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- 腱板損傷・断裂
- 野球肘
- 幹細胞治療
- 上肢(腕の障害)
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- 肩関節、その他疾患
- 肩関節
- スポーツ外傷
- 再生治療
メジャーリーグ(ドジャース)山本由伸選手が発症!肩腱板損傷とは? 負傷者リストに入ってしまったようで心配です。野球選手にも多い肩腱板の損傷についてその原因と治療法を詳しく説明いたします。 日常生活の中で何気なく動かしているように思う肩ですが、思わぬケガが原因で強い痛みが出たり、動かせなくなったりすることがあります。 スポーツ障害でも多い腱板損傷は、そのような状態を引き起こすもののひとつです。 今回は、その腱板損傷について詳しくご紹介します。 肩腱板損傷とは?その症状について 腱板は肩に存在する筋で、板のように広がっているので腱板といいます。 腱板を構成するのは「肩甲下筋腱」「棘上筋腱」「棘下筋腱」「小円筋腱」という4つの筋肉です。これらが肩の骨を囲み、肩関節の安定性に働きかける重要な存在です。 その腱板が部分的、または完全に断裂するのが腱板損傷です。主な症状は痛みですが、軽い場合もあれば、動かせないほどの激痛、夜間に起こる痛みなど程度に差があります。 部分的な断裂では、肩を動かせないということはあまりありません。損傷が激しい場合、腕が上がらなくなったり、肩が動かしにくいという症状が出ることもあります。 肩腱板損傷の原因とは? 腱板損傷の原因について見ていきましょう。腱板損傷の原因は大きく3つにわけられます。 外傷 腱板損傷の原因で多いのが外傷、つまりケガです。転んで肩を強く打つ、手をついたときに肩に衝撃が加わるというのが腱板を傷つけてしまうことがあるのです。 オーバーユース スポーツ医療でも注目される腱板損傷ですが、ケガというよりも肩の使い過ぎが原因のことが多いです。 その代表的なスポーツが野球です。何度も繰り返しボールを投げることで、肩関節や腱板に負荷がかかってしまうのです。 加齢によるもの 加齢によって腱板損傷が起こることもあります。年齢を重ねると腱や軟骨など、身体の組織も衰えてしまいます。そのため、自分でも気が付かないうちに腱板が傷ついていることもあるのです。 肩腱板損傷の治療法とは? 肩の腱板損傷の治療法をご紹介します。近年期待されている治療方法についても見ていきましょう。 保存療法 肩の腱板損傷の治療は基本的には保存療法です。急性期には三角巾で固定し、患部の安静を保ちます。痛みや腫れがある場合は痛み止めの注射やヒアルロン注射を行うこともあります。 また、腱板が損傷した状態で無理に動かすと再発したり、ひどくなったりすることがあるので、リハビリも大切です。 手術 保存療法で痛みが改善しない、損傷がひどく肩の動きが悪いという場合には手術を検討します。損傷した腱板を手術によって直接修復するというものです。 近年は関節鏡といって皮膚を大きく切らない手術が行われています。術後1~2週間ほどで痛みが落ち着くことが多いですが、正常な肩関節の状態に戻すにはリハビリ期間を含めて6か月程度かかることが多いです。 再生医療 これまで腱板損傷の治療は保存療法と手術がメインでした。しかし、手術となれば治療やリハビリを含めてスポーツ復帰までの期間が長くなります。 そんな中、近年、腱板損傷の治療法として再生医療が注目されています。 再生医療は、自身の脂肪から採取した幹細胞を肩腱板に注射します。そして幹細胞が傷ついた腱板や組織を修復するというものです。 外科的な手術をしないで治療できるため、治療期間の短縮も期待できます。 まとめ・メジャーリーグ(ドジャース)山本由伸が発症!肩腱板損傷について 今回は肩の腱板損傷についてご紹介しました。 今回の山本由伸選手をはじめとして、肩を酷使する野球などのスポーツで使い過ぎによって肩の腱板が傷つくことがありますし、加齢によって腱板損傷を起こすこともあります。 プロの選手のように日常からケアをしていても、発症することがあるため、注意が必要です。プロ野球選手のように選手生命という問題がある場合は無理もできません。 そこで近年、治療法として注目を集めているのが再生医療です。特に幹細胞治療は、自分の幹細胞を用いるので、副作用のリスクが少なく、治療期間も短くて済むというメリットがありスポーツをされている方に最適です。 もちろん、再生医療はスポーツ選手ではなくとも有効です。 肩の痛み、肩の腱板損傷でお悩みの方は、再生医療による治療を検討してみてはいかがでしょうか。お気軽にご相談ください。 ▼肩の腱板損傷の回復を目指す再生医療とは https://fuelcells.org/treatment/shoulder/ ▼スポーツ選手の選手生命を護る再生医療をご存知でしょうか https://fuelcells.org/treatment/sports/
2024.06.18 -
- 脊髄損傷
- 脊椎
NHKの教育番組「おかあさんといっしょ」にて「体操のお兄さん」として活躍した佐藤弘道さんが、2024年、脊髄梗塞による下半身麻痺のため、芸能活動を一時休止すると発表しました。 脊髄梗塞は誰にでも発症する可能性がある疾患です。 とくに背中の痛みや両手足の痺れを感じているなら、すでに初期症状が現れているかもしれません。 本記事では脊髄梗塞の概要や症状、診断方法などを解説します。 脊髄梗塞とはどのような状態? 脊髄とは、脳から腰までの背骨の内部を走る、神経群を指します。 脊髄は、主に脳からの指令を体の各部に伝え、また体が受けた刺激を脳に伝える役割を果たします。 私たちが自由に手足を動かしたり、何かに接触したときに反応したりできるのは、脊髄のはたらきがあるからに他なりません。 脊髄は、いわば「情報伝達の高速道路」のような役割を担っています。そして、高速道路を機能させるためには、酸素と栄養を供給する血液が欠かせません。 しかしなんらかの原因で血管が詰まると、脊髄に対して血液が行き届かなくなり、酸素と栄養も十分に行き渡りません。この状態を脊髄梗塞と呼びます。 脊髄梗塞になると、脊髄は正常に機能しません。 また酸素と栄養の供給が絶たれたことにより、脊髄がダメージを被り、身体に以下のような症状が現れます。 突然の背中の痛み 両手足の痺れ、感覚の喪失 筋力の低下 排泄の障害 症状が重篤な場合は、「歩くのも難しい」状態に陥ります。 脳梗塞のようにただちに生命が危ぶまれるものでないものの、適切な治療と十分なリハビリが必要になるでしょう。 メール相談 オンラインカウンセリング 脊髄梗塞の発生頻度 脊髄梗塞はまれな疾患であり、発生率は年間10万人中3.1人と報告されています。 広い年齢層で症状が見られますが、50〜60代での発症例がとくに多く報告されています。 また性差はありません。男女ともに同程度の可能性での発症がありえます。 参考:日本関東救急医学会|J-STAGE 脊髄梗塞は治るのか?後遺症は? 脊髄梗塞を根本的に治療する方法は、現時点で確立されていません。 一方で早期発見や専門的治療、適切なリハビリにより、症状を緩和したり、機能を回復させることは可能です。 とくにリハビリの効果は高く評価されており、約7割のケースで歩行可能な状態に回復します。 参考:JCHO大阪病院 脊髄梗塞の症状・前兆 脊髄梗塞の前兆として、以下があげられます。 突然の背中の痛み 両側の手足の筋肉の弛緩 両側の感覚の喪失 それぞれ以下で詳しく解説します。 突然の背中の痛み 脊髄梗塞の一般的な症状としては、突然現れる背中の痛みから始まることが多いです。 とくに予兆もなく突然症状が現れるのは、血管の詰まりや破裂を引き起こす病気の特徴です。 脊髄梗塞もこのケースに当てはまり、脊髄を栄養する動脈が詰まったり破裂したりして、突然の痛みの発生へとつながります。 また、症状は背中だけにとどまらないこともあり、肩などにも広がりやすいです。 両側の手足の筋肉の弛緩 両手足の筋肉が弛緩し、力が入らなくなるのも前兆のひとつです。 具体的には以下の症状が現れます。 両足がふらつく 物を強く握れなくなる 症状の進行は急速であり、数時間で歩行が困難になるケースも存在します。 また左右一方ではなく、両手足同時に症状が現れるのも、脊髄梗塞の前兆の特徴です。 両側の感覚の喪失 身体の感覚は脊髄を通して脳へと伝わりますが、この経路にある脊髄が障害されてしまうため、両側の感覚までもが障害を受けてしまいます。 また、脊髄梗塞の感覚障害にはある特徴が見受けられます。 それは、痛覚や温覚を伝える神経経路が主に障害されるため、痛みや温度が感じにくくなります。 その一方で、触覚(触れている感覚)や振動覚(振動を感じる感覚)、また自分の手足がどの位置にあるのかなどの感覚を伝える神経経路は比較的障害を受けない場合もあります。 このように脊髄梗塞では突然の症状に襲われて、これまで経験をしたことがないような背中の痛みや手足の脱力感、感覚の異常を経験します。 後ほど治療法についても詳しく説明しますが、脊髄梗塞に対してはまだまだ確立された治療法がなく、苦しい日々を送っている方がたくさんおられます。 再生医療を専門とするリペアセルクリニックでは、この稀な疾患である脊髄梗塞に対しても治療実績があり、高い効果が得られており、300名以上の脊髄疾患の方が治療に来られています。 通常では点滴により投与される幹細胞治療ですが、当院では国内でも珍しく脊髄腔内へ直接幹細胞を投与しております。 詳しくはこちらの動画をご覧ください。 https://www.youtube.com/watch?v=9S4zTtodY-k メール相談 オンラインカウンセリング 脊髄梗塞の原因とは? 脊髄梗塞の原因にはさまざまな要因が考えられますが、ここでは身体の構造にしたがって原因を分類します。 脊髄動脈の疾患 脊髄は前方と後方の2方向から血液が供給されています。 前方の血管を前脊髄動脈と言い、脊髄の前方3分の2を栄養しています。 そして、後方の血管を後脊髄動脈と言い、脊髄の後方3分の1を栄養しています。 栄養を送る血管の損傷 心臓からつながる動脈には栄養が豊富に含まれています。 そのなかでもとくに太い血管である大動脈の動脈硬化や大動脈解離などが発症すると、脊髄へ送られる栄養が行き届かなくなり、脊髄梗塞が起きてしまいます。 また病気が原因ではなく、手術中の手技により脊髄へ栄養を送る動脈が損傷されてしまい、脊髄梗塞となることも事例もあります。 脊髄梗塞の診断方法 脊髄梗塞の診断は、主に以下二つの検査でおこなわれます。 MRI検査 CT脊髄造影検査 最初にMRI検査を実施します。 脊髄梗塞が疑われる段階では、急性横断性脊髄炎、脱髄疾患、脊髄炎、転移性硬膜外腫瘍などを発症している可能性もあり、正確に疾患名を特定できません。 しかしMRI検査によって、何を発症しているか判断ができます。 MRI検査でも判断が難しい場合は、CT脊髄造影検査をおこない、疾患名を特定します。 脊髄梗塞の治療法やリハビリ、後遺症や予後については以下の記事で詳しく解説しています。 脊髄梗塞の治療法 脊髄梗塞を発症した場合、脊髄や周辺がダメージを被っています。 そのダメージを取り除く根本的な治療法は確立されていません。 したがって根治ではなく、症状の緩和や機能の部分的な回復を目的とした、以下の治療法が用いられます。 リハビリ|地道に筋力や感覚の回復を目指す 血行再建術|手術による血行を回復させる 血栓溶解療法|薬剤注入により血栓を解消する それぞれ以下で解説します。 メール相談 オンラインカウンセリング リハビリ|地道に身体機能を目指す 脊髄梗塞の治療では、身体機能を回復させるためのリハビリが用いられます。 リハビリはほとんどの症例で必要となるでしょう。 とくに運動療法による股関節や膝関節の訓練を重視し、歩行をはじめとした基本的な動作を取り戻すことを目指します。 また食事や入浴、更衣などの日常生活動作を取り戻すリハビリもおこなわれます。 また心理的なサポートを目的としたカウンセリングが用いられるケースもあるでしょう。 脊髄梗塞による症状改善を目指すリハビリは長期にわたるため、精神的な支援が必要だからです。 なお長期的なリハビリは、脊髄梗塞からの回復に対して効果的だとされており、たと例えばJCHO大阪病院は、約7割の人が歩行回復なまでに回復すると述べています。 参考:JCHO大阪病院 血行再建術|手術により血行を回復させる 血行再建術とは、血管が詰まった、閉じた状態を改善し、血流を活発化させるための手術です。 先ほど脊髄梗塞は血管がなんらかの原因で詰まることで発症すると解説しました。 したがって詰まりを放置していると症状が悪化すると考えられ、看過できません。 しかし血行再建術の実施により、詰まりが解消されれば、脊髄に酸素や栄養が十分に行き渡ります。 症状の程度によりますが、手術後の症状の悪化は避けられるでしょう。 また早期に実施できれば脊髄梗塞による症状を軽微な状態でとどめられます。 なお血行再建術だけでは、現在の症状の改善は期待できません。 すでに生じた神経の壊死などを回復する手術ではないからです。 症状の回復は、後述のリハビリにて目指します。 血栓溶解療法|薬剤の注入により血栓を解消する 血栓溶解療法とは、アルテプラーゼなどの特殊な薬剤を血管に注入し、つまりの原因である血栓を溶かす治療法です。 血栓が解消されれば、脊髄梗塞の症状の悪化は避けられるでしょう。 早期に血栓溶解療法を実施できた場合、脊髄梗塞の症状を軽微な状態でとどめられます。 ただし血栓溶解療法が有効なのは、発症から6〜8時間以内とされています。 それ以上経過した場合、症状の改善や治療はリハビリや血行再建術などで図られるでしょう。 まとめ・脊髄梗塞は早期診断・治療が大切 この記事では脊髄梗塞の症状の経過や診断方法、原因などについてまとめました。 記事の中でも触れたように、脊髄梗塞は稀な疾患で、明確な治療方法が確立している病気ではありません。 また、急激な背中の痛みは脊髄梗塞かどうかに関わらず、とても危険な状態であると示す身体からの信号です。 そのような痛みを感じたときには、すぐにお近くの医療機関に連絡するようにしましょう。 メール相談 オンラインカウンセリング 参考文献 脊髄への血流遮断 - 09. 脳、脊髄、末梢神経の病気 - MSDマニュアル家庭版 脊髄梗塞 - 07. 神経疾患 - MSDマニュアル プロフェッショナル版 診断に難渋した脊髄梗塞の 1 例 脊髄梗塞 14 例の臨床像および予後の検討 ▼こちらもあわせてご参考ください。
2024.06.14 -
- 肝疾患
- 内科疾患
「肝硬変の疑いがあり、今後の治療について気になる」 「肝硬変を改善させる方法は肝移植しかない?」 肝臓の慢性的な炎症により、肝臓が線維化して硬くなる疾患である肝硬変は、代謝や血液の循環動態に大きな影響を及ぼします。症状の進行だけでなく、合併症のリスクも見逃せません。本記事では、現役医師が肝硬変の治療法について詳しく解説します。また、検査方法や期間の目安も合わせて紹介します。 記事の最後には肝硬変の治療に関するよくある質問もまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 肝硬変について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 肝硬変とは 分類 治療の目的 治療の考え方 代償性肝硬変 進行を防ぐ 原因治療・生活管理・定期的な経過観察 非代償性肝硬変 合併症を抑える・生命維持 合併症への対症治療+全身管理 重症例 根本治療 肝移植を検討 肝硬変は、慢性的な肝臓の炎症や障害が長期間続くことで、正常な肝組織が壊れ、線維化(硬い組織への置換)が進む疾患です。 その結果、肝臓が硬くなり、栄養代謝・解毒・胆汁産生などの機能が低下します。 肝硬変は進行度によって「代償性」と「非代償性」に分けられます。代償性では肝機能がある程度保たれており、ほとんど症状はありません。 しかし、非代償性では肝機能低下の影響で黄疸・腹水・肝性脳症などの症状が現れ、生活に支障をきたすようになります。肝硬変は肝臓がんや肝不全のリスクを高める疾患です。 以下の記事では、肝硬変について詳しく解説しています。 【関連記事】 肝硬変とは?原因・症状の特徴や主な治療法などを徹底解説! 食道静脈瘤は肝硬変が原因のひとつ|症状・診断・治療方法を徹底解説 肝硬変の治療法 治療法 詳細 薬物療法 炎症抑制や線維化進行の抑制、腹水・肝性脳症などの合併症管理を目的とした薬剤投与 食事療法を含めた生活習慣の改善 塩分・たんぱく質管理、禁酒の徹底、適正体重維持による肝臓への負担軽減 肝移植 内科的治療が困難な非代償性肝硬変や肝不全に対する根治的外科治療 再生医療 幹細胞を用いた肝組織の修復・再生を目指す先進的治療 肝硬変の治療は、病状の進行度や原因、合併症の有無に応じて段階的に行われます。 薬物療法では原因疾患や腹水・肝性脳症など、合併症のコントロールが欠かせません。 食事療法や生活習慣の改善では肝臓への負担軽減と栄養状態の維持を図ります。 重症例では肝移植が根本的治療となり、再生医療は将来的な選択肢として研究が進められています。 ただし、現在の時点で実施可能な医療機関は限られており、すべての肝硬変に適用できる治療ではありません。そのため、適応や有効性については必ず医師と相談する必要があります。 薬物療法 肝硬変の薬物療法は疾患そのものを治す治療ではなく、症状や合併症を管理することを目的として行われます。 症状 治療法(使用する薬の種類) 皮膚のかゆみ ナルフラフィン塩酸塩 こむら返り 芍薬甘草湯、カルニチン 血小板減少 ルストロンボパグ 代表的な症状として、皮膚のかゆみに対してはナルフラフィン塩酸塩、こむら返りには芍薬甘草湯やカルニチン、血小板減少にはルストロンボパグなどが用いられます。 これらの治療は、肝硬変の進行を完全に止めるものではありませんが、症状を緩和し、日常生活の質を保つ上で重要な役割を果たします。 食事療法を含めた生活習慣の改善 肝硬変では、薬物療法に加えて日頃の食事や生活習慣の見直しも重要な治療のひとつです。症状に応じた食生活の工夫が、合併症の予防や悪化防止につながります。 症状 食生活の改善ポイント 腹水・むくみ 塩分を控え、適度な水分制限が必要。水分不足や脱水に注意 食道静脈瘤 刺激物、硬い食物を避け、よく咀嚼する 糖尿病 一度に大量に食べない。砂糖や果物を控える。炭水化物の多い食事に注意 肝性脳症 たんぱく質を控え、食物繊維を摂る 腹水やむくみがある場合は塩分を控えつつ、水分制限が必要となることがありますが、脱水には注意が必要です。また、食道静脈瘤がある場合は、刺激物や硬い食品を避け、よく噛んで食べることが大切です。 糖尿病を合併している場合は、過食を避け、糖分や炭水化物の摂取量に注意します。肝性脳症では、たんぱく質量を調整し食物繊維を意識した食事管理を行い、あわせて無理のない運動習慣を取り入れることで全身状態の改善が期待されます。 以下の記事では、肝硬変の食事方法について詳しく解説しています。 【関連記事】 肝硬変の食事で気をつけることは?食べてはいけないものやおすすめ献立を医師が解説 アルコール性肝硬変とは?飲酒の影響や原因・症状・治療法を解説! 肝移植 肝硬変が進行し、多くの合併症が起こり他の治療法が効果を示さない場合、肝移植を検討し始めます。 ダメージを受けた肝臓を取り除き、健康な肝臓に置き換え、機能を回復させるための治療法です。ただし、肝移植を受けられるかどうかは、患者様の健康状態や肝硬変の原因などの要因に依存します。 移植の種類 肝硬変の治療で肝移植には「生体肝移植」と「脳死肝移植」の2種類あります。 それぞれ移植の特徴や注意点などは以下の通りです。 移植の種類 概要 メリット デメリット 生体肝移植 健康なドナー(主に配偶者や家族など)の肝臓の一部を患者様に移植する方法 移植までの待機時間が少ない ドナーの体にもメスをいれる必要がある 脳死肝移植 脳死状態となり臓器提供の意思を示した方から肝臓を提供してもらう方法 肝臓全体を移植できる 待機時間が長くなる可能性があり、病状が進行するリスクがある 肝移植には、生体肝移植と脳死肝移植の2種類があります。生体肝移植は、家族などの健康なドナーから肝臓の一部を提供してもらう方法で、待機期間が短い一方、ドナーにも手術による身体的負担が生じます。 一方、脳死肝移植は肝臓全体を移植できる利点があるものの、提供数が限られるため待機期間が長くなり、病状が進行する可能性があります。 いずれの肝移植においても外科手術が必要であり、一定のリスクを伴う治療であることを十分に理解しておきましょう。 肝移植のリスク 肝移植では、全身麻酔による合併症の可能性や肝臓を取り除く際に周囲の臓器を損傷するリスクがあります。 また、移植後は拒絶反応を防ぐために、免疫抑制剤を服用し続ける必要があります。 さらに肝移植は、すべての肝硬変の患者様が受けられるわけではありません。 肝硬変の原因や患者様の全体的な健康状態などに基づいて、適応が判断されます。適応基準を満たさない場合は、症状を緩和する治療を続けます。 肝移植は最終的な治療手段として、肝硬変の患者様の命を救う可能性があるため、適応の有無は慎重な判断が必要です。 再生医療 肝硬変になると、従来の治療法では線維化した肝臓が元に戻ることは難しいとされてきました。 肝硬変に対する再生医療では「幹細胞」を活用する方法が注目されています。 幹細胞は、多様な細胞に分化する能力を持つ細胞であり、これを培養して点滴で投与することにより、肝細胞の修復および再生の促進が期待できます。 再生医療は、従来は肝移植しか選択肢がなかった肝臓の線維化を改善する可能性が示唆されている治療法です。 ▼こちらの動画で当院の幹細胞治療について詳しく解説しています。ぜひご参考にしてください。 肝硬変の検査方法 検査方法 詳細 血液検査 肝機能の状態を評価するためのAST・ALT・ビリルビン・アルブミン値の測定。血小板数や凝固能の確認により肝硬変の進行度を判定 画像診断(エコー検査、CT・MRIなど) 超音波検査で肝臓の形状や表面の凹凸、腹水の有無を確認。CT・MRIでは肝臓の詳細な構造や血流状態、腫瘍の有無を評価 腹腔鏡検査 腹部に小さな穴を開けて内視鏡を挿入し、肝臓の表面を直接観察。組織採取(生検)により確定診断が可能な精密検査 肝硬変の診断や進行度の評価には、複数の検査を組み合わせて行うことが大切です。 血液検査で肝機能や栄養状態、出血傾向を評価し、画像診断で肝臓の形態変化や腹水、腫瘍の有無を確認するとともに、経過観察にも活用されます。 腹腔鏡検査は肝臓を直接観察できる精密検査で、必要に応じて実施され、より正確な診断に役立ちます。 以下の記事では、肝硬変の数値について詳しく解説しています。 血液検査 検査の流れ 内容 問診・身体診察 既往歴、飲酒歴、症状などを確認し、必要な検査項目を選択 採血 静脈から採血し、複数の生化学・血液学的指標を測定 結果の説明・評価 肝機能や感染有無、合併症リスクを総合的に判断し、治療方針を検討 肝硬変が疑われる場合や経過観察を行う際には、まず血液検査が行われます。 問診や身体診察で既往歴や飲酒歴、症状を確認した上で採血を実施し、肝機能や炎症、感染の有無など複数の指標を同時に評価します。 血液検査は肝臓の細胞障害や合成能、胆汁の流れを総合的に把握でき、治療方針を決定する上で欠かせません。 多くの場合、採血から結果説明までは同日から数日で完了し、単一の数値ではなく複数の検査結果を組み合わせて判断することが大切です。 画像診断(エコー検査、CT・MRIなど) 検査方法 目的・特徴 エコー検査(超音波検査) 肝臓の大きさや表面の凹凸、腹水の有無、血流状態の確認。身体への負担が少なく外来で実施される基本検査 CT検査 肝臓の形態、血管構造、腫瘍や腹水の評価。造影剤使用による病変の性質や広がりの把握。被ばくを考慮した選択 MRI検査 肝臓組織や腫瘍性病変の詳細評価。肝細胞癌の鑑別や性状判断に有用。造影剤使用時の腎機能・アレルギー確認 (文献1) 画像診断は、血液検査では評価できない肝臓の構造的変化や腫瘍の有無を確認するために行われます。エコー検査は負担が小さく外来で実施される基本検査のひとつです。 CTやMRIは詳細な評価が必要な場合に用いられ、造影剤により病変の性質や広がりを判断します。 各検査にはそれぞれ利点と制約があるため、症状や目的に応じて適切な検査が選択されます。 腹腔鏡検査 検査の流れ 内容 検査前準備 全身状態の評価と麻酔リスクの確認。腹部に数カ所の小切開を加える。原則として入院下で実施 腹腔鏡挿入と観察 腹腔鏡カメラを挿入し、肝表面の色調・質感・形態変化を直接観察。肝の硬さや線維化の程度を視覚的に評価 必要に応じて生検採取 肝組織の一部を切除し病理検査へ。肝線維化や肝細胞の形態異常を詳細に診断 検査後のケア 出血や感染症リスクの管理が必要。数日間の入院による術後経過観察 (文献2) 腹腔鏡検査は、肝臓の表面を直接観察できる精密検査です。 血液検査や画像診断では評価が難しい肝硬変の確認や重症度評価に有用であり、組織採取(生検)により肝線維化や細胞の形態異常を詳細に診断できます。他疾患との鑑別や肝がん合併の疑いがある場合にも実施されることがあります。 肝硬変の治療期間目安 項目 内容 肝硬変の特徴 肝臓の線維化・構造変化を伴う慢性疾患。一度硬くなった肝臓は元に戻らない 治療の目的 完治ではなく、合併症の予防、進行抑制、肝機能の維持・安定化、背景肝疾患のコントロール 治療期間 「何年で治る」という明確な期間は存在せず、長期的な管理が必要 背景疾患への対応 ウイルス性肝炎などの治療により炎症抑制や病状安定化は期待できるが、線維化自体は元に戻らない (文献3) 肝硬変は、治療によって完全に元の肝臓に戻すことを目指す疾患ではなく、長期的に管理しながら進行を抑えることが基本です。 治療の目的は肝機能をできるだけ安定させ、腹水や出血などの合併症を防ぐことにあります。そのため「何年で治る」という明確な期間はなく、背景となる肝疾患の治療や生活習慣の改善を継続しながら、状態に応じた管理を続けることが重要です。 肝硬変の進行を予防するための対策 進行予防策 詳細 ウイルス性肝炎の予防と早期発見 B型・C型肝炎ウイルス感染予防の徹底。定期的な血液検査による感染有無の確認。感染が判明した場合の早期治療開始 定期的な健診・検査で異常や悪化を早期発見する 血液検査や画像診断(エコー・CT・MRI)を定期的に実施し、肝機能の変化や肝がんの早期発見を目指す継続的モニタリング 生活習慣の改善で肝臓への負担を減らす 禁酒の徹底、適正体重の維持、バランスの良い食事、十分な休養により肝臓への負担を軽減し、肝機能の安定化を図る取り組み 肝硬変の進行予防には、ウイルス性肝炎の予防と早期発見が欠かせません。B型・C型肝炎ウイルスの感染予防を徹底し、定期的な血液検査で感染の有無を確認する必要があります。 感染が判明した場合は早期治療を開始し、定期的な血液検査や画像診断により肝機能の変化や肝がんを早期に発見することが大切です。 さらに禁酒の徹底、適正体重の維持、バランスの良い食事、十分な休養により肝臓への負担を軽減し、肝機能の安定化を図ります。これらの取り組みを継続することで、病状の進行を抑え、合併症の予防につながります。 ウイルス性肝炎の予防と早期発見 ウイルス性肝炎の予防には、血液や体液を介した感染経路の遮断が不可欠です。注射針の使い回し禁止や医療器具の適切な消毒、性行為時のコンドーム使用を徹底します。 B型肝炎ワクチンは感染予防に有効であり、医療従事者や肝疾患リスクの高い方への接種が推奨されます。定期的な肝機能検査とウイルスマーカー測定により早期発見が可能です。 感染が判明した場合、C型肝炎ではDAA(直接作用型抗ウイルス薬)による高い治癒率が期待でき、B型肝炎では核酸アナログ薬(抗ウイルス薬)による長期管理で肝硬変の進行を抑制できます。 定期的な健診・検査で異常や悪化を早期発見する 定期的な健診・検査により、肝硬変の早期発見と進行抑制が可能です。血液検査では肝機能(AST、ALT、アルブミンなど)や線維化マーカーを測定し、肝細胞障害や合成機能の低下をモニタリングします。 画像診断(エコー検査、CT、MRI)では肝形態の変化や門脈圧亢進(肝臓へ流れ込む血液の圧力が高くなった状態)、肝がんの早期発見を目的とし、症状がなくても年1回以上の健診を基本に、病状に応じて検査頻度を調整します。 異常が見つかった場合、治療方針が見直されるため、継続的な健診・検査を受けることが合併症リスクの低減に欠かせません。 生活習慣の改善で肝臓への負担を減らす 項目 詳細 肝臓の過剰負担軽減 アルコール過剰摂取や高脂肪・高カロリー食、不要な薬剤使用による肝負担の増大防止。飲酒制限と栄養バランス改善による肝細胞保護 脂肪肝・メタボリック症候群の改善 肥満や糖尿病に伴う脂肪肝・非アルコール性脂肪肝炎の予防と改善。食事管理と適度な運動による肝脂肪蓄積の抑制 免疫機能維持と慢性炎症抑制 規則正しい生活とバランスの取れた食事による免疫機能の正常化。慢性炎症進行の抑制 生活習慣病の合併予防 高血圧・脂質異常症の管理による動脈硬化や肝血流障害の予防。肝機能低下リスクの軽減 生活習慣の改善は、肝硬変の発症予防や進行抑制において重要な役割を担います。 アルコール制限や食事内容の見直しにより肝臓への過剰な負担を減らし、肥満や糖尿病を改善することで脂肪肝や非アルコール性脂肪肝炎の進行を防ぐことができます。 また、規則正しい生活は免疫機能を保ち、慢性的な炎症の悪化を抑制します。これらの取り組みは肝臓本来の再生能力を活かし、患者自身が日常生活で実践できる有効な対策です。 治療で改善しない肝硬変のお悩みは当院へご相談ください 肝硬変は、慢性的な肝臓の炎症や障害により肝組織が線維化し、肝機能が徐々に低下する疾患です。重症化すると肝不全や肝がんのリスクが高まるため、段階に応じた進行抑制や合併症管理が欠かせません。 改善が得られない場合には重症化する前に医療機関での適切な対応が必要となります。 改善しない肝硬変でお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」へご相談ください。肝硬変は、従来の治療で線維化した肝臓を元に戻すことは難しいとされています。幹細胞を用いた再生医療が、肝細胞の修復や再生を促す可能性のある治療法として期待できます。 ご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」で受け付けておりますので、お気軽にお申し付けください。 肝硬変の治療に関するよくある質問 肝硬変は治る時代になったと聞きましたが本当ですか? 肝硬変は完全に正常な肝臓に戻る病気ではありませんが、近年の抗ウイルス薬や生活習慣改善、栄養療法の進歩により、進行を抑え病状を安定させるケースが増えています。 とくにB型・C型肝炎が原因の場合、ウイルス治療によって肝障害の進行抑制が期待できます。一方、進行した非代償性肝硬変では肝移植が中心的な治療となるため「治る」というより「管理し改善を目指す」と理解することが現実的です。 肝硬変は合併症になることはありますか? 肝硬変は全身に影響を及ぼす合併症を起こす可能性が高い疾患です。合併症を引き起こす可能性のある疾患は以下の通りです。 合併症名 内容 肝性脳症 肝臓の解毒機能低下により有害物質が脳に影響し、意識がぼんやりする、混乱する、性格が変わるなどの症状が出る状態 食道胃静脈瘤 肝臓の血流障害により食道や胃の血管がこぶ状に膨らみ、破裂すると吐血や下血など大量出血を起こすおそれ 肝腎症候群 肝不全に伴って腎臓の働きが急激に低下し、尿量減少や腎不全に至る可能性がある状態 肝肺症候群 肝障害により肺の血管が広がり、血液中の酸素が不足して息切れや呼吸困難が生じる状態 肺高血圧症(門脈肺高血圧症) 肝疾患に関連して肺の血管の圧が高くなり、息切れや動悸、呼吸困難が現れる状態 肝がん 慢性的な炎症と線維化を背景に発生しやすく、肝硬変の方ではとくに注意が必要な合併症 肝硬変は脳・消化管・腎臓・肺などにさまざまな合併症を引き起こす可能性があるため、定期的な検査と早期対応が必要です。 肝硬変は治療しないとどうなりますか? 肝硬変を治療せずに放置すると、肝機能が徐々に低下し、腹水やむくみによる生活への影響、肝性脳症による意識障害、食道胃静脈瘤からの出血、腎機能障害、重症感染症などの合併症を引き起こす可能性があります。 さらに肝硬変は肝がんの強い危険因子であり、経過観察を行わないと発見が遅れるおそれがあります。症状が軽い段階でも早期に治療を開始し、定期的なフォローと生活習慣の改善を継続することが重要です。 以下の記事では、肝硬変を治療しないことで起こりうるリスクを解説しています。 肝硬変で腹水が溜まっているときの余命はどれくらい?予後や治療方法を解説 肝硬変は難病指定されていますか? 肝硬変という疾患そのものは、指定難病には含まれていません。 ただし、肝硬変の原因となる疾患の中には、自己免疫性肝炎や原発性胆汁性胆管炎など、指定難病に該当するものがあります。(文献4)(文献5) そのため、肝硬変の原因疾患によっては、公的な医療費助成の対象となる場合があります。 参考文献 (文献1) 肝硬変の画像診断|日本内科学会雑誌 111巻1号 (文献2) 腹腔鏡検査|MSDマニュアル プロフェッショナル版 (文献3) 『肝硬変診療ガイドライン』(2020年11月) (文献4) 自己免疫性肝炎(指定難病95)|難病情報センター (文献5) 原発性胆汁性胆管炎(指定難病93)|難病情報センター
2024.06.11 -
- 肝疾患
- 内科疾患
「最近夜中によく足がつって目が覚める。何かの病気なのだろうか」 「こむら返りは肝臓が悪いサインって本当?」 この記事を読んでいる方は、こむら返りの原因が肝臓にあるという噂を耳にして不安になっているのではないでしょうか。 こむら返りは、肝臓の健康状態と深く関係している可能性があります。 肝臓は「沈黙の臓器」と呼ばれ肝硬変などの疾患でも初期段階では自覚症状が出にくいのが特徴です。ただし、こむら返りは肝臓の疾患のサインかもしれません。 この記事では、こむら返りと肝臓の関係性について詳しく解説するとともに、肝硬変の初期サインや予防法についても医師監修のもとご紹介します。 こむら返りに対する理解が深まり健康管理にも役立つはずですので、ぜひ最後までご覧ください。 また、当院「リペアセルクリニック」では肝臓治療の再生医療が受けられる数少ない医療機関の1つです。 気になる症状がある方は「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。 こむら返りの原因が肝臓にある3つの理由 夜間に突然襲う「こむら返り」ですが、肝臓の不調が関与している可能性があります。 肝臓が筋肉の働きや栄養バランスに与える影響は大きく、無視できません。 本章では肝臓がこむら返りの原因となる3つの理由について詳しく解説します。 肝臓の機能低下が筋肉に影響する 肝硬変の進行によって筋肉のけいれんや痛みを引き起こす 肝臓の病気で電解質バランスが崩れる それぞれ詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。 肝臓の機能低下が筋肉に影響する 肝硬変などで肝臓の機能が低下すると、エネルギーを蓄える力が弱まります。 不足したエネルギーを補おうと、体は筋肉を分解し、分岐鎖アミノ酸(BCAA)などのタンパク質を消費するのです。 この影響で、加齢に伴い筋力が低下する疾患「サルコペニア」が起こる可能性もあります。 さらに、筋肉量が減ると筋肉の働きが低下し、こむら返りのリスクが高まります。 肝硬変の原因や症状について詳しくは、以下の記事が参考になります。 肝硬変の進行によって筋肉のけいれんや痛みを引き起こす 肝硬変が進行すると、こむら返りのような痛みを伴う筋肉のけいれんが生じる場合があります。 これは、肝臓の機能低下によって代謝が乱れることが原因の一つとされています。 肝臓が正常に働かなくなると、筋肉内の代謝バランスが崩れ、けいれんや痛みを引き起こす恐れがあるのです。(文献1) 肝臓の病気で電解質バランスが崩れる 肝硬変患者では、脱水や電解質異常がこむら返りを引き起こす要因と考えられています。 肝臓の機能が低下すると、体内の水分バランスや電解質の調整が難しくなるためです。 この影響で筋肉の正常な働きが妨げられ、こむら返りが起こりやすくなる可能性があります。 また、これらの要因が複雑に絡み合い、肝臓の不調がこむら返りの原因となるケースもあります。 こむら返りの主な原因とは? こむら返りは、さまざまな原因で引き起こされます。 ここでは、こむら返りの主な原因として以下の3つのポイントに分けて解説します。 脱水症状 ミネラル不足 過剰な運動や筋疲労 原因を理解し、こむら返りの予防や改善に役立ててください。 脱水症状 脱水症状は、こむら返りの大きな原因の一つです。 体内の水分が不足すると、筋肉の正常な収縮が妨げられ「けいれん」が起こりやすくなります。 また、汗を多くかく夏場や運動中はとくに注意が必要です。 水分だけでなく、電解質を含む飲み物を摂ることで予防が期待できるため、適切な水分補給を心がけて、こむら返りのリスクを減らしましょう。(文献2) ミネラル不足 ミネラルの不足も、こむら返りを引き起こす要因の1つです。 とくにカルシウム、マグネシウム、カリウムといったミネラルは、筋肉の弛緩や収縮を調整する役割を持っています。 そのため、これらが不足すると筋肉が過剰に収縮しやすくなります。 ミネラルは、バランスの取れた食事から摂取可能です。 たとえば、カルシウムは牛乳や乳製品、小魚などに多く含まれており、マグネシウムは、海藻類やナッツ類、豆類などに多く含まれています。 過剰な運動や筋疲労 運動のしすぎや筋肉の過度な疲労も、こむら返りの原因になります。 筋肉が疲れると、収縮と弛緩のバランスが崩れて「けいれん」が起きやすくなるためです。 また、運動後にストレッチをしないと、筋肉が硬直し「こむら返り」を招くケースもあります。 運動前後の準備運動やストレッチによって筋肉の負担を軽減できるため、意識して取り入れてみましょう。 肝硬変の主な原因とは? 肝硬変はさまざまな原因で引き起こされる病気です。 ウイルス性肝炎 脂肪性肝炎 自己免疫疾患 ここでは上記3つの要因について詳しく解説いたします。 肝臓の健康を守るための知識として参考にしてください。 ウイルス性肝炎 ウイルス性肝炎は、肝炎ウイルスへの感染が原因で引き起こされる肝臓の炎症です。 日本ではB型とC型肝炎ウイルスが主な原因で、血液や体液を介して感染します。 以前は輸血や医療器具の使い回しが多かったですが、現在は性交渉や母子感染が主な感染経路です。 また、ウイルス性肝炎は急性肝炎と慢性肝炎に分けられます。 急性肝炎は症状が軽く自然に治るケースもありますが、慢性化すると肝臓の炎症が続き、肝硬変へ進行するリスクが高まります。(文献3) 脂肪性肝炎 脂肪性肝炎は、肝臓に脂肪が溜まり炎症を引き起こす状態を指します。 原因にはアルコール性と非アルコール性の2種類があります。 アルコール性脂肪性肝炎は、長期間の過剰な飲酒が原因で発症します。 純アルコール量で1日60g以上の摂取がリスクとなりますが、体質や性別によっては少ない量でも肝障害を引き起こす可能性があります。とくに女性やアルコールに弱い人は注意が必要です。 たとえば、日本酒1合(180mL、アルコール度数15%)の純アルコール量は21.6gで、2〜3合を毎日飲むと肝障害のリスクが高まります。 一方、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は飲酒以外が原因で発症する脂肪性肝炎です。 肥満やメタボリックシンドロームが主な要因で、近年増加傾向にあります。 アルコールに関係なく脂肪が肝臓に蓄積し、さらに炎症を伴うと「非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)」と分類されます。 NASHは放置すると肝硬変や肝がんに進行する可能性もあるため注意が必要です。 自己免疫疾患 自己免疫疾患も肝硬変の原因として知られている要因の1つです。 自己免疫性肝炎や原発性胆汁性胆管炎(PBC)は、免疫が誤って自分の肝臓を攻撃することで発症します。 これらの病気は進行がゆっくりで初期症状がわかりにくいですが、治療を怠ると肝硬変に進行する可能性があります。 肝硬変の治療法や合併症については以下の記事でも詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。 肝硬変の初期サインは「血液検査による肝障害の指摘」 肝臓は、肝硬変が始まる段階や初期の頃にはほとんど症状が現れないため「沈黙の臓器」と呼ばれています。 したがって、肝臓の病気に関して自分で初期症状を感じ取るのは難しいと言えるでしょう。 しかし、ASTやALTなど肝臓の異常を示す数値が上昇している場合、肝硬変の初期サインとして血液検査で肝障害が指摘される場合があります。 よって、症状がなくても血液検査で肝臓に関する数値が高い場合は、肝硬変の原因を調べるために肝臓内科の受診をおすすめします。 肝硬変とこむら返りの予防対策3選 こむら返りや肝硬変は、日々の生活習慣と大きく関わっています。 本章では、肝硬変とこむら返りの予防に効果的な対策を3つご紹介します。 肝臓に優しい食事と生活習慣の改善 こむら返りを和らげるストレッチ方法 水分補給と電解質バランスを整える 本章を参考に、健康的な毎日を送るための知識としてに役立てていきましょう。 肝臓に優しい食事と生活習慣の改善 肝臓は、食事や生活習慣の影響を受けやすい臓器です。 肝臓の健康を維持するためには、バランスの取れた食事を心がけて暴飲暴食を避けましょう。 とくに、脂肪分の多い食事や過度な飲酒は、肝臓に負担をかけるため控えめにするのがおすすめです。 また、睡眠不足や運動不足は、肝臓の機能低下を招く可能性があるため十分な睡眠と適度な運動も大切です。 規則正しい生活を心がけ、肝臓の健康を守りましょう。 肝硬変の食事療法についてはこちらの記事も参考にご覧ください。 こむら返りを和らげるストレッチ方法 こむら返りを予防するためには、日頃からふくらはぎのストレッチを行うのが効果的です。 ストレッチは、筋肉の柔軟性を高め、血行を促進する効果があります。 たとえば、壁に手をついてアキレス腱を伸ばすストレッチや、床に座ってつま先を身体の方に引き寄せるストレッチなどがあります。 これらのストレッチを、毎日数回行うことで、こむら返りを予防できるでしょう。 水分補給と電解質バランスを整える こむら返りの原因の一つに、脱水症状や電解質バランスの乱れがあります。 汗をかいた際や運動後などは、とくに水分補給を心がけましょう。 また、水分補給には、水やお茶だけでなく、スポーツドリンクなども有効です。 スポーツドリンクには、電解質が含まれているため、体内の電解質バランスを整えるのに役立ちます。 肝硬変の診断に必要な3つの検査 肝硬変を正確に診断するためには、以下の3つの検査が重要です。 それぞれの特徴を表にまとめました。 検査名 検査の目的 特徴 肝生検 肝臓組織を採取し、炎症や線維化の進行を確認 正確な診断が可能だが、身体への負担がある 血液検査 肝酵素値やアルブミン値などで肝機能を評価 初期診断に適し、定期的に実施しやすい 画像検査 超音波やCTで肝臓の形状や異常を視覚的に確認 腫瘍や進行度の把握に有効 それぞれの特徴と役割を理解し、必要に応じて専門医の相談を検討しましょう。 1.肝生検 肝生検は、肝臓の状態を直接確認できる検査です。 細い針を肝臓に刺して組織を採取し、顕微鏡で観察して肝硬変の確定診断を行います。 検査自体は短時間で終わりますが、入院が必要となる場合もあります。 また、まれに出血や合併症が起こる可能性もあるため、医師とよく相談してから検査を受けるようにしましょう。 2.血液検査 血液検査では、肝臓の炎症や機能の状態を調べられます。 肝機能検査では、AST(GOT)、ALT(GPT)、γ-GTPなどの数値を測定し、数値が高い場合は、肝臓に炎症が起こっている可能性があります。 また、アルブミンやビリルビンなどの数値も、肝臓の機能を評価する上で重要な指標です。 血液検査は、肝硬変の疑いがある場合に行われる一般的な検査です。 採血だけで済むため、身体への負担も少なく受けられます。 3.画像検査 画像検査とは、肝臓の大きさや形、腫瘍の有無などの確認ができる検査です。 超音波検査、CT検査、MRI検査など、さまざまな画像検査があります。 それぞれの検査方法によって、得られる情報が異なるため、医師が症状や状態に合わせて適切な検査を選択します。 また、肝臓がんの早期発見にもつながるため、心配な方は定期的に検査を受けるようにしましょう。 肝臓治療の再生医療については、以下からご確認いただけます。 新しい肝臓の治療法に興味がある方はぜひ参考にしてみてください。 まとめ|こむら返りが頻繁に起きたら肝硬変の初期サインを疑ってみよう こむら返りが頻発して発生するのは、単なる筋肉の問題ではないかもしれません。 肝臓の機能低下や肝硬変が隠れている可能性があります。 そのため、症状が続く場合は早めに医療機関で検査を受けましょう。 生活習慣の見直しや定期的な健康チェックが、肝臓の健康を守る重要なポイントとなります。 また、当院「リペアセルクリニック」では肝臓(脂肪肝・肝硬変・肝炎)の再生医療・幹細胞治療を提供しています。 肝機能の治療に不安がある方は、まずはお気軽に「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてご相談ください。 こむら返りと肝臓に関するよくある質問 こむら返りはアルコールが原因の可能性もありますか? 過剰なアルコール摂取は、肝臓に大きな負担をかけます。 肝臓が正常に働かなくなると、筋肉の代謝バランスが崩れ、こむら返りが起こりやすくなる可能性があります。 そのため、毎日の飲酒量を見直し、肝臓の負担を軽減することが大切です。 肝臓が悪いと手や爪にどんな症状が出ますか? 肝臓の不調は、手や爪にも現れる場合があります。 手のひらが赤くなる「手掌紅斑」や、爪の色が白っぽくなる「白色爪」は、肝臓の病気で見られる典型的な症状です。 こうしたサインを見逃さず、早めに医師に相談しましょう。 また、当院「リペアセルクリニック」では肝硬変・肝炎に対し手術を伴わない「再生医療」を提案しています。 治療に不安がある方は「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。 参考文献 (文献1) 日本消化器病学会,日本肝臓学会.「肝硬変診療ガイドライン2020|日本消化器病学会ガイドライン」 https://www.jsge.or.jp/committees/guideline/guideline/pdf/kankouhen2020_re.pdf (文献2) 下呂市「脱水とこむら返り」 https://www.city.gero.lg.jp/uploaded/attachment/7541.pdf (文献3) MSDマニュアル家庭版「肝硬変」 https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/04-%E8%82%9D%E8%87%93%E3%81%A8%E8%83%86%E5%9A%A2%E3%81%AE%E7%97%85%E6%B0%97/%E8%82%9D%E8%87%93%E3%81%AE%E7%B7%9A%E7%B6%AD%E5%8C%96%E3%81%A8%E8%82%9D%E7%A1%AC%E5%A4%89/%E8%82%9D%E7%A1%AC%E5%A4%89
2024.06.04 -
- 肝疾患
- 内科疾患
腹水は「非代償性肝硬変」と呼ばれる中期から末期の肝硬変でみられる症状です。 非代償性肝硬変まで進行してしまうと、余命は約2年といわれています。 本記事では、肝硬変で腹水が溜まっているときの余命や5年後、10年後の生存率について詳しく解説します。 肝硬変は「従来の治療では治らない病気」といわれているため、患者さまは治療に消極的だったり、諦めてしまったりすることも少なくないでしょう。 しかし、近年の治療では、再生医療によって肝硬変の改善が期待できる可能性があります。 再生医療は、患者さま自身の細胞や血液を用いて人間の持つ自然治癒力を向上させることで、損傷した肝臓の再生・修復を促す医療技術です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 肝硬変の根治を目指したい 肝硬変が治らないと諦めてしまっている 肝硬変を治して少しでも長生きしたい 生活習慣を改善しても症状が改善しない 具体的な治療法については、当院(リペアセルクリニック)で無料カウンセリングを行っておりますので、ぜひご相談ください。 肝硬変の治療について無料相談! 肝硬変で腹水が溜まったときの余命は約2年といわれている 腹水とは、腹腔内にあるタンパク質の含まれた液体のことです。 通常、腹水は人間の腹腔内に一定量存在しますが、病気によって過剰生成・排出不良が起こり、溜まってしまうことがあります。 腹水は「非代償性」と呼ばれる中期から末期の肝硬変でみられる症状です。非代償性肝硬変の場合、余命年数は約2年(中央値)ともいわれており、予後が良いとはいえません。(文献1) まずは本章を参考に、肝硬変の重症度や予後についての基礎知識を身につけましょう。 肝硬変には「代償性」と「非代償性」がある 肝硬変は、程度によって「代償性」と「非代償性」に区分されます。 肝硬変の区分 段階 代償性 肝硬変の初期 肝機能に大きな問題はみられない状態 非代償性 肝硬変の中期~末期 肝機能に障害が出ている状態 代償性肝硬変は初期段階で、身体症状が現れないことが多く、症状があっても風邪などと見分けがつきにくいのが特徴です。 一方、非代償性肝硬変は中期から末期にあたる段階で、腹水や黄疸、浮腫などの身体症状があらわれるようになります。 肝硬変の症状や原因については、以下の記事もご覧ください。 肝硬変の程度によって生存率に差がある 肝硬変の予後について、以下のようなデータがあります。(文献2) 5年生存率 代償性 72.3% 非代償性 37.9% 10年生存率 代償性 53.3% 非代償性 24.0% 肝硬変の生存率(5年・10年)は、肝硬変の程度によって30%前後の差があります。 腹水などの症状がある非代償性肝硬変の場合、予後は良いとはいえません。 ただ、非代償性肝硬変であっても、適切な治療や肝移植をおこなうことで、改善する見込みもあります。 肝硬変による腹水は治療で改善する可能性がある 肝硬変による腹水は、内科的治療もしくは外科的治療で改善する見込みがあります。 肝硬変で腹水などの症状が発現している場合「非代償」期に突入している可能性が高いと考えられます。つまり、肝硬変の病状が進行し、肝機能を補えないほどの状態まで悪化しているという意味です。 とはいえ、非代償性肝硬変であっても、内科的な治療をおこなえば、腹水の改善がみられることが多くあります。 ただし、難治性腹水で内科的治療に反応しない場合は、外科的な治療をおこなうこともあります。 本章では、肝硬変における腹水の内科的治療・外科的治療について解説します。今自覚している腹水が肝硬変による可能性があると思われた方は、すぐに医療機関に相談しましょう。 また、肝硬変の治療法については以下の記事も参考にしてください。 肝硬変による腹水の内科的治療 非代償性肝硬変による腹水の症状がみられる場合は、内科的治療からおこないます。 具体的な治療法は以下のとおりです。 塩分の制限 利尿薬の処方 アルブミン療法 腎機能に影響する薬剤の制限 以下で詳しく解説します。 塩分の制限 はじめにおこなう内科的治療として、食事療法が挙げられます。とくに腹水の改善には塩分制限が有用で、1日の塩分摂取は5-7gとします。 肝硬変では、ナトリウムが溜まりやすくなるため、塩分の制限が必要です。 実際に塩分制限により、腹水の早期減少や入院期間の短縮、利尿薬の減量が得られたと報告されています。 肝硬変の食事療法については、以下の記事でも詳しく解説していますのでぜひご覧ください。 利尿薬の処方 食事療法のみでは効果が不十分と判断された場合、利尿薬を処方し、尿からのナトリウム排泄を促進する治療をおこないます。 少量からはじめ、効果と合わせて徐々に増量するケースが一般的です。 アルブミン療法 アルブミンとは、主に肝臓で作られている血液中のタンパク質です。 肝機能の低下によりアルブミンの値が低下すると、血管内の血液の浸透圧バランスが乱れ、浮腫や腹水が起こりやすくなります。 非代償性肝硬変によりアルブミンの低下がみられる場合、アルブミン製剤を使用することもあります。 腎機能に影響する薬剤の制限 腹水がある場合、専門医と相談の上で、腎機能に影響する成分が含まれた薬剤の服用を中止することもあります。 たとえば、腎機能を悪くするような痛み止めや血圧を下げる薬は、腹水治療の妨げとなる可能性があります。これらの薬剤を利用している人は、継続の可否について医師に確認しましょう。 肝硬変による腹水の外科的治療 肝硬変における腹水の症状は、内科的治療によって改善できるケースが大半です。しかし、内科的治療への反応が乏しい場合は「難治性腹水」として外科的治療に切り替えることもあります。 ある研究では、難治性腹水の特徴として、腎機能の悪化や交感神経系の亢進、そして腎臓に作用して血圧を上昇させようとする内分泌系の調節機構(レニン−アンギオテンシン−アルドステロン系)の亢進がみられ、さらに門脈圧亢進もその発生に関与しているだろうと報告されています。(文献3) 難治性腹水の治療法は以下のとおりです。 穿刺排液 腹水濾過濃縮再静注法(CART)によるタンパク質の補充 経頸静脈肝内門脈大循環シャント(以下TIPS) 腹腔−静脈シャント術 肝移植 以下で詳しく解説します。 穿刺排液 まず、腹水貯留による腹部膨満感や呼吸困難の改善のため、穿刺排液をおこないます。 基本的には超音波の機械を用いて穿刺できる場所を選択しますが、解剖学的に安全と思われる箇所を狙って刺すこともあります。 居所麻酔をおこなったのち、針を使って穿刺し、管を留置して自然に排液させます。 穿刺の頻度は主に1-2週間ごと、量は1回につき最大でも8Lまでとされています。 また、5L以上の腹水を引く場合には、血液中のタンパク質である「アルブミン」の補充も併せておこなわれます。 腹水濾過濃縮再静注法(CART)によるタンパク質の補充 腹水濾過濃縮再静注法(以下、CART)をおこない、血液中のタンパク質を補充することもあります。 腹水濾過濃縮再静注法(CART)とは、排液した腹水を濾過器や濃縮器にかけて取り出した自己のタンパク質を点滴で体内に戻す方法です。 自分のタンパク質を体内に戻す治療であるため、アルブミン製剤の投与時に生じうるアナフィラキシーショックなどの副作用を回避しやすいのがメリットです。 経頸静脈肝内門脈大循環シャント(以下TIPS) 難治性腹水に有用といわれている外科的治療として、「経頸静脈肝内門脈大循環シャント(以下TIPS)」と呼ばれる血管内治療があげられます。 全身麻酔下で血管内に細い管を挿入し、門脈と肝静脈の間にシャントと呼ばれる短絡路を作成し、門脈圧を下げます。 腹腔−静脈シャント術 また、「腹腔−静脈シャント術」と呼ばれる外科的治療をおこなうこともあります。 腹腔−静脈シャント術とは、皮下を経由して腹腔内と中心静脈をつなぎ、腹水を血管内に還流させる治療法です。 基本的には局所麻酔のみでおこなうことが可能ですが、長時間仰向けの体勢を保てないなどの際には全身麻酔を施すこともあります。 肝移植 難治性腹水が見られる場合、肝移植を実施することもあります。 脳死肝移植だけでなく、生きている人から肝臓の一部をもらう生体肝移植もあります。生体・死体合わせて、2021年と2022年はどちらも約420件の肝移植が施行されました。 肝移植は、非代償性肝硬変の根本的治療をおこなえるのがメリットです。ただし限られた医療機関でしか受けられない上に、待機時間も長いのは問題点といえます。 肝硬変の根本的な治療が期待できる再生医療について 繊維化した肝臓が元に戻らないとされていた肝硬変ですが、根本的な改善が期待できる選択肢として「再生医療」が注目されています。 再生医療は、患者さまの細胞や血液を用いて自然治癒力を向上させることで、肝硬変をはじめとする肝疾患の改善が期待できる治療法です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 肝硬変の根治を目指したい 肝硬変が治らないと諦めてしまっている 肝硬変を治して少しでも長生きしたい 生活習慣を改善しても症状が改善しない 当院リペアセルクリニックでは、独自の培養技術によって、治療と要となる「幹細胞」を冷凍せずに培養しています。 その結果、生存率の高い幹細胞を投与できるため、治療成績が良好です。 治療成績に個人差はありますが、治らないといわれていた肝硬変の根本的な治療が期待できる新たな治療選択肢となります。 具体的な治療法については、当院リペアセルクリニックで無料カウンセリングを行っておりますので、ぜひご相談ください。 肝硬変の治療について無料相談! まとめ|肝硬変の腹水は余命にかかわるため適切な治療を受けよう 腹水は「非代償性肝硬変」と呼ばれる中期から末期の肝硬変でみられる症状で、余命は約2年といわれています。 肝硬変による腹水は、基本的に食事療法などの内科的治療で改善する場合もありますが、肝硬変自体が治るわけではありません。 また、肝硬変は「従来の治療では治らない病気」といわれているため、患者さまは治療に消極的だったり、諦めてしまったりすることも少なくないでしょう。 当院リペアセルクリニックでは、肝硬変の改善が期待できる治療法として注目されている「再生医療」をご案内しています。 再生医療は、患者さま自身の細胞や血液を用いて人間の持つ自然治癒力を向上させることで、肝硬変をはじめとする肝疾患の改善が期待できる治療法です。 \こんな方は再生医療をご検討ください/ 肝硬変の根治を目指したい 肝硬変が治らないと諦めてしまっている 肝硬変を治して少しでも長生きしたい 生活習慣を改善しても症状が改善しない 具体的な治療法については、当院(リペアセルクリニック)で無料カウンセリングを行っておりますので、ぜひご相談ください。 肝硬変の治療について無料相談! 肝硬変の余命についてよくある質問 肝硬変の終末期の症状は? 肝硬変の終末期では、以下の身体症状がみられます。 黄疸 腹水 胸水 食道胃静脈瘤 浮腫(むくみ) 感染症 など 終末期など重度の肝硬変を根本的に治療するには、ドナー登録の上で肝移植を受けるしかありませんでした。 そのため、肝硬変が発覚したら早期に治療を開始し、進行を抑えることが重要です。 しかし、従来の治療では根治を目指せなかった肝硬変ですが、再生医療によって肝硬変の改善が期待できる可能性があります。 再生医療は、患者さま自身の細胞や血液を用いて人間の持つ自然治癒力を向上させることで、損傷した肝臓の再生・修復を促す医療技術です。 \こんな方は再生医療をご検討ください/ 肝硬変の根治を目指したい 肝硬変が治らないと諦めてしまっている 肝硬変を治して少しでも長生きしたい 生活習慣を改善しても症状が改善しない 具体的な治療法については、当院(リペアセルクリニック)で無料カウンセリングを行っておりますので、ぜひご相談ください。 肝硬変の治療について無料相談! 肝硬変で腹水が溜まるとどうなるのでしょうか? 肝硬変で腹水が溜まるのは、中期から末期である「非代償性肝硬変」に入ったサインの可能性があります。 大量の腹水が内臓を圧迫し、食欲不振や嘔吐、便秘などの消化器症状が出ることもあるでしょう。細菌性腹膜炎などの感染症を引き起こす場合もあるため、早めに医療機関での治療を受ける必要があります。 肝硬変による腹水は、利尿剤の投与など内科的治療、または腹水穿刺吸引など外科的治療をおこなうのが一般的です。 参考文献一覧 (文献1) D’Amico G, Garcia-Tsao G, et al. Natural history and prognostic indicators of survival in cirrhosis: A systematic review of 118 studies. J Hepatol. 2006;44:217-231. (文献2) 糸島達也、島田 宜浩ほか.肝硬変の予後-肝表面像による検討-.日本消化器病学会 雑誌.1973;70:42-49. (文献3) 楢原義之,金沢秀典ほか. 肝硬変における難治性腹水臨床像に関する検討. 日門充会誌.2002;8:251-257.
2024.05.28 -
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「肝臓の病気である自己免疫性肝炎の症状は?」 「自己免疫性肝炎は女性に多いの?」 自己免疫性肝炎は、体のなかで最大の臓器である肝臓に起こる病気で、とくに女性に多く認められます。 初期段階では自覚症状がほとんどなく、異常に気づきにくいですが、適切な治療を受けずに放置すると肝硬変や肝不全、肝がんなどの重大な病態にいたる可能性もあります。 本記事では、自己免疫性肝炎の原因や症状、診断に必要な検査、治療方法を解説します。 肝臓の症状悪化を防ぐには早期治療が重要です。肝臓の病気などに不安を感じておられる方は、ぜひ医療機関に訪れて医師からの診断をあおいでみてください。 また治自己免疫性肝炎の治療では、一般的にステロイド療法が行われますが、副作用への不安や、治療を続けても十分な改善が得られないケースも少なくありません。 そのような場合には、再生医療も選択肢の一つとなります。 https://youtu.be/ZmpzVJ3I8LY?si=RICesObBXs58p2Go 再生医療は、患者さまご自身の細胞を用いて肝臓本来の修復力を引き出し、炎症やダメージを受けた肝組織の再生を促すことで肝機能の改善を目指す治療法です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 ステロイド治療に不安がある 治療を続けているが改善がみられない 病気が進行してしまい、今後が心配 >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する 当院(リペアセルクリニック)では、自己免疫性肝炎を含む肝疾患に対する再生医療について、無料カウンセリングを行っていますので、ぜひご相談ください。 女性に多い自己免疫性肝炎とは【肝臓の病気】 自己免疫性肝炎(じこめんえきせいかんえん)は、一般的に慢性に進行する肝障害をきたす病気です。 発症は60歳ごろがピークとされ、中年に多いとされています。 男女比は1:4.3と、男性よりも女性に多い傾向があり、日本では約3万人強の患者さまがいると推定されています。 自己免疫性肝炎は、国が定める指定難病です。一定の重症度を満たす場合は、医療費が公費補助の対象となります。 自己免疫性肝炎は、適切な治療や経過観察が行われない場合、慢性肝炎から肝硬変へ進行するリスクがあるので注意が必要です。 一度肝硬変に進行すると、肝臓の状態を元に戻すことは難しくなり、将来的には肝不全や肝がんのリスクも高まります。 当院(リペアセルクリニック)では、自己免疫性肝炎を含む慢性肝疾患に対し、将来のリスクに備えた治療相談を行っています。 「今すぐ治療が必要なのか知りたい」「自分の場合、将来どうなるのか聞いてみたい」という方は、当院に一度ご相談ください。 >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する 肝臓の病気である自己免疫性肝炎の原因 自己免疫性肝炎の原因は、まだ完全に明らかになっていません。しかし、さまざまな要素から、免疫が自身の体を攻撃する場合に起こる「自己免疫疾患」と考えられています。 実際に自己免疫性肝炎では、肝臓に免疫細胞が多く集まり、炎症をきたしている所見が確認できます。 ただ、アルコールをまったく摂取しない人や、ウイルス性肝炎を起こすB型肝炎、C型肝炎の感染がなくても病気が発症する場合もあるのです。 たとえば、特定の遺伝因子を持つ人が発症しやすいといわれています。しかし、一般的に行われている検診などでは、発症のしやすさを判定できません。 肝臓の病気である自己免疫性肝炎の合併症 自己免疫性肝炎は、ほかの自己免疫疾患との合併が多く認められます。 たとえば、以下のような疾患を患っている方は、自己免疫性肝炎を発症するリスクが高まります。 【自己免疫性肝炎に多い合併症の例】 慢性甲状腺炎(橋本病) 首が腫れる 無気力になる 体重が増える 甲状腺に炎症が起こり機能低下する シェーグレン症候群 目が乾く 唾液が出にくく、口が乾燥する疾患 関節リウマチ 手、指などの小関節を中心とした腫れ 痛み、こわばりなどを起こす疾患 肝臓の病気である自己免疫性肝炎の症状 残念ながら「〇〇の症状があれば、自己免疫性肝炎が疑われる」など、特徴的なものはありません。 早期に発見されるきっかけは、無症状のまま健康診断などで肝障害を指摘される場合が多いです。 肝臓は別名「沈黙の臓器」と呼ばれています。そのため、肝障害は早期の段階で病気に気づきにくいのです。 一方で、急激な経過をたどる場合は、以下のような自覚症状を認める場合があります。 以下の症状は、自己免疫性肝炎に特異的ではありませんが、複数のものが該当するときは、急激に進む重度の肝障害が起こっている可能性があるため、早期に受診しましょう。 【急性肝炎として発症する場合の症状の例】 全身倦怠感 だるい感じがする ちょっとしたことで疲れやすい 食欲不振 食欲低下のため食事が摂れない 黄疸 全身の皮膚や白眼が黄色くなる 尿の色が濃くなる 一部の方は、気づかないうちに病状がかなり進行して、肝硬変をきたしている場合があります。 肝臓の病気や自己免疫性肝炎の診断に必要な検査 肝臓の病気や自己免疫性肝炎を調べるときは、さまざまな検査を行って総合的に診断します。 まずは血液検査で肝臓の障害があるか、障害の程度を含めて判断する流れが一般的です。 AST(GOT)・ALT(GPT)の数値検査 IgG・自己抗体検査 B型・C型肝炎ウイルス検査 画像検査 肝生検 AST(GOT)・ALT(GPT)の数値検査 健康診断でよく見る AST(GOT)、ALT(GPT)の上昇が参考になる所見です。 数値が高いときは、肝臓の機能になんらかの異常がある可能性を示しています。 ちなみに、AST(GOT)とは「アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ」と呼ばれる酵素です。ASTは細胞がダメージを受けると、血液中に酵素が放出されます。 また、ALT(GPT)は「アラニンアミノトランスフェラーゼ」と呼ばれる酵素です。主に肝臓に存在しており、肝細胞が破壊されると血液中に放出されます。 IgG・自己抗体検査 免疫関連の検査として、IgG(免疫の成分である抗体の量を見る検査)を行います。 いくつかの自己抗体(自分の体を攻撃する抗体についての検査)も重要です。 B型・C型肝炎ウイルス検査 肝臓にダメージを与えるB型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスなど、感染の有無を調べます。 画像検査 エコー、CTなど、肝臓の画像検査も必須です。 肝障害をきたす脂肪肝など、他疾患の有無、肝臓の硬さ、悪性腫瘍(とくに肝がん)における合併の有無を評価します。 肝生検 診断においてとくに重要なのは、肝臓の組織の検査、肝生検です。 肝生検には「経皮的肝生検」と「腹腔鏡下肝生検」の2つがあります。 基本的には、体に負担の少ない「経皮的肝生検」が行われる場合が多いです。経皮的肝生検では、実際にエコー下で肝臓を確認しながら、細い針を刺して組織を採取します。 出血などのリスクがある検査で、終了後の安静が求められるので短期間の入院が必要です。 肝生検で採取した組織は特殊な染色を行い、顕微鏡で観察します。検査により、以下の内容を確かめられます。 どこにどのような炎症があるか 肝細胞のダメージはどうか 肝臓の硬さ(線維化) 進行具合 自己免疫性肝炎で特徴的なのは、インターフェイス肝炎(Interface hepatitis)と呼ばれるものです。 肝臓へ血液を運ぶ肝動脈、門脈や胆汁を運ぶ胆管が集まった「門脈域」に、リンパ球や形質細胞(一部のリンパ球が成熟した細胞)などの炎症細胞が集まります。 周囲の肝細胞を破壊しながら、炎症がさらに広がっていく様子が認められるのです。このような所見は全例で見られるわけではありませんが、認められれば診断への重要な手がかりとなります。 肝生検はほかの原因を除外し、自己免疫性肝炎の診断を確実にするために重要な検査です。ただ、患者さまの体の状態が悪く、肝生検をしないほうが良いケースには行いません。 自己免疫性肝炎の病気における治療法【副作用も解説】 自己免疫性肝炎の治療は、基本的にステロイドを使います。ステロイドは副腎皮質から分泌されるホルモンをもとにつくられた薬剤です。 強力な抗炎症作用や免疫抑制作用をもっており、自己免疫性肝炎を始め、さまざまな自己免疫疾患の治療に使われています。 治療における流れは以下のとおりですが、長期で大量に使用するとさまざまな副作用をきたすので注意が必要です。 治療の流れ プレドニゾロンのステロイドホルモン薬を、体重1Kgあたり0.6mg以上で開始 (例)50Kgの人は1日あたり30mg以上が開始量 ※重症度に応じてもっと多い量を使用する場合もあります 副作用の例 感染状態 骨粗鬆症 食欲亢進 高血圧、脂質異常、糖尿病などの生活習慣病の出現や悪化 体重増加、肥満 躁状態、うつ状態、不眠などの精神神経症状 消化管潰瘍 緑内障、白内障 など 開始後は、最低でも2週間程度は初期量の継続が必要です。 以降は肝機能の数値(主にALT)を見ながら少しずつ減量します。急いで減量や中止をすると、再燃のリスクがあるからです。 ほかには、肝機能の改善を助けるウルソデオキシコール酸が処方される場合があります。 治療困難例やステロイドを多く使えない場合には、免疫抑制薬をステロイドと併用で使うときもあります。 また近年、慢性的な肝臓疾患に対し、従来の治療に加えた選択肢として再生医療も選択肢の一つです。 再生医療は、 体が本来持っている修復力に着目し、肝臓の炎症やダメージの改善を目指す治療です。 「現在の治療に不安がある」「将来の肝機能低下が心配」という方は、ぜひ一度当院にご相談ください。 自己免疫性肝炎の病気で日常生活を送るときの注意点 日常生活では栄養バランスの取れた食事をとり、間食を控えるのが大切です。また、外出時は人混みを避けて手洗いやマスク着用、うがいなどの感染予防行動を徹底しましょう。 注意しておきたいのが、続発性副腎機能不全です。ステロイド薬の内服により、引き起こされた副腎皮質ホルモンの不足を指します。 生理的な量を超えるホルモンを長期で内服すると、副腎は本来のホルモン分泌を怠るようになります。 そのため、長期内服者が薬を自己判断で中断してしまうと、ホルモン不足が起こるかもしれません。副腎皮質機能不全となると、以下のような症状が出てきます。 【副腎皮質機能不全の症状例】 だるさ 脱力感 血圧低下 吐き気 嘔吐 発熱 など また、重症になると意識を失ったり、ショック状態になったりする場合もあります。 ステロイドを自己判断で減量や中止してしまうと、病状悪化だけでなく、命に関わる副腎機能不全をきたすリスクもあるので、必ず医師の指示通りに内服しましょう。 自己免疫性肝炎の病気は進行するの?【肝臓の症状悪化を防ぐには早期治療】 自己免疫性肝炎の多くは治療が有効である一方、最初は軽症でも放置をすれば命に関わる事態になります。 自己免疫性肝炎を放置すると炎症が沈静化せず、肝臓の線維化が進みます。肝臓の線維化が進行して固くなった状態が「肝硬変」です。 肝臓では栄養素の代謝やエネルギー貯蔵、有害物質の分解や解毒などが行われていますが、肝硬変が進むと機能障害が起こります。 肝臓の働きが大きく損なわれてしまった状態を「肝不全」と呼びます。さらに、肝硬変は肝がんの発生が起こりやすく、肝がんは治療しても再発しやすい厄介ながんです。 肝硬変・肝不全・肝がんへの進行を防ぐには、早期から適切な治療を受けるのが重要です。自己免疫性肝炎では、治療によりASTやALTの数値を基準値内に保てれば、生命予後は良好とされています。 肝硬変の症状や原因については、以下の記事もあわせてご確認ください。 肝臓の症状や自己免疫性肝炎の病気が心配な女性は内科を受診しよう 自己免疫性肝炎に特徴的な症状はありませんが、ときにだるさや黄疸などをきたす場合があります。また、無症状で発見される場合も多いです。 診断は血液検査や画像検査などを行い、総合的に判断して行います。とくに組織の検査は非常に重要とされています。 治療の第一選択薬はステロイドです。副作用も多いですが、対策をしながら長期的に使用します。 自己免疫性肝炎を放置すると命に関わる「肝硬変」に進展するため、診断を受けたら定期的に通院をして服薬を続けましょう。 健康診断で肝臓の数値が高いと言われた方や、肝臓が悪いときの症状に思い当たる節がある方は、まずは医療機関で検査を受けてみてください。 また、肝臓に関わる病気については、治療方法のひとつとして再生医療があります。 再生医療とは、患者さまご自身の細胞が持つ修復力を活かし、炎症や損傷を受けた肝組織の回復を目指す治療法です。 【こんな方は再生医療をご検討ください】 ステロイド治療に不安がある 治療を続けているが改善がみられない 病気が進行してしまい、今後が心配 >>再生医療専門の「リペアセルクリニック」に無料相談する また、実際の再生医療の治療法ついては、以下の動画でも分かりやすく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/NeS1bk2i5Gs?si=vSGzZfT6tXT9Uc82 肝臓の病気に関わる症状に悩まれておられる方は、ぜひ当院(リペアセルクリニック)にご相談ください。 女性に多い肝臓の病気や自己免疫性肝炎の症状についてよくある質問 実際に患者さまからよくお聞きする質問や、肝臓の病気に関わるQ&Aをまとめています。 Q.自己免疫性肝炎の病気では、最終的にステロイドを止められますか? A.経過によっては中止が可能ですが、全員ではありません。中止できるときも、多くの場合は年単位の時間がかかります。 また、中止した場合には再燃するリスクもあります。減量や中止については個々のケースで大きく異なるので、主治医とよく相談するのが良いでしょう。 Q.原発性胆汁性胆管炎の病気も肝臓の自己免疫疾患と聞きましたが、違いはなんですか? A.どちらも中年以降の女性に多い自己免疫性疾患ですが、障害が起こる部位が異なります。 自己免疫性肝炎では、肝細胞の障害が中心です。原発性胆汁性胆管炎で起こるのは、肝臓内の胆汁が通る管(胆管)の破壊です。 そのため、胆汁の流れが滞り、ALPやγ-GTPなど、胆道系酵素や黄疸をきたすビリルビン値の上昇が目立ちます。進行すると黄疸や皮膚のかゆみを生じます。 また、病気を放置すると肝硬変へ進展するので、必ず医療機関での治療が必要です。 各種検査で自己免疫性肝炎との鑑別を行いますが、2つの病態が合併している場合もあります。 Q.アルコールを飲む機会が多いと肝臓の病気になりますか? A.アルコールを飲む量や本人の体調によっては、肝臓の病気になる可能性があります。 とくに長期間にわたり、アルコールの大量摂取を行うと、肝臓に大きなダメージを与えてしまうからです。 実際に、厚生労働省の情報でも、アルコールの飲みすぎは脂肪肝やアルコール性肝炎など、肝臓病につながりやすいと指摘しています。 日頃からお酒を飲まれる方で、肝臓への負担が気になる方は、アルコール性肝炎の初期症状などを解説している以下の記事もあわせて参考にしてみてください。 Q.肝臓の病気があるときに食べてはいけないものはありますか? A.糖質や脂質が多く含まれているような食べ物は避けましょう。 たとえば、以下の食べ物が例にあげられます。 ・糖質が多いもの:ジュース類、駄菓子、果物 など ・脂質が多いもの:揚げ物、肉の脂身、ドレッシング など 肝臓をいたわる食事の例を知りたい方は、以下の記事も参考になります。 Q.肝臓に血管腫があるときはどうすれば良いですか? A.肝血管腫とは、肝臓で異常増殖した細い血管が絡み合い、塊になった際にできる良性腫瘍です。 小さな病変かつ無症状であれば、基本的に経過観察のみと考えて良いでしょう。 大きくても増大傾向がなく、かつ無症状であれば経過観察可能と判断される可能性が高いと思われます。 また、肝臓に血管腫があるときは、医療機関での定期検査を行いましょう。気になるような症状や異変を感じた場合には、すぐ診療してもらうのが大切です。 以下の関連記事で詳細を解説しているので、あわせて参考にしてみてください。 Q.脂肪肝を改善するにはどうすれば良いですか? A.生活習慣や食事などの改善が必要です。 脂肪肝になった原因によって、以下のように改善方法は変わります。 アルコールが原因の場合:アルコール摂取量を減らす 肥満などが原因の場合:運動して減量、食事量を調整する また、脂肪肝を指摘されたときは、放置せずに早めに医療機関を受診して治療を行うのが重要です。 脂肪肝の改善に関わる詳細は、以下の記事で詳しく解説しています。 Q.肝疾患の相談などができる支援機関はありますか? A.以下の支援機関で、肝疾患に関わる情報提供や相談を行っています。 ・肝炎情報センター:情報の提供 ・肝疾患相談支援センター:相談など 参考文献 厚生労働省難治性疾患政策研究事業「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究」班 自己免疫性肝炎(AIH)診療ガイドライン2021年 厚生労働省難治性疾患政策研究事業「難治性の肝・胆道疾患に関する調査研究」班 患者さん・家族のための自己免疫性肝炎(AIH)ガイドブック第2版 難病情報センター 自己免疫性肝炎 難病情報センター|原発性胆汁性胆管炎 厚生労働省|e-ヘルスネット「アルコールと肝臓病」 厚生労働省|事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン 参考資料 肝疾患に関する留意事項
2024.05.21 -
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肝血管腫は近年の画像診断により発見例が増加している良性の腫瘍です。(文献1) 無症状の場合は治療する必要がありませんが、まれにカテーテル治療や外科手術が必要なケースもあります。 本記事では肝血管腫の症状や原因、治療法、予防法について解説します。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 肝血管腫について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 肝血管腫とは? 肝血管腫とは、肝臓で異常増殖した細い血管が絡み合い、塊になったことでできる良性の腫瘍です。 良性腫瘍は周囲の臓器への転移や、周囲の組織に入り込んで増殖する(浸潤する)リスクが低く、身体におよぼす影響は比較的少ないとされています。 肝臓に見られる悪性腫瘍としては、肝細胞がんや胆管細胞がん(肝内胆管がん)がよく知られています。 肝臓はもともと血管が多い臓器であるため血管腫ができやすく、肝臓にできる腫瘍の半数以上が肝血管腫とされています。 肝血管腫は「海綿状血管腫」と「血管内皮腫」の2種類に大きく分けられますが、海綿状血管腫と診断されることがほとんどです。そして、臨床上問題を生じるのも海綿状血管腫が多い傾向です。 基本的には無症状のため、昔は剖検(ぼうけん:病死した患者の遺体を解剖して調べること)で見つかることが多かったのですが、近年の画像診断技術の発展に伴い、他の病気を探すための検査や人間ドックなどで偶然発見されることが多くなりました。基本的には消化器内科で診てもらう病態です。 成人の発生頻度は5%程度で、一般的には女性のほうが男性に比べてやや多いといわれています。 その他女性に多い肝臓の病気については、下記の記事も合わせてご覧ください。 肝血管腫の症状 肝血管腫は、多くの場合は無症状で、特徴的な症状はありません。ただし、腫瘍が大きくなってくると徐々に周囲の臓器を圧迫し、以下の症状が出やすくなります。 腹部の不快感 腹痛 右上腹部の膨満感 嘔気・嘔吐など また、発現頻度は低いですが、重症例では以下の症状が見られるケースもあります。 肝臓の巨大化による合併症 発熱 黄疸(皮膚や白眼の黄染) 呼吸困難 心不全など 肝臓の巨大化による合併症の具体例としては、肝臓の破裂や多臓器の圧迫、出血性ショックなどが挙げられます。 肝臓が巨大化して破裂して出血を起こすと治療が困難になり、最悪のケースでは死に至るため、なんらかの異常が見られる際は速やかに医療機関を受診する必要があります。 巨大肝臓血管腫のカサバッハ・メリット症候群に注意 カサバッハ・メリット(Kasabach-merritt)症候群は、新生児期から乳児期に多く見られる巨大な血管腫です。 発症すると血小板の顕著な減少が見られ、出血や多臓器不全などを起こすと最悪のケースでは死に至ります。 現在のところ確立した治療法がなく、ステロイドやインターフェロン、抗血小板薬の投与など複数の治療を並行するのが一般的です。 死亡率は20~30%とされていますが、治癒した例では予後が良好で、再発の可能性はありません。(文献2) 肝血管腫の原因 肝血管腫が形成される原因は明らかになっていませんが、先天的な要素が大きいと考えられています。乳児期に肝血管腫が生じる場合もありますが、通常は自然に消失していきます。 肝血管腫の男女比について、エビデンス(医学的根拠)を伴うデータはありません。 しかし、臨床上は女性の発症例が多く報告されており、ホルモンバランスの変化が発症リスクを高める要因ではないかと考えられています。 実際に、成人になって肝血管腫が発見された女性患者の調査報告では、女性ホルモン補充療法を施行したことにより肝血管腫の増大が見られ、結果として女性ホルモンとの関連が示唆されました。 女性ホルモンが実際にどのように肝血管腫に影響を及ぼしているかまでは未だはっきりと解明されていませんが、妊娠や女性ホルモン療法は肝血管腫増大のリスクになり得ると考えられています。 なお、ピルの服用が肝血管腫を増大させるかに関する研究もなされましたが、そちらでは有意に増大させないとの結果でした。 ただし、ピルの長期服用は肝機能障害や肝腫瘍のリスクを上昇させる上、ピルと肝血管腫増大の関連を考える報告があるのも事実です。 発症年齢に関しては30〜50代に多く見られるとされていますが、全年齢層で検査を行った結果ではないため好発年齢は不明です。 肝血管腫の検査・診断の方法 肝血管腫の検査法として以下の方法が挙げられます。 超音波(エコー)検査 CT(造影コンピュータ断層撮影)検査 MRI(磁気共鳴画像)検査 画像検査以外に腫瘍マーカーを用いてがんの可能性を調べたり、血液検査によりカサバッハ・メリット症候群のリスクを確認したりするケースもあります。 次項で肝血管腫の検査の際に行われる画像診断ついて解説します。 超音波(エコー)検査 超音波検査は身体に超音波の出るプローブと呼ばれる機械を当て、それぞれの臓器から跳ね返ってきた超音波を画像化するのが特徴です。 腹部超音波検査ではお腹をグッと押される感覚はありますが、被曝の恐れや痛みがなく、副作用を心配しなくて良い点がメリットです。 身体への負担が少ない検査で肝血管腫を発見できる点では優れますが、肝細胞がんや肝臓への転移がんと見分けにくい欠点があります。 造影超音波検査を用いることも可能ですが、患者さんの体格や術者の技量によって左右されるため、通常はCT検査やMRI検査の画像と合わせて総合的に判断されています。 造影超音波検査に用いられる造影剤は、卵アレルギーの方には使用できません。造影超音波検査に伴い過去にアレルギーを起こした経験がある方は、事前に医師に相談する必要があります。 CT(造影コンピュータ断層撮影)検査 CT検査はベッドの上に仰向けに寝た状態でトンネル状の装置に入り、X線の吸収率の違いを利用して体の断面を画像化するのが特徴です。 レントゲンでは確認が難しいミリ単位の微細な病変を発見しやすく、体内の状態を立体的に把握できる点がメリットです。 造影剤を使用しない単純CTでは肝血管腫の検出率は低いですが、造影剤を使用した造影CTであれば格段に検出率が上がります。 肝血管腫は他の肝臓がんと比べて血流の流れが遅いため、造影剤を使用すると全体がゆっくり染まるのです。 CT検査のデメリットとしては放射線を被ばくする点や、造影剤による副作用などが挙げられます。 過去に造影剤によるアレルギーが出た人や糖尿病薬を服用している人、腎機能障害のある人、授乳中の人などは造影剤を使用する際に注意が必要となります。該当される方は医師にご確認ください。 MRI(磁気共鳴画像)検査 MRI検査は強力な磁場が発生したトンネル状の機械に入り、ラジオ波を体に当てることでさまざまな角度から断面像を作り出すのが特徴です。 放射線被曝のリスクがなく、骨の影響を受けずに正常な組織と病変部位との判別ができる点がメリットです。 超音波検査やCT検査同様、必要時には造影剤も使用できます。造影を含めたMRI検査が肝血管腫の確定診断において最も有用であるといわれています。 MRI検査はさまざまな病気の早期発見に役立つ検査法ですが、狭いトンネルの中に入る必要があるので狭所恐怖症の人には不向きな点や、超音波検査やCT検査と比べてコストが高くなる点が懸念です。 検査に要する時間が長く、病院によっては他の検査と比較して予約が取りにくい場合もあるでしょう。 肝血管腫の主な治療法 肝血管腫は腫瘍が小さく、症状が出ていない場合は治療の必要はありません。 肝血管腫の主な治療法としては、以下の例が挙げられます。 経過観察 外科的治療 放射線治療 肝移植 それぞれについて解説します。 経過観察が基本 肝血管腫の発症が確認されたとしても、経過を観察するのが基本です。 病変が小さくかつ無症状であれば、基本的に経過観察のみと考えて良いでしょう。大きくても増大傾向がなく、かつ無症状であれば経過観察可能と判断されやすいです。 ただし、経過を観察する場合であっても定期的に超音波検査やCT検査、MRI検査を受け、症状変化の有無を確認してください。 妊娠に関しては判断が難しいところで、大きな血管腫が発見された場合には妊娠を勧めるべきでないと主張する報告もある一方で、巨大血管腫がありながらも合併症を生じることなく妊娠継続ができたとの報告もあります。 自覚症状があり、かつ大きい肝血管腫を指摘されている場合は、それ以上大きくならないよう、女性ホルモン補充療法やピルの中断が推奨されています。 巨大血管腫があるために産婦人科領域の治療について相談したい方や妊娠をご希望の場合には、産婦人科の医師に加え、消化器内科や消化器外科の医師ともよく話し合いましょう。 治療の際には、消化器内科の医師より消化器外科や放射線科の医師へ紹介され、適切な治療を検討していきます。 外科的治療(肝切除・カテーテル)は腫瘍の大きさ・症状による 肝血管腫の大きさや自覚症状、合併症、悪性腫瘍の可能性を完全に否定できない場合は、外科的治療が必要です。 主な治療法は以下のとおりです。 治療法 目的 カテーテル治療 肝動脈を塞いで肝血管腫への血液流入を阻害する 手術 肝血管腫を切除する 次のような条件下では、カテーテル治療や手術療法といった積極的治療が必要とされます。 カサバッハ・メリット症候群 血管腫の急速な増大 血管腫の増大とともに症状の増悪 血管腫が原因となった合併症が中等度以上 血管腫の破裂 カテーテル治療は肝動脈塞栓術とも呼ばれており、血管内より血管腫に栄養を送る動脈へアクセスし、挿入した細い管を使って動脈を塞ぐ治療法です。 手術療法と異なり合併症のリスクが低いメリットがあり、肝血管腫が破裂して出血している症例や、カサバッハ・メリットに対して効果的と報告されています。 一方、カテーテル治療では肝血管腫の完治には至らず、多くの場合腫瘍の縮小はみられません。前段階として一旦肝動脈塞栓術を施行し、全身状態が改善されてから手術に臨む症例もあります。 カテーテル治療では十分な効果が得られない場合、手術療法(腫瘍摘出術)が検討されます。報告されている肝血管腫の手術成績は、破裂による緊急手術を除いて良好です。 手術の手法としては腹腔鏡手術と開腹手術の2つが挙げられます。腹腔鏡手術は傷口が小さくて済むメリットがありますが、肝血管腫の場所によっては開腹手術の方がリスクが低いケースも少なくありません。 放射線治療は症状緩和を目的として実施 肝血管腫を治療する際に、定位放射線治療(SRT:Stereotactic Radio Therapy・SBRT:Stereotactic Body Radio Therapy)を行うケースがあります。 定位放射線治療は、対象となる病変へ集中的に放射線を照射する治療法です。周囲の組織に与えるダメージを最低限に抑えられます。 肝血管腫に対して定位放射線治療を実施した例では、症状の改善に加えて腫瘍のサイズの縮小もしくは消失が報告されています。(文献3) 肝移植は最終手段 外科的治療や放射線治療で肝血管腫に伴う症状の改善が見られない場合は、肝移植が検討されます。 肝血管腫自体の改善よりは、肝機能不全による生命の危機を回避するのが目的です。 とくに肝臓全体に広がるびまん性の肝血管腫で、その他の治療法では血液凝固異常が改善しない場合、肝移植が選択肢の一つになります。 国内では乳幼児期以降に肝血管腫に伴う慢性肝機能不全を発症したケースで、肝移植の治療が実施されました。(文献4) 海外では血液凝固障害や心不全を伴う急性期症状に対し、肝移植を実施した例が報告されています。(文献5) 2024年現在は血管腫を薬で治す研究も進められており、今後の新しい治療法が期待されています。 肝血管腫の診断が出たら気をつけるべきこと 肝血管腫の診断が出たら以下の点に気を付けてください。 定期健診を受ける 肝機能に配慮した生活を送る 接触の激しいスポーツは避ける 妊娠中や妊娠計画中は医師の指示を守る それぞれについて解説します。 定期健診を受ける 肝血管腫の診断が出たら、定期健診を受けることが大切です。 肝血管腫は良性の腫瘍のため、無症状で経過するケースが大半で、肝臓がんと異なり腫瘍が急速に大きくなることもほとんどありません。 ただし、肝臓の病気は自覚症状を伴うケースが少ないため、定期健診で病変に異常が生じていないか確認する必要があります。 肝血管腫と診断されたら半年から1年後に再検査を行い、腫瘍の大きさに変化が見られない場合は、1年~2年ごとの検査が推奨されています。 再検査で腫瘍が大きくなっていた場合は、CTやMRIを用いた精密検査が必要です。 肝機能に配慮した生活を送る 肝血管腫の診断が出たら、肝機能に配慮した生活を送りましょう。 玄米や雑穀米を取り入れ、緑黄色野菜やキノコ類、海藻類、果物などを積極的に取り入れるのがおすすめです。 ベーコンやソーセージなどの加工品や揚げ物、バター、生クリームなど飽和脂肪酸を多く含む食品は肝臓への負担が大きいため、必要以上に摂取しないよう意識してください。 タンパク質は牛肉の赤みや鶏のササミ、青魚などから摂取すると肝臓にかかる負担が軽減します。 また、肝臓に大きな負担をかけるアルコールの過剰な摂取は控え、1週間に2日以上は休肝日を設けるのがおすすめです。 肝臓の数値が気になる方は、下記の記事も参考にしてください。 接触の激しいスポーツは避ける 肝血管腫の多くは無症状のため、スポーツ活動に制限はありません。 ただし、発熱や呼吸困難などの症状が出ている方や、肝血管腫の増大・巨大化の傾向が見られる方は、激しい運動を避けるのが好ましいと考えられます。 アメリカンフットボールやラグビー、格闘技など接触の多いコンタクト系のスポーツで身体に衝撃が加わると、肥大した肝血管腫の破裂や血管からの出血リスクが増加するためです。 腫瘍の大きさが5センチメートル以下であれば、定期健診で経過を見守りながらスポーツを楽しめるでしょう。 腫瘍が10センチメートルを超える場合は、運動強度について医師の指導を受ける必要があります。 妊娠中や妊娠計画中は医師の指示を守る 妊娠中もしくは妊娠計画中の女性は、定期的に検診を受けて医師の指導を受けてください。 妊娠中は女性ホルモンの一種であるエストロゲンの分泌量が増加するため、肝血管腫が増大する可能性があります。 また、直接的な因果関係は明らかにされていないものの、経口避妊薬を服用すると女性ホルモンのバランスが変化し、肝血管腫の増大を招く恐れがあります。 妊娠中や妊娠計画中はホルモンバランスが変化しやすいため、超音波検査などで経過を見守ることが重要です。 ほとんどの肝血管腫は治療の必要がない良性腫瘍ですが、巨大化や破裂のリスクが高い場合はカテーテル治療や手術が検討されます。 肝血管腫の予防法 現在のところ肝血管腫の原因は明らかにされていません。 胎児期に血管を形成する際に異常が生じたり、遺伝的要因が関わっていたりする可能性が示唆されていますが、具体的な予防法はありません。 しかし、肝血管腫を発症した後に肥大化を防ぐのであれば、対処の方法はあると考えられます。 たとえば、脂質の多い食事やアルコールの過剰摂取は肝臓への負担を増やし、肝臓を肥大化させる一因です。肝血管腫への負担も増大するため、栄養バランスのとれた食事を意識し、過剰なアルコールの摂取は控えましょう。 腫瘍が10センチメートルを超える場合は別ですが、内臓にかかる負担を減らすため適度な運動に取り組むのも効果的です。 肝血管腫の予防・早期発見のために定期健診を受けましょう 肝血管腫は良性腫瘍であり、基本的には怖い病気ではありません。腫瘍が小さくて無症状であれば、治療の必要はありません。 しかし、腫瘍が大きくなってくるといろいろな症状を招くほか、出血や破裂など重大な健康被害のリスクが生じます。 どちらかといえば女性に多く見られるとの報告があるため、妊娠中もしくは妊娠計画中の女性はとくに気を付けてください。 肝血管腫と診断された場合は、自分の身を守るためにも定期的な検査を心掛け、肝臓に負担がかかる食習慣の見直しに取り組むのがおすすめです。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 肝血管腫について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 肝血管腫に関するよくある質問 肝血管腫はがんの可能性がありますか? 肝血管腫は良性の腫瘍であるため、がんになる可能性はほとんどありません。 画像検査では肝臓がんとの見分けがつきにくいケースがあるため、初回の診察時にはCTやMRIなどを用いて判別する必要があります。 肝血管腫と肝臓がんの大きな違いは、腫瘍が大きくなるスピードです。肝血管腫は基本的に急激に巨大化しませんが、肝臓がんの場合は腫瘍が短期間で大きくなる傾向にあります。 万が一のリスクを避けるため、肝血管腫と診断された場合であっても、半年から1年後に再検査を行い、その後も定期健診を受けてください。 破裂する可能性はありますか? 肝血管腫が破裂する可能性は極めて低いとされます。 しかし、腫瘍が10センチメートル以上に巨大化した場合や、カサバッハ・メリット症候群を発症しているケースでは、肝血管腫が破裂するリスクが増加します。 肝血管腫の破裂に伴う特徴的な症状が、突然の激しい腹痛やめまいなどです。出血性ショックを起こした場合、急激な血圧低下に伴う意識障害を招く恐れもあるため、すぐに医療機関を受診してください。 肝血管腫の破裂を予防するためには、激しい運動を控えるなど外部からの衝撃を避けることが大切です。 参考文献 (文献1) 肝海綿状血管腫の画像診断ガイドライン|公益社団法人日本医学放射線学会 (文献2) カサバッハ・メリット(Kasabach-Merritt)現象(症候群)|小児慢性特定疾病情報センター (文献3) 肝海綿状血管腫の画像診断ガイドライン|公益社団法人日本医学放射線学会 (文献4) 乳幼児肝巨大血管腫|難病情報センター (文献5) 肝巨大血管腫(乳幼児難治性肝血管腫)|小児慢性特定疾病情報センター
2024.05.16 -
- 内科疾患
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肝嚢胞とは、肝臓の組織に液体がたまって袋状になったものです。 健康診断や人間ドックで発見されるケースが多く、実際に約5人に1人の割合で健康診断の検査項目に含まれる腹部超音波検査で肝嚢胞が見つかるデータもあります。(文献1) そのため、診断後に放っておいて大丈夫か、家族として何かできることはないかと心配になって情報を探していらっしゃるのではないでしょうか。 突然聞かされると驚かれるかもしれませんが、肝嚢胞は比較的よく見られるもので、多くは良性で特に症状がないケースがほとんどです。 しかし、まれに大きくなって痛みが出たり、他の病気が隠れていたりする可能性もゼロではありません。 本記事では、肝嚢胞の原因や症状などを詳しく解説します。 治療法も紹介しているので、肝嚢胞の診断を受けて不安を感じている方は参考にしてみてください。 しかし、肝嚢胞の治療では、嚢胞が大きくなった場合に外科的な穿刺や切除手術が行われることがありますが、手術を避けたいという方は再生医療も選択肢の一つになります。 \再生医療という新しい選択肢/ 再生医療は、患者さまご自身の細胞を用いて肝臓の修復力を高めて、損傷や炎症を起こした肝組織の再生を促し、肝機能の改善を目指す治療法です。 「早く痛みから解放されたい」「機能を取り戻したい」という方は、まずは当院の無料カウンセリングをご利用ください。 ▼まずは無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる 肝嚢胞(肝のう胞)とは 肝嚢胞とは、肝臓にできる液体がたまった袋状のものを指します。 肝嚢胞の種類は、大きくわけて以下の2つです。 孤発性肝嚢胞 多発肝嚢胞 孤発性肝嚢胞 「孤発性肝嚢胞」は、肝嚢胞の数が1〜3個程度で単発的に発生する肝嚢胞です。 肝嚢胞の大きさが5cm以下程度の小さいものであれば無症状のケースが多くなります。 まれにサイズが5〜10cmを超えるような大きい肝嚢胞もできます。 このサイズになると、周りの臓器が圧迫されてお腹が苦しくなったり、腹痛を感じたりする場合があるので覚えておきましょう。 ただし、肝臓自体への影響は少なく、血液検査で肝機能の異常が見つかるケースはほとんどありません。 多発肝嚢胞 「多発肝嚢胞症」は、肝嚢胞が肝臓に多発する病気です。 こちらは孤発性とは異なり、嚢胞の数が増えたり大きくなったりするケースが多く、それによる周囲への圧迫症状が見られやすくなります。 また、嚢胞内の感染や出血で炎症を引き起こし発熱や肝機能異常をおよぼす可能性もあります。 肝嚢胞以外の脂肪肝や肝硬変、肝炎といった肝臓の病気には「再生医療」の治療法が効果的です。 再生医療とは、人間の自然治癒力を活用し、損傷した肝臓の組織を修復する最新の医療技術です。 詳しい治療方法や効果が気になる方は、再生医療専門の『リペアセルクリニック』にお気軽にお問い合わせください。 ▼まずは無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる 以下の記事では、肝臓の働きや肝臓の病気について解説しています。詳細が気になる方は、参考にしてみてください。 肝嚢胞の原因 肝嚢胞の発生原因は、現時点では明確にわかっていません。 肝嚢胞ができるのは40歳から60歳の女性に多いことから、女性ホルモンの1種であるエストロゲンが関連しているという説があります。 以下の記事では、女性に多い肝臓の病気を解説しています。検査方法や合併症に関する情報も紹介しているので、詳細が気になる方はあわせてご覧ください。 なお、肝嚢胞は、エキノコックスという寄生虫の感染によって肝嚢胞ができるケースがあります。エキノコックスは、キツネやイヌの糞に含まれており、口を介して感染します。 肝嚢胞の症状 くりかえしですが、肝嚢胞はほとんどが良性なので、肝嚢胞そのものが体に悪い影響をおよぼす可能性は高くありません。 肝嚢胞が5cm以下ほど小さめのサイズであれば、無症状のケースが大半です。 5〜10cmを超えるような大きいサイズの肝嚢胞になると、周りの臓器を圧迫してお腹が苦しくなったり、腹痛を感じたりする場合があります。 また、嚢胞内の感染や出血で炎症が起これば、発熱や肝機能異常を引き起こす可能性があります。症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。 もしもご家族の方で肝嚢胞の疑いがある場合や、まずは相談先を必要としている場合などは、当クリニックでも無料相談を受け付けております。 ▼まずは無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる 肝嚢胞の検査 冒頭で述べた通り、肝嚢胞は健康診断や人間ドックの腹部超音波検査検診で見つかるケースが多い傾向にあります。つまり、腹部超音波検査検診は肝嚢胞を発見する有効な検査といえるでしょう。 ほかには、腹部CTやMRIによっても確認できます。 CTやMRIでは、嚢胞の壁や嚢胞液の性状を詳しく調べられる検査です。超音波検査で嚢胞の性状が通常と異なっている場合や、嚢胞に対して治療を検討する場合にさらに詳しい情報を得るための検査としておこなわれます。 肝嚢胞の治療法 肝嚢胞は、圧迫症状がなければ治療はおこなわず、経過観察で良いものになります。 肝嚢胞のサイズが大きく圧迫による腹部症状をきたしている場合や、嚢胞内感染などを起こしている場合には治療をおこないます。 治療方法は、注射で嚢胞内の液を吸引して肝嚢胞を縮小させる方法です。超音波で嚢胞を確認しながらおこないます。その後、エタノールを注入して嚢胞内に再び液体がたまらないようにします。 根本的な治療としては、嚢胞を切開、切除する手術です。近年では腹腔鏡による手術もおこなわれ、より体に負担の少ない治療方法が広まっています。 傷付いた肝臓組織を修復する治療法の1つに「再生医療」があります。 リペアセルクリニックでは、ご自身の脂肪由来幹細胞を用いた再生医療を提供しています。 この治療は幹細胞が持つ組織修復能力を利用し、手術のような大きな負担なく、弱った肝臓の働きを根本からサポートすることを目指します。 治療法については、以下の動画でも解説していますので、ぜひ参考にしてください。 https://youtu.be/NeS1bk2i5Gs?si=w-r5Q9YGiwpb_Yfv 根本的な改善を期待したい方は、当院(リペアセルクリニック)へご相談ください。 まとめ|肝嚢胞への理解を深めて適切な対応をとろう 肝嚢胞は多くの場合、無症状で偶然見つかるもので、症状がなければ経過観察で良いものになります。したがって、肝嚢胞と診断されても極端に心配する必要はありません。 しかし、大きい嚢胞では腹痛やお腹の圧迫感の症状が現れることがあるほか、まれにがん化する事例も報告されています。気になる症状があれば早めに専門の医療機関に相談しましょう。 損傷した肝臓組織を修復を模索するなら、手術を必要としない「再生医療」がおすすめです。本来なら手術しなければいけない状態でも、再生医療で治療できる可能性があります。 ご自身の細胞を用いる再生医療は薬や手術とは異なるアプローチで、慢性的な肝臓のダメージや機能低下に悩む方に新たな希望をもたらす可能性があります。 ご本人だけでなくご家族も一緒に最善の道を探るために、ぜひこの情報をご活用ください。 ▼まずは肝嚢胞の治療について無料相談! >>(こちらをクリックして)今すぐ電話してみる 肝嚢胞に関するよくある質問 最後に肝嚢胞に関するよくある質問と回答を以下で回答しています。 肝嚢胞が何センチになったら手術が必要ですか? 肝嚢胞になったらどうすればいいの? 肝嚢胞でがんを発症するリスクはありますか? 肝嚢胞が何センチになったら手術が必要ですか? 手術の必要性を判断する明確なサイズの基準はありません。 嚢胞のサイズよりも、症状の有無や生活への影響が重要な判断材料となります。たとえば、嚢胞が腹部を圧迫して腹痛が生じたり、胃を圧迫して食欲不振になったりするなどです。 注射で肝嚢胞の液体を吸引する治療法もあるので、専門医と相談して自分の状態に合った治療法を選択していくのが良いでしょう。 肝嚢胞になったらどうすればいいの? 肝嚢胞と診断を受けた時点で、担当医に今後の治療方針を相談しましょう。 無症状であれば、定期的な経過観察を推奨される可能性があります。肝嚢胞がほかの臓器を圧迫して圧迫感や痛みを感じる場合は、注射吸引による液体の除去や肝嚢胞を切開・切除する手術などが進められます。 肝嚢胞でがんを発症するリスクはありますか? 肝嚢胞が、がん化した事例も報告されています。(文献2) がんの場合、早期発見が重要になります。体調不良や身体の違和感が長期間続く場合は、迷わず医療機関で検査を受けましょう。 参考文献 文献1:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jamt/65/1/65_15-10/_pdf 文献2:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsa/68/3/68_3_654/_article/-char/ja/
2024.05.09 -
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高血圧で医師から降圧剤をすすめられたものの、「薬の違いがわからない」「副作用が不安」と感じている方は少なくありません。 高血圧は放置すると、脳卒中や心筋梗塞など命に関わる病気のリスクが高まるため、適切な治療が必要です。 まずは食事の見直しや運動など生活習慣の改善が基本ですが、それだけでは十分に血圧が下がらない場合に、降圧剤が使用されます。 降圧剤には複数の種類があり、血圧を下げる仕組みが薬ごとに異なるため、体質に合う薬を選ぶことが大切です。 この記事では医師監修のもと、降圧剤の種類と特徴、副作用、そして薬と併用して血圧を下げる生活改善のポイントを解説します。 不安を取り除き、納得して治療を続けられるよう、ぜひ最後までご覧ください。 また、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療に関する情報提供や簡易オンライン診断を実施しています。 高血圧について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 降圧剤(高血圧の薬)とは? 降圧剤とは、血圧を適切な範囲に保ち、高血圧による病気のリスクを抑えるために使われる薬です。 生活習慣の見直しだけでは血圧の改善が難しい場合に、治療の一環として用いられます。 ここでは、高血圧が起こる原因と、降圧剤が必要になる理由について解説します。 血圧が上がる原因と降圧剤が必要な理由 血圧が上がる原因には、次のような背景があります。 加齢による血管の硬化 塩分の多い食事 運動不足 肥満 ストレスの蓄積 遺伝的な体質 上記の影響が重なると血管に負担がかかり、血圧が高い状態が続きやすくなります。 高血圧は自覚症状がほとんどないまま進行することが多く、「少し高いだけだから」と放置してしまう方も少なくありません。 血圧が高い状態をそのままにしておくと、体に負担が蓄積され、将来的な健康リスクが高まります。 そのため、必要に応じて降圧剤を用いた治療が重要になります。 降圧剤の役割は「合併症リスクの回避」 降圧剤の目的は「今ある症状を和らげること」よりも、「将来的に起こり得る病気を防ぐこと」にあります。 高血圧の状態が続くと、脳卒中や心筋梗塞、心不全、腎臓病などの合併症を引き起こすリスクが高まります。 こうした背景から、医師は血圧を適切にコントロールし、合併症を防ぐ目的で降圧剤の使用を提案します。 降圧剤は「血圧を下げるための薬」というよりも、「将来の重大な病気を予防するための治療の一部」と理解しておくと安心です。 降圧剤が必要になる血圧の基準値とは? 現在のガイドラインでは、最高血圧が120mmHg未満、最低血圧が80mmHg未満の状態を「正常血圧」としています。(文献1) 一方で、最高血圧が130〜139mmHg、または最低血圧が80〜89mmHgの場合は「高値血圧」とされ、将来的に高血圧へ進行する可能性が高い状態です。 さらに、最高血圧が140mmHg以上、または最低血圧が90mmHg以上になると、「高血圧症」と診断され、薬物治療を含めた対策が検討されます。 ただし、降圧剤を使うかどうかは血圧の数値だけで決まるわけではありません。 年齢や持病の有無、生活習慣などを総合的に考慮したうえで診断されるため、自己判断せず、医師と相談しながら治療方針を決めることが大切です。 降圧剤(高血圧の薬)の種類と副作用 降圧剤にはいくつかの種類があり、血圧を下げる仕組みや副作用の出やすさがそれぞれ異なります。 代表的な降圧剤は、以下表のとおりです。 【代表的な降圧剤の種類】 薬の種類 主な作用 カルシウム拮抗薬 末梢の血管を拡張させて血圧を下げる作用の薬 ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬) 血管収縮を抑えて血圧を下げる作用の薬 ACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬) アンジオテンシンⅡの産生を抑えて血圧を下げる薬 利尿薬 体内の水分と塩分を排出して血圧を下げる薬 β(ベータ)遮断薬 心拍数や心臓の負担を抑えて血圧を下げる薬 α(アルファ)遮断薬 交感神経の働きを抑えて血管を広げる薬 MR拮抗薬 ホルモンの作用を抑えて体液量を調整する薬 次に、それぞれの特徴と副作用について詳しく解説します。 カルシウム拮抗薬 カルシウム拮抗薬は、末梢の血管を拡張させることで血圧を下げる作用を持つ降圧剤です。 副作用が比較的少なく使いやすいため、現在の高血圧治療では最も多く処方されています。 また、高血圧の治療を始める際に、第一選択として選ばれることが多い薬でもあります。 一方で、血圧が下がりすぎた場合には、次のような症状が出る場合があります。 めまい感 動悸 頭痛 ほてり感 顔面紅潮 むくみ 歯茎の肥厚(歯肉肥大) など 【主なカルシウム拮抗薬の商品名(後発品含む)】 アダラート アムロジピン アムロジン ノルバスク ランデル アテレック カルブロック コニール など ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬) ARB(アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬)は、カルシウム拮抗薬に次いで多く使用されている降圧剤です。 血管に作用する「アンジオテンシンⅡ」という物質の働きを抑え、血管収縮を防ぐことで血圧を下げます。 副作用が少なく、治療の第一選択として使われることもあり、カルシウム拮抗薬だけでは十分な効果が得られない場合に、併用されるケースも少なくありません。 注意点として、副作用の一つに、服用中に血中カリウム値が上昇する可能性があります。 腎機能が低下している方が服用する場合、定期的に腎機能やカリウム濃度等をチェックする必要があります。 また、妊娠中や授乳中の方は服用できません。 【主なARBの商品名(後発品含む)】 オルメテック オルメサルタン アジルバ アジルサルタン ミカルディス テルミサルタン など ACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬) ACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)は、ARBと同じアンジオテンシン系に作用する降圧剤です。 アンジオテンシンⅡの産生そのものを抑えることで、血管収縮を防ぎ、血圧を下げます。 ACE阻害薬の副作用として知られているのが「空咳(からせき)」です。 これは体内物質であるブラジキニンの影響によるもので、日本人を含むアジア人に出やすい傾向があります。 妊娠中や授乳中の方は、ARBと同様に服用できません。 【主なACE阻害薬の商品名(後発品含む)】 レニベース エナラプリルマレイン酸塩 エースコール テモカプリル塩酸塩 タナトリル イミダプリル塩酸塩 など 利尿薬 利尿薬は、体内の余分な水分や塩分(ナトリウム)を尿として排出し、血液量を減らすことで血圧を下げる薬です。 とくに、塩分摂取量が多い日本人にとって、効果が期待できる薬の一つです。 また、利尿薬は高血圧だけでなく、むくみを伴う心不全がある場合や、他の降圧剤で効果が不十分な場合に併用されます。 副作用としては、電解質異常やトイレの回数増加などが起こる場合があります。 【主な利尿薬の商品名(後発品含む)】 ヒドロクロロチアジド フルイトラン トリクロルメチアジド フロセミド ラシックス アゾセミド ダイアート など β(ベータ)遮断薬 β遮断薬は、心臓の働きを抑えて心拍数や心臓の負担を軽くすることで血圧を下げる薬です。 高血圧治療の第一選択になることは多くありませんが、特定の病気を合併している場合に使用されます。 心筋梗塞後や脈が速いタイプの高血圧では、他の降圧剤と併用されることもあります。 喘息などの呼吸器疾患を持病に持ち、吸入を行っている方が使用する場合は、症状が悪化する可能性があるため注意が必要です。 【主なβ遮断薬の商品名(後発品含む)】 インデラル プロプラノロール メインテート ビソプロロール アーチスト カルベジロール など α(アルファ)遮断薬 α遮断薬は、交感神経の働きを抑えて血管を拡張し、血圧を下げる薬です。 交感神経が活性化しやすい早朝に血圧が上昇するタイプの方の場合、就寝前に服用することで効果が期待されます。 α遮断薬は自律神経に働きかける薬のため、交感神経の作用を抑えることで以下のような副作用が起こる可能性があります。 起立性低血圧(立ち上がったときに血圧が下がる状態) めまい 失神 α遮断薬を服用する場合は少量から開始し、副作用に注意しながら徐々に増やしましょう。 【主なα遮断薬の商品名(後発品含む)】 カルデナリン ドキサゾシン ミニプレス プラゾシン など MR拮抗薬(ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬) MR拮抗薬(ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬)は、アルドステロンというホルモンの働きを抑え、体内の水分量を調整することで血圧を下げる薬です。 心臓を保護する作用も期待でき、心不全を合併する高血圧で使用されることがあります。 一方で、MR拮抗薬は体液バランスを調節する薬のため、高カリウム血症などの電解質異常に注意が必要です。 とくに、腎機能障害がある方や糖尿病性腎症がある方では、使用できない場合があります。 【主なMR拮抗薬の商品名(後発品含む)】 アルダクトン スピロノラクトン セララ エプレレノン ミネブロ など 降圧剤(高血圧の薬)の配合剤とは? 高血圧の治療において、1種類の降圧剤では血圧が十分に下がらない場合、複数の降圧剤を1つにまとめた「配合剤」を服用するケースがあります。 降圧剤の配合剤は、異なる作用を持つ薬を組み合わせることで、より安定した血圧管理を目指す治療法です。 ここでは、配合剤の仕組みや特徴、代表的な配合パターンについて解説します。 複数の作用を一度に得られる治療薬 配合剤とは、血圧を下げる仕組みが異なる降圧剤を1錠にまとめた薬です。 たとえば、血管を広げる薬と、体内のホルモンの働きを抑える薬を組み合わせることで、それぞれの作用を補い合いながら血圧をコントロールできます。 高血圧の治療が進むにつれて薬の種類が増えると、「飲み忘れが心配」「管理が大変」と感じる方も少なくありません。 配合剤は、薬が増えることへの不安を軽減しやすい治療の選択肢として用いられています。 配合剤のメリットとデメリット 配合剤は、作用の異なる複数の降圧剤を1錠にまとめた薬で、服用する錠数を減らしながら血圧管理を行える点が特徴です。 薬の数が増えると飲み忘れが起こりやすくなりますが、配合剤を用いることで服薬管理がシンプルになり、治療を継続しやすくなる効果が期待できます。 一方で、配合剤には複数の成分が含まれているため、副作用が現れた場合に、どの成分が影響しているのかを判断しにくいという側面があります。 そのため、めまいや体調不良など、これまでと異なる症状を感じた際には、自己判断で服用を中止せず、医師に相談しながら調整を行うことが重要です。 降圧剤の主な配合パターンと代表的な薬剤 現在国内で処方可能な降圧薬の配合剤は、大きく分けて3種類です。 降圧薬の配合剤 詳細 カルシウム拮抗薬+ARB ザクラス アイミクス ミカムロ レザルタス エックスフォージなど ARB+利尿薬 イルトラ エカード プレミネント ミコンビなど カルシウム拮抗薬+ARB+利尿薬 ミカトリオ 配合剤を使用する際は、それぞれの降圧薬の副作用に注意してください。 配合剤の場合、名前だけでどの薬が配合されているかがわかりにくいため、注意が必要です。 降圧剤(高血圧の薬)を安全に服用するための注意点 降圧剤は、飲み合わせや服用方法を誤ると、思わぬ副作用につながる場合があります。 ここでは、降圧剤を安全に服用するために知っておきたい注意点を解説します。 グレープフルーツなどの柑橘類を避ける 降圧剤を服用している場合、グレープフルーツを含む柑橘類の摂取は避けるようにしましょう。 グレープフルーツには「フラノクマリン類」と呼ばれる成分が含まれており、体内で薬を分解する酵素の働きを妨げます。 この酵素の働きが阻害されると、薬の成分が体内に通常より長く残り、作用が強く出すぎることで、かえって副作用のリスクを高める恐れがあります。 これは降圧剤に限らず、コレステロール低下薬や抗不安薬など、さまざまな薬で起こる可能性があります。 降圧剤を服用している間は、柑橘類の摂取にも意識し、少しでも気になる場合は医師や薬剤師に相談しましょう。 自己判断で降圧剤の服用をやめるのは危険 血圧が落ち着いてくると、「もう治ったのではないか」と感じ、自己判断で薬をやめてしまう方もいます。 しかし、血圧が下がった状態は、薬によってコントロールされている結果であり、高血圧そのものが治ったわけではありません。 途中で降圧剤の服用を中止すると、再び血圧が上昇し、高血圧の状態に戻ってしまう可能性があります。 そのため、薬の減量や中止を考える場合は、必ず医師と相談しながら進めることが重要です。 また、降圧剤を一生飲み続けなければならないのか不安に感じる方もいるでしょう。 血圧を下げるには薬の服用が重要ですが、中には生活習慣が改善したことで徐々に減量し、降圧薬をやめられた方もいます。 そのため、治療が順調であれば、薬を中止できる可能性は十分にあります。 降圧剤の飲み忘れに気づいたらどうする? 降圧剤を飲み忘れた場合の対応は、薬の種類や服用タイミングによって異なります。 そのため、自己判断で対応せず、あらかじめ医師や薬剤師から指示を受けておくことが大切です。 一般的には、飲み忘れに気づいた時点で時間をずらして服用する場合がありますが、1度に2回分をまとめて飲むことは避けましょう。 まとめて服用すると、血圧が下がりすぎたり、副作用が出やすくなる恐れがあります。 飲み忘れが続く場合や、対応に迷った場合は、早めに医師や薬剤師へ相談しましょう。 降圧剤(高血圧の薬)だけに頼らない!血圧を下げる生活習慣 降圧剤は血圧をコントロールするうえで重要な役割を果たしますが、生活習慣の見直しも同じくらい大切です。 毎日の食事や運動、過ごし方を少し見直すだけでも、血圧に良い影響を与える場合があります。 ここでは、血圧管理に役立つ生活習慣の改善方法について解説します。 食事の改善|食塩を減らす工夫 高血圧の改善には、食事内容の見直しが重要です。 なかでも塩分の摂りすぎは血圧を上げる大きな要因となるため、意識的に減塩を心がけましょう。 日本人は、もともと塩分摂取量が多い傾向にあり、高血圧の方では1日の食塩摂取量を6g未満に抑えることが推奨されています。(文献2) 家庭の食事だけでなく、外食や加工食品にも多くの塩分が含まれている点にも注意が必要です。 減塩を続けるためには、次のような工夫が役立ちます。 香味野菜や香辛料を活用して薄味でも満足感を高める 外食や加工食品の利用を控えめにする 食べすぎを防ぎ、適量を意識する 麺類はスープを残す また、アルコールの飲みすぎも血圧を上げる原因になります。 1日の純アルコール摂取量の目安は約20g程度とされており、ビール中瓶1本(500ml)、日本酒1合(180ml)、ワイン1杯(120ml)程度に相当します。(文献3) お酒を飲む習慣がある方は、量と頻度を意識することが大切です。 運動習慣の改善|有酸素運動・体重管理 食事とあわせて、運動習慣を見直すことも血圧管理に役立ちます。 高血圧の改善を目的とした運動では、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動がすすめられています。 運動の強さは、「ややきつい」と感じる程度で十分です。 激しい運動を行うと、かえって血圧が上がる場合があるため、無理のないペースを心がけましょう。 目安としては、1日20分以上、週200分程度の運動が推奨されています。(文献2) ただし、急に長時間の運動を始めると体への負担が大きくなるため、まずは短時間から少しずつ習慣化することが大切です。 まとまった運動時間を確保しにくい場合は、次のような日常生活の中で体を動かす機会を増やす工夫も効果的です。 エレベーターではなく階段を使う 近い距離は歩いたり自転車を利用したりする 長時間座り続けないよう、こまめに立ち上がる こうした積み重ねが、体重管理や血圧の安定につながります。 ストレスケアと睡眠リズムの整備 ストレスや睡眠不足も、血圧に影響を与える要因のひとつです。 強いストレスが続くと自律神経のバランスが乱れ、血圧が上がりやすくなる場合があります。 自律神経の安定には、十分な睡眠の確保と就寝・起床のリズムを整えることが重要です。 また、趣味の時間を持つ、深呼吸や軽いストレッチを行うなど、自分なりのリラックス方法を見つけることも、血圧管理に役立ちます。(文献2) 降圧剤(高血圧の薬)に関するよくある質問 降圧剤を服用する中で「一生続くのか」「体に合わなかったらどうするのか」など、不安や疑問を感じる方も多いでしょう。 治療を続けるうえでは、正しい知識を持ち、必要に応じて医師と相談することが大切です。 ここでは、降圧剤に関してよく寄せられる質問をもとに解説します。 降圧剤は一生飲み続ける? 降圧剤は、必ずしも一生同じ薬を飲み続けなければならないものではありません。 血圧の状態や年齢、体質、生活習慣の改善状況によって、薬の量や種類が調整される場合があります。 また、治療が順調に進み、食事や運動などの生活習慣が整ってくると、医師の判断で減量や中止を検討できる場合もあります。 自己判断で薬をやめるのではなく、定期的な診察を受けながら医師と相談して進めることが大切です。 降圧剤で血圧が下がりすぎた際の対処法は? 降圧剤の影響で血圧が下がりすぎると、めまい、立ちくらみ、ふらつき、倦怠感などの症状が出る場合があります。 とくに立ち上がったときに症状が出やすい場合は、注意が必要です。 こうした症状が続く場合や、日常生活に支障を感じる場合は、早めに医師へ相談しましょう。 薬の量や種類を調整することで、症状が改善するケースも少なくありません。 サプリメントと併用しても大丈夫? サプリメントの中には、降圧剤の作用に影響を与えるものがあります。 とくに、カリウムを多く含むサプリメントや健康食品は、薬との組み合わせによって体に負担がかかる可能性があります。 自己判断で併用するのではなく、サプリメントを使用している場合や新たに取り入れたい場合は、事前に医師や薬剤師へ相談すると安心です。 安全に治療を続けるためにも、服用しているものはすべて伝えるようにしましょう。 まとめ|降圧剤(高血圧の薬)と生活習慣の両立で血圧を安定させる 降圧剤は、高血圧による脳卒中や心筋梗塞などの重大な病気を防ぐために、血圧を適切な範囲に保つ重要な治療方法です。 降圧剤にはさまざまな種類があり、それぞれ作用の仕組みや副作用が異なるため、自分の体質や状態に合ったものを選ぶことが大切になります。 一方で、高血圧の治療は薬だけで完結するものではありません。 食事の減塩や運動習慣の見直し、十分な睡眠やストレスケアといった生活習慣の改善を併せて行うことで、血圧の安定につながりやすくなります。 また、降圧剤の服用を続ける中で不安や疑問が生じた場合は、自己判断せず、医師や薬剤師に相談することが重要です。 降圧剤と生活習慣の両立を意識しながら、自分に合った血圧管理を続けていきましょう。 参考文献 (文献1) 高血圧治療ガイドライン・エッセンス|日本心臓財団 (文献2) 血圧を適切に保つための10のヒント|日本高血圧学会 (文献3) アルコール|厚生労働省
2024.05.02 -
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「高血圧だと腎臓に影響するって聞いたけど、血圧の高さはどう改善すればいいの?」 「そもそも両者にはどんな関係性があるのか知りたい」 このような疑問をお持ちの方も多いでしょう。 結論、高血圧の場合、腎臓に悪影響を及ぼします。血圧が高いと腎臓に負担がかかり腎機能が低下するほか、腎炎や慢性腎臓病などの病気を発症するリスクも高まります。 腎機能を健康な状態に保つには、高血圧を改善するための取り組みを日頃から継続することが大切です。 本記事では、腎臓と高血圧の関係や血圧の高さを改善する方法を解説します。高血圧患者が発症しやすい慢性腎臓病についても紹介しているので、参考にしてみてください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 「高血圧と関連のある腎臓病」について気になる症状がある方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 【基礎知識】腎臓と高血圧の関係 高血圧は、脳卒中や心筋梗塞といった命に関わる怖い病気を引き起こすことをご存じの方は多いかもしれません。 高血圧はそれだけでなく、腎臓にも負担を与え、徐々に腎臓の機能を低下させていきます。 この章では、高血圧と腎臓の働きについて解説した上で、高血圧が腎臓に与える影響を詳しく説明します。 高血圧とは 高血圧とは、一般的に「最高血圧が140mmHg以上もしくは最低血圧が90mmHg以上、またはその両方」である状態を指します。 血圧は変動しやすいため一時的にこの値を上回ることはよくあり、その場合は問題とはなりません。 腎臓の働き 腎臓は、尿を作る働きがあり、老廃物や余分な塩分を尿として体外に排出してくれます。尿の量を調整する機能もあり、体内の水分量を適切な状態に保ちます。 また、ホルモンを分泌し、血圧の調整を図るのも腎臓の重要な役割です。そのほかにも血液を作るホルモンも分泌しており、貧血にならないように体をサポートしています。 高血圧が腎臓に与える影響 高血圧の状態が長期間続くと、腎臓に負担を与え、腎機能の低下を引き起こします。 腎臓の機能が低下すると、腎炎(腎臓の炎症)を発症しやすくなります。また、慢性的な機能障害を引き起こし、慢性腎臓病と診断される方も少なくありません。 腎臓から血圧への逆の影響もあります。腎臓は血圧を調整するホルモンを分泌する働きがあるため、腎臓の機能が低下すると高血圧になりやすいです。 このように、腎臓と高血圧は密接な関係にあり、互いに影響し合って悪循環を招くことがあります。 高血圧患者が発症しやすい慢性腎臓病について ここでは、高血圧患者が発症しやすい慢性腎臓病について、さらに詳しく解説します。 慢性腎臓病とは、腎機能の障害が慢性的に続いている状態です。 具体的には、機能異常による腎障害が3カ月以上持続または糸球体濾過量(glomerular filtration rate:GFR)の数値が60mL/min/1.73m²未満に低下した状態が3カ月持続している方を指します。(文献1) 健康な方の糸球体濾過量は100mL/min/1.73m²程度ですので、慢性腎臓病の方では正常値の60%ほどまで機能が低下している状態です。 国内に1330万人の慢性腎臓病患者が存在すると推定されています。これは成人の約8人に1人の割合であり、どなたでも発症しうる身近な疾患です。(文献2) 慢性腎臓病の原因 慢性腎臓病の原因にはさまざまなものがありますが、とくに高血圧や脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病と深く関係しています。 また、加齢による腎機能低下も大きな原因の1つです。 高血圧 脂質異常症 糖尿病 加齢 慢性腎臓病の症状 慢性腎臓病の初期には自覚症状がないことが多いですが、進行すると息切れや倦怠感、むくみといった症状が現れます。 息切れ 倦怠感 むくみ このような症状がみられた場合、腎臓が正常に機能していない可能性があるため治療が必要になります。 慢性腎臓病の治療 残念ながら慢性腎臓病で徐々に低下してしまった腎機能を完全に元に戻す治療法はありません。 慢性腎臓病と診断された場合に行う治療には大きく分けて、進行を抑える治療、そして悪化した腎機能を人工的に維持する治療の2つになります。 治療方法 治療内容 投薬治療 進行を抑える治療 慢性腎臓病の原因となった生活習慣病に対する投薬治療になります。 具体的には、高血圧をお持ちの方であれば降圧薬の内服が一般的です。 腎代替療法 腎機能を人工的に維持する治療 腎代替療法(血液透析や腹膜透析など)と呼ばれる治療になります。 先ほど紹介したような息切れや倦怠感、むくみといった症状を伴う場合にこのような治療が必要になる可能性があります。 高血圧患者が腎臓の機能を改善する方法 高血圧患者が腎臓の機能を改善させるには、日頃の生活習慣や、血圧の状態を適切に管理することが大切です。 具体的な改善策は主に以下の5つです。 食生活を見直す 禁煙する 糖尿病の治療を進める 血圧計測で目標値内にコントロールする 健康診断を受ける 順番に見ていきましょう。 食生活を見直す 高血圧を予防するために最も大切なことは、バランスの取れた食生活を送ることです。 日々の食事では炭水化物、たんぱく質、脂質といった三大栄養素が大部分を占めており、現代の日本人は特に、炭水化物や脂質を摂りすぎる傾向にあります。 このような食生活を続けてしまうと、血圧が上昇し、腎臓に負担がかかります。さらに、高血圧を防ぐためには、塩分を控えた食事も大切です。高血圧や慢性腎臓病を予防するための適切な塩分量は1日当たり6g未満とされています。 ところが、厚生労働省の調査報告書によると日本人が1日に摂取している塩分量の平均値は9.8gです。(文献3)平均すると1日当たり3.8gの減塩が必要となります。 禁煙する 喫煙は血圧を上げる要因となります。たばこに含まれる成分が血管の収縮や柔軟性の低下を引き起こすためです。 そのため、腎機能の改善を図るには、禁煙をして高血圧にならないようにする意識が大切です。 以下の方法が禁煙に役立ちます。 禁煙外来を受診する ニコチンパッチやガムを使う 無理のないペースで、たばこの本数を少しずつ減らしていきましょう。 糖尿病の治療を進める 高血圧と糖尿病は併発しやすく、国内にいる糖尿病合併高血圧患者は約90万人です。実際には、糖尿病患者の半数以上は高血圧を併発しています。(文献4) 糖尿病を発症している方は、糖尿病の治療に専念することで高血圧の改善につながり、ひいては腎臓機能の改善も期待できます。 糖尿病の主な治療は、糖質の量や血糖値の上昇をコントロールする食事療法と、インスリンを注射で投与する薬物療法です。 そのほかにも再生医療の選択肢があります。再生医療は患者様ご自身の細胞を活用した治療方法で、当院では脂肪由来の幹細胞を投与する治療を提供しています。 メール相談、オンラインカウンセリングを承っておりますので、詳しい治療方法を知りたい方はお気軽にお問い合わせください。 血圧計測で目標値内にコントロールする 血圧は家庭用の血圧計で簡単にチェックできるため、日ごろから計測する習慣を付けましょう。 日々血圧を意識しつつ、生活習慣の改善だけで下がりきらない場合には内科のある病院を受診してください。 降圧薬を服用しながら適切な値にコントロールする必要があります。 健康診断を受ける 慢性腎臓病を早期発見するには、定期的に健康診断を受けることが大切です。 慢性腎臓病の初期段階では、腎機能の低下を生じていても自覚症状がみられない場合がほとんどです。 そのため、早期発見のためには健康診断の血液検査で血清クレアチニン値や血中尿素窒素など、腎臓の機能に関わる項目をチェックしましょう。 これらの項目が異常と判定された場合には慢性腎臓病の可能性がありますので、早めに内科を受診し、早期の検査をおすすめします。 腎臓機能と高血圧の改善策を知って日々の過ごし方を見直そう 血圧と腎臓は密接な関係にあるため、それぞれの状態を良好に保つ意識が健康維持に繋がります。 高血圧は日頃の食生活の改善、喫煙習慣、運動習慣、定期的な血圧チェックにより、早期発見と適切な対策が可能です。 本記事で紹介した改善策を参考に、腎機能の向上を目指しましょう。 腎臓と高血圧の改善に関するよくある質問 腎不全と高血圧に関連のあるレニンとはなんですか? レニンは、血圧を上げる働きのあるホルモンを作るために必要な酵素です。つまり、レニンの分泌量が増えると、高血圧になりやすいです。 高血圧の状態が長期間続くと、腎機能が著しく低下し、正常に機能しなくなる腎不全に進行する可能性があります。 高血圧患者が腎臓を検査する方法は? 高血圧患者の腎臓状態をチェックする代表的な検査は以下のとおりです。 検査の種類 内容 尿検査 尿に含まれる成分を検査 たんぱく質や血液などが混入し、異常が認められると腎機能低下の可能性があります 血液検査 クレアチニン(老廃物の一種)の濃度を検査 クレアチニン値の濃度が高いと腎臓の機能低下が疑われます 画像検査 腎臓の形・大きさを画像で検査 腎臓の萎縮や腫瘍が確認できます 腎生検 腎臓の組織を採取する検査 尿検査・血液検査・画像検査では判断困難な場合に正確に診断します 検査は状態の進行具合や医師の判断によって選択されます。 低血圧の場合も腎臓に負担がかかりますか? 低血圧の状態が長く続くと、体内に酸素や栄養が行き届かなくなり腎臓にも負担を与えます。 参考文献 (文献1) エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023|東京医学者 日本腎臓学会編集 (文献2) エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2018|東京医学者 日本腎臓学会編集 (文献3) 令和5年国民健康・栄養調査結果の概要|厚生労働省 (文献4) 糖尿病の病態と高血圧一なぜ糖尿病では高血圧合併例が多いのか一|内分泌·尿病科
2024.04.30 -
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「首(または腕)が痛く、1日でも早く治す方法が知りたい」 「首の痛みは日常生活にも影響するため、できるなら通院せず治したいけれど可能なの?」 頚椎捻挫が発症していると、首や腕の痛みだけでなく、しびれ、頭痛、めまいなどの症状が起きます。 早く治したい一心から、自宅でストレッチや軽い運動をしてしまうと、症状を悪化させてしまう恐れがあります。 そこで今回は現役医師の立場から、頚椎捻挫を早く治す方法をまとめました。 受傷からの期間別でどのような治療がおすすめなのかも解説したので、ぜひ最後までご覧ください。 【予備知識】頚椎捻挫を早く治す方法の前に押さえておきたい注意点 まず把握してもらいたいのが頚椎捻挫は、よく耳にする「むち打ち症」と同じ意味である点です。 自動車で運転中に追突事故に遭ったり、スポーツ中の衝突により首が過剰に動いたりすると起こる症状です。 首の筋肉や靭帯に損傷が起こる症状として知られています。そこで改めて頚椎捻挫の症状と治るまでの期間をお伝えします。 頚椎捻挫の主な症状 頚椎捻挫の症状として代表的なのは、主に首や腕の痛み、しびれなどが挙げられます。 しかし代表的な症状以外にも、以下の症状があるため注意しましょう。 腕の脱力感 肩こり 頭痛 めまい 耳鳴り 動悸 倦怠感 など 以下の表では、タイプ別で症状や考えられる発症の原因をまとめました。 タイプ 症状 発症の原因 頚椎捻挫型 首や腕の痛み 首回りの筋肉や靭帯が引き伸ばされ発症する 神経根症状型 手、指、腕のしびれ 神経が圧迫されて脳からの伝達が伝わらなくなり発症する バレ・リーウー型 頭痛、耳鳴り、吐き気、難聴、視力低下 など 事故後の安静(急性期の対応)が不十分だと発症しやすい 脊髄型 足の感覚異常、排尿と排便のしにくさ 脊髄の損傷から動きにくくなり発症する 以下の記事では、頚椎捻挫の後遺障害等級についても触れているので、あわせて参考にしてください。 頚椎捻挫を治すまでの期間 頚椎捻挫が治るまでの期間は、患者様の容態によって異なりますが、1〜3カ月で症状が軽快するでしょう。 早ければ1〜2週間の方もいれば、6カ月かけても症状が残っている方もいます。 もしも6カ月経っても治らない場合は、後遺障害としての申請をするのがおすすめです。 以下の記事では、頚椎捻挫の後遺障害等級についても触れているので、あわせて参考にしてください。 頚椎捻挫を早く治す方法 頚椎捻挫を早く治したい場合、受傷してからの期間によって対処方法が異なります。 順番に早く治す方法を解説していきます。 早めの受診がおすすめ(1週間以内) 頚椎捻挫を受傷したら、あまり症状を感じていなくても早めに受診するのがおすすめです。 時間が経ってから急速に症状が出てくるケースがあるため、痛みを感じていなくても受診を検討してください。 受傷後すぐ(急性期)は、首に負担をかけないのが望ましいため、首を固定する「頚椎カラー」の装着が1つの選択肢になります。 患部に対し、リハビリを実施してしまうと、炎症が悪化する恐れがあるため、注意しましょう。 鎮痛剤の処方をしてくれる場合もあるため、まずは病院を受診するのが早く治る方法として挙げられます。 激しい運動を控える(〜2週間) 首の筋肉や靭帯に損傷が起こっている状態のため、受傷から2週間経過するまでは症状が軽いケースでも安静にしましょう。 むやみに動かし過ぎると症状を長引かせる原因になります。 「亜急性期」と呼ばれる時期になり、理学療法士によるリハビリを開始しながら早く治していきましょう。 物理療法として、温熱や低周波などによる治療も実施するケースがあります。 どれも自宅ではできない治療法になるため、専門医から適切なアドバイスを受けるのがおすすめです。 無理のない範囲でストレッチする(6カ月前後) 痛みが落ちついてきたら痛みが出ない範囲で首や肩周りを動かしましょう。 同時に、受傷から6カ月以上経っても以下の症状を感じる方は要注意です。 強い痛みは無いけれど首や肩周りが突っ張る なんとなくスッキリしない など 上記のような症状を感じる方は「慢性化」している恐れがあります。 筋肉や靭帯の損傷は安静にしていれば治りますが、筋肉の緊張状態は安静にしていると、どんどん固まってしまい、緊張状態が強くなってしまいます。 つまり、慢性化しないためにも適度なストレッチが必要になるのです。 デスクワークやスマホを見る習慣が多い現代人のほとんどが負担のかかる姿勢が続いています。 姿勢を治すためには肩甲骨や胸椎(両方の肩甲骨の間にある背骨)を動かすような体操や顎を引く運動、胸前の筋肉をほぐすストレッチをしましょう。 なお、頚椎捻挫が治っていない原因を確かめるには、MRI検査が選択肢として挙げられます。 以下の記事では、MRI検査の所要時間や注意点をまとめているので、ぜひ参考にしてください。 早く治すなら週3の通院がおすすめ 捻挫を1日でも早く治したいのであれば、週3回の通院をおすすめします。 頚椎捻挫は受傷後、1週間以内の受診をおすすめしたように、時間の経過とともに急速な変化が伴うケースが大半です。 首や腕に負担をかけないよう固定したりリハビリを案内し始めたりする時期が、患者様によって異なるからです。 症状によって通院の頻度が異なるので、あくまで1つの基準として捉えてもらえると幸いです。 なお、症状や適切なリハビリなどでお困りでしたら、当院ではオンラインカウンセリングも実施しております。 「いつまでに治りそうなのか」「今の症状では何をすべきか」など、気になる方は以下からご連絡ください。 病院受診時の流れ 頚椎捻挫を早く治す方法を取り入れるため、病院の受診を検討している方に向け、実際の流れをお伝えします。 一般的な病院での受診時、以下の流れになるケースが大半です。 診断 安静 リハビリ それぞれ何を実施するのか、詳しく解説していきます。 受診 頚椎捻挫の受診は基本的に「整形外科」を選択しましょう。 整形外科は、頚椎捻挫や関節リウマチなど、慢性疾患を主に取り扱っています。 専門学校で3年間勉強し「柔道整復師」に合格した方が施術する整骨院とは異なり、医学部合格後、最低でも6年間の勉強と臨床実習が医師には必要です。 理学療法や物理療法を始め、CTやMRI検査など、正確な医学的な知識をもとに治療してもらうには、整形外科がおすすめです。 しかし、整形外科にはリハビリテーション専門のスタッフ(理学療法士や作業療法士)がいない整形外科もあります。 できれば理学療法士や作業療法士のいる整形外科を選択しましょう。 安静 頚椎捻挫を受傷したら、最初のうちは患部を安静にしておくのが無難です。 症状の重さにもよりますが、軽度であれば投薬(薬物療法)を行います。 症状が重い場合は頚椎カラーを装着し、少しでも患部を安静できるようサポートしていきます。 頚椎捻挫は症状の重さに関係なく急性期の症状を早く落ち着かせることが、早く治す方法として挙げられるのです。 リハビリ 頚椎捻挫で骨折や脱臼が発症していない限り、少しずつ痛みがない程度のリハビリを行います。 整形外科で専門的な知識と経験がある理学療法士や作業療法士になるリハビリ指導が始まります。 理学療法士や作業療法士が在籍していない整形外科の場合、温熱療法や牽引療法、電気治療を施しているので、受診時に治療方法を確認しておきましょう。 以下の記事では、頚椎捻挫の治療方法について、自宅でできる対処法を紹介しています。 悪化予防の観点から、ぜひ参考にしてください。 まとめ・頚椎捻挫をすぐに治したいなら受診してもらおう! 頚椎捻挫を早く治す方法は、すぐに受診し安静にしておくのがおすすめです。受傷直後は興奮状態で痛みを感じない場合もありますが、数日経ってから症状が出る可能性もあります。 仮に痛みを感じていなくても「受傷したら痛みがなくても受診」と考えておきましょう。 首回りの組織が損傷している可能性もあるため、スポーツだけでなくストレッチも含めて無理に首を動かすのは控えるのが無難です。 患部を動かすのは、痛みが落ち着いたらリハビリを実施しましょう。 動かさない期間が長くなってしまうと筋肉が固まってしまい、慢性化する可能性もある点に十分気をつけましょう。当院ではオンラインカウンセリングをはじめ、メール相談も承っております。 頚椎捻挫を早く治す方法を専門医からのアドバイスを受けたい方を含め、お気軽にお問い合わせください。
2024.04.29 -
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むちうち症(頚椎捻挫)は、交通事故やスポーツ中の事故などにより、首の周りの筋肉や靱帯に急激に力がかかったことで痛みが生じる状態をいいます。 軽症なものであればネックカラーを装着しての安静処置やリハビリなどで徐々に軽快してきます。しかし、重症なものだと慢性的な痛みと長期間付き合っていく状態になりかねません。 そこで本記事では、むち打ち(頚椎捻挫)の治療方法と治し方を中心に、完治期間についても医師の観点から解説します。 むち打ち症(頚椎捻挫)の症状 むち打ち症の症状は、首を動かしたときの痛み・頭痛・倦怠感(だるさ)・耳鳴り・やめまい・手や腕のしびれと多岐にわたります。 中でも代表的な症状は首を動かしたときの痛みです。筋肉や靱帯に不自然な強い力がかかったことで炎症し痛みが生じます。 頭痛は脳が強く揺さぶられたことによる脳振盪症状や、頭・首・背中につながっている僧帽筋という筋肉が損傷し、全体の痛みを頭痛として捉えることもあります。 倦怠感や耳鳴り、めまいといった症状も脳振盪が原因とされ、首の損傷がさまざまな症状を引き起こします。 むち打ち症(頚椎捻挫)4つのタイプ 上記のとおり、むち打ち症には4つのタイプがあります。 最も多いのは捻挫型で、首や肩の痛み・動かしづらさを発症します。頚椎捻挫の約80%程度がこのタイプです。 神経根型は、腕や手のしびれや痛みが出現するタイプです。頸髄の神経根が筋肉や骨で圧迫されることで発症します。首を動かしたり、咳やくしゃみをしたりすると、強い痛みやしびれが出現します。 脊髄型は、下肢のしびれや知覚異常などを引き起こすタイプです。 頚椎捻挫だけでなく、脊椎椎間板ヘルニアなどが合併した場合に分類される傾向にあります。重度の場合、歩行障害や排尿困難・排便困難といった膀胱直腸障害を発症します。 Barre-Lieou型(バレー・リュー型)は首の痛みだけでなく、めまい・耳鳴り・難聴・視力障害などさまざまな症状が起こるタイプです。不眠症や不安症といった精神的な症状が合併するケースもあります。 むち打ち症(頚椎捻挫)の治療方法 交通事故やスポーツで強い衝撃が首にかかって頚椎捻挫を起こした場合、まずは意識障害や嘔吐・手足のしびれや麻痺、下半身の症状がないかを確認します。 意識障害や嘔吐がある場合、脳にも強く力がかかって調子が悪くなっている可能性があるため安静にし、必要に応じて脳神経外科の受診をします。 手足のしびれや麻痺・下半身に症状がある場合は、頚部に強い力がかかって骨の変形や骨折もありえますので、首をなるべく動かさないようにして、安静にして病院を受診します。 病院を受診した場合、まずは骨折がないかレントゲンやCTを行い確認します。もし骨折や変形があれば医療機関で治療を行い、骨折や変形がなければ、頚椎捻挫と診断されます。 頚椎捻挫は炎症が重症にならないよう、受傷直後から1〜2日程度は冷やして安静にすることが大切です。 急性期(受傷時)の治療 安静を保つ 炎症が重症にならないように注意 冷やして安静にする(受傷直後から1~2日程度) 急性の炎症が落ち着いたら、筋肉の萎縮や硬直を防ぐためにも少しずつ動かしていきましょう。最初はストレッチや可動域訓練から始め、マッサージや軽い運動を行います。また、並行して痛み止めの内服や湿布薬を使用していきます。 急性期後の治療 ストレッチ(可動域訓練) マッサージ 日常的な普段通りの生活 痛み止め(内服) 湿布薬 牽引療法や温熱療法 ハビリテーション 急性期後は整形外科クリニックなどで、牽引療法や温熱療法や通院リハビリテーションを行うケースもあります。慢性化する場合は、さらに鍼治療・漢方薬・精神療法・認知行動療法といった、補完的な治療も必要です。 また、癒着した筋膜に生理食塩水を注入するハイドロリリースや、神経根に対して局所麻酔を投与してしびれや痛みを軽快する神経ブロックなどもペインクリニックなどで検討されます。 むち打ち症(頚椎捻挫)の完治期間 症状が軽快するまで通院を行うことが一般的です。軽症であれば1カ月弱で改善しますが、数カ月通院を必要としたり場合によっては慢性化するケースもあります。 特に交通事故やスポーツ外傷の場合は保険も関わってきますから、医師とよく相談し、必要に応じて積極的な通院が必要です。 軽いものであれば自然に軽快しますが、むち打ち症(頚椎捻挫)が完治しないうちにまた強い衝撃が加われば頚椎捻挫が重症化する可能性もあります。 とくにスポーツ外傷では軽快するまでむち打ち症になりかねない激しい運動への復帰は控えましょう。 もし、むち打ち症(頚椎捻挫)後、症状がこれ以上改善しない場合は、症状固定と判断され、行為障害診断書を発行したのち後遺障害等級の認定を受けることも検討する必要があります。 後遺症は以下の通りです。 多くの場合、14級や12級で認定します。 むち打ち症(頚椎捻挫)後遺障害等級 1級 神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、常に要介護 2級 神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、随時介護 3級 神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、生涯働けない 5級 神経系統の機能または精神に著しい障害を残し、特とくに軽易な労務以外働けなくなった 7級 神経系統の機能または精神に障害を残し、軽易な労務以外働けなくなった 9級 神経系統の機能または精神に障害を残し、就ける仕事の程度が制限された 12級 局部に頑固な神経症状を残す 14級 局部に神経症状を残す *症状固定となると、治療費、休業補償などは打ち切られますが、後遺障害等級の認定を受けることで、後遺障害慰謝料などが受け取れるようになります。弁護士や保険会社とよく相談の上、医師に認定を相談してみてください。 *症状固定とは ケガや病気を治療する上で治療を続行したとて現在の症状以上の改善を見込むことが難しいと判断された状態を指します。 まとめ|むち打ちを早く治すなら医師の指示を守ろう むちうち症(頚椎捻挫)は交通事故やスポーツ外傷で起きてしまうことが多いです。慢性化して日々痛みに悩まされることにもなりかねません。 また、むち打ち症には4つのタイプがあり(捻挫型、神経根型、脊髄型、Barre-Lieou型)、それぞれ異なる症状を示します。 治療方法としてはまず安静にし炎症を抑えることが重要です。その後ストレッチやマッサージ、湿布薬の使用などを行い、必要に応じて整形外科での治療を受けましょう。 治療期間は症状の重さによって異なりますが、一般的には数週間から数カ月かかることがあります。慢性化した場合は、補完的な治療や後遺障害の認定を受けることも考えねばなりません。 むち打ち症状を疑う場合は最寄りの整形外科医を受診するか、当クリニックにご相談ください。ちょっとした悩みでも真摯に対応いたします。
2024.04.29 -
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高血圧の薬とグレープフルーツなどの柑橘類は、相互作用によって薬の効き目が強まってしまうため注意が必要です。 本記事では、高血圧の薬との飲み合わせに注意したい『柑橘類』について紹介します。 ご家族の中に高血圧の方がいる場合、「脳梗塞」や「脳出血」などの発症すると命に関わる病気につながらないように注意しましょう。 「高血圧の治療で効果が見られない」「別の治療法があれば知りたい」という場合、傷付いた血管の改善が期待できる再生医療も選択肢の一つです。 再生医療は傷付いた血管や高血圧によって発症する脳梗塞の症状改善が期待できる治療法です。 ご家族に高血圧の方がいるなら患者さまの将来のためにも、手遅れになる前に公式LINEの情報をぜひご参考ください! \公式LINEでは再生医療に関する情報や症例を公開中!/ ▼ご家族族の肝硬変が悪化して手遅れになる前に! >>【公式LINE限定】再生医療の治療法や症例を今すぐ見てみる 高血圧薬とグレープフルーツをいっしょに食べてはいけない理由は「フラノクマリンが含まれるため」 グレープフルーツと一部の薬を一緒に摂取することは避けるべきとされています。 理由としては、グレープフルーツに含まれる特定の化学成分(主にフラノクマリン類)は、人体内で薬物を分解する酵素(とくにCYP3A4というシトクロムP450酵素)の働きを阻害するからです。 この酵素は、薬物をより無害な形に分解し、体外へ排出するために重要です。しかしこの酵素の阻害は、薬物の体内での濃度を予期せず増加させ、副作用が起こるリスクを高めてしまいます。 血圧を下げる作用を持つ薬剤(降圧薬)の一群に『カルシウムチャネル拮抗薬』がありますが、こちらを一例としてご紹介します。 カルシウムチャネル拮抗薬の薬効は、血管を拡張させることで血圧を下げることです。しかし、フラノクマリン類との相互作用により、これら薬剤の効果が強まり、低血圧やめまい、倦怠感などの副作用を引き起こすリスクが高まってしまいます。 高血圧の薬にはカルシウムチャネル拮抗薬だけでなく、さまざまな作用の仕方、成分がありますが、グレープフルーツを含む柑橘類は同じく避けましょう。 これが降圧薬とグレープフルーツを一緒に摂ってはいけない理由です。 さらに、高血圧の薬以外にもグレープフルーツが影響を及ぼす薬剤として、以下のようなものが挙げられます。 高血圧治療薬(例:カルシウムチャネル拮抗薬 フェロジピン) コレステロール低下薬(例:スタチン類) 抗不安薬 免疫抑制剤 抗アレルギー薬 これらの薬剤も、CYP3A4酵素によって代謝されるため、グレープフルーツやグレープフルーツジュースとの同時摂取はとくに注意が必要です。 健康を守るためにも、薬を服用している場合は、柑橘類の摂取に関して医師や薬剤師と相談しましょう。 また、高血圧については以下の記事でも紹介していますのであわせてご覧ください。 グレープフルーツ以外のフラノクマリン含有量の高い果物(柑橘類)一覧 グレープフルーツ以外にも、高血圧治療薬と相互作用を起こしやすい柑橘類の一覧は以下の通りです。 出典:酵素免疫測定法による食物・生薬中のフラノクマリン類含量のスクリーニング それぞれ「果汁」と「果皮」でフラノクマリン類含有量が異なることもあるため、上記の柑橘類には注意しましょう。 当院の公式LINEでは、先端医療である再生医療に関する詳細や症例を公開しております。 再生医療は高血圧で傷ついた血管に対しても改善が期待できる治療方法なので、将来的な不安がある方はこの機会にぜひ知っておきましょう。 ▼傷付いた血管の治療に再生医療が注目 >>【公式LINE限定】再生医療ガイドブックを見てみる 果汁の場合 果汁ではスウィーティー、メロゴールド、バンペイユがグレープフルーツと同程度の結果でした。 そして、フラノクマリンの量が増えるとCYP3A4の活性が阻害(働きが妨げられること)される強さの度合いはほぼ比例すると報告されています。 そのため、スウィーティー、メロゴールド、バンペイユおよびレッドポメロはグレープフルーツと同様に、フラノクマリン類による相互作用に注意が必要であると考えられます。 ダイダイ、ブンタン(ザボン)についてはやや少ないですが、これらも注意が必要です。 なお、スウィーティーとレッドポメロはすでに生物の体内でもグレープフルーツと同様にCYP3A4の働きを妨げることが報告されていますが、メロゴールドについてはまだ報告されていません。 果皮の場合 また、果皮についてはメロゴールドとスウィーティー、甘夏みかんおよびサワーポメロがグレープフルーツに近い結果でした。さらに、フラノクマリン類は、ほとんどの柑橘類で、果汁よりも果皮の方に数十倍から数千倍多く含まれていることがわかりました。 レモン・オレンジは相互作用の心配が少ない柑橘類 一方で、レモンや日向夏、ネーブルオレンジ、スウィートオレンジ、温州みかん、ポンカン、イヨカン、デコポン、ゆず、カボス、すだち、キンカン、バレンシアオレンジといった柑橘類については、少なくとも果汁にフラノクマリンはほぼ含まれていない(N.D.:未検出)ので、CYP3A4との相互作用の心配は少ないのではないかと考えられます。 しかし前述したように、フラノクマリン類は、ほとんどの柑橘類で果汁よりも果皮の方に数十倍から数千倍多く含まれていることがわかっています。果汁については心配の少ない柑橘類でも、果皮については、注意が必要です。 高血圧の薬と一緒に柑橘類を食べるときの4つの注意点 高血圧の薬と柑橘類を一緒に食べるときは、以下4つのポイントに注意する必要があります。 フラノクマリンの含有量が低い柑橘類を食べる 果物漬けやマーマレードなど加工食品にも注意を払う どうしても食べたいときは医師や薬剤師へ相談する フラノクマリンが多い果物を食べた場合は安静にし体調の変化がないか確認する フラノクマリンの含有量が低い柑橘類を食べる 柑橘類のなかには、フラノクマリンの含有量が少ないものもあります。 ミカンやオレンジなどの柑橘類で、食べたいと感じる気持ちを落ち着かせましょう。 また、先述したように皮は含有量が高い場合もあります。含有量をあらかじめ調べておくと良いでしょう。 果物漬けやマーマレードなど加工品にも注意を払う 先ほど述べたように、柑橘類の果汁よりも「果皮」にフラノクマリンが多く含まれていることがわ分かっています。そのため、果皮の果物漬けや、マーマレードなどの加工食品を食べる際にも、十分な注意が必要です。 ただし、グレープフルーツ由来のフラノクマリンなどの成分は小腸のCYP3A4に数日間影響を与えます。 そのため、降圧薬を飲む場合には、グレープフルーツジュースで薬を飲むことを避けるだけでは不十分と考えられます。 日常生活の中で、グレープフルーツジュースだけでなく、果汁やサワー、マーマレードなどの加工食品を摂取するのは避けた方が良いでしょう。 ミックスフルーツジュースを飲む際も、グレープフルーツが含まれているかどうかを確認する必要があります。 どうしても食べたいときは医師や薬剤師の意見を参考にしよう 薬剤師や医師は、高血圧薬との飲み合わせに関する専門的な知識を持っています。 薬を服用中の患者は、新しい食品やサプリメントを摂取する前に必ず医療の専門家に相談しましょう。 たとえば、主治医である血圧の診療に長けている医師や、治療薬に精通した薬剤師などは、自分の状況に合ったアドバイスをくれるでしょう。 高血圧の治療中に、自己判断で、新しいサプリメントなどを飲み始めることはあまり勧められません。 摂取すべきでない食品や飲み物、サプリメントを避けることで、高血圧の治療効果を最大限に引き出し、副作用のリスクを最小化できるでしょう。 代替となる安全な飲み物や食品 グレープフルーツや特定の柑橘類が持つ特定の薬剤との相互作用は、高血圧治療薬を含むさまざまな薬の効果に影響を及ぼす可能性があります。 しかし、柑橘類にはビタミンCをはじめとする、健康的な食生活にとって大切な食品であるという側面もあります。 そこで、柑橘類のように高血圧の薬との相互作用を避けるため、他のビタミンCが豊富な食品への代替が推奨されます。 ビタミンCは抗酸化作用を持ち、免疫機能のサポートやコラーゲンの生成に必要な栄養素です。 おすすめの代替食品 キウイ:キウイはビタミンCが豊富であり、1個のキウイで1日のビタミンC推奨量のほぼ100%を提供します。また、抗酸化物質、食物繊維、ビタミンKも豊富に含まれています。 赤ピーマン: 野菜の中でもとくにビタミンCが豊富で、グレープフルーツや柑橘類を避ける必要がある人にとって優れた選択肢です。サラダや料理の彩りも良くしてくれ、栄養も豊富なためおすすめです。 フラノクマリンの多い果物を食べてしまった場合には安静にし体調の変化を確認する もしも知らずにフラノクマリンの多い果物を食べてしまった場合には、急激な体調の変化が起こる可能性があります。 軽度のめまいや頭痛から、血圧が下がるとショック症状や心臓にかかわる症状が出るおそれもあります。 そのため、運動や外出などは避け、座ったり休んだりしながら様子を見ましょう。 明らかな体調の変化が起こった場合には、受診し医師の指示を仰ぐ必要があります。 まとめ|フラノクマリンの多い果物(柑橘類)には要注意 薬との飲み合わせが気になるけど、それでも柑橘が食べたいという時があると思います。 グレープフルーツ以外にも相互作用を起こしやすい柑橘類もありますが、その心配の少ない柑橘類もあります。 しかし、フラノクマリン類は、ほとんどの柑橘類で果汁よりも果皮の方に数十倍から数千倍多く含まれていることがわかっています。 果汁については心配の少ない柑橘類でも、果皮については注意が必要しましょう。 柑橘類を選ぶ際には、この記事の内容をご参考にしていただければ幸いです。 また、当院(リペセルクリニック)の公式LINEでは、先端医療である再生医療に関する詳細や症例をご覧いただけます! できなかったことが再びできるようになる可能性がある再生医療について「どのような治療を行うか」ぜひ知っておきましょう。 ▼傷付いた血管の治療に再生医療が注目 >>【公式LINE限定】再生医療ガイドブックを見てみる また、高血圧の薬の種類や副作用については以下の記事でも解説しておりますのでチェックしてください。 参考文献 Bailey, D. G., Malcolm, J., Arnold, O., & Spence, J. D. (1998). Grapefruit juice-drug interactions. British Journal of Clinical Pharmacology, 46(2), 101-110. 酵素免疫測定法による食物・生薬中のフラノクマリン類含量のスクリーニング.医療薬学.2006;32(7):693-699. p696 3.高血圧 | 薬事情報センター | 一般社団法人 愛知県薬剤師会 グレープフルーツと薬物の相互作用 – 「 健康食品 」の安全性・有効性情報 国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)「Q2 グレープフルーツジュースを避けるべきくすりがあるそうですが、どんなくすりですか。」 Chambial S, Dwivedi S, Shukla KK, John PJ, Sharma P. Vitamin C in disease prevention and cure: an overview. Indian J Clin Biochem. 2013 Oct;28(4):314-28.
2024.04.25 -
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40代、50代になってから急に血圧が高くなったのはなぜ? 血圧とホルモンバランスには関連はあるの? このような悩みを持つ女性も多いのではないでしょうか。 高血圧は生活習慣病の一つとして広く知られていますが、女性の場合は更年期障害が原因のケースもあります。 女性ホルモンであるエストロゲンの減少により、血圧が下がりにくくなるためです。 本記事では、女性に多い高血圧の原因や、自分でできる対処法について解説します。 記事を最後まで読めば、女性由来の高血圧について正しい知識が身につくでしょう。 また、高血圧の改善について、専門科に相談したいという方はぜひ当院「リペアセルクリニック」の「メール相談」「オンラインカウンセリング」をご活用ください。 40代・50代女性の高血圧は「更年期による女性ホルモン減少」が原因 更年期の変化によって生じる高血圧を「更年期高血圧」と呼びます。 高血圧を放置しておくと、心臓病や脳血管障害につながることもあります。 本章を参考に、なぜ更年期になると高血圧が起こるのかを理解し、きちんと対策をしましょう。 女性ホルモンの減少によって生じる更年期障害 女性ホルモンには、エストロゲンとプロゲステロンの2種類があります。更年期になると卵巣機能が低下し、それに伴い女性ホルモンも減少します。このうちエストロゲンの減少が、更年期障害の発症に大きく関わっていると考えられています。 更年期になると卵巣機能が低下し、それに伴い女性ホルモンも減少します。 ホルモンバランスを保てなくなったことに対して、脳がそれを補おうと必死に身体にさまざまな命令を送り、それが更年期症状として現れてしまうのです。 多岐にわたる更年期症状ですが、高血圧以外には以下のようなものが挙げられます。 血管運動に関わる症状(ほてり、のぼせ、発汗、動悸、息切れ、むくみなど) 精神症状(頭痛、不眠、不安感、イライラ、抑うつ、無気力など) 消化器症状(便秘、下痢、胃の不快感、胸焼け、吐き気など) 皮膚症状(かゆみ、湿疹など) 運動器に関わる症状(肩こり、腰痛、背中の痛み、関節痛など) そのほか(疲労感、排尿トラブル、不正出血など) 症状が軽度で済む人もいれば、日常生活に支障が出るくらい重い症状が出る人もいます。軽度の場合は更年期症状、症状が重くなると更年期障害となります。(文献1) 主にエストロゲンの減少が高血圧を招く 私たちの身体は、常に一定の血圧を保持できるよう機能しており、高くなりすぎず、低くなりすぎないように調整されています。 エストロゲンは、その調整因子の一つであり、血管を広げて血圧を下げる働きをしています。更年期による卵巣機能の低下によってエストロゲンが減少すると、血圧が下がりにくくなってしまうのです。 また、自律神経の乱れも更年期高血圧に大きく関わる因子です。 自律神経には、交感神経と副交感神経があります。活発な時や緊張状態の時には交感神経が優位となり、血管が収縮して血圧が上昇します。 逆に休んでいる時や就寝中は副交感神経が優位となり、血管は拡張して血圧が下がります。 このように血圧調整にとても大切な自律神経ですが、女性ホルモン低下に追いつけないことでパニックになった脳は、さまざまな命令を身体に送る中で、自律神経も乱してしまうのです。 自律神経の乱れは血圧変動のみならず、上記に述べたような精神症状や身体症状の原因にもなっています。 このようにエストロゲンの減少と自律神経の乱れは、本来私たちに備わっている血圧調整の歯車を狂わせ、結果的に更年期高血圧を引き起こすのです。 更年期の女性がやるべき高血圧の対策7選 今日からご自身で始められる、更年期高血圧の対策は以下の7つです。 血圧測定を習慣化する 塩分を控える 体重管理を行う 運動習慣を取り入れる 睡眠時間を十分に取る ストレスを溜めない イソフラボンを摂取する 本章では、各項目について解説します。 血圧測定を習慣化する 血圧は普段の状態と、高くなっているときの違いを探すことが大切です。 以下のポイントを意識して、血圧の測定を行いましょう。 血圧上昇が一時的なものなのか 血圧が高い状態がずっと続いているのか どのような時に高くなるのか 外出時は精神的・身体的・環境的因子が血圧に影響することも多いため、自宅での血圧測定を推奨します。 なお「高血圧治療ガイドライン2019」では、血圧測定は、手首型の機器よりも二の腕で測るタイプを勧めています。(文献2) 定期測定は起床時と就寝前の2回、そしてめまいや動悸など、上記の更年期症状が出た際にも血圧を測定し、血圧の推移とともにどのような状況で血圧が上がったのかを書き留めておくと良いでしょう。 自分の状況を把握するだけでなく、医師からの診察の際にも役立ちます。 塩分を控える 塩分過多は高血圧の原因として最も多いとされています。 塩分を多く摂ると、血液中の塩分濃度が上がるため、それを薄めようと血管内の水分が増えます。そのため、血管を押し拡げる力が強くなり、血圧が上がってしまうのです。 近年はとくに、インスタント・冷凍食品の改良化や食事のデリバリー事業などが進み、便利な時代となりました。しかし、既製品や外食は塩分量とカロリーが高くなる傾向にあります。減塩調味料の使用や野菜多めの食事を心がけるようにしましょう。 体重管理を行う 血圧の管理には、体重管理も大切です。 肥満の人は食べ過ぎによるインスリンの出過ぎから、交感神経が刺激されカテコールアミンという物質が分泌され、血圧を上げてしまいます。さらに、脂肪細胞が肥大してアンギオテンシノーゲンという物質が出ることでも血圧上昇を引き起こします。 食事や運動を組み合わせてカロリーを調整し、BMI25以下を目指すようにしましょう。 また、食べ過ぎで塩分を過剰摂取してしまい、血圧上昇につながっている可能性もあります。日頃から減塩を意識して食事を摂りましょう。 運動習慣を取り入れる 仕事や家事に追われて、なかなか運動の時間をとるのが難しい方もいらっしゃいます。 1日の中で、少し早起きしてウォーキングをしてみる、10分のエクササイズ動画を真似してみる、休日にスポーツセンターに行ってみる、一駅分歩いてみる、など小さなことで構いません。自分のできる範囲内で何か始めてみましょう。運動するとイライラした気持ちも収まり、身も心もスッキリします。 睡眠時間を十分に取る 睡眠不足は交感神経を刺激し、高血圧を引き起こします。 しかし更年期障害の一つに不眠もあり、夜なかなか寝付けない人もいるかと思います。 具体的な方法は以下の通りです。 就寝時間の2時間前までに食事を摂り終える 布団に入ったらスマートフォンはいじらない 夜にカフェインやお酒は控える リラックス効果のある香りや音楽をつける ここまでの対策は自身でできることですが、やはり重症化予防の鍵は早期受診となります。 高血圧を適切に治療しなかった場合、心臓や脳の血管に障害を生じ、心筋梗塞や脳卒中のリスクが上がります。こうならないためにも、適切な治療を受けることが必要です。 ストレスを溜めない 体や心にかかるストレスは交感神経を興奮させ、血圧を上昇させます。 ストレスが強い、長く続いているという方は要注意です。 自分に合ったストレス解消法を見つけ、ストレスを溜めないことも血圧管理には大切です。 ストレス解消法の一例は、以下の通りです。 体を動かす 趣味に没頭する 日光を浴びる 好きな音楽を聴く 動物と触れあう 自分なりのストレス解消法を見つけ、高血圧を予防・改善させましょう。 イソフラボンを摂取する イソフラボンは、更年期に減少する女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをします。そのため、イソフラボンを摂取すると、更年期障害による心や体の症状の改善が期待できます。 イソフラボンは大豆、豆腐、納豆などのマメ類に多く含まれます。 さらに、LDLコレステロールを下げる働きもあり、動脈効果を防ぎます。そのため、動脈硬化による血圧上昇の予防にもなるのです。(文献3) まとめ|更年期女性の高血圧はエストロゲン減少が原因!医療機関の受診も検討しよう 更年期高血圧は、更年期を迎える女性の身体の変化に伴って生じるものです。 更年期を過ぎると血圧が元に戻ることもありますが、多くの場合は加齢の変化と相まって高血圧のままとなります。命を脅かす病気に発展しないよう、血圧のコントロールを行うことが大切です。 毎日の生活習慣を改善し、早期に病院を受診しましょう。このコラムがご参考になれば幸いです。 血圧が高くなってきて悩んでいる方は、当院の「メール相談」「オンラインカウンセリング」もぜひご活用ください。 また、高血圧とストレスについて、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。 参考文献 (文献1) 公益社団法人 日本産科婦人科学会,更年期障害 (文献2) 日本高血圧学会. 高血圧治療ガイドライン2019. (文献3) 久保田芳郎 ほか. 大豆イソフラボンアグリコンの更年期障害に対する効果について. 公益社団法人 日本人間ドック学会. 2002:17(2), p172-177
2024.04.22 -
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高血圧を放置すると、脳卒中や心疾患、腎臓病など、命に関わる病気を引き起こすリスクがあります。 しかし、日本の推定4,300万人の高血圧患者のうち、適切に治療できているのはわずか3分の1程度であり、多くの人は未治療で自覚がないケースも少なくありません。(文献1) 高血圧は自覚症状が乏しいまま進行するため「サイレントキラー」とも呼ばれており、血圧を下げる方法を知っておくことが大切です。 本記事では、血圧を下げる方法や基準値、自分で測定する方法などを解説します。 血圧に関する正しい知識を身につけて、改善や予防につなげていきましょう。 なお、高血圧を放置すると、脳卒中や糖尿病などの深刻な合併症を引き起こすリスクが高まります。万が一これらの疾患を発症した場合、脳卒中の後遺症や再発予防、糖尿病に対しては、再生医療という治療の選択肢があります。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施していますので、ぜひご登録ください。 血圧を下げる方法 高血圧と診断されたら放置せず、早期の対応が重要です。 血圧をコントロールするには生活習慣の見直しと、必要に応じて薬物療法の組み合わせが基本です。 ここでは、血圧を下げるために有効とされる対策を詳しく解説します。 塩分を制限する 血圧を下げるには、まず塩分を制限しましょう。 減塩の目安としては、1日あたりの塩分摂取量を6g未満に抑えることが推奨されています。 一方で、厚生労働省の「令和元年国民健康・栄養調査」によると、日本人の平均的な塩分摂取量は1日約10.1gとされており、多くの人にとって6g未満の食事はかなり薄味に感じるかもしれません。(文献2) 減塩を実践する際のコツとしては、出汁や酢、スパイスなどをうまく活用し、塩分に頼らず風味を引き立てることがポイントです。 漬物やハム、ソーセージなどの加工食品は塩分が多く含まれているため、できるだけ控えてください。 さらに、加工食品や外食に含まれる大量の塩分にも注意しましょう。 外食では汁物を控えめにするなど、塩分の摂取を抑える工夫も必要です。 食事を見直して血圧を下げる 食事全体のバランスは血圧に大きく影響するため、食事内容を見直しましょう。 野菜や果物、きのこ類などをしっかり摂り、脂質は控えめにするのが基本です。 野菜や果物、きのこ類などに含まれるカリウムやマグネシウム、カルシウムは、ナトリウムの排出を助けて血圧の安定に役立ちます。 ただし、腎臓病の方はカリウム摂取に制限が必要な場合もあるため、通院中の方は主治医の指示に従ってください。 また、肉や高脂肪の乳製品などに多く含まれる飽和脂肪酸が過多になると、血中のコレステロールが増え動脈硬化が進み血圧が上がります。 特定の食品だけでなく、日々の食事内容をトータルで見直し、血圧の正常化につなげていきましょう。 適正体重をキープする 肥満は高血圧の大きなリスク要因のひとつです。 とくに、内臓脂肪が多いと交感神経が刺激されやすくなり、血圧を上げるホルモンの分泌も増えるため注意が必要です。 体重を1kg減らすことで、収縮期血圧が約1mmHg下がるとされており、適正体重の維持は降圧効果をもたらします。(文献3) ただし、過度なダイエットは体調を崩す原因になるため気を付けましょう。 バランスの取れた食事と適度な運動による、無理のない体重管理が理想です。 血圧を下げる運動を続ける 定期的な運動は血管を柔軟に保ち、血流を促進して自然に血圧を下げる効果があります。 なかでも有酸素運動が推奨されており、以下のような運動がおすすめです。 ウォーキング ジョギング 水泳 サイクリング エアロビクス 自分で楽しいと感じられる運動なら、継続しやすくなります。 「少しきつい」と感じるくらいの運動強度で毎日30分以上、または週180分以上が推奨されていますが、まずは無理のない範囲から始めましょう。(文献1) 運動を習慣化すると体重管理やストレス解消にもつながり、長期的な血圧管理に有効です。 肥満や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病の予防や改善にも寄与するので、ぜひ積極的に取り組みましょう。 飲酒を制限する 過度の飲酒は一時的に血管を拡張させるものの、長期的には交感神経の興奮を引き起こし、かえって血圧を上昇させてしまいます。 高血圧がある方の飲酒量の目安は、1日あたりエタノールで男性20~30mL、女性10~20mL以下です。(文献1) 〈1日あたりの飲酒量の目安:男性の場合〉 日本酒 1合 ビール 中瓶1本 焼酎 0.5合 ウイスキー ダブル(約60mL) ワイン 2杯 女性の場合は、上記の半分を目安にしてください。 また、毎日飲むのではなく、週に2日は休肝日を設けるなど飲酒の頻度にも配慮しましょう。 禁煙する 喫煙は血管を収縮させて血圧を一時的に急上昇させるだけでなく、長期的には動脈硬化を進行させる原因にもなります。 喫煙者は非喫煙者に比べ、高血圧に伴う心血管疾患のリスクが著しく高くなる可能性が報告されているので注意しましょう。(文献4) また、ニコチンの影響で交感神経が刺激され、血圧のコントロールが難しくなるケースもあります。 禁煙は血圧の改善だけでなく、全身の健康維持にもつながる重要な取り組みです。 禁煙外来を利用する方法もあるので、自力で禁煙できない場合は受診を検討しましょう。 喫煙が血圧に与える影響については、以下の記事で詳しく解説しています。 血圧を下げる薬を使う 生活習慣の改善だけで血圧の管理が難しい場合、医師の判断で以下のような降圧薬が処方されます。 ACE阻害薬、ARB:血圧を上昇させるホルモンの作用を阻害する カルシウム拮抗薬:血管を拡張させて血圧を下げる 利尿薬:余分な水分やナトリウムを体外に排出する β遮断薬:交感神経を抑制して心収縮を抑えて血圧を下げる 個々の体質や合併症に応じて選択されるので、血圧が気になったらまずは医師に相談してみましょう。 薬物療法と生活習慣の改善を並行して進めれば、より効果的な血圧管理が可能になります。 ただし、降圧薬は長期的に使うことで安定した効果を発揮するため、自己判断での中止や変更は避けましょう。 高血圧の薬(降圧薬)の種類については、以下の記事でも解説しているので参考にしてみてください。 高血圧の原因|何が血圧を上げるのか 高血圧は、大きく分けて「本態性高血圧」と「二次性高血圧」の2つに分類されます。 それぞれのタイプによって対処法が異なるため、正確な理解が重要です。 二次性高血圧 二次性高血圧とは、明確な原因となる疾患が存在し、その疾患によって血圧が上昇している状態を指します。 以下のような疾患が主な原因です。 腎臓病 内分泌疾患 睡眠時無呼吸症候群 上記の病気を治療することで、高血圧の改善が期待できます。 とくに、若くして急に高血圧になった場合や薬が効きにくい場合には、二次性高血圧の可能性を疑いましょう。 本態性高血圧 本態性高血圧は、原因が特定できないものの、さまざまな生活習慣や体質、遺伝的背景が複雑に関係して起こる高血圧です。 日本人の高血圧の約8~9割は本態性高血圧に該当します。(文献1) 主な関係因子は以下のとおりです。 遺伝的体質 食塩の過剰摂取 肥満 運動不足 喫煙・過度な飲酒 ストレス 加齢 とくに、塩分は血圧上昇と深く関係しており、日本高血圧学会も1日6g未満の塩分摂取を推奨しています。(文献1) 血圧を下げるためには、減塩を基本とした食習慣の見直しや適度な運動、禁煙などの生活習慣の改善が不可欠です。 血圧の基準値 血圧は、診察室で測った血圧が「120/80mmHg未満」、自宅で測った血圧が「115/75mmHg未満」が正常な基準値です。(文献5) 病院で測定すると高くなる傾向があるため、まずは診察室血圧を測定して「140/90mmHg以上」であれば自宅でも測定し、「135/85mmHg以上」なら高血圧の確定診断となります。 自宅で血圧が測定できない場合は、複数回の診察室血圧だけでも高血圧と診断されます。 ただし、高血圧でなくても、正常血圧より高いグレーゾーンがある点に注意しましょう。 以下の表にあるように、病院での測定値「120〜139/80〜89mmHg」、家庭血圧「115〜134/75〜84mmHg」の場合はグレーゾーンに該当します。 区分 診察室血圧 家庭血圧 正常血圧 120/80mmHg未満 115/75mmHg未満 グレーゾーン 120〜139/80〜89mmHg 115〜134/75〜84mmHg 高血圧 140/90mmHg以上 135/85mmHg以上 高血圧の診断基準を満たさなくとも、血圧が高くなるにつれて脳卒中や心筋梗塞などの「脳心血管の疾患」が起こりやすくなります。 また、グレーゾーンの方は生涯のうちに高血圧の基準を満たす可能性も高くなるため、たとえ診断に至らなくても血圧が高めの方は対策が大切です。 なお、自宅での血圧が高血圧に該当しなくても、診察室血圧のみが高血圧の基準を満たす場合は「白衣高血圧」と呼ばれています。 白衣高血圧の方は高血圧でない方と比べて、将来的に脳心血管の病気を起こすリスクが高いため要注意です。 自宅血圧測定の方法|計測する時間帯や回数 自宅での血圧測定は、高血圧の診断において欠かせない要素です。 治療中においても、家庭血圧は降圧治療の効果を判断するための重要な指標となります。 高血圧と診断された場合、毎日家庭血圧を測定し、自分の血圧の傾向を把握することが大切です。 ここでは、家庭で正しく血圧を測るためのポイントを解説します。 家庭血圧測定のポイント 血圧測定は、朝と夜の2回行うのが基本です。 【朝の測定】 起床後1時間以内 朝食前 血圧の薬を飲む前 トイレを済ませた後 なお、水分を摂るのは問題ありません。 【夜の測定】 就寝前が目安です。 測定時の注意点 血圧は、1〜2分間座って落ち着いてから測定することが大切です。 動いた直後や急いで測ると、正確な値が出ない場合があります。 深呼吸をしてリラックスした状態で測定しましょう。 測定回数と記録の仕方 原則として、1回の測定で2回ずつ測り、両方の結果を記録します。 朝:2回 夜:2回 1日あたり:4回測定 2回分の血圧の値を平均して評価します。 診断や治療効果の判定には、5〜7日間の平均値を使うのが一般的なので、毎回の数値に一喜一憂せず一定期間の変化を見ることが重要です。 できるだけ毎日同じ時間帯に測定するのが理想ですが、生活リズムに合わせて調整しても問題ありません。 難しい場合は、かかりつけの医師に相談しながら、無理のない方法で続けましょう。 高血圧の自覚症状|頭痛・肩こりとの関係と潜むリスク 高血圧は、人によっては軽度の頭痛や肩こりなどの症状が現れる場合がありますが、自覚症状がないケースも少なくありません。 ただし、血圧が急激に高くなると危険な状態に陥る場合もあります。 180/120mmHg以上の高度の血圧上昇は「高血圧緊急症」と呼ばれ、脳・心臓・腎臓・大きな血管などに障害をきたし、放置すると命に関わるため注意が必要です。 高血圧緊急症になると、次のような疾患を発症するリスクが高まります。 高血圧性脳症 脳卒中 急性大動脈解離 急性心不全 急性心筋梗塞 急性腎不全 なかでも、「高血圧性脳症」は耳慣れない言葉かもしれません。 急激に血圧が上昇することで、脳の血流が必要以上に増加して脳がむくむ病気です。そのまま放置すると脳出血や昏睡状態を引き起こし、命を落とす危険性もあります。 脳卒中の予防する方法には、再生医療という選択肢もあります。脳卒中の後遺症や再発予防を目的とした再生医療の治療例については、以下の症例記事をご覧ください。 まとめ|高血圧は食事・運動・薬でコントロール! 高血圧の多くを占める本態性高血圧では、塩分のとりすぎをはじめとした生活習慣が大きく関わっています。 症状がないからといって高血圧を放置すると、命に関わる病気を起こしかねません。 血圧が気になるのであれば、まずは定期的な血圧測定を行い、日々の血圧がどのくらいかを把握するように努めましょう。 高血圧対策の第一歩は、生活習慣の改善です。 運動や食事を一気に改善するのが難しければ、できるところから始めてみましょう。 高血圧による合併症を予防したい方や、再生医療について詳しく知りたい方は、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEをご確認ください。 再生医療に関する情報提供や簡易オンライン診断をご利用いただけます。 血圧を下げることに関するよくある質問 血圧を下げるのに即効性のある食べ物は何ですか? 即効性があるとされているのは「減塩食」です。 塩分の摂取を急に減らすと、早い人では数日で血圧の変化を感じることがあります。 とくに、高血圧の方は塩分感受性が高いため、減塩の影響が出やすい傾向があります。 血圧を下げる飲み物にはありますか? 血圧を下げる働きが期待される飲み物には、以下のようなものがあります。 カリウムを含む「トマトジュース」「野菜ジュース」 GABA配合の「機能性表示飲料」 ポリフェノールを含む「緑茶」や「カカオ飲料」 血圧を下げる効果がある成分を含んだ飲み物を継続して摂取することで、血圧の安定化が期待できます。 ただし、塩分や糖分の含有量には注意が必要です。 血圧を下げるサプリはありますか? 血圧対策に使われる代表的な成分「γ-アミノ酪酸(GABA)」や「ラクトトリペプチド」は、機能性表示食品に多く利用されています。 ただし、サプリメントはあくまで補助的な存在であり、医師から高血圧と診断されている場合は、必ず医療機関の指示に従いましょう。 血圧を下げる呼吸法を教えてください。 深呼吸を意識的に行うと副交感神経が優位になり、血管が拡張しやすくなります。 軽度の血圧上昇であれば、一時的な改善が期待できるでしょう。 とくに、ストレスが原因で血圧が上がっているケースでは、深呼吸を習慣にすると精神的な安定も得られます。 一週間で血圧を下げる方法はありますか? 医学的には、薬を使用せず確実に血圧を下げる即効性のある方法は存在しません。 ただし、個人差はありますが、減塩や睡眠改善、運動、アルコール制限などの生活習慣の見直しを一気に行えば、短期間である程度の効果が見られるケースもあります。 参考文献 (文献1) 一般向け「高血圧治療ガイドライン2019」解説冊子|特定非営利活動法人日本高血圧学会・特定非営利活動法人日本高血圧協会・認定特定非営利活動法人ささえあい医療人権センターCOML (文献2) 令和元年 国民健康・栄養調査報告|厚生労働省 (文献3) PubMed Central (PMC) – U.S. National Library of Medicine|Lowering weight equals reduction of mortality: How far are we from the “Ithaka” of ideal weight control? (文献4) 喫煙と循環器疾患|厚生労働省 (文献5) 高血圧治療ガイドライン2019|日本高血圧学会
2024.04.15 -
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「ストレスで血圧が上がるのは本当?」「ストレスによる高血圧はどうしたらいい?」と疑問を抱いている人も多いのではないでしょうか。 実際、ストレスは血圧に大きな影響を与える原因の1つです。 この記事では、医師監修のもとストレスが血圧を上げるメカニズムや、高血圧を予防する生活習慣について解説します。 本記事を読めば、ストレスと血圧のメカニズムを正しく理解し、健康管理に役立てることができるでしょう。 また、当院「リペアセルクリニック」では高血圧によって引き起こされる疾患の治療も行っております。 気になる症状がある方は「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。 ストレスで血圧が上がる3つのメカニズム 日常生活でストレスを感じると、体はさまざまな反応を示します。その中でも血圧の上昇は代表的な症状の1つです。 ストレスによって血圧が上がる原因として、以下の3つが挙げられます。 ストレスホルモンが血管を収縮させる 交感神経が活発になる 血管が収縮し血圧が上昇 本章では、ストレスが交感神経を刺激し、ホルモンの分泌や血管の収縮を引き起こすメカニズムを解説します。(文献1) ストレスホルモンが血管を収縮させる ストレスを感じると、体内でコルチゾールやアドレナリンといったホルモンが分泌され、血管を収縮させます。 体をストレスから守るために必要な一方で、血管を収縮させる作用も持ち合わせているため、血管が細くなり、血圧が上昇します。 たとえば、大きなプレッシャーを感じた時、心臓がドキドキしたり、顔が赤くなったりするのは、ストレスホルモンが分泌され血管が収縮しているサインです。 この作用が血圧上昇の要因となります。 交感神経が活発になる ストレスを感じると、自律神経の1つである交感神経が活発になります。 交感神経は、人が活動する際に働き、心臓の動きを速めたり血管を収縮させたりします。 ストレス時には交感神経が過剰に働き、心拍数の上昇や血管の収縮が起こり、結果的に血圧が上がる仕組みです。 こうした反応は自然な防御反応ですが、長期間続くと健康への悪影響が懸念されます。 そのため、ストレスをうまく管理する習慣が、健康維持には必要だといえるでしょう。 血管が収縮し血圧が上昇 ストレスを感じると、血管が収縮して血液が流れる抵抗が強くなり、血圧が上昇します。 この状態が長引くと、心臓や血管に負担がかかり生活習慣病のリスクが高まる可能性もあります。 血圧の急上昇を防ぐためには、深呼吸や軽い運動などで血管をリラックスさせる時間を設けることが大切です。 また、高血圧と生活習慣病の関係については以下の記事でも詳しく紹介していますので、参考にしていただけると幸いです。 【測定時】ストレスで血圧が変動する2つのケース 血圧を測定するときの環境や状況によっても、数値が変動することがあります。主なケースは以下の2つです。 職場高血圧 白衣高血圧 それぞれの原因を理解し、血圧変動を和らげる対策を見つけましょう。 仕事のストレスにより血圧が上昇する「職場高血圧」 職場高血圧とは、勤務中や仕事に関連したストレスによって血圧が高くなる状態を指します。 仕事のプレッシャーや締め切りへの焦りは交感神経を活性化させる原因です。心拍数が上がることで血管が収縮し、高血圧を引き起こします。 職場高血圧を防ぐためには、仕事の合間に適度な休憩をしたり、深呼吸をしたりすることを心がけましょう。 リラックスできる環境作りが、「職場高血圧」対策の第一歩となります。 病院での緊張により血圧が上昇する「白衣高血圧」 病院で測定するときだけ血圧が高くなる場合、白衣高血圧の可能性があります。 医師や看護師の前で緊張することで、交感神経が活発になり血圧が一時的に上がる現象です。測定後には自然に戻るケースが大半ですが、放置すると日常的な高血圧につながる恐れもあります。 対処法として、深呼吸をしてリラックスした状態で測定したり、普段から自宅で血圧を測る習慣を付けたりすることが挙げられます。 ストレスに左右されない状況下で、正確な血圧の数値を把握しておきましょう。 ストレスによる高血圧は「生活習慣の改善」で予防できる ストレスによる血圧上昇は、放置すると高血圧につながる恐れがあるものの、生活習慣の見直しによる予防が可能です。 本章では、ストレスによる高血圧を予防するための、具体的な生活習慣の改善策を5つご紹介します。 適度な運動をする バランスの取れた食事を摂る 睡眠をしっかりとる 禁煙やアルコールを控える リラックスする時間を作る できることから始めて健康な毎日を目指しましょう。 また、以下の記事では、高血圧の薬(降圧薬)の種類と副作用に関する情報をまとめています。高血圧の治療を検討している方は、ぜひ参考にしてください。 適度な運動をする 適度な運動は、ストレス解消につながります。また、運動によって血行が促進され、血管が柔らかくなることで血圧の安定も期待できます。 ウォーキングやジョギング、水泳など、無理なく続けられる運動を生活に取り入れるのがおすすめです。 毎日30分のウォーキングを習慣にすると、心身ともにリフレッシュでき、血圧コントロールにも役立つでしょう。 バランスの取れた食事を摂る バランスの取れた食事は、高血圧予防に欠かせません。 塩分を摂りすぎると、血液中の塩分濃度が高くなり、血管が収縮して血圧が上昇しやすくなります。高血圧を予防するには、塩分控えめを意識しましょう。 カリウムを多く含む野菜や果物を積極的に摂ると、体内の余分な塩分を排出する効果が期待できます。 また、食物繊維を多く含む食品も、血圧の安定に役立ちます。 毎日の食事内容を見直し、バランスの取れた食生活を心がけましょう。 睡眠をしっかりとる 質の良い睡眠は、ストレスを軽減し血圧を安定させるために重要です。 睡眠不足はストレスホルモンの分泌を促し、交感神経を活発にするため、血圧上昇の原因となります。 高血圧を予防するには、毎日同じ時間に寝起きし、7〜8時間の睡眠を確保するのが理想的です。 また、寝る前にカフェインを摂取するのを控えたり、リラックスできる環境を整えたりするのも効果的です。 質の高い睡眠を確保し、高血圧予防に努めましょう。 喫煙やアルコールを控える 喫煙や過度なアルコール摂取は、血圧を上昇させる要因となるため、控えるのが望ましいでしょう。 タバコに含まれるニコチンは、血管を収縮させて血圧を上昇させる働きがあります。また、アルコールの過剰摂取も、血圧の上昇や睡眠の質を低下させる原因になります。 禁煙に取り組む、あるいは飲酒量を減らすだけでも、血圧コントロールにつながるでしょう。 リラックスする時間を作る ストレスを溜め込まないためには、意識的にリラックスする時間を作るのも大切です。 音楽やアロマ、入浴など、自分に合った方法でリラックスしましょう。 また、瞑想や深呼吸などのリラックス法も効果的です。 自分に合ったリラックス方法を見つけ、日々の生活に取り入れてみてください。ストレスをうまく解消できれば、結果的に高血圧の予防にもつながります。 高血圧の予防方法については以下の記事でも解説していますので、興味がある方はぜひご覧ください。 高血圧の原因 高血圧は一次性と二次性の2タイプに分かれますが、主な違いは以下のとおりです。 一次性高血圧 ほとんどの高血圧はこのタイプに該当 明確な原因は特定されていないが、遺伝・食生活・生活習慣など複数の要因が関連していると考えられている 二次性高血圧 なんらかの病気や状況が原因で血圧が高くなるケース 腎臓病・内分泌異常・特定の薬剤の使用などが原因 また、高血圧の発症には以下の5つの要因が関係します。 高血圧の発症リスク 内容 加齢 加齢により血管が硬くなり、血流の調整が難しくなる。とくに中高年以降で発症率が上昇。 性別 男性は中年期に高血圧が多く、女性は閉経後にリスクが高まる傾向がある。 遺伝 遺伝的要素が影響しやすく、親族に高血圧の方がいる場合、発症リスクが高まる可能性がある。 生活習慣の乱れ 塩分の多い食事や運動不足が血圧上昇の原因。肥満や喫煙、アルコールもリスク要因となる。 ストレス 精神的な負荷が交感神経を刺激し、血圧を一時的または慢性的に上昇させる場合がある。 表のとおり、高血圧の原因にはさまざまな理由が挙げられます。 とくに、生活習慣の見直しやストレス軽減など、自己管理によって改善できる部分は意識してみましょう。 また、高血圧の原因についてはこちらの記事でもさらに詳しく解説しています。 血圧でお悩みの方は参考にしていただけると幸いです。 まとめ|高血圧を予防するためストレスを溜めない生活を心がけよう この記事では、ストレスが血圧を上げるメカニズムや、高血圧を予防するための生活習慣について解説しました。 ストレスは身体にさまざまな影響を与え、血圧を上昇させる要因の1つです。 しかし、事前知識や適切な対策によって血圧をコントロールし、高血圧を予防できます。適度な運動やバランスの取れた食事、十分な睡眠を心がけることが重要です。 本記事を参考に、リラックスする時間を持って健康な毎日を過ごしていきましょう。 また、当院「リペアセルクリニック」では、高血圧が原因となる脳出血や脳梗塞の治療も行っています。気になる症状がある方は、「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてお気軽にご相談ください。 ストレスと血圧に関するよくある質問 ストレスで血圧はどれくらい上がりますか? ストレスを感じた際、一時的に10〜20mmHg程度血圧が上がる場合があります。(文献2) 慢性的なストレスが続く場合、持続的な高血圧につながる可能性があるため注意が必要です。 メンタルと血圧は関係ありますか? メンタルの状態と血圧は密接に関係しているため、ストレスや不安が続くと交感神経が過剰に働き、血圧が上昇します。 一方、リラックス状態では副交感神経が優位となり血圧が安定します。 そのため、心の健康を保つことは血圧を安定させる上で重要です。 当院「リペアセルクリニック」では、高血圧が引き起こす疾患に効果が期待できる再生治療も行っています。「メール相談」もしくは「オンラインカウンセリング」にてご相談ください。 参考文献一覧 文献1 日本高血圧学会_高血圧治療ガイドライン2019(JSH2019)作成委員会 文献2 社会医療法人 春回会_高血圧とストレス
2024.04.10 -
- 幹細胞治療
- 脊椎
- 脊椎、その他疾患
高周波熱凝固法は高周波の電磁波から放出される熱を用いて、神経を構成するタンパク質の一部を凝固させる治療法です。 局所麻酔剤やステロイド製剤を用いた神経ブロックでは十分な効果が得られない際に行われる治療法として知られています。 比較的長期にわたり痛みを抑えられる治療法ですが、後遺症や合併症を起こす可能性についても知っておかなければなりません。 本記事では高周波熱凝固法の効果やメリット・デメリットについて解説します。 高周波熱凝固法の後遺症や合併症に対しては、再生医療も治療選択肢の一つです。 なお、当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 高周波熱凝固法の後遺症や合併症のお悩みを解消したい・再生医療に興味がある方は方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 高周波熱凝固法を受けるメリットとその効果 高周波熱凝固法を受ける主なメリットと効果は以下のとおりです。 長期的に痛みを抑える効果が期待できる パルス高周波法は低温で神経を傷つけにくい 手術ではないため日帰りで実施できる それぞれについて解説します。 長期的に痛みを抑える効果が期待できる 高周波熱凝固法のメリットの一つが、長期的に痛みを抑える効果が期待できる点です。 症状を引き起こしている神経を特定した上で高周波の電磁波で凝固させると、比較的長期にわたり脳に痛みが伝達されるのを阻害します。 効果の持続期間には個人差がありますが、凝固の程度により半年から1年以上効果が持続するケースも少なくありません。 一般的な神経ブロックの効果が数時間から数週間ほどしか持続しないことを考えると、生活の質を向上させる上で大きなメリットといえるでしょう。 高周波熱凝固法の対象となる主な疾患は以下のとおりです。 頚椎・腰椎椎間板ヘルニア 頚部・腰部脊柱管狭窄症 仙腸関節障害 腰椎すべり症 腰椎椎間関節症 三叉神経痛など ただし、高周波熱凝固法の適応症例は病院やクリニックにより異なります。 パルス高周波法は低温で神経を傷つけにくい 高周波熱凝固法と似た治療法の一つがパルス高周波法です。 高周波熱凝固法は70℃から90℃の温度で電磁波をおよそ120秒間流し、熱の力で神経を構成するタンパク質を凝固させます。(文献1) パルス高周波法は42℃の電磁波をおよそ300秒流し、間欠的に電気的刺激を与えるのが特徴です。 比較的低温の刺激のため神経を傷つけにくく、しびれや脱力感などの副作用を引き起こすリスクが低いメリットがあります。 整形外科やペインクリニックなどでは、症状のあらわれ方や程度に応じて、高周波熱凝固法とパルス高周波法のどちらが適しているか判断した上で実施しています。 手術ではないため日帰りで実施できる 高周波熱凝固法のメリットの一つが、手術ではないため日帰りで実施できる点です。 局所麻酔剤やステロイド製剤を用いて行う神経ブロックと同じく、高周波熱凝固法の施術も痛みを引き起こしている神経の近くに針を挿入して高周波の電磁波を流します。 高周波熱凝固法の治療には、およそ0.5mmから0.7mmと細い針が用いられます。 治療に伴う痛みが少ない上、切開して行う手術に比べて非常に傷口が小さく、外来で治療が受けられるため入院の必要がありません。 局所麻酔剤やステロイド製剤を用いたブロック注射に比べると、副作用のリスクが比較的低い点も高周波熱凝固法のメリットの一つです。 高周波熱凝固法の主なデメリット・副作用 高周波熱凝固法のデメリット・副作用としては以下の例が挙げられます。 神経を焼くため感覚が鈍くなることがある 身体の状態によっては受けられない可能性がある 術後でも後遺症や合併症のリスクがある 一度治った慢性難治性疼痛も再発する可能性がある 保険診療の適用外となる場合があり費用が高くなることがある それぞれについて解説します。 神経を焼くため感覚が鈍くなることがある 高周波熱凝固法のデメリットの一つが、電磁波で神経を焼くため術後に感覚が鈍くなるケースがある点です。 高周波熱凝固法では痛みの原因となる神経の近くに針を挿入し、ピンポイントで高周波の電磁波を流すのが特徴です。 針から放出される電磁波が神経内部のイオン分子を振動させると、分子運動が活発化した組織が高温となり、神経を構成する一部のタンパク質を変性させます。(文献2) 高周波熱凝固法により変性した神経は、脳に痛みを伝達する機能を失うため、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などに伴う疼痛の改善に効果的です。 一方で、神経が変性すると周囲の皮膚の感覚が鈍くなるリスクがあります。 運動神経の鈍麻による脱力感が生じたり、筋力の低下を引き起こしたりする可能性がある点も、高周波熱凝固法のデメリットの一つです。 高周波熱凝固法によって感覚が鈍くなった状態は、神経が自然に再生されるまで続きます。 身体の状態によっては受けられない可能性がある 高周波熱凝固法のデメリットの一つに、身体の状態によって施術が受けられない点も挙げられます。 以下に該当する方は、高周波熱凝固法の治療を受けられない可能性があります。 抗凝固薬・抗血小板薬を服用中の方 ペースメーカー・除細動器を使用している方 局所麻酔に対するアレルギーをお持ちの方 妊婦・妊娠の可能がある女性および授乳婦 抗凝固薬や抗血小板薬など血液が凝固しにくい状態にある方は、高周波熱凝固法をはじめとする神経ブロックを受けるべきではありません。(文献3) ペースメーカーや除細動器を使用している方が高周波熱凝固法の治療を受けると、電磁波により機器に悪影響を及ぼす可能性があります。 局所麻酔薬に対するアレルギーをお持ちの方は、術前の麻酔剤の投与によりアナフィラキシーショックを起こす恐れがあるため注意が必要です。 妊婦や妊娠の可能性がある女性、授乳婦に関しても高周波熱凝固法の治療は推奨されていません。 術後でも後遺症や合併症のリスクがある 高周波熱凝固法の治療を受けた後に、以下の後遺症や合併症を発症するケースがあります。 症状 具体的な症状 後遺症 しびれ・チクチクした感覚・出血・熱傷など 合併症 感染・知覚鈍麻・運動障害など 高周波熱凝固法で神経に変性が生じると、手足のしびれやチクチクとした感覚などの後遺症を生じる可能性があります。 針を刺した場所に出血を起こしたり、熱により火傷を起こしたりするケースも珍しくありません。 稀な例ですが針を刺入した場所に細菌が入り込んで感染症を発症したり、神経ブロックの作用で知覚鈍麻が生じたりするケースもあります。 高周波熱凝固法は原則として運動神経は対象外ですが、治療の際に誤って傷つけてしまうと運動障害を発症する可能性があります。 一度治った慢性難治性疼痛も再発する可能性がある 高周波熱凝固法のデメリットの一つが、一度は治ったと思われた慢性難治性疼痛が再発する可能性がある点です。 高周波熱凝固法によって消失した痛みが再発する主な理由は以下のとおりです。 原疾患が改善していない 神経が再生する 効果が不十分 高周波熱凝固法により消失した痛みが再発する理由の一つが、原因となる疾患が改善していない点です。 たとえば腰椎圧迫骨折が原因で痛みが生じている場合、高周波熱凝固法の治療で一時的に痛みが緩和しても、骨折自体が治らなければ痛みが再発しがちです。 また、高周波熱凝固法で焼いた神経が再生すると、痛みのサインが再び脳へと伝達されはじめる可能性があります。 痛みの原因によっては、高周波熱凝固法の治療だけでは不十分なケースもあります。 保険診療の適用外となる場合があり費用が高くなることがある 高周波熱凝固法のデメリットの一つが、保険診療の適用外となった場合に費用が高くなる可能性がある点です。 高周波熱凝固法は多くが健康保険の適用範囲内で受けられますが、場合によっては自費診療となるケースがあります。 高周波熱凝固法と似た治療法のパルス高周波法の場合、健康保険が適用されるのは1カ月の間に一度だけです。 1カ月に二回以上の治療を受ける場合、二回目以降の治療は自費診療が原則です。 自費診療の際にいくらかかるかは、病院やクリニックごとに異なります。 健康保険が適用されるケースでも、治療内容に応じて自己負担額が異なるため事前の確認が必要です。 高周波熱凝固法の術後後遺症でお悩みの際は再生医療もご検討ください 高周波熱凝固法の治療を受けた後に後遺症が発生した場合や、なかなか後遺症が改善しない場合の選択肢として幹細胞治療が期待されています。 幹細胞治療には他の細胞へ変化する分化能という能力があり、神経系の疾患やスポーツ外傷、変形性関節症などさまざまな症状が適応対象です。 当院リペアセルクリニックでは患者様自身の脂肪細胞から抽出した幹細胞を培養・増殖させ、点滴・注射を用いて患部に注入します。 手術の必要がなく大きな傷跡が残るリスクがない上、日帰りで治療を受けられる点がメリットの一つです。 腰部脊柱管狭窄症の術後後遺症に対する再生医療の治療例については、以下の症例記事をご覧ください。 日帰りできる!再生医療を受ける際の流れ 3ステップ 再生医療は手術の必要がなく大きな傷跡が残らない上、回復までに要する日数も短い点が特徴です。 当院リペアセルクリニックにおける再生医療は、以下の流れで実施するのが基本です。 1.脂肪採取:米粒3粒ほどの脂肪組織を採取 2.細胞培養・増殖:採取した幹細胞を培養・増殖 3.患部への投与:幹細胞を点滴・注射で患部に注入 当院リペアセルクリニックの再生医療では、患者自身の脂肪細胞から幹細胞を抽出し、培養・増殖させたのちに患部へ投与します。 細胞の培養には約1カ月かかりますが、培養後の投与・治療自体は1日で終わります。自己の細胞を用いた治療法のため副作用のリスクが少なく、拒絶反応の心配が限りなく少ない点がメリットの一つです。 再生医療の詳しい治療内容や適応症例については、以下のページをご覧ください。 高周波熱凝固法のメリット・デメリットを考慮して治療法を選択しましょう 高周波熱凝固法は電磁波によって生じた熱の作用により、神経を構成するタンパク質の一部を凝固させる治療法です。 神経を凝固させることで痛みのサインが脳へ伝えられるのをブロックする点が特徴で、局所麻酔剤やステロイド製剤を用いた神経ブロックでは十分な効果が得られない場合に適用されます。 比較的長期にわたり痛みを抑えられる上、入院の必要がなく日帰りで治療を受けられる点がメリットです。 一方で、知覚神経の鈍麻や感染症、運動障害などの合併症や、チクチクした感覚や手足のしびれ、火傷などの後遺症が生じる可能性があります。 高周波熱凝固法により合併症や後遺症が生じた場合は、再生医療も有効な選択肢の一つです。 再生医療に興味がある方や、高周波熱凝固法の合併症・後遺症にお悩みの方は、当院「リペアセルクリニック」お気軽にご相談ください。 参考文献 (文献1) 神経ブロック|一般社団法人日本ペインクリニック学会 (文献2) 治療機器:高周波熱凝固装置|2020年6月748号医機学 (文献3) 神経ブロック|一般社団法人日本ペインクリニック学会
2024.03.29 -
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リゾトミー(Rhizotomy)は、痛みに対して過敏に反応する知覚神経を、高周波のラジオ波で焼灼(しょうしゃく:焼き切ること)する治療法です。 腰には腰椎を動かすための椎間関節がありますが、加齢や疲労に伴い変形が生じると知覚神経が増殖します。 リゾトミーにより知覚神経を焼灼すると、慢性・難治性腰痛に伴う症状の改善に効果的です。 本記事ではリゾトミーの適応症状や治療の流れ、メリット・デメリットなどを詳しく解説します。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 慢性腰痛にお悩みの方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 リゾトミーとは神経の一部を切断・焼灼する治療法 リゾトミーは痛みに過敏に反応する知覚神経を、高周波のラジオ波で焼灼する治療法です。 知覚神経を焼灼すると脳に痛みのサインが伝達されなくなります。 慢性的な痛みのなかでも、とくに椎間関節の変形が原因で生じる首や腰の痛みに対して効果的な治療法です。 レントゲンやMRIなどの検査では原因が明確にわからない慢性腰痛(非特異的腰痛)に対しても効果を発揮します。 治療に用いられる専用の電極針はボールペンや鉛筆よりも細く、傷跡が小さくて済むため日帰りで治療を受けられる点がメリットの一つです。 どんな症状にリゾトミーが有効なのか? リゾトミーは疼痛過敏症に対して有効な治療法です。 腰椎には腰を動かす際にはたらく椎間関節がありますが、加齢や疲労により変形すると知覚神経が増殖します。 知覚神経が増殖すると、以前に比べて痛みを感じやすく(疼痛過敏症)なります。 リゾトミーは、ラジオ波(高周波の熱)を用いて、過敏になった知覚神経の働きを抑える治療です。疼痛過敏症に伴って生じる腰痛に対して効果的とされています。 リゾトミーの主な適応症状は以下のとおりです。 慢性難治性腰痛 椎間関節の変形による腰痛 知覚過敏による腰痛 保存療法では改善しない腰痛 椎間関節ブロックが一時的に有効な腰痛 なお、リゾトミー手術のメリット・デメリットについては、以下の記事が参考になります。 リゾトミーの詳しい治療方法と流れ リゾトミーの治療は以下の流れで行われます。 局所麻酔をして痛みを感じにくい状態にする 専用の細い電極針を皮膚から神経の近くに挿入する レントゲン透視で針の位置を正確に確認する ラジオ波(高周波)を照射して過敏になった神経を焼灼する 処置が終わったら短時間安静にする それぞれについて解説します。 1:局所麻酔をして痛みを感じにくい状態にする リゾトミーの治療前に、レントゲンやMRIなどの画像検査で痛みの原因となる関節および神経を特定します。 治療する場所が特定できたら、皮膚の洗浄および滅菌処置を施し、局所麻酔を注射して痛みを感じにくい状態にします。 リゾトミーの治療は基本的に狭い範囲が対象で治療時間も短いため、身体に大きな負担がかかる全身麻酔は必要はありません。 局所麻酔の効果があらわれ、痛みを感じにくい状態になったらリゾトミーの治療に移ります。 2:専用の細い電極針を皮膚から神経の近くに挿入する 局所麻酔の効果があらわれたら、専用の細い電極針を皮膚から痛みの原因となる神経の近くに挿入します。 治療する部位によっては、電極針の挿入口を複数個あける必要があります。 挿入口には筒形の傷口ができますが、針の太さはボールペンや鉛筆より細いため、傷口の大きさは3ミリメートルから5ミリメートル程度です。 皮膚を切開する必要がなく傷口が小さいため、回復に要する時間が短い点がリゾトミーの特徴の一つです。 3:レントゲン透視で針の位置を正確に確認する 電極針を対象となる関節や神経の近くに挿入したら、レントゲン透視下でより正確な位置に電極針を移動します。 一部の施設では内視鏡下でリゾトミーの治療を実施するケースもありますが、日本国内で実施できる施設はまだ少ないです。 内視鏡下で治療を進めるとより確実に痛みの原因となる神経にアプローチできるため、今後、実施できる病院やクリニックが増えていくかもしれません。 腰椎椎間板ヘルニアに伴う経皮的内視鏡下椎間板切除術(PELD)では、内視鏡を用いるのが一般的です。 4:ラジオ波(高周波)を照射して過敏になった神経を焼灼する レントゲン透視で痛みの原因となる関節や神経の位置が特定出来たら、ラジオ波(高周波)を照射して、疼痛過敏症を引き起こす知覚神経を焼灼します。 治療に際しては局所麻酔剤を注入するため、強い痛みが生じるケースは多くありません。 痛みが強い場合や不快感が生じるケースでは、鎮痛剤を追加で投入して対処します。 ラジオ波の治療に伴う痛みは個人により差があるため、心配な方はカウンセリングの際に担当医に相談するのがおすすめです。 5:処置が終わったら短時間安静にする ラジオ波で痛みの原因となる神経を照射し終えたら、短時間の安静が必要です。 リゾトミーの治療は傷口が3ミリメートルから5ミリメートルと小さく、施術に要する時間も15分から30分と短いのが特徴です。 しかし、皮膚に傷口が生じることには変わりないため、手術後は1時間ほどの安静が求められます。 1時間ほど経過したら担当の医師により傷口の状態や症状の確認が行われ、問題がないと判断されれば歩いて帰宅できます。 リゾトミーの術後回復とリハビリ リゾトミーの治療後は1時間程度の安静が求められます。 手術自体は15分から30分と短く、電極針を挿入する際に生じる傷口も3ミリメートルから5ミリメートルと小さいため、入院する必要はありません。 1時間程度の安静の後に症状や身体の状態に問題がないと判断されれば、その日のうちに歩いて帰宅できます。 手術後、麻酔の効果が消失した際に症状が改善していれば、特別なリハビリテーションは必要ありません。 ただし、椎間関節の変形が腰への過度の負荷や不良姿勢に起因する場合は、身体の正しい使い方に関するリハビリテーションが求められるケースもあります。 リゾトミーのメリット・デメリット リゾトミーの主なメリットとデメリットは以下のとおりです。 メリット:痛み・こわばりの緩和が見込める デメリット:後遺症・合併症のリスクあり 次項でさらに詳しく解説します。 メリット|痛み・こわばりの緩和が見込める リゾトミーのメリットとしては、以下の4点が挙げられます。 難治性の慢性腰痛への効果が期待できる 体への負担が少ない 回復が早い 複数部位の同時治療が可能 リゾトミーのメリットの一つが、難治性の慢性腰痛への効果が期待できる点です。 椎間関節が変形すると疼痛過敏症の原因となる知覚神経の増加が起きますが、リゾトミーの治療で神経を焼灼すると痛みの緩和につながります。 保存療法では改善が見られない難治性の腰痛に対しても効果を発揮するため、どのような治療を受けても症状が良くならなかった方にもおすすめです。 手術に要する時間は15分から30分程度と短く、傷口も3ミリメートルから5ミリメートルと小さいため、体にかかる負担が少なく、切開しての手術に比べて回復が早い点もメリットの一つです。 椎間関節の変形が複数ある場合でも、局所麻酔で一度に治療できます。 デメリット|後遺症・合併症のリスクあり リゾトミーのデメリットとしては、以下の5点が挙げられます。 費用が高額 実施している医療機関が限られている 後遺症が出る可能性がある 神経が再生すると痛みが再発する可能性がある 患者の状況によっては適応できない リゾトミーのデメリットの一つが費用が高額で、実施している医療機関が限られている点です。 健康保険が適用されず自由診療のため、手術費がおよそ60万円~70万円と高額な点もリゾトミーのデメリットといえるでしょう。 手術の際に誤って神経を傷つけると、後遺症を発症する可能性があります。 血栓症や術後血種、細菌感染など、合併症の可能性がある点もリゾトミーのデメリットです。 神経の再生により痛みが再発する可能性がある上、患者の状況によってはそもそもリゾトミーが適応できない可能性もあります。 リゾトミーの弱点とは?これからの可能性について解説 リゾトミーは神経を変性させるため、効果は永続的と考えるかもしれません。 実際は、しっかりと焼き切れていないと神経が再生して痛みが繰り返し てしまうため、長期に効果が続くわけではありません。 しかし、新たな手法により、この弱点をカバーできるかもしれません。それはPELD(Percutaneous Endoscopic Lumbar Discectomy :経皮的内視鏡下腰椎椎間板摘出術)という最先端のヘルニア治療で使われる技術を応用した「内視鏡的リゾトミー」です。 PELDでは7mm程度のとても細い筒状の内視鏡を用いてヘルニアの手術を行います。この内視鏡を、リゾトミーで焼く神経を定めるのに使うのが、内視鏡的リゾトミーです。内視鏡で実際に神経を確かめるため、より確実な神経の焼灼ができます。 実際に海外の研究では、椎間関節の内視鏡的リゾトミーは、従来の透視下で実施する方法よりも効果がある期間が長かったという報告がされています。日本で内視鏡的リゾトミーを行なっている施設はまだ少ないのが現状ですが、今後普及すればより確実に腰痛を治療できるようになるでしょう。 リゾトミーの特徴を正しく理解して腰痛の治療法を選びましょう リゾトミーは痛みに対して過敏に反応する知覚神経を、高周波のラジオ波で焼灼する治療法です。 痛みのサインを脳に伝える知覚神経を焼灼するため、知覚過敏による腰痛や慢性難治性腰痛など、保存療法では改善が難しい腰痛に対して効果を発揮します。 実際の治療には鉛筆やボールペンよりも細い電極針を用いる上、傷口が3ミリメートルから5ミリメートルと小さいため身体にかかる負担が小さく、日帰りで手術が受けられる点もメリットの一つです。 リゾトミーの後遺症で神経障害を発症した場合は、再生医療で対処できる可能性があります。 腰部脊柱管狭窄症の手術後に生じたしびれや残尿感に対する再生医療の治療例については、以下の症例記事をご参照ください。 当院「リペアセルクリニック」の公式LINEでは、再生医療の情報提供と簡易オンライン診断を実施しております。 慢性腰痛にお悩みの方は、ぜひ一度公式LINEにご登録ください。 リゾトミーに関するよくある質問 リゾトミーを受ければ慢性腰痛は完治する? リゾトミーで慢性腰痛が完治するかどうかは、症状の原因や生活習慣によります。 痛みの原因となる知覚神経を焼灼するリゾトミーは、痛みの症状を和らげることを目的とした対症療法に分類される治療法です。 慢性腰痛の原因が普段の姿勢や日常的な身体の使い方にある場合、リゾトミーの治療で一時的に痛みが消失しても、時間が経過すると再び腰痛を発症する可能性があります。 リゾトミーで腰の痛みが緩和したら、身体の使い方や姿勢を見直し、慢性腰痛を根本的な解消へ導くことが大切です。 リゾトミーは何科で受けられる? 多くはペインクリニック専門医という痛みの緩和を行う医師が治療を担当します。また、一部の整形外科でも受け付けていることがあります。 リゾトミーだけでなく、「高周波熱凝固法」や「ラジオ波焼灼脱神経化」などさまざまな呼び名で紹介されているため、お探しの際にはご注意ください。 リゾトミーの費用は?保険は適用される? リゾトミーは健康保険が適用されず自由診療のため、費用は全額自己負担が原則です。 自由診療では病院やクリニックが価格を自由に設定できるため、医療機関により費用が異なります。 平均するとおよそ60万円〜70万円が相場ですが、詳細は各医療機関にお問い合わせください。 リゾトミーと似た治療法に、高周波熱凝固法があります。高周波熱凝固法のうち、高周波パルス法は保険適応の対象となる可能性があります。 ただし、パルス高周波で一カ月に治療できるのは一部位のみです。
2024.03.25 -
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慢性腰痛が治らない背景には、筋肉や神経、姿勢、生活習慣など複数の要因が関係している場合があります。 湿布や痛み止めの服用を続けても改善が見られないときは、痛みの根本原因を見極めましょう。加齢や姿勢の崩れだけでなく、内臓疾患が潜んでいるケースもあるため注意が必要です。 この記事では、慢性腰痛が治らない主な原因や年代別の特徴、生活習慣の見直しポイントなどを詳しく解説します。慢性腰痛に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。 慢性腰痛の術後後遺症に対しては、再生医療も治療選択肢の一つです。 慢性腰痛の術後後遺症のお悩みを今すぐ解消したい・再生医療に興味がある方は、当院「リペアセルクリニック」の電話相談までお問い合わせください。 慢性腰痛が治らないと不安な方へ最初に伝えたいこと 慢性的な腰痛が続くと、眠れない日が増えたり、仕事に集中できなかったりと、心身ともに大きな負担を感じるものです。「このまま治らなかったらどうしよう」と将来への不安を抱える方も少なくありません。 しかし、慢性腰痛の多くは深刻な疾患によるものではなく、姿勢のゆがみや筋肉の炎症、ストレスなどの要因が重なっていることがほとんどです。原因をきちんと把握して治療を行えば、痛みが軽減し日常生活を取り戻せる可能性があります。 正しい治療方針を立てれば、長く続く腰痛も改善が目指せます。まずは冷静に現状と向き合いましょう。 慢性腰痛が治らない原因は?代表的な6つの要因を紹介 慢性腰痛が治らない原因は一つではなく、筋肉や関節の炎症、神経の過敏など複数の要因が絡み合っています。ここでは代表的な6つの原因を解説します。 筋肉・関節の炎症が慢性化している 筋肉や関節の炎症が長期間続くと、慢性的な腰痛を引き起こす要因になります。 炎症が治まりきらない状態では、わずかな動きでも痛みが再発し、体をかばう姿勢がクセになりやすくなります。結果として血流の悪化や筋肉のこわばりが進み、痛みの悪循環に陥るケースも少なくありません。 湿布や一時的な鎮痛薬だけでは根本的な改善につながりにくいため、専門的な治療によって炎症そのもののコントロールが重要です。 神経が過敏になり痛みを感じやすくなっている 神経が過敏になると、わずかな刺激でも強い痛みを感じるようになります。 腰痛が長引くと神経系が痛みに敏感な状態を「記憶」し、実際には炎症が軽くなっていても痛みの信号が脳に伝わり続ける状態になるケースがあります。 ストレスや不安が痛みを強めている 慢性的なストレスや不安は、神経を過敏な状態にし、痛みの信号を強めてしまうことがあります。 精神的な負担は神経のはたらきにも影響を与えるため、痛みのコントロールが難しくなります。脳が痛みを「危険信号」として過剰に受け取り、実際よりも強く痛みを感じてしまうのが特徴です。 精神的な不調が続くと、抑うつ状態を引き起こし、痛みへの感受性がさらに高まるケースもあります。ストレス由来の腰痛を改善するには、体への治療だけでなく、心理的なケアを並行して行うことが欠かせません。 姿勢や体のゆがみが痛みにつながっている 姿勢の崩れや体のゆがみは、慢性腰痛を引き起こす大きな要因の一つです。長時間のデスクワークや立ち仕事によって姿勢がゆがむと、骨盤の位置がずれて腰周りに大きな負担がかかります。 骨格のバランスが崩れると神経が圧迫され、痛みを強く感じやすくなる場合があります。さらに筋肉の緊張や血流の悪化も進行し、腰痛が治りにくい状態に陥ることも少なくありません。 日常生活での姿勢を意識するだけでなく、ストレッチやリハビリを取り入れてゆがみを整えることが、痛みの改善につながる重要なポイントです。 内臓疾患やがんなどの病気から症状が出ている 腰痛が長引く場合、以下のような病気が痛みの裏に隠れていることがあります。 内臓疾患 がん・感染症 神経圧迫(椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症) 具体的には、消化器系では胃や十二指腸潰瘍、泌尿器系では尿路結石や腎結石、婦人科系では子宮内膜症や子宮がんなどです。(文献1) 加えて、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの神経圧迫も慢性腰痛の原因です。(文献2)長期間続く腰痛は軽視せず、医療機関での原因の特定が改善への近道となります。 別の病気・症状を治療してから後遺症が残っている 慢性腰痛が長引く背景には、過去の病気や症状の後遺症が深く関わることがあります。腰椎や関節の手術後、筋力低下や可動制限が残り、腰に負担がかかりやすくなります。 また、ぎっくり腰や骨折、スポーツや交通事故による怪我の後も、体のゆがみや姿勢の崩れから慢性的な痛みを生みやすいです。後遺症は痛みの出方や日常生活の動き方にも影響し、放置すると慢性化が進む可能性があります。 【年代別】慢性腰痛が治らない方によくある原因 年代ごとに慢性腰痛が治らない原因は異なり、生活習慣や体の変化が影響します。ここでは以下の世代別に代表的な要因を解説します。 20代~30代|運動不足や反り腰 30代~40代|加齢や長時間のデスクワーク 50代以降|骨の変形や筋力低下 20代~30代|運動不足や反り腰 20代~30代で慢性腰痛が治らない背景には、運動不足や反り腰といった若年層特有の要因があります。デスクワークやスマホの長時間使用で腰周囲の筋肉が十分に使われず、骨盤や腰椎に過度な負荷がかかりやすいです。 とくに反り腰は腰椎の前弯を強調し、軽い動作でも腰にストレスがかかるため、痛みが慢性化しやすくなります。このように、若年層であっても筋肉のアンバランスや姿勢の崩れによって慢性的な腰痛が生じるリスクはあります。 30代~40代|加齢や長時間のデスクワーク 30代~40代で慢性腰痛が治らない理由には、加齢に伴う体幹筋力の低下と、長時間のデスクワークや運転といった生活習慣が深く関係しています。 腹筋や背筋といった体幹のインナーマッスルが弱まることで、体重を支える腰椎や関節への負担が大幅に増加し、以前であれば感じなかったような少しの動作でも痛みを感じやすくなります。 さらに、同じ姿勢を長時間続けることで、腰周囲の筋肉が硬直し、組織の柔軟性が失われ血流が悪化することも慢性化の原因の一つです。筋力の低下と、日常的な姿勢の負荷が複合的に重なることで、腰痛が長期化しやすくなります。 50代以降|骨の変形や筋力低下 50代以降の慢性腰痛は、加齢に伴う骨の変形や、全体的な筋力低下が主な原因として挙げられます。50代以降になると、背骨のクッション材である椎間板の弾力性が大きく低下し、腰椎や周囲の関節にかかる負荷が若い頃よりも増えます。 そのため、立ち上がりや重い物の持ち上げなど軽い動作でも痛みを感じやすいです。さらに、背筋や腹筋といった体幹を支える深部の筋肉が衰えることで、腰を安定させる力が弱まり、猫背や反り腰などの姿勢の崩れや腰への負担増加が慢性化につながります。 女性に多い慢性腰痛の原因とその対処法 女性の慢性腰痛は、月経や更年期に伴うホルモンバランスの変化、冷え、骨盤のゆがみが複合的に関わって起こります。 ホルモンバランスの変化は、関節や靭帯の柔軟性、痛みの感じ方にまで影響を与えます。とくに、腰回りの冷えは血行を滞らせ、筋肉に疲労物質が溜まりやすくなるため、腰痛の慢性化を招きやすいです。 また、体型維持を目的とした極端な食事制限などの無理なダイエットは、筋肉量を低下させ、腰を支える力が弱まることで腰痛を悪化させます。 日常的な骨盤のゆがみに対処するには、ストレッチやインナーマッスルを鍛える運動を取り入れ、根本的な改善を目指すのが重要です。 慢性腰痛が治らないときに見直すべき生活習慣とは? 慢性腰痛が治らない場合、日常の生活習慣が症状を悪化させることがあります。以下の見直すべき代表的な生活習慣を紹介します。 長時間の座りっぱなし 睡眠不足 運動不足 長時間の座りっぱなし 長時間の座りっぱなしは、慢性腰痛を悪化させる要因の一つです。座っている姿勢は立っているときよりも腰椎に高い圧力がかかるため、とくにデスクワークや長距離運転などで同じ姿勢を続けると、腰回りの筋肉が常に緊張して硬直していきます。 筋肉の硬直は血流を極端に悪化させ、疲労物質の排出を妨げる結果を招きます。また、座りすぎは骨盤のゆがみを誘発し、体全体のバランスを崩す原因にもなるでしょう。 睡眠不足(痛みの回復の阻害) 睡眠不足は、体の組織が痛みを回復させるプロセスを阻害し、慢性腰痛の治りを遅らせる原因の一つです。就寝中は、日中に負担のかかった筋肉や靭帯が修復される大切な時間ですが、睡眠が不足すると組織の回復に必要な成長ホルモンの分泌が低下します。 さらに、慢性的な寝不足は脳を過敏にするため、少しの刺激でも強い痛みとして認識しやすくなります。 運動不足(筋力低下) 慢性腰痛が治らない原因として、体幹を支える筋力の低下を招く運動不足も挙げられます。 とくに、腰椎を支える腹筋群や背筋群といったインナーマッスルが衰えると、姿勢を維持する力が弱まり、腰椎や椎間板に過度な負担が集中しやすくなります。 筋力不足の状態は、骨盤のゆがみの原因にもなるでしょう。激しい運動は不要ですが、ウォーキングや軽度なストレッチ、体幹トレーニングなどを習慣化し、腰を支える土台となる筋力を維持・強化していくことが重要です。 慢性腰痛が治らないときは医療機関の選び方も大切 慢性的な腰の痛みが改善しない場合、原因に応じて適切な診療科を選ぶことが早期改善の鍵となります。 以下に症状の状況と、最初に検討すべき診療科の目安をまとめました。 状況 検討すべき診療科 役割 初期診療 整形外科 骨、関節、筋肉、神経の構造的な問題を総合的に診断する初期窓口 整形外科で改善しない ペインクリニック 神経ブロック注射や薬物療法など痛みの緩和治療に特化 強いストレスや不安が伴う 心療内科 痛みに伴う不安や不眠、心因性の影響を診断・治療 手術後の後遺症や根本的な組織修復を目指す 再生医療クリニック PRP療法や幹細胞治療など組織修復アプローチを検討 とくに慢性腰痛の場合、単なる骨や筋肉の問題だけでなく、心理的な要因が関わっていることもあります。そのため、整形外科だけでなく、ペインクリニックや心療内科など、症状に応じた専門的な治療が必要になる場合があります。 また、慢性腰痛の術後後遺症に対しては、再生医療も治療選択肢の一つです。 以下の記事では、腰椎ヘルニアの術後後遺症に対する再生医療の症例を紹介しています。ぜひ参考までにご覧ください。 慢性腰痛の術後後遺症のお悩みを今すぐ解消したい・再生医療に興味がある方は、当院「リペアセルクリニック」の電話相談までお問い合わせください。 慢性腰痛が治らないときにやってはいけないNG行動 慢性腰痛が治らないとき、自己流の誤った対処法は症状を悪化させるリスクが高まります。とくに以下の行動は避ける必要があります。 自己流で強いマッサージ・ストレッチを行う 痛みを無視して無理に動く 痛み止めに頼りすぎる 強いマッサージやストレッチは、炎症を起こしている組織をさらに傷つけ、かえって痛みを強めてしまいます。また、痛みを薬で一時的に抑えて無理に活動を続けると、症状を悪化させるリスクがあるため無理は禁物です。 痛みが長期化している場合は、自己判断を避け、必ず専門医に相談して適切な診断を受けましょう。 慢性腰痛が治らない場合は適切な医療機関で治療を受けましょう 長引く慢性腰痛を治すためには、自己判断を避け、適切な医療機関で根本原因に対する治療を受けることが重要です。 この記事で解説したように、腰痛には加齢や生活習慣、心理的要因、そして後遺症などさまざまな原因が潜んでいます。とくに、これまでの治療で改善が見られない方や、手術後の後遺症が疑われる場合は、従来の治療法にとらわれない選択肢の検討も必要です。 慢性腰痛の術後後遺症に対しては、再生医療も治療選択肢の一つです。 当院リペアセルクリニックでは再生医療を活用し、長引く腰痛や術後後遺症に向き合う治療を行っています。専門スタッフが症状を丁寧にヒアリングした上で、適切な治療プランを提案します。 腰痛に対する再生医療の治療例については、以下の症例記事をご覧ください。 慢性腰痛の術後後遺症のお悩みを今すぐ解消したい・再生医療に興味がある方は、当院「リペアセルクリニック」の電話相談まで、お気軽にお問い合わせください。 参考文献 (文献1) がん疼痛の分類・機序・症候群 |日本緩和医療学会 (文献2) 「治療と職業生活の両立等 の支援手法の開発」 のための事業 |厚生労働省
2024.03.22 -
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慢性腰痛とは、一般的に「12週間以上持続する腰痛」のことです。多くの場合、治療が効かずに慢性化してしまっており、痛みを一気に解決する方法はなかなか見つかりません。 しかし、腰痛によってあまり動けない状態が続くと、体幹や全身の機能が低下していきます。日常生活や仕事への影響が拡大する前に、何とか治したいと考える方は多いでしょう。 腰痛の治療は保存的療法が基本ですが、手術が有効なケースもあります。 この記事では、手術が有効な可能性がある腰痛の種類と、主な手術方法について解説します。また、手術以外の選択肢として再生医療についても紹介しますので、長引く腰痛に悩んでいる方はぜひ参考にしてください。 慢性腰痛の治し方として手術が有効かは症状による 慢性腰痛の治療には、手術以外にもさまざまな保存的治療があります。(文献1) 治療項目 詳細 運動療法 ・全身を鍛えることで腰が安定する ・腰の負担が軽くなる 薬物療法 内服薬や神経ブロック注射で痛みを軽減する 物理療法 マッサージや鍼治療、温熱療法、経皮的電気刺激(TENS)などで痛みの軽減を図る 腰痛教室 ・腰痛のメカニズムを知る ・動作上の注意点や腰痛体操といった予防策を学ぶ 認知行動療法・心理面のケア ・痛いから何もできない、といった思い込みを解消する ・ストレス対策、カウンセリングなど 症状によっては、運動療法と心理面のケアを組み合わせれば、手術と同等の効果があるともいわれます。(文献2)手術はあくまで選択肢の一つであることを知っておきましょう。 手術が有効な治療法となる慢性腰痛の原因・症状 手術が有効となりえるのは、神経が圧迫されて腰痛が生じている場合です。(文献2)病名としては以下が挙げられます。 椎間板ヘルニア 腰椎すべり症 腰椎分離症 変形性脊椎症 など こうした病気でも、最初は保存的治療により様子を見ます。しかし、痛みやしびれ、排泄障害などによって日常生活への支障が大きい場合は手術を検討します。 一方で、神経を圧迫する明らかな狭窄やすべり症を伴わない慢性腰痛の場合は、慎重な判断が必要です。少なくとも脊椎固定術については、効果は限定的とされており、積極的には行いません。(文献2) 慢性腰痛における手術での治療方法を紹介 ここでは慢性腰痛の治療で検討される代表的な手術方法を紹介します。 リゾトミー(高周波熱凝固法) 脊椎固定術 全内視鏡下脊椎手術 再生医療 手術以外の選択肢として再生医療についても解説するので、ぜひ参考にしてください。 リゾトミー(高周波熱凝固法) リゾトミーは神経ブロックの一種で、高周波の熱を使って痛みの原因となる神経を焼き切る治療法です。神経を完全に殺すわけではなく、数か月ほどで再生します。 局所麻酔薬による神経ブロックが効くけれど、長持ちせず困っている方に良い適応となります。とくに神経根の圧迫による痛みに対して効果があるとされています。 リゾトミーを行う手順は以下のとおりです。 手術台にうつ伏せになっていただき、対象となる腰椎の横突起関節(おうとっきかんせつ)の皮膚を洗浄・滅菌する 局所麻酔薬を注射し、皮膚とその下の組織の痛覚を抑える X線で確認しながら、腰椎へ特殊な針を挿入し、腰痛の原因と考えられる神経に針先を向ける 針に小さな電流を流して、筋肉のひきつれや痛みの誘発をテストし、正しい神経に届いていることを確認する 針を通して高周波エネルギーを送り、神経を加熱して焼き切る 針を抜き、挿入部位を包帯で覆う これでリゾトミー治療は終了です。しばらく経過観察した後、その日のうちに帰宅できます。 脊椎固定術 脊椎固定術とは、不安定になったり変形したりしている脊椎を固定する手術です。脊椎をボルトで固定し安定を図る方法(脊椎固定術)と、狭くなった背骨の間にスペーサーを挟んで整える方法(LIF:椎体間固定術)があります。 両者を併用する場合も多く、総称して脊椎固定術と呼ぶこともあります。 神経を圧迫している明らかな狭窄がある場合や、腰椎すべり症により背骨がずれている場合は、脊椎固定術の良い適応です。腰痛の原因が椎間板障害だとわかっている場合は、脊椎固定術で痛みが軽減する可能性があります。(文献3) 脊椎をボルトで固定する手術は、一般的に背中側から行います。狭くなった脊椎にスペーサーを挟む手術は、おなか側から手術する方法(ALIF)、背中側から手術する方法(PLIF・TLIF)、内視鏡を使って脇腹を経由する方法(LLIF)に大きく分けられます。(文献4) どの方法で手術する場合も、入院して全身麻酔で行うのが一般的です。 全内視鏡下脊椎手術 内視鏡だけで完結する脊椎の手術が、全内視鏡下脊椎手術です。腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症といった一部の慢性腰痛症に適用となります。飛び出している椎間板を切除する手術や、スペーサーを挟んで椎間を広げる手術などが、内視鏡だけで可能です。 内視鏡手術の利点として、傷が小さく痛みも少ない、筋肉や内臓を触ることによる合併症が起きにくい、といった体への負担の少なさが挙げられます。治療内容や病院の対応状況によっては、局所麻酔で手術可能な場合もあります。また、入院期間も短く済むのが一般的です。 なお、過去の手術により癒着が起きている恐れがある場合や、脊椎周辺の靱帯が全体的に硬くなっている場合など、内視鏡では対応できないケースもあります。ただし、たとえば背中からの手術歴がある方に、脇腹経由で再手術できるケースもありますので、主治医とよく相談してみてください。 再生医療 再生医療は手術ではありませんが、保存的治療とも異なります。さまざまな細胞に分化できる幹細胞の性質を活かした、体への負担がの少ない治療法です。入院の必要はなく、日帰りの処置と注射で治療が完結します。 再生医療は、慢性腰痛の手術をどうしても避けたい方や、事情があって手術を受けられない方でも行える可能性があります。また、手術を受けたけれど症状が変わらない方や、再発・悪化した方も検討可能です。 当院「リペアセルクリニック」での再生医療「幹細胞治療」の流れは以下のとおりです。 患者様の腹部から、米粒2~3粒程度の脂肪組織を採取する 脂肪組織から幹細胞を抽出し、約1カ月間培養する 増やした幹細胞を、点滴または脊髄腔内に直接注射して投与する 脊髄腔内への投与は注射により、傷ついた神経の近くに直接幹細胞を届けられます。 慢性腰痛の手術治療における費用目安・治るまでの期間 慢性腰痛の手術治療の費用感(自己負担額)と、およその入院期間をまとめました。症状や治療内容によって異なるため、あくまで目安とお考えください。 手術の種類 費用目安(検査や入院費用も含む) 入院期間 リゾトミー(高周波熱凝固法) ・保険診療:数千円 ・自由診療:約30~60万円 日帰り可能 脊椎固定術 約60〜85万円 7日~2週間 全内視鏡下脊椎手術 約25〜40万円 5日~7日 リゾトミーを保険で行うには条件があるため、自由診療で治療を行う医療機関もあります。 脊椎固定術では一般的に、術後3カ月ほどコルセットの着用が必要です。 どの手術においても、完全な痛みの軽減を実感するまでには個人差があり、数週間から数カ月かかることがあります。治療後は、手術を受けた医療機関へ定期的に通院し、必要なフォローアップを受けたり、リハビリテーションに取り組んだりしましょう。 慢性腰痛に対する各手術のリスク 慢性腰痛の手術にはリスクも伴います。先に紹介した手術の主なリスクについてまとめました。 手術の種類 主なリスク リゾトミー(高周波熱凝固法) ・感染 ・軽度の熱傷 ・迷走神経反射(血圧低下などの自律神経反応) 脊椎固定術 ・一時的な筋力低下や感覚障害(手術中に筋肉に触った場合) ・腎臓、尿管、大腸などの損傷や、動静脈損傷 ・下肢麻痺、下肢知覚鈍麻、排尿排便障害 ・硬膜の損傷、脳脊髄液の漏出 ・髄膜炎 全内視鏡下脊椎手術 ・一時的な筋力低下や感覚障害(手術中に筋肉に触った場合) ・下肢麻痺、下肢知覚鈍麻、排尿排便障害 ・硬膜の損傷、脳脊髄液の漏出 ・髄膜炎 リゾトミーは、重い合併症の発現率が0.92%と低く、安全性が高い手術とされています。(文献2) 脊椎固定術と全内視鏡下脊椎手術は、どちらも手術操作に伴う合併症のリスクがあります。長時間にわたり同じ姿勢で手術を受けるため、下になっていた皮膚の損傷や、皮膚の神経麻痺が起きる可能性もゼロではありません。 まとめ|慢性腰痛の治療で手術が有効か気になる場合は専門医へ相談 慢性腰痛の原因が、椎間板ヘルニアや腰椎すべり症などによる神経への圧迫の場合、手術が有効なケースがあります。しかし、手術には多額の費用がかかるほか、さまざまな合併症のリスクも伴います。 慢性腰痛の治療方法は手術だけではありません。運動療法や薬物療法、心理療法といった保存的治療や、再生医療も選択肢となります。慢性腰痛に悩んでいれば、医療機関へ相談しましょう。どの治療が適しているか、医師としっかり相談して治療していくのが大切です。 また、手術をどうしても避けたい方や、手術の結果が思わしくない方は、再生医療が力になれるかもしれません。慢性腰痛の再生医療に興味のある方は、当院へお気軽にご相談ください。 \まずは当院にお問い合わせください/ 参考文献 (文献1) 村田淳ほか.「慢性腰痛の疼痛管理─リハビリテーションの視点で」『日本腰痛会誌』10(1), pp.23-26, 2004年 https://www.jstage.jst.go.jp/article/yotsu/10/1/10_1_23/_pdf(最終アクセス:2025年4月19日) (文献2) 真興交易(株)医書出版部「慢性疼痛診療ガイドライン」2021年 https://www.jhsnet.net/pdf/totsu_guideline_jp.pdf(最終アクセス:2025年4月19日) (文献3) 一般社団法人 日本腰痛学会「腰痛に関する手術治療」日本腰痛学会ホームページ https://www.jslsd.jp/medical/surgical-treatment/(最終アクセス:2025年4月19日) (文献4) 上田茂雄ほか.「側方経路椎体間固定術のメカニズム─手術適応と合併症の回避」『脊髄外科』32(2), pp.143-150, 2018年 https://www.jstage.jst.go.jp/article/spinalsurg/32/2/32_143/_pdf(最終アクセス:2025年4月19日)
2024.03.19 -
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この記事を読んでいる方は「椎間板ヘルニアのPLDD手術で失敗したらどうなるのだろう」と不安になっているのではないでしょうか。 椎間板ヘルニアのPLDD手術は、メスを使わないため出血が少なく、全身麻酔の必要もないため、患者さんの負担の少なさが特徴です。しかし、適応できるヘルニアは限られ、自分の状態に合うかをよく見極める必要があります。 本記事では、椎間板ヘルニアのPLDD手術について、失敗と言われる例や失敗を防ぐポイント、失敗した際の対処法などを詳しく解説します。記事を最後まで読めばPLDD手術の注意点がわかり、より失敗の少ない施術を検討できるでしょう。 【効果なし?】ヘルニアのPLDDが失敗だったと言われる3つの例 椎間板ヘルニアは、背骨の間にある椎間板が飛び出して神経を圧迫し、痛みやしびれを引き起こす病気です。その治療法として、経皮的レーザー椎間板減圧術(PLDD:Percutaneous Laser Disc Decompression)が注目を集めています。 しかし、PLDDはすべての患者さんにとって最適な治療法とは限りません。 「ヘルニアのPLDDが失敗だった」と言われる主な例は以下の3つです。 十分な効果が得られずに痛みが続く 合併症や後遺症が起こる ヘルニアが再発する 本章の内容をもとに、PLDDが失敗だったと言われる例を確認しておきましょう。 なお、PLDD手術の詳細は、以下の記事で詳しく説明しています。 十分な効果が得られずに痛みが続く もともと効果が期待できない人が手術を受けた場合、術後も痛みが続いて「PLDDに失敗した」と思う可能性があります。 PLDDは、局所麻酔で1ミリmm程の穴から針を挿入し、レーザーを椎間板中心部に照射します。髄核を一部蒸発させて内圧を下げることで、神経を圧迫していたヘルニアが引き戻され、腰痛やしびれが改善する手術です。 適するヘルニアの大きさや症状には限りがあり、残念ながら他の手術法の方が良い方におこなわれて「効果がなかった」となるケースもあります。 PLDDが適するヘルニアの種類については、記事の後半で説明します。 合併症や後遺症が起こる PLDDはリスクが少ないと言われていますが、以下のような合併症が起こるケースもあります。 手術後の感染 レーザーの影響による骨壊死 レーザーの誤照射や針による損傷 どんな手術にもリスクは存在します。メリットだけでなくデメリット・リスクなども事前によく確認するようにしましょう。 ヘルニアが再発する 手術後に痛みが改善しても、その後ヘルニアが再発して「PLDDは失敗だった」と思うケースも考えられます。 PLDDの治療成功率は約70%で比較的高い傾向ですが、約5%の確率で再発するといわれています。(文献1) ただしPLDD以外の手術であっても、手術後の再発リスクはゼロではないことが多いでしょう。 手術を受ける前に再発リスクについて確認し、PLDDを受けるべきか検討することが大切です。 当院「リペアセルクリニック」では、椎間板ヘルニアのPLDDにおける後遺症の治療に再生医療(幹細胞治療)をおこなっています。従来の点滴による投与方法のほかに、より神経の再生にアプローチしやすい「脊髄腔内ダイレクト注射」も選択可能です。 ご質問やご相談は、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」から気軽にお問い合わせください。 ヘルニアのPLDD手術で失敗しないためのポイント3選 リスクが少ないといえども、PLDD法が失敗する可能性はあります。治療を後悔しないために大切な内容は、以下のとおりです。 自分のヘルニアにPLDD手術が適しているかチェックする 費用や期待できる効果を事前に確認する 手術後の注意点を守る 本章の内容をもとに、PLDDの失敗を防ぐための知識を身に着けておきましょう。 自分のヘルニアにPLDD手術が適しているかチェックする 椎間板ヘルニアには、PLDDが適するものと適さないものがあります。 ここからの内容をもとに、自分のヘルニアが、PLDDに適しているかどうかを確認しましょう。 症状が似ている「脊柱管狭窄症」とヘルニアの見分け方については、以下の記事をごらんください。 PLDDが適している可能性が高いケース 椎間板ヘルニアに対してPLDDが適する可能性が高いケースは、以下のとおりです。(文献2) 内容 詳細 神経根の圧迫による症状である 以下の典型的な症状がある: 下肢への放散痛(坐骨神経痛) 腕への放散痛など 画像診断でヘルニアが確認され、症状と一致する 椎間板の突出が神経根を圧迫しているのが明確である とくに椎間板が全体的に膨らんだような形になっているヘルニア(膨隆型:ぼうりゅうがた)は良い適応 保存的治療(薬物療法、物理療法など)で十分な改善が見られない 数週間から数カ月の保存的治療後に効果が不十分な場合、PLDDを検討することがある 医師の説明を良く聞き、相談した上で手術を受けるか検討するようにしましょう。 腰椎椎間板ヘルニアについては、以下の記事で詳しく解説しています。 PLDDが適していない可能性が高いケース PLDDが適さない可能性が高いケースは、以下のとおりです。 内容 理由・解説 椎間板の破裂や大きな脱出がある PLDDは椎間板の小さな突出に対して効果的だが、大きな脱出や破裂には適さないため 重度の椎間板狭窄や脊椎管狭窄がある PLDDによる改善が難しく、他の手術的治療が必要な可能性があるため 椎間板感染症や腫瘍がある PLDDの適応外であるため 椎間板以外の原因による症状がある 椎間板ヘルニア以外の原因で症状が出ている場合は、PLDDが適さないため 例) 筋肉の緊張 関節の問題など PLDDの適応は状態や症状によって異なるため、専門医による詳細な診断と評価が欠かせません。他の治療方法との比較検討も含めて、専門医と十分に相談しましょう。 PLDD以外の手術法については、以下の記事で詳しく説明しています。 費用や期待できる効果を事前に確認する PLDD手術を受ける前は、以下の4点を確認しておきましょう。 費用 期待できる効果 副作用 治療後の経過観察やリハビリの必要性 痛みがつらいときは、「早く痛みを取り除きたい」という一心で手術を決断しがちです。しかし、手術後のトラブルや失敗を減らすには、費用や副作用、術後のケアなども事前に確認すべきです。 気になる点は必ず質問し、疑問を残さないようにしましょう。 PLDDの費用については、以下の記事で解説しています。 手術後の注意点を守る PLDDは、身体に与える負担が小さい治療です。しかし、治療後には以下のような注意点を守る必要があります。 術後は安静にし、医師の指示に従って徐々に活動を再開する 痛みやしびれが再発した場合は、早めに医師に相談する 定期的な通院やリハビリなどのフォローアップを受け、症状の変化に注意する 手術後の不十分なケアによる再発防止にも、注意点は大切な役割を果たします。 PLDDの有効性や手術後の痛みについては、以下の記事も参考にしてみてください。 ヘルニアのPLDDで失敗したら再生医療を検討しよう PLDDは、ヘルニアによる短期的な痛みの軽減に有効であると考えられます。しかし、変性した椎間板そのものの修復はできません。 PLDDの他に、椎間板ヘルニアに対する治療選択肢としては、再生医療があります。 再生医療の一つである「幹細胞治療」は、身体から採取した幹細胞を培養して投与する治療法です。椎間板ヘルニアによる神経損傷や変性した椎間板に対する治療として実施されています。 また、PLDDと再生医療を組み合わせることで、椎間板ヘルニアの痛みの軽減と椎間板の修復・再生の両方を目指すアプローチとなる可能性があります。。 ただし、再生医療は治療費が高額になる可能性があるため、費用と効果のバランスを考慮する必要があります。 まとめ|ヘルニアのPLDDで失敗しないためのポイントを知っておこう PLDDは、椎間板ヘルニアの治療に有効な選択肢ですが、すべての患者さんに適するわけではありません。 治療を受ける前には、自分の状態がPLDDに適するかを理解し、医師と十分に相談することが重要です。また、治療後の適切なケアとフォローアップも欠かせません。 患者さんご自身が積極的に情報を収集し、自分に適した治療法を選択することが、後悔しないための鍵となるでしょう。 当院「リペアセルクリニック」では、ヘルニアにおけるPLDDの失敗や後遺症に関して再生医療(幹細胞治療)を提供しています。 もし術後の後遺症にお困りであれば、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」にご相談ください。 PLDDのヘルニア手術の失敗が気になる人によくある質問 PLDDを失敗しない名医を探す方法はありますか? どんな手術にもリスクはあります。 そのため、「絶対失敗しない名医」ではなく、「自分が信頼できる医師」を探す方が現実的ではないでしょうか。 医療機関を探す際は、以下のポイントを確認しましょう。 病院や医師の実績 納得できる説明がされたか なお、PLDDは自由診療のため、金額をはじめとする詳細は医療機関によって異なります。他の手術方法も念頭に置き、自分に合う治療法・医師を探してみてください。 PLDDが失敗する確率はどのくらいですか? 文献によってばらつきがありますが、PLDDが有効な症例に対して行った場合の成功率は75~89%というデータがあるため、失敗する確率は11~25%程度とわかります。(文献3) しかし、効果がなく、失敗する確率が高いヘルニアの人にPLDDがおこなわれる可能性を考えると、正確な失敗率は何とも言えません。 自分の症例にどの程度の確率でPLDDの効果が期待できるかは、医師へ確認してみるのが良いでしょう。 当院「リペアセルクリニック」では、PLDD手術の失敗例や後遺症に対して再生医療(幹細胞治療)をおこなっています。相談は無料で受け付けておりますので、「メール」もしくは「オンラインカウンセリング」まで気軽にご相談ください。 参考文献 (文献1) 石井克典ほか,椎間板ヘルニア髄核組織の光学特性の算出と経皮的レーザー椎間板減圧術の最適波長に関する一考察.2010;31(2):152-157 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jslsm/31/2/31_2_152/_pdf(最終アクセス:2025年2月25日) (文献2) 中溝 寛之ほかレーザーによる経皮的椎間板減圧術 (PLDD法) の経験.中四整会誌.1997;10 (2): 229-233. https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcsoa1989/10/2/10_2_229/_pdf/-char/ja(最終アクセス:2025年2月17日) (文献3) Hellinger J. ,Technical aspects of percutaneous laser disc decompression (PLDD),Lasers in Surgery and Medicine, 1999.Dec;16(6):325-31. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/10204439/(最終アクセス:2025年2月17日)
2024.03.15






