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- 糖尿病
- 内科疾患
妊娠中には、いろいろと気を付けなければならないことがあります。妊娠糖尿病もその1つです。 もしも、妊娠中に母親が糖尿病になったら、生まれてくる子ども(胎児)や母体にどういった影響があるのか不安になるかと思います。 この記事では、妊娠中に診断される妊娠糖尿病の胎児への影響と、その治療法・予防法について詳しく解説します。また、妊娠糖尿病が母体に与える影響や産後の注意点についても触れていきます。 妊娠糖尿病の胎児への影響 妊娠糖尿病は胎児にさまざまな悪影響を及ぼす危険性が指摘されています。 また妊娠中だけでなく、出産後の子どもに合併症が出てしまう可能性があります。 本項目では妊娠、出産など各時期に起こる可能性のある危険性を紹介します。 さまざまな合併症を引き起こす可能性が高まる 妊娠中に高血糖状態が続くとお腹のなかの胎児も高血糖になり、以下のような合併症を引き起こすことがあります。 子宮内胎児死亡 新生児低血糖 巨大児 低出生体重児 多血症 特発性呼吸促拍症候群 頭蓋内出血 鎖骨骨折 頭血腫 上腕神経麻痺など これらの合併症を予防するためには、妊娠中の血糖値を適切にコントロールすることが重要です。 妊娠中期以降には子宮内胎児死亡の可能性が増加 妊娠糖尿病を患った場合、妊娠32週ごろから突然子宮内胎児死亡を起こすことがあります。36週以降はその頻度が上昇するため、適宜検査を行い、問題がある場合入院処置が必要です。 難産になる可能性が上がる 妊娠糖尿病は難産のリスクも上がることが分かっています。 巨大児や奇形児といった合併症を引き起こした場合、出産時に頭が出た後肩がひっかかってしまい、うまく産道を通れない「肩甲難産」を起こすリスクが高くなります。 また、妊娠糖尿病による母体の高血圧、臓器障害などから、帝王切開分娩の発生率も上がってしまいます。 出産後の子どもへの影響 妊娠糖尿病中は血糖値が高い状態が続き、体内をめぐるブドウ糖の量が増えてしまいます。その結果胎児にもブドウ糖がめぐり、血糖値が上がります。 早い段階で治療に臨めば影響も少なく済みますが、妊娠糖尿病のまま放置してしまうと胎児も高血糖がつづいてしまいます。 血糖値が高いまま生まれた子どもは将来的にメタボリックシンドロームになりやすいという報告も上がっています。生活習慣病、動脈硬化などが発症しやすくなってしまう危険性があるため注意が必要です。 妊娠糖尿病とは? 妊娠糖尿病とは、妊娠中にはじめて発見または発症した糖代謝異常のことを指します。 「明らかに糖尿病である」と妊娠中に診断された場合は厳密には妊娠糖尿病とは呼ばず、「妊娠中の明らかな糖尿病」として区別されます。また、妊娠前に発症している糖尿病は「糖尿病合併妊娠」と呼ばれます。 妊娠糖尿病の原因 妊娠すると胎盤から分泌されるホルモンの影響でインスリン抵抗性が強くなってしまいます。インスリンは血糖値を正常にコントロールする働きを担っているため、インスリン抵抗性が上がり働きが弱くなると、血糖値が上がりやすくなります。 妊娠糖尿病を発症すると、母体だけでなくお腹のなかの胎児も高血糖になるため、さまざまな合併症を発症する危険性が高まってしまいます。 妊娠糖尿病の診断方法と診断基準 妊娠糖尿病は、スクリーニング検査と75gブドウ糖負荷試験の2段階の検査で判断します。 スクリーニング検査 妊娠糖尿病のスクリーニング検査はすべての妊婦を対象に妊娠初期と中期に行う検査で、妊娠糖尿病の可能性がある人を抽出する目的で行われます。 妊娠初期の随時血糖値の基準は検査施設によって95mg/dlまたは100mg/dlと異なります。また、妊娠中期の随時血糖値の基準は100mg/dl、50gブドウ糖負荷試験の基準は140mg/dlとなります。 妊娠糖尿病スクリーニング検査で陽性と判断された方は次で説明する75gブドウ糖負荷試験に進みます。 日本産科婦人科学会が推奨している妊娠糖尿病スクリーニング検査 妊娠初期:随時血糖値 妊娠中期:随時血糖値あるいは50gブドウ糖負荷試験 75gブドウ糖負荷試験 妊娠糖尿病スクリーニング検査で陽性が出た場合、75gブドウ糖負荷試験を行います。75gブドウ糖負荷試験では、以下の基準を1つでも満たした場合に妊娠糖尿病と診断されます。 試験基準 空腹時血糖値 ≧92mg/dl 1時間後の血糖値≧180mg/dl 2時間後の血糖値 ≧153mg/dl 妊娠糖尿病の治療 妊娠糖尿病と診断されたら、「血糖値コントロール」に取り組まねばなりません。ただし、妊娠中は運動療法を行うことが難しいため、主として「食事療法」と「薬物療法」を行うことになります。 食事療法で注意すべき点 妊娠糖尿病の治療は食事療法で血糖コントロールを行うことが基本になります。 妊娠中は食後高血糖を起こしやすい傾向がありますが、一方で長時間の空腹状態ではインスリン不足により体内でケトン体が作られ、糖尿病ケトアシドーシスを引き起こすリスクが高まります。特に妊娠中は体調の変化が激しいため、規則正しい食事が大切です。 薬物療法で注意すべき点 食事療法を行っても血糖値のコントロールがうまくいかない場合は薬物療法を行います。 妊娠中の薬物療法では経口血糖降下薬ではなく、インスリン治療を行うことになります。 通常のインスリン療法では血糖値コントロールがうまくいかないという場合はインスリンの基礎量や追加量を補充する方法を取ることがあります。これを強化インスリン療法(インスリンの頻回注射療法やインスリン持続皮下注入療法のこと)といいます。 妊娠糖尿病を早期発見・予防するには 妊娠糖尿病を予防できれば、母体や胎児への影響を減らすことにつながります。 そのためには、まず妊娠糖尿病にかかりやすい人の体質や、悪影響を与える生活習慣を理解しておくことが重要です。 以下で妊娠糖尿病の早期発見、予防に必要な項目を詳しく解説します。 妊娠糖尿病にかかりやすい人の特徴を理解する 以下の体質を持つ人は妊娠糖尿病にかかりやすいと言われています。 肥満 家族に糖尿病の人がいる 35歳以上の妊娠 尿糖の陽性が続く 羊水過多 原因不明の流産、早産、死産の経験がある人 妊娠高血圧症候群の人、もしくは既往歴がある人 もしいずれかの項目に該当しているようであれば注意が必要です。妊娠糖尿病を予防するためには、下の項目を参考に生活習慣の見直しを行う必要があります。 生活習慣の見直し 妊娠中はインスリンの分泌量が増えるため、空腹状態をなるべく作らないことが大切です。空腹を感じた場合は、野菜や豆類、鶏のささみなど良質のたんぱく質を摂るようにしましょう。 また、食事は食べる順番も大切です。野菜から食べ始め、汁物、メイン、炭水化物という順番で食べることで血糖値の急激な上昇を防ぐことができます。 妊娠糖尿病は通常の糖尿病と同様に、生活習慣だけでなく遺伝的要素も関係するといわれています。そのため上記で紹介したような方法を取り入れたにも関わらず妊娠糖尿病を発症したという場合も、あまりストレスに感じる必要はありません。 食事以外には適度な運動も大切です。血流を改善するウォーキングやヨガ、エアロビクスなどの有酸素運動が適切です。しかし、過度な運動はむしろ逆効果になる可能性もあるため、医師の許可を得て行いましょう。 定期健診の受診 妊娠糖尿病は早期発見が大事な病気です。胎児に影響が及ばないよう定期的に妊婦検診を行いましょう。 定期健診を行うことは、正しい生活習慣の維持にも有効です。 出産後、妊娠糖尿病の影響 出産後は急速にインスリン必要量が減少します。そのため、薬物療法を行っている人はインスリンの量を血糖値に合わせて調整する必要があります。 また、妊娠糖尿病患者の方は、正常な妊婦と比べて将来糖尿病を発症する頻度は41~62%だといわれています。(文献1) 産後6~12週間後にブドウ糖負荷試験を受け、妊娠糖尿病が治っているか確認し、その後も定期的に検査を受けることが重要になります。 産後に正常値に戻った人でも、最低でも3年間は産後のフォローアップが必要です。 授乳中の食事は妊娠前の摂取エネルギーから約450kcal程度増やすことを目安にしましょう。これは授乳のための付加エネルギーですので、授乳が終われば元の摂取エネルギーに戻す必要があります。 また、妊娠糖尿病を発症した人がそのままメタボリックシンドロームを起こす例もあります。上記で紹介した治療や予防を行いながら、産後も注意していく必要があります。 まとめ|妊娠糖尿病が胎児や母体に与える影響について解説|治療・予防法も紹介 妊娠前や妊娠中に糖尿病と診断されたときの対処法と母体や胎児への影響について説明しました。 妊娠糖尿病は、妊娠中に発症する糖代謝異常であり、母体や胎児にさまざまな影響を及ぼします。発症すると母体だけでなく、胎児にも影響をおよぼします。また、妊娠中は運動療法が困難なうえ、使用できる薬が限定されるため、治療は慎重に行う必要があります。 妊娠糖尿病は、妊娠中だけでなく出産時、出産後にもさまざまなリスクを引き起こす可能性が高い病気です。 予防のためにも妊娠中の食事や体調管理は特に気を使い、正しい生活習慣を心がけましょう。また、定期的な検査や医師との相談が大切です。 妊娠糖尿病と診断されたら、まずは食事療法や薬物療法を行いましょう。特に妊娠中は運動療法が難しいため、食事やインスリン治療が主な方法となります。 また、糖尿病患者が妊娠を望む場合は血糖コントロールに努め、医師と相談しながら計画的に妊娠することも重要です。妊娠糖尿病にかかりやすい人の特徴についてもまとめていますので、妊娠前に確認することをおすすめします。 妊娠糖尿病患者は産後の糖尿病発症率が高いため、産後も定期的に検査を受けましょう。 当院「リペアセルクリニック」では糖尿病に対する治療として、再生医療を行っております。 幹細胞による再生医療は、血糖値や肝機能値の改善にアプローチします。 再生医療について詳しく知りたい方は、当院「リペアセルクリニック」へお気軽にご相談ください。 参考文献 (文献1) 平松 祐司. 「妊娠糖尿病」 岡山医学会雑誌, 2011年, 123(3), pp. 243-245. https://www.jstage.jst.go.jp/article/joma/119/1/119_1_79/_pdf (最終アクセス:2025年3月25日)
2022.02.22 -
- 変形性膝関節症
- 膝の内側の痛み
- ひざ関節
変形性膝関節症は、放っておくと少しずつ進行し、日常生活に大きな支障をきたす恐れのある疾患です。 初期段階では痛みが軽くても、対策をせずに放置すると関節の変形が進み、手術が必要になることもあります。 しかし、正しい知識と対策を知っていれば、進行を遅らせたり、悪化を防ぐことは十分に可能です。 本記事では、変形性膝関節症を進行させないために、今日からできる対策やセルフケアの方法をわかりやすく解説します。 変形性膝関節症が進行するとどうなる? 変形性膝関節症とは、膝関節の軟骨がすり減ることで、関節に炎症や変形が生じる慢性的な疾患です。 とくに中高年に多く見られる疾患で、年齢や生活習慣の影響で徐々に進行していくのが特徴です。 初期段階では「膝がこわばる」「動き始めに違和感がある」といった軽い症状から始まりますが、進行すると関節の隙間が狭くなり、骨同士がこすれ合うようになるため、強い痛みや腫れ、歩行障害などが現れるようになります。 さらに重症化すると、関節が大きく変形し、正座や階段の上り下りといった日常動作が困難になり、最終的には人工関節の手術が必要になるケースも少なくありません。 変形性膝関節症を進行させないためには、早い段階での対策が非常に大切です。 変形性膝関節症を進行させないための5つの対策 変形性膝関節症は、日々の生活習慣を見直すことで進行を抑えられます。 本章では、以下5つの対策について解説します。 膝に優しい生活動作を心がける 適度な運動と筋力トレーニング 体重管理 食事と栄養管理 サポーターやインソールの活用 それぞれの対策について、詳しく見ていきましょう。 膝に優しい生活動作を心がける 膝への負担は、何気ない日常動作の積み重ねによって蓄積されていきます。 とくに、正座や階段の上り下りなどの動作は膝関節に大きなストレスを与えるため、注意が必要です。 正座の代わりに椅子を使う、階段は手すりを使いながら一段ずつ足を揃えて上り下りするなど、膝に負担をかけない工夫を取り入れましょう。 また、立ち上がるときは膝だけに力を入れず、手や太ももの筋肉を活用すること、座るときはドスンと腰を落とさずゆっくりと重心を下げることが大切です。 適度な運動と筋力トレーニング 変形性膝関節症の進行を防ぐには、関節を固めずに動かし続けることが重要です。 ウォーキングなどの有酸素運動や、膝の曲げ伸ばし体操といった軽い運動は、関節の柔軟性を保ち、痛みの緩和にもつながります。 とくに注目したいのが、太ももの前側にある「大腿四頭筋」と太ももの裏側にある「ハムストリングス」です。 この2つの筋肉を鍛えると、膝関節をしっかりと支え、衝撃を吸収する力が高まります。 ここで、大腿四頭筋とハムストリングスを鍛える簡単なトレーニング方法をご紹介します。 【大腿四頭筋トレーニング】 1.椅子に腰をかけて、片側の脚を伸ばしきります 2.座面と水平になるように脚を持ち上げて、10秒間キープします 3.ゆっくり脚を下ろし3秒間休憩します (1〜3を20回繰り返して、脚を入れ替えます。) 【大腿四頭筋・ハムストリングスのトレーニング】 1.椅子の背を両手で持ち、足は肩幅に広げます 2.つま先と膝の向きはまっすぐ向くようにします 3.膝を前に出さず、お尻を後ろに突き出すように上体を落とします (1〜3を1セット5〜10回、1日3セットします。) 体重管理 体重の増加は膝関節へのストレスを大きくする要因のひとつです。 体重が1kg増えると、歩行時には膝への負担が約3〜5kg分増えると言われています。 変形性膝関節症の進行を防ぐためには、適正体重を維持することが非常に効果的です。 いきなり厳しい食事制限をする必要はありません。 1日3食をバランスよく、腹八分目を意識する、夜遅い食事や間食を控えるなど、小さな工夫から始めましょう。 運動との組み合わせで、より効果的に体重をコントロールできます。 食事と栄養管理 軟骨や関節の健康を保つには、日々の食事から栄養素をしっかりと摂取することが欠かせません。 変形性膝関節症の予防や進行を抑えるために役立つとされている主な栄養素は次のとおりです。 コラーゲン:関節軟骨の構成成分を補う(鶏皮、魚の皮、ゼラチンなど) カルシウム:骨の健康を維持(牛乳、小魚など) ビタミンC:コラーゲンの合成を助ける(ブロッコリー、柑橘類など) ビタミンD:カルシウムの吸収を促進(きのこ類、鮭など) 偏りのない食生活を意識し、サプリメントに頼りすぎず、自然な形で摂取することが理想です。 サポーターやインソールの活用 膝関節への衝撃を軽減し、安定性を高めるためにサポーターや靴のインソール(中敷き)を活用するのも効果的です。 とくに外出時や階段の使用など、膝に不安を感じる場面では心強いサポートになります。 ただし、自己判断で選ぶと、かえって膝に負担をかける可能性があるため、サポーターなどを選ぶ際には、整形外科医や理学療法士など専門家のアドバイスを受けるようにしましょう。 変形性膝関節症の進行を早める生活習慣 変形性膝関節症は、普段の生活習慣が原因で進行を早めてしまい、症状が悪化する場合もあります。 たとえば、膝に違和感がある状態で、ジョギングやジャンプなど膝に強い衝撃を与える動作、激しいスポーツを習慣にしていると、軟骨がすり減ります。症状を悪化させる原因となるため、注意が必要です。 また、正座や深くしゃがみ込む動作も、膝に大きな負担をかけるため控えた方が良いでしょう。 さらに、膝まわりの「冷え」も見過ごしてはいけません。関節が冷えると血流が悪くなり、痛みやこわばりが強くなる傾向があります。冬場や冷房の効いた室内では、ひざ掛けやサポーターなどで膝を冷やさない工夫が必要です。 一見よさそうに見える「膝のマッサージ」や「自己流のストレッチ」も、気を付けなければいけません。痛みを和らげようとして膝を揉みすぎたり、強く押したりすると、炎症を悪化させる可能性があります。 とくに腫れや熱感がある状態では、無理に触ると症状が進んでしまう場合もあります。マッサージや運動をする場合は、医師や理学療法士の指導のもとで安全に行うことが大切です。 変形性膝関節症を進行させないためにも、日々の生活習慣を見直し、膝にやさしい行動を意識していきましょう。 セルフケアだけでは危険?病院へ行くべきタイミングとは 変形性膝関節症の症状が進行してしまった場合、セルフケアだけでは対処しきれなくなることがあるため、適切なタイミングで医療機関を受診しましょう。 たとえば、膝の痛みが日ごとに強くなっていたり、安静にしていても痛みが引かない場合は、関節内で炎症が進んでいる可能性があります。 また、膝が思うように曲がらなかったり、階段の上り下りに支障が出てきたりするような状態も、病状の進行を示すサインです。 こうした症状がある場合は、我慢せずに整形外科などの専門医に相談することが大切です。 早期の段階で受診すれば、薬の処方や理学療法によって進行を抑え、生活の質を保つことも可能です。 また、専門家の指導によるリハビリテーションは、筋力の強化や可動域の改善に効果的であり、痛みの軽減や日常動作の安定にもつながります。 セルフケアで症状を和らげることは大切ですが、「少しおかしいかも」と感じた時点で医療機関を受診しておくことも、変形性膝関節症を進行させないための大きなポイントです。 自分の膝の状態を過信せず、早めの対応を心がけましょう。 変形性膝関節症を進行させない再生医療という新しい選択肢 変形性膝関節症の治療というと、「手術を受けなければ治らないのでは?」と不安に感じる方も多いのではないでしょうか。 「再生医療(幹細胞治療)」は手術を必要としない治療選択肢の一つです。 再生医療とは、患者様自身の体から取り出した細胞(幹細胞)を使う治療法です。幹細胞が持つ他の細胞に変化する「分化能」という働きを活用します。 変形性膝関節症に対する再生医療は、日帰りで実施でき、入院する必要はありません。 また、ご自身の細胞を使用するため、拒絶反応のリスクが低いのが特徴です。 再生医療についての詳細は、以下のページをご覧ください。 まとめ|変形性膝関節症は正しく対処すればコントロールできる 変形性膝関節症は、早めに気づき、きちんと対処すればコントロールできる病気です。 膝にかかる負担を減らす工夫や、適度な運動、バランスの取れた食事など、毎日の小さな積み重ねが、将来の歩行能力や生活の質を大きく左右します。 また、症状が悪化する前に医療機関を受診し、必要に応じたリハビリや専門的な治療を受けることで、より良い経過が期待できます。 自分の膝と前向きに向き合い、無理なく、長く健康に歩ける毎日を目指していきましょう。 なお、当院「リペアセルクリニック」では変形性膝関節症に対する再生医療の治療を行っています。 当院では、治療をご検討いただく前に、患者様の症状や膝の状態を詳しく診察し、治療の適応や内容について丁寧にご説明いたします。 治療に関するご質問やご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。専門医が患者様のご状況に応じて、治療の選択肢についてご提案いたします。 ▼以下も参考になれば幸いです 膝の病気!鵞足炎と変形性膝関節症についてと、その違いを解説!
2022.02.22 -
- 糖尿病
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「糖尿病の発症率が高い都道府県はどこ?」 「自分の住んでいる地域のリスクを知りたい…」 このような疑問をお持ちではないでしょうか? 糖尿病は生活習慣によって発症リスクが変わる病気です。そのため、地域ごとに患者数や割合に差があり、特定の都道府県では発症率が高い傾向にあります。 本記事では、最新の糖尿病患者数が多い都道府県ランキングを紹介します。地域ごとの特徴や予防策についても解説するので、糖尿病対策を考えている方はぜひ参考にしてみてください。 【最新版】糖尿病の都道府県ランキング 糖尿病の都道府県別ワースト・トップランキングを見ていきましょう。 以下は、厚生労働省が報告している都道府県ごとの糖尿病による死亡率のワースト・トップランキングです。 ワースト(死亡率が高い都道府県の順位)※数値は死亡率 トップ(死亡率が低い都道府県の順位)※数値は死亡率 1位 青森県:20.2% 神奈川県:7.8% 2位 徳島県:17.9% 愛知県:7.9% 3位 香川県:17.8% 東京都:8.8% 参考:厚生労働省|平成30年人口動態統計「主な死因の死亡数・死亡率(人口10万対)都道府県別」 糖尿病の死亡率が高いワースト1位の都道府県は、青森県でした。次いで、徳島県、香川県と続きます。 一方、死亡率が低いトップ1位の都道府県は、神奈川県、愛知県、東京都となっています。 以下で、ワースト1位の青森県と、トップ1位の神奈川県について詳しく見ていきましょう。 ワースト1位は青森県|考えられる原因は? 青森県では、冬の厳しい寒さに備えるために、塩分を多く含む食事が長年親しまれてきました。 たとえば、保存食として塩漬けの魚や漬物を食べる文化が根付いています。これにより、食塩の摂取量が増え、糖尿病のリスクが高まります。 また、冬季は積雪が多く、外での運動が難しいのが現状です。運動不足は血糖値を下げる働きが低下し、糖尿病の発症や悪化の原因となります。 青森県では糖尿病の予防と管理のために、公式ホームページで糖尿病の基礎知識やリスクについての情報を発信しています。さらに「青森県糖尿病性腎症重症化予防プログラム」を策定し、糖尿病による腎症の重症化を防ぐための取り組みを強化しました。このプログラムは令和4年3月24日に改定され、より効果的な対策が進められています。 トップ1位は神奈川県|独自の取り組みは? 神奈川県がトップである背景には、県民の健康意識の高さと、行政の積極的な取り組みが関係していると考えられます。 神奈川県では、喫煙率が全国平均よりも低く、日々の運動量も多い傾向があります。(文献1) たとえば、歩数の平均値は全国平均を上回っており、女性は全国でもっとも歩いていることが分かっています。(文献1) こうした生活習慣が、糖尿病の発症リスク軽減につながっているのでしょう。 神奈川県は「かながわ糖尿病未病改善プログラム」を打ち立て、市町村や医療機関と連携し糖尿病が重症化する前の予防に力を入れています。 11月14日の世界糖尿病デーには、シンボルマークであるブルーサークルにちなみ県内5カ所の建物をブルーライトで照らし、糖尿病予防の重要性を広く伝えています。 こうした多角的な取り組みが、神奈川県民の糖尿病発症率を抑制しているのでしょう。 都道府県によって糖尿病の死亡率に差がある理由 糖尿病の死亡率は、都道府県ごとに大きな差があります。その理由には、食生活や生活習慣の違いが関係しています。 塩分や糖分の多い食生活 運動不足になりやすい環境 飲酒量 喫煙率 それぞれの要因が糖尿病のリスクにどのように影響するのかを見ていきましょう。 塩分や糖分の多い食生活 塩分や糖分の摂り過ぎは高血圧および糖尿病のリスクを高めます。 糖尿病死亡率ワースト1位の青森県は、野菜の摂取量は多いものの、塩分摂取量が男女ともに全国平均を上回っています。 これは、青森県の伝統的な食文化である塩分の多い保存食や、濃い味付けの料理が影響していると考えられるでしょう。 運動不足になりやすい環境 運動不足も糖尿病のリスク要因です。運動しないと、血糖値をコントロールしにくくなるためです。 地方は車社会であり、日常的に体を動かす機会が少ない傾向にあります。糖尿病の死亡率ワースト1~3位である青森県・徳島県・香川県は、いずれも地方に該当します。また、雪国である青森県は、冬期間は屋外での運動が難しく、室内で過ごす時間が増えるでしょう。 これらの環境要因が、地域住民の運動不足を招き、糖尿病のリスクを高めていると考えられます。 飲酒量 アルコールの過剰摂取は、肝臓や膵臓に負担をかけ、糖尿病発症のリスクがあると知られています。 お酒には糖分が含まれている種類も多いため、過度な飲酒は血糖値の上昇につながります。 糖尿病死亡率ワースト1位の青森県は、成人1人当たりの酒類販売(消費)数が全国2位と、飲酒量が多い県です。(文献2)飲酒が習慣化している地域では、糖尿病の発症率も高くなる傾向にあります。 喫煙率 喫煙は、血管を収縮させて血圧を上昇させるため、糖尿病のリスクを高めます。また、血管を傷つけることでインスリンの働きが弱まり、発症率が高まるリスクもあります。 糖尿病死亡率ワースト1位の青森県は、喫煙率が全国で10位以内です。運動不足や食生活の問題に加え、喫煙による健康への悪影響が懸念されます。 日本における糖尿病患者数の推移 厚生労働省によると2023年10月時点の日本の糖尿病患者数は218万人を超えていることが報告されています。(文献3) また、以下のグラフから、糖尿病は高齢になるにつれて発症しやすい病気だとわかります。 出典:厚生労働省|国民健康・栄養調査「糖尿病が強く疑われる者の割合」 日本透析学会によると1983年に5万3,017人だった透析患者数が2023年には34万3,508人にまで増加しており、原因疾患の約4割が糖尿病性腎症であることがわかっています。(文献4) 糖尿病の患者数を増やさないための動き 厚生労働省は、糖尿病をはじめとする生活習慣病を防ぐために、健康づくりを進める取り組みをおこなっています。 具体的には、基本方針を決めて、以下9分野で70項目の具体的な目標設定を定めています。(文献5) 栄養・食生 身体活動、運動 休養、こころの健康づくり たばこ アルコール 歯の健康 糖尿病 循環器病(脳卒中を含む) がん 糖尿病を増やさないための取り組みは「栄養・食生活」分野では「野菜の1日当たり平均摂取量350g以上」、「身体活動・運動」分野では「日常生活における歩数(男性)9,200歩以上」などです。 なお、糖尿病の治療においては再生医療も選択肢として挙げられます。体内の幹細胞を点滴投与して、すい臓・血管の機能再生を促し糖尿病治療を進めます。 再生医療について詳しく知りたいという方は、メール相談、オンラインカウンセリング も承っておりますので、ぜひご活用ください。 まとめ|最新の糖尿病における都道府県ランキングをチェックして健康の意識を高めよう 都道府県ごとの糖尿病における死亡率や糖尿病患者数の推移を見てきました。 地域によって、食生活や運動習慣に差があり、それによって糖尿病の患者数も変わる傾向があります。 糖尿病は早い段階で発見し、治療に取り組めば健康な人と変わらない生活を送れる病気です。 糖尿病の患者数の多い地域に住んでいたとしても、早い段階で食習慣を改善し、積極的に検診を受ける意識を持てば、糖尿病の予防や進行の抑制につながります。 健康意識を高めて、糖尿病の対策を進めていきましょう。 当院リペアセルクリニックでは、糖尿病の症状や治療法についてのご相談を受け付けております。メール相談やオンラインカウンセリングより気軽にお問い合わせください。 参考文献 (文献1) 厚生労働省「平成28年国民健康・栄養調査」 https://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10904750-Kenkoukyoku-Gantaisakukenkouzoushinka/kekkagaiyou_7.pdf (最終アクセス:2025年2月21日) (文献2) 国税庁「令和3年度成人1人当たりの酒類販売(消費)数量表(都道府県別)」 https://www.nta.go.jp/taxes/sake/shiori-gaikyo/shiori/2023/pdf/0035.pdf (最終アクセス:2025年2月21日) (文献3) 厚生労働省「推計患者数」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/23/dl/suikeikanjya.pdf (最終アクセス:2025年2月21日) (文献4) 日本透析医学会雑誌「わが国の慢性透析療法の現況」 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsdt/57/12/57_543/_article/-char/ja (最終アクセス:2025年2月21日) (文献5) 厚生労働省「健康増進法の概要」 https://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/12/dl/s1202-4g.pdf (最終アクセス:2025年2月21日)
2022.02.21 -
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コラーゲンにはどのような効果があるのか、どのように摂取すれば良いのか知りたい方はいませんか。 コラーゲンは美容的に注目されていますが、実は身体にとっても非常に重要な栄養素です。 この記事では、コラーゲンの効果や効率的に摂る方法についてご紹介します。コラーゲンについての知識を深めることで、身体の健康のために習慣的に摂り入れるきっかけになるでしょう。 そもそもコラーゲンとは? コラーゲンと聞くと、肌に良いイメージを持たれる方もいるのではないでしょうか。しかし、コラーゲンの働きは皮膚だけではありません。 コラーゲンとは、人間の体内に存在するタンパク質の1種です。タンパク質は人間の筋肉や臓器など、身体のさまざまな場所に分布しています。 また、タンパク質は炭水化物と脂質に並ぶ三大栄養素のため、人間の身体にとって必要なエネルギー源でもあるのです。コラーゲンは体内のタンパク質の約30%を占めており、以下のような組織に多く含まれています。 皮膚 骨 血管 そして線維性コラーゲンや基底膜コラーゲンなど、組織の部位ごとに分類されており、現在わかっているものだけで29種類あります。ここでは、コラーゲンの役割や種類について詳しくみていきましょう。 コラーゲンの役割 皮膚の約70%はコラーゲンで構成されているといわれており、肌に弾力やハリを維持する働きがあります。 そしてコラーゲンは皮膚だけではなく、以下のような組織にも含まれており、それぞれの強度や柔軟性を保つ機能もあるとされています。 骨 関節 腱 靭帯 例として、骨にコラーゲンが含まれることでクッションのような役割が生まれ、強い衝撃から守る働きがあるのです。 関節に含まれているコラーゲンには、骨同士の摩擦による擦り減りを防ぐ役割を担っています。このように、コラーゲンは肌だけでなく骨や関節に密接に関わっています。 コラーゲンの種類 コラーゲンには多くの種類があり、おもに「Ⅰ〜Ⅴ型」の5つのタイプに分類できます。それぞれのタイプの特徴について、以下の表にまとめました。 タイプ 線維性・非線維性 役割 含まれている場所 Ⅰ型 線維性コラーゲン 骨や皮膚を作る 組織の弾力を生み出す 皮膚、骨、腱、靭帯など (体内に最も多く含まれている) Ⅱ型 関節や軟骨の成分となる 関節、軟骨、目の角膜など Ⅲ型 肌のダメージ回復 組織の柔軟性を生み出す 皮膚、血管、内臓など Ⅳ型 非線維性コラーゲン 細胞同士をつなぐ 細胞の成長を促進させる 基底膜(表皮と真皮の間にある組織) Ⅴ型 線維性コラーゲン Ⅰ型・Ⅲ型に含まれている 血管、筋肉、胎盤など このように、コラーゲンの種類によって分布場所や役割が異なることがわかるでしょう。 コラーゲンは加齢により減少する コラーゲンは健康の維持に欠かせないものですが、年齢とともに減少傾向にあります。加齢にともなって細胞の数が減ったり、衰えたりするとコラーゲンが合成しにくくなるからです。 また、紫外線による影響でも皮膚のコラーゲンが減少することがわかっており、シワやたるみなどの原因となっています。肌の健康のためにも、日光を長時間浴びるのはできるだけ避けましょう。 コラーゲンの主な効果 コラーゲンは、口から摂取する場合の科学的な有効性はなく、効果が期待できないとされています。 ただし、「まったく効果がない」とはいい切れず、明確な結論が出ていないのが現状です。 ここでは、コラーゲンのおもな効果について解説します。 *参考資料:サプリメントの効果について|公益法人日本整形外科学会 肌に潤いやハリ・弾力を与える コラーゲンには、肌の潤いやハリ・弾力などをサポートする効果があるとされています。前述したように、身体を構成するタンパク質の約30%はコラーゲンといわれています。 このコラーゲンが表皮と真皮の間にある「基底膜」に存在することで、それぞれの皮膚がつながり合い、肌の状態を良好に保っているのです。シワやたるみを予防し、きめ細かい肌をキープしたい方にとって、コラーゲンの摂取は重要といえるでしょう。 また、コラーゲン以外にも肌の状態を改善する方法として、「再生医療」があります。再生医療とは、自身の再生能力が備わった細胞を使用した治療法で、肌の健康に必要な成分・組織の申請が期待できます。 関節の動きを改善する コラーゲンは肌の健康だけでなく、関節の動きの改善にもつながります。前述したように、コラーゲンは関節にも含まれており、骨同士の衝突や摩擦をやわらげるクッションのような役割を果たしています。 関節内のコラーゲンを保つことで、クッション作用が維持され、動きがスムーズとなるのです。実際に、傷ついた関節の治療時にコラーゲンのサプリメントを摂取したところ、修復が早くなったとの結果も報告されています。 また、「変形性膝関節症」の症状の改善にも効果があることもわかっています。変形性膝関節症とは、膝関節の軟骨がすり減り、痛みが出ている状態のことです。変形性膝関節症に対しては、コラーゲンだけでなく再生医療も有効とされています。再生医療によって膝の軟骨の再生を促すことで、変形性膝関節症による痛みの改善が期待できます。 骨を丈夫にする コラーゲンには骨を丈夫にする効果があるとされています。骨を丈夫にする栄養素として、カルシウムのイメージが強いですが、実はコラーゲンも大きく関わっています。 骨を構成する約30%がコラーゲンでできているといわれており、その線維にカルシウムが付着しているのです。 コラーゲンが関与することで骨の強度が高まるとともに、柔軟性が備わって外部からの衝撃をやわらげています。反対に、コラーゲンが不足するとカルシウムが付着しにくくなり、骨がスカスカになる「骨粗鬆症」の原因となります。 コラーゲンを効果的に摂る方法 コラーゲンを効果的に摂るためには、どのような方法がおすすめなのでしょうか。ここでは、効果的に摂取するための方法を詳しく解説します。 コラーゲンを多く含む食べ物を摂取する まずは、コラーゲンを多く含む食べ物の摂取を心がけましょう。コラーゲンが豊富な食べ物は、以下のとおりです。 食べ物 100gあたりのコラーゲン量(mg) フカヒレ 9,920 はも(皮のみ) 7,660 うなぎの蒲焼き 5,530 牛すじ 4,980 鶏軟骨(胸肉) 4,000 はも(皮付き) 3,560 豚白もつ 3,080 鮭(皮付き) 2,410 鶏手羽先 1,550 これらの食べ物を取り入れることで、効率的にコラーゲンの摂取が可能です。 サプリメントを摂取する コラーゲンを多く含む食べ物の摂取が難しい場合は、サプリメントの活用がおすすめです。サプリメントであれば気軽にコラーゲンを摂取できるので、無理して食事量を増やす必要はありません。 効率的にコラーゲンを取り入れるためには、「コラーゲンペプチド」の商品を選択しましょう。コラーゲンペプチドとは、コラーゲンを分解してさらに小さい分子にしたもので、体内で吸収しやすくなります。 コラーゲンを効果的に取り入れるコツ コラーゲンを取り入れるためには、どのようなことを意識すれば良いのでしょうか。ここでは、コラーゲンを効果的に取り入れるコツをご紹介します。 ビタミンCと鉄分を多く含む食べ物を一緒に摂る コラーゲンだけでなく、ビタミンCや鉄分を多く含む食べ物と一緒に摂るようにしましょう。これらの栄養素は、コラーゲンの生成をサポートする役割があるとされています。ビタミンCや鉄分が多く含まれている食べ物は、以下のとおりです。 ぜひ、これらの食べ物を意識的に摂り入れてみてください。 寝る前に摂取することを習慣化する なるべく、寝る前のコラーゲンの摂取を習慣化しましょう。皮膚や筋肉などの組織が作られる時間帯は、睡眠中とされています。 そのため、寝る前にコラーゲンを摂取しておけば組織が効率的に生成され、肌の健康につながりやすくなります。 睡眠を十分にとる 寝る前にコラーゲンを摂取するだけでなく、睡眠時間の十分な確保も重要です。睡眠中に成長ホルモンが分泌されることで、皮膚や筋肉などが生成されます。 しかし、睡眠不足になって成長ホルモンの分泌量が少なくなると、その分生成が遅れてしまいます。十分な睡眠時間を確保し、コラーゲンの効果を高めていきましょう。 まとめ|コラーゲンをうまく取り入れて効果を実感しよう! コラーゲンはタンパク質の1種であり、肌や骨などのさまざまな組織に分布しています。コラーゲンには肌のハリや弾力を改善したり、骨を丈夫にしたりする効果があるとされています。そのため、身体の健康にとっては欠かせない成分といえるでしょう。 コラーゲンの効果を高めるためには、特定の食べ物やサプリメントを摂取することが重要です。また、ビタミンCや鉄分と一緒に摂取する、睡眠時間を確保するなどの工夫もおすすめです。 ぜひ今回の記事を参考にして、コラーゲンを意識的に摂り入れてみましょう。 コラーゲンの効果に関連するよくある質問 Q. 低分子コラーゲン(コラーゲンペプチド)とはなんですか? A. 低分子コラーゲンとは、コラーゲンタンパク質の分子を小さくしたものです。低分子コラーゲンは「コラーゲンペプチド」とも呼ばれ、粒子が細かいために吸収されやすいメリットがあります。 コラーゲンペプチドはサプリメントとして錠剤やパウダー、ドリンクに配合されており、種類もさまざまです。 Q. コラーゲンの摂取によりアレルギー反応を起こす可能性はありますか? A. サプリメントの原料になっている以下のような動物が原因で、アレルギー反応を起こす可能性があります。 牛 豚 鶏 魚 例として、鶏や卵にアレルギーがある方は、鶏が原料になっているコラーゲンは避けたほうが良いでしょう。 コラーゲンによるアレルギー反応でアナフィラキシーを起こした事例も報告されているため、摂取する際は十分に注意が必要です。
2022.02.16 -
- ひざ関節
- 膝の内側の痛み
- 膝の慢性障害
鵞足炎(がそくえん)とは「鵞足(がそく)」と呼ばれる膝関節の内側より下方に位置する脛骨付近で起こる炎症です。 鵞足炎は、ランニングや坂道の上り下りなどで膝を酷使すると発症しやすくなります。 ある日突然、膝の内側が痛み出した場合、鵞足炎の可能性も視野に入れていきましょう。 本記事では、鵞足炎の症状や原因を詳しく解説します。治療法も紹介しているので、鵞足炎の疑いがある方は参考にしてみてください。 鵞足炎とは? 鵞足炎(がそくえん)とは、膝の内側下部に位置する「鵞足」に炎症が起こる疾患です。 鵞足は「縫工筋」「半腱様筋」「薄筋」という三種類の筋肉に付着している腱が脛骨にくっついている場所を指しています。 鵞足炎を発症していると膝の屈曲や股関節を内転する動きで膝に痛みを覚えます。 膝を酷使するスポーツ選手が発症しやすいといわれており、膝への大きな負荷だけでなく打撲などの外傷を原因として発症する可能性もあります。 鵞足炎の主な原因や症状 鵞足炎になってしまう主な原因や症状を解説します。 鵞足炎の原因 鵞足炎の症状 鵞足炎は、長時間のランニングや膝に負担がかかることで発症する可能性が高くなります。 初期段階では安静にしていると痛みが落ち着くこともありますが、悪化すると歩行が困難になるほどの痛みを感じるケースも。 以下では、鵞足炎の原因と症状について、それぞれ詳しく解説していきます。 主な原因 鵞足炎を引き起こす主な原因を以下にまとめました。 長距離を走ったりダッシュしたりする 不適切なトレーニングをする 運動前にストレッチを怠る 急な坂道を急激に長時間走る 肥満体形で膝に負担がかかっている このように鵞足炎という病気は、スポーツにかかわる障害として代表的な疾患のひとつです。 主な症状 鵞足炎を発症すると、初期では膝関節の内側部より5㎝ほど下方の部位が痛くなり、その部位を押すとさらに強い痛みをともないます。 また、運動時や階段昇降時に疼痛症状が悪化しやすく、さらに病状が進行すると安静時にも同部位が疼くように痛みを感じる場合もあります。 鵞足炎と似ている症状に「変形性膝関節症」という外傷があります。 以下の記事では、鵞足炎と変形性膝関節症の違いを詳しく解説しているので、ほかの外傷の可能性を視野に入れている方は、参考にしてみてください。 鵞足炎の治療期間について 鵞足炎が治るまでにかかる期間は、一般的には2週間前後です。 適切な治療とリハビリによって改善できる疾患のため、痛みがある時は安静にし、治療に専念することが重要です。 また、早期に回復させるためにも膝に痛みを感じたら早めに医療機関を受診しましょう。 以下の記事では、病院に行くべき症状やタイミングについて詳しく解説しているので合わせてご覧ください。 鵞足炎の主な治療法3つ 鵞足炎に有効な3つの治療法を紹介します。 理学療法 ステロイドによる注射治療 テーピング・サポーター 1つずつ順番に見ていきましょう。 理学療法 鵞足炎の治療で多いのは理学療法です。 理学療法ではストレッチによるケアを重点的におこなう場合があります。なぜなら、鵞足炎は太ももの筋肉が硬くなると膝の症状が悪化しやすく、ストレッチで筋肉部の緊張を和らげるのが有効だからです。 注意点としては、炎症が強くて痛み症状が顕著な時期にストレッチ運動を過剰に実践してしまうと、逆に膝の痛みが悪化する原因になりかねないとの指摘もあります。 したがって、症状がひどい際には軽めのストレッチに留めておき、十分な安静を保持して、患部のアイシングや消炎鎮痛剤の服薬などの対処策を検討していきます。 ステロイドによる注射治療 鵞足炎の治療では、滑液包の内部に少量ステロイド薬を直接的に注射する方法もあります。 ステロイドによる注射治療は、すぐに症状が軽快するケースが多く認められます。しかし、数か月経過すると膝の痛みが再燃する可能性もあります。 テーピング・サポーター テーピングやサポーターには、動きを制限させる働きがあります。安静が必要な時期に活用すれば、膝周りの動きを制限して炎症の沈静化を早められるでしょう。 テーピング・サポーターの利用は早期回復を促進する上で、有効なアイテムといえます。 スポーツや仕事をしているときに膝の内側に痛みを感じたら、弊社『リペアセルクリニックのドクター』にご相談ください。 スポーツ外傷や加齢による腱や靭帯の損傷・炎症の治療に詳しいドクターが、患者さまに合った治療法を一緒に考えていきます。 鵞足炎を早く治す方法として先端医療の再生医療を検討しよう 鵞足炎による膝下の痛みを早く治したい方は、再生医療による治療も選択肢の一つです。 再生医療とは、患者さま自身の細胞を活用して損傷した鵞足の再生・修復を図る医療技術のことです。 患者さま自身の細胞のみを使用することで、拒絶反応やアレルギーなどの副作用リスクが少ない治療法として近年注目されています。 また、手術や入院不要で治療できるため、手術を避けたい方や早く日常生活に復帰したい方にも推奨されます。 当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、鵞足炎に対する再生医療の治療法や症例を配信しているので、ぜひご参考ください。 鵞足炎に関するよくある質問 鵞足炎に関するよくある質問と回答をまとめて紹介します。 鵞足炎を早く治す方法はありますか? 鵞足炎を早く治すためには、運動を控えて安静に過ごすのがもっとも効果的です。 炎症を起こしている状態で無理に動けば、患部に負担がかかり回復を遅らせます。 ストレッチは鵞足炎の予防や改善に効果がありますか? ストレッチは鵞足炎に有効です。 先述のとおり、鵞足炎は太ももの筋肉が硬くなると症状が悪化しやすくなります。そのため、太ももの筋肉をほぐすストレッチが 予防と改善に効果的です。 太もものストレッチには「長座体前屈」がおすすめです。 太ももの裏側が伸び、筋肉の緊張がほぐれます。 鵞足炎になってもスポーツはできる? 鵞足炎を発症している最中は、運動を控えて安静に過ごしましょう。炎症が悪化して、痛みや腫れといった症状が強く現れる可能性があります。 炎症が沈静化して、症状が落ち着いたらスポーツを再開して問題ありません。ただし、急に動くと膝に負担がかかり再発リスクを伴うので、様子を見ながら少しずつ運動量を調整していきましょう。 【まとめ】鵞足炎の原因となる膝への負担を避けて日頃からケアすることが重要 鵞足炎は、マラソンや坂道の上り下りといった膝を酷使する運動で発症しやすい疾患です。 身体を動かしていて膝の内側が痛み出したら、鵞足炎の可能性を視野に入れ早めに医療機関を受診しましょう。 鵞足炎は再発しやすい疾患ともいわれているため、担当医師や理学療法士の指導や助言のもと、焦らず治療を進めていく姿勢が大切です。 「膝の内側が痛み出したけど、どの医療機関を受診すればいいのかわからない…」という方は当院『リペアセルクリニック』にご相談ください。 スポーツ外傷に詳しいドクターが、患者さまの状態や症状に合った治療法を一緒に考えていきます。
2022.02.16 -
- ひざ関節
- 半月板損傷
「半月板損傷でやってはいけないことは?」 半月板損傷と診断された方は、早く治すためにも以下のような動作には注意する必要があります。 今までは半月板損傷が悪化すると手術が一般的でしたが、近年の治療では半月板損傷を手術せずに治療できる再生医療が注目されています。 当院リペアセルクリニックの公式LINEをご登録いただいた方限定で「再生医療の基礎がわかるガイドブック」を無料で配布中です。 「半月板損傷を早く治したい」「手術したくない」という方は、ぜひご参考ください。 ▼半月板損傷を手術せずに治療できる再生医療について以下からご覧ください 半月板損傷でやってはいけないこと【7選】 半月板損傷でやってはいけないこととして、主に以下の7つがあげられます。 急な動き出しや方向転換をする 階段の昇り降りをする 膝を大きく曲げる体勢をとる 長時間の立ちっぱなしや歩行 膝に負担がかかるスポーツや運動 急激な体重増加 膝に負担のかかる靴の着用 以下では、それぞれについて詳しく解説します。 半月板損傷の原因や症状など包括的な内容に関しては「半月板損傷とは?原因・症状・治療法・やってはいけないこと」の記事をご覧ください。 急な動き出しや方向転換をする 急な動き出しや方向転換は膝を捻るような力が加わるため、半月板への負担がかかりやすく、痛みの悪化につながります。 方向転換する際は、焦らずにゆっくりと行うようにしましょう。 また方向転換に関わらず、どのような動作でも性急に行わないように注意することが大切です。 階段の昇り降りをする 階段の昇り降りの動作は膝関節にかかる負担が大きく、頻繁に行うと症状が悪化する恐れがあります。 半月板損傷の方は階段の使用はなるべく控え、エレベーターやエスカレーターなどを活用しましょう。 階段を昇り降りしなければいけない場合は、手すりや杖の使用がおすすめです。 膝を大きく曲げる体勢をとる 正座や和式トイレなどは膝を大きく曲げる必要があり、半月板や関節に負担がかかります。 とくに和室や古い建物で生活している方は、このような膝を大きく曲げるような動作が多い傾向にあります。 膝の負担を軽減するには、イスを中心とした生活に切り替える、洋式トイレに改修するなどの工夫が必要です。 長時間の立ちっぱなしや歩行 長時間の立ちっぱなしや歩行も膝への負担が蓄積することで半月板にダメージが加わるため、できるだけ避けましょう。 膝への負担を軽減するために、以下のような対策がおすすめです。 杖を使用する 途中で休憩する 膝サポーターを装着する 長時間立ったり歩いたりする必要がある場合は、上記のような対策をして膝への負担軽減を図ることが大切です。 膝に負担がかかるスポーツや運動 サッカーやバスケットボールなどの膝への負担が大きいスポーツや、ランニングなどの長時時間走る運動は控えましょう。 半月板損傷になった場合、急な方向転換やジャンプを頻繁に行うスポーツは、完治するまで絶対に避けるべきです。 膝に負担のかからない体勢でできるストレッチや筋トレや、膝への負担が少ない水泳を取り入れて筋力を維持するのがおすすめです。 急激な体重増加 急激な体重増加も膝への負担となり、半月板損傷を悪化させる原因になるため、体重管理を徹底しましょう。 体重が1kg増加すると、歩行時の膝への負担が約4kg増加するといわれているほど、体重増加による膝への負担は大きいです。(文献1) 膝の痛みで運動量が減ると体重増加につながるため、食生活の改善などから始めてみましょう。 また、ストレッチや短時間のウォーキングなど膝に負担の少ない運動習慣を身につけることも重要です。 膝に負担のかかる靴の着用 半月板損傷の方は、クッション性がない靴やヒールの高い靴など、膝に負担のかかる靴の着用は避けましょう。 また、サイズが合っていない靴も足や膝に負荷がかかり、半月板損傷が悪化する原因になります。 クッション性のあるスニーカーや膝の負担を軽減できるインソールの使用など、膝への負担を軽減する工夫が必要です。 半月板損傷の主な症状と原因とは 半月板とは、太もも側の大腿骨と、すね側の脛骨の間に存在する軟骨でできた板のような組織です。 アルファベットのC型のような特徴的な形状をしており、膝関節の内側と外側に1つずつ存在します。 膝には、以下のような関節を構成する組織があり、半月板は、それらを安定させる役割があります。 軟骨 靭帯 筋肉 腱 それ以外にも半月板は膝関節のクッションとして作用し、膝の荷重や衝撃などを軽減したり、膝の動きを滑らかにしたりする働きもあるのです。 このように、半月板は膝を構成する大切なパーツですが、急激な衝撃や過度な負荷がかかることで損傷する場合があります。 ここでは、半月板損傷の症状や原因について解説します。 半月板損傷の症状 半月板損傷のおもな症状は、以下のとおりです。 膝の痛み 腫れ 引っかかり感 関節がズレる感覚 動作時の関節の音 膝の曲げ伸ばしの困難さ(ロッキング) 人は歩くだけでも体重の5倍もの負担が膝関節にかかるといわれています。そのような負荷や強い衝撃を受け続けると、半月板の損傷につながります。 半月板は一度損傷すると自然治癒することはほとんどないため、治療が必要です。上記の症状が悪化すると、日常生活に支障をきたす恐れもあるでしょう。 また、半月板損傷は症状によって5つのタイプに分けられます。 縦断裂 横断裂 円盤状断裂 フラップ状断裂 水平断裂 詳しく知りたい方は以下の記事で解説していますので、興味がある方はぜひこちらもご覧ください。 \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ 半月板損傷の原因 半月板損傷で痛みが起こる原因は、大きく「筋収縮」と「炎症」の2種類に分類されます。 それぞれの原因によって起こる痛みのメカニズムは、以下のとおりです。 このように、痛みの原因は半月板だけというわけではなく、別の影響も関係しています。 【注意】半月板損傷を放置するリスク 半月板損傷によって半月板としての機能が損なわれている状態を放置すると、膝関節の軟骨に大きな負担がかかります。 結果的に軟骨がすり減り、「変形性膝関節症」を発症する可能性が高くなります。 半月板損傷が重症化したり、変形性膝関節症を発症した場合、人工膝関節置換術(膝関節を人工物に入れ替える手術)を行わなければいけないケースも。 半月板損傷が発症した場合は放置せずに治療を行い、回復に専念することが大切です。 当院リペアセルクリニックの公式LINEでは、半月板損傷を手術せずに治療できる再生医療に関する情報を配信しています。 「手術せずに治療したい」「悪化する前に早く治したい」という方は、再生医療による治療をご検討ください。 ▼半月板損傷を手術せずに治療できる >>【公式LINE限定】再生医療の治療法や症例を今すぐ見てみる 変形性膝関節症と半月板損傷の違いや症状について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。 半月板損傷の治療方法 半月板損傷の治療法としては、おもに以下があげられます。 保存療法 手術療法 再生医療 ここでは、それぞれの治療方法について詳しく解説します。 保存療法 保存療法ではリハビリを中心に行い、必要に応じて膝にたまった水を抜く、潤滑性と抗炎症作用が期待できるヒアルロン注射をするなどの対応をします。 痛みや炎症がある場合は鎮痛剤や炎症剤などの薬物を用います。 このような保存療法でも痛みが強く、改善の見込みが薄い場合は、手術療法を検討する必要があるでしょう。 手術療法 手術療法では、膝の状態にあわせて以下の術式が行われます。 ・縫合術:断裂した半月板を縫い合わせる手術 ・切除術:断裂した半月板を取り除く手術法 ただし、これらの手術を行った場合でも、将来的に変形性膝関節症を発症するリスクがあります。そのため、手術後もリハビリや薬物療法などの保存療法は欠かせません。 手術をする場合は入院も必要となり、とくにスポーツをされている方は、復帰までに時間がかかる可能性があります。 半月板損傷の手術のメリット・デメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。手術についてさらに情報を知りたい方は、ぜひこちらも記事もご覧ください。 再生医療 これまで半月板損傷の根本的治療には手術が必要でしたが、「再生医療」という新しい選択肢も生まれています。 再生医療の1つに、自身の脂肪から採取・抽出し培養で増やした「幹細胞」を膝に直接注射する方法があります。幹細胞とは、傷ついた半月板を修復させ、痛みや炎症を抑える効果が期待できる細胞です。 自分自身の脂肪から培養する細胞なので、アレルギーや副作用のリスクが低く、患者さんの身体への負担が少ないのが特徴です。 また、外科的な手術に比べて治癒までの期間が短い傾向にもあります。 入院する必要がなく、手術を受けずに治療できるため、とくにスポーツ選手にとっては大きなメリットといえるでしょう。 身体にメスを入れずに済み、パフォーマンスを極力落とさずに治療を受けられます。 ▼半月板損傷を手術せずに治療できる >>【公式LINE限定】再生医療の治療法や症例を今すぐ見てみる 半月板損傷でやってはいけないことに関するよくある質問 ここでは、半月板損傷に関してよくある質問に対してお答えしています。半月板損傷に関して疑問がある方は、ぜひこちらも参考にしてみてください。 半月板損傷を早く治す方法はありますか? 半月板損傷を早く治す方法としては、手術しないで治療できる再生医療があります。 再生医療は、患者さまの幹細胞を採取・培養して患部に投与することで、損傷した半月板を再生させる医療技術のことです。 入院や手術をせずに治療できるため、身体への負荷が小さく、効率的に治療を進められます。 当院の公式LINEでは、半月板損傷に対する再生医療の治療法や症例を配信しているため、ぜひ参考にしてください。 「半月板損傷を少しでも早く治したい」という方は、ぜひ再生医療がどのような流れで治療を行うか確認してみましょう。 \半夏版損傷を早く治したいなら先端医療である再生医療!/ >>【公式LINE限定】無料の再生医療ガイドブックはこちら 半月板損傷に対して効果的な治療をさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。 半月板損傷でやってはいけないことを避けて症状改善を目指そう 本記事では、半月板損傷でやってはいけいないことについて解説しました。 半月板損傷は自然治癒が期待できず、放置することで症状が進行し、日常生活に支障をきたす恐れがあります。 そのため、半月板損傷と診断されたら膝への負担を避けて早期からの治療が重要です。 主な治療法には保存療法や手術療法があり、新しい選択肢として再生医療もあります。 半月板損傷を発症したら、まずは医療機関へ受診し、その方の症状にあった治療を受けましょう。 ▼半月板損傷を手術せずに治療できる >>【公式LINE限定】無料の再生医療ガイドブックはこちら 参考文献 (文献1) Estimation of the effect of body weight on the development of osteoarthritis based on cumulative stresses in cartilage: Data from the Osteoarthritis Initiative|PubMed
2022.02.15 -
- ひざ関節
- 変形性膝関節症
- 膝の内側の痛み
年齢とともに増えてくる膝の痛みや違和感。 とくに中高年層に多く見られる「変形性膝関節症」は、膝の軟骨がすり減ることで痛みや歩行障害を引き起こし、進行すると日常生活にも大きな支障をきたします。 しかし、膝の負担を減らすための正しい知識と行動を取り入れることで、その進行を予防できます。 この記事では、膝の負担を増やす原因や避けたい動作、さらに効果的な運動や生活習慣の工夫まで、医療的な視点からわかりやすく解説します。 将来も自分の足で歩き続けるために、今からできる対策を確認してみましょう。 膝の負担が増える原因とは? 膝の痛みに悩む方は高齢になるにつれて増加する傾向があり、とくに中高年以降の女性に多く見られるのが「変形性膝関節症」です。 変形性膝関節症は、膝の軟骨がすり減ることで関節に炎症や痛みが生じ、進行すると歩行が困難になることもあります。 国内では、潜在的なものを含めると約3,000万人が変形性膝関節症を抱えていると推定されています。 変形性膝関節症が発症する主な原因は、「加齢」「外傷」「肥満」「遺伝的な要因」などが知られています。 さらに、普段の姿勢や動作のクセが、膝関節に過剰な負担をかけているケースもあります。 膝関節の構造と役割 変形性膝関節症を予防するために、まずは膝関節の構造を理解することが大切です。 膝関節は、太ももの大腿骨・すねの脛骨・膝のお皿の膝蓋骨から構成されています。 これらの骨の表面は、衝撃を和らげる役割をもつ関節軟骨に覆われています。 さらに、大腿骨と脛骨の隙間には、クッションのような役目をする半月板が内側と外側に1枚ずつ存在します。 この関節軟骨と半月板を合わせて、「膝の軟骨」と言います。 膝の軟骨には、関節をスムーズに動かす働きのほか、立ち上がりや歩行時の衝撃を分散し、膝へのダメージを軽減する重要な役割があります。 膝関節の主な動きは、膝を曲げ伸ばしする屈伸運動です。 加えて、わずかな回旋(まわす)運動がありますが、急激な曲げ伸ばしや無理なねじり動作は、軟骨に過度な負担をかけ、変形性膝関節症の原因になるおそれがあります。 日々の動作の積み重ねが、膝関節の軟骨をすり減らすきっかけになるため、正しい使い方を意識することが予防の第一歩です。 膝に負担がかかる日常の姿勢や動作 日常生活の中には、無意識のうちに膝に負担をかけている姿勢や動作が数多くあります。 以下のような動きには注意が必要です。 正座や深く膝を曲げてしゃがむ動作 両脚を横に投げ出して座る(横座り) あぐらをかく姿勢 歩行時や運動時の急な方向転換 これらの動作は、膝関節に過剰な負荷をかけることがあり、軟骨のすり減りにつながるリスクがあります。 また、膝の関節を安定させているのは、大腿四頭筋・ハムストリングスといった膝周囲の筋肉です。 これらの筋肉が働くことにより、膝の曲げ伸ばしなどの動作を安定して行えます。 しかし、加齢や運動不足によって筋力が低下すると、膝関節の安定性も低下し、結果的に軟骨への負担が上がります。 そのため、膝に負担のかかる姿勢を避けるとともに、筋肉を鍛えることも大切です。 日々の習慣を見直し、膝をやさしく使う意識を持つことが、変形性膝関節症の予防につながります。 膝が痛いときに「やってはいけない」NG行動 膝に痛みがあるときには、「安静にすべきか」「動かしたほうがいいのか」と迷うことがあるかもしれません。 しかし、間違った対応をしてしまうと、かえって膝の状態を悪化させる原因となることがあります。 以下のような行動は避けてください。 痛みを我慢して動き続ける → 炎症が悪化し、症状が進行するおそれがあります。 自己判断でマッサージをする → 炎症部位を刺激して、かえって悪化することがあります。 冷やす・温めるを間違える → 急性期は冷やす、慢性期は温めるなど、症状に合った処置が必要です。 痛みが出た直後で腫れや熱感がある場合(一般的には数日〜2週間程度)は、急性期の可能性があります。 サポーターやテーピングの誤用 → 誤った使用は膝に負担をかけることがあります。 サポーターやテーピングを装着する際は、きつく締め付けると血流を妨げたり、かえって痛みが強くなることがあります。適度な締め付けで、ずれない範囲で使いましょう。 また、症状の判断は難しいこともあるため、自己判断せず医師や理学療法士に相談してください。 膝の負担を減らす方法|日常生活で意識したいこと 膝の痛みや関節疾患を予防・改善するには、毎日の生活習慣を見直すことが大切です。 とくに、歩き方・立ち方・座り方といった基本的な動作や、靴の選び方、体重の管理といった身近なポイントに気を配ることで、膝にかかる負担を大きく減らせます。 ここからは、膝をいたわるために意識したい生活習慣の具体的な工夫をご紹介します。 膝にやさしい歩き方と立ち方 膝への負担を減らすには、日常の歩き方や立ち方を見直すことが重要です。 歩行時は、背筋を伸ばして視線を前に向け、かかとから着地してつま先で蹴り出すように意識しましょう。 足裏全体で地面を捉えるように歩くことで、膝にかかる衝撃をやわらげる効果があります。 また、立つときは片足に体重をかけず、左右均等に体重をのせるようにします。 猫背や反り腰の姿勢は膝関節に負担をかけるため、正しい姿勢を保つことが大切です。 毎日の動作を少し意識するだけでも、膝への負担軽減につながります。 靴やインソールで膝の衝撃をやわらげる方法 日常的に使用する靴やインソールを見直すことは、膝への衝撃をやわらげる有効な方法のひとつです。 とくに、クッション性が高く足にフィットする靴を選ぶことで、歩行時の膝関節への負担を軽減できます。 また、足のアーチをしっかり支える整形外科用インソール(足底板)を使用すると、体重が均等に分散され、膝へのストレスが和らぎます。 外反母趾や扁平足など、足の形状に合わない靴を履いている場合は、膝痛を引き起こす原因にもなりかねません。 体重管理と膝への負担の関係 体重は膝関節への負荷に大きく関係しています。 普通に歩くだけでも体重の約2 〜3 倍、走ると約3〜5倍もの負荷が膝にかかるとされており、体重が重いほど膝への負担も増すのです。そのため、肥満傾向の方は体重を適正に保つことで膝の負担を軽減できます。 また、適切な体重管理は、関節の安定性向上や外傷予防にもつながります。 変形性膝関節症が進行すると、膝の痛みをかばって運動療法ができないケースがあります。そうなると筋力や関節の可動域は低下し、さらに膝への負担があがるため、余計に痛みが悪化します。 痛みがないうちから筋力トレーニングや可動域訓練に取り組み、関節の安定性や柔軟性を高めることが大切です。 膝痛を悪化させない座り方・寝方の工夫 日常生活で膝への負担を軽減するには、座り方や寝方を見直すことも大切です。 とくに和式の生活スタイルでは、正座やあぐら、脚を横に崩して座る姿勢など、膝を深く曲げる動作が多く、関節に大きな負荷がかかります。 このような負担を減らすためには、椅子とテーブルを使う洋式の生活への切り替えがおすすめです。 また、布団よりもベッドのほうが、立ち上がる際の膝の負担を軽くできます。 膝の負担を減らすための効果的な運動と筋トレ方法 膝の痛みを予防し進行を防ぐには、適切な運動や筋力トレーニングが効果的です。 とくに、膝関節を支える太ももやお尻、体幹の筋肉を鍛えることで、膝への負担を軽減できます。 また、関節の可動域を保つストレッチや柔軟運動も重要です。 ただし、痛みが強いときには無理をせず、医師や理学療法士の指導のもと、安全に行いましょう。 ここでは、日常的に取り入れやすい基本的なトレーニングやストレッチのポイントをご紹介します。 太もも(大腿四頭筋)を鍛える 太ももの前側にある「大腿四頭筋」は、膝関節を支えるうえでとても重要な筋肉です。 この筋肉を鍛えることで、歩行や立ち上がり動作が安定し、膝への負担を軽減できます。 初心者でも取り組みやすいトレーニングとして、次の方法があります。 椅子に浅く腰掛けます 片側の膝を伸ばし、そのままの姿勢を5~10秒キープします ゆっくり元に戻し、反対側も同様に行います 左右交互に10回ずつ、1日2セットを目安に行いましょう。 お尻・腹筋も重要!全身のバランスを鍛える 膝の負担を減らすには、太ももだけでなく、お尻(臀部)やお腹(腹筋)といった体幹まわりの筋肉もバランスよく鍛えることが大切です。 これらの筋肉がしっかり働くと、立つ・歩くといった基本の動作が安定し、膝への負担を分散できます。 ヒップリフト 仰向けに寝て、膝を立てる お尻をゆっくり持ち上げ、数秒キープしてから元に戻す お尻の筋肉を意識して、10回×2セット ドローイン 椅子に浅く腰かけて、背筋を伸ばす お腹に力を入れて、ゆっくりへこませる そのままの状態で、自然な呼吸を数回繰り返す 体幹を整えるのに効果的です。 ストレッチで膝まわりの柔軟性を保つ 膝にやさしい体づくりには、筋肉を鍛えるだけでなく、柔軟性を保つことも大切です。 関節まわりがかたくなると動きがスムーズにいかず、膝に余計な負担がかかってしまいます。 以下のストレッチは、毎日お風呂あがりなど体が温まった状態で行うのが効果的です。 太ももストレッチ 浴槽の中で両脚を伸ばし、片側の太ももを両手で抱えながら、かかとをお尻のほうへ引き寄せます。 無理のない範囲で膝を曲げ、数秒キープしたらゆっくり戻します。 膝伸ばしストレッチ 同じく浴槽内で、かかとを前へ滑らせるようにして、膝をできるだけ伸ばします。 ゆっくりと呼吸しながら、力まずに行います。 どちらの体操も、無理なく痛みの出ない範囲で行いましょう。 運動を安全に続けるためのポイントと注意点 膝の負担を減らすには、筋力トレーニングや体重管理が効果的です。 しかし、無理に行うことで悪化してしまうこともあります。 大切なのは、無理なく継続できる負荷で取り組むことです。 高すぎる負荷や急な運動は避け、運動後に疲労が残るような内容は見直しましょう。 膝の違和感や痛みがあるときは医療機関へ相談を 変形性膝関節症の初期には、立ち上がりや歩きはじめに膝に痛みや違和感を覚えます。 しかし、動き続けるうちに痛みが和らぐケースも多く、いつの間にか治ったと見過ごされがちです。 こうした違和感は、膝のトラブルが進行しているサインかもしれません。 膝の異変を感じたら、我慢せず早めに医療機関へ相談しましょう。 変形性膝関節症には、保存療法や手術だけではなく再生医療という治療法もあります。 再生医療は、他の細胞に変化する分化能という能力がある幹細胞を使用する治療法です。詳しくは当院「リペアセルクリニック」へお気軽にご相談ください。 まとめ|膝にやさしい生活習慣で関節疾患の進行を防ごう 膝の痛みが続くと、階段の上り下りや正座など、日常の何気ない動作が難しくなることがあります。 症状が進行すると、膝の手術をすすめられることもありますが、手術には体への負担があり、決断することは難しいはずです。 たとえ、手術をせずに運動療法などの保存療法に取り組んだとしても、痛みが悪化すれば満足に運動が継続できず、ますます身体機能が低下します。 やがては外出するのも億劫になり、寝たきり生活を余儀なくされる場合があります。 だからこそ、症状が軽いうち、もしくは痛みを感じ始めた段階で、予防と対策を始めることが大切です。 膝への負担を避けながら、筋力トレーニングで関節を安定させるように、バランスの取れた予防に取り組みましょう。 変形性膝関節症には、再生医療という手術を伴わない治療法もあります。 膝の痛みが気になる方は、お気軽にご相談ください。
2022.02.15 -
- 糖尿病
- 内科疾患
2024年11月に発表された「国民健康・栄養調査」によれば、糖尿病の疑いが強い人は成人男性の16.8パーセント、女性は8.9パーセントにものぼります。(文献1) 糖尿病は完治しない病気であるといわれていますが、筋トレやウォーキングなどの運動を日常に取り入れることで、薬のみに頼らずとも症状を改善していくことは可能です。 この記事では、筋トレをはじめとする運動療法が糖尿病の改善につながる理由、糖尿病の方におすすめな運動方法を紹介しています。 糖尿病の完治は難しいが筋トレで改善が目指せる まず重要なポイントとして、糖尿病は完治する病気ではありません。 これは、血糖値が上昇しやすい代謝特性や加齢による生理的変化を根本的に変えることができないためです。 しかし、血糖値が上がらないよう生活習慣の見直しを続けることで、薬に頼らずに血糖値を下げ「寛解(一時的に症状が軽減・消失した状態)」を目指すことはできます。 薬に頼らない治療法には、筋トレやウォーキングなどの「運動療法」、食生活を見直す「食事療法」が主に挙げられます。 糖尿病の改善に筋トレが有効な理由 運動療法は、2型糖尿病を患っている人にとって重要な治療のひとつです。 日本糖尿病学会が発表しているガイドラインによると、運動療法を取り入れることで、以下の症状が改善するとされています。(文献2) 血糖コントロールの改善 肥満 内臓脂肪の蓄積 インスリン抵抗性 脂質異常症 高血圧症 慢性炎症 うつ状態 認知機能障害 上記は有酸素運動、筋トレ(無酸素運動)どちらを行っても得られる効果です。どちらか一方を行うより、有酸素運動と筋トレ(無酸素運動)を組み合わせることでさらに効果が上がることが報告されています。 さらに、高齢者の糖尿病患者の人は非糖尿病患者と比べて筋肉量の低下が著しいことが指摘されています。 有酸素運動の実施が困難な高齢者の人にとって筋トレ(無酸素運動)は有効な手段のひとつだといえるでしょう。 糖尿病は筋力の低下を引き起こす 糖尿病の改善に筋トレが有効な理由として、糖尿病を患っている人は非糖尿病患者と比べ筋肉量が減りやすいという点が挙げられます。 糖尿病は血糖値を下げるインスリンというホルモンの働きが弱くなることで発生します。 インスリンは血糖値のコントロールだけでなく、細胞の成長を促す特性も備えています。インスリンの働きが弱くなることによって、細胞の成長も低下し、筋肉にも影響を与えてしまうのです。 さらに、神戸大学の研究では、血糖値の上昇によって発生するKLF15というタンパク質によって筋肉の成長が抑制され、筋肉量の減少を起こしていることが明らかになりました。 健康な人は、KLF15を分解し量を減少させるWWP1というタンパクの一種が発生することで筋肉量の低下を防いでいます。しかし、糖尿病の人は血糖値の上昇によりWWP1が減少してしまうため、筋肉量が落ちてしまうのです。(文献3) 上記の理由からも、能動的に筋トレを行うことが重要であるとわかります。 体重のコントロールの必要性!肥満の悪循環を知る 糖尿病の寛解を目指す臨床試験「DiRECT」がイギリスで行われ、食事療法と運動療法をしっかり行い、体重をコントロールすることで2型糖尿病患者の半数近くは「寛解(症状が軽減・消失した状態)」を維持できることがわかりました。 では、なぜ食事療法と運動療法と体重コントロールだけで、薬物を使わず「寛解」を達成できたのかを解説します。 暴飲暴食や運動不足が続くと、全身に脂肪がたまり、肝臓にも脂肪がたまります。脂肪がたまった肝臓は働きが低下します。肝臓の働きが低下するとインスリンへの体の反応が鈍くなることがわかっています。これを「インスリン抵抗性」といいます。インスリン抵抗性が強まると、体は大量のインスリンを必要とするようになります。 すると、すい臓は「フル稼働」でインスリンをつくろうとするので、次第に疲弊してインスリンの分泌に支障をきたすようになります。インスリンの分泌が減ると、さらに肝臓に脂肪がたまるので、インスリン抵抗性がさらに強まってしまうのです。 この悪循環を断ち切るには、食生活と運動不足を改善し、脂肪がたまらないように肥満を解消する必要があります。 糖尿病の悪循環(断ち切ること) 暴飲暴食、運動不足で全身に脂肪がたまる 肝臓に脂肪がたまり、肝臓の働きが低下 インスリン抵抗性が発生:インスリンへの体の反応が鈍くなる インスリン抵抗性が強まる:大量のインスリンが必要となる すい臓が最大限に働いてインスリンをつくる 疲弊し、インスリンの分泌に支障をきたす インスリンの分泌が減ると、さらに肝臓に脂肪がたまる インスリン抵抗性がさらに強まる>ますます悪化 糖尿病の悪循環を断ち切るには肥満の解消が必要 2型糖尿病の改善には、上記の悪循環を断ち切ることが必要です。悪循環のメカニズムを知れば、「体重コントロール(脂肪を減らす)」によって症状を緩和できることが理解できると思います。 体重コントロールとは、標準体重(身長(m)×身長(m)×22)に近づけることです。 糖尿病の場合、標準体重と比べてやせている人より、太っている人のほうが問題になります。 食事量のコントロールも効果的ですが、脂肪を燃焼させるための筋肉がなければ長期的な改善は難しいといえるでしょう。 糖尿病を改善するおすすめの筋トレ方法を紹介 糖尿病の改善のために推奨されている筋トレ方法について、厚生労働省が推進している「2型糖尿病の人を対象にした運動プログラム」から抜粋して紹介します。 運動療法は主治医と相談の上で行ってください。代謝のコントロール状態や心疾患などの合併症、整形外科的疾患による運動の制限が必要な場合があります。 有酸素運動 有酸素運動はインスリンの働きを強め、糖の流れを改善してくれます。 ウォーキング トレッドミル エアロバイク エアロビクス ヨガ 水中歩行 などが推奨されています。運動の頻度は週に150分以上の中等度~高強度の運動がガイドラインでは推奨されていますが、週30分~100分程度の運動でも血糖改善効果が出ていることがわかっています。(文献2) 無理のない範囲で取り入れてみてください。 有酸素運動に併せて筋トレ(無酸素運動)を行う 有酸素運動と併せて筋トレ(無酸素運動)を行うことで、糖尿病の改善効果をさらに高めることができます。 糖尿病患者の方におすすめしたいのは、大きな筋肉を鍛えるトレーニングです。 大きな筋肉として挙げられるのは「胸」「背中」「下半身」の3カ所です。ダンベルなどの重りを使用し、適切なフォームで行いましょう。 動作中に重りをあげる際は息を吐き、重りを下げる際は息を吸うと筋肉の成長に効果的です。 各部位のトレーニングでは以下の種目がおすすめです。 胸筋 ダンベルフライ:仰向けに寝て、両手のダンベルを胸の上で開閉させる運動 チェストプレス:仰向けで両手のダンベルを胸から上へ押し上げる運動 水中で腕を開閉する運動 背筋 ダンベルローイング:前かがみになり、ダンベルを腰の高さまで引き上げる運動 ラットプルダウン:上部のバーを肩の高さまで引き下げる運動 バックエクステンション:うつ伏せで上半身を持ち上げる運動 下半身 ダンベルスクワット:両手にダンベルを持ち、膝を曲げ伸ばしする運動 レッグプレス:足で重りを押し出す運動 ダンベルを使用する運動と考えるとハードルは高いですが、自重のトレーニングでも十分効果は得られます。 ジムに行くことが困難だったり、ダンベルを持っていないという人は、ダンベルの応用として水を入れたペットボトルを使うこともおすすめです。 医師と相談し、自分に合った筋トレを選ぶ 糖尿病の改善のため運動療法に取り組みたくても、体調面の制約や時間的な余裕がない方もいるでしょう。 ある研究では短い運動時間でも血糖値の抑制は可能であるという報告が上がっています。まずは散歩や軽いストレッチなど、負担の少ない運動から始め、徐々に強度や時間を増やしていきましょう。 いきなりの高負荷な運動はけがのリスクを高めてしまうため注意が必要です。 運動を始める前には必ず主治医に相談し、ご自身の状態に適した運動の種類や強度、頻度について指導を受けることが重要です。 筋トレ以外の治療法 ここまで運動療法を中心に紹介しましたが、運動療法以外にも糖尿病の改善に効果的な治療法として食事療法があります。 また、近年は「再生医療」の注目も高まっています。それぞれの治療法についても理解を深めていきましょう。 糖尿病には筋トレだけでなく食事療法も効果的 糖尿病の改善には体重コントロールが必要ですが、運動療法だけでは十分とは言えません。適切な筋トレや有酸素運動を行っていても、食生活の改善がなければ摂取カロリーが過剰なままとなり、十分な効果が得られないことがあります。運動療法と食事管理を組み合わせることで、より効果的に糖尿病の症状を改善できます。 糖尿病患者の理想の食生活ポイント 糖質やカロリーの低い食事を摂る 1日3食、規則正しい時間に摂る 1日の活動量に合わせた適正なエネルギー量の食事をする 栄養バランスの取れた食事をする 食事量が多い人は、食事量を適正エネルギー量に調整しましょう。 1日の適正エネルギー量は、人によって異なり、「標準体重×身体活動量」で算出できます。 標準体重と身体活動量 標準体重=身長(m)×身長(m)×22 身体活動量 軽い労作(デスクワークが多い)25~30kcal/kg 普通の労作(立ち仕事が多い)30~35kcal/kg 重い労作(力仕事が多い)35~kcal/kg 近年糖尿病の治療として注目されている「再生医療」 再生医療とは、患者様自身の細胞から採取・培養した幹細胞を投与する先進的な医療法です。 糖尿病治療においては、自身の脂肪から培養した幹細胞をすい臓に投与することで、弱っていたすい臓の機能の改善を図ります。 すい臓が回復することによりインスリン分泌の増加、血管内の糖の吸収を促進することが可能になります。 一般的な内服治療やインスリン治療では糖尿病の進行を遅らせる効果はあるものの、根本的な回復を目指す治療ではありませんでした。 再生医療は自分自身が持つ「回復力」にアプローチする治療であるため、薬物療法とは異なった治療法だといえます。 まとめ|糖尿病は筋トレや運動療法、再生医療で改善を目指そう 「糖尿病は、一度発症すると完治しない」と、よく言われています。しかし、筋トレなどの運動療法や食事療法を通じて症状を改善することは可能です。特に2型糖尿病では、肥満や不健康な生活習慣が悪循環を生み出し、症状を悪化させることがあります。 この悪循環を断ち切るためには、食事のタイミングや、量をコントロールして、更に運動を行うことで脂肪を減少させることに取り組むことが重要です。 実行にあたっては医師の指導を受けながら、病状の管理に取り組みましょう。 また、糖尿病に対しては、運動療法の他にも「再生医療」という治療法もあります。 糖尿病に対する再生医療について詳しくは、以下のページをご覧ください。 参考文献 (文献1) 厚生労働省「令和5年 国民健康・栄養調査結果の概要」 2024年 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_45540.html(最終アクセス:2025年3月25日) (文献2) 日本糖尿病学会. 糖尿病診療ガイドライン2024「第4章 運動療法」pp.67-68.日本糖尿病学会, 2024年. https://www.jds.or.jp/uploads/files/publications/gl2024/04_1.pdf(最終アクセス:2025年3月25日) (文献3) Hirata Y, et al. (2019). Hyperglycemia induces skeletal muscle atrophy via a WWP1/KLF15 axis. JCI Insight, 4(4), e124952. https://doi.org/10.1172/jci.insight.124952(最終アクセス:2025年3月25日)
2022.02.11 -
- ひざ関節
- 下肢(足の障害)
- 膝の外側の痛み
- 膝の慢性障害
- スポーツ外傷
スポーツや運動をする際に、走ったりジャンプをしたりする動きは膝に大きな負担をかけます。膝への負荷が長く続くと、靭帯や腱の組織が損傷して炎症を起こし、痛みを引き起こす可能性が高まります。 このような膝の痛みは、いわゆるスポーツ障害の一種で「膝の慢性障害」です。運動による膝の使い過ぎが原因となるため、スポーツによる「使い過ぎ症候群」とも呼ばれています。 今回は、膝の使い過ぎによって発症する慢性障害の症状と対処法について詳しく解説します。スポーツによる膝の痛みを抱えている方は、ぜひ参考にしてください。 スポーツによる膝の痛みを引き起こす3つの要因 スポーツによる膝の痛みは、軽度であれば、通常通りトレーニングやプレーできるため、大きな影響はないでしょう。しかし、症状が進行すると常に膝が痛むようになり、プレーに支障をきたすようになります。 さらに重症化してくると、運動が出来なくなったり、靭帯や腱が断裂をしたりするなど、スポーツによる膝の慢性障害につながるため注意が必要です。 スポーツによる膝の痛みは、主に3つの要因があります。 身体要因 環境要因 トレーニング要因 以下で、それぞれ詳しく見ていきましょう。 1.身体要因 スポーツによる膝の痛みを引き起こす要因の一つが、身体要因です。 太ももやふくらはぎなど、膝を支える筋力が不足していると、膝にかかる負担が大きくなり、痛みを引き起こしやすくなります。また、筋肉のバランスが悪い場合や身体の柔軟性が不足している場合にも、膝に不均衡な力がかかったり、動きを制限したりする原因になります。 2.環境要因 スポーツによる膝の痛みは、環境要因によって引き起こされるケースも少なくありません。主な環境要因として考えられるのが、足に合わない靴や地面の硬さなどです。 たとえば、不適切な靴を履いていると足の動きが不自然になり、膝への負担が増加します。また、外でジョギングやランニングをする際、地面が硬すぎると膝への衝撃が大きくなり、柔らかすぎると足が沈んで膝に過度な負担がかかってしまいます。 3.トレーニング要因 トレーニング要因も膝の痛みを引き起こす原因の一つです。運動やトレーニングにおける過度な負荷や不適切な練習方法などによって、膝に痛みが生じるケースです。 たとえば、トレーニング量が多すぎたり、体力や技術に合わない運動をしたりすると、膝にかかる負担が蓄積されやすくなります。適切な休養を設けずに連続して運動すると、膝の筋力の回復を妨げ、慢性障害を引き起こすリスクを高めます。 なお、膝の痛みは、それぞれの要因が複合的に影響して引き起こされるケースがほとんどです。そのため、スポーツや運動をする際は、適切な休養を取りながら、膝に負担がかかりすぎないための配慮が必要です。 スポーツによる膝の痛み|代表的な4つの慢性疾患 前述の要因により引き起こされる、スポーツによる膝の慢性障害の代表的な症状として、以下の4つが挙げられます。 鵞足炎 大腿四頭筋腱付着部炎 膝蓋腱炎 腸脛靭帯炎 それぞれの症状は、ひざ関節の外側や内部で生じるもので、特定の動きにより発症しやすくなります。 1.鵞足炎 鵞足(がそく)とは、ひざを曲げる筋肉や腱が付着する骨の部位のことです。とくに、ランニングや急な方向転換、足を後ろに蹴り出す動作などを繰り返すことで、鷲足がすれて炎症を引き起こします。 主な症状は、内側膝部の痛みや曲げるときの違和感などです。長時間または高頻度で膝に負担をかけるような動作を続けていると、鷲足炎を発症するリスクが高まります。 ▼ 鵞足炎の治療法を詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。 2.大腿四頭筋腱付着部炎 大腿四頭筋腱とは、膝の前面から膝蓋骨(膝の皿)を通って、膝の下部に付着する筋肉の腱です。大腿四頭筋腱付着部炎は、膝関節の外側の炎症によって症状が現れます。膝の前面に痛みを感じるほか、膝を屈伸する際に痛みが強くなる傾向です。 大腿四頭筋腱付着部炎は、バレーボールやバスケットボールなどのジャンプ動作やジョギングなど、膝に衝撃が加わる動作を繰り返すことで発症しやすくなります。 ▼ 大腿四頭筋腱付着部炎の治療法については、以下の記事で詳しく解説しています。 3.膝蓋腱炎 膝蓋腱炎は、膝蓋骨(膝の皿)の下部からすぐ下の靭帯にかけて炎症が生じる疾患です。バレーボールやバスケットボールなど、ジャンプ動作の繰り返しが多いスポーツで発症しやすいとされています。 主な症状は膝蓋骨の下部の痛みで、とくにジャンプをした後やランニング後に痛みが強くなることが特徴です。また、膝を屈伸する動作でも痛みを感じることがあります。 ▼ 膝蓋腱炎について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。 4.腸脛靭帯炎 腸脛靭帯は、膝の外側を通る大きな靭帯で、太ももの筋肉と膝をつなぐ役割を担っています。腸脛靭帯炎は、長距離のランニングや長時間の膝の屈伸運動などによって、腸脛靭帯が外側の骨と擦れ合って炎症を起こし、発症する疾患です。 膝の外側に痛みを感じ、ランニング後や歩行後には痛みが強くなることもあります。また、症状が進行すると歩行に支障をきたす場合があるため注意が必要です。 ▼ 腸脛靭帯炎を早く治す方法を詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。 スポーツによる膝の痛みに対する再生医療の可能性 スポーツによる膝の痛みの治療法は、疾患の種類や程度によって異なります。膝の痛みに対する治療法として、主に以下のような選択肢があります。 手術療法 物理療法 リハビリテーション 再生医療 物理療法で効果が得られない場合に、手術に代わる治療法として注目されているのが再生医療です。再生医療とは、自然治癒力を最大限に引き出すための医療技術です。自己脂肪由来幹細胞の投与によって、膝の痛みに対する治療効果が期待できます。 リペアセルクリニックでは、再生医療による膝の痛みの治療が可能です。メール相談やオンラインカウンセリングも実施しているので、治療法でお悩みの方はぜひ気軽にご連絡ください。 スポーツによる膝の慢性障害への対処法 スポーツによる膝の慢性障害への対処法としては、症状が出るのを予防したり、発症してしまった症状を改善したりすることが重要となります。そして、膝の痛みを予防するためには、自己対処も必要です。 以下で、スポーツによる膝の慢性障害への代表的な対処法をまとめているので、ぜひ参考にしてください。 ストレッチ 体の柔軟性を高めるために、運動開始前には十分なストレッチを行うことが大切です。運動前に体の筋を十分伸縮させて筋肉の緊張をほぐすことで、運動による膝への衝撃を和らげられます。また、ストレッチによって関節の可動域を広げることで、ケガのリスクを減らせます。 なお、膝に痛みを感じているときは、できるだけ足を伸ばしたり、痛みが強くなる前にストレッチを終えたりするなど、無理なく行うことが大切です。 アイシング 運動後に膝の痛みや違和感を感じたときは、アイシングが効果的です。氷や水などで膝を局所的に冷やすことで、急性炎症を抑えられます。冷却効果によって血流が制限されると、炎症が鎮まって痛みの軽減につながります。アイシングは15分程度、痛みが強い場合には数回に分けて行うと良いでしょう。 なお、膝を冷やすときは直接肌に氷を当てないよう、タオルに包んだり専用のアイシングバッグを使用したりしてください。また、過度に冷やしすぎないように注意しましょう。 筋トレやリハビリテーション スポーツによる膝の痛みに対して、筋力トレーニングやリハビリテーションが必要になるケースもあります。膝周りの筋力を強化すると、効率的に回復を目指せるほか、再発防止にもつながります。 膝の慢性障害を発症してしまったら、適度に休憩を取ったり、強度の低いトレーニングに変更したりして、調整することが大切です。また、症状が重い場合には、リハビリテーション専門のトレーナーや理学療法士と連携しながら、トレーニングに取り組む必要があります。 まとめ・スポーツによる膝の痛みを感じたら早めに医療機関を受診しよう 健康意識の高まりとともに、趣味で競技スポーツをする方が年々増加傾向にあります。 体に過度な負担がかからない範囲で運動するのは良いでしょう。しかし、無理な運動をしたり足に合わない靴を履いて膝に負荷をかけ続けたりしていると、スポーツによる膝の慢性障害を発症する確率が高くなるため注意が必要です。 また、我慢できる程度の痛みだからといって、ストレッチや運動後のケアを怠らないよう気をつけてください。場合によっては、症状が悪化して日常生活に支障が出る可能性も考えられます。 スポーツによる膝の慢性障害は症状が進行すると、自然治癒が難しくなり、手術が必要になるケースも珍しくありません。そのため、スポーツによる膝の痛みを感じたら、できるだけ早めに医療機関に相談しましょう。 リペアセルクリニックでは、メール相談やオンラインカウンセリングを実施しています。スポーツによる膝の痛みでお困りの方は、ぜひ気軽にご相談ください。 ▼ 症状別に考えられる膝の病気について詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
2022.02.10 -
- 手部
- 手部、その他疾患
手首に痛みを感じる場合、捻挫や腱鞘炎だけでなく「TFCC損傷」の可能性も考えられます。 とはいえ、TFCC損傷という病名は聞きなれない方も多く「TFCC損傷の可能性があるなら病院に行くべき?」「完治するのかな?」と不安になるかもしれません。 TFCC損傷は、軽症であれば自然治癒することもありますが、適切な治療を受けなければ改善が見込めないケースもあります。 そこで今回は、TFCC損傷が疑われるときに病院に行くべき基準や、治療方法について解説いたします。 手首の痛みで病院に行くべきかお悩みの方は、本記事を参考にしてください。 TFCC損傷は病院に行くべきか?症状から判断する3つの基準 TFCC損傷とは、手首の付け根の靭帯であるTFCC(三角線維軟骨複合体)に生じる損傷です。 小指側に痛みや腫れが生じるため、可動域が制限されたり手首の動作によってさまざまな症状が現れます。 以下の症状に当てはまる場合は、整形外科での受診を検討してみてください。 ドアノブを回したりタオルを絞るだけでも手首に痛みが出る 手首の小指側を押したときに痛みが出る 安静にしていても手首に痛みを感じる それぞれの症状をさらに詳しく解説します。 また、TFCC損傷の詳細や診断方法については、以下の記事も参考にしていただければ幸いです。 ドアノブを回したりタオルを絞るだけでも手首に痛みが出る ドアノブを回したりタオルを絞るだけでも手首に痛みが出る場合は、病院に行くことを検討しましょう。 手首の動作で違和感や痛みを感じるのはTFCC損傷の可能性があります。 他にも「ドアの鍵を回す・蛇口をひねる」など一般的な動作も困難になると、日常生活に支障をきたすため注意が必要です。 手首の可動域が制限されてきたと感じたら、放置せず専門医の診察を受けたほうが良いでしょう。 手首の小指側を押したときに痛みが出る 2つ目は「手首の小指側を押したときに痛みが出る」場合です。 手首の小指側に触れたときに痛みが生じる場合、TFCC損傷のサインかもしれません。 たとえば、以下の症状が出ていたら病院での検査を検討してみてください。 手首の小指側を押したら痛い 手首を外にひねると痛い 手首をつくと痛い 手首を小指側に曲げると痛い 早めに医療機関で検査を受けることで、必要な治療やケアが行えます。 安静にしていても手首に痛みを感じる 3つ目は「安静にしていても手首に痛みを感じる」場合です。 日常生活で動かさなくても手首の痛みを感じる場合、TFCC損傷が進行している可能性があります。 そのため、安静にしていても痛みが引かない場合は自己判断で放置せず、医療機関で詳しい検査を受けることをおすすめします。 TFCC損傷の重症度チェック!軽症と重症の違い TFCC損傷の症状は軽症のものから難治性まで幅広く、対処法も異なります。 適切なケアを行うためには、まず損傷の重症度を確認することが重要です。 本章では、軽症と重症の違いについて詳しく解説します。ただし本章はセルフチェックに留め、手首の痛みが続くようであれば早めに受診することをおすすめします。 軽度の損傷は安静にすることで自然治癒が期待できる 軽度のTFCC損傷であれば、まずは安静にして様子を見るのも有効です。 手首の痛みが比較的軽く、日常の動作に大きな支障がない場合はサポーターの着用で改善が見込めます。 安静にしていれば数日から数週間で自然治癒が期待できるでしょう。 痛みが徐々に和らいでいる場合には、無理に病院に行かず自己管理で回復を目指すのも1つの方法です。ただし痛みが続く場合は早めに受診しましょう。 重度・難治性の損傷は安静や装具のみでは改善しない 手首の痛みが強く、安静にしても改善が見られない場合は重度のTFCC損傷が疑われます。 難治性の損傷では、手首の内部に強い炎症が起きており、安静や装具だけでは回復が難しい可能性が高いといえます。 重度の場合は放置していても改善が望めないため、自己判断せずに専門医に相談し、詳しい検査や適切な治療を受けましょう。 TFCC損傷を診断する3つの検査方法 医療機関でTFCC損傷を診断するときは、以下3つの検査を行います。 身体所見 X線検査 MRI検査 診断の流れを知ることで、適切なタイミングで医師に相談しやすくなるでしょう。 身体所見で痛みや症状をチェック まずは身体所見で手首の痛みや可動域を確認します。 医師が手首を動かしたり、患部を押してみて痛みの場所や動かしづらさを調べるのが一般的です。 身体所見は直接的な痛みを把握でき、どの程度の負荷で痛みが出るかを確認することが重要です。 身体所見でTFCC損傷の可能性が高まった場合、さらに精密な検査へと進みます。 X線検査で骨の異常や変形をチェック X線検査は、骨の異常や変形の有無を確認するために行われます。 TFCC損傷は主に軟部組織の損傷ですが、骨折や骨の変形が関係している場合もあるため、X線によるチェックが有効です。 手首に強い痛みがある場合や、外傷を伴うときには適切な治療を進めるためにX線検査が重要な役割を果たします。 MRI検査で軟部組織の損傷を確認 MRI検査では、手首の軟部組織の状態を詳しく観察します。 TFCC損傷は軟部組織が関わるため、MRI検査を行い、X線では確認できない細かな損傷を把握するために重要です。 MRI検査で高信号が見られる場合は炎症が強くなっている可能性があり、早期治療が求められるケースもあります。 手首の内部構造を把握し、適切な治療方法を決定するために必要な検査だと言えるでしょう。 TFCC損傷の改善に期待できる5つの治療法! TFCC損傷は、症状や重症度に応じてさまざまな治療法の選択肢があります。TFCC損傷の改善に有効とされる治療法は以下の5つです。 保存療法 薬物療法 リハビリ療法 手術療法 PRP療法 それぞれの方法を知ることで、適切な治療の選択がしやすくなるでしょう。 保存療法|安静・サポーター・アイシングで回復を促す 保存療法とは、安静にしてサポーターやアイシングによって回復を促す方法です。 軽度のTFCC損傷の場合、手首を休ませることで自然治癒が期待できます。 症状が軽度な場合に効果的で、初期段階での対処として推奨されます。 薬物療法|痛みや炎症を抑える薬の使用 薬物療法は、炎症や痛みを和らげるために痛み止めや抗炎症薬を使用する方法です。 ただし、薬はあくまで症状を緩和するものであり、根本的な治療にはなりません。 定期的に症状が続く場合は、他の治療法と組み合わせると良いでしょう。 リハビリ療法|可動域を戻すための運動療法 リハビリ療法では、手首の可動域を徐々に戻すための運動療法が行われます。 損傷部位の負担を少しずつ減らしながら、関節の柔軟性と筋力を高めるアプローチです。 痛みが軽減した後の段階でリハビリを開始すると、再発を防ぎ日常生活への復帰がスムーズに進むでしょう。 手術療法|損傷部の縫合や再建手術が必要な場合 重度のTFCC損傷や、保存療法や薬物療法で改善しない場合には手術療法を検討します。 手術では、損傷した部位を縫合したり再建手術で修復したりする方法が取られます。 手術によって症状が改善される可能性が高まりますが、術後はリハビリが必要となるでしょう。 そのため、手術を受けるかどうかは、医師と相談して慎重に判断してください。 PRP療法|TFCC損傷の治療に効果が期待できる再生医療 PRP療法とは、患者自身の血液から血小板を抽出し濃縮して損傷部に注入し、修復効果を高める治療法です。この方法は、プロスポーツ選手の肘の治療に使用されるなど、スポーツ医療で注目されています。 また、慢性的な痛みやスポーツへの早期復帰を望む方、薬のアレルギーがある方にも適した治療といえます。近年注目されている再生医療による治療も、新たな選択肢として考えてみると良いでしょう。 ちなみに当院「リペアセルクリニック」では、TFCC損傷でお悩みの方にもPRP療法を提案しております。 まとめ|TFCC損傷の疑いがあれば病院に行って適切な診断をしてもらおう TFCC損傷による手首の痛みは、日常生活や仕事に影響を与えるケースが多く、無理に放置するのはおすすめできません。 ドアノブやタオルを使うだけでも痛みを感じる場合や、小指側に痛みがあるときはTFCC損傷の可能性を疑いましょう。 適切な治療で早期回復にも期待できるため、TFCC損傷の疑いがあれば早い段階で病院には行くべきだといえます。 日常生活を快適に送るためにも、まずは医師に相談してご自身に合った治療法を見つけてください。 また、当院「リペアセルクリニック」ではTFCC損傷の治療法の1つであるPRP療法についてもご相談いただけます。
2022.02.08 -
- ひざ関節
- 変形性膝関節症
- 膝の内側の痛み
「変形性膝関節症」と聞くと、高齢者の病気と思われがちですが、10代〜30代の若い世代でも発症する可能性のある病気です。 スポーツのやりすぎ、生活習慣、体の使い方のクセなど、若い人ならではの原因が隠れていることも少なくありません。 本記事では、若いのに変形性膝関節症になる主な原因と今すぐできる対策についてわかりやすく解説します。 「まだ若いから大丈夫」と思っている方こそ、ぜひ参考にしてみてください。 変形性膝関節症が若い人に起こる原因とは? 変形性膝関節症とは、膝関節の軟骨がすり減ることで、関節に痛みや腫れ、可動域の制限などが生じる疾患です。 近年では若い世代でも発症するケースがあり、年齢に関係なく注意が必要です。 若い人が変形性膝関節症になる主な原因として、次の5つが挙げられます。 激しいスポーツや運動による膝への負荷 肥満・姿勢の悪さ・筋力不足といった生活習慣 半月板損傷など膝関節の怪我や外傷歴 成長期で膝関節を使いすぎている 遺伝的な骨格・体質 それぞれの原因について、詳しく見ていきましょう。 激しいスポーツや運動による膝への負荷 サッカーやバスケットボール、陸上競技など、膝に強い衝撃が加わるスポーツを日常的に行っていると、関節の軟骨がすり減りやすくなります。 とくに、ジャンプや着地、急な方向転換を繰り返す動作は、膝に瞬間的かつ強い負担がかかります。 また、トレーニングのしすぎや、正しくないフォームで運動を続けることも膝に悪影響を与える一因です。 成長期の若者は、骨や関節がまだ未成熟なため、過度な負荷に対して十分な耐性がありません。 競技レベルが高い人ほど、膝を酷使している傾向があるため、予防の意識と適切な休息が重要です。 肥満・姿勢の悪さ・筋力不足といった生活習慣 肥満は、膝にかかる体重の圧力を増やし、関節の摩耗を早めるリスクが高まります。 また、猫背や反り腰といった長時間の悪い姿勢や膝まわり(大腿四頭筋やハムストリングスなど)の筋力不足も、膝へのストレスを高める要因になります。 こうした生活習慣は、日々の積み重ねによってじわじわと関節を痛めていくため、若いからといって油断せず、日常の姿勢や体の使い方に目を向けることが大切です。 半月板損傷など膝関節の怪我や外傷歴 過去に膝を捻った、転倒して強打した、スポーツ中に膝を痛めたなどの経験がある人は、変形性膝関節症を発症するリスクが高くなります。 なかでも、膝関節において重要な役割を果たしている半月板や靭帯は、一度傷つくと機能が低下し、関節全体に過剰な負荷がかかりやすくなります。 怪我をした当時は治ったと思っていても、数年後に膝の痛みや違和感として再発する可能性もあるため、外傷歴がある方は十分な注意が必要です。 成長期で膝関節を使いすぎている 10代〜20代前半は、骨や関節、筋肉が発達段階のため、身体がまだ完全に仕上がっていない状態です。 この成長期に無理なトレーニングや連日の激しい運動を続けると、膝の軟骨や関節に負担がかかりやすくなります。 また、柔軟性が不十分な状態で無理な動きを続けると、膝に偏った力が加わりやすくなり、関節へのダメージを加速させてしまいます。 部活動やクラブチームに所属している若い人は、毎日ハードな練習量をこなすことを「努力」と捉えがちですが、運動量と回復のバランスを見誤ると、取り返しのつかない関節障害につながる可能性もあります。 成長期の体は負担にもろいため、「頑張りすぎない」勇気も必要です。 遺伝的な骨格・体質 変形性膝関節症は、外部からの負荷や生活習慣だけでなく、遺伝的な骨格や体質が関係している場合もあります。 親や祖父母が変形性膝関節症を発症していた場合、関節の形状や軟骨の質が遺伝的に似ていることがあり、若い人でも同じように膝関節が擦り減りやすい傾向があります。 たとえば、生まれつき膝の構造に歪みがある場合やO脚・X脚などの骨格的なクセがあると、膝関節にかかる力のバランスが崩れてしまいます。 特定の部位だけに強いストレスがかかる状態が長期的に続くと、軟骨が早く擦り減ってしまうのです。 また、自分では気づきにくい体の使い方や歩き方の癖が原因になっているケースもあるため、家族に同様の疾患歴がある人は、より一層の注意と予防が必要です。 変形性膝関節症の進行を防ぐための4つの対策法 若い人が変形性膝関節症を発症した場合でも、進行を抑えて日常生活への影響を最小限にとどめることは可能です。 本章では、今すぐに取り組める次の4つの対策法をご紹介します。 適切な運動習慣と休息のバランス 膝まわりの筋トレ・ストレッチ 日常の姿勢改善や体重管理 痛みを感じたら医療機関で相談を 一つずつ詳しく見ていきましょう。 適切な運動習慣と休息のバランス 膝を支える筋肉を維持・強化するために、適度な運動は欠かせません。 しかし、膝に負担の大きい運動を続けると症状を悪化させる恐れがあるため、膝にやさしい運動を選ぶことが大切です。 以下の運動は、膝への衝撃を抑えながら筋力を保つことができます。 ウォーキング ストレッチ プールでの水中ウォーキングなど なかでも、水中ウォーキングは体重の負荷が軽減されるため、痛みがある人でも比較的無理なく継続できます。 また、使った筋肉を回復させるための「休息」も大事です。 適度な運動と休息を交互に取り入れることで、膝関節への負担を最小限にしながら健康的に筋力を維持できます。 膝まわりの筋トレ・ストレッチ 膝関節を安定させるためには、膝まわりの筋肉をバランスよく鍛えることが重要です。 とくに太ももの前側(大腿四頭筋)、裏側(ハムストリングス)、ふくらはぎ、そしてお尻(大臀筋)の筋肉を意識的に使うと、膝への負担を分散できます。 たとえば、椅子に座ったまま片脚を伸ばすレッグエクステンションや、壁に背をつけてゆっくりと腰を落とすウォールスクワットなどが有効です。 また、運動前後に次のようなストレッチを行うと筋肉の柔軟性を高め、膝関節の可動域が広がり、日常動作での負担を軽減できます。(文献1) 【太ももの前側(大腿四頭筋)のストレッチ】 立った状態で片足を後ろに引き、足首を持ってお尻に近づけます。 膝をそろえて、太ももの前が伸びているのを感じながら20〜30秒キープします。左右交互に行いましょう。 【太ももの裏側(ハムストリングス)のストレッチ】 片足を前に出してつま先を上げ、軽く膝を曲げた状態で上体を前に倒します。 背中を丸めず、太ももの裏が伸びるのを感じながらキープします。 【ふくらはぎのストレッチ】 壁に手をついて片足を後ろに引き、かかとを床につけたまま体重を前に移動させます。 ふくらはぎの伸びを感じながら、片足ずつ行います。 ストレッチは、筋トレの前後だけでなく、入浴後や就寝前など、体が温まっているときに行うと効果的です。 筋トレは、無理なく続けられる内容から始めましょう。 日常の姿勢改善や体重管理 普段の姿勢や体の使い方も、膝にかかる負担を大きく左右します。 たとえば、椅子に浅く腰掛けて背中が丸まっていたり、片脚重心で立っていたりするような姿勢は、膝関節に偏ったストレスを与える原因になります。 まずは、正しい座り方・立ち方・歩き方を意識するために、鏡で自分の姿勢を確認したり、動画を撮って客観的にチェックしてみましょう。 また、体重管理も膝関節の保護には欠かせません。 体重が増えるほど膝への負荷は大きくなるため、食事の見直しや有酸素運動による適正体重の維持も進行予防に大切です。 整骨院や理学療法士、パーソナルトレーナーの指導を受けて、姿勢や動きのクセを改善するのも選択の一つです。 痛みを感じたら医療機関で相談を 変形性膝関節症の進行を防ぐためには、早期発見・早期治療が重要です。 初期の段階で適切な治療を受けることで、症状の悪化を抑え、長く健康な膝を保つことができます。 医療機関ではレントゲンやMRIなどを使って膝関節の状態を詳細に確認し、原因に応じた適切な治療を行います。 また、痛みが強い場合は、炎症を抑える内服薬や注射治療などが選択される場合もあります。 若いからこそ「今のうちにケアする」ことが、将来的な膝の健康を大きく左右します。 違和感があれば、自己判断せず早めに専門医を受診しましょう。 変形性膝関節症に対する新しい治療法「幹細胞・PRP療法」 変形性膝関節症による痛みや軟骨の擦り減りに対して、手術以外の選択肢として再生医療があります。 再生医療の一つ、幹細胞治療は患者様自身から採取・培養した幹細胞を患部に投与する治療法です。 幹細胞には分化能と呼ばれる、他の細胞に変化する能力があります。 この能力を活用して変形性膝関節症では、すり減った軟骨の土台、軟骨下骨へ幹細胞を分化誘導(分化能を促す)します。 もう一つのPRP療法では、患者様から採取した血液を遠心分離器にかけて、血小板を濃縮した液体を作製します。 血小板・成長因子を含む液体を注射で患部に投与する治療法です。 幹細胞や血液どちらの治療も患者様自身の幹細胞・血液を使用するため、拒絶反応などのリスクが小さく、大きな手術や入院も不要で身体への負担が少ないのが特徴です。 年齢が若いうちから、進行を早期に食い止めることが将来の手術リスクを減らすことにもつながります。 再生医療について詳しくは、お気軽にお問い合わせください。 こんな症状がある若い人は要注意!早期発見のポイント 変形性膝関節症の症状としては以下があります。該当する症状があれば、年齢に関係なく一度医療機関で診察を受けることをおすすめします。 朝起きたときや運動の開始時に、膝にこわばりや痛みを感じる 正座や階段の上り下りなど、特定の動作で違和感がある 膝の動きに「引っかかる」「ガクッとする」ような感覚がある 歩行中に膝が不安定に感じたり、力が入らなかったりする 若い人の変形性膝関節症は、初期段階で適切に対処すれば進行を食い止められる可能性が高いため、早めの対処が大切です。 まとめ|変形性膝関節症は若い人でもなる!違和感を感じたら早めの対応を 変形性膝関節症は、年齢に関係なく発症する可能性がある疾患です。 激しいスポーツによる膝への負荷や、姿勢の乱れ・筋力不足といった生活習慣、過去の怪我、さらには遺伝的な要素など、若い人ならではの原因が関わっているケースも少なくありません。 初期症状は軽度のため見過ごしがちですが、違和感を感じた段階で適切に対処すれば、その後の悪化を防ぐことが十分に可能です。 膝の痛みや不調を「若いから大丈夫」と放置せず、自分の身体のサインにしっかりと向き合うことが大切です。 日頃から予防を意識し、必要に応じた医療機関への相談が、健康な膝を長く保つことにつながります。 変形性膝関節症の治療法には、保存療法・手術療法、そして再生医療があります。 治療についてお悩みの方は、お気軽にご相談ください。 参考文献 (文献1) メイヨー医学教育研究財団(MFMER)「基本的なストレッチガイド」健康的なライフスタイルフィットネス、2024年6月18日 https://www.mayoclinic.org/healthy-lifestyle/fitness/in-depth/stretching/art-20546848?utm_source=chatgpt.com(最終アクセス:2025年6月24日)
2022.02.08 -
- 糖尿病
- 内科疾患
「糖尿病だけど、運動しても大丈夫なのか不安…」 「運動をしてはいけない人もいるって聞いたけど本当?」 このように悩んでいる方もいるのではないでしょうか? 糖尿病の人にとって、適度な運動は血糖値を安定させる上で大切です。 しかし、すべての運動が良いわけではありません。間違った方法で運動すると、血糖値のバランスが崩れたり、合併症を悪化させたりして体に悪影響を及ぼすリスクがあります。 本記事では、糖尿病で運動療法をやめるべき基準や運動が許可された場合の注意点を解説します。運動療法の方針を考えていく際の参考にしてください。 【禁忌】糖尿病で運動療法をやめるべき基準 糖尿病の治療において運動療法は効果的な治療法の一つですが、患者様の状態によっては運動が逆に症状を悪化させる場合があります。 以下の条件は禁忌(実施すると危険性がある行為)に該当するため、運動療法をやめるべき基準となります。 増殖網膜症・増殖前網膜症を発症している レーザー光凝固後3〜6カ月以内の網膜症を発症している 第3B期(顕性腎症後期)以降の腎症(血清クレアチニン:男性2.5mg/dl以上、女性2.0mg/dl以上) 心筋梗塞など重篤な心血管系障害がある 高度の糖尿病自律神経障害がある 1型糖尿病でケトーシスがある 代謝コントロールが極端に悪い(空腹時血糖値≧250mg/dlまたは尿ケトン体中等度以上陽性) 急性感染症を発症している 自身がこれらの状態に該当するかどうかは、医師の診断や判断が必要です。糖尿病の方は運動療法をはじめる前に、必ず医師に相談してください。 糖尿病の基本的な治療は「運動療法」と「食事療法」 糖尿病の基本治療は、本来「運動療法」と「食事療法」です。それぞれの治療効果を詳しく見ていきましょう。 運動療法|運動しないとどうなるかのリスク管理も大切 運動療法は糖尿病の基本治療の1つです。 運動は血糖値を下げ、インスリン(血糖値を下げるホルモン)の働きを助ける効果があります。 糖尿病の人が運動をしないと、血糖値が上がりやすくなるほか、インスリンの働きも弱まるため、症状が悪化する可能性があります。 糖尿病の方に適した運動のタイミングは血糖値が上昇する食後です。食後の急激な血糖値上昇を運動によって抑えることが大切です。 毎日の生活の中に取り入れ、無理のない範囲で運動を続けましょう。 食事療法|食材選びや食べ方の工夫が症状を安定させるコツ 食事療法では、食べるものや食べ方を工夫して血糖値をコントロールしたり、適切な体重を維持したりするのが目標です。 血糖値の上昇を引き起こしやすい栄養素は、糖質です。糖質は、パンやご飯、甘いお菓子などに多く含まれます。一方で、食物繊維は血糖値の上昇を緩やかにする働きがある栄養素です。食物繊維は、野菜や海藻、いも類などに多く含まれています。 栄養バランスを考えた食事選びが、糖尿病管理の基本となります。 なお、糖尿病の治療においては再生医療も選択肢として挙げられます。体内の脂肪細胞を活用して、すい臓・血管の機能回復を図り糖尿病治療を進めます。 再生医療について詳しく知りたいという方は、メール相談、オンラインカウンセリング も承っておりますので、ぜひご活用ください。 【関連記事】 糖尿病!運動療法なら改善はもとより予防にも効果を発揮 効果が上がる!糖尿病の予防に最適な運動!その効果と注意点 運動療法の制限が必要な糖尿病の人|7つの特徴 糖尿病の方の中には、完全に運動を禁止するのではなく、医師の指導のもとで制限付きの運動療法が可能な場合があります。 以下は、注意深く運動を行う必要がある人の7つの特徴です。 インスリン治療中の人 単純網膜症の人 増殖前網膜症・増殖網膜症を患っている人 糖尿病神経障害の人 重篤な心血管障害や肺の病気を患っている人 腎症を患っている人 ケトーシス状態の人 それぞれの特徴を詳しく解説します。 インスリン治療中の人 インスリンを使った治療を受けている人は、運動のタイミングに注意が必要です。 適切な運動は血糖値を安定させるのに役立ちますが、誤ったタイミングで行うと低血糖を引き起こす危険があります。 とくに、寝起きや食事前は血糖値が低くなりやすいため、この時間帯の運動は避けたほうが良いでしょう。 運動中に血糖値が急激に下がると、めまいやふらつきが起こり、意識を失う可能性もあります。そのため、血糖値が上がりやすい食後に運動を取り入れるのが理想的です。 薬を使いながら運動をする場合は、主治医に相談し、自分に合った運動方法を確認してください。 単純網膜症の人 糖尿病の合併症の1つに「糖尿病網膜症」があります。 これは、目の奥にある網膜(光を感じる部分)の血管が傷つき、視力に影響を与える病気です。 糖尿病網膜症は進行の度合いによって「単純糖尿病網膜症」「増殖前網膜症」「増殖網膜症」の3段階に分かれます。 糖尿病網膜症は血圧の変動によって出血する可能性があります。また、低血糖になれば眼底出血が引き起こされる場合があるので、運動のタイミングや強度には注意が必要です。 病状によっては、運動が制限される場合や禁止されるケースもあります。 増殖前網膜症・増殖網膜症を患っている人 増殖前網膜症の場合は血圧におよぼす影響の少ない軽度の運動にとどめます。 頭を強く振る、頭を下げる、力むといったことは血圧を上げ、頭部への血流を増やすため、眼底出血などを起こす可能性があります。 また、増殖網膜症の方は、運動以外にも、力んだり、息をこらえたり、重量物を持ち上げたりするような行為は身体に負担がかかるので避けましょう。 糖尿病神経障害の人 糖尿病神経障害には、「感覚神経障害」と「自律神経障害」があります。 感覚神経障害では、足の感覚が鈍くなり、痛みに気づきにくくなるため、足に負担の少ない運動が適しています。たとえば、自転車エルゴメーターや水泳などです。 一方、自律神経障害では、血圧や心拍の調整が難しくなるため、運動療法が禁止される可能性があります。 重篤な心血管障害や肺の病気を患っている人 心臓や肺に病気がある人が運動を始める際は、事前に体への負担を確認する取り組みが大切です。 とくに、心臓の病気がある場合は、運動中の心拍の変化を調べる「負荷心電図」(運動中に心臓の働きを記録する検査)の実施が推奨されます。 運動の強さによっては、心臓に負担をかける可能性があるため、どの程度の運動が安全かを医師と相談しましょう。 腎症を患っている人 糖尿病による腎臓の病気「糖尿病性腎症」は、進行度によって5段階に分かれます。 第1期:腎症前期(尿中アルブミンが正常範囲) 第2期:早期腎症期(微量アルブミン尿) 第3期:顕性腎症期(顕性アルブミン尿or持続性タンパク尿) 第4期:腎不全期(腎機能の著しい低下) 第5期:透析療法期(透析療法中) 第1期から第3期までは、病状に応じた適切な運動が推奨されています。 第3期の顕性腎症期まで進行すると、腎臓の負担を減らすために運動を制限する可能性があります。 以前は腎症患者には運動を控えるよう一律に指導されていましたが、現在の医学的見解では、適度な運動による持久力向上や血中脂質代謝改善の効果が認められています。 ケトーシス状態の人 血糖値が250mg/dl以上(高血糖)やケトーシス状態の場合は運動が制限されます。 ケトーシスとは血中のケトン体が増加し、尿中のケトン体が中等度以上の状態です。 高血糖のときに運動をすると、糖の代謝がうまくいかず、症状が悪化する可能性があります。そのため、まずは食事や薬の治療で血糖値を安定させてから運動を取り入れましょう。 糖尿病の人が運動するときの注意点 運動が許可されている糖尿病の方は、以下の点に注意して安全に運動をする必要があります。 運動時の状況 起こりうるリスク 低血糖を引き起こしている めまいや意識障害を引き起こし、転倒・事故のリスクを高める 運動の強度や頻度が高すぎる 関節や筋肉を損傷する可能性がある インスリン調整剤や飲み薬を服用している 低血糖になりやすいため、体調の変化に注意する必要がある 運動療法は継続が何より大切です。運動を長続きさせるためにも、安全を第一に心がけましょう。 糖尿病を発症したら運動療法の前に医師によるメディカルチェックが必要 糖尿病患者の方が運動療法を行う際、やり方を間違えると事故や症状を悪化させるリスクがあります。 そのため、運動療法を始める前には医師によるメディカルチェックを受けて、安全性を確認することが大切です。 以下は、糖尿病患者の運動療法を行う際のメディカルチェックにおける基本項目です。 項目 検査内容 問診 ・糖尿病以外で治療中の病気や服薬中の薬 ・家族の既往歴 ・現在の生活状態や運動習慣 血液検査 ・空腹時血糖 ・HbA1c(ヘモグロビン量の測定) 診察 ・血圧 ・脈拍数 ・身体計測(身長、体重、腹囲) ・肥満度 尿検査 たんぱく、ケトン体の測定 心電図 安静時心電図 運動療法を開始後も、少なくとも年に一回は医師によるメディカルチェックを受けましょう。 まとめ|糖尿病の運動療法における禁忌を知って正しい治療を進めよう 禁忌とは、単なる禁止という意味ではなく、それを行うことで症状を悪化させたり、予期せぬ副作用が起きたりするなどのリスクがあるという意味で用いられています。 よって、自分の状態が運動療法の禁忌に該当するかどうかを医師に確認し、安全な範囲で糖尿病の治療を進めていく姿勢が大切です。 糖尿病はこれまで「治らない病気」と言われてきました。しかし、近年「再生医療」という新しい医療分野が発達し、血糖値が大幅に改善した事例が数多く報告されています。糖尿病の再生医療に興味がある方は、当院リペアセルクリニックにお気軽にお問い合わせください。 【関連記事】 糖尿病が改善!肝機能も良くなる 幹細胞治療 60代女性 糖尿病に対する幹細胞治療でHbA1Cは正常値に戻る!70代男性
2022.02.07 -
- 変形性膝関節症
- ひざ関節
「膝の痛みがなかなか治らないのはなぜ?」 「原因を早く治す方法はある?」 膝の痛みがなかなか治らない方は、膝関節が炎症を起こしていたり、膝に負担のかかる生活を送っていたりすることがあります。 本記事では、膝の痛みが治らない原因について詳しく解説します。 膝の痛みを放置すると日常生活に支障をきたし、最終的に手術が必要になる可能性もあるため、症状が悪化する前に、原因を特定して適切な治療やケアを進めていきましょう。 痛みの原因となっている疾患の根本的な改善が期待でき治療法も紹介しているので、痛みから早く解放されたい方はぜひ参考にしてみてください。 \膝の痛みを根本的に治療できる再生医療とは/ なかなか治らない膝の痛みには「半月板損傷」や「変形性膝関節症」の可能性があり、手術しないと治らないといわれるケースも少なくありません。 しかし、先端医療の再生医療では、痛みの原因となる膝周辺の組織にアプローチできる治療法で、手術しか選択肢がなかった症状でも改善が期待できます。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 長引く膝の痛みを早く治したい 手術しか選択肢がないと言われた 現在受けている治療で効果が得られていない 当院リペアセルクリニックでは、1億個の生きた幹細胞を膝関節に届けることで損傷した膝組織の再生・後遺症の改善・再発予防という3つの側面で効果が期待できる治療を提供しています。 具体的な治療法や回復見込みがあるかどうか、リペアセルクリニックで無料カウンセリングを行っておりますので、ぜひご相談ください。 ▼まずは膝の治療について無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる 以下の動画では、膝の痛みで考えられる原因から再生医療の治療法まで詳しく解説しています。 https://youtu.be/uQlymyi0eSI?si=24x346MX0vfqLcRA 膝の痛みが治らない5つの原因【自己ケアも可能】 さっそく、膝の痛みが治らない原因を解説します。考えられる主な原因は、以下の5つです。 ・炎症を起こしている ・膝に水が溜まっている ・関節が安定していない ・関節に負荷がかかっている ・ほかの疾患を抱えている可能性がある 順番に見ていきましょう。 炎症を起こしている 膝の曲げ伸ばしなどで関節に負担がかかるとすり減った関節軟骨のかけらが滑膜を刺激し、滑膜が炎症を起こることで膝の痛みにつながります。 炎症を起こしているときは、冷やしたり、薬で炎症や痛みをコントロールすることが重要です。 また、炎症が起きているときに運動を続けると悪化する可能性があるため、無理をせず休むようにしてください。 自宅でのケアを行なっても膝の痛みが長引く場合は、半月板損傷や変形性膝関節症などの可能性があるため、再生医療による治療も検討しましょう。 \長引く膝の痛みに有効な再生医療とは/ 【再生医療の特徴】 患者様の細胞を用いて、手術せずに膝の痛みを改善できる可能性がある アレルギーや拒絶反応の副作用リスクが少ない 半月板損傷や変形性膝関節症など手術が必要な症例も手術せずに治療できるケースがある 膝の痛みの原因によって適切なアプローチ方法が異なりますが、再生医療は幅広い症例でも症状改善に期待できる治療法です。 具体的な治療法については、患者様一人ひとりの症状やお悩みに合わせてご案内しておりますので、当院(リペアセルクリニック)の無料カウンセリングにて、ぜひご相談ください。 ▼まずは膝の治療について無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる 膝に水が溜まっている 膝に水が溜まっている状態も、痛みを感じる原因です。 膝に水が溜まるのは、関節内の髄膜に炎症が起きているためです。炎症によって大量の関節液が放出され、水が溜まる状態になります。 膝に水が溜まると、痛みを感じるだけでなく、膝が突っ張ったり、曲げにくくなったりして、日常生活に支障が出る可能性もあります。 対処法としては、単に水を抜くだけでは不十分です。根本的な原因である炎症の治療が必要になります。 膝に水が溜まる原因や治療法の詳しい情報はこちら 関節が安定していない 治療を目的とした筋力トレーニングをしても痛みが取れない場合は、まだ関節が安定していない状態なのかもしれません。トレーニング開始後、個人差はあるものの効果が現れるまで1〜2カ月かかると言われています。 そのため、運動を始めてまだ間もない頃は効果を感じにくいため、まずは1〜2カ月継続して運動に取り組むようにしましょう。 継続した運動に取り組んでも効果がみられなければ、運動の負荷が弱すぎる、軽すぎる可能性があり、十分な効果が発揮されません。そんなときは、以下のように3カ月目でトレーニング種目や強度の見直しをおすすめします。 ・室内でできる簡単な運動から屋外での運動に切り替える ・水中での歩行から地上での歩行に切り替える ・歩行距離を伸ばす くれぐれも過度な筋トレにならないよう、痛みのない範囲で取り組めるメニューを組みましょう。 関節に負荷がかかっている 関節に負担がかかっている生活習慣が、膝の痛みが治らない原因となっている可能性があります。 治療中は、運動療法と並行して生活習慣を見直し、関節にかかる負荷を下げる意識が大切です。運動療法のように時間を必要とせず、以下のように工夫次第で誰でも簡単に膝への負荷を減らせます。 ・バランスよく歩くために杖を使う ・膝を深く曲げる動作を止める ・よく使う調味料などを低い位置に収納しない ・玄関、階段、お風呂に手すりをつける ・地べたでの生活から椅子とテーブルを用いた洋式へ変える ・膝の調子が悪ければ迷わずエレベーターを使う 膝の関節は、歩いているだけでも体重の最大8倍は負荷がかかると言われています。そのため、日常生活で関節の負荷となる習慣の改善は大切です。 なお、膝の痛みの治療には「再生医療」が有効です。人間の自然治癒力を活用して、すり減った膝軟骨を再生させます。 期待できる治療効果が知りたい方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にご相談ください。 ほかの疾患を抱えている可能性がある 膝の痛みは単なる炎症や関節への負担だけでなく、ほかの疾患が隠れている可能性があります。 以下は膝の痛みを伴う疾患例です。※疾患名のリンクをタップすると、詳細記事をチェックできます。 ・変形性膝関節症 ・半月板損傷 ・関節リウマチ ・鵞足炎 疾患の種類によって治療法が異なります。早期治療をおこなえば症状の悪化を防げるので、膝の痛みを感じたら早めに医療機関を受診しましょう。 膝の痛みの原因や考えられる病気については動画でも詳しく解説しています。 https://www.youtube.com/watch?v=uQlymyi0eSI&t=312s 膝の痛みの原因を突き止めても治らないときの対処法3つ 膝の痛みの原因を突き止めてケアを続けても、症状が改善されない場合の対処法を3つ紹介します。 ・外部機関を頼る ・手術を視野に入れる ・再生医療を検討する 順番に見ていきましょう。 外部機関を頼る 自宅でのケアだけでは膝の痛みが改善しない場合、以下のような専門の外部機関を頼る選択肢も考えられます。 ・整体・接骨院での施術 ・リハビリテーション施設でのケア ・スポーツクリニックでの専門治療 専門家による正しい診断のもと、症状に合わせた適切な治療を受けられます。定期的な経過観察をしてもらえるので、症状悪化のリスクも防止できるでしょう。 手術を視野に入れる 症状が悪化した場合もしくは医師の判断があった場合は、手術が視野に入ってきます。 手術は回復に時間がかかるため、私生活や仕事、スポーツなどに影響が出る可能性があります。そのため、以下のような点を確認しておきましょう。 ・入院期間 ・傷跡の程度 ・手術後の生活制限 ・術後のリハビリ期間 ・スポーツ・仕事復帰までの期間 これらの点を十分に理解した上で、慎重に判断していく姿勢が大切です。 変形性膝関節症における手術の詳細はこちら 半月板損傷における手術の詳細はこちら 再生医療を検討する 長引く膝の痛みには、人間の自然治癒力を活用した「再生医療」が注目されています。 再生医療は痛みの原因となる膝周辺の組織にアプローチできる治療法で、手術しか選択肢がなかった症状でも改善が期待できます。 \こんな方は再生医療をご検討ください/ 長引く膝の痛みを早く治したい 手術しか選択肢がないと言われた 現在受けている治療で効果が得られていない 当院リペアセルクリニックでは、1億個の生きた幹細胞を膝関節に届けることで損傷した膝組織の再生・後遺症の改善・再発予防という3つの側面で効果が期待できる治療を提供しています。 具体的な治療法は、リペアセルクリニックで無料カウンセリングを行っておりますので、ぜひご相談ください。 ▼まずは膝の治療について無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる まとめ|膝の痛みが治らない原因を知って適切なケアをおこなおう 膝の痛みが治らないときは複数の原因が考えられるため、自分がどの原因に当てはまるのかを確認し、適切な対処を行うことが重要です。 間違ったケアを続けたり、痛みを放置したりすると、症状が悪化し、最終的に手術が必要になる可能性もあります。 膝の痛みが気になったら早い段階で病院を受診して、早期回復を目指しましょう。 長引く膝の痛みにお悩みの方は、人間の持つ再生力を活用して、炎症を抑えたり損傷した組織を改善したりする再生医療をご検討ください。 \長引く膝の痛みに有効な再生医療とは/ 【再生医療の特徴】 患者様の細胞を用いて、手術せずに膝の痛みを改善できる可能性がある アレルギーや拒絶反応の副作用リスクが少ない 半月板損傷や変形性膝関節症など手術が必要な症例も手術せずに治療できるケースがある 具体的な治療法については、患者様一人ひとりの症状やお悩みに合わせてご案内しておりますので、当院(リペアセルクリニック)の無料カウンセリングにて、ぜひご相談ください。 ▼まずは膝の治療について無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる
2022.02.07 -
- 糖尿病
- 内科疾患
「糖尿病は治らない?」「糖尿病になったら一生付き合っていかなばならないの?」と、疑問を抱いている方もいるのではないでしょうか。 結論からいえば、糖尿病は「完治しない病気」です。原因によって「1型」「2型」に分かれますが、いずれも発症すると一生付き合っていく必要があります。 ただ、程度や治療内容によっては「健康な人と変わらない状態を保つことは可能です。 この記事では、糖尿病が治らないといわれる理由や治療法、予防法をご紹介します。 本記事を参考に、糖尿病に関する正しい知識や認識を身につけましょう。 糖尿病かな?と思う症状がある方は、糖尿病の初期症状についてまとめたこちらの記事もご覧ください。 糖糖尿病が完治しないといわれる理由 糖尿病は発症の原因によって「1型糖尿病」と「2型糖尿病」に大別されます。それぞれの発症原因と、なぜ治らないのかを解説します。 前提として、日本では糖尿病患者のほとんどが生活習慣病の一つである「2型糖尿病」患者です。そのため、「2型糖尿病」から治らない理由をご紹介します。。(文献2) 【2型糖尿病】血糖値が上がりやすい体質や年齢は変えられないため 2型糖尿病は、体質などの「遺伝的要素」と食習慣などの「生活習慣」が組み合わさり発症します。治療や生活習慣改善によって血糖値は元に戻せても、体質や加齢といったリスクになる部分は変えられないため、完治が難しいといわれています。(文献1) 通常、食事を摂ると、すい臓からインスリンが分泌され、血糖値を下げます。 2型糖尿病は、過食や運動不足によってインスリンの分泌量が低下したりインスリンが効きにくくなり、高血糖状態が続くことで発症します。 初期の段階で乱れた生活習慣を改善できれば、血糖値を健康な人と同じ状態に戻すことは十分可能です。しかし、糖尿病が進行してしまうと健康な状態に戻すことは困難になります。そのため、初期段階で治療に取り組むことが大切です。 【1型糖尿病】現代医学では破壊された膵臓の細胞を再生できないため 1型糖尿病は、なんらかの原因で「すい臓」にあるβ細胞が破壊されて発症する病気です。 インスリンはβ細胞から分泌されるため、1型糖尿病はほとんどインスリンを分泌できなくなります。β細胞が破壊される原因は正確にはわかっていませんが、原因の1つに免疫異常(自己免疫)があると考えられています。 1型糖尿病は現代医学では「治らない」といわれている病気です。発症すると一生付き合っていかなければなりません。 最近では「再生医療」や「膵島移植(ランゲルハンス島)」などの研究も行われています。将来的には「1型糖尿病は治る病気」となる可能性もゼロではありません。 ちなみに、当院「リペアセルクリニック」でも、糖尿病への効果が期待できる再生治療を行っています。「メール相談」や「オンラインカウンセリング」も可能ですので、お気軽にお問い合わせください。 糖尿病になってしまったらどうする?重症化を防ぐポイント 2型糖尿病は、遺伝的要素と生活習慣が組み合わさり発症します。 そのため、食事療法と運動療法で生活習慣の改善に努めることが糖尿病の予防法といえるでしょう。すでに糖尿病を発症している場合でも、生活習慣の改善が病気の進行を食い止めることにもつながります。 糖尿病の予防や治療の基本は「食事療法」と「運動療法」ですが、必要に応じて薬物療法を行う場合もあります。(文献3) 薬物療法 糖尿病の薬物療法では、飲み薬や注射薬にて治療を行います。それぞれどのような効き目のものがあるかは表のとおりです。 飲み薬の種類 インスリンの分泌をよくする インスリンの効き目をよくする 糖の分解・吸収を遅らせる 糖の排泄を促す 注射薬の種類 インスリン分泌を促進させる インスリンを補う どの薬物治療を行うかは、その方の糖尿病の状態や体格によって異なります。 1型糖尿病か、2型糖尿病かといった部分や、インスリンの出にくさや薬の効きやすさなどで判断をします。 食事療法 糖尿病の食事療法では以下のポイントを押さえて行うことが大切です。 摂取カロリーを抑える 栄養バランスの良い食事を取る 一日3食をしっかり食べる 適切な摂取カロリーがわかっても、どのような食品を、どれだけ食べれば良いのかわからない場合は、「糖尿病食事療法のための食品交換表」を利用するのも良いでしょう。 糖尿病治療の考え方や食事療法の基本的な考え方がわかりやすく解説されています。 また昨今、ネット上にはカロリー計算できるアプリを紹介しているサイトもありますので、使いやすいものを選んでみてください。 運動療法 運動療法のポイントは以下の3つです。 軽い有酸素運動から始める 継続して運動を続けることが重要 週3日は運動の時間を確保 運動は糖の消費を促します。また、筋肉の量を増やし糖の取り込みを促進することでインスリンの効果を高め、血糖コントロールを助けます。 ただし、運動を積極的に行うと食欲が増すため、かえって糖尿病を招いたり、症状が悪化することもありえるので注意が必要です。 糖尿病の予防や治療は「食事療法」と合わせて「運動療法」をセットで行うことが大切です。運動療法を行う際は以下の点に注意して行いましょう。 NEAT(非運動性熱産生) NEATとは、「運動以外の日常生活活動で消費されるエネルギー」を意味し、掃除や洗濯、通勤や階段の昇り降りなどで消費するエネルギーのことを指します。 すでに糖尿病の症状がある方や持病がある方など、運動に制限がある人もいます。運動療法を取り入れる際は医師に相談してから行うようにしましょう。また、日頃、まとまった時間が取れずに運動ができないという人もいるでしょう。 このような場合、NEAT(非運動性熱産生)を高めることを心がけると良いでしょう。 まとめ|糖尿病は完治の難しい病気。適切な管理により悪化を防ぐことが最も重要 ここでは、糖尿病が治らないといわれる理由について解説しました。 糖尿病は治らない病気ですが、適切な治療により血糖値をコントロールすることで、健康な状態を保つことが可能です。 普段の生活から糖尿病の予防(食事・運動)を心がけ、健康な生活を送りましょう。 当院「リペアセルクリニック」では、糖尿病の治療や再生医療についての「メール相談」や「オンラインカウンセリング」も可能です。お気軽にご相談ください。 また、糖尿病の運動療法について、より効果的な方法を知りたい方は以下の記事もご覧ください。 参考文献 (文献1) 厚生労働省|糖尿病 (文献2) 糖尿病情報センター|糖尿病とは (文献3) 糖尿病情報センター|糖尿病の治療ってどんなものがあるの?
2022.02.07 -
- 変形性膝関節症
- ひざ関節
「変形性膝関節症の手術って高齢者だとどんなリスクがあるの?」 「人工関節置換術に失敗例はある?」 膝の痛みに対して手術を検討している方には、上記のような不安や疑問を抱える方も多いのではないでしょうか。 実際、高齢者の変形性膝関節症の手術には、入院の長期化や合併症、深部静脈血栓などのリスクがあります。 上記のようなリスクがあることから「できるだけ手術は避けたい」という方も少なくありません。 従来の治療では手術しか選択肢がなかった症状も、手術せずに治療できる可能性がある再生医療も紹介しているため、ぜひ参考にしてください。 \手術せずに治療する再生医療とは/ 再生医療では、損傷した膝周辺の組織にアプローチでき、従来の治療では元に戻らないとされている膝関節の改善が期待できます。 変形性膝関節症に対する再生医療の症例は、以下の動画でご紹介しています。 https://youtu.be/ek8aeRHpKiA?si=iqGn9eTDkKdkxZff 【こんな方は再生医療をご検討ください】 膝の痛みを治したいけど手術や人工関節は避けたい 現在受けている治療やリハビリで期待した効果が得られていない リスクの少ない治療法で治したい 再生医療は、患者様の細胞や血液のみを活用して治療を行うため、拒絶反応やアレルギーなどの副作用リスクが少ない特徴があります。 具体的な治療法については、当院(リペアセルクリニック)で無料カウンセリングを行っておりますので、ぜひご相談ください。 ▼まずは変形性膝関節症の治療について無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる 変形性膝関節症の手術で高齢者に適応されるのは人工関節置換術 変形性膝関節症の手術療法には、膝の状態に応じて以下のように手術の選択肢が異なります。 初期:関節鏡視下手術 中期:高位脛骨骨切り術 末期:人工関節置換術 高齢の患者様の場合、変形性膝関節症の症状が進んでいるケースが少なくありません。このような状況では、傷んでしまった関節の表面を取り除き、金属やセラミックなどで作られた人工の関節に入れ替える人工関節置換術が適応されます。 手術により、立ち上がりや歩行時の痛みの軽減に期待できます。しかし、手術後は正座のような深く膝を曲げる動作が難しくなるなど、生活スタイルの一部変更が必要です。 また、機能回復のためには継続的なリハビリテーションに取り組む必要があります。 紹介した手術以外でも入院が不要の治療法として再生医療の選択肢もあります。 変形性膝関節症に対する再生医療について詳しく知りたい方に向けて、当院リペアセルクリニックでは、メール相談やオンラインカウンセリングも承っておりますので、ぜひご活用ください。 変形性膝関節症の手術における高齢者リスク7つ 高齢者の方が、変形性膝関節症に対して人工関節置換術をおこなった際は、以下のリスクがあります。 入院期間が長期化しやすい 継続したリハビリが必要になる 日常生活動作に制限がかかる 深部静脈血栓ができやすい 肺にまつわる合併症を引き起こす可能性がある 細菌感染すれば再手術が必要になる 人工関節のトラブルを招く可能性がある 1つずつ詳しく見ていきましょう。 入院期間が長期化しやすい 人工関節置換術は、下記の表のように変形性膝関節症の他の手術と比較して入院期間が長くなる傾向にあります。 手術名 入院期間の目安 関節鏡視下手術 数日~1週間程度 高位脛骨骨切り術 3週間~6週間程度 人工関節置換術 1カ月~2カ月程度 高齢の患者さまの場合、体力や持病の有無、手術後の回復状況、リハビリの進み具合によって、さらに長期化するケースも少なくありません。 手術後の痛みが和らぎ、安定した歩行や日常生活動作がある程度行えるようになるまで、数カ月単位で考える必要があるでしょう。 しかし、近年の治療では、患者様の細胞や血液のみを活用して治療を行う再生医療によって、手術や長期間の入院をせずに変形性膝関節症を治療できます。 \こんな方は再生医療をご検討ください/ 膝の痛みを治したいけど手術や人工関節は避けたい 入院はできるだけしたくない 現在受けている治療やリハビリで期待した効果が得られていない リスクの少ない治療法で治したい 具体的な治療法については、患者様一人ひとりの症状やお悩みに合わせてご案内しておりますので、当院(リペアセルクリニック)の無料カウンセリングにて、ぜひご相談ください。 ▼まずは変形性膝関節症の治療について無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる 継続したリハビリが必要になる 人工関節置換術後は、膝の機能回復と日常生活復帰のため、継続的なリハビリテーションが不可欠です。手術翌日など早期から専門家の指導のもと開始します。 リハビリの内容は、以下の内容が中心です。 筋力トレーニング 関節を動かす練習 立ち座りの練習 歩行練習 階段昇降 手術直後は弾性ストッキングでむくみをケアし、車椅子から歩行器へと移行します。 退院の目安は、杖歩行が安定し、膝が十分に屈曲できる状態です。高齢の患者様は回復に時間を要し、リハビリが長期に及ぶこともあります。 日常生活の動作に制限がかかる 人工膝関節置換術の後は、人工関節を長持ちさせ、破損や脱臼のリスクを避けるため、一部の動作に制限が出ます。 たとえば、走る、ジャンプするなど膝に強い衝撃が加わる運動や、接触を伴う激しいスポーツは避ける必要があります。 また、深く膝を曲げる動作が難しくなるため、正座やあぐら、深くしゃがみ込むといった姿勢は困難になるか、避けるよう指導されるのが一般的です。 和式トイレの使用を避け、洋式トイレを使うなど、生活様式全般で膝への負担を考慮した動作を心がけましょう。 深部静脈血栓ができやすい 人工膝関節置換術などの手術後は、長時間の安静や手術の影響で、足の静脈に血の塊(血栓)ができる「深部静脈血栓症」が起こりやすくなります。いわゆるエコノミークラス症候群です。 この血栓が血流に乗り、肺や脳の血管に詰まると、命に関わる肺塞栓症や後遺症の恐れがある脳梗塞を引き起こすことがあります。 予防策は、以下の通りです。 弾性ストッキングに着用 足に圧力ポンプをかける 抗凝固薬の投与 早期からの足首の運動やリハビリ とくに高齢の患者様は発症リスクが高いため、これらの予防を意識的におこなう必要があります。 肺にまつわる合併症を引き起こす可能性がある 人工膝関節置換術のような手術では、肺に関する合併症の可能性があります。手術中の長時間の臥位による肺への圧迫や、全身麻酔による一時的な肺機能低下が主な原因です。 具体的には、以下のリスクが考えられ、とくに高齢の患者様や喫煙者は注意が必要です。 無気肺(肺の一部がしぼむ) 肺水腫(肺に水が溜まる) 肺炎(痰の喀出困難が原因) これらの合併症予防には、手術前から深呼吸や痰を出す練習をおこなうことが大切です。 また、喫煙は酸素摂取効率を下げ、肺合併症リスクを高める上、創傷治癒を遅らせます。高齢者の方の中には長年喫煙をしている方も少なくありません。手術が決まったらすぐに禁煙し、禁煙期間をできるだけ長く取りましょう。 細菌感染すれば再手術が必要になる 人工膝関節置換術では、細菌感染に細心の注意が必要です。手術部位が感染すると、人工関節の入れ替えなど再手術が必要になることが多く、重大な合併症の1つです。 抗生物質の投与や創部の清潔保持といった予防策はおこなわれますが、リスクはゼロではありません。 感染は傷口からだけでなく、麻酔時に気管へチューブを入れる際、口腔内の細菌(虫歯や歯周病由来)が体内に入り、人工関節に影響を及ぼす可能性もあります。 そのため、手術前に歯科治療を済ませ、日頃から口内を清潔に保つことが、感染予防において重要になります。 人工関節のトラブルを招く可能性がある 人工膝関節置換術の後は、人工関節自体に問題が起きる可能性があります。具体的には、人工関節の緩みや破損、部品の摩耗、まれに脱臼などが挙げられます。 手術後の早期リハビリは機能回復に重要ですが、焦って過度な運動をおこなったり、日常生活で膝に無理な負担をかけ続けたりすると、これらのトラブルを引き起こす原因になりかねません。 人工関節を長持ちさせ、快適な生活を続けるためには、医師や理学療法士の指示を守り、リハビリを適切なペースで進めること、そして膝に負担の少ない生活様式を心がけることが大切です。 変形性膝関節症における手術費用 変形性膝関節症の手術費用は、術式や入院日数、医療機関により異なります。健康保険が適用され、自己負担割合(通常1割または3割)に応じて支払います。 手術の術式ごとの費用の目安は以下の表の通りです。 手術の種類 保険適用前の費用(目安) 自己負担額(3割の場合) 自己負担額(1割の場合) 関節鏡視下手術 約250,000円 約75,000円 約25,000円 高位脛骨骨切り術 約1,460,000円 約438,000円 約146,000円 人工関節置換術 約1,860,000円 約558,000円 約186,000円 手術費用の他に、入院中の食事代の一部(一般所得者で1食510円※2025年4月改定、所得により異なる)や、希望した場合の個室料(差額ベッド代、1日数千円~数万円で全額自己負担)などが別途かかります。 医療費が高額になっても、自己負担額には月ごとの上限があり、「高額療養費制度」で払い戻しを受けられます。ただし、この制度の対象は保険適用の医療費のみなので、食事代や差額ベッド代は対象外です。 変形性膝関節症の手術の高齢者リスクを抑える再生医療について 高齢の変形性膝関節症の患者様にとって、手術は大きな決断であり、身体への負担も考慮する必要があります。 従来の治療では、進行した変形性膝関節症は手術しないと治らないと言われるケースも少なくありませんでした。 しかし、近年の治療では、大きな手術をせずに根本的な改善を目指せる「再生医療」が注目されています。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 膝の痛みを治したいけど手術や人工関節は避けたい 手術しないと治らないと言われた 現在の治療で期待した効果が得られていない リスクの少ない治療法で治したい 当院リペアセルクリニックでは、患者様から損傷した組織に変化する幹細胞を採取・培養し、「関節内ピンポイント注射」という手法で膝関節に投与します。 関節内ピンポイント注射は、患部に注射針を刺す処置だけなので、体への負担が少ない手法です。 「自分に適した治療法を知りたい」「再生医療の効果や費用が気になる」という方は、無料カウンセリングにてご相談ください。 【関連記事】 変形性膝関節症の再生治療(PRP療法)の体験談|効果・費用も紹介 変形性膝関節症|最新治療!手術をしない再生医療(幹細胞治療)の実力 変形性膝関節症の手術の高齢者リスクを理解して治療に挑もう 高齢の方が変形性膝関節症の手術を検討する際には、さまざまなリスクへの理解が必要です。 高齢者の変形性膝関節症の手術で多く検討される人工関節置換術には、入院期間の長期化や術後のリハビリ、日常生活での動作制限が伴います。 近年の治療では、手術せずに変形性膝関節症を治療できる再生医療も選択肢に挙げられるようになりました。 \手術せずに治療する再生医療とは/ 【変形性膝関節症に対する再生医療の特徴】 手術や入院を必要としないため高齢の方でも治療できる 患者様の細胞のみを使うため拒絶反応などの副作用リスクが少ない 人工関節を避け、自分の関節を残したまま治療できる 再生医療は、患者様の細胞や血液のみを活用して治療を行うため、拒絶反応やアレルギーなどの副作用リスクが少ない特徴があります。 具体的な治療法については、当院(リペアセルクリニック)で無料カウンセリングを行っておりますので、ぜひご相談ください。 ▼まずは変形性膝関節症の治療について無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる 変形性膝関節症の手術の高齢者リスクに関するよくある質問 変形性膝関節症の手術に関するよくある質問を紹介します。 膝の痛みが強くて歩けないのですが手術以外の対処法はありますか? 変形性膝関節症の手術は90歳でもできますか? 人工関節置換術の失敗例はありますか? 手術リスクに不安を抱えている方は、ぜひ確認しておきましょう。 膝の痛みが強くて歩けないのですが手術以外の対処法はありますか? 膝の痛みが強く、歩行にお困りの場合でも、すぐに手術が唯一の選択肢となるわけではありません。手術をおこなう前に試みる「保存療法」と呼ばれる治療法があります。 保存療法には、以下の選択肢があります。 運動療法(膝周りの筋力を維持・向上させる) 装具療法(膝への負担を軽減するサポーターや足底版などを用いる) 薬物療法(炎症や痛みを和らげるための内服薬や外用薬を用いる) ただし、痛みの原因や膝の状態は患者様それぞれで異なります。自己判断で対処するのではなく、まずは整形外科などの医療機関を受診し、専門医に正確な診断をしてもらいましょう。 保存療法以外にも、入院を必要としない再生医療も選択肢の1つです。 再生医療について詳しく知りたい方は、当院リペアセルクリニックにて、メール相談やオンラインカウンセリングも承っておりますので、ぜひご活用ください。 【関連記事】 変形性股関節症の保存療法で治療効果を上げたい方へ 【医師監修】変形性膝関節症で使うサポーターの効果・選び方・注意点 変形性膝関節症の手術は90歳でもできますか? 変形性膝関節症の手術は、90歳でも受けることは可能です。 ただし、手術の可否は年齢よりも、心肺機能、持病の有無やコントロール状況、体力などの全身の健康状態が優先されます。 一般的に、ご高齢になるほど手術に伴う身体への負担は大きくなり、合併症のリスクや回復に時間がかかります。 そのため、担当医と共にリスクと手術によるメリットを慎重に比較し、手術をするか検討しましょう。 人工関節置換術の失敗例はありますか? 人工関節置換術は多くの場合、膝の痛みの軽減や機能の改善といった良好な結果をもたらしますが、残念ながらすべての手術が期待通りに進むわけではなく、「失敗」と感じられるケースもゼロではありません。 たとえば、手術後も痛みが十分に取れなかったり、膝の動き(可動域)の改善が思わしくなかったりする場合があります。 また、まれに人工関節そのものに緩みや破損、感染などが生じ、場合によっては再手術が必要になることもあります。 これらの望ましくない結果をできる限り抑えるためには、医師の指示をよく守り、リハビリテーションを計画通りにしっかりとおこなうことが大切です。 関連記事:膝の人工関節手術に失敗例はある?混同する原因とリスクが低い再生医療について解説
2022.02.02 -
- 股関節
- 変形性股関節症
変形性股関節症は中高年以降の女性に多く発生する病気で、動き出しなど動作のはじめや、長時間の歩行後に痛みを感じます。悪化すると安静時にまで痛みを感じるようになり、日常生活を送るうえで大きな支障となるため注意が必要です。 変形性股関節症にはさまざまな治し方があり、症状の進行状況によって治療法が行われます。手術をしない治療法でも症状の緩和や進行抑制が期待できるため、ご自身の状態に合った治し方を検討するのが大切です。 本記事では、変形性股関節症の治し方についてまとめました。症状軽減へ向けた生活の工夫も紹介するので、治し方や日常生活で気を付けるべき点を知りたい方は参考にしてください。 変形性股関節症は手術しないで治すことは可能か 変形性股関節症は手術をしなくても、症状を緩和できる可能性があります。前提として変形性股関節症は、脚の骨となる大腿骨(だいたいこつ)と骨盤との間に位置する関節軟骨がすり減ってしまう病気です。 すり減ったり、変形したりした骨を元に戻す治療法はなく、症状緩和や進行抑制が目的となります。痛みを和らげ、可動性の改善が期待できる治療法はいくつか存在するため、変形性股関節症では症状に合わせて適切な治療プランを選ぶのが大切です。 変形性股関節症の治し方 変形性股関節症の主な治し方は、以下の通りです。 物理療法 リハビリ療法 薬物療法 手術療法 ご自身に合った治療を受けられるよう、各療法について解説するので参考にしてください。 物理療法 物理療法とは、痛みの改善やむくみの軽減により身体を動かしやすくするために実施される治療法です。治療法には、以下の物理的手段があります。 主な療法の種類 治療内容 温熱療法 身体を温めて股関節周囲の血行を促進させ、筋肉をほぐして痛みを和らげる治療 電気療法 電気刺激を加えて筋肉の緊張をやわらげる治療 光線療法 レーザーを活用して関節照射を行い、血行を促進させて筋肉の緊張をほぐす治療 マッサージ療法 空気圧式マッサージ器や手技で筋肉や関節、リンパなどを刺激して血行促進を図り、痛みを緩和させる治療 物理療法は、主に血行促進により筋肉の緊張をほぐして痛み軽減につなげる治療になります。 リハビリ療法 運動療法は変形性股関節症の一般的な治療法で、股関節における筋肉の柔軟性を保ったり、位置を矯正して痛みを緩和させたりする効果が期待できます。 主な治療法は、以下の通りです。 筋トレ ストレッチ 水中ウォーキング ウォーキング 変形性股関節症では、主にお尻の横に位置する中殿筋をはじめとする股関節周囲の筋肉をトレーニングで鍛えます。筋トレとストレッチを組み合わせた運動は、変形性股関節症の進行を抑える効果が期待できます。 また、水中ウォーキングやウォーキングは、股関節を守るための筋力強化や柔軟性向上に役立つため、リハビリとして効果的です。いずれも、過度な負担をかけず無理のない範囲で続ける治療法になります。 薬物療法 変形性股関節症で強い痛みを伴う場合は、薬物療法が行われます。薬物療法は一時的に痛みを軽減したり、炎症を抑えたりする目的で行われる対症療法です。 医薬品を使用したからといって、変形性股関節症が完治するわけではないことは理解しておきましょう。 変形性股関節症で使用される主な薬物療法は、以下の通りです。 薬物療法の種類 特徴 外用薬 主に塗り薬を使用しますが、痛みが強い場合は座薬を用いる場合もある 内服薬 主に、炎症を抑える作用がある非ステロイド性消炎鎮痛薬を用いる 注射薬 ヒアルロン酸やステロイド製剤を使用し、関節の動きをスムーズにさせて痛みや炎症の緩和を図る 使用する薬物の種類は症状の進行によって異なるため、担当医と相談して適切な薬物療法を検討しましょう。 手術療法 物理療法やリハビリ療法などの保存治療で症状の緩和が図れない場合、手術が必要になる場合もあります。変形性股関節症の主な手術治療法は、以下の通りです。 主な手術療法 手術内容 関節鏡手術 内視鏡を使用して関節軟骨の傷んだ部分を削り滑らかにして炎症を改善する手術 骨切り術 患者の骨の一部を活用して、変形した股関節の形を整えて症状緩和を図る手術 人工関節手術 傷んだ股関節を取り除き、人工関節に置き換える手術 術式は症状の進行具合によって異なり、痛みの程度や日常生活での不自由さ、将来的な悪化を考慮のうえ決定されます。 変形性股関節症の症状回復が見込めない場合は、自分に合った手術治療法の検討がおすすめです。 変形性股関節症の症状軽減に向けた日常生活の工夫 変形性股関節症の症状軽減するには、日常生活における工夫が必要になります。症状を悪化させないためにも、生活をするうえでのポイントを理解しておくのが大切です。ここでは、変形性股関節症の症状軽減に向けた日常生活の工夫を紹介します。 背筋を伸ばす 変形性股関節症の際は、体操を通して常に股関節や骨盤の柔軟性を高め、できる限り背筋を伸ばしましょう。 症状が発症すると痛みをかばおうと骨盤が前傾し、不自然な姿勢を取りがちになるためです。姿勢が腰椎の前弯と胸椎の後弯を増強させ、股関節の可動域や筋力は低下します。 とはいえ、猫背のように骨盤が後傾する姿勢では、背骨の湾曲だけでなく、股関節に不安定さをもたらし、痛みにつながります。 変形性股関節症では、肩を後ろに引いた状態で背筋を伸ばし、自然なカーブを保つ姿勢が大切です。 低い位置での生活をやめる 変形性股関節症の場合、低い位置での生活は股関節に大きな負荷をかけるため、以下のような洋式の生活スタイルへの変更をおすすめします。 椅子を活用する トイレを洋式へ変える 布団からベッドに変更する 料理をする際、頻繁に使うものは高い位置に置く 畳のような和式の生活環境では、座る・立ち上がるといった動作のたびに股関節に負担がかかります。かがむ機会を極力減らし、地べたからの生活を避けることが症状軽減への効果的な対策となります。 減量する 変形性股関節症の症状軽減には、減量も重要です。股関節は骨盤と下肢をつなぐ部分であり、体重による負荷がかかりやすい関節になります。 肥満の場合、体重が重い分、股関節にかかる負荷も上がるため、変形性股関節症を進行させる要因の一つです。 つまり、肥満傾向の方は体重を落とすと、症状の軽減が期待できます。股関節の負担を減らすために、適度な運動や食事管理などを実施して、適正体重を目指しましょう。 手すりを設置する 変形性股関節症の症状軽減には、股関節に負荷がかかりやすい場所に手すりを設置するのがおすすめです。昇降動作は、股関節に負荷がかかるだけでなく、転倒するリスクが高まります。 例えば、お風呂場やトイレなど、立ち座り動作がある場所に手すりを設けると関節への負担軽減が期待できます。また、浴槽へ浸かるためにまたぐ場合は、脱臼しやすくなるため注意が必要です。 階段やお風呂場などに手すりをつけると関節への負荷と転倒リスクを減らせます。 靴の選び方を意識する 変形性股関節症の症状を軽減するには、靴選びが重要です。靴を工夫すると痛みや疲れを軽減できるため、変形性股関節症の症状緩和が期待できます。 変形性股関節症の患者が靴を選ぶ際のポイントは、以下の通りです。 足の長さの差を整えて臀筋のサポートができるもの 靴の先端が丸くローリング加工が施されているもの(スムーズに押し出せる) クッション性が高く着地の際に衝撃軽減できるもの 身体が左右に揺れたり、地面の衝撃が強かったりすると痛みを感じやすくなる原因になるため、安定感を高められるよう靴の加工やインソールを工夫しましょう。 杖の使用を検討する 杖は股関節への負担を軽減し、痛みを和らげる効果が期待できるため、日常生活で積極的に活用するのが効果的です。変形性股関節症で杖を使用すると歩く際に安定感が高まり、歩幅を広げるメリットがあります。 また、バランスを安定させられる杖の使用は転倒のリスクを減らせます。変形性股関節症の方が杖を選ぶときのポイントは、以下の通りです。 症状や生活スタイルに適した種類を選ぶ 身長に合った長さのものを選ぶ 杖を使用する際は、正しい使い方を覚えておくのもポイントです。 痛めにくい歩き方の特徴を押さえておく 変形性股関節症の場合、正しい歩き方が症状軽減につながります。痛めにくい歩き方の特徴を押さえておくと、関節への負荷を軽減できるため、動くのを億劫に感じにくくなる点がメリットです。 歩く際は、かかとから着地して、つま先で地面を蹴るように意識しましょう。着地するときに足首や膝関節が衝撃を吸収するため、股関節にかかる負担を軽減できます。 また、歩くときは背筋を伸ばすのもポイントです。べた足やすり足は股関節への負担が大きいだけでなく、転倒のリスクが高まるため、正しい歩き方のコツを押さえましょう。 変形性股関節症におすすめのストレッチ 変形性股関節症の場合、股関節まわりの筋肉を緩めるストレッチを取り入れるのが効果的です。ストレッチを取り入れると、股関節まわりの筋肉をほぐせるため、可動域が広がります。 変形性股関節症の患者におすすめのストレッチ方法は、以下の通りです。 仰向けになる 膝を両手でゆっくり抱える 膝をゆっくり抱えた状態を10秒キープする (1)~(3)の動作を5回繰り返す ストレッチをするときは、呼吸を忘れないようにするのがポイントです。また、肩の力は抜きリラックスした状態を意識しましょう。ただし、痛みを感じた場合は、直ちにストレッチを中断してください。 変形性股関節症にお悩みの場合は再生医療を選択するのも手段の一つ 変形性股関節症に対しては、再生医療も治療選択肢となります。治療法の一つとなる幹細胞治療では、採取した幹細胞を培養して股関節に注入します。 当院「リペアセルクリニック」では、患者様自身から米粒2~3粒程度の脂肪を摂取して幹細胞を培養、投与します。幹細胞は冷凍せず、投与の度に採取するのが当院の特徴です。 また、再生医療は入院が不要です。 当院では、メール相談やオンラインカウンセリングを受け付けておりますので、治療に関する悩みがある方は、お気軽にお問い合わせください。 まとめ・変形性股関節症の治し方を参考に適切な治療を選ぼう 変形性股関節症の治し方には、物理療法やリハビリ療法などの保存治療があります。保存治療で症状回復が見込めなかった場合、手術治療法を行うケースが一般的です。 変形性股関節症を進行させないためには股関節へ負荷がかからないように和式から洋式へと生活スタイルを見直し、自分のペースで痛みのない運動療法に継続して取り組むのが大切です。 また、手術を必要としない再生医療を選択するのも手段の一つになります。変形性股関節の治し方を理解したうえで、ご自身に合った治療法を選択しましょう。
2022.01.22 -
- 手部
- ヘバーデン結節
ヘバーデン結節は、手指部が変形・曲がってしまうことで痛みを感じる原因不明の病気です。 発症した場合、やってはいけないことは以下の通りです。 上記の中でやっていることがある方は、へバーデン結節が悪化する可能性が高いので注意が必要です。 \リペアセルクリニック坂本理事長のコメント/ 手術をすると関節自体を固定するため、物を握りにくくなります。 そのため、一般的には多少の痛みがあっても手術は進めません。 しかし、手術をしない保存療法は症状の進行を遅らせる対症療法なので、根本的な解決にはなりません。 当院(リペアセルクリニック)では、ヘバーデン結節をはじめとする手指に関する病気にお悩みの方を対象に無料相談を実施しています。 症状が悪化して指が変形してしまう前に、まずはお気軽にお問い合わせください。 ▼まずは電話で無料相談! >>今すぐ電話してみる ヘバーデン結節とは? ヘバーデン結節とは、手指部における第1関節に相当する箇所が変形、または腫脹し痛みが生じるを感る原因不明の病気です。 特に、母指(親指)や示指(人差し指)から小指にかけて第1関節が赤く腫れあがる傾向がみられ、過度に屈曲運動をすると疼痛症状(痛み)を合併します。 上記の症状が見られると同時に、関節を支える役割を有する靭帯部分が緩むとされていて、例えば物を指でつまむときなど関節が不安定になり、指の先の力が入りにくくなることもあります。 時間の経過とともに、疼痛症状は落ち着いてくることが多いのですが、早めに症状の悪化を防止するべきです。 また、この疾患を発症した場合に、爪母(爪の根本部分)が影響をうけて「爪が変形して凸凹になる」特徴がみられるため、そのような所見を確認した際には放置せず、皮膚科などで診察を受けるよう心がけましょう。 主な原因 https://youtu.be/fzyqMTIc7dI?si=On7Hw-JuXYZgG9D0 実はこのへバーデン結節は、これまでの医学的研究をもってしても未だに明確な原因が特定されていません。 しかし、判明しているいくつかの要因もあるため紹介します。 一般的に年齢を重ねれば、重ねるほどへバーデン結節など変形性関節症の発生率は高くなると言われています。 また、日常生活や仕事で手指を頻繁に使用する方が発症しやすい疾患とされています。 外傷によるものを除外すると「裁縫や刺しゅう、農業関係の手仕事に従事」していた方々が発症しやすいです。それと同時に、患者さんの概ね8割が主婦であったとの調査結果があります。 また、へバーデン結節は更年期以降の女性に多く発生し、とくに女性は男性の約2倍以上の確率で発症することがわかっています。 したがって、本疾患の背景には女性ホルモンの変調が関与している可能性が推測されています。 くわえて、遺伝や環境といったさまざまな要素が複合的に組み合わさって発症するとも考えられています。ただし、遺伝性と明確にうたえるエビデンス(証明)に乏しいものの、これまでに母娘間あるいは姉妹間などの家族内で多発する例が散見されているのも事実です。 それ以外にも外傷・甲状腺疾患・糖尿病などの疾患に合併して発症する場合や、とくに誘因なく特発性に現れるケースも存在しています。 ヘバーデン結節でやってはいけないこと【5選】 ヘバーデン結節になったらやってはいけないことや予防するために気をつけるべきことを紹介します。 ヘバーデン結節でやってはいけないこと ヘバーデン結節の予防・再発防止に気を付けるべきこと ヘバーデン結節でやってはいけないこと へバーデン結節になったらやってはいけないことは、以下の通りです。 へバーデン結節を発症すると、日常生活の中でも気をつけなければいけないことが多いです。 当院では、ヘバーデン結節をはじめとする手指に関する病気にお悩みの方を対象に無料相談を実施しています。 無理をして症状を悪化させないためにも、ぜひお気軽にお問い合わせください。 また、当院(リペアセルクリニック)の公式LINEでは、先端医療である再生医療に関する情報を限定配信中です。 ヘバーデン結節の予防・再発防止に気を付けるべきこと 現代社会では、日常生活においてスマートフォンが手指の障害をきたすと言われ、とくに小指でスマートフォンを持つ動作がヘバーデン結節を誘発すると考えられています。 スマホの画面操作は出来る限り両手で行うよう意識しましょう。 また、大豆に含まれているイソフラボンが女性ホルモンと成分が類似していることから、豆乳や豆腐・納豆・きなこなどを日常的に摂取することで症状の改善につな繋がる可能性もあります。 指の第1関節の動作は、日常生活でなかなか意識しづらいことではあるものの、知らず知らずのうちによく利用している部位です。 手指を動かすたびに疼痛症状が出現するようならば、痛みを悪化させないための対策や工夫を講じることが重要です。 ヘバーデン結節の主な治療方法 へバーデン結節の治療は、症状に応じて保存療法・薬物療法・手術療法の3種類の方法があります。 手術をすると関節自体が固定され物を握りにくくなる場合があるため、保存療法や薬物療法による進行を遅らせる治療法が中心でした。 しかし、近年ではへバーデン結節治療の新たな選択肢として「再生医療」が注目されています。 へバーデン結節の新たな治療法として注目されている再生医療について へバーデン結節の新たな治療法として、先端医療である再生医療も選択肢の一つです。 再生医療とは、人の身体が持つ再生力を利用して、損傷した組織の再生・修復を図る医療技術のことです。 従来の治療では、テーピングやサポーターによる装具療法や痛み止めなどの薬物療法による保存療法が中心でした。 しかし、従来の保存療法ではへバーデン結節の根本的な改善にはつながりません。 「へバーデン結節を根本的に治したい」「手術せずに治したい」という方は、ぜひ再生医療による治療を検討してみましょう。 以下の動画では、へバーデン結節と同様の変形性のCM関節症に関する治療について解説しているので、合わせてご覧ください。 https://youtu.be/vmnKIVntXQU?si=hzu3gwI0JVu4lGOy ヘバーデン結節でやってはいけないことに関するQ &A この項目では、ヘバーデン結節に関するよくある質問と回答を紹介しています。 ヘバーデン結節を放置するとどうなる? ヘバーデン結節になったら食べてはいけない食べ物は? へバーデン結節は何科を受診したほうがいいですか? ヘバーデン結節は何人に1人くらいの割合で発症していますか? ヘバーデン結節にお悩みの方や発症を心配している方は、参考にしてみてご確認ください。 ヘバーデン結節を放置するとどうなる? ヘバーデン結節を放置してしまうと、長期間にわたって変形が進行するとされています。 変形が進むと屈曲した状態で関節が固まり痛みがなくなる傾向にありますが、骨の変形であることから元に戻すことが困難になってしまいます。 ヘバーデン結節になったら食べてはいけない食べ物は? ヘバーデン結節における食べ物で気をつけなければならないのは、リン酸を多く含む食品の過剰摂取です。具体的には、加工食品やスナック菓子・インスタント麺などが挙げられます。 対して、イソフラボンを含む豆製品やカルシウムを含む食品はヘバーデン結節の症状改善に有効とされているので、意識的な摂取を心がけましょう。 へバーデン結節は何科を受診したほうがいいですか? へバーデン結節は整形外科を受診しましょう。 また、へバーデン結節の兆候としてみられる「爪が変形して凸凹になる」現象が顕著で、不安を抱く方は皮膚科の受診を検討しても良いでしょう。 ヘバーデン結節は何人に1人くらいの割合で発症していますか? ヘバーデン結節は日本の人口約1億2千万人に対して3千万人の推定患者がいると言われています。 高齢であればあるほど発症率は高くなりますが、スマートフォンの普及に伴い若年層でも発症する疾患です。 50代 約29% 60代 約35% 70代 約51% 80代 約59% 疑いがあるときは「自分は大丈夫」と油断せずに、整形外科の受診を検討しましょう。 ▼ 再生医療に関する詳細は以下をご覧下さい 自分自身の自ら再生しようとする力、先端医療が自然治癒力を活かして治します ヘバーデン結節でやってはいけないことを避けて症状改善を目指そう ヘバーデン結節は、高齢者はもちろん若年層でも発症の危険性がある疾患です。 放置すると徐々に指の変形が進行し、最終的には横を向いてしまう危険性もあります。ただし、日常生活におけるさまざまな工夫によって疼痛症状の改善は可能です。 へバーデン結節におけるやってはいけない・予防事項を認識しながら、前向きな対処策を実践していきましょう。 なお、当クリニックではヘバーデン結節をはじめとする手指に関する病気にお悩みの方を対象に無料相談を実施しています。お気軽にご相談ください。
2022.01.18 -
- ひざ関節
- 変形性膝関節症
変形性膝関節症!発見には膝の症状がポイント 膝に痛みを及ぼす疾患が変形性膝関節症です。 変形性膝関節症になると、人間の基本的な動作である「歩行」に影響をもたらすことで、活動量が減るなど日常生活に支障を及ぼします。その原因は、靭帯や半月板の怪我からくる場合を除いて、ほとんどは加齢に伴った関節軟骨の摩耗がきっかけです。 特に40代以降の女性に多く発生するため、中高年で感じる膝の痛みのほとんどは、変形性膝関節症からくる痛みだともいわれています。そんな変形性膝関節症の治療方針は、膝に負担のかかる生活スタイルを見直し、膝周囲の筋肉を鍛える運動療法に取り組むことです。 そうした保存療法の継続が、関節を安定させ、これまで通りの痛みのない日常につながるのです。そのためには、いかに早期に発見できるかがポイントです。そこで今回は、変形性膝関節症の初期症状から、もし当てはまった場合には、実際にどういった行動に移せば良いのかまで紹介していきます。 変形性膝関節症の進行度と症状 変形性膝関節症の自覚症状は、前期>初期>中期>末期の4つの段階を踏んで進行していきます。前期では、膝にほとんど痛みはありませんが、初期になると軟骨がすり減り始め、膝に痛みや違和感や感じるようになります。 進行が進んだ中期になると膝に変形がみられ、さらに進行した末期になると痛みから立つ・歩くなどの日常生活を過ごすのが困難になり、手すりや杖などに頼らないと姿勢を保てない状態になります。 症状 変形性膝関節症・進行度 ・前期:ほとんど痛みを感じない ・初期:軟骨にすり減り、痛み、違和感を感じ始める ・中期:膝に変形がみられる ・末期:日常生活が困難になる、手すり杖が必要になる 変形性膝関節症を見逃さないため、初期に現れやすい症状を知る 変形性膝関節症は早期発見が大切です。そのためには進行が始まり、「痛み」や「違和感」を感じだす前段階で発見することが重要になります。 この段階で異変に気づき病院を受診され、変形性股関節症を早期に発見できれば、治療の選択肢が増えるだけでなく、積極的に運動療法に取り組め、重症化を防げる可能性が高くなります、。 初期症状を見逃さないポイント ・朝起きた時に膝にこわばりを感じる ・膝を伸ばそうとすると引っ掛かりを感じる ・椅子から立ち上がろうとすると痛みが走る ・歩き出しに痛みがある ・正座をすると「ズキっ!」と痛みを感じる 早期発見が治療の選択肢を増やす 変形性膝関節症に早期に気づき、運動療法に取り組むことで悪化を防ぐことができます。運動療法で痛みが引かない場合、薬物療法や物理療法、装具療法などで痛みを抑えながら、運動療法に取り組めるよう工夫します。 あらゆる手を尽くしても効果がみられない場合には、観血療法という選択肢がありますが、手術の種類によっては進行しすぎていると実施できないケースがあります。 たとえば、体への侵襲が大きな人工関節置換術や高位脛骨骨切り術を、「今はしたくない」場合には、負担が少なく、術後の回復も早い関節鏡視下手術という選択肢があります。 しかし、変形が進行した状態では、関節鏡視下手術をしたところで、改善が見込めない場合があるので注意が必要です。 変形性膝関節症の初期なら運動療法で悪化を防げる 変形性膝関節症の治療の基本は運動療法ですが、初期から実施するのと、末期から実施するのでは大きな違いがあります。初期の運動療法には悪化を防ぐ目的があり、継続して行うとこれまで通りの生活を送れる可能性があります。 一方、発見が遅れた末期では、痛みが強く日常生活をまともに送るのは難しい状態です。そのため、満足に運動療法に取り組めず、これまで通りの生活を送れる可能性は低くなることから、早期発見が変形性膝関節症の治療において大切です。 病院で変形性膝関節症と診断されるまで 中高年以降で、膝に「痛み」や「違和感」を感じたら整形外科の受診をおすすめします。 変形性膝関節症の診断は、問診・視診・触診・画像診断などの検査を複合して判断されます。問診では家族歴・半月板や靭帯損傷などの怪我の既往歴を聞き、視診では歩行状態から進行の程度を確認、触診では膝の変形具合や水がたまっていないかなどを確認します。 変形性膝関節症の進行の程度は、X線検査の後、Kellgren-Lawrence分類によって分けられます。関節の隙間が確保されているグレード0から、関節の隙間がなくなってしまった状態のグレード4まで分けられます。 しかし、必ずしも画像診断の進行度合いと自覚症状が一致するとは限りません。画像診断では進行していても、自覚症状があまり強くない場合や、その逆の場合もあります。 そのため、軽度の痛みや、ちょっとした違和感でも変形性膝関節症が進んでいる可能性があることから、注意が必要です。 変形性膝関節症と似たような病気 膝に痛みがあっても、全ての膝の痛みが変形性膝関節症ではありません。膝関節以外の痛みや発熱の有無など、問診や触診の情報を元に、「関節リウマチ」「痛風」「化膿性関節炎」などを疑います。 検査では血液検査や関節液の成分を検査し、検査結果を元に変形性膝関節症以外の病気である要素を取り除いた上で、はじめて変形性膝関節症と診断されます。 まとめ・変形性膝関節症!発見には膝の症状がポイント 変形性膝関節症は中高年以降の女性に多く発生する病気で、膝の痛みの多くは変形性膝関節症からだといわれています。 変形性膝関節症の症状は、痛みと変形が特徴です。初期には強い痛みや変形を感じることは少ないものの、変形性膝関節症は進行性の病気です。放っておくと取り返しがつかないところまで進行するケースがあります。 そうならないためにも、早期に変形性膝関節症に気付くことが治療の選択肢を増やし、悪化を防ぎます。 変形性膝関節症の早期発見ができれば、保存療法(運動療法、薬物療法など)や手術療法というように、あらゆる選択肢の中から、膝の状態や自分自身の意向に沿って治療に取り組めるのです。 そのため、「軽度な痛み」や「違和感」程度でも放ったらかしにしないで、整形外科を受診しましょう。 ▼ 再生医療で変形性膝関節症の治療する 変形性膝関節症の新たな選択肢、再生医療の幹細胞治療で手術せず、入院不要で症状を改善する No.039 監修:医師 坂本貞範
2022.01.18 -
- 手部
- CM関節症
CM関節症は、50歳以上やゴルフなどの運動をする方、女性によくみられる疾患です。親指の根本にある「CM関節」の使いすぎや加齢による変性が関係しています。 瓶やペットボトルのふたを開けたり、ボタンを閉めたりと、親指に力を入れた動作をすると「親指と人差し指の間あたりが痛い」と感じます。日常生活の質に影響する痛みなので、早めに解消したいと考える方は多いでしょう。 そこで本記事では、CM関節症の原因や症状を解説するとともに、治療法や筋肉のほぐし方などについて詳しくご紹介します。 親指と人差し指の間が痛いときに考えられるCM関節症とは? CM関節症とは、親指の根本にある「CM関節」の使い過ぎや加齢により変性し、痛みや腫れ、さらには亜脱臼などの症状を引き起こす疾患です。 「CM関節」は、母指(親指)の根本の骨である第1中手骨と、手首の小さい骨である大菱形骨の間に存在している関節をいいます。 母指が他の指と対立運動(つまみ動作)ができるのは、このCM関節の役割が大きくかかわっています。「握る」「つまむ」などの動作を行う際に負担がかかる部位を「CM関節」と覚えておきましょう。 ただ「握る」「つまむ」などの動作は、けして特別なものではなく、日常生活においても比較的多く行われる動作のため、CM関節には常に負担が掛かり続けていると言えるのです。そのため、関節をスムーズに動かしたり、衝撃を和らげるクッションの役割を果たす軟骨がすり減ったりすることで関節の腫れや亜脱臼などが生じることとなり、これが「CM関節症」といわれます。 CM関節症で考えられる8つの症状 CM関節症の場合、母指(親指)に力を入れた動作をした際、手首の母指の付け根付近に痛みが生じます。主に痛みが生じる場面は下記8つのとおりです。 瓶やペットボトルのふたを開ける ホッチキス・ハサミ使用時 タオルを絞る ドアのノブを回す 字を書く 草むしり 布団を挙げる ボタンをかける また、症状が進行すると、手首の母指の付け根付近が腫れて膨らんできて母指を開くことが難しくなります。場合によっては、関節が変形して親指の指先の関節が曲がり、付け根の関節が反る「白鳥の首変形(スワンネック変形)」になる可能性もあります。 CM関節症のステージごとの症状 CM関節症の症状は、ステージごとに区分され以下のように細かく分類されています。 stage1 レントゲン上での問題はみられない stage2 関節の隙間が少し狭くなり、骨硬化が少しみられる stage3 関節に隙間がほとんどなくなり、骨硬化や骨棘がみられる stage4 完全に関節の隙間がなくなり、骨棘の形成もみられる。 一般的にstage1・2は保存療法、stage3・4は重症になり手術の検討が必要となります。 ただ、必ずしもレントゲン上の結果と一致しないため、最初はサポーターなどの装具、テーピング、リハビリなどの手術以外の選択肢で治療を行うこともあります。 CM関節症の原因 CM関節症を生じる主な原因は、加齢・ホルモンバランスの変化・関節の変形です。それ以外にも、過去に母指に受けた外傷・怪我も原因になりえます。 CM関節が正常の場合は、軟骨がしっかり骨を覆っており、スムーズな曲げ伸ばしや、クッション性も豊かです。しかしCM関節症の場合、軟骨がすり減ってしまった結果、骨と骨同士がぶつかり合い、関節への負担が生じることとなります。 一般的には下記の因子(原因)が当てはまる人はCM関節症になりやすいと推測されます。 女性 肥満 40歳以上 靭帯のゆるみなどの遺伝 親指周囲の骨折など過去の外傷や怪我 スポーツや労働で親指に強い負担が、かかっている状況 CM関節症の治療方法 CM関節症の治療法は大きく下記の4つに分けられます。 保存療法:テーピング・サポーターなどの装具治療・リハビリ 薬物療法:消炎鎮痛剤・痛み止め・注射によるステロイド製剤 手術療法:関節形成術・骨切り術・靭帯再建術 再生医療:幹細胞の投与 CM関節症は、まず保存治療を実施します。テーピング・サポーターなどの装具治療、リハビリをしっかり行うだけで症状の改善がみられる場合がほとんどです。 装具治療は、手の状態に合わせて取り外し可能な装具を作成し、症状が軽い場合は、寝るときに装具を付けて過ごすだけで数週間後には痛みが軽減する場合もあります。装具治療でも痛みが軽減しない場合は、消炎鎮痛剤の内服・注射治療を実施します。 保存療法や薬物療法を実施しても症状が改善しない場合は、手術による治療法も選択の1つとしなければなりません。手術の内容は「関節形成術」「骨切り術」「靭帯再建術」の3つ方法が主要となり、どの手術後も一定期間の固定が必要なため、母指を正常に使えるようになるまでに長い期間を要することがデメリットとなります。 ただし、手術を必要としない方法として、再生医療による幹細胞の投与が挙げられます。関節の軟骨がすり減っている部分などに、幹細胞を投与することでCM関節症の改善が期待できるのです。実際に痛みが10分の2まで軽減された事例もあり、下記の動画で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。 CM関節症による筋肉への影響とほぐし方 手には多くの筋肉が存在するため、CM関節症になると、さまざまな筋肉に影響が出ます。今回はその中でも主要な筋肉のほぐし方について解説します。 第一背側骨間筋 背側骨間筋は、第1中手骨(親指)と第2中手骨(人差し指)の間にある筋で、親指を内側(手のひら側)に曲げたときに背側へ盛り上がってくる筋です。 この筋肉が緊張すると、痛みが出る・指がこわばる・力が入りにくくなります。また、中手骨の間にも走行するため、場合によって、神経が圧迫されて、しびれの原因にもなります。 背側骨間筋のほぐし方は下記のとおりです。 ほぐす側の手の平を台に置いて安定させる 手の甲を上に向ける 逆側の手で第1中手骨と第2中手骨の間に指を入れる 親指と人差し指の間の筋をつかむ 押さえるように、ほぐしましょう。 母指対立筋 母指(親指)を動かす筋は全部で4つあり、そのうち、短母指屈筋・短母指外転筋・母子対立筋の3つの筋で親指の付け根の膨らみである母指球を形成しています。 母指対立筋は短母指屈筋と短母指外転筋に覆われており、親指を手の平に近づける作用である対立運動に関与します。母指対立筋のほぐし方は下記のとおりです。 ほぐす側の手の平を上に向けて指を広げる 反対側の手で母指を握る 母指CM(親指の根本)を手のひらとは反対側、手の甲側へ伸ばす まとめ|親指と人差し指の間が痛いと感じたら医師に相談を! 本記事では、親指と人差し指の間が痛いときに考えられる「CM関節症」の症状や治療法について詳しく解説しました。 CM関節症は、50歳以上の人に多く見られる疾患で、親指の根元に位置するCM関節の軟骨がすり減ることにより発症します。主な原因は加齢・ホルモンバランスの変化・関節の変形・過去に親指に受けた外傷や怪我の影響とお伝えしました。 「握る」や「つまむ」などの日常的な動作で親指に負担がかかり、痛みや腫れを引き起こす疾患です。日常生活の質を大きく左右するため、早期発見と適切な治療が欠かせません。親指と人差し指の間に痛みが少しでもあれば、我慢せず自己判断を避け、専門医の診断とアドバイスを受けることが重要です。 当院「リペアセルクリニック」は、手術を必要としない再生医療を得意としており、CM関節症の治療もしていますので、まずはお気軽にご相談ください。 >>リペアセルクリニックにメール相談してみる
2022.01.10 -
- 手部
- ヘバーデン結節
「何年も指の痛みに悩んでいるけれど、良くならない」「年齢のせいだから仕方ないと言われて終わってしまう」といったつらい思いを抱えている方も多いのではないでしょうか。 こうした指の痛みや変形に悩む方の多くが、実は「ヘバーデン結節」という進行性の関節疾患を抱えています。 ヘバーデン結節は更年期以降の女性に多く見られる進行性の関節疾患で、指の第一関節に痛みや変形が生じるのが特徴です。 本記事では、ヘバーデン結節に対するさまざまな治療法をご紹介します。 局所安静 薬物療法 マッサージ 手術 再生医療 進行すると、骨に棘が形成されたり、関節が不安定になってグラつき、細かい作業がしにくくなるといった症状が見られます。 症状の進行を防ぎ、これからの生活をより快適にするためにも、ぜひ参考にしてください。 \再発予防につながる再生医療とは/ 一般的な整形外科では、痛みを抑える薬や安静指導が中心となるため、根本的な改善にはつながらないことも少なくありません。 「できるだけ手術は避けたい」「この痛みを根本からなんとかしたい」そんな方に注目されているのが、自分の細胞を活用する再生医療です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 長年、指の痛みや変形に悩まされている 投薬や安静だけでは改善が感じられない 手術以外の根本的な治療を探している 細かい作業や趣味(編み物・字を書くなど)を諦めたくない 炎症の抑制や組織の修復・再生を促進する効果が期待され、進行性であるヘバーデン結節の改善や悪化予防にもつながる可能性があります。 詳しい治療法については、再生医療を専門とする当院リペアセルクリニックにお問い合わせください。 ▼まずは電話で無料相談! >>今すぐ電話してみる ヘバーデン結節の治療法5選 ヘバーデン結節の治療は、症状の段階や生活の状況によって異なります。主な治療法は以下の5つです。 局所安静 薬物療法 マッサージ 手術 再生医療 1つずつ詳しく見ていきましょう。 局所安静|テーピングや金属製リングの使用 へバーデン結節の症状を落ち着かせるには、日常的に指先への過度な負担を避けることが大切です。 とくに炎症が強いときは患部を冷却して、テーピングや金属製リングなどの装具で関節を固定すると良いでしょう。 指を安静に保てば痛みが和らぎやすくなります。 腫れや熱感が続いているときは無理をしてはいけません。 指先を酷使する仕事や趣味を控え、痛みが落ち着いたら医療機関での診察を検討するのも1つの選択肢です。 薬物療法|漢方や消炎鎮痛剤の服用 指の痛みが顕著なときには、漢方や消炎鎮痛剤などを使う薬物療法が検討されます。 以下に薬物療法で使用される代表的な薬物をまとめました。 医薬品 目的 効果 内服薬(漢方や消炎鎮痛剤など) 炎症を抑え、痛みを和らげる 指の腫れや痛みの軽減 外用薬(湿布や塗り薬など) 患部に直接アプローチし、局所的に炎症や痛みを抑える 患部の消炎鎮痛作用 使用部位の血行促進や腫れの軽減 ステロイド注射 強い炎症や痛みを即時的かつ集中的に抑える 強力な抗炎症作用による痛みの軽減 薬物には副作用が見られるものもあります。たとえば、ステロイド注射による副作用は、注射部位の痛み・腫れや血糖値の上昇などです。 薬を使う際は、自己判断で続けるのではなく、定期的に医療機関を受診し、処方内容の再検討や症状の変化を診察してもらいましょう。 こうした薬物療法は他のアプローチと合わせて活用し、日常生活の負担の軽減に役立ちます。 軽いマッサージ|炎症や痛みがないときに実施 へバーデン結節の痛みや腫れが和らいだタイミングであれば、軽いマッサージを試すことも1つの方法です。 手先をほぐすようにさする程度であれば、血行を促して関節の動きを保ちやすくなります。 ただし、炎症が続いている段階で実施したり、指圧を強めすぎたりすれば逆効果となるため、痛みがないときに実施 自己流で無理しないようにしてください。あくまで補助的なケアとして取り入れ、違和感があるときは医療機関に相談すると安心です。 手術|コブの切除や関節固定 保存的な治療で改善が見られず、変形が著しく日常動作に支障が出る場合は、手術を検討することがあります。 以下はへバーデン結節の代表的な2つの手術です。 手術 手術内容 コブの切除 指の第一関節にできた骨性のこぶを切除する手術 関節固定 指の第一関節を固定する手術 こぶの切除は痛みや変形の進行の軽減、外見上の改善は期待できますが、手術によっては可動域が制限されます。 一方で、関節固定は可動域は制限されますが、痛みの軽減と変形の進行を抑える効果が期待できます。 どちらの術式も手術後は固定具の装着やリハビリが必要となるため、手術前に医師と十分に話し合って理解を深めましょう。 再生医療|自分の細胞を活用する新しい治療法 へバーデン結節に対しては、再生医療による治療も選択肢の一つです。 再生医療には、幹細胞治療と呼ばれる治療があります。 幹細胞とは、さまざまな細胞へ変化する可能性を持つ細胞です。自己脂肪や骨髄などから幹細胞を採取し、培養して数を増やしてから再び注射で体内に戻します。 自分自身の細胞を利用するため、拒絶反応が起こりにくい点が特徴です。 再生医療について詳しくは、当院「リペアセルクリニック」へお問い合わせください。 ▼まずは電話で無料相談! >>今すぐ電話してみる ヘバーデン結節を治療せず放置するとどうなるのか? ヘバーデン結節を長期間放置すると、以下のような可能性があります。 骨の変形が進み元に戻りにくくなる 関節が変形した状態で拘縮し外見が気になる 指の動きが制限され日常生活に支障が出る こうした事態を避けるためにも、違和感を抱いた段階で医療機関を受診し、適切な治療のタイミングを逃さないように心がけましょう。 まとめ|ヘバーデン結節の治療法を知って自分にあった方法を選択しよう へバーデン結節は、親指や人差し指から小指にかけて、第1関節が赤く腫れあがり、変形して曲がってしまう疾患です。 いまだ原因不明の疾患であり、放置すると指先が曲がったまま固まる恐れもあります。 治療法としては、安静や薬物療法、手術、再生医療などがあります。 痛みや指の動きの制限が気になる方は、一度医療機関を受診し、自分に合った治療を試してみると良いでしょう。 再生医療について詳しくは、当院リペアセルクリニックにお気軽にお問い合わせください。 ▼まずは電話で無料相談! >>今すぐ電話してみる ヘバーデン結節の治療に関するよくある質問 ヘバーデン結節は治りますか? へバーデン結節は、すり減った骨そのものを完全に元の状態へ取り戻すことが難しいといわれています。 現在、医療の分野ではさまざまな治療アプローチが研究されています。その選択肢の一つが再生医療です。 当院「リペアセルクリニック」では、主に脂肪由来の幹細胞治療とPRP療法の二つの治療法を提供しています。 ヘバーデン結節の治療について詳しく知りたい方は、無料のメール相談を承っているので、ぜひご活用ください。 ヘバーデン結節の人がやってはいけないことを教えてください 以下にヘバーデン結節の人がやってはいけないことと、その理由をまとめました。 やってはいけないこと 理由 指先に負荷をかける作業 (例:固いものをハサミや包丁で切る、ペットボトルなどの容器を強く握っての開け閉めなど) 患部へ強い負荷がかかり、炎症や痛み、腫れが増幅する恐れがある 強い圧力をかけるマッサージ 患部への刺激が大きく、かえって痛みを悪化させる可能性がある 重い物を持つ習慣 患部へ大きな負担がかかり、炎症や痛みを悪化させたり、関節の変形を進行させたりする可能性がある 指を酷使する活動 (例:スマートフォンの長時間使用) 同じ動作が反復されて、痛みや炎症が慢性化しやすくなる これらはすべて関節に負担のかかる動作です。いずれの動作も痛みの増強や関節の変形を助長するため、患部に強い負荷をかける行動や習慣は控えましょう。 コーヒーを良く飲む人はヘバーデン結節になりやすいですか? コーヒーの摂取とヘバーデン結節の発症リスクとの関係については、はっきりした医学的根拠がないとされています。 ただし、コーヒーに含まれるカフェインには血管を収縮させる作用があり、血液のめぐりが悪くなると炎症のある部位の痛みが強まる恐れは否定できません。 とはいえ、適度な量のコーヒーが直接ヘバーデン結節を引き起こすという可能性は低く、飲みすぎに注意する程度で十分です。 もしコーヒーを飲むたび指の違和感が強まるようであれば、一度控えてみて症状の変化を確認することも選択肢の1つです。最終的には個人差があるため、不安がある方は食習慣を含めて医療機関で相談してみましょう。
2022.01.10 -
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変形性膝関節症|最新治療!手術をしない再生医療(幹細胞治療)の実力 変形性膝関節の痛みに悩まされてきた方は多いのではないでしょうか? 変形性膝関節症は、関節軟骨や半月板の損傷から、膝に痛みや変形がみられる疾患です。その治療法は、運動療法に取り組みながらも、痛みに対しては、薬を服用したり、膝にヒアルロン酸注射をしたりし悪化を防ぎます。 これまでの治療方法としては、運動療法や、薬物療法があり、効果がみられない場合には、「手術という選択肢」が一般的でした。では、一方で「手術はしたくない」「手術が受けられない」方は、どうすれば良いのでしょうか?!この場合、「痛みと付き合っていくしかない」のが現状なのです。 しかし近年、保存療法では効果が感じられず、観血療法(手術)ができない場合でも受けられる治療法に、「再生医療による治療」が確立されたのでご紹介してまいりましょう。 症状が進行した場合 ▶ 従来の医療 最新の医療 手術ができない、受けられない 手術以外の選択肢に乏しい 様子を見る 痛みがあるなら付き合っていくしかない 再生医療(幹細胞治療) 手術をしない 入院不要 手術は嫌だ、避けたい 再生医療|幹細胞治療とは? 人は怪我をして傷ついたとしても、多少の傷なら自然に治り回復します。つまり、修復力を持っているということで、これは人間が本来備えている自然治癒力です。これを活かした治療法が「再生医療」といわれる新たな医療分野なのです。 この再生医療の一種、「自己脂肪由来・幹細胞治療」では、患者様の体から採取した幹細胞を培養後、数万から数億にも増やしたもの(幹細胞)を膝に注射することで、傷んだ軟骨や細胞を自然に修復・再生させる効果を見込むものです。 https://youtu.be/2GCVH-Jw5Ps?si=4kHgIjsG3cFqNsO7 再生医療における幹細胞治療とは 幹細胞とは、人間の骨髄や皮下脂肪にある細胞で、皮膚や骨・軟骨・血管などの、いろんな細胞に性質を変える特徴(分化能)があります。幹細胞治療では、幹細胞の分化能を利用して、傷んだ軟骨や、そのほか組織の修復・再生が期待できる最新の治療法です。 幹細胞は普段は活動的ではありませんが、体が傷つくと、損傷した細胞の代わりになるよう細胞分裂が起こり、修復・再生が行われます。変形性膝関節症の場合、幹細胞の分化能を利用し、自己修復力を高めて、磨耗した軟骨を修復させます。 軟骨が再生すると、本来備わっていた膝のクッション性がアップするほか、関節の動きが滑らかになり、膝の痛みの緩和が期待できます。 つまり、これまで運動療法や薬物療法ではできなかった軟骨の修復・再生が、自己脂肪由来幹細胞治療で可能になったのです。 幹細胞治療はどのように行われる? 変形性膝関節症に対しての自己脂肪由来幹細胞治療では、自分の体から幹細胞を採取し、培養後、幹細胞を体内に戻します。幹細胞を体内に戻す方法には、静脈注射(静脈点滴)と関節注射の2種類があります。 静脈注射は直接注射できない内臓(肝臓疾患や糖尿病など)や脳の病気に用いられ、膝や肩、股関節などには直接関節に注射する方法があります。幹細胞は骨髄や皮下脂肪に存在しますが、体への侵襲(体への負担)が少ないほか、細胞の性質が良いとされることから皮下脂肪から採取されます。 自己脂肪由来幹細胞治療の流れ 腹部(おへそ周り)に局所麻酔をします。 5mmほど皮膚を切開し脂肪を採取します。 採取する脂肪の範囲は、米粒2粒ほどの大きさです。 採取した脂肪から幹細胞だけを分離し、4〜6週間ほどかけて培養します。 増殖した幹細胞を膝に関節内注射します。 幹細胞治療は、体への侵襲が低く、自分の細胞を利用した治療法です。大きな手術と比べて感染症のリスクは低く、拒絶反応やアレルギーも起こりにくいため、安全性が高い治療法です。 膝の痛みを放置するとどうなるか? 変形性膝関節症が進行し痛みが強くなると、治療の基本となる運動療法に満足に取り組めなくなります。さらに進行すると、ちょっとした動作や安静時でも膝が痛み、その痛みをかばうことで、関節の可動域が狭まっていき、余計に痛みを感じやすくなります。 そして、どうしようもなくなったときには、体に負担となる人工関節置換術や骨切り術などの手術が選択肢にあります。手術をすると、痛みの改善は期待できますが、感染症のリスクや、正座ができなくなるなどのリスクがあります。 手術をしたくない、手術ができない場合には、痛みと付き合っていくしかありませんが、痛みが悪化すると、次第に歩行ができなくなり、筋力が低下することで車椅子生活や寝たきりでの生活になってしまう可能性が高まります。 まとめ・変形性膝関節症、最新の治療法!手術をしない再生医療の幹細胞治療という可能性 自己由来幹細胞治療は、人が持つ修復力を引き出す治療法で、これまで不可能だった軟骨の再生が期待できます。幹細胞治療では、自分の細胞を使うことから、大きな手術のような、体にかかる負担はほとんどなく、長期間に及ぶ入院期間を確保できない場合にも、日帰りで行える治療法として注目されています。 変形性膝関節症の治療の基本は、膝周囲の筋力を鍛えることで、必要に応じて変形性膝関節症と診断された初期から幹細胞治療に取り組むことで悪化を防ぐことが期待できます。 幹細胞治療にかかる費用は、保険が効かず自由診療のため、全額自己負担での治療ですが、「現在の治療で効果を感じられない」「関節鏡や人工関節などの大きな手術をすすめられたが抵抗がある」方は、保存療法と観血療法の中間に位置する最新の再生医療による治療法、「自己由来幹細胞治療」を選択肢の一つとして覚えておきましょう。 以上、変形性膝関節症の治療に幹細胞治療/再生医療という新たな選択肢!になっていることについて記させて頂きました。 ▼ 再生医療の幹細胞治療が変形性膝関節症の治療を変える! 変形性膝関節症の新たな選択肢、再生医療の幹細胞治療で手術せずに症状を改善できます ▼以下もご参照ください 変形性膝関節症は早期発見が大切!膝の違和感を見逃さない!
2022.01.07