収が早い傾向にあるので、次第に「失敗した」と捉えてしまうでしょう。 あくまで一時的な治療になるので、膝の痛みが続く方は別の治療法を検討しましょう。 Q.痛みを感じる場合失敗を疑うべき? A.ヒアルロン酸注射は、膝に注射を刺す痛みになりますが、血管注射とは異なります。 注射針を刺した後にヒアルロン酸を注入するので、人によっては痛いと感じる方もいます。 ヒアルロン酸注射をする前に麻酔テープやクリームを塗る方法もあるので、少しでも心配な方は事前に相談しておきましょう。 とくに変形性膝関節症が重度な方は、関節に注射針を刺すのが困難なケースもあります。 副作用として痛みを感じる可能性もあるので、我慢せず医師に相談するのをおすすめします。 ▼以下もご参照ください
2022.06.30 -
- ひざ関節
- 関節リウマチ
- 変形性膝関節症
- 半月板損傷
- 膝の慢性障害
- 靭帯損傷
膝の水が溜まって痛みがある。 溜まっている膝の水を、できるなら自分で抜きたい。 膝に溜まった水が気になり、抜く方法を知りたいと考えていませんか。しかし、膝の水を抜くのは癖になってしまうという話を聞いて、不安になっている方もいるかもしれません。 膝の水を抜く方法は「病院」と「セルフケア」で2種類ありますが、自分でできるストレッチやマッサージは負担軽減の側面が大きいため、根本的な改善に至らないこともある点には注意が必要です。 この記事では【医師監修】のもと、病院で行われる膝の水を抜く処置の具体的な流れや注意点、そしてご自身でできるストレッチ・マッサージといったセルフケア方法を詳しく解説します。 「癖になるって本当?」「自分でできることはないの?」といった疑問にもお答えしていきますので、あなたの膝の悩みを解消するための一歩として、ぜひ最後までお読みください。 また、リペアセルクリニック公式YouTubeでも「膝の水を抜く方法」について詳しく解説していますので、あわせてご参考ください。 病院で膝の水を抜く方法 膝の水を抜く方法のひとつとして、病院での処置をイメージする方も多いでしょう。 本章では、病院での処置や注意点について解説します。本章を参考に膝の水を抜くかどうかを検討してください。 処置には注射器を使う 病院では主に整形外科にて、注射針を関節に刺して膝の水を抜く「関節穿刺」を行う場合があります。(文献1) 膝の水の正体は「滑液(かつえき)」です。滑液が膝に溜まることで関節を圧迫し、膝の痛みを悪化させる可能性があります。そのため、膝の水を抜くと症状の緩和が期待できます。 膝の水を抜く際、注射針を刺した直後以外に激しい痛みを伴うケースは稀です。ただし人によっては痛みが気になる方もいるため、処置後に違和感がある場合は、担当の医師に相談しましょう。 症状に応じてヒアルロン酸を注入する 膝の水を抜いた後や変形性膝関節症では、症状を和らげる目的でヒアルロン酸を注入することがあります。通常、週に1度あるいは数週間に1度の頻度でヒアルロン酸を注入し、効果がみられれば継続します。 病院でのヒアルロン酸の注入は保険適応になるケースが多いため、治療費を抑えられるメリットも期待できるでしょう。 ヒアルロン酸の注入は一時的に痛みや炎症を抑える効果がありますが、持続的ではないため定期的な通院が必要です。 また、根本的な原因疾患の治療でないため、医師の指示に従いリハビリや運動療法など根本的な原因を改善する治療と並行しましょう。 病院で膝の水を抜いた直後は安静にする 病院で膝の水を抜いた直後は、安静にして過ごすように指導されます。処置を行った当日は、以下の2点は行わないように注意しましょう。 激しい運動 入浴 また、処置の後には以下の合併症のリスクがあります。 合併症 症状 感染症 注射部位の腫れや熱感、痛みが長時間続く、または症状の悪化 出血 注射部位を圧迫しても止血しない 上記のような症状があらわれたら、早めに受診するようにしましょう。 膝の水を抜いた後の注意点について詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。 自分で膝の水を抜く方法は?ストレッチやマッサージ方法を紹介 病院で処置してもらう以外にも、自分でストレッチやマッサージを行って膝の水を抜くことも可能です。 本章では、セルフケアで膝の水を抜く方法と注意点を解説します。 「できるなら自分で膝の水を抜きたい」という方は、本章を参考に、ストレッチやマッサージを行ってみましょう。 ①パテラセッティング:膝のお皿周りの筋肉を刺激する パテラセッティングは、膝を支える重要な筋肉である太もも前側(大腿四頭筋)を、比較的膝関節に負担をかけず安全に鍛えることができる基本的な運動です。 この運動は、膝関節自体を大きく動かさずに大腿四頭筋を刺激できるため、膝に痛みがある場合でも比較的行いやすいトレーニングです。 膝のお皿(膝蓋骨)が少し上に動くのを確認しながら行うと効果的です。 ② 太もも前側(大腿四頭筋)のストレッチ:膝を支える筋肉の柔軟性を高める 膝の曲げ伸ばしに大きく関わる太もも前側の筋肉(大腿四頭筋)を伸ばし、柔軟性を高めることで膝への負担を軽減するストレッチです。 膝自体に痛みがある場合は、曲げる角度を調整するか、このストレッチを控えてください。 筋肉が温まっているお風呂上りなどに行うとより効果的です。 ③ お尻周りのストレッチ:股関節から膝への負担を軽減する お尻周りの筋肉(殿筋群)の柔軟性を高めることで股関節の動きをスムーズにし、結果的に膝への負担を軽減する効果が期待できるストレッチです。 股関節や膝に痛みがある場合は、無理のない範囲で行いましょう。 デスクワークの合間などにも手軽に取り入れやすいストレッチです。 ④ 膝周り・太もものマッサージ:血行を促進し筋肉をほぐす 膝周りや太ももの筋肉の緊張を和らげ、血行を促進することで、膝の不快感の軽減や動きの改善をサポートするマッサージです。 マッサージは、筋肉がリラックスしている入浴中や入浴後に行うのが効果的です。 オイルやクリームを使うと滑りが良くなり、肌への負担も軽減できます。 注意点:痛みや違和感がある場合は無理に動かさない 痛みや違和感があるときは、炎症が起こっているサインです。 むやみに触ると悪化する可能性があるため、ストレッチやマッサージなどのセルフケアはおすすめできません。無理に動かさず、早めに医療機関へ行きましょう。 マッサージやストレッチは血の巡りをよくする効果が期待できますが、誤った方法で無理に行うと、症状が悪化する恐れもあります。 また、痛みを感じるときは、膝に負担をかけないよう歩行や荷物の持ち運びなどの動作にも注意しましょう。 膝の水が溜まる原因は「炎症による関節液の過剰分泌」 膝の水が溜まる原因は、炎症反応によって「関節液」が余分に分泌されるためです。 関節液は、関節がスムーズに動くための潤滑油のような役割をしています。関節液は常につくられながら吸収され、一定量になるよう調整されています。 しかし、なんらかの疾患によって炎症が起こると、いつもより早いペースで関節液がつくられ、膝の水が溜まります。(文献2) 膝に水が溜まる原因の病気は、以下のとおりです。 半月板損傷 変形性関節症 靭帯損傷 痛風、偽痛風 関節リウマチ 骨折 感染や外傷 これらの病気になると膝に水が溜まりやすくなります。膝の水を根本的に改善するには、水を抜く処置をして痛みを緩和しつつ、原因となる病気を治療することが大切です。 膝に水が溜まる原因についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。 まとめ|膝の水を抜くなら医療機関に相談しよう 今回の記事では膝の水を抜く方法やセルフケアを中心に解説しました。 症状が出現した際に、自己判断で放置したり誤ったセルフケアを行ったりすると、悪化する可能性があります。膝の水を適切な方法で抜きたい場合は、医療機関に相談しましょう。 また、当院「リペアセルクリニック」では、人体に元々ある幹細胞を活用した「再生医療」による膝の痛みや変形性膝関節症の治療が可能です。 「メール相談」や「オンラインカウンセリング」も実施しているので、気になる方はぜひ当院までご連絡ください。 膝の水に関してよくある質問 膝の水を抜くと癖になりませんか? 膝の水を何度も抜くのが原因で、癖になるわけではありません。 膝の水を抜いても再び溜まってしまうのは、関節に炎症が起こっている根本的な原因の病気が改善されていないためです。 原因の病気として、半月板損傷や変形性関節症などが知られています。痛みを和らげるためには、原因の病気の治療をしながら膝の水を抜くことも大切です。 膝の水は自然に抜けますか? 稀に自然治癒する場合もあります。長期期間放置しても、必ず自然治癒するわけではありません。 放置すると関節が固まって動きにくくなった「拘縮状態」に陥るリスクもあります。 拘縮状態になると膝の曲げ伸ばしが辛くなり、日常生活に支障をきたす可能性もあります。そのため、1カ月以上膝の水の溜まりを放置するのはおすすめできません。 膝の水を自然に抜けるまで長期間待たずに、早めに受診するようにしましょう。 参考文献一覧 文献1 水原寛康. 関節穿刺. 医学書院 医療情報サービス. 2024年10月18日. 文献2 斉藤 聖二,関節痛(炎):診断と治療の進歩1.関節の構造と関節痛(炎)の原因, 日本内科学会雑誌, 1994年, 第83巻, 第11号, p1871-1875
2022.06.29 -
- 脊髄損傷
- 脊椎
脊髄損傷は、交通事故、転倒、スポーツでのけがなど日常生活のさまざまな場面で発症する可能性があります。 脊椎は身体の中心を支える重要な部分です。その内側の脊髄を損傷すると、運動機能や感覚に深刻な影響を及ぼし、日常生活に大きな制約が生じます。(文献1)また、症状は損傷部位によって異なります。 この記事では、脊髄損傷の原因と予防方法、損傷レベルごとの症状や治療法について詳しく解説するので、ぜひ最後までご覧ください。 脊髄損傷の原因 脊髄損傷の原因は以下の2通りに分けられます。 原因が脊髄そのものにある場合(内的要因) 原因が脊髄の外にある場合(外的要因) それぞれ解説します。 原因が脊髄そのものにある場合(内的要因) 脊髄損傷の内的要因とは、脊髄そのものに問題が生じて損傷が起こるケースを指します。 これには病気や体内の異常が関係することが多く、外傷がないにもかかわらず神経機能が低下することがあります。主な要因は以下の通りです。 症名 詳細 脊髄梗塞 脊髄を流れる血管が詰まり、神経細胞が壊死する疾患です。動脈硬化や血栓が原因となることがあります。 脊髄出血 血管が破れ、脊髄内に出血が起こった状態です。高血圧や血管の異常が関係します。 感染症 細菌やウイルスが脊髄に感染し、炎症を引き起こします。脊髄炎や結核性脊椎炎が代表例です。 ビタミンB12欠乏 ビタミンB12が不足すると神経の機能が低下し、しびれや歩行障害が現れることがあります。 脊髄腫瘍 脊髄やその周囲に腫瘍が発生し、圧迫によって神経が損傷します。 椎間板ヘルニア 脊椎のクッションである椎間板が突出し、脊髄を圧迫することで損傷を引き起こします。加齢や姿勢の影響を受けやすいです。 上記のような内的要因が脊髄損傷の原因になります。一概に内的要因での脊髄損傷といっても症状や要因はさまざまです。心当たりがあればすぐに病院へ行きましょう。 原因が脊髄の外にある場合(外的要因) 脊髄損傷は、脊髄自体に異常がなくても、外部からの強い衝撃によって発症する場合があります。以下が代表的な外的要因です。 交通事故(自動車、バイク、自転車の衝突や転倒) 転倒・転落(階段や浴室での転倒、高齢者の転倒事故) スポーツ関連の事故(ラグビー、柔道、体操、スキーなどの接触や転倒) 労働災害(建設現場や工場での事故) 高所からの落下・落下物の下敷きになる(足場からの転落、建築資材の落下) これらの外傷によって、脊柱が強く曲がったり圧迫されたりすると、脊髄が損傷されやすいです。 外的な衝撃が軽微であっても、既に脊椎疾患がある場合、脊髄損傷が発症する場合があります。たとえば、脊柱管狭窄症や後縦靭帯骨化症の患者様は、わずかな転倒でも脊髄が圧迫され、麻痺などの重篤な症状を引き起こすことがあります。 放射線治療を受けたことがある人は、骨がもろくなり、小さな衝撃でも骨折しやすいです。 これらの外的要因による脊髄損傷は、適切な予防によりリスクを軽減できます。安全対策を徹底し、事故を未然に防ぐことが大切です。 脊髄損傷を発症した人の原因別の割合 脊髄損傷の主な原因は、以下の表の通りです。交通事故、転落、転倒の順に多く、とくに日本では高齢化が進んだ結果、高齢者の転倒による受傷が増えています。(文献3) 原因 割合(%) 交通事故 43.7% 高所転落 28.9% 転倒 12.9% 打撲・下敷き 5.5% スポーツ 5.4% 自殺企図 1.7% その他 1.9% 交通事故は比較的若い人に多く、バイクや自動車の運転中の衝突事故が大きな要因です。一方、高所転落は高所作業や建設現場などの労働環境で発生しやすく、労働災害としての事例もあります。 脊髄損傷のリスクは年齢や生活環境によって異なります。事故を防ぐためには、交通ルールの遵守、安全対策の徹底、転倒予防の工夫が重要です。 脊髄損傷の症状をレベル(高位)別に紹介 脊髄損傷は、完全損傷と不完全損傷の2種類に分類されます。 完全損傷では、損傷部位より下の運動機能や感覚が完全に失われ、不完全損傷では、部分的に機能が残ることがあります。不完全損傷の分類は、以下の通りです。(文献2) 不完全損傷の分類 症状の傾向 中心性脊髄損傷 上肢の麻痺が強く、下肢の影響が少ない Brown Sequard(ブラウン セカール)症候群 片側の運動麻痺+反対側の痛覚・温度覚消失 前脊髄症候群 運動機能と痛覚・温度覚が失われるが、触覚は保たれる 後脊髄症候群 触覚・振動覚・位置覚が失われるが、運動機能は比較的保たれる また、損傷高位レベルによって以下のような症状が出現します。 損傷高位レベル 主な症状 頸椎損傷(C1~C8) ・全身麻痺や呼吸困難(C1~C4) ・手指の一部が動く(C5~C8) 胸椎損傷(T1~T12) 下半身麻痺、体幹のバランス低下、排尿排便障害 腰椎損傷(L1~L5) 歩行困難、膀胱直腸障害、感覚障害 仙椎損傷(S1~S5) 軽度の感覚障害や排尿排便の調整機能低下 上記のように、損傷高位レベル別で症状は異なります。 脊髄損傷とともに合併症のリスクが高まる点に注意 脊髄損傷のリスクの一つとして合併症があります。損傷の部位や重症度によって影響が異なり、適切な管理が必要です。脊髄損傷で発症しやすい合併症は以下の通りです。(文献3) 合併症 症状 呼吸器合併症 頚椎損傷による呼吸筋の麻痺で呼吸不全を引き起こします。頚髄C4損傷では自発呼吸が困難になり、人工呼吸器が必要になります。 循環器合併症 血圧調節機能の低下による低血圧や深部静脈血栓症のリスクが増加します。また、起立性低血圧で車いす移乗時に意識消失を起こすことがあります。 消化器合併症 腸の蠕動運動低下による便秘や腸閉塞のリスクがあります。また、長期臥床により重度の便秘を発症し摘便が必要になります。 泌尿器合併症 排尿機能障害により尿路感染や腎機能障害を起こしやすいです。尿カテーテル管理中に膀胱炎を繰り返し、腎盂腎炎を発症することもあります。 褥瘡(床ずれ) 圧迫により皮膚が壊死しやすく、感染症のリスクが高まります。長時間の同じ姿勢により仙骨部に深部褥瘡を発症することもあります。 上記の合併症を防ぐためには適切な体位変換、リハビリ、感染予防がポイントです。 脊髄損傷の治療法を目的別に解説 脊髄損傷の治療は、その原因および目的によって多岐にわたります。 原因に対する治療 救命のための治療 障害の影響を減らすための治療 それぞれ詳しく解説します。 原因に対する治療 脊髄損傷の治療は、原因に応じたアプローチが必要です。脊髄感染症やビタミン欠乏、腫瘍が関与している場合、それぞれに適した治療を行います。 感染症なら抗生物質、ビタミン欠乏なら栄養補給、腫瘍なら放射線療法や手術を検討します。 椎間板ヘルニア、血腫、膿瘍などが脊髄を圧迫している場合、手術で原因を除去することが一般的です。たとえば、腰椎椎間板ヘルニアなら突出した髄核を摘出し、神経の圧迫を軽減します。 硬膜外血腫なら血液を排出し、脊髄の機能を回復させます。脊髄膿瘍では感染源の除去と抗菌薬の投与を組み合わせることが重要です。 救命のための治療 頸髄などの頭に近い部位で脊髄損傷が起きると、呼吸や血液循環を制御する神経が損傷され、生命の維持が困難になります。たとえば、頸髄の上部が損傷すると、自発呼吸ができなくなり、窒息のリスクが高まります。 このような場合、治療よりも先に人工心肺や人工呼吸器を使用し、呼吸と循環を維持することが必要です。 血圧が低下し、臓器への血流が不足すると、多臓器不全を引き起こす可能性があります。輸液や昇圧剤の投与で血圧を管理するのが一般的です。 後遺症・障害の影響を減らすための治療 脊髄損傷では、最大限の治療を行っても後遺症が出ることがあります。その場合に重要なのが、リハビリテーションを中心とした治療です。 リハビリを行うことで、障害を受けた機能をほかの機能で補えます。たとえば、手足の麻痺がある場合、残された筋力を強化する訓練を行い、車椅子操作や介助を受けながら自立した生活を目指します。また、失われた感覚を補うために、音声認識技術や福祉機器の活用も有効です。 行政や医療のサポートを利用すれば、事故前に近い生活レベルを取り戻せる可能性があります。住宅のバリアフリー改修や補助金制度の利用などを組み合わせることで、日常生活の負担を減らせます。 脊髄損傷の後遺症に対する治療「再生医療」について https://youtu.be/5HxbCexwwbE 脊髄損傷による後遺症は、手足の麻痺やしびれ、歩行障害など深刻な影響を及ぼします。 万が一、手術後に後遺症が残ってしまった場合には、再生医療である幹細胞治療が選択肢の一つです。幹細胞は損傷した神経の修復を促すため、症状の改善が期待できます。 たとえば、手足のしびれが続く患者様に幹細胞を投与すると、損傷した神経を修復可能です。リハビリと併用することで、可動域の拡大や筋力の回復につながる可能性もあります。 脊髄損傷を予防するために意識すること 脊髄損傷を防ぐためには、けがを避けることが基本です。(文献3)たとえば、高所での作業時は安全帯の着用や周囲の確認を徹底、階段の昇降時には手すりを使い、歩行中は滑りやすい場所を避けるなどして転倒のリスクを減らしましょう。 高齢者の場合、非骨傷性頚髄損傷のリスクがあります。これは骨折を伴わない頸髄損傷で、頸椎の変形が原因です。定期的な検診で頸椎の変形を早期に発見し、適切な治療を受けることが大切です。骨密度の低下を防ぐためには、カルシウムやビタミンDの摂取、適度な運動を心がけましょう。 そして、安全な生活環境を整えることも、脊髄損傷の予防につながります。 まとめ|脊髄損傷の原因に即した適切な方法で治療しましょう 今回の記事では脊髄損傷とその症状および治療法について解説しました。 脊髄損傷の原因や症状は多岐にわたります。交通事故やスポーツ外傷、高所からの転落などの外傷性損傷だけでなく、腫瘍や感染症によるものもあります。 症状の程度も異なり、軽度のしびれから四肢の麻痺まで幅広いです。そのため、各症例に合わせた治療が重要となります。 当院リペアセルクリニックでは、幹細胞治療を用いた再生医療で脊髄損傷の治療をサポートしています。従来の治療で十分な改善が見られず、再生医療を検討されたい場合はリペアセルクリニックへご相談ください。 参考文献 (文献1) 公益社団法人日本整形外科学会「脊髄損傷」 https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/spinal_cord_injury.html (最終アクセス:2025年3月20日) 文献2 一般社団法人日本脊髄外科学会「脊髄損傷」 https://www.neurospine.jp/original62.html (最終アクセス:2025年3月20日) 文献3 独立行政法人労働健康安全機構「脊椎・脊髄損傷」 https://www.research.johas.go.jp/sekizui/ (最終アクセス:2025年3月20日)
2022.06.24 -
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- 関節リウマチ
- 変形性膝関節症
人工関節置換術、膝の手術を決断する前に知っておくべきこと 膝関節に変形や炎症が起きたりする病気があると、膝に人工関節を入れなくてはいけない状態になることもあります。それが膝への人工関節置換術という名称の手術になります。その手術を決断する前に、手術の流れや合併症、手術に備えて準備するべきことなどを知ることは非常に大事です。 膝関節とは まず、膝関節とは何かについて述べていきます。膝関節は3つの骨で支えられています。太ももの骨である大腿骨と、すねの骨である脛骨、いわゆる膝のお皿と呼ばれる膝蓋骨の3つです。 その3つの骨と、太ももの筋肉である大腿四頭筋と、膝の腱である膝蓋腱で膝関節をつくっています。これらの3つの骨と筋肉、腱が支え合うことで、私たちが、走ったり、飛んだり、座ったりするときに安定するようになっています。 膝関節の病気 膝関節の病気については様々なものがあります。変形性膝関節症、膝靭帯損傷、関節リウマチなど様々な病気があります。また、スポーツ外傷でも膝の慢性的な障害を起こしたりします。それらの病気の中で、変形性膝関節症や関節リウマチは、変形や炎症が強くなった時に、人工膝関節置換術という、人工関節のための手術を行う必要のある病気です。 変形性膝関節症 変形性膝関節症は、膝が痛くなり水が貯まる病気です。最初は歩き始めに痛い程度ですが、徐々に階段を登ることが難しくなり、最終的には、休んでいる時も痛みが取れなくなるような病気です。 変形性膝関節症では、膝が変形して、伸ばすことができなくなります。変形性膝関節症の治療法は、症状が軽いうちは、炎症を抑える薬を飲んだり、膝関節にヒアルロン酸の注射をしたり、リハビリを行なったりします。しかし、重症になると、人工関節の手術をするか否かの選択が必要になります。 関節リウマチ 関節リウマチは、関節内にある『滑膜』とよばれる組織が、異常に増えることが原因で、関節の中に炎症が起きる病気です。関節リウマチでは身体の中のいろいろな関節が破壊されるので、膝だけでなく、手や足など様々な関節に変形を起こします。 関節リウマチの治療は、抗リウマチ薬や、炎症を抑える薬、免疫抑制剤、ステロイド剤などの薬を飲むことが一番大事です。お薬の治療に併用して、ヒアルロン酸の関節内注射やリハビリなどが行われることもあります。 関節リウマチも治療が遅れたりして重傷になると、人工関節のための手術を行うか同課の選択が必要になります。 膝の人工関節とは 膝の人工関節は、金属や、ポリエチレンやセラミックなどで作られます。変形性膝関節症や関節リウマチなどの病気で、変形し傷ついた膝関節を取り出して、手術によって膝用の人工関節を変わりに入れます。悪くなってた関節を置換えるイメージです。 この人工関節は、膝の動きを再現するために3つの部品から作られています。人工関節の3つの部品は、実際の膝を構成している3つの骨(大腿骨部、脛骨部、膝蓋骨部)の部分をそれぞれ担当しています。 人工関節置換術/手術 膝の人工関節を入れるためには人工関節置換術という手術が必要です。手術が必要ということは、もちろん入院も必要です。昨今の新型コロナウイルスの関係で、入院生活は、家族や友人との面会が制限されているところが多いです。 入院前に入院生活のために必要な物品や、家族や友人との連絡手段を事前に決めておく必要があります。手術は全身麻酔をかけて眠った状態で行われます。そのため、麻酔から覚めて、目が覚めると手術が終わっている状態になります。 手術自体は、膝の皮膚を切り開いて、骨が見える状態になったら、器械を使って傷のある膝の部分を削り、人工関節の形に合わせて残りの骨の形を調整します。形の調整ができたら人工関節をはめ込みます。しっかりと固定できていることを医師が確認したら、縫い合わせます。 手術の傷口にたまった血液を出すための管を入れて傷口をふさぎ手術が終わります。手術の時間は、平均2−3時間程度のことが多いですが、もともとの病気や膝の状態に応じて手術の時間は変わってきます。 人工関節置換術の術後 手術が終わればすぐに退院できるという訳ではありません。手術した関節を安定させるために、リハビリを開始します。リハビリは手術後の状態に応じて開始時期が異なりますが、早ければ手術翌日から段階的に始めることが多いです。 リハビリは、寝たまま膝を伸ばしたりして筋力をつけることから始まり、だんだんと平行棒などを使用したり、歩行器などで歩く練習などへと移行していくのが一般的です。 外来通院でリハビリを実施できる患者さんは退院が早くなりますが、外来に通院するのが難しい患者さんは、手術した病院からリハビリ専門の病院に転院してリハビリを行うことになります。 そのため入院期間は患者さんによって異なりますが、多くは2週〜4週くらいのことが多いです。 人工関節置換術(手術の合併症) 人工関節置換術を行うことで一番気をつけなくてはいけないのが、手術した場所に悪い菌が感染することです。感染すると、腫れたり、発熱したりします。 手術した場所に感染が起きると抗生物質による治療が行われますが、多くの場合、再び手術のやり直しが必要になることがあります。そのほかには麻酔によるアレルギー反応や、手術によって身体が防御反応を示し、血液が固まりやすい状態になることから血栓症の心配もあります。 手術中はもちろん、手術後にじゃ身体を動かすことができないことから、血の流れが滞ることで静脈内に血栓という血液が固まったものができる事がああります。これが深部静脈血栓症です。この血の塊が血液の中に混じって肺へ移動することで、肺の血管を詰まらせることがあります。これを肺塞栓症といい、生命の危機にもかかわりかねないため注意が必要です。 その他、術後としては、人工関節のゆるみや、歩けるようになったことで逆に転倒し、脱臼や、その周りの骨を骨折するという心配もあります。もちろんこれらのリスクには予防法があります。手術に際しては主治医から説明を受け、十分に納得して挑んで頂ければと思います。 人工膝関節置換術/手術の一般的なリスク 細菌による感染症(抗生物質、再手術) 麻酔によるアレルギー反応 肺塞栓症、深部静脈血栓症 人工関節は、緩むことがある 転倒による脱臼や骨折の可能性 その他 まとめ・膝の人工関節、手術を決断する前に知っておくべきこと 人工関節にするには、手術が必要なため入院が必要です。入院期間は短くはなってきましたが1か月ほどは見ておきたいものです。また、手術を行うことによる合併症のリスクもあります。できれば膝に違和感を感じたり、痛みを感じるようになった時は早めにリハビリや投薬などの保存的治療を受けて手術を避けることが一番です。 ただ、既に症状が進んでしまった場合は、しっかりと説明を受けて納得して手術を受けましょう。 ですが近年は医学が発達、「再生医療」という新しい先端医療を選択できる道ができました。この方法なら手術が不要で、入院も不要という興味深い方法です。 https://youtu.be/N1DJGcURhsg?si=rMtZGgghatI3U2n0 ▶山や川が好きな患者様。再生医療(幹細胞治療)を体験されたご友人にお薦めされご来院。 手術に不安をお待ちの方は、当院のような再生医療専門の医療機関に問い合わせてみても良いでしょう。いずれにしても人工関節になると、元には戻せないだけによく理解してお取組みください。 また、昨今は新型コロナウイルスの関係で面会が制限されています。家族と会えない数週間は、患者さんにとって、とても寂しくつらい期間です。手術のために入院する患者さんは、家族や友人とビデオ通話ができるように準備などをしてのぞむのも一つ方法ではないかと思います。 以上、膝への人工関節置換術、その手術を決断する前に知っておくべきことについて記載させていただきました。参考にしていただけると幸いです。 ▼ 再生医療が膝関節の治療を変える! 手術不要、入院も必要ない日帰りで治療する膝関節症の新たな選択肢、再生医療
2022.06.21 -
- ひざ関節
- 膝に赤みや腫れ
- 膝の慢性障害
「階段を上るたびに膝が痛む」「しゃがむ動作がつらい」そんな症状で悩んでいませんか? 膝の上部に痛みを感じる大腿四頭筋腱付着部炎は、ジャンパー膝とも呼ばれ、スポーツ選手だけでなく一般の方にも多く見られる症状です。 大腿四頭筋腱付着部炎は、運動時の膝への負担が原因で起こることが多く、放置していると日常生活にも影響を及ぼします。 本記事では大腿四頭筋腱付着部炎の症状や原因、さらに大腿四頭筋腱炎との違いを詳しく解説します。 適切な対処法を見つけて、一日も早くスポーツを楽しめるようにしましょう。 また、当院「リペアセルクリニック」では大腿四頭筋腱付着部炎(ジャンパー膝)の治療も行っております。 辛い症状にお悩みの方は「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。 大腿四頭筋腱付着部炎(ジャンパー膝)の主な3つの症状 大腿四頭筋腱付着部炎(ジャンパー膝)は、膝の痛みが主な症状として現れます。 日常生活や運動時に現れる主な症状は以下の3点です。 膝の上部に激しい痛み 階段の上り下りで増す痛み しゃがむ動作で感じる鋭い痛み 本書ではそれぞれの特徴について詳しく解説いたします。 膝の上部に激しい痛みがでる 大腿四頭筋腱付着部炎の最もわかりやすい症状は、膝の上部に現れる痛みです。 痛みの特徴は、膝蓋骨(お皿)の上端部分に集中して起こります。 始めは運動時にのみ痛みを感じる程度ですが、症状が進行すると安静時でも痛みが出るようになってしまいます。 さらに、膝を曲げ伸ばしする際には痛みが強くなり、歩行困難になるケースも少なくありません。 そのため、痛みが続く場合は早めに医療機関を受診しましょう。 階段の上り下りで痛みが増す 階段の上り下りで、膝の上部に強い痛みを感じるのも、大腿四頭筋腱付着部炎の特徴的な症状です。 階段を上るときは、膝を大きく曲げる必要があるため、膝蓋骨の上部に強い負担がかかります。 最初は違和感程度でも、徐々に痛みが強くなり階段の昇降が困難になる場合も多いのです。 また、下りの際も膝を支える必要があるため、痛みを感じやすくなります。 日常生活で階段の使用が避けられない場合は、手すりを使うなど膝への負担を軽減するように心がけましょう。 しゃがむ動作で鋭い痛みを感じる 床に座る際など、しゃがむ動作で膝に鋭い痛みを感じるのも大腿四頭筋腱付着部炎の特徴です。 とくに、しゃがんだ状態から立ち上がる際に強い痛みが出やすく、重症化すると「しゃがむ動作自体」が困難になることもあります。 また、長時間のしゃがみ姿勢後には、膝の痛みや違和感を強く感じる傾向にあります。 そのため、痛みや違和感を感じた場合は無理にしゃがまず、椅子を使用するなど工夫しましょう。 大腿四頭筋腱付着部炎が発症する3つの原因 大腿四頭筋腱付着部炎の主な原因は、スポーツや運動習慣によって繰り返し膝へ負担をかけているためです。 代表的な原因として以下3つが挙げられます。 バレーやバスケなどのジャンプ競技によるオーバーユース 運動不足から急に運動を始めた 筋力の弱さや体の硬さによって膝に負担をかけた 早期発見と治療には原因を理解する必要があります。 それぞれ詳しく解説しているので、自分の生活習慣と照らし合わせながら確認してみましょう。 バレーやバスケなどのジャンプ競技によるオーバーユース バレーボールやバスケットボールなど、ジャンプ動作を頻繁に行うスポーツは、大腿四頭筋腱付着部炎のリスクが高まります。 ジャンプ競技で発症しやすい理由は、着地時に体重の何倍もの負荷が膝にかかるためです。 さらに負荷が繰り返し加わると、腱と骨の付着部に炎症が生じて痛みを引き起こします。 また、バレーやバスケのように「ダッシュやストップ」など急激な動作も、大腿四頭筋腱付着部炎が発症する原因となります。 スポーツによる膝の痛みについては、こちらの記事も参考にしてください。 運動不足から急に運動を始めた 普段から運動習慣がない状態から、突然激しい運動を始めるのも大腿四頭筋腱付着部炎の原因となります。 運動不足の状態では、筋肉や腱が十分な負荷に耐えられる状態になっていないため、急な負荷によって炎症を引き起こしやすくなります。 そのため、ランニングやジョギングを始める際は、徐々に距離や時間を増やしていくことが大切です。 まずは、軽い運動から始めて段階的に強度を上げていく意識を持ちましょう。 筋力の弱さや体の硬さによって膝に負担をかけた 大腿四頭筋の筋力不足や体が硬くなっていたりすると、膝への負担が増加して炎症を引き起こす可能性があります。 また、普段の姿勢の悪さや足の形態異常なども原因の1つとなります。 予防するには、適切なストレッチや筋力トレーニングを継続的に行うのが良いでしょう。 ジャンパー膝の治し方や症状のチェック方法については以下の記事でも詳しく解説していますので、参考にしていただけると幸いです。 大腿四頭筋腱付着部炎の診断方法 大腿四頭筋腱付着部炎の診断は、医師による問診と触診から始まります。 また、症状の程度によっては画像検査なども組み合わせながら総合的に判断するのが一般的です。 本章では、大腿四頭筋腱付着部炎における2つの診断方法について解説します。 医師による問診と触診で判断 医師による問診では、患者の症状や運動歴、日常生活の様子などを詳しく聞き取ります。 具体的には「いつから痛み始めたのか」「どのようなときに痛みを感じるのか」「他に症状はあるか」などの質問です。 また、触診にて膝蓋骨(膝のお皿)の上部を押して痛みがあるか、膝の曲げ伸ばしで痛みが増強するかなどを確認します。 問診と触診では他の膝疾患との区別も行いますので、大腿四頭筋腱付着部炎と診断された際には、適切な治療計画が立てられるでしょう。 必要に応じて超音波検査やMRI検査を行う 問診や触診だけでは症状の程度が判断しづらい場合、画像検査を行います。 代表的な検査方法が、超音波検査とMRI検査です。 超音波検査では、腱の損傷具合や炎症の状態をリアルタイムで確認できます。一方、MRI検査はより詳細な画像診断が可能です。 腱の状態や周辺組織の様子まで細かく確認できるため、的確な治療方針を立てられます。 必要に応じて検査方法も異なりますが、症状や原因を明確にできれば適切な治療へとつながります。 ジャンパー膝の診断方法については以下の記事でも紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。 大腿四頭筋腱付着部炎の治療法とは? 大腿四頭筋腱付着部炎の治療には、症状の程度や原因によってさまざまです。主な治療法は以下の3つです。 安静・冷却の保存療法 手術療法 PRP療法など再生医療 本章を参考に、大腿四頭筋腱付着部炎における治療法の選択肢を把握しておきましょう。 安静・冷却の保存療法 大腿四頭筋腱付着部炎の初期治療では、保存療法から開始するのが一般的です。痛みを感じる部分を休ませ、患部を冷やすことで、炎症を抑える効果が期待できます。 具体的には、1日3回程度の冷却と、ジャンプや走るなどの激しい運動を控えることがポイントです。 また、医師の指導のもと消炎鎮痛剤の服用や湿布の使用も効果的でしょう。 症状が落ち着いてきたら、ストレッチや軽い運動から徐々に活動量を増やしていきます。 手術療法 保存療法で改善が見られない場合や、重症度が高い場合には手術を検討することもあります。 腱組織の縫合や骨からの剥離、再固定などの処置を行い、損傷した腱組織の修復や付着部の状態改善を目指します。 手術を受ける場合は、重症度や術後の経過、リハビリの進行度によって変わるものの、1〜2週間ほどの入院が必要になるでしょう。 また、退院後も医師の指示に従ってリハビリを行い、スポーツの復帰までには3〜6カ月かかる可能性もあります。 PRP療法など再生医療 近年注目を集めているPRP療法は、患者さん自身の血液から作った血小板濃縮液を患部に注入する治療法です。 従来の治療で改善が見られない場合の新たな選択肢として期待されています。 血小板には成長因子が含まれており、組織の修復や再生を促進する効果があります。 そのため、腱の損傷部位に直接注入すると、自然治癒力を高める働きが期待できるのです。 ただし、PRPの治療効果については、まだ研究段階の部分も多く、保険適用外の治療となります。 費用面や治療回数など、医師とよく相談しながら検討してみてください。 また、当院でも行っている再生医療については以下の記事でも詳しく紹介しています。 まとめ|大腿四頭筋腱付着部炎は正しいケアで早期回復を目指そう 大腿四頭筋腱付着部炎(ジャンパー膝)はバレーボールやバスケットボールなど、ジャンプの多いスポーツで起こりやすい症状です。 膝上部の痛みや階段での違和感、しゃがむ動作での痛みなど特徴的な症状が多く見られます。 主な原因は、スポーツでのオーバーユースや急な運動開始、筋力不足などさまざまです。 早期発見と適切な治療が回復への近道となりますので、痛みを我慢せずに早めに医療機関を受診しましょう。 また、当院「リペアセルクリニック」では再生医療治療も行っております。ジャンパー膝の症状でお悩みの方は「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。 大腿四頭筋腱付着部炎に関してよくある質問 大腿四頭筋腱付着部炎と大腿四頭筋腱炎の違いはなんですか? 大腿四頭筋腱付着部炎は、膝蓋骨上部の付着部に炎症が生じる症状です。 一方、大腿四頭筋腱炎は、太もも前面にある腱全体に炎症が起こる状態を指します。 膝蓋骨上部に痛みが出る大腿四頭筋腱付着部炎に対し、大腿四頭筋腱炎は、太もも全体に広がる痛みや違和感が特徴です。 治療方法は似ていますが、それぞれの症状に合わせた適切なケアが必要になるでしょう。 大腿四頭筋腱付着部炎の全治期間はどれくらいですか? 症状の程度や生活スタイル、治療方法によって回復期間は大きく異なります。 一般的な目安として、軽症であれば数週間、手術が必要な重度の場合は3〜6カ月程度の治療期間が必要です。 ただし、完全に無理なく運動できるまでには、さらに時間がかかる場合もあります。 焦って早期復帰すると再発のリスクが高まるため、医師の指示に従い段階的なリハビリを行いましょう。 大腿四頭筋腱付着炎の場合、サポーターはどのように選べばいいですか? サポーターは、膝蓋骨上部をしっかり固定できるタイプで、素材は通気性が良く長時間の使用でもムレにくいものがおすすめです。 サイズは膝周りをメジャーで測り、適切なものを選択します。きつすぎると血行不良の原因になり、緩すぎると効果が期待できません。 また、活動内容に応じて固定力の異なるタイプを使い分けることで、より効果的なサポートが可能になるでしょう。 また、以下の記事でもサポーターの選び方や注意点を解説していますので、ぜひ参考にしてください。 当院では大腿四頭筋腱付着部炎の治療を行っておりますので、辛い症状でお悩みの方は「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。
2022.06.20 -
- ひざ関節
- 膝の外側の痛み
- 半月板損傷
スポーツをする方や高齢者の中には、膝を痛めて半月板損傷になった方もいらっしゃるでしょう。手術によって本当に治るのか、悪化や再手術にならないのか治療に対し不安を抱える方もいるかもしれません。 半月板損傷の手術は、変形性膝関節症のリスクを減らせるメリットがある一方で、再手術の可能性があるデメリットもあります。メリットとデメリットを考慮し、医師と相談の上で手術するかどうかを検討すると良いでしょう。 本記事では、半月板損傷の手術の種類やメリットデメリットについて詳しく解説しています。本記事が半月板損傷になった方が手術を検討する材料となれれば幸いです。 半月板損傷はスポーツマンや高齢者に多い 半月板損傷は高齢者やスポーツマンに多くみられる外傷です。 半月板は膝の内側と外側に位置し、膝関節に起こる衝撃を吸収するクッションの役割を果たしています。加齢とともに弱くなるため、半月板損傷は老化現象のひとつとして普通に起こりうることです。 また、スポーツにおいては、急に体を曲げたりひねったりする動作を繰り返すと、半月板への負担が増して損傷するリスクが高まります。 半月板が損傷すると膝の曲げ伸ばしが不安定になったり、痛みや腫れで膝が動かなくなったりする場合もあります。 半月板損傷の原因や症状について詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。 半月板損傷の手術半月板損傷における2つの手術方法 半月板損傷後は、手術が必要な場合と不要な場合があります。最終的には損傷のレベルや年齢など個人の状態に合わせて手術を検討します。 半月板損傷の手術の種類は下記の2種類です。 縫合術 切除術 自分自身でもどのような手術があるのかを理解して、医師に相談して決めましょう。 軟骨をつなげる「縫合術」 「縫合術」は、その名の通り損傷した軟骨を縫い合わせて修復する手術です。 一般的に縫合術は以下の手順で行われます。 膝の蓋近くに数か所穴をあける 手術に関節鏡(小型カメラ)と使用する器材を体内に入れる 関節鏡で患部を確認しながら縫い合わせる 縫合術は傷ついた軟骨を取り除く「切除法」と比べて、半月板を温存しやすいメリットがあります。そのため、縫合術が可能な状態であれば、こちらが優先的に選択されます。 その反面、考えられるリスクは半月板の再損傷と再手術です。半月板の再発は高くて5人に1人と低い確率ではありません。(文献1) その他、下記の合併症のリスクの可能性があります。 感染症 関節水腫(関節液が関節にたまり腫れ・痛みを生じる) リスクも踏まえて慎重に検討しましょう。 損傷した部分を取り除く「切除法」 切除法は、文字通り半月板で損傷している部分を切除し取り除く手術です。損傷部位の縫合が難しい場合、多くの場合は切除術が選択されます。 一般的に切除法は、下記の手順で行います。 膝の蓋近くに数か所穴をあける 手術に関節鏡(小型カメラ)と使用する器材を体内に入れる 関節鏡で患部を確認しながら少しずつ専用のハサミで切除する 半月板の損傷状態によっては、傷ついた軟骨のみ取り除いて正常な部分は残す方法も選択されます。 縫合術よりも感染症の合併リスクが少ない一方で、ロッキングの繰り返しが多くなり変形性膝関節症のリスクが高まるリスクもあります。 半月板の治療についてより詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。 半月板損傷の手術をするメリットは「変形性膝関節症のリスクを減らせる」 半月板損傷の手術を受けることで、半月板損傷が重症化して起こる「変形性膝関節症」のリスクを低減できる可能性があります。 変形性膝関節症とは、膝関節の軟骨が摩擦によって変形することで膝の腫れや痛みを伴う病気です。加齢や肥満により膝関節に負担がかかって発症するケースが多くみられます。 変形性膝関節症の症状によっては、人工関節を入れる手術が必要になることもあります。 半月板損傷の手術は、長期的な目線で見ると、このような2次的な病気を防げるメリットがあるといえるでしょう。 半月板損傷の手術をするデメリットは「再手術の可能性がある」 半月板損傷は、早期の手術により慢性的な膝関節の病気を防げるのがメリットである一方、再手術のリスクがあるのがデメリットです。 手術により半月板の痛みや損傷が一時的に改善しても、再度激しい運動の繰り返しや加齢によって再発し、再手術となる可能性も否定できません。 膝の変性に伴う半月板損傷の場合、切除法は縫合術よりも変形性膝関節症へ進行する可能性が高まります。 半月板損傷の手術を検討する上で、どのようなリスクがあるのか不安がある方は、かかりつけの医師に相談しましょう。 半月板損傷の手術によって歩けるまでの期間が違う 半月板損傷をする場合、治療期間の目安は以下のとおりです。 縫合術 切除術 入院期間 約2週間 約4日間 歩行可能期間 術後約2週間 術後の翌日から スポーツ復帰 術後約3カ月 術後約1~2カ月 退院後はリハビリが必要になるため、定期的な通院が必要です。医師や理学療法士の指示に従って適切なリハビリを行いましょう。 半月板損傷の術後のリハビリについて詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。 まとめ|半月板損傷の手術に臨む前にメリットとデメリットを考えましょう 半月板損傷の手術には、メリット・デメリットがそれぞれ存在します。これらを十分に理解した上で、手術を受けるべきか検討しましょう。 また、手術を受けても膝の痛みが改善されない場合、治療法の選択肢として、「再生医療」が挙げられます。 とくに幹細胞治療は、ご自身の脂肪から幹細胞を抽出し培養、患部に投与すると膝の痛みの改善が期待できる可能性があります。 当院「リペアセルクリニック」では、再生医療による半月板損傷の治療が可能です。メールやオンラインでの無料カウンセリングも実施しているので、気になる方はぜひ当院までご連絡ください。 また、膝の症状を改善する再生医療が気になる方は、下記リンクも参考にしていただければ幸いです。 半月板損傷の手術に関してよくある質問 手術にはどのくらいの費用がかかりますか? 手術にかかる費用は、病院や治療内容によって変動します。半月板損傷の治療は健康保険適応です。3割負担の方の場合、負担金は7〜20万円程度と考えられるでしょう。 いずれにしても、手術にかかる費用は高額です。負担が大きい場合は、高額療養費制度や限度額適用認定証の活用で費用の負担を減らすことも可能です。(文献2)(文献3) 費用を減らせる金額は自身の収入や加入している保険区分によって変動します。詳しく知りたい方は、自身が加入している健康保険組合に問い合わせてみてください。 半月板損傷で手術をしない選択肢はないのでしょうか? 半月板損傷になっても、必ず手術しなければいけないわけではありません。半月板損傷が軽度の場合は、手術をしない方法を選択できます。 手術をしない治療法の例として、以下があります。 ヒアルロン酸の注入 関節穿刺(かんせつせんし) 鎮痛剤の服用 このほか、近年では自身の幹細胞を利用した再生医療による治療も可能です。当院「リペアセルクリニック」でも、再生医療による膝の痛みを対象とした治療を行っています。メールやオンラインでの無料カウンセリングも実施しているので、気になる方はぜひ当院までご連絡ください。 参考文献一覧 (文献1) 緒方 悠太, 佐藤 孝二, 木内 正太郎, 田渕 幸祐. 外側半月板縫合術後3 ヵ月における身体機能の特徴. J-STAGE]. 2022年11月. https://www.jstage.jst.go.jp/article/kyushupt/2022/0/2022_54/_article/-char/ja/, 2024.11.10. (文献2) 高額療養費制度を利用される皆さまへ. 厚生労働省. https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/juuyou/kougakuiryou/index.html, 2024.11.10. (文献3) マイナ保険証または限度額適用認定証をご利用ください . 全国健康保険協会.https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g5/cat550/1137-91156/,2024.11.10.
2022.06.18